JP4214228B2 - 複合高圧処理装置及びそれに用いる高圧バルブ - Google Patents
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Description
また、真空バルブを開けることによって接続された2つの真空容器内で基材を自在に移動することが可能である。移動できる基材の大きさは12インチウェハー以上の大きさにまで達している。そして基材を移動する方法として、基材を保持するホルダーを真空容器内に設置されたロボットアームによって真空容器内部で直接的に移動する方式から、真空ベローズを用いて真空容器外部からの機械的運動を直接的にホルダー移動の運動へと伝達する方式、マグネットフィードスルーと呼ばれる真空容器外部からの運動を磁石による磁力を用いて真空容器内部の運動へと伝達してホルダーを移動する間接的な方式と様々な方式が存在している。
また、上記ロードロック機構を用いた複合真空装置の場合、バルブを介して接続された複数の真空容器のうち一つの真空容器が大気圧であっても、大気圧である真空容器とは別の他の真空容器との間のバルブを閉めておくことによって、他の真空容器を大気圧以下の減圧状態が維持された状態とすることが可能である。そのため、大気圧の複合真空装置外部にある基材を該複合真空装置内にあるホルダーに設置しようとする場合、該複合真空装置のうちの一つの真空容器のみ大気圧に昇圧してふたを開けてその真空容器内のホルダーに基材を設置し、その後ふたを閉めて密閉して真空ポンプによってその真空容器内の大気を排気して減圧すれば、再び他の真空容器の減圧状態を維持したままバルブを開けて基材の移動が可能となり、全ての真空容器を大気圧に昇圧した後再び全ての真空容器を減圧した場合に比べて桁違いに短時間のうちに複合真空装置内の真空処理を行うことができる。
バルブが存在する(以下、「従来技術2」という。)。
また、真空装置に用いられているバルブとして、例えば、特許文献1に示すような円錐台形状のバルブが存在する(以下、「従来技術3」という。)。
また、上記の従来技術2では、高圧用とした場合でも構造上シール部を強く弁座体側面に押し付けることができるため閉の状態でリーク量を非常に小さくすることが可能であるという長所がある。しかしこの方式の場合、弁体の移動量を大きくしなければならないため、高圧状態でありながら機械的に移動可能とならしめる高圧ベローズバルブの形状が大きなものとなり、全体の形状が非常に大きくなってしまうだけでなくバルブを満たす余剰の高圧流体の容量が大きくなってしまうという実用上大きな短所が存在する。
また、上記の従来技術3では、バルブ形状がコンパクトでバルブに満たされる余剰の容量を少なく、かつシール部を弁座体に強く密着させることが可能である。しかし、この技術は、真空バルブに適用することを念頭に置かれているためシール部の押し圧はたかだか0.1MPaをシールするための圧力に過ぎず、また真空用ベローズでは高圧流体に適用することができない。また、このバルブの場合、バルブが閉状態の際に弁体開口部が密閉空間となるため、高圧バルブとして用いると高圧流体が密閉空間に封じきられた状態になる。そのため、バルブ閉状態で温度の上昇などの外乱が加わった場合、破裂などの安全上重大な問題を生じることとなる。また、このバルブはそもそも真空容器を大気圧以下の真空状態に維持したり、それを大気圧に開放したりすることを目的とするものであって、弁体内部を非処理物が通過することを目的とするものではない。
さらに、上記の従来技術4では、バルブ形状がコンパクトでバルブに満たされる余剰の容量がほとんどない点に長所がある。しかしプラグバルブを大型化した構造の場合、シール部を弁座体に強く密着させることができないためリーク量がゲートバルブよりも大きく、液体は高圧状態を維持できるもののガスの圧力を維持することができないという実用上問題点があることが判明した。
すなわち、本発明は、高圧バルブを介して着脱可能に接続された複数の高圧容器内において基材に1MPa以上の高圧条件で高圧処理を行う高圧処理装置において、該高圧バルブを閉めた状態の場合、それぞれの高圧容器内で独立に該基材に対して異なる種類の高圧処理が可能であって、かつ該高圧バルブを開けた状態の場合、該高圧バルブによって接続される二つの高圧容器がそれぞれ1MPa以上の圧力に維持されるとともに、該高圧バルブの弁体内部を基材が通り抜け可能な構成とすることにより、該二つの高圧容器間を該基材が移動可能であることを特徴とする複合高圧処理装置を提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置において、高圧容器