JPH07233244A - 水溶性自己ドープ型導電性ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

水溶性自己ドープ型導電性ポリマー及びその製造方法

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JPH07233244A
JPH07233244A JP6302724A JP30272494A JPH07233244A JP H07233244 A JPH07233244 A JP H07233244A JP 6302724 A JP6302724 A JP 6302724A JP 30272494 A JP30272494 A JP 30272494A JP H07233244 A JPH07233244 A JP H07233244A
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ヒーガー,アラン
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレンステッド酸基をポリマーの主鎖に共有
結合させた水溶性自己ドープ型導電性ポリマーを提供す
る。 【構成】 複数のモノマー単位から成り、該単位の0.
01〜100モル%は下記の構造(I)又は(II)を
有する単位で構成される水溶性自己ドープ型導電性ポリ
マー及びそれらの製造方法: 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は総括的には導電性ポリマ
ーの分野に関する。より詳細には、本発明はブレンステ
ッド酸基をポリマーの主鎖に共有結合させた水溶性自己
ドープ型( self-doped )導電性ポリマー及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来技術】電子及び他の産業において用いる導電性ポ
リマーについての要求は益々厳しくなっている。また、
電子部品の小型軽量化を可能とし及びそれ自体長期安定
性や優れた性能を有する材料の要求も増大している。
【0003】かかる要求を満足させるものとして、近年
新しい導電性高分子或はポリマー材料の開発が盛んに行
われてきており、また、かかる高分子化合物を利用する
用途についても多くの提案がなされてきている。例え
ば、ピー・ジェー・ナイグレイ(P.J.Nigrey)等はケミ
カルコミュニケーション(Chem.Comm )、1979年、
591頁以降にポリアセチレンを二次電池電極として用
いることを開示している。また、ジャーナル・オブ・エ
レクトロケミカル・ソサイァティ(J. Electrochem. So
c.)、1981年、1651頁以降、特開昭56−13
6469号、同57−121168号、同59−387
0号、同59−3872号、同59−3873号、同5
9−196566号、同59−196573号、同59
−203368号及び同59−203369号はポリア
セチレン、シツフ塩基を有するキナゾンポリマー、ポリ
アリーレンキノン類、ポリ−パラ−フェニレン、ポリ−
2,5−チエニレン等の高分子化合物が二次電池の電極
材料として使用され得ることを教示している。
【0004】また、高分子化合物のその他の用途を提案
するものとして、ポリアニリン〔ジャーナル・オブ・エ
レクトロアナリティカル・ケミストリー、第111巻、
111頁(1980年)、エー・エフ・デイアズ等又は
同第161巻、419頁(1984年)、米山等〕、ポ
リピロール〔ジャーナル・オブ・エレクトロアナリティ
カル・ケミストリー、第149巻、101頁(1983
年)、エー・エフ・ディアズ等〕、ポリチオフェン〔ジ
ャーナル・ド・フィージク、第44巻、6月号、C3−
595頁(1983年)、エム・エー・ドルィ等、又は
ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジック
ス、22巻、7号、L412頁(1983年)、金藤
ら〕のエレクトロクロミック材料への使用が挙げられ
る。
【0005】当分野において知られているこれら導電性
の高いポリマーは代表的にはアクセプター又はドナーに
よるドーピングプロセスにより導電性になる。アクセプ
タードーピングでは、アクセプタードープ型ポリマーの
主鎖を酸化し、それにより正の電荷をポリマー鎖に導入
する。同様に、ドナードーピングでは、ポリマーを還元
し、それにより負の電荷をポリマー鎖に導入する。ドー
プ型ポリマーの導電性を誘起するのは、外部よりポリマ
ー鎖に導入するこれら移動性の正或は負の電荷である。
加えて、このような「p−タイプ」(酸化)或いは「n
−タイプ」(還元)のドーピングは、ドーピングした後
に実質的に全ての電子構造の変化、例えば光学や赤外吸
収スペクトルの変化を含む変化を誘起する。
【0006】すなわち、従来のドーピング方法では、全
て、対イオンを外部のアクセプター或はドナー機能から
誘導している。中性及びイオン状態の間の電気化学的サ
イクルの間に、対イオンがポリマー本体を出たり入った
りしなければならない。外部より導入する対イオンのこ
の固体状態の拡散が循環プロセスにおいて律速段階とな
ることはしばしばである。これより、電気化学的或はエ
レクトロクロミックドーピング及び脱ドーピング操作に
おいてこの制限を解消し、それにより応答時間を短縮す
ることが望ましい。応答時間は、対イオンの移動に要す
る時間を短くできれば短縮し得ることを見出した。本発
明はこの知見に基づくものである。従来、水溶性の導電
性ポリマー或は自己ドープ型導電性ポリマーは知られて
いなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は迅速にドーピン
グ及び脱ドーピングすることができ、従来技術の導電性
ポリマーに比べて安定なドーピング状態を長期に保つこ
とができる水溶性のドープ型導電性ポリマー及びその製
造方法を提供する。本発明のポリマーの優れた性質は導
電性ポリマーを「自己ドーピング」状態で作り得る、す
なわち、導電性を付与する対イオンをポリマー自体に共
有結合させることができるという知見から生じる。よっ
て、従来技術のポリマーと対照して、対イオンを外部導
入する必要を排除し、上述した律速拡散段階をも同様に
排除する。
【0008】本発明のポリマーは少なくとも約1S/cm
程度の導電率を示すことができる。自己ドープ型ポリマ
ーは電気化学セルにおける電極として、エレクトロクロ
ミックディスプレー、電界効果トランジスター、ショッ
トキーダイオード等における導電層として、或は迅速な
ドーピングカイネティクスを示す高導電性ポリマーが望
ましい数多くの用途において使用することができる。
【0009】本発明は、最も広い態様において、複数の
モノマー単位から成り、該単位の約0.01〜100モ
ル%は少なくとも1つのブレンステッド酸基を共有結合
させて成る、主鎖に沿ってπ電子共役系を有する導電性
自己ドープ型ポリマー及びその製造方法を指向するもの
である。本発明は該ポリマーの両性イオン形をも含む。
本発明の自己ドープ型ポリマーの主鎖骨格を形成するこ
とができるポリマー鎖には、例えばポリピロール、ポリ
チオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポ
リ−p−フェニレン及びこれらのコポリマーが含まれ
る。
【0010】好ましい具体例では、上述した自己ドープ
型導電性ポリマーは下記の構造(I)或は(II)から
選ぶ繰り返し構造を有し、それらの製造方法と共に提供
する:
【化33】
【化34】 ここで、I式においてHtはヘテロ基であり、Y1 は水
素または−R1 −X−M1 であり;M1 は酸化した場合
に一価カチオンを生じる原子或は基であり;Xはブレン
ステッド酸アニオンであり;R1 は炭素数1〜10の線
状或は枝分れアルキレン、エーテル、エステル或はアミ
ド成分である。II式において、Y2 、Y3 及びY4
独立に水素及び−R2 −X−M2 から成る群より選び、
2 は存在しないかあるいは炭素数1〜10の線状又は
枝分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはアミド
成分であり、M2 は酸化した場合に一価カチオンを生じ
る原子或は基である。
【0011】発明の更に別の好ましい具体例では、下記
の(Ia)或は(IIa)に従う繰返しの両性イオン構
造を有する水溶性自己ドープ型導電性ポリマー及びそれ
らの製造方法を提供する:
【化35】
【化36】 (式中、Ht、R1 、R2 及びXは先に規定した通りで
ある)。本発明は更に、上記の自己ドープ型ポリマーを
製造するのに有用なモノマー、ポリマーの合成方法及び
ポリマーを用いた装置を指向するものである。
【0012】「導電性」なる用語はイオン化原子或は電
子を通すことによって電荷を伝達する能力を言う。「導
電性」化合物とは移動性イオン或は電子を包含する或は
加入させた化合物、並びに酸化して移動性イオン或は電
子を包含する或は加入させることができる化合物を含
む。「自己ドープ型」なる用語は、慣用のドーピング技
法によってイオンを外部導入しないで物質を導電性にさ
せ得ることを意味する。本明細書中に開示する自己ドー
プ型ポリマーでは、対イオンになり得るものをポリマー
の主鎖に共有結合させる。「ブレンステッド酸」なる用
語は、1つ又はそれ以上のプロトン源として、すなわち
プロトン−ドナーとして働くことができる化学種を言う
のに用いる。例えば、マグローヒルの化学及び技術用語
辞典(第3版、1984年)、220頁を参照のこと。
これより、ブレンステッド酸の例はカルボン酸、スルホ
ン酸、リン酸を含む。
【0013】本明細書中で用いる通りの「ブレンステッ
ド酸基」なる用語は、上に規定した通りのブレンステッ
ド酸、ブレンステッド酸アニオン(すなわち、プロトン
を取り去った場合)、ブレンステッド酸アニオンと一価
のカチオン性対イオンとを会合させたブレンステッド酸
の塩を意味する。本明細書中で用いる通りの「モノマー
単位」とはポリマーの繰り返し構造単位を言う。特定の
ポリマーの個々のモノマー単位は、ホモポリマーの場合
のように同一であっても或はコポリマーの場合のように
異なってもよい。
【0014】本発明の水溶性自己ドープ型ポリマーはコ
ポリマーであっても或はホモポリマーであってもよく、
π電子共役系を与える主鎖構造を有する。かかるポリマ
ー主鎖の例はポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソ
チアナフテン、ポリアニリン、ポリ−p−フェニレン及
びこれらのコポリマーを含み、これらに制限されない。
上述した本発明のポリマーは、1つ又はそれ以上の「−
1 −X−M1 」または「−R2 −X−M2 」置換基で
置換したモノマー単位約0.01〜約100モル%から
構成されるのがよい。高導電率を必要とする用途では、
本発明の自己ドープ型ポリマーは、該置換基を有するモ
ノマー単位が通常少なくとも約10モル%、代表的には
約50〜100モル%から構成されるのがよい。半導体
の用途では、該基を有するモノマー単位は約10モル%
より少ないのが普通であるが、約0.1〜約0.01モ
ル%程に少ないことが時にはある。
【0015】I及びIa式によって表わすポリヘテロサ
イクルモノマー単位は、−R1 −X−M1 置換基により
一置換か或は二置換のいずれかを表わしたモノマー単位
を含む。同様に、II及びIIa式で表わすポリアニリ
ンモノマー単位は、「−R2−X−M2 」置換基1、
2、3又は4個で置換したモノマー単位を含む。本発明
の自己ドープ型ポリマーは、これらの異なるタイプの置
換されたモノマー単位を含むコポリマーをも同様に意図
する。本発明の自己ドープ型ホモポリマー及びコポリマ
ーの両方において、ポリマーの約0.01〜100モル
%がプレンステッド酸基を備えるべきである。
【0016】好ましい具体例では、本発明の自己ドープ
型ポリマーには上記I或はII式で与える電気的に中性
のポリマーが含まれる。ポリマーを導電性にさせるため
に、ポリマーを酸化して少なくとも1つのM1 またはM
2 成分を除き及びIa或はIIaに従う繰り返しの両性
イオン構造を含有するポリマーを生じなければならな
い。好ましい具体例において、例えばHtはNH、S、
O、Se及びTeから成る群より選ぶのがよく;M1
それぞれ独立にNa、Li或はKにするのがよく;M2
はそれぞれ独立にH、Na、Li或はKにするのがよ
く;XはCO2 、SO3 或はHPO3 にするのがよく;
1 は直鎖のアルキレン或はエーテル基〔すなわち、−
(CH2X −或いは−(CH2y O(CH2Z
(ここで、x及び(y+2)は1〜約10である)〕で
あり、R2 が存在する場合には上記R1 と同様の二価基
である。特に好ましい具体例では、HtはNH或はSで
あり;M1 はLi或はNaであり;M2 はH、Li或は
Naであり;XはCO2 或はSO3 であり;R1 および
2 は炭素数2〜約4の線状アルキルであり;ポリマー
中の置換したモノマー単位は−R1 −X−M1 基又は−
2 −X−M2 基で一置換か或いは二置換されている。
【0017】ポリマーの両性イオン形を「脱ドーピング
する」ためには、電荷をドーピングで用いたのと反対方
向に供給すればよい(代りに、温和な還元剤を上で検討
した通りに用いてもよい)。M1 又はM2 をポリマー中
に移動させてX- アニオンを中和する。こうして、脱ド
ーピングプロセスはドーピングプロセスと同じように速
い。
【0018】スキームI及びスキームIIは上記のポリ
マー(モノ置換の具体例を示す)の酸化及び還元、すな
わち電気的に中性形と導電性の両性イオン形との間の転
移を表わす:
【化37】
【化38】 XがCO2 である場合、上記の電気化学的転移はpH1
〜6の範囲で強くpHに依存する(I式でX=CO2
びM1 =Hの場合のpKaは約5である)。他方、Xが
SO3 である場合、上記の電気化学反応は約1〜14の
ずっと広いpHの範囲にわたりpHに依存しない(II
式でX=SO3 及びM2 =Hの場合のpKaは約1であ
る)。すなわち、スルホン酸誘導体は実質的には任意の
pHにおいて荷電され、カルボン酸誘導体は低い水素イ
オン濃度においてのみ電荷される。それで、ポリマー溶
液のpHを変えることにより、カルボン酸誘導体の導電
率を調節することが対応するスルホン酸誘導体の導電率
を調節するよりも一層容易である。すなわち、特定のブ
レンステッド酸成分の選定は特定の用途による。これら
の自己ドープ型ポリマーが有する導電率は少なくとも約
1S/cm(例14参照)であり、及び代表的には鎖の長
さは約数百のモノマー単位である。代表的には鎖の長さ
はモノマー単位約100〜約500の範囲であり、高い
分子量が好ましい。
【0019】本発明の実施において、ブレンステッド酸
基をポリマー中に導入してポリマーを自己ドープ型にす
る。ブレンステッド酸基をポリマーに導入した後に重合
或は共重合させてもよい。また、I或はII式の未置換
のモノマーのポリマー或はコポリマーを作り、次いでブ
レンステッド酸基をポリマーの主鎖に導入してもよい。
【0020】ブレンステッド酸基をポリマー或はポリマ
ーに共有結合させることは当分野の技術の範囲内であ
る。例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサィアティー、70巻、1556頁(1948)参
照。例として、スキームIIIに示す通りに、N−ブロ
モスクシンイミド(NBS)を用いてモノマー或はポリ
マー主鎖上のアルキル基をハロゲン化アルキルに連結す
ることができる:
【化39】 次いで、ハロゲン化物をシアン化ナトリウム/水酸化ナ
トリウム或は亜硫酸ナトリウムで処理した後に加水分解
してそれぞれカルボン酸或はスルホン酸にする。この反
応をスキームIVに示す:
【化40】 エーテル結合基を有するブレンステッド酸基の付加を示
す別の例をスキームVに示す:
【化41】
【0021】本発明の実施において有用な種々のモノマ
ーの合成を下記の例1〜12に示す。本発明のポリマー
は、例えばエス・ホッタ等の Synth. Metals 9巻、3
81頁(1984年)に記載されている電気化学的方法
により、或はウドル( Wudl )等の J.Org.Chem. 49
巻、3382頁(1984年)、ウドル等のMol.Cryst.
