JP2607411B2 - ポリアニリン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体及びその製造方法

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶媒または水に可
溶又は膨潤可能でキャストや塗工又はゲル延伸等による
成形加工が可能なポリアニリン誘導体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは新しい電子材料、
導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、電磁
波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種センサ
ー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材料、透
明導電体、各種端末機器などの広い分野への応用が検討
されている。
【0003】しかしながら、従来のポリアニリンは、π
共役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が剛直で
分子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強固な水素
結合が数多く存在するため、ほとんどの有機溶剤に不溶
であり、また加熱によっても溶融しないので成形性に乏
しく、フィルム化等の加工が出来ないという大きな欠点
を有している。そのために例えば、高分子材料の繊維、
多孔質体などの所望の形状の基材にアニリンからなるモ
ノマーを含浸させ、このモノマーを適当な重合触媒と接
触させることにより、或いは、電解酸化により重合させ
て導電性複合材料としたり、或いはまた熱可塑性重合体
粉末の存在下で、モノマーを重合させ同様の複合材料を
得ていた。
【0004】一方、重合触媒と反応温度の工夫によりN
−メチル−2−ピロリドンのみに可溶なポリアニリンが
合成されている(M.Abe et al.;J.Ch
em.Soc.,Chem.Commun.,198
9,1736)。しかし、このポリアニリンもその他の
汎用有機溶剤にはほとんど溶けず適応範囲が限られてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、従来の技
術における上記のような問題を解決することを目的とす
るものである。即ち、本発明の目的は、容易に有機溶剤
あるいは水に可溶または膨潤可能でキャストや塗工によ
る成形あるいはゲル延伸等の加工が可能なポリアニリン
及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、還元型ポリアニリンを片
末端にグリシジル基を有するポリエーテルと反応させ、
ポリアニリン構造を主鎖とし、該主鎖の窒素原子に対し
て特定量のポリエーテル構造を枝ポリマーとして付加さ
せることによって有機溶剤または水に可溶又は膨潤可能
でキャストやゲル延伸による成形加工が可能なポリアニ
リン誘導体が得られることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0007】本発明のポリアニリン誘導体は、下記式
(I)
【化6】 (式中、mは0以上の整数)で示されるキノジイミン構
造単位と、下記式(II)
【化7】 (式中、nは0以上の整数)で示されるイミノ−1,4
−フェニレン構造単位と、下記式(III )
【化8】 (式中、R1 ,R2 は水素又は炭素数1〜5の低級アル
キル基を示し、R3 は炭素数1〜30のアルキル基,炭
素数2〜30のアルケニル基,炭素数1〜30のアシル
基または炭素数1〜30のアルキル基を有するフェニル
基を示し、lは1以上の整数、kは2〜200の整数)
で示されるN−置換イミノ−1,4−フェニレン構造単
位とからなる高分子化合物であって、l+2m+n=1
0〜5000,l/(l+2m+n)=0.001〜1
であることを特徴とする。
【0008】本発明のポリアニリン誘導体は製造中にポ
リアニリン主鎖の長さが変化することはないので、前記
式中の(l+2m+n)の値は出発物質である前記式
(IV)で示される還元型ポリアニリンのPの値と同じに
なる。(l+2m+n)の値が10より小さいと可撓性
のある自立性のフィルムやファイバーを得ることが困難
であり、また5000を越えると、溶剤に溶解または膨
潤させることが困難であり、キャストやゲル延伸等の加
工の点で好ましくない。
【0009】更に、式中のmとnの比は得られた本発明
のポリアニリン誘導体を酸化或いは還元することによっ
て制御できる。即ち、酸化剤で、或いは電気化学的に、
本発明のポリアニリン誘導体を酸化すればmの値が増加
