JPH0673169A - ポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイル)重合体、その製造法及び利用法 - Google Patents

ポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイル)重合体、その製造法及び利用法

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JPH0673169A
JPH0673169A JP4230168A JP23016892A JPH0673169A JP H0673169 A JPH0673169 A JP H0673169A JP 4230168 A JP4230168 A JP 4230168A JP 23016892 A JP23016892 A JP 23016892A JP H0673169 A JPH0673169 A JP H0673169A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08G73/0622Polycondensates containing six-membered rings, not condensed with other rings, with nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶媒に可溶で、分子量が充分に高く、優
れた耐熱性、高い安定性を有し、化学的・電気化学的還
元により明瞭な色の変化を示し、n型導電体となる新規
な導電性高分子であるポリ(アルキルピリジン−2,5
−ジイル)重合体を提供し、その重合体をエレクトロク
ロミック素子、フィルム等の成形体、n型導電体デバイ
ス用材料等として利用する。 【構成】 炭素数が3以上の長鎖アルキル基を有する、
少なくとも50の重合度を有するポリ(アルキルピリジン
−2,5−ジイル) 重合体。この重合体は、長鎖アルキ
ル基を有するジハロゲン化芳香族化合物を脱ハロゲン化
能を有する金属又は金属化合物と反応させて、ハロゲン
原子を脱ハロゲン化して重合することによって製造す
る。この重合体は有機溶媒に可溶であるから、繊維、膜
等の乾式成形が可能であり、化学的・電気化学的還元に
より明瞭な色の変化を示し、n型導電体等となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長鎖アルキル基を置換基
として有するジハロゲン化芳香族化合物、例えば2,5
−ジハロゲン化アルキルピリジンから、2ケ所のハロゲ
ン原子を除いた2価の残基を反復構成単位としてなり、
主鎖に沿ったπ共役系を有し、電気化学的ドーピングに
より導電化され、空気中において高い安定性を示し、有
機溶剤に溶解性を有する新規な導電性高分子であるポリ
(アルキルピリジン−2,5−ジイル)重合体及びその
製造法並びに利用に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、π共約系高分子化合物は、電気
的、光学的機能材料として注目されている。これらのπ
共約系高分子化合物は、主鎖に沿った1次元的なπ電子
の拡がりを有し、このため主鎖に沿った方向と、その直
角方向との間で電気的・光学的異方性が見られる。この
異方性を有効に発揮させるために、高分子の主鎖を配向
させることが重要であるが、一次元的なπ電子の広がり
は、これらの高分子を剛直にし、不溶不融なものとする
ため、任意な形状に制御し配向させることは困難であ
る。これらの導電性高分子として、主鎖に沿ってπ共役
系を有する物質には、例えば次の化6に示されたものが
種々知られている。
【0003】
【化6】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
た殆どのπ共役導電性高分子は、有機溶剤等に対する溶
解性が小さくかつ不融である場合が多いため有効な加工
手段がない。従って成形性、賦形性に乏しく、その利用
法も限られ、それらの特徴ある機能を引き出すうえにお
ける問題点となっている。このために、ポリチオフェ
ン、ポリ−p−フェニレン、ポリピロール等について、
置換基を導入して、有機溶剤に対するその溶解性を向上
させる試みが行なわれてきた。
【0005】しかし、これらの物質は主として酸化によ
りp型導電体となるのみである。従って、分子構造を工
