JPH05262993A - 高分子導電体とその製造方法 - Google Patents
高分子導電体とその製造方法Info
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- JPH05262993A JPH05262993A JP4063880A JP6388092A JPH05262993A JP H05262993 A JPH05262993 A JP H05262993A JP 4063880 A JP4063880 A JP 4063880A JP 6388092 A JP6388092 A JP 6388092A JP H05262993 A JPH05262993 A JP H05262993A
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- oligomer
- compound
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- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 主鎖型および側鎖型の双方の長所を兼ね備え
た高分子導電体化合物の製造方法。 【構成】 ビニル複素5員環オリゴマーをラジカル重合
または電解重合により重合して、ポリエチレン主鎖の各
エチレン鎖に複素5員環オリゴマーが側鎖として結合し
た、下記構造の高分子化合物をドーピングしてなる高分
子導電体。 【化6】 【効果】 電気伝導度が高く、標準酸化還元電位がドー
ピング率によって変化しない、加工が容易な柔軟フィル
ム状の高分子導電体を得ることができる。
た高分子導電体化合物の製造方法。 【構成】 ビニル複素5員環オリゴマーをラジカル重合
または電解重合により重合して、ポリエチレン主鎖の各
エチレン鎖に複素5員環オリゴマーが側鎖として結合し
た、下記構造の高分子化合物をドーピングしてなる高分
子導電体。 【化6】 【効果】 電気伝導度が高く、標準酸化還元電位がドー
ピング率によって変化しない、加工が容易な柔軟フィル
ム状の高分子導電体を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規構造の高分子導電
体とその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、ポリマー主鎖の反復単位に全π共役系オリゴマーが
側鎖として結合した構造を持つ、従来にない有利な特性
を示す、ドーピングされた高分子導電体とその製造方法
に関する。本発明の高分子導電体は、二次電池用正極材
料、エレクトロクロミック表示素子、分子素子、太陽電
池、ガスセンサー等の電子デバイス材料、さらには静電
防止材等の機能材料として幅広く利用できる。
体とその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、ポリマー主鎖の反復単位に全π共役系オリゴマーが
側鎖として結合した構造を持つ、従来にない有利な特性
を示す、ドーピングされた高分子導電体とその製造方法
に関する。本発明の高分子導電体は、二次電池用正極材
料、エレクトロクロミック表示素子、分子素子、太陽電
池、ガスセンサー等の電子デバイス材料、さらには静電
防止材等の機能材料として幅広く利用できる。
【0002】
【従来の技術】高分子導電体は、一般に分子全体にπ共
役系が分布した高分子化合物にドーパントを含有させた
ものであり、多くは芳香族化合物自体または芳香族化合
物を含む構成単位が反復した構造を持つ化合物から構成
される。このような芳香族系の従来の高分子導電体は、
その化学的構造から、次の2種に大別される: 1) 主鎖型:全π共役系芳香族化合物が主鎖に存在する
高分子化合物。例えば、ポリ(p−フェニレン)(式I)、
ポリピロール(式II) 、ポリチオフェン (式III)、さら
にいわゆるラダーポリマー (式IV) がこのタイプに属す
る。 2) 側鎖型:全π共役系芳香族化合物の単分子が側鎖に
存在する高分子化合物。例えばポリビニルカルバゾール
(式V) がこのタイプに属する。
役系が分布した高分子化合物にドーパントを含有させた
ものであり、多くは芳香族化合物自体または芳香族化合
物を含む構成単位が反復した構造を持つ化合物から構成
される。このような芳香族系の従来の高分子導電体は、
その化学的構造から、次の2種に大別される: 1) 主鎖型:全π共役系芳香族化合物が主鎖に存在する
高分子化合物。例えば、ポリ(p−フェニレン)(式I)、
ポリピロール(式II) 、ポリチオフェン (式III)、さら
にいわゆるラダーポリマー (式IV) がこのタイプに属す
る。 2) 側鎖型:全π共役系芳香族化合物の単分子が側鎖に
存在する高分子化合物。例えばポリビニルカルバゾール
(式V) がこのタイプに属する。
【0003】
【化2】
【0004】これら2種類の高分子導電体は、それぞれ
次のような特徴を有する:主鎖型は、分子全体がπ共役
系からなり、電気伝導度が高い。反面、中性状態および
ドーピング状態のいずれの状態においても不溶不融であ
るので、加工が困難である。また一般に、標準酸化還元
電位がドーピング率に依存し、その達成ドーピング率が
低いため、二次電池正極材料に使用した場合にエネルギ
ー密度が小さくなるという欠点がある。
次のような特徴を有する:主鎖型は、分子全体がπ共役
系からなり、電気伝導度が高い。反面、中性状態および
ドーピング状態のいずれの状態においても不溶不融であ
るので、加工が困難である。また一般に、標準酸化還元
電位がドーピング率に依存し、その達成ドーピング率が
低いため、二次電池正極材料に使用した場合にエネルギ
ー密度が小さくなるという欠点がある。
【0005】側鎖型は、特に主鎖が非π共役系 (例、上
記式Vのようにポリメチレン主鎖)である場合、単独の
芳香族化合物からなるπ共役系が各側鎖で孤立するた
め、電気伝導度が比較的低い。しかし、中性状態で種々
の溶媒に可溶であるので、製品高分子の成形性・加工性
に優れ、化学的にも安定である。一般に、標準酸化還元
電位はドーピング率に依存しない。
記式Vのようにポリメチレン主鎖)である場合、単独の
芳香族化合物からなるπ共役系が各側鎖で孤立するた
め、電気伝導度が比較的低い。しかし、中性状態で種々
の溶媒に可溶であるので、製品高分子の成形性・加工性
に優れ、化学的にも安定である。一般に、標準酸化還元
電位はドーピング率に依存しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
り公知の主鎖型高分子導電体および側鎖型高分子導電体
はそれぞれの固有の長所と短所がある。本発明は、この
ような従来の2種類の高分子導電体の双方の長所を併せ
持つ新規な種類の高分子導電体とその製造方法を提供す
ることを目的とする。
り公知の主鎖型高分子導電体および側鎖型高分子導電体
はそれぞれの固有の長所と短所がある。本発明は、この
ような従来の2種類の高分子導電体の双方の長所を併せ
持つ新規な種類の高分子導電体とその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明により、少なくと
も1個の芳香環を含む共役系単位をオリゴマー反復単位
とする全π共役系オリゴマー基からなる多数の側鎖が、
非共役型の線状脂肪族主鎖から分岐している構造を持つ
クシ型構造の高分子化合物にドーパントを含有させてな
る、ドーピングされた高分子導電体が提供される。この
高分子導電体は、フィルム状、繊維状、または型成形体
の形態をとりうる。
も1個の芳香環を含む共役系単位をオリゴマー反復単位
