JP2013221087A - ポリアリーレンの製造方法 - Google Patents

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優季 横井
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憲之 飛田
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】高い重量平均分子量のスルホ基を有するポリアリーレンの製造方法の提供。等を提供すること。
【解決手段】下記式(1)
Figure 2013221087

(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基等を表わす。mは0〜3の整数を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わし、m+qは1〜4の整数を表わす。)で示されるモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、重量平均分子量が10万以上になるまで重合することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンの製造方法に関する。
スルホ基を有するポリアリーレンは、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質膜等として有用である。スルホ基を有するポリアリーレンとして、例えば、4−(2,5―ジクロロフェニル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)をニッケル化合物とリン配位子との存在下で重合し、得られたポリマーのスルホン酸エステル結合を分解したポリアリーレンが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−163159号(実施例5)
しかしながら、上記の製造方法では、得られたポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は10350であることから、更に高い重量平均分子量のポリアリーレンの製造方法の開発が望まれている。
本発明者らは、このような状況下、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.下記式(1)
Figure 2013221087

(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わし、m+qは1〜4の整数を表わす。)
で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合する工程を含むことを特徴とするポリアリーレンの製造方法;
2.前記式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物が、下記式(2)
Figure 2013221087
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。Arは2価の芳香族基を表わし、ここで2価の芳香族基に含まれる水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基で置換されていてもよい。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。)
で示されるイオン交換基を有さない化合物を含むモノマー組成物であることを特徴とする前項1記載のポリアリーレンの製造方法;
3.前記式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物が、前記式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物のみからなる組成物であることを特徴とする前項1記載のポリアリーレンの製造方法;
4.前記式(1)におけるmが、0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの前項記載のポリアリーレンの製造方法;
5.ニッケル化合物が、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)であることを特徴とする前項1〜4のいずれかの前項記載のポリアリーレンの製造方法;
6.ニッケル化合物の重合系内での存在量が、モノマー組成中のモノマー1モルに対して、0.01モル〜5モルの範囲であることを特徴とする前項1〜5のいずれかの前項記載のポリアリーレンの製造方法;
7.更に、前記重合工程の後、得られた重合物に窒素のオキソ酸を接触させる工程を追加的に含むことを特徴とする前項1〜6のいずれかの前項記載のポリアリーレンの製造方法;
8.前項1記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする式(3)
Figure 2013221087

(式中、Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わす。m+qは1〜4の整数を表わす。)
で示されるイオン交換基を有する繰り返し単位を含むポリアリーレンの製造方法;
9.前項2記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする前項8記載のポリアリーレンの製造方法;
10.前項3記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする前項8記載のポリアリーレンの製造方法;
11.前項4記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする前項8記載のポリアリーレンの製造方法;
12.下記式(5)
Figure 2013221087

(式中、Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。Xは臭素原子又はヨウ素原子を表わす。lは1〜5の整数を表わす。)
で示されるアリーレンハライド化合物と、下記式(6)
Figure 2013221087

(式中、Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Rは同一又は相異なり、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表わし、同一のホウ素原子に結合する2つの酸素原子に別々に結合する2つのRが結合して前記ホウ素原子と前記2つの酸素原子と共に環を形成していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わす。m+qは1〜4の整数を表わす。)
で示されるアリーレンボロン酸化合物とを、パラジウム触媒存在下でカップリング反応する工程、及び、前記カップリング反応により得られた下記式(8)
Figure 2013221087

