JP5481079B2 - ゲートバルブ及びゲートバルブの開閉方法 - Google Patents

ゲートバルブ及びゲートバルブの開閉方法 Download PDF

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Description

本発明は、真空容器に装着され、開閉により被処理体を搬送させるゲートバルブ及びゲートバルブの開閉方法に関する。
一般的に、基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置では、真空雰囲気下の処理室にてプラズマ処理が行われる。基板は、減圧状態にあるロードロック室を介して処理室に搬入され、プラズマ処理後、再びロードロック室を介して搬送経路側に搬出される。
処理室やロードロック室にはゲートバルブが配置されていて、基板搬送時、処理室やロードロック室に設けられた搬送口を開閉することにより、これらの室の気密を保持する(例えば、特許文献1を参照)。ゲートバルブは、搬送時、弁体駆動機構によって弁体を昇降運動させ、これにより搬送口の開閉を行う。弁体にはOリング等のシール部材が取り付けられていて弁体を搬送口側に押しつけることにより、搬送口がシールされ、処理室やロードロック室内の気密が保持される。
特開2008−186864号公報
しかしながら、上記構造のゲートバルブでは弁体を昇降させる機構やシール部材を搬送口に押し付ける機構が大掛かりで複雑になる。特に、近年の基板の大型化に伴い、ゲートバルブも大型化している。このため、ゲートバルブの設置スペースが大きくなり、かつ設備コストも高くなっていた。
特に、ロードロック室を複数段積層させた場合、大型のゲートバルブをロードロック室に一対一に積層させることはスペース的に困難であった。たとえば、ロードロック室を3段以上積層させた場合、中間のロードロック室に弁体が上下移動するゲートバルブを設置することはできない。この場合、中間のロードロック室に弁体が左右に移動するゲートバルブを設置することも考えられるが、近年の大型化されたゲートバルブでは弁体が下方向に撓む、機構が大掛かりで設置が複雑になる、設備コストが上がる等実用面で課題が多い。
上記問題を解消するために、本発明は、弁体を回転運動させることにより搬送口の開閉を行うゲートバルブを提供することを目的とする。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、真空容器に装着され、開閉により被処理体を搬送させるゲートバルブであって、前記真空容器の内部空間と連通する第1の開口が形成された筐体と、前記筐体に回転可能に内蔵された回転部材とを備え、前記回転部材は、回転軸と該回転軸に取り付けられる弁体とを有し、前記弁体は、前記回転軸の軸方向に平行に設けられた平板部と、前記平板部の両端に設けられ、前記回転軸に接続される回転軸接続部とを有し、前記弁体には、被処理体が通過可能な貫通口が設けられておらず、前記弁体に膨張可能なシール部材が取り付けられ、前記ゲートバルブを閉じる場合には前記回転軸を回転させて前記弁体を前記第1の開口を塞ぐ第1の位置まで回転させた後、前記シール部材を膨張させるゲートバルブが提供される。
かかる構成によれば、ゲートバルブを閉じる場合、筐体内にて回転軸を回転させて弁体を第1の開口を塞ぐ第1の位置まで回転させた後、弁体に取り付けられたシール部材を膨張させる。これによれば、弁体を回転させる際にはシール部材を膨張していない通常状態に戻すことにより、シール部材が弁体から突出して筐体と接触し、摩擦を生じさせることを防ぎ、弁体が第1の開口を塞ぐ第1の位置に位置づけられた後には、弁体に取り付けられたシール部材を膨張させて筐体とシール部材とを密着させ、第1の開口を封止する。これにより、第1の開口と連通する真空容器の気密を保持することができる。
また、筐体内を弁体が回転する機構によりゲートバルブを開閉する構造であるため、設置スペースが小さくかつ設備コストを低減できる。特に、ロードロック室を3段以上積層させた場合においても、容易にゲートバルブを設置することができる。
前記シール部材は、前記第1の位置にて前記第1の開口の外周を囲むように環状に形成されていてもよい。
前記シール部材には、前記シール部材を膨張させる駆動機構が連結され、前記駆動機構は、前記弁体が前記第1の位置に位置づけられた後に加圧を開始して前記シール部材を膨張させてもよい。
