JP2011126920A - ポリアリーレンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも分子量の小さい芳香族ジハライド重合体と、イオン交換基又は保護されたイオン交換基を有する芳香族ジハライド化合物とを重合しても、従来のポリアリーレンと同等以上の分子量を有するポリアリーレンを製造する方法が求められていた。
【解決手段】下記第2工程を有することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
第2工程:遷移金属錯体存在下、式(1)
(式中、Ar1は、1つ以上のイオン交換基を有する2価の芳香族基を表わす。
Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド化合物と、
式(2)
(式中、Xは前記と同様の意味を表わす。a、b及びcは、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、2価の芳香族基を表わす。Z1及びZ2は、酸素又は硫黄原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド重合体と、
を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程。
【選択図】なし
【解決手段】下記第2工程を有することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
第2工程:遷移金属錯体存在下、式(1)
(式中、Ar1は、1つ以上のイオン交換基を有する2価の芳香族基を表わす。
Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド化合物と、
式(2)
(式中、Xは前記と同様の意味を表わす。a、b及びcは、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、2価の芳香族基を表わす。Z1及びZ2は、酸素又は硫黄原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド重合体と、
を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアリーレンの製造方法等に関する。
芳香族ジハライド重合体とイオン交換基又は保護されたイオン交換基芳香族ジハライド化合物とからなるポリアリーレンは、機械的特性及びイオン交換容量に優れた固体高分子型燃料電池用の高分子電解質膜を与えることが知られている。
該ポリアリーレンの製造方法としては、例えば、芳香族ジハライド重合体として両末端に塩素原子を有する重量平均分子量94,000のポリエーテルスルホンと、保護されたイオン交換基を有する芳香族ジハライド化合物として4,4’-ジハロビフェニル-2,2’-ジスルホン酸ジエステルとを遷移金属錯体存在下、60〜120℃で重合させて、重量平均分子量が118,000〜488,000のポリアリーレンを製造する方法が特許文献1に具体的に記載されている。
該ポリアリーレンの製造方法としては、例えば、芳香族ジハライド重合体として両末端に塩素原子を有する重量平均分子量94,000のポリエーテルスルホンと、保護されたイオン交換基を有する芳香族ジハライド化合物として4,4’-ジハロビフェニル-2,2’-ジスルホン酸ジエステルとを遷移金属錯体存在下、60〜120℃で重合させて、重量平均分子量が118,000〜488,000のポリアリーレンを製造する方法が特許文献1に具体的に記載されている。
従来よりも分子量の小さい芳香族ジハライド重合体と、イオン交換基又は保護されたイオン交換基を有する芳香族ジハライド化合物とを重合しても、従来のポリアリーレンと同等以上の分子量を有するポリアリーレンを製造する方法が求められていた。
このような状況下、より分子量の小さい芳香族ジハライド重合体とイオン交換基又は保護されたイオン交換基を有する芳香族ジハライド化合物とを重合して得られるポリアリーレンの製造方法について、鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。すなわち、本発明は、
<1> 下記第2工程を有することを特徴とするポリアリーレンの製造方法;
第2工程:遷移金属錯体存在下、式(1)
(式中、Ar1は、イオン交換基及び保護されたイオン交換基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する2価の芳香族基を表わす。
ここで、2価の芳香族基は、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基;
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド化合物と、
式(2)
(式中、Xは前記と同様の意味を表わす。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Y1及びY2は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。Z1及びZ2は、それぞれ独立に、酸素又は硫黄原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド重合体と、
を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程。
<1> 下記第2工程を有することを特徴とするポリアリーレンの製造方法;
第2工程:遷移金属錯体存在下、式(1)
(式中、Ar1は、イオン交換基及び保護されたイオン交換基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する2価の芳香族基を表わす。
ここで、2価の芳香族基は、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基;
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド化合物と、
式(2)
