JP5504281B2 - ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置 - Google Patents

ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5504281B2
JP5504281B2 JP2011547240A JP2011547240A JP5504281B2 JP 5504281 B2 JP5504281 B2 JP 5504281B2 JP 2011547240 A JP2011547240 A JP 2011547240A JP 2011547240 A JP2011547240 A JP 2011547240A JP 5504281 B2 JP5504281 B2 JP 5504281B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic member
rack
peripheral surface
rack shaft
stopper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011547240A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011077614A1 (ja
Inventor
岳人 白石
康夫 清水
高大 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2011547240A priority Critical patent/JP5504281B2/ja
Publication of JPWO2011077614A1 publication Critical patent/JPWO2011077614A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5504281B2 publication Critical patent/JP5504281B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D3/00Steering gears
    • B62D3/02Steering gears mechanical
    • B62D3/12Steering gears mechanical of rack-and-pinion type

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

本発明は、車両のラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置に係り、詳しくは、ラック軸がストロークエンド位置で衝止される際の衝撃を緩衝する技術に関する。
車両のラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構は、ピニオンと、ピニオンに噛み合うラックを有するラック軸とを備え、運転者によるステアリングホイールの回転操作をラック軸の車幅方向における直線運動に変換し、車輪の舵角を変化させる。このラック軸の可動範囲における終端位置、すなわちストロークエンド位置は、ラック軸の端部に設けられたラックエンド部と、ラック軸を支持するラックハウジングと突き当てることによって設定されている。その際のラックエンド部とラックハウジングとの衝突音を抑制するべく、ラックエンド部とラックハウジングとの間に緩衝部材が介装されることがある。緩衝部材の一例としては、円筒状の弾性体をラック軸に外装し、ラックエンド部とラックハウジングとの間で圧縮されるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
特開平8−133102号公報
特許文献1のような弾性体の衝撃吸収能(衝撃緩衝能)を高めるためには、弾性体の断面積を大きくして弾性体のばね定数を増大させる手法や、弾性体の軸線方向長さを長くして変形ストロークを増大させる手法が考えられる。しかしながら、弾性体の断面積は、ラックハウジングの大きさによって制限されるため変更可能範囲が小さい。一方、弾性体の軸線方向長さを長くすると、弾性体の軸線方向に圧縮荷重が加わった際に弾性体が座屈(すなわち、円筒の径方向外側に大きく撓む)しやくすくなり、所期の衝撃吸収能を発揮させることが難しいという問題がある。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであって、衝撃吸収能が高いラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構(10)の衝撃緩衝装置(1)であって、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構のラック軸(11)と、筒状をなし、前記ラック軸をその軸線方向に移動可能に支持するラックハウジング(12)と、前記ラック軸の端部に設けられたストッパ部(20)と、前記ラックハウジングに設けられ、前記ストッパ部と突き当たることによって前記ラック軸のストロークエンド位置を設定するストッパ衝止部(40)と、前記ラック軸の外周面に設けられた第1押圧部(19)と、前記ラックハウジングの内周面に設けられた第2押圧部(42)と、筒状をなして前記ラック軸に外装され、前記ラック軸の外周面と前記ラックハウジングの内周面との間の空間に突入可能であり、前記ストッパ部が前記ストッパ衝止部に接近する際に、前記第1押圧部と前記第2押圧部とによって前記ラック軸の軸線方向に押圧される弾性部材(30)とを備え、前記弾性部材は、その外周面(30A)および内周面(30B)の両面に、周方向に延在する溝部(31,32)を有することを特徴とする。
