JP2816426B2 - 新規なフェニレン系重合体、その製造方法及びそれを用いた有機導電材料 - Google Patents

新規なフェニレン系重合体、その製造方法及びそれを用いた有機導電材料

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JP2816426B2
JP2816426B2 JP7245119A JP24511995A JP2816426B2 JP 2816426 B2 JP2816426 B2 JP 2816426B2 JP 7245119 A JP7245119 A JP 7245119A JP 24511995 A JP24511995 A JP 24511995A JP 2816426 B2 JP2816426 B2 JP 2816426B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なフェニレン系
重合体、その製造方法及びそれを用いた有機導電材料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリ(p−フェニレン)がベンゼ
ンの電解酸化重合あるいはジハロゲン化ベンゼン類の電
解還元重合によって製造されることが知られており(Ch
em. Lett., 457(1992); Polymer, 34,401(1993))、得
られたポリマーの酸化あるいは還元により陰イオンある
いは陽イオンがドーピングされp型あるいはn型半導体
となる。この性質を利用してポリ(p−フェニレン)の
電極材料への応用及び酸化・還元時の吸光度変化を用い
た表示素子としての応用が可能である。しかしながら還
元によってn型半導体とするためには、−2V以下の電
位を印加する必要があるので、溶媒もしくは支持電解質
の分解を招きやすいという欠点があり、実用化されるに
至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな欠点を克服すべく鋭意研究を行った結果、ある種の
ポリ(p−フェニレン)誘導体がその目的に適合するこ
とを見い出し、本発明を完成するに至ったもので、本発
明の目的は−2V以上の溶媒及び支持電解質の分解が起
こりにくい穏和な条件下で還元反応が可能な有機導電材
料及びその製造技術を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は式
(I)
【0005】
【化5】
【0006】で示される繰り返し単位から成り、かつ、
赤外吸収スペクトルで検知しうるC=O結合を有しない
ことを特徴とする重合体であり、この製法として式(I
I)
【0007】
【化6】
【0008】(式中のXはCl、BrもしくはIを示
す。)で示される化合物をハロゲン化ニッケルの存在下
で重縮合させることを特徴とする、式(I)
【0009】
【化7】
【0010】で示される繰り返し単位から成り、かつ、
赤外吸収スペクトルで検知しうるC=O結合を有しない
ことを特徴とする重合体の製造方法であって、更に、得
られた式(I)
【0011】
【化8】
【0012】で示される繰り返し単位から成り、かつ、
赤外吸収スペクトルで検知しうるC=O結合を有しない
ことを特徴とする重合体に陽イオンをドーピングさせて
成る有機導電材料である。
【0013】式(I)
【化9】
【0014】で示される繰り返し単位から成るポリ(ベ
ンゾニトリル)は新規化合物であって、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒に可
溶なので、フィルムなどに成形することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】このポリ(ベンゾニトリル)は式
(II)
【0016】
【化10】
【0017】(式中のXはCl、BrもしくはIを示
す。)で示されるジハロゲン化ベンゾニトリルをハロゲ
ン化ニッケル、置換ホスフィン及び亜鉛を用いて重縮合
することにより製造することができる。置換ホスフィン
としては、トリフェニルホスフィンなどのトリアリール
ホスフィン又はトリエチルホスフィン、トリイソプロピ
ルホスフィン等のトリアルキルホスフィンが用いられる
がトリフェニルホスフィンが好ましい。この際に用いら
れるハロゲン化ニッケルとしては、塩化ニッケル、臭化
ニッケルなどがあげられ、また、亜鉛の代わりにマンガ
ン、マグネシウムなどを用いることができる。反応溶媒
としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどが適しており、加熱温度としては
40〜120℃、好ましくは50〜80℃の範囲であ
る。重合は反応中間体が酸素と化合して副生物を生じる
のを防ぐため、不活性雰囲気下で行う。この際の不活性
雰囲気としては窒素、アルゴンなどが用いられる。
【0018】ハロゲン化ニッケルは亜鉛などの還元性金
属によりゼロ価ニッケルになり、ジハロゲン化ベンゾニ
トリルと錯体を作り、この錯体がもう一つのジハロゲン
化ベンゾニトリルと付加する過程を経て、ベンゾニトリ
ルが2量化する。以下、この経路を繰り返すことにより
ポリ(ベンゾニトリル)が生成するものと考えられる。
ハロゲン化ニッケルの使用量は特に制限はないが、式
(II)で表わされる化合物に対し、 2モル%以上、好ま
しくは 5〜20モル%である。置換ホスフィンの使用量は
特に制限はないが式(II)で表わされる化合物に対し、
10モル%以上、好ましくは20〜80モル%であり、亜鉛、
マンガン、マグネシウムの使用量も特に制限はないが式
(II)で表わされる化合物に対し、モル比で 0.5倍以
上、好ましくは 1〜 5倍である。
【0019】本発明の式(I)で示される繰り返し単位
からなる重合体はその中に赤外吸収スペクトルで検知し
うるC=O結合を有しないという特徴を有する。その分
子量は、通常 500〜10000 、好ましくは1000〜10000 で
ある。従来法ではフェニレン系重合体の製造には電解還
元重合を用いている。この方法は電位の大きさによって
反応を進行させようとするものであり、例えば原料の
2,5−ジクロロベンゾニトリルが容易には還元され
ず、−2.5Vという負の大きな電位が必要となるた
め、重合中間体がきわめて不安定なものとなり、簡単に
酸化されこれがC=Oの生成として現れるものと考えら
れる。これに対し、本発明の方法では、錯体の生成によ
り穏和な条件で還元反応が進行し、このような酸化物が
認められない。本発明の方法により得られたポリ(ベン
ゾニトリル)はそのままの状態では絶縁体であるが、テ
トラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニ
ウムイオン、テトラ−n−ブチルアンモニウムイオン、
リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンな
どの陽イオンをドーピングすることにより半導体として
の性質を示すようになる。ドーピングする陽イオンの量
は式(I)で示される繰り返し単位からなる重合体に対
し、繰り返し単位当り 1モル%以上、好ましくは 5〜50
モル%である。このドーピングは電極上に作ったポリ
(ベンゾニトリル)膜に、支持電解質を溶解した溶媒中
で電位を印加することにより行うことができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒に可溶で容易に成
形しうるポリ(ベンゾニトリル)を製造することがで
き、また、このポリマーは−2V以上の穏和な条件下で
の還元反応が可能である。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0022】実施例1 還流冷却器、マグネチックスターラー付き30ml三頚フラ
スコに、塩化ニッケル0.065g(0.50 ミリモル) 、トリフ
ェニルホスフィン1.0g(3.8ミリモル) 及び亜鉛1.0g(15.
