JP4051955B2 - ポリフェニレンスルホン酸類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリフェニレンスルホン酸類の製造方法に関し、詳しくは、ジハロゲノベンゼンスルホン酸類を重合又は共重合させることによるポリフェニレンスルホン酸類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】
ポリフェニレンスルホン酸類は、固体高分子形燃料電池用の高分子電解質等として有用であり、その製造方法としては、先ずスルホン酸基を有さないモノマーを用いてポリマーを製造し、次いでこれをスルホン化することにより製造することも知られている。例えばスルホン化ポリ((4'−フェノキシベンゾイル)−1,4−フェニレン)は、ポリ((4'−フェノキシベンゾイル)−1,4−フェニレン)を製造し、ついでこれをスルホン化することにより製造する方法が知られている(米国特許第5403675号)。またパラフェニレンとメタフェニレンのランダム共重合体のスルホン化物は、該共重合体を製造し、次いでこれをスルホン化することにより製造することが知られている(Polymer Preprints, Japan, Vol.50, No.4,(2001))。
しかしながら、スルホン酸基を有するモノマーを用いて、一挙にポリフェニレンスルホン酸類を製造する方法については全く知られていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、スルホン酸基を有するモノマーを用いて、一挙にポリフェニレンスルホン酸類を製造すべく鋭意検討を重ねた結果、ジハロゲノベンゼンスルホン酸類という特定のモノマーが、ゼロ価遷移金属錯体の共存下に重合し得、一挙にポリフェニレンスルホン酸類を与えることを見出すとともにさらに種々の検討を加え、本発明を完成した。
【0004】
すなわち本発明は、 ゼロ価遷移金属錯体の共存下に、下式(1)
【0005】
(式中、Xは塩素、臭素、沃素原子を、Mはアルカリ金属又は4級アンモニウムを表す。mは1又は2を、nは4−mを表す。R1は、水素原子または重合反応に関与しない置換基を表し、R1が複数ある場合は、互いに異なっていても良い。)
で示されるジハロゲノベンゼンスルホン酸類を重合させる又は式(1)で示されるジハロゲノベンゼンスルホン酸類と下式(2)
【0006】
(式中、Yは塩素、臭素、沃素原子を、pは1〜4を表す。R2は、水素原子または重合反応に関与しない置換基を表し、R2が複数ある場合は、互いに異なっていても良い。)
で示されるジハロゲノベンゼン類とを共重合させることを特徴とする遊離酸の形が下式(3)
【0007】
(式中、R1、R2、m、n、pは前記の意味を表す。q、rは繰返し単位の数を表し、qとrの和は、10〜100000の範囲、qに対するrの比は0〜100の範囲であり、q個ある繰返し単位、r個ある繰返し単位はそれぞれ同じであっても異なっても良い。)
で示されるポリフェニレンスルホン酸類の工業的にすぐれた製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、 ゼロ価遷移金属錯体の共存下に、前記式(1)で示されるジハロゲノベンゼンスルホン酸類を重合せしめることを特徴とするものである。
ジハロゲノベンゼンスルホン酸類(1)におけるXは、塩素、臭素、沃素原子を表すが、臭素原子であることが好ましい。
また、Mはアルカリ金属又は4級アンモニウムを表す。
ここで、アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
また4級アンモニウムとしては、通常、窒素原子に炭素数1から12程度のアルキル基が4個結合したものが使用される。これらのアルキル基は異なっていても良く、また直鎖状、分岐状、環状いずれであっても良い。4級アンモニウムの好ましい例としては、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムが挙げられる。
有機溶媒への溶解性を考慮すると、アルカリ金属よりは4級アンモニウムの方が好ましく、後者の中ではテトラブチルアンモニウムが好ましい。
【0009】
mは1又は2を、nは4−mを表すが、mは1が好ましい。またR1は、水素原子または重合反応に関与しない置換基を表し、R1が複数ある場合は、互いに異なっていても良い。
R1の具体例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソアミル、2−メチルヘキシル、2,6−ジメチルオクチル、n−デシル、n−ドデシルなど炭素数1〜12の直鎖、環状または分岐状のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、イソアミルオキシ、2−メチルヘキシルオキシ、2,6−ジメチルオクチルオキシ、n−デシルオキシ、n−ドデシルオキシなどの炭素数1〜12の直鎖、環状または分岐状のアルコキシ基、水酸基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、アミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニルなどのカルボン酸誘導体の基、フッソ原子などが挙げられる。なかでもアルキル基、アルコキシ基、フッソ原子等が好ましく、炭素数の多いアルキル基やアルコキシ基はポリフェニレンスルホン酸類の溶解性向上に効果を有する。
【0010】
