JP3192119B2 - ポリヘテロアセン化合物とその製造法 - Google Patents
ポリヘテロアセン化合物とその製造法Info
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Description
ロアセン化合物とその製造法に関するものである。さら
に詳しくは、この出願の発明は、耐熱性、化学安定性に
優れ、高い電子伝導性を示す高分子量のポリヘテロアセ
ン化合物と、ポリスルホキシド化合物、ないしはポリス
ルフィド化合物を前躯体とするポリヘテロアセン化合物
の製造法に関するものである。
酸化学薬品性、耐酸化性、機械強度に極めて優れた芳香
環を梯子型に連結したπ共役系の高分子である。特にp
型、n型ドープが可能でドーピングによる構造変化が小
さく安定に高導電性を示すことから、近年オールポリマ
ー電池の電極としても注目を集めてきている。さらに、
孤立電子対に由来するσバンドの効果による金属的導電
性を期待して、窒素原子などのヘテロ原子を含むポリヘ
テロアセン化合物(ポリピリジノピリジン、ポリシアノ
ジェン、ポリアレンメタイドなど)も開発されている。
(Synthetic Metals,1987,18,485)、ペリレンテトラカ
ルボン酸二無水物(Applied Physics Letters,1980,36,
867)、フェノール樹脂(U.S. Patent,4601849,1986) な
どの熱処理による製造法が報告されているが、1)300
・1000℃の高温下での反応である、2)部分的な構造欠
陥が避けられない、3)得られるポリアセン化合物が不
溶不融のため構造解析、成型加工が困難である、などの
問題点が指摘されている。
であるスルホニオ基を含むポリヘテロアセン化合物が合
成された例はなく、従来のスルホニウム塩化合物合成法
によっては困難であると考えられていた。したがって、
ポリヘテロアセン化合物が常温常圧下の反応で製造さ
れ、構造欠陥がなく、溶媒可溶性であるため成型加工が
容易であり、かつ、耐熱性材料、導電性材料として優れ
た特性を有することは現在まで全く知られていないのが
実情である。
たものであり、その目的は、スルホニオ基を官能基とす
る新規なポリヘテロアセン化合物とその製造法を提供す
ることにある。
課題を解決するものとして、第1の発明では、一般式
[1]
たは別異に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、あるいはアリールオキシ基を示し、アルキ
ル基、アルコキシ基、並びにアリールオキシ基の各々
は、ヘテロ原子を含むものであってもよい。Xは、エー
テル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、あ
るいはイミノ結合(−NH−、または−N=)、もしく
はメチレン基(−CH2 −)を示す。Y- はアニオンで
ある。nは、2以上の整数で重合度を示す。)で表され
ることを特徴とするポリヘテロアセン化合物を提供す
る。
して、第2の発明では、一般式[2]
たは別異に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、あるいはアリールオキシ基を示し、アルキ
ル基、アルコキシ基、並びにアリールオキシ基の各々
は、ヘテロ原子を含むものであってもよい。Xは、エー
テル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、あ
るいはイミノ結合(−NH−、または−N=)、もしく
はメチレン基(−CH2 −)を示す。nは、2以上の整
数で重合度を示す。)で表されるポリスルホキシド化合
物をスルホニオ化することを特徴とするポリヘテロアセ
ン化合物の製造法を、第3の発明では、一般式[3]
たは別異に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、あるいはアリールオキシ基を示し、アルキ
ル基、アルコキシ基、並びにアリールオキシ基の各々
は、ヘテロ原子を含むものであってもよい。Xは、エー
テル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、あ
るいはイミノ結合(−NH−、または−N=)、もしく
はメチレン基(−CH2 −)を示す。nは、2以上の整
数で重合度を示す。)で表されるポリスルフィド化合物
をスルホニオ化することを特徴とするポリヘテロアセン
化合物の製造法を提供する。
のポリヘテロ化合物を還元剤、求核性試剤、もしくは電
解還元することを特徴とする一般式[4]
異に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、あるいはアリールオキシ基を示し、アルキル基、
アルコキシ基、並びにアリールオキシ基の各々は、ヘテ
ロ原子を含むものであってもよい。Xは、エーテル結合
(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、あるいはイ
ミノ結合(−NH−、または−N=)、もしくはメチレ
ン基(−CH2 −)を示す。nは、2以上の整数で重合
度を示す。)で表されるポリヘテロアセン化合物の製造
法を提供する。
明は、発明者らによる鋭意研究の結果、スルホニオ基と
芳香族基からなるポリヘテロアセン化合物が、ポリスル