(式中、Xは前記と同様の意味を表わす。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Y1及びY2は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。Z1及びZ2は、それぞれ独立に、酸素又は硫黄原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド重合体と、
を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程。
<2> 遷移金属錯体が下記第1工程によって調製された遷移金属錯体であることを特徴とする<1>記載の製造方法;
第1工程:遷移金属化合物及び配位子を混合する工程。
<3> 式(1)で示される芳香族ジハライド化合物が、式(3)
(式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基と結合したアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、該炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。kは0〜3の整数を表わす。)
で示されるジハロビフェニル化合物であることを特徴とする<1>又は<2>記載の製造方法;
第1工程:遷移金属化合物及び配位子を混合する工程。
<3> 式(1)で示される芳香族ジハライド化合物が、式(3)
(式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基と結合したアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、該炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。kは0〜3の整数を表わす。)
で示されるジハロビフェニル化合物であることを特徴とする<1>又は<2>記載の製造方法;
<4> イオン交換基及び保護されたイオン交換基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基が、スルホ基、若しくはその塩、炭素数1〜6のアルコキシスルホニル基、又は-SO3NR'R"(ここでR'及びR"は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。該炭化水素基はアミノ基に含まれる窒素原子とともに環状構造を有していてもよい。)であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか記載の製造方法;
<5> 式(2)で示される芳香族ジハライド重合体の重量平均分子量が、5,000〜50,000であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<6> 第2工程が、遷移金属錯体、式(1)で示される芳香族ジハライド化合物、式(2)で示される芳香族ジハライド重合体及び亜鉛を含む混合物を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<5> 式(2)で示される芳香族ジハライド重合体の重量平均分子量が、5,000〜50,000であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<6> 第2工程が、遷移金属錯体、式(1)で示される芳香族ジハライド化合物、式(2)で示される芳香族ジハライド重合体及び亜鉛を含む混合物を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<7> 遷移金属化合物がニッケル化合物であり、配位子が含窒素2座配位子であることを特徴とする<2>〜<6>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
<8> 第1工程における調製温度が、50〜120℃であることを特徴とする<2>〜<7>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
等である。
<8> 第1工程における調製温度が、50〜120℃であることを特徴とする<2>〜<7>のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法;
等である。
本発明の製造方法によれば、従来よりも分子量の小さい芳香族ジハライド重合体と、イオン交換基又は保護されたイオン交換基を有する芳香族ジハライド化合物とを重合しても、従来のポリアリーレンと同等程度以上の分子量を有するポリアリーレンを提供することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、遷移金属錯体存在下、前記式(1)で示される芳香族ジハライド化合物と、前記式(2)で示される芳香族ジハライド重合体とを15〜40℃の温度範囲で重合させる第2工程を有することを特徴とするポリアリーレンの製造方法である。
ここで、遷移金属錯体とは、ニッケル化合物などの遷移金属化合物及び配位子を含むものである。
本発明は、遷移金属錯体存在下、前記式(1)で示される芳香族ジハライド化合物と、前記式(2)で示される芳香族ジハライド重合体とを15〜40℃の温度範囲で重合させる第2工程を有することを特徴とするポリアリーレンの製造方法である。
ここで、遷移金属錯体とは、ニッケル化合物などの遷移金属化合物及び配位子を含むものである。
ニッケル化合物としては、例えば、ハロゲン化ニッケル(例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等)、ニッケルカルボン酸塩(例えば、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等)、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等の2価のニッケル化合物、例えば、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル化合物等の0価のニッケル化合物などが挙げられる。ニッケル化合物としては、2価のニッケル化合物が好ましく、中でも、ハロゲン化ニッケルが好ましい。
