JP2009079214A - スルホ基を有する重合体の製造方法 - Google Patents

スルホ基を有する重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スルホン酸エステル基を有する重合体を脱エステル化して、燃料電池等の高分子電解質に用いるスルホン酸基を有する重合体する際に、マス性状の悪化を抑制する方法を提供すること。
【解決手段】スルホン酸エステル基を有する重合体とハロゲン化合物とを、該スルホン酸エステル基を有する重合体中のスルホン酸エステル基に対して5モル倍以上の水、及び溶媒の存在下に、脱エステル化反応させ、次いで、酸処理することを特徴とするスルホン酸基を有する重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、スルホ基を有する重合体の製造方法に関する。
スルホ基を有する重合体は、特許文献1又は特許文献2に記載のように、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質等として有用である。上記の重合体は、スルホン酸エステル基を有する重合体を脱エステル化してスルホン酸塩を有する重合体へと導き、次いで酸等で処理することによって得られる。
しかしながら、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載の通りにスルホン酸エステル基を有する重合体にハロゲン化合物を加えて脱エステル化反応させると、マス性状が悪化し、後処理の操作性が困難となる場合がある。
例えば、特許文献1では、臭化リチウム等を用いて脱エステル化する際に、反応混合物中に金属が含まれていると、反応マスがゲル化してしまうと記載されている。そのため、金属量を低減させるために濾過を実施しているが、製造工程が煩雑になるという問題点がある。
特許文献2では、特許文献1での問題点を克服するため、アミン塩又はアンモニウム塩といった脱エステル化剤を使用することで反応マスの性状を改善できることが報告されている。しかしながら、この方法では、脱エステル化剤の種類が限定されてしまう。また、特許文献3においても、脱エステル化剤の種類によっては、マス性状が好ましくない場合が見うけられた。
特開2006−233049号公報 特開2007−138065号公報 特開2007−270118号公報
本発明の目的は、スルホン酸エステル基を有する重合体を脱エステル化する際に、マス性状の悪化を抑制する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、スルホン酸エステル基を有する重合体の脱エステル化について鋭意研究を続けてきた。その結果、スルホン酸エステル基を有する重合体と水が含まれる混合物に、ハロゲン化合物を加えて脱エステル化反応させると、マス性状の悪化を抑制し、且つ様々なハロゲン化合物を用いてスルホン酸基を有する重合体を製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は
式(1−1)
Figure 2009079214
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わす。)
で示されるスルホン酸エステル基を有する重合体とハロゲン化合物とを、該スルホン酸エステル基を有する重合体中のスルホン酸エステル基に対して5モル倍以上の水、及び溶媒の存在下に、脱エステル化反応させ、次いで、酸処理することを特徴とする式(1−2)
Figure 2009079214

で示されるスルホ基を有する重合体の製造方法
を提供するものである。
本発明によれば、スルホン酸エステル基を有する重合体を脱エステル化する際に、マス性状の悪化を抑制することが出来る。また、種々の脱エステル化剤の使用が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、式(1−1)
Figure 2009079214
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わす。)
で示されるスルホン酸エステル基を有する重合体について説明する。
は、炭素数1〜20のアルキル基を表わし、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、好ましくは2,2−ジメチルプロピル基である。
スルホン酸エステル基を有する重合体としては、上記式(1−1)で示されるスルホン酸エステル基を有する重合体であれば特に限定はされないが、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを含む重合体が好ましく、下記で述べる式(2)、式(3)又は式(4)で示される繰り返し単位を含むポリアリーレンを1種以上含む重合体が、より好ましく、式(2)又は式(3)で示される繰り返し単位を含むポリアリーレンが特に好ましい。
式(2)、式(3)又は式(4)で示される繰り返し単位を含むポリアリーレンには、下記に記載の式(5)で示されるセグメントが含まれていても良い。
次に、式(2)
Figure 2009079214
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わし、Rは、同一又は相異なり、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。mは、1又は2を表わし、kは、4−mを表わす。)
で示される繰り返し単位;
式(3)
Figure 2009079214


(式中、R及びRは前記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位;
式(4)
Figure 2009079214
(式中、Aは2価の電子吸引性の基を表わす。R、R、及びmは前記と同一の意味を表わし、lは5−mを表わす。)
で示される繰り返し単位;及び
式(5)
Figure 2009079214
(式中、a、b及びcは、同一又は相異なって、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は相異なって、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。
及びYは、同一又は相異なって、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
及びZは、同一又は相異なって、酸素原子又は硫黄原子を表わす。)
で示されるセグメントについて説明する。
上記式において、Rは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。
ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
炭素数2〜20のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族もしくは芳香族アシル基が挙げられる。
かかる炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよく、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。R2は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、結合位置が隣接する2つのR2が結合して環を形成していてもよい。
Aは2価の電子吸引性の基であり、例えば、−CO−、−CONH−、−(CF)p−(ここでpは1〜10の整数である)、−C(CF−、−COO−、−SO−、−SO−などが挙げられる。なお、電子吸引性の基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
a、b及びcは、互いに独立に0又は1を表わす。nは5以上の整数を表わし、通常、5〜200の範囲である。
本発明の重合体を固体高分子型燃料電池用の高分子電解質等として用いる場合、重合体は、スルホン酸成膜性や膜強度、耐久性などの点で、nは、10以上が好ましい。また、式(3)で示されるセグメントの数平均分子量が3000以上であることが好ましい。
Ar、Ar、Ar及びArは、互いに独立に2価の芳香族基を表わす。2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン等の2価の単環性芳香族基、1,3−ナフタレンジイル、1,4−ナフタレンジイル、1,5−ナフタレンジイル、1,6−ナフタレンジイル、1,7−ナフタレンジイル、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル等の2価の縮環系芳香族基、ピリジンジイル、キノキサリンジイル、チオフェンジイル等のヘテロ芳香族基等が挙げられる。好ましくは2価の単環性芳香族基である。
また、Ar、Ar、Ar及びArは、フッ素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又はアシル基で置換されていても良い。
ここで、置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、ノニル等の炭素数1〜10のアルキル基、及びこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換したアルキル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ等の炭素数1〜10のアルコキシ基、及びこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換したアルコキシ基等が挙げられる。
置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール基、及びこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換したアリール基等が挙げられる。
置換されていてもよいアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等の炭素数6〜10のアリールオキシ基、及びこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換したアリールオキシ基等が挙げられる。
置換されていてもよいアシル基としては、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等の炭素数2〜20のアシル基、及びこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換したアシル基が挙げられる。
Y及びY’は、互いに独立に、直接結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−又は−C(CF32−を表わす。また、Z及びZ’は、互いに独立に−O−又は−S−を表わす。
かかる繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)を含むポリアリーレンは、通常、該繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)が少なくとも2個連続している。
繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)を含むポリアリーレンは、繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)以外の繰り返し単位やセグメントを含んでいてもよい。繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)とセグメント(5)とを含むポリアリーレンは、繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)とセグメント(5)のみからなるポリアリーレンであってもよいし、繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)とセグメント(5)に加えて、繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)とセグメント(5)以外の繰り返し単位やセグメントを含んでいてもよい。
これらポリアリーレンのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000である。これらポリアリーレンを固体高分子型燃料電池用の高分子電解質として用いる場合の好ましいポリスチレン換算の重量平均分子量は、2,000〜1,000,000であり、より好ましくは3,000〜800,000である。
繰り返し単位(2)の具体例としては、例えば、下記式(2a)〜(2c)で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2009079214
繰り返し単位(3)の具体例としては、例えば、下記式(3a)〜(3c)で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2009079214
繰り返し単位(4)の具体例としては、例えば、下記式(4a)〜(4c)で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2009079214
