JP2849664B2 - 芳香族高分子化合物の製造法 - Google Patents

芳香族高分子化合物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、芳香族高分子化合物の製造法に関し、さら
に詳しくは、ポリフェニレン誘導体、ポリピロール、ポ
リチオフェンなどを、温和な重合条件下、安価に得るこ
とができる簡便な芳香族高分子化合物の製造法に関する
ものである。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
活性水素を有する芳香族化合物の重合はよく知られて
おり、種々の芳香族高分子化合物が合成されている。こ
れらの重合は酸化カップリングにより進行し、化学的、
あるいは電気化学的酸化反応によりおこなわれる。化学
的酸化の場合、強力な酸化剤を用いるため生成重合体中
に酸化剤が残存し、その電気特性を悪化させる。さら
に、化学試薬は高価なものが多く、多量に使用される。
電気化学的酸化の場合、支持電解質等のドープされた重
合体が得られる。これに対し、酸素はおだやかな酸化剤
であるため、これまで芳香族高分子化合物の合成試薬と
して使用されている例は少ない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、前記問題点を解消し、電気的特性、機械的特
性、化学的特性等に優れた芳香族高分子化合物を、簡便
に、かつ温和な条件で安価に得ることができる工業上著
しく有利な芳香族高分子化合物の製造法を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段と作用〕
発明者らは、前記問題点を解決すべく、先に発明者ら
がポリアリーレンチオエーテルの製造の際に見いだし
た、酸の存在下に触媒を用いて酸素による酸化カップリ
ング重合をおこなわせるという方法に着目し、更に研究
の結果本発明を完成するに至った。
即ち本発明は下記の芳香族高分子化合物の製造法に係
るものである。
下記の一般式〔I〕で表されるベンゼン誘導体、一般
式〔II〕で表されるピロール誘導体及び一般式〔III〕
で表されるチオフェン誘導体から選ばれる芳香族誘導体
を、常温、常圧、酸性下にバナジルアセチルアセトナト
及び酸化モリブデンアセチルアセトナトから選ばれる触
媒により酸素酸化重合することを特徴とする芳香族高分
子化合物の製造法。
(上式中、R1乃至R8は、それぞれ水素原子、低級アルキ
ル基及びアルコキシ基から選択された置換基を表し、こ
れらは互いに同じ種類であっても異なった種類であって
もよい。) 前記一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕中のR1乃至R8
ついて、更に詳しく説明すると以下の通りである。
すなわち、具体例としては、例えば、水素原子;メチ
ル基、エチル基、ピロピル基、1−メチルエチル基、ブ
チル基、1−メイルプロピル基、2−メチルプロピル
基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基などの低級アルキル基;メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t
ert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、などの低級アルコキシ基を挙げることができる。こ
れらの中でも、水素原子、メチル基、エチル基などのさ
らに低級なアルキル基、メトキシ基などのさらに低級な
アルコキシ基が好ましく、特に水素原子、メチル基、メ
トキシ基などが好ましい。
なお、この発明の方法においては、前記一般式〔I〕
で表されるベンゼン誘導体、および前記一般式〔II〕、
〔III〕で表されるピロール、チオフェン誘導体の中か
ら1種または2種以上の化合物を単独重合または共重合
せしめて様々な種類、構造の芳香族高分子化合物(単独
重合体・共重合体またはそれらの混合物もしくは組成
物)を得ることができる。
本発明においては、前記一般式〔I〕で表されるベン
ゼン誘導体を重合することにより、通常一般式〔IV〕 (ただし、式〔IV〕中のR9乃至R12は、それぞれ前記一
般式〔I〕中のR1乃至R4と同意味を有する。)であらわ
