JP5467931B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、有利度合いの異なる複数段階の設定値のうちの何れかを有効化可能なスロットマシンに関する。
従来より、役の内部当選確率を複数段階で設定するための設定手段を備えたスロットマシンが一般的になっている。多くのスロットマシンでは、設定値1〜6の6段階の設定値のうちの何れかを選択可能である。遊技店側は、その設定手段を操作して日々、設定値を変更し、適正な利益を確保できるように努めている。
多くの遊技者は、自分が遊技するスロットマシンの設定値が有利か不利かを常に推測しながら遊技を行っている。スロットマシンの遊技では、設定値の推測行為が遊技上の楽しみのひとつになっている。そのような楽しみを一層高めることを目的として、設定値毎に特定演出の出現率に格差を設けたスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このスロットマシンの遊技では、特定演出の出現頻度を観察することにより設定値をある程度、推測可能である。
しかしながら、前記従来のスロットマシンでは、次のような問題がある。すなわち、特定演出の出現率の設定値毎の格差を過大にすると、設定値が早い段階で正確に推測されてしまい不利な設定値のスロットマシンが敬遠されて稼働率が低下してしまうおそれがある一方、特定演出の出現率の設定値毎の格差を過度に抑えると設定値の推測難易度が高くなり過ぎ、有利な設定値を使用している事実を遊技者にアピールできずに集客効果が損なわれてしまうおそれがある。
特開2007−236528号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、複数段階の設定値のうちの何れかを有効化可能なスロットマシンであって、設定値の推測難易度を適切に設定可能なスロットマシンを提供しようとするものである。
本発明は、複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
ゲーム開始操作手段が操作されたときに、複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
停止操作手段が操作されたときに、前記内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが前記内部当選役に対応する図柄の組合せと一致した場合に入賞が発生したと判定する入賞判定手段と、
入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、入賞した役の種類に対応する利益を遊技者に付与する利益付与手段と、
複数段階の設定値に応じて有利度合いに差が生じるように、前記内部抽選手段による内部抽選の確率を前記複数段階の設定値毎に規定する内部抽選確率規定手段と、
前記複数段階の設定値の中から何れか一つの設定値を選択して有効化するための設定値選択手段と、
所定の営業期間における稼働の度合いを表す稼働データを集計する稼働データ集計手段と、
前記稼働データ集計手段が集計した稼働データが基準値以上であるか基準値未満であるかを、営業日毎あるいは前記設定値が変更される毎に判定する稼働判定手段と、
前記稼働データに対応する前記営業期間において有効化されていた設定値が予め定められた基準設定値よりも有利か不利かを、営業日毎あるいは前記設定値が変更される毎に判定する設定値判定手段と、
特定の遊技状態において実行され得る特定演出の実行確率であって、前記複数段階の設定値毎の格差が大きい第1の実行確率と、前記複数段階の設定値毎の格差が小さい第2の実行確率と、を規定する特定演出確率規定手段と、
前記稼働データが前記基準値以上であるか基準値未満であるか、及び前記設定値が前記基準設定値よりも有利か不利か、の組合せに応じて、前記第1の実行確率及び前記第2の実行確率のうちの何れか一方の実行確率を選択する実行確率選択手段と、
前記特定の遊技状態が発生したときに、前記実行確率選択手段が選択した実行確率で前記特定演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段と、
前記特定演出決定手段により前記特定演出の実行が決定されたときに、前記特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えたことを特徴とするスロットマシンにある(請求項1)。
本発明のスロットマシンの遊技では、前記特定の遊技状態において前記特定演出決定手段により実行の旨が決定されたときに、前記特定演出が実行されることになる。前記特定演出決定手段は、前記第1の実行確率及び前記第2の実行確率のうち、前記実行確率選択手段により選択された実行確率で前記特定演出の実行を決定する。
前記第1の実行確率と前記第2の実行確率とを比較すると、前記第1の実行確率の方が設定値毎の格差が大きく設定されている。そのため、前記第1の実行確率が選択された場合には、前記特定演出の出現頻度に応じて前記設定値の推測が比較的容易となる。一方、前記第2の実行確率が選択された場合には、前記設定値の違いに応じた前記特定演出の出現頻度の違いが小さくなるので前記設定値の推測が難しくなる。
