JP2001247675A - スルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法 - Google Patents

スルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造欠陥がなくスルホン酸基置換度の高いスル
ホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物を製造する。 【解決手段】一般式[1] 【化1】 (Arはアリーレン基を示す。mは1−8の整数で、ス
ルホン酸基の置換度を示す。nは、2以上の整数で重合
度を示す。)で表されるスルホン酸化ポリアリーレンス
ルフィド化合物を、対応するスルホン酸化芳香族スルホ
キシド化合物を強酸中で重縮合させて、スルホン酸化ポ
リアリーレンスルホニウム塩化合物を製造した後、Rを
脱離させることによって製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、スルホン
酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法に関する
ものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、スル
ホン酸化芳香族スルホキシド化合物を重縮合して得られ
る可溶性のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩
化合物を経由するスルホン酸化ポリアリーレンスルフィ
ド化合物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】スルホン酸化ポリアリーレン
スルフィド化合物は、耐熱性の陽イオン交換樹脂として
有用であり、最近は燃料電池や高分子二次電池の固体電
解質材料としての応用にも期待がもたれてきている。従
来、ポリアリーレンスルフィドなどをスルホン酸化剤と
反応させることによるスルホン酸化ポリアリーレンスル
フィド化合物の合成法(Polymer, 33, 248 (1992) )が
報告されているが、1)ポリアリーレンスルフィドが溶
媒不溶性であるため不均一反応である、2)150℃以
上の高温を要する、3)スルホン架橋などの副反応が生
起する、4)スルホン酸基置換度が低い、などの問題点
が指摘されている。
【0003】これまでのところ、スルホン酸基を有する
モノマーを重縮合させてスルホン酸化ポリアリーレンス
ルフィド化合物が合成された例はなく、従来のポリアリ
ーレンスルフィド化合物合成法によっては困難であると
考えられていた。したがって、本発明のスルホン酸化芳
香族スルホキシド化合物を強酸中で重縮合させることに
より得られる溶媒可溶性のスルホン酸化ポリアリーレン
スルホニウム塩化合物を経由して、スルホン酸化ポリア
リーレンスルフィド化合物が合成できることは現在まで
全く知られていないのが実情である。
【0004】この出願の発明は前記事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、構造欠陥がなくスルホン酸
基置換度の高いスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド
化合物の製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は前記の
課題を解決するものとして、第1の発明では、一般式
[1]
【0006】
【化4】
【0007】(Arはアリーレン基を示す。mは1〜8
の整数で、スルホン酸基の置換度を示す。nは、2以上
の整数で重合度を示す。)で表されるスルホン酸化ポリ
アリーレンスルフィド化合物の製造法であって、一般式
[2]
【0008】
【化5】
【0009】(Ar、mは前記のものを示す。Rはアル
キル基、あるいはアリール基を示す。)で表されるスル
ホン酸化芳香族スルホキシド化合物を強酸中で重縮合さ
せて、一般式[3]
【0010】
【化6】
【0011】(R、Ar、m、およびnは前記のものを
示す。X- はアニオンである。)で表されるスルホン酸
化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物を製造した後、
Rを脱離させることを特徴とするスルホン酸化ポリアリ
ーレンスルフィド化合物の製造法を提供する。
【0012】また、この発明において、第2には、強酸
が硫酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、あるいはトリフ
ルオロメタンスルホン酸であることを特徴とするスルホ
ン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法を提供
する。
【0013】さらにまた、この発明において、第3に
は、Rがアルキル基であることを特徴とするスルホン酸
化ポリアリーレンスルフィド化合物の製造法を提供す
る。
【0014】以上のとおりの特徴を有するこの出願の発
明は、発明者らによる鋭意研究の結果、構造欠陥のない
高度にスルホン酸化されたポリアリーレンスルフィド化
合物が、スルホン酸化芳香族スルホキシド化合物の重縮
合反応によって得られることを見出し完成されたもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この出願の発明の実施の形
態について詳しく説明する。まず、前記一般式[1 ]で
表される化合物に関しては、式中のArはアリーレン基
であるが、具体例を例示すると、例えば、フェニレン
基、トルイレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ビフ
ェニレン基、ジフェニレンメタン基、ジフェニレンアミ
ン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルフィ
ド基、ジフェニレンケトン基、ジフェニレンスルホン
基、ジフェニレンセレニド基、などを挙げることが出来
る。これらの中でも、当該化合物の合成の容易さの点か
ら、ビフェニレン基、ジフェニレンメタン基、ジフェニ
