一方、鉄道等軌道脇に設けられるピットの蓋に対しては、列車が通過する際に風圧等が作用する。図12は、軌道100の脇に敷設されるピット101とピット上に設けられるピット蓋103を示す図であり、図12(a)は平面図、図12(b)は図12(a)のX−X線断面図である。軌道100には列車が走行する。軌道100上を列車が走行する際には、列車の走行に伴う風圧によって、軌道脇のピット101近傍に圧力変化が生じる
具体的には、ある地点を基準とすると、当初、ピット蓋103には、重力による自重のみが作用して、ピット101上に配置されている。この状態から、当該地点に対して列車が近づいてくる段階では、ピット蓋103に対して徐々に正圧(蓋を下方に押し付ける方向の力)が大きくなり、ピット蓋103がピット101方向に押し付けられる。その後、列車が当該地点を通過する段階から、急激に負圧(蓋を上方に浮き上がらせる方向の力)に転じて、ピット101内部の圧力の方が大きくなる。その後、列車が完全に通過した後、急激に負圧がなくなり、ピット蓋の上下の圧力差による蓋を上側に持ち上げる作用力が消失し、ピット蓋103にかかる作用力が重力のみに落ち着いていく。
このような列車の通過に伴う圧力変化は、列車の速度にも依存するため、より高速な列車の軌道100の脇に敷設されるピット101およびピット蓋103に対しては、より大きな浮力等が作用する。しかしながら、前述のように、作業性を考慮した軽量なピット蓋103は、列車通過時の浮力に対抗しきれずに、ピット蓋103が飛ばされるなどの恐れがあり、走行中の列車にピット蓋が当たったり、沿線へ飛散したりして大事故を招くことになる。
これに対し、特許文献1のような方法では、単に木製蓋として、長さの調整が可能なように連結可能な構造とし、木製蓋の腐食防止のため、通水隙間を形成したに過ぎず、前述したような浮力に対抗しうるものではない。特に、腐食防止の水抜きのための孔を形成することで、蓋自体の強度が低下するため、ピットの上を歩行したりや物を運搬したりするためには、厚肉の部材とする必要があるなど、軽量化の効果も小さいという問題がある。
すなわち、特許文献1の蓋では、軽量化も強度も十分に達成することは困難であり、蓋の浮き上がり防止については考慮されているものではない。
また、特許文献2に記載の側溝用蓋は、中空部に重量調整剤を充填するものであるため、作業工数を要し、蓋の敷設時に重量調整剤を運搬する必要があるなど、作業性を向上させる効果が小さい。また、内部に重量調整剤を充填するため、敷設後に内部の点検等を行う際には、蓋の重量が重く作業性が高くない、また、通気口を多数上板部に形成することから、上板部の強度低下の恐れがある。また、通気口が鉛直方向に向くため、通気口がごみ等により詰まりを生じる恐れがある。また、通気方向が上板部に垂直な方向であり、列車通過時の風圧を受ける方向(軌道側からピットへ向かう方向)と垂直な向きとなるため、通気効率も高くないという問題がある。
すなわち、特許文献2の蓋は、浮き上がり防止を考慮するために、結果的には作業性を考慮した軽量化を果たすことができず、また、十分な強度を確保することも困難である。
また、特許文献3に記載の過大内圧解放弁付蓋は、蓋の中央に解放弁を設けるものであるが、機構が複雑であり蓋自体のコスト増となる。また、動作部を有することから、経時的に弁動作が悪くなり、これにより一部の内圧解放が不能となる恐れがある。また、蓋の中央部近傍に解放弁が設けられるため、蓋の強度が低下するという問題がある。特に解放弁近傍は、蓋に大きな孔が形成されるため、蓋本体の強度が低下するとともに、解放弁自体の上部に力が付与されると、弁が破損する恐れがある。しかし、弁自体を補強すると、弁自体の重量増となり、十分な内圧解放特性を得ることが困難となるばかりでなく、結果として蓋の重量増を招くこととなる。
すなわち、特許文献3の蓋では、内圧の解放を意図するあまり、蓋自体の強度や軽量化、コストを犠牲にしたものであり、そもそもの目的である蓋の軽量化と強度の確保を両立することは困難である。
また、特許文献4に記載のピット蓋は、両縁部にピット内外を連通する空気流路を設けるものであるが、蓋の軽量化については十分ではない。また、両側部のみに切欠き部を形成することで、蓋上方からの力に対して、肉厚変化部の境界部に応力集中が生じる恐れがある。したがって、強度が十分ではない。
また、両縁部に切欠きを形成され、蓋がピット上部開口縁部の段差に応じた形状となっているため、ピット開口幅の変動(精度)に追従することが困難であるとともに、ピット開口縁部の側壁によって、空気流路が塞がれてしまう恐れがある。