し、還元剤で、或いは電気化学的に、本発明のポリアニ
リン誘導体を還元すればmの値が減少する。さらに、m
とnの比は13C NMRスペクトルのキノイド構造由来
のピーク(ケミカルシフト138ppm/TMS)とベ
ンゼノイド由来のピーク(ケミカルシフト122ppm
/TMS)とのそれぞれの強度比の測定により求めるこ
とができる。
【0010】本発明で用いる片末端にグリシジル基を有
するポリエーテルは、下記一般式(v)
【化9】 で示されるものが使用される。ここでkは2〜200の
整数、R1 及びR2 は、水素またはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基などの炭素数が1〜5の
低級アルキル基である。R3 はメチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチ
ル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、
n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、ステアリル基、
イコシル基、ドコシル基、トリアコンチル基などの炭素
数1〜30のアルキル基,ビニル基、アリル基、1−ブ
テニル基、2−ブテニル基、オレイル基等の炭素数2〜
30のアルケニル基,アセチル基、プロピオニル基、ア
クリロイル基、ブチリル基、バレリル基、ラウロイル
基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、
エイコサノイル基、ドコサノイル基、トリアコンタノイ
ル基等の炭素数1〜30のアシル基、又はp−トリル
基、m−トリル基、o−トリル基、p−エチルフェニル
基、p−プロピルフェニル基、p−オクチルフェニル
基、p−ノニルフェニル基、p−ドデシルフェニル基、
p−ステアリルフェニル基等の炭素数1〜30のアルキ
ル基を有するフェニル基のいずれかである。
【0011】本発明のポリアニリン誘導体において、前
記式(III )の構造の比率1/(1+2m+n)は、
0.001〜1であることが必須である。式(III )の
構造の比率が0.001より小さいと溶解性が悪くな
る。また、1以上の置換は事実上不可能である。
【0012】本発明のポリアニリン誘導体の製造方法
は、アニリン酸化重合体をアンモニアで処理して可溶型
ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジンで処理して
下記式(IV)
【化10】 (式中、Pは10以上の整数)で示されるイミノ−1,
4−フェニレン構造単位からなる数平均分子量1000
〜500000の還元型ポリアニリンを製造し、然るの
ち、該還元型ポリアニリンと、下記式(V)
【化11】 (式中、R1 ,R2 ,R3 およびkは前記と同意義を有
する)で示される片末端にグリシジル基を有するポリエ
ーテルとを反応させることを特徴とする。
【0013】詳細には、次のようにして製造される。即
ち、過硫酸アンモニウム等を酸化剤として用いて、アニ
リンを低温、例えば−20〜50℃の範囲の温度で酸化
重合することによって得たアニリン酸化重合体を、まず
アンモニアで処理して、可塑型ポリアニリンを得る。つ
いで、これを過剰のヒドラジンで処理して前記式(IV)
で示されるイミノ−1,4−フェニレを構造単位とする
数平均分子量1000〜500000(GPC、N−メ
チル−2−ピロリドン溶媒で測定、ポリスチレン換算の
数平均分子量)の還元型ポリアニリンを得る。ヒドラジ
ン処理は、可溶型ポリアニリンを水に分散し、ポリアニ
リン中の窒素原子に対して当量以上、好ましく3倍以上
のヒドラジンを窒素雰囲気下で加え、24時間以上、0
〜30℃で撹拌することにより行うことができる。数平
均分子量が1000より小さいと、可撓性のある自立性
のフィルムやファイバーを得ることが困難であり、また
500000を越えると溶剤に溶解または膨潤させるこ
とが難かしくなるので、キャストやゲル延伸等の加工性
の点で好ましくない。
【0014】得られた還元型ポリアニリンは、下記に述
べるアミド系溶剤に溶解できる。該アミド系溶剤として
は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等が使用できる。なお、還元型ポリア
ニリンは、N−メチル−2−ピロリドンあるいは、N,
N−ジメチルアセトアミドに可溶であるが、他の汎用有
機溶剤、たとえば、クロロホルムやテトラヒドロフラン
にはほとんど不溶である。
【0015】次に、前記還元型ポリアニリンを、アミド
系溶剤に溶解し、然るのち、前記式(V)で示される片
末端にグリシジル基を有するポリエーテルを加えて、0
