JP5480178B2 - ピット蓋の敷設構造、製造方法、および敷設方法 - Google Patents

ピット蓋の敷設構造、製造方法、および敷設方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に高速である鉄道等の軌道脇に設けられるピットに用いられるピット蓋の敷設構造、製造方法および敷設方法に関する。
従来、鉄道等の軌道脇には、信号ケーブル等を敷設するためのピットが形成される。ピットには通常、コンクリート製の蓋が被せられる。しかし、コンクリート製のピット蓋は重量があることから夜間等の限られた時間内での作業が要求されることから作業性が悪い。したがって、より軽量なピット蓋が要求される。
一方、ピット蓋の上には、点検作業や部材の運搬等のために作業者が通行する部位となる。したがって、ピット蓋に対しては高い強度が必要となる。すなわち、ピット蓋に対しては、軽量化と高い強度の両立が要求される。
軽量なピット蓋としては、例えば、木製の直方柱状の蓋部材を複数個並列配置して四角板状に形成し、それぞれの蓋部材に通水間隙を設けて一体に並列配置可能な連結手段が設けられる木製ワンタッチソッコー蓋がある(特許文献1)。
また、箱状の合成樹脂製蓋体の上板部と底板部の間に、蓋体全体に連通する多数の中空リブ部を設け、中空リブ部内には蓋体の重量調整材を入れる重量調整材装填用中空部が形成され、底板部と上板部の一体接合板部に貫通する通気孔が設けられる側溝用蓋がある(特許文献2)。
また、過大内圧解放弁を備える蓋であって、蓋には、円環状の段部とその中央側に円形の開口が設けられ、過大内圧解放弁が、開口を有する円環状下部弁部材と、円盤状の上部弁部材と、円環状下部弁部材と円盤状の上部弁部材を繋ぐ棒状部材とで構成される過大内圧解放弁付き蓋がある(特許文献3)。
また、ピットの上部開口両縁の段差部に載置され、段差載置部分にピット内部から外側に連通する空気通路部を形成した合成樹脂製のピット蓋がある(特許文献4)。
特開2005−30199号公報 特開平09−312922号公報 特開2008−285845号公報 実用新案登録3007971号公報
一方、鉄道等軌道脇に設けられるピットの蓋に対しては、列車が通過する際に風圧等が作用する。図18は、軌道100の脇に敷設されるピット101とピット上に設けられるピット蓋103を示す図であり、図18(a)は平面図、図18(b)は図18(a)のX−X線断面図である。軌道100には列車が走行する。軌道100上を列車が走行する際には、列車の走行に伴う風圧によって、軌道脇のピット101近傍に圧力変化が生じる
具体的には、ある地点を基準とすると、当初、ピット蓋103には、重力による自重のみが作用して、ピット101上に配置されている。この状態から、当該地点に対して列車が近づいてくる段階では、ピット蓋103に対して徐々に正圧(蓋を下方に押し付ける方向の力)が大きくなり、ピット蓋103がピット101方向に押し付けられる。その後、列車が当該地点を通過する段階から、急激に負圧(蓋を上方に浮き上がらせる方向の力)に転じて、ピット101内部の圧力の方が大きくなる。その後、列車が完全に通過した後、急激に負圧がなくなり、ピット蓋の上下の圧力差による蓋を上側に持ち上げる作用力が消失し、ピット蓋103にかかる作用力が重力のみに落ち着いていく。
このような列車の通過に伴う圧力変化は、列車の速度にも依存するため、より高速な列車の軌道100の脇に敷設されるピット101およびピット蓋103に対しては、より大きな浮力等が作用する。しかしながら、前述のように、作業性を考慮した軽量なピット蓋103は、列車通過時の浮力に対抗しきれずに、ピット蓋103が飛ばされるなどの恐れがあり、走行中の列車にピット蓋が当たったり、沿線へ飛散したりして大事故を招くことになる。
これに対し、特許文献1のような方法では、単に木製蓋として、長さの調整が可能なように連結可能な構造とし、木製蓋の腐食防止のため、通水隙間を形成したに過ぎず、前述したような浮力に対抗しうるものではない。特に、腐食防止の水抜きのための孔を形成することで、蓋自体の強度が低下するため、ピットの上を歩行したりや物を運搬したりするためには、厚肉の部材とする必要があるなど、軽量化の効果も小さいという問題がある。
すなわち、特許文献1の蓋では、軽量化も強度も十分に達成することは困難であり、蓋の浮き上がり防止については考慮されているものではない。
また、特許文献2に記載の側溝用蓋は、中空部に重量調整剤を充填するものであるため、作業工数を要し、蓋の敷設時に重量調整剤を運搬する必要があるなど、作業性を向上させる効果が小さい。また、内部に重量調整剤を充填するため、敷設後に内部の点検等を行う際には、蓋の重量が重く作業性が高くない、また、通気口を多数上板部に形成することから、上板部の強度低下の恐れがある。また、通気口が鉛直方向に向くため、通気口がごみ等により詰まりを生じる恐れがある。また、通気方向が上板部に垂直な方向であり、列車通過時の風圧を受ける方向(軌道側からピットへ向かう方向)と垂直な向きとなるため、通気効率も高くないという問題がある。
すなわち、特許文献2の蓋は、浮き上がり防止を考慮するために、結果的には作業性を考慮した軽量化を果たすことができず、また、十分な強度を確保することも困難である。
また、特許文献3に記載の過大内圧解放弁付蓋は、蓋の中央に解放弁を設けるものであるが、機構が複雑であり蓋自体のコスト増となる。また、動作部を有することから、経時的に弁動作が悪くなり、これにより一部の内圧解放が不能となる恐れがある。また、蓋の中央部近傍に解放弁が設けられるため、蓋の強度が低下するという問題がある。特に解放弁近傍は、蓋に大きな孔が形成されるため、蓋本体の強度が低下するとともに、解放弁自体の上部に力が付与されると、弁が破損する恐れがある。しかし、弁自体を補強すると、弁自体の重量増となり、十分な内圧解放特性を得ることが困難となるばかりでなく、結果として蓋の重量増を招くこととなる。