また、空気流路の形状については詳細に記載がないが、図面等を考慮しても、空気の流れに対して十分な流路断面積を確保することが困難であるため、圧損が大きく、圧力差の低減効果が十分に得られない恐れがある。しかしながら、切欠きを蓋中央部の方向に拡張して流路断面積を確保しようとすると、前述したように、応力集中部が蓋の中央方向にずれ、結果的に蓋の上部荷重に対して十分な強度を得ることが困難となる。
以上のように、従来のピット用の蓋は、簡易な構造で、敷設作業や点検作業の作業性や運搬等の効率を考慮した軽量化と、上方からの荷重に対する高い強度とを両立しつつ、ピットの内外の圧力差に伴う浮力により蓋が飛ばされることを確実に防止できるものではない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造で、軽量化および強度を両立するとともに、ピット脇を列車が通過する際に生じる浮力によって浮き上がることがないピット用蓋を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、ピット蓋であって、天板部と、前記天板部の裏面に形成され、前記天板部の幅方向および長手方向それぞれの方向に対して、互いに直交するように一体に形成される幅方向リブおよび長手方向リブと、切欠き状の一対の取手部と、を具備し、前記ピット蓋の幅方向の側面において、前記幅方向リブの両端部および前記長手方向リブにより区画される空間が、ピット蓋の幅方向の側面に向けて開口することで、前記空間とピット蓋の外方とが連通する複数の第1の空気流路が形成されるとともに、前記取手部の切欠き部は、前記ピット蓋の内方と前記ピット蓋の外方とを直接連通することで、前記天板部の裏側の空気を前記ピット蓋の外方に連通させる第2の空気流路となり、前記取手部の切欠き部は前記天板部の幅方向に垂直な方向の両端部に形成され、前記第1の空気流路は、前記ピット蓋の幅方向に向けて形成され、前記第2の空気流路は、前記ピット蓋の幅方向に垂直な方向に向けて形成され、前記幅方向リブおよび前記長手方向リブは、前記天板部の外周近傍まで一直線状に横断または縦断して互いに格子状に直交して一体に形成され、前記第1の空気流路を構成する前記幅方向リブの両端部に対して前記幅方向リブの両端部以外の部分のリブが連続して形成され、さらに前記幅方向リブの両端部以外の部分と前記長手方向リブとを壁部として、前記天板部の裏面と前記壁部により5方向が囲まれるように、前記天板部と対向する面が開放された空間に区画されるリブ構造が前記天板部の裏面に縦横に連続して複数形成され、前記幅方向リブの両端部およびこれと交わる前記長手方向リブにより形成されるリブ構造は、強度向上と空気流路形成の2つの機能を持ち、前記幅方向リブの両端部以外の部分と前記長手方向リブで形成されるリブ構造は、強度向上の効果を持つとともに、前記ピット蓋の幅方向端部まで伸びた前記幅方向リブは、前記幅方向リブの端部を除く、前記ピット蓋の側面の全てが開口し、前記第1の空気流路を形成することを特徴とするピット蓋である。
ここで、幅方向リブおよび長手方向リブにより区画される空間とは、天板部の裏面に起立するそれぞれのリブを壁部とし、天板部と対向する面が解放されている空間であって、幅方向リブおよび長手方向リブで囲まれる部位を指すものである。
前記幅方向リブおよび前記長手方向リブは、前記天板部の外周近傍まで一直線状に横断または縦断して互いに格子状に直交して一体に形成され、前記第1の空気流路を構成する前記幅方向リブの両端部に対して前記幅方向リブの両端部以外の部分が連続して形成され、前記幅方向リブの両端部以外の部分と前記長手方向リブとを壁部として、前記天板部の裏面と前記壁部とにより5方向が囲まれるように、前記天板部と対向する面が開放された空間に区画される構造が前記天板部の裏面に縦横に連続して複数形成されることが望ましい。
前記取手部の切欠き部は前記天板部の幅方向の両端部に形成され、前記第2の空気流路の形成方向と、前記第1の空気流路の形成方向は、いずれも前記ピット蓋の幅方向であり、同一方向に向けて形成されることが望ましい。
前記ピット蓋の幅方向の側面の少なくとも一部には、前記幅方向リブの端部の少なくとも一部が、前記天板部の幅方向縁部よりも両側に張り出した状態で、前記幅方向リブと一体で前記幅方向リブの端部に形成される流路保持手段が形成され、前記流路保持手段の端部を略鉛直な壁部に接触させた際に、前記天板部の幅方向縁部と前記壁部との間に隙間が保持され、前記第1の空気流路が塞がることを防止可能であることが望ましい。
前記幅方向リブの端部は、前記天板部との接続部から下方に向かって末広がり状のテーパ形状であってもよく、前記流路保持手段は、前記幅方向リブの端部に形成されたテーパ形状であってもよい。
前記天板部の裏面において、取手部リブは、前記切欠き部の周囲において前記幅方向リブと前記取手部リブとが一体で接合されるように形成されることが望ましい。取手部リブは切欠き部を囲むように、前記切欠き部の縁部から距離をあけて取手部リブが形成されることが望ましい。
