JP5447011B2 - A/d変換装置およびa/d変換方法 - Google Patents

A/d変換装置およびa/d変換方法 Download PDF

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Description

本発明は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換装置およびA/D変換装置の補正方法に関する。
マイクロコンピュータやシステムLSIに搭載するアナログ−デジタル変換器(ADC)は、小型化および高精度化の観点から逐次比較(SAR:Successive Approximation Routine)型が多く用いられている。一般的なSAR ADCは、DA変換器を利用し、アナログ入力信号の電圧とDA変換器の出力電圧を比較器(コンパレータ)で比較し、比較結果に基づいてDA変換器に与えるデジタル信号を高位ビットから順に決定する。言い換えれば、DA変換器を利用するSAR ADCでは、近似するデジタル値を算出する信号処理が電圧で行われる。一般的なSAR ADCでは、動作速度がDA変換器の出力の整定時間により制限されるため高速化が難しく、高速化するために駆動能力の大きな素子を使用すると、消費電力が増大するという問題があった。
このような問題を解決するため、近年、低消費電力のSAR ADCとして、電荷再配分型SAR ADCが提案されている。電荷再配分型SAR ADCでは、近似するデジタル値を算出する信号処理が電荷で行われる。
電荷再配分型SAR ADCのビット数の増加が要望されている。ビット数を増加するには、それに応じて変換処理を高精度にする必要がある。電荷再配分型SAR ADCの変換処理を高精度化する上で問題になる要因として、比較器のオフセットおよび容量型DAC(CDAC)における参照容量の容量値の誤差が知られている。CDACを構成する参照容量の容量値が2の累乗にしたがって変化しないと、CDACの出力電位も2の累乗で変化しないため、A/D変換値に誤差が発生する。誤差が、最小ビットに対応する電圧値より大きい場合には、たとえビット値を決定しても精度が保障されない。
そこで、比較器にオフセットを補正するオフセット補正回路を設けて、オフセットを小さくすることが行われている。オフセット補正回路の調整は、A/D変換装置の製造段階または、A/D変換装置の動作時に行われる。製造段階で行う場合には、オフセット補正は、アナログ信号で行われる場合もあるが、一般的にはデジタル補正コードを使用して行われる。特に、A/D変換装置の動作時に自動的にオフセット補正を行う場合には、デジタル補正コードでデジタル補正が行われる。
比較器のデジタル補正は、デジタル補正コードに応じてアナログ信号を発生し、一方の信号経路の所定部分に印加する。オフセット補正を行うために、差動増幅器の一方の信号経路に流れる電流を増加または減少させる方法は各種提案されている。デジタル補正を行う場合、補正信号の最小変化幅がデジタル補正コードの最小ビットに対応する。補正動作は、正入力と負入力が等しい状態にし、デジタル補正コードを1段階ずつ変化させて補正信号を徐々に変化させ、出力が変化したらデジタル補正コードの変化を停止する。そして、その時のデジタル補正コードの値を補正値として決定する。この状態は、オフセット電圧がゼロのレベルを少し上回った状態であり、この時のオフセット電圧のゼロとの差を残留オフセットと称する。残留オフセットの絶対値は、デジタル補正コードの1段分に相当するオフセット電圧幅より小さいが、デジタル補正コードで補正する場合には存在する。残留オフセットがどちらの極性になるかは、比較器において補正を行う位置、サーチ方法(サーチ方向など)により決定される。
また、CDACに誤差補正回路を設けて、CDACの出力電圧の誤差を小さくすることが行われている。CDACの誤差補正メカニズムは各種あるが、誤差補正は、デジタル補正コードを使用して、比較器のオフセット補正と同様に、誤差を小さくするようにデジタル補正コードを変化させることにより行われる。そのため、デジタル補正コードに応じてCDACを補正する場合、残留誤差が存在し、残留誤差の極性は、補正方法、たとえばサーチ方向などにより決定される。
CDACの補正における残留誤差は、比較器の判定結果に、オフセットと同様に影響する。しかし、これまで、比較器のオフセット補正およびCDACの線形性補正は、それぞれ独立して検討されてきた。
特公平7−56941号公報 特開2005−45795号公報 特開2009−118488号公報
実施形態は、高精度のA/D変換装置およびA/D変換方法を記載する。
実施形態の第1の態様のA/D変換装置は、一方の端子が共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量からなる参照容量群と、スイッチを切り換えることにより共通信号線の電圧を変化させる前記参照容量群を含み、サンプリング時に印加されるアナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、共通信号線の電位を参照電位と比較する比較器と、比較器の比較結果に基づいて、共通信号線の電位が参照電位に近づくように容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を含み、オフセット補正回路およびDAC補正回路は、比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差を互いに相殺するように、補正を行う。
実施形態の第2の態様のA/D変換装置は、2組の参照容量群であって、各組の各参照容量群は、一方の端子が各共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量を備える、2組の参照容量群と、スイッチを切り換えることにより各共通信号線の電圧を変化させる2組の参照容量群を含み、サンプリング時に印加される差動アナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、容量型DACの2つの共通信号線の電位を比較する比較器と、比較器の比較結果に基づいて、2つの共通信号線の電位が互いに近づくように容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、2つの共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を含み、オフセット補正回路およびDAC補正回路は、比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差を互いに相殺するように、補正を行う。
実施形態によれば、相互に影響する比較器の残留オフセットとCDACの残留誤差が相殺するため、誤差が大きくならず、A/D変換処理の精度が向上する。
図1は、6ビット電荷再配分型SAR ADCの概略構成を示す図である。 図2は、比較器のオフセットを説明する図である。 図3は、比較器が負極性(マイナス)のオフセットを有する場合のデジタル補正コードの変化に伴うオフセット電圧の変化例を示す図である。 図4は、CDACにおける参照容量の容量値の誤差を補正可能にした電荷再配分型SAR ADCの概略構成を示す図である。 図5は、補正処理で、補正コードを変化させた場合の比較器入力電圧の変化例を示す。 図6は、第1実施形態のA/D変換装置の概略構成を示す図である。 図7は、残留オフセットとCDAC11の残留誤差の相互関係を説明する図である。 図8は、補正ロジック30における処理を示す図である。 図9は、第1の処理例を示すフローチャートである。 図10は、第2の処理例を示すフローチャートである。 図11は、第3の処理例を示すフローチャートである。 図12は、第2実施形態のA/D変換装置の概略構成を示す図である。 図13は、第2実施形態のA/D変換装置の比較器の回路を示す図である。 図14は、比較器の変形例の回路を示す。 図15は、比較器の変形例の回路を示す。 図16は、比較器の変形例の回路を示す。 図17は、比較回路のオフセット補正処理を説明する図である。 図18は、比較回路のオフセット補正処理を説明する図である。 図19は、比較回路のオフセット補正処理を説明する図である。 図20は、比較回路のオフセット補正処理を説明する図である。 図21は、補正開始時のオフセットがマイナスで、オフセットがプラスに変化するまでオフセット補正コードをサーチする場合の、オフセット電圧の変化を示す図である。 図22は、最初にプラスのオフセットと判定された場合の比較器における接続状態を示す図である。 図23は、補正開始時のオフセットがプラスで、オフセットがマイナスに変化するまでオフセット補正コードをサーチする場合の、オフセット電圧の変化を示す図である。 図24は、オフセット補正ロジックと比較器との接続を示す図である。 図25は、オフセット補正ロジックの回路構成を示す図である。 図26は、第2実施形態のA/D変換装置の構成を示す図であり、ブリッジ容量補正回路付CDACの回路構成を詳細に示した図である。 図27は、ブリッジ容量補正回路付CDACの補正処理を説明する図である。 図28は、ブリッジ容量補正回路付CDACの補正処理を説明する図である。 図29は、ブリッジ容量補正回路付CDACの補正処理を説明する図である。 図30は、ブリッジ容量補正回路付CDACの補正処理を説明する図である。 図31は、ブリッジ容量補正回路付CDACの補正処理を説明する図である。 図32は、ブリッジ容量補正処理が終了した時の下位側参照容量、ダミー容量、補正容量およびブリッジ容量の関係を示す図である。 図33は、第2実施形態において、ブリッジ容量を補正する場合の比較器入力電圧の変化を示す図である。 図34は、ブリッジ容量補正ロジックの回路構成を示す図である。 図35は、第2実施形態におけるブリッジ容量補正機能付CDACの変形例のブリッジ容量補正機能付CDACを示す図である。 図36は、可変容量のブリッジ容量の構成例を示す図である。 図37は、第3実施形態のA/D変換装置の概略構成を示す図である。 図38は、CDAC補正コードを決定する処理を説明する図である。 図39は、CDAC補正コードを決定する処理を説明する図である。 図40は、第3実施形態において、最初の比較結果が低の場合のCDAC補正コードの変化例を示す図である。 図41は、CDAC補正ロジックの回路構成を示す図である。 図42は、第2実施形態のブリッジ容量補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図43は、ブリッジ容量を可変としたブリッジ容量補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図44は、第3実施形態の線形誤差補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図45は、第2実施形態のブリッジ容量補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図46は、ブリッジ容量を可変としたブリッジ容量補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図47は、第3実施形態の線形誤差補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図48は、第2実施形態のブリッジ容量補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図49は、ブリッジ容量を可変としたブリッジ容量補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図50は、第3実施形態の線形誤差補正機能付CDACの変形例を示す図である。 図51は、第4実施形態の8ビットの差動型CDACを使用するA/D変換装置の構成を示す図である。 図52は、第5実施形態の8ビットの差動型CDACを使用するA/D変換装置の構成を示す図である。 図53は、第5実施形態の補正処理における補正コードの変化に対する正負入力の差電圧の変化を示す図である。 図54は、第5実施形態の差動CDAC補正ロジックの回路構成を示す図である。 図55は、第5実施形態の差動CDAC補正ロジック内に設けられる減加算器の回路構成を示す図である。 図56は、バイナリーサーチを説明する図である。
実施形態を説明する前に、電荷再配分型SAR ADC、比較器のオフセットおよびその補正機構、電荷再配分型D/A変換器(CDAC)およびその誤差の補正機構の例について説明する。
図1は、6ビット電荷再配分型SAR ADCの概略構成を示す図である。電荷再配分型SAR ADCは、電荷再配分型D/A変換器(CDAC)11と、比較器12と、逐次変換制御回路(SARロジック)13と、を備える。CDAC11は、一方の端子が共通信号線SL1に接続された3個の上位側参照容量C3−C5と、一方の端子が共通信号線SL1に接続されたブリッジ容量Cbと、ブリッジ容量Cbの他方の端子に接続された信号線SL2に一方の端子が接続された3個の下位側参照容量C0−C2と、一方の端子が信号線SL2に接続されたダミー容量Cdと、下位側参照容量C0−C2および上位側参照容量C3−C5の他方の端子を、アナログ入力信号Vaが入力される端子、上側基準電位VRHが入力される端子または下側基準電位VRLが入力される端子のいずれかに接続するスイッチSW0−SW5と、ダミー容量Cdを、VRH端子またはVRL端子に接続するスイッチdと、共通信号線SL1を参照電位(VRH−VRL)/2に接続するスイッチSWRと、を含む。比較器12は、共通信号線SL1の電位が参照電位(VRH-VRL)/2より高いか低いかを比較する。SARロジック13は、サンプリング動作および比較器12の比較結果に基づいて共通信号線SL1の電位が参照電位に近づくように、スイッチSW0−SW5、SWRを制御する。SARロジック13は、最終の比較処理が終了すると、スイッチSW0−SW5の接続状態および最終の比較に基づいてアナログ−デジタル変換(A/D)値を決定して出力する。