前記駆動機構は、前記弁体を回転させる前に加圧を停止して前記シール部材を通常状態に戻してもよい。
前記駆動機構は、前記シール部材の中空部分に気体を導入することにより前記シール部材を膨張させてもよい。
前記第1の位置では、前記シール部材を膨張させることにより前記シール部材のシール面と前記筐体の内壁とを接触させてもよい。
前記回転時、前記シール部材を通常状態に戻すことにより前記シール部材のシール面と前記筐体の内壁とを非接触にしてもよい。
前記筐体には、前記第1の開口と対向する位置に第2の開口が形成され、前記ゲートバルブを開ける場合には前記弁体を前記第1の開口と前記第2の開口とが連通する第2の位置に回転させてもよい。
前記筐体の上面部に上蓋が設けられていても良い。また、前記筐体の側壁部に前記回転軸が挿通可能な側蓋が設けられていても良い。
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、真空容器に装着され、開閉により被処理体の搬送させるゲートバルブの開閉方法であって、前記ゲートバルブは、前記真空容器の内部空間と連通する第1の開口が形成された筐体と、前記筐体に回転可能に内蔵された回転部材を備え、前記回転部材は、回転軸と該回転軸に取り付けられる弁体とを有し、前記弁体は、前記回転軸の軸方向に平行に設けられた平板部と、前記平板部の両端に設けられ、前記回転軸に接続される回転軸接続部とを有し、前記弁体には、被処理体が通過可能な貫通口が設けられておらず、前記弁体に膨張可能なシール部材が取り付けられ、前記ゲートバルブを閉じる場合には前記回転軸を中心として前記弁体を前記第1の開口を塞ぐ第1の位置まで回転させた後、前記シール部材を膨張させるゲートバルブの開閉方法が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、弁体を回転運動させることによってゲートバルブの小型化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るゲートバルブの斜視図である。 ロードロック室側から見た同実施形態に係るゲートバルブの斜視図である。 図3(a)は図2の1−1断面図であり、図3(b)は図2の2−2断面図である。 図4(a)はゲートバルブを90°回転させた後の図2の1−1断面図であり、図4(b)はゲートバルブを90°回転させた後の図2の2−2断面図である。 図5(a)は同実施形態に係るシール部材の膨張状態を説明するための図であり、図5(b)は同実施形態に係るシール部材の通常状態を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係るゲートバルブの斜視図である。 図7(a)は図6の3−3断面図であり、図7(b)は図7(a)のゲートバルブを90°回転させた後の3−3断面図であり、図7(c)は着脱時の3−3断面図である。 同実施形態に係る各部の着脱方法を説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
<第1の実施形態>
(ゲートバルブの全体構成)
まず、本発明の第1の実施形態に係るゲートバルブの全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は3段のロードロック室LLに一対一に装着された3段のゲートバルブGVの斜視図であり、図2はロードロック室LL側から見たゲートバルブGVの斜視図である。
ゲートバルブGVは、ロードロック室LLの側面に連結されている。ロードロック室LLは、所定の真空度に維持され、真空処理容器(図示せず)に基板を搬送するために用いられる。本実施形態では、ロードロック室LL及びゲートバルブGVとは一対一に連結され、ゲートバルブGVは、弁体の開閉により基板をロードロック室LLに搬入させたり、ロードロック室LLから搬出させたりしながら、ロードロック室LLの気密を保持する。