前記幅方向リブの幅は、前記天板部の幅方向の中央近傍から、幅方向の両側方に向かうにつれて小さくなり、前記第1の空気流路において、前記空間を長手方向に切断した際の断面であって前記天板部および前記幅方向リブで形成される空気流路の断面積が、前記天板部の幅方向の両側方に向かうにつれて大きくなることが望ましい。
ここで、空間を長手方向に切断した際の断面とは、ピット蓋の長手方向に平行に切断した際の断面であって、天板部の裏面と両側に起立する幅方向リブの対向面により略コの字状に形成された空間を指す。また、天板部および幅方向リブで形成される断面積とは、天板部の裏面と両側に起立する幅方向リブの対向面と、幅方向リブの頂部をつないだ仮想線で囲まれる断面積であり、空気流路となる部位を指す。
前記天板部の表面側には滑り止め目的で、凹凸が形成されてもよい。
前記幅方向リブの幅は、前記天板部の幅方向の中央近傍から、幅方向の両側方に向かうにつれて小さくなることが望ましい。ここで、リブの幅とは、ピット蓋の裏面視において、リブの頂部における幅をいう。
前記第1の空気流路における前記天板部の厚みが、前記天板部の幅方向の端部に向かって薄くなることが望ましい。すなわち、前記天板部の厚みは、幅方向の中央部に向かって厚くなる。
前記長手方向リブの形成方向における少なくとも一方の側の側面の外方に、複数の突起が形成され、ピット蓋を設置した際に、隣り合うピット蓋の側面同士の間に前記突起によって隙間が形成され、前記天板部の裏側と蓋の外方とを連通する第3の空気流路を形成可能であってもよい。
本発明によれば、天板部の裏面に互いに直交する幅方向リブおよび長手方向リブが形成されるため、高い軽量化効果と強度とを両立することができる。また、ピット蓋の幅方向端部に形成された幅方向リブと長手方向リブで囲まれた空間が蓋の外部と連通することで空気流路を形成するため、ピット内外の圧力差を解消し、ピット蓋の浮き上がりを防止することができる。
また、リブを利用した空気流路と同一の方向に取手部が形成される。したがって、ピット蓋の敷設作業が容易である。また、取手部を形成する切欠き部が、ピット蓋の内外を連通する空気流路を形成するため、より確実にピット内外の圧力差を解消し、ピット蓋の浮き上がりを防止することができる。
なお、ピット蓋の幅方向はピットの幅方向に向けて設置されることが望ましい。空気流路が、列車の軌道からピットの方向(ピットの敷設方向に対して垂直な方向)に向かって設けられる方が、列車の走行により生じる空気をより効率よく流すことができるためである。したがって、本発明では、リブによる空気流路と取手部による空気流路とを同一方向とし、これをピット蓋の幅方向とするため、より効率よくピット内の空気を流すことができる。しかし、幅方向リブによる空気流路と取手部による空気流路をそれぞれ直交する方向に形成したとしても、列車走行時のピット内の空気を逃がす効率は少し低下するものの軽量ピット蓋として使用できることは言うまでもない。
また、幅方向リブおよび長手方向リブは、天板部の外周近傍まで一直線状に横断または縦断して互いに格子状に直交して一体に形成される。また、第1の空気流路を構成する幅方向リブの両端部に対して、幅方向リブの両端部以外の部分が連続して形成され、幅方向リブの両端部以外の部分と長手方向リブとを壁部として、4方向が壁部により囲まれるように、天板部と対向する面が開放された空間に区画される構造が天板部の裏面に縦横に連続して複数形成される。
したがって、一本の幅方向リブに対し、その両端部近傍を第一の流路を構成する要素とすることができるとともに、両端部以外の部位(すなわち、より高い強度が必要な部位)は、前述の4方向が囲まれた空間を形成して、蓋の強度を向上させることができる。すなわち、当該構成によれば、単に強度向上のためにリブを形成して、端部に空気流路を形成したものではなく、幅方向リブに対して、強度向上と流路形成の2つの機能を部位に応じて持たせることができる。
また、天板部の裏面においては、取手部の周囲に若干の距離(取手部に手を挿入して天板部の裏面を上方に持ち上げる際に、天板部の裏面を把持することができる程度の段差)をあけて取手部リブが設けられれば、作業性に優れ、取手部の切欠き形状による強度低下を抑えることができる。また、取手部リブを幅方向リブと一体で接合する形状とすることで、応力集中が起こることがなく高い強度を確保することができる。
また、幅方向リブの幅をピット蓋の中央から両縁部に向かうにつれて徐々に小さくすることで、ピット蓋を設置して上方から荷重をかけた際に、最も強度を要する中央部近傍では高い強度を確保するとともに、両側部においては不要な肉を除去して軽量化を達成することができる。
