JP3580751B2 - スルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、スルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、スルホン酸化芳香族スルホキシド化合物を重縮合して得られる可溶性のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物を経由するスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
スルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物は、耐熱性の陽イオン交換樹脂として有用であり、最近は燃料電池や高分子二次電池の固体電解質材料としての応用にも期待がもたれてきている。従来、ポリアリーレンスルフィドなどをスルホン酸化剤と反応させることによるスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の合成法(Polymer, 33, 248 (1992) )が報告されているが、1)ポリアリーレンスルフィドが溶媒不溶性であるため不均一反応である、2)150℃以上の高温を要する、3)スルホン架橋などの副反応が生起する、4)スルホン酸基置換度が低い、などの問題点が指摘されている。
【0003】
これまでのところ、スルホン酸基を有するモノマーを重縮合させてスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物が合成された例はなく、従来のポリアリーレンスルフィド化合物合成法によっては困難であると考えられていた。したがって、本発明のスルホン酸化芳香族スルホキシド化合物を強酸中で重縮合させることにより得られる溶媒可溶性のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物を経由して、スルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物が合成できることは現在まで全く知られていないのが実情である。
【0004】
この出願の発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造欠陥がなくスルホン酸基置換度の高いスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は前記の課題を解決するものとして、第1の発明では、一般式[1]
【0006】
【化4】
【0007】
(Arはアリーレン基を示す。mは1〜8の整数で、スルホン酸基の置換度を示す。nは、2以上の整数で重合度を示す。)で表されるスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法であって、一般式[2]
【0008】
【化5】
【0009】
(Ar、mは前記のものを示す。Rはアルキル基、あるいはアリール基を示す。)で表されるスルホン酸化芳香族スルホキシド化合物を強酸中で重縮合させて、一般式[3]
【0010】
【化6】
【0011】
(R、Ar、m、およびnは前記のものを示す。X− はアニオンである。)で表されるスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物を製造した後、Rを脱離させることを特徴とするスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法を提供する。
【0012】
また、この発明において、第2には、強酸が硫酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、あるいはトリフルオロメタンスルホン酸であることを特徴とするスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法を提供する。
【0013】
さらにまた、この発明において、第3には、Rがアルキル基であることを特徴とするスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法を提供する。
【0014】
以上のとおりの特徴を有するこの出願の発明は、発明者らによる鋭意研究の結果、構造欠陥のない高度にスルホン酸化されたポリアリーレンスルフィド化合物が、スルホン酸化芳香族スルホキシド化合物の重縮合反応によって得られることを見出し完成されたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この出願の発明の実施の形態について詳しく説明する。まず、前記一般式[1 ]で表される化合物に関しては、式中のArはアリーレン基であるが、具体例を例示すると、例えば、フェニレン基、トルイレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ジフェニレンメタン基、ジフェニレンアミン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルフィド基、ジフェニレンケトン基、ジフェニレンスルホン基、ジフェニレンセレニド基、などを挙げることが出来る。これらの中でも、当該化合物の合成の容易さの点から、ビフェニレン基、ジフェニレンメタン基、ジフェニレンアミン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルフィド基、などが好ましく用いられる。
【0016】
式[1 ]中におけるスルホン酸基置換度を示すmは、1〜8の整数であるが、当該化合物の合成の容易さの点から、mは1〜4が好ましい。
【0017】
なお、式[1 ]中における重合度を示すnは、2以上の整数であり特に制限はないが、一般的には、nは2000程度までと考えてよい。
【0018】
そして、一般式[1 ]で表されるこの発明のスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物を製造するための方法は、前記のとおり、前記一般式[2]で表されるスルホン酸化芳香族スルホキシド化合物を強酸中で重縮合させて、前記一般式[3]で表されるスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物を製造した後、Rを脱離させることになる。
【0019】
式[2]中のRは前記のとおり、炭化水素基を示す。炭化水素基は鎖状であっても、環状であってもよく、環状炭化水素は脂肪族系でも芳香族系でもよく、さらには単環であっても、多環であっても、またヘテロ環であってもよい。また炭化水素基は置換基を含んでいてもよい。すなわち、前記Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、などのアルキル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、アニシル基、ナフチル基、ベンジル基などのアリール基、などを挙げることができる。これらの中でも、当該化合物の合成の容易さ、生成重合体の安定性、脱離の容易さの点から、メチル基、エチル基、プロピル基、およびブチル基などのアルキル基、などが好ましく用いられる。
【0020】