すなわち、特許文献3の蓋では、内圧の解放を意図するあまり、蓋自体の強度や軽量化、コストを犠牲にしたものであり、そもそもの目的である蓋の軽量化と強度の確保を両立することは困難である。
また、特許文献4に記載のピット蓋は、両縁部にピット内外を連通する空気流路を設けるものであるが、蓋の軽量化については十分ではない。また、両側部のみに切欠き部を形成することで、蓋上方からの力に対して、肉厚変化部の境界部に応力集中が生じる恐れがある。したがって、強度が十分ではない。
また、両縁部に切欠きを形成され、蓋がピット上部開口縁部の段差に応じた形状となっているため、ピット開口幅の変動(精度)に追従することが困難であるとともに、ピット開口縁部の側壁によって、空気流路が塞がれてしまう恐れがある。
また、空気流路の形状については詳細に記載がないが、図面等を考慮しても、空気の流れに対して十分な流路断面積を確保することが困難であるため、圧損が大きく、圧力差の低減効果が十分に得られない恐れがある。しかしながら、切欠きを蓋中央部の方向に拡張して流路断面積を確保しようとすると、前述したように、応力集中部が蓋の中央方向にずれ、結果的に蓋の上部荷重に対して十分な強度を得ることが困難となる。
以上のように、従来のピット用の蓋は、簡易な構造で、敷設作業や点検作業の作業性や運搬等の効率を考慮した軽量化と、上方からの荷重に対する高い強度とを両立しつつ、ピットの内外の圧力差に伴う浮力により蓋が飛ばされることを確実に防止できるものではない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造で、軽量化および強度を両立するとともに、ピット脇を列車が通過する際に生じる浮力によって浮き上がることがないピット蓋の敷設構造等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために第1の発明は、ピット蓋の敷設構造であって、天板部と、前記天板部の裏面に形成され、前記天板部の幅方向および長手方向それぞれに対し、互いに直交するように形成される幅方向リブおよび長手方向リブと、切欠き状の一対の取手部と、を具備するピット蓋を用い、前記幅方向リブの幅は、前記天板部の幅方向の中央近傍から、幅方向の両側方に向かうにつれて小さくなり、前記ピット蓋の幅方向の端部において、前記幅方向リブおよび前記長手方向リブにより区画される空間が、ピット蓋の幅方向に開口することで、前記空間とピット蓋の外方とが連通して第1の空気流路が形成され、前記第1の流路が、ピットの幅方向に向くように、前記ピット蓋が前記ピットに配置されることを特徴とするピット蓋の敷設構造である。ここで、リブの幅とは、ピット蓋の裏面視において、リブの頂部における幅をいう。
ここで、幅方向リブおよび長手方向リブにより区画される空間とは、天板部の裏面に起立するそれぞれのリブを壁部とし、天板部と対向する面が解放されている空間であって、幅方向リブおよび長手方向リブで囲まれる部位を指すものである。
前記天板部の板厚は、前記ピット蓋の幅方向の最も外側に形成された前記長手方向リブから前記天板部の幅方向端部に向かって、前記天板部の裏面が斜め上方に向けて連続的に形成されて、前記天板部の肉厚が徐々に薄くしてもよい。
前記ピット蓋の幅方向に開口する前記第1の空気流路を形成する前記空間を、前記ピット蓋の中央から幅方向開口端部に向けて末広がり形状とすることで、前記第1の流路を空気が流れるときの圧力損失の増加を防止する構造であってもよい。
前記ピット蓋の幅方向の中央近傍に形成された前記長手方向リブの幅が、幅方向の両端部側に形成された前記長手方向リブの幅よりも幅広に形成されてもよい。
前記ピット蓋は、側面方向、長手方向ともに、その表面形状が前記天板部中心を頂部として上方に凸形状に形成され、さらに前記天板部の表面に滑り止めのための凹凸として、リブ形状の線状突起が点状突起を挟んで交差する方向に対向して、繰り返して複数形成され、前記点状突起の高さが前記線状突起より高く形成されてもよい。
前記取手部は、前記天板部の幅方向の両側に設けられ、前記第1の空気流路の流路方向に形成される前記取手部の切欠き部が、前記天板部の裏側とピット蓋の外方とを連通する第2の空気流路となり、前記第2の流路が、ピットの幅方向に向くように、前記ピット蓋が前記ピットに配置されてもよく、前記取手部は、前記天板部の長手方向の両側に設けられ、前記第1の空気流路の流路方向と垂直な方向に形成される前記取手部の切欠き部が、前記天板部の裏側とピット蓋の外方とを連通する第2の空気流路となり、前記第2の流路が、ピットの長手方向に向くように、前記ピット蓋が前記ピットに配置されてもよい。前記幅方向リブと前記長手方向リブを一体とすることで、前記取手部の切欠きの形成に伴う強度低下を抑えてもよい。
第1の発明によれば、天板部の裏面に互いに直交する幅方向リブおよび長手方向リブが形成されるため、高い軽量化効果と強度とを両立することができる。また、ピット蓋の幅方向端部に形成された幅方向リブと長手方向リブで囲まれた空間が蓋の外部と連通することで空気流路を形成するため、ピット内外の圧力差を解消し、ピット蓋の浮き上がりを防止することができる。
また、ピット蓋の形状やピットへの敷設作業に応じて、適宜リブを利用した空気流路と同一の方向または垂直な方向に取手部が形成されれば、敷設作業が容易である。また、取手部を形成する切欠き部が、ピット蓋の内外を連通する空気流路を形成するため、より確実にピット内外の圧力差を解消し、ピット蓋の浮き上がりを防止することができる。
