JP3922799B2 - エンジンヒートポンプのエンジン室構造 - Google Patents

エンジンヒートポンプのエンジン室構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンヒートポンプの室外機におけるエンジン室の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンヒートポンプの室外機は、圧縮機、その圧縮機を駆動するエンジンとラジエータ、冷却水タンクなどのエンジン部品、熱交換器本体、熱交換ファン等からなり、これらの機器及び装置を一つの纏まったパッケージ内に収容するようにしている。
【0003】
この場合、熱交換器本体などを納めた熱交換室とエンジンを納めたエンジン室とに区画するのが通常であり、それらに各機器や配管を振り分けて配置している。上記において、エンジンはエンジン室内において、そのエンジン室の台床へ防振ゴムを介して据え付けるのが一般であるが、エンジン自体相当な重量を有するから、そのエンジンの重量に耐えるよう台床には補強リブを設けて、強度を確保するようにしている。そして、台床を二重床構造としたものにおいては、その上板と下板との間に、水平方向に延びるようにした前記の補強リブを設けている。
【0004】
そして、エンジン室を囲む外板は、エンジンの振動によってビビリ音を生ずるのを防止し、且つ、騒音が外部に漏れるのを防止する必要から、その外板周囲にゴムパッキンを介装している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記において、エンジン室の外板において、前記隙間の密封が十分でなく、且つ中実のゴムパッキンを用いていたため、外板自身がビビリ音を発し、また、騒音が漏れやすい欠点があった。
【0006】
この発明は、これら従来の問題を解決して、エンジン室から発する騒音を低減した、静粛性に優れたエンジンヒートポンプのエンジン室の構造を実現することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、エンジン室を囲む一つの外壁板端部を他辺側へ折り返して、その折り返し部と他部材内側面との間の隙間に、エンジン室内から室外方向に向かって二重となる空気層を備えるような弾性パッキンを折り返し部に嵌合することで介装してなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係るエンジンヒートポンプ用室外機の外観を示す斜視図、図2は、外側のケース部分をワイヤーフレームで示した内部構造の斜視図である。
【0009】
室外機(1)は、全体が箱状のものとされ、その上部部分が熱交換室(2)、下部部分がエンジン室(3)とされている。熱交換室(2)には、その正面側の中央部分に、熱交換ファン(4)が、正面向きに取り付けられている。また、この熱交換ファン(4)に対向するようにして、ケースの背面側に沿うようにして、熱交換器本体(9)が配置されている。
【0010】
エンジンユニット(3)における、正面から見て幅方向の中央部分において、台床(10)上に、エンジン(11)が、据え付けられている。このエンジン(11)は、クランク軸(12)が、正面から見て左右方向に延びた水平クランク軸機関であって、そのクランク軸(12)によって駆動される圧縮機(13)が、正面から見て左右方向の一方即ち左側部分に配置されている。また、エンジン(11)を挟んで、圧縮機(13)とは反対側の空間部分にエンジン室内換気ダクト(14)が設置されている。
【0011】
他方、この換気ダクト(14)とは反対側即ち、圧縮機(13)側において、吸気消音器付エアクリーナ(15)即ちエアクリーナと吸気消音器を一体にした箱型のものが、室内の天井壁(18)と一方の側壁に沿うようにして配置されている。更に、この吸気消音器付エアクリーナ(15)の背面側に、縦長筒状の排気消音器(19)が設置されている。
【0012】
図3で示すように、エンジンユニット(3)におけるエンジン室台床(10)は、上板(21)と下板(22)とからなる2重床構造であり、上板(21)の裏面には、正面側から背面側にかけて、ケース奥行き方向に延びる一対のリブ(23)(23)が、左右方向に間隔を設けられている。このリブ(23)は、リップ付きの溝型材からなるものであるが、そのリップ側が下向きとなるようにして、ウエブ(24)部分で上板(21)下面に沿って取り付けられ、その奥行き方向の両端部分は、下向きコの字形のフレーム(25)(25)へ固着されている。更に、これらリブ(23)(23)の下端は、下板(22)よりも浮かせて、即ちその下板(22)から離して配置されており、エンジン(11)の振動によって、大きな音を生じることのないようにしている。
【0013】
なお、エンジン(11)は、これらリブ(23)(23)に対応する部分において、防振ゴム(26)を介して、上板(21)上に据え付けられている。
【0014】