レンアミン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレン
スルフィド基、などが好ましく用いられる。
【0016】式[1 ]中におけるスルホン酸基置換度を
示すmは、1〜8の整数であるが、当該化合物の合成の
容易さの点から、mは1〜4が好ましい。
【0017】なお、式[1 ]中における重合度を示すn
は、2以上の整数であり特に制限はないが、一般的に
は、nは2000程度までと考えてよい。
【0018】そして、一般式[1 ]で表されるこの発明
のスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物を製造
するための方法は、前記のとおり、前記一般式[2]で
表されるスルホン酸化芳香族スルホキシド化合物を強酸
中で重縮合させて、前記一般式[3]で表されるスルホ
ン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物を製造した
後、Rを脱離させることになる。
【0019】式[2]中のRは前記のとおり、炭化水素
基を示す。炭化水素基は鎖状であっても、環状であって
もよく、環状炭化水素は脂肪族系でも芳香族系でもよ
く、さらには単環であっても、多環であっても、またヘ
テロ環であってもよい。また炭化水素基は置換基を含ん
でいてもよい。すなわち、前記Rの具体例としては、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロプ
ロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シ
クロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、
シクロドデシル基、などのアルキル基;フェニル基、ト
ルイル基、キシリル基、メシチル基、アニシル基、ナフ
チル基、ベンジル基などのアリール基、などを挙げるこ
とができる。これらの中でも、当該化合物の合成の容易
さ、生成重合体の安定性、脱離の容易さの点から、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、およびブチル基などのア
ルキル基、などが好ましく用いられる。
【0020】式[2]で表されるスルホン酸化芳香族ス
ルホキシド化合物の強酸中での重縮合反応は、公知の酸
化合物存在下で実施することが可能である。反応活性種
であるスルホニウムカチオンを生成させ、失活を抑制す
るためのものであり、公知の有機酸、無機酸、ルイス酸
またはそれらの混合物もしくは複合体である。具体的に
は、例えば、塩酸、臭化水素酸、青酸、硫酸、リン酸、
塩素酸、臭素酸、過塩素酸、硝酸、炭酸、硼酸、モリブ
デン酸、インポリ酸、ヘテロポリ酸、モノメチル硫酸、
トリフルオロメタン硫酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン
酸、コハク酸、安息香酸、フタル酸、モノクロロ酢酸、
ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジ
フルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、
エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トルエンスル
ホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンジス
ルホン酸、五塩化アンチモン、塩化アルミニウム、臭化
アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛、
塩化銅、塩化鉄、などを挙げることができる。これらの
中でも、安定性の高い強酸性のプロトン酸が好ましく、
特にトリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、メタンスル
ホン酸、過塩素酸、テトラフルオロほう酸などが好まし
く用いられる。
【0021】また、無水トリフルオロメタンスルホン
酸、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、無水硫酸、五酸
化リン、などの酸無水物を添加すると重縮合反応の効率
が高く、特に無水トリフルオロメタンスルホン酸、五酸
化リン、などが好ましい。
【0022】本重縮合反応は、溶媒の非存在下において
も行い得るが、溶媒の存在下でも行うことができる。こ
の溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、などの炭化水素溶媒;ジクロ
ロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、
1、1、2ートリクロロー1、2、2ートリフルオロエ
タン、などのハロゲン化炭化水素溶媒;ニトロメタン、
ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、など
の含窒素溶媒、などが挙げられる。このほか一般にフリ
ーデルクラフツ反応やカチオン重合などに使用される溶
媒も適宜に選択して好適に使用できる。
【0023】なお、これらの溶媒は、1種単独で用いて
も2種以上混合して用いてもよい。重合させるモノマー
が液体であれば溶媒無しで直接反応させてもよい。
【0024】重縮合反応におけるモノマーの濃度は、
酸、あるいは溶媒によって一様ではないが、通常0.1mM
〜5Mであり、好ましくは30mM〜1Mである。
【0025】重合時間は用いる反応原料の種類やその使
用割合、反応温度、溶媒の条件によって著しく異なる
が、通常、0.1 〜200 時間であり、好ましくは2 〜80時
間である。
【0026】本反応系を構成するに当たって、スルホン
酸化芳香族スルホキシド化合物と、酸、溶剤、などの配
合の順序、方法については特に制限はなく、それぞれを
同時にあるいは種々の順序、様式で段階的に配合するこ
とも可能である。
【0027】本反応の温度は、-50 ℃〜150 ℃であり、
好ましくは0 ℃〜80℃である。
