JP2727040B2 - ポリアニリン誘導体の製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体の製造方法

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JP2727040B2 JP4156208A JP15620892A JP2727040B2 JP 2727040 B2 JP2727040 B2 JP 2727040B2 JP 4156208 A JP4156208 A JP 4156208A JP 15620892 A JP15620892 A JP 15620892A JP 2727040 B2 JP2727040 B2 JP 2727040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高導電性有機重合体の
製造方法に関し、特に有機溶剤に可溶で、可撓性のある
自立性のフィルムを与えるポリアニリン誘導体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年導電性を有する有機重合体の一群が
注目を集めており、その中でもポリアニリンは新しい電
子材料、導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材
料、電磁波遮材料、光電子変換素子、光メモリー、各
種センサー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド
材料、透明導電体、各種端末機器などの広い分野への応
用が検討されている。しかしながら、一般にポリアニリ
ンは、π電子共役系有機重合体が高度に発達しているた
め、高分子主鎖が剛直で分子鎖間の相互作用が強く、ま
た分子鎖間に強固な水素結合が数多く存在するため、ほ
とんどの有機溶剤に不溶であり、また加熱によっても溶
融しないので成形性に乏しく、フィルム化等の加工が出
来ないという大きな欠点を有している。そのために例え
ば、高分子材料の繊維、多孔質体などの所望の形状の基
材にモノマーを含浸させ、このモノマーを適当な重合触
媒との接触により、或いは、電解酸化により重合させ導
電性複合材料としたり、或いはまた熱可塑性重合体粉末
の存在下で、モノマーを重合させ同様の複合材料を得て
いた。これに対し、重合触媒と反応温度の工夫によりN
−メチル−2−ピロリドンのみに可溶なポリアニリンが
合成されている(M.Abe et al.;J.Ch
em.Soc.,Chem.Commun.,198
9,1736)。しかし、このポリアニリンもその他の
汎用有機溶剤にはほとんど溶けず適応範囲が限られてい
た。また、様々なアニリンの誘導体を利用して有機溶剤
に可溶なポリアニリン誘導体も合成されているが、充分
に可撓性を有するフィルムを与えることはできていなか
った。更に、両末端にハロホルミル基を有するポリエー
テル系のポリマーを還元型ポリアニリンと反応させるこ
とで、類似のポリマーを製造することも可能であるが、
この場合架橋に与る窒素原子の数がポリアニリンの窒素
原子の5%を越えると急激にゲル化が起こり、塗工やキ
ャストが困難になるとの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題を解決することを目的とする
ものである。即ち、本発明の目的は、架橋に与る窒素原
子の数が増加しても有機溶剤に可溶で、可撓性のある自
立性のフィルムを与えるポリアニリン誘導体の製造方法
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリアニリンと、両末端
にカルボキシル基を有するポリエーテルとを、N,N′
−二置換カルボジイミドの存在下で反応させることによ
り、架橋に与る窒素原子の数が増加しても有機溶剤に可
溶で、可撓性のある自立性のフィルムを与えるポリアニ
リン誘導体が得られることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、下記式(I)
【化4】 で示される構造単位よりなる数平均分子量2000〜5
00000の還元型ポリアニリンと、 下記一般式(II) HOOC−X−COOH (II) 〔式中、Xは下記構造式(III)で示されるポリエー
テル構造であり、m=10〜200で、Rは水素原子又
