JP2961631B2 - ポリアニリン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体及びその製造方法

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶又は膨
潤可能で、可撓性のある耐熱性に優れた自立性のフィル
ムを与えるポリアニリン誘導体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは新しい電子材料、
導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、電磁
波遮閉材料、光電子変換素子、光メモリー、各種センサ
ー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材料、透
明導電体、各種端末機器等の広い分野への応用が検討さ
れている。しかしながら、一般にポリアニリンは、π共
役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が剛直で分
子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強固な水素結
合が数多く存在するため、ほとんどの有機溶剤に不溶で
あり、また加熱によっても溶融しないので成形性に乏し
く、フィルム化等の加工ができないという大きな欠点を
有している。
【0003】そのために例えば、高分子材料の繊維、多
孔質体等の所望の形状の基材にモノマーを含浸させ、こ
のモノマーを適当な重合触媒との接触により、或いは、
電解酸化により重合させ導電性複合材料としたり、或い
はまた熱可塑性重合体粉末の存在下で、モノマーを重合
させて同様の複合材料を得ていた。これに対し、重合触
媒と反応温度の工夫によりN−メチル−2−ピロリドン
のみに可溶なポリアニリンが合成されている(M.Abe et
al.;J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1989,1736)。しかし、
このポリアニリンもその他の汎用有機溶剤にはほとんど
溶けず適応範囲が限られていた。
【0004】また、様々なアニリンの誘導体を利用して
有機溶剤に可溶なポリアニリン誘導体も合成されている
が、充分に可撓性を有するフィルムを与えることはでき
ていなかった。また、アルキル鎖等の置換基の導入は同
時に耐熱性の低下も招くことになった。一方、高分子化
合物がゲル化可能であれば、ゲル延伸やゲル紡糸、ゲル
成形等の技術を用いて加工が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題を解決することを目的とする
ものである。即ち、本発明の目的は、有機溶剤に可溶又
は膨潤可能で、可撓性のある耐熱性に優れた自立性のフ
ィルムやファイバーを与えるポリアニリン誘導体及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリアニリンと両末端に
カルボキシル基又はハロホルミル基を有するポリシロキ
サンとを反応させることにより、架橋構造を有する、有
機溶剤に可溶又は膨潤可能で、可撓性のある耐熱性に優
れた自立性のフィルムを与えるポリアニリン誘導体が得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明は、下記式(I)
【化6】 〔式中、m、nは0以上の整数、m/(n+m)=0〜
1、m+n=10〜5000〕で示される構造単位より
なる数平均分子量2000〜500000のポリアニリ
ンを主鎖として、下記式(II)
【化7】 〔式中、Xは下記構造式(III)で示されるポリシロキサ
ン構造であり、
【化8】 Zは炭素数3〜17のアルキレン基、R1 、R2 は同一
であっても異なってもよくアルキル基又はアリール基、
xは1〜100の整数である。〕で示される架橋構造を
有し、架橋点を形成する窒素原子の数がポリアニリンの
窒素原子の0.01〜40%であることを特徴とするポ
リアニリン誘導体である。
【0008】本発明のポリアニリン誘導体は、次のよう
にして製造される。即ち、過硫酸アンモニウム等を酸化
剤として用いて、アニリンを低温、例えば−20〜50
℃の範囲の温度で酸化重合することによって得たポリア
ニリンを、まずアンモニアで処理して、可溶型ポリアニ
リンを得る。その後、これを過剰のヒドラジンで処理し
て一般式(IV)
【化9】 〔pは10〜5000の整数〕で示される数平均分子量
2000〜500000〔GPC(N−メチル−2−ピ
ロリドン溶媒)で測定、ポリスチレン換算の数平均分子
量〕の還元型ポリアニリンを得る。ヒドラジン処理は、
可溶型ポリアニリンを水又はメタノールに分散し、ポリ
アニリン中の窒素原子に対して当量以上、好ましくは3
倍以上のヒドラジンを窒素雰囲気下で加え、24時間以
上、0〜30℃で攪拌することにより行う。得られる還
元型ポリアニリンは、N−メチル−2−ピロリドン或い
はN,N−ジメチルアセトアミドに可溶であるが、他の
汎用有機溶剤、例えば、クロロホルムやテトラヒドロフ
ランにはほとんど不溶である。
【0009】還元型ポリアニリン(IV)と一般式 HOOC−X−COOH (V) 〔式中、Xは前記の意味を有する〕で示される高分子化
合物の反応は下記の方法で行われる。両末端にカルボキ
シル基を有するポリシロキサンをピリジンに溶解し、こ
れにポリシロキサンと等モル量以上のN,N′−二置換
