JP5468462B2 - 段ボール製の包装箱 - Google Patents

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本発明は、段ボール製の包装箱に関する。
従来、緩衝作用を有する包装箱が知られている。包装箱としては、段ボール製シートを折り込み、組み立てた段ボール箱に緩衝作用を有する部材を格納した包装箱が提案されている(特許文献1参照)。
これによれば、特許文献1に記載された発明は、平板からなる受板の両端を下側内方へ折り曲げて脚板を形成した下側受体と、平板からなる受板の両端を上側内方へ折り曲げて脚板を形成した上側受体とを備え、被包装体たる物品を下側受体に載置すると共に、被包装体上に上側受体を載せて構成されている。そして、下側受体の脚部が箱板の底壁に設置され、上側受体の脚部が箱板の蓋に当接されている。そのため、下側受体及び上側受体の脚部と受板との折り曲げによる弾力で物品が弾力的に保持され、物品に掛かる衝撃を抑制することができる。
特開2007−191204号公報
ところで、特許文献1に記載された包装箱では、下側受体及び上側受体の折り曲げが1箇所であるため、衝撃を十分に抑制することができない場合がある。また、特許文献1に記載された包装箱では、物品の横方向の移動を抑制する構造が設けられていないため、物品が受板上を横方向に移動することについて抑制することができない。そのため、より強い衝撃であっても物品に伝達される衝撃を十分に抑制することができ、かつ物品が横方向に移動することを抑制することのできる包装箱が待たれていた。
本発明は、上記の点に鑑み、包装される物品に伝達される衝撃を十分に抑制することのできる構造の段ボール製の包装箱を提供することを目的とする。
本発明は、包装される物品を載置する下部受体と、物品を介して下部受体と対向する上部受板と、下部受体及び上部受板を格納する直方体の箱とを備える段ボール製包装箱において、箱は、箱の両側に設けられた一対の側壁の上側縁に連設される一対の上部支持体と、一対の側壁に挟まれた他の側壁に連設される蓋を有し、各上部支持体は、一対の側壁の上側縁に設けられた第1折れ線を介して箱の内方に折り曲げられた第1上部支持板と、各第1上部支持板の先端縁に第2折れ線を介して連設され第1上部支持板に対して上向き外方に折り曲げられた第2上部支持板とを有し、下部受体は、箱に格納された状態で箱の底壁と平行に配設されると共に、切り込みによって形成された切り込み部を複数設けた下部底板と、各切り込み部の内側に形成された立上り片と、下部底板の左右両側の夫々に第3折れ線を介して連設され下部底板に対して下向き内方に折り曲げられた一対の第1下部支持板と、各第1下部支持板の先端縁に第4折れ線を介して連設され第1下部支持板に対して外方に折り曲げられた第2下部支持板とを有し、上部受板は、立上り片に対応して形成された上部挿通穴を有し、各立上り片は物品の外側で対応する上部挿通穴に挿通され、下部受体と上部受板が箱に格納されて、箱が閉蓋されたとき、第2下部支持板が底壁に当接されると共に、第1下部支持板と第2下部支持板とにより下部受体が弾力的に支持され、蓋と上部受板との間に上部支持体が介在して第1上部支持板と第2上部支持板とにより上部受板が弾発的に支持されることを特徴とする。
本発明によれば、下部受体に物品が載置された状態で、下部底板に形成された各立上がり片が物品の外側で上部受板に形成された上部挿通穴に挿通されるため、物品を上部受板と下部底板との間に固定することができると共に、物品に力が伝達されるのを抑制することができる。
また、箱が閉蓋されたときに、物品を載置する下部受体は第1下部支持板と第2下部支持板とにより弾発的に支持されている。これにより、下部底板と第1下部支持板との連設部分と、第1下部支持板と第2下部支持板との連設部分とがバネ機能を有し、底壁から下部底板に伝達される力が緩衝される。
また、箱が閉蓋されたときに、蓋と上部受板との間に上部支持体が介在して第1上部支持板と第2上部支持板とにより上部受板が弾発的に支持されている。これにより、上部受板と第1上部支持板との当設部分と、第1上部支持板と第2上部支持板との連設部分とがバネ機能を有し、蓋から上部受板に伝達される力が緩衝される。