メチル基である。〕
【化5】 で示される両末端にカルボキシル基を有する高分子化合
物とを、N,N′−二置換カルボジイミドの存在下で反
応させて、下記式(IV)
【化6】 (式中、Xは上記したと同じ意味を有する。)で示され
る架橋構造を形成し、該架橋に与る窒素原子の数がポリ
アニリンの窒素原子の0.1〜20%に存在することを
特徴とするポリアニリン誘導体の製造方法である。
【0005】本発明の製造方法によるポリアニリン誘導
体は、次のようにして製造される。即ち、過硫酸アンモ
ニウム等を酸化剤として用いて、アニリン又は、アニリ
ン水溶性塩を低温、例えば−20〜50℃の範囲の温度
で酸化重合することによって得たアニリン酸化重合体
(電導度10−6S/cm以上)を、まずアンモニアで
処理して、可溶型ポリアニリンを得る。その後、これを
過剰のヒドラジンで処理して上記一般式(I)で示され
る数平均分子量2000〜500000〔GPC(N−
メチル−2−ピロリドン溶媒)で測定、ポリスチレン換
算の数平均分子量〕の還元型のポリアニリンを得る。ヒ
ドラジン処理は、可溶型のポリアニリンを水に分散し、
ポリアニリン中の窒素原子に対して当量以上、好ましく
は3倍以上のヒドラジンを窒素雰囲気下で加え、24時
間以上、0〜30℃で攪拌することにより行う。得られ
る還元型ポリアニリンは、N−メチル−2−ピロリドン
あるいはN,N−ジメチルアセトアミドに可溶である
が、他の汎用有機溶剤、たとえば、クロロホルムやテト
ラヒドロフランにはほとんど不溶である。次に両末端に
カルボキシル基を有するポリエーテルをアミド系溶剤に
溶解し、これに末端カルボキシル基と当量以上のN,
N′−二置換カルボジイミド類を−10〜10℃に冷却
しながら加え、1〜4時間その温度で攪拌を続け、次い
で先の還元型ポリアニリンを加え、ゆっくりと室温に戻
しながら更に1〜6時間攪拌を続ける。反応混合物を希
塩酸中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈澱させる。こ
のポリマーは塩酸でドープされているので、アンモニア
の蒸気に曝し、水洗して脱ドープ処理することで、本発
明の製造方法によるポリアニリン誘導体をることがで
きる。アミド系溶剤としては、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用
できる。
【0006】本発明で用いる両末端にカルボキシル基を
有する高分子化合物は、一般式(II)で示される。 HOOC−X−COOH (II) 〔式中、Xは下記構造式(III)で示されるポリエー
テル構造であり、m=10〜200でRはメチル基であ
る。
【化7】 式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。〕で表される
ものが使用される。本発明で使用されるN,N′−二置
換カルボジイミドは、下記構造式(V) R′−N=C=N−R″ (V) で表される化合物であって、R′及びR″は脂肪族又は
芳香族系の基であって、同じでも異なってもよく、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−ジメチルアミノ
プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の環状
アルキル基、フェニル基、p−トリル基、m−トリル
基、p−N,N−ジメチルアミノフェニル基、p−クロ
ロフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェ
ニル基等のアリール基等があげられる。具体的には、ジ
エチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミ
ド、ジシクロカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミ
ド、ジ−p−トリルカルボジイミド、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等があ
げられる。式(IV)の架橋に与る窒素原子は、ポリア
ニリンの窒素原子の平均0.1〜20%の範囲にあるこ
とが必要である。式(IV)の架橋に与る窒素原子がポ
リアニリンの窒素原子の20%より高い比率になると、
ゲル化が起こり塗料等の調製に問題がある。また、0.