とする全π共役系オリゴマー基からなる多数の側鎖が、
非共役型の線状脂肪族主鎖から分岐している構造を持つ
クシ型構造の高分子化合物にドーパントを含有させてな
る、ドーピングされた高分子導電体が提供される。この
高分子導電体は、フィルム状、繊維状、または型成形体
の形態をとりうる。
【0008】本発明の高分子導電体は、少なくとも1個
の芳香環を含む共役系単位をオリゴマー反復単位とする
全π共役系オリゴマーの一方の末端に重合性不飽和基を
含有する基が結合した化合物を重合させ、重合時および
/または重合後にドーパントを添加することにより製造
することができる。ドーピングは、例えば、重合を電解
重合により行う場合には、電解質のアニオン(例、過塩
素酸イオン)がドーパントとして重合物中に添加され、
重合と同時にドーピングが行われる。
の芳香環を含む共役系単位をオリゴマー反復単位とする
全π共役系オリゴマーの一方の末端に重合性不飽和基を
含有する基が結合した化合物を重合させ、重合時および
/または重合後にドーパントを添加することにより製造
することができる。ドーピングは、例えば、重合を電解
重合により行う場合には、電解質のアニオン(例、過塩
素酸イオン)がドーパントとして重合物中に添加され、
重合と同時にドーピングが行われる。
【0009】
【作用】本発明の高分子導電体を構成する導電性高分子
化合物は、一般に下記構造を有する。
化合物は、一般に下記構造を有する。
【0010】
【化3】
【0011】式中、Aは、置換基を有していてもよい低
級アルキレン基を意味し、この低級アルキレン基鎖に
は、O、Sなどのヘテロ原子および/または非共役型の
二重結合が介在していてよく、Bは、少なくとも1個の
芳香環 (炭素環または複素環) を含む共役系単位を意味
し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、
または置換基を有していてもよい低級アルキル基もしく
はアルコキシ基であり、mは通常3以上、nは通常10以
上の整数である。
級アルキレン基を意味し、この低級アルキレン基鎖に
は、O、Sなどのヘテロ原子および/または非共役型の
二重結合が介在していてよく、Bは、少なくとも1個の
芳香環 (炭素環または複素環) を含む共役系単位を意味
し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、
または置換基を有していてもよい低級アルキル基もしく
はアルコキシ基であり、mは通常3以上、nは通常10以
上の整数である。
【0012】上記一般式において、Bがオリゴマー反復
単位であり、─ (B)m−Rが全π共役系オリゴマー型側
鎖基であり、−A−の反復が主鎖を構成する。主鎖は、
Aが例えば、エチレン、トリメチレン、プロピレン、プ
ロペニレンからなる非共役型の主鎖である。また、Aの
全てが上記の全πオリゴマー型側鎖基を有している必要
はなく、主鎖を構成する反復単位の一部はこのようなオ
リゴマー型側鎖基を有していない非分岐型のものであっ
てもよい。
単位であり、─ (B)m−Rが全π共役系オリゴマー型側
鎖基であり、−A−の反復が主鎖を構成する。主鎖は、
Aが例えば、エチレン、トリメチレン、プロピレン、プ
ロペニレンからなる非共役型の主鎖である。また、Aの
全てが上記の全πオリゴマー型側鎖基を有している必要
はなく、主鎖を構成する反復単位の一部はこのようなオ
リゴマー型側鎖基を有していない非分岐型のものであっ
てもよい。
【0013】本発明の高分子導電体を構成する高分子化
合物は、代表的には、次に例示するように、少なくとも
1個の芳香環を含む共役系単位Bが反復した構造を持つ
オリゴマー型側鎖基が数多く主鎖から分岐した、クシ型
の構造を有する。
合物は、代表的には、次に例示するように、少なくとも
1個の芳香環を含む共役系単位Bが反復した構造を持つ
オリゴマー型側鎖基が数多く主鎖から分岐した、クシ型
の構造を有する。
【0014】
【化4】
【0015】この全π共役系オリゴマー側鎖を有する構
造の高分子導電体は、従来の主鎖型高分子導電体および
側鎖型高分子導電体 (側鎖が反復構造を持たない単分
子) のいずれとも構造が異なる、新規構造のものであ
る。この高分子導電体化合物は、構造的には主鎖型と側
鎖型の中間に位置し、この両者の双方の長所を併せ持つ
という新しい電子的機能を発揮する。
造の高分子導電体は、従来の主鎖型高分子導電体および
側鎖型高分子導電体 (側鎖が反復構造を持たない単分
子) のいずれとも構造が異なる、新規構造のものであ
る。この高分子導電体化合物は、構造的には主鎖型と側
鎖型の中間に位置し、この両者の双方の長所を併せ持つ
という新しい電子的機能を発揮する。
【0016】即ち、側鎖が全π共役系オリゴマー基とい
うある程度長い分子鎖からなるため、側鎖基間の相互作
用が大きくなり、いわゆるホッピング伝導が効率よく行
われ、その結果、主鎖型高分子導電体と同様、高い電気
伝導性を発現することができる。側鎖オリゴマー基の末
端に置換基を導入した場合 (上記構造式でR基が水素以
外の基である場合) には、置換基効果により側鎖が規則
的に配向する。そのため、ドーピング状態での側鎖基間
の架橋反応が抑制され、ホッピング伝導を妨げるトラッ
プサイトが消滅する結果、より高い電気伝導度が得られ
る。
うある程度長い分子鎖からなるため、側鎖基間の相互作
用が大きくなり、いわゆるホッピング伝導が効率よく行
われ、その結果、主鎖型高分子導電体と同様、高い電気
伝導性を発現することができる。側鎖オリゴマー基の末
端に置換基を導入した場合 (上記構造式でR基が水素以
外の基である場合) には、置換基効果により側鎖が規則
的に配向する。そのため、ドーピング状態での側鎖基間
の架橋反応が抑制され、ホッピング伝導を妨げるトラッ
プサイトが消滅する結果、より高い電気伝導度が得られ
る。
【0017】他方、主鎖が非共役型であるため、側鎖型
高分子導電体と本質的に同様の主鎖−側鎖間構造を示す
ことから、これに固有の長所、即ち、中性状態において
溶媒に可溶であって成形・加工性に優れ、標準酸化還元
電位がドーピング率によらず一定である等の利点が得ら
れる。
高分子導電体と本質的に同様の主鎖−側鎖間構造を示す
ことから、これに固有の長所、即ち、中性状態において
溶媒に可溶であって成形・加工性に優れ、標準酸化還元
電位がドーピング率によらず一定である等の利点が得ら
れる。
【0018】本発明の高分子導電体の製造方法で用いる
出発原料は、側鎖となる少なくとも1個の芳香環を含む
共役系単位のオリゴマーの一方の末端に重合性の置換基
が結合した構造の化合物、即ち、次式で示される化合物
である。
出発原料は、側鎖となる少なくとも1個の芳香環を含む
共役系単位のオリゴマーの一方の末端に重合性の置換基
が結合した構造の化合物、即ち、次式で示される化合物
である。
【0019】
【化5】
【0020】式中、A' は重合性不飽和基を含有する置
換基を意味し、R、B、mは上記と同じ意味である。
A' 基の例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペ
ニル基などが挙げられる。
換基を意味し、R、B、mは上記と同じ意味である。
A' 基の例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペ
ニル基などが挙げられる。
【0021】Bの芳香族化合物に含まれる芳香環は、ベ
ンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレ
ンなどの炭素環;ならびにチオフェン、ピロール、フラ