また、下部底板及び上部受板は箱の形状に対応した矩形からなることが好ましい。これにより、直方体からなる箱の底壁から下部底板に伝達される力と蓋から上部底板に伝達される力とを抑制する包装箱の陳列が容易となる。
また、第2上部支持板と第2下部支持板とは交差し若しくは対向する位置に配置されてもよい。これにより、下部受体の向きを考慮することなく格納することができる。
第1実施形態のダンボール製の包装箱を示す斜視図。 第1実施形態の箱体の展開図。 (a)は、第1実施形態の下部受体の展開図、(b)は第1実施形態の上部受板の平面図。 図1のIV−IV線に沿った断面図。 第1実施形態の分解斜視図。 第2実施形態の分解斜視図。
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の第1実施形態の包装箱1は、上部に開閉自在な蓋2を有する直方体の箱3と、箱3に格納可能な下部受体4及び上部受板5とを備える。また、箱3は、蓋2と連設される側壁6aと、側壁6aの両側と隣接する側壁6bと、側壁6aと対向する側壁6cとを有する。箱3と下部受体4と上部受板5は、各々1枚の段ボールシートから形成される。
箱3は、図2に展開して示すように、矩形の底板10の上下側縁の夫々には、第1折目線aを介して一対の第1側板11が連設されている。各第1側板11の先端縁には、第1折れ線である第2折目線bを介して一対の第1上部支持板12が連設されている。各第1上部支持板12の先端縁には、第2折れ線である第1ミシン目線cを介して一対の第2上部支持板13が連設されている。また、底板10を板厚方向に貫通する2個の第1挿通穴14a、14bが底板10の右側縁に設けられた第3折目線dに沿って形成されている。また、各第1側板11の右側縁には、第4折目線eを介して一対の第1係合片15が連設されている。
底板10の右側縁には、第3折目線dを介して第2側板21が連設されている。第2側板21の先端縁には、第5折目線fを介して第1延在板22が連設されている。第1延在板22の先端縁には、第6折目線gを介して第3側板23が連設されている。第3側板23の先端縁には2個の第1突起24a、24bが設けられている。また、第3側板23と第1延在板22とを板厚方向に貫通する第2挿通穴25が第6折目線gに沿って形成されている。
底板10の左側縁には、第7折目線hを介して第4側板31が連設されている。第4側板31の先端縁には、第8折目線iを介して上板32が連設されている。上板32の先端縁には、第9折目線jを介して第2係合片33が連設されている。この上板32と第3係合片33が蓋2を構成する。
下部受体4は、図3(a)に展開して示すように、矩形の下部底板41の左右側縁には、第3折れ線である第10折目線kを介して一対の第1下部支持板42が連設されている。各第1下部支持板42の先端縁には、第4折れ線である第2ミシン目線lを介して一対の第2下部支持板43が連設されている。
下部底板41には切り込みによって形成された切り込み部44が下部底板41の対角線に沿って4箇所形成され、この切り込み部44は下部底板41の中央部から周側へコ字形に形成されている。各切り込み部44の内側には、切り込みのない端部を基端部45aとして上向きに立設可能な立上がり片45が形成されている。立上がり片45の基端部45aは、2点鎖線mで示す物品Wの外周上に沿って形成されている。
上部受板5は、図3(b)に示すように、矩形に形成されている。上部受板5には、下部底板41に形成された立上がり片45に対応した上部挿通穴である第3挿通穴51が上部受板5の対角線に沿って物品Wの外周上に4箇所形成されている。
次に、箱3の組み立てについて説明する。第3折目線dと第5折目線fと第6折目線gとは同一方向に折り曲げられ、各第1係合片15が第2側板21と第3側板23に挟まれる。第3側板23に設けられた第1突起24a、24bは、対応する第1挿通穴14a、14bに挿通されて、各第1突起24a、24bと第1挿通穴14a、14bとが係合されることにより、側壁6cが形成される。
