JP2009067789A - ジハロビフェニル化合物の製造方法 - Google Patents

ジハロビフェニル化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジハロビフェニル化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】無機塩と式(1)
Figure 2009067789

(式中、Aはアルカリ金属、Xは塩素、臭素又はヨウ素、kは0〜3を、Rは、フッ素、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル又はシアノを表わす。)
で示されるジハロビフェニル化合物とを含む水溶液と、
(i)炭素数4以上のモノアルコール溶媒もしくは該モノアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒、
(ii)水酸基を有さない親水性有機溶媒もしくは該親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒、又は
(iii)水と任意の割合で混合するアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒とを混合し、水層と式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層とを分離する工程を含むことを特徴とするジハロビフェニル化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジハロビフェニル化合物の製造方法に関する。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質として有用であることが知られている。特許文献1には、かかるポリアリーレンを製造するためのモノマーとして、式(1)
Figure 2009067789
(式中、Aはアルカリ金属原子を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。kは0〜3の整数を表わす。Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アリールオキシ基及び前記アシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。kが2又は3を表わす場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する炭素原子に結合する2つのR1が結合して環を形成していてもよい。)
で示されるジハロビフェニル化合物が開示されている。また、非特許文献1にも、上記式(1)で示されるジハロビフェニル化合物が開示されている。
また特許文献2では、ポリアリーレン製造用モノマーの中間体として使用されている。しかし、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物は、水溶性が高く、晶析が困難であることが分かっている。例えば非特許文献2に記載の方法では、ジハロビフェニル化合物の水溶液を濃縮乾固することによって目的物を単離している。しかしこの方法では、スケールアップ製造の際に、操作の負荷が非常に大きい。
特開2007−177197号公報 特開2007−270118 Polymeric Materials:Science&Engineering 2003,89,438−439 Bull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047
本発明は、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物の水溶液から、濃縮乾固せずに所望のジハロビフェニル化合物を得ることができる製造方法を提供することにある。
本発明は、
[1]:無機塩と式(1)
Figure 2009067789
(式中、Aはアルカリ金属原子を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。kは0〜3の整数を表わす。Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アリールオキシ基及び前記アシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。kが2又は3を表わす場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する炭素原子に結合する2つのR1が結合して環を形成していてもよい。)
で示されるジハロビフェニル化合物とを含む水溶液と、
(i)炭素数4以上のモノアルコール溶媒もしくは該モノアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒、
(ii)水酸基を有さない親水性有機溶媒もしくは該親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒、又は
(iii)水と任意の割合で混合するアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒とを混合し、水層と式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層とを分離する工程を含むことを特徴とするジハロビフェニル化合物の製造方法;