ン、ピリジン、クマロンなどで代表される、1または2
以上にヘテロ原子 (N、O、S、Se、Teなど) を含有す
る複素環のいずれであってもよい。このような芳香環を
少なくとも1つ含有する芳香族化合物Bは、この芳香環
のみからなる化合物でも、或いは芳香環に結合した置換
基を有している化合物でもよい。芳香環上の置換基の例
としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、エステル基、ハロゲン原
子などがある。
ンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレ
ンなどの炭素環;ならびにチオフェン、ピロール、フラ
ン、ピリジン、クマロンなどで代表される、1または2
以上にヘテロ原子 (N、O、S、Se、Teなど) を含有す
る複素環のいずれであってもよい。このような芳香環を
少なくとも1つ含有する芳香族化合物Bは、この芳香環
のみからなる化合物でも、或いは芳香環に結合した置換
基を有している化合物でもよい。芳香環上の置換基の例
としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、エステル基、ハロゲン原
子などがある。
【0022】式 (B)mで示されるオリゴマーは、このよ
うな炭素環または複素環が単結合により直接つながった
構造のもの (共役系単位Bが置換または非置換の芳香環
のみからなる) でも、または炭素環もしくは複素環が共
役型の結合基、例えば、ビニレン基またはN、O、S、
Seなどの孤立電子対を有する結合基を介して結合した構
造のもの (共役系単位Bが芳香環と結合基からなる) で
もよい。即ち、オリゴマー全体が共役系となる限り、オ
リゴマー中の芳香環の結合方法は制限されない。また、
オリゴマーは、架橋構造を有するもの、縮合環を有する
もの、共重合オリゴマーであってもよい。
うな炭素環または複素環が単結合により直接つながった
構造のもの (共役系単位Bが置換または非置換の芳香環
のみからなる) でも、または炭素環もしくは複素環が共
役型の結合基、例えば、ビニレン基またはN、O、S、
Seなどの孤立電子対を有する結合基を介して結合した構
造のもの (共役系単位Bが芳香環と結合基からなる) で
もよい。即ち、オリゴマー全体が共役系となる限り、オ
リゴマー中の芳香環の結合方法は制限されない。また、
オリゴマーは、架橋構造を有するもの、縮合環を有する
もの、共重合オリゴマーであってもよい。
【0023】本発明の高分子導電体を構成する高分子化
合物として好ましいのは、主鎖Aがエチレン鎖からな
り、芳香族化合物Bが複素5員環化合物からなるもの、
即ち、下記構造式で示されるものである。
合物として好ましいのは、主鎖Aがエチレン鎖からな
り、芳香族化合物Bが複素5員環化合物からなるもの、
即ち、下記構造式で示されるものである。
【0024】
【化6】
【0025】式中、XはNH、O、S、Se、またはTeで
あり、m、nおよびRは上記と同じ意味である。従っ
て、この場合の芳香族化合物Bは、ピロール、チオフェ
ン、フラン、セノフェン、またはテルロフェンであり、
この複素環化合物は置換基を有していてよい。この高分
子化合物を製造するための出発原料は、従って、下記構
造式を有するビニル複素5員環オリゴマーである。
あり、m、nおよびRは上記と同じ意味である。従っ
て、この場合の芳香族化合物Bは、ピロール、チオフェ
ン、フラン、セノフェン、またはテルロフェンであり、
この複素環化合物は置換基を有していてよい。この高分
子化合物を製造するための出発原料は、従って、下記構
造式を有するビニル複素5員環オリゴマーである。
【0026】
【化7】
【0027】式中、X、mおよびRは上記と同じ意味で
ある。複素5員環としては、XがSであるチオフェンが
化学的に安定であることから特に好ましい。中でも、チ
オフェンオリゴマーの末端基が水素以外の置換基であ
る、下記構造の高分子化合物からなる高分子導電体が、
この置換基の効果により一層高い電気伝導度を示し、特
に好ましい。
ある。複素5員環としては、XがSであるチオフェンが
化学的に安定であることから特に好ましい。中でも、チ
オフェンオリゴマーの末端基が水素以外の置換基であ
る、下記構造の高分子化合物からなる高分子導電体が、
この置換基の効果により一層高い電気伝導度を示し、特
に好ましい。
【0028】
【化1】
【0029】式中、R' は置換基を有していてもよい低
級アルキル基であり、m'は3以上の整数、n'は10以上の
整数である。本発明の高分子導電体の製造方法で出発原
料となるのは、上記(2) 式で示される重合性基が結合し
たオリゴマーである。この出発原料は、共役系単位を構
成する芳香族化合物Bを、既知の適当な手段で重合する
ことにより所望重合度のオリゴマー (B)mとした後、こ
のオリゴマーの一方の末端に、既知反応により重合性基
A' を導入することにより合成することができる。この
合成方法は、重合性基A' および芳香族化合物Bの種類
に応じて、当業者が容易に選択することができる。
級アルキル基であり、m'は3以上の整数、n'は10以上の
整数である。本発明の高分子導電体の製造方法で出発原
料となるのは、上記(2) 式で示される重合性基が結合し
たオリゴマーである。この出発原料は、共役系単位を構
成する芳香族化合物Bを、既知の適当な手段で重合する
ことにより所望重合度のオリゴマー (B)mとした後、こ
のオリゴマーの一方の末端に、既知反応により重合性基
A' を導入することにより合成することができる。この
合成方法は、重合性基A' および芳香族化合物Bの種類
に応じて、当業者が容易に選択することができる。
【0030】例えば、式 (B)m で示されるオリゴマー
の合成は、従来の主鎖型高分子導電体の製造において開
発された手法を利用して化学的重合法、電解重合法、気
相重合法などにより行うことができる。化学的重合法
は、例えば、複素環化合物のジブロモ誘導体 (例、ジブ
ロモチオフェン) をNiCl2 触媒の存在下でMgにより脱臭
素重合する方法、ベンゼン、ナフタレン等の炭素環芳香
族化合物をCuCl2/AlCl3触媒の存在下で酸化重合させる
方法などが知られている。電解重合法は、複素環および
炭素環のいずれの芳香族化合物に対しても利用でき、各
種の方法がこれまでに知られている。
の合成は、従来の主鎖型高分子導電体の製造において開
発された手法を利用して化学的重合法、電解重合法、気
相重合法などにより行うことができる。化学的重合法
は、例えば、複素環化合物のジブロモ誘導体 (例、ジブ
ロモチオフェン) をNiCl2 触媒の存在下でMgにより脱臭
素重合する方法、ベンゼン、ナフタレン等の炭素環芳香
族化合物をCuCl2/AlCl3触媒の存在下で酸化重合させる
方法などが知られている。電解重合法は、複素環および
炭素環のいずれの芳香族化合物に対しても利用でき、各
種の方法がこれまでに知られている。
【0031】こうして得られたオリゴマーの一方の末端
に、ビルスマイヤー反応によるホルミル化 (またはア
ルデヒド化) 、ウィッティッヒ反応によるビニル化を
経てビニル基 (二重結合) または他の重合性二重結合を
有する置換基を導入すれば、(1) 式の出発原料が合成さ
れる。必要であれば、他方の末端に、既知の手法で水素
以外の置換基Rを導入してもよい。この方法は、芳香族
化合物Bが複素環化合物または炭素環化合物のいずれで
ある場合にも適用できる。
に、ビルスマイヤー反応によるホルミル化 (またはア
ルデヒド化) 、ウィッティッヒ反応によるビニル化を
経てビニル基 (二重結合) または他の重合性二重結合を