また、幅方向リブの幅の変化に伴い、蓋の中央から両縁部に向かうにつれて幅方向リブ同士の間隔が広くなる。したがって、幅方向リブにより構成される空気流路(第1の空気流路)の流路断面積を、端部に向かって大きくすることができる。したがって、空気流路における空気の流れの圧力損失を抑え、より効率よく空気を流すことができる。なお、圧力損失に対する流路断面積の寄与率は大きく、例えば空気流れが乱れていない(層流)場合、ハーゲン・ポアズイユの式で定義され、断面積の二乗に比例して圧力損失が増加する。
また、空気流路における天板部の厚みを、天板部の幅方向の端部に向かって薄くすることで、前述した空気流路の断面積を確保することができる。したがって、より効率よく空気を流すことができる。
また、ピット蓋の中央部を凸形状とし、長手方向および幅方向の端部に向かって低くすることで、アーチ効果により天板部の上方からの荷重に対する強度を高めることができる。また、天板部の形状に応じて、幅方向リブおよび長手方向リブの高さを、天板部の中央に行くほど高くすることで、特に応力の大きくなる中央部において、より高い強度を確保することができる。
また、幅方向リブの端部(ピット蓋の幅方向端部)が下方に向かうにつれて末広がり状のテーパ形状とすることで、ピット蓋をピットに設置した際に、ピット蓋の設置幅が多少変化しても、ピット蓋の側面が塞がれることがなく、確実に空気の流路を確保することができる。
なお、本発明のピット蓋は、幅方向リブ、長手方向リブの下端位置が略一定であり、ピット蓋の下面側(リブ)に段差等が形成されず、下面が略フラットなピット蓋である。したがって、ピットの形状が一定せず、ピット蓋設置部の幅が狭くなる部位に対しても、ピット蓋を所定幅に切断して用いれば、ピット蓋を設置することができるとともに、前述の効果を得ることができる。
本発明によれば、簡易な構造で、軽量化および強度を両立するとともに、ピット脇を列車が通過する際に生じる浮力によって浮き上がることがないピット用蓋を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかるピット蓋1について説明する。図1は、ピット蓋1を示す図であり、図1(a)は表面斜視図、図1(b)は裏面斜視図である。また、図2はピット蓋1の平面図、図3はピット蓋1の底面図である。
ピット蓋1は、略矩形の板状の天板部3と、天板部3の裏面側に設けられるリブと、幅方向の両端に設けられる取手部5等から構成される。ピット蓋1は樹脂製であり、ある程度の強度と耐久性があれば材質は特定しないが、コスト及び軽量化などの施工性を考慮すると、再生プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン等)及び難燃剤等からなる樹脂組成物が使用できる。
ピット蓋1の表面1a側には、滑り止め等の目的で、必要に応じて細かな凹凸が形成される。この凹凸はリブとしての機能も果たし、ピット蓋の強度向上にも寄与する。なお、本発明のピット蓋1としては、表面1aの模様(凹凸形状および配置等)は図示した例には限られない。
ピット蓋1の裏面1b側には、ピット蓋1の幅方向(図3における左右方向)に向けて形成される幅方向リブ7aと、ピット蓋1の長手方向(図3における上下方向)に向けて形成され、幅方向リブ7aと略直交する長手方向リブ7bがそれぞれ複数形成される。すなわち、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bは、天板部の外周近傍まで一直線状に横断または縦断して互いに格子状に直交して一体に形成される。幅方向リブ7aと長手方向リブ7bのそれぞれの頂部(天板部3とは逆側であり下面側)は、同一平面上に形成される。なお、幅方向リブ7aと長手方向リブ7bの詳細な形状は後述する。
ここで、幅方向リブ7aと長手方向リブ7bとで囲まれた部位(幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bを壁部として、周囲の壁部の4方向と、天板部3の裏面1bとの全5方向を囲まれた部位)を空間11とする。すなわち、空間11は、ピット蓋1の底面側のみに開口する空間となる。また、ピット蓋1の幅方向の両端部に配置される空間は、ピット蓋1の幅方向の外側に開口する空間11aとなる。すなわち、空間11aは、ピット蓋1の底面側および一方の側面側の端部に向けて開口するように形成される。
ピット蓋1の幅方向の両側には取手部5が設けられる。取手部5は、天板部3の端部の一部が切欠かれ、平面視切欠き状の形状である。取手部5は、ピット蓋1を敷設する際に、ピット蓋1を手で持つ部位となる。