なお、空気流路が、列車の軌道からピットの方向(ピットの敷設方向に対して垂直な方向)に向かって設けられる方が、列車の走行により生じる空気をより効率よく流すことができる。したがって、リブによる空気流路と取手部による空気流路とを同一方向とし、これをピット蓋の幅方向とすれば、より効率よくピット内の空気を流すことができる。しかし、幅方向リブによる空気流路と取手部による空気流路をそれぞれ直交する方向に形成したとしても、列車走行時のピット内の空気を逃がす効率は少し低下するものの軽量ピット蓋として使用できることは言うまでもない。さらに、前記空気流路をピット蓋の幅方向の最も外側に形成された長手方向リブから幅方向開口端部に向けて末広がり形状とすることで、圧力損失の増加を防止し、列車通過時にピット内の空気をより効率的に流すことができる。そのため、ピット内外の圧力差が軽減され、浮力が低下することで、ピット蓋の浮き上がりをより確実に防止することができる。
また、幅方向リブの幅をピット蓋の中央から両縁部に向かうにつれて徐々に小さくすることで、ピット蓋を設置して上方から荷重をかけた際に、最も強度を要する中央部近傍では高い強度を確保するとともに、両側部においては不要な肉を除去して軽量化を達成することができる。さらに、長手方向リブの幅は、ピット蓋の幅方向の中央近傍に形成されたリブの幅が、それより幅方向の両端部側に形成されたリブの幅よりも幅広に形成されたもので、最も強度を必要とする中央部近傍での強度を高くすることができる。一方、前記天板部の板厚は、前記天板部の幅方向の中央近傍から、幅方向の両側方に向かうにつれて小さくなるもので、天板部の幅方向中央近傍の板厚を厚くすることで、同様に天板中央部の耐荷重性を高めるものである。また、ピット蓋の幅方向の最も外側に形成された長手方向リブから天板部の幅方向端部に向かって、天板部の裏面が斜め上方に向けて形成され、肉厚が、ピット蓋の中央から幅方向の両端部に行くにつれて徐々に薄くなることで、幅方向の最も外側に形成された長手方向リブから幅方向開口端部に向けて空気流路の空間が広くなる。
前記ピット蓋は、側面方向、長手方向とも、その表面形状が天板中心を頂部として上方に凸形状に形成され、さらに天板の表面に滑り止めのための凹凸として、ピット蓋の表面にリブ形状の線状突起が点状突起を挟んで交差する方向に対向して、繰り返して複数形成されている。さらに、幅方向リブと長手方向リブを一体とすることで、取手部の切欠きの形成に伴う強度低下を抑えることができる。
なお、本発明のピット蓋は、幅方向リブ、長手方向リブの下端位置が略一定であり、ピット蓋の下面側(リブ)に段差等が形成されず、下面が略フラットなピット蓋である。したがって、ピットの形状が一定せず、ピット蓋設置部の幅が狭くなる部位に対しても、ピット蓋を所定幅に切断して用いれば、ピット蓋を設置することができるとともに、前述の効果を得ることができる。
第2の発明は、ピット蓋の製造方法であって、天板部と、前記天板部の裏面に形成され、前記天板部の幅方向および長手方向それぞれに対し、互いに直交するように形成される幅方向リブおよび長手方向リブと、切欠き状の一対の取手部と、を具備し、前記ピット蓋の幅方向の端部において、前記幅方向リブおよび前記長手方向リブにより区画される空間が、ピット蓋の幅方向に開口することで、前記空間とピット蓋の外方とが連通して第1の空気流路となるピット蓋に対し、前記ピット蓋を製造する金型を、前記第1の流路となる部位を構成する一対の第1の金型と、前記ピット蓋の略中央部を構成する第2の金型とに分割し、ピット蓋の幅に応じて、異なる幅の前記第1の金型のみを交換し、前記第2の金型は、すべての幅の前記ピット蓋の製造に流用することを特徴とするピット蓋の製造方法である。
第2の発明によれば、複数のサイズのピット蓋に対しても、両側部の金型のみを入れ替えることで製造可能であるため、製造性、経済性にも優れる。
第3の発明は、ピット蓋の敷設方法であって、天板部と、前記天板部の裏面に形成され、前記天板部の幅方向および長手方向それぞれに対し、互いに直交するように形成される幅方向リブおよび長手方向リブと、前記天板部の幅方向の両側に設けられる切欠き状の一対の取手部と、を具備し、前記ピット蓋の幅方向の端部において、前記幅方向リブおよび前記長手方向リブにより区画される空間が、ピット蓋の幅方向に開口することで、前記空間とピット蓋の外方とが連通して第1の空気流路が形成され、前記第1の空気流路の流路方向に形成される前記取手部の切欠き部が、前記天板部の裏側とピット蓋の外方とを連通する第2の空気流路となるピット蓋を用い、前記第1の流路および前記第2の流路が、ピットの幅方向に向くように、前記ピット蓋を前記ピットに設置することを特徴とするピット蓋の敷設方法である。
第3の発明によれば、作業性にも優れ、蓋の浮き上がりもない敷設構造を得ることができる。
本発明によれば、簡易な構造で、軽量化および強度を両立するとともに、ピット脇を列車が通過する際に生じる浮力によって浮き上がることがないピット蓋の敷設構造等を提供することができる。