セグメント(5)の具体例としては、例えば、下記式(5a)〜(5y)で示されるセグメントが挙げられる。なお、下記式中、nは前記と同一の意味を表わし、nは5以上が好ましく、より好ましくは10以上である。かかるセグメント(5)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常2,000以上であり、好ましくは3,000以上である。
Figure 2009079214
Figure 2009079214
Figure 2009079214
Figure 2009079214
Figure 2009079214
Figure 2009079214
Figure 2009079214
繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)とセグメント(5)とを含むポリアリーレンとしては、例えば、前記式(2a)〜(2c)又は式(3a)〜(3c)又は式(4a)〜(4c)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(5a)〜(5y)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含むポリアリーレンが挙げられる。具体的には、下記(I)〜(III)で示されるポリアリーレンが挙げられる。ここで、下記式中、nは前記と同一の意味を表わし、pは2以上の整数を表わす。
Figure 2009079214
繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)とセグメント(5)とを含むポリアリーレン中の繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)の量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、30重量%以上、90重量%以下がより好ましい。繰り返し単位(2)又は(3)又は(4)とセグメント(5)とを含むポリアリーレン中のセグメント(5)の量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、10重量%以上、70重量%以下がより好ましい。
かかるポリアリーレンは、例えば、特開2007−270118号公報、特開2007−284653号公報、特開2007−138065号公報等に記載の方法に準じて製造できる。
次に、式(1−2)で示されるスルホ基を有する重合体の製造方法について説明する。
かかる重合体は、式(1−1)で示されるスルホン酸エステル基を有する重合体と水が含まれる混合物に、ハロゲン化合物を加えて脱エステル化して酸処理することで製造できる。
反応に使用される式(1−1)で示されるスルホン酸エステル基を有する重合体は、重合後の混合物をそのまま用いても良いし、重合後に析出させた固体を濾過等で単離して用いても良い。
ハロゲン化合物としては、具体的には、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム等のハロゲン化アルカリ金属、沃化アンモニウム、臭化トリエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化フェニルアンモニウム等のアンモニウム化合物、ピリジン塩酸塩、ピロール臭化水素塩等の複素環アミン塩が例示され、より好ましくはハロゲン化アルカリ金属である。
使用されるハロゲン化合物の量は、スルホン酸エステル基を有する重合体中の−SOで示されるスルホン酸ユニット1モルに対して、通常1モル以上であればよく、その上限は特に限定されない。
反応は、反応溶媒の存在下に、スルホン酸エステル基を有する重合体とハロゲン化合物とを混合することにより実施される。
反応溶媒としては、スルホン酸エステル基を有する重合体を溶解し得る溶媒であればよい。具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。
かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、非プロトン性極性溶媒が好ましく、N,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。
溶媒の使用量は、少ないと反応混合物の性状が悪くなりやすく、多すぎると後処理時の操作性が悪くなりやすいため、スルホン酸エステルを有する重合体に対して、通常5〜200重量倍、好ましくは10〜50重量倍である。
上記の反応混合物中には、所定量の水が含まれており、水量としては、使用する重合体の種類や分子量等によって好適な条件が異なるが、通常、スルホン酸エステル基を有する重合体中の−SOで示されるスルホン酸ユニット1モルに対して5〜300モル倍であり、好ましくは15〜100モル倍である。水の添加量が少ないと、マス性状が悪化して後処理操作が困難になることがあり、水の添加量が多すぎると、貧溶媒として働くことによりスルホン酸エステル基を有する重合体が溶解しないことがある。
上記の水量であっても、反応溶媒との比率次第では重合体が溶解し難いことがあるために、水量は反応溶媒に対して3〜30重量%の範囲内であることが好ましい。
反応温度は、通常0〜250℃、好ましくは100〜160℃である。反応時間は、通常1〜48時間である。
反応の進行は、NMR、IR等により確認することができる。
反応終了後、反応混合物を酸処理し、濾過することにより、式(1−2)で示されるスルホ基を有する重合体を取り出すことができる。
酸処理は、通常反応混合物と酸を混合することにより実施される。酸としては、例えば、塩酸、硫酸等が挙げられる。酸の使用量は、反応混合物を酸性化するに必要な量であればよい。かくして得られる式(1−2)で示されるスルホ基を有する重合体のイオン交換容量(滴定法により測定)は、通常0.5〜6.5meq/gである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
得られた重合体を、ゲル浸透クロマトグラフィ(以下、GPCと略記する。)により分析(分析条件は下記のとおり)し、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
<分析条件>
GPC測定装置:CTO−10A(株式会社島津製作所製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルアセトアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
[製造例1]
無水臭化ニッケル0.13gと2,2’−ビピリジン0.11gと下記式
Figure 2009079214