[2]:無機塩が、アルカリ金属塩化物又はアルカリ金属硫酸塩である[1]に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[3]:水溶液中の無機塩の濃度が、1重量%〜飽和濃度である[1]又は[2]に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[4]:疎水性有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒である[1]、[2]又は[3]に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[5]:炭素数4以上のモノアルコール溶媒が、炭素数4〜6のモノアルコール溶媒である[1]、[2]又は[3]に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[6]:水酸基を有さない親水性有機溶媒が、親水性エーテル溶媒、親水性ニトリル溶媒又は親水性ケトン溶媒である[1]、[2]又は[3]に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[7]:水と任意の割合で混合するアルコール溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールである[1]、[2]、[3]又は[4]に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[8]:水と任意の割合で混合するアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒中の、水と任意の割合で混合するアルコール溶媒の割合が、30〜95重量%である[1]、[2]、[3]、[4]又は[7]に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[9]:無機塩と式(1)で示されるジハロビフェニル化合物とを含む水溶液が、式(2)
Figure 2009067789
(式中、A、X、R及びkは第1項で定義したと同じ意味を表わす。)
で示されるジアゾ化合物と式(3)
Figure 2009067789
(式中、Xは第1項で定義したと同じ意味を表わす。)
で示されるハロゲン化銅とを水中で反応させて得られる水溶液である[1]〜[8]のいずれかに記載のジハロビフェニル化合物の製造方法;
[10]:[1]〜[9]のいずれかで得られた式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層を、そのまま、又は、濃縮により、該有機層中の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物及び水の濃度を調整した後、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を溶解しにくい溶媒と混合して、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物の結晶を析出させることを特徴とするジハロビフェニル化合物結晶の製造方法;
[11]:[1]〜[9]のいずれかで得られた式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層を濃縮して、該有機層中の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物及び水の濃度を調整した後、得られた濃縮溶液と疎水性有機溶媒とを混合し、得られた混合物をさらに濃縮して、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物の結晶を析出させることを特徴とするジハロビフェニル化合物結晶の製造方法;
[12]:[1]〜[9]のいずれかで得られた式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層を濃縮して、該有機層中の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物及び水の濃度を調整した後、得られた濃縮溶液を、所定温度に加熱した疎水性有機溶媒中へ加えながら、該濃縮溶液中の溶媒及び水を留去して、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物の結晶を析出させることを特徴とするジハロビフェニル化合物結晶の製造方法;
[13]:濃縮溶液を、疎水性有機溶媒よりも沸点の低いアルコール溶媒で希釈した後、疎水性有機溶媒に加える[12]に記載のジハロビフェニル化合物結晶の製造方法;
[14]:[10]〜[13]のいずれかで得られたジハロビフェニル化合物結晶とクロロ化剤とを、有機溶媒中で反応させ、次いで、アルコール化合物を反応させることを特徴とするビフェニルジスルホン酸ジエステル化合物の製造方法;等を提供するものである。
本発明によれば、工業的に有利な操作により、無機塩を含有する水溶液中から目的とするジハロビフェニル化合物を効率良く抽出することが可能となる。
式(1)で示されるジハロビフェニル化合物(以下、ジハロビフェニル化合物(1)と略記する。)の式中、Aはアルカリ金属原子を表わす。アルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子等が挙げられ、ナトリウム原子が好ましい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わし、好ましくは塩素原子又は臭素原子を表わす。kは0〜3の整数を表わし、好ましくは0又は1を表わし、より好ましくは0を表わす。
は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられ、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましい。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
炭素数2〜20のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族又は芳香族アシル基が挙げられる。
前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アリールオキシ基及び前記アシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
kが2又は3を表わす場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよく、また、隣接する炭素原子に結合する2つのR1が結合して環を形成していてもよい。
