JP2884121B2 - ポリアニリン誘導体の製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体の製造方法

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JP2884121B2 JP13216591A JP13216591A JP2884121B2 JP 2884121 B2 JP2884121 B2 JP 2884121B2 JP 13216591 A JP13216591 A JP 13216591A JP 13216591 A JP13216591 A JP 13216591A JP 2884121 B2 JP2884121 B2 JP 2884121B2
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶なポリ
アニリン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは、新しい電子材
料、導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、
電磁波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種セ
ンサー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材
料、透明導電体、各種端末機器等の広い分野への応用が
検討されている。
【0003】ところで、一般にポリアニリンは、π共役
系が高度に発達しているため、高分子主鎖が剛直で、分
子鎖間の相互作用が強く、また、分子鎖間に強固な水素
結合が数多く存在するため、殆どの有機溶剤に不溶であ
り、また加熱によっても溶融しないので、成形性に乏し
く、キャスト成形や塗工ができないと言う大きな欠点を
有している。そのために、例えば、高分子材料の繊維、
多孔質体等の所望の形状の基材にアニリンモノマーを含
浸させ、このアニリンモノマーを適当な重合触媒と接触
させることにより、或いは、電解酸化により重合させて
導電性複合材料としたり、或いはまた、熱可塑性重合体
粉末の存在下で、アニリンモノマーを重合させて同様の
複合材料を得ている。
【0004】一方、重合触媒と反応温度の工夫により、
N−メチル−2−ピロリドンのみに可溶なポリアニリン
も合成されている(M. Abe et al.:J.
Chem. Soc., Chem. Commu
n.,1989,1736)。しかしながら、このポリ
アニリンも、その他の汎用の有機溶媒には殆ど溶解せ
ず、適応範囲が限られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、ポリアニリン本来の特性を損なうことな
く、汎用の有機溶剤に可溶なポリアニリン誘導体を製造
する方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリアニリンの窒素原子
をカルバモイルまたはチオカルバモイル化することによ
り上記の問題点が解決できることを見出だし、本発明を
完成するに至った。
【0007】本発明は、ポリアニリン誘導体の製造方法
に関するものであって、その構成上の特徴は、ポリアニ
リンをアンモニアで処理して可溶型ポリアニリンに変換
し、次いで過剰のヒドラジンで処理して還元型ポリアニ
リンに変換し、さらにアミド系溶剤に溶解、または芳香
族系溶剤もしくはエ−テル系溶剤に分散した後、得られ
た溶液または分散液に下記一般式(I) R−NCX (I) (式中、Rは、炭素数2以上の置換または非置換アルキ
ル基、置換または非置換アルケニル基、置換または非置
換アリール基、置換または非置換ベンジル基を表わし、
Xは酸素原子または硫黄原子を表わす。)で示されるイ
ソシアナートまたはイソチオシアナート化合物を反応さ
せることにより、還元型ポリアニリンの窒素原子にカル
バモイルまたはチオカルバモイル基を導入することにあ
る。
【0008】
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明においては、過硫酸アンモニウム等を酸化剤として
用いてアニリンを低温、例えば−20〜50℃の範囲の
温度で酸化重合することによって得た数平均分子量2,
000〜500,000(GPC(N−メチル−2−ピ
ロリドン溶媒)で測定、ポリスチレン換算の数平均分子
量)のポリアニリンを使用する。まず、このポリアニリ
ンをアンモニアで処理して可溶型ポリアニリンに変換
し、この可溶型ポリアニリンを、過剰のヒドラジンで処
理して還元型のポリアニリンを製造する。なお、還元型
のポリアニリンとは、酸化重合により得られた上記ポリ
アニリンの還元体であって、ポリアニリンに含まれる窒
素原子に水素原子が結合したものを意味する。ヒドラジ
ンの処理は、可溶型のポリアニリンを水に分散し、ポリ
アニリン中の窒素原子に対して当量以上、好ましくは3
倍以上のヒドラジンを窒素雰囲気下で加え、24時間0
〜30℃で攪拌することにより行う。
【0010】得られる還元型ポリアニリンは、N−メチ
ル−2−ピロリドンあるいはN,N−ジメチルアセトア
ミドに可溶であるが、他の汎用の有機溶剤、例えば、ク