(式中、Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わし、m+qは1〜4の整数を表わす。)
で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合する工程を含むことを特徴とするポリアリーレンの製造方法;
等を提供するものである。
本発明によれば、更に高い重量平均分子量のスルホ基を有するポリアリーレンの製造方法を提供可能となる。
まず、式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物(以下、ジハロベンゼン化合物(1)と記すこともある。)について説明する。
式(1)中、Aは、炭素数が1〜20のアルコキシ基を表わす。
炭素数が1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数3〜20のアルコキシ基等を挙げることができる。好ましくは、例えば、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
ここで、前記炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものを挙げることができる。
炭素数2〜20のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族もしくは芳香族アシル基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等を挙げることができる。
好ましいAとしては、例えば、炭素数3〜20の無置換アルコキシ基を挙げることができる。より好ましくは、例えば、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
としては、例えば、同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基等を挙げることができる。
炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基としては、前記したものと同様のものを挙げることができる。
かかる炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよく、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に形成していてもよい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。好ましくは、塩素原子、臭素原子を挙げることができる。mは0〜3の整数を表わす。好ましくは0を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わす。m+qは1〜4の整数を表わす。
式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物の具体例としては、下記式(1a−1)〜式(1e−6)のいずれかの式で示されるジハロベンゼン化合物を挙げることができる。
Figure 2013221087

Figure 2013221087

Figure 2013221087

Figure 2013221087

Figure 2013221087
好ましくは、例えば、式(1a−2)、式(1b−2)又は式(1c−2)で示されるジハロベンゼン化合物を挙げることができる。
ジハロベンゼン化合物(1)を含むモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合することにより、ポリアリーレンを製造することができる。また、ジハロベンゼン化合物(1)のみを、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合することにより、ポリアリーレンを製造することもできる。以下、かかるポリアリーレン及びその製造方法について説明する。
かかるポリアリーレンの具体例としては、式(7)
Figure 2013221087

(式中、A、R、m、l及びqは前記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(7)と略記する。)を含むポリアリーレ
ン、前記繰り返し単位(7)のみからなるポリアリーレン、
繰り返し単位(3)と繰り返し単位(4)
Figure 2013221087

とを含むポリアリーレン等を挙げることができる。
かかる繰り返し単位(7)を含むポリアリーレンは、通常該繰り返し単位(7)が少なくとも2個連続している。
繰り返し単位(7)を含むポリアリーレンは、繰り返し単位(7)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。繰り返し単位(7)と繰り返し単位(4)とを含むポリアリーレンは、繰り返し単位(7)と繰り返し単位(4)のみからなるポリアリーレンであってもよい。また、繰り返し単位(7)と繰り返し単位(4)に加えて、繰り返し単位(7)と繰り返し単位(4)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。
繰り返し単位(7)の具体例としては、例えば、下記式(7a−1)〜式(7e―3)のいずれかの式で示される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2013221087

Figure 2013221087

Figure 2013221087

Figure 2013221087

Figure 2013221087
繰り返し単位(4)におけるArである2価の芳香族基に含まれる水素原子としては、例えば、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基としては、上記したものと同様のものを挙げることができる。
繰り返し単位(4)の具体例としては、例えば、下記式(4a−1)〜式(4c―10)のいずれかの式で示される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2013221087

Figure 2013221087

Figure 2013221087
繰り返し単位(7)を含むポリアリーレンは、ジハロベンゼン化合物(1)を含むモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合することにより製造することができる。繰り返し単位(7)のみからなるポリアリーレンは、ジハロベンゼン化合物(1)のみを、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合することにより製造することができる。繰り返し単位(7)と繰り返し単位(4)とを含むポリアリーレンは、ジハロベンゼン化合物(1)と式(2)
Figure 2013221087

