JP3256361B2 - ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)及びその製造方法 - Google Patents

ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)及びその製造方法

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JP3256361B2 JP35278993A JP35278993A JP3256361B2 JP 3256361 B2 JP3256361 B2 JP 3256361B2 JP 35278993 A JP35278993 A JP 35278993A JP 35278993 A JP35278993 A JP 35278993A JP 3256361 B2 JP3256361 B2 JP 3256361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶媒可溶性で賦形
性に優れ、耐熱性があり、基板面との高い接着性を有
し、かつ良好なn型ドーピング能を有する新規なパイ共
役系導電性高分子とその合成法に関するものである。パ
イ共役系導電性高分子は特徴ある物理的、電気的特性を
有し、電池、表示素子、発光素子、光電変換素子、セン
サー、OPC電極、修飾電極、太陽電池、トランジスタ
等各種デバイスに有用である。
【0002】
【従来の技術】パイ共役系導電性高分子には、p型ドー
パント等によって酸化され正孔が電気伝導の主役を演じ
るp型有機導電体と、n型ドーパント等によって還元さ
れ電子が電気伝導の主役を演じるn型有機導電体とがあ
る。前者の例としては、ポリ(2,5−チエニレン)、
ポリ(2,5−ピロリレン)、ポリ(パラフェニレンビ
ニレン)等数多くあり、研究開発が進んでいるが、後者
の導電性高分子の例は極めて少ない。
【0003】電子伝導体であるn型有機導電体は、電子
輸送層として利用が期待でき、発光素子、OPC電極等
への広範な用途が期待されるだけにその開発が切望され
ているのである。
【0004】ケミストリー レターズ、1988年、1
53〜154頁に記載されているポリ(2,5−ピリミ
ジンジイル)はその数少ないn型有機導電体の例であ
る。ポリマーの主鎖にピリミジン環を導入すると、ピリ
ミジン環中の窒素原子が電子吸引性であるため高分子化
合物としてn型電導になり易い。しかし、ここで合成さ
れたアルキル置換されていないポリ(2,5−ピリミジ
ンジイル)はこれを溶解できる溶媒は濃塩酸等の特殊な
溶媒に限られているうえ、電極との接着性が悪く、薄膜
として用いる電子デバイスへの利用が加工性の面で制限
されることが問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、種々の溶媒
への溶解性があり、電極の金属面及び基板との接着性が
良好であり、成膜性に優れ、かつn型ドーピングによっ
て電気伝導性を発現する新規な有機導電体、その製造方
法並びにそれを用いたエレクトロルミネッセント材料を
得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述のn
型有機導電体ポリ(2,5−ピリミジンジイル)の問題
点を解決すべく鋭意研究を行った結果、一般式(1)で
表される、ポリ(2,5−ピリミジンジイル)のピリミ
ジン環にアルキル置換基を導入した繰り返し単位を有す
るポリマーが上記の目的を達成することを見いだし、本
発明に到ったものである。
【0007】即ち、本発明は一般式(1)
【化2】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ水素または炭素数1乃至
4のアルキル基を示し、R1 とR2 の少なくとも一方が
アルキル基である。)で表される置換−2,5−ピリミ
ジンジイルを繰り返し単位とし、平均重合度nが10〜
1000の範囲にある有機溶媒可溶のポリ(アルキル置
換−2,5−ピリミジンジイル)および2,5−ジハロ
ゲノ−4及び/または6アルキル置換−ピリミジンにゼ
ロ価ニッケル錯体を脱ハロゲン化剤として加え、重縮合
反応させるポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジンジ
イル)の製造方法、並びに該ポリ(アルキル置換−2,
5−ピリミジンジイル)のn型導電性高分子を用いたエ