有する置換基を導入すれば、(1) 式の出発原料が合成さ
れる。必要であれば、他方の末端に、既知の手法で水素
以外の置換基Rを導入してもよい。この方法は、芳香族
化合物Bが複素環化合物または炭素環化合物のいずれで
ある場合にも適用できる。
【0032】出発原料の代表的な合成方法を、チオフェ
ンオリゴマーを原料とする場合について、次に説明す
る。この反応は下記反応式に従って行われる。
ンオリゴマーを原料とする場合について、次に説明す
る。この反応は下記反応式に従って行われる。
【0033】
【化8】
【0034】ビルスマイヤー反応は、チオフェンオリゴ
マーをまずジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の極性有機溶媒に0℃で溶解し、この溶液に塩化ホ
スホリル (POCl3)とジメチルホルムアミドを添加して、
0℃で攪拌し、室温になるまで放置した後加熱する。加
熱は70〜80℃で1〜2時間程度行えばよい。ジメチルホ
ルムアミドに代えてN−メチルホルムアニリドを、また
塩化ホスホリルに代えてホスゲン、塩化チオニルを用い
てもよい。
マーをまずジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の極性有機溶媒に0℃で溶解し、この溶液に塩化ホ
スホリル (POCl3)とジメチルホルムアミドを添加して、
0℃で攪拌し、室温になるまで放置した後加熱する。加
熱は70〜80℃で1〜2時間程度行えばよい。ジメチルホ
ルムアミドに代えてN−メチルホルムアニリドを、また
塩化ホスホリルに代えてホスゲン、塩化チオニルを用い
てもよい。
【0035】このホルミル化チオフェンオリゴマーのビ
ニル化は、例えば、テトラヒドロフラン (THF)、エーテ
ル等の溶媒に溶解したホルミル化物に、臭化メチルトリ
フェニルホスホニウム (Ph3PCH3 Br) をn−ブチルリチ
ウム (n-BuLi) 、フェニルリチウム等の塩基で処理して
得たメチレントリフェニルホスホラン等のウィッティッ
ヒ試薬を作用させて行う。この反応は窒素雰囲気下、室
温で攪拌することにより行うことが好ましい。
ニル化は、例えば、テトラヒドロフラン (THF)、エーテ
ル等の溶媒に溶解したホルミル化物に、臭化メチルトリ
フェニルホスホニウム (Ph3PCH3 Br) をn−ブチルリチ
ウム (n-BuLi) 、フェニルリチウム等の塩基で処理して
得たメチレントリフェニルホスホラン等のウィッティッ
ヒ試薬を作用させて行う。この反応は窒素雰囲気下、室
温で攪拌することにより行うことが好ましい。
【0036】こうして合成された出発原料の重合は、化
学的重合法、電解重合法のいずれでも可能である。化学
的重合は、例えばラジカル重合により、適当な開始剤
(例、アゾイソブチロニトリル (AIBN) 等) を含む有機
溶媒中で出発原料を加熱することにより行うことができ
る。この方法により、中性状態(ドーピングされていな
い状態)で溶媒に可溶な導電性高分子化合物を得ること
ができる。こうして得られた高分子化合物は、溶媒にと
かして溶液状で各種の成形加工を施すことができる。例
えば、流延によりフィルムを、湿式紡糸により繊維を、
注型により型成形体を得ることができる。
学的重合法、電解重合法のいずれでも可能である。化学
的重合は、例えばラジカル重合により、適当な開始剤
(例、アゾイソブチロニトリル (AIBN) 等) を含む有機
溶媒中で出発原料を加熱することにより行うことができ
る。この方法により、中性状態(ドーピングされていな
い状態)で溶媒に可溶な導電性高分子化合物を得ること
ができる。こうして得られた高分子化合物は、溶媒にと
かして溶液状で各種の成形加工を施すことができる。例
えば、流延によりフィルムを、湿式紡糸により繊維を、
注型により型成形体を得ることができる。
【0037】電解重合法は、適当な支持電解質 (例、過
塩素酸テトラブチルアンモニウム)含有する有機溶媒
(例、塩化メチレン、アセトニトリル) 中に出発原料を
溶解して電解酸化的に重合を行う方法である。電解重合
条件は特に限定されないが、例えば、電極として白金板
を使用し、電圧0.5 〜1.0V、電流密度 0.5〜2.0 mA/c
m2、温度0〜40℃、通電時間1〜5時間程度で実施する
ことができる。電解重合法は無触媒で行われるので、純
度の高い生成物が得られ、生成物から触媒を除去する精
製工程が不要で工程が単純化される。また、反応条件も
温和であり、また高分子導電体生成物がフィルム状で得
られ、その後の加工が容易であるという利点もある。
塩素酸テトラブチルアンモニウム)含有する有機溶媒
(例、塩化メチレン、アセトニトリル) 中に出発原料を
溶解して電解酸化的に重合を行う方法である。電解重合
条件は特に限定されないが、例えば、電極として白金板
を使用し、電圧0.5 〜1.0V、電流密度 0.5〜2.0 mA/c
m2、温度0〜40℃、通電時間1〜5時間程度で実施する
ことができる。電解重合法は無触媒で行われるので、純
度の高い生成物が得られ、生成物から触媒を除去する精
製工程が不要で工程が単純化される。また、反応条件も
温和であり、また高分子導電体生成物がフィルム状で得
られ、その後の加工が容易であるという利点もある。
【0038】本発明の高分子導電体は、ドーパントを含
むドーピングされた物質である。ドーピングは、導電性
高分子化合物の重合中および/または重合後に適量のド
ーパントを添加することにより行われる。高分子導電体
のドーピングとは、導電性高分子化合物がドーパントと
の間で電荷移動錯体を形成することを意味し、ドーパン
トとの反応率 (電荷移動錯体を生成した高分子のモル
%) をドーピング率という。高分子導電体の電気伝導度
は一般にドーピング率により変化するので、ドーピング
率によって得られる高分子導電体の電気伝導度をコント
ロールできる。
むドーピングされた物質である。ドーピングは、導電性
高分子化合物の重合中および/または重合後に適量のド
ーパントを添加することにより行われる。高分子導電体
のドーピングとは、導電性高分子化合物がドーパントと
の間で電荷移動錯体を形成することを意味し、ドーパン
トとの反応率 (電荷移動錯体を生成した高分子のモル
%) をドーピング率という。高分子導電体の電気伝導度
は一般にドーピング率により変化するので、ドーピング
率によって得られる高分子導電体の電気伝導度をコント
ロールできる。
【0039】ドーパントとしては、高分子導電体に対し
て従来より使用されているものが使用できる。具体例に
は、I2 、Br2 、AsF5などのp型ドーパント、塩化カリ
ウム、テトラブチルアンモニウム過塩素酸塩、パラトル
エンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムテトラフルオロ
ボレートなどのn型ドーパントがある。
て従来より使用されているものが使用できる。具体例に
は、I2 、Br2 、AsF5などのp型ドーパント、塩化カリ
ウム、テトラブチルアンモニウム過塩素酸塩、パラトル
エンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムテトラフルオロ
ボレートなどのn型ドーパントがある。
【0040】電解重合により重合を行う場合には、支持
電解質を兼ねて上記n型ドーパントを重合系に添加する
ことが好ましい。それにより、支持電解質のアニオン
(例、ClO4 - 、 BF4 - など) が重合と同時にドーピング
され、フィルム状で本発明のドーピングされた高分子導
電体を得ることができる。この場合のドーピング率は、