ピット蓋1を示す図で、(a)は表面斜視図、(b)は裏面斜視図。 ピット蓋1の平面図。 ピット蓋1の底面図。 ピット蓋1を示す図で、(a)は図2のA矢視図でありピット蓋1の正面図、(b)は図2のB矢視図であり、ピット蓋1の左側面図。 ピット蓋1を示す図で、(a)は図3のC−C線断面図、(b)は図3のD−D線断面図。 ピット蓋1の製造方法を示す図。 ピット蓋10を示す図で、(a)は表面斜視図、(b)は裏面斜視図。 ピット蓋10の平面図。 ピット蓋10の底面図。 ピット蓋10を示す図で、(a)は図2のA矢視図でありピット蓋10の正面図、(b)は図2のB矢視図であり、ピット蓋10の左側面図。 幅方向リブ7a、長手方向リブ7bの形状を示す拡大図。 ピット蓋1の敷設構造を示す図。 ピット蓋1の使用状況を示す断面図。 図12(a)のQ部拡大図。 ピット蓋20の底面図。 ピット蓋20の敷設構造を示す図。 ピット蓋の形状と浮力の関係を示す図。 ピットの配置と従来のピット蓋の形状を示す図。
以下、本発明の実施の形態にかかるピット蓋1について説明する。図1は、ピット蓋1を示す図であり、図1(a)は表面斜視図、図1(b)は裏面斜視図である。また、図2はピット蓋1の平面図、図3はピット蓋1の底面図である。
ピット蓋1は、略矩形の板状の天板部3と、天板部3の裏面側に設けられるリブと、幅方向の両端に設けられる取手部5等から構成される。ピット蓋1は樹脂製であり、ある程度の強度と耐久性があれば材質は特定しないが、コスト及び軽量化などの施工性を考慮すると、再生プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン等)及び難燃材等からなる樹脂組成物が使用できる。
ピット蓋1の表面1a側には、滑り止め等の目的で、必要に応じて細かな凹凸として、リブ形状の線状突起と点状突起が、それぞれ複数形成される。点状突起の高さを線状突起より高く形成することで、点状突起が歩行者の靴底に食い込み、さらに線状により滑り止めを行うことができるので好ましい。なお、歩行者の靴底が点状突起、線状突起、突起が形成されていない部位のそれぞれに接触し、ピット蓋の凹凸にフィットすることで滑り止め効果があるため、靴底がフィットすることができるように、点状突起と線状突起との間や線状突起同士の間に適度な隙間が形成されていることが好ましい。例えば、線状突起同士の隙間は線状突起の幅の4〜6倍程度とすることが望ましく、点状突起の場合は点状突起の直径の2〜4倍程度とすることが望ましい。また、点状突起と線状突起の高さの差は、2〜3mm程度設けることが望ましい。ここで、ピット蓋の表面にリブ形状の線状突起が点状突起を挟んで交差する方向に対向して、繰り返して複数形成されている。これにより、歩行者がピット蓋の表面が雨水などで濡れていても安全に歩行することができる。
この凹凸の線状突起はリブとしての機能も果たし、ピット蓋の強度向上にも寄与する。なお、本発明のピット蓋1としては、表面1aの模様(凹凸形状および配置等)は図示した例には限られない。
ピット蓋1の裏面1b側には、ピット蓋1の幅方向(図3における左右方向)に向けて形成される幅方向リブ7aと、ピット蓋1の長手方向(図3における上下方向)に向けて形成され、幅方向リブ7aと略直交する長手方向リブ7bがそれぞれ複数形成される。幅方向リブ7aと長手方向リブ7bのそれぞれの頂部(天板部3とは逆側であり下面側)は、同一平面上に形成される。なお、幅方向リブ7aと長手方向リブ7bの詳細な形状は後述する。
ここで、幅方向リブ7aと長手方向リブ7bとで囲まれた部位(天板部3の裏面1bと、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bとで、全5方向を囲まれた部位)を空間11とする。すなわち、空間11は、ピット蓋1の底面側のみに開口する空間となる。また、ピット蓋1の幅方向の両端部に配置される空間は、ピット蓋1の幅方向の外側に開口する空間11aとなる。すなわち、空間11aは、ピット蓋1の底面側および一方の側面側のみに開口するように形成される。
ピット蓋1の幅方向の両側には取手部5が設けられる。取手部5は、天板部3の端部の一部が切欠かれ、平面視切欠き状の形状である。取手部5は、ピット蓋1を敷設する際に、ピット蓋1を手で持つ部位となる。
図5(a)は、ピット蓋1の断面図であり、図3におけるC−C線断面図である。取手部5の裏面側には、手でピット蓋1を持つための段部5aが形成され、段部5aの周囲を囲むように取手部リブ7cが設けられる。すなわち、取手部リブ7cは、切欠き部から所定距離離れて(段部5aを介して)形成される。なお、取手部5においては、切欠き部によって、ピット蓋1(天板部3)の下方の領域と、ピット蓋1の外部の領域とが連通する。
なお、図3に示すように、取手部リブ7cは、幅方向リブ7aと接合されて一体で形成され、その結果、取手部の周りのリブを全5方向が囲まれた底面部のみ開口した空間を形成する周囲が囲まれたリブ構造とすることができる。図3の例では、ピット蓋1の長手方向中央部に位置する幅方向リブ7aと、隣り合う一対の幅方向リブ7aの合計3本の幅方向リブ7aの両端部が、取手部リブ7cと合流するように一体で接合される。
幅方向リブと7aと取手部リブ7cとを一体とすることで、切欠きの形成に伴う強度低下を抑えることができる。なお、取手部リブ7cの高さを、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの高さよりも低く形成して、これらのリブを滑らかに結ぶことでリブに段差を形成することもできる。このようにすることで、取手をつかみやすくするとともに、後述する空気流路をより確実に確保することができる。
図4(a)はピット蓋1の正面図(または背面図であって長手方向の側面図)であり、図2のA矢視図である。ピット蓋1の天板部3は、天板中心9を頂部として、上方に凸形状に形成される。すなわち、ピット蓋1は、天板中心9が最も高く、天板部3の端部に行くにつれて低くなるように形成される。