夫することにより、従来の導電性高分子にはない物性を
備えた物質の開発が望まれている。例えば、従来の導電
性高分子とは異なり、p型導電体と併せてn型導電体と
なり易いπ共役導電性高分子を得ることができれば、そ
れを半導体デバイスとして用いることができる。
【0006】一方、上記化6で示したポリピリジンは、
還元によりn型導電体になり易い物質ではあるが、ギ酸
又は濃硫酸のような特定の溶媒にしか溶解せず、利用範
囲が極めて狭く、更に従来のポリピリジンは十分に高い
分子量を有さないため、丈夫なフィルム等が得られず、
その利用範囲が狭くなっているという問題がある。
【0007】本発明は、これらの状況のもと、新しい分
子構造を有する導電性高分子を探索し、上記問題を解決
すべく鋭意研究の結果完成したものである。
【0008】本発明の目的は、充分に分子量が高く優れ
た耐熱性を有しかつ有機溶媒に可溶で、偏光解消度、電
気化学的酸化還元電位のコントロール可能な新規なポリ
(アルキルピリジン−2,5−ジイル)重合体を提供す
るにある。
【0009】本発明の別の目的はこのような新規なポリ
(アルキルピリジン−2,5−ジイル)重合体を、繊
維、フィルム等の成形体、n型導電体等の導電材料、バ
ッテリー用材料、エレクトロクロミック素子材料、トラ
ンジスタ又はダイオード等の電子素子用材料、等として
利用するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ジハロゲン
化芳香族化合物である2,5−ジハロゲン化アルキルピ
リジンから2カ所のハロゲン原子を除いて誘導される次
の化7、
【0011】
【化7】 (式中、RはC数が3以上の長鎖アルキル基を表す)で
示される2価の基を反復構成単位とし且つ重合度(n)
が50以上であるポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイ
ル)重合体によって達成される。ここで、重合度(n)
が50未満ではポリマーとしての十分な機能を発揮するこ
とができない場合がある。また、本発明者等は、後述の
製造法によって重合度(n)が230 程度のものまでの本
発明重合体とその優れた特性並びに有用性とを実験的に
一応確認したが、230 程度を越える重合度のものの調製
及びその利用も技術的に当然期待される。更に、アルキ
ル基(R)は炭素数が3以上の長鎖アルキル基、例えば
ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ドデ
シル基等を示す。炭素数が3未満であると有機溶媒に溶
解しにくくなるため好ましくない。また本発明の化合物
は、かかる長鎖アルキル基をその構造中に有するため、
分子量が充分に高く(分子量10000 以上) なる。
【0012】上記重合体は、ピリジンの任意の箇所の水
素原子を長鎖アルキル基に置換した、次の化8式
【0013】
【化8】 (式中、Rは炭素数が3以上の長鎖アルキル基を表す)
で示される2位と5位の2ケ所の水素原子をハロゲンに
置換した次の化9式
【0014】
【化9】 (式中、Rは炭素数が3以上の長鎖アルキル基、Xはハ
ロゲンを表す)で示されるジハロゲン化芳香族化合物を
ゼロ価ニッケル化合物と反応させることによって製造さ
れる。又、前記化9で表されるジハロゲン化芳香族の化
合物は、次の方法により得ることができる。次の化10
【0015】
【化10】 で表される2−アミノ−メチルピリジン(東京化成
(株)製)をテトラヒドロフラン溶媒中でn−ブチルリ
チウム及びトリメチルシリルクロライドと反応させ化1
1式、
【0016】
【化11】 で表わされる化合物を製造し、この化合物を、テトラヒ
ドロフラン溶媒中でリチウムジイソプロピルアミド及び
ハロゲン化アルキル(アルキル基中の炭素数は3以上で
ある)と反応させてアルキル化し、化11式中のメチル
基を長鎖化する。
【0017】
【化12】 (式中のRは炭素数3以上のアルキル基を示す)。上記
化12式で示される2−アミノ−アルキルピリジン化合
物をハロゲンを用いてエタノール、水酸化ナトリウム中
でまず第一段階のハロゲン化をして、化13式で示され
る2−アミノ−5−ハロゲン化−アルキルピリジンを
得、
【0018】
【化13】 (式中のRは炭素数3以上のアルキル基、Xはハロゲン
を示す) 次いで、ハロゲンを用いてハロゲン化水素、亜硫酸ナト
リウム、水酸化ナトリウム中で第二段階のハロゲン化を