前記実行確率選択手段は、前記稼働データが基準値以上か未満か、及び前記設定値が前記基準設定値よりも有利か不利か、の組合せに応じて実行確率を選択するようになっている。例えば、前記設定値が有利であるときに前記稼働データが高稼働を表していれば、遊技者によってその有利な設定値が推測されていた可能性が高いことになる。また、前記設定値が不利であるときに前記稼働データが低稼働を表していれば、遊技者によってその不利な設定値が看破されていた可能性が高いことになる。一方、前記設定値が不利であるのに高稼働であった場合には、不利な設定値が看破されていない可能性が高く、前記設定値が有利であるのに低稼働であった場合には、有利な設定値が遊技者によって推測されていない可能性が高いという判断ができる。
このように、前記稼働データが基準値以上か未満か、及び前記設定値が有利か不利かの組合せに基づけば、遊技者が前記設定値を推測できていたか否かを判断できる。そして、その判断結果に応じて前記特定演出決定手段における実行確率を設定すれば、遊技者による前記設定値の推測精度に応じて、推測難易度を適切に設定できるようになる。例えば、遊技者による前記設定値の推測が間違っている場合には、推測難易度を抑制したり、逆の場合には、推測難易度を高めたりといった調整が可能になる。
スロットマシンにおいて設定値の推測難易度を低く調整すれば、有利な設定値を使用している事実を遊技者にアピールして集客効果を高めることができる。一方、設定値の推測難易度を高く調整すれば、設定値が早い段階で正確に推測されてしまい、不利な設定値のスロットマシンが敬遠されて稼働率が低下するおそれを未然に回避できる。
本発明のスロットマシンとしては、メダルやコインを遊技媒体とした狭義のスロットマシンのほか、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)などであっても良い。
また、前記特定演出は、1種類であっても良いし、2種類以上であっても良い。2種類以上の特定演出を設定した場合、各特定演出を実行するか否かを決定するように前記特定演出決定手段を構成すれば良い。このとき、前記特定の遊技状態が発生した際に100%の確率で何れかの特定演出が実行されるようにしても良いが、特定演出が全く実行されない場合を設定することも良い。
また、前記特定の遊技状態は、前記複数種類の役のうち特定役が前記内部当選役として決定された状態であり、前記特定演出は、当該特定役が内部当選した旨を遊技者に示唆する演出であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、前記特定役が内部当選した旨の示唆演出として前記特定演出が実行されるようになる。
なお、前記特定の遊技状態としては、上記のほか、小役の内部当選確率を高めるボーナス状態や、リプレイ役の内部当選確率を高めるリプレイ高確率状態などを設定することも良い。
また、前記稼働データは、実行されたゲームの回数、投入された遊技媒体の累計投入数、及び入賞が発生した回数のうちの何れかであることが好ましい(請求項3)。
ゲームの回数、遊技媒体の累計投入数、及び入賞回数は、何れも、遊技の継続に応じて単調に増加するため、前記スロットマシンの稼働の度合いを表す前記稼働データとして利用可能である。前記稼働データとしては、上記のほか、遊技媒体の払出数等を利用することも可能である。
また、前記実行確率選択手段は、前記稼働データが前記基準値以上であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも有利であった場合、及び前記稼働データが前記基準値未満であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも不利であった場合、に前記第2の実行確率を選択する一方、
前記稼働データが前記基準値以上であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも不利であった場合、及び前記稼働データが前記基準値未満であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも有利であった場合、に前記第1の実行確率を選択することが好ましい(請求項4)。
この場合には、前記設定値が正確に推測された状況において、設定値の推測難易度を高めることができるようになる。一方、前記設定値が正確に推測されなかった状況においては、設定値の推測難易度を抑制できるようになる。
本発明のスロットマシンは、複数段階の設定値のうちの何れかを有効化可能なスロットマシンであって、設定値の推測難易度を適切に設定可能なスロットマシンである。