図5(a)は、ピット蓋1の断面図であり、図3におけるC−C線断面図である。取手部5の裏面側には、手でピット蓋1を持つための段部5aが形成され、段部5aの周囲を囲むように取手部リブ7cが設けられる。すなわち、取手部リブ7cは、切欠き部から所定距離離れて(段部5aを介して)形成される。なお、取手部5においては、切欠き部によって、ピット蓋1(天板部3)の下方の領域と、ピット蓋1の外部の領域とが連通する。
なお、図3に示すように、取手部リブ7cは、幅方向リブ7aと接合されて一体で形成され、その結果、取手部の周りのリブを全5方向が囲まれた底面部のみ開口した空間を形成する周囲が囲まれたリブ構造とすることができる。図3の例では、ピット蓋1の長手方向中央部に位置する幅方向リブ7aと、隣り合う一対の幅方向リブ7aの合計3本の幅方向リブ7aの両端部が、取手部リブ7cと合流するように一体で接合される。幅方向リブと7aと取手部リブ7cとを一体とすることで、切欠きの形成に伴う強度低下を抑えることができる。なお、取手部リブ7cの高さを、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの高さよりも低く形成して、これらのリブを滑らかに結ぶことでリブに段差を形成することもできる。このようにすることで、取手をつかみやすくするとともに、後述する空気流路をより確実に確保することができる。
図4(a)はピット蓋1の背面図(長手方向の側面図)であり、図2のA矢視図である。ピット蓋1の天板部3は、天板中心9を頂部として、上方に凸形状に形成される。すなわち、ピット蓋1は、天板中心9が最も高く、天板部3の端部に行くにつれて低くなるように形成される。
天板部3の上面に形成されるテーパ角度としては1°程度でよく、例えば、ピット蓋1が約500mm角の形状であれば、天板中心9と長手方向端部との高さの差(図中F)は約5mm程度であればよい。なお、前述の通り、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの下面は一致するため、ピット蓋1の天板中心9に行くほど、天板部3の形状に応じてそれぞれのリブ高さが高くなる。
ピット蓋1幅方向の両側部(幅方向リブ7aの両端部)は、天板部3側から下方に行くにつれて末広がり状にテーパが形成される。すなわち、天板部3の幅方向縁部に対して、ピット蓋1の下面側が、幅方向に突出するように流路保持手段であるテーパが形成される。なお、テーパの角度(図中G)は、例えば5°程度であればよい。また、ピット蓋1の長手方向両側部の外面には、長手方向にピット蓋を連続して配置した時、熱膨張によるピット蓋の浮き上がりを防止するために、複数の突起2が形成される。なお、突起2は、ピット蓋の長手方向両側部の前面側または背面側のいずれに形成しても良く、前面及び背面の両者に形成しても良い。例えば、ピット蓋の背面のみに形成する場合は、ピット蓋1の前面は、突起2の有無のみにおいて背面と異なり、他の構成は全て同様である。
図4(b)は、ピット蓋1の左側面図(幅方向の側面図)であり、図2のB矢視図である。なお、ピット蓋1の右側面図も同様であり、左右が対象に表わされる。前述の通り、ピット蓋1の天板部3は、天板中心9を頂部として上方に凸形状に形成される。テーパ角度としては1°程度でよく、例えば、ピット蓋1が約500mm角の形状であれば、天板中心9と幅方向端部との高さの差(図中E)は約5mm程度であればよい。
前述の通り、ピット蓋1の幅方向の側面方向には、取手部5および空間11aが開口する。したがって、ピット蓋1は、幅方向の側部において、ピット蓋1(天板部3)の下方の領域と、ピット蓋1の外部の領域とが連通する。
図5(b)は、ピット蓋1の断面図であり、図3におけるD−D線における切断断面図である。空間11aにおいては、天板部3の肉厚が、ピット蓋1の幅方向の両端部に行くにつれて徐々に薄くなる。すなわち、空間11aの奥側(ピット蓋1の中心方向)端部における天板部3の厚み(図中H)に対して、空間11aの開口部側(ピット蓋1の端部方向)における天板部3の厚み(図中I)は小さくなる。
例えば、天板部3の厚み(図中H)が22mm程度であれば、天板部3の幅方向端部の厚み(図中I)を11mm程度とすればよい。すなわち、ピット蓋1(天板部3)の下方の領域とピット蓋1の外部の領域とを連通する空間11aにおいては、端部に行くにつれて空間11a高さが高くなる。
図6は、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの拡大図であり、図3のV部拡大図である。長手方向リブ7bは、ピット蓋1の中央を通るものの幅(図中T)に対して、幅方向の両側方に配置されるものの幅(図中U)が小さくなる。すなわち、図3の例では、長手方向リブ7bは、全部で3本形成されるが、中央の長手方向リブ7bの幅が、他の長手方向リブ7bの幅よりも大きい。例えば、中央の長手方向リブ7bの幅が24mm程度であれば、他の長手方向リブ7bの幅を20mm程度とすればよい。
