JP5454853B2 - 加水分解的および熱酸化的に安定なポリマーとしてのスルホン化ポリ(アリーレン) - Google Patents

加水分解的および熱酸化的に安定なポリマーとしてのスルホン化ポリ(アリーレン) Download PDF

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Description

発明の背景
燃料電池、透析セル、電解セルおよび電気化学的分離法のような電気化学的用途についてのイオン伝導性材料の使用適性は、その加水分解および熱酸化に対する安定領域に制限されるが、その領域は100℃未満にあることが多い。しかしながら、燃料電池の場合などの多くの分野では、より高い作業温度(約100〜200℃)に達することが有利である。というのは、1つには、燃料電池については冷却があまり要求されず、もう1つには、電極反応が促進され、また(例えば改質装置からの一酸化炭素による)電極汚染が低減されるために、高温でのセルの電気的性能が高められるためである。
高温では、特に水および酸素を含有する環境においては、化学的に、熱的に、熱酸化的におよび加水分解的に安定な材料が必要となる。
現在、例えば燃料電池技術の分野において、一般に高い化学的、熱的および熱酸化的安定性を有するペルフルオロスルホン化ポリマー(例えば、Nafion(登録商標))が主に使用されてはいるものの、製造および廃棄にはコストと時間が嵩む。ペルフルオロポリマーに代わる廉価な代替物として、スルホン化ポリ(アリーレン)、例えば、ポリ(アリーレンエーテルケトン)、ポリ(アリーレンエーテルスルホン)およびポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)に基づく膜材料が提供され、これらは現在、燃料電池についての使用に関して試験されている。(燃料電池の技術の現状、適切な膜材料、上記したポリ(アリーレン)および他のポリ(アリーレン)の合成に関する一般的な文献は、本明細書の末尾の文献総覧に示す)。
ポリ(アリーレンエーテルケトン)、ポリ(アリーレンエーテルスルホン)およびポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)は構造的に共通し、スルホン化された芳香環に少なくとも1の電子供与性架橋基(例えば、エーテル−O−またはチオ−S−)が結合している。芳香環に結合したスルホン酸基の加水分解安定性が電子供与性置換基(例えば、エーテル−O−またはチオ−S−)により低下するため、高温でこれらのポリマーはスルホン酸基の分解反応を起しやすくなる。そのほか、特にエーテル架橋基は酸化的攻撃(例えば過酸化ラジカル類、フェントン試験(Fentons−Test))に対して充分には耐えられない。
従って本発明の根本的な課題は、特に膜および燃料電池の技術分野で好適に使用可能であって廉価に製造することができ、加水分解安定性があり、熱酸化安定性を有する新規ポリマーを提供することにある。これに関連する課題は、このようなポリマーを製造するための新規な方法を提供することである。
これらの課題は、請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)、ならびに請求項22および24に記載のポリ(アリーレン)の製造方法を提供することにより解決される。本発明の特定のおよび好ましい態様は、従属請求項の対象である。
発明の記述
本発明は、構造要素−X−Ar(SOM)−Y−を有する新規スルホン化ポリ(アリーレン)であって、スルホン酸基を有する芳香環が、特に電子受容性架橋基(例えば、スルホン−SO−またはケトン−CO−などの強力な不活性基)であるXおよびY、場合により更なる非電子供与性置換基により置換されている新規スルホン化ポリ(アリーレン)、ならびにそれらの合成および使用について開示する。
スルホン酸基の加水分解安定性は、電子供与性基(活性基、例えばスルフィド−S−またはエーテル−O−)で置換された芳香環または電子供与性と電子受容性置換基で置換された芳香環に比較して、電子供与性置換基を有さず電子受容性基で置換された芳香環の方が著しく高いはずである。これは、スルホン化された芳香環の加水分解および逆反応、電子親和性芳香族のスルホン化のメカニズムについての理論的考察に従う。これらの反応は一般に可逆的であって、その律速段階は電子親和性芳香族の置換の中間段階としてのσ錯体の生成にある。温度が高く、水の活性度が大きいと、スルホン酸基は芳香環から比較的容易に脱離するため(スルホン化の逆行)、スルホン化ポリ(アリーレン)の使用は低い温度に限られている。電子親和性の芳香環置換(σ錯体)の中間段階を不安定化する全ての置換基,例えば、スルホン酸基に対してオルト位またはパラ位に付いた不活性化電子受容性置換基によって、逆反応(加水分解)が妨げられ、よって芳香環のスルホン酸基が安定化する。しかしながら、電子受容性基で置換された芳香環の求電子的スルホン化は、さらなる電子供与性置換基なしでは極めて困難となるか又は実質的に不可能である。
本発明によれば、これらの問題は、最初に、スルホン酸基で置換された芳香環がさらに少なくとも1つの電子供与性置換基を有するところのスルホン化ポリマーを生成する方法により解決される。その後、電子供与性置換基を化学的に電子受容性置換基に変換する。この変換は、例えばスルフィド基−S−(電子供与体)のスルホン基−SO−(電子受容体)への酸化により可能である。
本明細書で使用されているような電子受容性基は、置換基として芳香環の電子密度を低下させる電子吸引基である(不活性基とも称される)。電子吸引基は、−M効果および/または−I効果を有する。
共鳴効果(−M効果、メソメリー効果)は一般に、該当する基が不飽和(例えば芳香族)系に直接結合している場合にのみ起きる。空間、溶媒−分子、または好ましくは系のσ結合に対して生じるフィールド効果(Feld−Effekt)(I効果、誘起効果)と対照的に、共鳴効果はπ電子に対して発生する。
−M効果(負の共鳴効果):ある基の電子密度が予測より大きく、不飽和系の電子密度が予測より小さいとき、この基は−M効果を有する。−M効果を有する架橋基の例は、−SO2−、−SO2O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONR−および−POR−であるが、これらに限定されない。本発明よれば、このような基が好ましい。
本明細書において使用されているような電子供与性基は、置換基として芳香環の電子密度を増大させる基である(活性基とも称される)。電子供与性基は、+M効果および/または+I効果を有する。このような架橋基の例は、エーテル−O−およびスルフィド(チオエーテル)−S−である。
本発明のスルホン化ポリ(アリーレン)類は、式−[−X−Ar(SOM)−Y−]−(式中、XおよびYは、互いに同一であるかまたは異なり、それぞれ電子受容基を意味し、Arは好ましくは5〜18個の環原子を有する芳香環系またはヘテロ芳香環系を示し、Mは1の一価のカチオンを示し、ならびにnは1〜4の整数を意味し、ここで、X、Y、Ar、Mおよびnは互いに独立に、異なる構造要素において同一であるかまたは異なっていてもよい)で示される1つ以上の構造要素を含む。
架橋基XおよびYは、芳香環のパラ位、メタ位およびオルト位に存在していてもよいが、一般にパラ位が好ましい。適切な電子受容性架橋基XおよびYの例は、限定されないが、−SO−、−SO−、−SOO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONR−および−POR−であり、好ましくは−SO−および−CO−であり、特に好ましくは−SO−である。
適切な芳香環系またはヘテロ芳香環系の具体的な例は、限定されないが、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニレン、フラン、チオフェン、ピロール、チアゾール、トリアゾール、ピリジン、イミダゾールおよびベンゾイミダゾールである。
芳香環またはヘテロ芳香環は、1〜4個のスルホン酸基−SOMで置換されていてもよく、すなわち上記の式においてn=1〜4であり、ここでAr=フェニレンについては、nは、好ましくは1または2である。スルホン酸基の対イオンMはプロトンである、すなわちスルホン酸の状態であるか、または一般的な1価のカチオンである。このようなカチオンの典型的な例は、Li+、Na+、K+のような金属イオン、およびNR +、PR +(式中、Rは有機基、好ましくはアルキル)である。
芳香環またはヘテロ芳香環は、スルホン酸基および架橋置換基XおよびYの他に、さらなる非電子供与性置換基を含んでいてもよい。このような置換基のいくつかの具体例は、ハロゲン、例えば、F、Cl、Br、または未置換もしくは置換アルキル基、例えば、−CHまたは−CFであるが、これらに限定されない。
好ましい態様において、Arはフェニレンであって、前記スルホン化ポリ(アリーレン)は以下の構造要素I、IIまたはIIIの1つ以上を含む
Figure 0005454853
(式中、XおよびYは上記で定義した通り同一であるかまたは異なる)。
典型的な態様において、一般式−X−Ar(SOM)−Y−である1つ以上の構造要素は、式−[−Ar(SOM)−X−]−または−[−Ar(SOM)−Y−]−(式中、XおよびYは、互いに同一であるかまたは異なり、それぞれ電子受容性基を意味し、ArおよびArは互いに同一であるかまたは異り、上記で定義したように好ましくは5〜18個の環原子を有する芳香環系またはヘテロ芳香環系Arを示し、Mは上記で定義したように一価のカチオンを示し、ならびにnは1〜4の整数を意味し、ここで、X、Y、Ar、Ar、Mおよびnはそれぞれ独立に、異なる構造要素中で同一であるかまたは異なっていてもよく、また、当該スルホン化された芳香環系またはヘテロ芳香環系Ar(SOM)もしくはAr(SOM)は電子供与性基により置換されていない)の繰返し単位から形成される。繰返し単位−[−Ar(SOM)−X−]−または−[−Ar(SOM)−Y−]−は、芳香環のタイプおよび/または置換度または置換位置において同一であっても異なっていてもよい。
本発明の特定の態様において、スルホン化ポリ(アリーレン)は、式−[−Ar(SOM)−X−]−または−[−Ar(SOM)−Y−]−で示される繰返し単位をもっぱら含む。より具体的には、スルホン化ポリ(アリーレン)は、1つ以上の上記の構造要素I、IIまたはIIIをもっぱら含む。
特に好ましいスルホン化ポリ(アリーレン)は、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)、特にはポリ(スルホン酸フェニレンスルホン)、およびそれらのコポリマーである。本発明によるスルホン化ポリ(アリーレン)の他の例は、限定されないが、ポリ(スルホン酸フェニレンエーテルケトン)、ポリ(スルホン酸フェニレンスルホンケトン)、およびそれらのコポリマーである。
本発明はまた、上記一般式−X−Ar(SOM)−Y−で示される1つ以上の構造要素を形成する単位に加えて、式−[−Ar−Z−]−(式中、Zは電子供与性基もしくは電子受容性基であるか、またははいずれでなくてもよく、Arは、SOM置換基を有さない好ましくは5〜18個の環原子を有する芳香環系またはヘテロ芳香環系を表わし、異なる単位−[−Ar−Z−]−におけるAr基およびZ基は同一であるかまたは異なってもよく、但しZ基は、Zが電子供与性基を表さない場合に、式Ar(SOM)のスルホン化された芳香環系またはヘテロ芳香環系に結合し得るのみである)で示される1つ以上の単位を含むコポリマーのポリ(アリーレン)を包含する。
いくつかの適切な架橋基Zの例は、限定されないが、−SO−、−SO−、−SOO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONR−、−POR−、−S−、−O−およびアルキレンである。他の適切な基は、ポリマー化学の技術者には明白である。
適切な芳香環系またはヘテロ芳香環系Arの具体的な例は、限定されないが、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニレン、フラン、チオフェン、ピロール、チアゾール、トリアゾール、ピリジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾールなどである。これら環系は、上記架橋置換基の他に、場合によりさらなる置換基を含んでいてもよい。
本発明の他のの主題は、上記したスルホン化ポリ(アリーレン)の繰返し単位の他に、少なくとも1つのさらなるモノマーまたはマクロモノマーの(好ましくは繰返し)単位を含むコポリマーである。
さらなるモノマーまたはマクロモノマーとしては、原則的には、本発明により使用されるアリール−モノマーと共重合し得るいずれもの化合物が適する。典型的には、α,ω−ジヒドロキシ化合物またはα,ω−ジハロゲン化合物である。好ましくは、α,ω−ジヒドロキシ化合物は式HO−W−OHを有し、α,ω−ジハロゲン化合物は式Hal−W−Hal(式中、Wは−(CH−、−(CF−、−(CFCH−、−(CH−CH−O)−CH−CH−、−(CH(CH)−CH−O)−CH(CH)−CH−、−(CF−CF−O)−CF−CF−、ポリアリーレンエーテルスルホン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリシロキサン(例えば−(SiR−O)−)からなる群から選択される)を有する。ハロゲン化合物におけるHalは、ハロゲン基、例えば、F、Cl、BrおよびIを表わす。
本発明による純粋なスルホン化ポリ(アリーレン)またはコポリマーは、周知の方法により1種以上の一般的なポリマーと混合して、その個々の成分の有利な特性を合わせ持ったポリマー混合物を得ることもできる。例えば、本発明によるポリマーには、得られる混合ポリマーに大きな可撓性および/または成形性を与えるために、スルホン化ポリ(アリーレン)に基づいて「可塑剤成分」を混合してもよい。適切なポリマーは当業者に周知であり、例えば、PBI(ポリベンゾイミダゾール)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PSU(ポリスルホン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PEK(ポリエーテルケトン)、PPO(ポリフェニレンオキシド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PA(ポリイミド)、PC(ポリカルボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ポリホスファゼンからなる群から選択することできる。
具体的な態様において、本発明の純粋なスルホン化ポリ(アリーレン)またはコポリマーまたはポリマー混合物を、不活性な多孔質のマトリクス、例えば有機マトリクス(多孔性のPE、PP、PVDF、PTFE等)または無機マトリクス(多孔性の窒化ホウ素、二酸化ケイ素など)中に取り込むことができる。
さらなる態様において、本発明の純粋なスルホン化ポリ(アリーレン)またはコポリマーまたはポリマー化合物は、繊維材料、例えば、グラス繊維、セラミクス繊維、織物繊維、炭素繊維、微孔性ポリプロピレンまたはポリテトラフルオロエチレンなどと一緒にして強化することができる。
さらに本発明の純粋なスルホン化ポリ(アリーレン)またはコポリマーまたは上記のポリマー混合物は、限定されないが、TiO粒子、ZrO粒子またはSiO粒子、リン酸ジルコンおよびホスホン酸ジルコン、タングステン酸またはモリブデン酸を含む活性または不活性な充填剤と組み合わせて、対応する各種複合材料を得ることができる。他の一般的な添加剤との組み合わせも容易に可能である。
本発明によるスルホン化ポリ(アリーレン)の分子量は、2000〜2000000の範囲、典型的には2000〜1000000の範囲、一般には10000〜1000000の範囲、好ましくは2000〜200000の範囲、さらに好ましくは10000〜100000の範囲にある。
本発明のスルホン化ポリ(アリーレン)の合成は多段階の反応により行われる。第一に、スルホン化された芳香環に少なくとも1つの電子供与性置換基を有するスルホン化ポリマーを製造し、続いてこれを電子受容性置換基へと変換する。
具体的な態様において、第1の工程は、従来の方法により製造されるかまたは市販品として入手する電子供与基で置換された既存のポリアリーレンを、周知の方法、例えばSOおよび/またはHSOを用いた反応によりスルホン化する(例11参照)。
しかしながら、スルホン化ポリマーの製造は、既存のスルホン化モノマーの重縮合を含むことが多い。このようにして、生じるスルホン化ポリアリーレンの組成および性質を望みどおりに調節することができる。
一般に、このような製造方法は、
a)1つのスルホン化アリールモノマーF−AS−F(式中、ASは1つ以上の芳香環からなるアリール系を意味し、少なくとも1つの芳香環はスルホン酸基により置換されており、当該アリール系は官能基FおよびF基を有し、これらは互いに同一または異なってもよく、また縮合反応を受け得るものである)、または複数の異なる該アリールモノマーの製造;
b)上記スルホン化された芳香環において少なくとも1つの電子供与性置換基を有するスルホン化ポリ(アリーレン)の生成をともなう、工程a)のスルホン化アリールモノマーの重縮合;ならびに
c)上記スルホン化された芳香環においてもっぱら電子受容性置換基を有するスルホン化ポリ(アリーレン)の生成を伴う、上記少なくとも1つの電子供与性置換基の電子受容性置換基への変換
を含む。