この構成によれば、弾性部材にラック軸の軸線方向に沿った荷重が加えられる際に、弾性部材の溝部が形成された部分では、圧縮変形よりも先に、溝部を埋めるべく屈曲変形が生じるようになる。そのため、圧縮変形に起因する弾性部材の座屈が生じるまでの弾性部材の変形ストロークを増大させることができ、吸収可能なエネルギー量を増大させることができる。すなわち、弾性部材の座屈を抑制しつつ、衝撃吸収能を向上させることができる。
本発明の他の側面は、前記弾性部材の前記外周面に形成された前記溝部と、前記弾性部材の前記内周面に形成された前記溝部とは、前記ラック軸の軸線方向において交互に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、弾性部材の各溝部が形成された部分において生じる屈曲変形の向きが、弾性部材の軸線方向において交互に逆向きとなるため、弾性部材が一方向に大きく折れ曲がることを抑制することができる。
本発明の他の側面は、前記溝部は、前記弾性部材の軸線に対してらせん状に連続して延在することを特徴とする。
この構成によれば、溝部が形成された弾性部材を射出成型等によって形成する際に、成形型からの弾性部材の取り外しが容易になる。
本発明の他の側面は、前記ラックハウジングは、両端部が開口した筒状をなし、その開口端の内周面側に全周にわたって拡径部(41)を有し、前記弾性部材は、前記ストッパが前記ストッパ衝止部に接近する際に、前記拡径部内に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、弾性部材にラック軸の軸線方向に沿った荷重が加えられる際に、弾性部材はラック軸と拡径部とによって、径方向への変形が規制されるため、座屈が抑制される。また、本発明の他の側面は、前記ストッパ部は、前記第1押圧部よりも前記ラック軸の端部側に設けられ、かつ前記第1押圧部よりも前記ラック軸の径方向外方に突出し、前記第1押圧部は、前記ストッパが前記ストッパ衝止部に当接する前に、前記ラック軸の外周面と前記ラックハウジングの内周面との間の空間に突入することを特徴とする。また、本発明の他の側面は、前記弾性部材は、前記第1押圧部と前記第2押圧部とによって前記ラック軸の軸線方向に押圧されたときに、前記溝部が形成された部分において屈曲変形し、前記溝部が埋められた状態になり、前記第1押圧部は、前記溝部の全てが埋められた状態になる前に、前記ラック軸の外周面と前記ラックハウジングの内周面との間の空間に突入することを特徴とする
以上のように構成することによって、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置の衝撃吸収能を向上させることができる。
ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構を示す概略説明図 図1のII−II断面図 実施形態に係る衝撃緩衝装置を示す部分断面図 実施形態に係る衝撃緩衝装置の弾性部材を示す(A)側面図、(B)断面図、(C)拡大断面図 実施形態に係る衝撃緩衝装置の動作を示す説明図 実施形態に係る衝撃緩衝装置の弾性部材のばね定数変化を示すグラフ 一部変形実施形態に係る衝撃緩衝装置の弾性部材を示す断面図
以下、図面を参照して、本発明を車両のラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置に適用した一実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る衝撃緩衝装置1は、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10に設けられ、後述するラック軸11がストロークエンド位置に達する際の衝撃を吸収(緩衝)する。以下の説明では、車両の前進方向を前方とし、前方を向いた際の左右方向をそれぞれ左方および右方とし、鉛直方向を上下方向として説明する。
<ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の概略構成>
図1に示すように、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10は、ステアリングホイール71にステアリング軸72を介して一体的に回転可能に連結されたピニオン74と、このピニオン74に噛合して車幅方向に往復動可能に設けられたラック軸11とを有するラック・アンド・ピニオン機構76を備えている。ラック軸11は、ラックハウジング12に支持されており、その両端にはタイロッド14を介して左右の前輪78のナックル79が連結され、ステアリングホイール71の手動回転操作に応じて左右の前輪78が転舵されるようになっている。電動モータ73の駆動力は、ギアボックス80内にピニオン74と共に収容されたウォームギヤ81を介してステアリング軸72に入力される。
電動モータ73は、ステアリング制御装置(EPS ECU)83により制御される。このステアリング制御装置83には、ステアリングホイール71の操舵角を検出する操舵角センサ84、ピニオン74に作用する手動操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ85、車速を検出する車速センサ86などの出力信号が入力されており、これらの信号に基づいて所要の補助操舵力が発生するように電動モータ73が制御される。