〜80℃で1〜24時間撹拌して反応させ、反応終了
後、該反応混合物をエーテル中に注ぎ込み、生成したポ
リマーを沈澱させることにより、本発明のポリアニリン
誘導体を製造することができる。
【0016】或いは、前記還元型ポリアニリンをアミノ
基と等量以上の酸の存在下で、例えば水に分散し、該分
散液に前記式(V)で示される片末端にグリシジル基を
有するポリエーテルを加えて、0〜80℃で1〜24時
間反応させる。得られた反応生成物をアンモニアで脱ド
ープ処理を行うことによって本発明のポリアニリン誘導
体を製造することができる。
【0017】本発明に用いられるこの様な片末端にグリ
シジル基を有するポリエーテルは、下記一般式(VI)
【化12】 (式中のR1 ,R2 ,R3 ,kは前記のものと同じ意味
を有する)で示されるような片末端に水酸基を有するポ
リエーテルから、簡単に誘導できる。例えば、ウィリア
ムソンのエーテル合成法を使って、前記式(V)に示さ
れた末端に水酸基を有するポリエーテルをテトラヒドロ
フランに溶解しアルカリ金属、例えばナトリウムと室温
で1〜2時間反応させアルカリ金属アルコキシド(この
場合はナトリウムアルコキシド)を形成させ、更に該反
応混合物にエピクロルヒドリン又はエピブロモヒドリン
を加えて20〜60℃で3〜6時間反応させる。得られ
た反応生成物からアルカリ金属塩を除去した後、エーテ
ルで片末端にグリシジル基を有するポリエーテルを沈澱
させる。次に該沈澱物をクロロホルムに溶解し、さらに
エーテルで再沈澱させ本発明で用いる前記式(V)で示
されるポリエーテルを得ることができる。またこの場
合、アルカリ金属の代わりに水素化ナトリウム等の水素
化アルカリ金属を用いてもよい。
【0018】あるいは、前記式(VI)で示す末端に水酸
基を有するポリエーテルとエピクロルヒドリン又はエピ
ブロモヒドリンを硫酸や塩酸等のプロトン酸触媒存在下
で開環反応させ、次いで水酸化ナトリウムや水酸化カリ
ウム等のアルカリ存在下で閉環反応させたのち、前記と
同様の精製処理をして片末端にグリシジル基を有する本
発明に用いるポリエーテルを得ることが可能である。
【0019】上記のようにして製造された本発明のポリ
アニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドンあるい
はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素溶剤やテトラヒドロフラン等のエーテル
系溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキ
シド等の極性溶剤、水等により溶解可能であり、得られ
た溶液から、キャストや紡糸によって自立性の可撓性の
あるフィルムやファイバーを製造することが可能であ
る。さらに、このフィルムやファイバー等の成形物は、
アクセプター性のドーパントでドープすることにより1
-3〜10S/cmの高い導電率を示すものである。
【0020】本発明において使用されるドーパントは、
特に制限されるものではなく、アニリン系導電性高分子
をドープする際に、ドーパントとして使用されるもので
あれば、如何なるものでも使用することができる。具体
例を挙げれば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化ヨウ素等の
ハロゲン化合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフ
ッ化水素酸等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、
三塩化アルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化
アンチモン、五フッ化ヒ素等のルイス酸、酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸等からなる有機酸等各種の化合物をあげることがで
きる。
【0021】これらの化合物を用いてドープする方法に
ついては、特に制限はなく、一般には、気相あるいは液
相中でポリアニリン誘導体、又はその成形加工物とドー
パント化合物とを接触させて行うことができる。あるい
は、上記プロトン酸やその塩の溶液中で電気化学的にド
ープする方法を用いることもできる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとし、−10℃に冷却した。濃塩酸21.9
g、過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶かし100
mlとし、この溶液もまた−10℃に冷却し、前記アニ
リン溶液にゆっくりと滴下し、−10℃で6時間撹拌を