同様に、幅方向リブ7aは、ピット蓋1の中央から端部に行くにつれて、その幅が小さくなる。すなわち、幅方向リブ7aは、ピット蓋1の中央(中央の長手方向リブ7bとの接合部)の幅(図中L)に対して、ピット蓋1の幅方向端部における幅(図中M)の方が小さい。例えば、幅方向リブ7aの中央部の幅が24mm程度であれば、端部の幅を15mm程度とすればよい。なお、幅方向リブの厚みをテーパ状に変化させずに一定としてもよい。
なお、幅方向リブ7aの幅が幅方向端部に行くにつれて小さくなるため、空間11aの幅(ピット蓋の長手方向の長さであって、幅方向リブ同士の間隔)は、ピット蓋1の中央方向から端部に向かって徐々に大きくなる。すなわち、空間11aの幅は、ピット蓋1の中央側の幅(図中K)に対して、ピット蓋1の幅方向端部における幅(図中J)の方が大きい。
前述したように、空間11aにおいては、開口部側(ピット蓋1の幅方向端部側)に行くに従い、天板部3の厚みが薄くなり、同時に、空間11aの幅が大きくなる。したがって、空間11aを長手方向に切断した際に、天板部3(裏面1b)と幅方向リブ7aとで囲まれるコの字状部(空間11a)の断面積は、ピット蓋1の幅方向端部に向かうにつれて大きくなる。
次に、ピット蓋1の使用状態について説明する。図7は、ピット13にピット蓋1を設置した状態の断面図であり、図7(a)は、図3のD−D線断面に対応する図、図7(b)は、図3のC−C線断面に対応する図である。なお、ピット13は、図11に示すように、軌道脇に敷設される。また、ピット蓋1は、ピット蓋1の長手方向がピット13の長手方向に対応するように設置され、複数のピット蓋1が長手方向に並べられる。すなわち、ピット蓋1の幅方向がピット13の幅方向に対応する。
ピット蓋1の幅方向をピット13の幅方向に向けて設置することで、後述する空気流路が、列車の軌道からピット13の方向(ピットの敷設方向に対して垂直な方向)に向かって設けられる方が、列車の走行により生じる空気をより効率よく流すことができるためである。
コの字状のピット13の上縁部には、段差15が形成される。ピット蓋1は、両側部の段差15にまたがるように設置される。すなわち、両側の段差15の側面同士の間隔は、ピット蓋1の幅よりも大きく設定される。
ピット蓋1が敷設された状態で、脇に設置された軌道上を列車が通過すると、列車の通過に伴う風の影響を受ける(例えば図中N方向)。特に、軌道に対してピット13が併設される場合には、列車の通過方向に垂直な方向に対する風の影響が大きい。この際、前述したように、ピット13の内部と外部との間に気圧差が生じる場合がある。
具体的には、列車速度が時速約300kmの時、列車の軌道とほぼ平行なピットの敷設方向の風速を測定すると、秒速2.7mであるのに対して、ピットの敷設方向に垂直なピット蓋の敷設方向に対する風速は秒速11mであり、前記ピットの敷設方向に対する風速の約4倍であった。
図7(a)に示すように、ピット蓋1の空間11aは、ピット蓋1の側方に開口している。また、段差15の側面とピット蓋1との間には隙間が形成される。このため、側方からの風に対して、空気は、段差15とピット蓋1との隙間を経由して、ピット蓋1下方(ピット13内部)に容易に流れて、ピット内の空気の圧力を低下させることができる(図中矢印O方向)。
同様に、ピット13内部の空気は、段差15とピット蓋1との隙間を経由して容易に外部に流れることができる(図中矢印P方向)。すなわち、ピット蓋1の幅方向端部には、幅方向に向けて複数の第1の空気流路である流路(図中O、P)が形成される。このため、ピット13内外の気圧差を瞬時に解消することができる。
ここで、ピット蓋1の幅方向の最も外側に位置する長手方向リブよりもさらに外側の位置する幅方向リブ7aの部位を、「幅方向リブ7aの両端部」とする。図7(a)においては、中央の長手方向リブ7b以外の長手方向リブ7bよりも両端側の部位が、幅方向リブ7aの両端部となる。また、図7(a)において、中央の長手方向リブ7b以外の長手方向リブ7bで挟まれる部位が、「幅方向リブ7aの両端部以外」とする。
前述の通り、幅方向リブ7aは一直線上に連続して形成されるため、第1の空気流路を構成する幅方向リブ7aの両端部に対して幅方向リブ7aの両端部以外の部分は連続して形成される。この際、幅方向リブ7aの両端部以外の部分と長手方向リブ7bとを壁部とすると、前述の通り、天板と4方向の壁部によりが囲まれるように空間11が形成される。すなわち、天板部3の裏面は、複数の空間11によって区画され、当該構造が天板部3の裏面に縦横に連続して複数形成される。
