JP2992148B2 - ポリアニリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体およびその製造方法

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶であ
り、可撓性のある自立性のフィルムを形成することが可
能なポリアニリン誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは新しい電子材料、
導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、電磁
波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種センサ
ー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材料、透
明導電体、各種端末機器などの広い分野への応用が検討
されている。しかしながら、一般にポリアニリンは、π
共役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が剛直で
分子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強固な水素
結合が数多く存在するため、ほとんどの有機溶剤に不溶
であり、また加熱によっても溶融しないので成形性に乏
しく、フィルム化等の加工が出来ないという大きな欠点
を有している。そのために例えば、高分子材料の繊維、
多孔質体などの所望の形状の基材にアニリンからなるモ
ノマーを含浸させ、このモノマーを適当な重合触媒と接
触させることにより、或いは、電解酸化により重合させ
て導電性複合材料としたり、或いはまた熱可塑性重合体
粉末の存在下で、該モノマーを重合させて同様の複合材
料を得ていた。
【0003】これに対し、重合触媒と反応温度の工夫に
よりN−メチル−2−ピロリドンのみに可溶なポリアニ
リンが合成されている(M. Abe et al.; J. Chem. So
c., Chem. Commun., 1989, 1736 )。しかし、このポリ
アニリンもその他の汎用有機溶剤にはほとんど溶けず適
応範囲が限られていた。また、様々なアニリンの誘導体
を利用して有機溶剤に可溶なポリアニリン誘導体も合成
されているが、充分に可撓性を有するフィルムを得るこ
とはできていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、従来の技
術における上記のような問題を解決することを目的とす
るものである。即ち、本発明の目的は、有機溶剤に可溶
であり、可撓性のある自立性のフィルムを形成すること
が可能なポリアニリン誘導体およびその製造方法を提供
するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリアニリンと片末端に
カルボキシル基又はハロホルミル基を有する1,4−ポ
リブタジエンとを反応させることにより、有機溶剤に可
溶で、可撓性のある自立性のフィルムを形成することが
可能な分岐構造を有するポリアニリン誘導体が得られる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明のポリアニリン誘導体は下記式
(I)
【化5】 (式中、mは0以上の整数、nは2以上の整数)で示さ
れる構造単位よりなる数平均分子量2,000〜50
0,000のポリアニリンを主鎖として、該主鎖に下記
式(II)
【化6】 〔式中、Xは下記構造式(III)で示される1,4−ポリ
ブタジエン構造であり、 −(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (III) 1=5〜400である。〕で示される分岐構造を有し、
m/(k+n)=0〜100,k+2m+n=10〜
5,000であって、かつ分岐構造の形成に関与する窒
素原子の数がポリアニリン中の窒素原子の0.01〜5
0%であることを特徴とする。
【0007】一方、本発明のポリアニリン誘導体の製造
方法は、アニリン酸化重合体をアンモニアで処理して可
溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジンで処理
して得られた下記式(IV)
【化7】 (pは10〜5,000の整数)で示される構造単位よ
りなる数平均分子量2,000〜500,000の還元
型ポリアニリンを、(a)下記式(V) HOOC−(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (V) (l=5〜400である)で示される片末端にカルボキ
シル基を有する1,4−ポリブタジエンと、カルボキシ
ル基に対して当量以上のN,N′−二置換カルボジイミ
ド類の存在下で反応させるか、または(b)下記式(V
I) YOC−(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (VI) (Yは塩素または臭素を表わし、l=5〜400の整数
である。)で示される片末端にハロホルミル基を有する
1,4−ポリブタジエンと反応させることを特徴とす
る。
【0008】本発明のポリアニリン誘導体の製造方法に
