JP3058737B2 - ポリピロール誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ポリピロール誘導体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶であ
り、可撓性のある自立性のフイルムを形成することが可
能なポリピロール誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、導電性高分子は新しい電子材料、
導電材料として使用され、また電池の電極材料、帯電防
止材料、電磁波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリ
ー、各種センサー等の機能素子、表示素子、各種ハイブ
リッド材料、透明導電体、各種端末機器等の広い分野へ
の応用が検討されている。しかしながら、一般にポリピ
ロールは、π共役系が高度に発達しているため、高分子
主鎖が剛直で分子鎖間の相互作用が強く、ほとんどの有
機溶媒に不溶であり、また加熱によっても溶融しないの
で成形性に乏しく、キヤストや塗工ができないという大
きな欠点を有している。
【0003】そのために例えば、高分子材料の繊維、多
孔質体等の所望の形状の基材にモノマーを含浸させ、こ
のモノマーを適当な重合触媒との接触により、或いは、
電解酸化により重合させ導電性複合材料としたり、或い
はまた熱可塑性重合体粉末の存在下で、モノマーを重合
させ同様の複合材料を得ていた。また、モノマーとして
直鎖のアルキル基やアルコキシ基を有するもの(例えば
3−アルキルピロール、3−アルコキシピロール、N−
アルキルピロール等)を用いることで可溶性の重合物を
得ることは可能であるが、低重合度で成膜性の悪いポリ
マーしか得られていない。また、ドーピング時の導電率
も低下する傾向にあり、実用的に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解消し、ポリピロール本来の特性を損なうこと無く、
汎用溶媒に可溶な、塗工等の加工性を有するポリピロー
ル誘導体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、まず無置換のポリピロー
ルを製造した後、ポリピロールのN位にアシル基からな
る置換基を導入することにより、上記の問題点を解決で
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明は、ポリピロール誘導体及びその製
造方法に関するものであって、下記式(I)
【化3】 で示される構造単位と、下記式(II)
【化4】 〔式中Rは炭素数3以上のアルキル基もしくは置換アル
キル基、炭素数3以上のアルケニル基もしくは置換アル
ケニル基、アリール基もしくは置換アリール基、又はベ
ンジル基もしくは置換ベンジル基を表す〕で示される構
造単位とからなる高分子化合物であって、(I)式から
なる構造の数(m)と(II)式からなる構造の数(n)
の合計が50〜5000で、n/mの値が0.01〜1
00のポリピロール誘導体である。
【0007】本発明のポリピロール誘導体は、上記構造
式(I)で示される構造単位からなる無置換のポリピロ
ール〔構造単位の数m=50〜5000〕を金属カリウ
ム、カリウムアルコキシド又は水酸化カリウムと反応さ
せポリ(ピロール−N−カリウム)とし、更にこれにハ
ロゲン化アシル〔RCOX:Xは塩素、臭素又はヨウ素
を、Rは炭素数3以上のアルキル基もしくは置換アルキ
ル基、炭素数3以上のアルケニル基もしくは置換アルケ
ニル基、アリール基もしくは置換アリール基、又はベン
ジル基もしくは置換ベンジル基を表す〕を反応させるこ
とにより製造できる。本発明に用いるポリピロールは、
ピロールの酸化的カップリング反応によって製造され
る。また、2,5−ジハロゲン化ピロールをニッケル等
の触媒により、或いは無触媒でカップリングしてポリピ
ロールを製造することができる。ただし、この方法は使
用するモノマー自体が不安定なためあまり一般的とはい
えない。
【0008】酸化的カップリングの具体的な重合方法と
しては、酸化剤触媒を用いて重合する方法、電気化学的
に重合する方法などがあげられ、中でも酸化剤触媒を用
いて重合する方法が重合体を安価かつ容易に得る手段と
して好ましい。これらの重合用触媒としては、塩化アル
ミニウム、塩化鉄、塩化モリブデン、塩化タングステ
ン、塩化スズ、塩化アンチモン、五フッ化ヒ素等のルイ
ス酸として知られる化合物があげられる。これらのう
ち、塩化アルミニウムのような酸化力を有しないか又は
弱いものは、塩化第二銅、二酸化マンガン、酸素等の酸
化剤を併用することが好ましい。
【0009】これらの酸化剤触媒を、窒素、アルゴン等
の不活性ガスの雰囲気下でピロールに添加することによ
り室温下で容易に、本発明で使用されるポリピロールを
得ることができる。また必要に応じて、この反応系中
に、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒド
ロフラン、エーテル等の不活性溶媒を加えることも反応
の制御が容易に行なえるので好ましい方法である。更
に、必要に応じて、系を加熱することも可能である。
【0010】電気化学的に酸化重合する方法は、ピロー
ルを溶解した電解質溶液中で0.1〜30Vの電位で定
電流、定電圧、定電位等の条件下、低温好ましくは−3