レクトロルミネッセント材料に関する。
【0008】本発明のポリ(アルキル置換−2,5−ピ
リミジンジイル)を製造する方法はいくつかあり、特に
限定はされない。例えば、グリニヤール試薬を経由して
重合する方法、酸化剤による酸化重合法、ゼロ価ニッケ
ル錯体を用いて脱ハロゲン化重縮合する方法等が挙げら
れる。
【0009】グリニヤール試薬を経由して重合する方法
としては、例えばケミストリー レターズ353〜35
6頁(1977年)に掲載してある方法がある。
【0010】テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等
のエーテル溶媒中においてマグネシウムをジハロゲノ−
アルキル置換−ピリミジンと反応させグリニヤール試薬
を合成し、この試薬とジハロゲノ−アルキル置換−ピリ
ミジンをジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル等の触媒存在下で重合させる方法である。
【0011】酸化剤による酸化重合法は、例えばテトラ
ヒドロン レターズ 472頁(1962年)に掲載
の、コバシック法が一般的で簡単である。即ち三塩化ア
ルミニウム、三塩化鉄等のようなルイス酸を触媒とし、
塩化第二銅を酸化剤とする縮合反応である。この方法で
は重合度が低く、分岐していたり架橋している可能性が
ある。
【0012】この中で収率、重合体の分子量等の点で、
ケミストリー レターズ、1988年、153〜154
頁に記載されているゼロ価ニッケル錯体を用いて脱ハロ
ゲン化重縮合する方法が効率的で好ましい。この反応
は、例えば不活性雰囲気にした反応容器中に原料に対し
て1モル以上のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニ
ッケル、ビス(2,2’−ビピリジル)ニッケル、
(2,2’−ビピリジル)(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル、またはテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)ニッケル等のゼロ価ニッケル錯体を加える。使用
するニッケル錯体によっては、反応性向上のために、
2,2’−ビピリジル、ホスフィン等の配位子を加える
こともある。続いて、N,N−ジメチルホルムアミド、
トルエン等を溶媒として加える。最後に溶媒に溶解した
2,5−ジハロゲノ−アルキル置換−ピリミジン等の原
料を加え、撹拌、加熱する。加熱温度はニッケル錯体が
分解しない程度である60℃、加熱時間は12時間以上
が好ましい。反応溶液はアンモニア水に注ぎ、得られた
物質をアンモニア水、メタノール等で洗浄する。
【0013】この重合方法はほとんどの2,5−ジハロ
ゲノ−アルキル置換−ピリミジンを重縮合することがで
き、しかも目的物を収率良く合成できる。
【0014】モノマーである2,5−ジハロゲノ−アル
キル置換−ピリミジンの合成は、例えば市販品である2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン塩酸塩を出
発原料とする場合、適当な塩基によって中和して2−ヒ
ドロキシ−4,6−ジメチルピリミジンとし、臭素やN
−ブロモこはく酸イミド等によって5位を臭素化し、三
臭化リン、オキシ臭化リン等によってヒドロキシル基を
臭素化し、2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミ
ジンを得る。このようにしてジハロゲノピリミジン誘導
体を得ることができる。
【0015】このポリ(2,5−ピリミジンジイル)誘
導体は、ピリミジン環に置換したアルキル鎖の炭素数が
1個以上4個程度まででクロロホルム、ジメチルスルフ
ォキサイド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クレゾー
ル、N−メチルピロリドン等の種々の有機溶媒に可溶と
なり、フィルムの成形が極めて容易となる。例えばこの
溶液からスピンコート等によってガラス板等の上に塗
布、乾燥して得られたフィルムは、ガラス板等から剥離
することにより可撓性のフィルムとして得ることができ
る。これらのフィルムは空気中に放置しても安定であ
る。
【0016】このポリ(アルキル置換−2,5−ピリミ
ジンジイル)は、電子供与体を加えることにより高分子
内に電子を多数発生させ、その電子がキャリアとなり高