カルボジイミド類を−10〜10℃に冷却しながら加
え、1〜4時間その温度で攪拌を続け、次いで先の還元
型ポリアニリンのアミド系溶液を加え、ゆっくりと室温
に戻しながら更に1〜24時間攪拌を続ける。反応混合
物をアルコール中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈澱
させる。このポリマーを更にアンモニア水で処理するこ
とで、本発明のポリアニリン誘導体を製造することがで
きる。
【0010】還元型ポリアニリン(IV)と一般式 YOC−X−COY (VI) 〔式中、Xは前記の意味を有し、Yは塩素又は臭素であ
る〕で示される高分子化合物の反応は下記の方法で行わ
れる。両末端にハロホルミル基を有するポリシロキサン
をクロロホルムに溶解し、還元型ポリアニリンのアミド
系溶液にゆっくりと滴下し、室温で1〜24時間攪拌を
続ける。反応混合物をアルコール中に注ぎ込み、生成し
たポリマーを沈澱させる。このポリマーは塩酸でドープ
されているので、アンモニア水で脱ドープ処理すること
で、本発明のポリアニリン誘導体を製造することができ
る。
【0011】本発明のポリアニリン誘導体の製造中にポ
リアニリン主鎖の長さが変化することはないので、2
(m+n)の値は出発物質の還元型ポリアニリン(IV)
のpの値と同じになる。更に、m/(n+m)の値は得
られた本発明のポリアニリン誘導体を酸化或いは還元す
ることで制御できる。即ち、酸化剤、或いは電気化学的
酸化により、本発明のポリアニリン誘導体を酸化すれば
mの値が増加し、還元剤、或いは電気化学的還元によ
り、本発明のポリアニリン誘導体を還元すればmの値が
減少する。更に、m/(n+m)は13C NMRスペク
トルのキノイド構造由来のピーク(ケミカルシフト13
8ppm/TMS)とベンゼノイド由来のピーク(ケミ
カルシフト122ppm/TMS)のそれぞれの強度比
より決定できる。アミド系溶剤としては、N−メチル−
2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリック
トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等が使用できる。
【0012】本発明で用いられる両末端に反応性基を有
する高分子化合物(V)及び(VI)のXは一般式(III)
で表される。ここでZは炭素数3〜17のアルキレン基
であり例えばトリメチレン基、テトラメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、
オクタメチレン基、デカメチレン基、ヘキサデカメチレ
ン基、ヘプタデカメチレン基等が可能である。また、R
1 、R2 は同一であっても異なってもよくアルキル基又
はアリール基である。具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基及びフェニル基等のアリ
ール基が可能である。
【0013】本発明で使用される両末端にカルボキシル
基を有するポリシロキサンは、例えば以下の反応によっ
て合成が可能である。
【化10】 〔式中、Z、R1 、R2 及びxは前記の意味を有し、y
は3又は4である〕 この反応には白金ブラック(Pt/C)、塩化白金酸、
ハロゲン化銀等の貴金属系の触媒が使用可能である。本
発明で使用される両末端にカルボキシル基を有するポリ
シロキサンの市販品例としては、TSF4770(東芝
シリコーン社製、分子量≒2500、R1 =R2 =メチ
ル基、Z=トリメチレン基、x≒30)をあげることが
できる。
【0014】両末端にハロホルミル基を有する高分子化
合物(VI)は、一般式(V)のジカルボン酸、又はその
ジカルボン酸エステル(メチル、エチル等の低級アルコ
ールのエステル)、又はそのジカルボン酸塩(アルカリ
金属塩、アンモニウム塩等)から容易に誘導することが
できる。ジカルボン酸からは、該ジカルボン酸に対し、
塩化ホスホリル、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リ
ン等の無機ハロゲン化合物を当量以上加え、ベンゼン等
の不活性溶媒中で反応させて、本発明に用いる両末端に
ハロホルミル基を有する高分子化合物を得ることができ
る。この場合、塩化亜鉛、ピリジン、ヨウ素、トリエチ
ルアミン等を触媒として加えてもよい。或いは、同じく
ジカルボン酸から、該ジカルボン酸に対し、塩化ベンゾ
イル、フタル酸塩化物、シュウ酸塩化物等の酸ハロゲン
化物、α,α−ジハロゲノエーテル類、ハロゲン化アル
キルアミン類、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素、
ピロカテキルホスホ三塩化物、ジエチルハロホスホ塩化
物、トリフェニルハロホスホ臭化物等の有機リンハロゲ
ン化物等の有機ハロゲン化物をベンゼン、クロロベンゼ
ン等の不活性な溶媒中で反応させて得ることができる。
【0015】ジカルボン酸エステルからは、該ジカルボ
ン酸エステルに対し、トリフェニルハロホスホハロゲン
化物又はそのフッ化ホウ素との錯体を用いて、本発明に
用いる両末端にハロホルミル基を有する高分子化合物を
得ることができる。ジカルボン酸塩からは、該ジカルボ
ン酸塩に対し、塩化ホスホリル、五塩化リン等の無機ハ
ロゲン化合物や塩化チオニルとジメチルホルムアミドの
錯体を用いて、本発明に用いる両末端にハロホルミル基
を有する高分子化合物を得ることができる。これらの他
にも、カルボキシル基をハロホルミル基に変換すること
