種々の図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
多くの実施形態は、上記に記載され、かつより詳細に以下に記載される。本発明の実施形態は、1つまたは複数の記載される態様を含む。
略語および用語
用語および方法の以下の説明は、本開示をより十分に記載し、かつ本開示の実施において当業者を誘導するために提供される。本明細書に使用されるように、「含む(including)」は、「含む(comprising)」を意味する。さらに、単数形「1つの(a)」または「1つの(an)」または「その(the)」は、文脈が明らかに指定しない限り、複数の言及を含む。たとえば、「タンパク質を含む」についての言及は、1つまたは複数の上記のタンパク質を含み、「細胞を含む」についての言及は、1つまたは複数の細胞および当業者に知られている等価物についての言及を含む等とする。用語「約」は、いかなるの測定においても起こる実験誤差の範囲を包含する。特に述べられていない限り、測定数はすべて、「約」という語が明確に使用されていなくとも、それらの前に「約」という語を有するとみなされる。
保存的置換:置換がポリペプチドの活性に対して影響をほとんどまたは全く及ぼさない、ポリペプチドにおける、あるアミノ酸の他のアミノ酸への置換。置換は、交換されたアミノ酸が構造上または機能的に類似するように思われるかどうかとは無関係に保存的であると考えられる。たとえば、理想的には、1つまたは複数の保存的置換を含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼポリペプチドは、トリプトファンアミノトランスフェラーゼ活性を保持する。ポリペプチドは、たとえば、部位特異的突然変異誘発またはPCRまたは当業者に知られている他の方法等の標準の手順を使用して、そのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を操作することによって、1つまたは複数の保存的置換を含有するように生成することができる。
タンパク質における本来のアミノ酸の代わりに置換されてもよい、かつポリペプチドの活性に対してほとんどまたは全く影響を及ぼさない場合に保存的置換とみなされてもよいアミノ酸の非限定的な例は、serまたはthrで置換されたala;gln、his、またはlysで置換されたarg;glu、gln、lys、his、aspで置換されたasn;asn、glu、またはglnで置換されたasp;serまたはalaで置換されたcys;asn、glu、lys、his、asp、またはargで置換されたgln;asn、gln lys、またはaspで置換されたglu;proで置換されたgly;asn、lys、gln、arg、tyrで置換されたhis;leu、met、val、pheで置換されたile;ile、met、val、pheで置換されたleu;asn、glu、gln、his、argで置換されたlys;ile、leu、val、pheで置換されたmet;trp、tyr、met、ile、またはleuで置換されたphe;thr、alaで置換されたser;serまたはalaで置換されたthr;phe、tyrで置換されたtrp;his、phe、またはtrpで置換されたtyr;およびmet、ile、leuで置換されたval。
保存的置換についてのさらなる情報は、文献の中でも、Ben−Bassatら,(J.Bacteriol.169:751−7,1987)、O’Reganら,(Gene 77:237−51,1989)、Sahin−Tothら,(Protein Sci.3:240−7,1994)、Hochuliら,(Bio/Technology 6:1321−5,1988)、国際公開第00/67796号(Curdら)にならびに遺伝学および分子生物学の標準の教科書に見つけることができる。
由来する:明細書および請求項において、物質は、任意の1つまたは複数の以下のものが真である場合、生物または源に「由来する」:1)物質が、生物/源の中に存在する;2)物質が、天然の宿主から取り出される;または3)物質が、天然の宿主から取り出され、たとえば突然変異誘発によって進化する。
単離された:本明細書に使用される用語「単離された」は、その天然の宿主から取り出された任意の物質を指し、物質は、精製される必要がない。たとえば、「単離核酸」は、それが由来する生物の自然発生のゲノムの中で直接隣接する配列の両方(5’端の配列および3’端の配列)に直接隣接していない自然発生の核酸を指す。たとえば、単離核酸は、自然発生ゲノムにおける組換えDNA分子の直接側面に位置して見つかる核酸配列の一方が除去されるまたはないという条件で、限定されないが、任意の長さの組換えDNA分子とすることができる。したがって、単離核酸は、限定されないが、他の配列とは無関係に分離した分子(cDNAまたはPCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって生成されたゲノムDNA断片等)として存在する組換えDNAおよびベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルス等)の中にまたは原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAの中に組み込まれた組換えDNAを含む。さらに、単離核酸は、ハイブリッド核酸配列または融合核酸配列の一部である組換えDNA分子を含むことができる。
本明細書に使用されるように、用語「単離された」は、物質(本発明によるタンパク質または核酸等)が、その本来の環境(物質が自然発生の場合、自然環境等)から取り出されることを意味する。たとえば、生きている動物の中に存在する自然発生のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、自然系に共存する物質のうちのいくつかまたはすべてから分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されている。上記のポリヌクレオチドは、ベクターの一部とすることができるかもしれないおよび/または上記のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部とすることができるかもしれない、また、上記のベクターまたは組成物がその自然環境の一部ではないという点でなお単離されているとすることができるかもしれない。
核酸に関して本明細書に使用される用語「単離された」はまた、非自然発生核酸配列が、自然界に見つからず、自然発生のゲノムの中に直接隣接する配列を有していないので、任意の非自然発生核酸も含む。たとえば、操作された核酸等の非自然発生核酸は、単離核酸であると考えられる。操作された核酸は、一般の分子クローニングまたは化学的核酸合成技術を使用して作製することができる。単離非自然発生核酸は、他の配列とは無関係とすることができ、ベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルス等)、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAの中に組み込むことができる。さらに、非自然発生核酸は、ハイブリッド核酸配列または融合核酸配列の一部である核酸分子を含むことができる。
精製された:本明細書に使用される用語「精製された」は、絶対的な純度を必要としないが、相対的な用語としてむしろ意図される。したがって、たとえば、精製されたポリペプチドまたは核酸の調製物は、対象のポリペプチドもしくは核酸が、ポリペプチドもしくは核酸が生物内でその自然環境にあるよりも高い濃度でまたは取り出された環境よりも高い濃度であるものとすることができる。
ライブラリーから得られた個々の核酸は、電気泳動的な均一性に慣習的に精製された。これらのクローンから得られた配列は、ライブラリーまたは全ヒトDNAから直接得ることができなかった。本発明による精製核酸は、生物におけるゲノムDNAの残りから少なくとも104〜106倍まで精製された。一部の実施形態では、用語「精製された」は、ゲノムDNAの残りまたはライブラリーもしくは他の環境における他の配列から、一部の実施形態では、2もしくは3桁または4もしくは5桁等の少なくとも1桁まで精製された核酸を含む。
アミノ酸:本明細書に使用される「アミノ酸」または「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質配列、またはこれらのうちのいずれかの断片、部分、もしくはサブユニットおよび自然発生分子または合成分子を指す。「アミノ酸」または「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質配列、またはこれらのうちのいずれかの断片、部分、もしくはサブユニットおよび自然発生分子または合成分子を含む。本明細書に使用される用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合、つまりペプチドアイソスターによって互いにつながれたアミノ酸を指し、20種の遺伝子コードアミノ酸以外の修飾アミノ酸を含有していてもよい。ポリペプチドは、翻訳後プロセシング等の自然のプロセスによってまたは当技術分野で知られている化学的修飾技術によって修飾されてもよい。修飾は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドにおけるいかなる場所でも起こり得る。同じ種類の修飾が所与のポリペプチドにおける数種の部位に同じまたは様々な程度で存在してもよいことが十分に理解されるであろう。さらに、所与のポリペプチドは、多くの種類の修飾を有していてもよい。修飾は、アセチル化、アセチル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化、グルカン加水分解酵素プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、およびアルギニン化等の、転移RNA媒介性の、タンパク質へのアミノ酸の付加を含む(Creighton,T.E.,Proteins−Structure and Molecular Properties 2nd Ed.,W.H.Freeman and Company,New York(1993);Posttranslational Covalent Modification of Proteins,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,pp.1−12(1983)を参照されたい)。本発明によるペプチドおよびポリペプチドは、さらに、下記にさらに詳細に記載されるように、すべての「模倣体」および「ペプチド模倣体」の形態を含む。
アルドラーゼ活性を有するポリペプチド:「アルドラーゼ活性を有するポリペプチド」によって、それ自体で、または1つまたは複数の付加的なポリペプチド(同じもしくは異なる配列を有する)と関連してアルドラーゼの酵素活性を有するタンパク質であるポリペプチドが意味される。
組換え:「組換え」ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えDNA技術によって生成された、つまり、所望のポリペプチドまたはタンパク質をコードする外来性DNA構築物によって形質転換された細胞から生成されたポリペプチドまたはタンパク質を指す。「合成」ポリペプチドまたはタンパク質は、化学的合成によって調製されたものである。固相化学的ペプチド合成法もまた、本発明によるポリペプチドまたは断片を合成するために使用することができる。上記の方法は、1960年代の初めから当技術分野で知られており(Merrifield,R.B.,J.Am.Chem.Soc.,85:2149−2154,1963)(Stewart,J.M.およびYoung,J.D.,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd Ed.,Pierce Chemical Co.,Rockford,Ill.,pp.11−12もまた参照されたい))、市販で入手可能な実験ペプチド設計および合成キットで最近用いられている(Cambridge Research Biochemicals社)。上記の市販の実験キットは、H.M.Geysenら,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,81:3998(1984)の教示を一般に利用しており、すべてが単一の平板に接続された多くの「ロッド」または「ピン」の先端上でペプチドを合成するために提供される。
本質的に同一である:2つの核酸またはポリペプチドの文脈における句「本質的に同一である」は、知られている配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用してまたは目視検査によって測定されるように、比較し、最大に一致するように整列させた場合、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上等のヌクレオチドまたはアミノ酸残基(配列)同一性を有する2つ以上の配列を指す。他の実施形態では、実質的な同一性は、少なくとも約100個以上の残基の領域にわたって存在し、最も一般に、配列は、少なくとも約150〜200個以上の残基にわたって実質的に同一である。一部の実施形態では、配列は、コード領域の全長にわたって実質的に同一である。
さらに、「実質的に同一である」アミノ酸配列は、1つまたは複数の保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失、または挿入によって、参照配列と異なる配列である。一部の実施形態では、置換は、分子の活性部位ではない部位で起こるまたはその代わりに置換は、ポリペプチドがその機能的(酵素)特性を本質的に保持するという条件で、分子の活性部位である部位で起こる。保存的アミノ酸置換は、たとえば、同じクラスの他のアミノ酸の代わりにあるアミノ酸で置換する(他の疎水性アミノ酸の代わりにイソロイシン、バリン、ロイシン、もしくはメチオニン等のある疎水性アミノ酸で置換するまたは他の極性アミノ酸の代わりにある極性アミノ酸で置換する等、リシンの代わりにアルギニン、アスパラギン酸の代わりにグルタミン酸、もしくはアスパラギンの代わりにグルタミンで置換する等)。1つまたは複数のアミノ酸は、たとえば、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のアルドラーゼから欠失させ、その生物活性を著しく変えずに、ポリペプチドの構造の修飾をもたらすことができる。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの生物活性に必要ではないアミノ末端またはカルボキシル末端のアミノ酸は除去することができる。本発明による修飾ポリペプチド配列は、任意の数の方法によって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの生物活性についてアッセイすることができ、修飾ポリペプチド配列を基質と接触させること、ならびに修飾ポリペプチドがアッセイにおいて特定の基質の量を減少させるまたは基質とのHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の機能的アルドラーゼの酵素反応の生体生成物を増加させるかどうかを決定することを含む。
断片:タンパク質またはポリペプチドまたは核酸に関して本明細書に使用される「断片」は、それぞれタンパク質、ポリペプチド、または核酸の一部分である。断片は、断片が由来するより長いタンパク質、ポリペプチド、または核酸配列と同じまたは実質的に同じアミノ酸配列または核酸配列を有することができる。より長いタンパク質、ポリペプチド、または核酸比較して異なる3次元構造を有する断片も含まれる。この例は、著しくより高い活性を有する成熟酵素を生成するために開裂によって修飾することができる低活性プロタンパク質等の「プロ形態」分子である。タンパク質またはポリペプチドの断片は、タンパク質またはポリペプチドの酵素的に活性な部分とすることができる。
立体反転アミノトランスフェラーゼ:「立体反転アミノトランスフェラーゼ」は、アミノ供与体として反対のキラル基質を使用しながらキラルアミノ酸生成物(モナチン等)を優先的にまたは選択的に生成することができるポリペプチドである。たとえば、立体反転アミノトランスフェラーゼは、R,Rモナチンを生成するために基質として優先的にまたは選択的にL−グルタミン酸を使用するD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(D−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼとも呼ばれる)であってもよい。立体反転アミノトランスフェラーゼの非限定的な例は、D−メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.41)およびD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性またはD−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素を含む。
本発明は、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸活性を含むアルドラーゼを有するポリペプチド、それらをコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを作製するおよび使用する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、さらに、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ酵素、これらの酵素をコードするポリヌクレオチド、上記のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、それぞれ無修飾または未進化アルドラーゼと比較して特異的活性の増加を有するピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ等の修飾アルドラーゼまたは進化したアルドラーゼを提供する。
一部の実施形態では、3,4−置換2−ケト−グルタル酸の生成を促進する、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼが、提供される。一実施形態では、本発明は、3,4−置換2−ケト−グルタル酸を作製する方法であって、(a)限定されないが、HMGアルドラーゼおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸アルドラーゼ活性等のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)供与体化合物および受容体化合物を提供すること;および(c)アルドラーゼが、3,4−置換2−ケト−グルタル酸の合成を触媒する条件下で工程(b)の化合物と工程(a)のポリペプチドを接触させることを含み、所望により、供与体および受容体は、ピルビン酸またはピルビン酸供与体ならびにα−ケト酸受容体、ケトン、および/またはアルデヒドである方法を提供する。
本発明の他の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼは、4−置換D−グルタミン酸またはその誘導体を作製するためにD−アミノトランスフェラーゼと共に使用することができる。4−置換D−グルタミン酸および/またはその誘導体は、これらの化合物が細菌のグルタミン酸ラセマーゼを阻害することが発見されたように、抗生物質として使用することができる。一実施形態では、本発明は、4−置換D−グルタミン酸を作製する方法であって、(a)限定されないが、HMGアルドラーゼおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸アルドラーゼ活性等のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)α−ケト酸受容体およびピルビン酸またはピルビン酸供与体を提供すること、および(c)アルドラーゼが、4−置換D−グルタミン酸の合成を触媒する条件下で工程(b)の化合物と工程(a)のポリペプチドを接触させることを含み、所望により、ポリペプチドは、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ活性を有し、所望により、方法は、D−アミノトランスフェラーゼの使用をさらに含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明による酵素、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドを含む組成物(酵素調製物、食料および食料添加剤、飼料および飼料添加剤、飲料および飲料添加剤、薬剤および薬剤添加剤、ならびに食餌補給剤等)を提供する。これらの組成物は、液剤、ゲル、丸剤、錠剤、噴霧剤、フィルム、ミセル、粉剤、食料、飼料ペレット、またはナノカプセル化形態を含むカプセル化形態として等の様々な形態で製剤することができる。
ポリペプチドが、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するかどうかを決定するため等の、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を測定するためのアッセイは当技術分野で知られており、本発明による範囲内にある。E.E.Dekker&R.P.Kitson,J.Biol.Chem.267,10507−10514,1992;Taha TS,Deits TL,Purification and characterization of 2−keto−3−deoxy−6−phosphogluconate aldolase from Azotobacter vinelandii:evidence that the enzyme is bifunctional towards 2−keto−4−hydroxy glutarate cleavage,Biochem Biophys Res Commun.1994 Apr 15;200(1):459−66;Dekker EE,Kobes RD,Grady SR,2−keto−4−hydroxyglutarate aldolase from bovine liver,Methods Enzymol.1975;42:280−5;Dekker EE,Nishihara H,Grady SR,Methods Enzymol.1975;42:285−90,2−keto−4−hydroxyglutarate aldolase from Escherichia coli;Nishihara H,Dekker EE,Biochim Biophys Acta.1969 Jul 8;185(1);255−7,A stereospecific 2−keto−4−hydroxyglutarate aldolase from Escherichia coliを参照されたい。ポリペプチドがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ活性等のアルドラーゼ活性を有するかどうかを決定するのに適したアッセイの1つの例は、実施例3に記載される。
一部の実施形態では、本発明のアルドラーゼは、たとえば約3.0〜約12.0の範囲を含む様々なpH条件で有効に使用することができる。他の実施形態では、本発明のアルドラーゼは、約pH3.0、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、または約12.0で使用することができる。酸性またはアルカリ性条件下で進められる反応条件もまた、本発明による酵素のいくつかの産業のまたは製薬の適用において等で有利となり得る。
本発明は、様々な形態および製剤の本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを提供する。本発明による方法では、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、様々な形態および製剤で使用される。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の精製アルドラーゼは、R−2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−MP)、ならびにR,RおよびS,Rモナチン等のモナチンのある種の立体異性体ならびにその塩、ならびにR,RおよびS,Rモナチン誘導体立体配置体等のモナチン誘導体のある種の立体異性体ならびにその塩の生成において採用される酵素調製物中にまたは製薬もしくは食餌補助の適用において使用することができる。その代わりに、本発明による酵素は、R−2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−MP)、ならびにR,RおよびS,Rモナチン等のモナチンのある種の立体異性体ならびにその塩、ならびにR,RおよびS,Rモナチン誘導体立体配置体等のモナチン誘導体のある種の立体異性体ならびにその塩を生成するためにプロセスにおいて直接使用し、食料、液剤、飼料等を加工することができる。
一部の実施形態では、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、当技術分野で知られている手順を使用して微生物中で発現させることができる。一部の実施形態では、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、本発明による方法での使用の前に固体担体上に固定化することができる。固体担体上に酵素を固定化するための方法は、当技術分野、たとえば、J.Mol.Cat.B:Enzymatic 6(1999)29−39;Chivataら Biocatalysis:Immobilized cells and enzymes,J Mol.Cat.37(1986)1−24:Sharmaら,Immobilized Biomaterials Techniques and Applications,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.21(1982)837−54:Laskin(編),Enzymes and Immobilized Cells in Biotechnologyで一般に知られている。
核酸、プローブ、および阻害性分子
本発明は、配列表等の単離組換え核酸、ポリペプチドをコードする核酸を提供し、配列表等の、本発明によるポリヌクレオチド配列を含み、本発明による核酸を含む発現ベクターおよび種々のクローニング媒介物等の発現カセットを含む。一部の実施形態では、本発明は、さらに、本発明による核酸を使用して、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼポリペプチド配列等の新しいアルドラーゼを発見、同定または単離するための方法を含む。一部の実施形態では、本発明は、さらに、本発明による核酸を使用して、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼのコード遺伝子の発現および転写物を阻害するための方法を含む。
さらに、本発明による核酸を修飾するための方法であって、合成的ライゲーション再構築、最適化された進化分子工学系、および/または遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)等の飽和突然変異誘発等によって本発明による核酸の変異体を作製することを含む方法を提供する。語「飽和突然変異誘発」、遺伝子部位飽和突然変異誘発、または「GSSM」は、下記に詳細に記載されるように、ポリヌクレオチドの中に点突然変異を導入するために縮重オリゴヌクレオチドプライマーを使用する方法を含む。用語「最適化された進化分子工学系」または「最適化された進化分子工学」は、関連する遺伝子等の関連する核酸配列の断片を再構築する方法を含み、下記に詳細に説明される。用語「合成的ライゲーション再構築」または「SLR」は、非確率的にオリゴヌクレオチド断片をライゲーションする方法を含み、下記に詳細に説明される。用語「変異体」は、1つまたは複数の塩基対、コドン、イントロン、エキソン、またはアミノ酸残基(それぞれ)で修飾された本発明によるポリヌクレオチドまたはポリペプチドを指すが、なお、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ等のアルドラーゼの生物活性を保持する。変異体は、たとえば、エラープローンPCR、シャフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、有性PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、回帰的集合突然変異誘発、指数関数的集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再構築、GSSM、およびその任意の組合せ等の方法を含む任意の数の手段によって生成することができる。
本発明による核酸は、cDNAライブラリーのクローニングおよび発現、PCRによるメッセージまたはゲノムDNAの増幅等のようなものによって作製、単離および/または操作することができる。たとえば、本発明による配列は、最初に環境源に由来するものである。したがって、一部の実施形態では、本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素コード核酸等のピルビン酸アルドラーゼコード核酸等のアルドラーゼコード核酸ならびに環境源、混合培養源、または細菌源等の一般の源に好ましくは由来する、それらによってコードされたポリペプチドを提供する。
本発明による方法の実施において、相同遺伝子は、本明細書に記載されるように、鋳型核酸を操作することによって修飾することができる。一部の実施形態では、本発明は、科学文献および特許文献において十分に記載されている、当技術分野で知られている任意の方法またはプロトコールまたはデバイスと共に実施することができる。
本明細書に使用される句「核酸」または「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはこれらのうちのいずれかの断片を、一本鎖もしくは二本鎖であってもよく、センスもしくはアンチセンス(相補)鎖を表していてもよいゲノム起源もしくは合成起源のDNAもしくはRNAを、ペプチド核酸(PNA)を、または起源が自然もしくは合成の任意のDNA様もしくはRNA様物質を指す。句「核酸」または「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはこれらのうちのいずれかの断片を、一本鎖もしくは二本鎖であってもよく、センスもしくはアンチセンス鎖を表していてもよいゲノム起源もしくは合成起源のDNAもしくはRNA(mRNA、rRNA、tRNA、iRNA等)を、ペプチド核酸(PNA)を、またはiRNA、リボ核タンパク質(二本鎖iRNA等、iRNP等)等を含む、起源が自然もしくは合成の任意のDNA様もしくはRNA様物質を含む。用語は、自然のヌクレオチドの知られている類似体を含有する核酸、つまりオリゴヌクレオチドを包含する。用語は、さらに、合成主鎖を有する核酸様構造を包含する、Mata(1997)Toxicol.Appl.Pharmacol.144:189−197;Strauss−Soukup(1997)Biochemistry 36:8692−8698;Samstag(1996)Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153−156等を参照されたい。「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成されてもよい一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2本の相補ポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかを含む。上記の合成オリゴヌクレオチドは5’リン酸を有さず、したがって、キナーゼの存在下でATPと共にリン酸を付加しない場合、他のオリゴヌクレオチドに対してライゲーションしないであろう。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていない断片に対してライゲーションすることができる。
特定のポリペプチドまたはタンパク質「のコード配列」または「をコードするヌクレオチド配列」は、適切な制御配列のコントロール下に置かれた場合、ポリペプチドまたはタンパク質に転写または翻訳することができる核酸配列である。用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の生成に関連するDNAのセグメントを意味し、用語は、コード領域に先行するおよびそれの次に続く領域(リーダーおよびトレーラー)ならびに適用可能な場合、個々のコードセグメント(エキソン)間の介在配列(イントロン)を含む。プロモーター配列は、プロモーターで転写を開始するRNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写する場合、コード配列「に作動可能に連結される」。本明細書に使用される「作動可能に連結された」は、2つ以上の核酸(DNA等)セグメントの機能的関係を指す。それは、転写配列に対する転写制御配列の機能的関係を指すことができる。たとえば、プロモーターは、プロモーターが、適切な宿主細胞または他の発現系においてコード配列の転写を刺激または調節する場合、本発明による核酸等のコード配列に作動可能に連結される。一般に、転写配列に作動可能に連結されたプロモーター転写制御配列は、転写配列に物理的に隣接する、つまり、それらはシス作用性である。しかしながら、エンハンサー等のいくつかの転写制御配列は、物理的に隣接する必要がないまたはそれらが転写を増強するコード配列の近傍に位置する必要はない。
本明細書に使用される用語「発現カセット」は、上記の配列と適合性の宿主における、構造遺伝子(つまり、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼ等のタンパク質コード配列)の発現に影響し得るヌクレオチド配列を指す。発現カセットは、ポリペプチドコード配列および所望により、転写終結シグナル等の他の配列と作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含む。エンハンサー、アルファ−因子等の、発現をもたらすのに必要なまたは役立つ付加的な因子もまた使用されてもよい。したがって、発現カセットは、さらに、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、組換え「裸のDNA」ベクターの任意の形態等を含む。「ベクター」は、細胞に感染する、形質移入する、または一過性にもしくは永久に形質導入することができる核酸を含む。ベクターは、裸の核酸またはタンパク質もしくは脂質と複合体を形成する核酸とすることができることが認識されるであろう。ベクターは、所望により、ウイルスまたは細菌の核酸および/またはタンパク質および/または膜(細胞膜、ウイルスの脂質エンベロープ等のようなもの)を含む。ベクターは、これに限定されないが、DNAの断片が結合されてもよいレプリコン(RNAレプリコン、バクテリオファージ等)を含み、複製されるようになる。したがって、ベクターは、これに限定されないが、RNA、自己複製環状または線状RNAまたはDNA(プラスミド、ウイルス等のようなもの、米国特許第5217879号を参照されたい)を含み、発現および非発現プラスミドの両方を含む。組換え微生物または細胞培養物が「発現ベクター」の宿主となるとして記載される場合、これは、染色体外の環状および線状DNAならびに宿主染色体(複数可)の中に組み込まれたDNAの両方を含む。ベクターが宿主細胞によって維持される場合、ベクターは、自律的構造物として有糸分裂の間に細胞によって安定して複製されてもよいまたは宿主のゲノム内に組み込まれてもよい。
本明細書に使用されるように、用語「組換え体」は、その自然環境において近接していない「主鎖」核酸に近接する核酸を包含する。一部の実施形態では、「豊富な」核酸となることは、核酸主鎖分子の集団における約5%以上の数の核酸挿入断片を表すこととなる。本発明による主鎖分子は、発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、統合核酸、および興味のある核酸挿入断片を維持または操作するために使用される他のベクターまたは核酸等の核酸を含む。一部の実施形態では、豊富な核酸は、組換え主鎖分子の集団における約15%以上の数の核酸挿入断片を表す。一部の実施形態では、豊富な核酸は、組換え主鎖分子の集団における約50%以上の数の核酸挿入断片を表す。一部の実施形態では、豊富な核酸は、組換え主鎖分子の集団における約90%以上の数の核酸挿入断片を表す。
本発明の一実施形態は、本発明による配列のうちの1つを含む、単離、合成、もしくは組換え核酸または本発明による核酸の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、500個、もしくはそれ以上の連続塩基を含む断片である。単離、合成、または組換え核酸は、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAを含むDNAを含んでいてもよい。DNAは、二本鎖または一本鎖であってもよく、一本鎖である場合、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であってもよい。あるいは、単離、合成、または組換え核酸は、RNAを含む。
本発明による単離、合成、または組換え核酸は、本発明によるポリペプチドのうちの1つまたは本発明によるポリペプチドのうちの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上の連続アミノ酸を含む断片を調製するために使用されてもよい。したがって、本発明の他の実施形態は、本発明によるポリペプチドのうちの1つをコードする単離、合成、もしくは組換え核酸であるまたは本発明によるポリペプチドのうちの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上の連続アミノ酸を含む断片である。これらの核酸のコード配列は、本発明による核酸のうちの1つのコード配列のうちの1つと同一であってもよいまたは遺伝コードの縮退もしくは縮重の結果として、本発明によるポリペプチドのうちの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上の連続アミノ酸を有する、本発明によるポリペプチドのうちの1つをコードする異なるコード配列であってもよい。遺伝コードは、当業者によく知られており、B.Lewin,Genes VI,Oxford University Press,1997の214頁等で得ることができる。
本発明のポリペプチドのうちの1つおよびそれに実質的に同一の配列をコードする単離核酸は、これらに限定されないが、本発明による核酸のコード配列ならびにリーダー配列またはプロタンパク質配列等の付加的なコード配列ならびにイントロンまたはコード配列の非コード配列5’および/もしくは3’等の非コード配列を含んでいてもよい。したがって、本明細書に使用されるように、用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、ポリペプチドに対するコード配列を含むポリヌクレオチドならびに付加的なコード配列および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
あるいは、本発明の核酸配列およびそれに実質的に同一の配列は、本発明によるポリヌクレオチドの中にサイレント変化を導入するために、部位特異的突然変異誘発または当業者によく知られている他の技術等の従来の技術を使用して突然変異誘発されてもよい。本明細書に使用されるように、「サイレント変化」は、たとえば、ポリヌクレオチドによってコードされたアミノ酸配列を変えない変化を含む。上記の変化は、宿主生物中で頻繁に起こるコドンまたはコドン対を導入することによって、ポリペプチドをコードするベクターを含有する宿主細胞によって生成されるポリペプチドのレベルを増加させるのに望ましい可能性がある。
本発明は、さらに、本発明によるポリペプチドにおけるアミノ酸の置換、付加、欠失、融合、および切り詰めをもたらすヌクレオチド変化を有するポリヌクレオチドに関する。上記のヌクレオチド変化は、部位特異的突然変異誘発、ランダム化学的突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIII欠失、および他の組換えDNA技術等の技術を使用して導入されてもよい。あるいは、上記のヌクレオチド変化は、本明細書に提供される高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または低ストリンジェンシーの条件下で、本発明による配列のうちの1つの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続塩基を含むプローブ(またはそれに相補的な配列)に対して特異的にハイブリダイズする核酸を同定することによって単離される自然発生の対立遺伝子変異体であってもよい。
一般的な技術
本発明を実施するために使用される核酸は、RNA、siRNA、miRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルス、またはそのハイブリッドのいずれにせよ、様々な源から単離されても、遺伝的に操作されても、増幅しても、および/または組換えで発現/産生してもよい。これらの核酸から産生された組換えポリペプチド(HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ等)は、別々に単離またはクローニングするまたは所望の活性について試験することができる。細菌、哺乳動物、酵母、昆虫、または植物の細胞の発現系を含む任意の組換え発現系を使用することができる。
あるいは、これらの核酸は、Adams(1983)J.Am.Chem.Soc.105:661;Belousov(1997)Nucleic Acids Res.25:3440−3444;Frenkel(1995)Free Radio.Biol.Med.19:373−380;Blommers(1994)Biochemistry 33:7886−7896;Narang(1979)Meth.Enzymol.68:90;Brown(1979)Meth.Enzymol.68:109;Beaucage(1981)Tetra.Lett.22:1859;米国特許第4458066号等に記載されるように、よく知られている化学的合成技術によってin vitroで合成することができる。
サブクローニング、標識プローブ(Klenowポリメラーゼを使用するランダムプライマー標識、ニックトランスレーション、増幅等)、配列決定、ハイブリダイゼーション等のような、核酸の操作のための技術は、科学文献および特許文献に十分に記載される。Sambrook編,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL(2ND ED.),Vols.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory,(1989);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,Ausubel編 John Wiley&Sons,Inc.,New York(1997);LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY;HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES,Part I.Theory and Nucleic Acid Preparation,Tijssen編 Elsevier,N.Y.(1993)を参照されたい。