このようにすることで、一本の幅方向リブ7aに対し、幅方向リブ7aの両端部近傍を、空気流路を構成する要素とするとともに、ピット蓋1により高い強度が必要な部位である幅方向リブ7aの両端部以外の部位は、前述の4方向が囲まれた空間を縦横に連続して複数形成することで、蓋の強度を向上させることができる。
図8は、図7(a)におけるP部拡大図である。前述したとおり、幅方向リブ7aの端部(ピット蓋1の幅方向端部)は、下方に向かうにつれて広がるようにテーパが形成される。ピット蓋1は、段差15の側部に対して、所定の間隔を空けて敷設されるが、ピット蓋1が段差15の側部(略鉛直な壁部)に突き当てられて設置された場合でも、空気流路Pが塞がれることがない。したがって、ピット蓋1の敷設状況によらず、空気流路を確保することができる。
なお、このような効果を得るためには、ピット蓋1を壁部に押し付けて設置した際に(すなわち、流路保持手段であるテーパ形状の最大幅部を壁部に接触させた際に)天板部3の幅方向縁部と壁部との間に、隙間を確保することが必要となる。たとえば、この隙間は、ピットのピット蓋を支える部分の幅は約50mmであることから、ピット蓋の敷設時の安定性や隙間確保の観点から、約10mm〜15mm程度に設定するのが望ましい。隙間が小さすぎると、流路保持効果を十分に得ることができず、隙間が大きすぎると、ピット内への異物等の浸入の恐れがあるためである。
同様に、図7(b)に示すように、取手部5は、ピット蓋1の側方(上方)に開放している。また、段差15の側部とピット蓋1との間には隙間が形成される。このため、側方からの風に対して、空気は、段差15とピット蓋1の取手部5との隙間を経由して、ピット蓋1下方(ピット13内部)に容易に流れることができる(図中矢印R方向)。
同様に、ピット13内部の空気は、段差15とピット蓋1との隙間を経由して容易に外部に流れることができる(図中矢印S方向)。すなわち、取手部5には、幅方向に向けてピット内外を直接連通する第2の空気流路である流路(図中R、S)が形成される。このため、ピット13内外の気圧差を瞬時に解消することができる。
なお、取手部5は、切欠き状に形成されるため、ピット蓋1が段差15の側面に突き当てられた場合でも流路が塞がれることがなく、取手部5からはピット蓋1の直上に空気が抜ける流路が形成されるので、効果的である。
以上、本実施の形態によれば、ピット蓋1の裏面がリブ構造であり、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bが形成される。このため、無駄な肉がなく、軽量であり高い強度を得ることができる。また、空間11aがピット蓋1の幅方向の端部側に開口しているため、ピット13上に設置した際に、第1の空気流路が形成され、ピット内外の気圧差を解消することができる。
また、取手部5を設け、取手部5を切欠き状に形成することで、ピット13に設置した際に、第2の空気流路が形成され、ピット内外の気圧差をより確実に解消することができる。また、ピット蓋の長手方向両側部の少なくとも前面あるいは背面に突起を設けることで、ピット蓋を長手方向に連続して配置した時に、ピット蓋の側部と突起または突起同士が当接して、当接部に隙間が形成され、これが第3の流路となることから、第2の流路に加えて、さらに第3の流路も浮き上がりを防止する効果を奏する。
また、幅方向リブ7aの端部(ピット蓋1の幅方向端部)をテーパ形状とし、ピット蓋1の幅方向端部を設置部の壁部に突き当てた際においても、空気流路が塞がることを防止するための流路保持手段が形成される。このため、ピット蓋1を段差15側面に接触するように設置した場合であっても、第1の空気流路が塞がれることがない。
なお、流路保持手段としては、幅方向リブを下方に向かって末広がりのテーパ形状とするのみではなく、ピット蓋の幅方向端部を壁部に接触させた際に、壁部との間に隙間が保持できれば他の形態であってもよい。
図9は、ピット蓋10を示す底面図である。ピット蓋10は、幅方向リブ7aの端部がテーパ形状ではなく、端部の一部に突起12が形成される。すなわち、突起12は、天板部3の幅方向両縁部から外方に向かって突出するように形成される。
図10(a)は、ピット蓋10をピット13に設置した状態を示す図であり、図10(b)は図10(a)のW部拡大図である。前述の通り、ピット蓋10は、天板部3の幅方向の両縁部から外方に向かって、幅方向リブ7aの端部の一部または全体が両側に向かって突出するように形成される。したがって、ピット蓋10の幅方向の端部は、突起12の先端となる。