ジハロゲノベンゼンスルホン酸類(1)の代表例としては、例えば2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸、2,4−ジクロロベンゼン−1,5−ジスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼン−1,4−ジスルホン酸、2,4−ジブロモベンゼン−1,5−ジスルホン酸、2,5−ジブロモベンゼン−1,4−ジスルホン酸、2,4−ジクロロ−5−メチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジブロモ−5−メチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジブロモ−4−メチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジクロロ−5−メトキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロ−4−メトキシベンゼンスルホン酸、2,4−ジブロモ−5−メトキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジブロモ−4−メトキシベンゼンスルホン酸等のアルカリ金属塩また4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0011】
また本発明において、ジハロゲノベンゼンスルホン酸類(1)と共重合させる場合は、ジハロゲノベンゼン類(2)が用いられる。ジハロゲノベンゼン類(2)におけるYは、塩素、臭素、沃素原子を表すが、臭素原子であることが好ましい。
またpは、1〜4をあらわす。R2は、水素原子または重合反応に関与しない置換基を表し、R2が複数ある場合は、互いに異なっていても良い。
R2の具体例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソアミル、2−メチルヘキシル、2,6−ジメチルオクチル、n−デシル、n−ドデシルなど炭素数1〜12の直鎖、環状または分岐状のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、イソアミルオキシ、2−メチルヘキシルオキシ、2,6−ジメチルオクチルオキシ、n−デシルオキシ、n−ドデシルオキシなどの炭素数1〜12の直鎖、環状または分岐状のアルコキシ基、水酸基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、アミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニルなどのカルボン酸誘導体の基、フッソ原子などが挙げられる。なかでもアルキル基、アルコキシ基、フッソ原子等が好ましく、炭素数の多いアルキル基やアルコキシ基はポリフェニレンスルホン酸類の溶解性向上に効果を有する。
【0012】
ジハロゲノベンゼン類(2)の代表例としては、例えば2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,5−ジブロモトルエン、2,4−ジクロロアニソール、2,5−ジクロロアニソール、2,4−ジブロモアニソール、2,5−ジブロモアニソール、2,4−ジクロロ−1−イソアミルオキシベンゼン、2,5−ジクロロ−1−イソアミルオキシベンゼン、2,4−ジブロモ−1−イソアミルオキシベンゼン、2,5−ジブロモ−1−イソアミルオキシベンゼン、2,4−ジクロロ−1−(2,6−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン、2,5−ジクロロ−1−(2,6−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン、2,4−ジブロモ−1−(2,6−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン、2,5−ジブロモ−1−(2,6−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン、2,5−ジクロロ−4−イソアミルオキシアニソール、2,5−ジブロモ−4−イソアミルオキシアニソール、2−フルオロ−1,4−ジクロロベンゼン、2−フルオロ−1,4−ジブロモベンゼン、2,5−ジフルオロ−1,4−ジクロロベンゼン、2,5−ジフルオロ−1,4−ジブロモベンゼン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−ジクロロベンゼン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−ジブロモベンゼン等が挙げられる。
【0013】
本発明は、ゼロ価遷移金属錯体の共存下に、上記のようなジハロゲノベンゼンスルホン酸類(1)を重合又はジハロゲノベンゼンスルホン酸類(1)とジハロゲノベンゼン類(2)とを共重合させるものであるが、かかるゼロ価遷移金属錯体としては、例えばゼロ価ニッケル錯体、ゼロ価パラジウム錯体等が挙げられる。なかでもゼロ価ニッケル錯体が好ましく使用される。
ゼロ価パラジウム錯体としては、例えばパラジウム(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等があげられる。