本発明による方法を実施するために使用される核酸を得るおよび操作する他の有用な手段は、ゲノムの試料からクローニングし、所望の場合、ゲノムクローンまたはcDNAクローン等から単離されたまたは増幅された挿入断片をスクリーニングし、再クローニングすることである。本発明による方法で使用される核酸の源は、哺乳動物人工染色体(MACS)、米国特許第5721118号;第6025155号を参照されたい;ヒト人工染色体、Rosenfeld(1997)Nat.Genet.15:333−335を参照されたい;酵母人工染色体(YAC);細菌人工染色体(BAC);P1人工染色体、Woon(1998)Genomics 50:306−316を参照されたい;P1由来ベクター(PAC)、Kern(1997)Biotechniques 23:120−124を参照されたい;コスミド、組換えウイルス、ファージ、またはプラスミド等に含有されるゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーを含む。
一部の実施形態では、本発明によるポリペプチドをコードする核酸は、翻訳ポリペプチドまたはその断片の分泌を指示することができるリーダー配列と共に、適切な期において構築される。
本発明は、融合タンパク質およびそれらをコードする核酸を提供する。本発明によるポリペプチドは、増加した安定性または単純化された精製等の所望の特徴を与えるN末端識別ペプチド等の異種のペプチドまたはポリペプチドに融合することができる。本発明によるペプチドおよびポリペプチドは、さらに、より免疫原性のペプチドを生成するため、組換えで合成されたペプチドをより容易に単離するため、抗体および抗体発現B細胞を同定し、単離するため等のようなことのために、それに連結した1つまたは複数の付加的なドメインを有する融合タンパク質として合成し、発現させることができる。検出ならびに精製促進ドメインは、固定化金属上で精製を可能にする、ポリヒスチジントラクトおよびヒスチジン−トリプトファンモジュール等の金属キレートペプチド、固定化免疫グロブリン上で精製を可能にするプロテインAドメイン、ならびにFLAGS伸長/アフィニティー精製システム(Immunex社、シアトル WA)で利用されるドメイン等を含む。切断可能なリンカーを含むことにより、精製ドメインおよびモチーフを含むペプチドまたはポリペプチドの間にXa因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen社、カールスバード、CA)等を配列し、精製を促進する。たとえば、発現ベクターは、チオレドキシンおよびエンテロキナーゼ切断部位が後に続く6個のヒスチジン残基に連結されたエピトープをコードする核酸配列を含むことができる(Williams(1995)Biochemistry 34:1787−1797;Dobeli(1998)Protein Expr.Purif.12:404−414等を参照されたい)。ヒスチジン残基は、検出および精製を促進し、エンテロキナーゼ切断部位は、融合タンパク質の残りからエピトープを精製するための手段を提供する。融合タンパク質をコードするベクターおよび融合タンパク質の適用に関する技術は、科学文献および特許文献に十分に記載される。Kroll(1993)DNA Cell.Biol.,12:441−53等を参照されたい。
転写および翻訳コントロール配列
本発明は、RNA合成/発現を誘導または調節するために、プロモーターまたはエンハンサー等の発現(転写または翻訳等)コントロール配列(複数可)に適切に作動するように連結された本発明による核酸(DNA等)配列を提供する。発現コントロール配列は、発現ベクター中とすることができる。例示的な細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PL、およびtrpを含む。例示的な真核生物プロモーターは、CMV即時早期、HSVチミジンキナーゼ、早期および晩期SV40、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIを含む。
本明細書に使用されるように、用語「プロモーター」は、植物細胞または動物細胞等の細胞の中でコード配列の転写を駆動することができるすべての配列を含む。したがって、本発明による構築物中で使用されるプロモーターは、シス作用性転写コントロール要素および遺伝子の転写のタイミングおよび/もしくは速度の制御もしくは調節に関連する制御配列を含む。たとえば、プロモーターは、転写制御に関連するエンハンサー、プロモーター、転写ターミネーター、複製開始点、染色体統合配列、5’および3’非翻訳領域、またはイントロン配列を含むシス作用性転写コントロール要素とすることができる。これらのシス作用性配列は、転写を行う(オン/オフにする、制御する、調節する等)ためにタンパク質または他の生体分子と相互作用することができる。「構成的」プロモーターは、たいていの環境条件および発達または細胞分化の状態下で発現を継続的に駆動するものである。「誘発性」または「制御可能」プロモーターは、環境条件または発達条件の影響下で本発明による核酸の発現を指示する。誘発性プロモーターによる転写に影響する可能性のある環境条件の例は、嫌気条件、上昇した温度、乾燥、または光の存在を含む。
「組織特異的」プロモーターは、植物または動物等における特定の細胞または組織または器官においてのみ活性な転写コントロール要素である。組織特異的制御は、所与の組織に特異的なタンパク質をコードする遺伝子が発現することを確実にするある種の内在性因子によって達成されてもよい。上記の因子は、特定の組織が発達することを可能にするように哺乳動物および植物中に存在することが知られている。
細菌においてポリペプチドを発現させるのに適したプロモーターは、イー・コリlacまたはtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRプロモーター、ラムダPLプロモーター、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)等の解糖系酵素をコードするオペロンからのプロモーター、および酸性フォスファターゼプロモーターを含む。真核生物のプロモーターは、CMV即時早期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、早期および晩期SV40プロモーター、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIプロモーターを含む。原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスにおける遺伝子の発現をコントロールすることで知られている他のプロモーターもまた使用されてもよい。細菌におけるポリペプチドまたはその断片を発現させるのに適したプロモーターは、イー・コリlacまたはtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRプロモーター、ラムダPLプロモーター、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)等の解糖系酵素をコードするオペロンからのプロモーター、および酸性フォスファターゼプロモーターを含む。菌類のプロモーターは、α−因子プロモーターを含む。真核生物のプロモーターは、CMV即時早期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、早期および晩期SV40プロモーター、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIプロモーターを含む。原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスにおける遺伝子の発現をコントロールすることで知られている他のプロモーターもまた使用されてもよい。
組織特異的植物プロモーター
本発明は、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを組織特異的に発現させることができる等の、組織特異的に発現することができる発現カセットを提供する。一部の実施形態では、本発明は、さらに、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを組織特異的に発現させる植物または種子を提供する。組織特異性は、種子特異的、茎特異的、葉特異的、根特異的、果実特異的等とすることができる。
用語「植物」は、全植物、植物の部分(葉、茎、花、根等のようなもの)、植物プロトプラスト、種子、および植物細胞、ならびに同じ植物の子孫を含む。本発明による方法に使用することができる植物のクラスは、被子植物(単子葉植物および双子葉植物)ならびに裸子植物を含む、形質転換技術に適用できる高等植物のクラスと同じくらい一般に広域である。それは、多倍数体、二倍体、半数体、および半接合体の状態を含む様々な多倍数性レベルの植物を含む。本明細書に使用されるように、用語「トランスジェニック植物」は、本発明による核酸および種々の組換え構築物(発現カセット等)等の異種核酸配列が挿入された植物または植物細胞を含む。
一部の実施形態では、CaMV 35Sプロモーター等の構成的プロモーターは、植物もしくは種子の特定の部分におけるまたは植物の全体にわたる発現に使用することができる。たとえば、過剰発現については、再生植物等の植物のいくつかのまたはすべての組織において核酸の発現を指示するであろう植物プロモーター断片を用いることができる。上記のプロモーターは、本明細書で「構成的」プロモーターと称され、たいていの環境条件および発達または細胞分化の状態下で活性である。構成的プロモーターの例は、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S転写開始領域、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのT−DNAに由来する1’−または2’−プロモーター、および当業者に知られている種々の植物遺伝子からの他の転写開始領域を含む。上記の遺伝子は、アラビドプシスからのACT11(Huang(1996)Plant Mol.Biot.33:125−139);アラビドプシスからのCat3(GenBank No.U43147,Zhong(1996)Mol.Gen.Genet.251:196−203);ブラシカ・ナプスからのステアロイル−アシル担体タンパク質デサチュラーゼをコードする遺伝子(Genbank No.X74782,Solocombe(1994)Plant Physiol.104:1167−1176);トウモロコシからのGPc1(GenBank No.X15596;Martinez(1989)J.Mol.Biol 208;551−565);トウモロコシからのGpc2(GenBank No.U45855,Manjunath(1997)Plant Mol.Biol.33:97−112);米国特許第4962028号;第5633440号に記載される植物プロモーター等を含む。
本発明は、トバモウイルスサブゲノムプロモーター(Kumagai(1995)Proc.Nad.Acad.Sci.USA 92:1679−1683;強力な師部特異的レポーター遺伝子発現を駆動するプロモーターを有する、感染イネ植物中の師部細胞でのみ複製するイネタングロバチルス状ウイルス(rice tungro bacilliform virus)(RTBV);維管束要素、葉肉細胞、および根端において最も高い活性を有するキャッサバ葉脈モザイクウイルス(CVMV)プロモーター(Verdaguer(1996)Plant Mol.Biol.31:1129−1139)等を含むことができる、ウイルスに由来する組織特異的プロモーターまたは構成的プロモーターを使用する。
一部の実施形態では、植物プロモーターは、特異的な組織、器官、または細胞型においてHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの発現核酸の発現を指示する(つまり組織特異的プロモーター)あるいはそうでなければより的確な環境コントロールもしくは発達コントロール下または誘発性プロモーターのコントロール下としてもよい。転写に影響する可能性のある環境条件の例は、嫌気条件、上昇した温度、光の存在、または化学物質/ホルモンでの噴霧を含む。たとえば、本発明は、トウモロコシの乾燥誘発性プロモーター(Busk(1997)前掲);ジャガイモからの低温、乾燥、および高塩濃度誘発性プロモーター(Kirch(1997)Plant Mol.Biol.33:897 909)を組み込む。
一部の実施形態では、組織特異的プロモーターは、その組織内で発達段階のある時間枠内でのみ転写を促す。アラビドプシスLEAFY遺伝子プロモーターを特徴づけるBlazquez(1998)Plant Cell 10:791−800を参照されたい。A.タリアナの花の分裂組織決定遺伝子Ap1のプロモーター領域中の保存配列モチーフを認識する転写因子SPL3を記載するCardon(1997)Plant J 12:367−77;および分裂組織プロモーターeIF4を記載するMandel(1995)Plant Molecular Biology,Vol.29,pp995−1004もまた参照されたい。特定の組織のライフサイクルの全体にわたって活性な組織特異的プロモーターを使用することができる。一部の実施形態では、本発明による核酸は、綿繊維細胞中でのみ主に活性なプロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、本発明による核酸は、Rinehart(1996)前掲により記載される等の、主に綿繊維細胞伸長の段階の間に活性なプロモーターに作動可能に連結される。核酸は、綿繊維細胞(Ibid)において優先的に発現するように、Fbl2A遺伝子プロモーターに作動可能に連結させることができる。John(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5769−5773;綿繊維特異的プロモーターおよびトランスジェニック綿植物の構築のための方法を記載するJohnら,米国特許第5608148号および第5602321号もまた参照されたい。根特異的プロモーターもまた、本発明による核酸を発現させるために使用されてもよい。根特異的プロモーターの例は、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子からのプロモーターを含む(DeLisle(1990)Int.Rev.Cytol.123:39−60)。本発明による核酸を発現させるために使用することができる他のプロモーターは、胚珠特異的、胚特異的、胚乳特異的、外皮特異的、種皮特異的プロモーター、もしくはそのいくつかの組合せ;葉特異的プロモーター(トウモロコシにおける葉特異的プロモーターを記載するBusk(1997)Plant J.11:1285 1295を参照されたい);アグロバクテリウム・リゾゲネスからのORF13プロモーター(根において高活性を呈する、Hansen(1997)前掲を参照されたい);トウモロコシ花粉特異的プロモーター(Guerrero(1990)Mol.Gen.Genet.224:161 168を参照されたい);果実熟成、老化、ならびに葉の離脱およびより程度は少ないが花の離脱の間に活性なトマトプロモーターを使用することができる(Blume(1997)Plant J.12:731 746を参照されたい);ジャガイモSK2遺伝子からの雌しべ特異的プロモーター(Ficker(1997)Plant Mol.Biol.35:425 431を参照されたい);トランスジェニックアルファルファの栄養茎頂および花茎頂の表皮組織において活性であり、活動的に成長する茎もしくは繊維の表皮層に対する外来遺伝子の発現を標的とするのに有用なツールとなるエンドウからのBlec4遺伝子、;胚珠特異的BEL1遺伝子(Reiser(1995)Cell 83:735−742を参照されたい,GenBank No.U39944);ならびに/または植物プロモーター領域が、分裂組織における高レベルの転写を付与するおよび/もしくは急速に細胞を分裂させることができることを記載するKlee,米国特許第5589583号におけるプロモーター等を含む。
一部の実施形態では、オーキシン等の植物ホルモンに対する曝露に際して誘発性である植物プロモーターは、本発明による核酸を発現させるために使用される。たとえば、本発明は、ダイズ(グリシン・マックスL.)におけるオーキシン応答要素E1プロモーター断片(AuxRE)(Liu(1997)Plant Physiol.115:397−407);オーキシン応答性アラビドプシスGST6プロモーター(サリチル酸および過酸化水素に対しても応答性である)(Chen(1996)Plant J.10:955−966);タバコからのオーキシン誘発性parCプロモーター(Sakai(1996)Plant Cell Physiol.37:906−913);植物ビオチン応答要素(Streit(1997)Mol.Plant Microbe Interact.10:933−937);ならびにストレスホルモンアブシジン酸に対して応答性のプロモーター(Sheen(1996)Science 274:1900−1902)を使用することができる。
本発明による核酸はまた、除草剤または抗生物質等の植物に適用することができる化学試薬に対する曝露に際して誘発性である植物プロモーターに作動可能に連結させることもできる。たとえば、ベンゼンスルホンアミド除草剤緩和剤によって活性化されたトウモロコシIn2−2プロモーターを使用することができ(De Veylder(1997)Plant Cell Physiol.38:568−577)、異なる除草剤緩和剤の適用は、根、排水組織、および茎頂分裂組織の発現を含む別個の遺伝子発現パターンを誘発する。コード配列は、アベナ・サティバL.(カラスムギ)アルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子を含有するトランスジェニックタバコと共に記載される等のテトラサイクリン誘発性プロモーター(Masgrau(1997)Plant J.11:465−473);またはサリチル酸応答性要素(Stange(1997)Plant J.11:1315−1324)等のコントロール下とすることができる。化学的(ホルモンまたは殺虫剤等)に誘発されたプロモーター、つまりその分野においてトランスジェニック植物に適用することができる化学物質に対して応答性のプロモーターを使用して、本発明によるポリペプチドの発現は、植物の発達の特定の段階で誘発することができる。したがって、本発明は、さらに、宿主範囲が、作物の発達の任意の段階で誘発性のトウモロコシ、イネ、オオムギ、ダイズ、トマト、コムギ、ジャガイモ、または他の作物等の標的植物種に限られる、本発明によるポリペプチドをコードする誘発性遺伝子を含有するトランスジェニック植物を提供する。
当業者は、組織特異的植物プロモーターが、標的組織以外の組織において、作動可能に連結された配列の発現を駆動する可能性があることを認識するであろう。したがって、一部の実施形態では、組織特異的プロモーターは、標的組織または標的細胞型において発現を優先的に駆動するが、さらに、同様に、他の組織におけるいくらかの発現に至る可能性があるものとする。
本発明による核酸はまた、化学試薬に対する曝露に際して誘発性の植物プロモーターに作動可能に連結させることができる。これらの試薬は、トランスジェニック植物に噴霧する等で適用することができる除草剤、合成オーキシン、または抗生物質等を含む。本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを生成する核酸の誘発性の発現は、栽培者が、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の最適なアルドラーゼの発現および/または活性を有する植物を選択することを可能にするであろう。したがって、植物の部分の発達をコントロールすることができる。このように、本発明は、植物および植物の部分の採取を促進するための手段を提供する。たとえば、種々の実施形態では、ベンゼンスルホンアミド除草剤緩和剤によって活性化されたトウモロコシIn2−2プロモーターが使用され(De Veylder(1997)Plant Cell Physiol.38:568−577)、異なる除草剤緩和剤の適用は、根、排水組織、および茎頂分裂組織の発現を含む別個の遺伝子発現パターンを誘発する。本発明によるコード配列は、さらに、アベナ・サティバL.(カラスムギ)アルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子を含有するトランスジェニックタバコと共に記載される等のテトラサイクリン誘発性プロモーター(Masgrau(1997)Plant J.11:465−473);またはサリチル酸応答性要素(Stange(1997)Plant J.11:1315−1324)等のコントロール下とする。
一部の実施形態では、ふさわしいポリペプチド発現は、コード領域の3’端にポリアデニル化領域を必要としてもよい。ポリアデニル化領域は、自然の遺伝子、様々な他の植物(もしくは動物もしくは他のもの)遺伝子に、またはアグロバクテリアT−DNAの遺伝子に由来し得る。
発現ベクターおよびクローニング媒介物
本発明は、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼをコードする配列等の本発明による核酸を含む発現ベクターおよびクローニング媒介物を提供する。本発明による発現ベクターおよびクローニング媒介物は、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(ワクシニア、アデノウイルス、フォウルポックスウイルス、シュードラビエス、およびSV40の誘導体等)、P1ベースの人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、ならびに興味のある特定の宿主に特異的な任意の他のベクター(バチルス、アスペルギルス、および酵母等)を含むことができる。本発明によるベクターは、染色体、非染色体、および合成DNA配列を含むことができる。多くの適したベクターは、当業者に知られており、市販で入手可能である。例示的なベクターは、細菌:pQE(商標)ベクター(Qiagen社、バレンシア、CA)、pBLUESCRIPT(商標)プラスミド、pNHベクター、ラムダ−ZAPベクター(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA);ptrc99a、pKK223−3、pDR540、pRIT2T(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)、pETベクター(Novagen社、マディソン、WI);真核生物:pXT1、pSG5(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40(Pharmacia社)を含む。しかしながら、任意の他のプラスミドまたは他のベクターもまた、それらが宿主の中で複製可能であり、かつ生存可能な限り使用されてもよい。低コピー数または高コピー数のベクターが、本発明で用いられてもよい。「プラスミド」は、無制限に、市販で入手可能、公的に入手可能とすることができるまたは公開の手順に添って、入手可能なプラスミドから構築することができる。本明細書に記載されるプラスミドに対する等価プラスミドは、当技術分野で知られており、当業者にとって明らかであろう。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位、および転写ターミネーターを含むことができる。ベクターは、さらに、発現を増幅するための適切な配列を含んでいてもよい。哺乳動物発現ベクターは、複製開始点、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与体およびスプライス受容体部位、転写終結配列、ならびに5’フランキング非転写配列を含むことができる。一部の実施形態では、SV40スプライスに由来するDNA配列およびポリアデニル化部位は、必要な非転写遺伝要素を提供するために使用されてもよい。
一部の実施形態では、発現ベクターは、ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能にするために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有する。上記の選択可能なマーカーは、ジヒドロ葉還元酵素をコードする遺伝子または真核細胞培養物にネオマイシン抵抗性を付与する遺伝子、イー・コリにおいてテトラサイクリンまたはアンピシリン抵抗性を付与する遺伝子、およびS.セレビシエTRP1遺伝子を含む。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選択可能なマーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の遺伝子から選択することができる。
一部の実施形態では、真核細胞においてポリペプチドまたはその断片を発現させるためのベクターは、発現レベルを増加させるためのエンハンサーを含有する。エンハンサーは、長さが約10〜約300bpとすることができる、DNAのシス作用性要素である。それらは、その転写を増加させるためにプロモーターに作用することができる。例示的なエンハンサーは、100〜270bpの、複製起点の晩期側のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、複製起点の晩期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーを含む。
核酸配列は、様々な手順によってベクターに挿入することができる。一般的に、配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いた挿入断片およびベクターの消化の後でベクターにおける所望の位置にライゲーションされる。あるいは、挿入断片およびベクターの両方における平滑端がライゲーションされてもよい。様々なクローニング技術は、Ausubelら Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.1997およびSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)等に記載されるように当技術分野で知られている。上記の手順および他の手順は、当業者の範囲内であると考えられる。
ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、またはファージの形態とすることができる。他のベクターは、染色体、非染色体、および合成DNA配列、SV40の誘導体;細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組合せに由来するベクター、ワクシニア、アデノウイルス、フォウルポックスウイルス、およびシュードラビエス等のウイルスDNAを含む。原核生物および真核生物の宿主を用いた使用のための様々なクローニングベクターおよび発現ベクターは、Sambrook等によって記載される。
使用することができる特定の細菌ベクターは、よく知られているクローニングベクターpBR322(ATCC37017)、pKK223−3(Pharmacia Fine Chemicals社、ウプサラ、スウェーデン)、GEM1(Promega Biotec社、マディソン、WI、米国)pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen社、バレンシア、CA)、pD10、psiX174 pBLUESCRIPT II KS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)、ptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、DR540、pRIT5(Pharmacia社)、pKK232−8、pET(Novagen社、マディソン、WI)、およびpCM7の遺伝要素を含む市販で入手可能なプラスミドを含む。特定の真核生物ベクターは、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)pSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL(Pharmacia社)を含む。しかしながら、任意の他のベクターもまた、それが宿主細胞の中で複製可能であり、かつ生存可能な限り使用されてもよい。
本発明による核酸は、発現カセット、ベクター、またはウイルスの中で発現させることができ、一過性にまたは安定して植物細胞および種子の中で発現させることができる。1つの例示的な一過性発現系は、スーパーコイルDNAを含有するエピソームミニ染色体の転写によって核中に産生されたカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)ウイルスRNA等のエピソーム発現系を使用する。Covey(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1633−1637を参照されたい。あるいは、コード配列、つまり、本発明による配列のすべてまたは細断片は、植物宿主細胞ゲノムに挿入することができ、宿主染色体DNAの不可欠な部分になる。センスまたはアンチセンスの転写物は、このように発現させることができる。本発明による核酸からの配列(プロモーターまたはコード領域等)を含むベクターは、植物細胞または種子に選択可能な表現型を付与するマーカー遺伝子を含むことができる。たとえば、マーカーは、カナマイシン、G418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンに対する抵抗性等の抗生物質抵抗性またはクロロスルフロンもしくはBastaに対する抵抗性等の除草剤抵抗性等の殺生物剤抵抗性をコードしてもよい。
植物の中で核酸およびタンパク質を発現させることができる発現ベクターは、当技術分野でよく知られており、アグロバクテリウム種ジャガイモウイルスX(Angell(1997)EMBO J.16:3675−3684を参照されたい)、タバコモザイクウイルス(Casper(1996)Gene 173:69−73を参照されたい)、トマトブッシースタントウイルス(Hillman(1989)Virology 169:42−50を参照されたい)、タバコエッチウイルス(Dolja(1997)Virology 234:243−252を参照されたい)、ビーンゴールデンモザイクウイルス(Morinaga(1993)Microbiol Immunol.37:471−476を参照されたい)、カリフラワーモザイクウイルス(Cecchini(1997)Mol.Plant Microbe Interact.10:1094−1101を参照されたい)、トウモロコシAc/DS転移要素(Rubin(1997)Mol.Cell. Biol.17:6294−6302;Kunze(1996)Curr.Top.Microbiol.Immunol.204:161−194を参照されたい)、およびトウモロコシサプレッサーミューテーター(Spm)転移要素(Schlappi(1996)Plant Mol.Biol.32:717−725を参照されたい);およびその誘導体からのベクター等を含むことができる。
一部の実施形態では、発現ベクターは、2つの生物において、たとえば発現のために哺乳動物においてまたは昆虫細胞においてならびにクローニングおよび増幅ための原核生物宿主において、発現ベクターを維持することを可能にするために2つの複製系を有することができる。さらに、発現ベクターを統合するために、発現ベクターは、宿主細胞ゲノムに対して相同な少なくとも1つの配列を含有することができる。発現ベクターは、発現構築物の側面に位置する2つの相同配列を含有することができる。統合ベクターは、ベクターの中の、包含に適切な相同配列を選択することによって、宿主細胞における特異的座に向けることができる。ベクターを統合するための構築物は、当技術分野でよく知られている。
本発明による発現ベクターは、さらに、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、およびテトラサイクリン等の薬剤に対して細菌を抵抗性にする遺伝子等の、形質転換された細菌株の選択を可能にするための選択可能なマーカー遺伝子を含んでいてもよい。選択可能なマーカーは、さらに、ヒスチジン、トリプトファン、およびロイシンの生合成経路における生合成遺伝子等の生合成遺伝子を含むことができる。
発現ベクターにおけるDNA配列は、RNA合成を指示するために適切な発現コントロール配列(複数可)(プロモーター)に適切に作動するように連結される。特定の命名された細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PL、およびtrpを含む。真核生物プロモーターは、CMV即時早期、HSVチミジンキナーゼ、早期および晩期SV40、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIを含む。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に、当業者のレベルの範囲内である。発現ベクターは、さらに、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含有する。ベクターは、さらに、発現を増幅するための適切な配列を含んでいてもよい。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選択可能なマーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の遺伝子から選択することができる。さらに、一部の実施形態における発現ベクターは、真核細胞培養物に対するジヒドロ葉還元酵素もしくはネオマイシン抵抗性等またはイー・コリにおけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン抵抗性等の、形質転換された宿主細胞の選択のための表現型の形質を提供するために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有する。
哺乳動物発現ベクターは、さらに、複製開始点、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与体およびスプライス受容体部位、転写終結配列、ならびに5’フランキング非転写配列を含んでいてもよい。一部の実施形態では、SV40スプライスに由来するDNA配列およびポリアデニル化部位は、必要な非転写遺伝要素を提供するために使用されてもよい。
真核細胞におけるポリペプチドまたはその断片を発現させるためのベクターは、さらに、発現レベルを増加させるためのエンハンサーを含有していてもよい。エンハンサーは、その転写を増加させるためにプロモーターに作用することができる、長さが普通約10〜約300の、DNAのシス作用性要素である。例として、100〜270bpの、複製起点の晩期側のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、複製起点の晩期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーを含む。
さらに、発現ベクターは、ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能にするために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有することができる。上記の選択可能なマーカーは、ジヒドロ葉還元酵素をコードする遺伝子または真核細胞培養物にネオマイシン抵抗性を付与する遺伝子、イー・コリにおいてテトラサイクリンまたはアンピシリン抵抗性を付与する遺伝子、およびS.セレビシエTRP1遺伝子を含む。
一部の実施形態では、本発明によるポリペプチドのうちの1つおよびそれに実質的に同一の配列または少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片をコードする核酸は、翻訳ポリペプチドまたはその断片の分泌を指示することができるリーダー配列と共に、適切な期において構築される。一部の実施形態では、核酸は、融合ポリペプチドをコードすることができる。本発明によるポリペプチドのうちの1つまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片は、増加した安定性または単純化された精製等の所望の特徴を与えるN末端識別ペプチド等の異種のペプチドまたはポリペプチドに融合することができる。
適切なDNA配列は、様々な手順によってベクターに挿入されてもよい。一般的に、DNA配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いた挿入断片およびベクターの消化の後でベクターにおける所望の位置にライゲーションされる。あるいは、挿入断片およびベクターの両方における平滑端がライゲーションされてもよい。様々なクローニング技術は、Ausubelら Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.1997およびSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に開示される。上記の手順および他の手順は、当業者の範囲内であると考えられる。
ベクターは、たとえば、プラスミド、ウイルス粒子、またはファージの形態としてもよい。他のベクターは、染色体、非染色体、および合成DNA配列、SV40の誘導体;細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組合せに由来するベクター、ワクシニア、アデノウイルス、フォウルポックスウイルス、およびシュードラビエス等のウイルスDNAを含む。原核生物および真核生物の宿主を用いた使用のための様々なクローニングベクターおよび発現ベクターはSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1989)、によって記載される。
宿主細胞および形質転換細胞
本発明は、さらに、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼをコードする配列等の、本発明による核酸配列を含む形質転換細胞または本発明によるベクターを提供する。宿主細胞は、細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または植物細胞等の原核細胞、真核細胞を含む、当業者によく知られている宿主細胞のいずれかであってもよい。例示的な細菌細胞は、イー・コリ、バチルス・スブチリス、シュードモナス・フルオレッセンス、バチルス・セレウス、またはサルモネラ・チフィリウムを含む、ストレプトマイセス、スタフィロコッカス、シュードモナス、またはバチルスの任意の種を含む。例示的な菌類細胞は、アスペルギルスの任意の種を含む。例示的な酵母細胞は、ピキア・パストリス、サッカロマイセス・セレビシエ、またはシゾサッカロミセス・ポンベを含む、ピチア、サッカロマイセス、シゾサッカロミセス、またはシュワンニオマイセスの任意の種を含む。例示的な昆虫細胞は、ドロソフィラS2およびスポドプテラSf9を含む、スポドプテラまたはドロソフィラの任意の種を含む。例示的な動物細胞は、CHO、COS、もしくはBowesメラノーマまたは任意のマウスもしくはヒト細胞系を含む。適切な宿主の選択は、当業者の能力の範囲内にある。種々様々の高等植物種を形質転換するための技術は、よく知られており、技術文献および科学文献に記載される。Weising(1988)Ann.Rev.Genet.22:421−477;米国特許第5750870号を参照されたい。
ベクターは、形質転換、形質移入、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃、またはTi媒介性遺伝子移入を含む様々な技術のうちのいずれかを使用して、宿主細胞の中に導入することができる。特定の方法は、リン酸カルシウム形質移入、DEAB−Dextran媒介性形質移入、リポフェクション、またはエレクトロポレーションを含む(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,I,Basic Methods in Molecular Biology,(1986))。
一部の実施形態では、本発明による核酸またはベクターは、スクリーニングのために細胞の中に導入され、したがって、核酸は、核酸の続く発現に適した様式で細胞に入る。導入の方法は、大部分は、標的細胞型によって指定される。例示的な方法は、CaPO4沈殿、リポソーム融合、リポフェクション(LIPOFECTIN(商標)等)、エレクトロポレーション、ウイルス感染等を含む。候補核酸は、宿主細胞のゲノムの中に安定して統合してもよい(たとえばレトロウイルスの導入を用いて)または細胞質中に一過性にもしくは安定して存在してもよい(つまり、標準の制御配列、選択マーカー等を利用し、伝統的なプラスミドの使用を通して)。多くの薬学的に重要なスクリーニングが、ヒトまたはモデル哺乳動物の細胞標的を必要とするので、上記の標的に形質移入することができるレトロウイルスベクターを使用することができる。
適切な場合、操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化する、形質転換体を選択する、または本発明による遺伝子を増幅するのに適切なように修飾された従来の培養液の中で培養することができる。適した宿主株の形質転換および適切な細胞密度までの宿主株の成長の後で、選択されたプロモーターは、適切な手段(温度シフトまたは化学的誘発等)によって誘発されてもよく、細胞は、それらが、所望のポリペプチドまたはその断片を生成することを可能にするために付加的な期間、培養されてもよい。
細胞は、遠心分離によって採取し、物理的または化学的手段によって破壊することができ、結果として生じた粗抽出物は、さらなる精製のために保持される。タンパク質の発現のために用いられた微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的な破壊、または細胞溶解作用物質の使用を含む任意の好都合な方法によって破壊することができる。上記の方法は、当業者によく知られている。発現したポリペプチドまたはその断片は、硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む方法によって組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。タンパク質リフォールディング工程は、ポリペプチドの立体配置を完成させるのに、必要なときに使用することができる。所望の場合、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、最終の精製工程に用いることができる。
宿主細胞における構築物は、組換え配列によってコードされた遺伝子産物を生成するための従来の様式で使用することができる。組換え生成手順において用いられる宿主に依存して、ベクターを含有する宿主細胞によって生成されたポリペプチドは、グリコシル化してもよくまたはグリコシル化しなくてもよい。本発明によるポリペプチドは、さらに、開始メチオニンアミノ酸残基を含んでいてもよくまたは含んでいなくてもよい。
無細胞翻訳系もまた、本発明によるポリペプチドを生成するために用いることができる。無細胞翻訳系は、ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを使用することができる。一部の実施形態では、DNA構築物は、in vitro転写反応を進める前に線状にしてもよい。次いで、転写mRNAは、所望のポリペプチドまたはその断片を生成するために、ウサギ網状赤血球抽出物等の適切な無細胞翻訳抽出物と共にインキュベートされる。
発現ベクターは、真核細胞培養物に対するジヒドロ葉還元酵素もしくはネオマイシン抵抗性等またはイー・コリにおけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン抵抗性等の、形質転換された宿主細胞の選択のための表現型の形質を提供するために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有することができる。
本発明による核酸等の興味のあるポリヌクレオチドを含有する宿主細胞は、プロモーターを活性化する、形質転換体を選択する、または遺伝子を増幅するのに適切なように修飾された従来の培養液の中で培養することができる。温度、pH等のような培養条件は、発現について選択した宿主細胞で先に使用されたものであり、当業者にとって明らかであろう。次いで、特定の酵素活性を有するとして同定されたクローンは、増強された活性を有する酵素をコードするポリヌクレオチド配列を同定するために配列決定されてもよい。