(式中、Arは前記と同一の意味を表わし、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わす。)
で示されるイオン交換基を有さない化合物(以下、化合物(2)と略記する。)とを含むモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合することにより製造することができる。
化合物(2)としては、例えば、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,5−ジブロモトルエン、3,5−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、2,5−ジヨードトルエン、3,5−ジヨードトルエン、1,3−ジクロロ−4−フルオロベンゼン、1,3−ジクロロ−5−フルオロベンゼン、1,4−ジクロロ−3−フルオロベンゼン、1,3−ジブロモ−4−フルオロベンゼン、1,3−ジブロモ−5−フルオロベンゼン、1,4−ジブロモ−3−フルオロベンゼン、1,3−ジヨード−4−フルオロベンゼン、1,3−ジヨード−5−フルオロベンゼン、1,4−ジヨード−3−フルオロベンゼン、1,3−ジクロロ−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ジクロロ−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,4−ジクロロ−3−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ジブロモ−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ジブロモ−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,4−ジブロモ−3−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ジヨード−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ジヨード−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,4−ジヨード−3−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ジクロロ−4−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−5−メトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−メトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−5−メトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−メトキシベンゼン、1,3−ジヨード−5−メトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−4−シアノベンゼン、1,3−ジクロロ−5−シアノベンゼン、1,4−ジクロロ−3−シアノベンゼン、1,3−ジブロモ−4−シアノベンゼン、1,3−ジブロモ−5−シアノベンゼン、1,4−ジブロモ−3−シアノベンゼン、1,3−ジヨード−4−シアノベンゼン、1,3−ジヨード−5−シアノベンゼン、1,4−ジヨード−3−シアノベンゼン、1,3−ジクロロ−4−アセチルベンゼン、1,3−ジクロロ−5−アセチルベンゼン、1,4−ジクロロ−3−アセチルベンゼン、1,3−ジブロモ−4−アセチルベンゼン、1,3−ジブロモ−5−アセチルベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセチルベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセチルベンゼン、1,3−ジヨード−5−アセチルベンゼン、1,4−ジヨード−3−アセチルベンゼン、2,5−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、3,5−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジブロモベンゾフェノン、2,4−ジブロモベンゾフェノン、3,5−ジブロモベンゾフェノン、2,5−ジヨードベンゾフェノン、2,4−ジヨードベンゾフェノン、3,5−ジヨードベンゾフェノン、1,3−ジクロロ−4−へキシルベンゼン、1,3−ジクロロ−5−へキシルベンゼン、1,4−ジクロロ−3−へキシルベンゼン、1,3−ジブロモ−4−へキシルベンゼン、1,3−ジブロモ−5−へキシルベンゼン、1,4−ジブロモ−3−へキシルベンゼン1,3−ジヨード−4−へキシルベンゼン、1,3−ジヨード−5−へキシルベンゼン、1,4−ジヨード−3−へキシルベンゼン、1,3−ジクロロ−4−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン、1,3−ジクロロ−5−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン、1,4−ジクロロ−3−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン、1,3−ジブロモ−4−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン、1,3−ジブロモ−5−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン、1,4−ジブロモ−3−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン1,3−ジヨード−4−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン、1,3−ジヨード−5−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン、1,4−ジヨード−3−(トリデカフルオロへキシル)ベンゼン等を挙げることができる。かかる化合物(2)は、通常市販されているものを用いることもできる。
モノマー組成物中のジハロベンゼン化合物(1)の含有量を適宜調整することにより、得られるポリアリーレン中の繰り返し単位(7)の存在モル量を調整することができる。
ニッケル化合物としては、例えば、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル化合物、ハロゲン化ニッケル(例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等)、ニッケルカルボン酸塩(例えば、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等)、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等の2価ニッケル化合物等を挙げることができる。好ましくは、例えば、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ハロゲン化ニッケル等を挙げることができる。
ニッケル化合物の使用量としては、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、例えば、0.4モル〜5モルの範囲を挙げることができる。ここで、「モノマー組成物中のモノマー」とは、モノマー組成物中に含まれるジハロベンゼン化合物(1)、化合物(2)等の重合反応に関与するモノマーを意味する。_
含窒素二座配位子としては、例えば、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等を挙げることができる。好ましくは、例えば、2,2’−ビピリジン等を挙げることができる。含窒素二座配位子の使用量としては、ニッケル化合物1モルに対して、例えば、0.2モル〜2モルの範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、1モル〜1.5モルの範囲を挙げることができる。