で示されるスミカエクセルPES 5200P(住友化学株式会社製;Mw=94,000、Mn=40,000:上記分析条件で測定)0.86gにN,N−ジメチルアセトアミド38.08gを加え、内温50℃に調整した。これに、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)1.61gを加え、次に亜鉛粉末0.34gを加え、1時間撹拌した。次に内温60℃に調整した後、さらに2時間撹拌し、下記
Figure 2009079214
で示される繰り返し単位と下記
Figure 2009079214
で示されるセグメントとを含むポリアリーレンを含む反応混合物を得た。ポリアリーレンのMwは279,000、Mnは78,000であった。
[製造例2]
製造例1と同様の方法で得られた反応混合物を6mol/L塩酸80g中に加え、析出した固体を濾過し、水、メタノールで洗浄し、乾燥した。灰白色ポリアリーレン2.05gを得た。
[製造例3]
無水塩化ニッケル16.4gとジメチルスルホキシド225.0gとを混合し、内温70℃に調整した。50℃に冷却後、2,2’−ビピリジン21.8gを加え、同温度で10分撹拌し、ニッケル含有溶液を調製した。
2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)15.0gと製造例1に記載のスミカエクセルPES 5200P(住友化学株式会社製;Mw=94,000、Mn=40,000:上記分析条件で測定)5.06gとを、ジメチルスルホキシド165.45gに溶解させて得られた溶液に、亜鉛粉末12.4gを加え、50℃に調整した。これに、前記ニッケル含有溶液を注ぎ込み、その後70℃で2時間重合反応を行った。反応混合物を水600g中に加え、析出物を濾別した。析出物を25%硝酸水溶液、水、メタノールで洗浄後、乾燥し、灰白色の下記
Figure 2009079214
で示される繰り返し単位と下記
Figure 2009079214
で示されるセグメントとを含むポリアリーレン16.4gを得た。収率:99%。Mw=202,000、Mn=44,000。
[製造例4]
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド0.39gとトリフェニルホスフィン2.10gと沃化ナトリウム0.090gと亜鉛粉末3.14gと3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)7.89gと下記式
Figure 2009079214
で示されるオリゴマー(特開2003−113136の実施例8に記載の方法で製造)3.74gとN−メチル−2−ピロリドン25.80mlを混合し、70℃に昇温した。その状態で3時間撹拌し、下記
Figure 2009079214
で示される繰り返し単位と下記
Figure 2009079214
で示されるセグメントとを含むポリアリーレンを含む反応混合物を得た。ポリアリーレンのMwは170,000、Mnは57,000であった。
[実施例1]
製造例1で得られた反応混合物(スルホン酸エステル基:6.1mmol)に臭化リチウム・1水和物1.80g(18.2mmol)と水2.54g(141.1mmol)を加え、120℃で12時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、6mol/L塩酸117g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体をメタノール、熱水で洗浄した後、乾燥し、褐色の下記
Figure 2009079214
で示される繰り返し単位と下記
Figure 2009079214
で示されるセグメントを含むポリアリーレン1.05gを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。得られたポリアリーレンのイオン交換容量(滴定法により測定)は、2.56meq/gであった。
[実施例2]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン0.57g(スルホン酸エステル基:1.9mmol)に臭化リチウム・1水和物0.56g(5.6mmol)と水0.80g(44.4mmol)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド6.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、6mol/L塩酸25g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を、直径40mmの濾紙を用いて減圧濾過(50mmHg)により分離した(濾過時間は12秒)。分離した固体をメタノール、熱水で洗浄した後、乾燥し、褐色のポリアリーレン0.30gを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。得られたポリアリーレンのイオン交換容量(滴定法により測定)は、2.60meq/gであった。
[実施例3]
製造例1及び2と同様の操作で得られた灰白色ポリアリーレン11.5g(スルホン酸エステル基:37.7mmol)に臭化リチウム無水物7.7g(95.1mmol)と水17.2g(955.5mmol)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド196gに溶解させ、120℃で9時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、6mol/L塩酸575g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体をメタノールと36重量%塩酸の混合液(重量比1対1)で洗浄後、水、熱水で洗浄した後、乾燥し、薄褐色固体7.7gを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。得られたポリアリーレンのイオン交換容量(滴定法により測定)は、2.38meq/g、金属含量 Ni 1ppm以下、Zn 2ppm、Li 3ppmであった。
[実施例4]
製造例3で得られた灰白色ポリアリーレン1.00g(スルホン酸エステル基:2.68mmol)に無水臭化ナトリウム0.55g(5.35mmol)と水3.00g(166.7mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン15.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、6mol/L塩酸34g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体をメタノール、熱水で洗浄した後、乾燥し、褐色の下記