式[2]で表されるスルホン酸化芳香族スルホキシド化合物の強酸中での重縮合反応は、公知の酸化合物存在下で実施することが可能である。反応活性種であるスルホニウムカチオンを生成させ、失活を抑制するためのものであり、公知の有機酸、無機酸、ルイス酸またはそれらの混合物もしくは複合体である。具体的には、例えば、塩酸、臭化水素酸、青酸、硫酸、リン酸、塩素酸、臭素酸、過塩素酸、硝酸、炭酸、硼酸、モリブデン酸、インポリ酸、ヘテロポリ酸、モノメチル硫酸、トリフルオロメタン硫酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、コハク酸、安息香酸、フタル酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、五塩化アンチモン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛、塩化銅、塩化鉄、などを挙げることができる。これらの中でも、安定性の高い強酸性のプロトン酸が好ましく、特にトリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、メタンスルホン酸、過塩素酸、テトラフルオロほう酸などが好ましく用いられる。
【0021】
また、無水トリフルオロメタンスルホン酸、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、無水硫酸、五酸化リン、などの酸無水物を添加すると重縮合反応の効率が高く、特に無水トリフルオロメタンスルホン酸、五酸化リン、などが好ましい。
【0022】
本重縮合反応は、溶媒の非存在下においても行い得るが、溶媒の存在下でも行うことができる。この溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、などの炭化水素溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、1、1、2ートリクロロー1、2、2ートリフルオロエタン、などのハロゲン化炭化水素溶媒;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、などの含窒素溶媒、などが挙げられる。このほか一般にフリーデルクラフツ反応やカチオン重合などに使用される溶媒も適宜に選択して好適に使用できる。
【0023】
なお、これらの溶媒は、1種単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。重合させるモノマーが液体であれば溶媒無しで直接反応させてもよい。
【0024】
重縮合反応におけるモノマーの濃度は、酸、あるいは溶媒によって一様ではないが、通常0.1mM 〜5Mであり、好ましくは30mM〜1Mである。
【0025】
重合時間は用いる反応原料の種類やその使用割合、反応温度、溶媒の条件によって著しく異なるが、通常、0.1 〜200 時間であり、好ましくは2 〜80時間である。
【0026】
本反応系を構成するに当たって、スルホン酸化芳香族スルホキシド化合物と、酸、溶剤、などの配合の順序、方法については特に制限はなく、それぞれを同時にあるいは種々の順序、様式で段階的に配合することも可能である。
【0027】
本反応の温度は、−50 ℃〜150 ℃であり、好ましくは0 ℃〜80℃である。
【0028】
反応圧力は特に制限はなく、必要に応じて加圧・減圧してもよい。通常、常圧もしくは反応系の自圧で好適に行うことが出来る。もっとも、必要により、重縮合反応に支障のない希釈ガスなどとの混合ガスを用いて加圧下に行うこともできる。
【0029】
上記重縮合反応によって得られる、前記一般式[3]のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物のアニオンX− は、反応の完了時点で用いた酸の対アニオンであるが、公知のアニオン交換反応を利用して、アニオンX− が重合に用いた酸の対アニオン以外であるその他のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物を合成できる。交換可能な対アニオンの具体例を例示すると、例えば、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、などのハロゲンアニオン;酢酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、メタンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタン硫酸アニオン、過塩素酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、ヘキサクロロアンチモネートアニオン、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、などを挙げることができる。これらの中でも、当該化合物の合成収率および安定性の点から、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、過塩素酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、およびヘキサフルオロホスフェートアニオン、などが好ましい。
【0030】
この発明の前記一般式[3]のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物は、公知の反応を利用してRを脱離することにより、前記一般式[1]のスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物へ変換することができる。すなわち、前記スルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩を還元剤、あるいは求核性試薬などの脱アルキル化試薬と反応させることによりRが脱離する。
【0031】
脱離反応に用いる還元剤の具体例を挙げると、例えば、アスコルビン酸、ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、亜二チオン酸ナトリウム、ヒドラジン、などが挙げられる。また求核性試薬としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム、などのアルカリ金属塩;塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、などのアンモニウム塩;アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、メチルピリジン、キノリン、などのアミン化合物、などが挙げられる。また電気的に還元を行ってRを脱離させても良い。
【0032】
還元剤、あるいは求核性試薬は脱離させるRに対して等モル以上必要である。等モル以下の場合には、脱離反応は不完全となる。
【0033】