ロロホルムやテトラヒドロフランには殆ど不溶である。
【0011】次いで、この還元型ポリアニリンをアミド
系溶剤に溶解し、または芳香族系溶剤もしくはエーテル
系溶剤に分散させ、得られた溶液または分散液に、上記
一般式(I)で示されるイソシアナートまたはイソチオ
シアナート化合物を加え、窒素雰囲気下で数時間ないし
2日間加熱して反応させて、前記還元型ポリアニリンの
窒素原子をカルバモイルまたはチオカルバモイル化す
る。
【0012】その際、アミド系溶剤としては、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリ
ックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等が使用できる。芳香族系溶剤としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン
等が使用できる。また、エーテル系溶剤としては、エー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用でき
る。
【0013】本発明において、上記一般式(I)で示さ
れるイソシアナートまたはイソチオシアナート化合物に
おけるRは、炭素数2以上の置換または非置換アルキル
基、置換または非置換アルケニル基、置換または非置換
アリール基、置換または非置換ベンジル基を表わすが、
それらについて、次のものが例示される。
【0014】炭素数2以上の置換または非置換アルキル
基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシ
ル基、ドコシル等の直鎖アルキル基、イソブチル基、イ
ソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル等の分岐
鎖アルキル基、シクロヘキシル等の環状アルキル基、お
よびそれらの水素原子の1つ以上が、ハロゲン原子、シ
アノ基、ニトロ基、フェニル基又はアルコキシ基等によ
って置換されているものをあげることができる。置換ま
たは非置換アルケニル基としては、ブテニル基、ペンテ
ニル基、ヘキセニル基、およびそれらの水素原子の1つ
以上が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フェニル
基またはアルコキシ基等によって置換されているものを
あげることができる。置換または非置換アリール基とし
ては、フェニル基、1−ナフチル基、およびそれ等の水
素原子の1つ以上が、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基、フェニル基およびアルコキシ基等によ
って置換されているものをあげることができる。また置
換ベンジル基における置換基としては、ハロゲン原子、
シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基またはエステル基を
あげることができる。
【0015】これ等イソシアナートまたはイソチオシア
ナート化合物の好ましいものとして、次のものが例示で
きる。n−プロピルイソシアナート、n−ブチルイソシ
アナート、オクチルイソシアナート、ドデシルイソシア
ナート、p−クロロフェニルイソシアナート、アニシル
イソシアナート、n−プロピルイソチオシアナート、n
−ブチルイソチオシアナート、オクチルイソチオシアナ
ート、ドデシルイソチオシアナート、p−クロロフェニ
ルイソチオシアナート、アニシルイソチオシアナート等
をあげることができる。
【0016】本発明において、上記イソシアナートまた
はイソチオシアナート化合物によるカルバモイル化また
はチオカルバモイル化は、還元型ポリアニリンの窒素原
子の10%以上にカルバモイルまたはチオカルバモイル
基が導入されるように反応を行なうのが好ましい。導入
率が10%未満の場合には、有機溶剤に対する充分な溶
解度が得られない。
【0017】上記のようにカルバモイル化またはチオカ
ルバモイル化することにより得られたポリアニリン誘導
体は、後処理として、アンモニア水で脱ドープ処理する
ことが望ましい。
【0018】本発明によって製造される窒素原子にカル
バモイル基またはチオカルバモイル基が導入された上記
のポリアニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドン
およびN,N−ジメチルアセトアミドに可溶であるばか
りでなく、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメ
タン等のハロゲン化炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン
等のエーテル系溶剤に可溶であり、そして、これらの溶
剤に溶解した溶液を用い、キャスト成形によって、良好
な自立性のフィルムを得ることができる。また、形成さ
れたフィルムは、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、過塩
素酸等のプロトン酸中でドープすることにより、10-3