0〜20℃で行われる。電解質溶液を構成する溶媒とし
ては、水、アルコール、エーテル、炭酸プロピレン、塩
化メチレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、アセトニ
トリル、ベンゾニトリル等の有機溶媒及びそれらの混合
溶媒が用いられる。電解質溶液を構成する電解質として
は、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、過塩素酸等のプロ
トン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸又はそれらの塩
や過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、
ヘキサフルオロヒ酸酸リチウム、テトラフルオロホウ酸
テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアン
モニウム等の電解質塩が用いられる。
【0011】電極としては金、白金等の貴金属電極、ニ
ッケル、クロム、炭素電極の他、酸化第二スズ、酸化第
二インジウムをガラスに蒸着したガラス電極等が好まし
い。また、これらの電気化学的酸化重合はアルゴンや窒
素といった不活性気体中で行われることが好ましい。
【0012】上記の何れかの方法で得たポリピロールの
粉末或いは電極上のフイルムはドーパントを含んでいる
ので脱ドープ処理してから、次の階段のN−カリウム化
反応を行う必要がある。脱ドープ処理としては特に制限
はないが、アンモニア蒸気に曝した後充分に水洗いす
る、アンモニア水で充分に洗浄する、酸化剤触媒を良く
溶解する溶媒で充分に洗浄後アンモニア蒸気に曝す、電
気化学的に還元処理を行う、或いはそれらを併用するこ
とが可能である。
【0013】こうして得られたポリピロールを金属カリ
ウムと接触させる、或いはカリウムアルコキシドと反応
させることで、室温でポリ(ピロール−N−カリウム)
を得ることができる。また、水酸化カリウムと一緒に4
0〜130℃に加熱することにより同様にポリ(ピロー
ル−N−カリウム)を得ることも可能である。これらの
反応もまた、不活性気体中で行うことが好ましい。ま
た、この時の反応は不活性なハロゲン系又はエーテル系
溶媒中、或いはアルコール中で行うことも可能である。
【0014】こうして得られたポリ(ピロール−N−カ
リウム)とハロゲン化アシル〔RCOX:X及びRは前
記の意味を有する〕を直接或いは不活性な溶媒中で、低
温、好ましくは−20〜10℃で作用させ、ポリピロー
ルのN位に置換基CORを導入することができる。
【0015】Rのための炭素数3以上のアルキル基とし
ては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ドコシル基
等の直鎖アルキル基、イソブチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、イソヘキシル基等の分岐アルキル基、
シクロヘキシル基等の環状アルキル基、及びそれらの水
素原子の1つ以上がシアノ基、ニトロ基、フエニル基、
アルコキシ基等により置換されている置換アルキル基を
あげることができる。
【0016】炭素数3以上のアルケニル基としては、ア
リル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の
アルケニル基、及びそれらの水素原子の1つ以上がシア
ノ基、ニトロ基、フエニル基、アルコキシ基等により置
換されている置換アルケニル基をあげることができる。
【0017】アリール基としては、フエニル基、トリル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等及びそれらの水
素原子の1つ以上がシアノ基、ニトロ基、フエニル基、
アルコキシ基等により置換されている置換アリール基を
あげることができる。また置換ベンジル基の、置換基と
してはシアノ基、ニトロ基、フエニル基、アルコキシ基
等をあげることができる。好ましいハロゲン化アシルの
具体例としては、塩化カプロイル、臭化クロトノイル、
塩化p−メトキシベンゾイル等をあげることができる。
本発明において、ポリピロールのN位への置換基の導入
反応は、ポリピロールのN位の1〜100%が置換され
るように行うことが好ましい。N位の置換が1%未満の
場合には、有機溶剤に対する充分な溶解度が得られな
い。
【0018】本発明によって製造されたポリピロール誘
導体は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロロホルム、ジク
ロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶
剤及びテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤に可溶で
ある。
【0019】これらの溶剤にポリピロール誘導体を溶解
した溶液からキヤストにより、良好な自立性のフイルム
を得ることができる。得られたフイルムは、塩酸、硫
酸、ホウフッ化水素酸、過塩素酸等のプロトン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸等の有機酸、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化