Figure 2009079214
で示される繰り返し単位と下記
Figure 2009079214
で示されるセグメントを含むポリアリーレン0.62gを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。
[実施例5]
製造例4で得られた反応混合物(スルホン酸エステル基:19.67mmol)にN−メチル−2−ピロリドン50.0gを加えて希釈し、臭化リチウム・1水和物4.12g(39.3mmol)と水9.0g(500.0mmol)を加え、120℃で12時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、10%硫酸250g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体をメタノール、水で洗浄した後、乾燥し、褐色の下記
Figure 2009079214
で示される繰り返し単位と下記
Figure 2009079214
で示されるセグメントを含むポリアリーレン1.05gを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。
[実施例6]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン1.00g(スルホン酸エステル基:3.2mmol)にピリジン塩酸塩1.10g(9.5mmol)と水1.20g(66.7mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン10.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、6mol/L塩酸40g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体をメタノール、熱水で洗浄した後、乾燥し、褐色のポリアリーレンを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。
[実施例7]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン0.20g(スルホン酸エステル基:0.67mmol)に臭化アンモニウム0.13g(1.32mmol)と水0.35g(19.4mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン3.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、6mol/L塩酸15g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体をメタノール、熱水で洗浄した後、乾燥し、褐色のポリアリーレンを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。
[実施例8]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン0.20g(スルホン酸エステル基:0.67mmol)に塩化テトラメチルアンモニウム0.14g(1.28mmol)と水0.35g(19.4mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン3.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌し、均一溶液を得た。得られた反応混合物を、6mol/L塩酸15g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体をメタノール、熱水で洗浄した後、乾燥し、褐色のポリアリーレンを得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。
[比較例1]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン0.679g(スルホン酸エステル基:2.2mmol)に臭化リチウム・1水和物0.67g(6.8mmol)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド7.2gに溶解させ、120℃で8時間撹拌したところ、ポリマーが析出して溶液が懸濁した。そのまま反応混合物を、6mol/L塩酸25g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を、直径40mmの濾紙を用いて減圧濾過(50mmHg)により分離したところ、非常に細かい性状で濾過性が非常に悪かった(濾過時間は45分)。以上のことから、実施例1及び実施例2に記載の通り、水を添加したことによりマス性状を改善できる方法が優れていると分かる。
[比較例2]
製造例3で得られた灰白色ポリアリーレン1.00g(スルホン酸エステル基:5.36mmol)に無水臭化ナトリウム1.11g(10.7mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン33.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌したところ、反応マスがゲル化し、撹拌不能となった。反応混合物を6mol/L塩酸中に注ぎ込むことができず、ポリマーを単離することができなかった。以上のことから、実施例4に記載の通り、水を添加したことによりマス性状を改善できる方法が優れていると分かる。
[比較例3]
製造例4で得られた反応混合物(スルホン酸エステル基:19.67mmol)にN−メチル−2−ピロリドン50.0gを加えて希釈し、臭化リチウム・1水和物4.12g(39.3mmol)を加え、120℃で12時間撹拌したところ、反応マスがゲル化し、撹拌不能となり、ポリマーを単離することができなかった。以上のことから、実施例5に記載の通り、水を添加したことによりマス性状を改善できる方法が優れていると分かる。
[比較例4]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン1.00g(スルホン酸エステル基:3.2mmol)にピリジン塩酸塩1.10g(9.5mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン10.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌したところ、ポリマーが析出して溶液が懸濁した。そのまま反応混合物を、6mol/L塩酸25g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出したポリマーは、非常に細かい性状で、濾過性が非常に悪かった。以上のことから、実施例6に記載の通り、水を添加したことによりマス性状を改善できる方法が優れていると分かる。