ニッケル化合物として、2価ニッケル化合物を用いる場合には、通常亜鉛が併用される。亜鉛は、通常粉末状のものが用いられる。亜鉛の使用量としては、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、例えば、通常1モル以上を挙げることができる。その上限は特に制限されないが、例えば、10モル以下を挙げることができる。好ましくは、例えば、5モル以下を挙げることができる。
また、ニッケル化合物として、ゼロ価ニッケル化合物を用いる場合には、ゼロ価ニッケル化合物の使用量が、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、例えば、1モル未満であるときは、亜鉛の共存下に重合反応が実施される。亜鉛は、通常粉末状のものが用いられる。亜鉛の使用量としては、モノマー組成物中のモノマー1モルに対して、例えば、通常1モル以上を挙げることができる。その上限は特に制限されないが、例えば、10モル以下を挙げることができる。好ましくは、例えば、5モル以下を挙げることができる。
重合反応は、通常溶媒の存在下に実施される。溶媒は、モノマー及び生成するポリアリーレンが溶解し得る溶媒であればよい。かかる溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等を挙げることができる。かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。好ましくはなかでも、例えば、エーテル溶媒、非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。より好ましくは、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。溶媒の使用量としては、モノマー組成物中のモノマーに対して、例えば、1重量倍〜200重量倍を挙げることができる。好ましくは、例えば、5重量倍〜100重量倍を挙げることができる。
重合反応は、通常、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で実施される。重合温度としては、例えば、0℃〜250℃の範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、30℃〜100℃の範囲を挙げることができる。重合時間としては、例えば、0.5時間〜48時間の範囲を挙げることができる。
重合反応終了後、ポリアリーレン溶液を、窒素のオキソ酸に接触させることで、他の酸処理よりも高い分子量を有するポリアリーレンが得られる。窒素のオキソ酸としては、例えば、硝酸、亜硝酸、それらの混合物等を挙げることができる。硝酸としては、例えば、濃度70%以下の水溶液等での使用形態を好ましく挙げることができる。硝酸の使用量としては、重合反応で使用している金属分を溶解させるため、使用している合計金属量に対して、例えば、0.05当量〜100当量の範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、0.2モル当量〜20モル当量の範囲を挙げることができる。尚、硝酸は、五酸化二窒素を水に溶解させることにより、発生させてもよい。
ポリアリーレン溶液を硝酸に接触させる際には、空気下で実施することが好ましい。接触処理に要する時間としては、例えば、数分間〜から48時間の範囲を挙げることができるである。
亜硝酸も、硝酸と同等の高い分子量のポリアリーレンを得ることができ、硝酸を使用する場合よりも、少ない量でかつ短時間で高い分子量のポリアリーレンを得ることができるのでより有効である。亜硝酸は水溶液でも不安定なため亜硝酸塩と酸を使用し系内で調製する。亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム等が挙げられる。取扱やすい水溶液で使用しても差し支えない。その使用量は、通常、モノマーに対して0.01モル当量〜100モル当量、好ましくは、0.1モル当量〜10モル当量である。
亜硝酸の場合は窒素下でも空気下でも要する処理時間は、大きく変わらない。共存する物質の性質に応じて、気体を選択すればよい。可燃性物質が存在する場合は窒素下で実施することが望ましい。処理に要する時間は通常、数分から48時間程度である。
亜硝酸塩と同時に使用する酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の水に溶解する酸が好ましい。特に、経済性の面で、硝酸、硫酸、塩酸が好ましい。酸の使用量としては、重合反応で使用している金属分を溶解させるため、通常、使用している合計金属量に対して0.1モル当量〜100モル当量、好ましくは、0.2モル当量〜20モル当量である。窒素のオキソ酸を系内で調整する方法として窒素酸化物のガスを吹き込んでもよい。
窒素のオキソ酸と他の酸種を混合して利用してもよい。また、亜硝酸塩と同時に使用する酸種は、二種類以上混合して使用しても差し支えない。
重合後の溶液と窒素のオキソ酸を接触させる方法としては、特に限定されないが、窒素のオキソ酸水溶液に重合後の溶液を加える方法や、水や水溶性有機溶媒に重合後の溶液を加えてポリマーを析出させ窒素のオキソ酸を加える方法、水や水溶性有機溶媒に亜硝酸塩を加えてから重合後の溶液を加え最後に酸を加える方法、などが挙げられる。水や水溶性有機溶媒としては水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル等が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。
また、重合後の溶液を貧溶媒と接触させてポリアリーレン混合物を析出させ、ポリアリーレン混合物を濾別したあとに、窒素のオキソ酸と接触させても高い分子量のポリアリーレンを得ることができる。一旦、濾別することにより重合に使用した溶媒を除去できるが、その利点としては、窒素のオキソ酸や同時に使用する酸が重合に使用した溶媒に対して混合危険がある場合に、その危険を回避できることであり、特に工業的に有利である。貧溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル等の水溶性有機溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。
ポリアリーレン混合物と窒素のオキソ酸を接触させる前に、ポリアリーレン混合物を溶媒と混合し懸濁させてもよい。混合させる溶媒としては、酸と任意の割合で混合する親水性の溶媒が好ましい。水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル等の水溶性有機溶媒が挙げられ、特に工業的には水が好ましい。
窒素のオキソ酸と重合後の溶液を接触させた後は、ポリアリーレンが析出していれば、そのまま濾別してポリアリーレンを取り出すことができる。析出していなければ、さらに貧溶媒を加えてポリマーを析出させ、濾別して取り出すことができる。貧溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル等が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。接触させる温度は、通常、0℃から100℃の範囲であり、好ましくは5℃〜70℃である。接触させる時間は、通常、1分間〜48時間である。濾別する装置が金属製の場合、強酸性雰囲気下では装置が腐食するため、濾別する前に塩基性物質により中和してもよい。そのpHは1〜11が好ましく、より好ましくは3〜9である。使用する塩基は特に限定されないが、無機塩基、有機塩基が使用できる。無機塩
基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩やアンモニア等が挙げられ、有機塩基としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン等が挙げられ、特に、経済性の面で、安価な水酸化ナトリウム、水酸化リチウムが好ましい。濾別した後は必要に応じて、水洗浄や有機溶媒等で洗浄してもよい。有機溶媒としては水と混合する溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル等が挙げられ、メタノールが好ましい。
以上のようにして得られたポリアリーレンの分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィ、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。
繰り返し単位(7)を含むポリアリーレンから式(3)
Figure 2013221087