して、本発明で使用する化9式で示されるジハロゲン化
アルキルピリジンを得ることができる。
【0019】更に、本発明の重合体は化9で示されるジ
ハロゲン化芳香族化合物、例えば2,5−ジハロゲン化
アルキルピリジン化合物をニッケル化合物、パラジウム
化合物等の遷移金属化合物の存在下で電解還元すること
によっても製造することができる。
【0020】又、本発明の重合体は化9で示される2,
5−ジハロゲン化アルキルピリジン化合物を、ニッケル
化合物、パラジウム化合物等の遷移金属化合物の存在下
でマグネシウム(Mg)又は亜鉛(Zn)により脱ハロゲン化重
縮合することによっても製造できる。
【0021】本発明の新規なポリ(アルキルピリジン−
2,5−ジイル)重合体は、その優れた特性を利用し
て、有機溶媒に溶かした後に良好な繊維またはフィルム
として成形でき、又この重合体を還元剤又は化学的・電
気化学的ドーピングにより還元してバッテリー用材料、
エレクトロクロミック素子材料、トランジスタ又はダイ
オード等の電子素子用材料、n型導電体等の導電材料と
して利用することができる。
【0022】
【作用】本発明にかかるポリ(アルキルピリジン−2,
5−ジイル)重合体は、化9で示されるジハロゲン化芳
香族化合物、例えば2,5−ジハロゲン化アルキルピリ
ジンに有機溶媒中において等モル以上のゼロ価ニッケル
化合物を加えて反応させ、脱ハロゲン化することによっ
て取得される。好適な反応温度は室温〜70℃の間にあ
り、約2〜48時間程度で反応は完結する。上記有機溶媒
としては例えば、N, N- ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン等が適用可
能である。
【0023】ゼロ価ニッケル化合物はハロゲン化芳香族
化合物よりハロゲンをとり、芳香族基間のカップリング
反応を起こさせる[例えば、「シンセシス」(Synthesi
s),736 頁(1984)参照]。この反応は次の化14で表
わされる。
【0024】
【化14】 Ar-X + Ar′-X + NiLm → Ar-Ar ′+ NiX2Lm (ここで、Ar及びAr′は芳香族基を、Xはハロゲン原子
を、Lは中性配位子を表し、従って、NiLmはゼロ価ニッ
ケル化合物を表す。)
【0025】従って、分子内に2個のハロゲンを有する
芳香族化合物、例えば2,5−ジハロゲン化アルキルピ
リジンに等モル以上のゼロ価ニッケル化合物を反応させ
ると、次の化15及び化16に示す脱ハロゲン化反応に
よって重合体が得られるのである。
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】 [ここで、
【外1】 は2,5−ジハロゲン化アルキルピリジン(Rは炭素数
3以上の長鎖アルキル基、Xはハロゲン)を示す。]
【0028】上述の反応において、ゼロ価ニッケル化合
物は、重合反応を行う直前に反応系で(いわゆる in si
tuで)合成したものをそのまま用いることも、又は予め
合成単離したものを用いることもできる。かかるゼロ価
ニッケル化合物は例えば、中性配位子存在下での還元反
応又は配位子交換反応によって生成するニッケル錯体で
あり、その中性配位子としては、1, 5- シクロオクタ
ジエン、2, 2′- ビピリジン、トリフェニルホスフィ
ン等を例示することができる。
【0029】又、別の方法として、上記化9の2,5−
ジハロゲン化アルキルピリジンをニッケル化合物等の遷
移金属化合物の共存下で電解還元反応させると、脱ハロ
ゲン化反応によって化7に示すポリ(アルキルピリジン
−2,5−ジイル)重合体を得ることができる。即ち、
例えばニッケル化合物は電解槽中で電解還元すれば化1
7の反応によってゼロ価ニッケル化合物が生成する。
【0030】
【化17】[Ni11Lm]2+ + 2e → Ni0Lm
【0031】従って、分子内に2個のハロゲンを有する
芳香族化合物、即ち2,5−ジハロゲン化アルキルピリ
ジンをニッケル化合物の存在下で電解還元すると化17
の反応並びに引き続き反応系内に生ずる Ni0Lmが関与す
る化18〜化20に示す反応により化7の重合体が得ら
れるのである。電解は通常次の条件で行うことが出来
る。即ち、例えばN, N- ジメチルホルムアミド若しく
はアセトニトリルを溶媒として使用し、支持電解質とし
て過塩素酸テトラエチルアンモニウム若しくはテトラエ
チルアンモニウムテトラフルオロボレートを溶解して電