が複数の高圧バルブを介して接続されることを特徴とする複合高圧処理装置を提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置において、複数の高圧バルブ間の空間に基材ホルダーを設けることにより該空間を高圧処理室とすることを特徴とする複合高圧処理装置を提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置において、高圧容器又は高圧バルブに温度調整機構、局所加熱機構、高圧流体導入バルブ及び高圧流体圧力調整バルブのいずれかを設けることを特徴とする複合高圧処理装置を提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置において、一方又は双方の高圧容器にマグネットフィールドスルー式移動機構を備えることを特徴とする複合高圧処理装置を提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置に用いる高圧バルブにおいて、該高圧バルブが二つの高圧容器の開口にそれぞれ接する一対の開口を持つ弁座体と、該弁座体の一対の開口の中心を結ぶ直線に垂直な回転軸を持ち該弁座体内で回転可能であって該開口を結ぶ直線上に一つの貫通孔が設けられた断面が台形状の弁体と、該弁体の側面に設けられたシール機構と、前記弁体を回転軸を中心に回転させる回転機構と、前記弁体を回転軸方向に移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする高圧バルブを提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置に用いる高圧バルブにおいて、移動機構に高圧ベローズを用いることにより移動機構のシールを行うことを特徴とする高圧バルブを提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置に用いる高圧バルブにおいて、弁体の貫通孔と該弁座体の一方の開口との圧力差を一致させる圧力逃し孔を備えたことを特徴とする高圧バルブを提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置に用いる高圧バルブにおいて、弁体の回転軸方向への過大な移動を防止するための弁体ストッパーを設けることを特徴とする高圧バルブを提供する。
また、本発明は、上記の複合高圧処理装置に用いる高圧バルブにおいて、弁座体の一対の開口のそれぞれの開口の圧力を計測するための圧力計測手段を備えることを特徴とする高圧バルブを提供する。
(1)弁体の移動量を大きくすることなくシール部を弁座体に強く密着させることができるため、形状がコンパクトでバルブに満たされる余剰の容量がほとんどなく、かつ、リーク量を非常に小さくすることができる高圧バルブを得ることができる。
(2)弁体内部の閉鎖空間に貯留された高圧流体によって弁体が破壊される危険性を防止することができる。そのため『開』状態で大きな基材を通過させることができる開口部を持ちながら『閉』状態で良好な高圧状態を維持することができる。
(3)様々な高圧処理を安全かつ低コストで行うことができる。
その後、再び高圧流体導入バルブ9あるいは高圧流体圧力調整バルブ9’によって高圧容器1内の圧力を圧力計11で観測しながら高圧容器3と同一圧力に調整した後、高圧バルブ2を開けて基材4を高圧バルブ2内を通過させ、高圧容器3に戻して高圧バルブ2を閉めて高圧容器1から独立させる。高圧容器3内の流体を高圧流体圧力調整バルブ8’を用いて排出して大気圧とし、フランジ6を開けて基材4を取り出す。このような一連の高圧処理操作を行うことにより、高圧容器1を大気圧にすることなく高圧処理を施すことができる。
なお、図4では、図3の高圧容器1の局所加熱機構13の代わりに高圧容器101全体を加熱する容器温度調整機構113が備えられている。その後、図3において記載した操作と同一の操作を行うことにより、高圧容器101を大気圧にすることなく高圧処理を基材104に施すことが可能である。
なお、高圧バルブ202及び232にはバルブ温度調整機構216と246が備えられており、更に高圧バルブ232には局所加熱機構250と基材ホルダー251が備えられている。
なお、基材の移動は、マグネティックフィードスルー方式を採用しているが、他の方法でも良い。
図8及び図9に示した高圧バルブ2は、弁座体21の開口方向23に対して垂直な方向に回転軸24があり、断面が台形状の回転体である弁体25、一対の矩形状開口30、30を有し、弁体25の側面と対をなす凹面状の面を持つ弁座体21、弁座体21に備え付けられ弁体25の台形上底側に設置されている弁体を回転させる回転機構26、弁座体21に備え付けられ弁体25の台形下底側に設置されている弁体を回転軸方向に移動させる移動機構27及びシール機構28によって構成されている。