ゲートバルブGVは、筐体105と回転部材110とを有している。筐体105は、矩形状の中空部材である。筐体105は機械的強度を考慮してステンレスやアルミニウム等の金属から形成されている。図2に示したように、筐体105には、ロードロック室LLと密着する側壁にロードロック室LL内の内部空間と連通する前方開口105aがほぼ長方形に形成されている。また、図1に示したように、前方開口105aの反対側の側壁にも後方開口105bが角が丸められた略長方形に形成されている。前方開口105aと後方開口105bとは連通していて、筐体105内を基板が通過するための搬送口となる。なお、前方開口105aは第1の開口の一例であり、後方開口105bは第2の開口の一例である。
本実施形態では、後方開口105bは前方開口105aより大きい。これは、後方開口105bをメンテナンス時に用いることを意図したものである。すなわち、後方開口105bを用いて筐体内のパーツ交換等を行う。しかしながら、これに限られず、前方開口105aと後方開口105bとを逆にして後方開口105b側をロードロック室LL側に配置してもよい。
図2に示したように、回転部材110は、回転軸110aと弁体110bとを有し、筐体105に回転可能に内蔵されている。回転軸110a及び弁体110bは、ステンレスやアルミニウム等の金属から形成されている。弁体110bは、両端側に丸みがある円筒状の部材である。弁体110bには、弁体110bと同心円状に回転軸110aが連結されている。回転軸110aの一部は、筐体105の側部から筐体105外に突出している。回転軸110a及び弁体110bは、回転軸110aの軸回りに一体となって回転する。回転軸110aと筐体105との間には、図示しないベアリングが設けられていて、筐体105内で回転部材110がスムーズに回転できるようになっている。弁体110bの表面には、シール部材200が取り付けられている。弁体110bには、また、基板を搬送させるための貫通口110b1が設けられている。
回転軸110aが筐体105を貫通する部分には、図示しないOリングが設けられていて、筐体内部の気密を保持するようになっている。Oリングに替えて、Cリング、回転リング、磁気シールなどを用いることもできる。
(ゲートバルブの内部構成)
次に、ゲートバルブGVの内部構成について図3及び図4を参照しながら説明する。図3(a)は図2の1−1断面図を示し、図3(b)は図2の2−2断面図を示す。図4(a)はゲートバルブGVを90°回転させた後の図2の1−1断面図を示し、図4(b)は図3(a)の状態のゲートバルブを90°回転させた後の図2の2−2断面図を示す。
図8に一例を示したように、シール部材200は、ゴム等の伸縮可能な樹脂やプラスチックで形成された環状部材である。シール部材200は、弁体110bの表面に設けられた環状の溝を埋めるように弁体110bに取り付けられ、図8に示したパッキン205で、図3及び図4に示したようにシール部材200を弁体110bに押し付ける。その状態でパッキン205に設けられた貫通孔にボルト210を挿入してボルト210によりパッキン205と弁体110bとを固定する。これにより、シール部材200が弁体110bに固定される。パッキン205は、弁体110bと同じように、ステンレスやアルミニウム等の金属にて形成されている。このようにして、シール部材200は、回転部材110に交換可能に取り付けられている。
(シール部材の内部構成及び動作)
シール部材200の内部構成及び動作について、図5を参照しながら詳しく説明する。前述したように、シール部材200は、膨張及び収縮が可能なフッ素系ゴムから形成されている。フッ素系ゴムの他、伸縮可能な樹脂やプラスチックで形成されてもよい。
シール部材200は、環状に形成されたチューブである。その断面は略三角形であって中空である。シール部材200の底面には開口が設けられていて、その開口にはコネクタ215が嵌入されている。コネクタ215はステンレスやアルミニウム等の金属にて形成されている。コネクタ215とシール部材200との接合部分は接着されるとともに、コーン状の加圧シール用パッキン220により連結されている。これにより、シール部材200の内部に充填されるエアーの漏れを防止することができる。
コネクタ215は、環状部材であり、ガスライン230を介してエアー供給器235に接続されている。コネクタ215の外周には、Oリング225が設けられ、シール部材220の気密を保持するようになっている。