図2は、図1に示したギアボックス80をII−II線に沿って破断して示す断面図である。このギアボックス80は、ギヤボックスハウジング90内に、電動モータ73の駆動力を減速してステアリング軸72に伝達するウォームギヤ81と、ステアリング軸72の回転運動をラック軸11の直動運動に変換するラック・アンド・ピニオン機構76と、ステアリング軸72に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ85とが収納されている。
ウォームギヤ81は、電動モータ73の出力軸と同軸的に連結されたウォーム91と、ステアリング軸72に外装された態様で同軸的に固定されたウォームホイール92とを有しており、電動モータ73の駆動力を駆動歯車としてのウォーム91に入力して被動歯車としてのウォームホイール92を回転させるようになっている。
なお、ウォーム91は、歯底円を外周とする芯部93の周囲に1条の歯94を備え、金属材料(例えば炭素鋼など)にて形成されている。このように1条の歯94を用いることによりウォームホイール92の歯数がそのまま減速比となるので、大きな減速比が得られ、トルクの小さい電動モータ73でも大きな倍力トルクが得られる。
他方、ウォームホイール92は、ステアリング軸72に結合される芯金部95と、この芯金部95の周囲を取り囲むように形成されて、外周に歯96が列設された環状の歯形成部97とを備えている。芯金部95は、金属材料にて形成されており、歯形成部97は合成樹脂材料(例えばポリアミド樹脂など)にて形成されており、歯形成部97はインサート成型などにて芯金部95と一体的に結合されている。
<衝撃緩衝装置の構成>
図3は、車幅方向に延在するラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10の右端を示す図である。ラック軸11は、断面が円形状をなす軸部材であり、円筒状をなすラックハウジング12の内部に、環状のブッシュ13を介してラック軸11の軸線A方向にスライド移動可能に支持されている。ラックハウジング12は、車幅方向に延在するように車体(図示しない)に取り付けられており、ラック軸11は車幅方向(左右方向)に延在するとともに、車幅方向にスライド移動可能となっている。ラック軸11は、その車幅方向における中間部に軸線A方向に列設されたラック(図示しない)を備え、ラックにおいてピニオン74と噛み合っている。
ラック軸11の端部には、タイロッド14とラック軸11とを連結するボールジョイント15のボールジョイントハウジング16が取り付けられている。ラック軸11の端面には雌ねじ部17が形成され、ボールジョイントハウジング16には雄ねじ部18が突設され、雌ねじ部17と雄ねじ部18とが螺合することによって、ボールジョイントハウジング16がラック軸11の端部に固定されている。ボールジョイントハウジング16は、ラック軸11よりも径方向において幅広になっており、ラック軸11とボールジョイントハウジング16との接合部において、ボールジョイントハウジング16は、ラック軸11の全周にわたって径方向外側に突出する段部(第1押圧部)19を形成する。
また、ボールジョイントハウジング16は、段部19をなす部分よりも車幅方向外側に、段部19よりも径方向外方に突出するストッパ部20を備えている。ストッパ部20の車幅方向内側の部分には、軸線Aに対して垂直な衝当面20Aが形成されている。
ボールジョイントハウジング16は、その内部にボールスタッド22の球状の頭部22Aを回転自在に支持する。ボールスタッド22の軸部には、タイロッド14の一端が連結されている。タイロッド14は、その他端が車輪を支持するナックル79に連結されており、ラック軸11の動きに応じて車輪の舵角を変化させる。
ラック軸11の外周部には、円筒状の弾性部材30が外装されている。弾性部材30は、弾性変形可能な樹脂材料から形成されている。弾性部材30は、その内径がラック軸11の直径と概ね一致し、内周面30B(図4参照)がラック軸11の外周面に摺接している。弾性部材30の車幅方向外側(図中の右側)の端面は、ボールジョイントハウジング16の段部19に当接している。
図4Aに示すように、弾性部材30の外周面30Aには、弾性部材30の円周方向に延在する4つの無端状の外周溝部31が等間隔に形成されている。また、図4Bに示すように、弾性部材30の内周面30Bには、弾性部材30の円周方向に延在する5つの無端状の内周溝部32が等間隔に形成されている。外周溝部31と内周溝部32とは、弾性部材30の軸線B方向において、交互に配置されている。なお、外周溝部31と内周溝部32の数は、図示の数に限定されず増減させてもよい。
図4Cに拡大して示すように、外周溝部31および内周溝部32の横断面形状は、それぞれ三角形状を呈している。外周溝部31は、三角形の頂点をなす底部から径方向に傾斜して外周面30Aに延びる2つの傾斜面31A,31Bを備えている。同様に、内周溝部32は、三角形の頂点をなす底部から径方向に傾斜して内周面30Bに延びる2つの傾斜面32A,32Bを備えている。なお、外周溝部31および内周溝部32の横断面形状は三角形状に限定されず、例えば円弧状にしてもよい。
ラックハウジング12の車幅方向外側における端部(右端)には、ラック軸11の軸線Aに対して垂直な平面をなすストッパ衝止部40が形成されている。ラックハウジング12の端部における内周面には、拡径部41が形成されている。拡径部41は、その車幅方向外側部分がラックハウジング12の右端面に連通し、その車幅方向内側部分にラック軸11の軸線Aと垂直な面をなす底壁部(第2押圧部)42を備えている。拡径部41の内径は、弾性部材30の外径や段部19の外径よりも大きく形成されており、弾性部材30および段部19が拡径部41内に突入可能となっている。