上位側参照容量C3−C5の容量値は、1:2:4であり、ブリッジ容量Cbの容量値は上位側参照容量C3の容量値の8/7である。ダミー容量Cdおよび下位側参照容量C0−C2の容量値は、1:1:2:4であり、ブリッジ容量Cbを介して共通信号線SL1に接続されるため、上位側参照容量C3の容量値の1/8、1/8、1/4、1/2である。したがって、下位側参照容量C0−C2および上位側参照容量C3−C5の容量値は、2の累乗の比である。なお、ダミー容量Cdは、C0−C2およびC3−C5の容量値が2の累乗の比になるように設けられる。
図1の電荷再配分型SAR ADCは、ブリッジ容量Cbを含むため、上位側参照容量C3−C5の容量値と下位側参照容量C0−C2の容量値を同じにでき、参照容量を小型化できる。
電荷再配分型SAR ADCの動作は、広く知られているので、ここでは詳しい説明は省略する。
また、電荷再配分型SAR ADCは、図1に示したもの以外にも、多くの異なる構成が知られているが、以下の説明では、図1の電荷再配分型SAR ADCを例として説明を行う。しかし、実施形態で説明する構成は、図1に示したもの以外の電荷再配分型SAR ADCにも適用可能である。
図2は、比較器12のオフセットを説明する図である。図2の(A)は、オフセットの無い場合、すなわちオフセットがゼロの場合を示す。その場合には、図2の(B)に示すように、正側入力IPに入力される正入力Pと、負側入力IMに入力される負入力Mの差がゼロ、すなわち正入力Pと負入力Mの等しい(P=M)時に、出力OUTが変化する。
図2の(C)は、比較器12にプラス(+)のオフセットがある場合を示す。図2の(C)では、比較器12はオフセットが無く、負入力Mがオフセット電圧源OSを介して負側入力IMに入力されるとして示している。オフセット電圧源OSは、負入力Mに正(プラス)のオフセット電圧Vosを付加してM+Vos(Vos>0)にする。したがって、正入力Pと負側入力IMの等しい(P=M)時でも、負側入力IMには正側入力IPよりVos(Vos>0)高いM+Vosが入力され、出力OUTは変化しない。このため、図2の(D)に示すように、正入力Pと負側入力IMの差電圧P−M=Vos(Vos>0)の時に出力OUTが変化する。
図2の(E)は、比較器12にマイナス(−)のオフセットがある場合を示す。図2の(E)でも、比較器12はオフセットが無く、負入力Mがオフセット電圧源OSを介して負側入力IMに入力されるとして示している。オフセット電圧源OSは、負入力Mに負(マイナス)のオフセット電圧Vosを付加してM+Vos(Vos<0)にする。したがって、図2の(D)に示すように、正入力Pと負入力Mの差電圧P−M=Vos(Vos<0)の時に出力OUTが変化する。
以下の説明では、2つの入力の差電圧P−Mがプラスの時に比較器は正極性(プラス)のオフセットを有し、2つの入力の差電圧P−Mがマイナスの時に比較器は負極性(マイナス)のオフセットを有すると、称する。
比較器12は、一般に差動増幅器を含み、入力の小さな差を増幅して出力する。比較器のオフセットは、差動増幅器の1対の信号経路に流れる電流のアンバランスに起因している。比較器のオフセット補正は、差動増幅器の一方の信号経路に流れる電流を増加または減少させて、1対の信号経路に流れる電流が等しくなるように調整することにより行われる。デジタル補正は、デジタル補正コードに応じてアナログ信号を発生し、一方の信号経路の所定部分に印加する。オフセット補正を行うために、差動増幅器の一方の信号経路に流れる電流を増加または減少させる方法は各種提案されている。デジタル補正を行う場合、補正信号の最小変化幅がデジタル補正コードの最小ビットに対応する。補正動作は、正入力Pと負入力Mが等しい(P=M)状態にし、デジタル補正コードを1段階ずつ変化させて補正信号を徐々に変化させ、出力OUTが変化したらデジタル補正コードの変化を停止する。そして、その時のデジタル補正コードの値を補正値として決定する。
図3は、比較器が負極性(マイナス)のオフセットを有する場合のデジタル補正コードの変化に伴うオフセット電圧の変化例を示す図である。図3に示すように、デジタル補正コードを1段階ずつ増加させると、マイナスのオフセット電圧が徐々に増加してゼロ(Vos=0)を超えてプラスに変化する。プラスに変化した時点でデジタル補正コードの増加を停止する。この状態は、オフセット電圧がゼロのレベルを少し上回った状態であり、この時のオフセット電圧のゼロとの差Zを残留オフセットと称する。残留オフセットZの絶対値は、デジタル補正コードの1段分に相当するオフセット電圧幅より小さいが、デジタル補正コードで補正する場合には存在する。
図3の例では、マイナスのオフセット電圧が徐々に増加してプラスに変化した時点でデジタル補正コードの変化を停止しているので、残留オフセットはプラスである。もし、プラスのオフセット電圧が徐々に減少してマイナスに変化した時点でデジタル補正コードの変化を停止した場合には、残留オフセットはマイナスである。
残留オフセットがどちらの極性になるかは、比較器において補正を行う位置、サーチ方法(サーチ方向など)により決定される。
図4は、CDAC11における参照容量の容量値の誤差を補正可能にした電荷再配分型SAR ADCの概略構成を示す図である。図4の電荷再配分型SAR ADCは、図1と同様に、CDAC11と、比較器12と、SARロジック13と、を含む。さらに、CDAC11は、メインCDAC21と、補正データ出力部22と、補正CDAC23と、加算部24と、CDAC補正ロジック25と、出力端子26と、を含む。メインCDAC21は、図1のCDAC11の部分と類似の構成を含む。
図4のCDAC11は、補正CDAC23が補正データに対応した補正電圧を発生し、加算部24を介してメインCDAC21の出力に加算することにより、メインCDAC21の出力が線形に(リニアに)変化するように補正する。補正データは、補正処理によりあらかじめ比較データDRごとに決定され、補正データ出力部22に記憶される。そして、変換動作中には、SARロジック13からの比較データDRに応じて補正データ出力部22から対応する補正データが読み出され、補正CDAC23は補正電圧を発生する。補正電圧は、加算部24を介して、メインCDAC21が比較データDRに応じて発生するメイン電圧に加算され、線形性が補正された比較信号が端子26から出力される。
補正処理では、比較データDRのビットごとまたはデータ1段階ごとに補正データを決定する。この補正は、例えば、参照容量の容量値が2の累乗で変化するように設定する場合には、下位の容量の容量値の合計が、すぐ上位の容量の容量値に等しいことを利用して、容量の合計が同じ容量値になる状態を、異なる容量の組合せで実現して行う。例えば、8ビットの比較データDRが10000000の場合、最上位の参照容量と、下位の容量にダミー容量を加えた合計容量値が等しい。したがって、最上位の参照容量をVRHにそれ以外の参照容量およびダミー容量をVRLに接続した状態と、最上位の参照容量をVRLにそれ以外の参照容量およびダミー容量をVRHに接続した状態の容量値は等しいことが望まれる。そこで、補正データを所定値にして、この2つの状態で、参照電位をサンプリングして比較する。そして、この時の比較結果に応じて、補正コードを所定値から増加させるか減少させるかを決定し、補正コードを所定値から増加または減少させながら上記の動作を繰り返し、比較結果が変化した時の補正コードを記憶する。この補正データに対応する補正電圧を加えた状態が、最上位の参照容量と、下位の容量にダミー容量を加えた合計容量値が等しい状態である。このような補正データを、比較データDRの各レベルについて決定し、補正データ出力部22に記憶する。
図5は、上記の補正処理で、補正コードを変化させた場合の端子26における比較信号、すなわち比較器入力電圧の変化例を示す。上記のように、最初に補正コードを増加させるかまたは減少させるかを決定する。図5の(A)は、補正コードを減少させて補正電圧が減少し、比較器入力電圧も減少する場合を示す。この場合、比較器入力電圧が参照電位(VRH-VRL)/2を超えて低くなった時に補正コードの減少が停止され、補正コードが決定される。したがって、比較器の判定に関わる残留誤差は、負極性(マイナス)である。同様に、図5の(B)は、補正コードを増加させて補正電圧が増加し、比較器入力電圧も増加する場合を示す。この場合、比較器入力電圧が参照電位(VRH-VRL)/2を超えて高くなった時に補正コードの増加が停止され、補正コードが決定される。したがって、比較器の判定に関わる残留誤差は、正極性(プラス)である。
なお、図4には、CDACの線形性を比較データごとに補正する例を示したが、CDACの誤差は各種存在し、それを補正する方法も各種あり得る。
以上説明したように、補正コードに応じてCDAC11を補正する場合、残留誤差が存在し、残留誤差の極性は、補正方法、たとえばサーチ方向などにより決定される。
CDAC11の補正における残留誤差は、比較器12の判定結果に、オフセットと同様に影響する。しかし、これまで、比較器のオフセット補正およびCDAC11の線形性補正は、それぞれ独立して検討されてきた。
以下、実施形態を説明する。
図6は、第1実施形態のA/D変換装置の概略構成を示す図である。
図6に示すように、第1実施形態のA/D変換装置は、CDAC11と、比較器12と、SARロジック13と、補正ロジック30と、を含む。CDAC11は、アナログ入力信号Va、高側基準電位VRH、低側基準電位VRL、参照電位(VRH−VRL)/2などが入力される。CDAC11は、補正ロジック30からのCDAC補正コードによりCDAC誤差を補正するCDAC補正部15を含む。ここでは、CDACの補正は、図4に示した比較データごとに補正する例に限られず、比較に影響するような補正はすべて対象である。比較器12は、補正ロジック30からのオフセット補正コードによりオフセットが補正可能である。SARロジックは、比較器12の比較結果に基づいてCDAC11のスイッチを制御してCDAC11の出力Viが、参照電位(VRH−VRL)/2に近づくように制御してA/D変換値を決定する。
補正ロジック30は、比較器12のオフセットを補正するオフセット補正コードを決定するオフセット補正処理を制御するオフセット補正ロジック31と、CDAC11の誤差を補正するCDAC補正コードを決定するCDAC補正処理を制御するCDAC補正ロジック32と、を含む。オフセット補正ロジック31とCDAC補正ロジック32は、比較器12のオフセットを補正した時の残留オフセットおよびCDAC11の誤差を補正した時の残留誤差が、互いに相殺するように動作する。したがって、比較器12に設けられたオフセットを補正する機構と、オフセット補正ロジック31とで、オフセット補正回路が形成される。また、CDAC11のCDAC補正部15と、CDAC補正ロジック32とで、CDAC補正回路が形成される。
SARロジック13、オフセット補正ロジック31およびCDAC補正ロジック32は、論理回路で形成することも可能であるが、マイクロコンピュータなどで形成することも可能である。マイクロコンピュータを使用する場合、SARロジック13オフセット補正ロジック31およびCDAC補正ロジック32を、1個のマイクロコンピュータで形成してもよい。また、補正ロジックが、後述するDA変換器を、含むようにしてもよい。
前述のように、A/D変換装置において、比較器12のオフセットを補正コードにしたがって補正すること、およびCDAC11を補正コードに従って補正することが、それぞれ知られている。比較器12のオフセットを補正コードに従って補正すると、残留オフセットが存在する。また、CDAC11を補正コードに従って補正すると、残留誤差が存在する。残留オフセットとCDAC11の残留誤差は、両方とも比較器12における判定に影響するが、残留オフセットとCDAC11の残留誤差の相互の影響については考慮されていなかった。
図7は、残留オフセットとCDAC11の残留誤差の相互関係を説明する図である。図7の(A)は、CDAC11の誤差を、補正コードを増加させるサーチ方向で補正する場合を、図7の(B)は、CDAC11の誤差を、補正コードを減少させるサーチ方向で補正する場合を、示す。
図7の(A)において、参照電位(VRH-VRL)/2が実線で示すレベルであり、比較器12の残留オフセットの大きさがpであるとする。残留オフセットが正極性(プラス)の場合には、比較器12の判定閾値は、上側にpだけずれて上側判定レベル(VRH-VRL)/2+pとなる。残留オフセットが負極性(マイナス)の場合には、比較器12の判定閾値は、下側にpだけずれて下側判定レベル(VRH-VRL)/2-pとなる。
残留オフセットが負極性(マイナス)の場合にCDAC11の誤差を、補正コードを増加させるサーチ方向で補正する場合、下側判定レベル(VRH-VRL)/2-pを超えると補正コードの増加が停止するため、CDAC11の補正レベルは、参照電位と下側判定レベルの間である。従って、比較器12のオフセット補正およびCDAC11の誤差補正が終了した時点の、比較器12のアナログ入力信号Vaに対する判定レベルの誤差は、p以内である。これは、比較器12の残留オフセットと、CDAC11の残留誤差が、相殺する方向に作用するためである。
これに対して、残留オフセットが正極性(プラス)の場合にCDAC11の誤差を、補正コードを増加させるサーチ方向で補正する場合、上側判定レベル(VRH-VRL)/2+pを超えると補正コードの増加が停止するため、CDAC11の補正レベルは、参照電位からp以上離れたレベルである。言い換えれば、比較器12のオフセット補正およびCDAC11の誤差補正が終了した時点の、比較器12のアナログ入力信号Vaに対する判定レベルの誤差は、pより大きくなる。これは、比較器12の残留オフセットと、CDAC11の残留誤差が、重畳する方向に作用するためである。
図7の(B)に示すように、CDAC11の誤差を、補正コードを減少させるサーチ方向で補正する場合には、上記と逆である。残留オフセットが正極性(プラス)の場合には、比較器12の残留オフセットと、CDAC11の残留誤差が、相殺する方向に作用するため、比較器12のアナログ入力信号Vaに対する判定レベルの誤差は、p以内である。残留オフセットが負極性(マイナス)の場合には、比較器12の残留オフセットと、CDAC11の残留誤差が、重畳する方向に作用するため、比較器12のアナログ入力信号Vaに対する判定レベルの誤差は、pより大きくなる。