図5(a)に示したように、エアー供給器235がエアーを出力すると、エアーは、ガスライン230及びコネクタ215を通って、シール部材200の内部空間に導入され、シール部材200は膨張する。これにより、シール部材200は、図2に示したように、前方開口105aの周囲にて筐体105の内壁に環状に当接し、更に、膨張により壁面を押圧して壁面に環状に密着する。このようにして、前方開口105aを封止することができる。
一方、図5(b)に示したように、エアー供給器235がエアーの出力を停止すると、シール部材200へのエアーの導入は停止され、シール部材200は収縮する。これにより、シール部材200は、筐体105の内壁と非接触した状態(通常状態)になる。この状態では、弁体110bを筐体105に接触させることなく回転させることができる。
本実施形態に係るシール部材200によれば、構造が単純なため、部品点数が少なく製造コストを低減させることができる。また、構造がコンパクトなため、ゲートバルブ全体の小型化を図ることができる。また、弁体回転時には、筐体105と弁体110bとの接触を回避することができるため、装置の長寿命化により環境に優しく、かつ設備コストを低減することができる。
なお、エアー供給器235は、シール部材200を膨張させる気体供給機構の一例である。
(ゲートバルブの開閉動作)
本実施形態では、ゲートバルブGVは、回転軸110aに接続された図示しないモーター等の駆動装置を駆動して回転軸110aを回転すること及びシール部材200を膨張させることによりロードロック室LLの気密を保持しながら、ゲートバルブGVを開閉することにより基板を搬送する。以下では、ゲートバルブGVの閉動作、ゲートバルブGVの開動作の順に説明する。
(閉動作)
ゲートバルブGVを閉じる場合には、シール部材200を通常状態(図5(b)の状態)にした後、回転軸110aを回転させて、弁体110bを前方開口105aを塞ぐ位置まで回転させる。この状態は、図2及び図3(a)(b)に示したように、前方開口105aを弁体110bが塞いだ状態である。このように、弁体110bが前方開口105aを塞ぎ、貫通口110b1が筐体105の概ね上下方向に位置するときの弁体110bの位置を、以下、第1の位置という。
第1の位置では、シール部材200は、前方開口105aの外周を囲むようになっている。エアー供給器235は、弁体110bが第1の位置に位置づけられた後に加圧を開始してシール部材を膨張させる。膨張させる際、シール部材200の内部圧力を0.1MPa〜0.5MPaに維持する流量のエアーを導入する。これにより、シール部材200はエアーを注入されて膨張し、シール部材200が壁面を押圧してそのシール面が壁面に環状に密着する(図5(a)の状態)。このようにして、前方開口105aは封止される。
(開動作)
エアー供給器235は、弁体110bを第1の位置から回転させる前にエアーの出力を停止してシール部材200を図5(b)に示した通常状態に戻す。これにより、弁体110bの回転時、シール部材200のシール面と筐体105の内壁とを非接触にすることができる。この状態で、回転軸110aを90°回転させて、弁体110bを図4(a)(b)の位置に移動させる。この位置では、前方開口105aと後方開口105bとは、弁体110bの貫通口110b1により連通する。この位置を以下、第2の位置という。
第2の位置では、基板は、ロードロック室LLから前方開口105a、貫通口110b1、後方開口105bを通って搬出されたり、後方開口105b、貫通口110b1、前方開口105aを通ってロードロック室LLに搬入されたりする。
このようにして、本実施形態では、弁体110bを第1の位置と第2の位置との間で往復回転運動又は一方方向に回転運動させることにより、ゲートバルブGVを開閉することができる。なお、第2の位置は、弁体のシール部材200取付側が筐体105の上部側に位置するように回転軸110aを90°回転させもよい。これによっても、前方開口105aと後方開口105bとは、弁体110bの貫通口110b1により連通し、基板を搬入及び搬出することができる。
また、シール部材200の膨張を停止するためには、注入するエアーを停止する上記方法に替えて、たとえば、大気圧以下の負圧になるように減圧してもよい。