ラックハウジング12の端部およびタイロッド14には、ラックブーツ45の各端部が取り付けられている。ラックブーツ45は、屈曲変形することによって伸縮可能な蛇腹であり、一端がラックハウジング12の外周部にホースバンド46によって締結され、他端がタイロッド14に形成された溝部47に嵌合して固定されている。
以上のようにして、衝撃緩衝装置1は、ラック軸11、ラックハウジング12、ボールジョイントハウジング16、弾性部材30によって構成されている。
<衝撃緩衝装置の作用>
図5を参照して、ラック軸11がストロークエンド位置に到達する際の衝撃緩衝装置1の動作および作用について説明する。なお、図5では、説明の便宜のため衝撃緩衝装置1の上半部のみを拡大して示している。ラック軸11のストロークエンド位置(すなわち、ラックハウジング12に対するスライド移動の終端位置)は、ボールジョイントハウジング16のストッパ部20の衝当面20Aがラックハウジング12のストッパ衝止部40に突き当たることによって設定される。
図5Aに示すように、ラック軸11がストロークエンド位置に対して十分な距離だけ離れている場合には、弾性部材30は拡径部41の外部に位置し、その車幅方向外側の端部(右端)が段部19に当接した状態となっている。この状態から、ラック軸11が左側(図5A中の白抜き矢印)に移動すると、弾性部材30はラック軸11と共に移動して拡径部41内に突入し、弾性部材30の車幅方向外側の端部(左端)が拡径部41の底壁部42に当接した状態となる(図5B参照)。
図5Bに示す状態から、ラック軸11が左方に移動すると、弾性部材30は、段部19と底壁部42とに軸線A方向における両端側から押圧される。これにより、弾性部材30は、外周溝部31および内周溝部32が形成された部分において屈曲変形する。すなわち、外周溝部31が形成された部分では、外周溝部31の傾斜面31Aと傾斜面31Bとが接触して外周溝部31を埋めるように屈曲し、内周溝部32が形成された部分では、内周溝部32の傾斜面32Aと傾斜面32Bとが接触して内周溝部32を埋めるように屈曲する。図5Bに示す状態から、弾性部材30が屈曲し、全ての外周溝部31および内周溝部32が埋められた状態(図5C参照)になるまでに、ラック軸11は軸線A方向に距離L1だけ移動する。換言すると、外周溝部31および内周溝部32が埋められるように弾性部材30が屈曲変形することによって、弾性部材30は軸線A方向に距離L1だけ収縮する。図5Cに示す状態になったとき、段部19の車幅方向内側(左端)の部分は、拡径部41内に突入している。
図5Cに示す状態から、ラック軸11が左方に移動すると、弾性部材30は、段部19と底壁部42とに軸線A方向における両端側から押圧され、圧縮変形する。この弾性部材30の圧縮変形は、ストッパ部20の衝当面20Aがラックハウジング12のストッパ衝止部40に当接するまで、すなわちラック軸11がストロークエンド位置に到達するまで継続され、弾性部材30は軸線A方向に距離L2だけ圧縮される。
以上のように、ストッパ部20がストッパ衝止部40に当接するまでの間に、弾性部材30は距離L1だけ屈曲変形し、続いて距離L2だけ圧縮変形し、ラック軸11がストロークエンド位置に到達する際の衝突エネルギーを吸収する。弾性部材30に外周溝部31および内周溝部32を形成し、弾性部材30を屈曲変形可能にしたため、距離L1だけ弾性部材30の変形ストロークを長くすることができ、吸収エネルギー量を増大させることができる。
図6に、本実施形態に係る弾性部材30のばね定数(図中の曲線100)と、比較対象としての弾性部材のばね定数(図中の曲線101)とを示す。比較対象としての弾性部材は、本実施形態に係る弾性部材30と比較して外周溝部31および内周溝部32を備えていない点で相違し、他の材料および形状は同一である。曲線100が示すように、本実施形態に係る弾性部材30は、軸線A方向での変形量が0〜L1までの間では、外周溝部31および内周溝部32において屈曲変形され、変形量がL1〜L1+L2までの間では圧縮変形される。そして、変形量がL1+L2に達すると座屈する。一方、曲線101に示すように、比較対象としての弾性部材では、変形の初期から軸線A方向における圧縮変形が生じ、軸線A方向における変形量がL2に達したときに圧縮変形量が所定値を超えて座屈が生じる。すなわち、本実施形態に係る弾性部材30は、比較対象としての弾性部材よりも図中のハッチングを付した部分の面積だけエネルギーを多く吸収することができる。
また、本実施形態に係る衝撃緩衝装置1では、弾性部材30の距離L1の屈曲変形が完了した際に、段部19が拡径部41内に突入し、弾性部材30の外周部は拡径部41に覆われているため(図5C参照)、弾性部材30が外方に膨らむ座屈が抑制される。また、本実施形態の弾性部材30は、外周溝部31と内周溝部32を備えていない弾性部材に比較して充填率を小さくすることができるため、半径方向への膨出量が小さくなる。そのため、拡径部41の内周面と弾性部材30の外周面30Aとの間隔を小さくすることができる。
