JP3309132B2 - ポリ(イソキノリンジイル)重合体の利用 - Google Patents

ポリ(イソキノリンジイル)重合体の利用

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隆一 山本
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は縮合複素環化合物で
あるイソキノリンからそれぞれ2カ所の水素原子を除い
た2価の残基を反復構成単位としてなり、可溶性を示
し、優れた耐熱性及び電気化学的に活性を有するポリ
(イソキノリンジイル)重合体の利用法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香環が連続して結合した構造を有する
ポリ(アリーレン)[例えば、ポリ(p−フェニレ
ン)、ポリ(2, 5- チエニレン)、ポリ(1, 4- ナ
フチレン)]は一般に優れた耐熱性を有する。また、そ
れらのポリ(アリーレン)と電子受容体(AsF5等)や電
子供与体(リチウム、ナトリウム等)との付加体は導電
性を有しかつ一次電池や二次電池用の活物質としての利
用可能な性質を備えることが知られている[例えば、
「高分子」34巻、848 頁(1985)]。また、主鎖に沿っ
た連続するπ共役系を有し且つ複素六員環単位よりなる
基、例えば2, 5- ピリジンジイル基を反復構成単位と
する重合体を還元して生成された導電性物質が特開平1-
210420号に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
た殆どのポリ(アリーレン)は有機溶剤に対する溶解性
が小さくかつ不融である場合が多いため利用法も限ら
れ、それらの特徴ある機能を引き出すうえにおける問題
点となっている。また前記のポリ(アリーレン)につい
ては、分子構造を工夫することにより、従来のポリ(ア
リーレン)にはない物性を備えた物質の開発が望まれて
いる。例えば、従来のポリ(アリーレン)とは異なる酸
化・還元電位を持ったポリ(アリーレン)を得ることが
できれば、それを活物質あるいは電極材として従来のポ
リマーバッテリー[例えば「電気化学及び工業物理化
学」54巻、 306頁(1986)]とは異なる特徴を備えたポ
リマーバッテリーが得られる。
【0004】本発明は、これらの状況のもと、新しい分
子構造を有するポリ(アリーレン)を探索すべく鋭意研
究の結果完成したものである。
【0005】本発明の目的は、優れた耐熱性を有しかつ
有機溶媒に可溶で、偏光解消度、電気化学的酸化還元電
位のコントロール可能なポリ(アリーレン)、特にポリ
(イソキノリンジイル)重合体を、還元剤又は電気化学
的ドーピングにより還元してなるn型半導体として利用
するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、縮合複素環
化合物であるイソキノリンから任意の2カ所の水素原子
を除いて誘導される2価の基を反復構成単位とし次の化
2、
【化2】 で表され且つ重合度(n)が5以上であるポリ(イソキ
ノリンジイル)重合体によって達成される。ここで、重
合度(n)が5未満ではポリマーとしての十分な機能を
発揮することができない。また、本発明者等は、後述の
製造法によって重合度(n)が 200程度のものまでの本
発明重合体とその優れた特性並びに有用性とを実験的に
一応確認したが、 200程度を越える重合度のものの調製
及びその利用も技術的に当然期待される。
【0007】上記重合体は、イソキノリンの任意の2カ
所の水素原子をハロゲンに置換した、次の化3式
【化3】 (式中、Xはハロゲンを表す)で示されるイソキノリン
ジハライドをゼロ価ニッケル化合物と反応させることに
よって製造される。
【0008】又、このような重合体は化3で示されるイ
ソキノリンジハライド化合物をニッケル化合物の存在下
で電解還元することによっても製造することができる。