本発明は、細胞中で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の組換えアルドラーゼを過剰発現させる方法であって、少なくとも約100個の残基の領域にわたり本発明による配列に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有する核酸配列を含む核酸等の本発明による核酸を含むベクターを発現させることを含み、配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いたもしくは目視検査による分析または本発明による核酸配列もしくはその部分配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によって決定される。過剰発現は、高活性プロモーター、ジシストロニックベクターの使用等の任意の手段によってまたはベクターの遺伝子増幅によってもたらすことができる。
本発明による核酸は、任意のin vitroまたはin vivo発現系で発現させるまたは過剰発現させることができる。細菌、昆虫、酵母、菌類、または哺乳動物培養を含む任意の細胞培養系が、組換えタンパク質を発現または過剰発現させるために用いることができる。過剰発現は、プロモーター、エンハンサー、ベクター(レプリコンベクター、ジシストロニックベクターの使用等(Gurtu(1996)Biochem.Biophys.Res.Commun.229:295−8を参照されたい)、培地、培養系等を適切に選ぶことよってもたらすことができる。一部の実施形態では、細胞系における、グルタミンシンテターゼ等の選択マーカーを使用する遺伝子増幅(Sanders(1987)Dev.Biol.Stand.66:55−63を参照されたい)は、本発明によるポリペプチドを過剰発現させるために使用される。
このアプローチに関する付加的な詳細については、公的な文献にあるおよび/または当業者に知られている。特定の非限定的な例示である上記の公的に入手可能な文献は、EP0659215(国際公開第9403612A1号)(Nevalainenら);Lapidot,A.,Mechaly,A.,Shoham,Y.,「Overexpression and single−step purification of a thermostable xylanase from Bacillus stearothermophilus T−6」,J.Biotechnol.Nov 51:259−64(1996);Luthi,E.,Jasmat,N.B.,Bergquist,P.L.,「Xylanase from the extremely thermophilic bacterium Caldocellum saccharolyticum:overexpression of the gene in Escherichia coli and characterization of the gene product」,Appl.Environ.Microbiol.Sep 56:2677−83(1990);およびSung,W.L.,Luk,C.K.,Zahab,D.M.,Wakarchuk,W.,「Overexpression of the Bacillus subtilis and circulans xylanases in Escherichia coli」,Protein Expr.Purif Jun 4:200−6(1993)を含むが、これらの参考文献は、本願の発明の酵素を教示しない。
宿主細胞は、原核細胞、真核細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または植物細胞を含む、当業者によく知られている宿主細胞のいずれかであってもよい。適切な宿主の代表的な例として、次のものが述べられてもよい:イー・コリ、ストレプトマイセス、バチルス・スブチリス、バチルス・セレウス、サルモネラ・チフィリウム、ならびにシュードモナス属、ストレプトマイセス属、およびスタフィロコッカス属内の種々の種等の細菌細胞、アスペルギルス等の菌類細胞、ピキア・パストリス、サッカロマイセス・セレビシエ、またはシゾサッカロミセス・ポンベを含むピチア、サッカロマイセス、シゾサッカロミセス、シュワンニオマイセスの任意の種等の酵母、ドロソフィラS2およびスポドプテラSf9等の昆虫細胞、CHO、COS、またはBowesメラノーマ等の動物細胞、ならびにアデノウイルス。適切な宿主の選択は、当業者の能力の範囲内にある。
ベクターは、形質転換、形質移入、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃、またはTi媒介性遺伝子移入を含む様々な技術のうちのいずれかを使用して、宿主細胞の中に導入してもよい。特定の方法は、リン酸カルシウム形質移入、DEAR−Dextran媒介性形質移入、リポフェクション、またはエレクトロポレーションを含む(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,L,Basic Methods in Molecular Biology,(1986))。
適切な場合、操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化する、形質転換体を選択する、または本発明による遺伝子を増幅するのに適切なように修飾された従来の培養液の中で培養することができる。適した宿主株の形質転換および適切な細胞密度までの宿主株の成長の後で、選択されたプロモーターは、適切な手段(温度シフトまたは化学的誘発等)によって誘発されてもよく、細胞は、それらが、所望のポリペプチドまたはその断片を生成することを可能にするために付加的な期間、培養されてもよい。
細胞は、遠心分離によって採取し、物理的または化学的手段によって破壊することができ、結果として生じた粗抽出物は、さらなる精製のために保持される。タンパク質の発現のために用いられた微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的な破壊、または細胞溶解作用物質の使用を含む任意の好都合な方法によって破壊することができる。上記の方法は、当業者によく知られている。発現したポリペプチドまたはその断片は、硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む方法によって組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。タンパク質リフォールディング工程は、ポリペプチドの立体配置を完成させるのに、必要なときに使用することができる。所望の場合、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、最終の精製工程に用いることができる。
種々の哺乳動物細胞培養系もまた、組換えタンパク質を発現させるために用いることができる。哺乳動物発現系の例は、サル腎臓線維芽細胞のCOS−7系(Gluzman,Cell,23:175,1981により記載される)ならびにC127、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞系等の、適合性のベクターからタンパク質を発現させることができる他の細胞系を含む。
宿主細胞における構築物は、組換え配列によってコードされた遺伝子産物を生成するための従来の様式で使用することができる。組換え生成手順において用いられる宿主に依存して、ベクターを含有する宿主細胞によって生成されたポリペプチドは、グリコシル化してもよくまたはグリコシル化しなくてもよい。本発明によるポリペプチドは、さらに、開始メチオニンアミノ酸残基を含んでいてもよくまたは含んでいなくてもよい。
あるいは、本発明によるポリペプチドまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片は、下記に論じられる等の従来のペプチドシンセサイザーによって合成して生成することができる。他の実施形態では、ポリペプチドの断片または部分は、ペプチド合成によって対応する完全長ポリペプチドを生成するために用いられてもよい。したがって、断片は、完全長ポリペプチドを生成するための中間体として用いられてもよい。
無細胞翻訳系もまた、ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを使用して、本発明によるポリペプチドのうちの1つまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片を生成するために用いることができる。一部の実施形態では、DNA構築物は、in vitro転写反応を進める前に線状にしてもよい。次いで、転写mRNAは、所望のポリペプチドまたはその断片を生成するために、ウサギ網状赤血球抽出物等の適切な無細胞翻訳抽出物と共にインキュベートされる。
核酸の増幅
本発明の実施において、本発明による核酸ならびに本発明によるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼをコードする核酸または本発明による修飾核酸は、PCR等の増幅によって再生成することができる。増幅もまた、本発明による核酸をクローニングまたは修飾するために使用することができる。したがって、本発明は、本発明による核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。当業者は、任意の部分のまたは完全長のこれらの配列に対する増幅プライマー配列対を設計することができる。
一部の実施形態では、本発明は、最初(5’)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、本発明による核酸の残基および最初(5’)の約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、相補鎖の残基として記載されるプライマー対等の本発明による増幅プライマー対によって増幅された核酸を提供する。一部の実施形態では、本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供し、プライマー対は、本発明による配列を含む核酸またはその断片もしくは部分配列を増幅することができる。増幅プライマー配列対の一方のメンバーまたは各メンバーは、少なくとも約10〜50個もしくはそれ以上の、配列の連続塩基または約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、もしくはそれ以上の、配列の連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。一部の実施形態では、本発明は、増幅プライマー対を提供し、プライマー対は、最初(5’)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、本発明による核酸の残基によって記載される配列を有する第1のメンバーおよび最初(5’)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、第1のメンバーの相補鎖の残基によって記載される配列を有する第2のメンバーを含む。
本発明は、本発明による増幅プライマー対を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の増幅によって産生されたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明による増幅プライマー対を使用して、PCR等の増幅によって、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを作製する方法を提供する。一部の実施形態では、増幅プライマー対は、環境ライブラリー等の遺伝子ライブラリー等のライブラリーからの核酸を増幅する。
増幅反応はまた、試料中の核酸の量(細胞試料中のメッセージの量等)を定量する、核酸を標識する(アレイもしくはブロットに核酸をかける等)、核酸を検出する、または試料中の特定の核酸の量を定量するために使用することができる。本発明の一部の実施形態では、細胞またはcDNAライブラリーから単離されたメッセージは、増幅される。
当業者は、適したオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択し、設計することができる。増幅法もまた、当技術分野でよく知られており、ポリメラーゼ連鎖反応、PCR(PCR PROTOCOLS,A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS,ed.Innis,Academic Press, N.Y.(1990)and PCR STRATEGIES(1995),ed.Innis,Academic Press,Inc.,N.Y.を参照されたい、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu(1989)Genomics 4:560;Landegren(1988)Science 241:1077;Barringer(1990)Gene 89:117を参照されたい);転写増幅(Kwoh(1989)Proc,Natl.Acad.Sci.USA 86:1173を参照されたい);および自家持続配列複製法(Guatelli(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874を参照されたい);Qベータレプリカーゼ増幅(Smith(1997)J.Clin.Microbiol.35:1477−1491を参照されたい)、自動Qベータレプリカーゼ増幅アッセイ(Burg(1996)Mol.Cell.Probes 10:257−271を参照されたい)、ならびに他のRNAポリメラーゼ媒介性の技術(NASBA等、Cangene社、ミシソーガ、オンタリオ)等を含む。Berger(1987)Methods Enzymol.152:307−316;Ausubelら Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.1997、およびSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)、米国特許第4683195号および第4683202号;Sooknanan(1995)Biotechnology 13:563−564もまた参照されたい。
核酸およびポリペプチドにおける配列同一性の決定
本発明は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%)配列同一性を(相同性)、本発明による核酸(配列表を参照)に対して、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれ以上の残基にわたって有する配列を含む核酸を提供する。一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%)配列同一性を、本発明によるポリペプチド(配列表を参照)に対して有する配列を含むポリペプチドを提供する。配列同一性(相同性)の程度は、デフォルトパラメータを有するBLAST2.2.2またはFASTAバージョン3.0t78等の本明細書に記載されるものを含む、任意のコンピュータプログラムおよび関連するパラメータを使用して決定されてもよい。
本発明による核酸配列は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、500個、またはそれ以上の、本発明による配列の連続ヌクレオチドおよびそれに実質的に同一の配列を含むことができる。本発明による核酸配列の相同配列および断片は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の、これらの配列に対する配列同一性(相同性)を有する配列を指すことができる。相同性(配列同一性)は、デフォルトパラメータを有するFASTAバージョン3.0t78を含む、本明細書に記載されるコンピュータプログラムおよびパラメータのいずれかを使用して決定されてもよい。相同配列は、さらに、ウリジンを、本発明による核酸配列中のチミンと交換するRNA配列を含む。相同配列は、本明細書に記載される手順のいずれかを使用して得られてもよいまたは配列決定エラーの補正の結果として生じてもよい。本発明による核酸配列は、伝統的な単一文字形式(Stryer,Lubert.Biochemistry,3rd Ed.,W.H Freeman&Co.,New York.の裏表紙を参照されたい)でまたは配列中のヌクレオチドの識別を示す任意の他の形式で表すことができることが十分に理解されるであろう。
一部の実施形態では、本明細書に認定された配列比較プログラムは、本発明による本態様において、つまり、核酸またはポリペプチド配列が本発明による範囲内にあるかどうか決定するために使用される。しかしながら、タンパク質および/または核酸配列同一性(相同性)は、任意の配列比較アルゴリズムまたは当技術分野で知られているプログラムを使用して評価されてもよい。上記のアルゴリズムおよびプログラムは、決してこれらに限定されないが、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、およびCLUSTALWを含む(Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(8):2444−2448,1988;Altschulら,J.Mol.Biol.215(3):403−410,1990;Thompson Nucleic Acids Res.22(2):4673−4680,1994;Higginsら,Methods Enzymol.266:383−402,1996;Altschulら,J.Mol.Biol.215(3):403−410,1990;Altschulら,Nature Genetics 3:266−272,1993を参照されたい)。
一部の実施形態では、相同性または同一性は、配列分析ソフトウェアを使用して測定される(Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center,1710 University Avenue,Madison,WI 53705のSequence Analysis Software Package等)。上記のソフトウェアは、種々の欠失、置換、および他の修飾に対して、相同性の程度を指定することによって類似する配列をマッチさせる。一部の実施形態では、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における用語「相同性」および「同一性」は、任意の数の配列比較アルゴリズムを使用してまたは手動のアラインメントおよび目視検査によって測定されるように、比較ウィンドウまたは指定領域にわたって、比較し、最大に一致するように整列させた場合、同じであるまたは特定の百分率の同じであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する2つ以上の配列または部分配列を指す。一部の実施形態では、配列比較については、一方の配列は、試験配列と比較される参照配列として働く。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列は、コンピュータに入力され、必要であれば部分配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。デフォルトプログラムパラメータを使用することができるまたは代替パラメータを指定することができる。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づき、参照配列と比較した試験配列についての配列同一性パーセントを算出する。
「比較ウィンドウ」は、本明細書に使用されるように、20〜600、普通約50〜約200、より普通では約100〜約150からなる群から選択された隣接する位置の数のうちのいずれか1つのセグメントへの参照を含み、配列は、2つの配列が最適に整列された後、同じ数の隣接する位置の参照配列と比較されてもよい。比較のための配列のアラインメントの方法は、当技術分野でよく知られている。比較のための配列の最適なアラインメントは、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482,1981の局所的相同性アルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol 48:443,1970の相同性アラインメントアルゴリズムによって、person&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444,1988の類似性についての検索の方法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ化の実現によって、(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または手動のアラインメントおよび目視検査によって等で進めることができる。相同性または同一性を決定するための他のアルゴリズムは、たとえば、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)に加えて、ALIGN、AMAS(Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS(Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET(Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN(Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS(BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals&Points、BMB、CLUSTAL V、CLUSTAL W、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith−Waterman algorithm、DARWIN、Las Vegas algorithm、FNAT(Forced Nucleotide Alignment Tool)、Framealign、Framesearch、DYNAMIC、FILTER、FSAP(Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP(Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC(Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN(Local Sequence Alignment)、LCP(Local Content Program)、MACAW(Multiple Alignment Construction&Analysis Workbench)、MAP(Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA(Pattern−Induced Multi−sequence Alignment)、SAGA(Sequence Alignment by Genetic Algorithm)、およびWHAT−IFを含む。上記のアラインメントプログラムは、さらに、実質的に同一の配列を有するポリヌクレオチド配列を同定するために、ゲノムデータベースをスクリーニングするために使用することができる。たとえば、多くのゲノムデータベースは入手可能であり、たとえば、ヒトゲノムの実質的な部分はHuman Genome Sequencing Projectの一環として入手可能である(Gibbs,1995)。たとえば、M.ゲニタリウム(Fraserら,Science 270:397−403(1995))、M.ジャナスキイ(jannaschii)(Bultら,Science 23:1058−73(1996))、H.インフルエンザ(Fleischmannら,Science 269:496−512(1995))、イー・コリ(Blattnerら,Science 277:1453−74(1997))、および酵母(S.セレビシエ)(Mewesら,Nature 387:7−65(1997))、ならびにキイロショウジョウバエ(Adamsら,Science 287:2185−95(2000))を含む、少なくとも21個の他のゲノムが既に配列決定されている。マウス、線虫、およびアラバドプシス(Arabadopsis)種等のモデル生物のゲノムの配列決定もまた著しく進歩した。いくらかの機能的な情報が注釈されたゲノムの情報を含有する数種のデータベースは、異なる組織によって維持され、インターネットを介して利用可能である可能性がある。
一部の実施形態では、BLASTおよびBLAST2.0のアルゴリズムが使用され、それらは、Altschulら,Nuc.Acids Res.25:3389−3402,1977およびAltschulら,J.Mol.Biol.215:403−410,1990にそれぞれ記載される。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通して公的に入手可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインメントした場合に、いくつかの正の値の閾値スコアTとマッチするまたはこれを満たす、クエリー配列中の長さWの短いワードを識別することにより、高スコアリング配列対(HSP)を識別することを含む。Tは、近隣ワードスコア閾値と称される(Altschulら,前掲)。これら最初の近隣ワードのヒットは、それらを含むより長いHSPを見つけるための検索を開始するシードとして働く。ワードヒットは、累積アラインメントスコアを増加することができる限り、各配列に沿って両方向に延長させる。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(マッチする残基対の報酬スコア;常に>0)を用いて算出する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスが、累積スコアを算出するために使用される。各方向のワードヒットの延長は、累積アラインメントスコアが、その最大達成値から量Xだけ降下した場合;1つまたは複数の負のスコア残基アラインメントの蓄積により、累積スコアが、0以下に達した場合;またはいずれかの配列の端に到達した場合に停止する。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長3および期待値(E)10ならびにBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915,1989を参照されたい)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、さらに、2つの配列の間の類似性の統計的分析を行う(Karlin&Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873,1993を参照されたい)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの基準は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間のマッチが偶然に起こると思われる確率の指標を提供する。たとえば、参照核酸に対する試験核酸の比較において、最小合計確率が約0.2未満、一部の実施形態では約0.01未満、他の実施形態では約0.001未満であれば、核酸は、参照配列に類似していると考えられる。
一部の実施形態では、タンパク質および核酸配列相同性は、Basic Local Alignment Search Tool(「BLAST」)を使用して評価される。特に、5つの特定のBLASTプログラムは、以下のタスクを行うために使用される:
(1)BLASTPおよびBLAST3は、タンパク質配列データベースに対してアミノ酸クエリー配列を比較する;
(2)BLASTNは、ヌクレオチド配列データベースに対してヌクレオチドクエリー配列を比較する;
(3)BLASTXは、タンパク質配列データベースに対してクエリーヌクレオチド配列(両鎖)の6フレーム概念翻訳生成物を比較する;
(4)TBLASTNは、全6リーディングフレームで翻訳されたヌクレオチド配列データベース(両鎖)に対してクエリータンパク質配列を比較する;および
(5)TBLASTXは、ヌクレオチド配列データベースの6フレーム翻訳物に対してヌクレオチドクエリー配列の6フレーム翻訳物を比較する。
BLASTプログラムは、クエリーアミノ酸または核酸配列および一部の実施形態においてタンパク質または核酸配列データベースから得られた試験配列の間で、本明細書で「高スコアリングセグメント対」と称される類似セグメントを同定することにより、相同性配列を同定する。高スコアリングセグメント対は、一部の実施形態において、スコアリングマトリックスの手段によって同定(すなわち、アラインメント)されるが、これらの多くは、当技術分野で知られている。一部の実施形態では、使用されるスコアリングマトリックスは、BLOSUM62マトリックス(Gonnet(1992)Science 256:1443−1445;HenikoffおよびHenikoff(1993)Proteins 17:49−61)である。それほどではないが、一部の実施形態では、PAMまたはPAM250マトリックスもまた使用されてもよい(SchwartzおよびDayhoff編,1978,Matrices for Detecting Distance Relationships:Atlas of Protein Sequence and Structure,Washington:National Biomedical Research Foundationを参照されたい)。BLASTプログラムは、米国National Library of Medicineを通して利用可能である。
上記のアルゴリズムと共に使用されるパラメータは、研究される配列長および相同性の程度に依存して応用してもよい。一部の実施形態では、パラメータは、ユーザからの指示がない場合にアルゴリズムによって使用されるデフォルトパラメータであってもよい。
コンピュータシステムおよびコンピュータプログラム製品
本発明は、本発明に従った核酸およびポリペプチド配列を記録または記憶させたコンピュータ、コンピュータシステム、コンピュータ読取り可能媒体、コンピュータプログラム製品などを提供する。さらに、配列同一性(核酸が本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定するため)、構造相同性、モチーフなどをin silicoで決定および同定するためなどの、本発明に従った方法を実施するにあたって、本発明に従った核酸またはポリペプチド配列を、コンピュータによって読取りおよびアクセスすることができる任意の媒体上に記憶し、記録し、かつそれを操作することができる。
本明細書中で使用する単語「記録」および「記憶」とは、コンピュータ媒体上に情報を記憶させるプロセスをいう。当業者は、情報をコンピュータ読取り可能媒体上に記録する任意の既知の方法を容易に採用して、本発明に従った核酸および/またはポリペプチド配列の1つまたは複数を含む製造物を生成することができる。本明細書中で使用する用語「コンピュータ」、「コンピュータプログラム」および「プロセッサ」とは、その最も広範な一般的コンテキストで使用し、以下に詳述するそのようなデバイスすべてを組み込む。特定のポリペプチドまたはタンパク質「のコード配列」またはそれを「コードしている配列」とは、適切な調節配列の制御下に置いた場合に転写されてポリペプチドまたはタンパク質へと翻訳される核酸配列である。
本発明に従ったポリペプチドには、本発明に従った配列およびそれと実質的に同一の配列、ならびに前述の配列の任意のものの部分配列および酵素活性断片が含まれる。一部の実施形態では、実質的に同一の、または相同的なポリペプチド配列とは、本発明に従った配列に対して少なくとも50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性(相同性)を有するポリペプチド配列をいう。
相同性(配列同一性)は、本明細書中に記載の任意のコンピュータプログラムおよびパラメータを用いて決定し得る。本発明に従った核酸またはポリペプチド配列を、コンピュータによって読取りおよびアクセスすることができる任意の媒体上に記憶し、記録し、かつそれを操作することができる。本明細書中で使用する単語「記録」および「記憶」とは、コンピュータ媒体上に情報を記憶させるプロセスをいう。当業者は、情報をコンピュータ読取り可能媒体上に記録する現在知られている任意の方法を容易に採用して、本発明に従った核酸配列の1つまたは複数、本発明に従ったポリペプチド配列の1つまたは複数を含む製造物を生成することができる。本発明の別の実施形態は、少なくとも2、5、10、15、もしくは20個以上の核酸または本発明に従ったポリペプチド配列がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。
本発明の別の実施形態は、本発明に従った核酸配列の1つまたは複数がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。本発明の別の実施形態は、本発明に従ったポリペプチド配列の1つまたは複数がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。本発明の別の実施形態は、少なくとも2、5、10、15、もしくは20個以上の核酸または上述のポリペプチド配列がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。
コンピュータ読取り可能媒体には、磁気読取り可能媒体、光学読取り可能媒体、電子読取り可能媒体および磁気/光学媒体が含まれる。たとえば、コンピュータ読取り可能媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または読み出し専用メモリ(ROM)、および当業者に知られている他の種類の他の媒体であり得る。
本発明の一部の実施形態には、本明細書中に記載の配列情報を記憶し、それを操作するコンピュータシステムなどのシステム(インターネットに基づいたシステムなど)が含まれる。コンピュータシステム100の一例をブロック図で図9に例示する。本明細書中で使用する「コンピュータシステム」とは、本発明に従った核酸配列のヌクレオチド配列、または本発明に従ったポリペプチド配列を解析するために用いるハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素およびデータ記憶構成要素をいう。一部の実施形態では、コンピュータシステム100には、配列データを処理し、アクセスし、かつそれを操作するためのプロセッサが含まれる。プロセッサ105は、たとえば、Intel CorporationのPentium III、またはSun、Motorola、Compaq、AMDもしくはInternational Business Machinesの類似のプロセッサなどの任意の周知の型の中央処理デバイスであることができる。
一部の実施形態では、コンピュータシステム100は、プロセッサ105ならびにデータを記憶するための1つまたは複数の内部データ記憶構成要素110およびデータ記憶構成要素上に記憶されたデータを検索するための1つまたは複数のデータ検索デバイスを含む汎用システムである。当業者は、現在利用可能なコンピュータシステムの任意のものが適していることを容易に理解できるであろう。
一実施形態では、コンピュータシステム100には、メインメモリ115(一実施形態ではRAMとして実装)ならびにハードドライブなどの1つまたは複数の内部データ記憶デバイス110および/またはデータがその上に記録された他のコンピュータ読取り可能媒体に接続されたバスと接続したプロセッサ105が含まれる。一部の実施形態では、コンピュータシステム100には、内部データ記憶デバイス110上に記憶されたデータを読み取るための1つまたは複数のデータ検索デバイス118がさらに含まれる。
データ検索デバイス118は、たとえば、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープドライブ、またはリモートデータ記憶システムと(たとえばインターネットを介して)接続することができるモデムなどを表し得る。一部の実施形態では、内部データ記憶デバイス110は、制御理論および/またはデータがその上に記録されたフロッピーディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどの取外し可能なコンピュータ読取り可能媒体である。有利には、コンピュータシステム100には、データ検索デバイス内に挿入した後、制御理論および/もしくはデータをデータ記憶構成要素から読み取るための適切なソフトウェアが含まれる、またはそれによってプログラミングされていてよい。
コンピュータシステム100には、コンピュータのユーザに出力を表示するために用いるディスプレイ120が含まれる。また、コンピュータシステム100は、コンピュータシステム100に集中アクセスを提供するためにネットワークまたは広域ネットワーク内で他のコンピュータシステム125a〜cと接続できることにも注意されたい。
本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列のヌクレオチド配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列にアクセスしてそれを処理するためのソフトウェア(検索ツール、比較ツールおよびモデリングツールなど)は、実行中にメインメモリ115内に存在し得る。
一部の実施形態では、コンピュータシステム100は、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された上に記憶された参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列とを比較するための配列比較アルゴリズムをさらに含み得る。「配列比較アルゴリズム」とは、あるヌクレオチド配列と、データ記憶手段内に記憶された他のヌクレオチド配列および/または化合物とを比較するための、コンピュータシステム100に(ローカルまたはリモートで)実装された1つまたは複数のプログラムをいう。たとえば、配列比較アルゴリズムは、相同性または構造モチーフを同定するために、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列のヌクレオチド配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された参照配列とを比較し得る。
図10は、新しい配列とデータベース中の配列との間の相同レベルを決定するために新しいヌクレオチドまたはタンパク質配列と配列のデータベースとを比較するためのプロセス200の一実施形態を例示する流れ図である。配列のデータベースは、コンピュータシステム100内に記憶された私的データベース、またはインターネットから利用可能なGENBANKなどの公開データベースであることができる。
プロセス200は開始状態201から開始され、その後状態202へと移行し、ここで比較する新しい配列をコンピュータシステム100内のメモリに記憶させる。上述のように、メモリは、RAMまたは内部記憶デバイスを含めた任意の種類のメモリであることができる。
その後、プロセス200は状態204へと移行し、ここで配列のデータベースを解析および比較のために開く。その後、プロセス200は状態206へと移行し、ここでデータベースに記憶された第1の配列をコンピュータ上のメモリに読み取る。その後、状態210で比較を行って、第1の配列が第2の配列と同じかどうかを決定する。この工程が新しい配列とデータベース中の第1の配列との間の正確な比較を行うことに限定されないことに注意することが重要である。2つのヌクレオチドまたはタンパク質配列が同一でなくても、それらを比較するための周知の方法が当業者には知られている。たとえば、2つの試験配列間の相同レベルを上げるために、一方の配列内にギャップを導入することができる。比較中にギャップまたは他の特長を配列内に導入するかどうかを制御するパラメータは、通常コンピュータシステムのユーザが入力する。
状態210で2つの配列の比較を行った後、2つの配列が同じであるかどうかの決定を判断状態210で行う。もちろん、用語「同じ」は完全に同一の配列に限定されない。ユーザによって入力された相同性パラメータ内にある配列は、プロセス200で「同じ」であると標識される。
2つの配列が同じであるという決定が下された場合は、プロセス200は状態214へと移行し、ここでデータベースからの配列の名前がユーザに表示される。この状態は、表示された名前の配列が入力した相同性の束縛を満たすことをユーザに知らせる。記憶された配列の名前をユーザに表示した後、プロセス200は判断状態218へと移行し、ここでデータベース中にさらに配列が存在するかどうかの決定が下される。データベース中にさらに配列が存在しない場合は、プロセス200は最終状態220で終了する。しかし、データベース中にさらに配列が存在する場合は、プロセス200は状態224へと移行し、ここで新しい配列と比較することができるようにポインタがデータベース中の次の配列へと移動する。このように、新しい配列とデータベース中のすべての配列とのアラインメントおよび比較を行う。
判断状態212で配列が相同的でないという決定が下された場合は、データベース中の他のいずれかの配列が比較に利用可能かどうかを決定するために、プロセス200はすぐに判断状態218へと移行することに注意されたい。
したがって、本発明の一実施形態は、プロセッサと、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列がその上に記憶されたデータ記憶デバイスと、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と比較する参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列がその上に検索可能に記憶されたデータ記憶デバイスと、比較を実施するための配列比較器とを含むコンピュータシステムである。配列比較器は、比較した配列間の相同レベルを示すか、または上述の核酸コード中に本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、もしくは本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の構造モチーフを同定するか、またはこれらの核酸コードおよびポリペプチドコードと比較した配列中の構造モチーフを同定し得る。一部の実施形態では、データ記憶デバイスには、その上に、本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の、少なくとも2、5、10、15、20、25、30または40個以上の配列が記憶されていてよい。
本発明の別の実施形態は、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、参照ヌクレオチド配列との間の相同性のレベルを決定する方法である。この方法には、相同レベルを決定するコンピュータプログラムを使用することによって核酸コードまたはポリペプチドコードおよび参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列を読み取ること、ならびにコンピュータプログラムを用いて核酸コードまたはポリペプチドコードと参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列との間の相同性を決定することが含まれる。コンピュータプログラムは、本明細書中の具体的に列挙したもの(初期設定パラメータまたは任意の変更したパラメータを用いたBLAST2Nなど)を含めて、相同レベルを決定するためのいくつかのコンピュータプログラムのうちの任意のものであり得る。この方法は、上述のコンピュータシステムを用いて実行し得る。また、この方法は、コンピュータプログラムを用いることによって上述の本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の、少なくとも2、5、10、15、20、25、30または40個以上を読み取り、核酸コードまたはポリペプチドコードと参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列との間の相同性を決定することによっても行い得る。