かかるジハロビフェニル化合物(1)としては、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジヨードビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジヨードビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジクロロ−2,2’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジブロモ−2,2’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジクロロ−2,2’−ジメトキシビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジブロモ−2,2’−ジメトキシビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム、4,4’−ジヨード−2,2’−ジメトキシビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム等、及びこれら各化合物のナトリウムが、リチウム、カリウム、セシウム等に置き換わった化合物等が挙げられる。
無機塩としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム等のアルカリ金属塩化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム等のアルカリ金属硫酸塩等が挙げられ、アルカリ金属塩化物が好ましく、塩化ナトリウムがより好ましい。
かかる水溶液のpHは、通常1以下である。
無機塩とジハロビフェニル化合物(1)とを含む水溶液は、Polymeric Materials:Science&Engineering 2003,89,438−439、Bull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047等の公知の方法に準じて製造することができる。
かかる水溶液として、例えば、式(2)
Figure 2009067789
(式中、A、X、R及びkは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるジアゾ化合物と式(3)
Figure 2009067789
(式中、Xは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるハロゲン化銅とを水中で反応させて得られる水溶液をそのまま用いることもできる。
水溶液中の水の量は、ジハロビフェニル化合物(1)1重量部に対して、通常、1〜200重量部であり、5〜50重量部が好ましい。
水溶液中の無機塩の濃度は、無機塩の種類によるが、通常、1重量%〜飽和濃度であり、5〜20重量%が好ましい。
本発明は、無機塩とジハロビフェニル化合物(1)とを含む水溶液と、
(i)炭素数4以上のモノアルコール溶媒もしくは該モノアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒(以下、溶媒(i)と略記する。)、
(ii)水酸基を有さない親水性有機溶媒もしくは該親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒(以下、溶媒(ii)と略記する。)、又は
(iii)水と任意の割合で混合するアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒(以下、溶媒(iii)と略記する。)
とを混合し、水層と式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層とを分離する工程を含むことを特徴とするジハロビフェニル化合物の製造方法である。
溶媒(i)における炭素数4以上のモノアルコール溶媒としては、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール等の炭素数4〜10の一つの水酸基を有する溶媒が挙げられる。なかでも、炭素数4〜6のモノアルコール溶媒が好ましく、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール及び1−ヘキサノールがより好ましく、1−ブタノール及び1−ヘキサノールが特に好ましい。2つ以上の炭素数4以上のモノアルコール溶媒を混合して用いてもよい。
炭素数4以上のモノアルコール溶媒の使用量は、無機塩とジハロビフェニル化合物(1)とを含む水溶液1重量部に対して、通常、0.05〜10重量部である。
炭素数4以上のモノアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。ここで、疎水性有機溶媒とは、20℃における水に対する溶解度が5%未満の有機溶媒を意味する。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル溶媒、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等の疎水性エーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられ、芳香族炭化水素溶媒が好ましく、トルエンがより好ましい。2以上の疎水性有機溶媒を混合して用いてもよい。
炭素数4以上のモノアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、該混合溶媒中の炭素数4以上のモノアルコール溶媒の割合は、通常、30〜95重量%であり、好ましくは、50〜85重量%である。
溶媒(ii)における水酸基を有さない親水性有機溶媒は、20℃における水に対する溶解度が5%以上の有機溶媒であって、水酸基を有さない有機溶媒を意味する。20℃における水に対する溶解度が20%以上で、水酸基を有さない有機溶媒が好ましい。具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン等の親水性エーテル溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等の親水性ニトリル溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の親水性ケトン溶媒が挙げられ、親水性エーテル溶媒が好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。2つ以上の水酸基を有さない親水性有機溶媒を混合して用いてもよい。
水酸基を有さない親水性有機溶媒の使用量は、無機塩とジハロビフェニル化合物(1)とを含む水溶液1重量部に対して、通常、0.05〜10重量部である。
水酸基を有さない親水性有機溶媒と前記疎水性有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。水酸基を有さない親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、該混合溶媒中の水酸基を有さない親水性有機溶媒の割合は、通常、30〜95重量%であり、好ましくは、50〜85重量%である。