以上説明したように、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差が相殺する方向に作用する場合には、誤差は小さくなり、重畳する方向に作用する場合には、誤差は大きくなる。
より詳細に説明すると、残留オフセットは、比較器12のオフセット補正における最小変化量X以内であり、CDAC11の残留誤差は、CDAC11の誤差補正における最小変化量Y以内である。2つの補正を行う場合、最終的な誤差は、主としてXとYの大きな方により決定され、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差が相殺する方向に作用する場合には、XとYの大きな方より小さくなる。これに対して、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差が重畳する方向に作用する場合には、最終的な誤差は、XとYの大きな方より大きくなる場合が発生し、これがA/D変換値の精度を律することになる。
そこで、第1実施形態のA/D変換装置では、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差が、相殺する方向に作用するか、重畳する方向に作用するかに応じて調整を行う。具体的には、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差が、相殺する方向に作用する場合には、それぞれの補正処理で決定された補正コードを維持する。比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差が、重畳する方向に作用する場合には、それぞれの補正処理で決定された補正コードの一方を、1段階前の補正コードに戻す。
図8は、補正ロジック30における処理を示す図である。図8に示すように、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差が同極性の場合には、一方の補正コードを、補正処理における1段階前の補正コードに修正する。
同極性の場合、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差のどちらの補正コードを修正するかについて、比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差の大きさが同程度であれば、どちらを補正してもよい。比較器12の残留オフセットとCDAC11の残留誤差の大きさが異なる場合には、同極性の場合に誤差の小さな方の補正コードを2段階以上戻すようにしてもよい。例えば、比較器12のオフセット補正における最小変化量が、CDAC11の誤差補正における最小変化量の2倍である場合、比較器12のオフセット補正を行った後CDAC11の補正処理を行い、同極性であればCDAC11の補正コードを2段階に戻すようにしてもよい。
上記のように、比較器12の残留オフセットおよびCDAC11の残留誤差の極性は、補正を行う位置、サーチ方法(サーチ方向など)により異なるため、比較器12の残留オフセットおよびCDAC11の残留誤差を相殺するように設定する処理は、各種の変形例があり得る。以下、代表的な処理例を説明する。
図9は、第1の処理例を示すフローチャートである。第1の処理例は、最初に行う補正処理を行う比較器12の残留オフセットが所定の極性(ここではプラス)になるように設定し、次に行うCDAC11の誤差補正処理を行い、CDAC残留誤差がマイナスの場合は、補正処理で決定したCDAC補正コードを維持し、CDAC残留誤差がプラスの場合は、補正処理で決定したCDAC補正コードを1段階前に戻す。
ステップS11では、比較器12のオフセットを補正するため、オフセット補正ロジック31が、オフセット補正コードをサーチしてオフセット補正コードを決定する。
ステップS12では、オフセット補正ロジック31が、上記のように決定したオフセット補正コードの場合の残留オフセットがプラスであるかマイナスであるかを判定し、プラスであればステップS14に進み、マイナスであればステップS13に進む。残留オフセットの極性は、補正を行う位置、サーチ方向などにより決定される。
ステップS13では、オフセット補正ロジック31が、オフセット補正コードを、オフセット補正コードをサーチした時の1段階前のオフセット補正コードに変更する。
以上のようにして、残留オフセットがプラスのオフセット補正コードが決定される。
ステップS14では、オフセット補正ロジック31が、比較器12に上記のオフセット補正コードを設定する。
ステップS15では、CDAC11の誤差を補正するため、CDAC補正ロジック32が、CDAC補正コードをサーチしてCDAC補正コードを決定する。
ステップS16では、CDAC補正ロジック32が、上記のように決定したCDAC補正コードの場合の残留誤差がマイナスであるかプラスであるかを判定し、プラスであればステップS17に進み、マイナスであればステップS18に進む。残留誤差の極性は、補正方法、サーチ方向などにより決定される。
ステップS17では、CDAC補正ロジック32が、CDAC補正コードを、CDAC補正コードをサーチした時の1段階前のCDAC補正コードに変更する。
ステップS18では、残留誤差がマイナスのCDAC補正コードが決定される。
決定したCDAC補正コードは、CDAC11のCDAC補正部15に設定または記憶される。
図10は、第2の処理例を示すフローチャートである。第2の処理例は、最初に比較器12のオフセット補正処理を行い、次にCDAC11の誤差補正処理を行う。CDAC11の誤差補正による残留誤差が、残留オフセットの極性と一致するかを判定し、不一致ならばCDAC補正コードを維持し、一致ならば補正処理で決定したCDAC補正コードを1段階前に戻す。
ステップS21では、比較器12のオフセットを補正するため、オフセット補正ロジック31が、オフセット補正コードをサーチしてオフセット補正コードを決定する。
ステップS22では、オフセット補正ロジック31が、比較器12に上記のオフセット補正コードを設定する。
ステップS23では、CDAC11の誤差を補正するため、CDAC補正ロジック32が、CDAC補正コードをサーチしてCDAC補正コードを決定する。
ステップS24では、CDAC補正ロジック32が、上記のように決定した場合の残留オフセットとCDACの残留誤差の極性が一致するかを判定し、不一致であればステップS26に進み、一致であればステップS25に進む。
ステップS25では、CDAC補正ロジック32が、CDAC補正コードを、CDAC補正コードをサーチした時の1段階前のCDAC補正コードに変更する。
ステップS26では、残留誤差の極性が残留オフセットと逆極性のCDAC補正コードが決定される。
決定したCDAC補正コードは、CDAC11のCDAC補正部15に設定または記憶される。
図11は、第3の処理例を示すフローチャートである。第3の処理例は、最初に比較器12のオフセット補正処理を行い、残留オフセットの極性に応じて、残留オフセットとCDAC残留誤差が相殺するように、CDAC11の誤差補正処理におけるCDAC補正コードのサーチ方向を選択して、誤差補正処理を行う。
ステップS31では、比較器12のオフセットを補正するため、オフセット補正ロジック31が、オフセット補正コードをサーチしてオフセット補正コードを決定する。
ステップS32では、オフセット補正ロジック31が、比較器12に上記のオフセット補正コードを設定する。
ステップS33では、CDAC補正ロジック32が、残留オフセットの極性に応じて、残留オフセットとCDAC残留誤差が相殺するように、CDAC11の誤差補正処理におけるCDAC補正コードのサーチ方向を決定する。
ステップS34では、CDAC補正ロジック32が、CDAC11の誤差を補正するため、CDAC補正ロジック32が、決定したサーチ方向でCDAC補正コードをサーチする。
ステップS35では、CDAC補正ロジック32が、CDAC補正コードを決定する。
決定したCDAC補正コードは、CDAC11のCDAC補正部15に設定または記憶される。
以上、比較器12の残留オフセットおよびCDAC11の残留誤差を相殺するように設定する処理の例を説明したが、図9から図11で説明したのは例に過ぎず、他にも各種の変形例があり得ることは、当業者には容易に理解可能であろう。
図12は、第2実施形態のA/D変換装置の概略構成を示す図である。
第2実施形態のA/D変換装置は、ブリッジ容量補正機能付CDAC11Aと、比較器12と、SARロジック13と、補正ロジック30と、を含む。CDAC11Aは、アナログ入力信号Va、高側基準電位VRH、低側基準電位VRL、参照電位(VRH−VRL)/2などが入力される。CDAC11は、CDAC補正コードによりブリッジ容量の誤差を補正するブリッジ容量補正回路を含む。比較器12は、オフセット補正コードによりオフセットが補正可能である。SARロジックは、比較器12の比較結果に基づいてCDAC11のスイッチを制御してCDAC11の出力Viが、参照電位(VRH−VRL)/2に近づくように制御してA/D変換値を決定する。
補正ロジック30は、オフセット補正処理を制御するオフセット補正ロジック31と、CDAC11Aのブリッジ容量誤差を補正するブリッジ容量補正ロジック32Aと、を含む。
第2実施形態では、オフセット補正ロジック31は、比較器12の残留オフセットをプラスに設定し、ブリッジ容量補正ロジック32Aは、ブリッジ容量補正機能付CDAC11Aのブリッジ容量を、プラス側からマイナス側に向かって段階的に減少させ、比較器の出力がマイナスに変化したら補正を終了する。言い換えれば、第2実施形態の補正ロジック30は、図11に示したフローチャートで、残留オフセットをプラスに設定し、ブリッジ容量の補正処理は、残留誤差がマイナスになる補正方向に設定して行う。残留オフセットをプラスに設定する処理は、図9のフローチャートの前半と同じである。
図13は、第2実施形態のA/D変換装置の比較器12の回路を示す図である。比較器12は、差動増幅器であり、正入力IPと負入力IMの電圧を比較して、比較結果OUTを出力する。比較器12は、オフセット補正コードを電圧信号に変換するD/A変換器35と、D/A変換器35の出力電圧を、ゲートに正入力IPおよび負入力IMがそれぞれ入力されるトランジスタのチャネル(ウエル)の一方を選択して印加するスイッチを含む。これにより、比較器12のオフセット補正が可能になる。ゲートに正入力IPおよび負入力IMがそれぞれ入力される入力トランジスタのチャネルは、オフセット極性信号に応じて、一方が低電位源AVSに、他方がD/A変換器35の出力に接続される状態と、一方がD/A変換器35の出力に、他方が低電位源AVSに接続される状態と、の間で切り替え可能である。対向する2つの経路の間に接続され、ゲートにクロックCLKが印加されるリセット用トランジスタは、CLKに応じてリセット状態と比較動作状態を切り換えるためのトランジスタである。
比較器12に使用する差動増幅器については、広く知られているので詳しい説明は省略するが、オフセットは、対向する2つの経路に流れる電流の差に起因する。そこで、オフセット極性信号により、電流の少ない経路側の入力トランジスタのチャネルに印加する電圧を高くして、2つの経路に流れる電流の差を小さくする。
図13に示した比較器12の回路は、基本的な構成であり、各種の変形例があり得る。図14から図16に比較器12の変形例の回路を示す。
図14は、ゲートに正入力IPおよび負入力IMがそれぞれ入力される入力トランジスタに並列に2個のトランジスタを設ける。これらのトランジスタのゲートは、オフセット極性信号に応じて、一方が低電位源AVSに、他方がD/A変換器35の出力に接続される状態と、一方がD/A変換器35の出力に、他方が低電位源AVSに接続される状態と、の間で切り替え可能である。
図15は、図13の回路で、出力部のPチャネルトランジスタに並列に、ゲートにCLKが印加されるトランジスタを設けて、リセット動作がより一層確実に行われるようにした回路である。
図16は、オフセット補正コードに従って対向する2つの経路に接続する容量値を変化できるようにした回路で、オフセット極性信号により、容量をどちらの経路に接続するかを選択する。
図13から図16に示した以外にも、オフセット補正機能を有する比較器の回路は、各種可能である。
次に、図13の回路を例として、比較回路12のオフセット補正処理を説明する。
図17に示すように、4ビットのオフセット補正コードとして“0000”を与える。この時、D/A変換器35は、低電位源AVSと同じ電圧を出力する。2つの入力IPおよびIMには、同一の入力信号Vcmが入力される。入力IPおよびIMに同一の入力信号Vcmを入力するには、ブリッジ容量補正回路付CDAC11Aの出力信号線を基準電位(VRH−VRL)/2に接続することにより行う。CLKは高電位源AVDと同じ電圧を出力する状態で、リセット用トランジスタが同通して対向する経路を短絡する。この状態はリセット状態であり、出力OUTは不定である。
図18に示すように、CLKが低電位源AVSと同じ電圧を出力する状態に変化すると、比較が行われ、出力OUTが高(High)または低(Low)になる。出力OUTが高の時は、正入力IPが入力されるトランジスタに、負入力IMが入力されるトランジスタよりも大きな電流が流れる。また、出力OUTが低の時は、負入力IMが入力されるトランジスタに、正入力IPが入力されるトランジスタよりも大きな電流が流れる。従って、出力OUTが高の時は、マイナスのオフセットの状態であり、出力OUTが低の時は、プラスのオフセットの状態である。
まず、出力OUTが高である時、すなわちマイナスのオフセットの場合を説明する。
図19に示すように、正入力IPが入力されるトランジスタのチャネルがD/A変換器35の出力に接続され、負入力IMが入力されるトランジスタのチャネルにはAVSが印加されるように、オフセット極性信号を設定する。さらに、オフセット補正コードを“0001”に変更する。これに応じて、D/A変換器35は、低電位源AVSより1変化幅に対応する電圧だけ高い電圧を出力する。CLKはAVDであり、出力OUTは不定である。