配位子としては、例えば、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素二座配位子、例えば、シクロオクタジエン、エチレン、トリフェニルホスフィン等を挙げることができ、好ましくは、例えば、含窒素二座配位子等が挙げられ、より好ましくは、2,2’−ビピリジンである。
配位子の使用量は、含窒素二座配位子を例として説明すると、ニッケル化合物に含まれるニッケル原子1モルに対して、例えば、0.2〜2モルの範囲等を挙げることが、好ましくは1〜1.5モルの範囲等が挙げられる。
配位子の使用量は、含窒素二座配位子を例として説明すると、ニッケル化合物に含まれるニッケル原子1モルに対して、例えば、0.2〜2モルの範囲等を挙げることが、好ましくは1〜1.5モルの範囲等が挙げられる。
遷移金属錯体を調製する際には、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、得られるニッケル化合物を溶解し得る溶媒であり、好ましくは、後述する第2工程で用いられる溶媒と同一のものが好ましい。具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等を挙げることができる。
かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
好ましい溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非プロトン性極性溶媒等を挙げることができ、より好ましくは、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
溶媒の使用量は、ニッケル化合物に対して、例えば、5〜200重量倍の範囲等を挙げることができる。
かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
好ましい溶媒としては、例えば、エーテル溶媒、非プロトン性極性溶媒等を挙げることができ、より好ましくは、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
溶媒の使用量は、ニッケル化合物に対して、例えば、5〜200重量倍の範囲等を挙げることができる。
遷移金属錯体は、例えば、市販の遷移金属錯体をそのまま利用して第2工程に存在させてもよいし、例えば、ニッケル化合物など遷移金属化合物を溶媒とともに約40〜100℃程度に加熱溶解させた後に冷却させて、第2工程の溶液に共存させ、別途、第2工程において配位子も共存させ、得られた第2工程の溶液中で遷移金属錯体を生成させてもよいし、例えば、遷移金属化合物及び配位子を混合して、遷移金属錯体を調製する工程(以下、第1工程と記すことがある)を経由して得られた混合物を第2工程に存在させてもよい。好ましくは、第1工程によって調製された遷移金属錯体である。以下、第1工程について説明する。
第1工程における混合温度としては、例えば、50〜120℃の温度範囲等を挙げることができ、好ましくは、60〜80℃の温度範囲等が挙げられる。
第1工程は、遷移金属化合物及び配位子が溶解するまで行うことが好ましく、具体的には、混合温度によっても異なるが、例えば、1〜24時間の範囲等を挙げることができる。
第1工程で得られた遷移金属錯体を含む溶液は、後述する第2工程における重合温度が15〜40℃に維持できるように、さらに、冷却することが好ましい。
第1工程は、遷移金属化合物及び配位子が溶解するまで行うことが好ましく、具体的には、混合温度によっても異なるが、例えば、1〜24時間の範囲等を挙げることができる。
第1工程で得られた遷移金属錯体を含む溶液は、後述する第2工程における重合温度が15〜40℃に維持できるように、さらに、冷却することが好ましい。
次に、第2工程に用いられる前記式(1)で示される芳香族ジハライド化合物(以下、化合物(1)と記すことがある)について説明する。
化合物(1)に含まれるAr1は、イオン交換基及び保護されたイオン交換基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する2価の芳香族基を表わす。
化合物(1)に含まれるAr1は、イオン交換基及び保護されたイオン交換基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する2価の芳香族基を表わす。
イオン交換基とは、酸性条件下でプロトンを有する官能基を意味し、「保護されたイオン交換基」とは、該イオン交換基が保護基で保護されたものを意味する。保護基としては、例えば、炭素数2〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。該炭化水素基はアミノ基に含まれる窒素原子とともに環状構造を有していてもよい。
炭素数2〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、2,2−ジメチルプロピルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、n−ウンデシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基、n−トリデシルアミノ基、n−テトラデシルアミノ基、n−ペンタデシルアミノ基、n−ヘキサデシルアミノ基、n−ヘプタデシルアミノ基、n−オクタデシルアミノ基、n−ノナデシルアミノ基、n−イコシルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基等を挙げることができ、好ましくは、ジエチルアミノ基、n−ドデシルアミノ基等が挙げられる。
炭素数2〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、2,2−ジメチルプロピルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、n−ウンデシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基、n−トリデシルアミノ基、n−テトラデシルアミノ基、n−ペンタデシルアミノ基、n−ヘキサデシルアミノ基、n−ヘプタデシルアミノ基、n−オクタデシルアミノ基、n−ノナデシルアミノ基、n−イコシルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基等を挙げることができ、好ましくは、ジエチルアミノ基、n−ドデシルアミノ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数3〜20のアルコキシ基等を挙げることができる。好ましくは、例えば、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