この方法の一つの変形例において、上記で定義した1種以上のスルホン化アリールモノマーF−AS−Fに加えて、1種以上のアリールモノマーF−ANS−F(式中、ANSはスルホン酸基で置換されていない1つ以上の芳香環からなるアリール系を意味し、当該アリール系は上記で定義した官能基FおよびFを有し、これらは互いに同一であるかまたは異なってもよい)が重縮合を受け得る。この場合に、スルホン化された芳香環に少なくとも1つの電子供与性置換基を有する部分的にスルホン化されたポリ(アリーレン)が形成され、次いでこの電子供与性置換基が電子受容性置換基に変換されて部分的にスルホン化されたポリ(アリーレン)が形成され、これは上記スルホン化された芳香環にもっぱら電子受容性置換基を有する。
より具体的な態様において、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の製造は以下、:
a)1つのスルホン化アリールモノマーF−AS−F(式中、官能基FおよびFは、互いに同一であるかまたは異なってもよく、スルフィド基との縮合において反応し得るものである)、または上記で定義した複数の異なる該アリールモノマーの製造;
b)スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)の生成を伴う、上記工程a)からのスルホン化アリールモノマーの、アリールジスルフィドまたはアルカリスルフィドとの重縮合;ならびに
c)上記工程b)からのスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)の、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)への酸化
を含む。
上記のアリールモノマーの官能基FおよびF(同一であるかまたは異なる)は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択される。
本発明による方法の1つの態様において、スルホン化アリールモノマーは、構造式F1−Ar−SO−Ar−F、すなわちAS=Ar−SO−Ar−(式中、ArおよびArは、同一であるかまたは異なっていてもよく、それぞれ5〜18個の環原子を有する芳香環系またはヘテロ芳香環系を示し、但し用いられる少なくとも1つのアリールモノマーArおよび/またはArは、少なくとも1つのSOM基(ここでMは上記で定義した通り)により置換されている)を有する。
以下の反応スキームIは、ホモポリマーであるポリ(スルホン酸−1,4−フェニレンスルホン)の製造の具体的な、しかし限定されない例によって本発明による方法の基本的なな工程を示す(例1および2に詳細に記載する)。
Figure 0005454853
上述したように、本方法によれば、1種のアリールモノマーのみを使用して、ホモポリマーであるポリ(アリーレンスルホン)を形成することができ、または2種以上の種々のアリール(コ)モノマーを製造して、共縮合とそれに続く酸化反応を行うこともできる。本方法の具体的な態様は、少なくとも1つのアリール(コ)モノマーにおいて、Ar基および/またはAr基は少なくとも1つのSOM−基(ここでMは上記で定義された通り)によって置換されていること、ならびに少なくとも1つの他のアリールモノマーにおいては、Ar基および/またはAr基はSOM基によって置換されていないことを特徴とする。
好ましくは、上記アリールモノマーの官能基FおよびF(同一であるか異なる)はさらに、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択される。
以下の反応スキームIIでは、出発モノマーとして、3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを使用してコポリマーであるスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)を製造するための基本的な工程を示す(例3)。両出発モノマーの比を特定することにより、得られるポリマーの組成を調節することができる。反応スキームIIおよび例3〜10に関連する図において、明らかに、重縮合の反応生成物は、2つの異なる出発モノマーのブロックコポリマーとして示される。しかしながら、本発明はまた、同様に、さらには好ましくは、例3に記載の方法により製造することができる対応するランダムコポリマーを含む。本発明によれば、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーを、類似の方法によっても容易に製造することができる(例4〜10参照)。
重合反応または共重合反応に好ましい溶媒は、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、スルホラン、ジフェニルスルホン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの、非プロトン性、極性、高沸点の溶媒である。
反応温度は、典型的には100〜250℃、好ましくは140〜200℃である。
アルカリスルフィド(例えば硫化ナトリウム)との反応は、一般的に、アルカリ金属のカルボン酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば炭酸リチウム)、アルカリ金属のスルホン酸塩、ホウ酸リチウム、塩化リチウムのような添加剤の存在下で行われる。
アルカリスルフィド(例えば硫化ナトリウム)はまた、水和物(例えばNaS・9HO)としても使用することができる。
Figure 0005454853
このような異なる組成のコポリマーは、異なるイオン交換容量を示す。上述の方法は、特定の出発モノマーおよび特定のモノマー比を使用して反応メカニズム(Reaktionsfuehrung)を制御することによって、調節可能な可変のイオン交換容量(IEC = ion exchenge capacity [mequiv/g];EW = equivalent weight [g/equiv])を有する所望のコポリマーを製造する可能性を提供する。
上述のスキームに従って、または類似して製造される例示のコポリマーについては、各例において計算式が与えられている。本発明によるその他のコポリマーについては、実験的に、対応する式を容易に見出すことができる。
いずれの場合にでも、この新規の膜材料を使用する場合には、著しく高い加水分解安定性および熱酸化安定性が期待され得る。
本発明のスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)のキャラクタリゼーションは、以下の様々な方法により行うことができる。例えば、元素分析、NMR、溶解度、GPC、MALDI−TOF、DSC、X線解析、滴定によるIEC、密度、IR、水およびメタノール中での膨潤性、水分吸着等温線(wasserabsorptions−Isotherme)、水拡散および電気浸透流(elektroosmotische Mitfuehrung)の測定、加湿下における特に高温での伝導度の測定、吸水性および加水分解安定性の測定(1水蒸気圧でのTGA)、ならびに熱酸化安定性の測定(酸素雰囲気下、例えば、80%Nおよび20%OにおけるTGA)]が挙げられる。最後に挙げた項目のいくつかの測定結果を図1〜4に示す。本発明のポリマーの特性をより詳細に研究し、文献公知のスルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)およびスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)の特性と比較するための試験のさらなる結果を図5〜11に示す。
上記のキャラクタリゼーション試験において、これらの結果は図1〜4に示されているが、水大気(wasseratmosphaere)(p(H2O)=10Pa)下でのインピーダンス分光法を用いた伝導度、水大気(p(H2O)=10Pa)下でのTGA(熱重量分析)を用いたポリマーの吸水率、および酸素含有雰囲気下でのTGAを用いた熱酸化安定性が測定された。
水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でT=105〜180℃の間での周期的な測定を通して、芳香環におけるスルホン酸基の加水分解安定性を予測することができる。加熱相および冷却相の間での水解離および吸水に基づく可逆的な重量変化は、試験された温度領域におけるスルホン酸基の高い安定性を示す一方、不可逆的な重量変化は芳香環のスルホン酸の加水分解を示唆している。その場合に、加水分解により反応生成物として硫酸が生じ、これは対応するスルホン酸よりもより強い吸湿性があるため、分解中に吸水率の増大がを観察することができる。これらの条件下でスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(図2A)およびNafion(図2B)は安定である一方、対応するスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)は分解反応を示す(図3Aおよび3B)。
本明細書に記載されたスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)であるsPSと文献公知であるスルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)およびスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)であるsPSS(参考文献1〜6)との間における顕著な差異を実証するために、これらの参照ポリマーのいくつかを製造し、その性質を詳細に調べ、本発明によるポリマーの性質と比較した。
本発明によるスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)であるsPSの構造単位:
Figure 0005454853
スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)またはポリ(アリーレンスルフィドスルホン)であるsPSSの構造単位:
Figure 0005454853
ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)についての他の一般の用語は、ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)である。
スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)またはスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)と、純粋なスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)との間の分子構造の差異に加えて、熱的安定性、熱酸化安定性および加水分解安定性における差異、ならびにポリマーの溶解性、膨潤性および伝導度の本質的な差異が認められ、それによって明確な区別が可能となる。
スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)および参照ポリマーについて熱的安定性または熱酸化安定性を比較するために、窒素または酸素含有雰囲気(20%Oおよび80%N2、または純粋なO雰囲気)下で、熱重量分析(2K/分でのTGA)を行った。これらの測定は、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)であるsPSは、スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)であるsPSSと比較して著しく高い安定性を示すことを明らかにした。図5Aに示されるように、分解反応(恐らく芳香環からのスルホン酸基の脱離)は、スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)であるsPSSでは250℃以下から既に生じている一方で、この分解反応は、同程度の交換容量(Austauschkapazitaeten)を有するスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)であるsPSでは300℃を超えてから初めて生じる。図5Aは、酸素含有雰囲気中での、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)であるsPS−430(例4、n=0.8)、およびスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)であるsPSS−312(例4、n=0.8)のTGAが示されている。さらに図5Aでも示されているように、窒素雰囲気中でのsPS−430の純粋な熱的安定性(例4、n=0.8)は、その熱酸化安定性と同等であるか、わずかに高い。
特に、スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)であるsPSSについて、不活性雰囲気(窒素)下および酸素含有雰囲気下での測定結果(図5B参照)を比較すると、酸素含有雰囲気において純粋なスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の生成をともなうスルフィド基からスルホン基(−SO−)への変換(酸化)は起きないことが分かる。同一温度において、不活性雰囲気でも酸素含有雰囲気でも、スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)の分解が生じること、すなわち不活性雰囲気と比べて酸素含有雰囲気における安定化効果は全くないことが認められる。従って、燃料電池への応用も期待されない。
なお、芳香環に結合したスルホン酸基の加水分解安定性において、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)と、文献公知のスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(参照文献1〜6)との差異がより明らかに認められた。完全な水大気(p(HO)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下で、T=110℃〜180℃にて周期的に測定することによって、芳香環に結合したスルホン酸基の加水分解安定性が証明された。加熱相および冷却相の間の水脱離および吸水に基づく可逆的な重量変化は、測定温度領域でのスルホン酸基の高い加水分解安定性を示す一方、不可逆的な重量変化は、芳香族スルホン酸の加水分解を示唆する。加水分解の際に反応生成物として硫酸が生じ、これは対応する芳香環におけるスルホン酸よりも強い吸湿性があるため、その分解中に吸水性の部分的な増大が最初に認められ、さらなる分解によって重量の減少も生じ得る。これらの条件下では,Nafion(登録商標)117(図6A)などのPFSAポリマーおよびスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)であるsPS(図6B、6C、6D、6E)も安定である一方、対応する文献公知のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル−エーテル−ケトン)であるsPEEK(図6F)およびスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)であるsPSS(図6G、6H、6I、6J)(参考文献1〜6)は明らかに分解反応を示す。13C−NMR測定により、これらの反応条件下でのスルホン酸基の定量的な脱離を認めることもできた(図7参照)。
他の重要な差異は、スルホン化ポリマーの水溶性に表われる。スルホン化ポリマーの水溶性または膨潤性(=吸水性)と交換容量との間には明らかな関係がある。一般に、スルホン化ポリマー類の水溶性または膨潤性は、交換容量(=Ion exchange capacity:IEC)の増大にともなって高くなる。すなわち、高い交換容量は、一般に高いイオン伝導度をもたらす。従って、不水溶性であると同時に膨潤性が強すぎず、できるかぎり高い交換容量を有するポリマーを得ることが目的である。スルホン化ポリ(アリーレン)間で水溶性に関して比較すると、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の水溶性は、同程度の交換容量を有するスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルケトン)およびスルホン化ポリ(アリーレンスルフィド)に比べて著しく低下していることが分かる。かくして、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルケトン)またはスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)は、IECが約1.8〜2.0mmol/gを超える場合、ほぼ完全な水溶性を示す(例4のポリマーsPSS−312(n=1.0)およびsPSS−370(n=0.8)を参照されたい)]だけでなく、約50〜70℃の開始温度における低いIEC範囲1.3〜1.7mmol/gでも極めて高い膨潤性のあることを示す(図8参照)。従って、高いIECを有するか高温状態にある場合、これらのポリマーは燃料電池または他の利用にほとんど役立たない。しかし、類似のポリスルホンはIECが2.5mmol/g以上の場合、水に不溶である。さらにNafion(登録商標)117とほぼ同様に、これらのポリスルホンは平均的な交換容量(<2.5mmol/g)および高分子量を有する場合、温度120℃までの温度で水中でほとんど一定の膨潤挙動を示し(図8参照)、100℃をはるかに超える幅広い温度域での応用に関心が向けられる。従って、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の顕著な利点は、潜在的に高い交換容量とそれに関連した高いプロトン伝導度を示すと同時に、水に対して不溶性でありおよび水中で低い膨潤性を示す。ポリマーsPS−430(例4、n=0.8)に関して液体状態の水中での高プロトン伝導度(σ=130mS/cm;25℃)はインピーダンス分光法を用いて測定可能であり、図9にsPS−430の温度依存性および膨潤性依存の伝導度データが示される(例4、n=0.8)。水大気下でのT>100℃における伝導度は、対照ポリマーのNafion(登録商標)117と比較して同程度からより優れた結果を示し(図10参照)、対応するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル−エーテル−ケトン)であるsPEEKより明らかに改善された。