される主鎖構造を有する芳香族重合体を得ることができ
る。
また、前記一般式〔II〕、〔III〕であらわされるピ
ロール、およびチオフェン誘導体を重合することによ
り、通常一般式〔V〕、〔VI〕 (ただし、式〔V〕、〔VI〕中のR13乃至R16は、それぞ
れ前記一般式〔II〕、〔III〕中のR5乃至R8と同意味を
有する。)で表される主鎖構造を有するポリピロール、
ポリチオフェン等を得ることができる。
本発明の芳香族誘導体としては、前記に例示の置換基
を有する一般式〔I〕〔II〕〔III〕を挙げることがで
きるが、易動性の水素を有する化合物で、酸化ピーク電
位(銀/塩化銀基準)が約2.2V以下であるものは制限を
受けず、対応するモノ単位骨格を有するポリマーを得る
ことができる。
ここで、いわゆるホモポリマーを得ることを目的とし
た場合には、反応原料として、前記一般式〔I〕、で表
されるベンゼン誘導体、または前記一般式〔II〕、〔II
I〕で表されるピロール、又はチオフェン誘導体の1種
を単独で用いればよい。
前記一般式〔I〕で表されるベンゼン誘導体として
は、更に具体的には次のものを掲げることができる。
前記一般式〔II〕、〔III〕で表されるピロール又は
チオフェン誘導体として、ピロール、チオフェン等のα
位がブロックされていない化合物が適する。例えば、ピ
ロール、3−メチルピロール、3,4−ジメチルピロー
ル、3−エチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3
−プロピルピロール、3,4−ジプロピルピロール、3−
t−ブチルピロール、3,4−ジ−t−ブチルピロール、
3−メトキシピロール、3,4−ジメトキシピロール、3
−エトキシピロール、3,4−ジエトキシピロール、3−
プロポキシピロール、3,4−ジプロポキシピロール、3
−t−ブトキシピロール、3,4−ジ−t−ブトキシピロ
ール、3−メチル−4−エチルピロール、3−メチル−
4−プロピルピロール、3−メチル−4−t−ブチルピ
ロール、3−エチル−4−プロピルピロール、3−エチ
ル−4−t−ブチルピロール、3−プロピル−4−t−
ブチルピロール、3−メチル−4−メトキシピロール、
3−メトキシ−4−メチルピロール、3−メトキシ−4
−プロピロール、3−メトキシ−4−t−ブチルピロー
ル、3−エチル−4−エトキシピロール、3−エトキシ
−4−プロピルピロール、3−エトキシ−4−t−ブチ
ルピロール、3−プロピル−4−プロポキシピロール、
3−プロポキシ−4−t−ブチルピロール、3−t−ブ
チル−4−t−ブトキシピロール等のピロール類、チオ
フェン、3−メチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフ
ェン、3−エチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェ
ン、3−プロピルチオフェン、3,4−ジプロピルチオフ
ェン、3−t−ブチルチオフェン、3,4−ジ−t−ブチ
ルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3,4−ジメト
キシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3,4−ジエ
トキシチオフェン、3−プロポキシチオフェン、3,4−
ジプロポキシチオフェン、3−t−ブトキシチオフェ
ン、3,4−ジ−t−ブトキシチオフェン、3−メチル−
4−エチルチオフェン、3−メチル−4−プロピルチオ
フェン、3−メチル−4−t−ブチルチオフェン、3−
エチル−4−プロピルチオフェン、3−エチル−4−t
−ブチルチオフェン、3−プロピル−4−t−ブチルチ
オフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−
メトキシ−4−エチルチオフェン、3−メトキシ−4−
プロピルチオフェン、3−メトキシ−4−t−ブチルチ
オフェン、3−エチル−4−エトキシチオフェン、3−
エトキシ−4−プロピルチオフェン、3−エトキシ−4
−t−ブチルチオフェン、3−プロピル−4−プロポキ
シチオフェン、3−プロポキシ−4−t−ブチルチオフ
ェン、3−t−ブチル−4−t−ブトキシチオフェン等
のチオフェン類が挙げられる。