本実施形態に係るゲートバルブGVによれば、ゲートバルブGVを閉じる場合、筐体105の内部にて回転軸110aを回転させて弁体110bを前方開口105aを塞ぐ第1の位置まで回転させた後、弁体110bに取り付けられたシール部材200を膨張させる。これによれば、弁体110bの回転時にはシール部材200が弁体110bから突出して筐体105と接触し、摩擦を生じさせることを防ぐことができる。
また、弁体110bが前方開口105aを塞ぐ第1の位置に位置づけられた後には、シール部材200を膨張させて筐体105とシール部材200とを密着させ、前方開口105aを封止する。これにより、前方開口105a側に連結されたロードロック室LLの気密を保持することができる。
また、筐体105の内部を弁体110bが回転する機構を採用したため、弁体110bを上下移動させるタイプのゲートバルブより小型化できる。これにより、設置スペースが小さくなり、かつ設備コストを低減できる。特に、ロードロック室LLを3段以上積層させた場合においても、容易にゲートバルブGVを設置することができる。
<第2の実施形態>
(ゲートバルブの全体構成)
次に、第2の実施形態に係るゲートバルブGVについて、図6〜図8を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係るゲートバルブGVの斜視図を示す。また、図7は、図6の3−3断面図を示す。第2の実施形態に係るゲートバルブGVでは、弁体110bの形状が略かまぼこ状である点、筐体105の上部及び側部に前方開口105a及び後方開口105bと異なる開口が設けられている点において、第1の実施形態に係るゲートバルブGVと異なる。よって、この相違点を中心に第2の実施形態を説明する。
本実施形態では、図6及び図7に示したように、弁体110bはかまぼこ状であり、かまぼこの底面にて回転軸110aと一体化している。弁体110bには、第1実施形態と同様にシール部材200が設けられている。弁体110bをかまぼこ状にすることにより第1実施形態の弁体110bに形成された基板を搬送させるための貫通口110b1を設ける必要がなくなり、弁体110bの機械加工、交換等が楽になる。
プロセス時には、図7(a)の第1の位置では、シール部材200を膨張させることにより、第1の実施形態と同様に前方開口105aを閉塞及び封止する。これにより、ロードロック室LLの真空状態を維持する。
搬送時には、エアーの導入を停止してシール部材200を通常状態にした後、回転軸110aを90°回転させて、図7(b)の第2の位置に弁体110bを位置づける。これにより、ロードロック室LLからの基板の搬出又はロードロック室LLへの基板の搬入が可能になる。
図6及び図8を参照すると、筐体105には上部にて上蓋300が、たとえばねじで着脱可能に固定され、下部にて下蓋305が、着脱可能に固定されている。また、回転軸110aが貫通した筐体105の両側面にも、側蓋310が着脱可能に固定されている。
筐体105の上部及び下部には、上蓋300及び下蓋305が図示しないボルトで固定されている。筐体105の両側部には、側蓋310が図示しないボルトで固定されている。
図8に上蓋300及び側蓋310を筐体105から外した状態を示す。図8では、第2の開口105bが手前に描かれている。上蓋300は、筐体105の上面に設けられた上方開口105cを塞ぐための蓋である。また、側蓋310は、回転軸110aが突出した筐体105の両側面に設けられた側方開口105dを塞ぐための蓋である。
このように、第2実施形態では、筐体105の上下部及び側部に開口を設け、弁体をかまぼこ状にして体積を小さくすることにより、メンテナンス性を向上させている。具体的には、たとえば、側蓋310を外して、側面の側方開口105dから、弁体110bを筐体105の外部に取り出すことができる。この前に、後方開口105bから、パッキン205及びシール部材200を予め取り外しておいてもよい。
側面の側方開口105dから、図7(c)に示したように、上蓋300を外して弁体110bを上方開口105c筐体105の外に取り出すようにしてもよい。
本実施形態に係るゲートバルブGVによれば、回転時、シール部材200を収縮させることにより、弁体回転時に弁体110bと筐体105が接触して摩擦することを回避するとともに、封止時、シール部材200を膨張させることにより搬送口を真空シールすることができる。また、弁体110bを回転機構としたことによりゲートバルブGVを小型化できる。