イオン交換基としては、例えば、スルホ基(-SO3H)、カルボキシ基(-CO2H)、ホスホ基(-PO3H2)等を挙げることができる。保護されたイオン交換基としては、例えば、イオン交換基のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、例えば、-SO2CH3、-SO2C2H5、-SO2CH(CH3)2、-SO2CH2C(CH3)3等の炭素数1〜6のアルコキシ基でエステル化されたアルコキシスルホニル基、例えば、-CO2CH3、-CO2C2H5、-CO2CH(CH3)2、-CO2CH2C(CH3)3等の炭素数1〜6のアルコキシ基でエステル化されたアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基でエステル化されたアルコキシホスホニル基、-SO2NR'R"、-CONR'R"等(ここでR'及びR"は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。該炭化水素基はアミノ基に含まれる窒素原子とともに環状構造を有していてもよい。)を挙げることができる。
好ましいイオン交換基又は保護されたイオン交換基としては、例えば、スルホ基、スルホ基の塩、アルコキシスルホニル基、-SO2NR'R"等が挙げられ、より好ましくは、例えば、アルコキシスルホニル基等が挙げられる。
好ましいイオン交換基又は保護されたイオン交換基としては、例えば、スルホ基、スルホ基の塩、アルコキシスルホニル基、-SO2NR'R"等が挙げられ、より好ましくは、例えば、アルコキシスルホニル基等が挙げられる。
化合物(1)において、Ar1を構成する2価の芳香族基とは、フェニレン、ビフェニリレン、ナフチレン、フルオレンジイルなどの炭素数6〜20の炭化水素系芳香族基、または、例えば、ピリジンジイル、キノキサリンジイル、チオフェンジイルなどの前記炭化水素系芳香族基の炭素原子がヘテロ原子で置き換わったヘテロ芳香族基を意味し、好ましくは、炭化水素系芳香族基である。Ar1は上記の2価の芳香族基に含まれる水素原子の少なくとも1つがイオン交換基又は保護されたイオン交換基で置換されたものである。
Ar1は、重合に関与しない置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基等が挙げられる。該アルキル基は、さらに、前記に例示された置換基を有していてもよい。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
炭素数2〜20のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族もしくは芳香族アシル基が挙げられる。
化合物(1)としては、例えば、式(3)
(式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。kは0〜3の整数を表わす。)
で示されるジハロビフェニル化合物等を挙げることができる。
(式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。kは0〜3の整数を表わす。)
で示されるジハロビフェニル化合物等を挙げることができる。
式(3)で示されるジハロビフェニル化合物(以下、化合物(3)と記すことがある)としては、例えば、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、
が挙げられ、上記の例示において、「ジクロロ」は「ジブロモ」又は「ジヨード」であってもよい。
また、化合物(3)とは異なる化合物(1)の例示としては、上記の化合物(3)の例示における「ベンゼンスルホン酸」が「安息香酸」に置き換わった化合物等を挙げることができる。
が挙げられ、上記の例示において、「ジクロロ」は「ジブロモ」又は「ジヨード」であってもよい。
また、化合物(3)とは異なる化合物(1)の例示としては、上記の化合物(3)の例示における「ベンゼンスルホン酸」が「安息香酸」に置き換わった化合物等を挙げることができる。
好ましい化合物(3)としては、例えば、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、N,N−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジエチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−プロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−ブチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソブチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−オクチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−ドデシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−イコシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミドが挙げられ、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)等を挙げることができる。かかるジハロビフェニル化合物は、例えば、特開2007−270118号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
式(2)で示される芳香族ジハライド重合体とは、式(2)
(式中、Xは前記と同様の意味を表わす。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