水/メタノール混合物中でのスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の膨潤度および伝導度において、さらなる差異が明らかである。例えば、Nafion(登録商標)またはスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)などのPFSA(ペルフルオロスルホン酸)膜はメタノール溶液中で非常に強く膨潤し、高い交換容量を有するスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)は、メタノールにも溶解するようになる(例4におけるsPSS−312(n=1.0)およびsPSS−370(n=0.8)参照)。これに対して、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)は、メタノール/水混合物中での高いメタノール濃度および高温においてさえも極めてわずかに膨潤する(例4のsPS−430;n=0.8、図11参照)。従ってこのポリマーは、直接メタノール型燃料電池(Direkt−Methanol−Brennstoffzellen:DMFC)に対して大きな興味の対象となった。60℃にて拡散セル(セルの半分:1Mメタノール溶液/水)を用いて測定すると、この膜を透過するメタノール流量は、Nafion(登録商標)117膜に比べて約半分(同等の厚さ)にまで低下する。
その他、さらに興味深い特性、例えばイオンの高い選択透過性を期待でき、このことは様々な電子膜プロセスにおけるこれらのポリマーの適用の途を開いた。従って、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)を、電気透析、ドナン透析(Donnandialyse)および電気分解に使用することができよう。高い化学的安定性および加水分解安定性は、水の電気分解へさらなる利用も可能にする。この可能性に基づき、高い交換容量および電荷密度を有する膜の製造は、さらに興味深い応用領域が期待される。従って、加水分解に対して安定なポリ(アリーレンスルホン)から作られる膜は、ガスの加湿および除湿に適している。これらの性質はアノードおよびカソードガスの加湿(Anoden− und Kathodengasfeuchtung)に非常に重要であって、特に省エネルギー住宅の室内空調設備などにも容易に利用されよう。さらに、高度に荷電したカチオン交換膜は、特にWLAN用途についてGHz領域で電磁スクリーニングに適している。その他、高度に荷電したスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)から作られる透明な薄膜は、スクリーンの、特に、例えばラップトップコンピュータのLCD−ディスプレーの静電コーティングに応用されることもある。
さらに、本発明においても記載しているが、既にスルホン化されたモノマーと後の酸化によるスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の合成は、既にスルホン化されたポリ(アリーレンスルフィド)の酸化よりも優れていることが確かめられた。後者の方法では、膜形成性質が著しく劣る材料しか得られない(例11参照)。
同様の結果を、J. Studinka, R. Gablerの特許「Polyarylene Sulphonates from Sulphonated Polyarylene Sulphide by Two−Stage Oxidation in acid Medium」DE 1938806A1 (1970)(参照文献7)に記載されている通り、濃硫酸中での過酸化水素(H)溶液を用いたポリ(p−フェニレンスルフィド)の酸化においても観察することができる。これは、あらゆる既知の溶媒に不溶性(unloeslich)であり不溶解性((unschmelzbar)であるため、熱加工できない物質が得られる。上記の酸化において濃硫酸を用いて芳香環をスルホン化すると、いかなる膜形成性質も失われることになる。さらに、この方法を用いて、より高い交換容量(>0.1mmol/g)を得ることは実質的に不可能である。従って、既にスルホン化されたモノマーの重合と続く酸化の方法下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の製造は、既存のポリ(アリーレンスルフィド)のスルホン化と続くまたは同時の酸化よりも好ましい。
本発明は、以下の実施例によって詳述されるが、これらの実施例に限定されない。
例1
二官能基スルホン化アリールモノマーの製造
a)3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(DSDCS)
冷却器が備わったフラスコに4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(30g,0.104mol:アルドリッチ社)および発煙硫酸(60mL,硫酸中60%SO:アルドリッチ社)を入れ、110℃にまで加熱し、12時間撹拌した。室温まで冷却した後、この反応混合物を氷水1000mLに注ぎ入れた。次いで塩化ナトリウム(350g)を添加して生成物を沈殿させた。ろ過により白色沈殿が得られ、これを改めて水800mLに溶解させた。NaOHで溶液を中和した後、塩化ナトリウム(200g)を用いて生成物を再び沈殿させ、ろ過して、水/イソプロパノール混合物(2:8)から再結晶化により精製した。続いてこの白色生成物を50℃にて24時間、真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。収量は、3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン一水和物として30.5g(59%)であった。含水量は、乾燥条件に依存しており、H−NMRおよび元素分析を用いて決定した。
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.24(d,2H,CH,J=2.4Hz),7.77(dd,2H,CH,J=2.4,8.3Hz),7.58(d,2H,CH,J=8.3Hz),3.24(s,2H,HO);13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=141.6(s),138.3(s),138.0(s),133.5(s),131.6(s),128.3(s)。
b)3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン(DSDFS)
この化合物は、3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(DSDCS)と同様に、(乾燥条件に応じて)一水和物〜三水和物として製造した。
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.06(dd,2H,CH,JHH=2.5Hz,JHF=6.4Hz),7.87(ddd,2H,CH,JHH=2.6,8.7Hz,JHF=4.3Hz),7.32(dd,2H,CH,JHH=8.8Hz,JHF=9.2Hz),3.23(s,2H,HO);13C NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=162.1(d,JCF=259.2Hz),137.4(d,JCF=18.9Hz),136.7(d,JCF=2.0Hz),131.5(d,JCF=10.0Hz),128.9(d,JCF=4.6Hz),119.0(d,JCF=24.6Hz)。
スルホン化モノマーのナトリウム塩の代わりに、対応するカリウム塩も製造して重合に使用した。
例2
ポリ(スルホン酸 1,4−フェニレンスルホン)の製造
Figure 0005454853
I.重合:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド)
重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップ(Dean−Stark−Falle)を備えた、加熱されかつアルゴンを充たされた100−mlの丸底フラスコ中で行った。フラスコに、3.8591g(7.578mmol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジクロロ−ジフェニルスルホン一水和物(M=509.25g/mol)、0.5914g(7.578mmol)の硫化ナトリウム(NaS)、および0.6216g(7.578mmol)の乾燥酢酸ナトリウムを添加した。この混合物を100℃にて2時間、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、20mlの乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)および35mlの乾燥トルエンを添加し、反応混合物をオイルバス中で4時間145℃まで加熱し、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を190℃にて18時間進行させた。室温まで冷却した後、得られた黒色の懸濁液をイソプロパノール(800ml)中に徐々に滴下して、ポリマーを沈殿させた。灰色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて50mLの水に溶解させ(黒色の溶液)、イソプロパノール(800ml)中で再び沈殿させ、ろ過し、イソプロパノールで洗浄して、真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。すべての副生成物を除去するために、24時間透析(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)社の透析チューブ;排除分子量=8000)を用いてポリマーを精製し、さらに、溶媒を除去して50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、暗褐色の固体(4.346g,M=452.39g/mol Na形=9.62mmol,M=596.51g/mol Na形および4HO/SOH=7.286mmol,M=408.43g/mol H形)が得られた。ナトリウム塩の一部(約0.2g)は、イオン交換体(Dowex(登録商標)Marathon(登録商標)C)を用いてH形に交換した。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、トリフルオロ酢酸
交換容量:実測値:H+形について4.890mmol/g(204.50g/mol)
理論値:1.0HO/SOHと仮定して4.500mmol/g(222.24g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して4.897mmol/g(204.22g/mol)
密度 H形で1.6601g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.20(d,2H,CH,JHH=1.7Hz),7.70(dd,2H,CH,JHH=1.9,8.0Hz),7.18(d,2H,CH,JHH=8.3Hz),3.24(s,20H,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=148.6(s),141.6(s),139.0(s),135.0(s),129.1(s),127.1(s)
分子量:M=1672、M=2767g/mol、D=1.6551(バッチ41,GPC)
=46832、M=81145g/mol、D=1.7327(バッチ19,GPC)
II.酸化:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):濃硫酸50ml中に4.34g(9.62mmol)のポリ(スルホン酸ナトリウム−フェニレン−チオ−スルホン)を溶解したところ、暗褐色の溶液が得られた。過酸化水素(水中36%H22の4.5ml,約45mmolのH22)を徐々に添加した。次いで反応混合物を2日間室温にて撹拌した。この混合物を水200mlで希釈した後、透析により硫酸を除去した(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=3000)。ロータリ・エバポレーターを用いて水を除去し、生成物を50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。わずかに茶色のポリマーの収量は2.3g(5.22mmol,M=440.42g/mol)であった。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:1M−NaCl水溶液、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、トリフルオロ酢酸
交換容量:実測値: H+形について4.270mmol/g(234.19g/mol)
理論値: 1.0HO/SOHと仮定して4.198mmol/g(238.22g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して4.541mmol/g(220.21g/mol)
密度:H形で1.745g/cm
元素分析:実測値:C:24.25,H:3.84,S:20.85,Cl:0.70
理論値:0.0HO/SOHのときC:32.72,H:1.83,S:29.11,Cl:0.00
理論値:4.5HO/SOHのときC:23.91,H:4.35,S:21.28,Cl:0.00
理論値:4.5HO/SOHおよび重合度=30(Cl−末端基)のときC:23.73,H:4.32,S:21.11,Cl:0.78
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.32(s,2H,CH),8.19(d,2H,CH,JHH=8.2Hz),7.99(d,2H,CH,JHH=8.4Hz),6〜4ppm(br s,SOHxnHO:含水量に依存)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=147.7(s),144.0(s),143.3(s),133.1(s),128.9(s),128.5(s)。
例3
可変の交換容量を有するポリ(スルホン酸フェニレンスルホン):n=0.7および0.8のスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン)の合成
Figure 0005454853
Figure 0005454853
Figure 0005454853
I.重合(n=0.7):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド):重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップ(Dean−Stark−Falle)を備えた、加熱されかつアルゴンを充填した100−ml丸底フラスコ中で行った。このフラスコに、3.8233g(8.026mmol,M =476.34g/mol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン一水和物、0.9299g(3.657mmol,M=254.25g/mol)の4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、0.8948g(11.466mmol)の硫化ナトリウム(NaS)、およびム0.958g(11.466mmol)の乾燥酢酸ナトリウムを入れた。混合物を70℃にて2時間。真空中(1×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)20mlおよび乾燥トルエン40mlを添加し、反応混合物をオイルバス中で140℃にて2時間加熱し、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を180℃にて19時間続けた。室温まで冷却した後、得られた暗紫色の懸濁液をイソプロパノール(600ml)中に徐々に滴下してポリマーを沈殿させた。灰色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて水50mlに溶解させ(暗褐色の溶液)、イソプロパノール(800ml)中で再び沈殿させ、ろ過し、イソプロパノールで洗浄して、真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。すべての副生成物を除去するために、24時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=3000)を用いてポリマーを精製した。さらに、溶媒を除去し、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、暗褐色の固体(3.80g,M=391.17g/mol,Na形=9.71mmol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.21(d,2H,CH,JHH=1.6Hz),7.83(br d,1.6H,CH,JHH=6.7Hz),7.70(d,2H,CH,JHH=8.4Hz),7.45(d,1.6H,CH,JHH=6.7Hz),7.17(d,2H,CH,JHH=8.4Hz),3.25(br s,6H,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=148.6(s),141.6(s),141.3(s),140.5(s),139.0(s),135.0(s),132.1(s),129.4(s),129.0(s),127.1(s)