図11は、2つの配列が相同的であるかどうかを決定するためのコンピュータ内のプロセス250の一実施形態を例示する流れ図である。プロセス250は開始状態252から開始され、その後状態254へと移行し、ここで比較する第1の配列をメモリに記憶させる。その後、状態256で比較する第2の配列をメモリに記憶させる。その後、プロセス250は状態260へと移行し、ここで第1の配列中の最初の文字を読み取り、その後、状態262へと移行し、ここで第2の配列の最初の文字を読み取る。配列がヌクレオチド配列である場合、文字は通常はA、T、C、GまたはUとなることが理解されよう。配列がタンパク質配列である場合、一部の実施形態では、これは単一文字のアミノ酸コードであり、第1および配列の配列を容易に比較することができる。
その後、判断状態264で2つの文字が同じであるかどうかの決定が下される。同じである場合は、プロセス250は状態268へと移行し、ここで第1および第2の配列中の次の文字を読み取る。その後、次の文字が同じであるかどうかの決定が下される。同じである場合は、プロセス250は2つの文字が同じでなくなるまでこのループを継続する。次の2つの文字が同じでないという決定が下された場合は、プロセス250は判断状態274へと移行して、どちらかの配列中に読み取る文字がまだそれ以上存在するかどうかを決定する。
読み取る文字がもうそれ以上存在しない場合は、プロセス250は状態276へと移行し、ここで第1および第2の配列の間の相同性のレベルをユーザに表示する。相同性のレベルは、第1の配列中の配列の合計数のうち、配列間で同じであった文字の割合を計算することによって決定する。したがって、第1の100個のヌクレオチド配列中のすべての文字が第2の配列中のすべての文字とアラインメントされた場合、相同レベルは100%となる。
あるいは、コンピュータプログラムは、本発明に従った核酸コードおよびそれと実質的に同一の配列が1つまたは複数の位置で参照核酸配列と異なるかどうかを決定するための、本発明で記載した核酸配列のヌクレオチド配列を、1つまたは複数の参照ヌクレオチド配列と比較するコンピュータプログラムであり得る。所望により、そのようなプログラムは、参照ポリヌクレオチドまたは本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列のどちらかの配列に関して、挿入、欠失または置換したヌクレオチドの長さおよびそれが何であるかを記録する。一部の実施形態では、コンピュータプログラムは、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列が、参照ヌクレオチド配列に関して一塩基多型(SNP)を含むかどうかを決定するプログラムであり得る。
したがって、本発明の別の実施形態は、核酸配列間の差異を同定するコンピュータプログラムを用いることによって核酸コードおよび参照ヌクレオチド配列を読み取る工程と、核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の差異をコンピュータプログラムで同定する工程とを含む、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列が、参照ヌクレオチド配列からの1つまたは複数のヌクレオチドで異なるかどうかを決定する方法である。一部の実施形態では、コンピュータプログラムは、一塩基多型を同定するプログラムである。この方法は、上述のコンピュータシステムおよび図11に例示した方法によって実行し得る。また、この方法は、本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列ならびに参照ヌクレオチド配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、または40個以上を、コンピュータプログラムを用いて読み取り、核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の差異をコンピュータプログラムで同定することによっても行い得る。
他の実施形態では、コンピュータに基づいたシステムは、本発明に従った核酸配列または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列内の特長を同定するための識別子をさらに含み得る。「識別子」とは、本発明に従った核酸配列、または本発明に従ったポリペプチド配列内の特定の特長を同定する1つまたは複数のプログラムをいう。一部の実施形態では、識別子は、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列中のオープンリーディングフレームを同定するプログラムを含み得る。
図12は、配列中の特長の存在を検出するための識別子プロセス300の一実施形態を例示する流れ図である。プロセス300は開始状態302から開始され、その後状態304へと移行し、ここで特長について検査する第1の配列をコンピュータシステム100内のメモリ115に記憶させる。その後、プロセス300は状態306へと移行し、ここで配列特長のデータベースが開かれる。そのようなデータベースには、それぞれの特長の属性および特徴の名前のリストが含まれるであろう。たとえば、特長の名前は「開始コドン」、属性は「ATG」とすることができる。別の例は、特長の名前が「TAATAAボックス」であり、特長の属性が「TAATAA」であろう。そのようなデータベースの例は、ウィスコンシン大学遺伝学コンピュータグループ(Genetics Computer Group)が作成している。あるいは、特長は、αへリックス、βシート、もしくは酵素活性部位などの機能的ポリペプチドモチーフ等の構造的ポリペプチドモチーフ、らせん−ターン−らせんモチーフまたは当業者に知られている他のモチーフであり得る。
状態306で特長のデータベースを開いた後、プロセス300は状態308へと移行し、ここで第1の特長をデータベースから読み取る。その後、第1の配列との第1の特長の属性の比較を状態310で行う。その後、判断状態316で特長の属性が第1の配列中に見つかったかどうかの決定を下す。属性が見つかった場合、プロセス300が状態318へと移行し、ここで見つかった特長の名前がユーザに表示される。
その後、プロセス300は判断状態320へと移行し、動く特長がデータベース中に存在するかどうかの決定を下す。特長がそれ以上存在しない場合は、プロセス300は最終状態324で終了する。しかし、データベース中にさらに特長が存在する場合は、プロセス300は次の配列特長を状態326で読み取り、一巡して状態310に戻り、ここで次の特長の属性を第1の配列に対して比較する。判断状態316で特長の属性が第1の配列中に見つからなかった場合は、データベース中に特長がまだそれ以上存在するかどうかを決定するために、プロセス300は判断状態320へと直接移行することに注意されたい。
したがって、本発明の別の実施形態は、含まれる特長を同定するコンピュータプログラムを用いることによって核酸コード(もしくは複数のコード)またはポリペプチドコード(もしくは複数のコード)を読み取ることと、核酸コード(または複数のコード)内の特長をコンピュータプログラムで同定することとを含む、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列内の特長を同定する方法である。一部の実施形態では、コンピュータプログラムは、オープンリーディングフレームを同定するコンピュータプログラムを含む。この方法は、単一の配列あるいは本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、もしくは40個以上を、コンピュータプログラムを用いて読み取り、核酸コードまたはポリペプチドコード内の特長をコンピュータプログラムで同定することによって行い得る。
本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列は、様々なフォーマットの様々なデータプロセッサプログラムで記憶および操作し得る。たとえば、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列を、Microsoft WORD(商標)もしくはWORDPERFECT(商標)などのワードプロセッシングファイルのテキストとして、またはDB2(商標)、SYBASE(商標)、もしくはORACLE(商標)などの当業者が精通している様々なデータベースプログラムのASCIIファイルとして記憶させ得る。さらに、多くのコンピュータプログラムおよびデータベースを、配列比較アルゴリズム、識別子、または本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、もしくは本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と比較する参照ヌクレオチド配列もしくはポリペプチド配列のソースとして用い得る。以下のリストは、本発明を限定することを意図するのではなく、本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列で有用なプログラムならびにデータベースに関する手引きを提供することを意図するものである。
使用し得るプログラムおよびデータベースには、それだけには限定されないが、MACPATTERN(商標)(EMBL)、DISCOVERYBASE(商標)(Molecular Applications Group)、GENEMINE(商標)(Molecular Applications Group)、LOOK(商標)(Molecular Applications Group)、MACLOOK(商標)(Molecular Applications Group)、BLASTおよびBLAST2(NCBI)、BLASTNおよびBLASTX(Altschul他、J.Mol.Biol.、215:403、1990)、FASTA(ピアソンおよびLipman、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:2444、1988)、FASTDB(Brutlag他、Comp.App.Biosci.、6:237〜245、1990)、CATALYST(商標)(Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE(商標)(Molecular Simulations Inc.)、Cerius2.DBAccess(商標)(Molecular Simulations Inc.)、HYPOGEN(商標)(Molecular Simulations Inc.)、INSIGHT II(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、DISCOVER(商標)(Molecular Simulations Inc.)、CHARMm(商標)(Molecular Simulations Inc.)、FELIX(商標)(Molecular Simulations Inc.)、DELPHI(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、QuanteMM(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、Homology(Molecular Simulations Inc.)、MODELER(商標)(Molecular Simulations Inc.)、ISIS(商標)(Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design(Molecular Simulations Inc.)、WebLab(Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer(Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer(Molecular Simulations Inc.)、SeqFold(Molecular Simulations Inc.)、MDL利用可能化学薬品ディレクトリー(MDL Available Chemicals Directory)データベース、MDL薬物データレポート(MDL Drug Data Report)データベース、包括的な医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)データベース、ダーウェント世界薬物インデックス(Derwents’s World Drug Index)データベース、BioByteMasterFileデータベース、GenbankデータベースならびにGenseqnデータベースが含まれる。本開示に鑑みて、多くの他のプログラムおよびデータベースが当業者に明らかであろう。
上記プログラムを用いて検出され得るモチーフには、ロイシンジッパー、らせん−ターン−らせんモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチン化部位、αへリックスおよびβシートをコードしている配列、コードされたタンパク質の分泌を指示するシグナルペプチドをコードしているシグナル配列、ホメオボックス、酸性ストレッチ、酵素活性部位、基質結合部位および酵素切断部位などの転写調節に関係する配列が含まれる。
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、ストリンジェントな条件下で、本発明に従った配列(配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338などとハイブリダイズする単離、合成または組換え核酸を提供する。ストリンジェントな条件は、高ストリンジェント条件、中等度ストリンジェント条件および/または低ストリンジェント条件であることができ、これには、本明細書中に記載の高いストリンジェンシーおよびストリンジェンシーを下げた条件が含まれる。一部の実施形態では、以下に記載のように、核酸が本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定する条件を指定するのは洗浄条件のストリンジェンシーである。
「ハイブリダイゼーション」とは、塩基対合によって核酸鎖が相補鎖と一緒になるプロセスをいう。特定の目的配列が低濃度で存在する試料中でも同定できるように、ハイブリダイゼーション反応は高感度かつ選択的であることができる。適切にストリンジェントな条件は、たとえば、プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション溶液中の塩もしくはホルムアミドの濃度、またはハイブリダイゼーション温度によって定義することができ、当分野で周知である。他の実施形態では、ストリンジェンシーは、塩の濃度を下げること、ホルムアミドの濃度を上げること、またはハイブリダイゼーション温度を上げることによって増加することができる。他の実施形態では、本発明に従った核酸は、本明細書中に記載のように様々なストリンジェンシー条件(高、中等度、および低など)下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
一部の実施形態では、高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションは、約50%のホルムアミド、約37℃〜42℃を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、約35%〜25%のホルムアミド、約30℃〜35℃のストリンジェンシーを下げた条件を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、42℃、50%のホルムアミド、5×SSPE、0.3%のSDSおよび200μg/mlの変性剪断サケ精子DNAなどの高ストリンジェンシー条件を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、これらのストリンジェンシーを下げた条件を含むが、35%のホルムアミド、35℃の下げた温度である。特定のストリンジェンシーレベルに対応する温度範囲は、目的核酸のプリン対ピリミジン比を計算し、しかるべく温度を調節することによってさらに狭めることができる。上記範囲および条件の変化は当分野で周知である。
他の実施形態では、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするその能力によって定義される本発明に従った核酸は、本発明に従った核酸の約5個の残基〜完全長であることができ、たとえば、長さは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000個以上の残基であることができる。完全長よりも短い核酸も含まれる。これらの核酸は、ハイブリダイゼーションプローブ、標識プローブ、PCRオリゴヌクレオチドプローブ、siRNAもしくはmiRNA(一本鎖もしくは二本鎖)、アンチセンスまたは抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、活性部位などをコードしている配列等として有用な可能性がある。
一部の実施形態では、本発明に従った核酸は、約50%のホルムアミド、約37℃〜42℃の条件を含む高ストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力によって定義される。一部の実施形態では、本発明に従った核酸は、約35%〜25%のホルムアミド、約30℃〜35℃の条件を含む下げたストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
あるいは、本発明に従った核酸は、42℃、50%のホルムアミド、5×SSPE、0.3%のSDS、およびcot−1またはサケ精子DNA(200μg/mlの変性剪断サケ精子DNAなど)等の反復配列遮断核酸の条件を含む高ストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力によって定義される。一部の実施形態では、本発明に従った核酸は、35%または40%のホルムアミド、35℃または42℃の下げた温度を含むストリンジェンシーを下げた条件下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
核酸ハイブリダイゼーション反応では、特定のストリンジェンシーレベルを達成するために用いる条件は、ハイブリダイズさせる核酸の性質に応じて変化する。たとえば、ハイブリダイゼーション条件を選択する際に、核酸のハイブリダイズ領域の長さ、相補性の度合、ヌクレオチド配列の組成(GC対ATの含有率など)および核酸の種類(RNA対DNAなど)を考慮することができる。さらなる考慮事項は、核酸の一方をたとえばフィルター上に固定するかどうかである。
ハイブリダイゼーションは、低ストリンジェンシー、中等度ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーの条件下で実施し得る。核酸ハイブリダイゼーションの一例として、固定した変性核酸を含むポリマー膜を最初に、30分間、45℃で、0.9MのNaCl、50mMのNaH2PO4、pH7.0、5.0mMのNa2EDTA、0.5%のSDS、10×デンハルト溶液および0.5mg/mlのポリリボアデニル酸からなる溶液中でプレハイブリダイズさせる。その後、約2×107cpm(特異的活性4〜9×108cpm/μg)の32Pで末端標識したオリゴヌクレオチドプローブを溶液に加える。12〜16時間インキュベーションした後、膜を30分間、室温で、0.5%のSDSを含む1×SET(150mMのNaCl、20mMのトリス塩酸、pH7.8、1mMのNa2EDTA)で洗浄し、続いてオリゴヌクレオチドプローブについて新鮮な1×SET、Tm−10℃で30分間洗浄した。その後、ハイブリダイゼーションシグナルを検出するために膜を自動放射線用フィルムに曝露する。前述のハイブリダイゼーションのすべてが、高ストリンジェンシーの条件下にあるとみなされるであろう。
ハイブリダイゼーションに続いて、非特異的に結合した検出可能なプローブをすべて除去するためにフィルターを洗浄することができる。フィルターの洗浄に用いるストリンジェンシーも、ハイブリダイズさせる核酸の性質、ハイブリダイズさせる核酸の長さ、相補性の度合、ヌクレオチド配列の組成(GC対ATの含有率など)および核酸の種類(RNA対DNAなど)に応じて変化させることができる。漸次的に高くなるストリンジェンシー条件の洗浄の例は以下のとおりである:2×SSC、0.1%のSDS、室温で15分間(低ストリンジェンシー);0.1×SSC、0.5%のSDS、室温で30分間〜1時間(中等度ストリンジェンシー);0.1×SSC、0.5%のSDS、ハイブリダイゼーション温度〜68℃で15〜30分間(高ストリンジェンシー);および0.15MのNaCl、72℃で15分間(非常に高いストリンジェンシー)。最終的な低ストリンジェンシーの洗浄は、0.1×SSC中、室温で実施することができる。上記例は、フィルターを洗浄するために用いることができる一組の条件の単なる例示である。当業者は、様々なストリンジェンシーの洗浄の数々のレシピが存在することを知っているであろう。他の例の一部を以下に示す。
一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、1×150mMのNaCl、20mMのトリス塩酸、pH7.8、1mMのNa2EDTA、0.5%のSDSを含む溶液中、30分間、室温での洗浄、続いて新鮮な溶液中の30分間の洗浄を含む洗浄工程を含む。
プローブとハイブリダイズした核酸は、オートラジオグラフィーまたは他の慣用技術によって同定する。
上記手順は、プローブ配列に対する配列同一性(相同性)のレベルが低下している核酸を同定するために変更し得る。たとえば、検出可能なプローブに対する配列同一性(相同性)が低下した核酸を得るためには、ストリンジェンシーがより低い条件を用い得る。たとえば、約1MのNa+濃度を有するハイブリダイゼーション緩衝液中で、ハイブリダイゼーション温度を68℃〜42℃に5℃単位で低下させ得る。ハイブリダイゼーションに続いて、フィルターをハイブリダイゼーションの温度で2×SSC、0.5%のSDSで洗浄し得る。これらの条件は、50℃より高い場合は「中等度」条件、50℃より低い場合は「低」条件とみなされる。「中等度」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを55℃で実施する場合である。「低ストリンジェンシー」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを45℃で実施する場合である。
あるいは、ハイブリダイゼーションは、ホルムアミドを含む6×SSCなどの緩衝液中、42℃の温度で実施し得る。この場合、プローブに対する相同性のレベルが低下したクローンを同定するために、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度を50%〜0%に5%単位で低下させ得る。ハイブリダイゼーションに続いて、フィルターを6×SSC、0.5%のSDSで、50℃で洗浄し得る。これらの条件は、25%のホルムアミドより高い場合は「中等度」条件、25%のホルムアミドより低い場合は「低」条件とみなされる。「中等度」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを30%のホルムアミドで実施する場合である。「低ストリンジェンシー」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを10%のホルムアミドで実施する場合である。
しかし、ハイブリダイゼーション様式の選択は重大でない場合があり、核酸が本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定する条件を示すのは洗浄条件のストリンジェンシーである。本発明に従った範囲内にある核酸を同定するために用いる洗浄条件には、約0.02モーラーの塩濃度、pH7、少なくとも約50℃もしくは約55℃〜約60℃の温度;または、約0.15MのNaClの塩濃度、72℃で約15分間;または、約0.2×SSCの塩濃度、少なくとも約50℃もしくは約55℃〜約60℃の温度で約15〜約20分間;または、ハイブリダイゼーション複合体を、約2×SSCの塩濃度を有する0.1%のSDSを含む溶液で2回、室温で15分間洗浄し、その後、0.1%のSDSを含む0.1×SSCで2回、68℃で15分間洗浄する;または、等価条件などが含まれる。SSC緩衝液および等価条件の説明については、Sambrook編、分子クローニング:実験室の手引き(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL)(第2版)、第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory(1989)、生化学および分子生物学の実験室技術:核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション、パートI.理論および核酸の調製(LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY:HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES,Part I.Theory and Nucleic Acid Preparation)、Tijssen編、Elsevier、ニューヨーク(1993)ならびにAusbel編、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク(1997)を参照されたい。
これらの方法を用いて、本発明に従った核酸およびそれと実質的に同一の配列を単離または同定し得る。たとえば、前述の方法を用いて、本発明に従った配列およびそれと実質的に同一の配列、または少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続したその塩基を含む断片、ならびにそれらに相補的な配列の1つからなる群から選択された核酸配列に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性(相同性)を有する配列を有する核酸を単離または同定し得る。配列同一性(相同性)は、アラインメントアルゴリズムを用いて測定し得る。たとえば、相同ポリヌクレオチドは、明細書中に記載のコード配列の1つの天然に存在する対立遺伝子変異体であるコード配列を有し得る。そのような対立遺伝子変異体は、本発明に従った核酸と比較した場合に1つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有し得る。さらに、上記手順を用いて、配列アラインメントアルゴリズム(初期設定パラメータを使用したFASTAバージョン3.0t78アルゴリズムなど)を用いて決定して、本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対して、少なくとも約99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性(相同性)を有するポリペプチドをコードしている核酸を単離し得る。
オリゴヌクレオチドプローブおよびその使用方法
本発明はまた、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性を有するポリペプチドをコードしている核酸もしくはその断片を同定、増幅、もしくは単離するため、または、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の遺伝子を同定するためなどに用いることができる核酸プローブも提供する。一部の実施形態では、プローブは、本発明に従った核酸の少なくとも約10個の連続した塩基を含む。あるいは、本発明に従ったプローブは、本発明に従った核酸で示した配列の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150または約10〜50、約20〜60、約30〜70個の連続した塩基であることができる。プローブは、結合および/またはハイブリダイゼーションによって核酸を同定する。プローブは、毛細アレイなどを含めた本発明に従ったアレイで使用することができる(以下の記述参照)。本発明に従ったプローブは、他の核酸またはポリペプチドを単離するために用いることもできる。
本発明に従った単離、合成または組換え核酸、それらに相補的な配列、あるいは本発明に従った配列の1つの少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続した塩基を含む断片、またはそれらに相補的な配列は、土壌試料などの生体試料が、本発明に従った核酸配列を有する生物または得られた核酸が由来する生物を含むかどうかを決定するためのプローブとしても用い得る。そのような手順では、単離された核酸が由来する生物を潜在的に保有する生体試料を得て、核酸を試料から得る。核酸をプローブと、プローブが、それ中に存在する任意の相補配列と特異的にハイブリダイズすることを許容する条件下で、接触させる。
必要な場合は、プローブが相補配列と特異的にハイブリダイズすることを許容する条件は、プローブを、相補配列を含むことが知られている試料からの相補配列および相補配列を含まない制御配列と接触させることによって決定し得る。ハイブリダイゼーション緩衝液の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド濃度、またはハイブリダイゼーション温度などのハイブリダイゼーション条件を変化させて、プローブが相補核酸と特異的にハイブリダイズすることを可能にする条件を同定し得る。
試料が、単離した核酸が由来する生物を含む場合は、その後、プローブの特異的ハイブリダイゼーションを検出する。ハイブリダイゼーションは、プローブを、放射性同位体、蛍光色素または検出可能な生成物の形成を触媒できる酵素などの検出可能な薬剤で標識することによって検出し得る。
当業者は、標識したプローブを用いて試料中の相補核酸の存在を検出する多くの方法に精通している。これらには、サザンブロット、ノーザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション手順およびドットブロットが含まれる。これらの手順のそれぞれのプロトコルは、Ausbel他、分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、John Wiley&Sons,Inc.(1997)およびSambrook他、分子クローニング:実験室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に提供されている。
あるいは、複数のプローブ(その少なくとも1つは核酸試料中に存在する任意の相補配列と特異的にハイブリダイズできる)を、試料が本発明に従った核酸配列を含む生物(単離した核酸が由来する生物など)を含むかどうかを決定するための増幅反応で使用し得る。一部の実施形態では、プローブはオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、増幅反応はPCR反応を含み得る。PCRプロトコルはAusbelおよびSambrook、上記に記載されている。あるいは、増幅はリガーゼ連鎖反応、3SR、または鎖置換反応を含み得る。(Barany,F.、「PCR世界におけるリガーゼ連鎖反応(The Ligase Chain Reaction in a PCR World))」、PCR Methods and Applications、1:5〜16、1991;E.Fahy他、「自立した配列複製(3SR):PCRに替わる等温転写に基づいた増幅系(Self−sustained Sequence Replication(3SR):An Isothermal Transcription−based Amplification System Alternative to PCR」、PCR Methods and Applications、1:25〜33、1991;およびWalker G.T.他、「鎖置換増幅−等温のin vitroDNA増幅技術(Strand Displacement Amplification−an Isothermal in vitro DNA Amplification Technique)」、Nucleic Acid Research、20:1691〜1696、1992参照)。そのような手順では、試料中の核酸をプローブと接触させ、増幅反応を行い、生じるすべての増幅産物を検出する。増幅産物は、反応生成物のゲル電気泳動を行い、ゲルを臭化エチジウムなどの干渉物質で染色することによって検出し得る。あるいは、プローブの1つまたは複数を放射性同位体で標識してもよく、ゲル電気泳動後にオートラジオグラフィーによって放射性増幅産物の存在を検出してもよい。
また、本発明に従った配列の末端付近の配列に由来するプローブは、本発明に従った配列に隣接して位置するゲノム配列を含むクローンを同定するための染色体歩行手順にも用い得る。そのような方法は、宿主生物由来のさらなるタンパク質をコードしている遺伝子の単離を可能にする。
一部の実施形態では、本発明に従った単離、合成または組換え核酸、それらに相補的な配列、あるいは本発明に従った配列の1つの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個以上の連続した塩基の断片、またはそれらに相補的な配列を、関連する核酸を同定および単離するためのプローブとして用いる。一部の実施形態では、関連する核酸は、核酸を単離した生物以外の生物からのcDNAまたはゲノムDNAであり得る。たとえば、他の生物は関連生物であり得る。このような手順では、核酸試料をプローブと、プローブが関連配列と特異的にハイブリダイズすることを許容する条件下で接触させる。その後、上述の任意の方法を用いてプローブと関連生物からの核酸とのハイブリダイゼーションを検出する。
検出可能なプローブとハイブリダイズするcDNAまたはゲノムDNAなどの核酸を同定するために用いるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変化させることによって、プローブに対して様々な相同性のレベルを有する核酸を同定および単離することができる。プローブの融解温度未満の変動する温度でハイブリダイゼーションを実施することによって、ストリンジェンシーを変動させ得る。融解温度Tmとは、標的配列の50%が完全に相補的なプローブとハイブリダイズする温度である(定義されたイオン強度およびpHの下で)。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブのTmと同じまたはそれよりも約5℃低くなるように選択する。プローブの融解温度は以下の式を用いて計算し得る:
長さが14〜70個のヌクレオチドのプローブには、融解温度(Tm)は式:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(画分G+C)−(600/N)[式中、Nはプローブの長さである]を用いて計算する。
ホルムアミドを含む溶液中でハイブリダイゼーションを実施する場合は、融解温度は方程式:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(画分G+C)−(0.63%のホルムアミド)−(600/N)[式中、Nはプローブの長さである]を用いて計算し得る。
プレハイブリダイゼーションは、6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%のSDS、100μg/mlの変性断片化サケ精子DNAまたは6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%のSDS、100μg/mlの変性断片化サケ精子DNA、50%のホルムアミド中で実施し得る。SSCおよびデンハルト溶液の配合はSambrook他、上記に記載されている。
一部の実施形態では、ハイブリダイゼーションは、検出可能なプローブを上記のプレハイブリダイゼーション溶液に加えることによって実施する。プローブが二本鎖DNAを含む場合は、ハイブリダイゼーション溶液に加える前に変性させる。一部の実施形態では、フィルターをハイブリダイゼーション溶液と、プローブがそれに相補的または相同的な配列を含むcDNAまたはゲノムDNAとハイブリダイズすることを可能にするために十分な時間、接触させる。長さが200個のヌクレオチドを超えるプローブでは、ハイブリダイゼーションをTmより15〜25℃下で実施し得る。オリゴヌクレオチドプローブなどのより短いプローブでは、ハイブリダイゼーションをTmより5〜10℃下で実施し得る。一部の実施形態では、6×SSC中でのハイブリダイゼーションでは、ハイブリダイゼーションを約68℃で実施する。通常、50%のホルムアミドを含む溶液中でのハイブリダイゼーションでは、ハイブリダイゼーションを約42℃で実施する。
アルドラーゼ酵素の発現の阻害
本発明は、アルドラーゼ酵素をコードしている核酸などの本発明に従った核酸に相補的な核酸(それのアンチセンス配列など)、たとえばアンチセンス、siRNA、miRNA、リボザイムを含む核酸を提供する。アンチセンス配列を含む本発明に従った核酸は、アルドラーゼ酵素をコードしている遺伝子の輸送、スプライシングまたは転写を阻害する能力を有することができる。阻害は、ゲノムDNAまたはメッセンジャーRNAの標的化によって達成することができる。標的とした核酸の転写または機能は、たとえば、ハイブリダイゼーションおよび/または切断によって阻害することができる。本発明によって提供される一組の例示的な阻害剤には、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の遺伝子またはメッセージのどちらかと結合することができるオリゴヌクレオチドが含まれ、どちらの場合にも、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の生成または機能が妨げられるまたは阻害される。会合は、配列に特異的なハイブリダイゼーションによるものであることができる。別の有用な阻害剤のクラスには、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のメッセージの失活または切断を引き起こすオリゴヌクレオチドが含まれる。オリゴヌクレオチドは、そのような切断を引き起こす酵素活性、たとえばリボザイムを有することができる。オリゴヌクレオチドは、化学修飾されているか、または相補核酸を切断することができる酵素または組成物にコンジュゲートされていることができる。多くの様々なそのようなオリゴヌクレオチドのプールを、所望の活性を有するものについてスクリーニングすることができる。したがって、本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現を核酸および/またはタンパク質レベルで阻害するための様々な組成物、たとえば、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の配列ならびに本発明に従った抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼ抗体を含むアンチセンス、siRNA、miRNAおよびリボザイムを提供する。
HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現の阻害は、様々な産業上の利用を有することができる。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現の阻害は、腐敗を遅延または防止することができる。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現および/または活性を阻害する本発明に従った組成物、たとえば抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNAおよびmiRNAの使用を用いて、腐敗を遅延または防止する。したがって、一部の実施形態では、本発明は、腐敗を遅延または防止するために植物または植物生成物(穀類、穀粒、果実、種子、根、葉など)に本発明に従った抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNAおよびmiRNAを塗布することを含む方法および組成物を提供する。これらの組成物はまた、植物(トランスジェニック植物など)または別の生物(本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の遺伝子で形質転換した細菌もしくは他の微生物など)によって発現させることもできる。
HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現を阻害するための本発明に従った組成物(アンチセンス、iRNA、リボザイム、抗体など)は、医薬組成物、たとえば抗病原体剤として、または他の治療、たとえばサルモネラなどの抗菌剤として用いることができる。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のメッセージと結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、これは、一部の実施形態では、mRNAを標的化することによってHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を阻害することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する戦略は科学論文および特許文献に十分に記載されており、当業者は、本発明に従った新規試薬を用いてそのようなHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のオリゴヌクレオチドを設計することができる。たとえば、有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドをスクリーニングするための遺伝子歩行/RNAマッピングプロトコルは当分野で周知であり、標準の分子学的技術に基づいて強力なアンチセンス配列選択のための容易かつ信頼性のある方法を提供するRNAマッピングアッセイを記載している、Ho(2000)Methods Enzymol.、314:168〜183を参照されたい。Smith(2000)Eur.J.Pharm.Sci.、11:191〜198も参照されたい。
天然に存在する核酸をアンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の長さであることができる。たとえば、他の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは約5〜約100、約10〜約80、約15〜約60、約18〜約40である。最適な長さは日常的なスクリーニングによって決定することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の濃度で存在することができる。最適な濃度は日常的なスクリーニングによって決定することができる。この潜在的な問題に対処することができる多種多様の合成の天然に存在しないヌクレオチドおよび核酸類似体が知られている。たとえば、N−(2−アミノエチル)グリシン単位などの非イオン主鎖を含むペプチド核酸(PNA)を使用することができる。国際公開第97/03211号;国際公開第96/39154号;Mata(1997)Toxicol Appl Pharmacol、144:189〜197;アンチセンス治療学(Antisense Therapeutics)、Agrawal編(Humana Press、ニュージャージー州Totowa、1996)に記載のように、ホスホロチオエート結合を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドも用いることができる。本発明によって提供される合成DNA主鎖類似体を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドには、上述のように、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、ホスホラミデート、アルキルリン酸トリエステル、スルファメート、3’−チオアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3’−N−カルバメート、およびモルホリノカルバメートの核酸も含まれることができる。