3 ミリモル) を入れ、系を真空にした後に窒素ガスを導
入するという操作を3回繰り返して不活性雰囲気とし
た。乾燥したN,N−ジメチルホルムアミド4mlをセプ
タムキャップから注射器によって加え、80℃に昇温する
と赤褐色を呈した。2,5−ジクロロベンゾントリル
0.86g(5.0ミリモル) を乾燥N,N−ジメチルホルムア
ミド5mlに溶解し窒素置換したものを加えると、緑色に
変化した後に次第に赤褐色となった。18時間かくはん
し、反応混合物をエーテル300mlに入れ、過剰の亜鉛及
び未反応モノマーを除去し、1N塩酸100ml で2回処理
後、水、メタノールで洗浄し、真空乾燥を行った。黄白
色粉末0.267g(53%) を得た。融点378 〜384 ℃(一部分
解)。このポリ(ベンゾニトリル)の赤外吸収スペクト
ルを図1に示す。これより、 833,2223cm-1 にバンド
が観測され、それぞれ1,2,4−トリ置換ベンゼンの
面外変角振動、C≡N結合の伸縮振動に帰属される。
【0023】実施例2 実施例1における仕込量を塩化ニッケル0.033g(0.25 ミ
リモル) 、トリフェニルホスフィン0.5g(1.9ミリモル)
及び亜鉛0.5g(7.65 ミリモル) としたほかは同様に操作
を行った。淡黄色粉末0.218g(43%) を得た。融点386 〜
393 ℃(一部分解)。
【0024】実施例3 実施例1における仕込量を塩化ニッケル0.0165g(0.125
ミリモル) 、トリフェニルホスフィン0.25g(0.95ミリモ
ル) 及び亜鉛0.25g(3.83ミリモル) としたほかは同様に
操作を行った。灰白色粉末0.015g(3%)を得た。融点361
〜372 ℃(一部分解)。
【0025】実施例4 実施例1で得られたポリ(ベンゾニトリル)を、N,N
−ジメチルホルムアミドに溶解し、白金板上に塗布、乾
燥させてフィルムを作成した。この白金板を作用電極、
銀線を参照電極として、炭酸プロピレン中、0.1 M テ
トラフルオロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウムを
支持電解質として、100 mV/Sの掃引速度で0 〜−2.
1 V(vs Ag)の範囲でサイクリックボルタモグラムを測
定すると、−1.65Vにポリマーが中性状態からn型半導
体への変化を表す還元ピークが認められた。この還元電
位は溶媒を炭酸プロピレンからテトラヒドロフランに代
えると、-1.3V(vs Ag)となった。
【0026】比較例 作用電極及び対極として白金板、参照電極として銀線を
備えたアルゴンガス導入管付き20ml四頸フラスコに乾燥
したテトラヒドロフラン15mlを入れ、2,5−ジクロロ
ベンゾニトリル0.129g(0.75ミリモル)、テトラフルオ
ロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウム0.494g(1.5ミ
リモル)を加えて溶解させた後、アルゴンガスを導入
し、不活性雰囲気とした。作用電極に-2.5Vの電位を印
加し6時間通電すると黄褐色のフィルムが得られた。こ
のようにして得られたポリ(ベンゾニトリル)の赤外吸
収スペクトルは1720cm-1に、C=O結合の存在を示す吸
収がみられた。このポリ(ベンゾニトリル)を使って実
施例4と同様にドーピングを行ってテトラヒドロフラン
中での還元電位を測定したところ、-2.1V(vs Ag)であ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ(ベンゾニトリル)の赤外吸収スペクトル
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 S.Tanaka,T.Iso”Re ductive Electropol ymerization of 2,5 −Dichlorobenzonitr ile" J.Chem.Soc.,Chem. Commun.,(1994),(9), 1071−1072 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 61/10 H01B 1/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で示される繰り返し単位から成り、かつ、赤外吸収スペ
    クトルで検知しうるC=O結合を有しないことを特徴と
    する重合体。
  2. 【請求項2】 式(II) 【化2】 (式中のXはCl、BrもしくはIを示す。)で示され
    る化合物をハロゲン化ニッケルの存在下で重縮合させる
    ことを特徴とする、式(I) 【化3】 で示される繰り返し単位から成り、かつ、赤外吸収スペ
    クトルで検知しうるC=O結合を有しないことを特徴と
    する重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(I) 【化4】 で示される繰り返し単位から成り、かつ、赤外吸収スペ
    クトルで検知しうるC=O結合を有しないことを特徴と
    する重合体に陽イオンをドーピングさせて成る有機導電
    材料。
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