ホキシド化合物、あるいはポリスルフィド化合物のスル
ホニオ化によって製造できること、そして、ポリヘテロ
アセン化合物が優れた耐熱性、溶解性、導電性を示すこ
とを見出し完成されたものである。
態について詳しく説明する。まず、前記一般式[1]で
表される化合物に関しては、式中のR1 、R2 およびR
3 の各々は、前記のとおり、水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、あるいはアリールオキシ基
を示し、ヘテロ原子を含んでいてもよく、互いに同じで
あっても異なった種類であってもよいものである。すな
わち、前記R1 、R2 およびR 3 の具体的を例示する
と、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル
基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシ
ル基、シクロドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブト
キシ基、sec-ブトキシ基、tert- ブトキシ基、ペンチル
オキシ基、ヘキシルオキシ基、フェニル基、トルイル
基、キシリル基、メシチル基、アニシル基、ナフチル
基、ベンジル基、フェニルオキシ基、トルイルオキシ
基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、アニシルオ
キシ基、ナフチルオキシ基、ベンジルオキシ基、等を挙
げることができる。これらの中でも、当該化合物の安定
性、合成収率の点で、メチル基、エチル基、プロピル
基、フェニル基、トルイル基などが好ましい。
おりのエーテル結合、チオエーテル結合、イミノ結合、
あるいはメチレン基を示し、−NR′−、−CR2 R3
−等として、脂肪族、脂環族、もしくはヘテロ原子を含
む有機基などの、R1 、R2およびR3 等の置換基を有
していてもよい。前記一般式[1]中のY- はアニオン
であるが、具体的を例示すると、例えば、フッ素アニオ
ン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、な
どのハロゲンアニオン;酢酸アニオン、トリフルオロ酢
酸アニオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、メタン
スルホン酸アニオン、トリフルオロメタン硫酸アニオ
ン、過塩素酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオ
ン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、ヘキサクロ
ロアンチモネートアニオン、ヘキサフルオロアンチモネ
ートアニオン、などを挙げることができる。これらの中
でも、当該化合物の合成収率および安定性の点から、ト
リフルオロメタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン
酸アニオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、テトラ
フルオロボレートアニオン、過塩素酸アニオン、ヘキサ
フルオロアンチモネートアニオン、およびヘキサンフル
オロホスフェートアニオン等が好ましい。
ヘテロアセン化合物の合成は、いくつかの方法により可
能である。例えば、前記の一般式[2]で表されるポリ
スルホキシド化合物の酸を用いた縮合反応、あるいは、
前記の一般式[3]で表されるポリスルフィド化合物の
酸化反応によりスルホニオ化することにより合成するこ
とができる。
ことが可能である。反応活性種であるスルホニウムカチ
オンの失活を抑制するためのものであり、公知の有機
酸、無機酸、ルイス酸またはそれらの混合物もしくは複
合体である。具体的には、例えば、塩酸、臭化水素酸、
青酸、硫酸、リン酸、塩素酸、臭素酸、過塩素酸、硝
酸、炭酸、硼酸、モリブデン酸、インポリ酸、ヘテロポ
リ酸、モノメチル硫酸、トリフルオロメタン硫酸、酢
酸、プロピオン酸、ブタン酸、コハク酸、安息香酸、フ
タル酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ
酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパン
スルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、ベンゼンジススルホン酸、五塩化アンチモ
ン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタ
ン、四塩化スズ、塩化亜鉛、塩化銅、塩化鉄、などを挙
げることが出来る。これらの中でも、安定性の高い強酸
性のプロトン酸が好ましく、特にトリフルオロメタンス
ルホン酸、硫酸、メタンスルホン酸、過塩素酸、テトラ
フルオロほう酸等が好ましく用いられる。
トリフルオロ酢酸、無水酢酸、無水硫酸、五酸化リン、
などの酸無水物を添加するとスルホニオ化反応の効率が
高く、特に無水トリフルオロメタン硫酸、五酸化リンな
どが好ましい。酸化剤としては、前記ポリスルフィド化
合物を酸化することの出来る能力を有し、かつ、スルホ
ニオ化反応の進行を妨害しないものであれば特に制限は
ない。