分子量:Na形としてM=19612,M=27043g/mol;D=1.3789(GPC)
II.酸化(n=0.7):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):上述の反応から得られたポリ(スルホン酸ナトリウム−フェニレン−チオ−スルホン)2.188g(約5.59mmol)を濃硫酸50mlに溶解すると褐色の溶液が得られた。過酸化水素水(水中の36%Hの4.0ml,約40mmolのH)を徐々に添加した。次いで反応混合物を2日間室温にて撹拌した。この混合物を水250mlで希釈した後、透析により硫酸を除去した(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=3000)。ロータリ・エバポレーターを用いて水を除去し、生成物を50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。わずかに黄色のポリマーの収量は1.93g(M=392.39g/mol;H形=4.92mmol)であった。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形として3.260mmol/g(306.75g/mol)
理論値:2.0HO/SOHと仮定して3.161mmol/g(316.31g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して3.568mmol/g(280.27g/mol)
密度:H形で1.6835g/cm
元素分析:実測値:H形でC:29.92,H:3.41,S:22.80
理論値:0.0HO/SOHのときC:36.73,H:2.05,S:27.77
理論値:4.0HO/SOHのときC:29.21,H:3.92,S:22.09
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.29(br sおよびbr d,併せて4H,CH),8.08(m,0.6H,CH),7.97(d,2H,CH,JHH=8.4Hz),7.85(m,0.6H,CH),6.35(br s,12H,SOHxnHO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=147.9(s),144.1(s),143.2(s),133.5(s),130.2(弱い s),129.8(弱い s),128.7(s),128.0(s)
分子量:H形についてM=33362,M=61256g/mol,D=1.8361(GPC)。
I.重合(n=0.8):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド):重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップ(Dean−Stark−Falle)を備えた、加熱されかつアルゴンを充填された100−ml丸底フラスコ中で行った。フラスコに、3.6073g(7.040mmol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン三水和物、0.4475g(1.760mmol)の4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、0.6868g(8.801mmol)の硫化ナトリウム(NaS)、および0.7938g(9.680mmol)の乾燥酢酸ナトリウムを入れた。この混合物を70℃にて2時間、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)18mlおよび乾燥トルエン40mlを添加し、反応混合物をオイルバス中で145℃まで12時間加熱して、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を175℃にて24時間続けた。室温まで冷却した後、得られた黒色の懸濁液をイソプロパノール(600ml)中に徐々に滴下して、ポリマーを沈殿させた。灰色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて水50mlに溶解させ(黒色の溶液)、イソプロパノール(800ml)中で再び沈殿させ、ろ過し、イソプロパノールで洗浄して、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。あらゆる副生成物を除去するために12時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)を実施してポリマーを精製し、溶媒を除去して、50℃において真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、暗褐色の固体(2.69g,M=411.57g/mol Na形=6.54mmol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.23(s,2H,CH),7.83(s,1H,CH),7.71(d,2H,CH),7.45(s,1H,CH),7.17(d,2H,CH),3.33(br s,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=148.6(s),141.6(s),141.0(s),140.4(s),139.0(s),135.0(s),132.1(s),129.4(s),129.1(s),127.1(s)。
II.酸化(n=0.8):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):上述の反応から得られたポリ(スルホン酸ナトリウム−フェニレン−チオ−スルホン)2.26g(約5.49mmol)を氷酢酸(Eisessig)30ml中に懸濁してから、濃硫酸10mlを加えた。過酸化水素水(水中36%Hの2.5ml,約25mmolのH)を徐々に添加した。次いで反応混合物を55℃にて24時間撹拌した。この混合物を氷酢酸200mlで希釈した後、透明なわずかに黄色の沈殿をろ過した。生成物を透析により精製(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)し、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。わずかに黄色のポリマーの収量は1.80g(M=408.40g/mol Na形=4.41mmol)であった。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形について2.640mmol/g(378.79g/mol)
理論値:6.0HO/SOHと仮定して2.752mmol/g(363.34 g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して3.918mmol/g(255.25g/mol)
密度:H形で1.707g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.31(br s,2H,CH),8.19(br s,2H,CH),8.08(br s,0.4H,CH),7.98(br s,2H,CH),7.88(s,0.4H,CH),5.16(br s,SOHxnHO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=147.7(s),144.0(s),143.3(s),133.1(s),130.2(弱い s),129.8(弱い s),128.8(s),128.4(s)。
例3に記載の反応と同様に、交換容量が異なるさらなるコポリマーは、出発モノマーの3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンと4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンの比、または3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの比を様々に変えて製造した。その反応条件は同様であった。
例4
可変の交換容量を有する(スルホン酸アリーレンスルホン):n=1.0およびn=0.8であるスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン)の合成:
ジチオール成分:4,4’−チオビスベンゼンチオール(ビス−(4−メルカプト−フェニル)スルフィド)
Figure 0005454853
Figure 0005454853
Figure 0005454853
1、バッチ
I.重合:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−スルフィド):重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱されかつアルゴンを充填された100−ml丸底フラスコ中で行った。このフラスコに、3.276g(6.394mmol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン三水和物、1.601g(6.394mmol)の4,4’−チオビスベンゼンチオール、および1.060g(7.673mmol)の乾燥炭酸カリウムを添加した。この混合物を70℃にて2時間、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)18mlおよび乾燥トルエン40mlを添加し、反応混合物をオイルバス中で145℃まで4時間加熱して、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を185℃にて15時間続けた。室温まで冷却した後、得られた黒色の懸濁液をイソプロパノール(600ml)中に徐々に滴下して、ポリマーを沈殿させた。灰色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて水100mlに溶解させ(褐色の溶液)、イソプロパノール(600ml)中で再び沈殿させ、ろ過し、イソプロパノールで洗浄して、真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。あらゆる副生成物を除去するために24時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排出分子量=8000)を用いてポリマーを精製し、溶媒を除去して、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、暗褐色の固体(4.056g,M=668.70g/mol Na形=6.07mmol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.09(s,2H,CH),7.57(d,2H,CH,JHH=8.3Hz),7.44(d,4H,CH,JHH=7.9Hz),7.37(d,4H,CH,JHH=7.9Hz),6.80(d,2H,CH,JHH=8.3Hz)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=144.7(s),144.1(s),136.5(s),136.2(s),135.9(s),132.0(s),130.8(s),127.6(s),126.0(s)
分子量:Na形でM=8378,M=34670g/mol,D=4.1383(GPC)
II.酸化:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):上述の反応から得られた固体3.22g(4.82mmol,M=668.70g/mol)を微粉砕して、氷酢酸50mlおよび濃硫酸10mlに懸濁させた。暗褐色の反応混合物を55℃にて加熱してから、36%過酸化水素溶液8ml(約80mmolのH)を徐々に添加した。次いで反応混合物を55℃にて5時間撹拌すると、この固体は徐々に脱色した。続いて過剰の過酸化水素を除去するために、混合物を110℃まで急速に加熱した。次いでこの混合物を氷酢酸150mlで希釈した。得られた淡黄色〜無色の固体をろ過し、氷酢酸で数回洗浄した。あらゆる副生成物を除去するために、このポリマーを48時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)により精製し、溶媒を除去した後、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥して、淡黄色の固体(2.83g,M=720.74g/mol=3.93mmol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:水(膨潤するだけ)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形で2.210mmol/g(452.49g/mol)
理論値:5.1HO/SOHと仮定して2.211mmol/g(452.25g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して2.775mmol/g(360.37g/mol)
密度:H形で1.693g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.44(br,4H,CH),8.16(br,2H,CH),7.94(br,4H,CH),7.89(br,4H,CH),5.01(br,9H,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=150.0(s),146.9(s),144.7(s),144.1(s),141.2(s),134.2(s),129.9(s),128.6(s)。
2.バッチ
I.重合(n=1.0):
sPSS−312(n=1.0) スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−スルフィド
重合を、アルゴン流入口、メカニカルスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱され、かつアルゴンを充填した1000−mLフラスコ中で行った。このフラスコに、30.170g(0.0658mol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、16.482g(0.0658mol)の4,4’−チオビスベンゼンチオール、および19.1g(0.138mol)の乾燥炭酸カリウムを入れた。次いで、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)200mLおよび乾燥トルエン80mLを添加し、反応混合物をアルゴン下で室温にて30分間撹拌した。次いで反応混合物をオイルバス中で150℃まで3時間加熱して、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を185℃にて36時間続け、24時間後さらにNMP100mLを添加した。室温まで冷却した後、得られた暗紫色の懸濁液をイソプロパノール(1200ml)中に徐々に滴下して、ポリマーを沈殿させた。紫色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を水600mlに溶解させ(暗紫色の溶液)、イソプロパノール(1200ml)中で再び沈殿させ、灰色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。あらゆる副生成物を除去するために、得られたポリマーを36時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=12000〜14000)を実施してポリマーを精製し、溶媒を除去して真空中の60℃にて乾燥させ、暗紫色の固体(38.46g,M=700.94g/mol K形,83.4%)が得られた。ポリマーの一部(7.93g)は、イオン交換体(Dowex(登録商標)Marathon(登録商標)C)を用いてH形に交換した。H−NMRスペクトルによると、ポリマーはなおも3.7HO/SOHを含み、実測のイオン交換容量(IEC)は、3.7HO/SOH(IEC=3.116mmol/g)を引いた後で、理論的に予測されるIEC値3.201mmol/gにほぼ一致していた。
溶解性:
以下に対して可溶:水、メタノール(H形)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール(Na/K形)、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量: 実測値:H形で2.580mmol/g(387.60g/mol)