【0028】反応圧力は特に制限はなく、必要に応じて
加圧・減圧してもよい。通常、常圧もしくは反応系の自
圧で好適に行うことが出来る。もっとも、必要により、
重縮合反応に支障のない希釈ガスなどとの混合ガスを用
いて加圧下に行うこともできる。
【0029】上記重縮合反応によって得られる、前記一
般式[3]のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム
塩化合物のアニオンX- は、反応の完了時点で用いた酸
の対アニオンであるが、公知のアニオン交換反応を利用
して、アニオンX- が重合に用いた酸の対アニオン以外
であるその他のスルホン酸化ポリアリーレンスルホニウ
ム塩化合物を合成できる。交換可能な対アニオンの具体
例を例示すると、例えば、フッ素アニオン、塩素アニオ
ン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、などのハロゲンア
ニオン;酢酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、硫
酸アニオン、硫酸水素アニオン、メタンスルホン酸アニ
オン、トリフルオロメタン硫酸アニオン、過塩素酸アニ
オン、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオ
ロホスフェートアニオン、ヘキサクロロアンチモネート
アニオン、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、な
どを挙げることができる。これらの中でも、当該化合物
の合成収率および安定性の点から、トリフルオロメタン
スルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硫酸
アニオン、硫酸水素アニオン、テトラフルオロボレート
アニオン、過塩素酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモ
ネートアニオン、およびヘキサフルオロホスフェートア
ニオン、などが好ましい。
【0030】この発明の前記一般式[3]のスルホン酸
化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物は、公知の反応
を利用してRを脱離することにより、前記一般式[1]
のスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド化合物へ変換
することができる。すなわち、前記スルホン酸化ポリア
リーレンスルホニウム塩を還元剤、あるいは求核性試薬
などの脱アルキル化試薬と反応させることによりRが脱
離する。
【0031】脱離反応に用いる還元剤の具体例を挙げる
と、例えば、アスコルビン酸、ナトリウム、水素化ナト
リウム、水素化リチウムアルミニウム、亜二チオン酸ナ
トリウム、ヒドラジン、などが挙げられる。また求核性
試薬としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カ
リウム、などのアルカリ金属塩;塩化アンモニウム、臭
化アンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化
テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニ
ウム、などのアンモニウム塩;アンモニア、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、アニリン、メチルアニリ
ン、ジメチルアニリン、ピリジン、メチルピリジン、キ
ノリン、などのアミン化合物、などが挙げられる。また
電気的に還元を行ってRを脱離させても良い。
【0032】還元剤、あるいは求核性試薬は脱離させる
Rに対して等モル以上必要である。等モル以下の場合に
は、脱離反応は不完全となる。
【0033】この脱離反応は、溶媒の非存在下において
も行い得るが、溶媒の存在下でも行うことができる。こ
の溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、などの脂肪族アルコー
ル溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、などの脂肪族エーテル溶媒;蟻酸メチル、蟻酸エチ
ル、蟻酸プロピル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブ
チル、酢酸フェニル、などのエステル溶媒;アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケト
ン、などのケトン溶媒;エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、ブチレンカーボネート、などの炭酸
溶媒;アセトニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、
ニトロプロパン、ニトロベンゼン、N, N, −ジメチルホ
ルムアミド、N, N, −ジメチルアセトアミド、N −メチ
ル−2 −ピロリジノン、などの含窒素溶媒;二硫化炭
素、ジメチルスルホキシド、などの含硫黄溶媒;ジクロ
ロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、
などのハロゲン化炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタ
レン、などのハロゲン化芳香族溶媒、などが挙げられ
る。
【0034】なお、これらの溶媒は、1種単独で用いて
も2種以上混合して用いてもよい。脱離試薬が液体であ
れば溶媒無しで直接反応させてもよい。
【0035】反応温度は使用する脱離試薬によって一様
ではないが、通常、0 〜250 ℃であり、好ましくは100
〜200 ℃である。
【0036】反応の圧力は特に制限はなく、通常、常圧
もしくは反応系の自圧で好適に行うことができる。
【0037】反応時間は、脱離試薬の種類や濃度、反応
温度、圧力、溶媒等の条件によって著しく異なるが、通
常0.1 〜100 時間であり、好ましくは2 〜20時間であ
る。