本発明においては、バナジルアセチルアセトナト(VO
(acac))及び酸化モリブデンアセチルアセトナト
(MoO2(acac))から選ばれる触媒を用いる。
酸としては、プロトン酸、もしくはプロトン供与性物
質の共存により一部がプロトン酸に変化する物質であ
り、公知の有機酸、無機酸又はそれらの混合物もしくは
複合体を用いることができる。具体的には、例えば、塩
酸、臭化水素酸、青酸などの非酸素酸、硫酸、リン酸、
塩素酸、臭素酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、モリブデン酸、
イソポリ酸、ヘテロポリ酸などの無機オキソ酸、硫酸水
素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、プロトン残留
ヘテロポリ酸塩、モノメチル硫酸、トリフルオロメタン
硫酸等の硫酸の部分塩もしくは部分エステル;塩化アン
モニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ヘ
テロポリ酸アンモニウムなどの溶媒に溶解したり、分解
によってプロトン酸として作用しうる化合物;酢酸、プ
ロピオン酸、ブタン酸、コハク酸、安息香酸、フタル酸
などの1価もしくは多価のカルボン酸、モノクロロ酢
酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢
酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン
置換カルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリエ
ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼ
ンジスルホン酸などの1価もしくは多価のスルホン酸;
ベンゼンジスルホン酸ナトリウムなどの多価のスルホン
酸の部分金属塩などを挙げることができる。
これちの中でも、非揮発性で安定性の高い強酸性プロ
トン酸が好ましく、特に硫酸、トリフルオロ酢酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸などが好ましい。
これら酸は、1種単独で用いてもよいし2種以上混合
もしくは複合して組み合わせて用いてもよい。
なお、これらの酸は、重合の際に酸化反応に対する触
媒作用を有するものと思われる。
本発明においては、一般式〔I〕で表されるベンゼン
誘導体、一般式〔II〕、〔III〕で表されるピロール、
チオフェン誘導体の中から選ばれる少なくとも1種の化
合物を、酸の存在下にバナジルアセチルアセトナト及び
酸化モリブデンアセチルアセトナトから選ばれる触媒を
用い、酸化カップリング重合して、それぞれ対応する重
合体を製造する。
この重合は、溶媒の非存在下においても行い得るが、
通常、溶媒の存在下に行うことが望ましい。
この溶媒としては、重合活性を実質的に消失させない
ものであれば使用可能であるが、用いるモノマーおよび
酸を溶解できるものが望ましい。
通常、好適に使用できる溶媒としては、例えば、ニト
ロメタン、ジクロロメタン、ジブロモエタン、テトラク
ロロエタン、ニトロベンゼンなどを挙げることができ、
このほか一般にフリーデルクラフツ反応やカチオン重合
等に使用される溶媒も適宜に選択して好適に使用でき
る。
なお、これらの溶媒は、1種単独で用いても2種以上
混合して用いてもよい。
本発明における重合は、重合の進行とともにH2Oの発
生を伴う。モノマーの反応性により異なるが、脱水剤存
在下で行なう場合もある。塩基性物質除去および/また
はポリマー収率向上のために好適に使用することのでき
る脱水剤として、無水酸、例えば無水酢酸、無水トリフ
ルオロ酢酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸などを
挙げることができる。このほか、重合反応に影響を与え
ないものであれば制限はなく、無水硫酸ナトリウム、塩
化カルシウム等を用いてもよい。
本重合には、酸素の存在が必要であるが、通常、酸素
分圧は高いほど好ましい。しかし大気圧下、または減圧
下であっても可能である。
重合反応に使用する前記触媒〔A〕と前記一般式
〔I〕、〔II〕、〔III〕等で表されるモノマー〔B〕