弁体25の貫通孔29の開口は、高圧バルブ2が『開』の状態の時には、弁体25に設けられている貫通孔29と、弁座体21に開けられている矩形状開口30、30が1直線上に連なっている状態となっており、高圧バルブ2が『閉』の状態の時には、回転軸24を中心として90°回転して弁座体21の開口30、30が弁体25の側面によって遮断された図8のような状態となるように設けられている。
なお図8では、回転機構26と移動機構27とがそれぞれ弁体25をはさんで対向する位置に備わっているが、両機構26、27が弁体25の底辺に対して一方向に備わっていても良い。
図8に示す例では、移動機構27は弁体25の大きい側の底面側(上側)に設置され、高圧用ベローズバルブと同様に成形ベローズを用いた金属製の高圧ベローズ39を用いることによって、流体に接するシール材からの汚染や膨潤、リークなどを防いでいる。
図示しない外部の駆動機構によってハンドル31が回転すると、ねじ部32によって高圧ベローズ39に溶接されたロッド33がハンドル31の回転軸方向に直線的に移動する。その結果、弁体25および弁体25に取り付けられたロッドホルダー22と接するロッド33の高圧側の端部34が弁体25の回転軸方向に直線的に移動し、弁体25が回転軸方向に移動する。移動量は後述するようにわずかで良く、ベローズバルブに対してはるかに少ない移動量でよい。その結果、成形金属ベローズを用いる際の短所である、バルブ全体の形状が大きなものとなってしまうだけでなくバルブを満たす余剰の高圧流体の容量が大きくなってしまうという問題点は生じない。
なお、回転軸方向への移動は、磁気的な機構による間接的な方法ではなく、成形金属ベローズ等を用いて直接的に回転軸方向への力を伝達する方法である必要がある。すなわち、本発明のような高圧バルブの場合、高圧状態では弁体が弁座体から離れる方向へ大きな力がかかるため、直接的に弁体を押さなければ圧力漏れを生じてしまうからである。
この回転機構26は、永久磁石35を用いたマグネットカップリング方式によって外部部材40からの回転力を弁体25に伝えている。上記した移動機構27により弁体25が上側に移動され、弁体25のシール部が弁座体21からわずかに離れた位置に移動すると、弁体25を回転させるのに抗する摩擦力がほとんどない状態にすることができる。その結果、弁体25を回転させるのに必要なモーメントはわずかであり、永久磁石35のマグネティックカップリング力で十分に弁体25を回転させることが可能である。なお、本例では外部からの回転力をマグネティックカップリングによって弁体に伝えているが、直接的に外部の回転力を高圧側に伝達して弁体を回転させることもできる。
まず、高圧バルブが『開』の状態では、弁体25側面は弁座体21の対抗面からやや離れた位置にあり、弁体25の貫通孔29と弁座体21の開口30、30が直線的に連なり、それらの開口を通って基材4を通過させることができる。
次に、高圧バルブを『閉』の状態にするには、弁体25が弁座体21からわずかに離れた位置で、シール機構28に大きな摩擦力が働かない状態のまま、マグネットカップリング力による回転機構26を用いて弁体25を回転させ、弁座体21の開口30、30が弁体25の側面で遮断できる90°の位置に回転する。このときシール機構28は、弁座体21の開口30、30を取り囲むような位置に位置する。
その後、移動機構27を用いて、弁体25を回転軸方向に移動して弁体25の側面と弁座体21の側面との距離が縮まる方向、すなわち台形の長底辺から短底辺への方向へ移動させ、高圧バルブを『閉』状態にする。
このように、弁体25を回転軸方向に移動することによって弁体25のシール部と弁座体21側面の密着が非常に強固となり、シール機構28のシール材の変形によって密着性が高まり、高圧状態においてもリークがほとんどないようにすることができる。
なお、回転軸方向の移動量は、前述のとおり、弁体25のシール部が弁座体にわずかに接している『開』の状態から、シール材が変形する『閉』の状態までのほんのわずかな量に過ぎず、高圧ベローズを用いたベローズバルブと比較してはるかにわずかな移動距離に過ぎないため、バルブ全体の形状も余剰な流体の容量もともに小さくすることができる。