また、この側壁6cと対向する側壁6aは、第7折目線hを介して第4側板31を折り曲げることにより形成される。側壁6a及び6cと隣接する側壁6bは、第1折目線aを介して第1側板11を折り曲げることにより形成される。そして、各第1折目線aと各第2折目線bとは同一方向に折り曲げられ、各第2折目線bと各第1ミシン目線cとは反対方向に折り曲げられて、図5に示すように第1上部支持板12と第2上部支持板13とからなる上部支持体60が形成される。第1上部支持板12は第2折目線bを介して箱3の内方に折り曲げられ、第2上部支持板13は第1上部支持板12に対して上向き外方に折り曲げられる。また、上部支持体60は、側壁6bの上側縁に連設されている。また、底板10が底壁に該当する。
下部受体4は、図3(a)に示す一枚の段ボールシートから第10折目線kを折り曲げて一対の第1下部支持板42を下部底板41に対して下向き内方に折り曲げると共に、第2ミシン目線lを折り曲げて一対の第2下部支持板43を第1下部支持板42に対して外方に折り曲げて形成される。また、4つの立上がり片45は、切り込みのない端部を基端部45aとして上向きに立設される。
箱3に下部受体4と物品Wと上部受板5とを格納するときには、先ず図4と図5に示すように、下部受体4の下部底板41に物品Wが載置され、この物品Wを介して下部受体4と対向する上部受板5が物品Wの上部に載置される。
次いで、下部受体4の立上がり片45が上部受板5に形成された第3挿通穴51に挿通される。第3挿通穴51に挿通されている4つの立上がり片45は、物品Wの外側に形成されている。本実施形態では、下部受体4の第2下部支持板43と上部支持体60の第2上部支持板13とは互いに対向するように格納されている。
物品Wの外側で各立上がり片45が挿通されている状態で、下部受体4と物品Wと上部受板5とが箱3に格納される。このとき、第2下部支持板43は底板10に当接され、下部受体4の下部底板41が底板10に平行となるように、下部受体4が底板10に配設される。そのため、下部受体4が第1下部支持板42と第2下部支持板43とにより弾発的に支持される。
また、第1実施形態では、第2下部支持板43は側壁6bと平行となるよう箱3に挿入される。その後、第2係合片33が第2挿通穴25に挿通されて、第2係合片33と第2挿通穴25とが係合されることで、蓋2が閉まる。蓋2が閉まり、箱3が閉蓋されることにより、第2上部支持板13が蓋2と当接し、第1上部支持板12が上部受板5と当接する。そのため、上部受板5が第1上部支持板12と第2上部支持板13とにより弾発的に支持される。
次に、本発明の第2実施形態を図6に基づいて説明する。なお、第2実施形態の箱3と下部受体4と上部受板5は第1実施形態と同一の構成であり、第1下部支持板42と第2下部支持板43の向きが第1実施形態と第2実施形態とで異なるため、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
箱3に下部受体4と物品Wと上部受板5とを格納するときには、図6に示すように、下部受体4の第2下部支持板43と上部支持体60の第2上部支持板13とは互いに交差するように格納されている。
そして、物品Wの外側で各立上がり片45が挿通されている状態で、下部受体4と物品Wと上部受板5とが箱3に格納されて、第2下部支持板43が底板10に当接される。このとき、第2下部支持板43は側壁6cと平行となるよう箱3に挿入される。その後、上板32が閉まることにより、包装が完了する。
こうして、下部受体4と上部受板5とが箱に格納されたときに、底板10に対して第2下部支持板43が弾発的に支持されると共に、第1下部支持板42が第2下部支持板43に対し弾発的に支持されている。そのため、下部底板41と第1下部支持板42との連設部分と、第1下部支持板42と第2下部支持板43との連設部分とがバネ機能を有し、底板10から下部底板41に伝達される力が緩衝される。