Y1及びY2は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、酸素又は硫黄原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド重合体を意味する。以下、重合体(2)と記すことがある。
(式中、Xは前記と同様の意味を表わす。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
Y1及びY2は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、酸素又は硫黄原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド重合体を意味する。以下、重合体(2)と記すことがある。
式(2)における2価の芳香族基とは、イオン交換基及び保護されたイオン交換基をいずれも有さない2価の芳香族基であり、かかる2価の芳香族基としては、例えば、前記Ar1として例示された炭素数6〜20の炭化水素系芳香族基又は前記炭化水素系芳香族基の炭素原子がヘテロ原子で置き換わったヘテロ芳香族基を挙げることができる。
2価の芳香族基に置換してもよい基としては、イオン交換基及び保護されたイオン交換基以外の前記Ar1の置換基として例示されたものが同様に例示される。好ましい2価の芳香族基は、置換基を有しない2価の芳香族基である。
2価の芳香族基に置換してもよい基としては、イオン交換基及び保護されたイオン交換基以外の前記Ar1の置換基として例示されたものが同様に例示される。好ましい2価の芳香族基は、置換基を有しない2価の芳香族基である。
重合体(2)におけるポリスチレン換算の重量平均分子量としては、例えば、2,000〜200,000のものが挙げられ、好ましくは、3,000〜100,000のものが挙げられる。重量平均分子量が2000以上であると機械的強度に優れる傾向があることから好ましく、重量平均分子量が200,000以下であるとイオン交換容量が増大する傾向があることから好ましい。
ここでイオン交換容量とは、本ポリアリーレン1gあたりのイオン交換基の当量数を意味し、すなわち、イオン交換容量が大きいと、本ポリアリーレンに含まれるイオン交換基が多いことを意味する。
ここでイオン交換容量とは、本ポリアリーレン1gあたりのイオン交換基の当量数を意味し、すなわち、イオン交換容量が大きいと、本ポリアリーレンに含まれるイオン交換基が多いことを意味する。
本発明の製造方法は50,000よりもポリスチレン換算の重量平均分子量が大きい重合体(2)であってもポリアリーレンの製造は可能であるが、重合体(2)の重量平均分子量が、5,000〜50,000の範囲であると、化合物(1)に由来する構造単位と重合体(2)に由来する構造単位を含むポリアリーレン(以下、本ポリアリーレンと記すことがある)のイオン交換容量が大きいことから好ましい。
重合体(2)としては、例えば、下記に示す重合体及び下記に示す重合体の両末端の塩素原子が臭素原子に置き換わった重合体等が挙げられる。ここで、nとしては、例えば、5〜200を挙げることができ、好ましくは、5〜100である。
重合体(2)の製造方法としては、例えば、日本国特許第2745727号公報等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセルPES(登録商標)等が挙げられる。
第2工程においては、還元剤存在下で重合することが好ましい。
還元剤としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、水素化ナトリウム、リチウムアルミニウムヒドリドなどが挙げられ、好ましくは亜鉛である。亜鉛は、例えば、粉末状のものが用いられる。亜鉛を用いる場合の使用量は、化合物(1)1モルに対して、例えば、1〜10モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは、1〜5モルの範囲等が挙げられる。
還元剤としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、水素化ナトリウム、リチウムアルミニウムヒドリドなどが挙げられ、好ましくは亜鉛である。亜鉛は、例えば、粉末状のものが用いられる。亜鉛を用いる場合の使用量は、化合物(1)1モルに対して、例えば、1〜10モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは、1〜5モルの範囲等が挙げられる。
第2工程で用いられる溶媒は、前記第1工程で用いられた溶媒と同様のものが例示され、好ましくは、例えば、エーテル溶媒、非プロトン性極性溶媒等を挙げることができ、より好ましくは、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(1)に対して、例えば、1〜200重量倍の範囲等を挙げることができ、好ましくは5〜100重量倍の範囲等が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(1)に対して、例えば、1〜200重量倍の範囲等を挙げることができ、好ましくは5〜100重量倍の範囲等が挙げられる。
第2工程における重合は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
第2工程における重合温度は、15〜40℃の範囲である。好ましくは、15〜35℃の範囲、より好ましくは15〜30℃の範囲、とりわけより好ましくは15〜25℃の範囲である。重合温度が15℃以上であると、得られるポリアリーレンの分子量が増大する傾向があり、結果として、得られるポリアリーレンのイオン交換容量が増大する傾向があることから好ましい。重合温度が40℃以下であると、化合物(1)同士の単独重合を抑制する傾向があり、結果として、得られるポリアリーレンのイオン交換容量が増大する傾向があることから好ましい。
重合時間は、例えば、1〜48時間の範囲等を挙げることができる。
第2工程における重合温度は、15〜40℃の範囲である。好ましくは、15〜35℃の範囲、より好ましくは15〜30℃の範囲、とりわけより好ましくは15〜25℃の範囲である。重合温度が15℃以上であると、得られるポリアリーレンの分子量が増大する傾向があり、結果として、得られるポリアリーレンのイオン交換容量が増大する傾向があることから好ましい。重合温度が40℃以下であると、化合物(1)同士の単独重合を抑制する傾向があり、結果として、得られるポリアリーレンのイオン交換容量が増大する傾向があることから好ましい。