Liq.Cryst. 118巻、199頁(1985年)、エム
・コバヤシ等の Synth.Metals. 9巻、77頁(198
4年)に記載されているような化学的カップリング法に
よって合成することができる。
【0022】電気化学的方法によって(すなわち、陽極
上に)合成する場合、高分子両性イオンを直接作る。化
学的カップリング法を用いれば中性ポリマーが生ずる。
好ましい合成法は電気化学的方法であり、下記に置換ポ
リヘテロサイクリック種の製造により例示する。 モノマーIII:
【化42】 (式中、Ht、Y1 、R1 、X及びM1 は上述した通り
である)を含有する溶液を、電解質、例えばテトラブチ
ルアンモニウムパークロレート或はテトラブチルアンモ
ニウムテトラフルオロボレートと共に、適当な溶媒、例
えばアセトニトリル(スルホン酸誘導体、すなわちX=
SO3 である場合に特に適している)中に与える。白
金、ニッケル、インジウムスズオキシド(ITO)を被
覆したガラス或は他の適当な材料の作用電極を準備し、
白金或はアルミニウム、好ましくは白金の対向電極(陰
極)を準備する。約0.5〜5mA/cm2 の電流を電極
にかけ、所望の重合の程度(或は基体上の高分子フィル
ムの厚さ)に応じて電解重合反応を数分〜数時間行な
う。重合反応の温度は約−30℃〜約25℃の範囲にす
ることができるが、好ましくは約5℃〜約25℃であ
る。
【0023】このようにして製造した両性イオン形ポリ
マーを中性の脱ドープ形に還元することは、電気化学的
還元により、或は任意の温和な還元剤、例えばアセトン
中のメタノール或はヨウ化ナトリウムで処理して行なう
ことができる。このプロセスは、反応の完了を確実にす
るために少なくとも数時間進行させるべきである。スル
ホン酸モノマー(X=SO3 )を炭素数1〜2のアルキ
ルエステル、例えばメチルエステルとして重合させ(例
14及び15を参照)、一方、カルボン酸誘導体(X=
CO2 )を酸の形で調製してもよい。スルホン酸誘導体
を重合させた後に、ヨウ化ナトリウム等による処理にお
いてメチル基を除去する。
【0024】II及びIIa式によって表わされるポリ
アニリンは上記の通りにして電気化学的に合成すること
ができ、或はフェニレンジアミンを適当に置換したシク
ロヘキサンジオンと反応させて作ることができる。下記
のスキームVI(化43)はこの後者の合成を例示す
る:
【化43】 (R2 及びM2 は先に規定した通りである) I或はII式で表わされる異なるタイプのモノマーの共
重合は、上述した同じ手順に従って行なうことができ
る。好ましい具体例では、大部分のモノマーを上述した
通りに少なくとも1つの−R1 −X−M1 基又は−R2
−X−M2 基で置換する。
【0025】I及びII式のポリマーの複合材料を、水
溶性ポリマー、例えばポリビニルアルコール(例17参
照)あるいは多糖と共に作ることができる。本発明の自
己ドープ型ポリマーは構造によってはかなり脆性になる
場合もあるので高分子材料を更に用いて複合材料を作る
ことにより、柔軟性が増し脆性の減少したポリマーが得
られる。1種又はそれ以上の追加の水溶性ポリマーをも
所定量含有するI或はII式によって与えるポリマーの
水溶液からフィルムをキャストすることができる。この
工程において手順上キーとなる基準は2種又はそれ以上
のポリマーを水に溶解することであるので、追加のポリ
マーについての唯一の実用的制限は、ポリマーが水溶性
であることである。
【0026】本発明の自己ドープ型ポリマーは電気化学
セルにおける電極として用いられる、外来のドーパント
を必要とする慣用の導電性ポリマーを越える特有の利点
を提供する。対イオンがポリマーに共有結合されている
ため、セル容量は電解質の濃度や溶解度によって制限さ
れない。このことは、最適化セルでは、電解質及び溶媒
の全量を相当に低減することができ、こうして得られる
セルのエネルギー密度を高めることができる。新規な自
己ドーピング機構が与えるイオン輸送の容易に得られる
カイネティクスは、迅速な充電、放電並びに一層速いエ
レクトロクロミックスイッチングに至る。本発明のポリ
マーを用いて作られる電極は、これらのポリマーから或
はこれらのポリマーを被覆した慣用の基体から作ること
ができる。慣用の基体は、例えばインジウムスズオキシ
ドを被覆したガラス、白金、ニッケル、パラジウム或は
その他任意の適当な陽極材料を含むことができる。電極
として用いる場合、ポリマーの内部自己ドーピングはス
キームIによって表わす転移を生じる。
【0027】本発明の自己ドープ型導電性ポリマーは、
また、長期の性能が、ドーパントイオンが絶えず移動性
でないことを要する種々のデバイス用途において用いる
のに、慣用の導電性ポリマーを越える特有の利点を提供
する。このような用途の例はショットキーダイオード、
電界効果型トランジスター等の加工を含む。自己ドープ
型ポリマーでは、ドーパントイオンはポリマー鎖に共有
結合されているため、イオンの拡散の問題(例えば、接
合部或はインターフェースの近辺)は解決される。更
に、本発明の導電性ポリマーは水溶性であるので、媒体
として簡便に水を用いることができ、有機溶媒を用いる
必要がなく、よって有機溶媒の使用に伴う不都合、例え
ば毒性、公害等を排除することができる。
【0028】発明を好ましい特定の実施態様に関して説
明したが、上記の説明並びに下記の例は請求の範囲に記
載する発明の範囲を例示するもので制限するつもりのも
のではない。発明の範囲内のその他の態様、利点及び変
更は発明が関係する当業者にとり明白である。
【0029】
【実施例】実施例1 2−(3−チエニル)−エチルメタンスルホネートの合
新しく蒸留した乾燥ピリジン10mlに2−(3−チエニ
ル)エタノール(アルドリッチケミカル社製)5.0g
(3.9×10-2モル)を溶解した溶液に、温度5〜1
0℃で、メタンスルホニルクロリド3.62ml(1.2
等量)をピリジン20mlに溶かした溶液を添加した。添
加は約15〜20分かけて徐々に行った。反応混合物を
室温において一晩撹拌し、次いで水とエーテルを入れた
分液漏斗に注ぎ入れて急冷した。層が分離され、水性相
をエーテルで3回抽出した。有機抽出分を合体し、10
%塩酸で1度抽出し、次いで水で抽出し、Na2 SO4
で乾燥した。溶剤を蒸発させ、5.3gの明褐色油(収
率65%)を得た。またtlc (CHCl3)は単一スポッ
トを示した。シリカゲルでクロマトグラフィー精製を行
って明黄色油を得た。
【0030】NMR(CDCl3、TMSに対するδ):