ついて、さらに説明すると、上記式(IV) で示される数
平均分子量2,000〜500,000の還元型ポリア
ニリンは次のようにして製造される。即ち、過硫酸アン
モニウム等を酸化剤として用いて、アニリンを低温、例
えば−20〜50℃の範囲の温度で酸化重合することに
よって得たアニリン酸化重合体を、まずアンモニアで処
理して、可溶型ポリアニリンを得る。その後、これを過
剰のヒドラジンで処理する。該ヒドラジン処理は、可溶
型のポリアニリンを水に分散し、ポリアニリン中の窒素
原子に対して当量以上、好ましくは3倍以上のヒドラジ
ンを窒素雰囲気下で加え、24時間以上、0〜30℃で
攪拌することにより行うことができる。このようにして
得られる還元型ポリアニリンは、N−メチル−2−ピロ
リドンあるいはN,N−ジメチルアセトアミドに可溶で
あるが、他の汎用有機溶剤、たとえば、クロロホルムや
テトラヒドロフランにはほとんど不溶である。
【0009】次に、上記式(V)で示される片末端にカ
ルボキシル基を有する1,4−ポリブタジエンと、カル
ボキシル基に対して当量以上のN,N′−二置換カルボ
ジイミド類とを用いて、または、上記式(VI) で示され
る片末端にハロホルミル基を有する1,4−ポリブタジ
エンを用いて上記式(IV) で示される還元型ポリアニリ
ンと反応させる。即ち上記式(V)て示される片末端に
カルボキシル基を有する1,4−ポリブタジエンをピリ
ジンに溶解し、これに末端カルボキシル基と当量以上の
N,N′−二置換カルボジイミド類を−10〜10℃に
冷却しながら加え、1〜4時間その温度で攪拌を続け、
次いで上記の還元型ポリアニリンのアミド系溶液を加
え、ゆっくりと室温に戻しながら更に1〜24時間攪拌
を続ける。反応混合物を希塩酸中に注ぎ込み、生成した
ポリマーを沈澱させる。このポリマーは塩酸でドープさ
れているので、アンモニア水で脱ドープ処理すること
で、本発明のポリアニリン誘導体を製造することができ
る。
【0010】或いは、上記式(VI) で示される片末端に
ハロホルミル基を有する1,4−ポリブタジエンをクロ
ロホルムに溶解し、還元型ポリアニリンのアミド系溶液
にゆっくりと滴下し、室温で1〜24時間攪拌を続け
る。反応混合物を希塩酸中に注ぎ込み、生成したポリマ
ーを沈澱させる。このポリマーは塩酸でドープされてい
るので、アンモニア水で脱ドープ処理することで、本発
明のポリアニリン誘導体を製造することができる。反応
終了後、生成したポリアニリン誘導体を酸化(mが増
加)或いは還元(nが増加)させることによってm/
(k+n)の値を制御できる。酸化或いは還元させる方
法は、生成したポリアニリン誘導体を酸化剤或いは還元
剤と接触させたり、電気化学的に酸化還元を行うことが
可能である。m、nの比率は13C NMRを用いて、キ
ノイド構造由来のピークとベンゼノイド由来のピークの
強度比から求めることができる。なお、前記式(I)で
示されるポリアニリンの主鎖に、式(II)て示される分
岐構造を有する本発明のポリアニリン誘導体は、櫛型高
分子構造を形成していることをも特徴とするものであ
る。上記の場合アミド系溶剤としては、N−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックト
リアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
が使用できる。
【0011】本発明で用いる片末端にカルボキシル基を
有する1,4−ポリブタジエンは、イオン重合、ラジカ
ル重合等の方法を用いて、下記式(V)で示される平均
重合度5〜400のものとして製造したものが適用でき
る。 HOOC−(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (V) (l=5〜400である)
【0012】また、下記式(VI) YOC−(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (VI) (l=5〜400、Yは塩素または臭素を表わす)で示
される片末端にハロホルミル基を有する1,4−ポリブ
タジエンは、一般式(V)のカルボン酸、または該カル
ボン酸のエステル(メチル、エチル等の低級アルコール
のエステル)、または該カルボン酸の塩(アルカリ金属
塩、アンモニウム塩等)から容易に誘導することができ
る。
【0013】すなわちカルボン酸からは次のように合成
することができる。(i)該カルボン酸に対し、塩化ホ
スホリル、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リン等の
無機ハロゲン化合物を当量以上加え、ベンゼン、クロル
ベンゼンなどの不活性溶媒中で反応させることによっ
て、本発明に用いる片末端にハロホルミル基を有する
1,4−ポリブタジエンを得ることができる。この場
合、塩化亜鉛、ピリジン、ヨウ素、トリエチルアミン等
を触媒として加えてもよい。(ii)該カルボン酸に対
し、塩化ベンゾイル、フタル酸塩化物、シュウ酸塩化物
等の酸ハロゲン化物、α,α−ジハロゲノエーテル類、
ハロゲン化アルキルアミン類、トリフェニルホスフィン
/四塩化炭素、ピロカテキルホスホ三塩化物、ジエチル
ハロホスホ塩化物、トリフェニルハロホスホ臭化物等か
らなる有機リンハロゲン化物等の有機ハロゲン化物をベ
ンゼン、クロルベンゼン等の不活性な溶媒中で反応させ
