JP2516834Y2 - エアクリ−ナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は吸音材の取付けを改良した内燃機関用のエ
アクリーナに関する。

（従来の技術） 車両などの内燃機関に用いられるエアクリーナはそれ
自体共鳴型の消音器の機能を持っているが、吸気系の騒
音をより効果的に低減させるために、エアクリーナのボ
デー内部にグラスウール，フエルト，発泡樹脂などの適
量の吸音材を配設するようにしている。その一例を示せ
ば第３図イ，ロのとおりであり、エアクリーナＡは一側
に空気の入口パイプ1aを設けた段付角箱状のボデー１
と、段部上に嵌合配置されたひだ付け紙からなる角形
ブロック状の過エレメント３と、その上に被嵌され周
囲部の複数箇所においてボデー１にクリップ止めされた
カバー２（紙面に垂直方向に出口パイプ2aを有する）と
からなっていて、ボデー１の下半部内には、上記材料を
マット状に形成した吸音材５が入口パイプ側を塞がない
ようにして配設され、その吸音材５の上には縦，横複数
の細帯片6a,6bを備えて格子形かご状をなすようにプレ
ス成形した鉄製の押さえプレート６をのせ、各縦の細帯
片6aの両端折曲部を吸音材５の縁部に係止させると共に
各横の細帯片6bの両端に設けたつばをボデー１に気密に
リベット止めして、吸音材５が機関の振動や車体の動揺
などによって移動しないようにしている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上記従来の吸音材を取付けるための押さえ
プレートは、格子形かご状をなすように薄鉄板をプレス
加工して作られているために、加工後のかご体のスプリ
ングバック現象や輸送中の変形などにより、ボデーへの
組付けに当たってリベット止着孔のピッチに狂いを生
じ、これをいちいち修正しながら止着しなければなら
ず、組付けに手間がかかり、また、かご状の押さえプレ
ートはボデーに対し吸音材を抑止するための一定のクリ
アランスを全周的に保つような形態にしなければ、吸音
材を確実に固定することができず、歩留まりが悪く、形
状が複雑でコスト高になるなどの問題がある。

そこで、この考案は内燃機関のエアクリーナとして、
ボデーとの全周的なクリアランスを気にすることなく吸
音材を確実に固定することができ、抑止部材の構造が簡
単で組付けに手間がかからず、変形があっても修正し易
くすることを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的のもとにこの考案は、入口パイプを有する段
付箱状のボデーと、ボデー段部に嵌合配置されるブロッ
ク状の過エレメントと、出口パイプを有し開閉自在な
カバーからなり、ボデーの下半部内にマット状の吸音材
を入口パイプの側を塞がないようにボデーの底壁および
側壁に沿わせて配設するエアクリーナとして、細長な帯
板材からなってボデーの下半部の断面形状にほぼ一致す
る形状をなし、両端にはボデー内面に沿うように形成さ
れた平なつばを有し、かつ底辺部と側辺部にはボデー内
面に向って突出する複数の爪片を形成した抑止杆を、上
記吸音材上にこれを横切るように複数配設し、それらの
両端のつばをボデー内面に止着すると共に各爪片を吸音
材にくい込ませてこれを抑止するようにしたことを特徴
としている。

上記複数の抑止杆をそれぞれ吸音材上の所定の位置に
配設して、それら両端のつばを介しリベットにより気密
にボデーに止着すれば、各抑止杆の複数の爪片が吸音材
にくい込んで、吸音材をボデーに対し、しっかりと固定
する。

（実施例） 第１図，第２図はこの考案の実施例を示すが、同一の
部分には同じ符号を用いて説明する。エアクリーナＡは
一側に空気の入口パイプ1aを形成した段付角箱状のボデ
ー１と、その段部に嵌合配置されたひだ付け紙からな
る角形ブロック状の過エレメント３と、その上に被嵌
され出口パイプ2aを備え周囲複数箇所においてボデー１
に対しクリップ４により止着するようになされたカバー
２（ただし、一側はボデーに蝶番で取付けることもあ
る）とで構成され、ボデー１の下半部内にはグラスウー
ル，フエルト，発泡樹脂などの吸音物質をマット状に形
成した吸音材５が入口パイプ1a側を塞がないようにして
底壁および側壁に沿わせて配設されている。そして、吸
音材５は次のような抑止杆７によりボデー１に止着され
ている。