2.9s、3H;3.1t、2H;4.4t、2H;
7.0〜7.4m、3H。 IR(ニート、ν cm-1 ):3100w、2930w、
2920w、1415w、1355s、1335s、1
245w、1173s、1080w、1055w、97
0s、955s、903m、850m、825w、79
5s、775s、740w。 マススペクトル(MS)206.0。
【0031】実施例2 2−(3−チエニル)−エチルアイオダイドの合成 上記のメタンスルホネート(5.3g、2.6×10-2
モル)を、NaI 7.7g(2等量)の30mlアセト
ン溶液に加え、室温で24時間反応させた。沈澱したC
3 SO3 Naをろ別した。ろ液を水に注ぎ込み、クロ
ロホルムで抽出し、有機相をMgSO4 で乾燥した。溶
剤を蒸発したところ、明褐色油が得られ、クロマトグラ
フィー精製して5.05gの明黄色油(収率82.5
%)を得た。NMR及びIRスペクトルは次の通りであ
った。
【0032】NMR(CDCl3、TMSに対するδ):
3.2m、4H;7.0〜7.4m、3H。 IR(KBr、ν cm-1 ):3100m、2960s、
2920s、2850w、1760w、1565w、1
535w、1450m、1428s、1415s、13
90w、1328w、1305w、1255s、122
2m、1170s、1152m、1100w、1080
m、1020w、940m、900w、857s、84
0s、810w、770s、695s、633m。 MS 238。
【0033】実施例3 2−(3−チエニル)エタンスルホン酸ナトリウムの合
Na2 SO3 5.347g(4.2×10-2モル)の水
溶液10mlに、上記アイオダイド5.05g(0.5等
量)を添加し、この反応混合物を70℃に45時間加熱
した。得られた混合物を蒸発乾固させ、クロロホルムで
洗滌して未反応アイオダイド(0.45g)を除去し、
またアセトンで洗滌してヨウ化ナトリウムを除去した。
残りの固形物は所望のナトリウム塩が過剰の亜硫酸ナト
リウムで汚染された混合物であり、これをさらに精製し
ないで次工程に用いた。NMR及びIRスペクトルは次
の通りであった。
【0034】NMR(D2 O、TMSプロパンスルホネ
ートに対するδ):3.1s、4H;7.0〜7.4
m、3H; IR(KBr、νcm-1、Na2 SO3 ピークは差引):
1272m、1242s、1210s、1177s、1
120m、1056s、760m、678w。
【0035】実施例4 2−(3−チエニル)エタンスルホニルクロリドの合成 実施例3で調製した塩混合物2gの撹拌した懸濁液に、
2mlの蒸留塩化チオニルを滴下した。混合物を30分間
撹拌した。氷水で急冷して得た白色固形物をろ別し、ク
ロロホルム−ヘキサンから再結晶して800mgの白色結
晶を得た。融点は57〜58℃であった。NMR及びI
Rスペクトルは次の通りであった。
【0036】NMR(CDCl3、TMSに対するδ):
3.4m、2H;3.9m、2H;7.0〜7.4m、
3H。 IR(KBr、ν cm-1 ):3100w、2980w、
2960w、2930w、1455w、1412w、1
358s、1278w、1260w、1225w、11
65s、1075w、935w、865m、830m、
790s、770w、750m、678s、625m。 元素分析は次の通りであった。 計算値:C34.20、 H3.35、 Cl 16.8
3、 S30.43 C67 Cl O22 実測値:C34.38、 H3.32、 Cl 16.6
9、 S30.24
【0037】実施例5 2−(3−チエニル)−エタンスルホン酸メチル(別
称:チオフェン−3−(2−エタンスルホン酸メチ
ル))の合成 上記の酸クロリド(上記実施例4により製造したもの)
105mg(5×10-4モル)を1.5 ml の新しく蒸留
した(モレキュラーシーブから)メタノールに加えた撹
拌溶液に、室温で1.74 ml (2等量)のN,N−ジ
イソプロピルエチルアミンを添加した。反応混合物を1
2時間撹拌し、次いで希塩酸水溶液を収容する分液漏斗
に移し、クロロホルムで3回抽出した。有機相を合体
し、Na2SO4 で乾燥し、溶剤を留去して明褐色油を
得た。これをクロロホルムを溶離剤としてシリカゲルで
クロマトグラフィー精製した。得られた無色固形分(収
率90%)は融点27〜28.5℃を有した。IR、紫
外、NMRスペクトルは次の通りであった。
【0038】IR(ニートフィルム、νcm-1):310
0w、2960w、2930w、1450m、1415
w、1355s、1250w、1165s、985s、
840w、820w、780m、630w、615w。 UV−可視〔λ max、MeOH、nm(ε)〕:234
(6×103 )。 NMR(CDCl3、TMSに対するδ):7.42〜
7.22q、1H;7.18〜6.80m、2H;3.
85s、3H;3.6〜2.9m、4H。 元素分析は次の通りであった。 計算値: C 40.76、 H 4.89、 S 3
1.08 C71032 実測値: C 40.90、 H 4.84、 S 3
0.92
【0039】実施例6 2−カルボキシエチル−4−(3−チエニル)ブタン酸
エチルの合成 新しく蒸留したDMF60 ml に11.2g(69.9
4ミリモル)のマロン酸ジエチルを溶解した撹拌溶液
に、NaHの60%油分散液2.85g(69.94ミ
リモル)を添加した。30分間かき混ぜた後、20 ml
のDMF中に15.86g(66.61ミリモル)の2
−(3−チエニル)エチルアイオダイド(前述の方法で
製造したもの)を溶解したものを10分間かけて滴下す
ることにより添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌
し、次いで140℃に4時間加熱した。冷却した後、反
応物を氷冷希塩酸中に注入し、次いでエーテルで6回抽
出した。有機相を合体し、水洗し、Na2 SO4 で乾燥
し、蒸発を行って褐色油を得た。シリカゲル(クロロホ
ルム中ヘキサン50%)でクロマトグラフィー分離した
ところ、98%の収率で無色油を得た。元素分析の結果
は次の通りであった。また、NMR、IRスペクトルも
示す。
【0040】計算値: C 57.76、 H 6.7
1、 S 11.86 C13184 S 実測値: C 57.65、 H 6.76、 S 1
1.77。 NMR(CDCl3、TMSに対するδ):7.40〜
7.20t、1H;7.10〜6.86d、2H;4.