(式中、R、m、l及びqは前記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(7)と略記する。)を含むポリアリーレンへ変換する方法としては、特開2007−270118号公報や特開2007−177197号公報等に記載の方法に準じて行われる。
かかる方法により、繰り返し単位(2)のみからなるポリアリーレンは、繰り返し単位(3)のみからなるポリアリーレンに変換でき、繰り返し単位(2)と繰り返し単位(4)とを含むポリアリーレンは、繰り返し単位(3)と繰り返し単位(4)とを含むポリアリーレンに変換できる。
かくして得られる重合体のイオン交換容量(滴定法により測定)は、例えば、0.5meq/g〜8.0meq/gの範囲等が挙げられ、好ましくは、3.6meq/g〜8.0meq/gの範囲である。
得られた重合体の分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィ、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。
次に、式(1)で示される保護されたイオン交換基を有するジハロゲン化合物の製造方法について説明する。式(1)で示される化合物は公知の方法で合成することができる。例えば、特開2004−13755号公報に開示された方法でジハロベンゼン化合物をスルホン化した後、スルホン酸クロライド、スルホン酸エステルと変換させることにより合成できる。
次に、式(8)で示される保護されたイオン交換基を有するジクロロ化合物の製造方法について説明する。
式(5)中、Xは臭素原子又はヨウ素原子を表わす。lは前記と同一の意味を表わす。
式(5)としては、以下に例示される化合物が挙げられる。
3−ブロモベンゼンスルホン酸メチル、3−ブロモベンゼンスルホン酸エチル、3−ブロモベンゼンスルホン酸プロピル、3−ブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3−ブロモベンゼンスルホン酸ブチル、3−ブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3−ブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−ブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3−ブロモベンゼンスルホン酸オクチル、3−ブロモベンゼンスルホン酸ペンタデシル、3−ブロモベンゼンスルホン酸イコシル
4−ブロモベンゼンスルホン酸メチル、4−ブロモベンゼンスルホン酸エチル、4−ブロモベンゼンスルホン酸プロピル、4−ブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、4−ブロモベンゼンスルホン酸ブチル、4−ブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、4−ブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−ブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、4−ブロモベンゼンスルホン酸オクチル、4−ブロモベンゼンスルホン酸ペンタデシル、4−ブロモベンゼンスルホン酸イコシル
4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジメチル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジエチル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジプロピル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジイソプロピル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジイソブチル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ビス(2,2−ジメチルプロピル)、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジシクロヘキシル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジオクチル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジペンタデシル、4−ブロモ−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジイコシル
5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジメチル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジエチル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジプロピル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジイソプロピル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジイソブチル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ビス(2,2−ジメチルプロピル)、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジシクロヘキシル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジオクチル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジペンタデシル、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジイコシル
5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリメチル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリエチル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリプロピル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリイソプロピル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリイソブチル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリス(2,2−ジメチルプロピル)、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリシクロヘキシル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリオクチル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリペンタデシル、5−ブロモ−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリイコシル
3−ヨードベンゼンスルホン酸メチル、3−ヨードベンゼンスルホン酸エチル、3−ヨードベンゼンスルホン酸プロピル、3−ヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、3−ヨードベンゼンスルホン酸ブチル、3−ヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、3−ヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−ヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3−ヨードベンゼンスルホン酸オクチル、3−ヨードベンゼンスルホン酸ペンタデシル、3−ヨードベンゼンスルホン酸イコシル
4−ヨードベンゼンスルホン酸メチル、4−ヨードベンゼンスルホン酸エチル、4−ヨードベンゼンスルホン酸プロピル、4−ヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、4−ヨードベンゼンスルホン酸ブチル、4−ヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、4−ヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−ヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、4−ヨードベンゼンスルホン酸オクチル、4−ヨードベンゼンスルホン酸ペンタデシル、4−ヨードベンゼンスルホン酸イコシル