図20に示すように、CLKが低電位源AVSと同じ電圧を出力する状態に変化すると、比較が行われ、出力OUTが高(High)または低(Low)になる。出力OUTが高の時は、まだ正入力IPが入力されるトランジスタに、負入力IMが入力されるトランジスタよりも大きな電流が流れる状態であり、出力OUTが低の時は、負入力IMが入力されるトランジスタに、正入力IPが入力されるトランジスタよりも大きな電流が流れる状態である。従って、出力OUTが低の時は、オフセットがプラスに変化したことになるので、補正処理を停止し、“0001”をオフセット補正コードとして決定する。
出力OUTが高の時は、オフセットは依然としてマイナスなので、オフセット補正コードを1だけ増加させて、図19および図20の動作を繰り返す。そして、出力OUTが低に変化した時に補正処理を停止して、その時の値をオフセット補正コードとして決定する。
図21は、上記の、補正開始時のオフセットがマイナスで、オフセットがプラスに変化するまでオフセット補正コードをサーチする場合の、オフセット電圧の変化を示す図である。図示のように、オフセット電圧がプラスに変化した時点で補正処理を終了するので、残留オフセットはプラスである。
図18の状態で、出力OUTが低である時、すなわちプラスのオフセットの場合は、図22に示すように、正入力IPが入力されるトランジスタのチャネルにAVSが印加され、負入力IMが入力されるトランジスタのチャネルがD/A変換器35の出力に接続されるように、オフセット極性信号を設定し、さらにオフセット補正コードを“0001”に変更する。以下、出力OUTが高に変化するまでこの動作を繰り返す。
図23は、補正開始時のオフセットがプラスで、オフセットがマイナスに変化するまでオフセット補正コードをサーチする場合の、オフセット電圧の変化を示す図である。図示のように、オフセット電圧がマイナスに変化した時点で補正処理を終了するので、残留オフセットはマイナスである。
図9のフローチャートのように、残留オフセットをプラスに設定する場合には、図23においてオフセット電圧がマイナスに変化した時点のオフセット補正コードを1段階前に戻す。これにより、残留オフセットはプラスになる。
図24は、オフセット補正ロジック31と比較器12との接続を示す図である。D/A変換器35は、補正ロジック30内に設けられてもよいが、ここでは比較器12に設けられるとする。前述のように、第2実施形態においては、オフセット補正ロジック31は、図9のフローチャートに従って、残留オフセットがプラスになるようにオフセット補正処理を行う。
図24に示すように、オフセット補正ロジック31は、比較器12の出力OUTを受け、オフセット補正コードをD/A変換器35に、オフセット極性信号を比較器12の入力トランジスタ部分のスイッチに出力する。一旦決定されたオフセット補正コードは、その後も維持される。
図25は、オフセット補正ロジック31の回路構成を示す図である。このオフセット補正ロジック31の基本動作を簡単に説明する。カウンターが、初期化時にゼロの補正コードを出力し、これに応じてD/A変換器35は低側電源電位AVSと同じ電圧を出力する。この状態で1回目の比較が行われ、比較結果に基づいてオフセット極性信号が決定される。その後、比較結果が変化するまでカウンターが補正コードを増加させ、比較結果が変化すると、補正コードの増加を停止する。そして、残留オフセットがプラスであれば補正コードを維持し、残留オフセットがマイナスであれば補正コードを1段階前の値に戻す。
4ビットのカウンター50は、初期化された時に0000を出力し、XEN=Hの時にクロックに同期してカウントアップ動作を行う。FF群51は、カウンター50の1つ前のカウント値を保持する。セレクタ52は、SEL=HでA入力のカウンター50の値を選択し、SEL=LでB入力のFF群51に保持されたカウンター50の1段階前の値を選択する。セレクタ52は、SEL=HでA入力のセレクタ52の出力を選択し、SEL=LでB入力の−1演算器51の出力を選択する。
3個のフリップフロップFF44、46、47は、初期化された時にLを出力する。したがって、EXNORゲート48の出力はHとなり、セレクタ52は、補正動作開始とともにカウンター50の初期値0000を選択する。さらに、補正動作中を示す信号は、補正動作が開始されるとHになるので、補正動作開始とともにセレクタ54のSELはHになり、セレクタ52の出力、すなわちカウンター50の初期値0000が補正コードとして出力される。この状態で比較器12での1回目の判定が行われ、オフセットがプラスであるかマイナスであるかが判定される。
CLKは、補正動作中を示す信号がHの期間中のみ3個のFFおよびカウンター50に供給される。
1回目判定信号は1回目の判定期間中のみHになる信号である。1回目の判定期間中の比較器12の出力OUTは、比較器12のオフセットの極性を示す。FF46は、出力OUTを受け、1回目の判定期間中のみANDゲート42を通過したCLKによりオフセット極性信号を発生する。2回目以降の判定期間では、CLKはANDゲート42を通過しないので、オフセット極性信号は維持される。
さらに、比較器の出力OUTは、FF44に供給されると共に、1回目の判定期間中のみANDゲート43を通過し、NORゲート45に入力される。NORゲート45の他方の入力は、1回目の判定期間中はLであるから、比較器の出力OUTがFF47に供給される。FF44とFF47は、1回目の判定期間後、CLKの変化に応じて1回目の比較結果を保持する。
上記のようにFFは、初期化によりLを出力しているので、1回目の判定期間中はXEN=Hであり、CLKの変化に応じてカウンター50は1だけカウントアップする。
2回目の比較動作では、オフセット極性信号に応じて、比較器12の入力トランジスタの一方が選択され、チャンネルのD/A変換器の出力が印加され、他方には低電位AVSが印加される。上記のように、FF44およびFF47の出力は同じなので、セレクタ52はA入力を選択し、セレクタ54も依然A入力を選択するので、1だけカウントアップしたカウンター50の補正コードが出力される。この状態で、比較が行われ、FF44に比較結果が入力される。
この時、FF44とFF47は、1回目の比較結果を保持しているので、EXNORゲート48は出力はHであり、CLKの変化に応じてカウンター50は1だけカウントアップする。
1回目判定信号はLになるので、NORゲート45は、FF44の出力、すなわちここでは1回目の比較結果を選択してFF47に入力する。CLKが変化すると、FF44は2回目の比較結果を、FF47は1回目の比較結果を、それぞれ保持する。EXNORゲート48の出力は、FF44とFF47の出力が同じであればHで、異なればLである。したがって、1回目の比較結果と2回目の比較結果が同じであれば、上記の動作を行い、カウンター50は1ずつカウントアップを続ける。
もし、1回目の比較結果と2回目の比較結果が異なれば、EXNORゲート48の出力はLになるので、カウンター50はカウントアップを停止する。
したがって、連続した2回の比較結果が同じであれば、カウンター50はカウントアップを続け、連続した2回の比較結果が異なる、すなわち比較結果が変化すると、カウンター50はカウントアップを停止する。そこで、補正動作中にEXNORゲート48の出力がLに変化すると、図示していない回路により補正動作中の信号をLに変化させる。これにより、FF44、46、47、カウンター50およびFF群51は変化を停止する。
ここで、比較結果の変化が判明した時には、すでにカウンター50のカウント値は、すでに1だけカウントアップされている。そこで、EXNORゲート48の出力がLに変化すると、セレクタ52は、B入力のFF群51の出力、すなわち1つ前のカウンター50のカウント値を選択して出力する。したがって、セレクタ54は、A入力で比較結果が変化した時のカウント値を、B入力で1つ前のカウント値を受ける。
比較結果が変化すると、補正動作中の信号はLになり、NORゲート49の出力は、FF47の出力、すなわち1つ前の比較結果を出力する。この出力がHの場合には、最初の比較でオフセットがマイナスであり、補正コードの増加に従ってオフセットが増加してゼロを超えた、すなわち残留オフセットがプラスであることを意味する。また、この出力がLの場合には、最初の比較でオフセットがプラスであり、補正コードの増加に従ってオフセットが減少してゼロを超えた、すなわち残留オフセットがマイナスであることを意味する。そこで、セレクタ54は、NORゲート49の出力がHの時には、A入力、すなわち比較結果が変化した時のカウント値を出力し、NORゲート49の出力がLの時には、B入力、すなわち比較結果が変化した時のカウント値から1減じたカウント値を出力する。このようにして、残留オフセットは常にプラスになる。
次に、ブリッジ容量補正回路付CDAC11Aおよびそのブリッジ容量補正処理について説明する。
図26は、第2実施形態のA/D変換装置の構成を示す図であり、ブリッジ容量補正回路付CDAC11Aの回路構成を詳細に示した図である。オフセット補正ロジック31は、図示を省略している。
図26に示すように、ブリッジ容量補正回路付CDAC11Aは、3個の上位側参照容量C3−C5と、ブリッジ容量Cbと、3個の下位側参照容量C0−C2と、ダミー容量Cdと、4個の補正容量hC0−hC3と、スイッチSW0−SW5、SWdおよびhSW0−hSW4と、スイッチSWRと、を含む。スイッチSWdは、SWdの端子を、アナログ入力信号Vaの端子、高側基準電位源VRH端子および低側基準電位源VRL端子のいずれかに接続する。SARロジック13およびブリッジ容量補正ロジック32Aは、スイッチSW0−SW5、SWdおよびhSW0−hSW4と、スイッチSWRを制御する制御コードを出力する。
上記のように、ブリッジ容量補正回路付CDAC11Aは、図1に示したCDAC11に、4個の補正容量hC0〜hC3を加えた構成を有する。そして、上位側の最小容量C3、下位側の最小容量C0およびダミー容量Cdの容量値を1とすると、ブリッジ容量Cbの容量値は、8/7より少し大きく設定されている。ここでは、ブリッジ容量Cbの容量値を相対値で、8/7+αで表す。
4個の補正容量hC0−hC3の一方の端子は、共通信号線SL2に接続され、他方の端子はスイッチhSW0−hSW4に接続される。スイッチhSW0−hSW4は、4個の補正容量hC0−hC3の端子を、VRL端子に接続するか否かを切り換える。4個の補正容量hC0−hC3の容量値は、1:2:4:8であり、C3、C0およびCdの容量値に対する比率は、補正範囲および残留誤差を考慮して設定される。なお、4個の補正容量hC0−hC3をまとめて補正容量と称する。
図1に示したCDAC11では、寄生容量のために、下位側参照容量の上位側参照容量に対する容量値の重みが理想値と異なり、小さくなる。そのため、信号線SL1に出力するアナログ出力電圧の変化が不均一になる。そこで、図26に示すブリッジ容量補正回路付CDAC11Aでは、ブリッジ容量Cbの容量値を理論値(ここでは8/7)より大きくし、下位側の重みが理論値より大きくなるようにする。その一方で、4個の補正容量hC0−hC3のうち、VRLに接続する容量を選択して、4個の補正容量hC0−hC3の合計容量値を調整し、この補正容量と寄生容量により、下位側の重みを低下させ、下位側参照容量の重みを、理想値に近づけるように補正する。理想の状態は、上位側参照容量の最小容量C3の容量値と、下位側参照容量C0−C2およびダミー容量Cdの合計の容量値が、等価な重みを示す時である。そこで、C3をVRHに、C0−C2およびCdをVRLに接続した状態と、C3をVRLに、C0−C2およびCdをVRHに接続した状態と、に切り替えた時の信号線SL1の変化が小さい時に理想状態であると判定する。具体的には、補正容量がすべてオープンの状態から、VRLに接続される補正容量を段階的に増加させながら、上記の判定動作を繰り返し、比較結果が変化した時に理想状態であると判定する。
以下、図26に示すブリッジ容量補正回路付CDAC11Aの補正処理を説明する。
図26に示すように、SW0−SW2、SW4、SW5およびSWdをVRLに、SW3をVRHに接続し、hSW0−hSW4を開放(オープン)にした状態で、SWRを参照電位(VRH−VRL)/2に接続する。これにより、SL1は(VRH−VRL)/2の電位となり、C4およびC5には電圧(VRH−3VRL)/2が印加され、C0−C2およびCdに葉ブリッジ容量Cbを介して電圧(VRH−3VRL)/2が印加され、C3には−(VRH−VRL)/2が印加される。各容量は、印加された電圧に対応する電荷を保持する。
次に、図27に示すように、SWRをオープンにして、SW4およびSW5をVRLに接続した状態を維持しながら、SW0−SW2およびSWdをVRHに、SW3をVRLに接続する状態に切り換える。もし、寄生容量を含めて理想状態であれば、C3の容量値と、C1−C3およびCdの合計容量値は等価であるので、SL1の電位は変化しない。しかし、上記のように、ブリッジ容量は大きく設定されているので、SW0−SW2およびSWdをVRHに接続した影響の方が大きいので、SL1の電位は参照電位(VRH−VRL)/2より高くなり、比較器12の出力は高(High)になる。
次に、図28に示すように、hSW0をVRLに接続した後、図26と同様に、SW0−SW2、SW4、SW5およびSWdをVRLに、SW3をVRHに接続し、SWRを参照電位(VRH−VRL)/2に接続する。これにより、SL1は(VRH−VRL)/2の電位となり、各容量は、印加された電圧に対応する電荷を保持する。
次に、図29に示すように、SWRをオープンにして、SW4、SW5およびhC0をVRLに接続した状態を維持しながら、SW0−SW2およびSWdをVRHに、SW3をVRLに接続する状態に切り換える。もし、hC0をVRLに接続したことにより下位側参照容量の重みが増加して理想状態を超えれば、SL1の電位は参照電位(VRH−VRL)/2より低くなり、比較器12の出力は低(Low)になる。hC0をVRLに接続しても理想状態を超えていなければ、SL1の電位は参照電位(VRH−VRL)/2より高くなり、比較器12の出力は高(High)である。
もし、比較器12の出力は高である時には、さらに図30に示すように、hSW0をオープンに戻し、hSW1をVRLに接続した後、SW0−SW2、SW4、SW5およびSWdをVRLに、SW3をVRHに接続し、SWRを参照電位(VRH−VRL)/2に接続する。そして、図31に示すように、SWRをオープンにして、SW4、SW5およびhC0をVRLに接続した状態を維持しながら、SW0−SW2およびSWdをVRHに、SW3をVRLに接続する状態に切り換え、比較器12の出力が高または低であるかを判定する。
