JP2992150B2 - ポリアニリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体およびその製造方法

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JP2992150B2 JP3290373A JP29037391A JP2992150B2 JP 2992150 B2 JP2992150 B2 JP 2992150B2 JP 3290373 A JP3290373 A JP 3290373A JP 29037391 A JP29037391 A JP 29037391A JP 2992150 B2 JP2992150 B2 JP 2992150B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に膨潤可能で
あり、可撓性のある自立性のフィルムやファイバーを形
成できるポリアニリン誘導体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは新しい電子材料、
導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、電磁
波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種センサ
ー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材料、透
明導電体、各種端末機器などの広い分野への応用が検討
されている。しかしながら、一般にポリアニリンは、π
共役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が剛直で
分子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強固な水素
結合が数多く存在するため、ほとんどの有機溶剤に不溶
であり、また加熱によっても溶融しないので成形性に乏
しく、フィルム化等の加工が出来ないという大きな欠点
を有している。そのために例えば、高分子材料の繊維、
多孔質体などの所望の形状の基材にアニリンからなるモ
ノマーを含浸させ、このモノマーを適当な重合触媒と接
触させることにより、或いは、電解酸化により重合させ
て導電性複合材料としたり、或いはまた熱可塑性重合体
粉末の存在下で、該モノマーを重合させ同様の複合材料
を得ていた。
【0003】これに対し、重合触媒と反応温度の工夫に
よりN−メチル−2−ピロリドンのみに可溶なポリアニ
リンが合成されている(M. Abe et al.; J. Chem. So
c., Chem. Commun., 1989, 1736 )。しかし、このポリ
アニリンもその他の汎用有機溶剤にはほとんど溶けず、
適応範囲が限られていた。また、様々なアニリンの誘導
体を利用して有機溶剤に可溶なポリアニリン誘導体も合
成することが行われているが、充分に可撓性を有するフ
ィルムを形成することはできていなかった。一方、高分
子化合物がゲル化可能であれば、ゲル延伸やゲル紡糸、
ゲル形成等の技術を用いて加工が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、従来の技
術における上記のような問題を解決することを目的とす
るものである。即ち、本発明の目的は、架橋構造の形成
に関与する窒素原子の数が増加しても有機溶剤で膨潤可
能で、ゲル化することによって可撓性のある自立性のフ
ィルムやファイバーに形成できるポリアニリン誘導体お
よびその製造方法を提供するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリアニリンと両末端に
カルボキシル基又はハロホルミル基を有するブタジエン
−アクリロニトリル共重合体とを反応させることによ
り、有機溶剤で膨潤可能で、可撓性のある自立性のフィ
ルムやファイバーを形成することが可能な架橋構造を有
するポリアニリン誘導体が得られることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0006】本発明のポリアニリン誘導体は下記式
(I)
【化8】 (式中、m,nは2以上の整数、m/n=0.01〜1
00、m+n=10〜5000)で示される構造単位よ
りなる数平均分子量2,000〜500,000のポリ
アニリンを主鎖として、該主鎖に下記式(II)
【化9】 [式中、Xは下記式(III)で示されるブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体構造の繰り返し単位を表わす。
【化10】 (y/(x+y)=0.01〜0.5、x>0、y>
0、z=5〜15である)]で示される架橋構造を有
し、該架橋構造の形成に関与する窒素原子の数がポリア
ニリン中の窒素原子の15〜40%であることを特徴と
する。
【0007】一方、本発明のポリアニリン誘導体の製造
方法は、アニリン酸化重合体をアンモニアで処理して可
溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジンで処理
して得られた下記式(IV)
【化11】 (nは10〜5000の整数)で示される構造単位より
なる数平均分子量2,000〜500,000の還元型
ポリアニリンを(a)下記式(V)
【化12】 (y/(x+y)=0.01〜0.5、x>0、y>
0、z=5〜15である)で示される両末端にカルボキ
シル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体
と、カルボキシル基に対して当量以上のN,N’−二置
換カルボジイミド類の存在下で反応させるか、または