理論値:3.7HO/SOHと仮定して2.638mmol/g(379.03g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して3.201mmol/g(312.37g/mol)
密度:3.7HO/SOHのH形で1.560g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.09(s,2H,CH),7.57(d,2H,CH,JHH=8.3Hz),7.44(d,4H,CH,JHH=7.9Hz),7.37(d,4H,CH,JHH=7.9Hz),6.80(d,2H,CH,JHH=8.3Hz)。
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=144.7(s),144.1(s),136.5(s),136.2(s),135.9(s),132.0(s),130.8(s),127.6(s),126.0(s)
分子量:Na/K形でM=21229g/mol,M=52025g/mol,D=2.45(DMF中のGPC/60℃/塩添加/ポリスチレン標準に対して)
II.酸化(n=1.0):
sPS−360(n=1.0)スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):
上述の反応から得られた紫色固体20g(28.5mmol、カリウム形としてM=700.92g/mol)を微粉砕して、氷酢酸400mLおよび濃硫酸15mLに懸濁させた。暗褐色のこの反応混合物に、過酸化水素溶液26mL(30%、約0.26molのH)を徐々に滴下した。この反応混合物を室温にて36時間撹拌すると、この固体は徐々に脱色した。続いて混合物を氷酢酸200mLで希釈した。得られた淡黄色〜無色の固体をろ過し、氷酢酸で数回洗浄した。あらゆる副生成物を除去するために、このポリマーを48時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=12000〜14000)を行って精製し、溶媒を除去した後、60℃にて真空で乾燥して、淡黄色の固体(18.25g,M=720.74g/mol=88.9%)が得られた。透明な薄膜が、DMAc溶液、DMSO溶液およびNMP溶液(20重量%)から得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:水(膨潤するだけ)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
25℃での伝導度:128mS/cm(液体状態の水中で)
30℃でのE率(E-Modulus):600MPa(1HzのDMA、水中で膨潤する前に空気中で測定)
相対粘度:25℃にて2.972,DMSOでc=1g/dL
固有粘度:25℃にて1.089dL/g,DMSO中でc=1g/dL
交換容量:実測値:H形で2.730mmol/g(366.30g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して2.775mmol/g(360.37g/mol)
密度:H形で g/cm(データなし)
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.44(br,4H,CH),8.16(br,2H,CH),7.94(br,4H,CH),7.89(br,4H,CH),5.01(br,9H,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=150.0(s),146.9(s),144.7(s),144.1(s),141.2(s),134.2(s),129.9(s),128.6(s)。
3.バッチ
I.重合(n=0.8):
sPSS−370(n=0.8)のスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−スルフィド):
重合を、アルゴン流入口、メカニカルスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱され、かつアルゴンを充填した1000−mLフラスコ中で行った。このフラスコに、30.090g(65.65mmol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4.173g(16.40mmol)の4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、20.548g(82.06mmol)の4,4’−チオビスベンゼンチオール、および17.0g(0.123mol)の乾燥炭酸カリウムを入れた。次いで、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)200mLおよび乾燥トルエン80mLを添加し、反応混合物をアルゴン流下で室温にて30分間撹拌した。次いで反応混合物を油浴中で150℃まで3時間加熱して、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を185℃にて36時間進行させ、24時間後さらにNMP100mLを添加した。室温まで冷却した後、得られた暗紫色の懸濁液をイソプロパノール(1200ml)中に徐々に滴下して、ポリマーを沈殿させた。紫色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を水600mlに溶解させ(暗紫色の溶液)、イソプロパノール(1200ml)中で再び沈殿させて、灰色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。あらゆる副生成物を除去するために、得られたポリマーを36時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=12000〜14000)を実施してポリマーを精製し、溶媒を除去して、真空中で60℃にて乾燥させ、暗紫色の固体(33.07g,M=653.66g/mol K形,61.7%)が得られた。ポリマーの一部(7.47g)を、イオン交換体[Dowex(登録商標)Marathon(登録商標)C]を用いてH形に交換した。淡褐色の固体(6.50g,96.0%)が得られ、これを真空中で60℃にて12時間乾燥した。
溶解性:
以下に対して可溶:水、メタノール(H形)ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール(Na/K形)、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形で2.175mmol/g(459.77g/mol)
理論値:5.0HO/SOHと仮定して2.175mmol/g(459.77g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して2.699mmol/g(370.45g/mol)
密度:H形で1.526g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.09,7.70,7.57,7.44,7.37,7.20,6.80
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=144.7(s),144.4(弱い s),144.2(s),138.5(弱い s),136.5(s),136.2(s),135.9(s),135.6(弱い s),132.0(s),130.8(s),130.2(弱い s),128.4(s),127.6(s),126.0(s)
分子量: Na/K形で、M=169680g/mol,M=315424g/mol,D=1.86(DMF中でのGPC/60℃/塩添加/ポリスチレン標準に対して)。
II.酸化(n=0.8):
sPS−430(n=0.8)スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):
上述の反応(sPSS−370,n=0.8)から得られた紫色固体20.0g(28.5mmol,カリウム形としてM=700.92g/mol)を微粉砕して、氷酢酸400mLおよび濃硫酸15mLに懸濁した。暗褐色の反応混合物に、過酸化水素溶液26mL(30%,約0.26molのH)を徐々に滴下した。この反応混合物を室温にて36時間撹拌すると、この固体は徐々に脱色した。続いて混合物に氷酢酸200mLで希釈した。得られた淡黄色〜無色の固体をろ過し、氷酢酸で数回洗浄した。あらゆる副生成物を除去するために、このポリマーを48時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=12000〜14000)を行って精製し、溶媒を除去した後、60℃にて真空中で乾燥して、淡黄色の固体(18.25g,M=720.74g/mol=88.9%)が得られた。DMAc溶液、DMSO溶液およびNMP溶液(20重量%)から透明な薄膜が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶(加熱後):ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:水(膨潤するだけ)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
25℃での伝導性:128mS/cm(液体状態の水中で)
60℃でのE率:600MPa(1HzのDMA、水中で膨潤する前に空気中で測定)
交換容量:実測値:H形で2.730mmol/g(366.30g/mol)
理論値:4.3HO/SOHと仮定して1.970mmol/g(507.61g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して2.323mmol/g(430.45g/mol)
密度:H形で1.66g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.48(d),8.44(s),8.16(d),8.10(s),7.94(d),7.89(d),5.0(HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=150.1(s),146.9(s),145.1(弱い s),144.7(s),144.1(s),143.6(弱い s),141.2(s),134.2(s),130.2(s),129.9(s),128.6(s)
分子量:H形でM=44151,M=679752g/mol,D=15.4(DMFでのGPC/60℃/塩添加/ポリスチレン標準に対して;DMF中で低い溶解性)。
例5
可変の交換容量を有するポリ(スルホン酸フェニレンスルホン):n=1.0およびn=0.8であるスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,3−フェニレン−スルホン)の合成
ジチオール−成分: ベンゼン−1,3−ジチオール
Figure 0005454853
Figure 0005454853
Figure 0005454853
I.重合(n=1.0):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,3−フェニレン−スルフィド):重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱され、かつアルゴンを充填した100−ml丸底フラスコ中で行った。フラスコに、4.8537g(9.531mmol,M=509.25g/mol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン一水和物、1.3557g(9.531mmol)のベンゼン−1,3−ジチオール、および1.449g(10.5mmol)の乾燥炭酸カリウムを入れた。この混合物を70℃にて2時間、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)15mlおよび乾燥トルエン25mlを添加し、反応混合物をオイルバス中で150℃まで4時間加熱し、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を190℃にて20時間続けた。室温まで冷却した後、得られた淡黄色の懸濁液をイソプロパノール(500ml)中に徐々に滴下してポリマーを沈殿させた。薄桃色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて水50mlに溶解し、イソプロパノール(800ml)中で再び沈殿させ、ろ過し、イソプロパノールで洗浄して、真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。すべての副生成物を除去するために、24時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)を実施してポリマーを精製し、溶媒を除去して、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、桃色の固体(5.15g,M=560.54g/mol Na形=9.10mmol)が得られた。ナトリウム塩の一部(約1.0g)を、イオン交換体[Dowex(登録商標)Marathon(登録商標)C]を用いてH形に交換した。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:1M−NaCl水溶液、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、トリフルオロ酢酸
交換容量:実測値:H形で3.940mmol/g(253.81g/mol)
理論値:1.0HO/SOHと仮定して3.619mmol/g(276.31g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して3.872mmol/g(258.29g/mol)
密度:H形で1.5778g/cm
元素分析:実測値:C:31.27,H:4.28,S:21.61,Cl:0.67
理論値:0.0HO/SOHとしてC:41.85,H:2.34,S:31.03,Cl:0.00
理論値:5.0HO/SOHとしてC:31.02,H:4.63,S:23.00,Cl:0.00
理論値:5.0HO/SOHおよび重合度=20(Cl末端基)としてC:30.87,H:4.61,S:22.89,Cl:0.51
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.08(d,2H,CH,JHH=1.7Hz),7.61(s,1H,CH),7.56(dd,2H,CH,JHH=1.7,7.2Hz),7.48(s,3H,CH),6.85(d,2H,CH,JHH=7.2Hz),4.96(s,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=145.4(s),144.5(s),141.3(s),137.3(s),136.7(s),134.2(s),132.7(s),128.6(s),128.5(s),126.8(s)。
II.酸化(n=1.0):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,3−フェニレン−スルホン):上述の反応から得られた固体3.08g(5.49mmol,M=560.54g/mol)を濃硫酸50mlに溶解した。薄緑色の溶液に36%過酸化水素溶液5ml(約50mmolのH)を徐々に滴下したところ、淡黄色に色が変わった。混合物を1日間室温にて撹拌した。この混合物を水200mlで希釈した後、透析により硫酸を除去した(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=3000)。ロータリ・エバポレーターを用いて水を除去し、生成物を50℃にて真空中で乾燥した(2×10−3mbar)。淡黄色をした固体の収量は2.40g(4.13mmol,M=580.58g/mol)であった。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:1M−NaCl水溶液、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、トリフルオロ酢酸
交換容量:実測値:H形で2.270mmol/g(440.53g/mol)
理論値:8.0HO/SOHと仮定して2.302mmol/g(434.41g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して3.445mmol/g(290.29 g/mol)
密度:H形で1.6503g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.45および8.44(2本のs,併せて4H,CH),8.16(d,2H,CH,JHH=7.2Hz),7.88(d,2H,CH,JHH=7.2Hz),7.46(t,1H,CH,JHH=6.5Hz),3.87(s,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=149.6(s),144.4(s),142.4(s),141.9(s),134.2(s),133.4(s),130.1(s),129.9(s),129.8(s),128.4 (s)。
