JP5050729B2 - ジハロビフェニル化合物の脱水方法 - Google Patents

ジハロビフェニル化合物の脱水方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジハロビフェニル化合物の脱水方法に関する。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質等として有用である。本発明の下記式(1)で示されるジハロビフェニル化合物は、すでに特許文献1や非特許文献1においてポリアリーレン製造用のモノマーとして有用であることが知られている。また非特許文献2においては、上記ジハロビフェニル化合物が下記式(2)で示される酸クロライド化合物の前駆体として報告されている。ただし、いずれも禁水反応に使用されている。
上記ジハロビフェニル化合物は、通常、反応後に水を含む溶液の状態で得られるが、該化合物を禁水反応に使用する場合には、水溶液から該化合物を取り出し、乾燥工程によって水を除去していることから、工業的プロセスの観点から効率的な脱水方法が望まれている。
特開2007−177197号公報 Polymeric Materials;Science&Engineering 2003,89,438-439 Bull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047
本発明は、ジハロビフェニル化合物の効率的な脱水方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、ジハロビフェニル化合物の脱水方法について鋭意研究を続けてきた。その結果、ジハロビフェニル化合物と水を含む溶液に、非プロトン性極性溶媒を加えて濃縮すると、乾燥工程を経ることなくジハロビフェニル化合物を脱水できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は
式(1)
Figure 0005050729
(式中、Aは、水素原子、アルカリ金属もしくは4級アンモニウムを表わす。Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基及びアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。R1が複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、結合位置が隣接する2つのR1が結合して環を形成していてもよい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。kは0〜3の整数を表わす。)
で示されるジハロビフェニル化合物と水を含む混合物に、非プロトン性極性溶媒を加えて濃縮することを特徴とするジハロビフェニル化合物の脱水方法
を提供するものである。
本発明によれば、ジハロビフェニル化合物を単離や乾燥工程を経ることなく、簡便に脱水することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、式(1)
Figure 0005050729
で示されるジハロビフェニル化合物(以下、ジハロビフェニル化合物(1)と略記する。)について説明する。
Aは、水素原子、アルカリ金属もしくは4級アンモニウムを表わし、好ましくはアルカリ金属であり、ナトリウムが特に好ましい。
は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。
ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
炭素数2〜20のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族もしくは芳香族アシル基が挙げられる。
かかる炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよく、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
が複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であっていてもよい。また、置換位置が隣接する2つのR1が結合して環を形成していてもよい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わし、塩素原子が好ましい。kは0〜3の整数を表わし、好ましくは、kは0を表わす。
かかるジハロビフェニル化合物(1)の具体例としては、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨードビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨードビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロ−2,2’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモ−2,2’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨード−2,2’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロ−2,2’−ジメトキシビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモ−2,2’−ジメトキシビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨード−2,2’−ジメトキシビフェニル−3,3’−ジスルホン酸等が挙げられ、さらに上記に例示する化合物のスルホン酸基が塩の形でもよい。塩の形としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられ、中でもナトリウムが好ましい。
ジハロビフェニル化合物(1)と水を含む混合物の調製方法としては、例えば、Polymeric Materials;Science&Engineering 2003,89,438-439、あるいはBull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047等の公知の方法に準じて製造される。
かかるジハロビフェニル化合物(1)としては、例えば、
式(2)
Figure 0005050729
(式中、A、X、R及びkは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるジアゾ化合物と式(3)

CuX (3)