ができる反応であれば問題なく、本発明に用いる両末端
にハロホルミル基を有する高分子化合物を得ることがで
きる。
【0016】本発明で使用されるN,N′−二置換カル
ボジイミド類は、下記構造式(VII) R′−N=C=N−R″ (VII) で表される化合物であって、R′及びR″は同じでも異
なってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
3−ジメチルアミノプロピル基等のアルキル基、シクロ
ヘキシル基等の環状アルキル基、フェニル基、p−トリ
ル基、m−トリル基、p−N,N−ジメチルアミノフェ
ニル基、p−クロロフェニル基、p−ニトロフェニル
基、p−シアノフェニル基等のアリール基等があげられ
る。具体的には、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロ
ピルカルボジイミド、ジシクロカルボジイミド、ジフェ
ニルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミド、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド等があげられる。
【0017】式(II)の架橋点を形成する窒素原子は、
ポリアニリンの窒素原子の平均0.01〜40%の範囲
にあることが好ましい。式(II)の架橋点を形成する窒
素原子が40%より高い比率になると、溶解も膨潤もし
にくくなり、加工性に問題がある。また、0.01%よ
り小さいと溶解性はポリアニリンと大差が無いものにな
ってしまう。上記のようにして製造された本発明のポリ
アニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドン或いは
N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロ
ロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲ
ン化炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキシ
ド等の極性溶剤で溶解又は膨潤可能である。この溶液又
はゲルから、自立性のフィルムやファイバーを製造する
ことが可能である。更に、このフィルムやファイバー等
の加工物は、アクセプター性のドーパントでドープする
ことにより10-3〜10S/cmの高い導電率を示す。
【0018】ここで使用されるドーパントは、特に制限
されるものではなく、アニリン系導電性高分子のドープ
に際し、ドーパントとして使用されるものであれば、如
何なるものでも使用することができる。具体例をあげれ
ば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化ヨウ素等のハロゲン化
合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸
等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、三塩化アル
ミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモ
ン、五フッ化ヒ素等のルイス酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸等各種の化合物をあげることができる。
【0019】これらの化合物をドープさせる方法につい
ては、特に制限はなく、公知のあらゆる方法が可能であ
る。一般には、ポリアニリン誘導体、そのゲル又はその
成形加工物とドーパント化合物とを接触させればよく、
気相又は液相中で行うことができる。或いは、上記プロ
トン酸及びその塩の溶液中で電気化学的にドープする方
法を用いることもできる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとした溶液を−5℃に冷却した。濃塩酸21.
9g、過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶かし10
0mlとし、この溶液もまた−10℃に冷却し、先のア
ニリン溶液にゆっくりと滴下し、−10℃で6時間攪拌
を続けた。こうして得られた数平均分子量12000
〔GPC(N−メチル−2−ピロリドン溶媒)で測定、
ポリスチレン換算の数平均分子量〕のポリアニリンを得
た。これを水で充分に洗浄した後、更にアンモニア水で
脱ドープ処理を行った。こうして得られた可溶型ポリア
ニリンを200mlの水に分散し、窒素雰囲気下で50
mlのヒドラジンを加え、24時間室温で攪拌を続け、
濾別、乾燥して灰白色の還元型ポリアニリンを得た。こ
うして得られた還元型ポリアニリン(数平均分子量12
000、m+n≒130)1gを窒素気流下でN−メチ
ル−2−ピロリドン30mlに完全に溶解した。
【0021】一方、両末端にカルボキシル基を有するポ
リシロキサンである、TSF4770(分子量≒250
0、東芝シリコーン社製)0.14gを30mlのピリ
ジンに溶解し、0℃に冷却した。ジシクロヘキシルカル
ボジイミド(分子量=206)0.0226gを加え、
1時間0℃で攪拌を続けた。ここに、還元型ポリアニリ
ン溶液を加え、徐々に室温に戻しながら、6時間反応を
続けた。この溶液を1リットルのメタノールに攪拌しな
がら投入し、沈澱物を濾別し、更にアンモニア蒸気に曝
し水洗、乾燥して、本発明のポリアニリン誘導体を1.