【0038】この脱離反応を構成するにあたって、前記
スルホン酸化ポリアリーレンスルホニウム塩化合物、脱
離試薬、溶媒の配合の順序、方法については特に制限は
なく、それぞれを同時にあるいは種々の順序、様式で段
階的に配合することも可能である。
【0039】以上のような脱離反応によって、溶液中
に、あるいは沈殿物として目的とするスルホン酸化ポリ
アリーレンスルフィド化合物を得ることができる。この
場合、生成するスルホン酸化ポリアリーレンスルフィド
化合物の重合度は、出発物質の前記スルホン酸化ポリア
リーレンスルホニウム塩化合物の重合度と同じである以
下、この発明を実施例により更に詳しく説明する。な
お、本発明は実施例に限定されないことはいうまでもな
いことである。
【0040】
【実施例】(実施例1 ) ポリ(チオ−2,6−ジスル
ホ−1,4−フェニレン)の合成 10mlのトリフルオロメタンスルホン酸中に3,5,
2’,6’−テトラスルホ−4−メチルスルフィニルジ
フェニルスルフィド0.82g を溶解し、65℃で40時間撹拌
した。反応溶液を500ml のジエチルエーテル中に滴下す
ると、白色の沈澱が得られた。精製のため沈澱を濾過
後、石油エーテル、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥する
ことにより、ポリ(メチルスルホニオ−2,6−ジスル
ホ−1,4−フェニレンチオ−2,6−ジスルホ−1,
4−フェニレン トリフレート)を収率100 %で得た。
この重合体を、臭化テトラブチルアンモニウム2.5gを溶
解したアセトニトリル60mlと混合し、80℃で5 時間撹拌
した。反応生成物をすべて透析膜に入れて透析を行い、
ポリ(チオ−2,6−ジスルホ−1,4−フェニレン)
を収率97% で得た。反応式と分析結果を以下に示す。
【0041】
【化7】
【0042】
【表1】
【0043】(実施例2 ) ポリ(チオ−2−スルホ−
1,4−フェニレンオキシ−2−スルホ−1,4−フェ
ニレン)の合成 10mlの70% 過塩素酸中に3,2’−ジスルホ−4−プロ
ピルスルフィニルジフェニルエーテル0.63g を溶解し、
50℃で48時間撹拌した。反応溶液を500ml のジエチルエ
ーテル中に滴下すると、白色の沈澱が得られた。精製の
ため沈澱を濾過後、石油エーテル、ジエチルエーテルで
洗浄し乾燥することにより、ポリ(プロピルスルホニオ
−2−スルホ−1,4−フェニレンオキシ−2−スルホ
−1,4−フェニレン パークロレート)を収率100 %
で得た。この重合体を、塩化ナトリウム2.0gを溶解した
水50mlと混合し、100 ℃で8 時間撹拌した。反応生成物
をすべて透析膜に入れて透析を行い、ポリ(チオ−2−
スルホ−1,4−フェニレンオキシ−2−スルホ−1,
4−フェニレン)を収率95% で得た。反応式と分析結果
を以下に示す。
【0044】
【化8】
【0045】
【表2】
【0046】(実施例3 ) ポリ(イミノ−2,3,6
−トリスルホ−1,4−フェニレンチオ−3,5−ジス
ルホ−1,4−フェニレン)の合成 10mlのトリフルオロメタンスルホン酸中に無水トリフル
オロメタンスルホン酸0.24g 、2,6,2’,3’,
6’−ペンタスルホ−4−メチルスルフィニルジフェニ
ルアミン0.87g を溶解し、80℃で60時間撹拌した。反応
溶液を500ml のジエチルエーテル中に滴下すると、薄黄
色の沈澱が得られた。精製のため沈澱を濾過後、石油エ
ーテル、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥することによ
り、ポリ(メチルスルホニオ−3,5−ジスルホ−1,
4−フェニレンイミノ−2,3,6−トリスルホ−1,
4−フェニレン トリフレート)を収率88%で得た。こ
の重合体を、塩化カリウム2.8gを溶解した水65mlと混合
し、100 ℃で12時間撹拌した。反応生成物をすべて透析
膜に入れて透析を行い、ポリ(イミノ−2,3,6−ト
リスルホ−1,4−フェニレンチオ−3,5−ジスルホ
−1,4−フェニレン)を収率84% で得た。反応式と分
析結果を以下に示す。
【0047】
【化9】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】以上詳しく説明したこの発明の方法によ
って、スルホン架橋、分岐など構造欠陥がなくスルホン
酸基置換度の高いスルホン酸化ポリアリーレンスルフィ
ド化合物を高い収率(選択率)で得る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[1] 【化1】 (Arはアリーレン基を示す。mは1〜8の整数で、ス
    ルホン酸基の置換度を示す。nは、2以上の整数で重合
    度を示す。)で表されるスルホン酸化ポリアリーレンス
    ルフィド化合物の製造法であって、一般式[2] 【化2】 (Ar、およびmは前記のものを示す。Rはアルキル
    基、あるいはアリール基を示す。)で表されるスルホン
    酸化芳香族スルホキシド化合物を強酸中で重縮合させ
    て、一般式[3] 【化3】 (R、Ar、m、およびnは前記のものを示す。X-
    アニオンである。)で表されるスルホン酸化ポリアリー
    レンスルホニウム塩化合物を製造した後、Rを脱離させ
    ることを特徴とするスルホン酸化ポリアリーレンスルフ
    ィド化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 強酸が硫酸、過塩素酸、メタンスルホン
    酸、あるいはトリフルオロメタンスルホン酸であること
    を特徴とする請求項1記載のスルホン酸化ポリアリーレ
    ンスルフィド化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 Rがアルキル基であることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のスルホン酸化ポリアリー
    レンスルフィド化合物の製造法。
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