【0009】本発明に用いるポリ(イソキノリンジイ
ル)重合体は、その優れた特性を利用して繊維、フィル
ム等の成形体、又この重合体を還元剤又は電気化学的ド
ーピングにより還元してn型半導体として利用すること
ができる。
【0010】本書中で、「ポリ(アリーレン)」とは例
えば、ポリ(p- フェニレン)又はポリ(1, 4- ナフ
チレン)のように芳香環を反復構成単位とする重合体を
意味し、又「芳香環」は例えばベンゼン環のような芳香
族炭化水素の環の他にピリジンやチオフェン等の複素環
をも含む。
【0011】本発明に用いるポリ(イソキノリンジイ
ル)重合体は、化3で示されるイソキノリンジハライ
ド、例えばイソキノリンジクロライド又はジブロマイド
に有機溶媒中において等モル以上のゼロ価ニッケル化合
物を加えて反応させ、脱ハロゲン化することによって取
得される。好適な反応温度は室温〜約80℃の間にあり、
約24時間程度で反応は完結する。上記有機溶媒としては
例えば、N, N- ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、トルエン、テトラヒドロフラン等が適用可能であ
る。
【0012】ゼロ価ニッケル化合物はハロゲン化芳香族
化合物よりハロゲンをとり、芳香族基間のカップリング
反応を起こさせる[例えば、「シンセシス」(Synthesi
s),736 頁(1984)参照]。この反応は次の化4で表わ
される。
【0013】
【化4】Ar-X + Ar′-X + NiLm → Ar-Ar ′+
NiX2Lm (ここで、Ar及びAr′は芳香族基を、Xはハロゲン原子
を、Lは中性配位子を表し、従って、NiLmはゼロ価ニッ
ケル化合物を表す。)
【0014】従って、分子内に2個のハロゲンを有する
芳香族化合物、例えばイソキノリンジハライドに等モル
以上のゼロ価ニッケル化合物を反応させると、次の化5
及び化6に示す脱ハロゲン化反応によって重合体が得ら
れるのである。
【0015】
【化5】2・X-Ar″-X + NiLm → X-Ar″-Ar ″-X
+ NiX2Lm
【化6】 [ここで、X-Ar″-X はイソキノリンジハライド(Xは
ハロゲン)を示す。]
【0016】上述の反応において、ゼロ価ニッケル化合
物は、重合反応を行う直前に反応系で(いわゆる in si
tuで)合成したものをそのまま用いることも、又は予め
合成単離したものを用いることもできる。かかるゼロ価
ニッケル化合物は例えば、中性配位子存在下での還元反
応又は配位子交換反応によって生成するニッケル錯体で
あり、その中性配位子としては、1, 5- シクロオクタ
ジエン、2, 2′- ビピリジン、トリフェニルホスフィ
ン等を例示することができる。
【0017】又、別の方法として、上記化3のイソキノ
リンジハライドを2価のニッケル化合物の共存下で電解
還元反応させると、脱ハロゲン化反応によって化2に示
すイソキノリンジイル重合体を得ることができる。即
ち、2価ニッケル化合物は電解槽中で電解還元すれば化
7の反応によってゼロ価ニッケル化合物が生成する。
【0018】
【化7】[Ni11Lm]2+ + 2e → Ni0Lm
【0019】従って、分子内に2個のハロゲンを有する
芳香族化合物、即ちイソキノリンジハライドを2価ニッ
ケル化合物の存在下で電解還元すると化7の反応並びに
引き続き反応系内に生ずる Ni0Lmが関与する化8〜化10
に示す反応により化2の重合体が得られるのである。電
解は通常次の条件で行うことが出来る。即ち、例えば
N, N- ジメチルホルムアミド若しくはアセトニトリル
を溶媒として使用し、支持電解質として過塩素酸テトラ
エチルアンモニウム若しくはテトラエチルアンモニウム
テトラフルオロボレートを溶解して電解液とし、電極に
は白金電極、ITO透明電極、若しくは黒鉛電極を使用
する。電解液にイソキノリンジハライド及び2価ニッケ
ル錯体を溶解し、2価ニッケル化合物の還元電位[例え