との割合〔A〕/〔B〕(モル比)は、通常、0.1〜0.0
05である。
この値が0.005未満であると重合速度が遅くなる。一
方、0.1をこえると使用量の割りには重合速度が向上し
なくなり経済上不利になる。
モノマー濃度、即ち、前記一般式〔I〕、〔II〕、
〔III〕等で表されるモノマーの合計濃度は、特に制限
されないが、通常、例えば、10-4〜10mol/の範囲とす
ると良い。モノマーが重合温度で液体の場合、モノマー
自体を溶媒とするバルク重合も可能である。
また、前記酸、および脱水剤の使用割合は、酸の種
類、組成、モノマーや溶媒の種類、系中の水分等の不純
物の濃度、反応温度など他の条件によって異なるので一
様に規定できないが、前記重合反応が開始される濃度
で、かつ、目的とする重合反応以外の分解反応等の副反
応が抑制される濃度であればよい。
水の存在は、重合速度を増加させたり、重合活性を低
下させたり、重合に対して様々な形で影響を与えるが、
水の濃度がある濃度以上になると、通常、重合活性が著
しく低下するので、その濃度を許容範囲内となるように
設定して行うのが好ましい。この水の許容濃度範囲は、
使用する酸や溶媒の種類などによって異なるので一様に
規定できない。
前記重合に際しての反応温度は、使用する酸やモノマ
ーの種類によって一様ではないが、通常、−5〜150℃
であり、好ましくは0〜50℃である。
反応圧力および酸素分圧としては、特に制限はなく、
通常、常圧もしくは反応系の自圧で好適に行うことがで
きる。もっとも、必要により重合反応に支障にない希釈
ガスなどとの混合ガスをもちいて加圧下に行うこともで
きる。
反応時間は、用いる酸、モノマーの種類やその使用割
合、反応温度、酸素分圧、触媒の使用割合、溶媒等の条
件によって著しく異なるが、通常、0.5〜100時間であ
り、好ましくは2〜50時間である。
重合反応系を構成するにあたっての前記触媒、モノマ
ー、酸、溶媒等の配合の順序、方法については特に制限
はなく、それぞれを同時にあるいは種々の順序、様式で
段階的に配合することができる。
反応方式としては特に制限はなく、連続式、半連続
式、回分式のいずれの方法を用いてもよい。回分式を用
いる場合には、反応系を撹拌して行うことが望ましい。
以上のような方法によって、反応後、溶液中に目的と
するポリマーを得ることができる。
後処理は、公知の方法に準じて行うことができる。重
合を溶液重合で行った場合の後処理の1例を挙げれば、
以下の通りである。
すなわち、前記重合反応が簡潔もしくは必要な程度に
進行したならば、反応混合物を水、メタノールなどの低
級アルコールあるいはこれらの混合液と接触させて、触
媒を失活させるとともに、生成物のポリマーを沈澱せし
める。この際、必要により、塩基性物質等の重合停止剤
を併用してもよい。
しかし上記の様に、必ずしも、貧溶媒または塩基性物
質と接触させる必要はなく、重合途中で重合溶液中に析
出するポリマーであるならば重合を継続しながらポリマ
ーを分離し乾燥できる。
沈澱したポリマーは、通常のろ過などの分離操作によ
って液体から分離する。この分離したポリマーは、必要
に応じてアルカリ水溶液などの洗浄液によって洗浄もし
くは中和・洗浄し、さらに必要に応じて、適当な溶媒と
再沈液とを用いて溶解・再沈・分離・メタノール洗浄な
どの操作を必要なだけ繰り返したのち乾燥し、種々の純
度に精製したポリマーとして回収することができる。
なお、溶解・再沈に用いる溶媒としては、ポリマーを
効率よく溶解するという点などから、例えば、N−メチ
ルピロリドンなどが好適に用いられる。
また、上記再沈液、洗浄液としては、例えば水、メタ
ノールあるいは、これらの混合液などが使用でき、特に
メタノールなどが好適に使用できる。
一方、モノマーから分離した混合液中の未反応モノマ
ー、副生低分子化合物、溶媒などは、通常の蒸留操作に
よって精製・回収でき、繰り返し反応系や後処理工程に
利用し、あるいは他の種々な用途に有効に利用すること
ができる。
以上のような方法によって、所望のポリマーを含む反
応混合物を得ることができる。
目的とするポリマーは、この反応混合物に様々な後処
理を施して、種々の純度、形態として回収することがで
きる。
この発明によって得られたポリフェニレン誘導体、ポ
リピロール類、ポリチオフェン類、あるいはそれらが混
合または複合した重合体は、耐熱性、耐薬品性に選れた