コンビナトリアル化学方法を用いて、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のセンスおよびアンチセンスアルドラーゼの酵素の配列などの任意の標的に対して適切な結合親和性および特異性を有する特異的オリゴヌクレオチドについて迅速にスクリーニングすることができる膨大な数のオリゴヌクレオチドを作製することができる(Gold(1995)J.of Biol.Chem.、270:13581〜13584参照)。
阻害性リボザイム
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のメッセージと結合することができるリボザイムを提供する。これらのリボザイムは、mRNAを標的化することなどによって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性を阻害することができる。標的化のためにリボザイムを設計し、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素に特異的なアンチセンス配列を選択する戦略は科学論文および特許文献に十分に記載されており、当業者は、本発明に従った新規試薬を用いてそのようなリボザイムを設計することができる。リボザイムは、標的RNAを切断するRNAの酵素部分の非常に近くに維持されるリボザイムの標的RNA結合部分によって標的RNAと結合することによって作用する。したがって、リボザイムは相補的塩基対合によって標的RNAを認識してそれと結合し、正しい部位と結合した後、酵素的に作用して標的RNAを切断および失活させる。そのような様式で標的RNAを切断することにより、切断がコード配列中に起こった場合はコードされているタンパク質の合成を指示するその能力が破壊される。リボザイムがそのRNA標的と結合してそれを切断した後、これは繰り返しRNAから放出されて新しい標的と結合してそれを切断することができる。
治療処置をもたらすために必要なリボザイムの有効濃度はアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも低いことができるので、一部の状況では、リボザイムの酵素性質は、アンチセンス技術(核酸分子が単に核酸標的と結合してその転写、翻訳または別の分子との会合を遮断する)などの他の技術よりも有利であることができる。この潜在的な利点は、リボザイムが酵素的に作用する能力を反映している。したがって、単一のリボザイム分子が多数の標的RNA分子を切断することができる。一部の実施形態では、リボザイムは特異性の高い阻害剤であり、阻害の特異性は、結合の塩基対合機構だけでなく、分子が、それが結合するRNAの発現を阻害する機構にも依存する。すなわち、阻害はRNA標的の切断によって引き起こされ、したがって、特異性は標的としたRNAの切断の割合対標的としていないRNAの切断の割合の比として定義される。この切断機構は、塩基対合に関与する要素に加えて他の要素に依存する。したがって、リボザイムの作用の特異性は、同じRNA部位と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも大きい場合がある。
酵素リボザイムRNA分子などの本発明に従ったリボザイムは、RNAガイド配列と会合したハンマーヘッドモチーフ、ヘアピンモチーフ、肝炎δウイルスモチーフとして、第I群イントロンモチーフおよび/またはRNaseP様RNAで形成させることができる。ハンマーヘッドモチーフの例はRossi(1992)Aids Research and Human Retroviruses、8:183などによって記載されており、ヘアピンモチーフはHampel(1989)Biochemistry、28:4929およびHampel(1990)Nuc.Acids Res.、18:299によって記載されており、肝炎δウイルスモチーフはPerrotta(1992)Biochemistry、31:16によって記載されており、RNasePモチーフはGuerrier−Takada(1983)Cell、35:849によって記載されており、第I群イントロンはCechの米国特許第4,987,071号によって記載されている。これら特定のモチーフの列挙は限定することを意図しない。当業者は、本発明の酵素RNA分子などの本発明に従ったリボザイムが、標的遺伝子のRNA領域の1つまたは複数に相補的な特異的基質結合部位を有することができることを理解されよう。本発明に従ったリボザイムは、分子にRNA切断活性を与える基質結合部位内またはその周辺にヌクレオチド配列を有することができる。
RNA干渉(RNAi)
一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の配列を含む、RNA阻害分子、いわゆる「RNAi」分子を提供する。RNAi分子は、siRNA、miRNAおよび/または短ヘアピンRNA(shRNA)分子などの二本鎖RNA(dsRNA)分子を含むことができる。siRNA(阻害性小RNA)および/またはmiRNA(マイクロRNA)などのRNAi分子は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の遺伝子の発現を阻害することができる。一部の実施形態では、siRNAおよび/またはmiRNAなどのRNAi分子の長さは、約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29個以上の二重鎖ヌクレオチドである。本発明はどの特定の作用機構にも限定されないが、RNAiは細胞に入って内在mRNAを含めた類似または同一の配列の一本鎖RNA(ssRNA)の分解を引き起こすことができる。細胞が二本鎖RNA(dsRNA)に曝された際、相同遺伝子からのmRNAはRNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスによって選択的に分解される。RNAiの背後にある可能な基本的機構は、特定の遺伝子配列とマッチする二本鎖RNA(dsRNA)を短干渉RNAと呼ばれる短い小片へと切断することであり、これは、その配列にマッチするmRNAの分解を始動する。一部の実施形態では、本発明に従ったRNAiは遺伝子サイレンシング治療で用い、Shuey(2002)Drug Discov.Today、7:1040〜1046を参照されたい。一部の実施形態では、本発明は、siRNAおよび/またはmiRNAなどの本発明に従ったRNAi分子を用いてRNAを選択的に分解する方法を提供する。このプロセスは、in vitro、ex vivoまたはin vivoで実施し得る。一部の実施形態では、本発明に従ったRNAi分子を用いて、細胞、器官または動物における機能喪失突然変異を生じさせることができる。
一態様では、RNAiの細胞内導入は、吸着したRNAi(マイクロRNAなど)を含むRNA結合タンパク質上に結合した標的細胞特異的リガンドの内部移行によるものである。リガンドは固有の標的細胞表面抗原に特異的である。リガンドは細胞表面抗原と結合した後に自発的に内部移行されることができる。固有の細胞表面抗原がそのリガンドと結合した後に自然に内部移行されない場合は、アルギニンに富んだペプチドもしくは他の膜透過性ペプチドを、リガンドもしくはRNA結合タンパク質の構造に取り込ませることによって、またはそのようなペプチドをリガンドもしくはRNA結合タンパク質に付着させることによって、内部移行を促進することができる。米国特許出願公開第20060030003号、第20060025361号、第20060019286号、第20060019258号を参照されたい。一態様では、本発明は、本発明の核酸を、RNAi分子を含む核酸−脂質粒子として細胞に導入するなど送達するための、脂質に基づいた配合物を提供する。たとえば、米国特許出願公開第20060008910号を参照されたい。
核酸の修飾−本発明の変異酵素の作製
本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードしているものなどの本発明に従った核酸の変異体を作製する方法を提供する。これらの方法は、鋳型核酸によってコードされているピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素とは、変化したもしくは異なる活性または変化したもしくは異なる安定性を有する、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を作製するために、繰り返してまたは様々な組合せで用いることができる。これらの方法はまた、遺伝子/メッセージの発現、メッセージの翻訳またはメッセージの安定性に変化を生じさせるなどのためにも、繰り返してまたは様々な組合せで用いることができる。他の実施形態では、細胞の遺伝組成は、ex vivoで相同遺伝子を修飾し、続いてそれを細胞内に再挿入することなどによって変化させる。
本発明に従った核酸は任意の手段によって変化させることができる。たとえば、ランダム、すなわち確率的方法、または非確率的、すなわち「定方向進化」の方法があり、米国特許第6,361,974号を参照されたい。遺伝子のランダム突然変異方法は当分野で周知であり、米国特許第5,830,696号を参照されたい。たとえば、突然変異誘発を用いて遺伝子をランダムに突然変異させることができる。突然変異誘発には、たとえば、紫外光もしくはγ照射、またはマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレンなどの化学突然変異誘発を、単独または組み合わせてものが含まれ、組換えによって修復可能なDNAの切断を導入する。他の化学突然変異誘発には、たとえば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンまたはギ酸が含まれる。他の突然変異誘発は、ニトロソグアニジン、5−ブロモウラシル、2−アミノプリン、またはアクリジンなどのヌクレオチド前駆体の類似体である。これらの薬剤をヌクレオチド前駆体の替わりにPCR反応に加えて、配列を突然変異させることができる。プロフラビン、アクリフラビン、キナクリンなどの挿入剤も用いることができる。
ランダムPCR突然変異誘発(Rice(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:5467〜5471参照)、またはコンビナトリアル複数カセット突然変異誘発(Crameri(1995)Biotechniques、18:194〜196参照)などの、分子生物学の任意の技術を用いることができる。あるいは、遺伝子などの核酸を、ランダム、すなわち「確率的」な断片化後に再アセンブリすることができ、米国特許第6,291,242号、第6,287,862号、第6,287,861号、第5,955,358号、第5,830,721号、第5,824,514号、第5,811,238号、第5,605,793号を参照されたい。他の実施形態では、修飾、付加または欠失は、誤りがちなPCR、シャフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリPCR、性的PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、反復アンサンブル突然変異誘発、指数関数的アンサンブル突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再アセンブリ(GeneReassemblyなど、米国特許第6,537,776号参照)、遺伝子部位飽和突然変異誘発(Gene Site Saturation Mutagenesis、GSSM)、合成ライゲーション再アセンブリ(SLR)、組換え、反復配列組換え、ホスホチオエート修飾したDNAの突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップ二重鎖突然変異誘発、点ミスマッチ修復突然変異誘発、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限−選択突然変異誘発、制限−精製突然変異誘発、人工遺伝子合成、アンサンブル突然変異誘発、キメラ核酸多量体作製、染色体飽和突然変異誘発(Chromosomal Saturation Mutagenesis、CSM)ならびに/またはこれらおよび他の方法の組合せによって導入する。
以下の出版物は、本発明に従った方法に組み込むことができる様々な反復組換え手順および/または方法について記載している:Stemmer(1999)「標的化および他の臨床的特性のための分子育種(Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties)」、Tumor Targeting、4:1〜4;Ness(1999)、Nature Biotechnology、17:893〜896;Chang(1999)「DNAファミリーシャフリングを用いたサイトカインの(Evolution of a cytokine using DNA family shuffling)」、Nature Biotechnology、17:793〜797;Minshull(1999)「分子育種によるタンパク質進化(Protein evolution by molecular breeding)」、Current Opinion in Chemical Biology、3:284〜290;Christians(1999)「DNAファミリーシャフリングを用いたAZTをリン酸化するためのチミジンキナーゼの定方向進化(Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling)」、Nature Biotechnology、17:259〜264;Crameri(1998)「多様な種由来の遺伝子のファミリーのDNAシャフリング定方向進化を加速させる(DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution)」、Nature、391:288〜291;Crameri(1997)「DNAシャフリングによるヒ酸塩解毒経路の分子進化(Molecular evolution of an arsenate detoxification pathway by DNA shuffling)」、Nature Biotechnology、15:436〜438;Zhang(1997)「DNAシャフリングおよびスクリーニングによるガラクトシダーゼからの有効なフコシダーゼの定方向進化(Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screening)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:4504〜4509;Patten他(1997)「DNAシャフリングの医薬品およびワクチンへの適用(Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines)」、Current Opinion in Biotechnology、8:724〜733;Crameri他(1996)「DNAシャフリングによる抗体−ファージライブラリーの構築および進化(Construction and evolution of antibody−phage libraries by DNA shuffling)」、Nature Medicine、2:100〜103;Gates他(1996)「lacリプレッサー「ヘッドピース二量体」上のディスプレイによるペプチドライブラリーからのリガンドの親和性選択的単離(Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor ’headpiece dimer’)」、Journal of Molecular Biology、255:373〜386;Stemmer(1996)「性的PCRおよびアセンブリPCR(Sexual PCR and Assembly PCR)」、分子生物学百科事典(The Encyclopedia of Molecular Biology)、VCH Publishers、ニューヨーク、ページ447〜457;CrameriおよびStemmer(1995)「コンビナトリアル複数カセット突然変異誘発突然変異体および野生型カセットのすべての順列を作製する(Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes)」BioTechniques、18:194〜195;Stemmer他(1995)「遺伝子および全プラスミドの一工程アセンブリにより多数のオリゴデオキシリボヌクレオチドが形成される(Single−step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides)」、Gene、164:49〜53;Stemmer(1995)「分子計算の進化(The Evolution of Molecular Computation)」、Science、270:1510;Stemmer(1995)「配列スペースの検索(Searching Sequence Space」、Bio/Technology、13:549〜553;Stemmer(1994)「DNAシャフリングによるin vitroのタンパク質の迅速な進化(Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling)」、Nature、370:389〜391;ならびにStemmer(1994)「ランダム断片化およびアセンブリによるDNAシャフリング:分子進化のためのin vitro組換え(DNA shuffling by random fragmentation and reassembly:In vitro recombination for molecular evolution.)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91:10747〜10751。
多様性を生じさせる突然変異方法には、たとえば、部位特異的突然変異誘発(Ling他(1997)「DNA突然変異誘発の手法:概要(Approaches to DNA mutagenesis:an overview」、Anal Biochem.、254(2):157〜178;Dale他(1996)「ホスホロチオエート方法を用いたオリゴヌクレオチド特異的ランダム突然変異誘発(Oligonucleotide−directed random mutagenesis using the phosphorothioate method)」、Methods Mol.Biol.,57:369〜374;Smith(1985)「In vitro突然変異誘発(In vitro mutagenesis)」、Ann.Rev.Genet.、19:423〜462;BotsteinおよびShortle(1985)「in vitro突然変異誘発の戦略および応用(Strategies and applications of in vitro mutagenesis)」、Science、229:1193〜1201;Carter(1986)「部位特異的突然変異誘発(Site−directed mutagenesis)」、Biochem.J.237:1〜7;ならびにKunkel(1987)「オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発の効率(The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis)」、Nucleic Acids & Molecular Biology(Eckstein,F.およびLilley,D.M.J.編、Springer Verlag、ベルリン));ウラシル含有鋳型を用いた突然変異誘発(Kunkel(1985)「表現型選択を用いない迅速かつ効率的な部位特異的突然変異誘発(Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:488〜492;Kunkel他(1987)「表現型選択を用いない迅速かつ効率的な 部位特異的突然変異誘発(Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection)」、Methods in Enzymol.、154、367〜382;およびBass他(1988)「新規DNA結合特異性を有する突然変異Trpリプレッサー(Mutant Trp repressors with new DNA−binding specificities)」、Science、242:240〜245);オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Methods in Enzymol.、100:468〜500(1983);Methods in Enzymol.、154:329〜350(1987);Zoller(1982)「M13由来のベクターを用いたオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発:任意のDNA断片中に点突然変異を生じる効率的かつ一般的な手順(Oligonucleotide−directed mutagenesis using M13−derived vectors:an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment)」、Nucleic Acids Res.、10:6487〜6500;ZollerおよびSmith(1983)「M13ベクター内にクローニングしたDNA断片のオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Oligonucleotide−directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors)」、Methods in Enzymol.、100:468〜500;ならびにZoller(1987)、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発:2つのオリゴヌクレオチドプライマーおよび1つの一本鎖DNA鋳型を用いた単純方法(Oligonucleotide−directed mutagenesis:a simple method using two oligonucleotide primers and a single−stranded DNA template)」、Methods in Enzymol.、154:329〜350);ホスホロチオエート修飾したDNA突然変異誘発(Taylor(1985)「ニックの入ったDNAを調製するための制限酵素反応におけるホスホロチオエート修飾したDNAの使用(The use of phosphorothioate−modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA)」、Nucl.Acids Res.、13:8749〜8764;Taylor(1985)「ホスホロチオエートで修飾したDNAを用いた高周波数でのオリゴヌクレオチド特異的突然変異の迅速な作製(The rapid generation of oligonucleotide−directed mutations at high frequency using phosphorothioate−modified DNA)」、Nucl.Acids Res.、13:8765〜8787(1985);Nakamaye(1986)「ホスホロチオエート基による制限エンドヌクレアーゼNci I切断の阻害およびオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発におけるその応用(Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide−directed mutagenesis)」、Nucl.Acids Res.、14:9679〜9698;Sayers(1988)「ホスホロチオエートに基づいたオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発におけるY−Tエキソヌクレアーゼ(Y−T Exonucleases in phosphorothioate−based oligonucleotide−directed mutagenesis)」、Nucl.Acids Res.、16:791〜802;ならびにSayers他(1988)「臭化エチジウムの存在下で制限エンドヌクレアーゼと反応させることによるホスホロチオエート含有DNAの鎖特異的切断(Strand specific cleavage of phosphorothioate−containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide)」、Nucl.Acids Res.、16:803〜814);ギャップ二重鎖DNAを用いた突然変異誘発(Kramer他(1984)「オリゴヌクレオチド特異的突然変異を構築するためのギャップ二重鎖DNA手法(The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed mutation construction)」、Nucl.Acids Res.、12:9441〜9456;KramerおよびFritz(1987)、Methods in Enzymol.、「ギャップ二重鎖DNAによる突然変異のオリゴヌクレオチド特異的な構築(Oligonucleotide−directed construction of mutations via gapped duplex DNA)」、154:350〜367;Kramer(1988)「突然変異をオリゴヌクレオチド特異的に構築するためのギャップ二重鎖DNA手法における改善された酵素in vitro反応(Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed construction of mutations)」、Nucl.Acids Res.、16:7207;ならびにFritz(1988)「突然変異のオリゴヌクレオチド特異的な構築:酵素反応を用いないin vitroのギャップ二重鎖DNA手順(Oligonucleotide−directed construction of mutations:a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro)」、Nucl.Acids Res.、16:6987〜6999)が含まれる。
本発明を実施するために使用できるさらなるプロトコルには、点ミスマッチ修復(Kramer(1984)「点ミスマッチ修復(Point Mismatch Repair)」、Cell、38:879〜887)、修復欠損宿主株を用いた突然変異誘発(Carter他(1985)「M13ベクターを用いた改善されたオリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発(Improved oligonucleotide site−directed mutagenesis using M13 vectors)」、Nucl.Acids Res.、13:4431〜4443;およびCarter(1987)「M13ベクターを用いた改善されたオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Improved oligonucleotide−directed mutagenesis using M13 vectors)」、Methods in Enzymol.、154:382〜403)、欠失突然変異誘発(Eghtedarzadeh(1986)「大きな欠失を生じさせるためのオリゴヌクレオチドの使用(Use of oligonucleotides to generate large deletions)」、Nucl.Acids Res.、14:5115)、制限−選択および制限−選択および制限−精製(Wells他(1986)「サブチリシンの遷移状態を安定させるための水素結合の形成の重要性(Importance of hydrogen−bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin)」、Phil.Trans.R.Soc.Lond.、A317:415〜423)、全遺伝子合成による突然変異誘発(Nambiar他(1984)「リボヌクレアーゼSタンパク質をコードしている遺伝子の全合成およびクローニング(Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein)」、Science、223:1299〜1301;SakamarおよびKhorana(1988)「ウシ桿体外節グアニンヌクレオチド結合タンパク質(トランスデューシン)の遺伝子の全合成および発現(Total synthesis and expression of a gene for the a−subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide−binding protein(transducin))」、Nucl.Acids Res.、14:6361〜6372;Wells他(1985)「カセット突然変異誘発:定義した部位で複数の突然変異を作製するための効率的な方法(Cassette mutagenesis:an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites)」、Gene、34:315〜323;およびGrundstrom他(1985)「ミクロスケールの「ショットガン」遺伝子合成によるオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Oligonucleotide−directed mutagenesis by microscale ’shot−gun’ gene synthesis)」、Nucl.Acids Res.、13:3305〜3316)、二重鎖切断修復(Mandecki(1986);Arnold(1993)「異常環境におけるタンパク質工学(Protein engineering for unusual environments)」、Current Opinion in Biotechnology、4:450〜455.「エシェリキア・コリのプラスミドにおけるオリゴヌクレオチド特異的な二重鎖切断の修復:部位特異的突然変異誘発の方法(Oligonucleotide−directed double−strand break repair in plasmids of Escherichia coli:a method for site−specific mutagenesis)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83:7177〜7181)が含まれる。上記方法の多くのさらなる詳細はMethods in Enzymology、第154巻に見つけることができ、これは、様々な突然変異誘発方法の問題のトラブルシューティングを行うために有用なコントロールについても記載している。
本発明を実施するために使用できるプロトコルは、Stemmerの米国特許第5,605,793号(1997年2月25日)、「In vitro組換え方法(Methods for In Vitro Recombination)」;Stemmer他の米国特許第5,811,238号(1998年9月22日)「反復選択および組換えによる、所望の特徴を有するポリヌクレオチドの作製方法(Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination)」;Stemmer他の米国特許第5,830,721(1998年11月3日)、「ランダム断片化および再アセンブリによるDNA突然変異誘発(DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;Stemmer他の米国特許第5,834,252号(1998年11月10日)「末端相補的ポリメラーゼ反応(End−Complementary Polymerase Reaction)」;Minshull他の米国特許第5,837,458号(1998年11月17日)、「細胞工学および代謝工学の方法および組成物(Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering)」;StemmerおよびCrameriの国際公開第95/22625号、「ランダム断片化および再アセンブリによる突然変異誘発(Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;StemmerおよびLipschutzの国際公開第96/33207号、「末端相補的ポリメラーゼ連鎖反応(End Complementary Polymerase Chain Reaction)」;StemmerおよびCrameriの国際公開第97/20078号、「反復選択および組換えによる、所望の特徴を有するポリヌクレオチドの作製方法(Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination)」;MinshullおよびStemmerの国際公開第97/35966号、「細胞工学および代謝工学の方法および組成物(Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering)」;Punnonen他の国際公開第99/41402号、「遺伝子ワクチンベクターの標的化(Targeting of Genetic Vaccine Vectors)」;Punnonen他の国際公開第99/41383号、「抗原ライブラリー免疫化(Antigen Library Immunization)」;Punnonen他の国際公開第99/41369号、「遺伝子ワクチンベクター工学(Genetic Vaccine Vector Engineering)」;Punnonen他の国際公開第99/41368号、「遺伝子ワクチンの免疫調節特性の最適化(Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines」;StemmerおよびCrameriの欧州特許EP752008号、「ランダム断片化および再アセンブリによるDNA突然変異誘発(DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;Stemmerの欧州特許EP0932670号、「反復配列組換えによる細胞のDNA取り込みの進化(Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination」;Stemmer他の国際公開第99/23107号、「ウイルスゲノムのシャフリングによるウイルス指向性および宿主範囲の改変(Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling)」;Apt他の国際公開第99/21979号、「ヒトパピローマウイルスベクター(Human Papillomavirus Vectors)」;del Cardayre他の国際公開第98/31837号、「反復配列組換えによる全細胞および生物の進化(Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination)」;PattenおよびStemmerの国際公開第98/27230号、「ポリペプチド工学の方法および組成物(Methods and Compositions for Polypeptide Engineering)」;Stemmer他の国際公開第98/27230号、「反復配列シャフリングおよび選択による遺伝子治療の最適化方法(Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection)」、国際公開第00/00632号、「高度に多様なライブラリーの作製方法(Methods for Generating Highly Diverse Libraries)」、国際公開第00/09679号、「in vitroで組換えポリヌクレオチド配列のバンクを得る方法および生じる配列(Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences)」、Arnold他の国際公開第98/42832号、「ランダムまたは定義したプライマーを用いたポリヌクレオチド配列の組換え(Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers)」、Arnold他の国際公開第99/29902号、「ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の作製方法(Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences)」、Vindの国際公開第98/41653号、「DNAライブラリーを構築するためのin vitro方法(An in Vitro Method for Construction of a DNA Library)」、Borchert他の国際公開第98/41622号、「DNAシャフリングを用いたライブラリーの構築方法(Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling)」、ならびにPatiおよびZarlingの国際公開第98/42727号、「相同組換えを用いた配列変化(Sequence Alterations using Homologous Recombination)」などに記載されている。
本発明を実施するために使用できるプロトコル(多様性を生じさせる様々な方法に関する詳細を提供するもの)は、Patten他の米国特許出願(USSN)第09/407,800号、「コドンが変化した遺伝子のシャフリング(SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES)」、1999年9月28日出願;del Cardayre他の「反復配列組換えによる全細胞および生物の進化(EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION)」、米国特許第6,379,964;Crameri他の「オリゴヌクレオチド媒介の核酸組換え(OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION)」、米国特許第6,319,714号;第6,368,861号;第6,376,246号;第6,423,542号;第6,426,224号およびPCT/US00/01203号;Welch他の「合成シャフリングのためのコドンが異なるオリゴヌクレオチドの合成の使用(USE OF CODON−VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING)」、米国特許第6,436,675;Selifonov他の「所望の特徴を有する文字列、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作製方法(METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS)」、2000年1月18日出願、(PCT/US00/01202号)など、ならびにSelifonov他の「所望の特徴を有する文字列、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作製方法(METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS)」、2000年7月18日出願(米国特許出願第09/618,579号);SelifonovおよびStemmerの「進化シミュレーションで使用するためのデータ構造の生成方法(METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS)」、2000年1月18日出願(PCT/US00/01138号);ならびにAffholterの「一本鎖核酸鋳型媒介の組換えおよび核酸断片の単離(SINGLE−STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE−MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION)」、2000年9月6日出願(米国特許出願第09/656,549号);および米国特許第6,177,263号;第6,153,410号などに記載されている。
非確率的、すなわち「定方向進化」の方法には、たとえば、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成ライゲーション再アセンブリ(SLR)、またはそれらの組合せなどの飽和突然変異誘発が含まれ、これらを用いて本発明に従った核酸を修飾して、新しいまたは変化した特性(強酸もしくは強アルカリ条件下、高温もしくは低温下などでの活性)を有するHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を作製する。修飾した核酸によってコードされているポリペプチドは、炭素−炭素結合の形成もしくは切断または他の活性について試験する前に、活性についてスクリーニングを行うことができる。毛細アレイプラットフォームを用いることなど、任意の試験様式またはプロトコルを用いることができる。米国特許第6,361,974号、第6,280,926号、第5,939,250号を参照されたい。
遺伝子部位飽和突然変異誘発、すなわちGSSM
本発明はまた、本明細書中ならびに米国特許第6,171,820号および第6,579,258号に記載の、遺伝子部位飽和突然変異誘発、すなわちGSSMを用いて酵素を作製する方法も提供する。一部の実施形態では、縮重N,N,G/T配列を含むコドンプライマーを用いて、点突然変異を本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素または抗体等のポリヌクレオチド中に導入し、これにより、完全な範囲の単一アミノ酸置換が、酵素活性部位または修飾の標的とするリガンド結合部位中のアミノ酸残基などのそれぞれのアミノ酸位置で表される一組の子孫ポリペプチドが作製される。これらのオリゴヌクレオチドは、連続的な第1の相同配列、縮重N,N,G/T配列、および、所望により第2の相同配列を含むことができる。N,N,G/T配列の縮重には20個のアミノ酸すべてのコドンが含まれるので、そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによる下流の子孫翻訳産物には、ポリペプチドに沿ったそれぞれのアミノ酸部位におけるすべての可能なアミノ酸変化が含まれる。一部の実施形態では、1つのそのような縮重オリゴヌクレオチド(たとえば1つの縮重N,N,G/Tカセットからなる)を、親ポリヌクレオチド鋳型中のそれぞれの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。他の実施形態では、少なくとも2つの縮重カセットを、同じオリゴヌクレオチド中であるかどうかにかかわらず、親ポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。たとえば、複数の部位でアミノ酸突然変異を導入するために複数のN,N,G/T配列が1つのオリゴヌクレオチド内に含まれていることができる。この複数のN,N,G/T配列は、直接連続しているか、または1つもしくは複数の追加のヌクレオチド配列によって分離されていることができる。他の実施形態では、付加および欠失を導入するために役立つオリゴヌクレオチドを、単独で、またはN,N,G/T配列を含むコドンと組み合わせて用いて、アミノ酸の付加、欠失、および/または置換の任意の組合せまたは順列を導入することができる。
一部の実施形態では、2つ以上の連続的なアミノ酸位置の同時突然変異誘発は、連続的なN,N,G/Tトリプレット、すなわち縮重(N,N,G/T)n配列を含むオリゴヌクレオチドを用いて行う。他の実施形態では、N,N,G/T配列よりも少ない縮重を有する縮重カセットを用いる。たとえば、一部の例では(オリゴヌクレオチドなどでは)、1つだけのNからなる縮重トリプレット配列を使用することが望ましい場合があり、前記Nはトリプレットの第1、第2または第3番目の位置であることができる。その任意の組合せおよび順列を含めた任意の他の塩基をトリプレットの残りの2つの位置で使用することができる。あるいは、一部の例では(オリゴなどでは)、縮重N,N,Nトリプレット配列を使用することが望ましい場合がある。
