JP3024295U - 紙製包装箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩衝作用に優れると共に、嵩張らず保管効率
にも優れ、しかも人体や環境に悪影響を与えることのな
い包装箱の提供。 【解決手段】 上蓋下面に、紙製折曲弾性押圧片を設け
たことを特徴とする紙製包装箱。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は紙製包装箱、更に詳細にはガラス板や陶磁器製皿等の所謂割れ物収納 用として好適な紙製包装箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種割れ物の包装箱としては、一般にはその優れた緩衝性の故に発泡 スチロール製の箱が用いられていた。

【０００３】 然しながら、発泡スチロール製箱は腐蝕せず、その廃棄処分が困難であると共 に、焼却した場合には人体や環境に有害なガスが多く発生すると云う問題があり 、またそもそも非使用時に於ても嵩の張るものであり、保管効率上問題の多いの が実状であった。

【０００４】 また、従来紙製包装箱も用いられているが、紙製包装箱のみによっては十分な 緩衝作用が得られないため、適宜他の緩衝部材と併用せざるを得なかったのが実 状であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案者は上記の如き従来の問題を解消し、嵩張らず、廃棄処分が容 易で、しかも焼却処分によっても有害ガスの発生が少なく、かつ他の緩衝部材を 強いて用いずとも発泡スチロール製箱とほぼ同様な緩衝作用が得られる包装箱を 提供することを目的として種々検討を重ねた結果、本考案紙製包装箱を案出した ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案は上蓋下面に、紙製折曲弾性押圧片を設けたことを特徴とす る紙製包装箱である。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案に於ける折曲弾性押圧片の具体的形状及び個数はその如何を問わないが 、略Ｖ字状に少なくとも一回折りしてバネ機能を付与した２枚の方形状紙製シー ト体を、上蓋下面に線対称に、かつ各々外方に向って折曲端片が拡開するように 対向形設するのが、緩衝作用及び内容物の押圧固定作用上、特に良い結果を与え る。

【０００８】 この折曲弾性押圧片は、箱本体とは別部材で構成したものを、上蓋下面に貼着 したものであっても良いが、箱本体との一体成形体とするのが好ましく、この場 合包装箱は、折曲弾性押圧片用部を含む打ち抜き一体成形紙製シートの折り込み 組み立て体とするのが簡便で、かつ非使用時に於てフラットな状態にすることが できるので保管効率上も有利である。

【０００９】 尚、折曲弾性押圧片を箱本体との一体成形体とした場合に於ても、上蓋側の折 曲片部を当該上蓋下面に貼合固着しても良いが、固着することなく折曲片部全体 をフリーな状態の弾性押圧片とするのが安定した内容物の押圧固定作用を得る上 でより好ましい。

【００１０】 本考案の紙製包装箱としては厚紙製のものであっても良いが、特に全体が段ボ ール製のものが緩衝作用上有利である。

【００１１】 また、本考案紙製包装箱に於て、当該包装箱内底部に多数の管状空気層を有す る巻き段ボールシートを更に敷設すれば、より優れた緩衝作用を得ることができ 、特に好ましい。

【００１２】 本考案紙製包装箱は、特に電気泳動装置に用いるガラス板収納用として実施す るのが効果的である。

【００１３】

【実施例】

以下一実施例を示す図面と共に本考案を更に説明する。

【００１４】 １は箱本体で、図３に示す如き、折曲弾性押圧片用部１２Ａを含む打ち抜き一 体成形段ボール製シート１Ａを、谷折り線Ｐ及び山折り線Ｑに沿って折り込み組 み立てられたものである。

【００１５】 この箱本体１の上蓋１１の下面には、当該折曲弾性押圧片用部１２Ａの折り込 みにより、線対称かつ各々外方に向って折曲端片１２ａが拡開するように一対の バネ機能を有する折曲弾性押圧片１２が対向形設されていると共に、上蓋１１側 の各折曲片部１２ｓも当該上蓋１１下面に固着することなく拡開可能となってい る。

【００１６】 ２は巻き段ボールシートで、箱本体１の内底部に敷設されているものである。

【００１７】

【考案の効果】

本考案紙製包装箱を用い、例えば図２に示す如く、ガラス板３を収納包装すれ ば、内容物たる当該ガラス板３は、その上方から折曲弾性押圧片１２の拡開作用 に伴なう押圧を受けることによって安定に保持固定される。

【００１８】 また、当該ガラス板を収納した包装箱に外部から衝撃が加わった場合には、当 折曲弾性押圧片１２が緩衝部材として作用し、その衝撃を吸収し、和らげ、内容 物の破損を防止することができる。

【００１９】 因に、電気泳動装置に用いるゲルをはさんだガラス板を５組重ねの状態で、本 考案包装箱に収納包装し、１５０cmの高さから落下試験を行なったところ、ガラ ス板の破損は見られず、発泡スチロール製箱とほぼ同等の品質保証効果が得られ た。

【００２０】 しかも、本考案包装箱は紙製のため、人体や環境に悪影響を与えることなく、 その廃棄処分や焼却処分が可能であると共に、発泡スチロール製箱に比し、嵩張 らず保管効率にも優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案紙製包装箱の斜視説明図。

【図２】本考案紙製包装箱にガラス板を収納した状態を
示す断面説明図。

【図３】本考案紙製包装箱の組み立てに用いる一体成形
シート例の平面説明図。

【符号の説明】

１：箱本体 １１：上蓋 １２：折曲弾性押圧片 １２ａ：折曲端片 １２ｓ：上蓋側折曲片部 ２：巻き段ボールシート ３：ガラス板 １Ａ：一体成形シート １２Ａ：折曲弾性押圧片用部 Ｐ：谷折り線 Ｑ：山折り線

フロントページの続き (72)考案者 長沼 久美子 茨城県竜ヶ崎市向陽台３−３−１ 第一化 学薬品株式会社つくば工場内 (72)考案者 渡辺 真弓 茨城県竜ヶ崎市向陽台３−３−１ 第一化 学薬品株式会社つくば工場内

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上蓋下面に、紙製折曲弾性押圧片を設け
   たことを特徴とする紙製包装箱。
2. 【請求項２】 包装箱が、折曲弾性押圧片用部を含む打
   ち抜き一体成形紙製シートの折り込み組み立て体である
   請求項１記載の紙製包装箱。
3. 【請求項３】 紙が段ボールである請求項１又は２記載
   の紙製包装箱。
4. 【請求項４】 内底部に、更に巻き段ボールシートを敷
   設したことを特徴とする請求項１〜３の何れか１項記載
   の紙製包装箱。
5. 【請求項５】 電気泳動装置に用いるガラス板収納用で
   あることを特徴とする請求項１〜４の何れか１項記載の
   紙製包装箱。