ヨウ素等のハロゲン化合物、三塩化アルミニウム、三塩
化鉄、塩化モリブデン、塩化タングステン、塩化アンチ
モン、五フッ化ヒ素、三酸化イオウ等のルイス酸、ヘキ
サフルオロアンチモン酸ニトロシル、ヘキサフルオロヒ
素酸ニトロシル、トリフルオロメタンスルホン酸ニトロ
シル等の酸化剤、リチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム、セシウム等のアルカリ金属、テトラアルキル
アンモニウム塩等でドープすることにより10-3〜10
3 S/cmの高い導電率を示す。
【0020】これらのドーパントをドープする方法につ
いては特に制限はなく、一般にはドーパントと本発明の
高分子とを接触させればよく、気相、或いは液相中で行
われることが多い。あるいは、過塩素酸リチウム、テト
ラフルオロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロヒ酸リチウ
ム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、
過塩素酸テトラブチルアンモニウム等の電解質塩を含む
電解質溶液で電気化学的にドープする方法も可能であ
る。
【0021】
【実施例】
実施例1 窒素気流下、クロロホルム300ml中に無水塩化第二
鉄24gを入れた後、ピロール3gを入れて30℃で1
20時間攪拌する。反応混合物をメタノール1リットル
中に加えて良く攪拌した後、固形物を濾別して、メタノ
ール、水、アンモニア水を含むメタノール、水の順で充
分に洗浄し、減圧乾燥すると、2.7gのポリピロール
が得られた。このポリマーの重合度は同じ条件で合成さ
れた2,5−ジトリチウム化ピロールの比放射能測定よ
り決定された重合度から推定して平均約150であった
〔構造式(I)で示される構造の繰り返し数が15
0〕。
【0022】これをメタノール中に分散し、カリウムメ
トキシド1.14gを加え、室温で5時間攪拌する。メ
タノール及び未反応のカリウムメトキシドを取り除き、
十分に洗浄し、乾燥した。これをテトラヒドロフランに
分散し、更に、塩化カプロイル3gを加え、室温で24
時間攪拌を続けた。固形物を濾別しメタノール、水、ア
ンモニア水を含むメタノール、水の順で充分に洗浄し、
減圧乾燥して3.64gのポリマーを得た。
【0023】カプロイル基の導入は2850〜2950
cm-1のカプロイル基のCH伸縮に起因する赤外吸収帯の
存在によって確認した。また、構造式(I)の構造と構
造式(II)の構造の比率はプロトンNMRのNHの水素
強度とカプロイル基のメチルの水素の強度から求めたと
ころn/m≒0.30であった。このポリマーは、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤に対して良好な溶解性
を示した。更にこのポリマーのクロロホルム溶液からキ
ヤストによって自立性のフイルムを得ることができた。
導電率は、ヨウ素ドープ時で20S/cmであった。
【0024】実施例2 実施例1で塩化カプロイルの代わりに、臭化クロトノイ
ル3.1gを用いて、以下同様の処理を行い3.11g
のポリマーを得た。クロトノイル基の導入は2950cm
-1のCH伸縮に起因する赤外吸収帯の存在によって確認
した。また、構造式(I)の構造と構造式(II)の構造
の比率はプロトンNMRのNHの水素の強度とクロトノ
イル基のメチルの水素の強度から求めたところn/m≒
0.16であった。このポリマーは、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、クロロホ
ルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロ
フラン等の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。更
にこのポリマーのクロロホルム溶液からキヤストによっ
て自立性のフイルムを得ることができた。導電率は、ヨ
ウ素ドープ時で24S/cmであった。
【0025】実施例3 実施例1で塩化カプロイルの代わりに、塩化p−メトキ
シベンゾイル3.5gを用いて、以下同様の処理を行い
3.54gのポリマーを得た。p−メトキシベンゾイル
基の導入は2950cm-1のp−メトキシベンゾイル基の
メチルのCH伸縮に起因する赤外吸収帯の存在によって
確認した。また、構造式(I)の構造と構造式(II)の
構造の比率はプロトンNMRのNHの水素の強度とp−
メトキシベンゾイル基のメチルの水素の強度から求めた
ところn/m≒18であった。このポリマーは、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤に対して良好な溶解性
を示した。更にこのポリマーのクロロホルム溶液からキ
ヤストによって自立性のフイルムを得ることができた。
導電率は、ヨウ素ドープ時で20S/cmであった。
【0026】実施例4 ピロール20mmol、テトラフルオロホウ酸テトラエ
チルアンモニウム10mmolを含む炭酸プロピレン溶
液中で白金板を電極として、1.5Vの定電圧で電気量
が1Cになるまでアルゴン雰囲気下、−20℃で電解重
合を行った。白金板上に成長したポリマーフイルムはド
ーパントを含んでいるので、−0.1Vの電位をかけて
脱ドープ処理し、更にアンモニア水、水の順に洗浄し、
減圧乾燥した。電極より剥離したポリマーの重量は0.