11g得た。赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
記の式(II)の構造に起因する1645cm−1(C
=O伸縮)、2980cm−1(メチル基C−H伸
縮)、1260cm−1(メチル基対称変角)、102
0cm−1(Si−O伸縮)の吸収が認められた。更
に、1600、1500、1300、1170、820
cm−1ポリアニリン(I)に特有の吸収パターンがみ
られ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認され
た。
【0022】反応収率から式(II)の架橋点を形成する
窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約0.7%
であった。また、13CNMRスペクトルよりm/(n+
m)=0.49であった。得られたポリアニリン誘導体
1gをN−メチル−2−ピロリドン9gにいれ溶解し、
非常に可撓性のあるフィルム及びファイバーを作製し
た。更に、このフィルム及びファイバーを20%硫酸水
溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ導電率は
1.1S/cmであった。また、大気中で加熱したとこ
ろ350℃まで重量減少は認められなかった。また、N
−メチル−2−ピロリドンのかわりにN,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工
が可能であった。
【0023】実施例2 実施例1で、両末端にカルボキシル基を有するポリシロ
キサンであるTSF4770(分子量≒2500、東芝
シリコーン社製)1.372g、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド0.226gを用いて、以下同様の手順で本
発明のポリアニリン誘導体を2.361g得た。赤外吸
収スペクトルを測定したところ、前記の式(II)の構造
に起因する1645cm-1(C=O伸縮)、2980cm-1
(メチル基C−H伸縮)、1260cm-1(メチル基対称
変角)、1020cm-1(Si−O伸縮)の吸収が認めら
れた。更に、1600、1500、1300、117
0、820cm-1にポリアニリン(I)に特有の吸収パタ
ーンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確
認された。反応収率から式(II)の架橋点を形成する窒
素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約9.9%で
あった。
【0024】また、13CNMRスペクトルよりm/(n
+m)=0.45であった。得られたポリアニリン誘導
体1gをN−メチル−2−ピロリドン9gにいれ溶解
し、非常に可撓性のあるフィルムやファイバーを作製し
た。更に、このフィルムやファイバーを20%硫酸水溶
液に24時間つけてドープし乾燥したところ導電率は
0.1S/cmであった。また、大気中で加熱したとこ
ろ350℃まで重量減少は認められなかった。また、N
−メチル−2−ピロリドンのかわりにN,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工
が可能であった。
【0025】実施例3 実施例1で、両末端にカルボキシル基を有するポリシロ
キサンであるTSF4770(分子量≒2500、東芝
シリコーン社製)2.744g、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド0.532gを用いて、以下同様の手順で本
発明のポリアニリン誘導体を3.687g得た。赤外吸
収スペクトルを測定したところ、前記の式(II)の構造
に起因する1645cm-1(C=O伸縮)、2980cm-1
(メチル基C−H伸縮)、1260cm-1(メチル基対称
変角)、1020cm-1(Si−O伸縮)の吸収が認めら
れた。更に、1600、1500、1300、117
0、820cm-1にポリアニリン(I)に特有の吸収パタ
ーンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確
認された。反応収率から式(II)の架橋点を形成する窒
素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約19%であ
った。
【0026】また、13CNMRスペクトルよりm/(n
+m)=0.40であった。得られたポリアニリン誘導
体1gをN−メチル−2−ピロリドン9gにいれ膨潤さ
せてゲルを調製し、ゲルから非常に可撓性のあるフィル
ムやファイバーを作製した。更に、このフィルムやファ
イバーを20%硫酸水溶液に24時間つけてドープし乾
燥したところ導電率は0.01S/cmであった。ま
た、大気中で加熱したところ350℃まで重量減少は認
められなかった。また、N−メチル−2−ピロリドンの
かわりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロ
エタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機
溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0027】実施例4 両末端にカルボキシル基を有するポリシロキサンである