1%より低くなると、充分な溶解度が得られず、また充
分な可撓性も無いという問題がある。
【0007】上記のようにして製造されたポリアニリン
誘導体は、N−メチル−2−ピロリドンあるいはN,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロロホル
ム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭
化水素溶剤やテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、
ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキシド等の
極性溶剤に溶解可能である。この溶液から、自立性のフ
ィルムやファイバーを製造することが可能である。さら
に、このフィルムやファイバー等の加工物は、アクセプ
ター性のドーパントでドープすることにより10−3
10S/cmの高い導電率を示す。ここで使用されるド
ーパントは、特に制限されるものではなく、アニリン系
導電性高分子のドープに際し、ドーパントとして使用さ
れるものであれば、如何なるものでも使用することがで
きる。具体例を挙げれば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化
ヨウ素等のハロゲン化合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素
酸、ホウフツ化水素酸等のプロトン酸、前記プロトン酸
の各種塩、三塩化アルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブ
デン、塩化アンチモン、五フッ化ヒ素等のルイス酸、酢
酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸等の有機酸等各種の化合物をあげること
ができる。これらの化合物をドープさせる方法について
は、特に制限はなく、公知のあらゆる方法が可能であ
る。一般には、ポリアニリンの誘導体のゲル、またはそ
の成形加工物とドーパント化合物とを接触させればよ
く、気相あるいは液相中で行うことができる。あるい
は、上記プロトン酸やその塩の溶液中で電気化学的にド
ープする方法を用いることもできる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1. アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとし、−5℃に冷却する。濃塩酸21.9g、
過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶かし100ml
とし、この溶液もまた−10℃に冷却し、先のアニリン
溶液にゆっくりと滴下し、−10℃で6時間攪拌を続け
た。こうして得られた数平均分子量12000(GP
C,N−メチル−2−ピロリドン溶媒中で測定、ポリス
チレン換算の数平均分子量)のアニリン酸化重合体を得
た。これを水で充分に洗浄した後、さらにアンモニア水
で脱ドープ処理を行い可溶型ポリアニリンを得た。次に
可溶型ポリアニリンを200mlの水に分散し、窒素雰
囲気下で50mlのヒドラジンを加え、24時間室温で
攪拌を続け、ろ別、乾燥して灰白色の還元型ポリアニリ
ンを得た。こうして得られた還元型ポリアニリン(数平
均分子量12000)1gを窒素気流下でN−メチル−
2−ピロリドン10mlに完全に溶解しておく。一方、
両末端にカルボキシル基を有するポリエーテルである、
ポリエチレンオキシドジグリコール酸(分子量≒300
0、川研ファインケミカル(社)製)0.825gを3
0mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、0℃に
冷却する。ジシクロヘキシルカルボジイミド0.113
4gを加え、1時間0℃で攪拌を続ける。ここに、還元
型ポリアニリン溶液を加え、徐々に室温に戻しながら、
6時間反応を続けた。この溶液を11の希塩酸に攪拌し
ながら投入し、沈澱物をろ別し、更にアンモニア蒸気に
曝し水洗してハロゲン化水素を除去し、乾燥して、本発
の方法によるポリアニリン誘導体を1.78g得た。
【0009】赤外線吸収スペクトルを測定したところ、
前述の式(IV)の構造に起因する1650cm
−1(C=O伸縮)、2850〜2950cm−1(脂
肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。反応収率から式
(IV)の架橋に与る窒素原子の数は、ポリアニリンの
窒素原子の平均5%であった。得られたポリアニリン誘
導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gにいれ、室
温で溶解し、キャストによって非常に可撓性のあるフィ
ルムが得られた。更に、このフィルムを20%硫酸水溶
液に24時間浸漬してドープし乾燥したところ導電率は
0.5S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロ
リドンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン
等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0010】実施例2 両末端にカルボキシル基を有するポリエーテルであるポ
リエチレンオキシドジグリコール酸(分子量≒300
0)川研ファインケミカル社製)を3.293g、ジシ
クロヘキシルカルボジイミドを0.4522g用いた他
は、実施例1と同様にして本発明の方法によるポリアニ