ては、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベン
ゾキノン、クロラニル、ブロマニル、1,4−ジフェノ
キノン、テトラメチルジフェノキノン、テトラシアノキ
ノジメタン、テトラシアノエチレン、塩化チオニル、等
の有機酸化剤、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過
酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、四酢酸鉛、三酢酸タ
リウム、セリウム(IV)、アセチルアセトナト、五酸
化バナジウム等を挙げることが出来る。これらの中で
も、特に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−
ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、五酸化バナジ
ウムが好ましい。
もよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。上記の
酸化剤量を[A](モル)とすると、その量は、使用す
る反応原料、溶媒の種類、酸化剤の種類等により異なる
ので一様に規定することはできないが、通常、前記ポリ
スルフィド化合物の添加量を[B](モル)としたと
き、[A]/[B](モル比)が0.1〜50となる
量、好ましくは0.5〜5となる量である。[B]のモ
ル数は、前記ポリスルフィド化合物における同一構造を
有する繰り返し単位のモル数として計算できる。
遅くなり、スルホニオ化率の低下も見られる。一方、5
0を超えるとそれに見合った効果が見られなくなる。前
記ポリスルフィド化合物は、酸存在下、酸素酸化触媒を
添加して撹拌することで、酸素酸化反応により前記ポリ
ヘテロアセン化合物を生成する。酸化触媒としては、前
記ポリスルフィド化合物を酸化することの出来る能力を
有し、かつ、スルホニオ化反応の進行を阻害しないもの
であれば特に制限はない。配位子、対イオンに制限はな
く、なかでも、アンモニウム、アセチルアセトン、ポル
フィリンなどの金属錯体が好ましい。
ば、硝酸セリウムアンモニウムなどのセリウム化合物、
バナジルアセチルアセナト、バナジルテトラフェニルポ
ルフィリン、バナジウムアセチルアセナトなどのバナジ
ウム化合物、酸化モリブデンアセチルアセナト、酸化モ
リブデンなどの酸化モリブデン化合物などである。これ
らの中でも、硝酸セリウムアンモニウム、バナジルアセ
チルアセナト、バナジウムアセチルアセナト、バナジウ
ムテトラフェニルポルフィリンなどが好ましい。
てもよいし、2種以上混合もしくは複合するなどの組み
合わせで用いてもよい。この酸化触媒を使用する場合、
例えば窒素雰囲気下等の酸化の全く存在しない系では進
行せず、酸素の存在が必要である。従って、通常酸素分
圧が高いほど好ましいが、大気下であれば十分であり、
さらに、減圧下であってもある程度酸素が存在すれば反
応は進行する。
前記[B]との比、[C]/[B](モル比)が0.0
001〜0.1となる量とする。[B]のモル比は前記
のとおりである。この値が0.0001未満であると反
応速度が遅くなる。一方、5を超えると、触媒のコスト
が高くなり経済上不利になる。前記ポリスルフィド化合
物のスルホニオ化は、電解酸化によっても可能である。
支持電解質としては、公知の有機酸、無機酸またはこれ
らの混合物もしくは複合体である。具体例を挙げれば、
例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、テト
ラフルオロホウ酸リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモ
ニウム、臭化リチウム、テトラエチルアンモニウムヘキ
サクロロアンチモネート、ヘキサフルオリン酸塩など、
特に過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウ
ム、テトラブチルアンモニウム塩なとが好ましく用いら
れる。
もよい、2種以上を混合もしくは複合して組み合わせて
もよい。また、溶媒に可溶で生成する前記ポリヘテロア
セン化合物と反応しないものであればよい。電解方法に
は制限はなく、定電位、定電流のどちらでもよく、前記
ポリスルフィド化合物を酸化できればよい。
用でき、例えば、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、リ
ン酸、ヘキサフルオロリン酸、塩酸、硫酸、臭化水素、
ヨウ化水素などが挙げられる。使用する電極については
特に制限はなく、白金、金、銀、炭素などのもので行
い、特に白金が好ましく用いられる。電極の形状につい
ては、棒状、板状、網状など、特に制限はない。電極の
使用形態は特に制限はなく、一枚で用いてもよく、何枚
重ねて用いてもよい。必要に応じて、補強剤を用いても
よい。
く、使用しなくてもよいが、Ag/AgCl、飽和カロ
メル電極などを使用する場合もある。本反応は、溶媒の
非存在下においても行い得るが、溶媒の存在下でも行う
ことができる。この溶媒としては、例えば、ペンタン、
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、などの炭化
水素溶媒;ジクロロメタン。クロロホルム、四塩化炭