TSF4770(分子量≒2500、東芝シリコーン社
製)5.488gを20mlの脱水したベンゼンに溶解
し、塩化オキサリル1.11gを加えて70℃で3時間
反応させた。溶媒等を減圧除去し、粘稠な液体を得た。
末端基がクロロホルミル化されたことは、赤外吸収スペ
クトルの変化で確認した(カルボキシル基由来の174
0cm-1付近の吸収が消え、新たにクロロホルミル基由来
の1792cm-1の吸収が生じた。)これを10mlの脱
水したクロロホルムに溶解し、窒素気流下でN−メチル
−2−ピロリドン30mlに完全に溶解した還元型ポリ
アニリン1gの溶液にゆっくりと滴下し、4時間室温で
反応させた。この溶液を1リットルのメタノールに攪拌
しながら投入し、沈澱物を濾別し、更にアンモニア蒸気
に曝し水洗してハロゲン化水素を除去し、乾燥して、本
発明のポリアニリン誘導体を6.257g得た。赤外吸
収スペクトルを測定したところ、前記の式(II)の構造
に起因する1645cm-1(C=O伸縮)、2980cm-1
(メチル基C−H伸縮)、1260cm-1(メチル基対称
変角)、1020cm-1(Si−O伸縮)の吸収が認めら
れた。更に、1600、1500、1300、117
0、820cm-1にポリアニリンに特有の吸収パターンが
みられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認され
た。反応収率から式(II)の架橋点を形成する窒素原子
の数は、ポリアニリンの窒素原子の約38%であった。
【0028】また、13CNMRスペクトルよりm/(n
+m)=0.31であった。得られたポリアニリン誘導
体1gをN−メチル−2−ピロリドン9gにいれ、膨潤
させゲルを調製し、このゲルから非常に可撓性のあるフ
ィルムやファイバーを作製した。更に、このフィルムや
ファイバーを20%硫酸水溶液に24時間つけてドープ
し乾燥したところ導電率は0.0009S/cmであっ
た。また、大気中で加熱したところ350℃まで重量減
少は認められなかった。また、N−メチル−2−ピロリ
ドンのかわりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0029】実施例5 両末端にカルボキシル基を有するポリシロキサンの合
成:ビス(3−カルボキシプロピル)ジシロキサン1モ
ル、ジメチルシロキサン環状テトラマー2モルを、窒素
気流下にて混合し、80℃に加熱した後、反応触媒とし
て全量の14%に当たるトリフルオロ酢酸を徐々に滴下
し、そのまま24時間反応させた。反応終了後、蒸留水
にて過剰の酸触媒を充分に洗浄し、エーテルで抽出し
た。抽出液より、エーテルを蒸留によって除去した後、
0.5Torr、100℃で未反応の環状オリゴマーを
除去した。収率91%、プロトンNMR〔Si−C
3 :0.1ppm 48H、−CH2 −:2.1pp
m 12H、COOH:11.0ppm 2H〕にて構
造を確認した(一般式III のZ:トリメチレン、R1
2 =CH3 、x=9の化合物である)。実施例1で、
TSF4770の代わりに上記の両末端にカルボキシル
基を有するポリシロキサン(分子量≒900)0.98
9g、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.532gを
用いて、以下同様の手順で本発明のポリアニリン誘導体
を1.887g得た。
【0030】赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
述の(II)の構造に起因する1645cm-1(C=O伸
縮)、2980cm-1(メチル基C−H伸縮)、1260
cm-1(メチル基対称変角)、1020cm-1(Si−O伸
縮)の吸収が認められた。更に、1600、1500、
1300、1170、820cm-1にポリアニリン(I)
に特有の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構
造であることが確認された。反応収率から式(II)の架
橋点を形成する窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原
子の約18%であった。また、13Cスペクトルよりm/
(n+m)=0.40であった。得られたポリアニリン
誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン9gにいれ膨
潤させてゲルを調製し、ゲルから非常に可撓性のあるフ
ィルムやファイバーを作製した。更に、このフィルムや
ファイバーを20%硫酸水溶液に24時間つけてドープ
し乾燥したところ導電率は0.01S/cmであった。ま
た、大気中で加熱したところ350℃まで重量減少は認
められなかった。また、N−メチル−2−ピロリドンの
かわりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロ
エタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機
溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0031】実施例6 両末端にカルボキシル基を有するポリシロキサンの合
成:ビス(3−カルボキシプロピル)ジシロキサン1モ
ル、ジメチルシロキサン環状テトラマー20モルを、窒
素気流下にて混合し、80℃に加熱した後、反応触媒と