溶媒(iii)における水と任意の割合で混合するアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒における疎水性有機溶媒としては、前記したものと同様のものが挙げられ、芳香族炭化水素溶媒が好ましく、トルエンがより好ましい。2以上の疎水性有機溶媒を混合して用いてもよい。
水と任意の割合で混合するアルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。2つ以上の水と任意の割合で混合するアルコール溶媒を混合して用いてもよい。
該混合溶媒中の、水と任意の割合で混合するアルコール溶媒の割合は、通常、30〜95重量%であり、好ましくは、50〜85重量%である。
該混合溶媒の使用量は、ジハロビフェニル化合物(1)1重量部に対して、通常0.05〜10重量部である。
溶媒(i)又は溶媒(iii)を用いることが好ましい。
無機塩とジハロビフェニル化合物(1)とを含む水溶液と、前記溶媒(i)、溶媒(ii)又は溶媒(iii)の溶媒とを混合する温度及び水層とジハロビフェニル化合物(1)を含む有機層とを分離する温度は、通常0〜80℃であり、好ましくは15〜40℃である。
得られた水層中には、無機塩に加え、ジハロビフェニル化合物(1)が含まれていることが多いため、得られた水層と前記溶媒(i)、溶媒(ii)又は溶媒(iii)の溶媒とを混合し、水層とジハロビフェニル化合物(1)を含む有機層とを分離する操作を繰り返し行ってもよい。かかる操作は、1〜5回繰り返すことが好ましい。
得られた有機層中には、ジハロビフェニル化合物(1)、用いた有機溶媒及び水が含まれている。また、該有機層中には無機塩も含まれているが、用いた水溶液中の無機塩の大部分は、水層に含まれており、有機層中のジハロビフェニル化合物(1)に対する無機塩の割合は、水溶液中のジハロビフェニル化合物(1)に対する無機塩の割合に比べて、小さくなっている。本発明の製造方法により、無機塩の含有量がより小さいジハロビフェニル化合物(1)を含む有機層を得ることができ、純度の良好なジハロビフェニル化合物(1)をより容易に製造することができる。
かかる有機層を、そのまま、好ましくは、濃縮により、該有機層中のジハロビフェニル化合物(1)及び水の濃度を調整した後、ジハロビフェニル化合物(1)を溶解しにくい溶媒と混合することにより、ジハロビフェニル化合物(1)の結晶を析出させ、析出した結晶を濾過により分離することにより、ジハロビフェニル化合物(1)を結晶として取り出すことができる。
濃縮により、該有機層中のジハロビフェニル化合物(1)及び水の含量を調整する場合、ジハロビフェニル化合物(1)の含量を、20〜60重量%に調整することが好ましく、40〜50重量%に調整することがより好ましい。また、水の含量を、ジハロビフェニル化合物(1)に対して、1〜500重量%に調整することが好ましく、10〜200重量%に調整することがより好ましい。
ジハロビフェニル化合物(1)を溶解しにくい溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒、アセトン、ジエチルケトン等のケトン溶媒等が挙げられ、好ましくはニトリル溶媒であり、より好ましくはアセトニトリルである。かかる溶媒は、2種以上を混合して用いてもよい。その使用量は、ジハロビフェニル化合物(1)1重量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは3〜50重量部である。
また、得られた有機層を濃縮して、該有機層中のジハロビフェニル化合物(1)及び水の含量を調整した後、得られた濃縮溶液と疎水性有機溶媒とを混合し、得られた混合物をさらに濃縮することにより、ジハロビフェニル化合物(1)の結晶を得ることもできる。
濃縮溶液中のジハロビフェニル化合物(1)の含量は、20〜60重量%が好ましく、40〜50重量%がより好ましい。また、水の含量は、ジハロビフェニル化合物(1)に対して、1〜500重量%が好ましく、10〜200重量%がより好ましい。疎水性有機溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒が好ましく、トルエンがより好ましい。
また、得られた有機層を濃縮して、該有機層中のジハロビフェニル化合物(1)及び水の含量を調整した後、得られた濃縮溶液を、所定温度に加熱した疎水性有機溶媒中へ加えながら、該濃縮溶液中の溶媒及び水を留去させることにより、ジハロビフェニル化合物(1)の結晶を析出させ、析出した結晶を濾過により分離することにより、ジハロビフェニル化合物(1)の結晶を取り出すこともできる。必要に応じて、溶媒及び水とともに、疎水性有機溶媒を留去してもよい。濃縮溶液は、そのまま疎水性有機溶媒に加えてもよいが、好ましくは、疎水性有機溶媒よりも沸点の低いアルコール溶媒で希釈した後、疎水性有機溶媒に加えることが好ましい。該アルコール溶媒としては、メタノールが好ましく、その使用量は、濃縮溶液中のジハロビフェニル化合物(1)1重量部に対して、通常1〜50重量部、好ましくは3〜20重量部である。疎水性有機溶媒の使用量は、ジハロビフェニル化合物(1)1重量部に対して、通常2〜200重量部、好ましくは5〜50重量部である。
無機塩とジハロビフェニル化合物(1)とを含む水溶液として、式(2)で示されるジアゾ化合物と式(3)で示されるハロゲン化銅とを水中で反応させて得られる水溶液を用いた場合には、得られた有機層中に、ハロゲン化銅由来の銅化合物が含まれていることがある。そのため、得られた有機層と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ又はその水溶液とを混合し、該銅化合物を析出させ、析出した銅化合物を除去した後、ジハロビフェニル化合物(1)の取り出し操作を行うことが好ましい。
得られたジハロビフェニル化合物(1)は、有機溶媒中で、塩化チオニル等のクロロ化剤と反応させ、次いで、アルコール化合物と反応させることにより、対応するビフェニルジスルホン酸ジエステル化合物に導くことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。得られたジハロビフェニル化合物(1)の含量は、n−オクチルベンゼンを内部標準物質として用いた高速液体クロマトグラフィ法(分析条件は下記のとおり)により測定した。