リン誘導体を4.25g得た。赤外線吸収スペクトルを
測定したところ、前述の式(IV)の構造に起因する1
650cm−1(C=O伸縮)、2850〜2950c
−1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。反応
収率から式(IV)の架橋に与る窒素原子の数は、ポリ
アニリンの窒素原子の平均20%であった。得られたポ
リアニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5
gにいれ、室温で溶解し、キャストによって非常に可撓
性のあるフィルムが得られた。更に、このフィルムを2
0%硫酸水溶液に24時間浸漬してドープし乾燥したと
ころ導電率は0.05S/cmであった。また、N−メ
チル−2−ピロリドンの代りにN,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能
であった。
【0011】実施例3 両末端にカルボキシル基を有するポリエーテルであるポ
リエチレンオキシドジグリコール酸(分子量≒300
0)川研ファインケミカル(株)製)を0.0165
g、ジシクロヘキシルカルボジイミドを0.0023g
用いた他は実施例1と同様にして、本発明の方法による
ポリアニリン誘導体を0.990g得た。赤外線吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(IV)の構造に
起因する1650cm−1(C=O伸縮)、2850〜
2950cm−1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認めら
れた。反応収率から式(IV)の架橋に与る窒素原子の
数は、ポリアニリンの窒素原子の平均0.1%であっ
た。得られたポリアニリン誘導体1gをN−メチル−2
−ピロリドン5gにいれ、室温で溶解し、キャストによ
って非常に可撓性のあるフィルムが得られた。更に、こ
のフィルムを20%硫酸水溶液に24時間浸漬してドー
プし乾燥したところ導電率は0.1S/cmであった。
また、N−メチル−2−ピロリドンの代りにN,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメ
タン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様
の加工が可能であった。
【0012】実施例4 両末端にカルボキシル基を有するポリエーテルであるポ
リエチレンオキシドジグリコール酸(分子量≒100
0)川研ファインケミカル(株)製)を1.098g、
ジシクロヘキシルカルボジイミドを0.452g用いた
他は実施例1と同様にして、本発明の方法によるポリア
ニリン誘導体を1.990g得た。赤外線吸収スペクト
ルを測定したところ、前述の式(IV)の構造に起因す
る1650cm−1(C=O伸縮)、2850〜295
0cm−1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。
反応収率から式(IV)の架橋に与る窒素原子の数は、
ポリアニリンの窒素原子の平均20%であった。得られ
たポリアニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリド
ン5gにいれ、室温で溶解し、キャストによって非常に
可撓性のあるフィルムが得られた。更に、このフィルム
を20%硫酸水溶液に24時間浸漬してドープし乾燥し
たところ導電率は0.01S/cmであった。また、N
−メチル−2−ピロリドンの代りにN,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工
が可能であった。
【0013】実施例5 実施例1の両末端にカルボキシル基を有するポリエチレ
ンオキシドジグリコール酸に代えて、両末端にカルボキ
シル基を有するポリプロピレンオキシドジグリコール酸
(分子量約3000)0.825gを用いた他は、実施
例1と同様にして本発明の方法によるポリアニリン誘導
体1.820gを得た。赤外線吸収スペクトルを測定し
たところ、前述の式(IV)の構造に起因する1650
cm−1(C=O伸縮)、2850〜2950cm−1
(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。反応収率か
ら式(IV)の架橋に与る窒素原子の数は、ポリアニリ
ンの窒素原子の平均5%であった。得られたポリアニリ
ン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gにい
れ、室温で攪拌すると溶解し、キャストによるフィルム
化が可能であった。更に、このフィルムを20%塩酸水
溶液に24時間浸漬してドープし乾燥したところ導電率
は0.5S/cmであった。また、N−メチル−2−ピ
ロリドンの代りにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン
等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0014】実施例6 実施例1の両末端にカルボキシル基を有するポリエチレ
ンオキシドジグリコール酸に代えて、両末端にカルボキ
シル基を有するポリプロピレンオキシドジグリコール酸
(分子量約3000)1.650gを用いた他は、実施
例1と同様にして本発明の方法によるポリアニリン誘導
体2.640gを得た。赤外線吸収スペクトルを測定し
たところ、前述の式(IV)の構造に起因する1650
cm−1(C=O伸縮)、2850〜2950cm−1
(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。反応収率か