(b)下記式(IV)
【化13】 (yは塩素または臭素を示し、y/(x+y)=0.0
1〜0.5、x>0、y>0、z=5〜15である)で
示される両末端にハロホルミル基を有するブタジエン−
アクリロニトリル共重合体と反応させることを特徴とす
る。
【0008】本発明のポリアニリン誘導体の製造方法に
ついて、さらに説明すると、上記式(IV)で示される数
平均分子量2,000〜500,000の還元型ポリア
ニリンは、次のようにして製造される。即ち、過硫酸ア
ンモニウム等を酸化剤として用いて、アニリンを低温、
例えば−20〜50℃の範囲の温度で酸化重合すること
によって得たアニリン酸化重合体を、まずアンモニアで
処理して、可溶型ポリアニリンを得る。その後これを過
剰のヒドラジンで処理する。このヒドラジン処理は、可
溶型のポリアニリンを水に分散し、ポリアニリン中の窒
素原子に対して当量以上、好ましくは3倍以上のヒドラ
ジンを窒素雰囲気下で加え、24時間以上、0〜30℃
で攪拌することにより行うことができる。このようにし
て得られる還元型ポリアニリンは、N−メチル−2−ピ
ロリドンあるいはN,N−ジメチルアセトアミドに可溶
であるが、他の汎用有機溶剤、たとえば、クロロホルム
やテトラヒドロフランにはほとんど不溶である。
【0009】次に前記還元型ポリアニリンを、上記式
(V)で示される両末端にカルボキシル基を有するブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体と反応させるか、ま
たは、上記式(VI)で示される両末端にハロホルミル基
を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体と反応
させることにより、前記還元型ポリアニリンを架橋させ
る。即ち、上記式(V)で示される両末端にカルボキシ
ル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体を
ピリジンに溶解し、これに末端カルボキシル基と当量以
上のN,N’−二置換カルボジイミド類を−10〜10
℃に冷却しながら加え、1〜4時間その温度で攪拌を続
け、次いで上記還元型ポリアニリンのアミド系溶液を加
え、ゆっくりと室温に戻しながら更に1〜24時間攪拌
を続ける。反応混合物を希塩酸中に注ぎ込み、生成した
ポリマーを沈澱させる。このポリマーは塩酸でドープさ
れているので、アンモニア水で脱ドープ処理すること
で、本発明のポリアニリン誘導体を製造することができ
る。
【0010】或は、上記(VI)で示される両末端にハロ
ホルミル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重
合体をクロロホルムに溶解し、還元型ポリアニリンのア
ミド系溶液にゆっくりと滴下し、室温で1〜24時間攪
拌を続ける。反応混合物を希塩酸中に注ぎ込み、生成し
たポリマーを沈澱させる。このポリマーは塩酸でドープ
されているので、アンモニア水で脱ドープ処理すること
で、本発明のポリアニリン誘導体を製造することができ
る。こうして得られる本発明のポリアニリン誘導体は製
造中にポリアニリン主鎖の長さが変化することはないの
で、上記式(I)で示されるポリアニリンのm+nの値
は上記式(IV)で示される還元型ポリアニリンのnの値
と同じになる。また、架橋反応終了後に、酸化剤または
還元剤を存在させ、あるいは、電気化学的に酸化または
還元することにより、生成するポリアニリン誘導体のm
/nを適宜の値に調整することができる。即ち、酸化
剤、或は電気化学的酸化により、本発明のポリアニリン
誘導体を酸化すればmの値が増加し、還元剤、或は電気
化学的還元により、本発明のポリアニリン誘導体を還元
すればmの値が減少する。なお、m/nの値は13C N
MRスペクトルのキノイド構造由来のピーク(ケミカル
シフト138ppm/TMS)とベンゼノイド由来のピ
ーク(ケミカルシフト122ppm/TMS)のそれぞ
れの強度比より求めることができる。
【0011】上記の場合、アミド系溶剤としては、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホス
ホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン等が使用できる。
【0012】本発明において用いる上記式(V)で示さ
れる両末端にカルボキシル基を有するブタジエン−アク
リロニトリル共重合体としては、例えば、Goodri
ch社より上市されているHycar CTBN(商品
名)が本発明に適用できる。
【0013】また、上記式(VI)で示される両末端にハ
ロホルミル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共
重合体は上記式(V)で示されるジカルボン酸、または
そのジカルボン酸のエステル(メチル、エチル等の低級
アルコールのエステル)、またはそのジカルボン酸の塩
(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)から容易に誘導
することができる。すなわちジカルボン酸からは次のよ
うに合成することができる。(i)該ジカルボン酸に対
し、塩化ホスホリル、塩化チオニル、五塩化リン、三塩
化リン等の無機ハロゲン化合物を当量以上加え、ベンゼ
ン、クロルベンゼンなどの不活性溶媒中で反応させるこ
とによって、本発明に用いる両末端にハロホルミル基を
有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体を得るこ
とができる。この場合、塩化亜鉛、ピリジン、ヨウ素、
トリエチルアミン等を触媒として加えてもよい。(ii)
該ジカルボン酸に対して等モル量以上の、塩化ベンゾイ