さらに、回転軸110a及び弁体110bが、筐体105に着脱可能に内蔵されている。シール部材200の交換もより容易になる。このため、シール部材200の交換や弁体110bの調整、交換等のメンテナンス性が向上する。これにより、ゲートバルブGVを使う際の利便性を向上させることができる。
なお、シール部材200にエアーを導入するエアー供給器235や回転軸110aを回転するモータ(図示せず)は、専用の制御デバイスあるいはレシピを実行する制御装置(図示せず)により実行される。ゲートバルブGVの開閉タイミングは、制御装置に設けられたROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)に記憶されたレシピに基づき、制御装置に設けられたCPUがレシピを実行することにより実現される。CPUからの指令は、インタフェースを介して、エアー供給器235や回転軸110aに電気信号として伝えられ、各装置はこれに従い所定のタイミングにゲートバルブを開閉する。
以上に説明した各実施形態に係るゲートバルブGVによれば、弁体110bを回転運動させることによりコンパクトな構造で搬送口の開閉を行うことができる。この結果、省スペース及び低コストのゲートバルブを提供できる。
上記実施形態にてゲートバルブを構成する各部の動作は互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。これにより、ゲートバルブGVの実施形態を、ゲートバルブの開閉方法の実施形態とすることができる。
これにより、真空容器に装着され、開閉により被処理体の搬送させるゲートバルブの開閉方法であって、前記ゲートバルブは、前記真空容器の内部空間と連通する前方開口が形成された筐体と、前記筐体に回転可能に内蔵され、回転軸と該回転軸に取り付けられた弁体とを有する回転部材と、前記回転部材に取り付けられ、膨張可能なシール部材とを備え、前記ゲートバルブを閉じる場合には前記回転軸を中心として前記弁体を前記前方開口を塞ぐ第1の位置まで回転させた後、前記シール部材を膨張させるゲートバルブの開閉方法を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、本発明に係るゲートバルブGVに取り付けられたシール部材は、種々の形状を取り得る。たとえば、シール部材のシール面に鋭角な又は凸状の突起を多数設けることにより、筐体105とシール面との接触面積を小さくしてもよい。筐体105とシール面との接触面積を小さくすることによって、接触部分に掛かる力は大きくなるため、シール部材200の突起部分(シール面)と筐体105とを確実に接触させてシール力を強くすることができる。
また、上記実施形態では、弁体110bが前方開口105aを塞ぐ位置を第1の位置として、第1の位置から90°回転させた位置を第2の位置としたが、これに限られない。たとえば、弁体110bが後方開口105bを塞ぐ位置を第1の位置として、第1の位置と第1の位置から90°回転させた第2の位置とに弁体110bを往復運動させても、ゲートバルブGVを開閉することができる。ただし、弁体110bは、後方開口105bを塞ぐより前方開口105aを塞ぐほうが、ロードロック室LLをより強固にシールすることができるため好ましい。
また、弁体110bが前方開口105aを塞ぐ位置を第1の位置として、第1の位置から弁体110bを時計回り又は反時計回りに90°回転させた位置を第2の位置とし、第2の位置からさらに、弁体110bを時計回り又は反時計回りに90°回転させた位置を再び第1の位置として弁体110bを往復運動又は一方方向に回転運動させてゲートバルブGVを開閉してもよい。
この場合には、弁体110bが前方開口105aを塞ぐ位置及び弁体110bが後方開口105bを塞ぐ位置の2点が第1の位置となり、第1の位置から90°回転した2点が第2の位置となり得る。また、この場合には、前方開口105a及び後方開口105bの一方が第1の開口となり、前方開口105a及び後方開口105bの他方が第2の開口となる。
本発明に係るゲートバルブGVが取り付けられるロードロック室LLの個数は、3個に限られない。例えば、ゲートバルブGVは、1個のロードロック室LLに取り付けられていてもよく、2以上の積層されたロードロック室LLに一対一に取り付けられていてもよい。