ら式(IV)の架橋に与る窒素原子の数は、ポリアニリ
ンの窒素原子の平均10%であった。得られたポリアニ
リン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入
れ、室温で攪拌すると溶解し、キャストによるフィルム
化が可能であった。更に、このフィルムを20%塩酸水
溶液に24時間浸漬してドープし乾燥したところ導電率
は0.3S/cmであった。また、N−メチル−2−ピ
ロリドンの代りにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン
等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0015】実施例7 実施例1の両末端にカルボキシル基を有するポリエチレ
ンオキシドジグリコール酸に代えて、両末端にカルボキ
シル基を有するポリプロピレンオキシドジグリコール酸
(分子量約1000)0.549gを用いた他は、実施
例1と同様にして本発明の方法によるポリアニリン誘導
体1.54gを得た。赤外線吸収スペクトルを測定した
ところ、前述の式(IV)の構造に起因する1650c
−1(C=O伸縮)、2850〜2950cm
−1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。反応収
率から式(IV)の架橋に与る窒素原子の数は、ポリア
ニリンの窒素原子の平均10%であった。得られたポリ
アニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5g
に入れ、室温で攪拌すると溶解し、キャストによるフィ
ルム化が可能であった。更に、このフィルムを20%塩
酸水溶液に24時間浸漬してドープし乾燥したところ導
電率は0.5S/cmであった。また、N−メチル−2
−ピロリドンの代りにN,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフ
ラン等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であっ
た。
【0016】実施例8 実施例1の両末端にカルボキシル基を有するポリエチレ
ンオキシドジグリコール酸に代えて、両末端にカルボキ
シル基を有するポリプロピレンオキシドジグリコール酸
(分子量約1000)2.169gを用いた他は、実施
例1と同様にして本発明の方法によるポリアニリン誘導
体3.185gを得た。赤外線吸収スペクトルを測定し
たところ、前述の式(IV)の構造に起因する1650
cm−1(C=O伸縮)、2850〜2950cm−1
(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。反応収率か
ら式(IV)の架橋に与る窒素原子の数は、ポリアニリ
ンの窒素原子の平均20%であった。得られたポリアニ
リン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入
れ、室温で攪拌するとゲル化し、紡糸や延伸によるフィ
ルム化が可能であった。更に、このフィルムを20%塩
酸水溶液に24時間浸漬してドープし乾燥したところ導
電率は0.5S/cmであった。また、N−メチル−2
−ピロリドンの代りにN,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフ
ラン等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可能であっ
た。上記実施例5〜8で用いた両末端にカルボキシル基
を有するポリプロピレンオキシドは、両末端水酸基を有
するポリプロピレングリコールを炭酸カリウム存在下、
白金−活性炭を触媒として水溶液を12時間還流して水
酸基をカルボキシル基に酸化したものである。容量分析
による末端基数は2.01でほぼ100%が酸化されて
カルボキシル基になっていることを確認した。
【0017】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られるポリア
ニリン誘導体はポリエーテル構造を有するジカルボン酸
を以てポリアニリン相互間の架橋構造を構成したもので
あり、種々の有機溶剤に可溶であり、キャストで可撓性
のある自立性のフィルムを得ることや塗工等で加工可能
であり、ドーピングにより、高い導電率を示し、電子材
料、導電材料として、種々の用途に非常に有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して得た可溶型ポリアニリンをヒドラジンで処理して、
    下記式(I) 【化1】 で示される構造単位よりなる数平均分子量2000〜5
    00000の還元型ポリアニリンを作成し、然る後該還
    元型ポリアニリンで下記一般式(II) HOOC−X−COOH (II) 〔式中、Xは下記構造式(III)で示されるポリエー
    テル構造であり、m=10〜200である。〕 【化2】 〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。〕で示され
    る両末端にカルボキシル基を有する高分子化合物とを、
    N,N′−二置換カルボジイミドの存在下で反応させ
    て、下記式(IV) 【化3】 〔式中、Xは上記したと同じ意味を有する。〕で示され
    る架橋構造を有し、該架橋に与かる窒素原子の数がポリ
    アニリンの窒素原子の0.1〜20%であることを特徴
    とするポリアニリン誘導体の製造方法
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