解液とし、電極には白金電極、ITO透明電極、若しく
は黒鉛電極を使用する。電解液に2,5−ジハロゲン化
アルキルピリジン及び2価ニッケル錯体を溶解し、2価
ニッケル化合物の還元電位[例えばトリス(2, 2- ビ
ピリジン)ニッケル塩では−1.7V(Ag/Ag + に対し
て)]で電解還元を行う。
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】[ここで、
【外2】 は2,5−ジハロゲン化アルキルピリジン(Rは炭素数
3以上の長鎖アルキル、Xはハロゲン)を示す。]
【0036】更に、別の方法として、上記化9の2,5
−ジハロゲン化アルキルピリジンを2価のニッケル化合
物の共存下でMg又はZnにより反応させると、脱ハロゲン
化反応により化9に示すポリ(アルキルピリジン−2,
5−ジイル)重合体を得ることができる。即ち、2価ニ
ッケル化合物は、Mg又はZnで還元することに化21の反
応によってゼロ価ニッケル化合物が生成する。
【0037】
【化21】
【0038】従って、分子内に2個のハロゲンを有する
芳香族化合物、即ち2,5−ジハロゲン化アルキルピリ
ジンを2価ニッケル化合物の存在下で等モル以上のMg又
はZnにより還元すると化21の反応並びに、この反応系
内に生ずる上記化18〜化20に示す反応により化9の
重合体が得られるのである。
【0039】上記ニッケル化合物は、重合反応を行う前
に予め合成単離したものを用いても、又は電解槽中で直
接、ニッケルあるいはニッケル化合物から合成したもの
をそのまま用いても良い。かかるニッケル化合物として
は、例えばトリス (2 , 2′- ビピリジン)ニッケルブ
ロマイド[Ni(bpy)3Br2 ]、ジブロモビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル[NiBr2(PPh3)2]等が挙げられ
る。
【0040】これらの重合反応を行う反応条件は制限は
ないが、実質的に水および酸素を含まない反応条件下で
重合を行うことが収率及び分子量を高める点から望まし
い。
【0041】
【実施例】以下、本発明を更に具体的かつ詳細に実施例
について説明する。 実施例1 0.99g のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル
錯体(Ni(cod)2) (3.6mmol)を30mlのN,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMFと略称する。)に溶解し、0.56g
2,2′−ビピリジン(bpy) (3.6mmol) と0.39g の1,
5−シクロオクタジエン(cod) (3.6mmol) を加えた。こ
の溶液に20mlのDMF溶液に溶かした0.96g の6−ヘキ
シル−2,5−ジブロモピリジン(3.0mmol) を滴下後、
60℃の反応温度で48時間反応させ、重合を行った。重合
の進行とともにポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイ
ル)重合体の黄土色の沈澱物が生成した。反応終了後、
沈澱物を濾別回収し、下記の(イ)から(ホ)の物質を
用いて下記の順に各々数回洗浄しこの重合体の精製を行
った。
【0042】(イ)アンモニア水(29%) 、(ロ)メチ
ルアルコール、(ハ)エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウムの温水溶液(pH=3に調製)、(ニ)温水、(ホ)
メチルアルコール。洗浄後、真空乾燥し黄土色の粉末0.
40g のポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイル)重合
体を得た。重合体の収率は80%であった。
【0043】この重合体の赤外吸収スペクトルを図1に
示した。3030cm-1にピリジン環のC−H伸縮振動、2850
〜2950cm-1に側鎖ヘキシル基によるC−H伸縮振動、15
80、1460、1420cm-1にピリジン環の骨格振動および側鎖
メチレン基の変角振動、830cm-1にはピリジン環のC−
H面外変角振動に由来する吸収が見られる。
【0044】また、重合体の重クロロホルム中における
1H−NMRを図2に示す。δ=0.8 〜3.2ppm(内側標
準:テトラメチルシラン)には側鎖ヘキシル基、δ=7.