素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロ
フルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1、2,2
−トリフルオロエタン、などのハロゲン化炭化水素溶
媒;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニ
トロベンゼン、などの含窒素溶媒が挙げられる。このほ
か一般にフリーデルクラフツ反応やカチオン重合などに
使用される溶媒も適宜に選択して好適に使用できる。
も2種以上混合して用いてもよい。反応させるモノマー
が液体であれば溶媒無しで直接反応させてもよい。反応
時間は用いる反応原料の種類やその使用割合、反応温
度、溶媒の条件によって著しく異なるが、通常、0.5
〜100時間であり、好ましくは1〜50時間である。
式、半連続式、回分式の電解層を用いて行う。回分式を
用いる場合には、反応系を撹拌して行うことが望まし
い。本反応系を構成するに当たって、ポリスルホキシド
化合物、ポリスルフィド化合物と、酸、酸化剤、触媒や
溶剤、などの配合の順序、方法については特に制限はな
く、それぞれを同時にあるいは種々の順序、様式で段階
的に配合することも可能である。
り、好ましくは0℃〜50℃である。反応圧力は特に制
限はなく、必要に応じて加圧・減圧してもよい。通常、
常圧もしくは反応系の自圧で好適に行うことが出来る。
もっとも、必要により、スルホニオ化反応に支障のない
希釈ガスなどとの混合ガスを用いて加圧下に行うことも
できる。
ンY- は反応の完了時点で重合溶媒、あるいは支持電解
質の対アニオンであるが、公知のアニオン交換反応を利
用して、アニオンY- が重合溶媒の対アニオン以外であ
るその他のポリヘテロアセン化合物を合成できる。この
発明の前記一般式[1]のポリヘテロアセン化合物は、
公知の反応を利用してR1 を脱離することにより、前記
一般式[2]のポリヘテロアセン化合物へ変換すること
ができる。すなわち、前記ポリヘテロアセン化合物を還
元剤、あるいは求核性試薬などの脱アルキル化試薬と反
応させることによりR1 が脱離する。
と、例えば、アスコルビン酸、ナトリウム、水素化ナト
リウム、水素化リチウムアルミニウム、亜二チオン酸ナ
トリウム、ヒドラジンなどが挙げられる。また求核性試
薬としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリ
ウム、などのアルカリ金属塩;塩化アンモニウム、臭化
アンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テ
トラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウ
ム、などのアンモニウム塩;アンモニア、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、アニリン、メチルアニリン、
ジメチルアニリン、ピリジン、メチルピリジン、キノリ
ン、などのアミン化合物が挙げられ、これらの中でもピ
リジン、キノリンが最も好ましく用いられる。また電気
的に還元を行っても良い。
R1 に対して等モル以上必要である。等モル以下の場合
には、脱離反応は不完全となる。この脱離反応は、溶媒
の非存在下においても行い得るが、溶媒の存在下でも行
うことができる。この溶媒としては、例えば、ジクロロ
メタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、
テトラクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、など
のハロゲン化炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレ
ン、などのハロゲン化芳香族溶媒が挙げられる。
も2種以上混合して用いてもよい。脱離試薬が液体であ
れば溶媒無しで直接反応させてもよい。反応温度は使用
する脱離試薬によって一様ではないが、通常、0〜25
0℃であり、好ましくは100〜200℃である。反応
の圧力および酸素分圧などは特に制限はなく、通常、常
圧もしくは反応系の自圧で好適に行うことができる。
温度、圧力、溶媒等の条件によって著しく異なるが、通
常0.5−100時間であり、好ましくは2−20時間
である。この脱離反応を構成するにあたって、前記ポリ
ヘテロアセン化合物、脱離試薬、溶媒の配合の順序、方
法については特に制限はなく、それぞれを同時にあるい
は種々の順序、様式で段階的に配合することも可能であ
る。
式、半連続式、回分式の電解層を用いて行う。回分式を
用いる場合には、反応系を撹拌して行うことが望まし
い。以上のような脱離反応によって、溶液中に、あるい
は沈澱物として目的とするポリヘテロアセン化合物を得
ることができる。この場合、生成ポリヘテロアセン化合
物の重合度は、出発物質の前記ポリヘテロアセン化合物
の重合度と同じである。
説明する。なお、本発明は実施例に限定されないことは
いうまでもないことである。
シ−2メチル−6−メチルスルフィニル−1,4−フェ
ニレン)0.20gを溶解し、室温下で10時間撹拌し
た。反応溶液をジエチルエーテル中に滴下すると、黒色
の沈澱が得られた。精製のため沈澱を濾過後、石油エー