一部の実施形態では、縮重トリプレット(N,N,G/Tトリプレットなど)の使用により、ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置内への完全な範囲の可能な天然に存在するアミノ酸(合計20個のアミノ酸)の系統的かつ容易な作製が可能となる(他の実施形態では、この方法には、1つのアミノ酸残基またはコドンの位置あたりすべての可能な置換未満の作製も含まれる)。たとえば、100個のアミノ酸のポリペプチドでは、2000個の異なる種(すなわち1つの位置あたり20個の可能なアミノ酸×100個のアミノ酸位置)を作製することができる。縮重N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの組を使用することにより、32個の個々の配列が20個の可能な天然に存在するアミノ酸すべてをコードすることができる。したがって、親ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのそのようなオリゴヌクレオチドを用いた飽和突然変異誘発に供する反応器内で、20個の異なるポリペプチドをコードする32個の異なる子孫ポリヌクレオチドが作製される。対照的に、部位特異的突然変異誘発における非縮重オリゴヌクレオチドの使用は、1つの反応器あたり1つの子孫ポリペプチド産物のみをもたらす。非縮重オリゴヌクレオチドは、所望により、開示した縮重プライマーと組み合わせて使用することができる。たとえば、非縮重オリゴヌクレオチドを用いて、作業ポリヌクレオチド中に特定の点突然変異を生じさせることができる。これにより、特定のサイレント点突然変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点突然変異、ならびにストップコドンの作製およびポリペプチド断片の対応する発現を引き起こす点突然変異を生じさせるための一手段が提供される。
一部の実施形態では、それぞれの飽和突然変異誘発反応器は、20個の天然に存在するアミノ酸すべてが親ポリヌクレオチド中の突然変異誘発させたコドン位置に対応する1つの特定のアミノ酸位置で表されるように、少なくとも20個の子孫ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素など)の分子を含む(他の実施形態では、20個の天然に存在する組合せすべて未満を使用する)。それぞれの飽和突然変異誘発反応器から作製された32倍の縮重子孫ポリペプチドをクローン増幅に供し(発現ベクターなどを用いてイー・コリ宿主などの適切な宿主内にクローニングすることなど)、発現スクリーニングに供することができる。個々の子孫ポリペプチドをスクリーニングによって同定して好都合な特性変化を表示させる場合(親ポリペプチドと比較して、たとえばアルカリまたは酸性条件下で炭素−炭素の形成または切断活性の増大)、それに含まれる対応して好都合なアミノ酸置換を同定するために配列決定を行うことができる。
一部の実施形態では、本明細書中に開示のように飽和突然変異誘発を用いて親ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置を突然変異誘発させる際、好都合なアミノ酸変化が複数のアミノ酸位置で同定され得る。これらの好都合なアミノ酸置換のすべてまたは一部の組合せを含む、1つまたは複数の新しい子孫分子を作製することができる。たとえば、ポリペプチド中の3つのアミノ酸位置のそれぞれで2つの特定の好都合なアミノ酸変化が同定された場合、順列には、それぞれの位置で3つの可能性(元のアミノ酸から変化なし、および2つ好都合な変化のそれぞれ)ならびに3つの位置が含まれる。したがって、既に検討した7つ−6つの単一点突然変異(すなわち3つの位置のそれぞれで2つ)およびどの位置でも変化なしを含めて、3×3×3すなわち27の全可能性が存在する。
さらに別の実施形態では、部位飽和突然変異誘発は、シャフリング、キメラ化、組換えおよび他の突然変異誘発プロセスと一緒に、スクリーニングと共に用いることができる。本発明は、飽和突然変異誘発を含めた任意の突然変異誘発プロセスを反復様式で使用することを提供する。一例では、任意の突然変異誘発プロセスの反復使用をスクリーニングと組み合わせて用いる。
本発明はまた、完全な範囲の単一アミノ酸置換がそれぞれのアミノ酸位置で表される一組の子孫ポリペプチドを作製するために、点突然変異をポリヌクレオチド内に導入するための専用のコドンプライマー(縮重N,N,N配列を含む)の使用も提供する(遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM))。用いるオリゴは、第1の相同配列、縮重N,N,N配列、および、必ずではないが一部の実施形態では、第2の相同配列から連続的になる。N,N,N配列の縮重には20個のアミノ酸すべてのコドンが含まれるので、そのようなオリゴを使用することによる下流の子孫翻訳産物には、ポリペプチドに沿ったそれぞれのアミノ酸部位におけるすべての可能なアミノ酸変化が含まれる。
一部の実施形態では、1つのそのような縮重オリゴ(1つの縮重N,N,Nカセットからなる)を、親ポリヌクレオチド鋳型中のそれぞれの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。他の実施形態では、少なくとも2つの縮重N,N,Nカセットを、同じオリゴ中であるかどうかにかかわらず、親ポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。したがって、複数の部位でアミノ酸突然変異を導入するために複数のN,N,N配列が1つのオリゴ内に含まれていることができる。この複数のN,N,N配列は、直接連続しているか、または1つもしくは複数の追加のヌクレオチド配列によって分離されていることができる。他の実施形態では、付加および欠失を導入するために役立つオリゴを、単独で、またはN,N,N配列を含むコドンと組み合わせて用いて、アミノ酸の付加、欠失および/または置換の任意の組合せまたは順列を導入することができる。
一部の実施形態では、連続的なN,N,Nトリプレット、すなわち縮重(N,N,N)n配列を含むオリゴを用いて、2つ以上の連続的なアミノ酸位置を同時に突然変異誘発させることが可能である。他の実施形態では、本発明は、N,N,N配列よりも少ない縮重を有する縮重カセットの使用を提供する。たとえば、一部の例では(オリゴなどでは)、1つだけのNからなる縮重トリプレット配列を使用することが望ましい場合があり、Nはトリプレットの第1、第2または第3番目の位置であることができる。その任意の組合せおよび順列を含めた任意の他の塩基をトリプレットの残りの2つの位置で使用することができる。あるいは、一部の例では(オリゴなどでは)、縮重N,N,Nトリプレット配列、N,N,G/T、またはN,N,G/Cトリプレット配列を使用することが望ましい場合がある。
一部の実施形態では、縮重トリプレット(N,N,G/TまたはN,N、G/Cトリプレット配列など)の使用は、いくつかの理由により有利である。一部の実施形態では、本発明は、ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置内への完全な範囲の可能なアミノ酸(合計20個のアミノ酸)の置換を系統的かつ比較的容易に生じる手段を提供する。したがって、100個のアミノ酸のポリペプチドでは、本発明は、2000個の異なる種(すなわち、1つの位置あたり20個の可能なアミノ酸×100個のアミノ酸位置)を系統的にかつ比較的容易に作製する方法を提供する。縮重N,N,G/TまたはN,N,G/Cトリプレット配列を含むオリゴを使用することにより、20個の可能なアミノ酸をコードする32個の個々の配列が提供されることを理解されたい。したがって、親ポリヌクレオチド配列を1つのそのようなオリゴ用いた飽和突然変異誘発に供する反応器内では、20個の異なるポリペプチドをコードしている32個の異なる子孫ポリヌクレオチドが作製される。対照的に、部位特異的突然変異誘発で非縮重オリゴを使用することでは、1つの反応器あたり1つの子孫ポリペプチドしかもたらされない。
本発明はまた、所望により開示した縮重プライマーと組み合わせて使用することができる非縮重オリゴの使用を提供する。一部の状況では、作業ポリヌクレオチド中に特定の点突然変異を生じさせるために非縮重オリゴを使用することが有利であることを理解されたい。特定のサイレント点突然変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点突然変異ならびにストップコドンの作製およびポリペプチド断片の対応する発現を引き起こす点突然変異を生じさせる手段を提供する。
したがって、本発明の一部の実施形態では、それぞれの飽和突然変異誘発反応器は、20個のアミノ酸すべてが親ポリヌクレオチド中の突然変異誘発させたコドン位置に対応する1つの特定のアミノ酸位置で表されるように、少なくとも20個の子孫ポリペプチド分子をコードしているポリヌクレオチドを含む。それぞれの飽和突然変異誘発反応器から作製された32倍の縮重子孫ポリペプチドをクローン増幅に供し(発現ベクターを用いて適切なイー・コリ宿主内にクローニングすることなど)、発現スクリーニングに供することができる。個々の子孫ポリペプチドをスクリーニングによって同定して好都合な特性変化を表示させる場合(親ポリペプチドと比較して)、それに含まれる対応して好都合なアミノ酸置換を同定するために配列決定を行うことができる。
一部の実施形態では、本明細書中に開示のように飽和突然変異誘発を用いて親ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置を突然変異誘発させる際、好都合なアミノ酸変化が複数のアミノ酸位置で同定される。これらの好都合なアミノ酸置換のすべてまたは一部の組合せを含む、1つまたは複数の新しい子孫分子を作製することができる。たとえば、ポリペプチド中の3つのアミノ酸位置のそれぞれで2つの特定の好都合なアミノ酸変化が同定された場合、順列には、それぞれの位置で3つの可能性(元のアミノ酸から変化なしおよび2つ好都合な変化のそれぞれ)ならびに3つの位置が含まれる。したがって、既に検討した7つ−6つの単一点突然変異(すなわち、3つの位置のそれぞれで2つ)およびどの位置でも変化なしを含めた3×3×3すなわち27の全可能性が存在する。
本発明は、ハイブリッドポリヌクレオチドが組換えおよび還元的再集合によって作製されるように2つ以上の関連ポリヌクレオチドを適切な宿主細胞内に導入するプロセスなどのさらなる突然変異誘発プロセスと組み合わせた、飽和突然変異誘発の使用を提供する。
遺伝子の全配列に沿って突然変異誘発を行うことに加えて、本発明は、突然変異誘発を用いてポリヌクレオチド配列中の任意の数の塩基のそれぞれを置き換えることができることを提供し、一部の実施形態では、突然変異誘発させる塩基の数は15〜100,000のすべての整数である。したがって、分子に沿ったすべての位置を突然変異誘発させる代わりに、すべてまたは離散的な数の塩基(一部の実施形態では、サブセットの合計は15〜100,000である)を突然変異誘発に供することができる。一部の実施形態では、別々のヌクレオチドを用いて、ポリヌクレオチド配列に沿ったそれぞれの位置または位置群を突然変異誘発させる。突然変異誘発させる3つの位置の群はコドンであり得る。突然変異は、突然変異誘発カセットとも呼ばれる、異種カセットを含む突然変異誘発プライマーを用いて導入することができる。例示的なカセットは1〜500個の塩基を有することができる。そのような異種カセット中のそれぞれのヌクレオチド位置は、N、A、C、G、T、A/C、A/G、A/T、C/G、C/T、G/T、C/G/T、A/G/T、A/C/T、A/C/G、またはEであり、Eは、A、C、G、またはTでない任意の塩基である(Eをデザイナーオリゴと呼ぶことができる)。
一部の実施形態では、飽和突然変異誘発は、突然変異誘発させる定義したポリヌクレオチド配列(一部の実施形態では、突然変異誘発させる配列の長さは約15〜100,000個の塩基である)中の完全な組の突然変異誘発カセット(一部の実施形態では、それぞれのカセットの長さは約1〜500個の塩基である)を突然変異誘発させることからなる。したがって、突然変異の群(1〜100個の範囲の突然変異)を、突然変異誘発させるそれぞれのカセット内に導入する。1つのカセット内に導入する突然変異の分類は、1ラウンドの飽和突然変異誘発の適用中に第2のカセット内に導入する突然変異の第2の分類と異なるまたはそれと同じであることができる。そのような分類は、特定のコドンの欠失、付加、分類および特定のヌクレオチドカセットの分類によって例示される。
一部の実施形態では、突然変異誘発させる定義した配列には、全遺伝子、経路、cDNA、全オープンリーディングフレーム(ORF)および全プロモーター、エンハンサー、リプレッサー/トランス活性化因子、複製起点、イントロン、オペレーター、または任意のポリヌクレオチド官能基が含まれる。一般に、この目的のための「定義した配列」は、15個の塩基のポリヌクレオチド配列および長さが15個の塩基〜15,000個の塩基のポリヌクレオチド配列(本発明では、その間のすべての整数を具体的に挙げる)である任意のポリヌクレオチドであり得る。コドンの分類を選択する際の検討事項には、縮重突然変異誘発カセットによってコードされているアミノ酸の種類が含まれる。
一部の実施形態では、突然変異誘発カセット内に導入することができる突然変異の分類、本発明は、それぞれの位置で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20個のアミノ酸をコードしている縮重コドン置換(縮重オリゴを用いる)ならびにそれによってコードされているポリペプチドのライブラリーを具体的に提供する。
合成ライゲーション再アセンブリ(SLR)
本発明は、新しいまたは変化した特性を有する本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または抗体などのポリペプチドを作製するために、「合成ライゲーション再アセンブリ」、または単に「SLR」と呼ばれる非確率的遺伝子修飾システム、「定方向進化プロセス」を提供する。
SLRとは、オリゴヌクレオチド断片を非確率的にライゲーションする方法である。この方法は、核酸構成単位がランダムにシャフリング、連鎖体形成またはキメラ化されておらず、非確率的にアセンブリされていることが、確率的オリゴヌクレオチドシャフリングと異なる。米国特許第6,773,900号、第6,740,506号、第6,713,282号、第6,635,449号、第6,605,449号、第6,537,776号を参照されたい。一部の実施形態では、SLRは以下の工程、すなわち、(a)相同遺伝子をコードしている配列を含む鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程と、(b)事前に決定した配列で鋳型ポリヌクレオチドとクロスオーバーして再アセンブリするように設計されており、相同遺伝子の変異体である配列および変異配列に隣接する鋳型ポリヌクレオチドに相同的な配列を含む、複数の構成単位ポリヌクレオチドを提供する工程と、(c)構成単位ポリヌクレオチドが鋳型ポリヌクレオチドとクロスオーバーして再アセンブリして相同遺伝子配列の変化を含むポリヌクレオチドが生じるように、構成単位ポリヌクレオチドと鋳型ポリヌクレオチドとを合わせる工程とを含む。
SLRは、ポリヌクレオチド間の高レベルの相同性を再編成することが存在することに依存しない。したがって、この方法を用いて、10100個を超える様々なキメラからなる子孫分子のライブラリー(または組)を非確率的に作製することができる。SLRを用いて101000個を超える様々な子孫キメラからなるライブラリーを作製することができる。したがって、本発明の実施形態には、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を削った一組の最終的なキメラ核酸分子を生成する非確率的方法が含まれる。この方法には、役立つ相互に適合性のあるライゲーション可能な末端を有する複数の特定の核酸構成単位を設計によって作製する工程と、設計した全体的なアセンブリ順序が達成されるようにこれらの核酸構成単位をアセンブリする工程とが含まれる。
アセンブリする核酸構成単位の相互に適合性のあるライゲーション可能な末端は、構成単位が事前に決定した順序でカップリングされることを可能に場合は、この種の順序立てたアセンブリに「役立つ」とみなされる。したがって、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序は、ライゲーション可能な末端の設計によって特定される。複数のアセンブリ工程を用いる場合は、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序も、アセンブリ工程(または複数の工程)の逐次順序によって特定される。一部の実施形態では、アニーリングされた構成片をリガーゼ(T4DNAリガーゼなど)等の酵素で処理して、構成片の共有結合を達成する。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド構成単位の設計は、最終的なキメラポリヌクレオチドの子孫組を生成する基本として役割を果たす一組の前駆体核酸配列鋳型を解析することによって得る。したがって、これらの親オリゴヌクレオチド鋳型は、キメラ化またはシャッフリングするものなどの突然変異誘発させる核酸構成単位の設計を支援する配列情報の情報源として役割を果たす。本方法の一部の実施形態では、1つまたは複数の境界点を選択するために複数の親核酸鋳型の配列を順序立ててアラインメントする。境界点は、相同領域に位置することができ、1つまたは複数のヌクレオチドからなる。一部の実施形態では、これらの境界点は前駆体鋳型の少なくとも2つによって共有される。したがって、境界点は、親ポリヌクレオチドを再編成ために順序立てて作製されるオリゴヌクレオチド構成単位の境界を描写するために用いることができる。前駆体分子中で同定および選択された境界点は、最終キメラ子孫分子のアセンブリにおける潜在的なキメラ化点として役割を果たす。境界点は、少なくとも2つの親ポリヌクレオチド配列によって共有される(少なくとも1つの相同ヌクレオチド塩基からなる)であることができる。あるいは、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも半数によって共有される相同領域であるか、または、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも3分の2によって共有される相同領域であることができる。さらに、一部の実施形態では、役立つ境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも4分の3によって共有される相同領域であるか、または、親ポリヌクレオチド配列のほぼすべてによって共有されることができる。一部の実施形態では、境界点は、親ポリヌクレオチド配列のすべてによって共有される相同領域である。
一部の実施形態では、子孫キメラポリヌクレオチドの徹底的なライブラリーを作製するために、ライゲーション再アセンブリプロセスを徹底的に行う。言い換えれば、核酸構成単位のすべての可能な順序立てた組合せが、最終的なキメラ核酸分子の組に表される。同時に、他の実施形態では、それぞれの組合せにおけるアセンブリ順序(すなわち、それぞれの最終的なキメラ核酸の、それぞれの構成単位のアセンブリの5’から3配列の順序)は、上述のように設計(または非確率的)によるものである。本発明の非確率的性質により、所望しない副産物の可能性が大幅に低下する。
他の実施形態では、ライゲーション再アセンブリ方法を系統的に行う。たとえば、子孫分子の系統的に区画化されたライブラリーを作製するために本方法を行い、区画はたとえば1つずつ系統的にスクリーニングすることができる。言い換えれば、本発明は、特定の核酸構成単位を選択的かつ賢明に使用することと、逐次的な工程のアセンブリ反応を選択的かつ賢明に使用することとを合わせることで、特定の組の子孫生成物がいくつかの反応器のそれぞれ中で作製される設計を達成できることを提供する。これにより、系統的な検査およびスクリーニング手順を行うことが可能となる。したがって、これらの方法は、潜在的に非常に多数の子孫分子を小グループで系統的に検査することを可能にする。柔軟性が高いが徹底的かつ系統的でもある様式でキメラ化を行うその能力により、特に前駆体分子間の相同レベルが低い場合、これらの方法は、多数の子孫分子からなるライブラリー(または組)の作製を提供する。本ライゲーション再アセンブリ発明の非確率的性質により、一部の実施形態で作製される子孫分子は、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を有する最終的なキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和突然変異誘発および最適化した定方向進化方法も、様々な子孫分子種を作製するために用いることができる。本発明は、境界点の選択、核酸構成単位の大きさおよび数、ならびにカップリングの大きさおよび設計に関して選択ならびに制御の自由を提供することを、理解されたい。さらに、本発明の作動性について分子間相同性の要件は非常に緩いことを理解されたい。実際、境界点を、分子間相同性がわずかしかないまたは存在しない領域中に選択することさえできる。たとえば、コドンの揺れ、すなわちコドンの縮重により、対応する前駆体鋳型に元々にコードされていたアミノ酸を変化させずにヌクレオチド置換を核酸構成単位内に導入することができる。あるいは、元のアミノ酸のコードが変化するようにコドンを変化させることができる。本発明は、分子間相同的な境界点の発生率を増加させて、構成単位間でカップリング数増加の達成を可能にし、ひいてはより多数の子孫キメラ分子の作製を可能にするために、そのような置換を核酸構成単位内に導入できることを提供する。
合成遺伝子再アセンブリ
一部の実施形態では、本発明は合成遺伝子再アセンブリと呼ばれる非確率的方法を提供し、これは、核酸構成単位がランダムにシャフリングまたは連鎖体形成またはキメラ化されておらず、非確率的にアセンブリされていることを除いて、確率的シャフリングにいくらか関連している。米国特許第6,537,776号を参照されたい。
合成遺伝子再アセンブリ方法は、シャフリングするポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することに依存しない。本発明は、10100個を超える異なるキメラからなる子孫分子のライブラリー(または組)を非確率的に作製するために用いることができる。あるいは、合成遺伝子再アセンブリは、101000個を超える子孫キメラからなるライブラリーさえを作製するために用いることができる。
したがって、一部の実施形態では、本発明は、役立つ相互に適合性のあるライゲーション可能な末端を有する複数の特定の核酸構成単位を設計によって作製する工程と、設計した全体的なアセンブリ順序が達成されるようにこれらの核酸構成単位をアセンブリする工程とからなる、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を有する一組の最終的なキメラ核酸分子を生成する非確率的方法を提供する。
アセンブリする核酸構成単位の相互に適合性のあるライゲーション可能な末端は、構成単位が事前に決定した順序でカップリングされることを可能に場合は、この種の順序立てたアセンブリに「役立つ」とみなされる。したがって、一部の実施形態では、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序は、ライゲーション可能な末端の設計によって特定され、複数のアセンブリ工程を用いる場合は、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序も、アセンブリ工程(または複数の工程)の逐次順序によって特定される。本発明の一実施形態では、アニーリングされた構成片をリガーゼ(T4DNAリガーゼなど)等の酵素で処理して構成片の共有結合を達成する。
別の実施形態では、核酸構成単位の設計は、最終的なキメラ核酸分子の子孫組を生成する基本として役割を果たす一組の前駆体核酸鋳型の配列を解析した際に得られる。したがって、これらの前駆体核酸鋳型は、突然変異誘発させる、すなわちキメラ化またはシャフリングする核酸構成単位の設計を支援する配列情報の情報源として役割を果たす。
一例では、本発明は、関連遺伝子ファミリーのキメラ化およびそれらのコードされた関連産物のファミリーを提供する。特定の例示では、コードされた産物は酵素である。本発明のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、本明細書中に記載の方法に従って突然変異誘発させることができる。
したがって、本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数の境界点を選択するために複数の前駆体核酸鋳型(本発明に従ったポリヌクレオチドなど)の配列のアラインメントを行い、境界点は相同領域に位置することができる。境界点を用いて作製する核酸構成単位の境界を描写することができる。したがって、前駆体分子中で同定および選択された境界点は、子孫分子のアセンブリにおいて潜在的なキメラ化点として役割を果たす。
一部の実施形態では、役立つ境界点は、少なくとも2つの前駆体鋳型によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同ヌクレオチド塩基からなる)であるが、境界点は、前駆体鋳型の少なくとも半数、前駆体鋳型の少なくとも3分の2、前駆体鋳型の少なくとも4分の3、一部の実施形態では前駆体鋳型のほぼすべてによって共有される相同領域であることができる。さらに、一部の実施形態では、役立つ境界点は、前駆体鋳型のすべてによって共有される相同領域である。
一実施形態では、徹底的なライブラリーを作製するために遺伝子再アセンブリプロセスを徹底的に行う。言い換えれば、核酸構成単位のすべての可能な順序立てた組合せが、最終的なキメラ核酸分子の組に表される。同時に、それぞれの組合せにおけるアセンブリ順序(すなわち、それぞれの最終的なキメラ核酸の、それぞれの構成単位のアセンブリの5’から3配列の順序)は、設計(または非確率的)によるものである。本方法の非確率的性質により、所望しない副産物の可能性が大幅に低下する。
他の実施形態では、本方法は、たとえば系統的に区画化されたライブラリーを作製するために、遺伝子再アセンブリプロセスを系統的に行うことを提供し、区画はたとえば1つずつ系統的にスクリーニングすることができる。言い換えれば、本発明は、特定の核酸構成単位を選択的かつ賢明に使用することと、逐次的な工程のアセンブリ反応を選択的かつ賢明に使用することとを合わせることで、特定の組の子孫生成物がいくつかの反応器のそれぞれ中で作製される実験的設計を達成できることを提供する。これにより、系統的な検査およびスクリーニング手順を行うことが可能となる。したがって、これらは、潜在的に非常に多数の子孫分子を小グループで系統的に検査することを可能にする。
柔軟性が高いが徹底的かつ系統的でもある様式でキメラ化を行うその能力により、特に前駆体分子間の相同レベルが低い場合、本発明は、多数の子孫分子からなるライブラリー(または組)の作製を提供する。本遺伝子再アセンブリ発明の非確率的性質により、一部の実施形態で作製される子孫分子は、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を有する最終的なキメラ核酸分子のライブラリーを含む。一部の実施形態では、そのように作製したライブラリーは、103個を超える〜101000個を超える様々な子孫分子種からなる。
一部の実施形態では、記載のように生成した一組の最終的なキメラ核酸分子は、ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドからなる。一実施形態では、このポリヌクレオチドは、人工遺伝子であり得る遺伝子である。別の実施形態では、このポリヌクレオチドは、人工遺伝子経路であり得る遺伝子経路である。一部の実施形態では、本発明は、本発明によって作製した1つまたは複数の人工遺伝子を、真核生物(植物を含む)内で作動可能な経路などの人工遺伝子経路内に取り込ませ得ることを提供する。
別の例示では、構成単位を作製する工程の合成性質により、後に所望によりin vitroプロセス(突然変異誘発によってなど)またはin vivoプロセス(宿主生物の遺伝子スプライシング能力を利用することによってなど)で除去することができるヌクレオチド(たとえばコドンまたはイントロンまたは調節配列であり得る1つまたは複数のヌクレオチドなど)の設計および導入が可能となる。多くの場合、これらのヌクレオチドの導入が、役立つ境界点を作製する潜在的な利点に加えて多くの他の理由において望ましい場合があることを理解されたい。
したがって、一部の実施形態では、本発明は、イントロンを導入するために核酸構成単位を使用できることを提供する。したがって、本発明は、機能的なイントロンを本発明に従った人工遺伝子内に導入し得ることを提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、機能的なイントロンを本発明に従った人工遺伝子経路内に導入し得ることも提供する。したがって、本発明は、1つ(または複数)の人工導入したイントロンを含む人工遺伝子であるキメラポリヌクレオチドの作製を提供する。
本発明はまた、1つ(または複数)の人工導入したイントロンを含む人工遺伝子経路であるキメラポリヌクレオチドの作製も提供する。一部の実施形態では、人工導入したイントロン(または複数のイントロン)は、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングで機能的に役割を果たすのとほとんど同じ様式で、1つまたは複数の宿主細胞において遺伝子スプライシングで機能的である。一部の実施形態では、本発明は、組換えおよび/またはスプライシングのために宿主生物内に導入する人工イントロン含有ポリヌクレオチドを生成するプロセスを提供する。
本発明を用いて生成した人工遺伝子は、別の核酸との組換えの基質として役割を果たすこともできる。同様に、本発明を用いて生成した人工遺伝子経路は、別の核酸との組換えの基質として役割を果たすこともできる。一部の実施形態では、組換えは、人工のイントロン含有遺伝子と組換えパートナーとして役割を果たす核酸との間の相同領域によって促進される、またはそこで起こる。一部の実施形態では、組換えパートナーは、人工遺伝子または人工遺伝子経路を含めた本発明によって作製した核酸であってもよい。組換えは、人工遺伝子中の1つ(または複数)の人工導入したイントロンで存在する相同領域によって促進される、またはそこで起こってもよい。
一部の実施形態では、本発明に従った合成遺伝子再アセンブリ方法は複数の核酸構成単位を利用し、一部の実施形態では、そのそれぞれが2つのライゲーション可能な末端を有する。それぞれの核酸構成単位上の2つのライゲーション可能な末端は、2つの平滑末端(すなわち、それぞれが0個のヌクレオチドのオーバーハングを有する)、または、一部の実施形態では1つの平滑末端および1つのオーバーハング、または、さらなる一部の実施形態では2つのオーバーハングであり得る。一部の実施形態では、この目的のための有用なオーバーハングは、3’オーバーハングまたは5’オーバーハングであり得る。したがって、核酸構成単位は、1つの3’オーバーハングを有するか、または1つの5’オーバーハングを有するか、または2つの3’オーバーハングを有するか、または2つの5’オーバーハングを有し得る。核酸構成単位がアセンブリされて最終的なキメラ核酸分子を形成する全体的な順序は、ランダムではなく目的のある実験設計によって決定される。
一部の実施形態では、核酸構成単位は、2つの一本鎖核酸(一本鎖オリゴとも呼ばれる)を化学合成し、それらを接触させてアニーリングさせ、二本鎖核酸構成単位を形成することによって作製する。二本鎖核酸構成単位は様々な大きさであることができる。これらの構成単位の大きさは小さいまたは大きいことができる。構成単位例示的な大きさの範囲は、1塩基対(任意のオーバーハングは含まれない)〜100,000塩基対(任意のオーバーハングは含まれない)である。他の例示的な大きさの範囲も提供され、その下限は1bp〜10,000bp(その間のすべての整数値が含まれる)であり、上限は2bp〜100,000bp(その間のすべての整数値が含まれる)である。
本発明に役立つ二本鎖核酸構成単位を作製することができる多くの方法が存在し、これらは当分野で知られており、当業者によって容易に行うことができる。一部の実施形態では、二本鎖核酸構成単位は、最初に2つの一本鎖核酸を作製し、これらをアニーリングさせて二本鎖核酸構成単位を形成することによって作製する。二本鎖核酸構成単位の2つの鎖は、オーバーハングを形成する任意のもの以外のすべてのヌクレオチドで相補的であり、したがって、オーバーハング(または複数のオーバーハング)が存在する場合はそれを除いてミスマッチを含まないものであり得る。別の実施形態では、二本鎖核酸構成単位の2つの鎖は、オーバーハングを形成する任意のもの以外は、すべてのヌクレオチド未満で相補的である。したがって、本実施形態によれば、二本鎖核酸構成単位を用いてコドン縮重を導入することができる。一部の実施形態では、コドン縮重は、本明細書中に記載の部位飽和突然変異誘発を用い、1つもしくは複数のN,N,G/Tカセットまたは1つもしくは複数のN,N,Nカセットを用いて導入する。
本発明に従ったin vivo組換え方法は、特定のポリヌクレオチドの配列の未知のハイブリッドまたは対立遺伝子のプールに盲目的に行うことができる。しかし、特定のポリヌクレオチドの実際のDNAまたはRNA配列を知っている必要はない。遺伝子の混合集団内で組換えを用いる手法は、任意の有用なタンパク質、たとえば、本発明に従ったアルドラーゼまたはその変異体の作製に有用な場合がある。この手法を用いて、変化した特異性または活性を有するタンパク質を作製し得る。また、この手法は、ハイブリッド核酸配列、たとえば、プロモーター領域、イントロン、エクソン、エンハンサー配列、遺伝子の31非翻訳領域または51非翻訳領域の作製にも有用であり得る。したがって、この手法を用いて、発現の割合が増加した遺伝子を作製し得る。また、この手法は、反復DNA配列の研究にも有用であり得る。最後に、この手法は、本発明に従ったリボザイムまたはアプタマーの作製に有用であり得る。
一部の実施形態では、本明細書中に記載の発明は、DNA、RNAまたはタンパク質などの高度に複雑な直鎖配列の定方向分子進化を組換えによって可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に向けられている。
最適化した定方向進化システム
本発明は、新しいまたは変化した特性を有する本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または抗体などのポリペプチドを作製するための、「最適化した定方向進化システム」と呼ばれる非確率的遺伝子修飾システムを提供する。一部の実施形態では、最適化した定方向進化は、核酸の定方向分子進化を組換えによって可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に向けられている。
最適化した定方向進化は大集団の進化したキメラ配列の作製を可能にし、作製された集団は、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有する配列について有意に濃縮されている。クロスオーバー事象とは、一方の親変異体から他方の親変異体へと配列のシフトが起こるキメラ配列中の点である。そのような点は通常、2つの親からのオリゴヌクレオチドが一緒にライゲーションされて単一の配列を形成する接合部にある。この方法は、選択された数のクロスオーバー事象が配列の最終キメラ集団について濃縮されているように、オリゴヌクレオチド配列の正しい濃度の計算を可能にする。これにより、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するキメラ変異体を選択することに関してより多くの制御がもたらされる。
さらに、この方法は、他のシステムと比較して大量の可能なタンパク質変異体空間を調査する好都合な手段を提供する。以前は、たとえば反応中に1013個のキメラ分子を作製した場合、そのように多数のキメラ変異体を特定の活性について試験することは非常に困難であった。さらに、子孫集団の顕著な部分が非常に多数のクロスオーバー事象を有することとなり、特定の活性のレベルが増加している可能性がより低いタンパク質がとなっていた。これらの方法を用いることにより、キメラ分子の集団を、特定の数のクロスオーバー事象を有する変異体について濃縮することができる。したがって、依然として反応中に1013個のキメラ分子を作製することができるが、さらなる解析のために選択した分子のそれぞれは、たとえば、3つのクロスオーバー事象しか有さない可能性が高い。事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するように生じる子孫集団を歪めることができるので、キメラ分子間の機能的多様性の境界が低下する。これは、元の親ポリヌクレオチドからどのオリゴヌクレオチドが特定の特質に影響を与える原因となっている可能性があるかを計算する際に、より管理可能な数の可変部を提供する。
キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する一方法は、それぞれの親配列の断片または部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。一部の実施形態では、それぞれのオリゴヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによりそれぞれのオリゴヌクレオチド断片が正しい順序でアセンブリされている新しい変異体がもたらされるように、固有の重複領域が含まれる。あるいは、本発明に従ったこれらの方法実施するプロトコルは、米国特許第6,773,900号、第6,740,506号、第6,713,282号、第6,635,449号、第6,605,449号、第6,537,776号、第6,361,974号に見つけることができる。
それぞれの親変異体について作製されるオリゴヌクレオチド数は、最終的に作製されるキメラ分子中に生じるクロスオーバーの合計数に対して関係性を有する。たとえば、たとえばより高い温度でより大きな活性を有するキメラ変異体を探すために、ライゲーション反応を受けるように、3つの親ヌクレオチド配列変異体を提供する場合がある。一例として、それぞれの親変異体のそれぞれの部分に対応する50個のオリゴヌクレオチド配列の組を作製することができる。したがって、ライゲーション再アセンブリプロセス中に、キメラ配列のそれぞれ内に50個までのクロスオーバー事象が存在する場合がある。作製したキメラポリヌクレオチドのそれぞれが、それぞれの親変異体からのオリゴヌクレオチドを交互の順序で含む確率は非常に低い。それぞれのオリゴヌクレオチド断片がライゲーション反応中に同モル量で存在する場合は、一部の位置では、同じ親ポリヌクレオチドからのオリゴヌクレオチドが隣同士でライゲーションされてクロスオーバー事象がもたらされない可能性が高い。それぞれの親からのそれぞれのオリゴヌクレオチドの濃度を、この例の任意のライゲーション工程で一定に保つ場合は、同じ親変異体からのオリゴヌクレオチドがキメラ配列内でライゲーションしてクロスオーバーを生じない確率は1/3である(3つの親を仮定)。
したがって、指定した数の親変異体、それぞれの変異体に対応するオリゴヌクレオチドの数、およびライゲーション反応のそれぞれの工程中のそれぞれの変異体の濃度を考えると、ライゲーション反応のそれぞれの工程中で生じる可能性があるクロスオーバー事象の集団を予測するために、確率密度関数(PDF)を決定することができる。PDFの決定の背後にある統計学および数学を以下に記載する。これらの方法を利用することにより、そのような確率密度関数を計算することができ、したがって、特定のライゲーション反応から生じる事前に決定した数のクロスオーバー事象についてキメラ子孫集団を濃縮することができる。さらに、標的数のクロスオーバー事象を事前に決定することができ、その後、ライゲーション反応のそれぞれの工程にそれぞれの親オリゴヌクレオチドの開始量を計算して、事前に決定した数のクロスオーバー事象を中心とする確率密度関数をもたらすために、システムをプログラミングすることができる。これらの方法は、ポリペプチドをコードしている核酸の定方向分子進化を組換えによって可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に向けられている。このシステムは大集団の進化したキメラ配列の作製を可能にし、作製された集団は、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有する配列について有意に濃縮されている。クロスオーバー事象とは、一方の親変異体から他方の親変異体へと配列のシフトが起こるキメラ配列中の点である。そのような点は通常、2つの親からのオリゴヌクレオチドが一緒にライゲーションされて単一の配列を形成する接合部にある。この方法は、選択された数のクロスオーバー事象が配列の最終キメラ集団について濃縮されているように、オリゴヌクレオチド配列の正しい濃度の計算を可能にする。これにより、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するキメラ変異体を選択することに関してより多くの制御がもたらされる。
さらに、これらの方法は、他のシステムと比較して大量の可能なタンパク質変異体空間を調査する好都合な手段を提供する。本明細書中に記載の方法を用いることによって、キメラ分子の集団を、特定の数のクロスオーバー事象を有する変異体について濃縮することができる。したがって、依然として反応中に1013個のキメラ分子を作製することができるが、さらなる解析のために選択した分子のそれぞれは、たとえば、3つのクロスオーバー事象しか有さない可能性が高い。事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するように生じる子孫集団を歪めることができるので、キメラ分子間の機能的多様性の境界が低下する。これは、元の親ポリヌクレオチドからどのオリゴヌクレオチド特定の特質に影響を与える原因となっている可能性があるかを計算する際に、より管理可能な数の可変部を提供する。
一部の実施形態では、この方法は、それぞれの親配列の断片または部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することによって、キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する。一部の実施形態では、それぞれのオリゴヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによりそれぞれのオリゴヌクレオチド断片が正しい順序でアセンブリされている新しい変異体がもたらされるように、固有の重複領域が含まれる。米国特許第6,773,900号、第6,740,506号、第6,713,282号、第6,635,449号、第6,605,449号、第6,537,776号、第6,361,974号。
クロスオーバー事象の決定
本発明の実施形態には、入力として所望のクロスオーバー確率密度関数(PDF)、再アセンブリする親遺伝子の数、および再アセンブリ中の断片の数を受信するシステムおよびソフトウェアが含まれる。このプログラムの出力は、再アセンブリした遺伝子を生成するためのレシピ、およびそれらの遺伝子の推定クロスオーバーPDFを決定するために用いることができる「断片PDF」である。一部の実施形態では、本明細書中に記載の処理は、技術計算のためのプログラミング言語および開発環境であるMATLAB(商標)(The Mathworks、マサチューセッツ州Natick)で行う。
反復プロセス
本発明に従った任意のプロセスを繰り返し反復することができ、たとえば、本発明に従った変化したまたは新しい、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの表現型をコードしている核酸を、同定し、再単離し、再度修飾し、再度活性について試験することができる。このプロセスを、所望の表現型が操作により設計されるまで繰り返し反復することができる。たとえば、たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を含めた生化学的同化または異化経路全体を、操作により細胞内に入れることができる。