(式中、Xは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるハロゲン化銅とを反応させて得られた溶液(以下、溶液Aと略す)や、溶液Aから混合有機溶媒でジハロビフェニル化合物(1)を抽出して得られた溶液(以下、溶液Bと略す)を用いることもできる。
溶液Bを調製する際の混合有機溶媒としては、親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒とを組み合わせることが好ましい。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒が挙げられ、アルコール溶媒が好ましく、2−プロパノールがさらに好ましい。かかる親水性有機溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、その使用量はジハロビフェニル化合物(1)に対して通常1〜200重量倍、好ましくは3〜50重量倍の範囲である。
疎水性有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒などが挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素系溶媒、さらに好ましくはトルエンである。かかる疎水性有機溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、その使用量はジハロビフェニル化合物(1)に対して通常0.5〜100重量倍、好ましくは1〜20重量倍の範囲である。
混合有機溶媒は、通常、親水性有機溶媒を30〜99重量%以上含んでおり、好ましくは50〜85重量%である。
また、抽出後の水層に上記の混合有機溶媒を加えることで再抽出することができる。抽出回数としては、1〜5回の範囲が好ましく、効率の点から2回がさらに好ましい。
ジハロビフェニル化合物(1)と水を含む混合物の形態としては、水を含む固形物あるいは水溶液のどちらの形態でも本発明に使用できる。その水量としては、通常、ジハロビフェニル化合物(1)に対して0.1〜200重量倍の範囲であり、1〜50重量倍の範囲が好ましい。
非プロトン性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、特に好ましくはN,N−ジメチルアセトアミドである。また、非プロトン性極性溶媒の使用量は、通常、ジハロビフェニル化合物(1)に対して1〜200重量倍の範囲であり、3〜30重量倍の範囲が好ましい。
濃縮は常圧又は減圧蒸留で実施されるが、通常減圧で蒸留する。濃縮時の圧力は、0.13〜67kPa(1〜500mmHg)の範囲であり、1.3〜13kPa(10〜100mmHg)の範囲が好ましい。また、濃縮時の内温は、0〜250℃の範囲であり、30〜120℃の範囲が好ましい。
濃縮後の水量は、ジハロビフェニル化合物(1)に対して通常、0.05〜5重量%の範囲であり、0.1〜3重量%の範囲が好ましく、これらの水量は留出液量を適宜調節することにより、容易に制御できる。
次に、濃縮脱水により得られる式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含むモノマー組成物をニッケル化合物の存在下に重合させる方法について説明する。
式(4)
Figure 0005050729
(式中、A、R及びkは前記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位を含むポリアリーレンは、本発明で得られるジハロビフェニル化合物(1)を含むモノマー組成物を、ニッケル化合物の存在下に重合させることにより製造することができる。
ジハロビフェニル化合物(1)を含むモノマー組成物は、式(4)
Figure 0005050729

式(5)
Figure 0005050729
(式中、a、b及びcは同一又は相異なって、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。
Ar、Ar、Ar及びArは同一又は相異なって、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
及びYは、同一又は相異なって、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
及びZは同一又は相異なって、−O−又はS−を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)
で示される化合物あるいは式(7)
Figure 0005050729
(式中、Arは、2価の芳香族基を表わす。
ここで、2価の芳香族基は、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)
で示される化合物を含んでいても良い。
かかるモノマー組成物中のジハロビフェニル化合物(1)の量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、30重量%以上、90重量%以下がより好ましい。
繰り返し単位(4)を含むポリアリーレンのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000である。これらポリアリーレンを固体高分子型燃料電池用の高分子電解質として用いる場合の好ましいポリスチレン換算の重量平均分子量は、2,000〜1,000,000であり、より好ましくは3,000〜800,000である。
前記式(5)で示される化合物としては、例えば、下記に示す化合物及び、下記に示す化合物の両末端の塩素原子が臭素原子に代わった化合物等が挙げられる。
Figure 0005050729
Figure 0005050729
Figure 0005050729
Figure 0005050729
Figure 0005050729
Figure 0005050729
かかる式(5)で示される化合物は、例えば、日本国特許第2745727号公報等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセルPES等が挙げられる。
式(5)で示される化合物としては、そのポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000以上のものを用いることが好ましく、3,000以上であるものがより好ましい。
式(5)で示される化合物を重合して得られる式(6)
Figure 0005050729