天板部1の上面に形成されるテーパ角度としては1°程度でよく、例えば、ピット蓋1が約500mm×530mmの形状であれば、天板中心9と長手方向端部との高さの差(図中F)は約5mm程度であればよい。なお、前述の通り、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの下面は一致するため、ピット蓋1の天板中心9に行くほど、天板部3の形状に応じてそれぞれのリブ高さが高くなる。
ピット蓋1幅方向の両側部(幅方向リブ7aの両端部)は、天板3側から下方に行くにつれて末広がり状にテーパが形成される。すなわち、ピット蓋1の下面側が、幅方向に突出するようにテーパが形成される。なお、テーパの角度(図中G)は、例えば5°程度であればよい。
図4(b)は、ピット蓋1の左側面図(幅方向の側面図)であり、図2のB矢視図である。なお、ピット蓋1の右側面図も同様であり、左右が対象に表わされる。前述の通り、ピット蓋1の天板部3は、ピット蓋の長手方向断面において、天板中心9を頂部として上方に凸形状に形成される。テーパ角度としては1°程度でよく、例えば、ピット蓋1が約500mm×530mmの形状であれば、天板中心9と幅方向端部との高さの差(図中E)は約5mm程度であればよく、この高さの差の分だけ、天板中心部のピット蓋の肉厚を大きくできる。なお、天板3の表面1aに対する凹凸形状の高さを全て一定とせず、天板3の端部に行くにつれて、当該表面凹凸の表面1aに対する高さを高くし、表面凹凸の上面を略水平に形成することもできる。このようにすることで、ピット蓋全体の剛性を高めることができる。
前述の通り、ピット蓋1の幅方向の側面方向には、取手部5および空間11aが開口する。したがって、ピット蓋1は、幅方向の側部において、ピット蓋1(天板部3)の下方の領域と、ピット蓋1の外部の領域とが連通する。
図5(b)は、ピット蓋1の断面図であり、図3におけるD−D線における切断断面図である。ここで、ピット蓋は前記の長手方向断面に加えて、幅方向断面においても、天板中心を頂部として上方に凸形状に形成される。天板部の裏面に形成される第1の流路を形成する空間11aは、ピット蓋の幅方向の最も外側に形成された長手方向リブから天板部の幅方向端部に向かって末広がり状に大きくなるように、天板部3の裏面が斜め上方に向けて形成され、肉厚が、ピット蓋1の中央から幅方向の両端部に行くにつれて徐々に薄くなる。すなわち、空間部11aの奥側(ピット蓋1の中心方向)端部における天板部3の厚み(図中H)に対して、空間部11aの開口部側(ピット蓋1の端部方向)における天板部3の厚み(図中I)は小さくなる。このように、ピット蓋の中央部の肉厚を厚くすることで、ピット蓋の中央部の剛性を大きくできる。
例えば、天板部3の厚み(図中H)が22mm程度であれば、天板部3の幅方向端部の厚み(図中I)を11mm程度とすればよい。すなわち、ピット蓋1(天板部3)の下方の領域とピット蓋1の外部の領域とを連通する空間11aにおいては、端部に行くにつれて空間11a高さが高くなる。
ピット蓋1は射出成型等によって成型される。図6(a)はピット蓋1の裏面図であり、ピット蓋1の製造方法を示す図である。ピット蓋1を成型する金型は金型12b、12a、12bの3分割される。金型12bは、ピット蓋1の幅方向の端部であって、後述する流路となる部位近傍を成型するものである。たとえば、金型12bは、ピット蓋1の幅方向で最も外側に位置する長手方向リブ7bよりも外側のみを成型するものである。一方、金型12aは、長手方向リブ7bを含むピット蓋1の略中央部を成型する部位である。
ピット蓋1は、設置場所に応じて幅が設定される。しかしながら、サイズごとに全ての金型を製造すると、コスト増の問題がある。これに対し、図6(b)に示すように、サイズの異なるピット蓋1cに対しては、金型12aはそのまま用い、金型12bと幅のみが異なる金型12cを用いることで、サイズに応じて最低限の金型のみを準備すればよく、経済性に優れる。
なお、幅方向ではなく長手方向に対して金型を分割して複数サイズのピット蓋に対応してもよく、また、中央部の金型12aの部位を複数サイズ準備し、両側部の金型12bを複数サイズのピット蓋に流用しても良い。
次に、他の実施形態のピット蓋について説明する。図7は、ピット蓋10を示す図であり、図7(a)は表面斜視図、図7(b)は裏面斜視図である。また、図8はピット蓋10の平面図、図9はピット蓋10の底面図である。また、図10(a)はピット蓋10の正面図であり、図8のA矢視図、図10(b)は、ピット蓋10の左側面図であり、図8のB矢視図である。なお、以下の説明において、ピット蓋1と同様の機能を奏する構成については、図1〜図4と同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
ピット蓋10はピット蓋1と略同様の構成であるが、幅方向リブ7aの形状が異なる。図11は、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの拡大図であり、図9のV部拡大図である。幅方向リブ7aは、ピット蓋10の中央から端部に行くにつれて、その幅が小さくなる。すなわち、幅方向リブ7aは、ピット蓋10の中央(中央の長手方向リブ7bとの接合部)の幅(図中L)に対して、ピット蓋10の幅方向端部における幅(図中M)の方が小さい。例えば、幅方向リブ7aの中央部の幅が24mm程度であれば、端部の幅を15mm程度とすればよい。
なお、長手方向リブの態様はピット蓋1も同様である。長手方向リブ7bは、ピット蓋10の中央を通るものの幅(図中T)に対して、幅方向の両側方に配置されるものの幅(図中U)が小さくなる。すなわち、図9の例では、長手方向リブ7bは、全部で3本形成されるが、中央の長手方向リブ7bの幅が、他の長手方向リブ7bの幅よりも大きい。例えば、中央の長手方向リブ7bの幅が24mm程度であれば、他の長手方向リブ7bの幅を20mm程度とすればよい。