して全量の14%にあたるトリフルオロ酢酸を徐々に滴
下し、そのまま24時間反応させた。反応終了後、蒸留
水にて過剰の酸触媒を充分に洗浄し、エーテルで抽出し
た。抽出液より、エーテルを蒸留によって除去した後、
0.5Torr、100℃で未反応の環状オリゴマーを
除去した。収率91%、プロトンNMR〔Si−C
3 :0.1ppm 492H、−CH2 −:2.1p
pm 12H、COOH:11.0ppm 2H〕にて
構造を確認した(一般式III のZ:トリメチレン、R1
=R2 =CH3 、X=81の化合物である。)。
【0032】実施例1で、TSF4770の代わりに上
記の両末端にカルボキシル基を有するポリシロキサン
(分子量≒6200)6.857g、ジシクロヘキシル
カルボジイミド0.532gを用いて、以下同様の手順
で本発明のポリアニリン誘導体を7.045g得た。赤
外吸収スペクトルを測定したところ、前記の式(II)の
構造に起因する1645cm-1(C=O伸縮)、2980
cm-1(メチル基C−H伸縮)、1260cm-1(メチル基
対称変角)、1020cm-1(Si−O伸縮)の吸収が
認められた。更に、1600、1500、1300、1
170、820cm-1にポリアニリン(I)に特有の吸収
パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であること
が確認された。反応収率から式(II)の架橋点を形成す
る窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約17%
であった。
【0033】また、13Cスペクトルよりm/(n+m)
=0.43であった。得られたポリアニリン誘導体1g
をN−メチル−2−ピロリドン9gにいれ膨潤させてゲ
ルを調製し、ゲルから非常に可撓性のあるフィルムやフ
ァイバーを作製した。更に、このフィルムやファイバー
を20%硫酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥した
ところ導電率は0.01S/cmであった。また、大気
中で加熱したところ350℃まで重量減少は認められな
かった。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用
いても同様の加工が可能であった。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリアニリン誘導体は、種々の
有機溶剤で溶解又は膨潤可能で、耐熱性に優れた可撓性
のある自立性のフィルム及びファイバー等の加工が可能
であり、ドーピングにより、高い導電率を示し、電子材
料、導電材料として、種々の用途に非常に有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 〔式中、m、nは0以上の整数、m/(n+m)=0〜
    1、m+n=10〜5000〕で示される構造単位より
    なる数平均分子量2000〜500000のポリアニリ
    ンを主鎖として、下記式(II) 【化2】 〔式中、Xは下記構造式(III)で示されるポリシロキサ
    ン構造であり、 【化3】 Zは炭素数3〜17のアルキレン基、R1 、R2 は同一
    であっても異なってもよくアルキル基又はアリール基、
    xは1〜100の整数である。〕で示される架橋構造を
    有し、架橋点を形成する窒素原子の数がポリアニリンの
    窒素原子の0.01〜40%であることを特徴とするポ
    リアニリン誘導体。
  2. 【請求項2】 ポリアニリンをアンモニアで処理して可
    溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジンで処理
    して、得られる下記式(IV) 【化4】 〔pは10〜5000の整数〕で示される構造単位より
    なる数平均分子量2000〜500000の還元型ポリ
    アニリンを、下記一般式(V) HOOC−X−COOH (V) 〔式中、Xは前記構造式(III)で示されるポリシロ
    キサン構造である。〕で示される両末端にカルボキシル
    基を有する高分子化合物と、該高分子化合物と等モル量
    以上のN,N′−二置換カルボジイミド類の存在下で反
    応させることを特徴とする請求項1に記載のポリアニリ
    ン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリアニリンをアンモニアで処理して可
    溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジンで処理
    して、得られる下記式(IV) 【化5】 〔pは10〜5000の整数〕で示される構造単位より
    なる数平均分子量2000〜500000の還元型ポリ
    アニリンを、下記一般式(VI) YOC−X−COY (VI) 〔式中、Xは前記構造式(III)で示されるポリシロキサ
    ン構造、Yは塩素又は臭素である。〕で示される両末端
    にハロホルミル基を有する高分子化合物と反応させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリアニリン誘導体の
    製造方法。
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