ばトリス(2, 2- ビピリジン)ニッケル塩では−1.7V
(Ag/Ag + に対して)]で電解還元を行う。
【0020】
【化8】Ni0Lm + X-Ar″-X → X-Ni11Lm-Ar ″-X
【0021】
【化9】2・X-Ni11Lm- Ar″-X+2e→ X- Ar″- Ar″
-X+ Ni0Lm+ 2X -
【0022】
【化10】
【0023】[ここで、 X- Ar″-Xはイソキノリンジハ
ライド(Xはハロゲン)を示す。]
【0024】上記ニッケル化合物は、重合反応を行う前
に予め合成単離したものを用いても、又は電解槽中で直
接、ニッケルあるいはニッケル化合物から合成したもの
をそのまま用いても良い。かかるニッケル化合物として
は、例えばトリス (2 , 2′- ビピリジン)ニッケルブ
ロマイド[Ni(bpy)3Br2 ]、ジブロモビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル[NiBr2(PPh3)2]等が挙げられ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的かつ詳
細に実施例について説明する。
【0026】実施例1 無水のビス(アセチルアセトナト)ニッケル[Ni(acac)
2 と略称する]44mmol、1, 5- シクロオクタジエン
(114.8 mmol)を 100mlのトルエンに溶解して、65.6mm
olのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液40mlを滴下
し反応させてゼロ価ニッケル錯体であるビス(1, 5-
シクロオクタジエン)ニッケル[Ni(cod)2と略称する]
を合成した。このNi(cod)2をトルエンから再結晶した。
【0027】このNi(cod)24mmolを30mlのN, N- ジメ
チルホルムアミドに溶解し、4mmolの1, 5- シクロオ
クタジエン及び2, 2′- ビピリジンを加え、さらに4
mmolの1, 4−ジブロモイソキノリンを加えて、60℃の
反応温度で24時間反応させた。この反応により ポリ
(イソキノリン−1, 4−ジイル)の淡黄色の粉状重合
物が得られた。この粉状重合物を濾別して取り出した
後、ニッケル化合物等の不純物を除くために、下記の
(イ)から(ヘ)の物質を用いて下記の順に各々数回粉
状重合物を洗浄した。
【0028】(イ)アンモニア水(29%)、(ロ)メタ
ノール、(ハ)エチレンジアミン四酢酸ナトリウムの温
水溶液(pHを3に調整)、(ニ)アンモニア水、(ホ)
温水、(ヘ)メタノール
【0029】以上の洗浄が終わった後に粉状重合物を真
空ラインを用いて乾燥した。この重合物の元素分析値は
炭素84.8%、水素 4.0%、窒素11.1%、塩素 0.0%であ
り、式化11、
【化11】 を反復構成単位とする重合体の計算値(炭素85.0%、水
素 3.9%、窒素11.6%)とほぼ一致した。元素分析にお
ける観測値と計算値との間の差は、主にこの重合物が高
い熱安定性を有しており、元素分析に際して完全燃焼さ
せることが容易でないことによると思われる。観測値で
得られた臭素は重合体の化12に示すような未反応末端
【化12】 によるものと考えられる。本実施例における重合体の収
率は95%であった。
【0030】上記の重合体は、ギ酸及びクロロホルムに
可溶であった。そのため、この重合体のクロロホルム溶
液及びギ酸溶液について GPC及び光散乱法により分子量
を測定したところ、GPC の結果では数平均分子量 2,600
(重合度約21)、光散乱法の結果では重量平均分子量
2,000(重合度約16)を有する重合体であることが判っ
た。
【0031】また、上記重合体の赤外吸収スペクトルは
下記の吸収を示した。
【0032】3042 m,1613 s,1570 m,1539 s, 1501
vs,1450 w,1368 m,1333 m,1287m,1253 m,1161