なお、幅方向リブ7aの幅が幅方向端部に行くにつれて小さくなるため、空間11aの幅(ピット蓋の長手方向の長さであって、幅方向リブ同士の間隔)は、ピット蓋1の中央方向から端部に向かって徐々に大きくなる。すなわち、空間部11aの幅は、ピット蓋10の中央側の幅(図中K)に対して、ピット蓋1の幅方向端部における幅(図中J)の方が大きい。
前述したように、空間部11aにおいては、開口部側(ピット蓋10の幅方向端部側)に行くに従い、天板部3の厚みが薄くなり、同時に、空間部11aの幅が大きくなる。したがって、空間部11aを長手方向に切断した際に、天板部3(裏面1b)と幅方向リブ7aとで囲まれるコの字状部(空間11a)の断面積は、ピット蓋10の幅方向端部に向かうにつれて大きくなる。
次に、ピット蓋1の使用状態について説明する。なお、ピット蓋10も同様に使用することができる。図12は、ピット13にピット蓋1を設置した状態を示す図である。図12に示すように、ピット13は軌道脇に敷設される。また、ピット蓋1は、ピット蓋1の長手方向がピット13の長手方向に対応するように設置され、複数のピット蓋1が長手方向に並べられる。すなわち、ピット蓋1の幅方向がピット13の幅方向に対応する。
図13は、ピット13にピット蓋1を設置した状態の断面図であり、図13(a)は、図3のD−D線断面に対応する図、図13(b)は、図3のC−C線断面に対応する図である。コの字状のピット13の上縁部には、段差15が形成される。ピット蓋1は、両側部の段差15にまたがるように設置される。すなわち、両側の段差15の側面同士の間隔は、ピット蓋1の幅よりも大きく設定される。
ピット蓋1が敷設された状態で、脇に設置された軌道上を列車が通過すると、列車の通過に伴う風の影響を受ける(例えば図中N方向)。特に、軌道に対してピット13が併設される場合には、列車の通過方向に垂直な方向に対する風の影響が大きい。この際、前述したように、ピット13の内部と外部との間に気圧差が生じる場合がある。
図13(a)に示すように、ピット蓋1の空間部11aは、ピット蓋1の側方に開口している。また、段差15の側面とピット蓋1との間には隙間が形成される。このため、側方からの風に対して、空気は、段差15とピット蓋1との隙間を経由して、ピット蓋1下方(ピット13内部)に容易に流れることができる(図中矢印O方向)。
同様に、ピット13内部の空気は、段差15とピット蓋1との隙間を経由して容易に外部に流れることができる(図中矢印P方向)。すなわち、ピット蓋1の幅方向端部には、幅方向に向けて第1の空気流路である流路(図中O、P)が形成される。このため、ピット13内外の気圧差を瞬時に解消することができる。
図14は、図13(a)におけるP部拡大図である。前述したとおり、幅方向リブ7aの端部(ピット蓋1の幅方向端部)は、下方に向かうにつれて広がるようにテーパが形成される。ピット蓋1は、段差15の側部に対して、所定の間隔を空けて敷設されるが、ピット蓋1が段差15の側部に突き当てられて設置された場合でも、空気流路Pが塞がれることがない。したがって、ピット蓋1の敷設状況によらず、空気流路を確保することができる。
同様に、図13(b)に示すように、取手部5は、ピット蓋1の側方(上方)に開放している。また、段差15の側部とピット蓋1との間には隙間が形成される。このため、側方からの風に対して、空気は、段差15とピット蓋1の取手部5との隙間を経由して、ピット蓋1下方(ピット13内部)に容易に流れることができる(図中矢印R方向)。
同様に、ピット13内部の空気は、段差15とピット蓋1との隙間を経由して容易に外部に流れることができる(図中矢印S方向)。すなわち、取手部5には、幅方向に向けて第2の空気流路である流路(図中R、S)が形成される。このため、ピット13内外の気圧差を瞬時に解消することができる。
なお、取手部5は、切欠き状に形成されるため、ピット蓋1が段差15の側面に突き当てられた場合でも流路が塞がれることがなく、取手部5からはピット蓋1の直上に空気が抜ける流路が形成されるので、効果的である。
以上、本実施の形態によれば、ピット蓋1(10)の裏面がリブ構造であり、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bが形成される。このため、無駄な肉がなく、軽量であり高い強度を得ることができる。また、空間11aがピット蓋1(10)の幅方向の端部側に開口しているため、ピット13上に設置した際に、第1の空気流路が形成され、ピット内外の気圧差を解消することができる。
また、取手部5を設け、取手部5を切欠き状に形成することで、ピット13に設置した際に、第2の空気流路が形成され、ピット内外の気圧差をより確実に解消することができる。
また、幅方向リブ7aの端部(ピット蓋1(10)の幅方向端部)がテーパ形状となるように形成されるため、ピット蓋1(10)を段差15側面に接触するように設置した場合であっても、第1の空気流路が塞がれることがない。また、取手部5が切欠き形状でピット蓋1(10)の上方に開放するため、ピット蓋1(10)を段差15側面に接触するように設置した場合であっても、第2の流路が塞がれることがない。したがって、確実に流路を確保することができる。
また、第1の空気流路および第2の空気流路がピット蓋1(10)の同一方向に形成され、ピット13に敷設した際に、列車が走行する軌道側からピットに向かう方向(列車の走行方向に垂直な方向)に向けて形成されるため、ピット内外に対する空気の流れがスムーズであり、ピット内外の気圧差を確実に解消することができる。また、空気流路がピットの幅方向中央には形成されないため、空気流路の形成に伴うピット蓋1(10)の強度低下がない。