3 〜8.5ppmにはピリジン環の水素に由来する吸収が見ら
れる。それぞれのピークの面積比は約13:2であった。
また、得られた重合体の元素分析値は炭素80.3%、水素
8.9 %、窒素8.9 %、臭素0.0 %であった。
【0045】赤外吸収スペクトル 1H−NMR、元素分
析の結果は重合体が下記に示した構造を有することを支
持するものである。
【0046】
【化22】 (式中nは重合度を表わす。)
【0047】ポリ(ピリジン−2,5−ジイル)及びそ
のメチル誘導体が有機溶媒としてはギ酸のみに可溶であ
ったのに対して、上記重合体は側鎖として長鎖アルキル
基を有するため、ギ酸ばかりでなく以下に示す一般の有
機溶媒に可溶であった。すなわち、クロロホルム(約20
mg/ml の溶解性) 、テトラヒドロフラン(THF) 、ベ
ンゼン、トルエン、クレゾール、N−メチルピロリドン
(NMP)に可溶であり、ジエチルエーテルに一部可溶
であった。ポリ(ピリジン−2,5−ジイル)のギ酸溶
液からキャストフィルムの作製を試みたところ丈夫なフ
ィルムが得られなかったのに対して、本重合体の上記溶
液からキャストフィルを作製したところ、丈夫で黄土色
のフリースタンディングフィルム(free standing fil
m) が作製できた。
【0048】この重合体の分子量をギ酸溶液中で光散乱
法により測定したところ、重量平均分子量が37000(重合
度230)であり、ポリ(ピリジン−2,5−ジイル)(重
量平均分子量3800(重合度49))よりも高分子量であっ
た。また、分子量測定の際、ギ酸のかわりにクロロホル
ム溶液を用いても重量平均分子量はほぼ同様の値であっ
た。
【0049】上記重合体の紫外可視吸収スペクトルはギ
酸溶液中において約340nm 、クロロホルム、THF、ベ
ンゼン、トルエン、NMP溶液中のいずれにおいても約
320nm に鋭い吸収ピークを示した。さらに、上記重合体
は高い熱安定性を示した。窒素下における熱重量分析の
結果、300 ℃付近から重量減少が見られはじめ、900 ℃
における重量減少は約50%であった。
【0050】実施例2 実施例1で得たポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイ
ル)重合体のクロロホルム溶液を白金板上に塗布し、ク
ロロホルムを除去することにより重合体のフィルムを作
製した。この重合体フィルムについて0.1mol/1の (C
2H5)4N ClO4を含むアセトニトリル溶液中でサイクリッ
クボルタモグラムの測定を行った。その結果、本重合体
はAg/Ag+ に対して約−2.50V でカチオンがドーピング
(n型ドーピング)され、逆方向の掃引においては約−
2.45V (Ag /Ag+ に対しての電位) でカチオンが脱ドー
ピングされることが分かった。ドーピングに際して、重
合体のフィルムの色は、黄土色から濃い赤橙色に変色
し、脱ドーピング時ではこの逆の変色が見られた。
【0051】このように本重合体は電気化学的な還元す
なわち電気化学的なn型ドーピングが可能であり、ドー
ピングとともにエレクトロクロミック特性を示した。こ
のことから、本重合体はバッテリー用電極材料およびエ
レクトロクロミック素子材料として使用可能なことを示
している。またこのエレクトロクロミック現象を他のポ
リピリジン誘導体と比較したところ、ポリ(ピリジン−
2,5−ジイル)では黄色から赤橙色、ポリ(メチルピ
リジン−2,5−ジイル)では黄色から濃青色であっ
た。このことから、ドーピング時のフィルムの変色は側
鎖のアルキル鎖長に依存する事も分かった。
【0052】実施例3 実施例1で得たポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイ
ル)重合体のギ酸溶液およびクロロホルム溶液を単位構
造あたり 2.0×10-5mol/1 の濃度で調整した。この溶液
について励起波長を310nm で蛍光スペクトルの測定を行
なった。その結果、ギ酸溶液中で420nm に発光が見ら
れ、クロロホルム溶液中では360nm に発光が見られた。
【0053】このように、本重合体は蛍光発光能を有す
る物質である。このことから、本重合体は基本的にエレ
クトロルミネッセンス用材料としても使用可能なことを
示している。
【0054】実施例4 テトラヒドロフラン(THF)15mlに1.6gの6−ヘキシ
ル−2,5−ジブロモピリジン(5.0mmol)を溶解させ、
0.13g の金属マグネシウム片(5.5mmol) を加えた。10時
間加熱しながら還流した後、〔1,2−ビス(ジフェニ
ルフォスフィノ)エタン〕ニッケル クロライド NiCl
2 (dpe)(5mg、0.01mmol) を加え、さらに13時間の加熱
還流を行った。反応終了後、反応液を氷の入った希塩酸
上に注ぎ、これにNa2CO3の水溶液を加えて中和し、重合
体を濾物しこれを水とエーテルで洗浄し、さらにエチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウムの温水溶液で洗浄した。
ついで真空乾燥し、0.50g のポリ(アルキルピリジン−
2,5−ジイル)重合体を得た。重合体の収率は60%で
あった。
【0055】実施例5 0.13g の6−ヘキシル−2,5−ジブロモピリジン(5.0