[分析条件]
LC測定装置:LC−10AT(株式会社島津製作所製)
カラム:L−Column ODS(5μm、4.6mmφ×15cm)
カラム温度:40℃
移動相:A液:0.1重量%n−テトラブチルアンモニウムブロミド水溶液
B液:0.1重量%n−テトラブチルアンモニウムブロミドアセトニトリル溶液
流量:1.0mL/分
検出波長:254nm
[参考例1]
Figure 2009067789
ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸350重量部に水700.5重量部を加えた。得られた混合物に、10℃で36重量%亜硝酸ナトリウム水溶液460.1重量部を滴下した。得られた混合物を1時間攪拌し、反応させた。得られた反応混合物に、10℃で35重量%塩酸327.3重量部を滴下し、得られた混合物を1時間撹拌して、溶液(A)を得た。
塩化銅(I)166重量部を35重量%塩酸587重量部に溶解させ、溶液(B)を調製した。10℃に調整した溶液(B)に、溶液(A)を滴下し、得られた混合溶液を1時間撹拌し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム及び塩化ナトリウムを含む水溶液(C)2604重量部を得た。該水溶液中には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム313重量部が含まれていた。
得られた水溶液(C)2604重量部と、50重量%水酸化ナトリウム水溶液450重量部とを混合し、pH約0.5に調整した。得られた水溶液に、塩化ナトリウム93重量部を加え、水溶液(D)を調製した。
[実施例1]
参考例1で得られた水溶液(D)に、トルエン315重量部と2−プロパノール1258重量部とを加え、室温で30分撹拌した。静置後、水層2403重量部と有機層2289重量部に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム231.4重量部が含まれていた。水溶液(D)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、74%であった。
得られた水層2403重量部に、トルエン377重量部と2−プロパノール1132重量部を加え、室温で30分撹拌した。静置後、水層1937重量部と有機層1965重量部に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム66.4重量部が含まれていた。水溶液(D)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、21%であり、合計の抽出率は、95%であった。
[参考例2]
参考例1と同様に実施して、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム及び塩化ナトリウムを含む水溶液(E)を得た。4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムの濃度は、10重量%であった。
[実施例2]
参考例2で得られた水溶液(E)10重量部に、1−ブタノール2重量部を加え、室温で10分撹拌した。静置後、水層7.9重量部と有機層4.1重量部に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム0.87重量部が含まれていた。水溶液(E)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、87%であった。
[実施例3]
参考例2で得られた水溶液(E)10重量部に、1−ヘキサノール2重量部を加え、室温で10分撹拌した。静置後、水層8.5重量部と有機層3.5重量部に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム0.74重量部が含まれていた。水溶液(E)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、74%であった。
[実施例4]
参考例2で得られた水溶液(E)10重量部に、テトラヒドロフラン2重量部を加え、室温で10分撹拌した。静置後、水層7.5重量部と有機層4.5重量部に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム0.71重量部が含まれていた。水溶液(E)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、71%であった。
[実施例5]
参考例2で得られた水溶液(E)10重量部に、1−ブタノール2重量部とトルエン0.5重量部を加え、室温で10分撹拌した。静置後、水層8.4重量部と有機層4.1重量部に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム0.77重量部が含まれていた。水溶液(E)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、77%であった。
[実施例6]
実施例1と同様にして得られた2つの有機層を混合し、炭酸ナトリウム140重量部を加えた。析出した銅化合物を濾過により除去し、濾液4001重量部を得た。濾液中には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム292.9重量部が含まれていた。また、該濾液に含まれる塩化物イオン量をイオンクロマトグラフィー法により測定し、得られた結果から、塩化ナトリウム量を算出したところ、32.9重量部の塩化ナトリウムが濾液中に含まれていることがわかった。
得られた濾液を濃縮し、濃縮溶液600重量部を得た。得られた濃縮溶液をアセトニトリル3000重量部に注ぎ、析出した固体を濾過により分離し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム256.9重量部を得た。収率:88%
[実施例7]
実施例1と同様にして得られた2つの有機層を混合し、濃縮し、濃縮溶液1200重量部(水分含量:28.7重量%)を得た。得られた濃縮溶液を、メタノール2400重量部で希釈した。