18q、4H;3.33t、1H;2.97〜1.97
m、4H;1.23t、6H。 IR(ニートフィルム、νcm-1):2980w、173
0s、1450w、1370w、775w。
【0041】実施例7 2−カルボキシ−4−(3−チエニル)ブタン酸の合成 1.4g(24.96ミリモル)の水酸化カリを7.0
ml の50%エタノール水溶液に溶解した溶液に、実施
例6で調整したジエステル(765 mg 、2.83ミリ
モル)を加えた。得られた反応物を室温で2時間かき混
ぜ、次いで1晩還流した。得られた混合物を氷−10%
HCl 中に注ぎ入れ、次いでエーテル抽出を3回行なっ
た。有機相を合体し、Na2 SO4 で乾燥して収率90
%で白色固形分を得た。これをクロロホルム−ヘキサン
から再結晶させ無色針状結晶を得た。次の特性を有し
た。
【0042】融点:118〜119℃。 NMR(DMSO/d6、TMSに対するδ):12.
60、2H;7.53〜6.80m、3H;3.20
t、1H;2.60t、2H;1.99q、2H。 IR(KBr、ν cm-1 ):2900w、1710s、
1410w、1260w、925w、780s。 元素分析値は次の通りであった。 計算値: C 56.45、 H 5.92、 S 1
8.83 C9104 S 実測値: C 56.39、 H 5.92、 S 1
8.67。
【0043】実施例8 4−(3−チエニル)ブチルメタンスルホネートの合成 4−(3−チエニル)ブタン酸(CA69:18565
x、72:121265k)を実施例7で調整したカル
ボン酸の標準的な熱脱カルボキシル化により製造した。
この化合物を同じく標準的な方法を用いて還元して4−
(3−チエニル)ブタノール(CA70:68035
r、72:121265k)を得た。1.05g(6.
7×10-3モル)の4−(3−チエニル)ブタノールを
25mlの新しく蒸留した乾燥ピリジンに溶解した溶液
に、25℃で0.85g(1.1等量)のメタンスルホ
ニルクロリドを添加した。この添加は数分間にわたって
徐々に行った。反応混合物を室温で6時間かき混ぜ、次
いで水−HCl 及びエーテルを収容した分液漏斗に注ぎ
入れて急冷した。有機相を分離し、水性相を一度10%
塩酸で抽出し、水で抽出し、Na2 SO4 で乾燥した。
溶媒の蒸発により、1.51gの明褐色油(収率95
%)を得た。tlc (CHCl3)は単一スポットを示し
た。分析の結果は次の通りであった。
【0044】計算値: C 46.13、 H 6.0
2、 S 27.36 C91432 実測値: C 45.92、 H 5.94、 S 2
7.15。 NMR(CDCl3、TMSに対するδ):2.0〜1.
5 brs、4H;2.67 brt、2H;2.97s、3
H;4.22t、2H;7.07〜6.80d、2H:
7.37〜7.13、1H。
【0045】実施例9 4−(3−チエニル)ブチルアイオダイドの合成 実施例8で調整した上記のメタンスルホネート(1.5
1g、6.4×10-3モル)を1.93g(2等量)の
NaIを14 ml のアセトンに溶かした溶液に加え、室
温で1晩反応させた。反応混合物を加熱して5時間還流
させた。沈殿したCH3 SO3 Naをろ別した。ろ液を
水に注入し、クロロホルムで抽出し、有機相をMgSO
4 で乾燥した。溶剤を蒸発して明褐色油を得、これをク
ロマトグラフィー精製(シリカゲル、クロロホルム中6
0%ヘキサン)し、1.34gの無色油(収率78%)
を得た。測定値は次の通りであった。
【0046】NMR(CDCl3、TMSに対するδ):
1.53〜2.20m、4H;2.64t、2H;3.
17t、2H;6.83〜7.10d、2H;7.13
〜7.37t、1H。 IR(KBr、νcm-1):2960s、2905s、2
840s、1760w、1565w、1535w、14
50s、1428s、1415s、1190s、750
s、695m、633m。 MS 266.0。 元素分析は次の通りであった。 計算値:C 36.10、H 4.17、I 47.6
8、S 12.05 C811IS 実測値:C 37.68、H 4.35、I 45.2
4、S 12.00。
【0047】実施例10 4−(3−チエニル)ブタンスルホン酸ナトリウムの合
1.271g(1×10-2モル)のNa2 SO3 の2 m
l 水溶液に、実施例9で調整した上記アイオダイド1.
34g(0.5等量)を加えた。反応混合物を加熱して
18時間還流した。得られた混合物を蒸発乾固させ、次
いでクロロホルムで洗滌して未反応アイオダイドを除去
し、アセトンで洗滌してヨウ化ナトリウムを除去した。
残りの固形分は所望のナトリウム塩が過剰の亜硫酸ナト
リウムで汚染された混合物であり、さらに精製すること
なく後続工程で用いた。測定値は次の通りであった。
【0048】NMR(D2 O、TMSプロパンスルホネ
ートに対するδ):1.53〜1.97m、4H;2.
47〜3.13m、4H;6.97〜7.20d、2
H;7.30〜7.50q、1H。 IR(KBr、νcm-1、Na2 SO3 ピーク差引):2
905w、1280m、1210s、1180s、12
42m、1210s、1180s、1130s、106
0s、970s、770s、690w、630s、60
5s。
【0049】実施例11 4−(3−チエニル)ブタンスルホニルクロライド 上記塩混合物(実施例10から)1.00gを10 ml
の新たに蒸留したDMSに懸濁した撹拌液に、1.43
gの蒸留塩化チオニルを滴下した。混合物を3時間かき
混ぜた。氷水で急冷した液をエーテルで2回抽出し、次
いでその有機相をNa2 SO4 で乾燥して淡黄色油56
6 mg を単離し、この油をクロマトグラフィー(シリカ
ゲル、及びクロロホルム使用)にかけた後にゆっくり晶
出させた(融点26〜27℃)。NMR等は次の通りで
あった。
【0050】NMR(CDCl3、TMSに対するδ):
1.45〜2.38m、4H;2.72t、2H;3.
65t、2H;6.78〜7.12d、2H;7.18
〜7.42、1H。 IR(ニートフィルム、νcm-1):3120w、292
0s、2870m、1465m、1370s、1278
w、1260w、1160s、1075w、935w、
850w、830m、776s、680m、625w、
585s、535s、510s。 元素分析は次の通りであった。 計算値:C 40.25、H 4.64、Cl 14.
85、S 26.86 C811Cl O22 実測値:C 40.23、H 4.69、Cl 14.