I.重合(n=0.8):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,3−フェニレン−スルフィド):重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱され、かつアルゴンを充填した100−ml丸底フラスコ中で行った。フラスコに、4.4466g(9.335mmol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン一水和物、0.5933g(2.334mmol)の4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、1.6596g(11.668mmol)のベンゼン−1,3−ジチオール、および3.225g(23.336mmol)の乾燥炭酸カリウムを入れた。この混合物を90℃にて2時間、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)20mlおよび乾燥トルエン35mlを添加し、反応混合物をオイルバス中で145℃まで4時間加熱し、全ての水を除去した(脱水装置)。次いでトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を180℃にて24時間進行させた。室温まで冷却した後、得られた暗紫色の溶液をイソプロパノール(800ml)中に徐々に注ぎポリマーを沈殿させた。桃色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて水50mlに溶解(紫色の溶液)し、イソプロパノール(800ml)中で再び沈殿させ、ろ過し、イソプロパノールで洗浄して、真空中(2×10−3mbar)で乾燥した。すべての副生成物を除去するために、24時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=3000)を実施してポリマーを精製し、溶媒を除去して、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、紫色の固体(3.66g,M=519.73g/mol Na形=7.04mmol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.10,7.73,7.62,7.59,7.51,7.24,6.78
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=145.4,145.1,144.8,144.6,144.1,141.3,140.0,139.1,138.6,137.3,136.9,136.7,136.6,135.3,134.2,133.3,132.7,128.9,128.6,128.5,127.5,126.7,126.5。
II.酸化(n=0.8):
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,3−フェニレン−スルホン):上述の反応から得られた固体3.066g(5.90mmol,M=519.73g/mol)を濃硫酸50mlに懸濁した。緑色の懸濁液に36%過酸化水素溶液6ml(約60mmolのH)を徐々に滴下したところ、淡黄色に色が変わった。混合物を1日間室温にて撹拌した。この混合物を水200mlで希釈した後、透析により硫酸を除去した(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=3000)。ロータリ・エバポレーターを用いて水を除去し、生成物を50℃にて真空中で乾燥した(2×10−3mbar)。淡黄色をした固体の収量は2.21g(4.0mmol,M=548.56g/mol)であった。
溶解性:全ての溶媒に対して実質的に不溶
O中(膨潤)
交換容量:実測値:H形で2.680mmol/g(373.13g/mol)
理論値:4.5HO/SOHと仮定して2.624mmol/g(381.10 g/mol)
理論値:4.0HO/SOHと仮定して2.677mmol/g(373.55g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して2.919mmol/g(342.58g/mol)
密度:H形で1.648g/cm
元素分析:実測値:H形でC:31.83,H:3.12,S:21.24
理論値:0.0HO/SOHとしてC:39.41,H:2.20,S:26.88
理論値:4.5HO/SOHとしてC:31.87,H:3.92,S:21.74
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.45(br,CH),8.08(br,CH),7.84(br,CH),6.19(br,CH),5.66(br,CH),4.04(HO)
13C−NMR:溶解性が極めて低いため不明
分子量:溶解性が極めて低いため不明
例6
可変の交換容量を有するポリ(スルホン酸フェニレンスルホン):n=1.0であるスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド)の合成
ジチオール−成分:4,4’−オキソビスベンゼンチオール(ビス−(4−メルカプト−フェニル)−オキシド)
Figure 0005454853
Figure 0005454853
Figure 0005454853
I.重合:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−オキシド−1,4−フェニレン−スルフィド):重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱されかつアルゴンを充填した100ml丸底フラスコ中で行った。フラスコに、2.2566g(4.404mmol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン三水和物、1.0320g(4.404mmol)の4,4’−オキソビスベンゼンチオール、および0.852g(6.16mmol)の乾燥炭酸カリウムを入れた。この混合物を70℃にて2時間真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)18mlおよび乾燥トルエン40mlを添加し、反応混合物を油浴中で145℃まで4時間加熱し、全ての水を除去した(脱水装置)。続いてトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を185℃にて15時間続けた。室温まで冷却した後、得られた黒色の懸濁液をイソプロパノール(600ml)中に徐々に滴下してポリマーを沈殿させた。褐色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて水100mlに溶解し、イソプロパノール(600ml)中で再び沈殿させ、ろ過し、イソプロパノールで洗浄して、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。すべての副生成物を除去するために、12時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)を実施してポリマーを精製し、溶媒を除去して、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、暗褐色の固体(2.89g,M=652.64g/mol Na形=4.43mmol)が得られた。ナトリウム塩の一部(バッチ38)(約1.0g)を、イオン交換体[Dowex(登録商標)Marathon(登録商標)C]を用いてH形に交換した。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:1M−NaCl水溶液、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、トリフルオロ酢酸
交換容量:実測値:H形で3.190mmol/g(313.48g/mol)
理論値:1.0HO/SOHと仮定して3.102mmol/g(322.36g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して3.286mmol/g(304.34 g/mol)
密度:H形で1.4974g/cm
元素分析:実測値:C:36.78,H:3.94,S:20.76,Cl:0.79
理論値:0.0HO/SOHとしてC:47.35,H:2.65,S:26.33,Cl:0.00
理論値:4.5HO/SOHとしてC:37.39,H:4.45,S:20.79,Cl:0.00
理論値:4.5HO/SOHおよび重合度=10(Cl末端基)としてC:37.05,H:4.41,S:20.60,Cl:0.91
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.08(s,2H,CH),7.56(d,2H,CH,JHH=8.4Hz),7.47(d,4H,CH,JHH=8.2Hz),7.13(d,4H,CH,JHH=8.2Hz),6.74(d,2H,CH,JHH=8.4Hz)。
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=158.1(s),145.9(s),144.5(s),138.5(s),136.9(s),128.3(s),127.7(s),126.6(s),125.9(s),121.3(s)
分子量:Na形でM=2217,M=3402g/mol,D=1.5346(GPC)
II.酸化:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド):上述の反応から得られた固体1.55g(2.37mmol,M=652.64g/mol)を微粉砕して、氷酢酸50mlおよび濃硫酸5mlに懸濁した。暗褐色の反応混合物を55℃に加熱し、その際36%過酸化水素溶液4ml(約40mmolのH)を徐々に滴下した。この混合物を55℃にて5時間撹拌すると、固体は徐々に淡い色になった。続いて混合物を110℃まで急速に加熱し、過剰の過酸化水素を除去した。次いでこの混合物を氷酢酸150mlで希釈した。得られた淡黄色の固体をろ過し、氷酢酸で数回洗浄した。あらゆる副生成物を除去するために、このポリマーを48時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)を行って精製し、溶媒を除去した後、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥して、薄茶色の固体(1.45g;M=672.68g/mol,2.16mmol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、濃硫酸;
以下に対して不溶:メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形で1.930mmol/g(518.13g/mol)
理論値:10.0HO/SOHと仮定して1.936mmol/g(516.49g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して2.973mmol/g(336.34g/mol)
密度:H形で1.662g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.47(s,2H,CH),8.44(d,2H,CH,JHH=7.7Hz),8.11(d,2H,CH,JHH=7.7Hz),7.84(d,4H,CH,JHH=7.9Hz),7.17(s,5H,HO),7.04(d,2H,CH,JHH=7.9Hz)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=159.9(s),149.5(s),144.1(s),143.4(s),136.9(s),133.9(s),132.2(s),129.8(s),129.7(s),119.3(s)。
例7
可変の交換容量を有するポリ(スルホン酸フェニレンスルホン):n=0.7であるスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン)の合成:
Figure 0005454853
Figure 0005454853
Figure 0005454853
I.重合:
ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド):重合を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱されかつアルゴンを充填した100−ml丸底フラスコ中で行った。フラスコに、3.7680g(7.35mmol)の3,3’−ジスルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン三水和物、2.2650g(3.15mmol)のビス−(4−フルオロフェニル−スルホフェニルオキソフェニル)スルホン、0.8199g(10.50mmol)の硫化ナトリウム(NaS)、および0.861g(10.50mmol)の乾燥酢酸ナトリウムを入れた。この混合物を70℃にて2時間、真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。続いてアルゴン下で、乾燥させた1−メチル−2−ピロリドン(NMP)18mlおよび乾燥トルエン40mlを添加し、反応混合物をオイルバス中で150℃まで4時間加熱し、全ての水を除去した(脱水装置)。続いてトルエンをディーン−シュタルクトラップの排出により除去(留去)し、反応を190℃にて15時間続けた。室温まで冷却した後、得られた深緑色の懸濁液をイソプロパノール(600ml)中に徐々に滴下してポリマーを沈殿させた。深緑色の沈殿物をろ過し、イソプロパノールで洗浄した。次いで生成物を改めて水200mlに懸濁し、すべての副生成物を除去するために24時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)を行ってポリマーを精製した。溶媒を除去し、50℃で真空中(2×10−3mbar)で乾燥した後、暗褐色の固体(2.44g,M=530.52g/mol,Na形=4.60mmol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:水(膨潤)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.21(s,CH),7.89,7.86,7.72,7.69,7.44,7.17(シグナルの割り当てせず),3.25(s,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=160.1(s),148.7(s),141.7(s),141.1(s),140.9(s),139.0(s),137.3(s),136.8(s),135.0(s),132.1(s),130.9(s),129.3(s),128.9(s),127.0(s),120.6(s),117.0(s)。
II.酸化:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−オキシド−1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルホン):上述の反応から得られた固体1.56g(2.94mmol)を微粉砕して、濃硫酸2.7mlに懸濁した。暗褐色の反応混合物を55℃まで加熱し、この際に36%過酸化水素溶液1.5ml(約15mmolのH)を徐々に滴下した。この混合物を55℃にて3時間撹拌すると、固体は徐々に淡い色になった。続いて混合物を110℃まで急速に加熱し、過剰の過酸化水素を除去した。次いでこの混合物を氷酢酸150mlで希釈した。得られた薄茶色の固体をろ過し、氷酢酸で数回洗浄した。あらゆる副生成物を除去するために、このポリマーを48時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ、排除分子量=8000)を行って精製し、溶媒を除去した後、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥して、薄茶色の固体(0.977g,1.84mmol,M=531.74g/mol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:水(膨潤)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形として1.595mmol/g(627.00g/mol)
理論値:10.0HO/SOHと仮定して1.786mmol/g(559.96g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して2.633mmol/g(379.81g/mol)
密度:H形で1.570g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.33,8.16,8.09,7.99,7.87(強いシグナル),7.64,7.49,7.39,7.15(強いシグナル)(全てのシグナルの割り当てせず),4.48(s,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=160.8(s),160.1(s,強いシグナル),159.8(s),148.6(s),147.7(s),146.8(s),144.7(s),143.8(s),143.4(s),142.5(s),142.1(s),137.3(s,強いシグナル),135.4(s),132.9(s),131.5(s),130.9(s,強いシグナル),130.1(s),129.6(s),129.0(s),128.6(s),128.1(s),127.7(s),120.9(s),120.6(s,強いシグナル),116.9(s)。