で示されるセグメントとしては、例えば、式(5)で例示された化合物の両末端にClを持たない化合物が挙げられる。
式(7)で示される化合物としては、例えば、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,5−ジブロモトルエン、3,5−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、2,5−ジヨードトルエン、3,5−ジヨードトルエン、1,3−ジクロロ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−メトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−アセトキシベンゼン、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン等が挙げられる。
式(7)で示される化合物を重合して得られる式(8)
Figure 0005050729
(式中、Arは、前記と同様の意味を表わす。
で示される繰り返し単位としては、例えば、式(7)で例示された化合物の両末端にハロゲン原子を持たない化合物が挙げられる。
ニッケル化合物としては、例えば、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル化合物、ハロゲン化ニッケル(例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等)、ニッケルカルボン酸塩(例えば、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等)、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等の2価ニッケル化合物が挙げられ、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)及びハロゲン化ニッケルが好ましい。
ニッケル化合物の使用量が少ないと、分子量の小さいポリアリーレンが得られやすく、また、使用量が多いと、分子量の大きいポリアリーレンが得られやすいため、目的とするポリアリーレンの分子量に応じて、ニッケル化合物の使用量を決めればよい。ニッケル化合物の使用量は、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、通常0.01〜5モルである。ここで、モノマー組成物中のモノマーとは、モノマー組成物中に含まれるジハロビフェニル化合物(1)、式(5)で示される化合物、式(6)で示される化合物等の重合反応に関与するモノマーを意味する。
重合反応は、ニッケル化合物と含窒素二座配位子の存在下に実施することが好ましい。含窒素二座配位子としては、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられ、2,2’−ビピリジンが好ましい。含窒素二座配位子を用いる場合のその使用量は、ニッケル化合物1モルに対して、通常0.2〜2モル、好ましくは1〜1.5モルである。
ニッケル化合物として、2価ニッケル化合物を用いる場合は、通常亜鉛が併用される。亜鉛は、通常粉末状のものが用いられる。亜鉛を用いる場合のその使用量は、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、通常1モル以上であり、その上限は特に制限されないが、多すぎると、重合反応後の後処理が面倒になり、また経済的にも不利になるため、実用的には10モル以下、好ましくは5モル以下である。
また、ニッケル化合物として、ゼロ価ニッケル化合物を用いる場合であって、ゼロ価ニッケル化合物の使用量が、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、1モル未満であるときは、亜鉛の共存下に重合反応が実施される。亜鉛は、通常粉末状のものが用いられる。亜鉛を用いる場合のその使用量は、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、通常1モル以上であり、その上限は特に制限されないが、多すぎると、重合反応後の後処理が面倒になり、また経済的にも不利になるため、実用的には10モル以下、好ましくは5モル以下である。
重合反応は、非プロトン性極性溶媒の存在下に実施されるが、濃縮後に溶媒を追加して濃度調整しても良い。溶媒の使用量は、多すぎると、分子量の小さなポリアリーレンが得られやすく、少なすぎると、反応混合物の性状が悪くなりやすいため、モノマー組成物中のモノマーに対して、通常1〜200重量倍、好ましくは5〜100重量倍である。
重合反応は、通常、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で実施される。
重合温度は、通常0〜250℃であり、好ましくは30〜100℃である。重合時間は、通常0.5〜48時間である。
重合反応終了後、生成したポリアリーレンを溶解しにくい溶媒と反応混合物を混合してポリアリーレンを析出させ、析出したポリアリーレンを濾過により、反応混合物から分離することにより、ポリアリーレンを取り出すことができる。生成したポリアリーレンを溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒と反応混合物を混合した後、塩酸等の酸の水溶液を加え、析出したポリアリーレンを濾過により、反応混合物から分離してもよい。得られたポリアリーレンの分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィ、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。生成したポリアリーレンを溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル等が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。
次に、式(7)
Figure 0005050729
(式中、R、X及びkは前記と同一の意味を表わす。)
で示される酸クロライド化合物の製造方法について説明する。
式(7)で示される酸クロライド化合物としては、例えば、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメチル4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、2,2’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメチル4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、2,2’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、2,2’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、2,2’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジクロリド等が挙げられ、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド及び4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリドが好ましい。
クロロ化剤としては、塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化シアヌル等が挙げられ、五塩化リンがより好ましい。使用されるクロロ化剤の量は、ジハロビフェニル化合物(1)に対して、0.5〜20モル倍であり、好ましくは2〜10モル倍である。
反応は、非プロトン性溶媒による濃縮脱水後に実施されるが、式(7)で示される酸クロライド化合物が溶解する溶媒を追加しても良い。かかる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が用いられ、トルエンが好ましい。溶媒の使用量は、通常1〜100重量倍、好ましくは5〜20重量倍である。反応温度は、通常0〜250℃であり、好ましくは50〜120℃である。反応時間は、通常0.5〜48時間である。
反応終了後、反応混合物を水に注ぎ込むと、余剰のクロロ化剤等をクエンチできる。この時、水にアルカリ化合物を加えておくと、クロロ化剤を効率的に取り除くことができる。かかるアルカリ化合物としては、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム等の弱アルカリ性化合物が好ましい。上記の水クエンチ後、式(7)で示される酸クロライド化合物を含む溶液を濃縮することによって該酸クロライド化合物を単離できる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例に記載の4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム及び4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリドの含量は、n−オクチルベンゼンを内部標準物質として用いるLC法(LC−IS法)により測定した。
標準品となる4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムは、以下の方法で合成し、その純度を100%として実施例の4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの含量を測定した。
「1」:2,2−ジメチルプロパノール25.2gをテトラヒドロフラン200mLに溶解させた。これに、0℃で、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.57M)151.6mLを滴下した。その後、室温で1時間攪拌し、リチウム(2,2−ジメチルプロポキシド)を含む溶液を調製した。4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド40gをテトラヒドロフラン300mLに溶解させて得られた溶液に、0℃で、調製したリチウム(2,2−ジメチルプロポキシド)を含む溶液を滴下した。その後、室温で1時間攪拌、反応させた。反応混合物を濃縮した後、残渣に、酢酸エチル1000mL及び2mol/L塩酸1000mLを加え、30分攪拌した。静置した後、有機層を分離した。分離した有機層を飽和食塩水1000mLで洗浄した後、減圧条件下で溶媒を留去した。濃縮残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(溶媒;クロロホルム)により精製した。得られた溶出液から溶媒を、減圧条件下で留去した。残渣を、70℃でトルエン500mLに溶解させた後、室温まで冷却した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を乾燥し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)の白色固体31.2gを得た。
「2」:上記「1」で合成した4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)の方法に準じて合成した4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)(20.0g、38.2mmol)と臭化ナトリウム(8.25g、80.2mmol)にN−メチル−2−ピロリドン(80.0g)を加え、120℃で2時間攪拌した。反応混合物をアセトニトリル(400.0g)に注加し、析出した固体を濾過で単離し、20gの水に溶解した後、再度アセトニトリル(400.0g)に注加した。析出した固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄した後、乾燥することによって4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム12.31g(収率75%)を得た。
標準品となる4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリドは、Bull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047に記載の方法で合成し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。その純度を100%として実施例の4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリドの含量を測定した。
LCの分析条件は、以下の通りとする。
<分析条件>
LC測定装置:LC−10AT(株式会社島津製作所製)
カラム:L−Column ODS(5μm,4.6mmφ×15cm)
カラム温度:40℃
移動相:A:0.1%n−テトラブチルアンモニウムブロミド水溶液
B:0.1%n−テトラブチルアンモニウムブロミドアセトニトリル溶液
グラジエント:0min B=30%
20min B=90%
35min B=90%
35.1min B=30%
45min STOP TOTAL分析時間 45分
流量:1.0mL/分
検出波長:254nm
実施例に記載の水の含量は、カールフィッシャー装置により測定した。
[製造例1]
「4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムと水を含む混合物の調製」
Figure 0005050729