以下、VRLに接続される補正容量を段階的に増加させて上記の処理を繰り返し、比較器12の出力が低になったら補正容量の増加を停止する。ここでは、容量値の比が1:2:4:8の4個の補正容量が設けられているので、補正容量は16段階変化可能である。
ここで、C3、C0およびCdの容量値をCoとし、ブリッジ容量Cbの容量値を8Co/7+αとし、4個の補正容量hC0−hC3のVRLに接続した補正容量の合計をCcとする。比較器12の出力が低に変化した時の下位側参照容量と補正容量のブリッジ容量を介したSL1に対する容量は、図32のようになる。したがって、ブリッジ容量Cbのαと、補正容量Ccは、図32の式を満たす関係を有する。
図33は、第2実施形態において、ブリッジ容量を補正する場合の比較器入力電圧の変化を示す図である。前述のように、ブリッジ容量補正処理は、比較器12のオフセット補正処理の後に行われ、残留オフセットはプラスに設定されている。したがって、参照電位(VRH−VRL)/2に対して、比較器12の比較レベルCompは残留オフセット分だけ高くなっている。VRLに接続する補正容量を増加させるに従って、CDAC11Aの出力する電圧、すなわち比較器入力電圧は段階的に低下する。そして、比較レベルCompを超えた時に、補正容量の増加が停止されるので、CDAC11Aと比較器12を合わせた比較レベルの参照電位(VRH−VRL)/2に対する差は、補正容量を変化させる最小ステップ以内である。
以上のようなブリッジ容量補正機能付CDAC11Aの補正が終了すると、補正容量の接続状態は維持され、A/D変換処理が行える状態になる。以下、A/D変換処理について、図26を参照して簡単に説明する。
上記のように、hSW0−hSW4は補正処理で決定された接続状態に設定されている。
まず、SWRを参照電位(VRH−VRL)/2=Vcmに接続し、SW0−SW5およびSWdをアナログ入力信号Vaの端子に接続し、アナログ入力信号Vaのサンプリングを行う。これにより、各容量には、Vaと参照電位Vcmとの差電圧が直接または間接に印加され、対応する電荷が保持される。
次に、SWRをオープンにし、SW5をVRHに、SW0−SW4およびSWdをVRLに接続する。これにより、信号線SL1の電位は、Vcm−Va+Vcm*1/2になる。比較器12は、この電位とVcmを比較する。比較結果が高であれば最上位ビット(1番目のビット)を“1”に決定し、SW5をVRHに接続する状態を維持する。比較結果が低であれば1番目のビットを“0”に決定し、SW5をVRLに接続する状態に変更する。ここでは、比較結果が高であるとして説明を続ける。
次に、SW5をVRHに、SW0−SW3およびSWdをVRLに接続した状態で、SW4をVRHに接続するように切り換える。これにより、信号線SL1の電位は、Vcm−Va+Vcm*1/2+Vcm*1/4になる。この時の比較結果が高であれば2番目のビットを“1”に決定し、SW4をVRHに接続する状態を維持する。比較結果が低であれば2番目のビットを“0”に決定し、SW4をVRLに接続する状態に変更する。ここでは、比較結果が低であるとして説明を続ける。
次に、SW5をVRHに、SW4をVRLに、SW0−SW2およびSWdをVRLに接続した状態で、SW3をVRHに接続するように切り換える。これにより、信号線SL1の電位は、Vcm−Va+Vcm*1/2−Vcm*1/4+Vcm*1/8になる。この時の比較結果が高であれば3番目のビットを“1”に決定し、SW3をVRHに接続する状態を維持する。比較結果が低であれば3番目のビットを“0”に決定し、SW3をVRLに接続する状態に変更する。
以下同様に、4−6番目のビットを決定していく。
以上第2実施形態について説明したが、第1実施形態で説明したように、補正ロジックの補正処理には各種の変形例が可能である。
例えば、第2実施形態において、ブリッジ容量補正機能付CDAC11Aの補正処理を、補正容量をVRLに接続した状態から開始し、オープンにする補正容量を段階的に増加させ、比較器12の出力が高に変化したら補正容量の増加を停止することも可能である。この場合には、ブリッジ容量補正機能付CDAC11Aの補正後の残留誤差はプラスであり、比較器12の残留オフセットと同じ極性になるので、補正処理における1段階前の補正コードに戻す処理を行う。
また、図10のフローチャートで説明したように、比較器12のオフセット補正処理で、残留オフセットの極性を決定せず、残留オフセットの極性をブリッジ容量補正ロジック32Aに通知するようにしてもよい。例えば、ブリッジ容量補正ロジック32Aが、第2実施形態で説明したように、補正容量をオープンにした状態から開始し、VRLに接続する補正容量を段階的に増加させるとする。この場合、ブリッジ容量補正ロジック32Aは、通知された残留オフセットがプラスの場合には補正コードを維持し、残留オフセットがプラスの場合には補正コードを1段階前の補正コードに戻す処理を行う。この処理を行うブリッジ容量補正ロジック32Aの回路構成を図34に示す。
まず、図34に示すブリッジ容量補正ロジック32Aの基本動作を簡単に説明する。カウンターが、初期化時にゼロの補正コードを出力し、これに応じてhSW0−hSW3はオープン状態となる。この状態で1回目の比較が行われる。その後、比較結果が低になるまでカウンターが補正コードを増加させ、比較結果が低に変化すると、補正コードの増加を停止する。そして、残留オフセットがプラスであれば補正コードを維持し、残留オフセットがマイナスであれば補正コードを1段階前の値に戻す。
CLK=Hで、比較器12のリセット動作が行われ、A/D変換器全体としては準備動作が行われる。CLK=Lで、比較器12の比較動作が行われ、A/D変換器全体としては比較動作が行われる。
クロックCLKは、補正動作中を示す信号が高(H)の間のみカウンター62に供給される。カウンター62は、初期化された時に補正コード0000を出力し、比較器12の出力が高(H)の時でかつ補正動作中にクロックCLKに同期してカウントアップ動作を行う。−1演算器63は、カウンター62の出力を−1した値を出力する。セレクタ64は、SEL=HでA入力のカウンター62の値を選択し、SEL=LでB入力の−1演算器63の出力を選択する。
カウンター62は、CLKの変化に応じてカウントアップ動作を行い、カウント値を補正コードとして出力する。これにより、補正容量が段階的に増加する。補正動作中に比較器12の比較結果がLを示すと、図示していない回路により補正動作中の信号をLに変化させる。これによりカウンター62はカウントアップ動作を停止する。
オフセット極性信号を反転した信号が残留オフセットを示す。したがって、インバータ65の出力は残留オフセットを示す。補正動作中の信号がLに変化すると、NORゲート66の出力は、残留オフセットを示す信号により決定され、残留オフセットがプラスの場合は高(H)に、残留オフセットがマイナスの場合は低(L)になる。したがって、セレクタ64は、残留オフセットがプラスの場合はカウンター62の出力する補正コードを選択し、残留オフセットがマイナスの場合は−1演算器63の出力するカウンター62の出力を−1した値を選択して補正コードとして出力する。
図35は、第2実施形態におけるブリッジ容量補正機能付CDAC11Aの変形例のブリッジ容量補正機能付CDAC11Bを示す図である。ブリッジ容量補正機能付CDAC11Aは、補正容量hC0−hC3の一方の端子を、下位側の参照容量C0−C1およびダミー容量Cdが接続される信号線SL2に接続し、補正容量hC0−hC3の他方の端子をVRLに接続するかを選択可能にした。これに対して、ブリッジ容量補正機能付CDAC11Bは、図35に示すように、ブリッジ容量Cbを可変容量とし、ブリッジ容量補正ロジック32Bによりブリッジ容量Cbの容量値を補正可能にした。
図36は、可変容量のブリッジ容量Cbの構成例を示す図である。図36の可変容量のブリッジ容量Cbは、3ビットの補正コードにより、スイッチの接続を制御することにより容量値が変化する。
補正処理は、第2実施形態と類似しているので、動作説明は省略する。
図37は、第3実施形態のA/D変換装置の概略構成を示す図である。
第3実施形態のA/D変換装置は、6ビットの線形誤差補正機能付CDAC11Cと、比較器12と、SARロジック13と、CDAC補正ロジック32Cと、を含む。CDAC11Cは、アナログ入力信号Va、高側基準電位VRH、低側基準電位VRL、参照電位(VRH−VRL)/2などが入力される。比較器12は、オフセット補正コードによりオフセットが補正可能である。SARロジック13は、比較器12の比較結果に基づいてCDAC11Cのスイッチを制御してCDAC11の出力Viが、参照電位(VRH−VRL)/2に近づくように制御してA/D変換値を決定する。CDAC11Cは、線形誤差補正機能を有し、図4に示したD/A変換装置11と類似の構成を含む。また、特許文献3は、図4に示したD/A変換装置11の詳細を記載している。したがって、第3実施形態のA/D変換装置は、オフセット補正ロジック31を含む補正ロジック30も含むが、ここでは図示を省略している。
図37に示すように、CDAC11Cは、メインCDAC21と、補正データ出力部22と、補正CDAC23と、加算部24と、を含む。補正データ出力部22は、SARロジック13から供給されるD/A変換コードのビットごとに“1”の時のCDAC補正コードを記憶する補正データ記憶部27を含む。補正データ出力部22は、D/A変換コードを受けると、補正データ記憶部27からCDAC補正コードを読み出し、全ビットの値に応じてCDAC補正コードを加算して補正データを出力する。CDAC補正ロジック32Cは、補正データ記憶部27に記憶するCDAC補正コードを決定する処理を制御する。
補正処理は、比較器12のオフセット補正、CDAC11Cの線形性補正の順に行われる。比較器12のオフセットは、第2実施形態で説明したのと同じように補正されるが、残留オフセットがマイナスの場合にプラスにする処理は行わず、残留オフセットの極性がCDAC補正ロジック32Cに通知される。
図38および図39は、CDAC補正コードを決定する処理を説明する図である。図38および図39に示すように、メインDAC21は、一方の端子が共通信号線SL1に接続された3個の上位側参照容量C3−C5と、一方の端子が共通信号線SL1に接続されたブリッジ容量Cbと、ブリッジ容量Cbの他方の端子に接続される信号線SL2に一方の端子が接続された3個の下位側参照容量C0−C2と、一方の端子が信号線SL2に接続されたダミー容量Cdと、下位側参照容量C0−C2および上位側参照容量C3−C5の他方の端子を、アナログ入力信号Vaが入力される端子、上側基準電位VRHが入力される端子または下側基準電位VRLが入力される端子のいずれかに接続するスイッチSW0−SW5と、ダミー容量Cdを、VRH端子またはVRL端子に接続するスイッチdと、共通信号線SL1を参照電位(VRH-VRL)/2に接続するスイッチSWRと、一方の端子が信号線SL2に接続された補正ブリッジ容量Cbhと、を含む。補正DAC23の出力Vcalは、補正ブリッジ容量Cbhの他方の端子に印加される。Cd、C0−C5、Cbは、1:1:2:4:1:2:4:8/7に設定されている。また、Cbhの容量は、補正範囲および補正分解能を考慮して適宜定められる。
図1と比較して明らかなように、メインDAC21は、図1に示したCDAC11と類似の構成を含む。
第3実施形態におけるCDAC11Cの線形性を補正する処理は、最下位ビットから順に重みが2の累乗で変化するように、補正DAC23の出力Vcal、すなわちCDAC補正を決定していく。2の累乗で変化するかは、等価な重みの参照容量の組合せが存在することを利用する。具体的には、C0とCdは同じ容量であれば、C0がVRHに、CdがVRLに接続された状態でサンプリングした後、C0がVRLに、CdがVRHに接続された状態に切り換えても比較器12の比較結果は変化しない。そこで、CDAC補正コードを段階的に変化させながら、上記のサンプリングと比較を繰り返し、比較結果が変化した時に、等価な状態にもっとも近づいたとしてCDAC補正コードを決定する。
上記のように、C0に対してCdは等価であり、C1に対してC0とCdの組は等価であり、以下同様に、等価な組合せが存在し、最上位ビットに対応するC5に対してC0−C4とCdの組は等価である。
最上位ビットのCDAC補正コードを決定する処理は、1〜5ビット目に対応するC0−C4のCDAC補正コードが決定された後行われる。最上位ビットのCDAC補正コードを決定する処理では、図38に示すように、SWRを参照電位(VRH−VRL)/2に、SW0−SW4およびSWdをVRLに、SW5をVRHに、接続する。この時、補正DAC23は、5ビットのCDAC補正コードの中間の値”10000”を受けて、それに対応するVcalを出力する。
次に、図39に示すように、SWRをオープンにし、SW0−SW4およびSWdをVRHに、SW5をVRLに、接続する。この時、補正DAC23は、前と同じようにCDAC補正コード”10000”に対応するVcalを出力する。この時の比較結果が高(High)であれば、C5の容量は、C0−C4とCdの合計容量より小さいので、CDAC補正コード”10001”に変化させる。また、比較結果が低(Low)であれば、C5の容量は、C0−C4とCdの合計容量より大きいので、CDAC補正コード”011111”に変化させる。以下、最初の比較結果が高の場合には、比較結果が低になるまでCDAC補正コードを1ずつ増加させ、比較結果が低になったらCDAC補正コードの変化を停止する。同様に、最初の比較結果が低の場合には、比較結果が高になるまでCDAC補正コードを1ずつ減少させ、比較結果が高になったらCDAC補正コードの変化を停止する。