続けて、アニリン酸化重合体を得た。これを水で充分に
洗浄した後、さらにアンモニア水で脱ドープ処理を行っ
て、可溶型ポリアニリンを得た。こうして得られた可溶
型ポリアニリンを200mlの水に分散し、窒素雰囲気
下で50mlのヒドラジンを加え、24時間室温で撹拌
を続けて得られた生成混合物を濾別、乾燥して灰白色の
数平均分子量12000(GPC,N−メチル−2−ピ
ロリドン溶媒中で測定、ポリスチレン換算の数平均分子
量)の還元型ポリアニリンを得た。
【0023】一方片末端にグリシジル基を有するポリエ
ーテルは、I.IKEDA,Y.SHIMAZAKI,
and K.SUZUKI:J.Appl.Poly
m.Sci.,Vol.42,2871−2877(1
991)記載の方法に従って合成した。すなわち、前記
一般式(V)で示すポリエチレングリコール モノメチ
ルエーテル(Aldrich Chemical C
o.製、平均分子量約1900、k≒42)100gを
400mlの脱水乾燥したテトラヒドロフランに溶解
し、1.9gの水素化ナトリウムを加えて30℃で2時
間反応させた。次いで、20gのエピクロルヒドリンを
加え40℃で4時間反応させた。得られた生成物をエー
テルで沈澱させ、還流エーテルで十分に洗浄したのちク
ロロホルムに溶解し不溶物を除去後、再びエーテルを加
えて生成物を沈澱させた。更に、再沈澱の精製操作を2
度繰り返し充分に乾燥して本発明に用いるポリアニリン
との反応に用いた。導入されたグリシジル基の定量も前
記の方法に従った。得られたポリエーテルは氷酢酸中で
の臭化水素の消費量の測定により、ポリエチレングリコ
ール モノメチルエーテルの末端水酸基の99%がグリ
シジル化されたことが確認された。
【0024】前記の還元型ポリアニリン(数平均分子量
12000)1gの窒素気流下でN−メチル−2−ピロ
リドン50mlに完全に溶解したのち、この溶液に片末
端にグリシジル基を有する上記のポリエチレングリコー
ル メチルグリシジルエーテルからなるポリエーテル
(分子量約1960、k≒42)4.29gを加え、5
0℃で4時間撹拌し、次いで80℃で2時間加熱し反応
させた。この反応溶液を塩酸を10%含むメタノール1
1に撹拌しながら投入し、生成した沈澱物を濾別し、更
にアンモニア蒸気に曝したのち、エーテルで充分に洗浄
し、乾燥して、本発明のポリアニリン誘導体を5.05
g得た。
【0025】得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(III )の構造に
起因する3300cm-1(O−H伸縮)、2850〜2
950cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められ
た。更に1600、1500、1300、1170、8
20cm-1にポリアニリン特有の吸収パターンがみら
れ、ポリアニリン誘導体が一般式(I)、式(II)およ
び式(III )の構造からなることが確認された。反応収
率から式(III )の構造は、ポリアニリン中の窒素原子
に対し19%であった。〔前記式においてl/(l+2
m+n)=0.19〕。また、13C NMRの測定から
求めたn/mの値は1.99であり、(l+2m+n)
の値は103であった。
【0026】得られた本発明のポリアニリン誘導体1g
をN−メチル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌
して溶解させ、キャストによる自立性のフィルムを作成
した。更に、このフィルムを塩酸蒸気に24時間曝して
ドープし、乾燥したところ、導電率は1.5S/cmで
あった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤にも
可溶であり、同様のフィルム化が可能であった。更に、
該ポリアニリン誘導体は水やメタノール、エタノール等
のアルコールにも膨潤可能であり、ゲル延伸等の加工が
可能であった。
【0027】実施例2 実施例1において使用したポリエーテルに代えて分子量
約5060、k≒110のポリエーテル0.55gを用
い同様の反応を行って、1.45gの本発明のポリアニ
リン誘導体を得た。該ポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(III )の構造に
起因する3300cm-1(O−H伸縮)、2850〜2
950cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められ
た。更に1600、1500、1300、1170、8
20cm-1にポリアニリン特有の吸収パターンがみら
れ、ポリアニリン誘導体が一般式(I)、式(II)およ