1gであった。このポリマーの重合度は同じ条件で合成
された2,5−ジトリチウム化ピロールの比放射能測定
より決定された重合度から推定して平均約250であっ
た〔構造式(I)で示される構造の繰り返し数が25
0〕。
【0028】これをメタノール中で、カリウムメトキシ
ド0.1gを加え、室温で10時間攪拌する。メタノー
ル及び未反応のカリウムメトキシドを取り除き、十分に
洗浄、乾燥した。これにテトラヒドロフラン中で塩化カ
プロイル0.2gを加え、室温で48時間攪拌を続け
た。フィルムをメタノール、水、アンモニア水を含むメ
タノール、水の順で充分に洗浄し、減圧乾燥して0.1
5gのポリマーを得た。カプロイル基の導入は2850
〜2950cm-1のカプロイル基のCH伸縮に起因する赤
外吸収帯の存在によって確認した。また、構造式(I)
の構造と構造式(II)構造の比率はプロトンNMRのN
Hの水素の強度とカプロイル基のメチルの水素の強度か
ら求めたところn/m≒0.43であった。このポリマ
ーは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロ
ロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤に対して良
好な溶解性を示した。更にこのポリマーのクロロホルム
溶液からキヤストによって自立性のフイルムを得ること
ができた。導電率は、ヨウ素ドープ時で15S/cmで
あった。
【0029】
【発明の効果】本発明のポリピロールのN位にアシル基
を導入した誘導体は、種々の有機溶媒に可溶であり、キ
ヤストで可撓性のある自立性のフイルムを得ることがで
き、また塗工等の方法による加工も可能であり、更にこ
れらのフイルムや加工品はドーピングによって高い導電
率を発現させることも可能である。従って、有機半導
体、有機導電体等として電子デバイス材料、導電材料と
して、種々の用途に非常に有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 で示される構造単位と、下記式(II) 【化2】 〔式中Rは炭素数3以上のアルキル基もしくは置換アル
    キル基、炭素数3以上のアルケニル基もしくは置換アル
    ケニル基、アリール基もしくは置換アリール基、又はベ
    ンジル基もしくは置換ベンジル基を表す〕で示される構
    造単位とからなる高分子化合物であって、(I)式から
    なる構造の数(m)と(II)式からなる構造の数(n)
    の合計が50〜5000で、n/mの値が0.01〜1
    00であることを特徴とするポリピロール誘導体。
  2. 【請求項2】 上記構造式(I)で示される構造単位か
    らなる無置換のポリピロール〔構造単位の数=50〜
    5000〕を金属カリウム、カリウムアルコキシド又は
    水酸化カリウムと反応させポリ(ピロール−N−カリウ
    ム)とし、更にこれにハロゲン化アシル〔RCOX:X
    は塩素、臭素又はヨウ素を、Rは炭素数3以上のアルキ
    ル基もしくは置換アルキル基、炭素数3以上のアルケニ
    ル基もしくは置換アルケニル基、アリール基もしくは置
    換アリール基、又はベンジル基もしくは置換ベンジル基
    を表す〕を反応させることを特徴とする請求項1記載の
    ポリピロール誘導体の製造方法。
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