図40は、最初の比較結果が低の場合のCDAC補正コードの変化例を示す図である。図40に示すように、最初の比較結果が低なので、CDAC補正コードを1ずつ減少させ、それに応じてCDAC11Cの出力、すなわち比較器12の入力電圧が上昇する。ここで、比較器12の残留オフセットがプラスの場合には、比較器12の比較閾値Compは、参照電位(VRH−VR)/2より残留オフセット分だけ高い。そのため、CDAC補正コードを1ずつ減少させ、比較結果が低から高に変化した時に補正コードの変化を停止する場合、残留オフセットとCDAC補正誤差が加算されて誤差が大きくなるので、CDAC補正コードを補正処理における1つ前の値に戻す。図40において、比較器12の残留オフセットがマイナスの場合には、残留オフセットとCDAC補正誤差が相殺するので、決定したCDAC補正コードをそのまま維持する。
また、最初の比較結果が高の場合には、比較器12の残留オフセットがマイナスの時にCDAC補正コードを補正処理における1つ前の値に戻し、残留オフセットがプラスの時にCDAC補正コードを維持する。
以上のようにして決定したCDAC補正コードは、補正データ記憶部27に記憶される。
図41は、CDAC補正ロジック32Cの回路構成を示す図である。図25と比較して明らかなように、CDAC補正ロジック32Cの回路構成は、オフセット補正ロジック31の回路構成と似ているので、異なる点のみ説明する。CDAC補正ロジック32Cでは、カウンター79は、初期値として”10000”を出力し、最初の比較結果が高(High)であればカウントアップ動作を行い、最初の比較結果が低(Low)であればカウントダウン動作を行う。また、CDAC補正ロジック32Cでは、FF75の出力が、CDAC補正の方向を示し、FF75の出力が高であれば残留誤差はマイナスになり、FF75の出力が低であれば残留誤差はプラスになる。前述のように、オフセット極性信号が高の場合には残留オフセットはマイナスであり、オフセット極性信号が低の場合には残留オフセットはプラスである。残留オフセットとCDAC補正誤差が両方ともプラス又はマイナスの時に、CDAC補正コードを1つ前の段階に戻し、残留オフセットとCDAC補正誤差の極性が異なれば、CDAC補正コードを維持する。
EXOR84の出力は、オフセット極性信号とFF75の出力が共に高または低である時に低になる。図25で説明したように、OR85は補正動作が終了するとEXOR84の出力を通過させるので、セレクタ83は、オフセット極性信号とFF75の出力が共に高または低の時にB入力の−1演算器82の出力を選択する。
第3実施形態では、各ビットごとに補正コードを決定して記憶したが、DA変換データの値ごとに補正コードを決定して記憶することも可能である。ただし、6ビットの場合、第3実施形態では6個の補正コードを決定すればよいが、DA変換データの値ごとに補正コードを決定するには64個の補正コードを決定する必要があり、その分補正動作に時間を要し、補正データ記憶部27のメモリ容量も増大する。
また、第3実施形態では、ブリッジ容量Cbを設けたが、ブリッジ容量Cbを設けずに、すべての参照容量の容量値の比率を累乗で設定することも可能である。
以上、第1から第3実施形態および変形例を説明したが、さらに多くの変形例が可能である。例えば、第2および第3実施形態では、図1および図26に示したCDACを使用したが、他のCDACも使用できる。以下、CDACの変形例を説明する。
図42は、図26の第2実施形態のブリッジ容量補正機能付CDAC11Aの変形例を示す図である。図26のCDAC11Aでは、下位側参照容量C0−C2およびダミー容量Cdの他方の端子が、SW0−SW2およびSWdを介して、VRH、VRLおよびアナログ信号Vaの入力端子のいずれにも接続可能であった。これに対して、図42の変形例では、下位側参照容量C0−C2およびダミー容量Cdの他方の端子は、SW0−SW2およびSWdを介して、VRHまたはVRLに接続可能であるが、アナログ信号Vaの入力端子には接続できない。図42の容量Chは、図26の4個の補正容量hC0−hC3およびスイッチhSW0−hSW3に対応する。図42の変形例のCDACの動作は、第2実施形態と類似しているので説明は省略する。
図43は、図35のブリッジ容量を可変としたブリッジ容量補正機能付CDAC11Bの変形例を示す図であり、図42のCDACと基本構成は同じなので、説明は省略する。
図44は、図38の線形誤差補正機能付CDAC11Cの変形例を示す図であり、図42のCDACと基本構成は同じなので、説明は省略する。
図45は、図26の第2実施形態のブリッジ容量補正機能付CDAC11Aの変形例を示す図である。図26のCDAC11Aでは、下位側参照容量C0−C2、上位側参照容量C3−C5およびダミー容量Cdの他方の端子が、SW0−SW5およびSWdを介して、VRH、VRLおよびアナログ信号Vaの入力端子のいずれにも接続可能であった。これに対して、図42の変形例では、C0−C2、C3−C5およびCdの他方の端子は、SW0−SW5およびSWdを介して、VRHまたはVRLに接続可能であるが、アナログ信号Vaの入力端子には接続できない。一方、図26のCDAC11Aでは、信号線SL1は、SWRを介して参照電位に接続可能であったが、図45の回路では、SL1はスイッチSWAを介してアナログ信号Vaの入力端子に接続するか否かが選択できる。図45の容量Chは、図26の4個の補正容量hC0−hC3およびスイッチhSW0−hSW3に対応する。図45の変形例のCDACの動作は、第2実施形態と類似しているので説明は省略する。
図46は、図35のブリッジ容量を可変としたブリッジ容量補正機能付CDAC11Bの変形例を示す図であり、図45のCDACと基本構成は同じなので、説明は省略する。
図47は、図38の線形誤差補正機能付CDAC11Cの変形例を示す図であり、図45のCDACと基本構成は同じなので、説明は省略する。
図48は、図26の第2実施形態のブリッジ容量補正機能付CDAC11Aの変形例を示す図である。図26のCDAC11Aでは、下位側参照容量C0−C2、上位側参照容量C3−C5およびダミー容量Cdの他方の端子が、SW0−SW5およびSWdを介して、VRH、VRLおよびアナログ信号Vaの入力端子のいずれにも接続可能であった。これに対して、図48の変形例では、C0−C2、C3−C5およびCdの他方の端子は、SW0−SW5およびSWdを介して、VRHまたはVRLに接続可能であるが、アナログ信号Vaの入力端子には接続できない。一方、信号線SL1は、容量CA1およびスイッチSWA1を介してアナログ信号Vaの入力端子または高電位源VDDに接続可能であり、容量CA2およびスイッチSWA2を介してアナログ信号Vaの入力端子または低電位源GNDに接続可能である。図48の容量Chは、図26の4個の補正容量hC0−hC3およびスイッチhSW0−hSW3に対応する。図48の変形例のCDACの動作は、第2実施形態と類似しているので説明は省略する。
図49は、図35のブリッジ容量を可変としたブリッジ容量補正機能付CDAC11Bの変形例を示す図であり、図48のCDACと基本構成は同じなので、説明は省略する。
図50は、図38の線形誤差補正機能付CDAC11Cの変形例を示す図であり、図48のCDACと基本構成は同じなので、説明は省略する。
CDACの構成は、上記以外にも各種知られており、第1から第3実施形態および変形例の構成は、それらに適用可能である。
以上、シングルエンド型CDACを使用するA/D変換装置について説明したが、第1から第3実施形態および変形例の構成は、差動型CDACを使用するA/D変換装置にも適用可能である。
図51は、第4実施形態の8ビットの差動型CDACを使用するA/D変換装置の構成を示す図である。図51に示すように、第4実施形態のA/D変換装置は、差動型CDAC11Dと、比較器12と、SARロジック13ADと、補正ロジック30ADと、を含む。比較器12は、オフセット補正機能を有し、第2実施形態と同様のものが使用可能である。補正ロジック30ADは、オフセット補正ロジックおよび差動型CDAC補正ロジックを含むが、図示は省略している。
差動型CDAC11Dは、アナログ信号Vaの正(プラス)側の信号が入力される正側CDAC11APと、アナログ信号Vaの負(マイナス)側の信号が入力される負側CDAC11ANと、を含む。正側CDAC11APおよび負側CDAC11ANは、それぞれ図26に示したブリッジ容量補正機能付CDAC11Aと類似の構成を備える。左側の4個の容量が補正容量である。図51では、スイッチSW0−SW5,SWdおよびSWRの図示を省略している。
差動型CDAC11Dのブリッジ容量を補正する場合、正側CDAC11APと負側CDAC11ANで、それぞれVRLに接続する補正容量を決定することも可能である。しかし、正側と負側を合わせて誤差が低減されればよいので、正側と負側を合わせて補正することも可能である。
すべての補正容量を接続しない状態で、図51に示すように、正側CDAC11APおよび負側CDAC11ANにおいて、上位の3個(ビット5−7に対応)の参照容量をVRLに接続する。正側CDAC11APでは、ビット4に対応する参照容量をVRLに、ビット0−3に対応する参照容量とダミー容量を、VRHに接続する。負側CDAC11ANでは、ビット4に対応する参照容量をVRHに、ビット0−3に対応する参照容量とダミー容量をVRLに接続する。この状態で、正側CDAC11APおよび負側CDAC11ANにおいて、スイッチSWR(図示せず)により、出力信号線を参照電位に接続する。
次に、スイッチSWRをオープンにして、正側CDAC11APでは、ビット4に対応する参照容量をVRHに、ビット0−3に対応する参照容量とダミー容量をVRLに、接続する。負側CDAC11ANでは、ビット4に対応する参照容量をVRLに、ビット0−3に対応する参照容量とダミー容量をVRHに接続する。前述のようにこれらの組合せは容量としては等価であることが理想状態であるが、初期状態の関係で比較器12の比較結果は低(Low)になる。以下、正側CDAC11APおよび負側CDAC11ANにおいて、比較器12の比較結果が高(High)に変化するまで、補正コードを変化させて補正容量を段階的にVRLに接続し、高に変化したら補正容量の変化を停止する。そして、残留オフセットとブリッジ補正の残留誤差が同極性であるか判定し、逆極性であれば補正コードを維持し、同極性であれば補正コードを1段階前の状態に戻す。
図51の差動型CDAC11Dにおいて、正側CDAC11APと負側CDAC11ANのブリッジ容量を、それぞれ図35に示したように可変容量として補正可能とする変形例も可能である。そのような変形例においても、上記と同様の方法で補正処理を行い、残留オフセットとブリッジ補正の残留誤差の極性に応じて補正コードを維持または補正することが可能である。
図52は、第5実施形態の8ビットの差動型CDACを使用するA/D変換装置の構成を示す図である。図52に示すように、第5実施形態のA/D変換装置は、差動型CDAC11Eと、比較器12と、SARロジック13CDと、オフセット補正ロジック31と、差動CDAC補正ロジック32Dと、を含む。オフセット補正ロジック31および差動CDAC補正ロジック32Dが、補正ロジック30に対応する。
比較器12は、オフセット補正機能を有し、第2実施形態と同様のものが使用可能である。また、オフセット補正ロジック31も、第2実施形態と同様のものが使用可能である。
差動型CDAC11Eは、アナログ信号Vaの正(プラス)側の信号が入力される正側CDAC11EPと、アナログ信号Vaの負(マイナス)側の信号が入力される負側CDAC11ENと、2個の減加算器81Pおよび81Nと、インバータ82と、を含む。正側CDAC11EPおよび負側CDAC11ENは、それぞれ図37から図39に示した第3実施形態の線形性誤差補正機能付CDAC11Cと類似の構成を備える。図52では、スイッチSW0−SW5,SWdおよびSWRの図示を省略している。
差動型CDAC11Eの線形性を補正する場合、正側CDAC11EPと負側CDAC11ENで、それぞれビットごとに補正DAC23Pおよび23Nに供給する補正コードを決定することも可能である。しかし、正側と負側を合わせて誤差が低減されればよいので、正側と負側を合わせて補正することも可能である。
第3実施形態で説明したように、補正コードは低位ビットから順に決定する。下位7ビットの補正コードが決定した後、最上位ビットの補正コードを決定する場合を考える。この場合、補正DAC23Pおよび23Nから中間値に対応する電圧を出力する。そして、図52に示すように、正側CDAC11EPでは、最上位ビットに対応する参照容量をVRLに、それ以外の参照容量およびダミー容量をVRHに接続する。負側CDAC11ENでは、最上位ビットに対応する参照容量をVRHに、それ以外の参照容量およびダミー容量をVRLに接続する。この状態で、正側CDAC11EPおよび負側CDAC11ENにおいて、スイッチSWR(図示せず)により、出力信号線を参照電位に接続する。
次に、スイッチSWRをオープンにして、正側CDAC11EPでは、最上位ビットに対応する参照容量をVRHに、それ以外の参照容量およびダミー容量をVRLに接続する。負側CDAC11ENでは、最上位ビットに対応する参照容量をVRLに、それ以外の参照容量およびダミー容量をVRHに接続する。前述のようにこれらの組合せは容量としては等価であることが理想状態である。この時の判定結果に応じて、補正DAC23Pと補正DAC23Nに供給する補正コードを逆方向に変化させる。例えば、比較器12の比較結果が高(High)の時には、補正DAC23Pに供給する補正コードを1減じ、補正DAC23Nに供給する補正コードを1増加する。以下、比較器12の比較結果が反転するまで、補正DAC23Pと補正DAC23Nに供給する補正コードをそれぞれ1ずつ逆方向に変化させて補正電圧を段階的に変化させ、比較結果が変化したら補正容量の変化を停止する。そして、残留オフセットとブリッジ補正の残留誤差が同極性であるか判定し、逆極性であれば補正コードを維持し、同極性であれば補正コードを1段階前の状態に戻す。
減加算器81Pおよび81Nは、差動CDAC補正ロジック32Dが出力する補正極性に応じて、カウントアップ動作またはカウントダウン動作を行う。減加算器81Pがカウントアップ動作を行う時には、減加算器81Nはカウントダウン動作を行う。逆に、減加算器81Pがカウントダウン動作を行う時には、減加算器81Nはカウントアップ動作を行う。