高純度のポリマーである。これらのポリマーは種々のド
ーパントをドープすることにより、容易に導電性高分子
となり得る。
〔実施例〕
実施例1 酸素分圧2atm中、p−ジメトキシベンゼン2.76gをニ
トロベンゼン100mlに溶解させ、バナジルアセチルアセ
トナト0.26g(触媒/モノマー=1/20)、トリフルオロ
酢酸11.4g、無水トリフルオロ酢酸4.20gを混合して一日
前後撹拌した。反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下
すると白色の沈澱が得られた。沈澱を濾過、洗浄、乾燥
し、白色粉末(2.26g)を得た。
元素分析(計算値)C;69.23(69.56%) H; 7.56( 7.25%) 0;23.01(23.19%) Li,Na,K,Cu;0ppm IRスペクトル νC-H=2990,2930,2830cm-1 ν =1490,1460cm-1 νC-O=1210,1040cm-1 δC-H=860,805,760cm-1 収率 82%,融点 320℃ 以上により純度の高いポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フ
ェニレン)を確認した。
実施例2 大気下、3−メトキシピロール0.96gをシグロロメタ
ン50mlに溶解し、酸化モリブデンアセチルアセトナト
(MoO2(acac))0.32g(触媒/モノマー=1/10)、
トリフルオロメタンスルホン酸0.15g、無水トリフルオ
ロ酢酸4.20gのニトロベンゼン溶液50mlと混合し、20時
間撹拌した。所定の精製によりポリ(3−メトキシピロ
ール)粉末0.67gを得た。収率71%、融点300℃以上。
元素分析(計算値)C;63.57(63.83%) H; 4.57( 4.26%) N;14.63(14.89%) 0;17.10(17.02%) IRスペクトル νN-H=3490cm-1 νC-H=3050cm-1 νC-O=1190cm-1 δC-H=770,750cm-1 実施例3 大気下、ピロール0.33g、チオフェン0.42gをジクロロ
メタンに溶解し、バナジルアセチルアセトナト(VO(ac
ac))0.13g(触媒/モノマー=1/20)、トリフルオ
ロメタンスルホン酸0.08g、活性アルミナと混合し、−2
0℃で50時間反応させた。所定の精製により、ポリ(ピ
ロール−コ−チオフェン)共重合体粉末0.51gを得た。
収率68%、分解点400℃以上。
元素分析(計算値)C;65.46(65.75%) H; 2.91( 2.74%) N; 9.51( 9.59%) S;21.85(21.92%) 〔発明の効果〕 本発明は、反応条件がきわめて温和であり、製造法が
簡便である。かつ原料および触媒として極めて安価なも
のを使用してNaやCu等を全く含まない芳香族高分子化合
物を提供でき工業的に有利な製造法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−241023(JP,A) 特開 昭62−17905(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 61/00 - 61/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式〔I〕で表されるベンゼン誘
    導体、一般式〔II〕で表されるピロール誘導体及び一般
    式〔III〕で表されるチオフェン誘導体から選ばれる芳
    香族誘導体を、常温、常圧、酸性下にバナジルアセチル
    アセトナト及び酸化モリブデンアセチルアセトナトから
    選ばれる触媒により酸素酸化重合することを特徴とする
    芳香族高分子化合物の製造法。 (上式中、R1乃至R8は、それぞれ水素原子、低級アルキ
    ル基及びアルコキシ基から選択された置換基を表し、こ
    れらは互いに同じ種類であっても異なった種類であって
    もよい。)
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JPH037715A (ja) 1991-01-14

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