て得ることができる。
【0014】またカルボン酸エステルからは、該カルボ
ン酸エステルに対して等モル量以上のトリフェニルハロ
ホスホハロゲン化物またはそのフッ化ホウ素との錯体を
用いて、反応させることにより本発明に用いる片末端に
ハロホルミル基を有する1,4−ポリブタジエンを得る
ことができる。
【0015】さらにまたカルボン酸塩からは、該カルボ
ン酸塩に対して等モル量以上の塩化ホスホリル、五塩化
リン等の無機ハロゲン化合物や塩化チオニルとジメチル
ホルムアミドの錯体を用いて反応させ、本発明に用いる
片末端にハロホルミル基を有する1,4−ポリブタジエ
ンを得ることができる。これらの他にも、カルボキシル
基をハロホルミル基に変換することができる反応であれ
ば問題なく、本発明に用いる片末端にハロホルミル基を
有する1,4−ポリブタジエンを得ることができる。
【0016】本発明で使用されるN,N′−二置換カル
ボジイミド類は、下記式(VII) R′−N=C=N−R″ (VII) で表される。ここで、R′及びR″は同じでも異なって
もよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−ジ
メチルアミノプロピル基等のアルキル基、またはシクロ
ヘキシル基等の環状アルキル基、またはフェニル基、p
−トリル基、m−トリル基、p−N,N−ジメチルアミ
ノフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ニトロフェ
ニル基、p−シアノフェニル基等のアリール基等があげ
られる。
【0017】具体的には、ジエチルカルボジイミド、ジ
イソプロピルカルボジイミド、ジシクロカルボジイミ
ド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボ
ジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド等があげられる。
【0018】本発明のポリアニリン誘導体において、式
(II)で示される分岐構造の形成に関与する窒素原子の数
は、ポリアニリン中の窒素原子の0.01〜50%の範
囲にあることが必要である。式(II)の分岐構造の形成
に関与する窒素原子が50%より高い比率になると、導
電率の急激な低下が起こり問題が生ずる。また、0.0
1%より低くなると、充分な溶解度が得られず、可撓性
のある自立性のフィルムやファイバーに加工することが
難しくなる。
【0019】上記のようにして製造された本発明のポリ
アニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドンあるい
はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素溶剤やテトラヒドロフラン等のエーテル
系溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキ
シド等の極性溶剤に溶解可能である。このポリアニリン
誘導体溶液から、自立性のフィルムやファイバーを製造
することが可能である。さらに、このフィルムやファイ
バー等の加工物は、アクセプター性のドーパントでドー
プすることにより10-3〜10S/cmの高い導電率を
示すものとなる。
【0020】ここで使用されるドーパントは、特に制限
されるものではなく、アニリン系導電性高分子のドープ
に際し、ドーパントとして使用されるものであれば、如
何なるものでも使用することができる。具体例を挙げれ
ば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化ヨウ素等のハロゲン化
合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸
等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、三塩化アル
ミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモ
ン、五フッ化ヒ素等のルイス酸、または酢酸、トリフル
オロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸等からなる有機酸等各種の化合物をあげることができ
る。
【0021】これらの化合物をドープさせる方法につい
ては、特に制限はなく、一般に気相あるいは液相中でポ
リアニリンの誘導体のゲル、またはその成形加工物とト
ーパント化合物とを接触させて行うことができる。ある
いは、上記プロトン酸やその塩の溶液中で電気化学的に
ドープする方法を用いることもできる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとし、−5℃に冷却する。濃塩酸21.9g、
過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶かし100ml
とし、−10℃に冷却した後、上記のアニリン溶液にゆ
っくりと適下し、−10℃で6時間攪拌を続けた。こう
して得られた数平均分子量12000(GPC、N−メ
チル−2−ピロリドン溶媒中で測定、ボリスチレン換算
の数平均分子量、2m+n=130、m/n=0.5)
のアニリン酸化重合体を水で充分に洗浄し、ついでアン