94、S 26.68。
【0051】実施例12 4−(3−チエニル)ブタンスルホン酸メチル(別称:
チオフェン−3−(4−ブタンスルホン酸メチル))の
合成 実施例11で調製した上記酸クロリド362 mg (1.
5×10-3モル)を6mlの新たに蒸留(モレキュラーシ
ーブによる)したメタノールに溶解した撹拌溶液に、3
92 mg (2等量)のN,N−ジイソプロピルエチルア
ミンを室温で加えた。反応混合物を2時間かき混ぜ、次
いで希HCl 水溶液を収容した分液漏斗に移し、クロロ
ホルムで3回抽出した。有機相を合体させ、Na2 SO
4 で乾燥した後に、溶剤を蒸発させて明褐色油を得た。
この油をヘキサン40%のクロロホルムを溶離剤として
用いてシリカゲルによりクロマトグラフィで精製した。
得られた無色油(収率84%)は次の性質を有した。
【0052】元素分析値: 計算値: C 46.13、 H 6.02、 S 2
7.36 C91423 実測値: C 45.97、 H 5.98、 S 2
7.28。 IR(ニートフィルム、νcm-1):3100w、297
0m、2860w、1460m、1410w、1350
s、1250w、1160s、982s、830m、8
00m、770s、710w、690w、630w、6
13w、570m。 UV−vis 〔λ max、MeOH、nm(ε)〕:220
(6.6×103 )。 NMR(CDCl3、TMSに対するδ):7.33〜
7.13(t、1H)、7.03〜6.77(d、2
H)、3.83(s、3H)、3.09(t、2H)、
2.67(t、2H)、2.2〜1.5(m、4H)。
【0053】実施例13 チオフェン−3−酢酸の重合
【化44】 エス・ホッタ等の「Synth. Metals 」(既述)に記載の
電気化学的重合法に従がい、アセトニトリルを溶剤と
し、LiCl O4 を電解質として用いて、室温において
上式IVのチオフェン−3−酢酸を重合した。青黒色フ
ィルムが生成した。これは、式Ia(Y1 =H、R1
−CH2 −、Ht=S、X=CO2 )の両性イオンポリ
マーの形成を示している。このポリマーフィルムを電気
化学的にサイクルさせたところ、青黒色から黄褐色に変
色することを観察した。これはポリマーが両性イオン形
から式Iで示される中性形へ還元したことを示す。赤外
スペクトルは提案した構造と一致した。
【0054】実施例14 ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン酸)ナト
リウム塩) チオフェン−3−(2−エタンスルホン酸メチル)(式
V)を既述の方法で製造した。
【化45】 この単量体の重合は、重合温度を−27℃に保った点を
除いて実施例13と同じ方法によった。得られたポリマ
ー(「P3−ETSメチル」、VI)をアセトン中のヨ
ウ化ナトリウムで処理してスルホン酸官能基からメチル
基を除去し、ポリマーの対応したナトリウム塩すなわち
ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン酸)ナト
リウム塩)(「P3−ETSNa」)(式VII)を充
分な収率(約98%)で得た。
【化46】
【化47】 上記のポリマーメチルエステル及びポリマーナトリウム
塩は赤外及び可視紫外線吸収スペクトル計及び元素分析
により特性を調べた(図1及び図2参照)。ナトリウム
塩は水に全ての比率で溶解することが分り、水性溶液か
らフィルム状に流延(キャスティング)成形し得ること
が分かった。
【0055】電気化学セルをガラス中に構成し、電気化
学ドーピング及び電荷蓄積を現場(In Situ )光電気化
学スペクトル計により立証した。セルはITO被覆ガラ
ス(アノードとして役立つ)上に上記ポリマーのフィル
ムを形成したもの、白金対電極(カソード)、銀/塩化
銀基準電極、及びテトラブチルアンモニウムパークロレ
ート電解質より構成された。図5は、順次に高電開路電
圧に荷電したセルについてとったP3−ETSNaの一
連の可視近赤外スペクトルを示している。π−π* 遷移
が消尽し、それに伴って振動子強度の2つの特性近赤外
バンドへの移行するという点で、得られた結果は導電性
ポリマーに典型的なものである。図5の結果は可逆電荷
蓄積及びエレクトロクロミズムの両方を立証している。
【0056】電気伝導度は、全接点を予め付着したガラ
ス基体上に、水から重合体フィルムをキャストしたもの
を用いた、標準の4プローブ技術により測定した。臭素
蒸気に露出すると、P3−ETSNaの電気伝導度は約
1S/cmに上昇した。
【0057】実施例15 ポリ(チオフェン−3−(4−ブタンスルホン酸)ナト
リウム塩) チオフェン−3−(4−ブタンスルホン酸メチル)(式
VIII)を既述の方法で製造した。
【化48】 重合は実施例13、14に記載したと同一の条件及び方
法で行った。得られたポリマー(「P3−BTSメチ
ル」、式IX)をアセトン中ヨウ化ナトリウムで処理し
たところ、充分な収率でポリ(チオフエン−3−(4−
ブタンスルホン酸)ナトリウム塩)(「P3−BTSN
a」、式X)が得られた。
【化49】
【化50】 重合メチルエステル(式IX)及び対応するナトリウム
塩(式X)は分光測定(IR、UV可視)及び元素分析
により特性を調べた。ナトリウム塩は水に全ての割合で
溶解し、水溶液からのキャスティングによるフィルム形
成を可能にするものであった。
【0058】電気化学セルを実施例14に従って構成し
て、現場(In Situ )光電気化学分光測定を経て電気化
学的ドーピング及び電荷蓄積を立証した。図6〜7はP
3−BTSNa及びP3−BTSメチルの順次に増大す
る開路電圧まで荷電したセルについてとった一連の可視
近赤外スペクトルを示す。実施例14と同様に、π−π
* 遷移が消尽し、それに伴って振動子強度が2つの特性
赤外バンドにシフトする点で、導電性ポリマーに典型的
なものであることが分った。実施例14と同様に、図6
〜7の結果は、可逆的電荷蓄積及びエレクトロクロミズ
ムの両方を立証する。
【0059】実施例16 ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン酸))の
製造と分析 既述の方法によりチオフェン−3−(2−エタンスルホ
ン酸)のナトリウム塩重合体(式I)(Ht=S、Y1
=H、R1 =−CH2 CH2 −、X=SO3 、M1 =N
a)を製造し、水に溶解し、酸性形の陽イオン交換樹脂
のイオン交換クロマトグラフ分離にかけ、ポリ(チオフ
ェン−3−(2−エタンスルホン酸))の水溶液を調製
した。暗赤褐色流出物の原子吸光分析により、水素がナ
トリウムで完全に置換されていることが分った。図8は
ポリマーフィルムに対して行ったサイクリックボルタン
メトリーの結果を示す(「P3−ETSH」/ITOガ
ラス作用電極、白金対電極、アセトニトリル中銀/塩化
銀基準電極、フッ化ホウ酸−トリフルオル酢酸電解
質)。同図は、P3−ETSHが、強酸性媒体中で銀/
塩化銀に対し+0.1Vと+1.2Vの間でサイクルし
たとき、電気化学的に強じんな重合体であることを示し
ている。図には間隔が密接した2本の酸化波が示されて
おり、第1のものはオレンジ色から緑色への変化に対応
している。重合体はサイクルでき、100mV/秒にお
いて安定性が認め得る程に変動しないで対応した色変化
が観測された。
【0060】電気化学セルをガラス中に構成し、現場
(In Situ )光電気化学分光測定により、電気化学的ド
ーピング及び電荷蓄積を立証した。セルはITOガラス
(アノード)上のポリマーフィルム、白金対電極(カソ
ード)、アセトニトリル中銀/塩化銀基準電極、フッ化
ホウ酸−トリフルオル酢酸電解質より成るものであっ
た。図9は順次高い開路電圧に荷電したセルについて測
定したP3−ETSHの可視近赤外スペクトルを示す。
この場合、ポリマーは強酸性電解液中で自然にドープす
ることが観測された。図9の結果は、可逆的な電荷蓄積