同様に、特定のオリゴヌクレオチドが所望の特質(たとえば新しいHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の表現型)にまったく影響を与えないことが決定された場合は、除去する配列が含まれるより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することによって、可変部として除去することができる。配列をより大きな配列内に組み込むことにより任意のクロスオーバー事象が妨げられるので、子孫ポリヌクレオチド中にはこの配列の変異体はまったく存在しなくなる。どのオリゴヌクレオチドが所望の特質に最も関連しており、どれが関連していないかを決定するこの反復実施により、特定の特質または活性をもたらす可能性があるすべての可能なタンパク質変異体のより効率的な調査が可能となる。
In vivoシャフリング
様々な実施形態では、分子のin vivoシャフリングを本発明に従った方法で用いて、本発明に従った抗体またはピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などの本発明に従ったアルドラーゼ等の本発明に従ったポリペプチドの変異体を提供する。in vivoシャフリングは、多量体を組み換えるという細胞の天然に存在する特性を利用して行うことができる。in vivoの組換えは分子多様性に向かう大きな自然の手段を提供したが、遺伝的組換えは、1)相同性の認識、2)組換えキアズマの生成をもたらす鎖の切断、鎖の侵襲、および代謝工程、ならびに最後に3)キアズマを別々の組み換えた分子へと分解することを含む比較的複雑なプロセスのままである。キアズマの形成には相同配列の認識を要する。
他の実施形態では、本発明には、少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを生成する方法が含まれる。一部の実施形態では、本発明は、部分的配列相同性の少なくとも1つの領域を共有する少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチド(本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素によってコードされた配列の一方または両方など)を適切な宿主細胞内に導入することによってハイブリッドポリヌクレオチドを生成するために用いることができる。部分的配列相同性の領域は、配列の再編成をもたらしてハイブリッドポリヌクレオチドを生成するプロセスを促進する。本明細書中で使用する用語「ハイブリッドポリヌクレオチド」とは、本発明の方法により生じ、少なくとも2つの元のポリヌクレオチド配列からの配列を含む任意のヌクレオチド配列である。そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列組込みを促進する分子間組換え事象から生じる場合がある。さらに、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、反復配列を利用してDNA分子内のヌクレオチド配列を変化させる分子内還元的再集合プロセスから生じる場合がある。
一部の実施形態では、vivo再集合は「組換え」と総称される「分子間」プロセスに着目し、これは、細菌では一般に「RecA依存性」現象とみなされる。一部の実施形態では、本発明は、欠失によって細胞中の準反復配列の複雑さを下げるために、配列を組換えおよび再集合させる宿主細胞の組換えプロセス、または還元性プロセスを媒介する細胞の能力に依存する場合がある。この「還元的再集合」のプロセスは、「分子内」のRecA非依存性プロセスによって起こる。
本発明の他の実施形態では、新規ポリヌクレオチドは、還元的再集合のプロセスによって作製することができる。この方法は、連続した配列(元のコード配列)を含む構築体を作製すること、それらを適切なベクター内に挿入すること、および続いてそれらを適切な宿主細胞内に導入することを含む。個々の分子同一性の再集合は、相同領域を保有する構築体中の連続した配列間、または準反復単位間のコンビナトリアルプロセスによって起こる。再集合プロセスは反復配列の複雑さおよび度合を組み換えるおよび/または低下させ、新規分子種の生成をもたらす。再集合の割合を増強するために様々な処理を適用し得る。これらには、紫外光もしくはDNA損傷化学薬品を用いた処理および/または増強したレベルの「遺伝的不安定性」を表示する宿主細胞系の使用が含まれる場合がある。したがって、再集合プロセスは、自身の進化を指示するための相同組換えまたは準反復配列の天然に存在する特性を含み得る。
反復または「準反復」配列は遺伝的不安定性において役割を果たす。一部の実施形態では、「準反復」とは、その元の単位構造に制限されない反復である。準反復単位は、構築体中の配列アレイ、すなわち連続した単位の類似配列として提示することができる。ライゲーションされた後、連続した配列間の接合部は本質的に見えなくなり、生じる構築体の準反復性質は、ここでは分子レベルで連続的となる。生じる構築体の複雑さを低下させるために細胞が行う欠失プロセスは、準反復配列間で動作する。準反復単位は事実上制限のない鋳型レパートリーを提供し、それに翻訳スリップ事象が起こることができる。したがって、一部の実施形態では、準反復を含む構築体は、欠失(および潜在的に挿入)事象が事実上準反復単位内のどこでも起こることができるほどの十分な分子の融通性を有効に提供する。
準反復配列がすべて同じ配向、たとえば頭部から尾部またはその逆でライゲーションされている場合、細胞は個々の単位を区別することができない。その結果、還元性プロセスは配列全体にわたって起こることができる。対照的に、たとえば、単位が頭部から尾部ではなく頭部対頭部で提示されている場合、逆位によって隣接単位の末端点が描写されて、欠失形成は個別の単位の損失を支持する。したがって、本方法では、配列が同じ配向であることが好ましい。準反復配列のランダム配向は再集合効率の損失をもたらす一方で、配列の一定配向は最も高い効率を提供する。しかし、同じ配向の連続的な配列がより少ないことにより効率が低下するが、これは依然として新規分子の有効な回収に十分な融通性を提供し得る。より高い効率を可能にするために、準反復配列を用いて同じ配向で構築体を作製することができる。
配列は、以下を含めた様々な方法の任意のものを用いて頭部から尾部の配向でアセンブリすることができる:
a)一本鎖にした場合に配向を提供する、ポリA頭部およびポリT尾部が含まれるプライマーを利用することができる。これは、プライマーの最初の数塩基をRNAから作製し、容易に除去されるRNaseHを有することによって達成される。
b)固有の制限切断部位が含まれるプライマーを利用することができる。複数の部位、固有の配列の集団、ならびに反復合成およびライゲーション工程が必要となる。
c)プライマーの内部の数塩基をチオール化し、エキソヌクレアーゼを用いて適切な尾部を有する分子を生成することができる。
一部の実施形態では、再集合配列の回収は、反復指数(RI)が低下したクローニングベクターの同定に依存する。その後、再集合したコード配列を増幅によって回収することができる。生成物を再度クローニングして発現させる。RIが低下したクローニングベクターの回収は、以下によって行うことができる:
1)構築体の複雑さが低下している場合にのみ安定に保たれるベクターの使用。
2)物理的手順による短縮したベクターの物理的回収。この場合、クローニングベクターは、標準のプラスミド単離手順を用いて回収し、標準の手順を利用してアガロースゲル、または低分子量カットオフを有するカラムのどちらかでサイズ分画する。
3)挿入物の大きさが小さくなった場合に選択することができる中断された遺伝子を含むベクターの回収。
4)発現ベクターおよび適切な選択を用いた直接選択技術の使用。
関連生物からのコード配列(たとえば遺伝子)は高度な相同性を実証し、非常に多様なタンパク質産物をコードしている場合がある。これらの種類の配列は本発明で準反復として特に有用である。しかし、以下に例示する例はほぼ同一の元のコード配列(準反復)の再集合を実証するが、このプロセスは、そのようなほぼ同一の反復に限定されない。
以下の例は、本発明に従った例示的な方法を実証する。3つの固有の種に由来するコード核酸配列(準反復)を記載する。それぞれの配列は、異なる組の特性を有するタンパク質をコードしている。配列のそれぞれは、配列中の固有の位置で一塩基対または数塩基対が異なる。準反復配列を別々または集合的に増幅し、すべての可能な順列および組合せがライゲーションした分子の集団中で利用可能となるように、ランダムアセンブリ内にライゲーションする。準反復単位の数はアセンブリ条件によって制御することができる。構築体中の準反復単位の平均数は、反復指数(RI)として定義される。
形成した後、構築体を公開されているプロトコルに従ってアガロースゲル上でサイズ分画してもしなくてもよく、クローニングベクター内に挿入し、適切な宿主細胞内に形質移入させる。その後、細胞を増殖させ、「還元的再集合」を行う。還元的再集合プロセスの割合は、所望する場合はDNA損傷の導入によって刺激し得る。RIの低下が「分子内」機構による反復配列間の欠失形成によって媒介されるか、「分子間」機構による組換え様事象によって媒介されるかは重要でない。最終結果は、分子がすべての可能な組合せに再集合されることである。
所望により、本方法は、たとえばタンパク質受容体、オリゴ糖、ビリオン、または他の事前に決定した化合物もしくは構造体などの事前に決定した巨大分子と結合もしくは他の様式で相互作用する、またはそれとの特定の反応を触媒する(酵素の触媒ドメインなど)能力を有する個々のシャフリングしたライブラリーメンバーを同定するために、シャフリングしたプールのライブラリーメンバースクリーニングするさらなる工程を含む。
そのようなライブラリーから同定されたポリペプチドは、治療、診断、研究および関連する目的のために使用することができるか(触媒、水溶液の浸透圧を増加するための溶質など)、かつ/または1つもしくは複数の追加のサイクルのシャフリングおよび/もしくは選択に供することができる。
他の実施形態では、組換えまたは再集合の前またはその間に、本発明に従った方法によって作製したポリヌクレオチドを、元のポリヌクレオチド内への突然変異の導入を促進する薬剤またはプロセスに供することができることが想定される。そのような突然変異を導入することにより、それにコードされている、生じるハイブリッドポリヌクレオチドおよびポリペプチドの多様性が増加する。突然変異誘発を促進する薬剤またはプロセスには、それだけには限定されないが、(+)−CC−1065または(+)−CC−1065−(N3−アデニンなどの合成類似体(SunおよびHurley、(1992)参照;DNA合成を阻害することができるN−アセチル化もしくは脱アセチル化4’−フルロ−4−アミノビフェニル付加物(たとえばvan de Poll他(1992)参照);またはDNA合成を阻害することができるN−アセチル化もしくは脱アセチル化した4−アミノビフェニル付加物(van de Poll他(1992)、ページ751〜758参照);三価クロム、三価クロム塩、DNA複製を阻害することができる多環芳香族炭化水素(PAH)DNA付加物、たとえば7−ブロモメチル−ベンズ[a]アントラセン(「BMA」)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート(「トリス−BP」)、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン(「DBCP」)、2−ブロモアクロレイン(2BA)、ベンゾ[a]ピレン−7,8−ジヒドロジオール−9−10−エポキシド(「BPDE」)、白金(II)ハロゲン塩、N−ヒドロキシ−2−アミノ−3−メチルイミダゾ[4,5−f]−キノリン(「N−ヒドロキシ−IQ」)およびN−ヒドロキシ−2−アミノ−1−メチル−6−フェニルイミダゾ[4,5−f]−ピリジン(「N−ヒドロキシ−PhIP」)が含まれることができる。PCR増幅を遅延または停止させる例示的な手段は、UV光(+)−CC−1065および(+)−CC−1065−(N3−アデニン)からなる。特に包含される手段は、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプールからのDNA付加物を含むDNA付加物またはポリヌクレオチドであり、これは、さらなる加工の前にポリヌクレオチドを含む溶液を加熱することが含まれるプロセスによって、放出させるまたは除去することができる。
他の実施形態では、本発明は、野生型タンパク質をコードしている二本鎖鋳型ポリヌクレオチドを含む試料を、ハイブリッドまたは再集合ポリヌクレオチドの生成をもたらす本発明による条件下で処理することによる、生物活性を有する組換えタンパク質を生成する方法に向けられている。
配列変異体の生成
本発明はまた、本発明に従った核酸(HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素など)の配列の配列変異体を作製するさらなる方法も提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、本発明に従った核酸およびポリペプチドを用いた、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を単離するさらなる方法も提供する。一部の実施形態では、本発明は、上述のランダム、すなわち確率的方法、または非確率的、すなわち「定方向進化」方法などを含めた任意の手段によって変化させることができる、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素のコード配列(遺伝子、cDNAまたはメッセージなど)の変異体を提供する。
単離した変異体は天然に存在し得る。変異体はin vitroで作製することもできる。変異体は、部位特異的突然変異誘発、ランダム化学突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIII欠失手順、および標準のクローニング技術などの遺伝子操作技術を用いて作製し得る。あるいは、そのような変異体、断片、類似体、または誘導体は、化学合成または修飾手順を用いて作製し得る。当業者は変異体を作製する他の方法にも精通している。これらには、天然に存在する単離物から得た核酸配列を修飾して、工業または実験室の用途におけるその価値を増強する特徴を有するポリペプチドをコードしている核酸を作製する手順が含まれる。そのような手順では、天然に存在する単離物から得た配列に対して1つまたは複数のヌクレオチド差異を有する多数の変異配列を作製し、特徴づける。これらのヌクレオチドの差異は、天然に存在する単離物からの核酸によってコードされているポリペプチドに対するアミノ酸変化をもたらすことができる。
たとえば、誤りがちなPCRを用いて変異体を作製し得る。誤りがちなPCRの一部の実施形態では、PCR産物の全長にわたって高い割合の点突然変異が得られるように、DNAポリメラーゼの複製の忠実度が低い条件下でPCRを行う。誤りがちなPCRは、Leung,D.W.他、(1989)Technique、1:11〜15;ならびにCaldwell,R.C.およびJoyce,G.F.、(1992)PCR Methods Applic.、2:28〜33などの記載されている。手短に述べると、そのような手順では、PCR産物の全長にわたって高い割合の点突然変異を達成するために、突然変異誘発させる核酸を、PCRプライマー、反応緩衝液、MgCl2、MnCl2、Taqポリメラーゼおよび適切な濃度のdNTPと混合する。たとえば、20fmoleの突然変異誘発させる核酸、30pmoleのそれぞれのPCRプライマー、50mMのKCl、10mMのトリスHCl(pH8.3)および0.01%のゼラチンを含む反応緩衝液、7mMのMgCl2、0.5mMのMnCl2、5単位のTaqポリメラーゼ、0.2mMのdGTP、0.2mMのdATP、1mMのdCTP、ならびに1mMのdTTPを用いて反応を行い得る。94℃で1分間、45℃で1分間、および72℃で1分間の30サイクルでPCRを行い得る。しかし、これらのパラメータは必要に応じて変え得ることを理解されたい。突然変異誘発させた核酸を適切なベクター内にクローニングし、突然変異誘発させた核酸によってコードされているポリペプチドの活性を評価する。
一部の実施形態では、任意の目的のクローニングしたDNAに部位特異的な突然変異を生じさせるためのオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発を用いて変異体を作製する。オリゴヌクレオチドの突然変異誘発は、Reidhaar−Olson(1988)Science、241:53〜57などに記載されている。手短に述べると、そのような手順では、クローニングしたDNA内に導入する1つまたは複数の突然変異を保有する複数の二本鎖オリゴヌクレオチドを合成し、突然変異誘発させるクローニングしたDNA内に挿入する。一部の実施形態では、突然変異誘発させたDNAを含むクローンを回収し、発現させ、それにコードされているポリペプチドの活性を評価する。
変異体を作製する別の方法はアセンブリPCRである。アセンブリPCRは、小DNA断片の混合物からのPCR産物のアセンブリを含む。多数の異なるPCR反応が同じバイアル内で平行して起こり、1つの反応の産物が別の反応のプライマーとなる。アセンブリPCRは、当分野で米国特許第5,965,408号などに記載されている。
一部の実施形態では、性的PCR突然変異誘発は、本発明に従った変異体を作製する例示的な方法である。性的PCR突然変異誘発の一部の実施形態では、配列相同性に基づいたDNA分子のランダム断片化の結果、異なるが関連性の高いDNA配列のDNA分子間で強制相同組換えがin vitroで起こり、続いてPCR反応におけるプライマー伸長によってクロスオーバーの固定が起こる。性的PCR突然変異誘発は、Stemmer(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91:10747〜10751などに記載されている。手短に述べると、そのような手順では、組み換える複数の核酸をDNaseで消化して、平均の大きさが50〜200個のヌクレオチドである断片を作製する。所望の平均の大きさの断片を精製し、PCR混合物に再懸濁させる。PCRを、核酸断片間の組換えを促進する条件下で実施する。たとえば、PCRは、精製した断片を10〜30ng/μlの濃度で、0.2mMのそれぞれのdNTP、2.2mMのMgCl2、50mMのKCL、10mMのトリスHCl、pH9.0、および0.1%のTriton X−100の溶液に再懸濁させることによって行い得る。100μlの反応混合物あたり2.5単位のTaqポリメラーゼを加え、以下のレジメンを用いてPCRを行う:94℃で60秒間、94℃で30秒間、50〜55℃で30秒間、72℃で30秒間(30〜45回)および72℃で5分間。しかし、これらのパラメータは必要に応じて変え得ることを理解されたい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドをPCR反応に含め得る。他の実施形態では、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片をPCR反応の第1の組で用い、TaqポリメラーゼをPCR反応の続く組で用い得る。組換え配列を単離し、それにコードされているポリペプチドの活性を評価する。
一部の実施形態では、in vivo突然変異誘発によって変異体を作製する。一部の実施形態では、目的配列中のランダム突然変異は、目的配列をDNA修復経路の1つまたは複数に突然変異を保有するイー・コリ株などの細菌株中で増殖することによって作製される。そのような「突然変異誘発」株は、野生型の親よりもランダム突然変異の割合が高い。これらの株の1つでDNAを増殖することにより、いつかはDNA中にランダム突然変異が生じる。in vivo突然変異誘発での使用に適した突然変異誘発株は、1991年10月31日公開、題名「複数の遺伝子集団からの表現型の作製方法(Methods for Phenotype Creation from Multiple Gene Populations)」のPCT国際公開第91/16427号に記載されている。
変異体は、カセット突然変異誘発を用いても作製し得る。カセット突然変異誘発では、二本鎖DNA分子の小領域を、ネイティブ配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド「カセット」で置き換える。オリゴヌクレオチドは、多くの場合、完全および/または部分的にランダム化されたネイティブ配列を含む。
反復アンサンブル突然変異誘発も、変異体を作製するために用い得る。反復アンサンブル突然変異誘発とは、そのメンバーのアミノ酸配列が異なり、表現型が関連する突然変異体の多様な集団を生じるために開発されたタンパク質工学(タンパク質突然変異誘発)のアルゴリズムである。この方法では、連続的な巡回のコンビナトリアルカセット突然変異誘発を制御するためにフィードバック機構を用いる。反復アンサンブル突然変異誘発は、Arkin(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:7811〜7815などに記載されている。
一部の実施形態では、指数関数的アンサンブル突然変異誘発を用いて変異体を作製する。指数関数的アンサンブル突然変異誘発とは、固有かつ機能的な突然変異体を高い割合で有するコンビナトリアルライブラリーを作製するプロセスであり、残基の小グループを、機能的なタンパク質をもたらすアミノ酸の同定と平行して、それぞれの変化した位置でランダム化する。指数関数的アンサンブル突然変異誘発は、Delegrave(1993)Biotechnology Res.、11:1548〜1552などに記載されている。ランダムおよび部位特異的突然変異誘発は、Arnold(1993)Current Opinion in Biotechnology、4:450〜455などに記載されている。
一部の実施形態では、シャフリング手順を用いて変異体を作製し、1996年7月9日出願、題名「合成を中断することによるDNAの再アセンブリ方法(Method of DNA Reassembly by Interrupting Synthesis)」の米国特許第5,965,408号、および1996年5月22日出願、題名「突然変異誘発による所望の活性を有する酵素の作製(Production of Enzymes Having Desired Activities by Mutagenesis)の米国特許第5,939,250号に記載のように、異なるポリペプチドをコードしている複数の核酸の部分を一緒に融合してキメラポリペプチドをコードしているキメラ核酸配列を作製する。
本発明に従ったポリペプチドの変異体は、本発明に従った配列のポリペプチドのアミノ酸残基の1つまたは複数が保存的または非保存的アミノ酸残基(一部の実施形態では保存的アミノ酸残基)で置換されており、そのような置換されたアミノ酸残基が遺伝暗号によってコードされているものであってもされていないものであってもよい、変異体であり得る。
一部の実施形態では、保存的置換とは、ポリペプチド中の所定のアミノ酸を同様の特徴を有する別のアミノ酸で置換するものである。一部の実施形態では、本発明に従った保存的置換は、以下の置換え、すなわち、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンなどの脂肪族アミノ酸を別の脂肪族アミノ酸で置き換えること、セリンをスレオニンで置き換えることまたはその逆、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性残基を別の酸性残基で置き換えること、アスパラギンおよびグルタミンなどのアミド基を有する残基を、アミド基を有する別の残基で置き換えること、リシンおよびアルギニンなどの塩基性残基を別の塩基性残基で交換すること、ならびにフェニルアラニン、チロシンなどの芳香族残基を別の芳香族残基で置き換えることを含む。
他の変異体は、本発明に従ったポリペプチドのアミノ酸残基の1つまたは複数に置換基が含まれるものである。一部の実施形態では、他の変異体は、ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加する化合物(たとえばポリエチレングリコール)などの別の化合物と会合しているものである。さらなる変異体は、リーダー配列、分泌配列、前駆タンパク質配列またはポリペプチドの精製、濃縮、もしくは安定化を促進する配列などのさらなるアミノ酸がポリペプチドと融合しているものである。
一部の実施形態では、断片、誘導体および類似体は、本発明に従ったポリペプチドおよびそれと実質的に同一の配列と同じ生体機能または活性を保持する。他の実施形態では、断片、誘導体、または類似体には、断片、誘導体、または類似体が、前駆タンパク質部分の切断によって活性化されて活性ポリペプチドを生成することができるように、前駆タンパク質が含まれる。
宿主細胞中で高レベルのタンパク質発現を達成するためのコドンの最適化
本発明は、コドン使用頻度を改変(たとえば最適化)するために、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素をコードしている核酸を修飾する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、宿主細胞におけるその発現を増加または低下させるために、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素をコードしている核酸中のコドンを修飾する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、宿主細胞におけるその発現を増加させるために修飾したピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素をコードしている核酸、そのように修飾したHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、ならびに修飾したHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を作製する方法も提供する。この方法は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素をコードしている核酸中の「好ましくない」または「それほど好ましくない」コドンを同定すること、これらの好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンの1つまたは複数を、置き換えるコドンと同じアミノ酸をコードしている「好ましいコドン」で置き換えること、ならびに核酸中の少なくとも1つの好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンが同じアミノ酸をコードしている好ましいコドンで置き換えられていることを含む。好ましいコドンとは、宿主細胞中の遺伝子のコード配列中で大きな比率を占めるコドンであり、好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンとは、宿主細胞中の遺伝子のコード配列中で小さな比率しか占めないコドンである。
本発明に従った核酸、発現カセットおよびベクターを発現させるための宿主細胞には、細菌、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞が含まれる(上記記述を参照)。したがって、本発明は、これらの細胞すべてにおけるコドン使用頻度を最適化する方法、コドンが変化した核酸およびコドンが変化した核酸によって作製されたポリペプチドを提供する。例示的な宿主細胞には、エシェリキア・コリなどのグラム陰性細菌、ストレプトマイセスsp.、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・クレモリス、バチルス・サチリス、バチルス・セレウスなどのグラム陽性細菌が含まれる。また、例示的な宿主細胞には、サッカロマイセス・セレビシエ、シゾサッカロマイセス・ポンベ、ピキア・パストリス、およびクルイベロマイセス・ラクチスを含めたサッカロマイセスsp.、ハンゼヌラ・ポリモルファ、アスペルギルス・ニガーなどの様々な酵母、ならびに哺乳動物細胞および細胞系および昆虫細胞および細胞系等の真核生物も含まれる。したがって、本発明にはまた、これらの生物および種における発現に最適化した核酸およびポリペプチドが含まれる。
たとえば、細菌細胞から単離したピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素をコードしている核酸のコドンを、核酸が、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が由来する細菌とは異なる細菌細胞、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞中で最適に発現されるように、修飾する。コドンを最適化する方法は当分野で周知であり、米国特許第5,795,737号;Baca(2000)Int.J.Parasitol.、30:113〜118;Hale(1998)Protein Expr.Purif.、12:185〜188;Narum(2001)Infect.Immun.、69:7250〜7253を参照されたい。マウス系でのコドンの最適化を記載しているNarum(2001)Infect.Immun.、69:7250〜7253;酵母でのコドンの最適化を記載しているOutchkourov(2002)Protein Expr.Purif.、24:18〜24;イー・コリでのコドンの最適化を記載しているFeng(2000)Biochemistry、39:15399〜15409;イー・コリでの分泌に影響を与えるコドン使用頻度の最適化を記載しているHumphreys(2000)Protein Expr.Purif.、20:252〜264も参照されたい。
トランスジェニック非ヒト動物
本発明は、本発明に従った核酸、ポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)、発現カセットまたはベクターあるいは形質移入または形質転換細胞を含むトランスジェニック非ヒト動物を提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、これらのトランスジェニック非ヒト動物を作製および使用する方法も提供する。
トランスジェニック非ヒト動物は、本発明に従った核酸を含むイヌ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ウマ、魚、ブタ(pig)(すべてのブタ(swine)、雄ブタ(hog)および関連動物を含む)、ウシ、ラットならびにマウスなどであることができる。これらの動物は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を研究するためのin vivoモデル、または、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性をin vivoで変化させる薬剤をスクリーニングするためのモデルなどとして使用することができる。トランスジェニック非ヒト動物中で発現させるポリペプチドのコード配列は、構成的であるように、または、組織特異的、発生特異的もしくは誘導可能な転写調節因子の制御下で設計することができる。
トランスジェニック非ヒト動物は、当分野で知られている任意の方法を用いて設計および作製することができる。形質転換細胞および卵子ならびにトランスジェニックマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、魚およびウシの作製ならびに使用を記載している米国特許第6,211,428号、第6,187,992号、第6,156,952号、第6,118,044号、第6,111,166号、第6,107,541号、第5,959,171号、第5,922,854号、第5,892,070号、第5,880,327号、第5,891,698号、第5,639,940号、第5,573,933号、第5,387,742号、第5,087,571号を参照されたい。また、トランスジェニック乳畜の乳中の組換えタンパク質の生成を記載しているPollock(1999)J.Immunol.Methods、231:147〜157;トランスジェニックヤギの生成を実証しているBaguisi(1999)Nat.Biotechnol.、17:456〜461なども参照されたい。米国特許第6,211,428号は、その脳中でDNA配列を含む核酸構築体を発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物の作製および使用を記載している。米国特許第5,387,742号は、クローニングした組換えまたは合成DNA配列をマウス受精卵に注入すること、注入した卵子を偽妊娠させた雌に移植すること、およびトランスジェニックマウスを出産まで成長させることを記載している。米国特許第6,187,992号は、トランスジェニックマウスの作製および使用を記載している。
「ノックアウト動物」も、本発明に従った方法を実施するために使用することができる。たとえば、一部の実施形態では、本発明に従ったトランスジェニックまたは改変動物は、内在遺伝子を発現しないように操作した「ノックアウトマウス」などの「ノックアウト動物」を含み、これは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を発現する遺伝子、または、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を含む融合タンパク質で置き換えられている。
トランスジェニック植物および種子
本発明は、本発明に従った核酸、ポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)、発現カセットまたはベクターあるいは形質移入または形質転換細胞を含むトランスジェニック植物および種子を提供する。本発明はまた、本発明の核酸および/またはポリペプチド(キシラナーゼなど)を含む、任意の植物部分を含めた果実、油、種子、葉、抽出物などの植物の生成物または副産物も提供し、たとえば、本発明の核酸またはポリペプチドは植物、植物部分、種子などに異種である。トランスジェニック植物(植物部分、果実、種子などが含まれる)は、双子葉(双子葉植物)または単子葉(単子葉植物)であることができる。一部の実施形態では、本発明はまた、これらのトランスジェニック植物および種子を作製および使用する方法も提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞は、当分野で知られている任意の方法に従って構築し得る。たとえば、米国特許第6,309,872号を参照されたい。
本発明に従った核酸および発現構築体は、任意の手段によって植物細胞内に導入することができる。たとえば、核酸または発現構築体は、所望の植物宿主のゲノム内に導入することができるか、または、核酸または発現構築体はエピソームであることができる。所望の植物のゲノム内への導入は、宿主のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の生成が、内在性転写性要素または翻訳制御要素によって調節されるものであることができる。一部の実施形態では、本発明はまた、相同組換えなどによる遺伝子配列の挿入が内在遺伝子の発現を乱している「ノックアウト植物」も提供する。「ノックアウト」植物を作製する手段は当分野で周知であり、Strepp(1998)Proc Natl.Acad.Sci.USA、95:4368〜4373;Miao(1995)Plant J、7:359〜365を参照されたい。以下のトランスジェニック植物の記述を参照されたい。
本発明に従った核酸は、本質的に任意の植物、たとえばジャガイモ、トマト、ダイズ、ビート、トウモロコシ、コムギ、イネ、オオムギなどのデンプンを産生する植物に、所望の特質を与えるために使用することができる。本発明に従った核酸を用いて、宿主のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現を最適化または変化させるために、植物の代謝経路を操作することができる。本発明に従った核酸は、発現もしくは活性レベルを変化させる、または植物内で自然に産生される化合物もしくは酵素の特徴を変化させることができる。あるいは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を、その植物によって自然に産生されない化合物を産生させるためのトランスジェニック植物の生成に用いることができる。これにより、生産コストを下げる、または新規生成物を作製することができる。
一部の実施形態では、トランスジェニック植物の生成の第1の工程は、植物細胞中で発現させるための発現構築体を作製することを含む。これらの技術は当分野で周知である。これには、プロモーター、リボソームとmRNAとの効率的な結合を促進するためのコード配列を選択およびクローニングすることならびに適切な遺伝子ターミネーター配列を選択することが含まれることができる。1つの例示的な構成的プロモーターは、カリフラワーモザイクウイルスからのCaMV35Sであり、これは一般に、植物中で高い度合の発現をもたらす。他のプロモーターはより特異的であり、植物の内部または外部環境の合図に応答する。例示的な光誘導性プロモーターは、主要なクロロフィルa/b結合タンパク質をコードしているcab遺伝子からのプロモーターである。
一部の実施形態では、植物細胞中でより高い発現を達成するために核酸を修飾する。たとえば、本発明に従った配列は、一部G−Cヌクレオチド対を好む植物中で見られるものと比較して、A−Tヌクレオチド対の割合が高い可能性が高い。したがって、植物細胞中の遺伝子産物の産生を増強するためにアミノ酸配列を顕著に変えずにコード配列中のA−TヌクレオチドをG−Cヌクレオチドで置換することができる。
導入遺伝子の組込みに成功した植物細胞または組織を同定するために、選択マーカー遺伝子を遺伝子構築体に付加することができる。植物細胞内への遺伝子の組込みおよび発現の達成は稀な事象であり、標的組織または細胞の数%でのみ起こるので、これは必要であり得る。選択マーカー遺伝子は、抗生物質または除草剤などの通常は植物に毒性がある薬剤に対する耐性を与えるタンパク質をコードしている。適切な抗生物質または除草剤を含む培地上で増殖した場合、選択マーカー遺伝子を組み込んだ植物細胞のみが生存する。他の挿入した遺伝子に関しては、マーカー遺伝子は、適切に機能するためにプロモーターおよびターミネーター配列も必要とする。
一部の実施形態では、トランスジェニック植物または種子の作製は、本発明に従った配列を組み込むこと、所望によりマーカー遺伝子を標的発現構築体(プラスミドなど)内に組み込むこと、ならびにプロモーターおよびターミネーター配列を配置することを含む。これは、修飾した遺伝子を適切な方法によって植物内に移すことを含むことができる。たとえば、構築体を植物細胞プロトプラストの電気穿孔および微量注入などの技術を用いて植物細胞のゲノムDNA内に直接導入し得るか、または構築体をDNA微粒子銃などの弾道的方法を用いて植物組織に直接導入することができる。たとえば、導入遺伝子をコムギ内に導入するための微粒子銃の使用を記載しているChristou(1997)Plant Mol.Biol.、35:197〜203;Pawlowski(1996)Mol.Biotechnol.、6:17〜30;Klein(1987)Nature、327:70〜73;Takumi(1997)Genes Genet.Syst.、72:63〜69;また、YACを植物細胞内に導入するための微粒子銃の使用にはAdam(1997)上記を参照されたい。たとえば、Rinehart(1997)上記は、トランスジェニック綿植物を作製するために微粒子銃を用いている。粒子を加速するための装置は米国特許第5,015,580号に記載されており、市販のBio−Rad(Biolistics)PDS−2000粒子加速装置(Bio−Rad、カリフォルニア州Hercules)、また、粒子に媒介される裸子植物の形質転換を記載しているJohn、米国特許第5,608,148号およびEllis、米国特許第5,681,730号も参照されたい。
一部の実施形態では、プロトプラストを固定し、発現構築体などの核酸を注入することができる。プロトプラストの植物再生は穀類では容易でないが、マメ科植物ではプロトプラスト由来のカルスからの体性胚形成を用いて植物再生が可能である。器官化した組織を、遺伝子銃技術を用いて裸のDNAで形質転換することができ、ここでは、細胞の大きさの1/100の大きさで打つタングステン微粒子上にDNAをコーティングし、これは、DNAを細胞およびオルガネラの奥深くまで運ぶ。その後、形質転換した組織を、通常は体性胚形成によって誘発して再生させる。この技術は、トウモロコシおよびイネを含めたいくつかの穀類種で成功している。
発現構築体などの核酸は、組換えウイルスを用いて植物細胞内に導入することもできる。植物細胞は、タバコモザイクウイルス由来のベクターなどのウイルスベクターを用いて形質転換することができる(Rouwendal(1997)Plant Mol.Biol.、33:989〜999)。Porta(1996)「植物中で遺伝子を発現させるためのウイルスレプリコンの使用(Use of viral replicons for the expression of genes in plants)」、Mol.Biotechnol.、5:209〜221を参照されたい。
あるいは、発現構築体などの核酸を適切なT−DNAフランキング領域と組み合わせて慣用のアグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主ベクター内に導入することができる。アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主の病原性機能が、細胞を細菌によって感染させた際に構築体および隣接マーカーの植物細胞DNA内への挿入を指示する。二値ベクターの毒性解除および使用を含めたアグロバクテリウム・ツメファシエンスに媒介される形質転換技術は、科学論文に十分に記載されている。Horsch(1984)Science、233:496〜498;Fraley(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80:4803(1983);植物への遺伝子導入(Gene Transfer to Plants)、Potrykus編(Springer−Verlag、ベルリン、1995)を参照されたい。エー・ツメファシエンス細胞中のDNAは、細菌染色体およびTi(腫瘍誘発)プラスミドと呼ばれる別の構造内に含まれる。Tiプラスミドは、感染プロセスで植物細胞に移されるT−DNA(長さ約20kbまで)と呼ばれるDNAストレッチおよび感染プロセスを指示する一連のvir(病原性)遺伝子を含む。エー・ツメファシエンスは、傷を介してのみ植物に感染することができる。植物の根または茎が傷ついた際、特定の化学シグナルが放出され、それに応答して、エー・ツメファシエンスのvir遺伝子が活性化されてTiプラスミドから植物の染色体へのT−DNAの移動に必要な一連の事象を指示する。その後、T−DNAが傷を介して植物細胞に入る。1つの推測では、T−DNAは植物DNAが複製または転写されるまで待ち、その後、曝露された植物DNA内に自身を挿入する。エー・ツメファシエンスを導入遺伝子ベクターとして用いるために、T−DNA境界領域およびvir遺伝子を保つ一方でT−DNAの腫瘍誘発部分を除去する必要がある。その後、導入遺伝子をT−DNA境界領域の間に挿入し、それを植物細胞に移し、植物の染色体内に組み込ませる。
本発明は、本発明に従った核酸を用いた、重要な穀類を含めた単子葉植物の形質転換を提供する。Hiei(1997)Plant Mol.Biol.、35:205〜218を参照されたい。ゲノムDNA内へのT−DNAの組込みを記載しているHorsch、Science(1984)233:496;Fraley(1983)Proc.Natl.Acad.Sci USA、80:4803;Thykjaer(1997)上記;Park(1996)Plant Mol.Biol.、32:1135〜1148も参照されたい。また、穀類または他の単子葉植物の細胞中で機能的な遺伝子を含むDNAを安定に組み込むプロセスを記載しているD’Halluin、米国特許第5,712,135号も参照されたい。