この脱離反応は、溶媒の非存在下においても行い得るが、溶媒の存在下でも行うことができる。この溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、などの脂肪族アルコール溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、などの脂肪族エーテル溶媒;蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、などのエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、などのケトン溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、などの炭酸溶媒;アセトニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、N, N, −ジメチルホルムアミド、N, N, −ジメチルアセトアミド、N −メチル−2 −ピロリジノン、などの含窒素溶媒;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、などの含硫黄溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、などのハロゲン化炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、などのハロゲン化芳香族溶媒、などが挙げられる。
【0034】
なお、これらの溶媒は、1種単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。脱離試薬が液体であれば溶媒無しで直接反応させてもよい。
【0035】
反応温度は使用する脱離試薬によって一様ではないが、通常、0 〜250 ℃であり、好ましくは100 〜200 ℃である。
【0036】
反応の圧力は特に制限はなく、通常、常圧もしくは反応系の自圧で好適に行うことができる。
【0037】
反応時間は、脱離試薬の種類や濃度、反応温度、圧力、溶媒等の条件によって著しく異なるが、通常0.1 〜100 時間であり、好ましくは2 〜20時間である。
【0038】
この脱離反応を構成するにあたって、前記スルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物、脱離試薬、溶媒の配合の順序、方法については特に制限はなく、それぞれを同時にあるいは種々の順序、様式で段階的に配合することも可能である。
【0039】
以上のような脱離反応によって、溶液中に、あるいは沈殿物として目的とするスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物を得ることができる。この場合、生成するスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の重合度は、出発物質の前記スルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物の重合度と同じである
以下、この発明を実施例により更に詳しく説明する。なお、本発明は実施例に限定されないことはいうまでもないことである。
【0040】
【実施例】
(実施例1 ) ポリ(チオ−2,6−ジスルホ−1,4−フェニレン)の合成
10mlのトリフルオロメタンスルホン酸中に3,5,2’,6’−テトラスルホ−4−メチルスルフィニルジフェニルスルフィド0.82g を溶解し、65℃で40時間撹拌した。反応溶液を500ml のジエチルエーテル中に滴下すると、白色の沈澱が得られた。精製のため沈澱を濾過後、石油エーテル、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥することにより、ポリ(メチルスルホニオ−2,6−ジスルホ−1,4−フェニレンチオ−2,6−ジスルホ−1,4−フェニレン トリフレート)を収率100 %で得た。この重合体を、臭化テトラブチルアンモニウム2.5gを溶解したアセトニトリル60mlと混合し、80℃で5 時間撹拌した。反応生成物をすべて透析膜に入れて透析を行い、ポリ(チオ−2,6−ジスルホ−1,4−フェニレン)を収率97% で得た。反応式と分析結果を以下に示す。
【0041】
【化7】
【0042】
【表1】
【0043】
(実施例2 ) ポリ(チオ−2−スルホ−1,4−フェニレンオキシ−2−スルホ−1,4−フェニレン)の合成
10mlの70% 過塩素酸中に3,2’−ジスルホ−4−プロピルスルフィニルジフェニルエーテル0.63g を溶解し、50℃で48時間撹拌した。反応溶液を500ml のジエチルエーテル中に滴下すると、白色の沈澱が得られた。精製のため沈澱を濾過後、石油エーテル、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥することにより、ポリ(プロピルスルホニオ−2−スルホ−1,4−フェニレンオキシ−2−スルホ−1,4−フェニレン パークロレート)を収率100 %で得た。この重合体を、塩化ナトリウム2.0gを溶解した水50mlと混合し、100 ℃で8 時間撹拌した。反応生成物をすべて透析膜に入れて透析を行い、ポリ(チオ−2−スルホ−1,4−フェニレンオキシ−2−スルホ−1,4−フェニレン)を収率95% で得た。反応式と分析結果を以下に示す。
【0044】
【化8】
【0045】
【表2】
【0046】
(実施例3 ) ポリ(イミノ−2,3,6−トリスルホ−1,4−フェニレンチオ−3,5−ジスルホ−1,4−フェニレン)の合成
10mlのトリフルオロメタンスルホン酸中に無水トリフルオロメタンスルホン酸0.24g 、2,6,2’,3’,6’−ペンタスルホ−4−メチルスルフィニルジフェニルアミン0.87g を溶解し、80℃で60時間撹拌した。反応溶液を500ml のジエチルエーテル中に滴下すると、薄黄色の沈澱が得られた。精製のため沈澱を濾過後、石油エーテル、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥することにより、ポリ(メチルスルホニオ−3,5−ジスルホ−1,4−フェニレンイミノ−2,3,6−トリスルホ−1,4−フェニレン トリフレート)を収率88%で得た。この重合体を、塩化カリウム2.8gを溶解した水65mlと混合し、100 ℃で12時間撹拌した。反応生成物をすべて透析膜に入れて透析を行い、ポリ(イミノ−2,3,6−トリスルホ−1,4−フェニレンチオ−3,5−ジスルホ−1,4−フェニレン)を収率84% で得た。反応式と分析結果を以下に示す。
【0047】
【化9】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】
以上詳しく説明したこの発明の方法によって、スルホン架橋、分岐など構造欠陥がなくスルホン酸基置換度の高いスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物を高い収率(選択率)で得る。
Claims (3)
- 強酸が硫酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、あるいはトリフルオロメタンスルホン酸であることを特徴とする請求項1記載のスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法。
- Rがアルキル基であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法。
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