再び、こうあるバルブを『開』状態にするには、いったん、弁体25を移動機構27によって弁体25が弁座体21から離れる方向に移動させて弁体25のシール材を弁座体21から離して圧力を開放し、次に、回転機構26を用いて弁体25を90°回転して弁体25の貫通孔29を弁座体21の開口30、30と連なるようにする。このようにして、再び高圧バルブを通して基材4を移動することができる『開』状態とすることができる。
また、本発明において、弁体25の貫通孔29からそれぞれ上下方向に延びる圧力逃し孔37、37を設け、弁体25の回転軸方向の移動に伴う弁体25の上下の空間の急激な圧力変動を防止するようにしても良い。
また、同様に高圧バルブ内部あるいは弁体の温度を制御することができる温度制御機構を備えても良い。高圧バルブに温度制御機構を備えることによって、例えば図5や6のように高圧バルブの弁座体にある空間A、B、Cを利用して高圧処理を行う場合、温度と圧力を精密に制御して高圧処理を行うことができる。
なお、図8では、弁体25を回転軸方向に弁座体21の側面から離れる方向に移動させる移動機構27を、弁体25を弁座体21に押し付ける方向に移動する機構と兼ねた機構となっているが、それぞれが独立した機構でもよい。すなわち、弁体25を弁座体21に押し付ける機構と弁体25に対して反対の面に弁体25を弁座体21から離す機構があっても良い。その方式は、図8のように高圧ベローズ39やシール機構によって直接、弁体を移動させる機構であってもよいし、バネ力を利用しても良い。
なお、当業者には明らかなように、本発明の高圧バルブと複合高圧処理装置を真空バルブ及び真空処理装置としても用いることができる。すなわち、本装置は真空から高圧にいたるまでの処理を一つの装置によって行うことができるものである。
2、102、202、232、332、432、532 高圧バルブ
3、103、203、203’、303、303’ 高圧容器
4、104、204、304 基材
5、105、205、205’、305、305’ 移動機構
6、106、115、206、226、306、406、506、606 フランジ 7、14、107、114、207、207’、251、307、307’、351、 451 基材ホルダー
8、9、108、109、208、209、238、239、338、339、
438、439、538、539 高圧流体導入バルブ
8’、9’、108’、109’、208’、209’、238’、239’、338’、339’、438’、439’、538’、539’ 高圧流体圧力調整バルブ
10、11、110、111、210、211、240、340、440、540 圧力計
12、112、113、212、212’312、312’ 容器温度調整機構
13、250、313、350、450 局所加熱機構
216、246、346、446、546 バルブ温度調整機構
16 冷却機構
21 弁座体
22 ロッドホルダー
23 開口方向
24 回転軸
25 弁体
26 回転機構
27 移動機構
28 シール機構
29 貫通孔
30 弁座体の開口
31 ハンドル
32 ねじ部
33 ロッド
34 ロッドの端部
35 永久磁石
36、37 圧力逃し孔
38 弁体ストッパー
39 高圧ベローズ
40 外部部材
51、52 磁石
53 シャフト
54 軸受け部
Claims (3)
- 複数の高圧容器内において基材に1MPa以上の高圧条件で高圧処理を行う高圧処理装置において、容器温度調節機構および基材ホルダーを備えた高圧容器を両側に設け、これら両側の高圧容器を、両端にフランジを備えた複数の高圧バルブを介して着脱自在に接続し、複数の高圧バルブ間の空間に基材ホルダー及び局所加熱機構を設けることにより該空間を高圧処理室とし、高圧容器又は高圧バルブに高圧流体導入バルブ又は高圧流体圧力調整バルブを設け、前記両側の高圧容器の一方又は双方にマグネットフィールドスルー式移動機構を備え、前記高圧バルブが二つの開口にそれぞれ接する一対の開口を持つ弁座体と、該弁座体の一対の開口の中心を結ぶ直線に垂直な回転軸を持ち該弁座体内で回転可能であって該開口を結ぶ直線上に一つの貫通孔が設けられた断面が台形状の弁体と、該弁体の側面に設けられたシール機構と、前記弁体を回転軸を中心に回転させる回転機構と、前記弁体を回転軸方向に移動させる移動機構とを備えることを特徴する複合高圧処理装置。
- 請求項1に記載の複合高圧処理装置に用いられる高圧バルブにおいて、弁体の回転軸方向への過大な移動を防止するための弁体ストッパーを設けることを特徴とする高圧バルブ。
- 請求項1に記載の複合高圧処理装置に用いられる高圧バルブにおいて、弁座体の一対の開口のそれぞれの開口の圧力を計測するための圧力計測手段を備えることを特徴とする高圧バルブ。
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