出発原料仕込み濃度および通電時間によって変化させる
ことができる。必要であれば電解重合後にドーパントを
追加してもよい。
電解質を兼ねて上記n型ドーパントを重合系に添加する
ことが好ましい。それにより、支持電解質のアニオン
(例、ClO4 - 、 BF4 - など) が重合と同時にドーピング
され、フィルム状で本発明のドーピングされた高分子導
電体を得ることができる。この場合のドーピング率は、
出発原料仕込み濃度および通電時間によって変化させる
ことができる。必要であれば電解重合後にドーパントを
追加してもよい。
【0041】化学的重合により得た高分子化合物につい
ては、重合中および/または重合後にドーパントを添加
することによりドーピングすることができる。例えば、
前述のように重合後に成形して得たフィルム、繊維また
は型成形体を、ドーパントの蒸気または溶液で処理する
ことによりドーピングすることができる。必要であれ
ば、ドーパントの透過を助長するように、型成形体に孔
を設け、ドーピング後に圧縮するなどの処置も可能であ
る。
ては、重合中および/または重合後にドーパントを添加
することによりドーピングすることができる。例えば、
前述のように重合後に成形して得たフィルム、繊維また
は型成形体を、ドーパントの蒸気または溶液で処理する
ことによりドーピングすることができる。必要であれ
ば、ドーパントの透過を助長するように、型成形体に孔
を設け、ドーピング後に圧縮するなどの処置も可能であ
る。
【0042】本発明により、化学的に安定で、使用寿命
が長く、従来の主鎖型と同様に高い電気伝導度を示す高
分子導電体を得ることができる。しかも、従来の主鎖型
高分子導電体が不溶不融で成形性に乏しいのに比べ、本
発明の高分子導電体は、主鎖が非共役型であって、柔軟
性をもち、成形加工が容易であり、標準酸化還元電位が
ドーピング率によって変化しないという、側鎖型に固有
の有利な特徴をも併せ持つ。従って、特に、一定の酸化
還元電位が要求される二次電池用電極材料として有用で
あるが、前述したようにその他の各種用途にも広く利用
できる。
が長く、従来の主鎖型と同様に高い電気伝導度を示す高
分子導電体を得ることができる。しかも、従来の主鎖型
高分子導電体が不溶不融で成形性に乏しいのに比べ、本
発明の高分子導電体は、主鎖が非共役型であって、柔軟
性をもち、成形加工が容易であり、標準酸化還元電位が
ドーピング率によって変化しないという、側鎖型に固有
の有利な特徴をも併せ持つ。従って、特に、一定の酸化
還元電位が要求される二次電池用電極材料として有用で
あるが、前述したようにその他の各種用途にも広く利用
できる。
【0043】
【実施例】実施例1 本実施例は、一般式(3) において、X=S、m=3、R
=Hである、ビニルターチオフェンポリマーの製造を例
示する。
=Hである、ビニルターチオフェンポリマーの製造を例
示する。
【0044】ホルミル化物 (ターチオフェンアルデヒ
ド) の合成 ジメチルホルムアミド(DMF) 1.26 ml 中のPOCl3 2.03g
の溶液を0℃に保持し、これにDMF 12.6 ml 中の2,2':
5',2"−ターチオフェン (市販品、Aldrich 製)3.12gの
溶液を0℃で約30分間かけて滴下し、攪拌した。得られ
た混合物を、室温になるまで放置した後、70℃で1時間
加熱し、室温まで徐冷後、0℃の蒸留水に投入した。沈
殿物を濾過し、蒸留水で洗浄後、乾燥した。得られた固
体を、シリカゲルクロマトグラフ法によって精製した
(第1展開液にCCl4、第2展開液にベンゼンを用いた)
。第2展開液を濃縮後、CCl4により再結晶を行い、タ
ーチオフェン−5−カルバルデヒド1.18gを黄色針状結
晶として得た。収率38%、融点141.5〜143.5 ℃。
ド) の合成 ジメチルホルムアミド(DMF) 1.26 ml 中のPOCl3 2.03g
の溶液を0℃に保持し、これにDMF 12.6 ml 中の2,2':
5',2"−ターチオフェン (市販品、Aldrich 製)3.12gの
溶液を0℃で約30分間かけて滴下し、攪拌した。得られ
た混合物を、室温になるまで放置した後、70℃で1時間
加熱し、室温まで徐冷後、0℃の蒸留水に投入した。沈
殿物を濾過し、蒸留水で洗浄後、乾燥した。得られた固
体を、シリカゲルクロマトグラフ法によって精製した
(第1展開液にCCl4、第2展開液にベンゼンを用いた)
。第2展開液を濃縮後、CCl4により再結晶を行い、タ
ーチオフェン−5−カルバルデヒド1.18gを黄色針状結
晶として得た。収率38%、融点141.5〜143.5 ℃。
【0045】 質量スペクトル: M+ 276 (C13H8OS3 276);−CHO 247 ;−OHCCS 203 IRスペクトル (cm-1) : -CHO 2800, 1640;ターチオフェン 3080, 1460, 1440, 835 NMR スペクトル (CDCl3, ppm) : -CHO 9.86(S) ;ターチオフェン 7.66(d) J=9.2 Hz, 7.30-7.01(m) 元素分析:計算値 C13H8OS3 : C 56.52, H 2.90, S 34.78 実測値 : C 55.88, H 2.79, S 34.59 ビニル化物 (ビニルターチオフェン) の合成 窒素雰囲気下0℃において、n−ブチルリチウム(n-BuL
i) 0.24 g (3.8 mmol)を、テトラヒドロフラン(THF) 22
ml 中の臭化メチルトリフェニルホスホニウム(Ph3PCH3
・Br) 1.6 g (4.6 mmol)の溶液に滴下した。この生成物
に、上で得たターチオフェンアルデヒド 1.0g(4.0 mmo
l)をTHF 67 ml に溶解した溶液を滴下し、室温で24時間
攪拌した後、生成物をエーテルで抽出した。抽出液をシ
リカゲルカラムで精製した (n−ヘキサン/ベンゼン 1
/1) 。回収した展開液を減圧乾燥し、エタノールから再
結晶して、黄色粉末状のビニルターチオフェン183 mgを
得た。収率18.3%、融点 126.5〜127.5 ℃。
i) 0.24 g (3.8 mmol)を、テトラヒドロフラン(THF) 22
ml 中の臭化メチルトリフェニルホスホニウム(Ph3PCH3
・Br) 1.6 g (4.6 mmol)の溶液に滴下した。この生成物
に、上で得たターチオフェンアルデヒド 1.0g(4.0 mmo
l)をTHF 67 ml に溶解した溶液を滴下し、室温で24時間
攪拌した後、生成物をエーテルで抽出した。抽出液をシ
リカゲルカラムで精製した (n−ヘキサン/ベンゼン 1
/1) 。回収した展開液を減圧乾燥し、エタノールから再
結晶して、黄色粉末状のビニルターチオフェン183 mgを
得た。収率18.3%、融点 126.5〜127.5 ℃。
【0046】 質量スペクトル: M+ 274(C14H10S3) IRスペクトル (cm-1) (図1) : -CH=CH2 1620, 982, 902 NMR スペクトル (CDCl3, ppm) : -CH=CH2 6.76(q) J=28.4 Hz, 5.54(d) J=17.2 Hz, 5.15(d) J=10.8 Hz ターチオフェン 7.26-6.88(m) 元素分析:計算値 C14H10S3 : C 61.31, H 3.65, S 35.04 実測値 : C 61.06, H 3.63, S 34.92 ビニルターチオフェンの電解重合・ドーピング 上で得たビニルターチオフェンをCH2Cl2に溶解した5.0
mM濃度の溶液と、支持電解質テトラブチルアンモニウム
過塩素酸塩(n-BuN+ ClO4 - ) をCH2Cl2に溶解した0.1 M