m,1143 m,1022 w,965 vs, 915 m, 870 w, 796
m, 761vs ,629 s , 461 w, 429 w.(数字はcm-1
を示した吸収位置を示す。w,m,s,vsはそれぞれ弱
い吸収、中位の吸収、強い吸収、非常に強い吸収を示
す。)上記の測定結果はいずれもKBrペレット中でのも
のである。
【0033】また、上記重合体のギ酸溶液は、紫外、可
視スペクトルにおいて約370 ,260nm付近に比較的シャ
ープでかつ明瞭な山形を示す吸収極大を示した。
【0034】更に、上記重合体は高い熱安定性を示し
た。熱重量分析の結果、重量減少は約300 ℃において初
めて僅かに観測された。窒素下900 ℃までの加熱におい
て重量減少の割合は約17%であった。
【0035】実施例2 15 cm3のN, N- ジメチルホルムアミドに0.3 mmolの
1, 4- ジブロモイソキノリンと0.15 mmol のトリス
(2, 2′- ビピリジン)ニッケル塩[Ni(bpy)3Br
2 ]、3.75 mmol の過塩素酸テトラエチルアンモニウム
[(C2H5)4NClO4) ]を溶解し、電解溶液を調製した。こ
れを、陽極および陰極として白金板(1×2cm=2cm
2 )、参照極として銀電極を取り付けた電解槽に入れ、
重合温度60℃、電解電位−1.7V(Ag/Ag + に対しての電
位、以下同様)で16時間電解重合を行うと、陰極上に黄
色膜状重合物[ポリ(イソキノリン- 1, 4- ジイ
ル)]が得られた。この膜状重合物を取り出した後、ニ
ッケル化合物等の不純物を除くために、下記の(イ)な
いし(ヘ)の物質を用いて下記の順に各々数回膜状重合
物を洗浄した。
【0036】(イ)アンモニア水(29%)、(ロ)メタ
ノール、(ハ)エチレンジアミン四酢酸ナトリウムの温
水溶液(pHを3に調整)、(ニ)アンモニア水、(ホ)
温水、(ヘ)メタノール
【0037】以上の洗浄が終わった後に膜状重合物を真
空ラインを用いて乾燥した。この重合体の赤外吸収スペ
クトルは下記の吸収を示した。
【0038】3048 m,1614 s,1571 m,1543 s, 1504
vs,1449 w,1372 m,1333 m,1283m ,1254 m,1161
m,1144 m,1024 w,965 vs,914 m ,870 w , 796
m,763vs, 629 s, 462 w, 425 w.(数字はcm-1数を
示した吸収位置を示す。w,m,s,vsはそれぞれ弱い
吸収、中位の吸収、強い吸収、非常に強い吸収を示
す。)上記の測定結果はいずれもKBrペレット中でのも
のである。
【0039】また、上記重合体のギ酸溶液は、紫外、可
視スペクトルにおいて約 370,260nm付近に比較的シャ
ープでかつ明瞭な山形を示す吸収極大を示した。
【0040】これらのスペクトルデータは、得られた黄
色膜状重合物が、実施例4において得られた化11を反
復構成単位とする重合体と同一のものであることを示し
ている。
【0041】実施例3 実施例1で得たポリ (イソキノリン- 1, 4- ジイル)
重合体のクロロホルム溶液を白金板上にひろげ、クロロ
ホルムを蒸発法により除くことにより重合体のフィルム
を得た。この重合体フィルムについて0.1mol/lの(C2H5)
4NClO4を含むアセトニトリル溶液中でサイクリックボル
タモグラムを測定した。その結果、当該重合体は、Ag/A
g + に対して約−2.1Vでドーピングされ、逆方向の掃引
においては約−2.0V(Ag/Ag + に対しての電位)で脱ド
ーピングされることが分かった。ドーピングに際しては
重合体の色は、淡黄色から赤紫色に変色し、脱ドーピン
グでは逆の変色が見られた。このような、電気化学的挙
動及び変色現象は、本発明の重合体が電気化学的に活性
で、バッテリー用電極及びエレクトロクロミズムを示す
材料として使用可能なことを示している。
【0042】また、本発明に用いるポリ (イソキノリン