[比較例5]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン0.20g(スルホン酸エステル基:0.67mmol)に臭化アンモニウム0.13g(1.32mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン3.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌したところ、ポリマーが析出して溶液が懸濁した。そのまま反応混合物を、6mol/L塩酸25g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出したポリマーは、非常に細かい性状で、濾過性が非常に悪かった。以上のことから、実施例7に記載の通り、水を添加したことによりマス性状を改善できる方法が優れていると分かる。
[比較例6]
製造例2で得られた灰白色ポリアリーレン0.20g(スルホン酸エステル基:0.67mmol)に塩化テトラメチルアンモニウム0.14g(1.28mmol)を加え、N−メチル−2−ピロリドン3.0gに溶解させ、120℃で8時間撹拌したところ、ポリマーが析出して溶液が懸濁した。そのまま反応混合物を、6mol/L塩酸25g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出したポリマーは、非常に細かい性状で、濾過性が非常に悪かった。以上のことから、実施例8に記載の通り、水を添加したことによりマス性状を改善できる方法が優れていると分かる。

Claims (14)

  1. 式(1−1)
    Figure 2009079214
    (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わす。)
    で示されるスルホン酸エステル基を有する重合体とハロゲン化合物とを、該スルホン酸エステル基を有する重合体中のスルホン酸エステル基に対して5モル倍以上の水、及び溶媒の存在下に、脱エステル化反応させ、次いで、酸処理することを特徴とする式(1−2)

    Figure 2009079214
    で示されるスルホ基を有する重合体の製造方法。
  2. スルホン酸エステル基を有する重合体が、ポリアリーレンを含む重合体である請求項1に記載の製造方法。
  3. スルホン酸エステル基を有する重合体が、式(2)
    Figure 2009079214
    (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わし、Rは、同一又は相異なり、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。mは、1又は2を表わし、kは、4−mを表わす。)
    で示される繰り返し単位を含む重合体である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. スルホン酸エステル基を有する重合体が、式(3)
    Figure 2009079214
    (式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表わし、Rは、請求項2に記載の式(2)で定義したものと同一の意味を表わす。)
    で示される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. スルホン酸エステル基を有する重合体が、式(4)
    Figure 2009079214
    (式中、Aは2価の電子吸引性の基を表わす。Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表わし、Rは、請求項2に記載の式(2)で定義したものと同一の意味を表わし、mは、1又は2を表わし、lは5−mを表わす。)
    で示される繰り返し単位を含む重合体である請求項1又は2に記載の製造方法。
  6. スルホン酸エステル基を有する重合体が、請求項3に記載の式(2)で示される繰り返し単位と式(5)
    Figure 2009079214
    (式中、a、b及びcは、同一又は相異なって、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は相異なって、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
    及びYは、同一又は相異なって、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
    及びZは、同一又は相異なって、酸素原子又は硫黄原子を表わす。)
    で示されるセグメントとを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  7. スルホン酸エステル基を有する重合体が、請求項4に記載の式(3)で示される繰り返し単位と請求項6に記載の式(5)で示されるセグメントとを含む重合体である請求項1又は2に記載の製造方法。
  8. スルホン酸エステル基を有する重合体が、請求項5に記載の式(4)で示される繰り返し単位と請求項6に記載の式(5)で示されるセグメントとを含む重合体である請求項1又は2に記載の製造方法。
  9. ハロゲン化合物が、ハロゲン化アルカリ金属である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. ハロゲン化合物が、臭化リチウムである請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 溶媒が、非プロトン性極性溶媒である請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 請求項1に記載の水量が、スルホン酸エステル基を有する重合体中のスルホン酸エステル基に対して15〜100モル倍である請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 請求項1に記載の水量が、溶媒に対して3〜30重量%である請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  14. が2,2−ジメチルプロピル基である請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
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