また、本発明に係るゲートバルブGVは、ロードロック室以外にも使用できる。たとえば、搬送室と処理室(真空容器)との間に設けたり、処理室と処理室との間に設けるようにしてもよい。処理室では、成膜処理、エッチング処理、アッシング処理、スパッタ処理等、真空雰囲気下で行う各種処理を行うことができる。
本発明に係る成膜装置によって処理される被処理体は、基板であってもよくシリコンウエハであってもよい。
105 筐体
105a 前方開口
105b 後方開口
105c 上方開口
105d 側方開口
110 回転部材
110a 回転軸
110b 弁体
110b1 貫通口
200 シール部材
205 パッキン
210 ボルト
215 コネクタ
220 コーン状の加圧シール用パッキン
225 Oリング
230 ガスライン
235 エアー供給器
300 上蓋
305 下蓋
310 側蓋
GV ゲートバルブ
LL ロードロック室

Claims (11)

  1. 真空容器に装着され、開閉により被処理体を搬送させるゲートバルブであって、
    前記真空容器の内部空間と連通する第1の開口が形成された筐体と、
    前記筐体に回転可能に内蔵された回転部材とを備え、
    前記回転部材は、回転軸と該回転軸に取り付けられる弁体とを有し、
    前記弁体は、
    前記回転軸の軸方向に平行に設けられた平板部と、
    前記平板部の両端に設けられ、前記回転軸に接続される回転軸接続部とを有し、
    前記弁体には、被処理体が通過可能な貫通口が設けられておらず、
    前記弁体に膨張可能なシール部材が取り付けられ、
    前記ゲートバルブを閉じる場合には前記回転軸を回転させて前記弁体を前記第1の開口を塞ぐ第1の位置まで回転させた後、前記シール部材を膨張させるゲートバルブ。
  2. 前記シール部材は、前記第1の位置にて前記第1の開口の外周を囲むように環状に形成されている請求項1に記載のゲートバルブ。
  3. 前記シール部材には、前記シール部材を膨張させる気体供給機構が連結され、
    前記気体供給機構は、前記弁体が前記第1の位置に位置づけられた後に加圧を開始して前記シール部材を膨張させる請求項1又は請求項2のいずれかに記載のゲートバルブ。
  4. 前記気体供給機構は、前記弁体を回転させる前に加圧を停止して前記シール部材を通常状態に戻す請求項3に記載のゲートバルブ。
  5. 前記気体供給機構は、前記シール部材の中空部分に気体を導入することにより前記シール部材を膨張させる請求項3又は請求項4のいずれかに記載のゲートバルブ。
  6. 前記第1の位置では、前記シール部材を膨張させることにより前記シール部材のシール面と前記筐体の内壁とを接触させる請求項1〜5のいずれかに記載のゲートバルブ。
  7. 前記回転時、前記シール部材を通常状態に戻すことにより前記シール部材のシール面と前記筐体の内壁とを非接触にする請求項1〜6のいずれかに記載のゲートバルブ。
  8. 前記筐体には、前記第1の開口と連通する第2の開口が形成され、
    前記ゲートバルブを開ける場合には前記弁体を前記第1の開口と前記第2の開口とが連通する第2の位置に回転させる請求項1〜7のいずれかに記載のゲートバルブ。
  9. 前記筐体の上面部に上蓋が設けられている請求項1〜8のいずれかに記載のゲートバルブ。
  10. 前記筐体の側壁部に前記回転軸が挿通可能な側蓋が設けられている請求項1〜9のいずれかに記載のゲートバルブ。
  11. 真空容器に装着され、開閉により被処理体の搬送させるゲートバルブの開閉方法であって、
    前記ゲートバルブは、前記真空容器の内部空間と連通する第1の開口が形成された筐体と、前記筐体に回転可能に内蔵された回転部材とを備え、前記回転部材は、回転軸と該回転軸に取り付けられる弁体とを有し、前記弁体は、前記回転軸の軸方向に平行に設けられた平板部と、前記平板部の両端に設けられ、前記回転軸に接続される回転軸接続部とを有し、前記弁体には、被処理体が通過可能な貫通口が設けられておらず、前記弁体に膨張可能なシール部材が取り付けられ、
    前記ゲートバルブを閉じる場合には前記回転軸を中心として前記弁体を前記第1の開口を塞ぐ第1の位置まで回転させた後、前記シール部材を膨張させるゲートバルブの開閉方法。
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