得られた溶液922重量部(4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム80重量部を含む)を、常圧で、沸騰したトルエン800重量部中へ、徐々に滴下した。得られたスラリーを濾過し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムの結晶を定量的に得た。
[比較例1]
実施例4において、テトラヒドロフランに代えて、メタノールを用いた以外は実施例4と同様に実施したが、溶液は均一であり、有機層と水層に分離しなかった。
[比較例2]
実施例4において、テトラヒドロフランに代えて、2−プロパノールを用いた以外は実施例4と同様に実施したが、溶液は均一であり、有機層と水層に分離しなかった。
[比較例3]
実施例4において、テトラヒドロフランに代えて、ジエチルエーテルを用いた以外は実施例4と同様に実施したところ、有機層と水層に分離したが、有機層中には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムが含まれていなかった。
[参考例3]
水酸化ナトリウム12.6重量部と水270.4重量部とからなる水溶液に、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸51.7重量部を加えた。得られた混合物に、0℃で35重量%塩酸113.6重量部を滴下し、得られた混合物を2時間攪拌した。得られた混合物に、0℃で33重量%亜硝酸ナトリウム水溶液94.5重量部を滴下した。得られた混合物を1時間攪拌し、反応させ、溶液(A’)を得た。
塩化銅(I)30.4重量部を35重量%塩酸309.9重量部に溶解させ、溶液(B’)を調製した。70℃に調整した溶液(B’)に、溶液(A’)を滴下し、得られた混合溶液を1時間撹拌し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム及び塩化ナトリウムを含む水溶液(C’)856重量部を得た。
得られた水溶液(C’)595重量部に、26重量%水酸化ナトリウム水溶液424.8重量部を滴下した。析出した銅化合物を濾過により除去し、水85.7重量部で洗浄し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム及び塩化ナトリウムを含む水溶液(F)923.5重量部を得た。該水溶液(F)には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム26.8重量部が含まれていた。
[実施例8]
参考例3で得られた水溶液(F)1重量部と、2−プロパノール/トルエン混合溶液7.5重量部(重量比:2−プロパノール/トルエン=2/1)とを混合し、室温で撹拌した。静置後、水層と有機層に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムが含まれていた。水溶液(E)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、33%であった。
[実施例9]
参考例3で得られた水溶液(F)1重量部と、2−プロパノール/トルエン混合溶液5重量部(重量比:2−プロパノール/トルエン=5/1)とを混合し、室温で撹拌した。静置後、水層と有機層に分離した。得られた有機層には、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムが含まれていた。水溶液(E)中の4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを基準とした抽出率は、48%であった。
[実施例10]
実施例7と同様にして得られた4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム40重量部にトルエン320重量部を加え、得られた混合物を65℃に調整した。混合物に、N,N’−ジメチルホルムアミド5.5重量部を加え、さらに、塩化チオニル66.9重量部を2時間かけて滴下した。得られた混合物を65℃で1時間保温し、反応させた。得られた反応混合物を水217重量部に注ぎ込んだ。得られた混合物を60℃で2時間保温した後、水層を分離した。得られた有機層を、60℃で、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液217重量部で3回洗浄した後、水217重量部で1回洗浄した。得られた有機層にトルエン120重量部を加えた後、濃縮して、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリドを含むトルエン溶液350重量部を得た。

60重量%水素化ナトリウム2.56重量部にトルエン26.8重量部を加え、得られた混合物を80℃に調整した。得られた混合物に、2,2−ジメチルプロパノール6.21重量部とトルエン6.21重量部との混合溶液を2時間かけて滴下した。得られた混合物を、80℃で1時間保温した後、70℃に冷却した。該混合物に、先に得た4,4’−ジクロロ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸ジクロリドを含むトルエン溶液75重量部を滴下し、得られた混合物を1時間保温し、反応させた。得られた反応混合物を、0℃に冷却した後、水17.3重量部を加えた。析出した結晶を濾過により分離し、水で洗浄し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)の結晶を得た。得られた結晶に、トルエン76重量部と10重量%硫酸水38重量部を加えた。得られた混合物を65℃に昇温した後、水層を除去した。得られた有機層を水38重量部で4回洗浄した後、0℃に冷却した。析出した結晶を濾過により分離した後、乾燥し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)の白色固体7.51重量部を得た。
本発明によれば、ポリアリーレン製造用のモノマーとして有用なジハロビフェニル化合物を水溶液から容易に取り出すことができる。

Claims (14)

  1. 無機塩と式(1)
    Figure 2009067789