図53は、上記の補正処理における補正コードの変化に対する正負入力の差電圧の変化を示す図である。図53の上側のグラフが、最初の比較結果が低の場合に、補正DAC23Pに入力する正側の補正コードの変化に対する正負入力の差電圧の変化を示す。図53の下側のグラフが、最初の比較結果が高の場合に、補正DAC23Nに入力する負側の補正コードの変化に対する正負入力の差電圧の変化を示す。図53の上側のグラフのように、最初の比較結果が低の場合には、オフセット極性信号がマイナスであれば補正コードを維持し、オフセット極性信号がプラスであれば補正コードを1段階前の値に戻す。同様に、図53の下側のグラフのように、最初の比較結果が高の場合には、オフセット極性信号がプラスであれば補正コードを維持し、オフセット極性信号がマイナスであれば補正コードを1段階前の値に戻す。
図54は、差動CDAC補正ロジック32Dの回路構成を示す図である。図41と比較して明らかなように、差動CDAC補正ロジック32Dの回路構成は、図41のCDAC補正ロジック32Cの回路構成と似ているので、異なる点のみ説明する。CDAC補正ロジック32Cのカウンター79Dは、初期値として”000”を出力すること、および、カウントアップのみを行うことが異なる。また、FF75の出力が、補正極性として減加算器81Pおよび81Nに出力される。
図55は、減加算器81Pおよび81Nの回路構成を示す図である。図示のように、減加算器81Pおよび81Nは、2の補数演算器91と、セレクタ92と、加算器93と、を含む。減加算器81Pおよび81Nは、差動CDAC補正ロジック32Dから出力される補正極性が高の時には加算器として動作し、補正極性が低の時には加算器として動作する。
加算器として動作する時には、セレクタ92はA入力を選択して加算器93に出力する。したがって、減加算器81Pおよび81Nは、4ビットの補正コードの中心である中心コード”1000”に差動CDAC補正ロジック32Dから出力される調整コードを加えて補正コードとして出力する加算処理が行われる。調整コードはカウントアップするので、補正コードもカウントアップする。
減算器として動作する時には、2の補数演算器91が調整コードの補数を出力する。セレクタ92は、B入力である2の補数演算器91の出力を選択して加算器93に出力する。したがって、減加算器81Pおよび81Nは、4ビットの補正コードの中心である中心コード”1000”から差動CDAC補正ロジック32Dから出力される調整コードを減算して補正コードとして出力する減算処理が行われる。調整コードはカウントアップするので、補正コードはカウントダウンする。
第1から第3実施形態およびその変形例で説明したシングルエンド型A/D変換装置の構成は、差動型用に変更すれば、第4および第5実施形態およびその変形例の差動型A/D変換装置に適用する可能であることが、当業者には容易に理解できる。
上記の実施形態および変形例では、補正コードは1段階ずつ増加または減少させた。そのため、例えば、デジタル補正コードが4ビットの場合には、オフセット電圧の全補正範囲をサーチするには、16段階に亘って変化させる必要があり、サーチ時間が長くなる。サーチ方法として、デジタル補正コードの各ビットを上位ビットから順に決定していくバイナリーサーチ方法が知られている。
図56は、4ビットのバイナリーサーチを説明する図であり、オフセットVos=0のレベルにするには、4ビットのデジタル補正コード=1010とする場合の例を示している。第1ステップで、デジタル補正コード=1000として比較を行う。この場合は、オフセット電圧がマイナスなので、1ビット目が“1”に決定される。第2ステップで、デジタル補正コード=1100として比較を行う。この場合は、オフセット電圧がプラスなので、2ビット目が“0”に決定される。第3ステップで、デジタル補正コード=1010として比較を行う。この場合は、オフセット電圧がマイナスなので、3ビット目が“1”に決定される。第4ステップで、デジタル補正コード=1011として比較を行う。この場合は、オフセット電圧がマイナスなので、4ビット目が“0”に決定される。したがって、図56のバイナリーサーチの場合には、残留オフセットはマイナスになる。
このように、バイナリーサーチの場合にも残留オフセットおよびCDAC補正の残留誤差がプラスまたはマイナスであることが判明するので、残留オフセットとCDAC補正残留誤差を相殺するように設定することが可能である。
以上説明した実施形態では、A/D変換装置内で、オフセット補正回路(ロジック)とCDAC補正回路(ロジック)が、比較器の残留オフセットおよび容量型DACの残留誤差を互いに相殺するように、補正を行う。補正動作は、A/D変換装置の起動時に行ってそれ以後は補正コードを保持しても、随時行うようにしてもよい。
また、比較器の残留オフセットとCDACの残留誤差を相殺することは、製造工程で補正コードを設定し、それ以後は補正コードを維持するA/D変換装置の補正コード設定処理にも適用可能である。この場合、A/D変換装置は、図13に示したようなオフセット補正コードに応じて比較器のオフセット補正電圧を印加する回路および図26および図37に示したCDAC誤差補正機構のみを内部に有する。そして、製造時に外部測定器を使用してオフセット補正コードおよびCDACの誤差補正コードを決定し、さらに比較器の残留オフセットとCDACの残留誤差を相殺するように調整して、A/D変換装置内の補正コードレジスタなどに設定する。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
以下、実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
一方の端子が共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量からなる参照容量群と、
前記スイッチを切り換えることにより前記共通信号線の電圧を変化させる前記参照容量群を含み、サンプリング時に印加されるアナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、
前記共通信号線の電位を参照電位と比較する比較器と、
前記比較器の比較結果に基づいて、前記共通信号線の電位が前記参照電位に近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、
前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、
前記共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備え、
前記オフセット補正回路および前記DAC補正回路は、前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差を互いに相殺するように、補正を行うことを特徴とするA/D変換装置。
(付記2)
前記容量型DACは、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続された下位側の参照容量群と、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続されると共に他方の端子を所定の基準電位源に接続するか否かが選択可能な補正容量群と、を備え、
前記DAC補正回路は、前記下位側の参照容量群の重みの合計が、前記上位側の参照容量群の最小参照容量の重みと等価になるように、前記補正容量群の他方の端子の前記所定の基準電位源への接続を設定する付記1に記載のA/D変換装置。
(付記3)
前記容量型DACは、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子が前記共通信号線に接続された容量値が可変のブリッジ容量と、一方の端子が前記ブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続された下位側の参照容量群と、を備え、
前記ブリッジ容量の容量値を段階的に変化させたとき、前記DAC補正回路は、前記下位側の参照容量群の重みが、前記上位側の参照容量群の最小容量値の参照容量と等価になるように補正する付記1に記載のA/D変換装置。
(付記4)
前記容量型DACは、一方の端子が接続容量を介して前記共通信号線に接続され、補正電圧を出力する補正電圧源を備え、
前記DAC補正回路は、前記参照容量群の重みを2の累乗で変化させて、前記共通信号線の電圧を段階的に変化させるように前記補正電圧源を設定する付記1に記載のA/D変換装置。
(付記5)
前記参照容量群は、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子が前記共通信号線に接続されたブリッジ容量と、一方の端子が前記ブリッジ容量の他方の端子に接続された下位側の参照容量群と、を備え、
前記補正電圧源は、前記接続容量を介して前記ブリッジ容量の他方の端子に接続される付記4に記載のA/D変換装置。
(付記6)
前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正した時の前記残留オフセットが所定の極性になるように設定し、
前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正した時の前記容量型DACの残留誤差が前記所定の極性と逆の極性を有する場合には前記容量型DACの補正値を維持し、前記容量型DACの残留誤差が前記所定の極性と同じ極性を有する場合には前記容量型DACの補正値を1段階戻す付記1に記載のA/D変換装置。
(付記7)
前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正し、
前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正し、
前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正した時の前記容量型DACの残留誤差が、前記比較器の残留オフセットと互いに相殺するか判定し、
相殺する場合には、前記容量型DACの補正値を維持し、
相殺しない場合には、前記容量型DACの補正値を1段階戻すように制御する付記1に記載のA/D変換装置。
(付記8)
前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正し、
前記DAC補正回路は、前記比較器の前記残留オフセットに応じて、前記DAC補正のサーチ方向を決定し、前記容量型DACの誤差を決定したサーチ方向で補正する付記1に記載のA/D変換装置。
(付記9)
2組の参照容量群であって、各組の各参照容量群は、一方の端子が各共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量を備える、2組の参照容量群と、
前記スイッチを切り換えることにより各共通信号線の電圧を変化させる前記2組の参照容量群を含み、サンプリング時に印加される差動アナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、
前記容量型DACの2つの共通信号線の電位を比較する比較器と、
前記比較器の比較結果に基づいて、前記2つの共通信号線の電位が互いに近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、
前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、
前記2つの共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備え、
前記オフセット補正回路および前記DAC補正回路は、前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差を互いに相殺するように、補正を行うことを特徴とするA/D変換装置。
(付記10)
前記2組の参照容量群は、それぞれ、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続された下位側の参照容量群と、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続されると共に他方の端子を所定の基準電位源に接続するか否かが選択可能な補正容量群と、を備え、
前記DAC補正回路は、前記下位側の参照容量群の重みの合計が、前記上位側の参照容量群の最小参照容量の重みと等価になるように、前記補正容量群の他方の端子の前記所定の基準電位源への接続を設定する付記9に記載のA/D変換装置。
(付記11)
前記2組の参照容量群は、それぞれ、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子が前記共通信号線に接続された容量値が可変のブリッジ容量と、一方の端子が前記ブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続された下位側の参照容量群と、を備え、
前記ブリッジ容量の容量値を段階的に変化させたとき、前記DAC補正回路は、前記下位側の参照容量群の重みが、前記上位側の参照容量群の最小容量値の参照容量と等価になるように補正する付記9に記載のA/D変換装置。
(付記12)
前記2組の参照容量群は、それぞれ、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続され、補正電圧を出力する補正電圧源を備え、
前記DAC補正回路は、前記参照容量群の重みを2の累乗で変化させて、前記共通信号線の電圧を段階的に変化させるように前記補正電圧源を設定する付記9に記載のA/D変換装置。
(付記13)
前記2組の参照容量群は、それぞれ、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側参照容量群と、一方の端子が前記共通信号線に接続された接続容量と、一方の端子が前記接続容量の他方の端子に接続された下位側参照容量群と、を備え、
前記補正電圧源は、前記ブリッジ容量を介して前記接続容量の他方の端子に接続される付記12に記載のA/D変換装置。
(付記14)
前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正した時の前記残留オフセットが所定の極性になるように設定し、