(=100 mM)濃度の溶液とを1〜10:1の体積比で混合し
て、白金電極を備えた電解槽に入れ、定電位電解酸化重
合を行った。電解条件は、電位0.8 V、温度20℃、電流
密度 0.5 mA/cm2、通電時間3時間であった。ClO4 - イ
オンがドーピングされたポリビニルターチオフェンの厚
さ10μmの黒色フィルムが陽極上に形成された。このフ
ィルムは乾燥により陽極から容易に剥離できた。
mM濃度の溶液と、支持電解質テトラブチルアンモニウム
過塩素酸塩(n-BuN+ ClO4 - ) をCH2Cl2に溶解した0.1 M
(=100 mM)濃度の溶液とを1〜10:1の体積比で混合し
て、白金電極を備えた電解槽に入れ、定電位電解酸化重
合を行った。電解条件は、電位0.8 V、温度20℃、電流
密度 0.5 mA/cm2、通電時間3時間であった。ClO4 - イ
オンがドーピングされたポリビニルターチオフェンの厚
さ10μmの黒色フィルムが陽極上に形成された。このフ
ィルムは乾燥により陽極から容易に剥離できた。
【0047】この高分子導電体のドーピング率 (元素分
析により測定したポリマー中のSおよびCl含有量の比率
により決定) と電気伝導度 (直流2端子法により測定)
との関係を次に示す。原料溶液に対する支持電解質溶液
の混合比率を変化させることにより、ドーピング率の異
なる電解重合生成物を得ることができた。
析により測定したポリマー中のSおよびCl含有量の比率
により決定) と電気伝導度 (直流2端子法により測定)
との関係を次に示す。原料溶液に対する支持電解質溶液
の混合比率を変化させることにより、ドーピング率の異
なる電解重合生成物を得ることができた。
【0048】
【表1】
【0049】こうして得られた、ビニルターチオフェン
ポリマーのIRスペクトルを図2に、出発原料であるビニ
ルターチオフェンのIRスペクトルを図1にそれぞれ示
す。図1のビニルターチオフェンのスペクトルでは、90
2 および982 cm-1にビニル基の吸収が、800 cm-1にチオ
フェン環の吸収がみられる。これに対して、図2のポリ
マーのスペクトルでは、ビニル基の吸収が消失し、チオ
フェン環の吸収は存在している。さらに1100cm-1にClO4
- に基づく吸収が出現している。この結果から、電解重
合で得られた生成物は、ClO4 - をドーパントとして含有
する、一般式(3)で示される構造のターチオフェン側鎖
を有するポリエチレン誘導体からなる、ドーピングされ
た高分子導電体であると同定された。試料を電気化学的
方法で脱ドーピングしてからGPC法 (ゲル透過クロマ
トグラフ法) により求めた、このポリマーの数平均分子
量は約1900であった。従って、(3) 式における重合度n
は約70であった。
ポリマーのIRスペクトルを図2に、出発原料であるビニ
ルターチオフェンのIRスペクトルを図1にそれぞれ示
す。図1のビニルターチオフェンのスペクトルでは、90
2 および982 cm-1にビニル基の吸収が、800 cm-1にチオ
フェン環の吸収がみられる。これに対して、図2のポリ
マーのスペクトルでは、ビニル基の吸収が消失し、チオ
フェン環の吸収は存在している。さらに1100cm-1にClO4
- に基づく吸収が出現している。この結果から、電解重
合で得られた生成物は、ClO4 - をドーパントとして含有
する、一般式(3)で示される構造のターチオフェン側鎖
を有するポリエチレン誘導体からなる、ドーピングされ
た高分子導電体であると同定された。試料を電気化学的
方法で脱ドーピングしてからGPC法 (ゲル透過クロマ
トグラフ法) により求めた、このポリマーの数平均分子
量は約1900であった。従って、(3) 式における重合度n
は約70であった。
【0050】この高分子導電体は、(a) 柔軟性を有し、
成形性に優れている、(b) 電気伝導度は10-0〜10-10 S/
cmを示す、(c) 以上の性質が室温、大気中において長期
間保たれる、(d) 標準酸化還元電位がドーピング率によ
って変化しないという有利な物理的・電気的性質を有し
ていた。なお、電気伝導度はドーピング率50%付近で最
高となる。
成形性に優れている、(b) 電気伝導度は10-0〜10-10 S/
cmを示す、(c) 以上の性質が室温、大気中において長期
間保たれる、(d) 標準酸化還元電位がドーピング率によ
って変化しないという有利な物理的・電気的性質を有し
ていた。なお、電気伝導度はドーピング率50%付近で最
高となる。
【0051】実施例2 本実施例は、一般式(3) において、X=S、m=4、R
=CH2CH3である、ビニル・エチルクォーターチオフェン
ポリマーの製造を例示する。
=CH2CH3である、ビニル・エチルクォーターチオフェン
ポリマーの製造を例示する。
【0052】ホルミル化物 (エチルクォーターチオフ
ェンアルデヒド) の合成 出発原料として、2,2':5',2"−ターチオフェンの代わり
に、5−エチル−2,2':5',2":5",2"' −クォーターチオ
フェン 4.0gを使用した点を除き、実施例1のに記載
したのと同様の方法でホルミル化反応を実施した。出発
原料として用いたエチル・クォーターチオフェンは、2
−ブロモ−5−エチルチオフェンと2,5’−ジブロモ
ビチオフェンとをグリニアール試薬を用いて反応させる
ことにより合成した。ホルミル化反応で得られた粗生成
物のシリカゲルカラム精製では、展開液としてベンゼン
を使用した。黄色針状結晶の生成物45gが得られた。
収率45%、融点 236〜238 ℃ 質量スペクトル: M+ 386 (C19H14OS4 386);−CHO (357):−OHCCS (313) IRスペクトル (cm-1) : 元素分析:計算値 C19H14OS4 : C 59.07, H 3.63, S 33.16 実測値 : C 58.87, H 3.68, S 33.30 なお、IRおよびNMR の各スペクトルは、実施例1のホル
ミル化物とほぼ同じであった。
ェンアルデヒド) の合成 出発原料として、2,2':5',2"−ターチオフェンの代わり
に、5−エチル−2,2':5',2":5",2"' −クォーターチオ
フェン 4.0gを使用した点を除き、実施例1のに記載
したのと同様の方法でホルミル化反応を実施した。出発
原料として用いたエチル・クォーターチオフェンは、2
−ブロモ−5−エチルチオフェンと2,5’−ジブロモ
ビチオフェンとをグリニアール試薬を用いて反応させる
ことにより合成した。ホルミル化反応で得られた粗生成
物のシリカゲルカラム精製では、展開液としてベンゼン
を使用した。黄色針状結晶の生成物45gが得られた。
収率45%、融点 236〜238 ℃ 質量スペクトル: M+ 386 (C19H14OS4 386);−CHO (357):−OHCCS (313) IRスペクトル (cm-1) : 元素分析:計算値 C19H14OS4 : C 59.07, H 3.63, S 33.16 実測値 : C 58.87, H 3.68, S 33.30 なお、IRおよびNMR の各スペクトルは、実施例1のホル
ミル化物とほぼ同じであった。
【0053】ビニル化物 (ビニル・エチルクォーター
チオフェン) の合成 ターチオフェンアルデヒドの代わりに、エチル・クォー
ターチオフェンアルデヒドを 1.5g使用した点を除い
て、実施例1のに記載したのと同様の方法で、ビニル
化物を合成し、黄色粉末状の生成物300 mgを得た。収率
20%、融点 215〜216 ℃ 質量スペクトル: M+ 384(C20H16S4) 元素分析: 計算値 C20H16S4 : C 62.50, H 4.17, S 33.33 実測値 : C 62.30, H 4.20, S 33.19 IRスペクトル (図3) およびNMR スペクトルは、実施例