例8
可変の交換容量を有するポリ(スルホン酸フェニレンスルホンケトン):スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−ケトン−1,4−フェニレン−スルホン)の合成
Figure 0005454853
例9
ポリ(スルホン酸フェニレンスルホン)およびα,ω−ジヒドロキシ成分HO−W−OHからなるブロックコポリマーの合成
Figure 0005454853
アルカリスルフィドを用いた変換において、反応溶液は、アルカリ金属カルボン酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸リチウム)、アルカリ金属スルホン酸塩、ホウ酸リチウム、塩化リチウムなどの添加物を含み得る。
HO−W−OHによる変換のために好ましい溶媒は、非プロトン性で、極性を有し、高沸点の溶媒であり、例えば1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、スルホラン、ジフェニルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである。
反応温度は、典型的には100〜250℃、好ましくは140〜200℃である。
反応時間は、典型的には5〜24時間、好ましくは12〜18時間である。
例10
ポリ(スルホン酸フェニレンスルホン)およびα,ω−ジハロゲン成分Hal−W−Halからなるブロックコポリマーの合成
Figure 0005454853
DMF中で水素化ナトリウム(NaH)を用いた反応に好ましい反応温度は、0〜30℃である。
反応時間は、典型的には1〜24時間である。
例11
ポリ(スルホン酸1,4−フェニレン−スルホン)の合成
Figure 0005454853
I.ポリ(1,4−フェニレン−スルフィド)のスルホン化:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルフィド):スルホン化を、アルゴン流入口、マグネチックスターラー、および冷却器を有するディーン−シュタルクトラップを備えた、加熱されかつアルゴンを充填した100−ml丸底フラスコ中で行った。フラスコ中で、濃硫酸50mlに4.04g(37.4mmol)のポリ(1,4’−フェニレン−スルフィド)(アルドリッチ社:M=15000,M=108.15g/mol)を懸濁させた。この懸濁液を激しく撹拌しながら、濃硫酸中の60%SO溶液(発煙硫酸,約150mmolのSO)10mlを徐々に滴下したところ、暗緑色の溶液が生成した。これを室温で12時間撹拌した。続いてこの溶液を氷酢酸400ml中に静かに注いだ(氷浴中で0℃まで冷却)ところ、緑色の固体としてポリマーが沈殿した。これをろ過し、2時間真空中(2×10−3mbar)で乾燥させた。わずかに緑色をした固体が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:水(膨潤)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
密度:H形で1.720g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=7.8〜7.4(br m),7.19(br m),3.72(s,HO)。
II.スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルフィド)の酸化:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):上述の反応から得られた固体5.0g(26.6mmol,M=118.21mol/g)を微粉砕して、氷酢酸100mlおよび濃硫酸10mlに懸濁させた。暗褐色の反応混合物を55℃まで加熱し、次いで36%の過酸化水素水溶液10ml(約100mmolのH)を徐々に滴下した。この混合物を55℃にて12時間撹拌した。続いて、淡黄色の混合物を110℃まで急速に加熱し、過剰の過酸化物を除去した。次いでこの混合物を氷酢酸300mlで希釈し、固体をろ過した。これを水100mlに懸濁させた。すべての副生成物(硫酸、酢酸)を除去するために、この懸濁液を72時間透析(シグマ−アルドリッチ社の透析チューブ:排除分子量=8000)を行って精製し、溶媒を除去した後、50℃にて真空中(2×10−3mbar)で乾燥して、淡黄色の固体(4.5g,M=220.21g/mol)が得られた。
溶解性:
以下に対して可溶:ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc);
以下に対して不溶:水(膨潤)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形で1.780mmol/g(561.80g/mol)
スルホン化度=0.0HO/SOHと仮定して29.1%(n=0.291)
スルホン化度=4.0HO/SOHと仮定して34.2%(n=0.342)
密度:H形で1.636g/cm
H−NMR(300 MHz,DMSO−d):δ=8.1(br m),5.18(s,HO)
13C−NMR(75.5 MHz,DMSO−d):δ=145.7(s),145.2(s),139.8(s),134.6(s),130.2(s),128.7(s)。
III.IEC=1.6mmol/gを有するスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルフィド)の酸化:
スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン):異なるバッチから得られたスルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルフィド)5.00g(0.04mol,M=124.2mol/g,IEC=1.6mmol/g)を微粉砕して、氷酢酸300mlおよび濃硫酸15ml中に懸濁させた。次いで30%過酸化水素水溶液12mL(約0.12molのH)を徐々に滴下した。この混合物を室温にて36時間撹拌した。続いて、白色の固体をろ過し、水200mlで洗浄した。これを真空中で60℃にて12時間乾燥させた。白色の固体(5.73g,91.1%)が得られたが、これは使用したすべての溶媒に実質的に溶けなかった。高温のNMPからの薄膜形成は不可能であった。
溶解性:
高温の1−メチル−2−ピロリドン(NMP)中にほんのわずかに溶解
以下に対して不溶:水、DMSO、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン
交換容量:実測値:H形で0.96mmol/g(1041g/mol)
理論値:0.0HO/SOHと仮定して1.28mmol/g(781g/mol)
例11に記載の反応と同様に、異なる交換容量(スルホン化度)を有する多様なポリマーを、出発ポリマーであるポリ(1,4−フェニレン−スルフィド)と発煙硫酸(SO)の割合を変えることによって製造した。反応条件は同様であった。
文献総覧:
燃料電池の技術水準に関する一般的な総括は、「Handbook of Fuel Cells - Fundamentals, Technology and Applications, Vol. 3 (Eds. W. Vielstich, A. Lamm, H.A. Gasteiger), John WILEY & Sons, 2003」の第3章に記載されている。燃料電池に使用される膜材料についての総括は、「Q. Li, R. He, J.O. Jensen, N.J. Bjerrum Chem. Mater. 2003, 15, 4896 」の総説および「M.A. Hickner, H. Ghassemi, Y.S. Kim, J.E. McGrath Chem. Rev. 2004, 104, 4587」の総説に掲載されており、燃料電池用膜の構造、形態および輸送プロセスについては、「K.D. Kreuer, S.J. Paddison, E. Spohr, M. Schuster Chem. Rev. 2004, 104, 4637」の総説で考察されている。
構造単位−SO−Ar(SOH)−SO−(Ar=芳香環、n=1〜4)を有するポリマーは、CA(ケミカルアブストラクト)には記載されていない。しかし、スルホン酸基を有する芳香環がスルホン基−SO2−とエーテル基−O−に囲まれた構造単位−SO−Ar(SOH)−O−(ポリ(アリーレンエーテルスルホン))を有するポリマーについては、例えば「F. Wang, M. Hickner, Y.S. Kim, T.A. Zawodzinski, J.E. McGrath J. Membr. Sci. 2002, 197, 231」など数多くの論文および特許が存在する。エーテル基の代わりにチオエーテル基(スルフィド基)−S−を有する類似のポリマーも記載されており、構造単位−SO−Ar(SOH)−S−を有するポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)またはポリ(アリーレンスルフィドスルホン)については、例えば「T.D. Dang, Z. Bai, M.J. Dalton, E. Fossum Polymer Preprints 2004, 45, 22」、「Z. Bai, L.D. Williams, M.F. Durstock, T.D. Dang Polymer Preprints 2004, 45, 60」、「K.B. Wiles, V.A. Bhanu, F. Wang, M.A. Hickner, J.E. McGrath Polymer Preprints 2003, 44, 1089」、「F. Wang, J. Mecham, W. Harrison, J.E. McGrath Polymer Preprints 2000, 41, 1401」、「K.B. Wiles, V.A. Bhanu, F. Wang, J.E. McGrath Polymer Preprints 2002, 43, 993」、「K.B. Wiles, C.M. de Diego, J.E. McGrath Polymer Preprints 2004, 45, 724」に 報告されている。
これらのポリマーの合成は、チオビスベンゼンチオールを用いたスルホン化ジクロロジフェニルスルホンまたはジフルオロジフェニルスルホンの重縮合により行われる。ジクロロジフェニルスルホンまたはジフルオロジフェニルスルホンのスルホン化モノマーに関する最初の記載は、L.M. Robeson, M. Matznerの米国特許第4380598号 (1983)、または M. Udea, H. Toyota, T. Ochi, J. Sugiyama, K. Yonetake, T. Masuko, T. Teramoto の報文「J. Polym. Sci., Polym. Chem. 1993, 31, 853」に見ることができる。以降、この種のスルホン化モノマーに基づく多くの重合が記載されており、例えば「F. Wang, M. Hickner, Q. Ji, W. Harrison, J. Mecham, T.A. Zawodzinski, J.E. McGrath Macromol. Symp. 2001, 175, 387」、および「F. Wang, M. Hickner, Y.S. Kim, T.A. Zawodzinski, J.E. McGrath J. Membr. Sci. 2002, 197, 231 」、および「W. Harrison, F. Wang, J.B. Mecham, V. Bhanu, M. Hill, Y.S. Kim, J.E. McGrath J. Polym. Sci., Polym. Chem. 2003, 41, 2264」、および「F. Wang, J. Li, T. Chen, J. Xu Polymer 1999, 40, 795 」、および「F. Wang, T. Chen, J. Xu Macromol. Chem. Phys. 1998, 199, 1421」に記載されている。
その他、構造単位−SO−Ar−SO−(Ar=芳香環、非スルホン化)を有する非スルホン化ポリマーは、幾つかの特許、例えば「J. Studinka, R. Gabler, Polyarylene sulphonates from sulphonated polyarylene sulphide by two−stage oxidation in acid medium :ドイツ国特許第1938806A1号(1970)」、および「米国特許第6020442号(2000);第6013761号(2000);第5496916号(1996);第 5496917号(1996)」、ならびに幾つかの報文、例えば「D.R. Robello, A. Ulman, E. Urankar Macromol. 1993, 26, 6718」、および「H.M. Colquhoun, P. Aldred, F.H. Kohnke, P.L. Herbertson, I. Baxter, D.J. Williams Macromol. 2002, 35, 1685」の主題である。
芳香環におけるスルホン化の機構に関する一文献として、「J. O. Morley, D. W. Roberts J. Org. Chem. 1997, 62, 7358 − 7363」がある。
引用文献:
(1) T.D. Dang, Z. Bai, M.J. Dalton, E. Fossum Polymer Preprints 2004, 45, 22;
(2) Z. Bai, L.D. Williams, M.F. Durstock, T.D. Dang Polymer Preprints 2004, 45, 60;
(3) K.B. Wiles, V.A. Bhanu, F. Wang, M.A. Hickner, J.E. McGrath Polymer Preprints 2003, 44, 1089;
(4) F. Wang, J. Mecham, W. Harrison, J.E. McGrath Polymer Preprints 2000, 41, 1401;
(5) K.B. Wiles, V.A. Bhanu, F. Wang, J.E. McGrath Polymer Preprints 2002, 43, 993;
(6) K.B. Wiles, C.M. de Diego, J.E. McGrath Polymer Preprints 2004, 45, 724;
(7) J. Studinka, R. Gabler (Uitikon-Waldegg, CH), Polyarylene Sulphonates from Sulphonated Polyarylene Sulphide by Two-Stage Oxidation in Acid Medium DE 1938806A1 (1970);
(8) D. Fleischer, H. Strutz, J. Kulpe, A. Schleicher (Ticona GmbH, Germany), Oxidized Polyarylene Sulfides US 6020442 (2000);
(9) D. Zierer, H. Scheckenbach (Ticona GmbH, Germany), Oxidation of Polyarylene Sulfides US 6013761 (2000);
(10) D. Fleischer, H. Strutz, J. Kulpe, A. Schleicher (Hoechst Aktiengesellschaft, Germany), Process for Oxidizing Polyarylene Compounds Containing Thioether Groups US 5496916 (1996)
(11) D. Fleischer, H. Strutz, J. Kulpe, A. Schleicher (Hoechst Aktiengesellschaft, Germany), Two−Stage Oxidation of Polyarylene Sulfides US 5496917 (1996)