及びエレクトロクロミズムの両方を立証する。短時間に
自己ドーピングレベルを制御することは、平衡回路電圧
よりも低い電圧を印加することにより達成された。
【0061】実施例17 重合体複合体の調整 ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン酸))
(式I)(Ht=S、Y1 =H、R1 =−CH2 CH2
−、X=SO3 、M1 =H、「P3−ETSH」)を実
施例16により製造し、これを次のように複合体の製造
に用いた。上記化合物をポリビニルアルコール水溶液と
混合し、中性ポリマーをキャストしてフィルムとした。
自立性の濃いオレンジ色のフィルム(青黒色両性イオン
性ポリマーとは違って電荷的に中性)はすぐれた機械特
性(柔軟で、平滑で、可撓性)を有し、補償により化学
ドーピング及び脱ドーピングすることができた。この導
電性ポリマー複合体の製造方法は、P3−ETSHまた
はP3−BTSHに関連して任意の水溶性ポリマーの使
用に広く応用しうる。
【0062】実施例18 2,5−ジエトキシカルボニル−1,4−シクロヘキサ
ンジオン及びp−フェニレンジアミンのポリマーの製造 新しく蒸留したブタノール380 ml 中に8.51g
(33.21ミリモル)の2,5−ジエトキシカルボニ
ル−1,4−シクロヘキサンジオンを懸濁させ、これに
ブタノール20 ml に3.59gのp−フェニレンジア
ミンを溶解したものを添加し、次いで40 ml の氷酢酸
を加えた。得られた混合物を加熱して36時間還流さ
せ、次いで12時間酸素に露出して還流させ、熱ろ過
し、固形分をエーテルで洗滌し、ソックスレー抽出器中
で次の溶剤により抽出した。クロロホルム(6日間)、
クロルベンゼン(5日間)、及びエーテル(4日間)。
この処理により、黒ずんだ固形分8.42gが得られ
た。元素分析及びIRは次の通りであった。
【0063】計算値: C 65.84、 H 6.1
4、 N 8.53 C131824 実測値: C 65.55、 H 6.21、 N
8.71。 IR(KBr、νcm-1):3350w、3240w、2
980m、2900w、1650s、1600s、15
10s、1440m、1400w、1220s、109
0w、1065s、820w、770m、600w、4
95w。
【0064】実施例19 ポリアニリンジカルボン酸 上記ポリマー(ジエステル体)をDMF中に懸濁し、水
酸化ナトリウム50%(重量)水溶液で処理した。反応
混合物を厳密な無酸素条件下で100℃に48時間加熱
した。混合物を冷却し、それを氷/HCl 混合物中に投
入し、ろ過した。この生成物の赤外吸収(IR)スペク
トルは次の固有吸収ピークを示した。3100〜290
0 br 、1600s、1500s、1210s。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン
酸メチル))の赤外スペクトルである。
【図2】ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン
酸)ナトリウム塩)の赤外スペクトルである。
【図3】ポリ(チオフェン−3−(4−ブタンスルホン
酸メチル))の赤外スペクトルである。
【図4】ポリ(チオフェン−3−(4−ブタンスルホン
酸)ナトリウム塩)の赤外スペクトルである。
【図5】ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン
酸)ナトリウム塩)の一連の可視近赤外スペクトルを示
す。
【図6】ポリ(チオフェン−3−(4−ブタンスルホン
酸)ナトリウム塩)の一連の可視近赤外スペクトルを示
す。
【図7】ポリ(チオフェン−3−(4−ブタンスルホン
酸メチル))の一連の可視近赤外スペクトルを示す。
【図8】ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン
酸))のフィルムで行なったサイクリックボルタンメト
リーの結果を示す。
【図9】ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン
酸))の一連の可視近赤外スペクトルを示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は迅速にドーピン
グ及び脱ドーピングすることができ、従来技術の導電性
ポリマーに比べて安定なドーピング状態を長期に保つこ
とができる水溶性の自己ドープ型導電性ポリマー及びそ
の製造方法を提供する。本発明のポリマーの優れた性質
は導電性ポリマーを「自己ドーピング」状態で作り得
る、すなわち、導電性を付与する対イオンをポリマー自
体に共有結合させることができるという知見から生じ
る。よって、従来技術のポリマーと対照して、対イオン
を外部導入する必要を排除し、上述した律速拡散段階を
も同様に排除する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 I及びIa式によって表わすポリヘテロ
サイクルモノマー 単位は、−R−X−M置換基に
より一置換か或は二置換のいずれかを表わしたモノマー
単位を含む。同様に、II及びIIa式で表わすポリア
ニリンモノマー単位は、「−R−X−M」置換基
1、2、3又は4個で置換したモノマー単位を含む。本
発明の自己ドープ型ポリマーは、これらの異なるタイプ
の置換されたモノマー単位を含むコポリマーをも同様に
意図する。本発明の自己ドープ型ホモポリマー及びコポ
リマーの両方において、ポリマーの約0.01〜100
モル%がレンステッド酸基を備えるべきである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】 I及びII式のポリマーの複合材料を、
水溶性ポリマー、例えばポリビニルアルコール(例17
参照)あるいは多糖と共に作ることができる。本発明の
自己ドープ型ポリマーは構造によってはかなり脆性にな
る場合もあるので高分子材料を更に用いて複合材料を作
ることにより、柔軟性が増し脆性の減少したポリマーが
得られる。1種又はそれ以上の追加の水溶性ポリマーを
も所定量含有するI或はII式によって与えるポリマー
の水溶液からフィルムをキャストすることができる。こ
の工程において手順上キーとなる基準はこれら2種又は
それ以上のポリマーを水に溶解することであるので、追
加のポリマーについての唯一の実用的制限は、ポリマー
が水溶性であることである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】実施例17 重合体複合体の調製 ポリ(チオフェン−3−(2−エタンスルホン酸))
(式I)(Ht=S、Y=H、R=−CHCH
−、X=SO、M=H、「P3−ETSH」)を実
施例16により製造し、これを次のように複合体の製造
に用いた。上記化合物をポリビニルアルコール水溶液と
混合し、中性ポリマーをキャストし、乾燥してフィルム
とした。自立性の濃いオレンジ色のフィルム(青黒色両
性イオン性ポリマーとは違って電荷的に中性)はすぐれ
た機械特性(柔軟で、平滑で、可撓性)を有し、補償に
より化学ドーピング及び脱ドーピングすることができ
た。この導電性ポリマー複合体の製造方法は、P3−E
TSHまたはP3−BTSHに関連して任意の水溶性ポ
リマーの使用に広く応用しうる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のモノマー単位から成り、該単位の
    0.01〜100モル%は下記の構造(I)又は(I
    I)を有する単位で構成される水溶性自己ドープ型導電
    性ポリマー: 【化1】 【化2】 (構造(I)式において、HtはNH、S、O、Se及
    びTeから成る群より選ばれ、Y1 は水素または−R1
    −X−M1 であり、R1 は炭素数1〜10の線状又は枝