実施例1における、スロットマシンの外観を示す正面図。 実施例1における、入賞ラインを説明する説明図。 実施例1における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。 実施例1における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。 実施例1における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。 実施例1における、内部当選役抽選テーブルを示す説明図。 実施例1における、特定演出パターンを決定するための演出テーブル(2種類)を示す説明図。 実施例1における、演出テーブルの選択に適用される選択テーブルを示す説明図。 実施例1における、演出テーブル選択処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、特定演出実行処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、演出パターン1による演出画面を示す正面図。 実施例1における、演出パターン2による演出画面を示す正面図。 実施例1における、演出パターン3による演出画面を示す正面図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、1〜6の設定値のうちの何れかを有効化可能なスロットマシン1に関する例である。この内容について、図1〜図13を用いて説明する。
まず、本例のスロットマシン1の外観的な構成について、図1を参照して説明する。スロットマシン1における遊技者側の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓11を略中央に設けた前面枠体10によって形成されている。前面枠体10は、図柄表示窓11の上側に、液晶表示部53、左右一対のスピーカ520、及び装飾ランプ部56を配置してなる。図柄表示窓11の下側には、スロットマシン1の基部をなすベース部100が形成されている。図柄表示窓11の右側には、払出数表示部551及びクレジット表示部552が配置されている。
ベース部100は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓11に対して相対的に張り出すように形成されている。ベース部100は、図柄表示窓11に隣り合う上端部に棚面状の操作面14を有し、下端部にメダルを払い出すメダル受け皿15を有し、操作面14とメダル受け皿15との間に操作パネル13を有している。
操作面14には、ゲームに対してメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。
操作パネル13には、リール21の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62(ゲーム開始操作手段)、及び図柄変動を停止させるためのストップボタン61(停止操作手段)が配置されている。
ベットボタン64は、クレジットされたメダルの中から所定数のメダルを投入するためのボタンである。3BET(3枚賭け遊技)限定の通常状態では、ベットボタン64の操作に応じて投入数3を表す3ベット信号が発生する。一方、2BET(2枚賭け遊技)限定のボーナス状態では、ベットボタン64の操作に応じて2ベット信号が発生する。ただし、残りのクレジットが不足している場合には、クレジットの残りに対応するベット信号等が発生し、クレジットがゼロの場合は、ベット信号は発生しない。
スタートレバー62は、遊技者の操作に応じてリール21の制御信号であるゲーム開始信号を発生する操作レバーである。スロットマシン1では、メダルの直接投入、あるいはベットボタン64の操作により所定数のメダルが投入されたとき、スタートレバー62が有効状態に設定される。なお、リプレイ役が入賞した場合には、メダルの直接投入、あるいはベット操作がされなくても自動的にメダルが投入された状態、すなわち次のゲームを開始可能な状態が設定される。
図柄表示窓11は、図柄表示領域110L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域110L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓11全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。図柄表示窓11は、遊技者側から図柄20が見えるように、窓全体が透明な樹脂プレートにより形成されている。
2次元マトリクス状に9個の図柄20が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン211〜215が設定されている。本例の入賞ラインは、図2に示すごとく、水平方向の入賞ライン211〜213、対角方向の入賞ライン214及び215よりなる5ラインにより構成されている。なお、本例のスロットマシン1では、ゲームに対するBET数に依らず、常に、5本全ての入賞ラインが有効に設定される。
各図柄表示領域110L、C、Rの裏側には、図柄変動表示手段2を構成するリール21L、C、Rがそれぞれ配置されている。図3に示すごとく、リール21L、C、Rは、円柱形状をなし、その外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄20が配置された回転式のリールである。なお、リール21としては、本例の回転式のリールに代えて、液晶ディスプレイに図柄を変動表示する画像式のリールを採用することもできる。