また、弾性部材30の外周溝部31と内周溝部32とは、ラック軸11の軸線A方向において交互に配置されているため、弾性部材30の屈曲変形の方向が互いに相殺され、弾性部材30は距離L2だけ屈曲変形しても概ねラック軸11の軸線A方向に延在することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、図7に示すように、弾性部材30の外周溝部61および内周溝部62をそれぞれ軸線Bに対してらせん状に形成してもよい。この構成によれば、各溝部61,62が形成された弾性部材30を射出成型等によって形成する際に、成形型からの弾性部材30の取り外しが容易になる。また、実施形態では段部19およびストッパ部20をボールジョイントハウジング16に形成したが、ラック軸11の端部を加工して形成してもよく、あるいはボールジョイントハウジング16と異なる他の部材に形成してもよい。また、段部19を省略し、弾性部材30の端面を直接にストッパ部20に当接させてもよい。
1…衝撃緩衝装置、10…ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置、11…ラック軸、12…ラックハウジング、15…ボールジョイント、16…ボールジョイントハウジング、19…段部(第1押圧部)、20…ストッパ部、30…弾性部材、30A…外周面、30B…内周面、31,61…外周溝部、32,62…内周溝部、40…ストッパ衝止部、41…拡径部、42…底壁部(第2押圧部)、A…ラック軸の軸線、B…弾性部材の軸線

Claims (6)

  1. ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構のラック軸と、
    筒状をなし、前記ラック軸をその軸線方向に移動可能に支持するラックハウジングと、
    前記ラック軸の端部に設けられたストッパ部と、
    前記ラックハウジングに設けられ、前記ストッパ部と突き当たることによって前記ラック軸のストロークエンド位置を設定するストッパ衝止部と、
    前記ラック軸の外周面に設けられた第1押圧部と、
    前記ラックハウジングの内周面に設けられた第2押圧部と、
    筒状をなして前記ラック軸に外装され、前記ラック軸の外周面と前記ラックハウジングの内周面との間の空間に突入可能であり、前記ストッパ部が前記ストッパ衝止部に接近する際に、前記第1押圧部と前記第2押圧部とによって前記ラック軸の軸線方向に押圧される弾性部材と
    を備え、
    前記弾性部材は、その外周面および内周面の両面に、周方向に延在する溝部を有し、
    前記弾性部材の前記外周面に形成された前記溝部と、前記弾性部材の前記内周面に形成された前記溝部とは、前記弾性部材の軸線方向において異なる位置に配置されていることを特徴とするラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置。
  2. 前記弾性部材の前記外周面に形成された前記溝部と、前記弾性部材の前記内周面に形成された前記溝部とは、前記弾性部材の軸線方向において交互に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃緩衝装置。
  3. 前記溝部は、前記弾性部材の軸線に対してらせん状に連続して延在することを特徴とする、請求項1に記載の衝撃緩衝装置。
  4. 前記ラックハウジングは、端部が開口した筒状をなし、その開口端の内周面側に全周にわたって拡径部を有し、
    前記弾性部材は、前記ストッパが前記ストッパ衝止部に接近する際に、前記拡径部内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃緩衝装置。
  5. 前記ストッパ部は、前記第1押圧部よりも前記ラック軸の端部側に設けられ、かつ前記第1押圧部よりも前記ラック軸の径方向外方に突出し、
    前記第1押圧部は、前記ストッパが前記ストッパ衝止部に当接する前に、前記ラック軸の外周面と前記ラックハウジングの内周面との間の空間に突入することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の衝撃緩衝装置
  6. 前記弾性部材は、前記第1押圧部と前記第2押圧部とによって前記ラック軸の軸線方向に押圧されたときに、前記溝部が形成された部分において屈曲変形し、前記溝部が埋められた状態になり、
    前記第1押圧部は、前記溝部の全てが埋められた状態になる前に、前記ラック軸の外周面と前記ラックハウジングの内周面との間の空間に突入することを特徴とする請求項5に記載の衝撃緩衝装置
JP2011547240A 2009-12-24 2010-09-24 ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置 Expired - Fee Related JP5504281B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011547240A JP5504281B2 (ja) 2009-12-24 2010-09-24 ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009293121 2009-12-24
JP2009293121 2009-12-24
JP2011547240A JP5504281B2 (ja) 2009-12-24 2010-09-24 ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置
PCT/JP2010/005769 WO2011077614A1 (ja) 2009-12-24 2010-09-24 ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011077614A1 JPWO2011077614A1 (ja) 2013-05-02