Bull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047を参考にしながら、以下のように調製した。2,2’−ベンジジンジスルホン酸(350.0g、1016.4mmol)に水(605.1g)を加え、撹拌しながら10℃で36%の亜硝酸ナトリウム水溶液(460.1g、2337.7mmol)を滴下し、1時間攪拌した。反応混合溶液に、10℃で35%の塩酸(327.3g、3141.9mmol)を滴下し、1時間撹拌した(溶液(1)とする)。別途、塩化銅(I)(166.03g、1677.0mmol)を35%の塩酸(587.0g)に溶解させて10℃に冷却した(溶液(2)とする)。溶液(1) を溶液(2)に滴下し、1時間撹拌し、50%水酸化ナトリウム水溶液450gを加えて、pH0.5程度まで中和し、食塩93gを加えて溶かした。この溶液に、トルエン315gと2−プロパノール1258gを加え、室温で30分撹拌して抽出した。水層に再度トルエン377gと2−プロパノール1132gを加え、室温で30分撹拌して抽出した。それぞれで抽出した油層を併せ、炭酸ナトリウム140gを加えて、残存した銅化合物を析出させ、濾過した濾液を1130gまで濃縮した。得られた溶液には、4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム293.8g(687.7mmol、収率68%)と水324.3gが含まれていた。
[実施例1]
「4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムの脱水」
製造例1で得られた水を含む4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム1130gにN,N−ジメチルアセトアミド1861gを加え、1018gになるまで濃縮した。得られた濃縮マスには水5.09gが含まれていた。
[実施例2]
「4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリドの合成」
実施例1で得られた4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム濃縮溶液1018gを、五塩化リン1134g(5447.8mmol)とトルエン2909gを含む溶液に滴下し、65℃で2時間撹拌した。反応混合物を5061gの水に注ぎ込み、水層を除去した。次いで5%炭酸水素ナトリウム水溶液5061g加え、50℃で2時間撹拌した後に水層を除去し、濃縮して4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリドを含むトルエン溶液2662gを得た。得られた溶液には、4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリド257.5g(612.9mmol、収率89%)が含まれていた。
[比較例1]
製造例1で得られた水を含む4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム830gにトルエン2220gを加え、1680gになるまで濃縮した。すると、4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジナトリウムが水アメ状になり、撹拌不能なマス性状へと変化した。以上のことから、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物に非プロトン性極性溶媒を加えて濃縮することは、工業的製法の観点から優れていると言える。
[参考例1]
2,2−ジメチルプロパノール166.2g(1885.2mmol)をトルエン700gに溶解させた。これに、20℃で、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.57M)1091.6mLを滴下した。その後、50℃で30分間攪拌し、リチウム(2,2−ジメチルプロポキシド)を含む溶液を調製した。この溶液に、実施例2で得られた4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリドを含むトルエン溶液2480gを滴下し、60℃で1時間攪拌した。反応混合物に水2044gを滴下し、水層を取り除いた後、油層を1500gになるまで濃縮した。−10℃に冷却後、濾過して得られた固体を65℃でジメチルスルホキシド1954gに溶解させた。室温まで冷却し、析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を乾燥し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)の白色固体223.6g(427.1mmol、収率75%)を得た。