び式(III )の構造からなることが確認された。反応収
率から式(III )の構造は、ポリアニリン中の窒素原子
に対し0.9%であった〔前記式においてl/(l+2
m+n)=0.009〕。また、13C NMRの測定か
ら求めたn/mの値は2.01であり、(l+2m+
n)の値は約95であった。
【0028】このようにして得られた本発明のポリアニ
リン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gにい
れ、室温で撹拌して溶解させ、キャストによる自立性の
フィルムを作成した。更に、このフィルムを塩酸蒸気に
24時間曝してドープし、乾燥したところ、導電率は
2.5S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロ
リドンのかわりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン
等の有機溶剤にも可溶であり、同様の自立性のフィルム
化が可能であった。更に、該ポリアニリン誘導体は水や
メタノール、エタノール等のアルコールにも膨潤可能で
あり、ゲル延伸等の加工が可能であった。
【0029】実施例3 実施例1において使用したポリエーテルに代えて分子量
約400、k≒7のポリエーテル4.47gを用い同様
の反応を行って5.34gの本発明のポリアニリン誘導
体を得た。該ポリアニリン誘導体の赤外吸収スペクトル
を測定したところ、前述の式(III )の構造に起因する
3300cm-1(O−H伸縮)、2850〜2950c
-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。更に1
600、1500、1300、1170、820cm-1
にポリアニリン特有の吸収パターンがみられ、ポリアニ
リン誘導体が一般式(I)、式(II)および式(III )
の構造からなることが確認された。反応収率から式(II
I )の構造は、ポリアニリン中の窒素原子に対し97%
であった〔前記の式においてl/(l+2m+n)=
0.97〕。また、13C NMRの測定から求めたn/
mの値は1であり、(l+2m+n)の値は約130で
あった。
【0030】得られた本発明のポリアニリン誘導体1g
をN−メチル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌
して溶解させ、キャストによる自立性のフィルムを作成
した。更に、このフィルムを塩酸蒸気に24時間曝して
ドープし、乾燥したところ導電率は0.01S/cmで
あった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤にも
可溶であり、同様の自立性のフィルム化が可能であっ
た。更に、該ポリアニリン誘導体は水やメタノール、エ
タノール等のアルコールにも膨潤可能であり、ゲル延伸
等の加工が可能であった。
【0031】実施例4 実施例1において使用したポリエーテルに代えて片末端
にグリシジル基を有するポリエチレングリコール ラウ
リルグリシジルエーテル(分子量約1340、k≒2
5)1.48gを用い同様の反応を行って2.24gの
本発明のポリアニリン誘導体を得た。ポリエチレングリ
コール ラウリルグリシジルエーテルはポリエチレング
リコール モノラウリルエーテル(分子量約1290、
k≒25、東京化成工業社製)より通常の方法で合成し
た。得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収スペクトル
を測定したところ、前述の式(III )の構造に起因する
3300cm-1(O−H伸縮)、2850〜2950c
-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。更に1
600、1500、1300、1170、820cm-1
にポリアニリン特有の吸収パターンがみられ、ポリアニ
リン誘導体が一般式(I)、式(II)および式(III )
の構造からなることが確認された。反応収率から式(II
I )の構造は、ポリアニリン中の窒素原子に対し9%で
あった〔前記式においてl/(l+2m+n)=0.0
9〕。また、13C NMRの測定から求めたn/mの値
は1.98であり、(l+2m+n)の値は110であ
った。
【0032】得られた本発明のポリアニリン誘導体1g
をN−メチル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌
して溶解させ、キャストによる自立性のフィルムを作成
した。更に、このフィルムを塩酸蒸気に24時間曝して
ドープし、乾燥したところ、導電率は0.5S/cmで
あった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤にも
可溶であり、同様の自立性のフィルム化が可能であっ
た。更に、該ポリアニリン誘導体は水やメタノール、エ
タノール等のアルコールにも膨潤可能であり、ゲル延伸
等の加工が可能であった。
【0033】実施例5 実施例1において使用したポリエーテルに代えて片末端
にグリシジル基を有するポリエチレングリコール p−
ノニルフェニルグリシジルエーテル(分子量約500、
k≒5)4.09gを用い同様の反応を行って4.87
gの本発明のポリアニリン誘導体を得た。ポリエチレン
グリコール p−ノニルフェニルグリシジルエーテルは
ポリエチレングリコール モノp−ノニルフェニルエー
テル(分子量約440、k≒5、東京化成工業社製)よ
り通常の方法で合成した。得られたポリアニリン誘導体
の赤外吸収スペクトルを測定したところ、前述の式(II
I )の構造に起因する3300cm-1(O−H伸縮)、
2850〜2950cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収
が認められた。更に1600、1500、1300、1
170、820cm-1にポリアニリン特有の吸収パター
ンがみられ、ポリアニリン誘導体が一般式(I)、式
(II)および式(III )の構造からなることが確認され
た。反応収率から式(III )の構造は、ポリアニリン中
の窒素原子に対し72%であった〔前記式においてl/
(l+2m+n)=0.72〕。また、13C NMRの
測定から求めたn/mの値は2.01であり、(l+2
m+n)の値は121であった。
【0034】得られた本発明のポリアニリン誘導体1g
をN−メチル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌
して溶解させ、キャストによる自立性のフィルムを作成
した。更に、このフィルムを塩酸蒸気に24時間曝して
ドープし、乾燥したところ、導電率は0.02S/cm
であった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわり
にN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤
にも可溶であり、同様の自立性のフィルム化が可能であ
った。更に、該ポリアニリン誘導体は水やメタノール、
エタノール等のアルコールにも膨潤可能であり、ゲル延
伸等の加工が可能であった。
【0035】実施例6 実施例1において使用したポリエーテルに代えて片末端
のグリシジル基を有するポリエチレングリコール ラウ
リル酸エステル グリシジルエーテル(分子量約70
0、k≒10)3.83gを用い同様の反応を行って
4.55gの本発明のポリアニリン誘導体を得た。ポリ
エチレングリコール ラウリル酸エステルグリシジルエ
ーテルはポリエチレングリコール モノラウリル酸エス
テル(分子量約640、k≒10、東京化成工業社製)
より通常の方法で合成した。得られたポリアニリン誘導
体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、前述の式
(III )の構造に起因する3300cm-1(O−H伸
縮)、2850〜2950cm-1(脂肪族C−H伸
縮)、1650cm-1(C=O伸縮)の吸収が認められ
た。更に1600、1500、1300、1170、8
20cm-1にポリアニリン特有の吸収パターンがみら
れ、ポリアニリン誘導体が一般式(I)、式(II)およ
び式(III )の構造からなることが確認された。反応収
率から式(III )の構造は、ポリアニリン中の窒素原子
に対し47%であった〔前記式においてl/(l+2m
+n)=0.47〕。また、13C NMRの測定から求
めたn/mの値は1.89であり、(l+2m+n)の
値は122であった。
【0036】得られた本発明のポリアニリン誘導体1g
をN−メチル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌
して溶解させ、キャストによる自立性のフィルムを作成
した。更に、このフィルムを塩酸蒸気に24時間曝して
ドープし、乾燥したことろ、導電率は0.02S/cm
であった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわり
にN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤
にも可溶であり、同様の自立性のフィルム加工が可能で
あった。更に、該ポリアニリン誘導体は水やメタノー
ル、エタノール等のアルコールにも膨潤可能であり、ゲ
ル延伸等の加工が可能であった。
【0037】実施例7 実施例1において使用したポリエーテルに代えて片末端