また、ピット蓋1(10)の上方からの荷重に対しては、ピット蓋1(10)の中央に最も大きな応力が生じるが、ピット蓋1(10)に形成されるリブは、ピット蓋1(10)の中央ほど幅(厚み)が大きく、端部に向かうにつれて幅(厚み)が小さくなるため、過剰な強度や重量増を招くことなく、極めて高い強度を確保することができる。
また、ピット蓋1の中心が凸形状であるため、ピット蓋1(10)の上方からの荷重に対して、ピット蓋1(10)アーチ効果によって、高い強度を確保することができる。この際、ピット蓋1(10)の上面に形成されるわずかなテーパによって、ピット蓋1(10)上に水たまりができることも防止することができる。
また、天板部3の形状を凸形状とし、ピット蓋1(10)の下面(幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの下面)が同一平面上に配置されるため、それぞれのリブの高さは、ピット蓋1(10)の中央ほど高くなる。このため、ピット蓋1(10)の中央近傍を確実に補強することができる。
また、空間11aにおいては、天板部3の厚みがピット蓋1(10)の幅方向端部に向かうにつれて小さくなるため、第1の空気流路の断面積(流路断面積)が幅方向端部に向かって大きくなる。したがって、空気流路を流れる空気の圧損が小さくなり、より確実にピット内外の空気の流れを確保することができる。
また、ピット蓋10では、幅方向端部に向かうにつれてリブ7aの幅が小さくなるため、第1の空気流路の断面積(流路断面積)が幅方向端部に向かって大きくなる。したがって、空気流路を流れる空気の圧損が小さくなり、より確実にピット内外の空気の流れを確保することができる。
また、取手部5の周囲には、取手部リブ7cが形成されるため、取手部5の切欠きによる強度低下を抑制することができるとともに、取手部リブ7cと幅方向リブ7aとが一体で接合されるため、取手部5近傍の応力を幅方向リブ7aに確実に伝達することができる。このため、取手部5近傍に応力集中が生じることがない。
また、ピット蓋1(10)の下面(幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの下面)が同一平面上に配置されるため、施工精度により段差15同士の幅が狭くなるような場合において、段差15間にピット蓋1(10)を設置することができない場合であっても、ピット蓋1(10)の幅方向端部を切断すればよい。空間部11aは、幅方向端部側に開口しているため、ピット蓋1(10)の端部を切断除去しても、確実に空気流路を確保することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの設置本数等については、図示した例には限られない。ピット蓋の大きさや、要求される強度等に応じて、適宜設定される。また、ピット蓋は、幅方向および長手方向が略同一長さの例を示したが、長手方向に対してより長いものを設定することもできる。ピット蓋のサイズは、設置場所は重量等に応じて適宜設定される。
また、図15に示すように、取手部5を長手方向に形成したピット蓋20を用いることもできる。ピット蓋20は、取手部5が、ピット蓋1(10)に対して、90度異なる位置に配置される。したがって、ピット蓋20では、取手部リブ7cは、幅方向リブ7aのみではなく、長手方向リブ7bとも接合されて一体で形成される。また、ピット蓋20の長手方向側部の外面には、長手方向にピット蓋を連続して配置した時、熱膨張によるピット蓋の浮き上がりを防止するため、必要に応じて複数の端面突起2が形成される。なお、端面突起2は、ピット蓋の長手方向両側部の前面側または背面側のいずれに形成しても良く、前面及び背面の両者に形成しても良い。
図16は、ピット蓋20をピット13に設置した状態を示す図である。図16に示すように、ピット蓋20をピットに設置すると、取手部5は、ピットの端部ではなく、中央に配置される。したがって、ピット蓋20を用いると、隣り合うピット蓋20同士の取手部5同士が対向し、第2の流路は、ピットの中央に形成される。このようにしても、第1の流路がピットの幅方向となるため、ピット蓋1等と同様の効果を得ることができる。なお、図16においては、端面突起2の図示は省略するが、前述の通り、必要に応じて、一方または両方の側面に端面突起2を設けてもよい。
図17は、種々の形態のピット蓋を軌道脇に設置して、軌道を走行する列車からの風圧に伴いピット蓋に生じる浮力(荷重減少量)を評価した結果を示す。評価方法は以下の通りである。
まず、軌道脇のピットにそれぞれの形状のピット蓋を設置し、裏側に荷重センサを設ける。なお、ピット蓋形状としては、従来品として、ピット幅方向に流路が設けられないもの(図3の例では、空間11aの側部が塞がれているもの)(T1)と、ピット蓋1(T2)、ピット蓋10(T3)とした。
軌道を列車が走る際に、その速度に応じて生じる風圧(風量)ごとのピット蓋の荷重変化を評価した。T1(従来品)では、ばらつきが大きいが、特に列車が高速走行(200km/hr以上)でピット蓋の荷重減少量が大きく、ピット蓋が吹き飛ばされる恐れがある。
これに対し、本発明品(T2、T3)は、列車が高速であっても、荷重減少量が小さく、ピット蓋に生じる浮力が小さいことが分かる。特に、幅方向リブがテーパ形状であるピット蓋10(T3)では、250km/hr程度まで、極めて小さな荷重減少量であり、ピット蓋が吹き飛ばされることをより確実に防止することができる。
1、10、20………ピット蓋