重合時間は、例えば、1〜48時間の範囲等を挙げることができる。
第2工程の反応溶液には、第1工程で用いられた遷移金属錯体1モルに対して、0.2〜20モルの範囲で水を含有することが好ましい。具体的には、第2工程の反応溶液の水分が上記範囲になるように第1工程及び/又は第2工程において水を混合する。
水が0.2モル以上であると、重合速度を低減して重合反応の制御が容易となる傾向があり、20モル以下であると得られる本ポリアリーレンの分子量が向上する傾向があることから好ましい。
水が0.2モル以上であると、重合速度を低減して重合反応の制御が容易となる傾向があり、20モル以下であると得られる本ポリアリーレンの分子量が向上する傾向があることから好ましい。
第2工程で得られた重合溶液に含まれる本ポリアリーレンについて、化合物(1)に由来する構造単位に含まれる保護されたイオン交換基をイオン交換基に変換するために、例えば、加水分解などで脱保護を特許文献1に準じて行う。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液と、第2工程で得られた重合溶液とを0〜250℃、好ましくは40〜120℃で、約1〜150時間、混合し、次いで、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸で中和する方法;例えば、臭化リチウム、ヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物、又は、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等のハロゲン化第4級アンモニウムと、水と、第2工程で得られた重合溶液とを0〜250℃℃、好ましくは40〜120℃で、約1〜150時間、混合し、次いで、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸で中和する方法;例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸の水溶液と、第2工程で得られた重合溶液とを0〜120℃で、約1〜150時間、混合する方法等が挙げられる。
上記方法により、本ポリアリーレンは固体として取り出すことができ、副生する化合物(1)同士の単独重合体は液体として除去することができる。
上記方法により、本ポリアリーレンは固体として取り出すことができ、副生する化合物(1)同士の単独重合体は液体として除去することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
得られたポリアリーレンについて、<分析条件>の項で示した条件でゲル浸透クロマトグラフィにより分析し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
また、イオン交換容量は、
<分析条件>
測定装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm3)
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
得られたポリアリーレンについて、<分析条件>の項で示した条件でゲル浸透クロマトグラフィにより分析し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
また、イオン交換容量は、
<分析条件>
測定装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm3)
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
[実施例1]
(第1工程)
窒素雰囲気下、無水臭化ニッケル1.45gと2,2’−ビピリジン1.55gとN−メチル−2−ピロリドン129.2gとを混合し、65℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、水分含量が1519ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して1.7モル)となるように水を添加した。
(第2工程)
重合体(2)として下記式
で示されるスミカエクセルPES 3600P(住友化学株式会社製;Mw=37,000、Mn=22,000)10.68gを用い、亜鉛粉末2.60g及びN−メチル−2−ピロリドン124.3gと混合し、80℃に調整した。メタンスルホン酸72mgとN−メチル−2−ピロリドン4.7gからなる溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、化合物(1)として、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)を17.35g加えた。得られた溶液の水分含量は573ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して0.8モル)であった。窒素雰囲気下、得られた溶液に第1工程で得られた溶液を混合し、20℃で9時間撹拌した。得られた本ポリアリーレンのMwは408,000g/mol、Mnは134,000g/molであった。
(第1工程)
窒素雰囲気下、無水臭化ニッケル1.45gと2,2’−ビピリジン1.55gとN−メチル−2−ピロリドン129.2gとを混合し、65℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、水分含量が1519ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して1.7モル)となるように水を添加した。
(第2工程)
重合体(2)として下記式