またゼロ価ニッケル錯体としては、例えばニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等が挙げられる。なかでもニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)が好ましく使用され、この場合、さらに中性配位子を共存させることが好ましく、かかる配位子としては、例えば2,2’-ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン等の第三ホスフィン配位子などが挙げられる。なかでも含窒素配位子が、好ましく、2,2’-ビピリジルが特に好ましい。
ゼロ価遷移金属錯体は、用いるモノマーに対して通常0.1〜5モル倍程度、好ましくは、1〜3モル程度使用される。
また配位子を使用する場合は、遷移金属に対して、通常0.2〜2モル倍程度、好ましくは1〜1.5倍程度使用される。
【0014】
またジハロゲノベンゼンスルホン酸類(1)とジハロゲノベンゼン類(2)共重合体を製造する場合は、そのモル比については特に限定はないが、両者の合計を1とした場合に、ジハロゲノベンゼンスルホン酸類(1)は、通常0.01〜0.99であり、好ましくは0.1〜0.7、より好ましくは0.1〜0.5である。この比を調節することによりポリマーの諸物性、例えばイオン交換容量等を調整することができる。
【0015】
反応は、通常溶媒下に実施される。かかる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの芳香族系溶媒、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテルなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒等が挙げられる。これらは2種以上用いることもできる。
なかでもトルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、これら2種以上の混合物が好ましく使用される。
溶媒は、モノマーに対して、通常20〜200重量倍程度使用される。
【0016】
重合温度は、通常0〜250℃の範囲であり、好ましくは、20〜100℃程度である。また重合時間は、通常0.5〜24時間の範囲である。
【0017】
かくして目的とするポリフェニレンスルホン酸類が生成するが、反応混合物からの取り出しは、通常の方法を適用し得る。例えば、貧溶媒を加えるなどしてポリマーを析出させ、濾別などにより目的物を取り出すことができる。また必要に応じて、更に水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿などの通常の精製方法により精製することもできる。ポリフェニレンスルホン酸のカチオン交換も通常の方法を用いることが出来る。 また、重合度、ポリマーの構造の解析等は、GPC測定、NMR測定などの通常の手段で行うことができる。
本発明のポリフェニレンスルホン酸類は、1種のモノマーから得られるホモポリマーであっても、2種のモノマーを同時に反応させることにより得られるランダム共重合体であっても、2種のモノマーを段階的に反応させて得られる交互共重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。これらの重合度は、特に制限は無いが、通常10から104程度、分子量にして通常103から106程度のものが好ましい。
【0018】
次に本発明のポリフェニレンスルホン酸類を用いた燃料電池について説明する。
ポリフェニレンスルホン酸類は、通常、膜の状態で使用される。かかる電解質膜の製膜方法は、特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましく使用される。
この際用いられる溶媒としては、ポリフェニレンスルホン酸類の溶解が可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水などが挙げられる。必要に応じて2種以上の溶媒を用いることもできる。
膜の厚みは、特に制限はないが、10〜200μm程度が好ましい。膜厚はポリフェニレンスルホン酸類の溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。
【0019】
上記のようなポリフェニレンスルホン酸類からなる電解質膜の両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより、燃料電池を製造することができる。
ここで、触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子は活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いることが好ましい。
また集電体としての導電性物質に関しても、公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーが、好ましく、これらを用いることにより、原料ガスを触媒へ効率的に輸送し得る。
多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質フィルムと接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
【0021】
実施例1