1a………表面
1b………裏面
2………端面突起
3………天板部
5………取手部
5a………段部
7a………幅方向リブ
7b………長手方向リブ
7c………取手部リブ
9………天板中心
11、11a………空間
12a、12b、12c………金型
13………ピット
15………段差
100………軌道
101………ピット
103………ピット蓋

Claims (10)

  1. ピット蓋の敷設構造であって、
    天板部と、前記天板部の裏面に形成され、前記天板部の幅方向および長手方向それぞれに対し、互いに直交するように形成される幅方向リブおよび長手方向リブと、切欠き状の一対の取手部と、
    を具備するピット蓋を用い、
    前記幅方向リブの幅は、前記天板部の幅方向の中央近傍から、幅方向の両側方に向かうにつれて小さくなり、
    前記ピット蓋の幅方向の端部において、前記幅方向リブおよび前記長手方向リブにより区画される空間が、ピット蓋の幅方向に開口することで、前記空間とピット蓋の外方とが連通して第1の空気流路が形成され、
    前記第1の流路が、ピットの幅方向に向くように、前記ピット蓋が前記ピットに配置されることを特徴とするピット蓋の敷設構造。
  2. 前記天板部の板厚は、前記ピット蓋の幅方向の最も外側に形成された前記長手方向リブから前記天板部の幅方向端部に向かって、前記天板部の裏面が斜め上方に向けて連続的に形成されて、前記天板部の肉厚が徐々に薄くなることを特徴とする請求項記載のピット蓋の敷設構造。
  3. 前記ピット蓋の幅方向に開口する前記第1の空気流路を形成する前記空間を、前記ピット蓋の中央から幅方向開口端部に向けて末広がり形状とすることで、前記第1の流路を空気が流れるときの圧力損失の増加を防止する構造であることを特徴とする請求項または請求項に記載のピット蓋の敷設構造。
  4. 前記ピット蓋の幅方向の中央近傍に形成された前記長手方向リブの幅が、幅方向の両端部側に形成された前記長手方向リブの幅よりも幅広に形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のピット蓋の敷設構造。
  5. 前記ピット蓋は、幅方向、長手方向ともに、その表面形状が前記天板部中心を頂部として上方に凸形状に形成され、さらに前記天板部の表面に滑り止めのための凹凸として、リブ形状の線状突起が点状突起を挟んで交差する方向に対向して、繰り返して複数形成され、前記点状突起の高さが前記線状突起より高く形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のピット蓋の敷設構造。
  6. 前記取手部は、前記天板部の幅方向の両側に設けられ、
    前記第1の空気流路の流路方向に形成される前記取手部の切欠き部が、前記天板部の裏側とピット蓋の外方とを連通する第2の空気流路となり、
    前記第2の流路が、ピットの幅方向に向くように、前記ピット蓋が前記ピットに配置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のピット蓋の敷設構造。
  7. 前記幅方向リブと前記長手方向リブを一体とすることで、前記取手部の切欠きの形成に伴う強度低下を抑えることができる請求項に記載のピット蓋の敷設構造。
  8. 前記取手部は、前記天板部の長手方向の両側に設けられ、
    前記第1の空気流路の流路方向と垂直な方向に形成される前記取手部の切欠き部が、前記天板部の裏側とピット蓋の外方とを連通する第2の空気流路となり、
    前記第2の流路が、ピットの長手方向に向くように、前記ピット蓋が前記ピットに配置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のピット蓋の敷設構造。
  9. ピット蓋の製造方法であって、
    天板部と、前記天板部の裏面に形成され、前記天板部の幅方向および長手方向それぞれに対し、互いに直交するように形成される幅方向リブおよび長手方向リブと、切欠き状の一対の取手部と、を具備し、
    前記ピット蓋の幅方向の端部において、前記幅方向リブおよび前記長手方向リブにより区画される空間が、ピット蓋の幅方向に開口することで、前記空間とピット蓋の外方とが連通して第1の空気流路となるピット蓋に対し、
    前記ピット蓋を製造する金型を、前記第1の流路となる部位を構成する一対の第1の金型と、前記ピット蓋の略中央部を構成する第2の金型とに分割し、
    ピット蓋の幅に応じて、異なる幅の前記第1の金型のみを交換し、前記第2の金型は、すべての幅の前記ピット蓋の製造に流用することを特徴とするピット蓋の製造方法。
  10. ピット蓋の敷設方法であって、
    天板部と、前記天板部の裏面に形成され、前記天板部の幅方向および長手方向それぞれに対し、互いに直交するように形成される幅方向リブおよび長手方向リブと、前記天板部の幅方向の両側に設けられる切欠き状の一対の取手部と、を具備し、
    前記ピット蓋の幅方向の端部において、前記幅方向リブおよび前記長手方向リブにより区画される空間が、ピット蓋の幅方向に開口することで、前記空間とピット蓋の外方とが連通して第1の空気流路が形成され、
    前記第1の空気流路の流路方向に形成される前記取手部の切欠き部が、前記天板部の裏側とピット蓋の外方とを連通する第2の空気流路となるピット蓋を用い、
    前記第1の流路および前記第2の流路が、ピットの幅方向に向くように、前記ピット蓋を前記ピットに設置することを特徴とするピット蓋の敷設方法。
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