水大気(p(H2O)=10Pa)下で測定した、Nafion 117と比較した、ポリ(スルホン酸−1,4−フェニレンスルホン)の100℃以上でのプロトン伝導度を示す図。 水大気(p(H2O)=10Pa)下での、Nafion 117の吸水性を示す図。 水大気(p(H2O)=10Pa)下での、ポリ(スルホン酸−1,4−フェニレンスルホン)の吸水性を示す図。 水大気(p(H2O)=10Pa)下での、スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド−1,3−フェニレン−スルフィド)の吸水性を示す図。 水大気(p(H2O)=10Pa)下での、スルホン化ポリ(1,4−フェニレン−スルホン−1,4−フェニレン−スルフィド)の吸水性を示す図。 酸素含有雰囲気(20%Oおよび80%N)における熱重量分析による、対応するスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)と比較した、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(S−PS 220)のより高い熱酸化安定性を比較した図である。 酸素含有雰囲気(20%Oおよび80%N;加熱速度2K/min)での熱重量分析による、スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(sPSS−312,n=1.0,例4)と比較した、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−430,n=0.8,例4)のより高い熱酸化安定性を示した図。また窒素雰囲気におけるsPS−430の純粋な熱的安定性も示す。 酸素含有雰囲気中で、スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)に関しては、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の生成をともなうスルフィド基−S−のスルホン基−SO2−への自然的な変換(酸化)は生じないことを示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのNafion(登録商標)117の温度依存的な吸水率および水解離(Wasserdesorption)を示す図。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−220,n=1.0,例2)の温度依存的な吸水率および水解離を示す図。加熱および冷却相の間での水解離および吸水に基づく可逆的な重量変化は、このスルホン酸基の高い加水分解安定性を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−360,n=1.0,例4)の温度依存的な吸水率および水解離を示す図。加熱および冷却相の間での水解離および吸水に基づく可逆的な重量変化は、このスルホン酸基の高い加水分解安定性を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−430,n=0.8,例4)の温度依存的な吸水率および水解離を示す図。加熱および冷却相の間での水解離および吸水に基づく可逆的な重量変化は、このスルホン酸基の高い加水分解安定性を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−336,n=1.0、例6)の温度依存的な吸水率および水解離を示す図。加熱および冷却相の間での水解離および吸水に基づく可逆的な重量変化は、このスルホン酸基の高い加水分解安定性を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンエーテル−エーテル−ケトン)(sPEEK−500,IEC=2.0mmol/g)の温度依存的な吸水率および水解離を示す図。不可逆的な重量変化は、芳香環におけるスルホン酸基の加水分解を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(sPSS−204,n=1.0,例2)の温度依存的な吸水率および水解離を示す図。不可逆的な重量変化は、芳香環におけるスルホン酸の加水分解を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(sPSS−312,n=1.0,例4)の温度依存的な吸水率および水解離を示す。不可逆的な重量変化は、こ芳香環におけるスルホン酸の加水分解を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(sPSS−258,n=1.0,例5)の温度依存的な吸水率および水解離を示す。不可逆的な重量変化は、芳香環におけるスルホン酸の加水分解を示す。 水大気(p(H2O)=10Pa;加熱および冷却速度12℃/時)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(sPSS−304,n=1.0,例6)の温度依存的な吸水率および水解離を示す図。不可逆的な重量変化は、芳香環におけるスルホン酸の加水分解を示す。 TGAの前後において、水大気(p(H2O)=10Pa)下でのスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(sPSS−304,n=1.0,例6)の試料の13C−NMRスペクトルを示す図。スペクトルは、芳香環のスルホン酸基の定量的な脱離を示す。 Nafion(登録商標)117、スルホン化ポリ(アリーレンエーテル−エーテル−ケトン)(sPEEK,IEC=1.35mmol/g)および文献公知のスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)(sPSS−661,n=0.4,IEC=1.51mmol/g)と比較した、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−430,n=0.8,例4)の液体状態における水からの温度依存的な吸水率を示す図 インピーダンス分光法を用いて測定した、スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−430,n=0.8,例4)の温度依存的および膨潤度依存的なプロトン伝導度を示す図。 インピーダンス分光法を用いて、水大気(p(H2O)=10Pa)下で測定した、Nafion(登録商標)117およびポリ(アリーレンエーテル−エーテル−ケトン)sPEEKと比較した、2種類のスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−220,n=1.0,例2、およびsPS−430,n=0.8,例4)の温度存的なプロトン伝導度を示す図。 Nafiln(登録商標)と比較した、水/メタノール混合物中でのスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)(sPS−430,n=0.8,例4)の温度依存的およびモル分率依存的な膨潤度を示す図。

Claims (25)

  1. 2000〜2000000の範囲の分子量を有し、式−[−Ar(SOM)−X−]−および−[−Ar(SOM)−Y−]−(式中、XおよびYはそれぞれ−SO−であり、ArおよびArは互いに同一であるか異なり、〜18個の環原子を有する芳香環系(ここで、芳香環系は、スルホン酸基ならびに置換基XおよびYに加えて、電子供与性基すなわち芳香環上の電子密度を増大させる基ではない、さらなる置換基を有し得る)を示し、Mは1の一価カチオンを意味し、およびnは1〜4の整数を意味し、またAr、Ar、Mおよびnは互いに独立して、異なる構造要素において同一であるか異なっていてもよい)の繰返し単位のみを含むスルホン化ポリ(アリーレン)。
  2. 前記ArおよびArが、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、およびビフェニレンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)。
  3. 以下の1つ以上の構造要素I、IIまたはIII:
    Figure 0005454853
    (式中、X、Y、Mおよびnは請求項1で定義された通り)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)。
  4. 前記カチオンMが、Li+、Na+、K+、NR +、PR + (ここで、Rは有機基を示す)およびH+からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)。
  5. 前記nが1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)。
  6. 請求項1で定義された式−[−Ar(SOM)−X−]−および−[−Ar(SOM)−Y−]−の1つ以上の構成要素を形成する単位の他に、式−[−Ar−Z−]−(式中、Zは電子供与性基すなわち芳香環上の電子密度を増大させる基もしくは電子受容性基すなわち芳香環上の電子密度を低下させる基であるか、またはそのいずれでもない、すなわち芳香環上の電子密度を増大も低下もさせない基でよく、ArはSOM置換基を有さない〜18個の環原子を有する芳香環系を意味し、異なる単位−[−Ar−Z−]−における基ArおよびZは同一であるか異なっていてもよく、但しZ基は、電子供与性基を意味しないときにのみ、式Ar(SOM)のスルホン化された芳香環系に結合し得る)の1つ以上の単位を含むことを特徴とするスルホン化ポリ(アリーレン)。
  7. 前記式−[−Ar−Z−]−の単位のそれぞれについてのArは独立して、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、およびビフェニレンからなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)。
  8. Zが、−SO−、−SO−、−SOO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−S−、−O−またはアルキレンからなる群から選択されることを特徴とする請求項6または7に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)。
  9. 10000〜1000000の範囲の分子量を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)の繰返し単位に加えて、α,ω−ジヒドロキシ化合物またはα,ω−ジハロゲン化合物、ここで前記α,ω−ジヒドロキシ化合物が式HO−W−OHを、または前記α,ω−ジハロゲン化合物が、式Hal−W−Halを(式中、Wは−(CH −、−(CF −、−(CF CH −、−(CH −CH −O) −CH −CH −、−(CH(CH )−CH −O) −CH(CH )−CH −、−(CF −CF −O) −CF −CF −、ポリアリーレンエーテルスルホン、ポリアリーレンエーテルケトンおよびポリシロキサンからなる群から選択され、Halはハロゲン基を意味する)有する、である少なくとも1つのさらなるモノマーまたはマクロモノマーの1つ以上の単位を含むコポリマー。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)または請求項10記載のコポリマー、および少なくとも1つのさらなるポリマーを含むポリマー混合物。
  12. 前記少なくとも1つのさらなるポリマーが、PBI(ポリベンゾイミダゾール)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PSU(ポリスルホン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PEK(ポリエーテルケトン)、PPO(ポリフェニレンオキシド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカルボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)およびポリホスファゼンからなるポリマーの群から選択されることを特徴とする請求項11に記載のポリマー混合物。
  13. 前記ポリマーまたはポリマー混合物が、多孔性のPE、PP、PVDF、PTFE、または多孔性の窒化ホウ素もしくは二酸化ケイ素である、多孔質のマトリクス中に取り込まれていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)、請求項10記載のコポリマー、または請求項11もしくは12に記載のポリマー混合物を含む組成物。
  14. 前記ポリマーまたはポリマー混合物が、繊維材料、充填剤または他の添加剤と組み合わされることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)、請求項10記載のコポリマー、または請求項11もしくは12に記載のポリマー混合物を含む組成物。
  15. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)の製造方法であって、
    a)1つのスルホン化アリールモノマーF−AS−F(式中、ASは1つ以上の芳香環からなるアリール系を意味し、少なくとも1つの芳香環はスルホン酸基により置換されており、当該アリール系は官能基FおよびFを有し、これらは互いに同一であるかまたは異なっていてもよく、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択される)、または複数の異なる該スルホン化アリールモノマーの製造;
    b)前記スルホン化された芳香環において、−S−である、少なくとも1つの電子供与性置換基を有するスルホン化ポリ(アリーレン)の生成を伴う、前記工程a)の1つ以上のスルホン化アリールモノマーの重縮合;ならびに
    c)前記スルホン化された芳香環においてもっぱら電子受容性置換基を有するスルホン化ポリ(アリーレン)の生成を伴う、前記少なくとも1つの電子供与性置換基−S−の電子受容性置換基−SO−への変換
    を含む製造方法。
  16. 前記重縮合において、請求項15で定義された1つ以上のスルホン化アリールモノマーF−AS−Fの他に、1つ以上のアリールモノマーF−ANS−F(式中、ANSはスルホン酸基で置換されていない1つ以上の芳香環からなるアリール系を意味し、当該アリール系は請求項15で定義された官能基FおよびFを有し、これらは互いに同一であるか異なっていてもよい)も関与し、ここで、前記スルホン化された芳香環において少なくとも1つの電子供与性置換基−S−を有する少なくとも部分的にスルホン化されたポリ(アリーレン)が生成し、前記少なくとも1つの電子供与性置換基−S−が電子受容性置換基−SO−に変換され、スルホン化された芳香環においてもっぱら電子受容性置換基を有する部分的にスルホン化されたポリ(アリーレン)が生成することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
  17. スルホン化ポリ(アリーレンスルホン)の製造方法であって、
    a)スルホン化アリールモノマーF−AS−F(式中、ASは、1つ以上の芳香環からなるスルホン化アリール系を意味し、ここで少なくとも1つの芳香環は1つのスルホン酸基で置換されており、当該アリール系は官能基FおよびFを有し、これらは互いに同一であるか異なっていてもよく、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択される)、または複数の異なる該アリールモノマーの製造;
    b)スルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)の生成を伴う、前記工程a)のスルホン化アリールモノマーのアリールジスルフィドまたはアルカリスルフィドとの重縮合;ならびに
    c)前記工程b)のスルホン化ポリ(アリーレンスルフィドスルホン)のスルホン化ポリ(アリーレンスルホン)への酸化
    を含む製造方法。
  18. 前記重縮合において、請求項17に定義した1つ以上のスルホン化アリールモノマーF−AS−Fの他に、1つ以上のアリールモノマーF−ANS−F(式中、ANSはスルホン酸基で置換されていない1つ以上の芳香環からなるアリール系を意味し、当該アリール系は請求項17に定義した互いに同一であるか異なっていてもよい官能基FおよびFを有する)が関与し、ここで、前記スルホン化された芳香環において少なくとも1つの電子供与性置換基−S−を有する部分的にスルホン化されたポリ(アリーレン)が生成し、前記部分的にスルホン化されたポリ(アリーレン)の、スルホン化された芳香環においてもっぱら電子受容性置換基を有する部分的にスルホン化されたポリ(アリーレンスルホン)への酸化を特徴とする請求項17に記載の製造方法。
  19. 前記スルホン化アリールモノマーが、構造式F−Ar−SO−Ar−F(式中、ArおよびArは、同一であるか異なっていてもよく、それぞれ〜18個の環原子を有する1つの芳香環系を表し、但し使用されるアリールモノマーの少なくとも1つにおいて、Arおよび/またはArは、少なくとも1つのSOM基(式中、Mは上記で定義した通り)により置換されている)を有することを特徴とする請求項17または18に記載の製造方法。
  20. 前記アリールモノマーの少なくとも1つにおいて、前記のArおよび/またはAr基が少なくとも1つのSOM基(式中、Mは上記で定義した通り)により置換され、他のアリールモノマーの少なくとも1つにおいて、Arおよび/またはAr基がSOM基により置換されていないことを特徴とする請求項19に記載の製造方法。
  21. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)、請求項10記載のコポリマー、請求項11もしくは12に記載のポリマー混合物、または請求項13もしくは14に記載の混合物の膜材料としての使用。
  22. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)、請求項10記載のコポリマー、請求項11もしくは12に記載のポリマー混合物、または請求項13もしくは14に記載の混合物の燃料電池における使用。
  23. 前記燃料電池がDMFC燃料電池である請求項22に記載の使用。
  24. 前記膜材料がイオン交換膜である請求項21に記載の使用。
  25. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(アリーレン)、請求項10記載のコポリマー、請求項11もしくは12に記載のポリマー混合物、または請求項13もしくは14に記載の混合物の電気透析、ドナン透析および電気分解のための、加湿および脱湿のための、または電磁スクリーニングのための使用。
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