〜10-1S/cmの高い導電率を示すものとなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとし、−5℃に冷却する。濃塩酸21.9g、
過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶かして100m
lとし、この溶液もまた−5℃に冷却し、さきのアニリ
ン溶液にゆっくりと滴下し、−5℃で4時間攪拌を続け
た。こうして得られた数平均分子量12,000(GP
C,N−メチル−2−ピロリドン溶媒中で測定、ポリス
チレン換算の数平均分子量)のポリアニリンを水で十分
洗浄した後、さらにアンモニア水で脱ドープ処理を行な
った。こうして得られた可溶型ポリアニリンを200m
lの水に分散し、窒素雰囲気下で50mlのヒドラジン
を加え、24時間室温で攪拌を続け、濾別、乾燥して灰
白色の還元型ポリアニリンを得た。
【0020】こうして得られた還元型ポリアニリン(数
平均分子量12,000)1gをN−メチル−2−ピロ
リドン30mlに完全に溶解し、充分に窒素置換した
後、n−プロピルイソシアナート0.47g(還元型ポ
リアニリンの窒素原子に対して60mol%)を加えて
6時間攪拌を続け、反応させた。この溶液を1リットル
の水に攪拌しながら投入し、沈澱物を濾別した。乾燥し
た後、アンモニア水で脱ドープ処理して窒素原子がカル
バモイル化されたポリアニリン誘導体を1.2g得た。
カルバモイル化は、赤外吸収スペクトルの1650およ
び3400cm-1付近の吸収で確認した。反応収率から
窒素原子の置換率が42%であることが分った。
【0021】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.07S/cmであった。ま
た、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができた。
【0022】実施例2 実施例1においてn−プロピルイソシアナートの代わり
にドデシルイソシアナート1.2g(還元型ポリアニリ
ンの窒素原子に対して50mol%)を用い、同様の手
順で窒素原子をカルバモイル化したポリアニリン誘導体
を1.4g得た。カルバモイル化は、赤外吸収スペクト
ルの1650および3400cm-1付近の吸収で確認し
た。反応収率から窒素原子の置換率は33%であること
が分った。
【0023】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.02S/cmであった。ま
た、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができた。
【0024】実施例3 実施例1においてn−プロピルイソシアナートの代わり
にp−クロロフェニルイソシアナート0.84g(還元
型ポリアニリンの窒素原子に対して50mol%)を用
い、同様の手順で窒素原子をカルバモイル化したポリア
ニリン誘導体を1.2g得た。カルバモイル化は、赤外
吸収スペクトルの1650および3400cm-1付近の
吸収で確認した。反応収率から窒素原子の置換率は24
%であることが分った。
【0025】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.09S/cmであった。ま
た、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができた。
【0026】実施例4 実施例1においてn−プロピルイソシアナートの代わり
にアニシルイソシアナート0.82g(還元型ポリアニ
リンの窒素原子に対して50mol%)を用い、同様の
手順で窒素原子をカルバモイル化したポリアニリン誘導
体を1.3g得た。カルバモイル化は、赤外吸収スペク
トルの1650および3400cm-1付近の吸収で確認
した。反応収率から窒素原子の置換率は37%であるこ
とが分った。
【0027】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.01S/cmであった。ま
た、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができた。
【0028】実施例5 実施例1においてn−プロピルイソシアナートの代わり
にn−プロピルイソチオシアナート0.55g(還元型
ポリアニリンの窒素原子に対して50mol%)を用
い、同様の手順で窒素原子をチオカルバモイル化したポ
リアニリン誘導体を1.2g得た。チオカルバモイル化
は、赤外吸収スペクトルの1250cm-1付近の吸収で
確認した。反応収率から窒素原子の置換率は36%であ
ることが分った。
【0029】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.07S/cmであった。ま
た、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができた。
【0030】実施例6 実施例1においてn−プロピルイソシアナートの代わり
にドデシルイソチオシアナート1.2g(還元型ポリア
ニリンの窒素原子に対して50mol%)を用い、同様
の手順で窒素原子をチオカルバモイル化したポリアニリ
ン誘導体を1.5g得た。チオカルバモイル化は、赤外
吸収スペクトルの1250cm-1付近の吸収で確認し