また、下部受体4と上部受板5とが箱3に格納されて、上板32が閉じられたときに、上板32に対して第2上部支持板13が弾発的に支持されると共に、第1上部支持板12が第2上部支持板13に対し弾発的に支持され、第1上部支持板12が上部受板5と当接されている。そのため、上部受板5と第1上部支持板12との当接部分と、第1上部支持板12と第2上部支持板13との連設部分とがバネ機能を有し、上板32から上部底板51に伝達される力が緩衝される。
さらに、下部底板41に物品Wが載置された状態で、下部底板41に形成された各立上がり片45が物品Wの外側で上部底板5に形成された第3挿通穴51に挿通されている。そのため、物品Wを上部受板5と下部底板41との間に固定することができると共に、物品Wに力が伝達されるのを抑制することができる。
以上のように、この発明に係る段ボール製の包装箱によれば、第2下部支持板43は底壁10に対し弾発的に支持され、第1下部支持板42は第2下部支持板43に対し弾発的に支持されている。また、第2上部支持板13は蓋2に対し弾発的に支持され、第1上部支持板12は上部受板5に対し弾発的に支持されている。そのため、下部底板41と第1下部支持板42との連設部分と、第1下部支持板42と第2下部支持板43との連設部分と、上部底板5と第1上部支持板12との当接部分と、第1上部支持板12と第2上部支持板13との連設部分とがバネ機能を有し、物品に伝達される力が緩衝される。
1…包装箱、2…蓋、3…箱、4…下部受体、5…上部受板、6a、6b、6c…側壁、10…底板(底壁)、12…第1上部支持板、13…第2上部支持板、41…下部底板、42…第1下部支持板、43…第2下部支持板、44…切り込み部、45…立上り片、51…上部挿通穴(第4挿通穴)、60…上部支持体、b…第2折目線(第1折れ線)、c…第1ミシン目線(第2折れ線)、k…第10折目線(第3折れ線)、l…第2ミシン目線(第4折れ線)、W…物品。

Claims (3)

  1. 包装される物品を載置する下部受体と、
    前記物品を介して該下部受体と対向する上部受板と、
    前記下部受体及び前記上部受板を格納する直方体の箱とを備える段ボール製の包装箱において、
    該箱は、該箱の両側に設けられた一対の側壁の上側縁に連設される一対の上部支持体と、
    前記一対の側壁に挟まれた他の側壁に連設される蓋を有し、
    前記各上部支持体は、前記一対の側壁の上側縁に設けられた第1折れ線を介して箱の内方に折り曲げられた第1上部支持板と、
    該各第1上部支持板の先端縁に第2折れ線を介して連設され前記第1上部支持板に対して上向き外方に折り曲げられた第2上部支持板とを有し、
    前記下部受体は、前記箱に格納された状態で前記箱の底壁と平行に配設されると共に、切り込みによって形成された切り込み部を複数設けた下部底板と、
    前記各切り込み部の内側に形成された立上り片と、
    前記下部底板の左右両側の夫々に第3折れ線を介して連設され該下部底板に対して下向き内方に折り曲げられた一対の第1下部支持板と、
    各第1下部支持板の先端縁に第4折れ線を介して連設され該第1下部支持板に対して外方に折り曲げられた第2下部支持板とを有し、
    前記上部受板は、前記立上り片に対応して形成された上部挿通穴を有し、
    前記各立上り片は物品の外側で対応する前記上部挿通穴に挿通され、
    前記下部受体と前記上部受板が前記箱に格納されて、前記箱が閉蓋されたとき、前記第2下部支持板が前記底壁に当接されると共に、前記第1下部支持板と前記第2下部支持板とにより前記下部受体が弾発的に支持され、前記蓋と前記上部受板との間に前記上部支持体が介在して前記第1上部支持板と前記第2上部支持板とにより前記上部受板が弾発的に支持されることを特徴とする段ボール製の包装箱。
  2. 前記下部底板及び上部受板は前記箱の形状に対応した矩形からなることを特徴とする請求項1記載の段ボール製の包装箱。
  3. 前記第2上部支持板と前記第2下部支持板とは交差し若しくは対向することを特徴とする請求項1又は2記載の段ボール製の包装箱。
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