モニア水で脱ドープ処理を行って可溶型ポリアニリンを
得た。得られた可溶型ポリアニリンを200mlの水に
分散し、窒素雰囲気下で50mlのヒドラジンを加え、
24時間室温で攪拌を続け、濾別、乾燥して灰白色の還
元型ポリアニリンを得た。こうして得られた還元型ポリ
アニリン(数平均分子量12000、2m+n=13
0、m/n=0)1gを窒素気流下でN−メチル−2−
ピロリドン30mlに完全に溶解させた。一方、片末端
にカルボキシル基を有する1,4−ポリブタジエン(分
子量≒3600)1.97gを30mlのピリジンに溶
解し、0℃に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド0.2266gを加え、1時間0℃で攪拌を続けた。
この反応溶液に、上記還元型ポリアニリン溶液を加え、
徐々に室温に戻しながら、6時間反応を続けた。反応終
了後該溶液を11の希塩酸に攪拌しながら投入し、生成
した沈澱物を濾別し、更にアンモニア蒸気に曝してから
水洗してハロゲン化水素を除去し、乾燥して、本発明の
ポリアニリン誘導体を2.78g得た。
【0023】得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)の構造に起
因する1645cm-1(C=O伸縮)、2850〜29
50cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。
更に、1600、1500、1300、1170、82
0cm-1に前記式(I)で示されるポリアニリンに特有
の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であ
ることが確認された。反応収率から式(II)の分岐構造
の形成に関与する窒素原子の数は、ポリアニリン中の窒
素原子の約9%であり、k+2m+n=130であっ
た。また、13C NMRスペクトルのキノイド構造由来
のピーク(ケミカルシフト138ppm/TMS)の強
度とベンゼノイド構造由来のピーク(ケミカルシフト1
22ppm/TMS)の強度の比から求めたm/(k+
n)の値は0.42であった。
【0024】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で溶解し、キャ
ストによって非常に可撓性のあるポリアニリン誘導体の
フィルムが得られた。更に、このフィルムを20%硫酸
水溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電
率は0.1S/cmであった。また、N−メチル−2−
ピロリドンのかわりにN,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフ
ラン等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であっ
た。
【0025】実施例2 実施例1で、片末端にカルボキシル基を有する1,4−
ポリブタジエン(分子量≒3600)1.97gを0.
20gに代え、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.2
266gを0.0452gに代えて用い、以下同様の手
順で本発明のポリアニリン誘導体を1.15g得た。得
られたポリアニリン誘導体の赤外線吸収スペクトルを測
定したところ、前述の式(II)の構造に起因する164
5cm-1(C=O伸縮)、2850〜2950cm
-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。更に、1
600、1500、1300、1170、820cm-1
に前記式(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パ
ターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが
確認された。反応収率から式(II)の分岐構造の形成に
関与する窒素原子の数は、ポリアニリン中の窒素原子の
約0.8%であった。k+2m+n=130であった。
また、13C NMRスペクトルのキノイド構造由来のピ
ーク(ケミカルシフト138ppm/TMS)の強度と
ベンゼノイド構造由来のピーク(ケミカルシフト122
ppm/TMS)の強度の比から求めたm/(k+n)
の値は0.49であった。
【0026】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で溶解し、キャ
ストによって非常に可撓性のあるポリアニリン誘導体の
フィルムが得られた。更に、このフィルムを20%硫酸
水溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電
率は0.1S/cmであった。また、N−メチル−2−
ピロリドンのかわりにN,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフ
ラン等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であっ
た。
【0027】実施例3 実施例1で、片末端にカルボキシル基を有する1,4−
ポリブタジエン(分子量≒3600)1.97gを5.
