JP6858673B2 - 吸音材取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、その内部に空気などの気体を流通させる通気経路に吸音材を取付ける吸音材取付構造に関する。特に通気経路の一部を構成する部材の内周面に吸音材を固定して、通気経路内を伝播する騒音の低減を図った吸音材取付構造に関する。
内燃機関への空気の供給や、空冷装置、エアコン装置などにおける送風など、多様な分野において、ダクト部材などで通気経路を構成し、通気経路を通じて空気を送ることが行われている。これら通気経路は、近年では、自動車の内燃機関の吸気系に使用されるばかりでなく、燃料電池自動車や電気自動車などに備えられた2次電池(蓄電池)を冷却するための冷却風送風システムに使用されたりもして、広く活用されている。こうした通気経路は、騒音の伝達経路となることも多いため、これら通気経路の構成においては、空気流路を形成するダクトや、拡径されたチャンバー部分の内面に、繊維集合体や合成樹脂発泡材(いわゆるスポンジ)などからなる吸音材を取り付けて、いわゆる吸音ダクトとして構成し、通気経路内を伝播する騒音の音響エネルギーを吸収させて、比較的幅広い周波数領域に亘って騒音低減を図ることが行われている。
そのような吸音ダクトにおいて、通気経路の内周面に吸音材を取付ける構造としては種々のものが知られている。例えば、特許文献1には、吸音材をダクトの内面に貼付したものが記載されており、特許文献2には、樋状のダクト部材を対向させて結合することによりダクトを形成し、一方のダクト部材に配置した吸音材を、他方のダクト部材に一体的に形成されダクト軸方向に平行な押え板(リブ)の先端で押圧固定して吸音ダクトを構成する吸音材取付構造が記載されている。その他、吸音材をダクト内に固定する構造としては、接着剤や両面テープを使用した構造、吸音材を所定の空間に充填した構造や、ピン部材や爪部材を利用してこれら部材に吸音材を係止させて取付ける構造などが知られている。例えば特許文献3には、カバー部材に立設されたボスに吸音材を貫通させて、ボス先端をかしめて吸音材を固定することが開示されている。
特開平11−117761号公報 特開平09−49417号公報 実開全文平02−85863号
通気経路内部に吸音材を取付けるには、通気経路内部の空気の流れを妨げないよう、気流によって吸音材がずれたりめくれあがったりしないようにする必要がある。そのため、吸音材を固定するピンや爪が数多く必要となって、吸音材の取付作業が煩雑なものとなる傾向があった。特に、特許文献3に開示されたようなかしめを利用した取付構造は、吸音材の取付工程において、吸音材を配置したのちに、機械的手段や超音波溶着機などによりかしめを行う工程を伴うため、吸音材の取付作業が煩雑となりやすい。
また、ワッシャーなどの皿状部材や板状部材をかしめ部に用いる必要があるので、吸音材が露出する表面積が減ってしまい、消音効果が不十分になることがある。
また、粘着剤や接着剤などを利用して吸音材を取付けようとすれば、特に大型の吸音材を通気経路内部の凹所に沿って取付ける場合などに、吸音材にしわが発生したり、吸音材の取付位置の調整ができなくなったりして、その取付作業が困難となることも多かった。
したがって、本発明の目的は、従来公知の吸音材固定構造とは別の固定構造を用いて、吸音材の取付状態を適切に維持可能でありながら、吸音材の取付作業が簡単な、吸音材取付構造を提供することにある。
発明者らは、吸音材として樹脂発泡材(例えばウレタンスポンジ)からなる略平板状の弾力性を有する吸音材を、通気経路を構成する部材に係止固定する検討を行い、検討の中で、図9にその概略を示すように、スポンジ吸音材4の周縁部を、通気経路構成部材9に一体成形された爪部材91で係止して吸音材を固定する吸音材固定構造の検討を行った。この吸音材取付構造によれば、吸音材の弾力性を利用して爪部材91に吸音材周縁部を引っ掛けるだけで取付が完了し、吸音材の取付が簡単となる。
しかしながら、更なる検討を行う中で、図9のような吸音材取付構造を気流に直接さらされる部位に適用すると、気流の流速によっては、爪部材91による係止が外れて、吸音材がはがれるおそれがある事がわかった。そして、発明者らは、吸音材が外れる原因が、吸音材取付面に対し垂直な方向(面直方向)の係止強度が不足していることにあるのではなく、爪部材の近くで、気流等により吸音材が吸音材取付面に対し水平方向(面内方向)にずれて、爪部材の係止が不十分となることにあることをつきとめた。
そして、発明者らは、吸音材が爪部材によって押圧されるように構成すると共に、特定の穴を設けて、吸音材が押圧される部分で、吸音材の一部が穴に入り込むようにすれば、吸音材の取付面に沿う方向の動きを規制できて、吸音材取付の確実性を高められることを知見して本発明を完成させた。
本発明は、通気経路の一部を構成する部材の内周面に設けられた取付領域に、弾力性を有する樹脂発泡材からなる平板状の吸音材を取付けた吸音材取付構造であって、吸音材の周縁には係止爪が設けられており、係止爪が吸音材を取付領域面直方向に押圧するように、係止爪が吸音材周縁に係止すると共に、前記取付領域には、取付領域面直方向に沿って見た際に、係止爪と略合致する形状の穴が設けられており、係止爪によって押圧された部分で、吸音材の一部が前記穴に入り込んでいる吸音材取付構造である(第1発明)。
また、本発明は、通気経路の一部を構成する部材の内周面に設けられた取付領域に、弾力性を有する樹脂発泡材からなる平板状の吸音材を取付けた吸音材取付構造であって、吸音材の周縁には係止爪が設けられており、係止爪が吸音材を取付領域面直方向に押圧するように、係止爪が吸音材周縁に係止すると共に、前記係止爪には、係止爪の根元側部分に穴が設けられており、係止爪によって押圧された部分で、吸音材の一部が前記穴に入り込んでいる吸音材取付構造である(第2発明)。
第1発明もしくは第2発明において、好ましくは、吸音材には、前記穴に入り込む部分に切込みが入れられている(第3発明)。また、第1発明ないし第3発明において、好ましくは、穴が貫通穴である(第4発明)。
本発明の吸音材取付構造(第1発明、第2発明)によれば、吸音材の弾力性を利用して係止爪に吸音材を引っ掛けるようにして吸音材が固定でき、吸音材の取付作業が簡単である。
そして、吸音材の一部が穴に入り込んでいるので、気流が吹き付けても、係止爪から吸音材周縁部が引き出されるのが阻止されて、係止爪による保持力を維持できるので、通気環境におかれた吸音材の取付状態を適切に維持できる。
さらに、第3発明のようにされた場合には、吸音材の取付状態がより確実に維持される。また、第4発明のようにされた場合には、吸音材の組み付け状態を通気部材や爪の外部から確認することができ、吸音材の取り付け不良が発見しやすくなるので、吸音材の取り付けをより確実なものにできる。
第1実施形態の吸音材取付構造が適用された吸音ダクトの分解斜視図である。 第1実施形態におけるロワケースと吸音材の形状を示す斜視図である。 第1実施形態における吸音材とロワケースのX−X断面図である。 第1実施形態における吸音材とロワケースのY−Y断面図である。 第1実施形態におけるロワケースを取付領域の面直方向から見た図である。 第1実施形態における係止爪の他の形状例を示す図である。 吸音材に切込みが設けられた実施形態の例を示す図である。 切込みを有する吸音材がロワケースに組み付けられる状態を示す図である。 従来技術による吸音材取付構造の例を示す図である。 従来技術において吸音材が変形して外れやすくなった状況を示す図である。 吸音材に切込みが設けられた実施形態の他の例を示す図である。 第2実施形態におけるロワケースの係止爪と穴の形状を示す図である。 第3実施形態におけるロワケースの係止爪と穴の形状を示す図である。
以下図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。なお本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。図1ないし図5には、ハイブリッド自動車の二次電池を空冷するための冷却風の送風に使用される送風ダクトに本発明の吸音材取付構造を適用した吸音ダクトの例を示す。
図1には、吸音ダクトの全体構成を分解斜視図で示し、図2には、ダクトロワケース単体と吸音材の斜視図を示している。そして、図3は、吸音材が配設された部分の、ダクトの軸方向に沿った平面における断面図(X−X断面図)、図4は、吸音材が配設された部分の、ダクトの軸方向と直交する平面における断面図(Y−Y断面図)である。図5は、ロワケースを吸音材取付面の面直方向から見た図である。
吸音ダクト1はダクト経路に沿って半割れ状にされたアッパケース2とロワケース3という2つのケース部材が一体に組み立てられて構成され、その内部空間が中空の冷却風通気経路とされている。図1には、アッパケース2とロワケース3とが一体化される前の状態の分解図として示している。上記二次電池空冷システムにおいて、吸音ダクト1は、その前後に空気取り入れ口や送風ファン、バッテリーケースや他のダクト部材などが接続されて、一連の通気経路の一部として使用される。
アッパケース2やロワケース3は、熱可塑性合成樹脂(本実施形態ではポリプロピレン樹脂)の射出成形などにより成形された樹脂成形品であって、互いの側縁部同士を、接着、溶着あるいは係合などの手段によって結合して、吸音ダクト1が形成される。本実施形態においては、アッパケース2およびロワケース3は、共に断面略Uの字の樋状に形成されている。本実施形態においては、アッパケース2もロワケース3も互いにほぼ対称な形状に形成され、ともに、その内部に吸音材4が取付けられているので、以下の説明では、ロワケースへの吸音材の取付構造を中心に説明する。
図2に示すように、ロワケース3はその両端部30および全体がダクトの通気経路を画成する樋状の形状に形成されると共に、ロワケース3のダクト中央部には、その周壁(下面側の周壁)がダクト下側に向かって張り出すように設けられた膨出部31が形成されている。そして、膨出部31の内側に吸音材4が取付けられる。即ち、本実施形態においては、膨出部31のダクト下側の内周面31aが、吸音材4が取付けられるべき取付領域Sとされている。
吸音材4が取付けられる部分について詳述する。本実施形態においては、吸音材4が取付けられるべき取付領域Sは、膨出部31の下側の内周面31aであり、膨出部の底面に相当し、略平板状の取付面とされている。そして、本実施形態では、取付領域Sは、矩形状の形状になっている。膨出部31の深さ(ダクト端部30と比べたダクト下側への張り出し量)は、吸音材4の厚みと同じ程度の寸法とされており、吸音材4が取り付けられた状態で、ロワケース両端部30の内周面と吸音材4の表面とがほぼ平滑に接続されるようになっている。
取付領域Sに取付けられる吸音材4は、樹脂発泡材(発泡ウレタンスポンジなど)などからなる、弾力性を有する吸音材であり、無負荷状態で略平板状となるように形成されている。吸音材4は、取付領域Sにほぼ合致する形状で平板状に形成されて、吸音材4によって膨出部31が埋められるように、取付領域Sに取り付けられている。本実施形態においては、吸音材4は、通気経路の側から見て、矩形状であるが、吸音材4の形状は矩形状に限定されない。
吸音材4の固定は、以下のように行われている。
ロワケース3の膨出部31の周縁のコーナー部や辺、すなわち、取付領域Sの周縁に、係止爪32,32が設けられている。本実施形態においては、係止爪32,32は、矩形状の取付領域Sのコーナー部の他に、矩形状の取付領域Sがケース両端部30に面する側の辺のほぼ中央にも、係止爪32,32が配置されている。これら係止爪32は、ケース両端部30の底面とほぼ同じ高さで、吸音材周縁から吸音材の内側に向かう方向に、取付面31aとほぼ平行に延在する形状で設けられており、係止爪32と取付面31aの間の空間に吸音材4の周縁部が配置されて、吸音材4が係止爪32と取付面31aの間に挟持されるように係止されることによって、係止爪32により、吸音材4の周縁部が取付領域Sに対して面直方向に保持される。この時、係止爪32と取付面31aとによる吸音材4の挟持は、吸音材が両者の間でやや圧縮気味となるよう挟持される。即ち、係止爪32,32が吸音材4を取付領域Sの面直方向に押圧するように、係止爪32が吸音材4の周縁に係止する。
さらに、ロワケース3には、膨出部31の下面に、穴34,34が設けられている。穴34,34は、膨出部31の取付領域Sの周縁に設けられており、図5に示すように、取付領域面直方向に沿って見た際に、係止爪32,32と略合致する形状に設けられている。本実施形態においては、係止爪32,32のそれぞれに対応して、矩形状の穴34,34が、膨出部31の下面を貫通するように設けられている。穴34,34は、ケースの内側から見て穴であるように設けられれば良く、貫通穴であっても良いし、有底穴であってもよい。
吸音材4がロワケース3の取付領域Sに取り付けられた状態で、図3および図4に断面を示すように、係止爪32,32のよって、取付領域の面直方向に押圧された吸音材4は、吸音材の弾力性によって、係止爪32,32によって押圧された部分で、吸音材の一部が穴34,34に入り込んだ状態となっている。
上記実施形態のように、係止爪32と穴34の組み合わせによって吸音材4の周縁が固定される構造は、ダクト上流側の端部30と膨出部31の間の辺(コーナー部を含む)や、ダクト流れに沿って配置される辺(コーナー部を含む)に適用されることが、好ましい。
ロワケース3への吸音材4の取付け作業は、吸音材の弾力性を利用して行うことができる。すなわち、射出成形などの手段によって形成されたロワケース3及び係止爪32,32や穴34,34に対して、所定の形状及び寸法に形成された吸音材4を、膨出部31の内部即ち取付領域S上に配置し、吸音材を圧縮するように弾性変形させながら、吸音材4の周縁を係止爪32,32の下側に押し込んで引っ掛けるようにして係止させることにより、吸音材4の取付が完了する。必要があれば、他の部位に設けられた係止爪部材やピン部材、粘着テープなどといった他の取付部材を併用することも可能である。吸音材が大型である場合には特に、吸音材の中央部にこれら他の取付部材を設けることが好ましい。
吸音材の取付けが完了すると、吸音材4の弾力性による復元力によって、吸音材4は膨出部31を埋めるような形状に戻り、吸音材4がロワケース膨出部31内部に取付けられ、固定される。この時、係止爪32の下側に押し込まれた吸音材4の周縁では、係止爪32によって押圧された部分で、吸音材4の一部が穴34,34に入り込んだ状態となる。(図3、図4)
吸音材4を構成する樹脂発泡材としては、例えば、連続気泡構造を有するポリウレタン系発泡材が使用できる。その他の好ましい吸音材としては、ポリオレフィン系発泡材(ポリエチレン発泡材、発泡エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル系発泡材などの合成樹脂発泡材が例示できる。
樹脂発泡材の気泡構造は、独立気泡構造、連続気泡構造、両者を組み合わせた構造のいずれであってもよいが、吸音性を向上できる点から、少なくとも連続気泡を含む構造が好ましい。また、製造された樹脂発泡材の表面にスキン層がある場合には、スキン層を除去して使用することが好ましい。連続気泡の割合は、全気泡中60〜100%(例えば、65〜99.9%)、好ましくは70〜99%程度である。
また、吸音材の密度は、10〜100kg/m程度の範囲から選択でき、例えば、消音性を向上するためには、15〜70kg/m、好ましくは18〜48kg/m、さらに好ましくは20〜46kg/m程度である。吸音材の通気度(JIS K6400−7 A法に準拠した方法)は0.05〜5dm/秒程度の範囲から選択でき、例えば、消音性が向上するためには、0.07〜2dm/秒、好ましくは0.1〜1.4dm/秒、さらに好ましくは0.2〜1.3dm/秒(特に0.3〜1.2dm/秒)程度であってもよい。
吸音材の弾力性の程度は以下のとおりである。なお、弾力性の程度は、JIS K6400に準拠する硬さ測定試験による値で示し、具体的には、大きさ380mm×380mm厚み50mmの試験片を、5N荷重時の厚みを元厚として、75%圧縮後、再度、元厚の25%まで圧縮し、20秒後の荷重(N)を測定することにより行う。本発明に使用する吸音材として好ましい弾力性の程度は、上記硬さで、30〜500Nであり、好ましくは50〜350Nであり、より好ましくは70〜260Nである。硬さが小さすぎれば吸音材の保持力が不足しがちになり、硬さが大きすぎれば吸音材4をロワケースの膨出部31に収容し、係止爪32により固定する作業が難しくなる。
吸音材の厚みや大きさは、消音性能とレイアウトスペースの関係で決定すればよいが、代表的な実施形態における吸音材の好ましい厚みtは3mm〜100mm、より好ましくは、5mm〜30mm程度であり、長さや幅は、好ましくは30〜500mm、より好ましくは50〜300mm程度である。
本発明の上記実施形態が有する作用効果について説明する。
上記実施形態によれば、取付領域Sの面直方向に吸音材4を押圧する係止爪32に、吸音材4の周縁を係止することにより、取付領域に対して、吸音材4を簡単に取付固定できる。即ち、粘着剤や接着剤を用いる箇所を減らし、吸音材の弾力性を利用して、吸音材の取付作業を行うことができ、その作業が簡単である。そして、取付作業が煩雑となる原因であった、接着剤や粘着材の使用や、ピン部材のかしめ工程が必要になる箇所を減らすことができ、吸音材取付工程の工程簡易化に効果的である。
そして、上記実施形態の取付構造によれば、係止爪32と穴34が設けられた部位に、吸音材周縁が押圧された状態で係止されて、吸音材4の一部が穴34に入り込んでいることにより、係止爪32から吸音材周縁部が引き出されにくくなり、係止爪32による保持力を維持できるので、通気環境におかれた吸音材の取付状態を適切に維持できる。
すなわち、上記実施形態の吸音材取付構造においては、仮に、ダクト内部を流れる気流の影響により、図10のように吸音材が引き出されそうになろうとしても、吸音材4の一部が穴34に入り込んでいることにより、吸音材4の周縁が、取付領域Sの面内方向にずれにくくなって、係止爪32から吸音材4の周縁部が引き出されることが未然に防止され、係止爪32の係止が不十分となることが未然防止される。従って、ダクト内部の気流の影響を受けにくくなり、係止爪による吸音材の取付状態を確実に維持できる。
吸音材4の取付けをより確実なものにするとの観点からは、上記実施形態の吸音材取付構造の係止爪32や穴34は、ダクト上流側の端部30と膨出部31の間の辺や、ダクト流れに沿って配置される辺に適用されることが好ましい。これら部位では、気流によって吸音材4の周縁部が引き出されやすいからである。
また、係止爪32に対して設けられる穴34は、貫通穴であることが好ましい。穴34が貫通穴であると、穴34を通じて、吸音材4の組み付け状態を外部から確認することができ、吸音材の取り付け不良が発見しやすくなるので、吸音材4の取り付けをより確実なものにできる。
また、係止爪32による吸音材の係止効果をより確実なものとするためには、係止爪32が吸音材表面と接触する部分に、突起、突起列、凸条、鋸歯状突起、返し形状等のような、吸音材4と係止爪32とのずれを防止する形状を追加して設けることが好ましく、そのような係止爪形状の例を図6に示す。図6には、係止爪部分のみを拡大して示しており、ロワケース部材はカットした一部分のみを示している。
図6に示す係止爪の例においては、係止爪本体部32aの下側、即ち、吸音材と直接対向する側の面には、凸条32bが設けられており、凸条32bは、その断面が吸音材の離脱方向への移動を阻止するような返し形状に設けられている。この例の係止爪によれば、吸音材4の係止爪からの離脱がより効果的に防止されて、吸音材の取り付け状態がより確実に維持されるようになる。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
吸音材の取付領域の立体的な形状は特に限定されないが、入手性に優れる平板状の吸音材を利用しやすい観点から、取付領域は平板状あるいは、湾曲の程度が少ない曲面状、あるいは折り曲げ面状であることが好ましい。
吸音材4の周縁部には、係止爪32,32や穴34,34に対応する位置に、切込み4C,4Cが入れられていることが好ましい。このような切込み4Cは、吸音材が組み付けられた際に、吸音材が穴に入り込む部分に設けられる。
たとえば、図7に示すように、切込み4C,4Cは、係止爪32,32に押圧される辺に沿って入れられていてもよい。あるいは、図11に示すように、切込みを、係止爪32,32や穴34,34に対応する位置のみに入れてもよい。切込み4C,4Cは所定の深さで入れられ、係止爪32による吸音材4の押圧量よりも深い切込みとされることが好ましい。また、図11の例のように、切込み4C,4Cが断続的に設けられる場合には、切込みは吸音材4を厚み方向に貫通するように設けられてもよい。
図7のような切込み4Cを有する吸音材4は、図8(a)に示すように、切込み4Cが設けられた側が、穴34の側となるように、組み付けられる。すると、組み付け後には、係止爪によって押圧され、吸音材の弾力性によって、吸音材の一部が穴に入り込む部分において、図8(b)に示すように、切込み4Cが設けられた部分に段差が生じる。このような段差が生ずると、吸音材が係止爪32から引き出されそうになっても、段差が穴の角に引っかかりやすく、吸音材4の係止爪からの離脱がより効果的に防止されて、吸音材の取り付け状態がより確実に維持されるようになる。
吸音材の取り付けをより確実にする観点から、吸音材が組み付けられた状態で、切込み4Cが穴34を通過するように設けられる。また、同様の観点から、吸音材4が引き出される方向と直交する方向に、即ち係止爪や穴が設けられた辺とほぼ平行に、切込み4Cが設けられることが好ましい。
図12には、ケース部材に設けられる係止爪と穴の第2実施形態を示す。なお、図12及び図13では、吸音材4のコーナー部を係止する部分を拡大して斜視図で示している。
図12の第2実施形態では、係止爪35が吸音材4を取付領域面直方向に押圧するように吸音材の周縁に設けられる点は、第1実施形態と同様であるが、係止爪35には、係止爪の根元側部分に穴36が設けられている。ここで、係止爪の根元側部分とは、取付領域Sと略平行に延在する係止爪35の先端部を除いた部分のことである。根元側部分には、係止爪の中央部が含まれていてもよい。根元側部分に穴が設けられることにより、係止爪35が額縁状もしくは枠状になっていることが好ましい。
そして、この様な係止爪35と穴36の組み合わせによっても、係止爪35によって押圧された部分で、吸音材の一部が穴36に入り込むようになる。すると、吸音材の一部が穴36に入り込むことで、吸音材4が係止爪35から引き出されにくくなり、吸音材の取り付け状態が効果的に維持されるようになる。すなわち、本実施形態においても、吸音材の取付作業が簡単になり、通気環境におかれた吸音材の取付状態を適切に維持できる。この第2実施形態のように、穴36は、係止爪35の根元側部分に設けられるものであってもよい。
図13には、ケース部材に設けられる係止爪と穴の第3実施形態を示す。
第3実施形態では、係止爪35と、係止爪35の根元側部分に設けられた穴36は第2実施形態と同様に設けられている。第3実施形態では、さらに、第1実施形態のような、取付領域面直方向に沿って見た際に、係止爪35の外形と略合致する形状の穴37も設けられている。このような実施形態であっても、係止爪35によって押圧された吸音材周縁部の一部が、弾力性によって、穴36,37に入り込み、吸音材周縁部が係止爪35から引き出されにくくなり、同様の効果が得られる。
また、樹脂発泡材からなる平板状の吸音材4は、吸音材の全体形状として平らな板状であればよく、その表面が平滑な表面を有するものに限定されず、いわゆるプロファイル加工によって形成されるような、複数の山部や谷部が吸音材の表面に分布するように形成したものでも良いし、複数の凸条や凹条が交互に波状に配置されるように形成した物でも良い。このようなプロファイル加工を施した吸音材は、特に凹凸が存在する面の側がケース部材の取付領域Sと直接対向するように取り付けることが好ましい。そのように取り付けることによって、吸音材4とケース部材との間にいわゆる背後空気層を作ることができるので、吸音性能が向上する。
また、上述した吸音材取付構造において吸音材が取り付けられる部材は、一連の通気経路の一部を構成する部材であればよく、通気経路の具体的用途や具体的構成部材には特に制限はない。吸音材が取り付けられる部材は、上記実施形態のようにダクト部材であっても良いし、例えば、内燃機関用のエアクリーナのケース部材であっても良く、他のケース部材、例えば空冷式の電池収容ケースの一部をなす部材や、エアコンディショナー用のダクト部材であっても良い。
上記吸音材取付構造によれば、一連の通気経路を構成する部材に対して、簡単な取付作業で確実に吸音材を取り付けることができ、通気経路に消音性を付与することができて、産業上の利用価値が高い。
1 吸音ダクト
2 アッパケース
3 ロワケース
31 膨出部
32,35 係止爪
34,36,37 穴
S 吸音材取付領域
31a 取付面
4 吸音材
4C 切込み

Claims (4)

  1. 通気経路の一部を構成する部材の内周面に設けられた取付領域に、
    弾力性を有する樹脂発泡材からなる平板状の吸音材を取付けた吸音材取付構造であって、
    吸音材の周縁には係止爪が設けられており、
    係止爪が吸音材を取付領域面直方向に押圧するように、係止爪が吸音材周縁に係止すると共に、
    前記取付領域には、取付領域面直方向に沿って見た際に、係止爪と略合致する形状の穴が設けられており、
    係止爪によって押圧された部分で、吸音材の一部が前記穴に入り込んでいる
    吸音材取付構造。
  2. 通気経路の一部を構成する部材の内周面に設けられた取付領域に、
    弾力性を有する樹脂発泡材からなる平板状の吸音材を取付けた吸音材取付構造であって、
    吸音材の周縁には係止爪が設けられており、
    係止爪が吸音材を取付領域面直方向に押圧するように、係止爪が吸音材周縁に係止すると共に、
    前記係止爪には、係止爪の根元側部分に穴が設けられており、
    係止爪によって押圧された部分で、吸音材の一部が前記穴に入り込んでいる
    吸音材取付構造。
  3. 吸音材には、前記穴に入り込む部分に切込みが入れられている
    請求項1または請求項2に記載の吸音材取付構造。
  4. 前記穴が貫通穴である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸音材取付構造。
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