ストップボタン61は、図1に示すごとく、遊技者の操作に応じてリール21の制御信号である変動停止信号を発生させる操作ボタンである。本例のストップボタン61は、左リール21Lに対応する左ストップボタン61L、中リール21Cに対応する中ストップボタン61C、及び右リール21Rに対応する右ストップボタン61Rを組み合わせてなる。
払出数表示部551は、入賞時のメダル(遊技媒体)の払出数を表示する表示部である。なお、設定値の変更操作には、払出数表示部551に設定値が表示されるようになっている。
クレジット表示部552は、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダル数であるクレジット数を表示する表示部である。
スピーカ520及び装飾ランプ部56は、音あるいは光により遊技を演出するための演出手段である。
液晶表示部53は、液晶ディスプレイよりなり、各種の演出画面を表示可能である。特に、本例の液晶表示部53は、特定演出実行手段7としての機能を備えており、図11〜図13を参照して後述する特定演出画面71〜73を表示可能である。
次に、本例のスロットマシン1の役について説明する。
本例のスロットマシン1では、図4に示すごとく、ボーナス役(BB1役、BB2役)、15枚役など4種類の小役、及びリプレイ役が設定されている。図4では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄20の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。「3BET」欄の利益は、通常状態下で入賞したときの利益である。「2BET」欄の利益は、ボーナス状態下で入賞したときの利益である。ボーナス状態においては、入賞した小役の種類に関わらず、全てメダル15枚の払出が利益として設定されている。
ボーナス状態としては、BB1役を契機としたBIG1状態と、BB2役を契機としたBIG2状態と、が設定されている。BIG1状態とBIG2状態とは、発生契機となる役が異なるだけで、その他の遊技仕様が共通している。ボーナス状態は、メダルの払出数が規定払出数(規定付与数)である400枚を超えたときに終了する。
また、本例では、内部当選した旨を示唆する特定演出の対象の特定役として「スイカ」のゾロ目が入賞図柄である15枚役が設定され、その特定役の内部当選状態が特定の遊技状態として設定されている。
次に、本例のスロットマシン1の電気的な構成について、図5を参照して説明する。スロットマシン1の全体動作を制御する制御部3に対しては、既出の構成のほか、メダル投入口630(図1)を介して直接投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール21と共に図柄変動表示手段2を構成するリール駆動部22、リール21の回転位置を検知する基準位置検知部66、メダルを払い出すメダル払出部54、払出数表示部551やクレジット数表示部552を含む各種表示部55、何れかの設定値を有効化するための設定値操作部68、及びスピーカ520を制御する音声出力部52等が電気的に接続されている。
投入メダル検知部63は、メダル投入口630から直接投入されたメダルの検知部である。投入メダル検知部63は、メダル投入部630からメダルが投入される毎にインサート信号を出力する。なお、本例のスロットマシン1では、メダルの直接投入、あるいはベットボタン64の操作等により所定数のメダルが投入された際、スタートレバー62が有効な状態に設定され、新たなゲームを開始可能な状態となる。
リール駆動部22は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール21を回転駆動する駆動部である。
基準位置検知部66は、各リール21L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
メダル払出部54は、入賞に応じて所定数(図4参照。)のメダルを払い出す払出部である。
設定値操作部68(設定値選択手段)は、設定キー680を挿入するキーシリンダ681、何れかの設定値を選択する選択ボタン682、及び選択された設定値を有効化する決定ボタン683を備えている。これらは、全て、前面枠体10(図1)の内側の図示しない操作パネルに配置されている。キーシリンダ681に挿入した設定キー680を右側に回転させた状態では、払出数表示部551に設定値が表示されるようになると共に、選択ボタン682及び決定ボタン683が操作可能になる。この状態では、選択ボタン682を押込み操作する毎に、払出数表示部551の設定値の表示を順番に切り換えることができる。所望の設定値が表示された状態で決定ボタン683を押込み操作すれば、その設定値が有効化され、設定キー680の抜き取りに応じてその設定値が確定することになる。