ル、フタル酸塩化物、塩化オキサリル等の酸ハロゲン化
物、α,α−ジハロゲノエーテル類、ハロゲン化アルキ
ルアミン類、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素、ピ
ロカテキルホスホ三塩化物、ジエチルハロホスホ塩化
物、トリフェニルハロホスホ臭化物等からなる有機リン
ハロゲン化物等の有機ハロゲン化物をベンゼン、クロル
ベンゼン等の不活性な溶媒中で反応させて得ることがで
きる。
【0014】またジカルボン酸エステルからは、該ジカ
ルボン酸エステルに対して等モル量以上の、トリフェニ
ルホスホハロゲン化物またはそのフッ化ホウ素との錯体
を用いて、反応させることにより本発明に用いる両末端
にハロホルミル基を有するブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体を得ることができる。
【0015】さらに、またジカルボン酸塩からは、該ジ
カルボン酸塩に対して等モル量の、塩化ホスホリル、五
塩化リン等の無機ハロゲン化合物や塩化チオニルとジメ
チルホルムアミドの錯体を用いて反応させて、本発明に
用いる両末端にハロホルミル基を有するブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体を得ることができる。これらの
他にも、カルボキシル基をハロホルミル基に変換するこ
とができる反応であればいずれも問題なく適用すること
ができ、本発明に用いる両末端にハロホルミル基を有す
るブタジエン−アクリロニトリル共重合体を得ることが
できる。
【0016】本発明で使用されるN,N’−二置換カル
ボジイミド類は、下記式(VII) R’−N=C=N−R” (VII) で表される。ここで、R’及びR”は同じでも異なって
もよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−ジ
メチルアミノプロピル基等のアルキル基、またはシクロ
ヘキシル基等の環状アルキル基、またはフェニル基、p
−トリル基、m−トリル基、p−N,N−ジメチルアミ
ノフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ニトロフェ
ニル基、p−シアノフェニル基等のアリール基等があげ
られる。
【0017】具体的には、ジエチルカルボジイミド、ジ
イソプロピルカルボジイミド、ジシクロカルボジイミ
ド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボ
ジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド等があげられる。
【0018】本発明のポリアニリン誘導体において、前
記式(II)で示される架橋構造の形成に関与する窒素原
子の数は、ポリアニリン中の窒素原子の平均15〜40
%の範囲にあることが必要である。式(II)の架橋構造
の形成に関与する窒素原子の数がポリアニリン中の窒素
原子の40%より高い比率になると、膨潤しにくくな
り、ゲルの調製に問題が生ずるようになる。また、15
%より低くなると、溶解してしまい、また充分なゲルの
強度を有するポリアニリン誘導体が得られず、可撓性の
ある自立性のフィルムやファイバーに加工するのが難し
い。
【0019】上記のようにして製造された本発明のポリ
アニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドンあるい
はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素溶剤やテトラヒドロフラン等のエーテル
系溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキ
シド等の極性溶剤に膨潤可能である。このポリアニリン
誘導体を膨潤させた溶液から、自立性のフィルムやファ
イバーを製造することが可能である。さらに、このフィ
ルムやファイバー等の加工物は、アクセプター性のドー
パントでドープすることにより10-3〜10S/cmの
高い導電率を示すことができる。
【0020】ここで使用されるドーパントは、特に制限
されるものではなく、アニリン系導電性高分子のドープ
に際し、ドーパントとして使用されるものであれば、如
何なるものでも使用することができる。具体例を挙げれ
ば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化ヨウ素等のハロゲン化
合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸
等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、三塩化アル
ミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモ
ン、五フッ化ヒ素等のルイス酸、または酢酸、トリフル
オロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸等からなる有機酸等各種の化合物をあげることができ
る。
【0021】これらの化合物をドープさせる方法につい
ては、特に制限はなく、一般に気相あるいは液相中で、
ポリアニリン誘導体、そのゲルまたはその成形加工物と
ドーパンド化合物とを接触させて行うことができる。あ
るいは、上記プロトン酸やその塩の溶液中で電気化学的
にドープする方法を用いることもできる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとし、−5℃に冷却する。濃塩酸21.9g、
過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶かし100ml
とし、−10℃に冷却した後、上記のアニリン溶液にゆ
っくりと滴下し、−10℃で6時間攪拌を続けた。こう
して得られた数平均分子量12000(GPC、N−メ
チル−2−ピロリドン溶媒中で測定、ポリスチレン換算
の数平均分子量)のアニリン酸化重合体を水で充分に洗
浄し、ついでアンモニア水で脱ドープ処理を行い、可溶
型ポリアニリンを得た。得られた可溶型ポリアニリンを
200mlの水に分散し、窒素雰囲気下で50mlのヒ
ドラジンを加え、24時間室温で攪拌を続け、濾別、乾
燥して灰白色の還元型ポリアニリンを得た。
【0023】こうして得られた還元型ポリアニリン(数
平均分子量12000、m+n≒130)1gを窒素気
流下でN−メチル−2−ピロリドン30mlに完全に溶
解させた。一方、両末端にカルボキシル基を有するブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体である、Hycar
CTBN(分子量約3600、アクリロニトリル成分
比10モル%、Goodrich社製)3.94gを3
0mlのピリジンに溶解し、0℃に冷却した。ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド0.2266gを加え、1時間
0℃で攪拌を続けた。この反応溶液に、上記還元型ポリ
アニリン溶液を加え、徐々に室温に戻しながら、6時間
反応を続けた。得られた該溶液を11の希塩酸に攪拌し
ながら投入し、生成した沈澱物を濾別し、更にアンモニ
ア蒸気に曝してから水洗してハロゲン化水素を除去し、
乾燥して、本発明のポリアニリン誘導体を4.78g得
た。
【0024】得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)の構造に起
因する1645cm-1 (C=0伸縮)、2236cm
-1 (CN伸縮)、2850〜2950cm-1 (脂肪族
C−H伸縮)の吸収が認められた。更に、1600、1
500、1300、1170、820cm-1 に一般式
(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンが
みられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認され
た。反応収率から式(II)の架橋構造の形成に関与した
窒素原子の数は、ポリアニリン中の窒素原子の19%で
あった。また、13C NMRスペクトルから求めたm/
nの値は0.34であった。
【0025】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン9gにいれ、膨潤させてゲル化
し、非常に可撓性のあるフィルムやファイバーを作製し
た。更に、このフィルムやファイバーを20%硫酸水溶
液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は
0.1S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロ
リドンのかわりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン
等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0026】実施例2 実施例1で、両末端にカルボキシル基を有するブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体であるHycar CT
BN(分子量約3600、アクリロニトリル成分比27
モル%、Goodrich社製)7.88g、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド0.9064gを用いて、以下
同様の手順で本発明のポリアニリン誘導体を8.77g
得た。得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収スペクト
ルを測定したところ、前述の式(II)の構造に起因する
1645cm-1 (C=0伸縮)、2236cm-1 (C
N伸縮)、2850〜2950cm-1 (脂肪族C−H
伸縮)の吸収が認められた。更に、1600、150
0、1300、1170、820cm-1 に一般式(I)
で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンがみら
れ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認された。
反応収率から式(II)の架橋構造の形成に関与した窒素
原子の数は、ポリアニリン中の窒素原子の40%であっ
た。また、13C NMRスペクトルから求めたm/nの
値は0.21であった。
【0027】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、膨潤させて非常に可
撓性のあるフィルムやファイバーを作製した。更に、こ
のフィルムやファイバーを20%硫酸水溶液に24時間
つけてドープし乾燥したところ、導電率は0.1S/c
mであった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわ
りにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤
を用いても同様の加工が可能であった。
【0028】実施例3 両末端にカルボキシル基を有するブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体であるHycar CTBN(分子量