で示されるスミカエクセルPES 3600P(住友化学株式会社製;Mw=37,000、Mn=22,000)10.68gを用い、亜鉛粉末2.60g及びN−メチル−2−ピロリドン124.3gと混合し、80℃に調整した。メタンスルホン酸72mgとN−メチル−2−ピロリドン4.7gからなる溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、化合物(1)として、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)を17.35g加えた。得られた溶液の水分含量は573ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して0.8モル)であった。窒素雰囲気下、得られた溶液に第1工程で得られた溶液を混合し、20℃で9時間撹拌した。得られた本ポリアリーレンのMwは408,000g/mol、Mnは134,000g/molであった。
[実施例2]
(第1工程)
窒素雰囲気下、無水臭化ニッケル1.45gと2,2’−ビピリジン1.55gとN−メチル−2−ピロリドン129.2gとを混合し、65℃で2時間撹拌した。35℃に冷却後、水分含量が1712ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して1.9モル)となるように水を添加した。
(第2工程)
重合体(2)として、スミカエクセルPES 3600P 10.68gを用い、亜鉛粉末2.60g及びN−メチル−2−ピロリドン124.3gと混合し、80℃に調整した。メタンスルホン酸72mgとN−メチル−2−ピロリドン4.7gからなる溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。35℃に冷却後、化合物(1)として、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)を17.35g加えた。
得られた溶液の水分含量は440ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して0.6モル)であった。窒素雰囲気下、得られた溶液を、第1工程で得られた溶液に混合し、35℃で9時間撹拌した。得られた本ポリアリーレンのMwは433,000g/mol、Mnは146,000g/molであった。
(第1工程)
窒素雰囲気下、無水臭化ニッケル1.45gと2,2’−ビピリジン1.55gとN−メチル−2−ピロリドン129.2gとを混合し、65℃で2時間撹拌した。35℃に冷却後、水分含量が1712ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して1.9モル)となるように水を添加した。
(第2工程)
重合体(2)として、スミカエクセルPES 3600P 10.68gを用い、亜鉛粉末2.60g及びN−メチル−2−ピロリドン124.3gと混合し、80℃に調整した。メタンスルホン酸72mgとN−メチル−2−ピロリドン4.7gからなる溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。35℃に冷却後、化合物(1)として、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)を17.35g加えた。
得られた溶液の水分含量は440ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して0.6モル)であった。窒素雰囲気下、得られた溶液を、第1工程で得られた溶液に混合し、35℃で9時間撹拌した。得られた本ポリアリーレンのMwは433,000g/mol、Mnは146,000g/molであった。
[参考例1]
第2工程における化合物(1)を添加し、混合する際の温度を50℃とする以外、実施例1と同様にして、Mwは224,000g/mol、Mnは87,000g/molの本ポリアリーレンを得た。分子量が低下していることが分かる。
第2工程における化合物(1)を添加し、混合する際の温度を50℃とする以外、実施例1と同様にして、Mwは224,000g/mol、Mnは87,000g/molの本ポリアリーレンを得た。分子量が低下していることが分かる。
[実施例3]
(第1工程)
窒素雰囲気下、無水臭化ニッケル1.45gと2,2’−ビピリジン1.55gとN−メチル−2−ピロリドン129.2gとを混合し、65℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、水分含量が2917ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して3.2モル)となるように水を添加した。
(第2工程)
重合体(2)として、スミカエクセルPES 3600P 10.68gを用い、亜鉛粉末2.60g及びN−メチル−2−ピロリドン124.3gと混合し、80℃に調整した。メタンスルホン酸72mgとN−メチル−2−ピロリドン4.7gからなる溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。35℃に冷却後、化合物(1)として、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)を17.35g加えた。
得られた溶液の水分含量は514ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して0.7モル)であった。窒素雰囲気下、得られた溶液を、第1工程で得られた溶液に混合し、20℃で9時間撹拌した。得られた本ポリアリーレンのMwは268,000g/mol、Mnは98,000g/molであった。
(後処理)
得られた重合溶液36.4gに、N−メチル−2−ピロリドン46.2gと臭化リチウム2.8gと水10.9gとを加え、120℃で12時間保温した。得られた重合反応物を、6N塩酸340gに注ぎ込み、析出した固体を濾別した。次いで90℃の熱水、メタノールで洗浄し、90℃で減圧乾燥した。乾燥後のポリアリーレンのイオン交換容量を滴定法により測定したところ、2.80meq/gであった。
(第1工程)
窒素雰囲気下、無水臭化ニッケル1.45gと2,2’−ビピリジン1.55gとN−メチル−2−ピロリドン129.2gとを混合し、65℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、水分含量が2917ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して3.2モル)となるように水を添加した。