4−ヨード−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジメチル、4−ヨード−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジエチル、4−ヨード−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジプロピル、4−ヨード−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジイソプロピル、4−ヨード1、2−ベンゼンジスルホン酸ジイソブチル、4−ヨード−1、2−ベンゼンジスルホン酸ビス(2,2−ジメチルプロピル)、4−ヨード1、2−ベンゼンジスルホン酸ジシクロヘキシル、4−ヨード−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジオクチル、4−ヨード−1、2−ベンゼンジスルホン酸ジペンタデシル、4−ヨード1、2−ベンゼンジスルホン酸ジイコシル
5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジメチル、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジエチル、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジプロピル、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジイソプロピル、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジイソブチル、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ビス(2,2−ジメチルプロピル)、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジシクロヘキシル、5−ヨード1、3−ベンゼンジスルホン酸ジオクチル、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジペンタデシル、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ジイコシル
5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリメチル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリエチル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリプロピル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリイソプロピル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリイソブチル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリス(2,2−ジメチルプロピル)、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリシクロヘキシル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリオクチル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリペンタデシル、5−ヨード−1、2、3−ベンゼントリスルホン酸トリイコシル、等を挙げることができる。
なかでも、4−ブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、5−ブロモ−1、3−ベンゼンジスルホン酸ビス(2,2−ジメチルプロピル)、4−ヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、5−ヨード−1、3−ベンゼンジスルホン酸ビス(2,2−ジメチルプロピル)、が好ましい、
式(6)中、R、m、qは前記と同じ意味を表わす。式(6)で示されるボロン酸化合物の具体例としては、下記式(6a)〜(6h)で示されるボロン酸化合物が挙げられる。
Figure 2013221087
式(12)又は(5)で示されるハライド化合物と式(6)で示されるボロン酸化合物とをパラジウム触媒存在下でカップリング反応して式(1)で示されるイオン交換基を有する化合物を得る方法としては、例えば、Chem.rev.1995,95,2457に記載の方法に準じて合成することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
得られた共役芳香族化合物が重合体である場合には、ゲル浸透クロマトグラフィ(以下、GPCと略記する。)により分析し(分析条件は下記のとおり)、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を算出した。
<分析条件>
測定装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
イオン交換容量(IEC)の測定:
測定に供する重合体(高分子電解質)を溶液キャスト法により成膜し高分子電解質膜を得、得られた高分子電解質膜を適当な重量になるように裁断した。裁断した高分子電解質膜の乾燥重量を加熱温度105℃に設定されたハロゲン水分率計を用いて測定した。次いで、このようにして乾燥させた高分子電解質膜を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5mLに浸漬した後、更に50mLのイオン交換水を加え、2時間放置した。その後、高分子電解質膜が浸漬された溶液に、0.1mol/Lの塩酸を徐々に加えることで滴定を行い、中和点を求めた。そして、裁断した高分子電解質膜の乾燥重量と中和に要した塩酸の量から、高分子電解質のイオン交換容量(単位:meq/g)を算出した。
[製造例1]
4−ブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチル−1−プロピル)の合成
2,2−ジメチル−1−プロパノール10.8g、ピリジン35.6mlの混合溶液に、窒素雰囲気下において0℃で、4−ブロモベンゼンスルホン酸クロリド25.0gを滴下した。22℃に昇温した後、同温度で2時間保温した。酢酸エチル71ml、2規定塩酸を178ml加えた。酢酸エチル107mlを加え抽出を行った。有機層を2規定塩酸178ml、水178ml、飽和食塩水178mlで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾別し、得られた濾液を濃縮乾固して4−ブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)28.1g(収率93.4%)を得た。
1HNMR(重クロロホルム、δ(ppm)):7.86(d,2H)、7.90(d,2H)
マススペクトル(EI、m/z):308(M)
[実施例1]
4−(2,5―ジクロロフェニル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)の合成
2,5−ジクロロフェニルボロン酸7.97g、4−ブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチル−1−プロピル)8.00g、炭酸ナトリウム11.0g、テトラキストリフェニルホスフィン1.50g、ジメトキシエタン80.0g、水32.0gの混合溶液を、窒素雰囲気下において70℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、トルエン175g、水97.7g加えた。分液後の油層を5%硫酸129gで1回、水129gで4回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾別し、得られた濾液を濃縮乾固して組成生物を11.5g得た。組成生物10.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒;トルエン)により精製し、得られた溶出液を濃縮乾固して4−(2,5―ジクロロフェニル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)8.33g(収率92.7%)を得た。
1HNMR(重クロロホルム、δ(ppm)):7.98(d,2H)、7.61(d,2H)、7.44(d,1H)、7.32(2H)
マススペクトル(EI、m/z):372(M)
[実施例2]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、ビピリジン4.60g、4−(2,5―ジクロロフェニル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)4.00gをN−メチル−2−ピロリドン24gとテトラヒドロフラン36gの混合溶液に溶解させて50℃に昇温した。次いで、これにニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)7.36gを加え、70℃に加熱し、同温度で4時間攪拌した。
得られた反応混合物100mgをメタノール3gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキをメタノールで2回、水で3回、18.9%塩酸で1回洗浄し。濾過して得られたケーキを濾液のpHが3.5を超えるまで水洗を行なった。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥することにより、下記式(7a−2)
Figure 2013221087