テル、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥することにより、
ポリヘテロアセン1を収率100%で得た。反応式と分
析結果を以下に示す。
チルスルフィニル−1,4−フェニレン)0.20gを
溶解し、室温下で24時間撹拌した。反応溶液をジエチ
ルエーテル中に滴下すると、黒色の沈澱が得られた。精
製のため沈澱を濾過後、石油エーテル、ジエチルエーテ
ルで洗浄し乾燥することにより、ポリヘテロアセン2を
収率100%で得た。分析結果を以下に示す。
1.00g、ポリ(チオ−2メチル−6−プロピルスル
フィニル−1,4−フェニレン)0.20gを溶解し、
30℃で40時間撹拌した。反応溶液をジエチルエーテ
ル中に滴下すると、黒色の沈澱が得られた。精製のため
沈澱を濾過後、石油エーテル、ジエチルエーテルで洗浄
し乾燥することにより、ポリヘテロアセン3を収率98
%で得た。分析結果を以下に示す。
ピリジン20mlを加え、100℃で10時間撹拌した。
反応溶液を5%塩酸酸性メタノール中に滴下すると、黒
色の沈澱が得られた。精製のため沈澱を濾過後、精製
水、メタノールで洗浄し乾燥することにより、ポリヘテ
ロアセン4を収率100%で得た。ポリヘテロアセン4
は、化学的、あるいは電気化学的な酸化反応により可逆
的にポリヘテロアセン5へ変換できる。反応式とポリヘ
テロアセン4の分析結果を以下に示す。
物は、耐熱性、化学安定性、溶解性に優れ、高い電子伝
導性を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式[1] 【化1】 (R1 、R2 およびR3 の各々は、同一または別異に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
あるいはアリールオキシ基を示し、アルキル基、アルコ
キシ基、並びにアリールオキシ基の各々は、ヘテロ原子
を含むものであってもよい。Xは、エーテル結合(−O
−)、チオエーテル結合(−S−)、あるいはイミノ結
合(−NH−、または−N=)、もしくはメチレン基
(−CH2 −)を示す。Y- はアニオンである。nは、
2以上の整数で重合度を示す。)で表されることを特徴
とするポリヘテロアセン化合物。 - 【請求項2】 請求項1の化合物の製造法であって、一
般式[2] 【化2】 (R1 、R2 およびR3 の各々は、同一または別異に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
あるいはアリールオキシ基を示し、アルキル基、アルコ
キシ基、並びにアリールオキシ基の各々は、ヘテロ原子
を含むものであってもよい。Xは、エーテル結合(−O
−)、チオエーテル結合(−S−)、あるいはイミノ結
合(−NH−、または−N=)、もしくはメチレン基
(−CH2 −)を示す。nは、2以上の整数で重合度を
示す。)で表されるポリスルホキシド化合物をスルホニ
オ化することを特徴とするポリヘテロアセン化合物の製
造法。 - 【請求項3】 請求項1の化合物の製造法であって、一
般式[3] 【化3】 (R1 、R2 およびR3 の各々は、同一または別異に、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
あるいはアリールオキシ基を示し、アルキル基、アルコ
キシ基、並びにアリールオキシ基の各々は、ヘテロ原子
を含むものであってもよい。Xは、エーテル結合(−O
−)、チオエーテル結合(−S−)、あるいはイミノ結
合(−NH−、または−N=)、もしくはメチレン基
(−CH2 −)を示す。nは、2以上の整数で重合度を
示す。)で表されるポリスルフィド化合物をスルホニオ
化することを特徴とするポリヘテロアセン化合物の製造
法。 - 【請求項4】 請求項1の化合物を、還元剤、求核性試
剤、もしくは電解還元することを特徴とする一般式
[4] 【化4】 (R2 およびR3 の各々は、同一または別異に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、あるい
はアリールオキシ基を示し、アルキル基、アルコキシ
基、並びにアリールオキシ基の各々は、ヘテロ原子を含
むものであってもよい。Xは、エーテル結合(−O
−)、チオエーテル結合(−S−)、あるいはイミノ結
合(−NH−、または−N=)、もしくはメチレン基
(−CH2 −)を示す。nは、2以上の整数で重合度を
示す。)で表されるポリヘテロアセン化合物の製造法。
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WO2014030333A1 (ja) * | 2012-08-23 | 2014-02-27 | パナソニック株式会社 | 有機導電体、有機導電体の製造方法、電子デバイス、及び固体電解コンデンサ |
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1998
- 1998-04-30 JP JP12150198A patent/JP3192119B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11310636A (ja) | 1999-11-09 |
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