- 1, 4- ジイル)重合体で得られたドーピング、脱ド
ーピング電位は、ポリ (ピリジン- 2, 5- ジイル)で
得られる電位とほぼ同じ値であった。ポリ (ピリジン-
2, 5- ジイル)はこの電位でn型にドーピングされる
代表的な化合物であり、また本発明に用いる重合体はポ
リ (ピリジン- 2, 5- ジイル)と基本的に類似のπ共
役系を持つので、上記電気化学的ドーピングにおいても
n型へのドーピングが起こっているものと考えられる。
また、本発明に用いるポリ (イソキノリン- 1, 4- ジ
イル)重合体を、ソジウムナフタリド(ナフタレンとナ
トリウムの反応物)を含む溶液に浸すと、淡黄色から紫
ないし赤紫色へと変色し、電気化学的ドーピングにおけ
る場合と同様の色の変化が見られた。生成したポリ (イ
ソキノリン- 1, 4- ジイル)重合体とナトリウムイオ
ンの付加体を加圧下、圧縮成形して得られた固形物は、
室温において1.8 ×10-3Scm-1(ジーメンス・毎センチ
メートル)の導電性を有する半導体であることが分かっ
た。ソジウムナフタリドはπ共役系高分子をn型にドー
ピングさせる代表的な化合物であり、上記電気化学的ド
ーピングと同様n型ドーピングが起こっているものと考
えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明に用いるポリ(イソキノリンジイ
ル)重合体は、耐熱性を有し、有機溶媒に可溶であるか
ら、適宜な有機溶媒に溶かして得られる溶液を利用して
繊維、フィルム等への乾式成形が可能であるとともに、
その構造によって偏光解消度、電気化学的酸化還元電位
をコントロールすることができるなど、従来のポリアリ
ーレンにない優れた特性を有し、還元剤又は電気化学的
ドーピングにより還元してなるn型半導体として有効に
用いることができる。
【0044】又、本発明に用いる重合体を調製するにあ
たっては、脱離基であるハロゲン基の結合位置によりモ
ノマーの結合位置を正確に決めることが出来、結合位置
が異なる種々のポリイソキノリン類を随意に合成するこ
とができる。即ち、1, 4-ジブロモイソキノリンおよ
び5, 8- ジブロモイソキノリンより前記実施例1の方
法に準じてそれぞれ得た重合体(a),(b)のIRスペ
クトルを図1に示す。いずれも縮合複素環であるイソキ
ノリン環に特有の吸収が見られるが、C- H面外変角振
動及び環伸縮振動に基づく吸収ピ−クは僅かずつ異な
る。これらの吸収ピークはそれぞれのモノマーのスペク
トルと良い一致を示した。又、得られたポリマーはいず
れもギ酸やクロロホルム等に可溶であり、各ポリマーの
1H- NMRスペクトルでは7-10ppmにイソキノリン環プ
ロトンのピークが観測された。又、 13C- NMR でも、12
0-160 ppm にイソキノリン環カーボンのピークが観察さ
れた。これらの結果から、結合位置を制御したポリイソ
キノリン類が得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる各重合体のIRスペクトルを示
す線図である。
【符号の説明】
a ポリ(イソキノリン- 1, 4- ジイル) b ポリ(イソキノリン- 5, 8- ジイル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C09K 9/02 H01L 29/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合複素環化合物であるイソキノリンか
    ら任意の2カ所の水素原子を除いて誘導される2価の基
    を反復構成単位とし次の一般式、 【化1】 で表され且つ重合度(n)が少なくとも5であるポリ
    (イソキノリンジイル)重合体を還元剤又は電気化学的
    ドーピングにより還元してなるn型半導体。
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