た。反応収率から窒素原子の置換率は40%であること
が分った。
【0031】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.009S/cmであった。
また、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テト
ラヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができ
た。
【0032】実施例7 実施例1においてn−プロピルイソシアナートの代わり
にp−クロロフェニルイソチオシアナート0.93g
(還元型ポリアニリンの窒素原子に対して50mol
%)を用い、同様の手順で窒素原子をチオカルバモイル
化したポリアニリン誘導体を1.32g得た。チオカル
バモイル化は、赤外吸収スペクトルの1250および3
400cm-1付近の吸収で確認した。反応収率から窒素
原子の置換率は34%であることが分った。
【0033】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.01S/cmであった。ま
た、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができた。
【0034】実施例8 実施例1においてn−プロピルイソシアナートの代わり
にアニシルイソチオシアナート0.90g(還元型ポリ
アニリンの窒素原子に対して50mol%)を用い、同
様の手順で窒素原子をカルバモイル化したポリアニリン
誘導体を1.1g得た。カルバモイル化は、赤外吸収ス
ペクトルの1250cm-1付近の吸収で確認した。反応
収率から窒素原子の置換率は11%であることが分っ
た。
【0035】このポリアニリン誘導体は、N−メチル−
2−ピロリドンに可溶なだけでなく、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤に対して良好な溶解性を示した。さらにこの
ポリアニリン誘導体のクロロホルム溶液から、キャスト
成形によって自立性のフィルムを得ることができた。導
電率は、硫酸ドープ時で0.1S/cmであった。ま
た、ドーピング前のフィルムは、先に述べたN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤に溶解させることができた。
【0036】比較例 アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとし、−5℃に冷却する。濃塩酸21.9g、
過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶かして100m
lとし、この溶液もまた−5℃に冷却し、さきのアニリ
ン溶液にゆっくりと滴下し、−5℃で4時間攪拌を続け
た。こうして得られたポリアニリンを水で充分洗浄した
後、さらにアンモニア水で脱ドープ処理を行なった。こ
うして得られたポリアニリンは、N−メチル−2−ピロ
リドンに可溶で、この溶液から自立性のフィルムを得る
ことができた。しかしながら、得られたポリアニリンは
クロロホルムやテトラヒドロフランには不溶であり、ま
た、得られた自立性のフィルムは如何なる有機溶剤にも
不溶であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアニリンをアンモ
ニアで処理して可溶型ポリアニリンに変換し、次いで過
剰のヒドラジンで処理して得られた還元型ポリアニリン
の窒素原子にカルバモイルまたはチオカルバモイル基を
導入することにより、ポリアニリン本来の特性を損なう
ことなく、有機溶剤に可溶であって、かつフィルム化や
塗工等の加工性に優れたポリアニリン誘導体を製造する
ことができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアニリンをアンモニアで処理して可
    溶型ポリアニリンに変換し、次いで過剰のヒドラジンで
    処理して還元型ポリアニリンに変換し、さらにアミド系
    溶剤に溶解、または芳香族系溶剤もしくはエーテル系溶
    剤に分散した後、得られた溶液または分散液に下記一般
    式(I) R−NCX (I) (式中、Rは、炭素数2以上の置換または非置換アルキ
    ル基、置換または非置換アルケニル基、置換または非置
    換アリール基、置換または非置換ベンジル基を表わし、
    Xは酸素原子または硫黄原子を表わす。)で示されるイ
    ソシアナートまたはイソチオシアナート化合物を加えて
    反応させることにより、前記還元型ポリアニリンの窒素
    原子にカルバモイルまたはチオカルバモイル基を導入す
    ることを特徴とするポリアニリン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 還元型ポリアニリンの窒素原子の10%
    以上にカルバモイルまたはチオカルバモイル基を導入す
    ることを特徴とする請求項1記載のポリアニリン誘導体
    の製造方法。
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