(第2工程)
重合体(2)として、スミカエクセルPES 3600P 10.68gを用い、亜鉛粉末2.60g及びN−メチル−2−ピロリドン124.3gと混合し、80℃に調整した。メタンスルホン酸72mgとN−メチル−2−ピロリドン4.7gからなる溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。35℃に冷却後、化合物(1)として、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)を17.35g加えた。
得られた溶液の水分含量は514ppm(ニッケル・ビピリジル錯体1モルに対して0.7モル)であった。窒素雰囲気下、得られた溶液を、第1工程で得られた溶液に混合し、20℃で9時間撹拌した。得られた本ポリアリーレンのMwは268,000g/mol、Mnは98,000g/molであった。
(後処理)
得られた重合溶液36.4gに、N−メチル−2−ピロリドン46.2gと臭化リチウム2.8gと水10.9gとを加え、120℃で12時間保温した。得られた重合反応物を、6N塩酸340gに注ぎ込み、析出した固体を濾別した。次いで90℃の熱水、メタノールで洗浄し、90℃で減圧乾燥した。乾燥後のポリアリーレンのイオン交換容量を滴定法により測定したところ、2.80meq/gであった。
本発明の製造方法によれば、従来よりも分子量の小さい芳香族ジハライド重合体と、イオン交換基又は保護されたイオン交換基を有する芳香族ジハライド化合物とを重合しても、従来のポリアリーレンと同等程度以上の分子量を有するポリアリーレンを提供することが可能である。
Claims (8)
- 下記第2工程を有することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
第2工程:遷移金属錯体存在下、式(1)
(式中、Ar1は、イオン交換基及び保護されたイオン交換基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する2価の芳香族基を表わす。
ここで、2価の芳香族基は、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基;
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド化合物と、
式(2)
(式中、Xは前記と同様の意味を表わす。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基
からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Y1及びY2は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。Z1及びZ2は、それぞれ独立に、酸素又は硫黄原子を表わす。)
で示される芳香族ジハライド重合体と、
を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程。 - 遷移金属錯体が下記第1工程によって調製された遷移金属錯体であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
第1工程:遷移金属化合物及び配位子を混合する工程。 - 式(1)で示される芳香族ジハライド化合物が、式(3)
(式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基と結合したアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、該炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。kは0〜3の整数を表わす。)
で示されるジハロビフェニル化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。 - イオン交換基及び保護されたイオン交換基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基が、スルホ基、若しくはその塩、炭素数1〜6のアルコキシスルホニル基、又は-SO3NR'R"(ここでR'及びR"は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。該炭化水素基はアミノ基に含まれる窒素原子とともに環状構造を有していてもよい。)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
- 式(2)で示される芳香族ジハライド重合体の重量平均分子量が、5,000〜50,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法。
- 第2工程が、遷移金属錯体、式(1)で示される芳香族ジハライド化合物、式(2)で示される芳香族ジハライド重合体及び亜鉛を含む混合物を15〜40℃の温度範囲で重合させる工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法。
- 遷移金属化合物がニッケル化合物であり、配位子が含窒素2座配位子であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法。
- 第1工程における調製温度が、50〜120℃であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか記載のポリアリーレンの製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017073672A1 (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-04 | 凸版印刷株式会社 | 高分子電解質の製造方法 |
-
2009
- 2009-12-08 JP JP2009278279A patent/JP2011126920A/ja active Pending
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