にグリシジル基を有するポリエチレングリコール オレ
イルグリシジルエーテル(分子量約2530、k≒5
0)2.77gを用い同様の反応を行って3.25gの
本発明のポリアニリン誘導体を得た。ポリエチレングリ
コール オレイルグリシジルエーテルはポリエチレング
リコール モノオレイルエーテル(分子量約2470、
k≒50、東京化成工業社製)より通常の方法で合成し
た。得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収スペクトル
を測定したところ、前述の式(III )の構造に起因する
3300cm-1(O−H伸縮)、2850〜2950c
-1(脂肪族C−H伸縮)、1650cm-1(C=O伸
縮)の吸収が認められた。更に1600、1500、1
300、1170、820cm-1にポリアニリン特有の
吸収パターンがみられ、ポリアニリン誘導体が一般式
(I)、式(II)および式(III )の構造からなること
が確認された。反応収率から式(III )の構造は、ポリ
アニリン中の窒素原子に対し8.6%であった〔前記式
においてl/(l+2m+n)=0.086〕。また、
13C NMRの測定から求めたn/mの値は1.98で
あり、(l+2m+n)の値は112であった。
【0038】得られた本発明のポリアニリン誘導体1g
をN−メチル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌
して溶解させ、キャストによる自立性のフィルムを作成
した。更に、このフィルムを塩酸蒸気に24時間曝して
ドープし、乾燥したところ、導電率は0.07S/cm
であった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわり
にN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤
にも可溶であり、同様の自立性のフィルム加工が可能で
あった。更に、該ポリアニリン誘導体は水やメタノー
ル、エタノール等のアルコールにも膨潤可能であり、ゲ
ル延伸等の加工が可能であった。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリアニリン誘導体はポリアニ
リンを主鎖とし、ポリエーテルを分枝鎖として有する櫛
形ポリマーで、種々の有機溶剤または水に溶解または膨
潤可能で、キャストやゲル延伸等の加工が可能であり、
さらにその成形加工物はドーピングにより、高い誘導率
を示すので、電子材料、導電材料として、種々の用途に
非常に有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、mは0以上の整数)で示されるキノジイミン構
    造単位と、下記式(II) 【化2】 (式中、nは0以上の整数)で示されるイミノ−1,4
    −フェニレン構造単位と、下記式(III) 【化3】 (式中、R,Rは水素又は炭素数1〜5の低級アル
    キル基を示し、Rは炭素数1〜30のアルキル基、炭
    素数2〜30のアルケニル基、炭素数1〜30のアシル
    基、または炭素数1〜30のアルキル基を有するフェニ
    ル基のいずれかを示し、lは1以上の整数、kは2〜2
    00の整数である)で示されるN−置換イミノ−1,4
    −フェニレン構造単位とからなる高分子化合物であっ
    て、l+2m+n=10〜5000,l/(1+2m+
    n)=0.001〜1であることを特徴とするポリアニ
    リン誘導体。
  2. 【請求項2】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して可溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジン
    で処理して、下記式(IV) 【化4】 (式中、Pは10以上の整数)で示されるイミノ−1,
    4−フェニレン構造単位からなる数平均分子量1000
    〜500000の還元型ポリアニリンを製造し、然るの
    ち、該還元型ポリアニリンと、下記式(V) 【化5】 (式中、R,R は水素又は炭素数1〜5の低級アル
    キル基を示し、R は炭素数1〜30のアルキル基、炭
    素数2〜30のアルケニル基、炭素数1〜30のアシル
    基または炭素数1〜30のアルキル基を有するフェニル
    基を示し、kは2〜200の整数)で示される片末端に
    グリシジル基を有するポリエーテルとを反応させること
    を特徴とするポリアニリン誘導体の製造方法。
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