このようにすることで、ピット蓋10をピット13に設置し、少なくとも一方の端部がピット13の設置部における壁部と接触した場合であっても、複数の第1の空気流路である流路(図中O、P)が塞がることがない。すなわち、幅方向リブ7aの一部または全部を、幅方向に突出させることで、流路が塞がることを防止する流路保持手段として機能させることができる。なお、突起12の形状や配置は、図示した例に限られない。例えば、突起12は、幅方向端部の一部に形成されてもよく、全体を突出させてもよい。
また、取手部5が切欠き形状でピット蓋1の上方に開放するため、ピット蓋1を段差15側面に接触するように設置した場合であっても、第2の流路が塞がれることがない。したがって、確実に流路を確保することができる。
また、第1の空気流路および第2の空気流路がピット蓋1の同一方向に形成され、ピット13に敷設した際に、列車が走行する軌道側からピットに向かう方向(列車の走行方向に垂直な方向)に向けて形成されるため、ピット内外に対する空気の流れがスムーズであり、ピット内外の気圧差を確実に解消することができる。すなわち、本発明では、幅方向リブ7aによる第1の空気流路と取手部5による第2の空気流路とを同一方向とし、これをピット蓋1の幅方向とするため、より効率よくピット内の空気を流すことができる。また、空気流路がピットの幅方向中央には空気流路が形成されないため、空気流路の形成に伴うピット蓋1の強度低下がない。
また、空間11aにおいては、天板部3の厚みや幅方向リブ7aの幅が、ピット蓋1の幅方向端部に向かうにつれて小さくなるため、第1の空気流路の断面積(流路断面積)が幅方向端部に向かって大きくなる。したがって、空気流路を流れる空気の圧損が小さくなり、より確実にピット内外の空気の流れを確保することができる。
また、ピット蓋1の上方からの荷重に対しては、ピット蓋1の中央に最も大きな応力が生じるが、ピット蓋1に形成されるリブは、ピット蓋1の中央ほど幅(厚み)が大きく、端部に向かうにつれて幅(厚み)が小さくなるため、過剰な強度や重量増を招くことなく、極めて高い強度を確保することができる。
また、ピット蓋1の中心が凸形状であるため、ピット蓋1の上方からの荷重に対して、ピット蓋1のアーチ効果によって、高い強度を確保することができる。この際、ピット蓋1の上面に形成されるわずかなテーパによって、ピット蓋1上に水たまりができることも防止することができる。
また、天板部3の形状を凸形状とし、ピット蓋1の下面(幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの下面)が同一平面上に配置されるため、それぞれのリブの高さは、ピット蓋1の中央ほど高くなる。このため、ピット蓋1の中央近傍を確実に補強することができる。
また、取手部5の周囲には、取手部リブ7cが形成されるため、取手部5の切欠きによる強度低下を抑制することができるとともに、取手部リブ7cと幅方向リブ7aとが一体で接合されるため、取手部5近傍の応力を幅方向リブ7aに確実に伝達することができる。このため、取手部5近傍に応力集中が生じることがない。
また、ピット蓋1の下面(幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの下面)が同一平面上に配置されるため、施工精度により段差15同士の幅が狭くなるような場合において、段差15間にピット蓋1を設置することができない場合であっても、ピット蓋1の幅方向端部を切断すればよい。空間11aは、幅方向端部側に開口しているため、ピット蓋1の端部を切断除去しても、確実に空気流路を確保することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、幅方向リブ7aおよび長手方向リブ7bの設置本数等については、図示した例には限られない。ピット蓋1の大きさや、要求される強度等に応じて、適宜設定される。また、ピット蓋1は、幅方向および長手方向が略同一長さの例を示したが、長手方向に対してより長いものを設定することもできる。ピット蓋1のサイズは、設置場所は重量等に応じて適宜設定される。
また、幅方向リブ7aによる第1の空気流路と取手部5による第2の空気流路をそれぞれ直交する方向に形成したとしても、列車走行時のピット内の空気を逃がす効率は少し低下するものの軽量ピット蓋として使用できることは言うまでもない。
図11は、取手部5を長手方向に形成したピット蓋20を示す図である。ピット蓋20は、取手部5が、ピット蓋1に対して、90度異なる位置に配置される。したがって、ピット蓋20では、取手部リブ7cは、幅方向リブ7aのみではなく、長手方向リブ7bとも接合されて一体で形成される。ピット蓋20をピットに設置すると、取手部5は、ピットの端部ではなく、中央に配置される。したがって、ピット蓋20を用いると、隣り合うピット蓋20同士の取手部5同士が対向し、第2の流路は、ピットの中央に形成される。