制御部3は、図5に示すごとく、CPU31と、メモリ手段であるROM33、RAM34と、入出力インターフェースとしてのI/O部32と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部35と、乱数を発生する乱数発生部350と、を有している。CPU31は、ROM33から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、内部当選役を抽選する内部抽選手段41、内部当選役に対応するフラグを制御するフラグ消去手段410、リール21を制御する表示制御手段42、入賞図柄を判定する入賞判定手段43、入賞に応じて利益を付与する利益付与手段44、特定演出パターンを決定する特定演出決定手段45、稼働データを集計する稼働データ集計手段48、稼働を判定する稼働判定手段461、設定値を判定する設定値判定手段462、特定演出の実行確率を選択する実行確率選択手段47としての各機能を実現する。
メモリ手段であるRAM34の記憶領域には、稼働データ集計手段48が稼働データとして集計した累計ゲーム数を記憶するゲーム数カウンタ341が設けられている。稼働データ集計手段48は、営業開始に応じて初期値ゼロゲームをゲーム数カウンタ341にセットし、閉店となるまでゲーム毎に1ゲームずつ、ゲーム数カウンタ341の累計ゲーム数を加算する。つまり、本例では、稼働データである累計ゲーム数を集計する営業期間として、1営業日が設定されている。閉店時には、そのときの累計ゲーム数が、当日の設定値と共に図示しないフラッシュROMに格納される。
メモリ手段であるROM33は、内部当選役の抽選に適用される内部当選役抽選テーブル(図6)を記憶する内部抽選確率規定手段331、及び特定演出の実行抽選に適用される演出テーブル(図7)を記憶する特定演出確率規定手段332としての機能を備えている他、リール21の停止制御に適用されるリール制御テーブル(図示略)を記憶している。
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
内部当選役抽選テーブルは、内部当選役を抽選により決定するための抽選テーブルである。内部当選役抽選テーブルでは、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数が規定されている。内部当選役抽選テーブルとしては、図6に示す通常状態に適用されるテーブル、及びボーナス状態に適用されるテーブル(図示略)がある。通常状態用の内部当選役抽選テーブルは、設定値1〜6についてそれぞれ規定されているが、同図では、最も有利な設定値6に対応するテーブル、及び最も不利な設定値1に対応するテーブルのみを示してある。同図中、各設定値に対応する欄のうち、縦方向の左列は当選乱数の個数を示し、同中央の列は内部当選確率を分母(1/xのx。)により示し、同右列は、入賞に応じた払出数に内部当選確率を掛け合わせた期待値を示している。
図6から知られるように、設定値6のテーブルでは、ボーナス役、2枚役、8枚役及び15枚役の当選乱数の個数が設定値1のテーブルよりも多く規定されて有利となっている。その結果、設定値6のテーブルでは、出玉率が100%を大きく超えて非常に有利となっている。
演出テーブルは、図7に示すごとく、特定役である15枚役が内部当選した旨を示唆する特定演出の演出パターンを決定するための実行抽選用の抽選テーブルである。演出テーブルでは、実行抽選用の0〜255の各乱数が、図11〜図13を参照して後述する演出パターン1〜3のうちの何れかの当選乱数として振り分けられている。各演出パターンの実行確率は、振り分けられた当選乱数の個数に応じて決定されている。演出テーブルでは、各演出パターンの当選乱数が設定値毎に設定されている。さらに、本例では、各演出パターンの当選乱数の個数が設定値に応じて大きく異なる第1テーブルと、各演出パターンの当選乱数の個数について設定値毎の差が小さい第2テーブルと、が演出テーブルとして設定されている。
前記乱数抽出部35は、図5に示すごとく、乱数発生部350が発生する乱数の中から抽選用の乱数を抽出する抽出部である。抽選用の乱数としては、0〜65535の乱数の中から抽出される内部当選役抽選用の乱数と、0〜255の乱数の中から抽出される実行抽選用の乱数と、がある。内部当選役抽選用の乱数は、ゲームの開始時に抽出される。特定演出パターンを決定するための実行抽選用の乱数は、特定役である15枚役の内部当選に応じて抽出される。
内部抽選手段41は、図5に示すごとく、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段41は、内部当選役抽選テーブル(例えば、図6。)に規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段41は、内部当選役抽選テーブルのうちの何れかを遊技状態や設定値に応じて選択して利用する。
フラグ消去手段410は、内部当選フラグを制御する手段である。フラグ消去手段410は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、そのフラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役に対応するボーナス役フラグについては、入賞するまでフラグ成立状態が次回のゲームに順次、持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