で示される繰り返し単位からなるポリアリーレンを得た。
Mwは175,000、Mnは45,000であった。
[実施例3]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、ビピリジン4.60g、4−(2,5―ジクロロフェニル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)4.00gをN−メチル−2−ピロリドン24gとテトラヒドロフラン36gの混合溶液に溶解させて50℃に昇温した。次いで、これにニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)7.36gを加え、70℃に加熱し、同温度で4時間攪拌した。
得られた反応混合物をメタノール228gに注ぎ込み、析出物を濾過し、濾過して得られたケーキをメタノールで2回、水で3回洗浄した後、20%硝酸65g中で30分攪拌した。濾過して得られたケーキを濾液のpHが3.5を超えるまで水洗を行なった。次に、冷却器を備えたフラスコに、ケーキと、ケーキと水との合計重量が65gになるように水を加え、さらに、メタノール65gを加え、バス温90℃で1時間過熱攪拌した。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥することにより、下記式(7a−2)
Figure 2013221087

で示される繰り返し単位からなるポリアリーレンを得た。収量は2.76gであった。
Mwは304,000、Mnは43,000であった。
[実施例4]
実施例3で得られたケーキ2.29gをN−メチル−2−ピロリドン27gに溶解した後、35%塩酸を1.59g加え120℃で22時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン127gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で3回、熱水で1回、水で5回洗浄し、乾燥することにより、下記式(3a−2)
Figure 2013221087