他方、エンジン室(3)の天井壁(28)についても、図3及び図6のように、上板(29)と下板(30)とからなる2重壁構造となっている。上板(29)には、その中央前部寄りの部分に1つの出口穴(31)が形成され、下板(30)には、左右方向の両端で且つ背面側のコーナー近傍に、一対の入口(32)(33)が開口されている。前記換気ダクト(14)を通して導入された換気は、この2つの入口(32)(33)から2重壁内の空間(34)内に出て、中央部の出口(31)から、前記熱交換室(2)内へ導いて、この熱交換室(2)から前記熱交換ファン(4)によって排出されるように構成してある。
【0015】
このとき、各入口(32)(33)と出口(31)との間の経路には、下板(30)のコーナーから中央前部側を結ぶようにして、それらの距離を長くし、且つ、両入口(32)(33)から出口(31)迄の夫々の距離が互いに略等しくなるようにしている。そして、この上板(29)と下板(30)間の(34)へ入った空気は、この部分で膨張することによって減衰され、消音される。
【0016】
更に、吸気消音器付エアクリーナ(15)の吸気パイプ(35)は、この直上において、下板(30)の前記一方の入口(32)内へ挿入されて、更に熱交換室(2)側へ導かれており、同じくそれに対応して上板(29)に形成した開口(36)から、熱交換室(2)内へ取り入れた外気を吸気として、このエアクリーナ(15)側へ取り入れるようにしている。
【0017】
なお、この入口(32)側においては、吸気パイプ(35)周辺の隙間を通って換気が流出し、また、上板(29)の開口部(36)は、吸気パイプ(35)周辺部分を塞いである。下板(30)と上板(29)の前記空間(34)側の内壁面には、夫々、吸音材(38)が張り付けられている。
【0018】
なお、エンジン室(3)の正面壁を構成する図1の壁板(40)は、図7のように、プレス加工による断面波形の波板形状になっており、これによって、リブと同様の剛性を持たせるとともに、リブを溶接するようなものと比較してコストを削減でき、且つ、剛性アップによるビビリ音を防止できる。また、リブを溶接すると、裏面側に吸音材を貼る場合に、そのリブ部分をさけて吸音材を必要な寸法に裁断しなければならないが、このような波板状であるから、そのような不都合がなく一体一面に貼ることができる。
【0019】
以下にこの発明の特徴的な部分について説明する。前記壁板(40)は、メンテナンスなどの開閉用カバーでもあるが、図8のように、側壁板(41)から正面側に折り返した折り返し部(42)と、この壁板(40)との間に、中空シール部(42)と水返し片(43)からなるゴムパッキン(44)を取り付けている。
【0020】
即ち、ゴムパッキン(44)には、内側にヒレ状突起を備えたコの字形嵌合部(45)を用意しており、この嵌合部(45)を、前記折り返し部(42)へ先端から嵌合して取り付けるとともに、その折り返し部(42)と壁板(40)との隙間の室外側に、先端がその室外方向に突出するようくの字形に折れ曲がったヒレ状の水返し片(43)が一体に突出され、この水返し片(43)との間に空間(46)をおいて、中空部(47)を備えたシール部(48)を一体に形成している。
【0021】
従って、このシール部には内外2重の密閉空間(46)(47)である空気層が形成されることになり、騒音が外部に漏れるのを防止する防音効果が増大し、また、水返し片(43)によって外側からの雨水の侵入を防止しうるものである。
【0022】
【発明の効果】
この出願の請求項1の発明では、エンジン室の壁板の端部に、内外方向に二重の空気層を備えるような弾性パッキンを介在させているから、室内からの騒音の漏れを有効の防止できるとともに、雨水の浸入をも効果的に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態における室外機の全体斜視図である。
【図2】 図1の室外機の内部構造を示す斜視図である。
【図3】 同じくエンジン室の垂直断面図で正面方向から見た図である。
【図4】 エンジン室の横断面図である。
【図5】 エンジン室の台床部分の横断面図である。
【図6】 天井壁の斜視図である。
【図7】 壁板の要部を切欠して示す一部の斜視図である。
【図8】 外板端部のシール構造を示す水平横断面図である。
【符号の説明】
(1) 室外機
(2) 熱交換室
(3) エンジン室
(10) 台床
(11) エンジン
(21) 上板
(22) 下板
(23) リブ
(28) 天井壁
(29) 上板
(30) 下板
(31) 出口
(32)(33) 入り口
(34) 空間
(40) 壁板
(43) 水返し片
(44) 弾性パッキン
(46) 空気層
(47) 中空部
(48) シール部

Claims (1)

  1. エンジン室を囲む一つの外壁板端部を他辺側へ折り返して、その折り返し部と他部材内側面との間の隙間に、エンジン室内から室外方向に向かって二重となる空気層を備えるような弾性パッキンを折り返し部に嵌合することで介装してなることを特徴とするエンジンヒートポンプのエンジン室構造。
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