特定演出決定手段45は、特定役である15枚役が内部当選したとき(特定の遊技状態)、特定演出パターンの実行抽選を実行する手段である。特定演出決定手段45は、第1テーブル又は第2テーブル(図7)に対して実行抽選用の乱数を照合することにより特定演出パターンを決定する。第1テーブルが実行抽選に適用された場合には、各演出パターンの実行確率の設定値毎の格差が大きくなる。一方、第2テーブルが実行抽選に適用された場合には、各演出パターンの実行確率の設定値毎の格差が小さくなる。なお、第1テーブルか第2テーブルかは、後述する実行確率選択手段47により選択される。
表示制御手段42は、図5に示すごとく、ゲーム開始信号に応じてリール21の図柄変動を開始すると共に、変動停止信号に応じてリール21の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段42は、リール駆動部22を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段42は、リール駆動部22に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段42は、各リール21の基準位置片の検知信号を取り込むごとにステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
表示制御手段42は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段42は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対して変動停止信号を取り込みした際のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段42は、成立中のフラグに対応する図柄を決定した停止位置に引き込んでリール21を停止させる。
入賞判定手段43は、3基のリール21L、C、Rが停止表示する図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かを判定する手段である。具体的には、入賞判定手段43は、3基のリール21L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン211〜215上に停止した図柄の組合せに応じて入賞役を判定する。入賞判定手段43は、各リール21L、C、Rが停止した後、対応する各ステッピングモータ(リール駆動部22)のステップ数を取り込む。入賞判定手段43は、このステップ数に基づき入賞ライン211〜215上に停止した図柄20の種類を求め、その図柄20の組合せについて入賞役が成立するか否かを判定する。
利益付与手段44は、入賞に応じて利益を付与する手段である。利益付与手段44は、例えば、通常状態下で15枚役の入賞が判定された場合には、15枚のメダルの払出という利益を付与する。BB1役又はBB2役の入賞が判定された場合には、ボーナス状態の発生という利益を付与する。
稼働判定手段461は、遊技場の開店準備で電源が投入されたときに、前営業日の稼働を判定する手段である。稼働判定手段461は、図示しないフラッシュROMから読み出した累計ゲーム数について、基準値である3001ゲーム以上か未満かを判定する。
設定値判定手段462は、遊技場の開店準備で電源が投入されたときに、前営業日の設定値を判定する手段である。設定値判定手段462は、図示しないフラッシュROMから読み出した設定値について、基準設定値よりも有利な高設定か、不利な低設定かを判定する。なお、本例では、基準設定値として、設定値3と設定値4の中間値3.5が設定されている。
実行確率選択手段47は、特定演出パターンの実行抽選に適用する演出テーブルとして、前記第1テーブルを適用するか前記第2テーブルを適用するかを選択する手段である。実行確率選択手段47は、図8の選択テーブルに従って演出テーブルを選択する。例えば、設定値判定手段462により高設定と判定され、かつ、累計ゲーム数が3001ゲーム未満と判定された場合には、設定値が正確に推測がされていないと判断し、第1テーブルを選択する。また、高設定と判定され、かつ、累計ゲーム数が3001ゲーム以上であると判定された場合には、設定値が看破されていると判断し、第2テーブルを選択する。
以上のように構成されたスロットマシン1の動作について、図9及び図10のフロー図を参照して説明する。図9は、演出テーブル選択処理の流れを示すフロー図である。図10は、特定演出実行処理の流れを示すフロー図である。