前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正した時の前記容量型DACの残留誤差が前記所定の極性と逆の極性を有する場合には前記容量型DACの補正値を維持し、前記容量型DACの残留誤差が前記所定の極性と同じ極性を有する場合には前記容量型DACの補正値を1段階戻す付記9に記載のA/D変換装置。
(付記15)
前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正し、
前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正し、
前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正した時の前記容量型DACの残留誤差が、前記比較器の残留オフセットと互いに相殺するか判定し、
相殺する場合には、前記容量型DACの補正値を維持し、
相殺しない場合には、前記容量型DACの補正値を1段階戻すように制御する付記9に記載のA/D変換装置。
(付記16)
前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正し、
前記DAC補正回路は、前記比較器の前記残留オフセットに応じて、前記DAC補正のサーチ方向を決定し、前記容量型DACの誤差を決定したサーチ方向で補正する付記9に記載のA/D変換装置。
(付記17)
一方の端子が共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量からなる参照容量群と、前記スイッチを切り換えることにより前記共通信号線の電圧を変化させる前記参照容量群を含み、サンプリング時に印加されるアナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、前記共通信号線の電位を参照電位と比較する比較器と、前記比較器の比較結果に基づいて、前記共通信号線の電位が前記参照電位に近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、前記共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備えるA/D変換装置の補正方法であって、
前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した後の残留誤差が互いに相殺するか判定し、
相殺する場合には、前記オフセットを補正した時のオフセット補正データおよび前記容量型DACの誤差を補正した時のDAC補正データを維持し、
相殺しない場合には、前記オフセット補正データまたは前記DAC補正データを、補正の1段階前の状態に戻す、ことを特徴とするA/D変換装置の補正方法。
(付記18)
前記容量型DACは、一方の端子が接続容量を介して前記共通信号線に接続され、補正電圧を出力する補正電圧源を備え、
前記DAC補正回路は、前記参照容量群の重みが2の累乗で変化するように、前記共通信号線の電圧変化ステップごとに前記補正電圧源を設定する付記17に記載のA/D変換装置の補正方法。
(付記19)
2組の参照容量群であって、各組の各参照容量群は、一方の端子が各共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量を備える、2組の参照容量群と、前記スイッチを切り換えることにより各共通信号線の電圧を変化させる前記2組の参照容量群を含み、サンプリング時に印加される差動アナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、前記容量型DACの2つの共通信号線の電位を比較する比較器と、前記比較器の比較結果に基づいて、前記2つの共通信号線の電位が互いに近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、前記2つの共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備えるA/D変換装置の補正方法であって、
前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差が互いに相殺するか判定し、
相殺する場合には、前記オフセットを補正した時のオフセット補正データおよび前記容量型DACの誤差を補正した時のDAC補正データを維持し、
相殺しない場合には、前記オフセット補正データまたは前記DAC補正データを、補正の1段階前の状態に戻す、ことを特徴とするA/D変換装置の補正方法。
(付記20)
前記2組の参照容量群は、それぞれ、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続され、補正電圧を出力する補正電圧源を備え、
前記DAC補正回路は、前記参照容量群の重みが2の累乗で変化するように、前記共通信号線の電圧変化ステップごとに前記補正電圧源を設定する付記19に記載のA/D変換装置の補正方法。
11 電荷再配分型D/A変換器(CDAC)
11A、11B ブリッジ容量補正回路付CDAC
11C 線形誤差補正機能付CDAC
12 比較器
13 逐次変換制御回路(SARロジック)
15 CDAC補正部
30 補正ロジック
31 オフセット補正ロジック
32 CDAC補正ロジック

Claims (10)

  1. 一方の端子が共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量からなる参照容量群と、
    前記スイッチを切り換えることにより前記共通信号線の電圧を変化させる前記参照容量群を含み、サンプリング時に印加されるアナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、
    前記共通信号線の電位を参照電位と比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果に基づいて、前記共通信号線の電位が前記参照電位に近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、
    前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、
    前記共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備え、
    前記オフセット補正回路および前記DAC補正回路は、前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差を互いに相殺するように、補正を行うことを特徴とするA/D変換装置。
  2. 前記容量型DACは、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続された下位側の参照容量群と、一方の端子がブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続されると共に他方の端子を所定の基準電位源に接続するか否かが選択可能な補正容量群と、を備え、
    前記DAC補正回路は、前記下位側の参照容量群の重みの合計が、前記上位側の参照容量群の最小参照容量の重みと等価になるように、前記補正容量群の他方の端子の前記所定の基準電位源への接続を設定する請求項1に記載のA/D変換装置。
  3. 前記容量型DACは、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子が前記共通信号線に接続された容量値が可変のブリッジ容量と、一方の端子が前記ブリッジ容量を介して前記共通信号線に接続された下位側の参照容量群と、を備え、
    前記ブリッジ容量の容量値を段階的に変化させたとき、前記DAC補正回路は、前記下位側の参照容量群の重みが、前記上位側の参照容量群の最小容量値の参照容量と等価になるように補正する請求項1に記載のA/D変換装置。
  4. 前記容量型DACは、一方の端子が接続容量を介して前記共通信号線に接続され、補正電圧を出力する補正電圧源を備え、
    前記DAC補正回路は、前記参照容量群の重みを2の累乗で変化させて、前記共通信号線の電圧を段階的に変化させるように前記補正電圧源を設定する請求項1に記載のA/D変換装置。
  5. 前記参照容量群は、一方の端子が前記共通信号線に接続された上位側の参照容量群と、一方の端子が前記共通信号線に接続されたブリッジ容量と、一方の端子が前記ブリッジ容量の他方の端子に接続された下位側の参照容量群と、を備え、
    前記補正電圧源は、前記接続容量を介して前記ブリッジ容量の他方の端子に接続される請求項4に記載のA/D変換装置。
  6. 前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正した時の前記残留オフセットが所定の極性になるように設定し、
    前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正した時の前記容量型DACの残留誤差が前記所定の極性と逆の極性を有する場合には前記容量型DACの補正値を維持し、前記容量型DACの残留誤差が前記所定の極性と同じ極性を有する場合には前記容量型DACの補正値を1段階戻す請求項1に記載のA/D変換装置。
  7. 前記オフセット補正回路は、前記比較器のオフセットを補正し、
    前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正し、
    前記DAC補正回路は、前記容量型DACの誤差を補正した時の前記容量型DACの残留誤差が、前記比較器の残留オフセットと互いに相殺するか判定し、
    相殺する場合には、前記容量型DACの補正値を維持し、
    相殺しない場合には、前記容量型DACの補正値を1段階戻すように制御する請求項1に記載のA/D変換装置。
  8. 2組の参照容量群であって、各組の各参照容量群は、一方の端子が各共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量を備える、2組の参照容量群と、
    前記スイッチを切り換えることにより各共通信号線の電圧を変化させる前記2組の参照容量群を含み、サンプリング時に印加される差動アナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、
    前記容量型DACの2つの共通信号線の電位を比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果に基づいて、前記2つの共通信号線の電位が互いに近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、
    前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、
    前記2つの共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備え、
    前記オフセット補正回路および前記DAC補正回路は、前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差を互いに相殺するように、補正を行うことを特徴とするA/D変換装置。
  9. 一方の端子が共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量からなる参照容量群と、前記スイッチを切り換えることにより前記共通信号線の電圧を変化させる前記参照容量群を含み、サンプリング時に印加されるアナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、前記共通信号線の電位を参照電位と比較する比較器と、前記比較器の比較結果に基づいて、前記共通信号線の電位が前記参照電位に近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、前記共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備えるA/D変換装置の補正方法であって、
    前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した後の残留誤差が互いに相殺するか判定し、
    相殺する場合には、前記オフセットを補正した時のオフセット補正データおよび前記容量型DACの誤差を補正した時のDAC補正データを維持し、
    相殺しない場合には、前記オフセット補正データまたは前記DAC補正データを、補正の1段階前の状態に戻す、ことを特徴とするA/D変換装置の補正方法。
  10. 2組の参照容量群であって、各組の各参照容量群は、一方の端子が各共通信号線に接続され、他方の端子がスイッチを介して複数の異なる基準電位源に切り替え可能に接続され、所定の比率で重み付けされた容量値を有する複数の容量を備える、2組の参照容量群と、前記スイッチを切り換えることにより各共通信号線の電圧を変化させる前記2組の参照容量群を含み、サンプリング時に印加される差動アナログ入力信号の電圧を保持する容量型DACと、前記容量型DACの2つの共通信号線の電位を比較する比較器と、前記比較器の比較結果に基づいて、前記2つの共通信号線の電位が互いに近づくように前記容量型DACのスイッチを順次切り替える逐次変換制御回路と、前記比較器のオフセットを小さくするように段階的に補正するオフセット補正回路と、前記2つの共通信号線の電圧変化の誤差を小さくするように段階的に補正するDAC補正回路と、を備えるA/D変換装置の補正方法であって、
    前記比較器のオフセットを補正した時の残留オフセットおよび前記容量型DACの誤差を補正した時の残留誤差が互いに相殺するか判定し、
    相殺する場合には、前記オフセットを補正した時のオフセット補正データおよび前記容量型DACの誤差を補正した時のDAC補正データを維持し、
    相殺しない場合には、前記オフセット補正データまたは前記DAC補正データを、補正の1段階前の状態に戻す、ことを特徴とするA/D変換装置の補正方法。
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