JP5504281B2 true JP5504281B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=44195168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011547240A Expired - Fee Related JP5504281B2 (ja) 2009-12-24 2010-09-24 ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8662509B2 (ja)
JP (1) JP5504281B2 (ja)
CN (1) CN102666252B (ja)
WO (1) WO2011077614A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5556754B2 (ja) * 2011-07-07 2014-07-23 三菱自動車工業株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2013166440A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Suzuki Motor Corp 車両用冷却水配管の配置構造
CN103544865B (zh) * 2012-07-11 2015-12-09 山东科大微机应用研究所有限公司 一种用于拖拉机挂接农机具考试的装备
CN102941877A (zh) * 2012-12-04 2013-02-27 中国北方车辆研究所 一种空间多连杆闭链转向机构
JP6123407B2 (ja) * 2013-03-26 2017-05-10 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
EP3009329B1 (en) 2013-06-12 2017-09-27 NSK Ltd. Rack-and-pinion steering gear unit
JP6150116B2 (ja) * 2013-06-21 2017-06-21 株式会社ジェイテクト ラックブッシュ
JP2015044486A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 株式会社ジェイテクト ラック軸支持構造
DE102013112313A1 (de) * 2013-11-08 2015-05-13 BPW-Hungária Kft. Lenkachse
JP6413329B2 (ja) * 2013-12-03 2018-10-31 株式会社ジェイテクト 操舵装置
JP5934733B2 (ja) * 2014-03-06 2016-06-15 富士重工業株式会社 ステアリング装置
JP6448201B2 (ja) * 2014-03-18 2019-01-09 株式会社ショーワ ステアリング装置
JP6209114B2 (ja) * 2014-03-26 2017-10-04 株式会社ショーワ 操舵装置
JP6087311B2 (ja) * 2014-03-27 2017-03-01 株式会社ショーワ 操舵装置
US9873448B2 (en) * 2014-03-31 2018-01-23 Steering Solutions Ip Holding Corporation End of travel stop
JP6934801B2 (ja) * 2017-10-20 2021-09-15 マツダ株式会社 ラックブッシュおよびステアリング機構
CN108749482B (zh) * 2018-06-12 2024-02-20 杭州程天科技发展有限公司 麦克纳姆轮、底盘和帮扶机器人
US10988171B2 (en) 2019-04-04 2021-04-27 Honda Motor Co., Ltd. Steering rack stopper

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6032110U (ja) * 1983-08-11 1985-03-05 株式会社 モルテン サスペンションのストップラバ−構造
JP2003184938A (ja) * 2001-12-19 2003-07-03 Yunimatekku Kk バンプストッパ
JP2003312491A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Nsk Ltd 電動式パワーステアリング装置
JP2003335247A (ja) * 2002-05-20 2003-11-25 Unisia Jkc Steering System Co Ltd シリンダ装置
JP2004232714A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Kayaba Ind Co Ltd 動力伝達装置
JP2005161942A (ja) * 2003-12-01 2005-06-23 Unisia Jkc Steering System Co Ltd 油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造