図9に示すごとく、演出テーブル選択処理では、まず、電源投入が判断される(S101)。電源が投入された場合には(S101:YES)、日付が更新されているか否かが判断される(S102)。例えば、当日の営業準備のために電源投入された場合等、日付が更新されている場合には(S102:YES)、前日の累計ゲーム数が読み込まれると共に(S103)、前日の設定値が読み込まれる(S104)。読み込まれた累計ゲーム数及び設定値が前記選択テーブル(図8)と照合され(S105)、第1テーブルから第2テーブル(図7)のうち、特定演出パターンの実行抽選に適用する演出テーブルが選択される(S106)。
図10に示すごとく、特定演出実行処理では、まず、特定役である15枚役が内部当選したか否かが判断される(S201)。15枚役が内部当選した場合には(S201:YES)、特定演出パターンの実行抽選用の乱数が抽出され(S202)、前記ステップS106(図9)で選択された演出テーブルと照合される(S203)。これにより決定された特定演出パターンがセットされ(S204)、対応する特定演出画面が表示される(S205)。
特定演出パターンとしては、図11〜図13に示す第1〜第3の特定演出画面71〜73に対応する演出パターン1〜3がある。
演出パターン1による第1の特定演出画面71は、図11に示すごとく、「チェリー」、「スイカ」、「オレンジ」及び「RP」の各図柄の表示711により、2枚役、8枚役、15枚役及びリプレイ役の何れかが内部当選した旨を表示する演出画面である。
演出パターン2による第2の特定演出画面72は、図12に示すごとく、「チェリー」及び「スイカ」の各図柄の表示721により、2枚役か15枚役が内部当選した旨を表示する演出画面である。
演出パターン3による第3の特定演出画面73は、図13に示すごとく、「スイカ」の表示731により、特定役である15枚役が内部当選した旨を確定的に報知する表示画面である。
ここで、これら特定演出画面71〜73の表示に当たって、演出テーブル(図7)として第1テーブルが選択された場合には、各演出パターンの実行確率が設定値に応じて大きく異なるようになる。この場合には、各演出パターンの出現頻度に応じて、設定値の推測が比較的容易になる。一方、演出テーブルとして第2テーブルが選択された場合には、各演出パターンの実行確率の設定値毎の格差が小さくなる。この場合には、各演出パターンの出現頻度の違いから設定値を推測することが難しくなる。本例では、図8の選択テーブルのごとく、第1テーブルは、前日の設定値が看破されていないと判断された場合に選択されるようになっている。一方、第2テーブルは、前日の設定値が看破された可能性が高い場合に選択されるようになっている。
以上のように構成された本例のスロットマシン1においては、前日の設定値及び前日の稼働データに基づいて設定値の推測難易度を適切に設定することが可能である。このスロットマシン1では、設定値の推測難易度を適切な水準に維持することができるので、遊技店側の要望、及び遊技者側の要望を両立できるという効果が期待できる。すなわち、このスロットマシン1によれば、有利な設定値を使用している事実を遊技者にアピールできると共に、不利な設定値が早い段階で看破されて稼働率が低下するおそれを未然に回避できる。
なお、本例では、15枚役を特定役として設定すると共に、15枚役が内部当選した旨の示唆演出を特定演出としている。他の小役やボーナス役等を特定役として設定すると共に、その特定役が内部当選したときの示唆演出を特定演出として設定することもよい。
また、本例は、特定役が内部当選した旨を示唆する特定演出として、3種類の特定演出パターンを設定すると共に、特定役が内部当選した際には、100%の確率で何れかが実行される例である。これに代えて、特定役が内部当選しても特定演出が全く実行されない場合を設定することも良い。さらに、本例に代えて、1種類の特定演出を設定すると共に、実行抽選において、その特定演出を実行するか否かを決定しても良い。
また、特定演出の内容は、本例に限定されない。音声による演出を特定演出としてもよいし、演出画面の表示と音声とを組み合わせた特定演出を採用することもできる。
なお、本例は、稼働の度合いを表す稼働データとして累計ゲーム数を採用した例である。稼働データとしては、本例に代えて、例えば、メダルの累計投入数、ボーナス役の入賞回数などを採用することもできる。要するに、稼働の多寡を反映した遊技データであればどのようなデータであってもよい。
なお、本例では、電源の投入時に日付が変更されているか否かを判断することで、当日の営業準備による電源投入を判断し、営業日毎に演出テーブルの切換を実行している。これに代えて、設定値が変更された場合に限り演出テーブルを切り換えることもできる。あるいは、営業日毎に加えて、設定値が変更された場合にも演出テーブルを切り換えるようにしても良い。
また、本例では、設定値毎にボーナス役及び小役の内部当選確率が異なるように設定したが、ボーナス役のみ、又は小役のみについて、内部当選確率を設定値毎に異ならせることも良い。
以上、実施例1のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
1 スロットマシン
11 図柄表示窓
110 図柄表示領域
2 図柄変動表示手段
21 リール
20 図柄
3 制御部
331 内部抽選確率規定手段
332 特定演出確率規定手段
341 ゲーム数カウンタ