抑止杆７は金属または熱可塑性樹脂の帯板材からな
り、ボデー１の下半部の吸音材５の配設位置の横方向の
断面形状に大体一致する形状（図示の例ではみぞ形）に
形成され、その左右両端には止着用の小孔を有しボデー
１の長手方向の内面に沿うように屈曲形成された平らな
つば7aが設けられ、また、底辺部と側辺部には辺縁から
ボデー１の内面に向って突出する所要幅の爪片7bが複数
形成されている。

そこで、ボデー１内の長手方向の複数箇所（図では２
箇所）において、上記抑止杆７を吸音材５の上にこれを
横切る状態にそれぞれ載置し、それらの左右両端のつば
7aの小孔を介しリベットによりボデー１に対し気密に止
着すれば、各抑止杆７の長さ方向途中の底辺部と側辺部
に設けられた爪片7bが吸音材５にそれぞれ図示のように
くい込むことになって、吸音材５はボデー１内に強固に
取付けられる。

なお、上述の例では吸音材５をボデー１の長手方向の
複数箇所において固定するようにしたが、これは横方向
の複数箇所において固定するようにしてもよく、また、
ボデー１の形体（例えば円形）に応じて固定位置は適宜
に選定できる。

かくて、内燃機関の作動により外気が入口パイプ1aか
らボデー１内に取入れられ、過エレメント３を横切っ
て浄化され、カバー２に紙面に垂直方向に設けられた出
口パイプ2aを通じ機関に供給され、一方、空気流れの乱
れに伴なう気流音や弁体の開閉に伴なう脈動音などの吸
気騒音はエアクリーナ自体により低減されると同時にボ
デー１内の吸音材５により適切に減衰される。

（考案の効果） 以上のようにこの考案では、過エレメントの下側の
ボデー内にマット状の吸音材を入口パイプの側を塞がな
いように底壁および側壁に沿わせて配設するエアクリー
ナとして、細長な帯板材からなってボデーの下半部の断
面形状にほぼ一致する形状をなし、両端にはボデー内面
に沿うように形成された平らなつばを有し、かつ底辺部
と側辺部にはボデー内面に向って突出する複数の爪片を
形成した抑止杆を、上記吸音材上にこれを横切るように
複数配設し、それらの両端のつばをボデー内面に止着す
ると共に各爪片を吸音材にくい込むませてこれを抑止す
るようにしたので、吸音材をボデーに対し強固に取付け
ることができ、機関の振動や車体の動揺が伝わっても妄
りに移動することなく、そして、抑止杆は細長な帯板材
で作られていて、これまでの押えプレートのようにかご
体をなすものではないので、ボデーに対する全周的な一
定のクリアランスを保つ必要がなく、変形があったにし
ても線的な帯板材なので修正がやり易く、また、多少の
変形により寸法的な誤差が生じても、その誤差を爪片に
より吸収することができ、吸音材を確実に固定すること
ができるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の断面図。 第２図はボデー部分の一部を切除した斜視図。 第３図イは従来品の断面図。 同図ロはそのボデー部分の一部を切除した斜視図。 図中、Ａ……エアクリーナ、１……ボデー 1a……入口パイプ、２……カバー 2a……出口パイプ、３……過エレメント ５……吸音材、７……抑止杆 7a……つば、7b……爪片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】入口パイプ1aを有する段付箱状のボデー１
   と、ボデー段部に嵌合配置されるブロック状の過エレ
   メント３と、出口パイプ2aを有し開閉自在なカバー２か
   らなり、ボデー１の下半部内にマット状の吸音材５を入
   口パイプ1aの側を塞がないようにボデー１の底壁および
   側壁に沿わせて配設するエアクリーナにおいて、細長な
   帯板材からなってボデー１の下半部の断面形状にほぼ一
   致する形状をなし、両端にはボデー１内面に沿うように
   形成された平なつば7aを有し、かつ底辺部と側辺部には
   ボデー内面に向って突出する複数の爪片7bを形成した抑
   止杆７を、上記吸音材５上にこれを横切るように複数配
   設し、それらの両端のつば7aをボデー１内面に止着する
   と共に各爪片7bを吸音材５にくい込ませてこれを抑止す
   るようにしたことを特徴とするエアクリーナ。