93gに代え、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.2
266gを0.878gに代えて用い、以下同様の手順
で本発明のポリアニリン誘導体を6.85g得た。得ら
れたポリアニリン誘導体の赤外線吸収スペクトルを測定
したところ、前述の式(II)の構造に起因する1645
cm-1(C=O伸縮)、2850〜2950cm-1(脂
肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。更に、160
0、1500、1300、1170、820cm-1に前
記式(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パター
ンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認
された。反応収率から式(II)の分岐構造の形成に関与
する窒素原子の数は、ポリアニリン中の窒素原子の約1
3%であった。k+2m+n=130であった。また、
13C NMRスペクトルのキノイド構造由来のピーク
(ケミカルシフト138ppm/TMS)の強度とベン
ゼノイド構造由来のピーク(ケミカルシフト122pp
m/TMS)の強度の比から求めたm/(k+n)の値
は0.38あった。
【0028】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で溶解し、キャ
ストによって非常に可撓性のあるポリアニリン誘導体の
フィルムが得られた。更に、このフィルムを20%硫酸
水溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電
率は0.01S/cmであった。また、N−メチル−2
−ピロリドンのかわりにN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒド
ロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であ
った。
【0029】実施例4 片末端にカルボキシル基を有する1,4−ポリブタジエ
ン(分子量≒3600)1.97gを20mlの脱水し
たベンゼンに溶解し、塩化オキサリル0.28gに加え
て70℃で3時間反応させた。溶媒等を減圧除去し、粘
稠な液体を得た。末端基がクロロホルミル化されたこと
は、赤外吸収スペクトルの変化で確認した(カルボキシ
ル基由来の1740cm-1付近の吸収が消え、新たにク
ロロホルミル基由来の1792cm-1の吸収が生じ
た)。これを10mlの脱水したクロロホルムに溶解
し、窒素気流下でN−メチル−2−ピロリドン30ml
に完全に溶解した還元型ポリアニリン1gの溶液にゆっ
くりと滴下し、4時間室温で反応させた。反応終了後該
溶液を11の希塩酸に攪拌しながら投入し、生成した沈
澱物を濾別し、更にアンモニア蒸気に曝してから水洗し
てハロゲン化水素を除去し、乾燥して、本発明のポリア
ニリン誘導体を2.78gを得た。
【0030】得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)の構造に起
因する1645cm-1(C=O伸縮)、2850〜29
50cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。
更に、1600、1500、1300、1170、82
0cm-1に前記式(I)で示されるポリアニリンに特有
の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であ
ることが確認された。反応収率から式(II)の分岐構造
の形成に関与する窒素原子の数は、ポリアニリン中の窒
素原子の約9%であった。k+2m+n=130であっ
た。また、13C NMRスペクトルのキノイド構造由来
のピーク(ケミカルシフト138ppm/TMS)の強
度とベンゼノイド構造由来のピーク(ケミカルシフト1
22ppm/TMS)の強度の比から求めたm/(k+
n)の値は0.41あった。
【0031】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で溶解し、キャ
ストによって非常に可撓性のあるポリアニリン誘導体の
フィルムが得られた。更に、このフィルムを20%硫酸
水溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電
率は0.09S/cmであった。また、N−メチル−2
−ピロリドンのかわりにN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒド
ロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であ
った。
【0032】
【発明の効果】本発明のポリアニリン誘導体は、種々の
有機溶剤に可溶であり、キャストで可撓性のある自立性
のフィルムを得ることができ、また塗工等の方法による
加工も可能である。これらフィルム等の加工物はドーピ
ングにより、高い導電率を示すので、電子材料、導電材
料として、種々の用途に非常に有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、mは0以上の整数、nは2以上の整数)で示さ
    れる構造単位よりなる数平均分子量2,000〜50
    0,000のポリアニリンを主鎖として、該主鎖に下記
    式(II) 【化2】 〔式中、Xは下記構造式(III)で示される1,4−ポリ
    ブタジエン構造であり、 −(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (III) l=5〜400である。〕で示される分岐構造を有し、
    m/(k+n)=0〜100、k+2m+n=10〜
    5,000であって、かつ分岐構造の形成に関与する窒
    素原子の数がポリアニリン中の窒素原子の0.01〜5
    0%であることを特徴とするポリアニリン誘導体。
  2. 【請求項2】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して可溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジン
    で処理して得られた下記式(IV) 【化3】 (pは10〜5,000の整数)で示される構造単位よ
    りなる数平均分子量2,000〜500,000の還元
    型ポリアニリンを、下記一般式(V) HOOC−(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (V) (l=5〜400の整数)で示される片末端にカルボキ
    シル基を有する1,4−ポリブタジエンと、カルボキシ
    ル基に対して当量以上のN,N′−二置換カルボジイミ
    ド類の存在下で反応させることを特徴とするポリアニリ
    ン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して可溶型ポリアニリンとし、ついで過剰のヒドラジン
    で処理して得られた下記式(IV) 【化4】 (pは10〜5,000の整数)で示される構造単位よ
    りなる数平均分子量2,000〜500,000の還元
    型ポリアニリンを、下記一般式(VI) YOC−(CH2 CH=CHCH2 l −CH2 CH=CHCH3 (VI) (l=5〜400の整数、Yは塩基または臭素を表わ
    す。)で示される片末端にハロホルミル基を有する1,
    4−ポリブタジエンと反応させることを特徴とするポリ
    アニリン誘導体の製造方法。
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