アルゴン雰囲気下、フラスコに、DMF120ml、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸カリウム1.33g(5.0mmol)、2,2‘−ビピリジル1.84g(11.8mmol)を入れて攪拌し、続いて、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)3.20g(11.8mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。放冷後、反応液を大量のメタノールに注ぐことによりポリマーを析出させ、濾別し、粗ポリマーを得た。得られた粗ポリマーを水に溶解し、不溶分を濾別し、濾液を濃縮した後、メタノール再沈殿を行い、濾過、減圧乾燥して、目的とするポリフェニレンスルホン酸類0.56gを得た。
【0022】
【0023】
実施例2
アルゴン雰囲気下、フラスコに、DMF200ml、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩3.6g(7.8mmol)、2,2‘−ビピリジル2.9g(18.3mmol)を入れて攪拌し、続いて、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)5.0g(18.2mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。放冷後、反応液を濾別し、粗ポリマーを得た。得られた粗ポリマーをメタノールに溶解させ、不溶分を濾別し、濾液を濃縮した後、アセトン再沈殿を行い、濾過、減圧乾燥して、目的とするポリフェニレンスルホン酸類0.81gを得た。
【0024】
【0025】
実施例3
アルゴン雰囲気下、フラスコに、THF200ml、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩1.2g(2.6mmol)、2,5−ジブロモ−4−イソアミルオキシアニソール1.8g(5.2mmol)、2,2‘−ビピリジル2.9g(18.3mmol)を入れて攪拌し、続いて、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)5.0g(18.2mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。放冷後、反応溶液を大量のメタノールに注ぐことでポリマーを析出させ濾別し、粗ポリマーを得た。得られた粗ポリマーをクロロホルムに溶解させ不溶分を濾別し、濾液を酸洗浄、クロロホルム層を濃縮した後、メタノール再沈殿を行い、濾過、減圧乾燥して、目的とするポリフェニレンスルホン酸類0.71gを得た。
【0026】
1H−NMR(300MHz, CDCl3)
0.9 ppm br 面積比 6.0 (-CH 3)
1.6 ppm br 面積比 2.0 (-CH 2)
1.7 ppm br 面積比 1.0 (-CH)
3.8 ppm br 面積比 3.0 (ArO-CH 3 )
4.0 ppm br 面積比 2.0 (ArO-CH 2 -C 4 H 9 )
6.9-7.2 ppm br 面積比 2.0 (Ar-H)
GPC(移動相:クロロホルム、ポリスチレン換算)
Mn = 4700、Mw = 7400
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ジハロゲノベンゼンスルホン酸類という特定のモノマーを用いて、これをゼロ価遷移金属錯体の共存下に重合することにより、一挙に、しかも容易にポリフェニレンスルホン酸類を製造し得る。また得られたポリフェニレンスルホン酸類からなる電解質膜は、固体高分子形燃料電池等の隔膜として高い性能を示す。
Claims (7)
- ゼロ価遷移金属錯体の共存下に、下式(1)
(式中、Xは塩素、臭素、沃素原子を、Mはアルカリ金属又は4級アンモニウムを表す。mは1又は2を、nは4−mを表す。R1は、水素原子または重合反応に関与しない置換基を表し、R1が複数ある場合は、互いに異なっていても良い。)
で示されるジハロゲノベンゼンスルホン酸類を重合させる又は式(1)で示されるジハロゲノベンゼンスルホン酸類と下式(2)
(式中、Yは塩素、臭素、沃素原子を、pは1〜4を表す。R2は、水素原子または重合反応に関与しない置換基を表し、R2が複数ある場合は、互いに異なっていても良い。)
で示されるジハロゲノベンゼン類とを共重合させることを特徴とする遊離酸の形が下式(3)
(式中、R1、R2、m、n、pは前記の意味を表す。q、rは繰返し単位の数を表し、qとrの和は、10〜100000の範囲、qに対するrの比は0〜100の範囲であり、q個ある繰返し単位、r個ある繰返し単位はそれぞれ同じであっても異なっても良い。)
で示されるポリフェニレンスルホン酸類の製造方法。 - ゼロ価遷移金属錯体が、ゼロ価ニッケル錯体、ゼロ価パラジウム錯体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- ゼロ価ニッケル錯体が、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
- さらに配位子として、2,2‘−ビピリジルを共存させる請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
- 請求項5記載のポリフェニレンスルホン酸類からなる電解質膜。
- 請求項6の電解質膜を用いてなる燃料電池。
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