約3600、アクリロニトリル成分比17モル%、Go
odrich社製)3.94gを20mlの脱水したベ
ンゼンに溶解し、塩化オキサリル0.58gを加えて7
0℃で3時間反応させ両末端にハロホルミル基を有する
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体を生成させ、溶
媒等を減圧除去し、粘稠な液体を得た。末端基がクロロ
ホルミル化されたことは、赤外吸収スペクトルの変化で
確認した(カルボキシル基由来の1740cm-1付近の
吸収が消え、新たにクロロホルミル基由来の1792c
-1の吸収が生じた)。これを10mlの脱水したクロ
ロホルムに溶解し、窒素気流下でN−メチル−2−ピロ
リドン30mlに完全に溶解した還元型ポリアニリン1
gの溶液にゆっくりと滴下し、4時間室温で反応させ
た。この反応溶液を11の希塩酸に攪拌しながら投入
し、生成した沈澱物を濾別し、更にアンモニア蒸気に曝
してから水洗してハロゲン化水素を除去し、乾燥して、
本発明のポリアニリン誘導体を4.57g得た。
【0029】得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)の構造に起
因する1645cm-1 (C=0伸縮)、2236cm
-1 (CN伸縮)、2850〜2950cm-1 (脂肪族
C−H伸縮)の吸収が認められた。更に、1600、1
500、1300、1170、820cm-1 に一般式
(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンが
みられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認され
た。反応収率から式(II)の架橋構造の形成に関与した
窒素原子の数は、ポリアニリン中の窒素原子の18%で
あった。また、13C NMRスペクトルから求めたm/
nの値は0.35であった。
【0030】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、膨潤させて非常に可
撓性のあるフィルムやファイバーを作製した。更に、こ
のフィルムやファイバーを20%硫酸水溶液に24時間
つけてドープし乾燥したところ、導電率は0.01S/
cmであった。また、N−メチル−2−ピロリドンのか
わりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエ
タン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶
剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0031】
【発明の効果】本発明のポリアニリン誘導体は、種々の
有機溶剤で膨潤可能で、可撓性のある自立性のフィルム
やファイバーの成型加工が可能である。これら成型加工
物はドーピングにより、高い導電率を示すもので、電子
材料、導電材料として、種々の用途に非常に有用であ
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、m,nは2以上の整数、m/n=0.01〜1
    00、m+n=10〜5000)で示される構造単位よ
    りなる数平均分子量2,000〜500,000のポリ
    アニリンを主鎖として、該主鎖に下記式(II) 【化2】 [式中、Xは下記式(III)で示されるブタジエン−ア
    クリロニトリル共重合体構造の繰り返し単位を表す。 【化3】 (y/(x+y)=0.01〜0.5、x>0、y>
    0、z=5〜15である)]で示される架橋構造を有
    し、該架橋構造の形成に関与する窒素原子の数がポリア
    ニリン中の窒素原子の15〜40%であることを特徴と
    するポリアニリン誘導体。
  2. 【請求項2】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して可溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジン
    で処理して得られた下記式(IV) 【化4】 (nは10〜5000の整数)で示される構造単位より
    なる数平均分子量2,000〜500,000の還元型
    ポリアニリンを、下記一般式(V) 【化5】 (y/(x+y)=0.01〜0.5、x>0、y>
    0、z=5〜15である)で示される両末端にカルボキ
    シル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体
    と、カルボキシル基と当量以上のN,N’−二置換カル
    ボジイミド類の存在下で反応させることを特徴とする請
    求項1に記載のポリアニリン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して可溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジン
    で処理して得られた下記式(IV) 【化6】 (nは10〜5000の整数)で示される構造単位より
    なる数平均分子量2,000〜500,000の還元型
    ポリアニリンを、下記一般式(VI) 【化7】 (yは塩素または臭素を表し、y/(x+y)=0.0
    1〜0.5、x>0、y>0、z=5〜15である)で
    示される両末端にハロホルミル基を有するブタジエン−
    アクリロニトリル共重合体と反応させることを特徴とす
    る請求項1に記載のポリアニリン誘導体の製造方法。
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