導電化することができる。
【0017】このドーピング方法には、還元剤を溶液中
や気相中で直接高分子に接触させる化学的方法や、電気
化学的に還元(ドーピング)させる方法がある。
【0018】例えば化学的n型ドーピングでは、ポリ
(アルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)をナトリ
ウムナフタレニド、ブチルリチウムなどの還元剤と溶液
中で反応させることにより達成される。これらの還元剤
は、還元力が大きいものが好ましい。
【0019】電気化学的n型ドーピングは、ポリ(アル
キル置換−2,5−ピリミジンジイル)を電極に担持さ
せ、(CH34 NBF4 、LiBF4 等の電解溶液中
で電位を負に印加することにより電解液中のカチオンが
高分子中に添加され達成される。
【0020】ポリ(アルキル置換−2,5−ピリミジン
ジイル)のn型ドーピングされた状態は従来のn型導電
性高分子と比較して安定である。
【0021】以上に記述したようにポリ(アルキル置換
−2,5−ピリミジンジイル)は、溶媒に可溶なn型有
機導電体であることを最大の特徴としている。
【0022】更にこの溶解性を利用して単層エレクトロ
ルミネッセンス素子の導電性膜上に本ポリマーの溶液を
コーティングし、電子輸送層を形成させるときは単層の
エレクトロルミネッセンス素子と比較して発光輝度を向
上させることができる。
【0023】
【作用】本発明のポリ(アルキル置換−2,5−ピリミ
ジンジイル)は、有機溶媒に不溶性のためポリマーとし
ての賦形性、電極あるいは基板面との接着に問題はあっ
ても高分子としては優れた性能を有するポリ(2,5−
ピリミジンジイル)のピリミジン環に炭素数1〜4位の
低級アルキル基を導入することにより有機溶媒に対する
溶解性を付与したものである。
【0024】アルキル置換をしないポリ(2,5−ピリ
ミジンジイル)は塩酸等に溶解し、ガラス等の基板に塗
布して乾燥すると、膜厚が厚いときは一部が剥離してフ
ィルム形成は困難であるが、本発明のポリマーは有機溶
媒に溶解するため、塗装成膜が容易であり、厚いフィル
ムも薄いフィルムも容易に成形することができる。な
お、本ポリマーは熱天秤(TG)の測定の結果、400
℃位まで重量変化が認められず極めて高い耐熱性を有す
るポリマーである。
【0025】
【実施例】次に本発明の方法について代表的な例を挙げ
て更に説明する。 (実施例1) [2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジンの合
成]市販品の2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミ
ジン塩酸塩16.00g(100.0mmol)を蒸留
水200mlに溶解させ、それに水酸化ナトリウム4.
00g(100.0mmol)を蒸留水100mlに溶
解させたものを加えた。ロータリーエバポレーターによ
り水を除去し、減圧乾燥した。続いてクロロホルムに溶
解させ、不溶の塩化ナトリウムを濾過し、クロロホルム
をロータリーエバポレーターにて除去し目的物である2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン12.02
g(96.7mmol)を得た。 1H−NMR測定によ
る各水素のピークの帰属は次のとおりである;2.38
ppm(singlet)(メチル基の水素)、6.4
3ppm(singlet)(ピリミジン環5位の水
素)。この物質の元素分析の結果は理論値と許容誤差の
範囲内で一致していた。
【0026】[5−ブロモ−2−ヒドロキシ−4,6−
ジメチルピリミジンの合成]2−ヒドロキシ−4,6−
ジメチルピリミジン1.24g(10.0mmol)を
クロロホルム20mlに溶解させ、続いてN−ブロモこ
はく酸イミド1.78g(10.0mmol)を加え
た。20分間室温で撹拌した後、室温でクロロホルムを
減圧除去した。減圧乾燥後、酢酸エチル20ml中で2
0分間沸騰させ、放冷後、濾過した。濾過したものをエ
タノールから再結晶して目的物である、5−ブロモ−2
−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン1.09g
(5.37mmol)を得た。 1H−NMR測定による
水素のピークの帰属は次のとおりである;2.57pp
m(singlet)(メチル基の水素)。この物質の
元素分析の結果は理論値と許容誤差の範囲内で一致して
いた。
【0027】[2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピ
リミジンの合成]不活性雰囲気にした反応容器にオキシ
臭化リン4.30g(15.0mmol)、5−ブロモ
−2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン2.0
3g(10.0mmol)、三臭化リン5.70ml
(60.0mmol)を入れた。冷却器をつけ130℃
で45分還流した。反応溶液を室温まで冷却して200
gの氷に注いだ。水酸化ナトリウム水溶液で中和して、
酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を除去して減圧乾燥した。シリカゲルカラム(酢酸
エチル/ヘキサン=5%)で精製して、目的物である
2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミジン0.1
6g(0.6mmol)を得た。 1H−NMR測定によ
る水素のピークの帰属は次のとおりである;2.64p
pm(singlet)(メチル基の水素)。この物質
の元素分析の結果は理論値と許容誤差の範囲内で一致し
ていた。
【0028】[ポリ(4,6−ジメチル−2,5−ピリ
ミジンジイル)の合成]不活性雰囲気の反応容器に、ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル0.74g
(2.69mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド
30ml、2,2’−ビピリジン0.406g(2.6
0mmol)、1.5−シクロオクタジエン0.466
mlをこの順序で加え、撹拌した。別の容器を不活性雰
囲気にし、2,5−ジブロモ−4,6−ジメチルピリミ
ジン0.5318g(2.00mmol)、N,N−ジ
メチルホルムアミド10mlを加え、撹拌、溶解した。
この2つの溶液を混合し、不活性雰囲気を保ちつつ、6
0℃で48時間加熱した。反応溶液をアンモニア水に注
ぎ、撹拌洗浄した。クロロホルムで抽出し、クロロホル
ム層をエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム水溶液で洗
浄した。クロロホルムを除去後、減圧乾燥してポリ
(4,6−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)0.
18g(収率84.0%)を得た。クロロホルムに溶解
し、GPC測定したところ、ポリスチレン換算で平均分
子量7000のポリマーであった。 1H−NMR測定に
よる水素のピークの帰属は次のとおりである;1.3p
pm(メチル基の水素)。元素分析の結果は次のとお
り;炭素:66.22%(理論値67.91%)、水
素:7.51%(理論値5.70%)、窒素:5.38
%(理論値26.39%)、臭素:0.01%以下。
【0029】(実施例2) [電気化学的n型ドーピング]実施例1で得たポリ
(4,6−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)のク
ロロホルム溶液を白金電極上に塗布(フィルム厚さ1μ
m)し、白金を対照極、銀/塩化銀を参照極として0.
5M (Bu)4 NBF4 /CH3 CN中でサイクリッ
クボルタンメトリー法により酸化還元電位を調べた。そ
の結果、−2.1VvsAg/Ag+ 付近に(Bu)4
+ のドーピング、アンドーピングに伴う酸化還元反応
が見られた。ドーピング前の試料は電気伝導度1×10
-8S/cm以下であったのに対し、ドーピング後のそれ
は1×10-3S/cmであった。
【0030】(実施例3) [化学的n型ドーピング]実施例1で得たポリ(4,6
−ジメチル−2,5−ピリミジンジイル)をナトリウム
ナフタレニドのテトラヒドロフラン溶液に8時間浸透し
て、その後50℃で1時間減圧乾燥し、ナトリウムによ
るn型ドーピングを行った。このドーピングした試料の
電気伝導度を4端子法によって測定した。その結果、ド
ーピング前の試料の電気伝導度1×10-8S/cmに対
して、1×10-3S/cmとなった。
【0031】(実施例4) [ポリ(4−メチル−2,5−ピリミジンジイル)の合
成]〔2−アミノ−4−メチル−5−ブロモピリミジン
の合成〕クロロホルム150mlに市販品の5.45g
(50.0mmol)の2−アミノ−4−メチルピリミ
ジンを溶解させた。8.40g(50.0mmol)の
N−ブロモこはく酸イミドを加え、室温で30分撹拌し
た。溶媒を留去した後、50mlの酢酸エチルを加え1
5分間煮沸した。室温まで冷却後、白色沈殿を濾取し
て、エタノールから再結晶して目的物である6.75g
(35.9mmol)の2−アミノ−4−メチル−5−
ブロモピリミジンを得た。 1H−NMR測定による結果
は次のとおりである;2.48ppm(siglet)
(メチル基の水素)、4.42ppm(siglet)
(アミノ基の水素)、6.24ppm(double
t)(ピリミジン環5位の水素)、7.51ppm(d
oublet)(ピリミジン環6位の水素)。元素分析
の結果は理論値と許容誤差の範囲で一致していた。
【0032】[2,5−ジブロモ−3−メチルピリミジ
ンの合成] 不活性雰囲気にした反応容器に48%臭酸10mlを入
れ、−5℃に冷却した。1.88g(10.0mmo
l)の2−アミノ−4−メチル−5−ブロモピリミジン
を加え、30分撹拌した。臭素1.17mlを滴下、3
0分撹拌した。亜硝酸ナトリウム水溶液(亜硝酸ナトリ
ウム1.93g、蒸留水2.6ml)を滴下、1時間撹
拌した。反応溶液を室温に戻し、更に1時間撹拌した。
液温が20℃を越えないように水酸化ナトリウム水溶液
で弱塩基性にした。クロロホルムで抽出、有機層を無水
硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒留去後、カラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=
1:9)で精製して、1.61g(6.4mmol)の
黄色固体である2,5−ジブロモ−−メチルピリミジ
ンを得た。 1H−NMR測定による結果は次のとおりで
ある;2.45ppm(siglet)(メチル基の水
素)、8.22ppm(siglet)(ピリミジン環
6位の水素)。元素分析の結果は理論値と許容誤差の範
囲で一致していた。
【0033】[ポリ(4−メチル−2,5−ピリミジン
ジイル)の合成] 不活性雰囲気の反応容器に、ビス(1,5−シクロオク
タジエン)ニッケル0.74g(2.69mmol)、
N,N−ジメチルホルムアミド30ml、2,2’−ビ
ピリジン0.406g(2.60mmol)、1,5−
シクロオクタジエン0.466mlをこの順序で加え、
撹拌した。別の容器を不活性雰囲気にし、2,5−ジブ
ロモ−−メチルピリミジン0.504g(2.00m
mol)、N,N−ジメチルホルムアミド10mlを加
え、撹拌、溶解した。この2つの溶液を混合し、不活性
雰囲気を保ちつつ、60℃で48時間加熱した。反応溶
液をアンモニア水に注ぎ、撹拌洗浄した。沈殿を濾取し
てアンモニア水、メタノールで洗浄を繰り返した。最小
限の蟻酸に溶解させ、アンモニア水に滴下して再沈殿を
行った。得られた固体をエチレンジアミン四酢酸二ナト
リウム水溶液で洗浄した。最後にメタノールで洗浄し
て、減圧乾燥してポリ(4−メチル−2,5−ピリミジ
ンジイル)0.15g(収率80%)を得た。クロロホ
ルムに溶解し、GPC測定したところ、平均分子量95
00の高分子であった。 1H−NMR測定による結果は
次のとおりである;1.3ppm(メチル基の水素)、
8.1ppm(ピリミジン環6位の水素)。元素分析の
結果は次のとおり;炭素64.83%(理論値65.2
1%)、水素4.97%(理論値4.38%)、窒素2
9.69%(理論値30.41%)、臭素0.01%以
下。
【0034】(実施例5) [電気化学的ドーピング]実施例4で得たポリ(4−メ
チル−2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホ
ルム溶液を白金電極上に塗布し(約1μm)、白金を対
照極、銀/塩化銀を参照極として0.5M(Bu)4
BF4 /CH3 CN中でサイクリックボルタンメトリー
法により、酸化還元電位を調べた。その結果、−2.3
Vvs.Ag/Ag+ 付近に(Bu)4 +のドーピング、
アンドーピングに伴う酸化還元反応が見られた。
【0035】(実施例6) [化学的n型ドーピング] 実施例4で得たポリ(4−メチル−2,5−ピリミジン
ジイル)を厚さ1μmの均一なフィルムに加工して、ナ
トリウムナフタレニドのテトラヒドロフラン溶液に8時
間浸透して、その後50℃で1時間減圧乾燥し、ナトリ
ウムによるn型ドーピングを行った。このドーピングし
た試料の電気伝導度を4端子法によって測定した。その
結果、ドーピング前の試料の電気伝導度1×10 -8
/cm以下であるのに対して、ドーピング後の試料は1
×10 -3 S/cmであった。
【0036】(実施例7) [エレクトロルミネッセント材料の製造]エレクトロル
ミネッセント材料として、文献記載の方法(F.E.k
araszら;J.Polymer Sci.Poly
mer Chemistry,26,3241(198
8))により合成したポリ(パラフェニレンビニレン)
の前躯体であるポリ(パラキシリレンジメチルスルホニ
ウムクロリド)の1重量%水溶液をITOガラス上に塗
布後、窒素雰囲気下、150℃で2時間加熱することに
よりポリ(パラフェニレンビニレン)膜を形成した。こ
の上に実施例1で得られたポリ(4,6−ジメチル−
2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホルム溶
液を1000rpmで回転塗布した後、減圧乾燥して電
子輸送層を形成した。これに、電極としてアルミニウム
を真空蒸着し、エレクトロルミネッセンス素子を作成し
た。ITOガラスを正極、アルミニウムを負極として5
Vの直流電圧を印加したところ、ポリ(パラフェニレン
ビニレン)のみの単層エレクトロルミネッセンス素子と
比較して発光輝度が約20%向上した。
【0037】(実施例8) [エレクトロルミネッセント材料の製造]エレクトロル
ミネッセント材料として、実施例7と同様にしてITO
ガラス上にポリ(パラフェニレンビニレン)膜を形成
後、その上に実施例4で得られたポリ(4−メチル−
2,5−ピリミジンジイル)の3重量%クロロホルム溶
液を1000rpmで回転塗布した後、減圧乾燥して電
子輸送層を形成した。これに電極としてアルミニウムを
真空蒸着し、エレクトロルミネッセント素子を作成し
た。ITOガラスを正極、アルミニウムを負極として5
Vの直流電圧を印加したところ、ポリ(パラフェニレン
ビニレン)のみの単層エレクトロルミネッセンス素子と
比較して、発光輝度が約20%向上した。
【0038】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によればn型
ドーピング可能なポリ(アルキル置換−2,5−ピリミ
ジンジイル)ならびにそれをドーピングした導電性高分
子が得られる。更に、この得られた高分子は多くの有機
溶媒に可溶で電極、基板等との接着性が良好で成膜が容
易であり、導体、半導体、光学材料、帯電防止材料な
ど、機能性材料として用いることができ、電池、表示素
子、OPC電極、修飾電極、エレクトロクロミック素
子、エレクトロルミネッセント素子、非線形光学素子、
有機太陽電池、有機トランジスタなど、各種のデバイス
への応用が可能である。
【0039】特に、本n型導電性高分子を用いたエレク
トロルミネッセント材料は発光輝度が高く、有用な性能
を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ水素または炭素数1乃至
    4のアルキル基を示し、R1 とR2 の少なくとも一方が
    アルキル基である。)で表される置換−2,5−ピリミ
    ジンジイルを繰り返し単位とし、平均重合度nが10〜
    1000の範囲にある有機溶媒可溶のポリ(アルキル置
    換−2,5−ピリミジンジイル)。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有機溶媒可溶のポリ(ア
    ルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)を化学的また
    は電気化学的にn型ドーピングしたn型導電性高分子。
  3. 【請求項3】 2,5−ジハロゲノ−4および/または
    6アルキル置換−ピリミジンにゼロ価ニッケル錯体を脱
    ハロゲン化剤として加え、重縮合反応させることを特徴
    とする有機溶媒可溶のポリ(アルキル置換−2,5−ピ
    リミジンジイル)の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の有機溶媒可溶のポリ(ア
    ルキル置換−2,5−ピリミジンジイル)の導電性高分
    子を用いたエレクトロルミネッセント材料。
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