Claims (10)

  1. 式(1)
    Figure 0005050729
    (式中、Aは、水素原子、アルカリ金属もしくは4級アンモニウムを表わす。Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基及びアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。R1が複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、結合位置が隣接する2つのR1が結合して環を形成していてもよい。
    は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。kは0〜3の整数を表わす。)
    で示されるジハロビフェニル化合物と水を含む混合物に、非プロトン性極性溶媒を加えて濃縮することを特徴とするジハロビフェニル化合物の脱水方法。
  2. 非プロトン性極性溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミドである請求項1に記載の脱水方法。
  3. 請求項1に記載の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物と水を含む混合物が、式(2)
    Figure 0005050729
    (式中、A、X、R及びkは請求項1で定義したと同じ意味を表わす。)
    で示されるジアゾ化合物と式(3)

    CuX (3)

    (式中、Xは請求項1で定義したと同じ意味を表わす。)
    で示されるハロゲン化銅とを反応させて得られるものである請求項1又は2に記載の脱水方法。
  4. 請求項1に記載の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物と水を含む混合物が、請求項3記載の式(2)で示されるジアゾ化合物と式(3)で示されるハロゲン化銅とを反応させた後、混合有機溶媒で該ジハロビフェニル化合物を抽出して得られるものである請求項1又は2に記載の脱水方法。
  5. 濃縮後の水の含量が、請求項1に記載の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物に対して5重量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の脱水方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の脱水方法で得られた請求項1に記載の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含むモノマーを、ニッケル化合物の存在下に、重合させることを特徴とする式(4)
    Figure 0005050729
    (式中、A、R及びkは請求項1で定義したと同じ意味を表わす。)
    で示される繰り返し単位を含むポリアリーレンの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の脱水方法で得られた請求項1に記載の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物とさらに式(5)
    Figure 0005050729
    (式中、a、b及びcは同一又は相異なって、0又は1を表わし、nは5以上の整数を表わす。
    Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は相異なって、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
    及びYは、同一又は相異なって、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
    及びZは、同一又は相異なって、−O−又はS−を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)
    で示される化合物とを含むモノマーを、ニッケル化合物の存在下に、重合させることを特徴とする式(4)で示される繰り返し単位と式(6)
    Figure 0005050729

    で示されるセグメントを含むポリアリーレンの製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の脱水方法で得られた請求項1に記載の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物とさらに式(7)
    Figure 0005050729
    (式中、Arは、2価の芳香族基を表わす。
    ここで、2価の芳香族基は、
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
    フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)
    で示される化合物とを含むモノマーを、ニッケル化合物の存在下に、重合させることを特徴とする式(4)で示される繰り返し単位と式(8)
    Figure 0005050729
    (式中、Arは、前記と同様の意味を表わす。
    で示される繰り返し単位を含むポリアリーレンの製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の脱水方法で得られた請求項1に記載の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物とクロロ化剤とを反応させることを特徴とする式(9)
    Figure 0005050729
    (式中、R、X及びkは請求項1で定義したと同じ意味を表わす。)
    で示される酸クロライド化合物の製造方法。
  10. クロロ化剤が、五塩化リンである請求項9に記載の製造方法。
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