mmol) をヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)5
mlに溶解させ、亜鉛粉(0.98g、15mmol) を加え100 ℃ま
で加熱し、60mgの〔1,2−ビス(ジフェニルフォスフ
ィノ)エタン〕ニッケルブロマイドNiBr2 (dpe) (0.1mm
ol) を投入した。これを140 ℃で17時間反応させた。反
応終了後、反応液を氷の入った希塩酸上に注ぎ、これに
アンモニア水を加えアルカリ性とした後、重合体を濾別
回収した。これをメチルアルコール、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム塩の水溶液で洗浄した後、真空乾燥
して、0.40g のポリ(アルキルピリジン−2,5−ジイ
ル) 重合体を得た。
【0056】実施例6 0.3mmol の6−ヘキシル−2,5−ジブロモピリジンと
0.15mmolのトリス(2,2′−ビピリジン)ニッケル塩
(Ni(bpy)3Br2)、3.75mmolの過塩素酸テトラエチルアン
モニウム((C2H5)4NClO4)を15cm3 のN,N−ジメチルホ
ルムアミドに溶解し、電解溶液を調製した。これを陰極
として白金板(1×2cm=2cm2)、陽極として白金板
(1×2=2cm2):参照極として銀電極を取り付けた電
解槽に入れ、重合温度60℃、電解電位−1.7V ( Ag/Ag+
に対しての電位、以下同様) で16時間電解重合を行う
と、陽極上に黄土色の重合体が膜状で得られた。この重
合体を取り出した後、下記の (イ) から (ホ) の物質を
用いて下記の順に各々数回洗浄しこの重合体の精製を行
った。
【0057】(イ)アンモニア水 (29%) 、 (ロ) メチ
ルアルコール、 (ハ) エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウムの温水溶液(pH=3に調整)、(ニ)温水、(ホ)
メチルアルコール。洗浄後、真空乾燥し黄土色ポリ(ア
ルキルピリジン−2,5−ジイル)重合体を得た。
【0058】
【発明の効果】本発明の新規なポリ(2,5−ピリジン
ジイル)重合体はその構造中に長鎖アルキル基を導入し
ているため、分子量が充分に高く、優れた耐熱性を有
し、空気中における高い安定性を示し、多くの有機溶媒
に可溶であることから、その利用分野・用途が拡大し、
これらの適宜な溶媒に溶かして得られる溶液を利用して
繊維、膜等への乾式成形が可能である。更に、化学的・
電気化学的還元により、明瞭な色の変化を示し、またn
型導電体となる等の従来の導電性高分子にはない優れた
特性を有する。また、本発明の方法によれば、p型導電
体と併せてn型導電体となり易いπ共役導電性高分子
が、容易にかつ安価に合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重合体の一例の赤外吸収スペクトルを
示す線図である。
【図2】本発明の重合体の一例のプロトンスペクトルを
示す線図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長鎖アルキル基を置換基として有するジ
    ハロゲン化芳香族化合物から2ケ所のハロゲン原子を除
    いて誘導される次の化1 【化1】 (式中、Rは炭素数が3以上の長鎖アルキル基を示
    す。)で表わされる2価の基を反復構成単位とし、且つ
    重合度nが50以上であるポリ(アルキルピリジン−2,
    5−ジイル)重合体。
  2. 【請求項2】 次の化2 【化2】 (式中、Rは炭素数が3以上の長鎖アルキル基、Xはハ
    ロゲンを示す)で表わされるジハロゲン化芳香族化合物
    を、ニッケル化合物の存在下、脱ハロゲン化能を有する
    金属または金属化合物と反応させ、2ケ所のハロゲン原
    子を脱ハロゲン化して重合することを特徴とする化3 【化3】 (式中、Rは炭素数が3以上の長鎖アルキル基、nは50
    以上を示す)で表わされるポリ(アルキルピリジン−
    2,5−ジイル)重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 長鎖アルキル基を置換基として有するジ
    ハロゲン化芳香族化合物から2ケ所のハロゲン原子を除
    いて誘導される次の化4 【化4】 (式中、Rは炭素数が3以上の長鎖アルキル基を示
    す。)で表わされる2価の基を反復構成単位とし、且つ
    重合度nが50以上であるポリ(アルキルピリジン−2,
    5−ジイル)重合体よりなるエレクトロクロミック素子
    材料。
  4. 【請求項4】 長鎖アルキル基を置換基として有するジ
    ハロゲン化芳香族化合物から2ケ所のハロゲン原子を除
    いて誘導される次の化5 【化5】 (式中、Rは炭素数が3以上の長鎖アルキル基を示
    す。)で表わされる2価の基を反復構成単位とし、且つ
    重合度nが50以上であるポリ(アルキルピリジン−2,
    5−ジイル)重合体よりなるn型半導体デバイス用材
    料。
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