で示される繰り返し単位からなるポリアリーレンを得た。収量は1.46gであった。共役芳香族化合物のMwは247,000、Mnは47,000であった。

Claims (12)

  1. 下記式(1)
    Figure 2013221087

    (式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わし、m+qは1〜4の整数を表わす。)
    で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合する工程を含むことを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
  2. 前記式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物が、下記式(2)
    Figure 2013221087

    (式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。Arは2価の芳香族基を表わし、ここで2価の芳香族基に含まれる水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基で置換されていてもよい。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。)
    で示されるイオン交換基を有さない化合物を含むモノマー組成物であることを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンの製造方法。
  3. 前記式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物が、前記式(1)で示される保護されたイオン交換基を有する化合物のみからなる組成物であることを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンの製造方法。
  4. 前記式(1)におけるmが、0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの請求項記載のポリアリーレンの製造方法。
  5. ニッケル化合物が、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの請求項記載のポリアリーレンの製造方法。
  6. ニッケル化合物の重合系内での存在量が、モノマー組成中のモノマー1モルに対して、0.01モル〜5モルの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの請求項記載のポリアリーレンの製造方法。
  7. 更に、前記重合工程の後、得られた重合物に窒素のオキソ酸を接触させる工程を追加的に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかの請求項記載のポリアリーレンの製造方法。
  8. 請求項1記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする式(3)
    Figure 2013221087

    (式中、Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わす。m+qは1〜4の整数を表わす。)
    で示されるイオン交換基を有する繰り返し単位を含むポリアリーレンの製造方法。
  9. 請求項2記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のポリアリーレンの製造方法。
  10. 請求項3記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のポリアリーレンの製造方法。
  11. 請求項4記載のポリアリーレンの製造方法により得られるポリアリーレンが有する式−SOAで示される基のスルホン酸エステル結合を分解してスルホ基に変換する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のポリアリーレンの製造方法。
  12. 下記式(5)
    Figure 2013221087

    (式中、Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。Xは臭素原子又はヨウ素原子を表わす。lは1〜5の整数を表わす。)
    で示されるアリーレンハライド化合物と、下記式(6)
    Figure 2013221087

    (式中、Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Rは同一又は相異なり、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表わし、同一のホウ素原子に結合する2つの酸素原子に別々に結合する2つのRが結合して前記ホウ素原子と前記2つの酸素原子と共に環を形成していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わす。m+qは1〜4の整数を表わす。)
    で示されるアリーレンボロン酸化合物とを、パラジウム触媒存在下でカップリング反応する工程、及び、前記カップリング反応により得られた下記式(8)
    Figure 2013221087

    (式中、Rは同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基又はシアノ基を表わす。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基に含まれる水素原子は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数7〜20のアリールカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのもので置換されていてもよい。また、結合位置が隣接する2つのRが結合して当該Rが結合するベンゼン環上の炭素原子と共に環を形成していてもよい。Aは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記アルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基および炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものを有していてもよい。mは0〜3の整数を表わす。lは1〜5の整数を表わす。qは1〜4の整数を表わし、m+qは1〜4の整数を表わす。)
    で示される保護されたイオン交換基を有する化合物を含むモノマー組成物を、ニッケル化合物と含窒素二座配位子との存在下、得られるポリアリーレンのゲルパーミテーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が10万以上になるまで重合する工程を含むことを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024001060A1 (zh) * 2022-06-28 2024-01-04 河北省药品医疗器械检验研究院(河北省化妆品检验研究中心) 一种检测苯磺顺阿曲库胺注射液中苯磺酸酯类杂质的方法

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