1のビニル化物とほぼ同じであった。
チオフェン) の合成 ターチオフェンアルデヒドの代わりに、エチル・クォー
ターチオフェンアルデヒドを 1.5g使用した点を除い
て、実施例1のに記載したのと同様の方法で、ビニル
化物を合成し、黄色粉末状の生成物300 mgを得た。収率
20%、融点 215〜216 ℃ 質量スペクトル: M+ 384(C20H16S4) 元素分析: 計算値 C20H16S4 : C 62.50, H 4.17, S 33.33 実測値 : C 62.30, H 4.20, S 33.19 IRスペクトル (図3) およびNMR スペクトルは、実施例
1のビニル化物とほぼ同じであった。
【0054】電解重合・ドーピング ビニルターチオフェンの代わりに上で得たビニル・エチ
ルクォーターチオフェンを使用した点を除いて、実施例
1のに記載の方法と同様に電解重合を行い、過塩素酸
イオン (ClO4 - ) がドーピングされたビニル・エチルク
ォーターチオフェンポリマーを得た。この場合も、原料
溶液に対する支持電解質溶液の混合比率を変化させるこ
とにより、ドーピング率の異なる電解重合生成物を得る
ことができた。得られた高分子導電体のドーピング率と
電導度との関係を次に示す。
ルクォーターチオフェンを使用した点を除いて、実施例
1のに記載の方法と同様に電解重合を行い、過塩素酸
イオン (ClO4 - ) がドーピングされたビニル・エチルク
ォーターチオフェンポリマーを得た。この場合も、原料
溶液に対する支持電解質溶液の混合比率を変化させるこ
とにより、ドーピング率の異なる電解重合生成物を得る
ことができた。得られた高分子導電体のドーピング率と
電導度との関係を次に示す。
【0055】
【表2】
【0056】こうして得たビニル・エチルクォーターチ
オフェンポリマーのIRスペクトルを図4に示す。このポ
リマーのIRスペクトルは、実施例1で得られたポリマー
のIRスペクトルとほぼ一致していた。一方、モノマーで
あるビニル・エチルクォーターチオフェンのIRスペクト
ルを図3に示す。実施例1と同様に、図3のモノマーの
IRスペクトルには、902 および982 cm-1にビニル基の吸
収が、800 cm-1にチオフェン環の吸収がみられる。これ
に対して、図4のポリマーのスペクトルでは、ビニル基
の吸収が消失し、チオフェン環の吸収は残り、さらに11
00cm-1にClO4 -に基づく吸収が出現している。この結果
から、電解重合で得られた生成物は、ClO4 - をドーパン
トとして含有する、一般式(3) で示される構造のビニル
・クォーターチオフェン側鎖を有するポリエチレン誘導
体からなるドーピングされた高分子導電体であると同定
された。
オフェンポリマーのIRスペクトルを図4に示す。このポ
リマーのIRスペクトルは、実施例1で得られたポリマー
のIRスペクトルとほぼ一致していた。一方、モノマーで
あるビニル・エチルクォーターチオフェンのIRスペクト
ルを図3に示す。実施例1と同様に、図3のモノマーの
IRスペクトルには、902 および982 cm-1にビニル基の吸
収が、800 cm-1にチオフェン環の吸収がみられる。これ
に対して、図4のポリマーのスペクトルでは、ビニル基
の吸収が消失し、チオフェン環の吸収は残り、さらに11
00cm-1にClO4 -に基づく吸収が出現している。この結果
から、電解重合で得られた生成物は、ClO4 - をドーパン
トとして含有する、一般式(3) で示される構造のビニル
・クォーターチオフェン側鎖を有するポリエチレン誘導
体からなるドーピングされた高分子導電体であると同定
された。
【0057】なお、別にラジカル重合法によりビニル・
エチルクォーターチオフェンのポリマーを合成した。即
ち、開始剤としてアゾイソブチロニトリルを1 mM濃度で
含有する、で得られたビニル・エチルクォーターチオ
フェンの0.1 M 濃度のベンゼン溶液を脱気封管後、70℃
に48時間加熱してラジカル重合させた後、得られた重合
物をTHF/ヘキサンを溶媒とする再沈殿法により精製し
て、ビニル・エチルクォーターチオフェンのポリマーを
得た。このポリマーは、THF やベンゼンに可溶であっ
た。従って、スピンコート法またはフィルムキャスト法
により容易にフィルム状に成形でき、柔軟な成形性に優
れたフィルムが得られた。こうしてラジカル重合で得た
重合物の数平均分子量をGPC法により求めたところ、
Mn=15,000であることがわかった。
エチルクォーターチオフェンのポリマーを合成した。即
ち、開始剤としてアゾイソブチロニトリルを1 mM濃度で
含有する、で得られたビニル・エチルクォーターチオ
フェンの0.1 M 濃度のベンゼン溶液を脱気封管後、70℃
に48時間加熱してラジカル重合させた後、得られた重合
物をTHF/ヘキサンを溶媒とする再沈殿法により精製し
て、ビニル・エチルクォーターチオフェンのポリマーを
得た。このポリマーは、THF やベンゼンに可溶であっ
た。従って、スピンコート法またはフィルムキャスト法
により容易にフィルム状に成形でき、柔軟な成形性に優
れたフィルムが得られた。こうしてラジカル重合で得た
重合物の数平均分子量をGPC法により求めたところ、
Mn=15,000であることがわかった。
【0058】本実施例で得られた高分子導電体も、(a)
柔軟性を有し、中性状態では溶媒に可溶なため、成形性
に優れる、(b) 最高で主鎖型全π共役計高分子導電体に
匹敵する10-4 S/cm の電気伝導度を示す、(c) これらの
性質が室温、大気中において長期間保たれる、(d) 標準
酸化還元電位がドーピング率によって変化しない、とい
う優れた特徴を示す。
柔軟性を有し、中性状態では溶媒に可溶なため、成形性
に優れる、(b) 最高で主鎖型全π共役計高分子導電体に
匹敵する10-4 S/cm の電気伝導度を示す、(c) これらの
性質が室温、大気中において長期間保たれる、(d) 標準
酸化還元電位がドーピング率によって変化しない、とい
う優れた特徴を示す。
【0059】
【発明の効果】本発明により、従来の主鎖型と側鎖型の
双方の高分子導電体の長所を兼ね備えた高分子導電体が
提供される。即ち、本発明の高分子導電体は、化学的に
安定で、使用寿命が長く、従来の主鎖型と同様に高い電
気伝導度を示す。しかも、主鎖が非共役型であるため、
中性状態では有機溶媒に可溶であり、スピンコート法ま
たはフィルムキャスト法により容易にフィルム状に成形
でき、生成物の標準酸化還元電位がドーピング率によっ
て変化しないという、側鎖型に固有の有利な特徴をも併
せ持つ。また、この高分子導電体を電解重合法で製造し
た場合には、ドーピングされた高分子導電体を成形加工
が容易な柔軟なフィルム状で直接製造することができ
る。電解重合での出発原料と支持電解質の割合を変える
ことにより、定電位電解でドーピング率を変化させるこ
とができる。従って、この高分子導電体は、二次電池用
電極材料を始めとする各種の用途に幅広く利用できる。
双方の高分子導電体の長所を兼ね備えた高分子導電体が
提供される。即ち、本発明の高分子導電体は、化学的に
安定で、使用寿命が長く、従来の主鎖型と同様に高い電
気伝導度を示す。しかも、主鎖が非共役型であるため、
中性状態では有機溶媒に可溶であり、スピンコート法ま
たはフィルムキャスト法により容易にフィルム状に成形
でき、生成物の標準酸化還元電位がドーピング率によっ
て変化しないという、側鎖型に固有の有利な特徴をも併
せ持つ。また、この高分子導電体を電解重合法で製造し