35 乱数抽出部
41 内部抽選手段
410 フラグ消去手段
42 表示制御手段
43 入賞判定手段
44 利益付与手段
45 特定演出決定手段
461 稼働判定手段
462 設定値判定手段
47 実行確率選択手段
48 稼働データ集計手段
53 液晶表示部
61 停止操作手段(ストップボタン)
62 ゲーム開始操作手段(スタートレバー)
68 設定値操作部(設定値選択手段)
7 特定演出実行手段
71〜73 特定演出画面

Claims (4)

  1. 複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
    遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
    ゲーム開始操作手段が操作されたときに、複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
    前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
    停止操作手段が操作されたときに、前記内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
    前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが前記内部当選役に対応する図柄の組合せと一致した場合に入賞が発生したと判定する入賞判定手段と、
    入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、入賞した役の種類に対応する利益を遊技者に付与する利益付与手段と、
    複数段階の設定値に応じて有利度合いに差が生じるように、前記内部抽選手段による内部抽選の確率を前記複数段階の設定値毎に規定する内部抽選確率規定手段と、
    前記複数段階の設定値の中から何れか一つの設定値を選択して有効化するための設定値選択手段と、
    所定の営業期間における稼働の度合いを表す稼働データを集計する稼働データ集計手段と、
    前記稼働データ集計手段が集計した稼働データが基準値以上であるか基準値未満であるかを、営業日毎あるいは前記設定値が変更される毎に判定する稼働判定手段と、
    前記稼働データに対応する前記営業期間において有効化されていた設定値が予め定められた基準設定値よりも有利か不利かを、営業日毎あるいは前記設定値が変更される毎に判定する設定値判定手段と、
    特定の遊技状態において実行され得る特定演出の実行確率であって、前記複数段階の設定値毎の格差が大きい第1の実行確率と、前記複数段階の設定値毎の格差が小さい第2の実行確率と、を規定する特定演出確率規定手段と、
    前記稼働データが前記基準値以上であるか基準値未満であるか、及び前記設定値が前記基準設定値よりも有利か不利か、の組合せに応じて、前記第1の実行確率及び前記第2の実行確率のうちの何れか一方の実行確率を選択する実行確率選択手段と、
    前記特定の遊技状態が発生したときに、前記実行確率選択手段が選択した実行確率で前記特定演出を実行するか否かを決定する特定演出決定手段と、
    前記特定演出決定手段により前記特定演出の実行が決定されたときに、前記特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えたことを特徴とするスロットマシン。
  2. 前記特定の遊技状態は、前記複数種類の役のうち特定役が前記内部当選役として決定された状態であり、前記特定演出は、当該特定役が内部当選した旨を遊技者に示唆する演出であることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
  3. 前記稼働データは、実行されたゲームの回数、投入された遊技媒体の累計投入数、及び入賞が発生した回数のうちの何れかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスロットマシン。
  4. 前記実行確率選択手段は、前記稼働データが前記基準値以上であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも有利であった場合、及び前記稼働データが前記基準値未満であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも不利であった場合、に前記第2の実行確率を選択する一方、
    前記稼働データが前記基準値以上であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも不利であった場合、及び前記稼働データが前記基準値未満であり、かつ、前記設定値が基準設定値よりも有利であった場合、に前記第1の実行確率を選択することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のスロットマシン。
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