    分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはアミド成
    分であり、Xは 【化3】 又は 【化4】 であり、M1 はLi、Na及びKからなる群より選ばれ
    る)(構造(II)式において、Y2 、Y3 及びY4
    独立に水素及び−R2 −X−M2 から成る群より選ば
    れ、R2 は存在しないかあるいは炭素数1〜10の線状
    又は枝分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはア
    ミド成分であり、Xは 【化5】 又は 【化6】 であり、M2 はH、Li、Na及びKからなる群より選
    ばれる)。
  2. 【請求項2】 モノマー単位の0.01〜100モル%
    が下記の構造(I)である請求項1記載の水溶性自己ド
    ープ型導電性ポリマー: 【化7】 (構造(I)式において、HtはNH、S、O、Se及
    びTeから成る群より選ばれ、Y1 は水素または−R1
    −X−M1 であり、R1 は炭素数1〜10の線状又は枝
    分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはアミド成
    分であり、Xは 【化8】 又は 【化9】 であり、M1 はLi、Na及びKからなる群より選ばれ
    る)。
  3. 【請求項3】 モノマー単位の0.01〜100モル%
    が下記の構造(II)である請求項1記載の水溶性自己
    ドープ型導電性ポリマー: 【化10】 (構造(II)式において、Y2 、Y3 及びY4 は独立
    に水素及び−R2 −X−M2 から成る群より選ばれ、R
    2 は存在しないかあるいは炭素数1〜10の線状又は枝
    分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはアミド成
    分であり、Xは 【化11】 又は 【化12】 であり、M2 はH、Li、Na及びKからなる群より選
    ばれる)。
  4. 【請求項4】 複数のモノマー単位から成り、該単位の
    0.01〜100モル%は下記の構造(Ib)又は(I
    Ib)の両性イオン形構造単位で構成される水溶性自己
    ドープ型導電性ポリマー: 【化13】 【化14】 (構造(Ib)式において、HtはNH、S、O、Se
    及びTeから成る群より選ばれ、Y1 は水素または−R
    1 −X−M1 であり、R1 は炭素数1〜10の線状又は
    枝分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはアミド
    成分であり、Xは 【化15】 又は 【化16】 であり、M1 はLi、Na及びKからなる群より選ばれ
    る)(構造(IIb)式において、Y2 、Y3 及びY4
    は独立に水素及び−R2 −X−M2 から成る群より選ば
    れ、R2 は存在しないかあるいは炭素数1〜10の線状
    又は枝分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはア
    ミド成分であり、Xは 【化17】 又は 【化18】 であり、M2 はH、Li、Na及びKからなる群より選
    ばれる)。
  5. 【請求項5】 下記の構造(I)又は(II): 【化19】 【化20】 (構造(I)式において、HtはNH、S、O、Se及
    びTeから成る群より選ばれ、Y1 は水素または−R1
    −X−M1 であり、R1 は炭素数1〜10の線状又は枝
    分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはアミド成
    分であり、Xは 【化21】 又は 【化22】 であり、M1 はLi、Na及びKからなる群より選ばれ
    る)(構造(II)式において、Y2 、Y3 及びY4
    独立に水素及び−R2 −X−M2 から成る群より選ば
    れ、R2 は存在しないかあるいは炭素数1〜10の線状
    又は枝分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはア
    ミド成分であり、Xは 【化23】 又は 【化24】 であり、M2 はH、Li、Na及びKからなる群より選
    ばれる)を有する水溶性自己ドープ型導電性ポリマーを
    製造するに際し、下記の構造(III)又は(IV): 【化25】 【化26】 (構造(III)式において、Ht、R1 及びXは上記
    構造(I)式において定義した通りであり、Y1 は水素
    または−R1 −X−M3 であり、M3 はM1 あるいは炭
    素数1〜2のアルキル基である);(構造(IV)式に
    おいて、R2 及びXは上記構造(III)式において定
    義した通りであり、Y2 、Y3 及びY4 は独立に水素及
    び−R2 −X−M3 から成る群より選ばれ、M3 はM2
    あるいは炭素数1〜2のアルキル基である)を有するモ
    ノマーを含む電解溶液を準備し;該電解溶液中に作用電
    極及び対向電極を浸漬し;該作用電極及び該対向電極に
    電圧をかけ、それにより該作用電極における該モノマー
    の重合を行ない;M3 が炭素数1〜2のアルキル基であ
    る場合、M3 をM1 或はM2 に置換して構造(I)又は
    (II)を有する導電性ポリマーを得る工程を含む構造
    (I)又は(II)を有する水溶性自己ドープ型導電性
    ポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記構造(III)を有するモノマーを
    2−(3−チエニル)エタンスルホン酸メチル及び4−
    (3−チエニル)ブタンスルホン酸メチルから成る群よ
    り選ぶ請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 ポリアニリンジエステルを準備し、該ジ
    エステルを加水分解して対応するジカルボン酸に転化す
    る工程を含む自己ドープ型ポリアニリンの製造方法。
  8. 【請求項8】 下記の構造(I)又は(II): 【化27】 【化28】 (構造(I)式において、HtはNH、S、O、Se及
    びTeから成る群より選ばれ、Y1 は水素または−R1
    −X−M1 であり、R1 は炭素数1〜10の線状又は枝
    分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはアミド成
    分であり、Xは 【化29】 又は 【化30】 であり、M1 はLi、Na及びKからなる群より選ばれ
    る)(構造(II)式において、Y2 、Y3 及びY4
    独立に水素及び−R2 −X−M2 から成る群より選ば
    れ、R2 は存在しないかあるいは炭素数1〜10の線状
    又は枝分れアルキレン、エーテル、エステルあるいはア
    ミド成分であり、Xは 【化31】 又は 【化32】 であり、M2 はH、Li、Na及びKからなる群より選
    ばれる)を有するポリマーを化学的または電気化学的に
    酸化する工程を含む請求項4記載の導電性ポリマーの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜3におけるM1 またはM
    2 がアルカリ金属であるポリマーからイオン交換法また
    は酸添加により脱アルカリ金属処理を行うことによるM
    1 またはM2 がHである構造(I)又は構造(II)を
    有する単位で構成される導電性ポリマーの製造方法。
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