た場合には、ドーピングされた高分子導電体を成形加工
が容易な柔軟なフィルム状で直接製造することができ
る。電解重合での出発原料と支持電解質の割合を変える
ことにより、定電位電解でドーピング率を変化させるこ
とができる。従って、この高分子導電体は、二次電池用
電極材料を始めとする各種の用途に幅広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビニルターチオフェンのIRスペクトルである。
【図2】ドーピングされたビニルターチオフェンポリマ
ーのIRスペクトルである。
ーのIRスペクトルである。
【図3】ビニル・エチルクォーターチオフェンのIRスペ
クトルである。
クトルである。
【図4】ドーピングされたビニル・エチルクォーターチ
オフェンポリマーのIRスペクトルである。
オフェンポリマーのIRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/12 7244−5G
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも1個の芳香環を含む共役系単
位をオリゴマー反復単位とする全π共役系オリゴマー基
からなる多数の側鎖が、非共役型の線状脂肪族主鎖から
分岐している構造を持つクシ型構造の高分子化合物にド
ーパントを含有させてなる、ドーピングされた高分子導
電体。 - 【請求項2】 少なくとも1個の芳香環を含む共役系単
位をオリゴマー反復単位とする全π共役系オリゴマー基
からなる多数の側鎖が、非共役型の線状脂肪族主鎖から
分岐している構造を持つクシ型構造の高分子化合物にド
ーパントを含有させてなる、ドーピングされた高分子導
電体からなるフィルム。 - 【請求項3】 少なくとも1個の芳香環を含む共役系単
位をオリゴマー反復単位とする全π共役系オリゴマー基
からなる多数の側鎖が、非共役型の線状脂肪族主鎖から
分岐している構造を持つクシ型構造の高分子化合物にド
ーパントを含有させてなる、ドーピングされた高分子導
電体からなる繊維。 - 【請求項4】 少なくとも1個の芳香環を含む共役系単
位をオリゴマー反復単位とする全π共役系オリゴマー基
からなる多数の側鎖が、非共役型の線状脂肪族主鎖から
分岐している構造を持つクシ型構造の高分子化合物にド
ーパントを含有させてなる、ドーピングされた高分子導
電体からなる型成形体。 - 【請求項5】 少なくとも1個の芳香環を含む共役系単
位をオリゴマー反復単位とする全π共役系オリゴマーの
一方の末端に重合性不飽和基を含有する基が結合した化
合物を重合させ、重合時および/または重合後にドーパ
ントを添加することを特徴とする、請求項1記載の高分
子導電体の製造方法。 - 【請求項6】 下記一般式で示される、チオフェンオリ
ゴマー側鎖を持つポリエチレン誘導体。 【化1】 式中、R' は置換基を有していてもよい低級アルキル基
であり、m'は3以上の整数、n'は10以上の整数である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4063880A JPH05262993A (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 高分子導電体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4063880A JPH05262993A (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 高分子導電体とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05262993A true JPH05262993A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=13242051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4063880A Withdrawn JPH05262993A (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 高分子導電体とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05262993A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007099954A1 (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Tokuyama Corporation | 直接液体型燃料電池用隔膜、及びその製造方法 |
JP2007234302A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Tokuyama Corp | 直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法 |
JP2007335221A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Tokuyama Corp | 直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法 |
JP2008166100A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Tokuyama Corp | 直接液体型燃料電池用隔膜及びその製造方法 |
JP2008192429A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Tokuyama Corp | 直接液体型燃料電池用隔膜及びその製造方法 |
WO2010104037A1 (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-16 | 住友化学株式会社 | 重合体、この重合体を用いた有機薄膜及びこれを備える有機薄膜素子 |
KR20140036210A (ko) * | 2011-05-02 | 2014-03-25 | 유니베르시떼 드 보르도 Ⅰ | 광전지의 활성층 또는 전극을 위한 조성물 |
-
1992
- 1992-03-19 JP JP4063880A patent/JPH05262993A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
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US8232325B2 (en) | 2006-02-28 | 2012-07-31 | Tokuyama Corporation | Separation membrane for direct liquid fuel cell and method for producing same |
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JP2014513738A (ja) * | 2011-05-02 | 2014-06-05 | ユニヴェルシテ ドゥ ボルドー アン | 太陽電池の活性層または電極のための組成物 |
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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