JP2009012663A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Nsk Ltd ラックストロークエンドの衝撃緩和装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR1237211A (fr) * 1959-06-10 1960-07-29 Luxembourg Brev Participations Perfectionnements apportés aux ressorts de compression en caoutchouc
JP3231959B2 (ja) 1994-11-07 2001-11-26 本田技研工業株式会社 ステアリング機構用ストロークエンド緩衝装置
US6523431B2 (en) * 1999-10-07 2003-02-25 Delphi Technologies, Inc. Electric power steering assist mechanism

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6032110U (ja) * 1983-08-11 1985-03-05 株式会社 モルテン サスペンションのストップラバ−構造
JP2003184938A (ja) * 2001-12-19 2003-07-03 Yunimatekku Kk バンプストッパ
JP2003312491A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Nsk Ltd 電動式パワーステアリング装置
JP2003335247A (ja) * 2002-05-20 2003-11-25 Unisia Jkc Steering System Co Ltd シリンダ装置
JP2004232714A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Kayaba Ind Co Ltd 動力伝達装置
JP2005161942A (ja) * 2003-12-01 2005-06-23 Unisia Jkc Steering System Co Ltd 油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造
JP2009012663A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Nsk Ltd ラックストロークエンドの衝撃緩和装置

Also Published As

Publication number Publication date
US8662509B2 (en) 2014-03-04
CN102666252A (zh) 2012-09-12
JPWO2011077614A1 (ja) 2013-05-02
US20120242054A1 (en) 2012-09-27
CN102666252B (zh) 2014-05-07
WO2011077614A1 (ja) 2011-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5504281B2 (ja) ラック・アンド・ピニオン式ステアリング機構の衝撃緩衝装置
CN103818459B (zh) 转向装置
JP5447694B2 (ja) ステアリング装置用伸縮軸
JP2015112959A (ja) 操舵装置
JP2017165327A (ja) ステアリング装置
JP2012040949A (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
JP2013159293A (ja) ステアリング装置
JP5494593B2 (ja) ステアリング装置
JP2007331649A (ja) 車両用衝撃吸収構造
JP5181605B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
KR101450329B1 (ko) 랙 피니언 방식 조향장치의 타이로드
JP6510872B2 (ja) 緩衝ストッパ
JP2007145061A (ja) ステアリングシャフト
KR101419986B1 (ko) 자동차 조향장치의 중간축
JP5392189B2 (ja) ステアリング装置
JP2010215094A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリング装置
JP6443004B2 (ja) ステアリング装置
JP4909874B2 (ja) ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置
JP2014136437A (ja) ラックピニオン式ステアリング装置
JP5125032B2 (ja) 電動位置調整式ステアリング装置
JP4454800B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5500113B2 (ja) ステアリング装置
KR20070050177A (ko) 자동차용 스티어링 칼럼의 충격흡수 구조
JP2008105600A (ja) ステアリング装置
JP2008074298A (ja) 電動位置調整式ステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5504281

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees