JP4867166B2 - 高分子化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子化合物の製造方法に関する。
高分子化合物、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリチオフェン等の共役系の高分子化合物の製造方法として、脱離基としてのハロゲン原子を2個有する単量体に金属縮合剤としてのゼロ価のニッケル錯体を、25℃程度の室温で作用させ、次いで反応温度まで昇温し縮合重合する方法が知られている(非特許文献1、特許文献1、特許文献2)。
Macromolecules 1992,25,1214−1223 特開平7−247344 特開2002−284862
しかしながら、上記方法においては、得られる高分子化合物の分子量が必ずしも満足できる水準まで増大しないという問題があった。
本発明の目的は、脱離基を2個有する単量体1種類以上を金属縮合剤の存在下縮合重合させて高分子量の高分子化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属縮合剤を、単量体と作用させる際の温度を、45℃以上とすることにより、得られる高分子化合物の分子量が高くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
下記式(1)から選ばれる1種類以上の単量体を金属および金属化合物から選ばれる金属縮合剤の存在下縮合重合させて、下記式(6)で示される繰り返し単位を1種類以上有する高分子化合物を製造するに際し、
前記金属縮合剤を、単量体に作用させる際の温度が、45℃以上であることを特徴とする高分子化合物の製造方法を提供するものである。

1−Z1−A−Z2−Y2 (1)
〔式中、Y1およびY2はそれぞれ独立に、上記縮合剤の作用により脱離可能な原子または原子団を表し、
−A−は、
−Ar1− (2)、
―Ar2−X1―(Ar3−X2w―Ar4− (3)、
−Ar5−X3− (4)
または
−X4− (5)
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、およびAr5はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を表し、X1は、−C≡C−、−N(R1)−、または−(SiR23y−を表し、X2、およびX3は、−CR4=CR5−、−C≡C−、−N(R1)−、または−(SiR23y−を表し、X4は、−CR4=CR5−、−C≡C−、または−(SiR23y−を表し、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、wは0〜1の整数を表し、yは1〜12の整数を表す。R2、およびR3がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)を表し、
−Z1−および−Z2−はそれぞれ独立に、直接結合、−C≡C−、または−CR6=CR7−を表し、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す〕

−Z1−A−Z2− (6)
〔式中、−A−、−Z1−および−Z2−は前記と同じ意味を表す。〕
本発明によれば、脱離基を2個有する単量体1種類以上を金属縮合剤を用いて縮合重合させることにより、高分子量の高分子化合物を製造することができる。
本発明に用いる式(1)で示される単量体において、Y1およびY2はそれぞれ独立に、脱離基を表す。
脱離基としては、水素原子、ハロゲン原子、−OSO28、−B(OR92 、−Sn(R103、−MgX等が挙げられる。
(式中R8はアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を表す。R9は水素原子、アルキル基、またはアリール基を表し、2つのR9は同一でも異なっていてもよく、一緒になって、環を形成していてもよい。
10はアルキル基またはアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す)。
ここでハロゲン原子としては臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
−OSO28としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、p−ニトロベンゼンスルホネート基、ベンジルスルホネート基などが例示される。
−B(OR92 としては、下記式で示される基などが例示される。
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式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
−Sn(R103としては、−Sn(n−Bu)3、−Sn(Me)3、−Sn(Ph)3などが例示される。式中、n−Buはノルマルブチル基を、Meはメチル基を、Phはフェニル基を示す。
−MgXとしては、−MgCl、−MgBr、−MgIが例示される。
本発明に用いる式(1)で示される単量体において、
−A−は、
−Ar1− (2)、
―Ar2−X1―(Ar3−X2w―Ar4− (3)、
−Ar5−X3− (4)
または
−X4− (5)
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、およびAr5はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を表し、X1は、−C≡C−、−N(R1)−、または−(SiR23y−を表し、X2、およびX3は、−CR4=CR5−、−C≡C−、−N(R1)−、または−(SiR23y−を表し、X4は、−CR4=CR5−、−C≡C−、または−(SiR23y−を表し、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、wは0〜1の整数を表し、yは1〜12の整数を表す。R2、およびR3がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)を表す。
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、およびAr5で示されるアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基の中では、アリーレン基、2価の複素環基が好ましい。
ここにアリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。

アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレン−ジイル基(下図の式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下図の式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下図の式20〜25)、 ターフェニル−ジイル基(下図の式26〜28)、 縮合環化合物基(下図の式29〜35)、フルオレン−ジイル基(下図の式36〜38)、インデノフルオレン−ジイル(下図38A〜38B)、スチルベン−ジイル(下図の式A〜D), ジスチルベン−ジイル (下図の式E,F)などが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニル−ジイル基、フルオレンージイル基、スチルベンージイル基が好ましい。

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上記式(2)〜(5)において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、およびAr5で示される2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。
2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)、など。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、ホウ素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、ホウ素、硫黄、セレンなどを含みインデノフルオレン構造を有する基(下図の式J〜O)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜98)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基:(下図の式99〜110)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の式111〜112)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基:(下図の式113〜119)。
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基:(下図の式120〜125)。

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Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、およびAr5で示される金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基をいう。
有機配位子を有する金属錯体の有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度である。有機配位子としては、例えば、8−キノリノールおよびその誘導体、ベンゾキノリノールおよびその誘導体、2−フェニル−ピリジンおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾールおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾールおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体などが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知のもの、いわゆる三重項発光錯体などが挙げられる。
金属錯体構造を有する2価の基としては、例えば、以下の(126〜132)が例示される。
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上記の式1〜132、J〜Oにおいて、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、またはシアノ基を示す。
上記置換基の例において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、これらのRの内の複数のRが連結または縮合して、環を形成していてもよい。また、Rがアルキルを含む場合には、アルキルの一部のメチル基やメチレン基がヘテロ原子を含む基や一つ以上のフッ素で置換されたメチル基やメチレン基で置き換えられていてもよく、それらのヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。
さらに、Rがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
また、溶媒への溶解性を高めるためには、1つの構造式中の複数のRのうち少なくとも一つが水素原子以外であることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。また、1つの構造式中のRの1つ以上が炭素数3以上の直鎖状、または環状もしくは分岐のあるアルキル基を含む基であることが好ましい。
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、およびAr5が有していてもよい置換基の中で、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは3〜20であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは3〜20であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは3〜20であり、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
アリール基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。ここに、アリール基とは、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレンなどの基を介して結合したものも含まれる。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルとして具体的には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、3,7−ジメチルオクチル、ラウリルなどが例示される。
アリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
アリールチオ基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチチル基、フェニルオクチル基などのフェニル−C1〜C12アルキル基、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルキルチオ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基が好ましい。
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度、好ましくは8〜48であり、その具体例としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度、好ましくは8〜48であり、その具体例としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基から選ばれる1または2個の基で置換されたアミノ基があげられる。
置換アミノ基は、炭素数が通常1〜60程度、好ましくは2〜48であり、その具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、カルバゾイル基などが例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基から選ばれる1、2または3個の基で置換されたシリル基があげられる。
置換シリル基は、炭素数が通常1〜60程度、好ましくは3〜48であり、その具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピリシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロピルオキシシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピリシリル基、メチルジメトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、などが例示される。
置換シリルオキシ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基から選ばれる1、2または3個の基で置換されたシリルオキシ基があげられる。置換シリルオキシ基は、炭素数が通常1〜60程度、好ましくは3〜48であり、その具体例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、トリ−i−プロピルシリルオキシ基、ジメチル−i−プロピリシリルオキシ基、ジエチル−i−プロピルシリルオキシ基、t−ブチルシリルジメチルシリルオキシ基、ペンチルジメチルシリルオキシ基、ヘキシルジメチルシリルオキシ基、ヘプチルジメチルシリルオキシ基、オクチルジメチルシリルオキシ基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリルオキシ基、ノニルジメチルシリルオキシ基、デシルジメチルシリルオキシ基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリルオキシ基、ラウリルジメチルシリルオキシ基、フェニル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基、トリメトキシシリルオキシ基、トリエトキシシリルオキシ基、トリプロピルオキシシリルオキシ基、トリ−i−プロピルシリルオキシ基、ジメチル−i−プロピリシリルオキシ基、メチルジメトキシシリルオキシ基、エチルジメトキシシリルオキシ基、などが例示される。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示される。
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは2〜18であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは2〜18であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
イミン残基とは、イミン化合物(分子内に、−N=C-を持つ有機化合物のことをいう。その例として、アルジミン、ケチミン及びこれらのN上の水素原子が、アルキル基等で置換された化合物があげられる)から水素原子1個を除いた残基をいい、通常炭素数が2〜60程度、好ましくは炭素数2〜20であり、その具体例としては、以下の構造式で示される基などが例示される。


Figure 0004867166
アミド基は、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは2〜18であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基などが例示される。
酸イミド基としては、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基があげられ、通常炭素数2〜60程度であり、好ましくは炭素数2〜20である。具体的には以下に示す基が例示される。

Figure 0004867166
上記例示において、Meはメチル基を示す。
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数が通常3〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。
1価の複素環基の具体例としては、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
置換カルボキシル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基で置換されたカルボキシル基をがあげられる。
置換カルボキシル基は、通常炭素数が2〜60程度、好ましくは2〜48であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、などが挙げられる。
上記式(2)〜(5)の中では、上記式(2)、式(3)がより好ましい。
上記式(2)の中では、下記式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)が好ましい。

Figure 0004867166
式中、R25は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。zは0〜4の整数を示す。R25が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
(8)の具体例としては、
Figure 0004867166
があげられる。

Figure 0004867166
〔式中、R26およびR27は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。aaおよびbbはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。R26およびR27がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
(9)の具体例としては
Figure 0004867166
があげられる。

Figure 0004867166
〔式中、R28およびR31は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。R29およびR30は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。ccおよびddはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R28およびR31がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕


(10)の具体例としては
Figure 0004867166
があげられる。

Figure 0004867166
式中、R32は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。eeは0〜2の整数を示す。Ar6 およびAr7はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。saおよびsbはそれぞれ独立に0または1を示す。X8は、O、S、SO、SO2、Se,またはTeを示す。R32が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
(11)の具体例としては

Figure 0004867166
があげられる。

Figure 0004867166
式中、R33およびR34は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。ffおよびggはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。X5は、O、S、SO、SO2、Se,Te、N−R35、またはSiR3637を示す。X6およびX7は、それぞれ独立に、NまたはC−R38を示す。R35、R36、R37およびR38はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基を示す。R33、R34、R36およびR37がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕

式(12)の中央の5員環の例としては、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどがあげられる。
(12)の具体例としては
Figure 0004867166
があげられる。

Figure 0004867166

式中、R39およびR44は、それぞれ独立に式(8)のR25と同じ基を示す。hhおよびjjはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R40、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に式(10)のR29と同じ基を示す。Ar5はアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。R39およびR44が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
(12)の具体例としては
Figure 0004867166
があげられる。
また上記式(3)の中では、下記式(14)が好ましい。
Figure 0004867166

式中、Ar11、Ar12、Ar13およびAr14は、それぞれ独立にアリーレン基または2価の複素環基を表す。Ar15、Ar16およびAr17は、それぞれ独立にアリール基または1価の複素環基を表す。qqおよびrrはそれぞれ独立に0または1を表し、0≦qq+rr≦1である。
上記(14)の具体例としては、下図(式133〜140)が挙げられる。

Figure 0004867166

Figure 0004867166


Figure 0004867166

上記式においてRは、前記式1〜132、J〜Oのそれと同じ意味を表す。
式(14)の中では、下記式(14-2)が好ましい。

Figure 0004867166
式中、R45、R46およびR47は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。kkおよびmmはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ppは1〜2の整数を示す。nnは0〜5の整数を示す。R45、R46およびR47が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
本発明に用いる式(1)で示される単量体において、−Z1−および−Z2−はそれぞれ独立に、直接結合、−C≡C−、または−CR6=CR7−を表す。R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す。
ここに、R6およびR7で示されるアルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは3〜20であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アリール基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。ここに、アリール基とは、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレンなどの基を介して結合したものも含まれる。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルとして具体的には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、3,7−ジメチルオクチル、ラウリルなどが例示される。
1価の複素環基は、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数が通常3〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。
1価の複素環基の具体例としては、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
置換カルボキシル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基で置換されたカルボキシル基をがあげられる。
置換カルボキシル基は、通常炭素数が2〜60程度、好ましくは2〜48であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、などが挙げられる。
次に上記式(1)で示される単量体の製造方法について説明する。
上記式(1)で示される単量体の製造方法は、Y1、Y2で示される脱離基の種類によって異なるが、例えば第一の製造方法としては、下記式(1’)で示される化合物のWを、Y1、Y2に置換する方法があげられる。
W−Z1−A−Z2−W (1’)
ここで、−Z1−、−Z2−およびAは前記と同じ意味を表し、Wは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、トリアルキルシリル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ホルミル基などを表す。
第一の製法につき具体的に説明する。
式(1)で示される化合物(−Z1−、−Z2−が直接結合、Y1およびY2がハロゲン原子)は、式(1’)で示される化合物(−Z1−、−Z2−が直接結合、Wが水素原子)と、塩素、臭素、N−ブロモスクシンイミド、ヨウ素−トリフルオロ酢酸銀等のハロゲン化試剤とを反応させることにより製造することができる。この場合必要に応じ、式(1’)で示される化合物を塩基を反応させた後にハロゲン化試剤と反応させてもよい
また、式(1)で示される化合物(Y1およびY2がハロゲン原子)は、式(1’)で示される化合物(Wがニトロ基)を例えば、Ru/C等の触媒により還元してアミノ体とし、該アミノ体を、亜硝酸等によりジアゾ化してジアゾ体とし、これを塩化水素、臭化水素、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム等のハロゲン化剤で処理することにより製造することができる。
また、式(1)で示される化合物(Y1およびY2がハロゲン原子)は、式(1’)で示される化合物(Wがトリアルキルシリル基)と、ヨウ化ナトリウム−N−クロロスクシンイミド、一塩化ヨウ素等のハロゲン化試剤とを反応させることにより製造できる。
式(1)で示される化合物、(Y1、Y2が−B(OR92)は、(1’)で示される化合物(Wが水素原子)を、例えば、塩基と反応させた後に、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン等のホウ酸化合物と反応させることにより製造することができる(式中R9は前記と同じ意味を表す)。
式(1)で示される化合物(Y1、Y2が−B(OR92)は、(1)で示される化合物(Wがハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニル基等)
と例えば、ビスピナコラートジボラン等のホウ酸化合物と反応させることにより製造することができる(式中R9は前記と同じ意味を表す)。
また、式(1)で示される化合物(Y1、Y2が−OSO28)は、式(1)で示される化合物(Y1、Y2が−B(OR92)を過酸化水素等と反応させた後、スルホニルハライド等のスルホネート化試剤によりスルホネート化することにより製造することができる(式中R8は前記と同じ意味を表す)。
また、式(1)で示される化合物(−Z1−、−Z2−が−CR6=CR7−、または−C≡C−、Y1、Y2が水素原子)は、式(1’)で示される化合物(−Z1−、−Z2−が直接結合、W1、W2が水素原子)をVilsmeier反応等に供することにより、式(1’)で示される化合物(W1、W2がホルミル基)を合成し、さらにこのホルミル体をWittig反応、Corey−Fuchsアセチレン合成反応等に供することにより、製造することができる。(式中R6、R7は前記と同じ意味を表す)。
式(1)で示される単量体の第二の製造方法としては、下記式(1”)で示されるY1、Y2で示される脱離基を有する中間体を合成した後に、Dを各種閉環反応、官能基変換反応、置換反応、脱離反応等によりAに変換する製法が例示される。
1−Z1−D−Z2−Y2 (1”)
本発明の高分子化合物の製造方法は、金属および金属化合物から選ばれる金属縮合剤を用いて上記式(1)から選ばれる単量体を縮合重合するに際し、前記金属縮合剤を、単量体と作用させる際の温度が、45℃以上であることを特徴とする。この温度は実質的に45℃以上であればよい。
単量体に作用させる際の温度としては、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。
縮合重合に用いる金属縮合剤の全量に対して、半量以上、好ましくは、60重量%以上、より好ましくは、90重量%以上、特に好ましくは全量を単量体に作用させる際の温度が実質的に45℃以上であることが好ましい。
縮合重合が当量反応である場合には、通常は、縮合重合に用いる金属縮合剤の全量は、
単量体に対して1〜5当量程度であり、縮合重合が触媒反応である場合には、通常は、縮合重合に用いる金属縮合剤の全量は、通常、その反応を触媒するのに持いられている量、例えば、単量体に対して0.001〜1当量程度である。
『金属縮合剤を、単量体に作用させる際の温度が実質的に45℃以上である』とは、作用させる場所の近傍における実質的な温度が45℃以上であることを意味するが、例えば、溶媒中で、金属縮合剤を、単量体に、攪拌下混合することにより作用させる場合には、『実質的な温度』は反応液温としてよい。
『金属縮合剤を、単量体に作用させる際の温度』の上限は用いる単量体や縮合重合に用いる縮合反応、溶媒によっても異なるが250℃以下であることが好ましい。
本発明の高分子化合物の製造方法において、金属縮合剤を、45℃以上で単量体と作用させる方法としては、溶媒を使用する場合につき例示すれば
(a)単量体および溶媒を含む混合液の温度を45℃以上に保ちながら、該混合液に、金属縮合剤を固体で、または溶媒との混合液として混合する方法、
(b)金属縮合剤および溶媒を含む混合液を45℃以上に保ちながら、該混合液に単量体を固体で、または溶媒との混合液として混合する方法、
(c)単量体の一部および溶媒を含む混合液の温度を45℃以上に保ちながら、該混合液に、金属縮合剤(固体で、または有機溶媒との混合液として)と、残りの単量体(固体で、または溶媒との混合液として)とを、別々に、混合する方法。
(d)溶媒の温度を45℃以上に保ちながら、金属縮合剤(固体で、または有機溶媒との混合液として)、および単量体(固体で、または溶媒との混合液として)を、それぞれ別々に固体、または有機溶媒との混合液で仕込む方法
などがあげられるが、高分子量化の観点から、単量体と溶媒とを含む混合液の温度を45℃以上に保ちながら、該混合液に、金属縮合剤(好ましくはゼロ価ニッケル錯体)を仕込む方法((a)または(c))が好ましく、操作性の面から(a)の方法(金属縮合剤として好ましくはゼロ価ニッケル錯体)がより好ましい。
また、金属縮合剤を複数回にわけて単量体に作用させてもよい。
反応方法としては、回分式、半回分式、連続式のいずれも採用可能であるが、
回分式が好ましい。
本発明の高分子化合物の製造方法は金属および金属化合物から選ばれる金属縮合剤の存在下、前記式(1)から選ばれる1種以上の単量体を縮合重合するに際し、金属縮合剤を、単量体に作用させる際の温度が、実質的に45℃以上であることを特徴とするが、その縮合重合に用いる縮合反応としては、特に限定されないが、例えば、
Yamamotoカップリング反応、Suzukiカップリング反応、トランスメタル化反応、Heck反応、Sonogashira反応、Stille反応、Ullmann反応などの金属縮合剤を用いる縮合反応が例示され、Yamamotoカップリング反応が好ましい。
本発明の製造方法に用いる金属および金属化合物から選ばれる金属縮合剤は、縮合重合に用いる縮合反応の種類に応じて選ばれる。
金属縮合剤としては、例えば縮合反応としてYamamotoカップリング反応を用いる場合にはゼロ価ニッケル錯体が挙げられ、
縮合反応としてSuzukiカップリング反応、トランスメタル化反応、Stille反応、Heck反応、Sonogashira反応などを用いる場合はニッケル触媒またはパラジウム触媒等の遷移金属化合物、および必要に応じて各反応における助触媒や塩基などが挙げられ
縮合反応としてUllmann反応を用いる場合は銅、ニッケルなどの金属が挙げられる。
金属縮合剤は、単独で、またはそれを含有する混合液、混合物でも用いることができる。また、系内において金属縮合剤を発生することができる前駆体の状態でも用いることができる。
以下、代表的な縮合重合に関して説明する。
縮合重合に用いる縮合反応が、Yamamotoカップリング反応である場合、
式(1)で示される単量体としてはY1およびY2がそれぞれ独立にハロゲン原子、または−OSO28であることが好ましく、ハロゲン原子がより好ましい。(式中R8は前記と同じ意味を表す)。ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、高反応性なので、塩素原子、臭素原子が好ましく、臭素原子が特に好ましい。
この場合、式(1)で示される単量体としては、例えば、以下の式で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004867166
(式中、Xはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、A、R8はそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す。)
また式(1)で示される単量体の中では、−Z1−および−Z2−が直接結合であるものが好ましい。
また、縮合重合に用いる縮合反応が、Yamamotoカップリング反応である場合、 金属縮合剤としては、通常はゼロ価ニッケル錯体が用いられる。
ゼロ価ニッケル錯体としては、ゼロ価ニッケル錯体を使う方法と、2価のニッケル化合物を亜鉛やヒドラジン等の還元剤の存在下で反応させ、系内でゼロ価ニッケル化合物を生成させ、反応させる方法があるが、還元剤を使わずゼロ価ニッケル錯体をそのまま使う方法が好ましい。
ゼロ価ニッケル錯体の使用量としては、通常は式(1)で示される単量体1モルに対して0.01モル以上である。亜鉛やヒドラジン等の還元剤を用いない場合は、使用量が過少であると分子量が小さい傾向にあるので、好ましくは1.5モル以上、より好ましくは1.8モル以上、更により好ましくは2.1モル以上である。使用量の上限は限定的ではないが、使用量が多すぎると後処理が困難になる傾向があるために、5.0モル以下であることが望ましい。亜鉛、ヒドラジン等の還元剤の存在下で実施する場合は、ゼロ価ニッケル錯体は、触媒的に働くために0.01〜1モル程度が好ましく、0.01〜0.5モル程度がより好ましい。
ゼロ価ニッケル錯体としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が、汎用性で安価という観点で好ましい。
また、中性配位子を添加することが、収率向上の観点から好ましい。
ここに、中性配位子とは、アニオンやカチオンを有していない配位子であり、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N‘−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン、1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン等の第三級ホスフィン配位子、などが例示され、汎用性、安価の点で含窒素配位子が好ましく、2,2’−ビピリジルが高反応性、高収率の点で特に好ましい。特に、重合体の収率向上の点から、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を含む系に中性配位子として2,2’−ビピリジルを加えた系が好ましい。系内でゼロ価ニッケルを生成させ、反応させる方法においては、2価のニッケル化合物として塩化ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。還元剤としては、亜鉛,水素化ナトリウム,ヒドラジンおよびその誘導体、リチウムアルミニウムヒドリドなどが挙げられ、必要に応じて添加物として、よう化アンモニウム、よう化リチウム、よう化カリウム等が用いられる。
反応は、通常は、溶媒中で行うが、溶媒としては、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、ベンゼン、n−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラリン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチルなどのエステル系溶媒、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒などが例示される。
中でも、高分子量化の観点からエーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が好ましい。また、ろ過による生成物の取り出しにおける容易性の面からテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒がより好ましい。

また、これらの溶媒は単独で、若しくは2種類以上の溶媒を任意の比率で混合することにより混合溶媒として用いることができる。溶媒量は、特に限定されないが、あまりにも低濃度では、生成した高分子化合物を回収することが困難になることがあり、また、あまりにも高濃度では、攪拌が困難になることがあることから、溶媒、式(1)で示される単量体、金属縮合剤の合計を100重量%としたとき、好ましくは0.05〜40重量%、より好ましくは0.1〜25重量%となるような溶媒量が望ましい。
反応温度としては、特に限定されず、溶媒を用いる場合には、用いる溶媒にもよるが、通常45〜200℃程度であり、低加熱費の観点から45〜160℃程度が好ましく、50〜100℃程度がより好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。
反応時間は通常0.25〜200時間程度であり、生産性等の観点から、0.25〜50時間程度が好ましい。
Yamamotoカップリング反応については、例えば、Macromolecules 1992,25,1214-1223に記載されている。
縮合重合に用いる縮合反応が、が、Suzukiカップリング反応である場合は、式(1)で示される単量体としてはY1およびY2がそれぞれ独立にハロゲン原子、−OSO28、または−B(OR92である単量体を用いるが、通常は単量体全量の、ハロゲン原子および−OSO28のモル数の合計(J)と、−B(OR92 のモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常K/Jは0.7から1.2の範囲)である。(式中、R8およびR9はそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す)
この場合、式(1)で示される単量体としては、例えば、
X-A-X、R82SO−A−OSO28およびX−A−OSO28から選ばれる1種以上と(R9O)2B−A−B(OR92から選ばれる1種以上との組みあわせ;
X-A-B(OR92およびR82SO−A−B(OR92から選ばれる1種以上などが挙げられる。
また式(1)で示される単量体の中では、−Z1−および−Z2−が直接結合であるものが好ましい。
また、縮合重合が、Suzukiカップリング反応である場合、金属縮合剤としてはニッケル触媒、パラジウム触媒等が好ましい。
ニッケル触媒としては、例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ニッケル(II)ジクロライド等が挙げられ、パラジウム触媒としては、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などが挙げられる。
金属縮合剤の使用量としては、通常は式(1)で示される単量体1モルに対して、0.001モル以上である。上限は限定的ではないが、原料費の観点から、0.1モル以下である事が望ましい。
また、金属縮合剤として、例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ニッケル(II)ジクロライド等を用いる場合は必要に応じて中性配位子を添加する事が望ましく、中性配位子をあらかじめ配位させた、金属縮合剤を用いてもよい。
ここに、中性配位子とは、アニオンやカチオンを有していない配位子であり、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N‘−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン、1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン等の第三級ホスフィン配位子、などが例示される。
通常は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液として、2相系で反応させてもよい。 溶媒としては、 N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。反応温度としては、溶媒を用いる場合には、溶媒にもよるが45〜160℃程度の温度が好適に用いられる。溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。
Suzukiカップリング反応については、例えば、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)に記載されている。
縮合重合に用いる縮合反応が、トランスメタル化反応である場合は、式(1)で示される単量体としては通常は、Y1およびY2がそれぞれ独立にハロゲン原子、−MgXである単量体を用いるが、通常は単量体全量中の、ハロゲン原子のモル数の合計(J)と、−MgXのモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常K/Jは0.7から1.2の範囲)である。(式中、Xはそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す。)。
この場合、式(1)で示される単量体としては、例えば、
X−A−Xから選ばれる1種以上と、
XMg−A−MgXから選ばれる1種以上の組み合わせ;
X-A-MgXから選ばれる1種以上;
が挙げられる。
(式中、A、Xはそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す。)
また−Z1−、−Z2−は直接結合であることが好ましい。
縮合重合に用いる縮合反応が、トランスメタル化反応である場合に用いる、金属縮合剤としては、ニッケル触媒等の遷移金属化合物が挙げられる、
ニッケル触媒としては、例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)等の遷移金属化合物があげられる。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、反応時間は1時間から200時間程度であり、反応は45〜160℃程度の温度で行われる。
反応系には、反応を促進させるために、必要に応じて、ヨウ素、テトラエチルアンモニウムヨウ化物、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物等を共存させてもよい。また、必要に応じて2,2’−ビピリジル等の中性配位子を添加してもよい。
トランスメタル化反応については、例えば、高分子、第46巻、68頁(1997年)に記載されている。
縮合重合に用いる縮合反応が、Stille反応である場合、通常は、式(1)で示される単量体としてはY1およびY2がそれぞれ独立にハロゲン原子、−OSO28、または−Sn(R103であるものを用いるが、通常は、単量体全量中の、ハロゲン原子および−OSO28のモル数の合計(J)と、−Sn(R103のモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常K/Jは0.7から1.2の範囲)である。金属縮合剤としてはパラジウム触媒等の遷移金属化合物が挙げられる(式中R8、R10はそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す。)。また−Z1−、−Z2−は直接結合であることが好ましい。
この場合、式(1)で示される単量体としては、例えば、
X-A-X、R82SO−A−OSO28から選ばれる1種以上と
(R103Sn−A−Sn(R103から選ばれる1種以上との組みあわせ;

X-A-Sn(R103およびR82SO−A-Sn(R103から選ばれる1種以上;
(式中、A、X、R8、R10はそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す。)

が挙げられる。
縮合重合に用いる縮合反応が、Stille反応である場合、金属縮合剤として、パラジウム触媒等の遷移金属化合物が使用される。
金属縮合剤として、例えば、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]等の遷移金属化合物を用い、テトラヒドロフラン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、45〜200℃程度の温度で行われる。反応系には、反応を促進させるために、必要に応じて、リチウムクロリド等の無機塩を共存させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。
Stille反応については、例えば、高分子、第46巻、68頁(1997年)に記載されている。
縮合重合に用いる縮合反応が、Ullmann反応である場合は、式(1)で示される単量体としては、Y1およびY2がそれぞれ独立にハロゲン原子であるものが好ましい。
また−Z1−、−Z2−は直接結合であることが好ましい。
金属縮合剤としては銅などの金属が挙げられる。金属縮合剤の使用量としては、式(1)で示される単量体1モルに対して0.8〜10モル程度であり、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、80〜200℃程度の温度で行われる。反応時間は1時間から200時間程度である。
Ullmann反応については、例えば、Chemical Reviews,2002,102(5),1359-1469に記載されている。
縮合重合に用いる縮合反応が、Heck反応の場合は式(1)で示される単量体としては、−Z1−および−Z2−がそれぞれ独立に直接結合、または−CR6=CR7−であるものが好ましく、単量体の少なくとも1種として、−Z1−および−Z2−の少なくともいずれか一方が−CR6=CR7−であるものを用いる。
−Z1−、−Z2−が直接結合である場合、Y1およびY2がそれぞれ独立にハロゲン原子であることが好ましく、−Z1−、−Z2−が−CR6=CR7−である場合、Y1およびY2がそれぞれ水素原子であることが好ましい。(式中、R6、およびR7
前記と同じ意味を表す。)
この場合、式(1)で示される単量体としては、例えば、
X−A−X から選ばれる1種以上と
H−R7C=CR6−A−CR6=CR7−Hから選ばれる1種以上との組みあわせ;
X−A−CR6=CR7−Hから選ばれる1種以上;
が挙げられる。
(式中、A、X、R6、R7はそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す。)
金属縮合剤としては、パラジウム触媒などがあげられる。例えば、酢酸パラジウム(II)触媒を用い、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、モノマーを反応させる。N、N−ジメチルホルムアミドやN−メチルピロリドンなどの比較的沸点の高い溶媒を用い、反応温度は、80〜160℃程度、反応時間は、1時間から100時間程度である。Heck反応については、例えば、ポリマー(Polymer),第39巻,5241−5244頁(1998年)に記載されている。
縮合重合に用いる縮合反応が、Sonogashira反応の場合、は式(1)で示される単量体としては、−Z1−、−Z2−は直接結合、または−C≡C−であることが好ましく、単量体の少なくとも1種として、−Z1−および−Z2−の少なくともいずれか一方が−C≡C−であるものを用いる。
−Z1−、−Z2−が直接結合である場合は、Y1およびY2がそれぞれ独立にハロゲン原子であり、また−Z1−、−Z2−が、−C≡C−である場合は、Y1およびY2がそれぞれ独立に水素原子であることが好ましい。
この場合、式(1)で示される単量体としては、例えば、
X−A−X から選ばれる1種以上と
H−C≡C−A−C≡C−Hから選ばれる1種以上との組みあわせ;
X−A−C≡C−Hから選ばれる1種以上;
が挙げられる。(式中、A、Xはそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す。)
金属縮合剤としては、一般的には、パラジウム触媒およびヨウ化第一銅を用い、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、N、N−ジメチルホルムアミド、アミン系溶媒またはエーテル系溶媒などを用いて、モノマーを反応させる。反応条件やモノマーの重合可能な置換基の反応性によるが、通常反応温度は45〜120℃程度、反応時間は1時間から100時間程度である。Sonogashira反応については、例えば、Tetrahedron Letters,第40巻,3347−3350頁(1999年)、Tetrahedron Letters,第16巻,4467−4470頁(1975年)に記載されている。
本発明の縮合重合は、通常は、溶媒中でおこなう。
用いる溶媒は、用いる縮合重合に用いる縮合反応の種類や単量体の種類によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気下で反応を進行させることが望ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応において水との2相系での反応を行う場合のように、水分を系内にあらかじめ存在させるような場合にはその限りではない。
本発明の方法で製造した高分子化合物を高分子LEDに用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等、カラムクロマトグラフィーの方法で精製したのちに重合することが好ましい。
本発明の高分子化合物は、重合後、例えば反応マスを大過剰のメタノール、水、アンモニア水の混合溶液に注加することにより粗ポリマーを析出させ、ろ取、乾燥した後に、有機溶媒に溶解し、不溶の金属分等をろ別し、必要に応じて酸洗浄、アルカリ洗浄等を実施した後に、大過剰のメタノール中に注加し、ポリマーを析出させろ取するといった操作により、得ることができる。また重合後、酸洗浄、アルカリ洗浄、中和、水洗浄、有機溶媒洗浄、再沈殿、遠心分離、抽出、カラムクロマトグラフィー、透析などの慣用の分離操作、精製操作、乾燥その他の操作による純化処理をすることが好ましい。
本発明の高分子化合物は、上述の本発明の製造方法で得られる高分子化合物であり、原料の単量体に由来する、下式(6)で示される繰り返し単位を1種類以上含む。
−Z1−A−Z2− (6)
〔式中、−A−、−Z1−および−Z2−は前記と同じ意味を表す。〕
一般式(1)で示される単量体を1種類使用した場合には、単独重合体が形成される。
また、単量体としてAが互いに異なる2種類以上を使用した場合は、共重合体が形成される。
例えば、上記式(1)で示される互いに異なる2種類の単量体を、
1−Z1−A1−Z2−Y2
1−Z1−A2−Z2−Y2
で表した場合、繰り返し単位として、−Z1−A1−Z2−および−Z1−A2−Z2−を有する共重合体が得られる。
本発明の製造方法で得られる高分子化合物は、通常(6)で示される繰り返し単位の合計が全繰り返し単位の10モル%以上100モル%以下であり、30モル%以上100モル%以下であることがより好ましく、50モル%以上100モル%以下であることがさらに好ましい。
なお、該高分子化合物は、蛍光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、(6)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、繰り返し単位が、非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すもの、および以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、Arは炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。

Figure 0004867166
また、該高分子化合物は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光またはりん光の量子収率の高い高分子発光体(高分子量の発光材料)を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
また、本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素結合を介してアリール基または複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
本発明の製造方法で得られる高分子化合物は、通常、固体状態で蛍光および/または燐光を発し、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常103〜108であり、104〜107であることが好ましく、6x104〜107であることがさらに好ましい。
また、ポリスチレン換算の数平均分子量は通常102〜107であり、103〜106であることが好ましく、6x103〜106であることがさらに好ましい。
次に本発明の高分子化合物の用途について説明する。
本発明の製造方法により得られる高分子化合物は、通常、固体状態で蛍光または燐光を発し、高分子発光体(高分子量の発光材料)として用いることができる。該高分子発光体を用いた高分子LEDは低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDである。従って、該高分子LEDは液晶ディスプレイのバックライト、または照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。
また、本発明の高分子化合物はレーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの伝導性薄膜用材料としても用いることができる。
さらに、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。
本発明の高分子LEDは、陽極および陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が本発明の高分子化合物を含むことを特徴とする。
有機層は、発光層、正孔輸送層、電子輸送層等のいずれであってもよいが、有機層が発光層であることが好ましい。
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
有機層が発光層である場合、有機層である発光層がさらに正孔輸送性材料、電子輸送性材料または発光材料を含んでいてもよい。ここで、発光材料とは、蛍光および/または燐光を示す材料のことをさす。
本発明の高分子化合物と正孔輸送性材料と混合する場合には、その混合物全体に対して、正孔輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子材料と電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の高分子化合物と発光材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子化合物と発光材料、正孔輸送性材料および/または電子輸送性材料を混合する場合にはその混合物全体に対して蛍光性材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送性材料と電子輸送性材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、本発明の高分子化合物の含有量は99wt%〜20wt%である。
混合する正孔輸送性材料、電子輸送性材料、発光材料は公知の低分子化合物や高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。 高分子化合物の正孔輸送性材料、電子輸送性材料および発光材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体および共重合体、芳香族アミンおよびその誘導体の(共)重合体が例示される。
低分子化合物の蛍光性材料としでは、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
三重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、Btp2Ir(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen等が挙げられる。
Figure 0004867166

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三重項発光錯体として具体的には、例えばNature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 、Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995)などに記載されている。
本発明の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物の少なくとも1種類を含有するものであり、発光材料や電荷輸送材料として用いることができる。
正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物の含有比率は、用途に応じて決めればよいが、発光材料の用途の場合は、上記の発光層におけると同じ含有比率が好ましい。
本発明の高分子LEDにおける発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
発光層の形成方法としては、例えば、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
印刷法等で用いるインク組成物としては、少なくとも1種類の本発明の高分子化合物が含有されていればよく、また本発明の高分子化合物以外に正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、溶媒、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該インク組成物中における本発明の高分子化合物の割合は、溶媒を除いた組成物の全重量に対して20wt%〜100wt%であり、好ましくは40wt%〜100wt%である。
またインク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、組成物の全重量に対して1wt%〜99.9wt%であり、好ましくは60wt%〜99.5wt%であり、さらに好ましく80wt%〜99.0wt%である。
インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法などインク組成物中が吐出装置を経由するもの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
インク組成物として用いる溶媒としては特に制限はないが、該インク組成物を構成する溶媒以外の材料を溶解または均一に分散できるものが好ましい。該インク組成物を構成する材料が非極性溶媒に可溶なものである場合に、該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送性材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送性材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。
また、低分子化合物の正孔輸送性材料としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送性材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送性材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送性材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送性材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送性材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送性材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
通常本発明の高分子LEDが有する陽極および陰極の少なくとも一方が透明または半透明である。陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
本発明の高分子LEDは面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子発光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで、数平均分子量および重量平均分子量については、GPC(島津製作所製:LC−10Avp)によりポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量を求めた。測定する重合体は、約0.5wt%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.6mL/minの流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)を用いた。数平均分子量、重量平均分子量については、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算数平均分子量(以後Mnと記載する)および、ポリスチレン換算重量平均分子量(以後Mwと記載する)を求めた。
実施例1
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの縮合重合(60℃)
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4.00g(7.3mmol)と2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレン0.85g(1.8mmol)と2,2’−ビピリジル3.42g(21.9mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)240gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を6.02g(21.9mmol)加え、同温度で5時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール79g/イオン交換水100g/25%アンモニア水18.2g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、クルードポリマー5.3gを得た。クルードポリマーにおいて、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。このクルードポリマーのポリスチレン換算数平均分子量(以後Mnと記載する)は、3.3×105であり、ポリスチレン換算重量平均分子量(以後Mwと記載する)は、1.2×106であった。
上記クルードポリマー0.57gをトルエン160gに溶解させた後、ろ紙にて不溶分をろ別した。ろ液をアルミナカラムに通して精製を行い、回収したトルエン溶液に6%塩酸79gを加えて30分間攪拌し、水層を除去して有機層に 3%アンモニア水76gを加え、30分間攪拌した後に水層を除去して有機層にイオン交換水67gを加え、30分間攪拌した後に水層を除去した。得られたトルエン溶液にメタノール320gをそそぎ込み1時間攪拌し、析出した沈殿を濾過して2時間減圧乾燥させた。得られた共重合体の収量は0.24gであった。共重合体において、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。この共重合体のMnは、3.7×105であり、Mwは、1.2×106であった。
実施例2
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの縮合重合(50℃)
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4.00g(7.3mmol)と2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレン0.85g(1.8mmol)と2,2’−ビピリジル3.42g(21.9mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)240gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した後に、混合溶液を50℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を6.02g(21.9mmol)加え、同温度で5時間反応した。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール79g/イオン交換水100g/25%アンモニア水18.2g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、クルードポリマー3.8gを得た。クルードポリマーにおいて、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。このクルードポリマーのMnは、3.9×105であり、Mwは、1.2×106であった。
比較例1
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの縮合重合(室温〜60℃まで昇温)
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4.00g(7.3mmol)と2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレン0.85g(1.8mmol)と2,2’−ビピリジル3.42g(21.9mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)240gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した。ついでこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を6.02g(21.9mmol)加え、室温で10分間攪拌した後、45分間かけて60℃まで昇温し、同温度で3時間反応した。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール79g/イオン交換水100g/25%アンモニア水18.2g混合溶液中へそそぎ込み、約2時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して8時間減圧乾燥し、クルードポリマー5.2gを得た。クルードポリマーにおいて、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。このクルードポリマーのMnは、1.1×105であり、Mwは、3.1×105であった。
上記クルードポリマー1.74gをトルエン80gに溶解させた後、ろ紙にて不溶分をろ別した。ろ液をアルミナカラムに通して精製を行い、回収したトルエン溶液に6%塩酸79gを加えて30分間攪拌し、水層を除去して有機層に 3%アンモニア水76gを加え、30分間攪拌した後に水層を除去して有機層にイオン交換水67gを加え、30分間攪拌した後に水層を除去した。得られたトルエン溶液にメタノール158gをそそぎ込み1時間攪拌し、析出した沈殿を濾過して2時間減圧乾燥させた。得られた共重合体の収量は0.30gであった。共重合体において、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。この共重合体のMnは、1.1×105であり、Mwは、2.9×105であった。
比較例2
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの縮合重合(28℃)
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4.00g(7.3mmol)と2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレン0.85g(1.8mmol)と2,2’−ビピリジル3.42g(21.9mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)240gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した。次にこの混合溶液に、室温(28℃)にてビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を6.02g(21.9mmol)加え、室温(28℃)で5時間反応した。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール79g/イオン交換水100g/25%アンモニア水18.2g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、クルードポリマー3.2gを得た。クルードポリマーにおいて、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。このクルードポリマーのMnは、5.5×103であり、Mwは、1.4×104であった。
比較例3
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの縮合重合(40℃)
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4.00g(7.3mmol)と2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレン0.85g(1.8mmol)と2,2’−ビピリジル3.42g(21.9mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)240gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した。次にこの混合溶液に、40℃にてビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を6.02g(21.9mmol)加え、同温度で5時間反応した。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール79g/イオン交換水100g/25%アンモニア水18.2g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、クルードポリマー4.9gを得た。クルードポリマーにおいて、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。このクルードポリマーのMnは、1.2×104であり、Mwは、2.4×104であった。
参考例3
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)の合成
参考例3−1 (化合物C−1の合成)
Figure 0004867166
(化合物C−1)
不活性雰囲気下1lの四つ口フラスコに2,8−ジブロモジベンゾチオフェン 7gとTHF 280mlを入れ、室温で撹拌、溶かした後、−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム 29ml(1.6モルヘキサン溶液)を滴下した。滴下終了後、温度を保持したまま2時間撹拌し、トリメトキシボロン酸 13gを滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温まで戻した。3時間室温で撹拌後、TLCで原料の消失を確認した。5%硫酸 100mlを加えて反応を終了させ、室温で12時間撹拌した。水を加えて洗浄し、有機層を分液した。溶媒を酢酸エチルに置換した後、30%過酸化水素水 5mlを加え、40℃で5時間撹拌した。その後有機層を分液し、10%硫酸アンモニウム鉄(II)水溶液で洗浄後乾燥、溶媒を留去することにより、茶色の固体 4.43gを得た。LC−MS測定からは二量体などの副生成物も生成しており、化合物C−1の純度は77%であった(LC面百)。
MS(APCI(−)):(M−H)- 215
参考例3−2 (化合物C−2の合成)
Figure 0004867166

(化合物C−2)
不活性雰囲気下で200mlの三つ口フラスコに上記化合物C−1 4.43gと臭化n−オクチル 25.1g、および炭酸カリウム 12.5g(23.5mmol)を入れ、溶媒としてメチルイソブチルケトン 50mlを加えて125℃で6時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を留去、クロロホルムと水を加えて、有機層を分液し、さらに水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン/シクロヘキサン=1/10)で精製することにより、8.49g(LC面百97%、収率94%)の化合物C−2を得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.91(t、6H)、1.31〜1.90(m、24H)、4.08(t、4H)、7.07(dd、2H)、7.55(d、2H)、7.68(d、2H)
参考例3−3 (化合物C−3の合成)
Figure 0004867166
(化合物C−3)
100ml三つ口フラスコに化合物C−2 6.67gと酢酸 40mlを入れ、オイルバスでバス温度140℃まで昇温した。続いて、30%過酸化水素水 13mlを冷却管から加え、1時間強く撹拌した後、冷水180mlに注いで反応を終了させた。クロロホルムで抽出、乾燥後溶媒を留去することによって、6.96g(LC面百90%、収率97%)の化合物C−3を得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、6H)、1.26〜1.87(m、24H)、4.06(t、4H)、7.19(dd、2H)、7.69(d、2H)、7.84(d、2H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 473
参考例3−4 (化合物C−4の合成)

Figure 0004867166

(化合物C−4)
不活性雰囲気下200ml四つ口フラスコに化合物C−3 3.96gと酢酸/クロロホルム=1:1混合液 15mlを加え、70℃で撹拌し、溶解させた。続いて、臭素 6.02gを上記の溶媒 3mlに溶かして加え、3時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて未反応の臭素を除き、クロロホルムと水を加えて、有機層を分液し乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/4)で精製することにより、4.46g(LC面百98%、収率84%)の化合物C−4を得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.95(t、6H)、1.30〜1.99(m、24H)、4.19(t、4H)、7.04(s、2H)、7.89(s、2H)
MS(FD+)M+ 630

参考例3−5<化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)の合成>

Figure 0004867166

<化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)>
不活性雰囲気下200ml三つ口フラスコに化合物C−4 3.9gとジエチルエーテル 50mlを入れ、40℃まで昇温、撹拌した。水素化アルミニウムリチウム 1.17gを少量ずつ加え、5時間反応させた。水を少量ずつ加えることによって過剰な水素化アルミニウムリチウムを分解し、36%塩酸 5.7mlで洗浄した。クロロホルム、水を加えて、有機層を分液し乾燥した。シリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/5)で精製することにより、1.8g(LC面百99%、収率49%)の化合物Cを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、6H)、1.26〜1.97(m、24H)、4.15(t、4H)、7.45(s、2H)、7.94(s、2H)
MS(FD+)M+ 598
参考例4
化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の合成
参考例4−1
<化合物D−1の合成>

Figure 0004867166

(化合物D−1)
不活性雰囲気下で、500mlの3つ口フラスコに酢酸225gを入れ、5−t−ブチル−m−キシレン24.3gを加えた。続いて臭素31.2gを加えた後、15〜20℃で3時間反応させた。
反応液を水500mlに加え析出した沈殿をろ過した。水250mlで2回洗浄し、白色の固体34.2gを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ(ppm) = 1.3〔s,9H〕、2.4〔s,6H〕、7.1〔s,2H〕
MS(FD+)M+ 241
参考例4−2
<化合物D−2の合成>

Figure 0004867166
(化合物D−2)
不活性雰囲気下で、100mlの3つ口フラスコに脱気した脱水トルエン36mlを入れ、トリ(t−ブチル)ホスフィン0.63gを加えた。続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.41g、上記の化合物D−1 9.6g、t−ブトキシナトリウム5.2g、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン4.7gを加えた後、100℃で3時間反応させた。
反応液を飽和食塩水300mlに加え、約50℃に温めたクロロホルム300mlで抽出した。溶媒を留去した後、トルエン100mlを加えて、固体が溶解するまで加熱、放冷した後、沈殿をろ過し、白色の固体9.9gを得た。
参考例4−3
<化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の合成>

Figure 0004867166
(化合物D:フェニレンジアミン誘導体)
不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド350mlを入れ、上記のN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン5.2gを溶解した後、氷浴下でN−ブロモスクシンイミド3.5g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴下し、一昼夜反応させた。
反応液に水150mlを加え、析出した沈殿をろ過し、メタノール50mlで2回洗浄し化合物Dの白色の固体4.4gを得た。
1H−NMR(300MHz/THF−d8):
δ(ppm) = 1.3〔s,18H〕、2.0〔s,12H〕、6.6〜6.7〔d,4H〕、6.8〜6.9〔br,4H〕、7.1〔s,4H〕、7.2〜7.3〔d,4H〕
MS(FD+)M+ 738
実施例3
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合(60℃)
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)2.73g(4.6mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)3.37g(4.6mmol)と2,2’−ビピリジル3.42g(21.9mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)214gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を6.02g(21.9mmol)加え、同温度で5時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール79g/イオン交換水100g/25%アンモニア水18.2g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して5時間減圧乾燥し、クルードポリマー5.6gを得た。クルードポリマーにおいて、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は50:50である。このクルードポリマーのMnは、2.7×104であり、Mwは、2.4×105であった。
比較例4
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合(室温〜60℃まで昇温)
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)1.8g(3.0mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)2.2g(3.0mmol)と2,2’−ビピリジル1.84g(11.8mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)160mlを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を3.4g(11.8mmol)加え、同温度で3時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール100ml/イオン交換水200ml/25%アンモニア水30ml混合溶液中へそそぎ込み、約2時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過した後、メタノールにて洗浄してから、5時間減圧乾燥し、クルードポリマー2.7gを得た。
上記クルードポリマー全量をトルエン150gに溶解させた後、ろ紙にて不溶分をろ別した。ろ液をアルミナカラムに通して精製を行い、回収したトルエン溶液に25%アンモニア水45mlとイオン交換水200mlとを加え、2時間攪拌した後に水層を除去して有機層にイオン交換水200mlを加え、30分間攪拌した後に水層を除去した。得られたトルエン溶液をメタノール450mlにそそぎ込み1時間攪拌し、析出した沈殿を濾過して5時間減圧乾燥させた。得られた共重合体の収量は1.20gであった。共重合体において、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は50:50である。この重合体のMnは、1.8×104であり、Mwは、4.9×104であった。
実施例4
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合(60℃金属縮合材仕込み)
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)1.616g(2.7mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)1.330g(1.8mmol)と2,2’−ビピリジル1.688g(10.8mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)115gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2.971g(10.8mmol)加え、同温度で3時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール102g/イオン交換水130g/25%アンモニア水8.9g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、クルードポリマー2.76gを得た。クルードポリマーにおいて、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は60:40である。このクルードポリマーのMnは、2.8×104であり、Mwは、2.3×105であった。
比較例5
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合
2,2’−ビピリジル1.688g(10.8mmol)を反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)115gを加え、攪拌溶解した。この混合溶液をアルゴンガスによりバブリングして脱気した後に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2.971g(10.8mmol)加え、60℃まで昇温した。昇温後、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)1.616g(2.7mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)1.330g(1.8mmol)を加え、同温度で3時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール102g/イオン交換水130g/25%アンモニア水8.9g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、クルードポリマー1.80gを得た。クルードポリマーにおいて、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は60:40である。このクルードポリマーのMnは、1.1×10であり、Mwは、1.3×10であった。
実施例
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)0.592g(0.99mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)0.598g(8.1mmol)と2,2’−ビピリジル0.675g(4.32mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにテトラヒドロフラン(脱水溶媒)52mlを加え、攪拌溶解した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.188g(4.32mmol)加え、同温度で3時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール41g/イオン交換水52g/25%アンモニア水3.6g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、クルードポリマー1.11gを得た。クルードポリマーにおいて、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は55:45である。このクルードポリマーのMnは、2.3×10であり、Mwは、2.0×10であった。
実施例
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)0.592g(0.99mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)0.598g(8.1mmol)と2,2’−ビピリジル0.675g(4.32mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにトルエン(脱水溶媒)52mlを加え、攪拌溶解した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.188g(4.32mmol)加え、同温度で3時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール41g/イオン交換水52g/25%アンモニア水3.6g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。本反応では、析出する沈殿が微細で、実施例6のようなろ過取り出しが困難だったため、静置後、水層を分液し、得られた有機層を減圧乾燥してクルードポリマー1.57gを得た。クルードポリマーにおいて、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は55:45である。このクルードポリマーのMnは、2.5×10であり、Mwは、3.2×10であった。
実施例
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)0.592g(0.99mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)0.598g(8.1mmol)と2,2’−ビピリジル0.675g(4.32mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これにN、N−ジメチルホルムアミド(脱水溶媒)52mlを加え、攪拌溶解した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.188g(4.32mmol)加え、同温度で3時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール41g/イオン交換水52g/25%アンモニア水3.6g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、クルードポリマー1.08gを得た。クルードポリマーにおいて、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は55:45である。このクルードポリマーのMnは、7.9×10であり、Mwは、2.0×10であった。
実施例
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の縮合重合
化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)0.592g(0.99mmol)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)0.598g(8.1mmol)と2,2’−ビピリジル0.675g(4.32mmol)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに1,4−ジオキサン(脱水溶媒)52mlを加え、攪拌溶解した後に、混合溶液を60℃まで昇温した。次にこの混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.188g(4.32mmol)加え、同温度で3時間反応させた。なお、反応は窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール41g/イオン交換水52g/25%アンモニア水3.6g混合溶液中へそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、クルードポリマー1.05gを得た。クルードポリマーにおいて、化合物C(ジベンゾチオフェン誘導体)と化合物D(フェニレンジアミン誘導体)の繰り返し単位の比は55:45である。このクルードポリマーのMnは、2.8×10であり、Mwは、2.5×10であった。

Claims (3)

  1. 下記式(1)から選ばれる1種類以上の単量体を金属および金属化合物から選ばれる金属縮合剤の存在下縮合重合させて、下記式(6)で示される繰り返し単位を1種類以上有する高分子化合物を製造するに際し、
    金属縮合剤がゼロ価ニッケル錯体であり、
    単量体と溶媒とを含む混合液の温度を45℃以上に保ちながら、該混合液に、ゼロ価ニッケル錯体を固体で加え、またはゼロ価ニッケル錯体と溶媒との混合液を加えて混合することを特徴とする高分子化合物の製造方法。

    −Z−A−Z−Y (1)
    〔式中、YおよびYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、
    −A−は、
    −Ar− (2)、
    −Ar−X−(Ar−X−Ar− (3)、
    −Ar−X− (4)
    または
    −X− (5)
    (式中、Ar、Ar、Ar、Ar、およびArはそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を表し、Xは、−C≡C−、−N(R)−、または−(SiR−を表し、X、およびXは、−CR=CR−、−C≡C−、−N(R)−、または−(SiR−を表し、Xは、−CR=CR−、−C≡C−、または−(SiR−を表し、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、wは0〜1の整数を表し、yは1〜12の整数を表す。R、およびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)を表し、
    −Z−および−Z−はそれぞれ独立に、直接結合、−C≡C−、または−CR=CR−を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す〕

    −Z−A−Z− (6)
    〔式中、−A−、−Z−および−Z−は前記と同じ意味を表す。〕
  2. ゼロ価ニッケル錯体の量が、式(1)の単量体1モルに対して、0.01〜5モルの範囲であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  3. エーテル系溶媒または芳香族炭化水素系溶媒の存在下縮合重合させることを特徴とする請求項または記載の製造方法。
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