    (式中、Aはアルカリ金属原子を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。kは0〜3の整数を表わす。Rは、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ここで、前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基、前記アリールオキシ基及び前記アシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。kが2又は3を表わす場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する炭素原子に結合する2つのR1が結合して環を形成していてもよい。)
    で示されるジハロビフェニル化合物とを含む水溶液と、
    (i)炭素数4以上のモノアルコール溶媒もしくは該モノアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒、
    (ii)水酸基を有さない親水性有機溶媒もしくは該親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒、又は
    (iii)水と任意の割合で混合するアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒とを混合し、水層と式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層とを分離する工程を含むことを特徴とするジハロビフェニル化合物の製造方法。
  2. 無機塩が、アルカリ金属塩化物又はアルカリ金属硫酸塩である請求項1に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  3. 水溶液中の無機塩の濃度が、1重量%〜飽和濃度である請求項1又は2に記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  4. 疎水性有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒である請求項1〜3のいずれかに記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  5. 炭素数4以上のモノアルコール溶媒が、炭素数4〜6のモノアルコール溶媒である請求項1〜4のいずれかに記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  6. 水酸基を有さない親水性有機溶媒が、親水性エーテル溶媒、親水性ニトリル溶媒又は親水性ケトン溶媒である請求項1〜4のいずれかに記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  7. 水と任意の割合で混合するアルコール溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールである請求項1〜4のいずれかに記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  8. 水と任意の割合で混合するアルコール溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒中の、水と任意の割合で混合するアルコール溶媒の割合が、30〜95重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  9. 無機塩と式(1)で示されるジハロビフェニル化合物とを含む水溶液が、式(2)
    Figure 2009067789
    (式中、A、X、R及びkは請求項1で定義したと同じ意味を表わす。)
    で示されるジアゾ化合物と式(3)
    Figure 2009067789
    (式中、Xは請求項1で定義したと同じ意味を表わす。)
    で示されるハロゲン化銅とを水中で反応させて得られる水溶液である請求項1〜8のいずれかに記載のジハロビフェニル化合物の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかで得られた式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層を、そのまま、又は、濃縮により、該有機層中の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物及び水の含量を調整した後、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を溶解しにくい溶媒と混合して、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物の結晶を析出させることを特徴とするジハロビフェニル化合物結晶の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかで得られた式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層を濃縮して、該有機層中の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物及び水の含量を調整した後、得られた濃縮溶液と疎水性有機溶媒とを混合し、得られた混合物をさらに濃縮して、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物の結晶を析出させることを特徴とするジハロビフェニル化合物結晶の製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれかで得られた式(1)で示されるジハロビフェニル化合物を含む有機層を濃縮して、該有機層中の式(1)で示されるジハロビフェニル化合物及び水の含量を調整した後、得られた濃縮溶液を、所定温度に加熱した疎水性有機溶媒中へ加えながら、該濃縮溶液中の溶媒及び水を留去して、式(1)で示されるジハロビフェニル化合物の結晶を析出させることを特徴とするジハロビフェニル化合物結晶の製造方法。
  13. 濃縮溶液を、疎水性有機溶媒よりも沸点の低いアルコール溶媒で希釈した後、疎水性有機溶媒に加える請求項12に記載のジハロビフェニル化合物結晶の製造方法。
  14. 請求項10〜13のいずれかで得られたジハロビフェニル化合物結晶とクロロ化剤とを、有機溶媒中で反応させ、次いで、アルコール化合物を反応させることを特徴とするビフェニルジスルホン酸ジエステル化合物の製造方法。
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