一部の実施形態では、第3の工程は、組み込まれた標的遺伝子を次の世代へと伝達することができる全植物の選択および再生を含む。そのような再生技術では、組織培養増殖培地中の特定の植物ホルモンの操作を用い得る。一部の実施形態では、この方法は、所望のヌクレオチド配列と一緒に導入した殺生物剤および/または除草剤マーカーを使用する。培養プロトプラストからの植物再生は、Evans他、プロトプラストの単離および培養、植物細胞培養ハンドブック(Protoplasts Isolation and Culture,Handbook of Plant Cell Culture)、ページ124〜176、MacMillilan Publishing Company、ニューヨーク、1983;およびBinding、植物の再生、植物プロトプラスト(Regeneration of Plants,Plant Protoplasts)、ページ21〜73、CRC Press、ボカラトン、1985に記載されている。再生は、植物カルス、外植片、器官、またはその部分から得ることもできる。そのような再生技術は一般にKlee(1987)Ann.Rev.of Plant Phys.、38:467〜486に記載されている。全植物を未熟胚などのトランスジェニック組織から得るために、これらを制御された環境条件下、栄養素およびホルモンを含む一連の培地中で増殖することができ、このプロセスは組織培養として知られている。全植物が作製されて種子が生成された後、子孫の評価を開始する。
一部の実施形態では、発現カセットがトランスジェニック植物内に安定に組み込まれた後、性的交叉によってこれを他の植物内に導入することができる。交叉する種に応じて、いくつかの標準の育種技術の任意のものを用いることができる。本発明に従った核酸のトランスジェニック発現は表現型の変化をもたらすので、本発明に従った組換え核酸を含む植物を第2の植物と性的交叉させて最終産物を得ることができる。したがって、本発明に従った種子は、本発明に従った2つのトランスジェニック植物間の交叉、または本発明に従った植物と別の植物との間の交叉に由来することができる。両方の親植物が本発明に従ったポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)を発現する場合、所望の効果(発明に従ったポリペプチドを発現させて開花挙動が変化した植物を生成することなど)を増強することができる。所望の効果は、標準の繁殖手段によって将来の植物世代に移すことができる。
一部の実施形態では、本発明に従った核酸およびポリペプチドは、任意の植物または種子中で発現させるまたはそれに挿入する。本発明に従ったトランスジェニック植物は双子葉または単子葉であることができる。本発明に従った単子葉のトランスジェニック植物の例は、牧草(イチゴツナギ、Poa)、ウシノケグサ、ライグラスなどの飼料草、アグロスティスなどの温帯草等の草、ならびにコムギ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、イネ、ソルガム、およびトウモロコシ(maize)(トウモロコシ(corn))などの穀類である。本発明に従った双子葉のトランスジェニック植物の例は、タバコ、ルピナス、ジャガイモ、テンサイ、エンドウマメ、インゲンマメおよびダイズなどのマメ科植物、およびカリフラワー、ナタネなどのアブラナ科植物(ブラシカ科)、ならびに密接に関連するモデル生物シロイヌナズナである。したがって、本発明に従ったトランスジェニック植物および種子には、それだけには限定されないが、カシューノキ、ラッカセイ、アスパラガス、ベラドンナ、カラスムギ、アブラナ、ミカン、スイカ、トウガラシ、ベニバナ、ココヤシ、コーヒー、キュウリ、カボチャ、ニンジン、アブラヤシ、イチゴ、グリシン、ワタ、ヒマワリ、ヘテロカリス、オオムギ、ヒヨス、レタス、アマ、ライグラス、ルピナス、トマト、リンゴ、タピオカ、マヨラナ、ウマゴヤシ、タバコ、オリーブ、イネ、パニウム(Panieum)、パニセツム、アボカド、インゲンマメ、カイノキ、エンドウ、ナシ、スモモ、ダイコン、ヒマ、ライムギ、キオン、シロガラシ、ナス、ソルガム、テオブロムス(Theobromus)、コロハ、コムギ、ソラマメ、ブドウ、リョクトウ、およびトウモロコシの属の種を含めた広範囲の植物が含まれる。
代替実施形態では、本発明に従った核酸は、綿、絹綿の木(カポック、パンヤ)、砂漠柳(desert willow)、クレオソートブッシュ、ウィンターファット(winterfat)、バルサ、ラミー、ケナフ、アサ、ローゼル、ジュート、サイザルアサおよびアマなどを含めた線維細胞を含む植物中で発現させる。代替実施形態では、本発明に従ったトランスジェニック植物は、任意のワタ属の種のメンバー、たとえばキダチワタ、アジア綿、海鳥綿、および陸地綿を含めた、ワタ属のメンバーであることができる。
本発明はまた、大量の本発明に従ったポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素または抗体など)を生成するために用いるトランスジェニック植物も提供する。たとえば、Palmgren(1997)Trends Genet.、13:348;Chong(1997)Transgenic Res.、6:289〜296を参照されたい(アグロバクテリウム・ツメファシエンスに媒介される葉片形質転換方法を用いたオーキシン誘導性の二方向マンノピン合成酵素(mas1’、2’)プロモーターを使用して、ヒト乳タンパク質β−カゼインをトランスジェニックジャガイモ植物中で産生)。
周知の手順を用いて、当業者は、トランスジェニック植物中の導入遺伝子のmRNAまたはタンパク質の増加または低下を検出することによって、本発明に従った植物についてスクリーニングを行うことができる。mRNAまたはタンパク質の検出および定量手段は当分野で周知である。
ポリペプチドおよびペプチド
一部の実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334に記載の配列を有するタンパク質およびその酵素活性断片などの本発明に従った配列に対して、配列同一性(少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性もしくは相同性など)を有する、単離、合成または組換えポリペプチドを提供する。%配列同一性は、ポリペプチドの完全長にわたるものであるか、または、同一性は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700個以上の残基の領域にわたるものであることができる。
本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドはまた、ポリペプチドの完全長よりも短いことができる。他の実施形態では、本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素などの酵素塔の、大きさが約5個〜完全長ポリペプチドの範囲のポリペプチド(ペプチド、断片)を提供する。例示的な大きさは、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の連続的な残基などの、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700個、またはそれ以上の残基である。本発明に従ったペプチド(本発明に従ったポリペプチドの部分配列など)は、標識プローブ、抗原(免疫原)、寛容原、モチーフ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性部位(「触媒ドメイン」など)、シグナル配列ならびに/またはプリプロドメインなどとして有用であることができる。
他の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ活性を有する本発明に従ったポリペプチドは、それだけには限定されないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含めたアルドラーゼ活性と関連するアミノ酸残基などの特定の構造的要素を共有するポリペプチドの属のメンバーである。これらの共有構造的要素は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの変異体の日常的な作製に用いることができる。本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のこれらの共有構造的要素は、本発明に従ったポリペプチドの属の範囲内のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体の日常的な作製の指針そして用いることができる。
本明細書中で使用する用語「HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ」には、アルドール付加反応もしくは逆アルドール反応を触媒することができる(本発明に従ったポリペプチドなど、以下の表1ならびに実施例4、5および6も参照)、または、R−2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−MP)、R,RおよびS,Rモナチンなどのモナチンの特定の立体異性体、ならびにその塩の生成などにおける炭素−炭素結合含有物質の任意の修飾を触媒することができる、任意のポリペプチドまたは酵素が包含される。
本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、以下の一般スキームに示すように、アルドール反応において炭素−炭素結合の形成を触媒し、ピルビン酸またはホスホエノールピルビン酸を4−ヒドロキシ−2−ケトブチレートのフレームワークの合成において求核性構成要素として利用する能力を有する。
R=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R2=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R3=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル、カルボン酸。
理論によって束縛されずに、ピルビン酸アルドラーゼに触媒される縮合すべてにおいて調製される保存された4個の炭素の断片は、高密度かつ異なって官能化されていると考えられている。さらに、それぞれの付加物において、炭素の4つの異なる酸化状態が4つの連続的な炭素に含まれる。したがって、ピルビン酸アルドラーゼによって調製されるフレームワークは、以下のスキームに示すように、α−アミノ−γ−ヒドロキシカルボン酸、β−ヒドロキシカルボン酸、α,γ−ジヒドロキシカルボン酸、および2−デオキシアルドース糖の調製を可能にする。
したがって、本発明の一部の実施形態に従ったピルビン酸アルドラーゼは、合成的に可変性であることができ、動物飼料、ヒト食品、工業プロセス、および医薬で使用するための広範囲の生成物の調製に用いることができる(たとえば、Gijsen,H.J.M.他、炭水化物および炭水化物模倣体の化学酵素合成の最近の進歩(Recent Advances in the Chemoenzymatic Synthesis of Carbohydrates and Carbohydrate Mimetics)、Chem.Rev.、1996、96、443〜473;Henderson,D.P.他、J.Org.Chem.、複数酵素合成によるニッコーマイシンKXおよびKZのN末端アミノ酸部分の立体特異的な調製(Stereospecific Preparation of the N−Terminal Amino Acid Moiety of Nikkomycins KX and KZ via a Multiple Enzyme Synthesis)、1997、62、7910〜7911;Wymer,N.およびToone,E.J.、炭水化物の酵素触媒による合成(Enzyme−catalyzed Synthesis of Carbohydrates)、Current Opin.Chemical Biology、2000、4、110〜119参照)。
本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、複数の種類の酵素活性、具体的にはアルドラーゼ活性および追加の活性、たとえば、以下の表1に記載のものを有し得る。たとえば、本発明に従ったポリペプチドは、アルドラーゼ活性、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性を有することができる。さらに、ポリペプチドは、そのEC分類に基づいて追加の酵素活性を有し得る、または有すると考えられ得る。表1には段「予測EC番号」が含まれる。EC番号とは、生化学および分子生物学国際連合の命名法委員会の酵素委員会(Enzyme Commission of the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology、IUBMB)のスキームに従って酵素の種類に割り当てられた番号である。「予測EC番号」段の結果は、Kegg(京都遺伝子ゲノム百科事典)データベースに対するBLAST検索によって決定する。最高のBLASTマッチ(「ヒット」とも呼ぶ)がe−6以下のE値を有する場合は、最高のマッチに割り当てられたEC番号を表に入力する。最高のヒットのEC番号は、本発明の配列のEC番号な何であるかの指針として用いる。部分的なEC番号しか与えられない場合は、最高のヒットに基づいて広い分類しか割り当てることができない。たとえば、第1列の、配列番号1によってコードされている配列番号2では、予測EC番号は「2・・・」として記載されている。したがって、割り当てられた分類は広くトランスフェラーゼである。配列番号25によってコードされている配列番号26では、最高のヒットに基づいて割り当てられる最も具体的な分類は、アルデヒド−リアーゼとしてである。
本発明に従ったポリペプチドおよびペプチドは、天然源から単離するか、合成するか、または組換えによって作製したポリペプチドであることができる。ペプチドおよびタンパク質は、in vitroまたはin vivoで組換えによって発現させることができる。本発明に従ったペプチドおよびポリペプチドは、当分野で知られている任意の方法を用いて作製および単離することができる。本発明に従ったポリペプチドおよびペプチドはまた、全体としてまたは部分的に、当分野で周知の化学方法を用いて合成することもできる。Caruthers(1980)Nucleic Acids Res.Symp.Ser.、215〜223;Horn(1980)Nucleic Acids Res.Symp.Ser.、225〜232;Banga,A.K.、治療ペプチドおよびタンパク質、配合、加工およびデリバリー系(Therapeutic Peptides and Proteins,Formulation,Processing and Delivery Systems)(1995)Technomic Publishing Co.、ペンシルバニア州ランカスターなどを参照されたい。たとえば、様々な固相技術を用いてペプチド合成を行うことができ(Roberge(1995)Science、269:202;Merrifield(1997)Methods Enzymol.、289:3〜13など参照)、ABI431Aペプチド合成機(Perkin Elmer)などを用いて、製造者によって提供される指示に従って自動合成を達成し得る。
本発明に従ったペプチドおよびポリペプチドをグリコシル化することもできる。グリコシル化は、翻訳後に、化学的にまたは細胞生合成機構によって付加することができ、後者は、配列にネイティブであるか、またはペプチドとして付加するかもしくは核酸コード配列中で付加することができる、既知のグリコシル化モチーフの使用を組み込む。グリコシル化はO結合またはN結合であることができる。
一部の実施形態では、指定した場合、本発明に従ったペプチドおよびポリペプチドにはすべての「模倣体」および「ペプチド模倣体」の形態が含まれることができる。用語「模倣体」および「ペプチド模倣体」とは、本発明に従ったポリペプチドと実質的に同じ構造的および/または機能的な特徴を有する合成化学物質をいう。模倣体は、合成の天然に存在しないアミノ酸類似体から完全になるか、または、一部天然に存在するペプチドアミノ酸と一部天然に存在しないアミノ酸類似体とのキメラ分子であることができる。模倣体はまた、そのような置換が模倣体の構造および/または活性も実質的に変化させない限りは、任意の量の天然に存在するアミノ酸の保存的置換を取り込んでいることができる。本発明に従ったポリペプチドの属の保存的変異体またはメンバーである本発明に従ったポリペプチド(本発明に従った配列に対して約50%以上の配列同一性を有するものなど)と同様に、日常的な実験により、模倣体が本発明に従った範囲内にあるかどうか、すなわち、その構造および/または機能が実質的に変化していないかどうかを決定する。したがって、一部の実施形態では、模倣体組成物は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を有する場合に本発明に従った範囲内にある。
本発明に従ったポリペプチド模倣体組成物は、天然に存在しない構造的構成要素の任意の組合せを含むことができる。代替実施形態では、本発明に従った模倣体組成物には、以下の3つの構造的な基の1つまたはすべてが含まれる:a)天然に存在するアミド結合(「ペプチド結合」)の連結以外の残基連結基、b)天然に存在するアミノ酸残基の替わりに天然に存在しない残基、またはc)二次構造模倣を誘発する残基、すなわち、βターン、γターン、βシート、αらせんのコンフォメーションなどの二次構造を誘発または安定させるための基。たとえば、本発明に従ったポリペプチドは、その残基の全部または一部が天然に存在するペプチド結合以外の化学的手段によって結合されている場合に、模倣体として特徴づけられる。個々のペプチド模倣体残基は、ペプチド結合、他の化学結合またはカップリング手段、たとえば、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能性マレイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)によって結合されていることができる。従来のアミド結合(「ペプチド結合」)連結に替わることが連結基には、たとえば、ケトメチレン(−C(=O)−NH−の替わりに−C(=O)−CH2−など)、アミノメチレン(CH2−NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH2−O)、チオエーテル(CH2−S)、テトラゾール(CN4−)、チアゾール、レトロアミド、チオアミド、またはエステルが含まれる(Spatola(1983)、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の化学および生化学(Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins)、第7巻、ページ267〜357、「ペプチド主鎖の修飾(Peptide Backbone Modifications)」、Marcell Dekker、ニューヨーク参照)。
本発明に従ったポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸残基の替わりに全部または一部が天然に存在しない残基を含む模倣体によって特徴づけることもできる。天然に存在しない残基は、科学論文および特許文献に十分に記載されている。天然に存在するアミノ酸残基の模倣体として有用ないくつかの例示的な天然に存在しない組成物および指針を以下に記載する。芳香族アミノ酸の模倣体は、D−またはL−ナフィルアラニン、D−またはL−フェニルグリシン、D−またはL−2チエネイルアラニン、D−またはL−1、−2、3−、または4−ピレネイルアラニン、D−またはL−3チエネイルアラニン、D−またはL−(2−ピリジニル)−アラニン、D−またはL−(3−ピリジニル)−アラニン、D−またはL−(2−ピラジニル)−アラニン、D−またはL−(4−イソプロピル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルアラニン、D−p−フルオロ−フェニルアラニン、D−またはL−p−ビフェニルフェニルアラニン、D−またはL−p−メトキシ−ビフェニルフェニルアラニン、D−またはL−2−インドール(アルキル)アラニン、および、D−またはL−アルキルアイニン[式中、アルキルは、置換または置換のメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ−ブチル、sec−イソチル、イソ−ペンチル、または非酸性アミノ酸であることができる]などによって置き換えることによって作製することができる。天然に存在しないアミノ酸の芳香環には、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、およびピリジル芳香環が含まれる。
酸性アミノ酸模倣体は、負電荷を維持したままの非カルボン酸アミノ酸、(ホスホノ)アラニン、硫酸化スレオニンなどによって置換することによって作製することができる。カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミルなど)も、1−シクロヘキシル−3(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3(4−アゾニア−4,4−ジメトールペンチル)カルボジイミドなどのカルボジイミド(R’−N−C−N−R’)と反応させることによって選択的に修飾することができる。アスパルチルまたはグルタミルはまた、アンモニウムイオンと反応させることによってアスパラギニルおよびグルタミニル残基へと変換することもできる。塩基性アミノ酸の模倣体は、(リシンおよびアルギニンに加えて)アミノ酸のオルニチン、シトルリン、または(グアニジノ)−酢酸もしくは(グアニジノ)アルキル−酢酸[式中、アルキルは上記定義のとおりである]などで置換することによって作製することができる。ニトリル誘導体(COOHの替わりにCN部分を含むものなど)でアスパラギンまたはグルタミンを置換することができる。アスパラギニルおよびグルタミニル残基を対応するアスパルチルまたはグルタミル残基へと脱アミノ化することができる。アルギニン残基の模倣体は、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロ−ヘキサンジオン、またはニンヒドリンなどを含めた1つまたは複数の慣用の試薬などと、一部の実施形態ではアルカリ条件下で反応させることによって作製することができる。チロシン残基の模倣体は、チロシルを芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンなどと反応させることによって作製することができる。N−アセチルイミジゾールおよびテトラニトロメタンを用いて、O−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体をそれぞれ形成することができる。システイン残基の模倣体は、システイニル残基を、たとえば2−クロロ酢酸またはクロロアセトアミドなどのα−ハロ酢酸および対応するアミンと反応させて、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得ることによって作製することができる。システイン残基の模倣体はまた、システイニル残基を、ブロモ−トリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、リン酸クロロアセチル、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ水銀ベンゾエート、2−クロロ水銀−4ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−オキサ−1,3−ジアゾールなどと反応させることによっても作製することができる。リシン模倣体は、リシニルをコハク酸または他のカルボン酸無水物などと反応させることによって作製することができる(かつアミノ末端残基を変化させることができる)。リシンおよび他のα−アミノ含有残基の模倣体はまた、メチルピコリンイミデート、リン酸ピリドキサル、ピリドキサル、クロロボロハイドライド、トリニトロ−ベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4,ペンタンジオンなどとの反応、およびトランスアミダーゼに触媒されるグリオキシル酸との反応によっても作製することができる。メチオニンの模倣体は、メチオニンスルホキシドなどとの反応によって作製することができる。プロリンの模倣体には、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3−もしくは4−ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3−もしくは4−メチルプロリン、または3,3,−ジメチルプロリンなどが含まれる。ヒスチジン残基の模倣体は、ヒスチジルをジエチルプロカルボネートまたはパラ−ブロモフェンアシルブロマイドなどと反応させることによって作製することができる。他の模倣体には、プロリンおよびリシンのヒドロキシル化;セリルもしくはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リシン、アルギニンおよびヒスチジンのα−アミノ基のメチル化;N末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化もしくはN−メチルアミノ酸での置換;またはC末端カルボキシル基のアミド化によって作製されたものなどが含まれる。
一部の実施形態では、本発明に従ったポリペプチドのアミノ酸などの残基はまた、逆のキラリティのアミノ酸(またはペプチド模倣体残基)で置き換えることもできる。一部の実施形態では、天然ではL−立体配置で存在する任意のアミノ酸(これは、化学部分の構造に応じてRまたはSと呼ぶこともできる)を、D−アミノ酸と呼ばれる、同じ化学構造種またはペプチド模倣体であるが逆のキラリティであるアミノ酸で置き換えることができるが、R−またはS−形態として呼ぶこともできる。
本発明はまた、翻訳後プロセッシング(リン酸化、アシル化など)などの天然に存在するプロセス、または化学修飾技術のどちらかによって、本発明に従ったポリペプチドを修飾する方法、および生じる修飾されたポリペプチドも提供する。修飾は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含めた、ポリペプチド中のどこでも起こることができる。同じ種類の修飾が同じまたは異なる度合で、所定のポリペプチド中のいくつかの部位で存在し得ることを理解されたい。また、所定のポリペプチドは多種の修飾を有し得る。一部の実施形態では、修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋結合の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストリル化、酸化、peg化、タンパク質分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、およびアルギニル化などの転移RNAに媒介されるアミノ酸のタンパク質への付加が含まれる。Creighton,T.E.、タンパク質−構造および分子特性(Proteins−Structure and Molecular Properties)、第2版、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク(1993);タンパク質の翻訳後共有修飾(Posttranslational Covalent Modification of Proteins)、B.C.Johnson編、Academic Press、ニューヨーク、ページ1〜12(1983)を参照されたい。
固相化学ペプチド合成方法を用いて、本発明に従ったポリペプチドまたは断片を合成することもできる。そのような方法は1960年代初期から当分野で知られており(Merrifield,R.B.、J.Am.Chem.Soc.、85:2149〜2154、1963)(Stewart,J.M.およびYoung,J.D.、固相ペプチド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)、第2版、Pierce Chemical Co.、イリノイ州ロックフォード、ページ11〜12)も参照)、最近では市販の実験室ペプチド設計および合成キット(Cambridge Research Biochemicals)で採用されている。そのような市販の実験室キットは、一般にH.M.Geysen他、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA、81:3998(1984)の教示を利用しており、すべて単一のプレートに連結した複数の「ロッド」または「ピン」の先端上でのペプチドの合成を提供する。そのようなシステムを利用した場合、ロッドまたはピンのプレートを反転し、適切なアミノ酸をピンまたはロッドの先端に付着または固定するための溶液を含む対応するウェルまたはレザーバの第2のプレート内に挿入する。そのようなプロセス工程、すなわち、ロッドおよびピンの先端を反転して適切な溶液内に挿入する工程を繰り返すことによって、アミノ酸が所望のペプチドへと構築される。さらに、いくつかの利用可能なFMOCペプチド合成システムが利用可能である。たとえば、ポリペプチドまたは断片のアセンブリは、Applied Biosystems,Inc.モデル431A(商標)自動ペプチド合成機を使用して固体担体上で実施することができる。そのような装置は、直接合成または他の既知の技術を用いてカップリングすることができる一連の断片の合成のどちらかによって、本発明に従ったペプチドへの容易なアクセスを提供する。
本発明に従ったポリペプチドには、活性または不活性型のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が含まれる。たとえば、本発明に従ったポリペプチドには、「成熟」前、すなわち、たとえば前駆タンパク質転換酵素などの前駆タンパク質プロセッシング酵素によるプリプロ配列がプロセッシングされて「活性」成熟タンパク質が作製される前の前駆タンパク質が含まれる。本発明に従ったポリペプチドには、エンド−もしくはエクソ−ペプチダーゼまたはプロテイナーゼの作用、リン酸化事象、アミド化、グリコシル化あるいは硫酸化、二量体化事象等の翻訳後プロセッシング事象による「活性化」の前などの他の理由により不活性の、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が含まれる。本発明に従ったポリペプチドには、酵素の触媒ドメインまたは活性部位などの活性部分配列を含めたすべての活性型が含まれる。
本発明には、固定したHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼ抗体ならびにその断片が含まれる。一部の実施形態では、本発明は、ドミナントネガティブ突然変異体または本発明に従った抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼ抗体を用いた、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を阻害する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明には、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を含む、融合タンパク質、ヘテロ二量体などのヘテロ複合体が含まれる。
一部の実施形態では、本発明に従ったポリペプチドは、極限のpHおよび/もしくは温度、または一部の実施形態では酸化剤の存在下などの様々な条件下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を有することができる。一部の実施形態では、本発明は、温度、酸化剤および洗浄条件の変更などに対して異なる触媒効果および安定性を有する、別のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の調製物をもたらす方法を提供する。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体は、部位特異的突然変異誘発および/またはランダム突然変異誘発の技術を用いて生成することができる。一部の実施形態では、定方向進化を用いて、別の特異性および安定性を有する多種多様なHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体を生成することができる。
本発明に従ったタンパク質はまた、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性の活性化剤または阻害剤など、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のモジュレーターを同定するための研究試薬としても有用である。手短に述べると、試験試料(化合物、ブロス、抽出物など)をHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のアッセイに加えて、基質の切断を阻害するその能力を決定する。このようにして同定した阻害剤は、望ましくないタンパク質分解を軽減または妨げるための工業および研究に用いることができる。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素と同様、阻害剤を組み合わせて活性の範囲を増大することができる。
本発明に従った酵素はまた、タンパク質を消化するためまたはタンパク質配列決定における研究試薬としても有用である。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を用いて、自動配列決定機などを用いて配列決定するためにポリペプチドをより小さな断片へと切断し得る。
本発明はまた、本発明に従った核酸、ポリペプチドおよび抗体を用いて新しいHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を発見する方法も提供する。一部の実施形態では、ファージミドライブラリーを、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現に基づいた発見についてスクリーニングする。他の実施形態では、λファージライブラリーを、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現に基づいた発見についてスクリーニングする。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングにより、毒性があるクローンの検出、基質へのアクセスの改善、ライブラリーの大量切除により生じる任意の偏りの潜在性を迂回する、宿主を操作する必要性の低下、および、低いクローン密度でより急速な増殖が可能となる場合がある。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングは、液相または固相中であることができる。一部の実施形態では、本発明は、液相中でのスクリーニングを提供する。これにより、アッセイ条件に、より高い柔軟性、さらなる基質柔軟性、弱いクローンに対してより高い感度、および固相スクリーニングを超える自動化の容易性が与えられる。
本発明は、本発明に従ったタンパク質および核酸を用いたスクリーニング方法、たとえば1日あたり数千個もの生体触媒反応およびスクリーニングアッセイを短期間で実行することを可能にするためのロボット自動化、ならびに高レベルの精度および再現性を確実にすることを提供する(以下のアレイの記述を参照)。その結果、誘導体化合物のライブラリーを数週間で生成することができる。小分子を含めた分子の修飾のさらなる教示には、PCT/US94/09174号、米国特許第6,245,547号を参照されたい。
一部の実施形態では、本発明に従ったポリペプチドまたは断片は、生化学的濃縮または精製手順によって得る。潜在的に相同なポリペプチドまたは断片の断片は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のアッセイ(以下の実施例3、4および5参照)、ゲル電気泳動ならびに/またはマイクロ配列決定によって決定し得る。本発明に従った予測されるポリペプチドまたは断片の配列を、本発明に従ったポリペプチドまたはその少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続したアミノ酸などの断片と、上述のプログラムの任意のものを用いて比較することができる。
本発明の別の実施形態は、本発明に従ったポリペプチドの酵素機能を保持する本発明に従った断片または変異体を同定するためのアッセイである。たとえば、前記ポリペプチドの断片または変異体を、断片または変異体が本発明に従ったポリペプチドの酵素活性を保持していることを示す生化学反応を触媒させるために使用し得る。変異体の断片が本発明に従ったポリペプチドの酵素活性を保持しているかどうかを決定するための例示的なアッセイには、ポリペプチド断片または変異体を基質分子と、ポリペプチド断片または変異体が機能することを可能にする条件下で接触させる工程と、基質のレベルの低下またはポリペプチドと基質との間の反応の特異的反応生成物のレベルの増加のどちらかを検出する工程とが含まれる。
本発明は、酵素の固有の触媒特性を活用する。化学変換における生体触媒(すなわち、精製酵素または粗酵素、非生細胞または生細胞)の使用は、通常、特定の開始化合物と反応する特定の生体触媒の同定を要するが、本発明では、小分子などの多くの開始化合物中に存在する官能基に特異的な選択した生体触媒および反応条件を使用する。それぞれの生体触媒は1つの官能基、またはいくつかの関連する官能基に特異的であり、この官能基を含む多くの開始化合物と反応することができる。
一部の実施形態では、生体触媒反応は、単一の開始化合物から誘導体の集団を生成する。これらの誘導体を別のラウンドの生体触媒反応に供して誘導体化合物の第2の集団を生成することができる。生体触媒誘導体化のそれぞれの反復で、数千個もの元の小分子または化合物の変異体を生成することができる。
酵素は、分子の残りの部分に影響を与えずに開始化合物の特異的部位で反応し、このプロセスは、従来の化学方法を用いては達成が非常に困難である。この高い度合の生体触媒特異性により、ライブラリー内の単一の活性化合物を同定する手段が提供される。ライブラリーは、それを生成するために用いた一連の生体触媒反応、いわゆる「生合成履歴」によって特徴づけられている。ライブラリーを生物活性についてスクリーニングすること、および生合成履歴を追跡することにより、活性化合物を生成する特定の反応シーケンスが同定される。反応シーケンスを繰り返し、合成された化合物の構造を決定する。この同定様式は、他の合成およびスクリーニング手法とは異なり、固定化技術を必要とせず、化合物を合成し、事実上任意の種類のスクリーニングアッセイを用いて溶液中で遊離させて試験することができる。官能基に対する酵素反応の高い度合の特異性により生体触媒によって、生成したライブラリーを生じる特定の酵素反応の「追跡」が可能となることに注意することが重要である。
一部の実施形態では、手順の工程は、1日あたり何千もの生体触媒反応および/またはスクリーニングアッセイの実行を可能にし、また、高レベルの精度および再現性を確実にするロボット自動化を用いて行う。ロボット自動化は、ポリペプチドが本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定するためにアルドラーゼ活性についてスクリーニングするために用いることもできる。その結果、一部の実施形態では、「従来の」化学または酵素スクリーニング方法を用いた場合は何年もかかる誘導体化合物のライブラリーを数週間で生成することができる。
一実施形態では、本発明は、本明細書中に記載のポリヌクレオチドまたはその酵素活性断片によってコードされているポリペプチドを小分子と接触させて修飾した小分子を生成することを含む、小分子を修飾する方法を提供する。所望の活性を示す修飾した小分子がライブラリー内に存在するかどうかを決定するために、修飾した小分子のライブラリーを試験する。所望の活性の修飾した小分子を生じる特定の生体触媒反応は、ライブラリーの一部分を生成するために用いた生体触媒反応のそれぞれを系統的に排除し、その後、ライブラリーの一部分で生じた小分子を、所望の活性の修飾した小分子が存在することまたは存在しないことについて試験することによって同定する。所望の活性の修飾した小分子を生じる特定の生体触媒反応は、所望により反復している。生体触媒反応を小分子の構造内に見つかる異なる構造部分と反応する生体触媒の群で実施し、それぞれの生体触媒は、1つの構造部分または関連する構造部分の群に特異的であり、それぞれの生体触媒は、異なる構造部分を含む多くの異なる小分子と反応する。
HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列、プリプロならびに触媒ドメイン
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列(シグナルペプチド(SP)など)、プリプロドメインならびに触媒ドメイン(CD)を提供する。本発明に従ったSP、プリプロドメインおよび/またはCDは、単離、合成もしくは組換えペプチドであるか、またはキメラタンパク質中の異種ドメインなどの融合タンパク質の一部であることができる。一部の実施形態では、本発明は、これらの触媒ドメイン(CD)、プリプロドメインおよびシグナル配列(SP、本発明に従ったポリペプチドのアミノ末端残基を含む/それからなる配列を有するペプチドなど)をコードしている核酸を提供する。
本発明は、本発明に従ったポリペプチドの1〜14、1〜15、1〜16、1〜17、1〜18、1〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜28、1〜28、1〜30、1〜31、1〜32、1〜33、1〜34、1〜35、1〜36、1〜37、1〜38、1〜40、1〜41、1〜42、1〜43、1〜44、1〜45、1〜46、もしくは1〜47個、またはそれ以上の残基に記載の配列からなる、あるいはそれを含む、単離、合成または組換えシグナル配列(シグナルペプチドなど)、たとえば本発明に従ったポリペプチドを提供する。表1、以下の実施例4、5および6、ならびに配列表も参照されたい。たとえば、上記表1は、配列番号65などによってコードされている配列番号66に記載の配列を有するポリペプチドなどの本発明に従った例示的なシグナル(リーダー)配列を記載し、これは、配列番号66の最初の27個のアミノ酸に対応するアミノ末端の27個の残基、すなわちMSIVVTKIERAGAAAVAALRTSGVATV(配列番号407)を含む(またはそれからなる)シグナル配列を有する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったポリペプチドの最初の14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70個以上のアミノ末端残基を含むシグナル配列を提供する。
本発明には、シグナル配列および/もしくはプリプロ配列を有するまたは有さないポリペプチドが含まれる。一部の実施形態では、本発明には、異種シグナル配列ならびに/またはプリプロ配列を有するポリペプチドが含まれる。プリプロ配列(異種プリプロドメインとして用いる本発明に従った配列を含む)は、タンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端に位置することができる。一部の実施形態では、本発明にはまた、本発明に従った配列を含む単離、合成または組換えシグナル配列、プリプロ配列および触媒ドメイン(「活性部位」など)が含まれる。本発明に従ったシグナル配列を含むポリペプチドは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素または別のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、あるいは別の酵素または他のポリペプチドであることができる。「プリプロ」ドメイン配列およびシグナル配列を同定する方法は当分野で周知であり、Van de Ven(1993)Crit.Rev.Oncog.、4(2):115〜136を参照されたい。たとえば、プリプロ配列を同定するためには、タンパク質を細胞外空間から精製し、N末端のタンパク質配列を決定してプロセッシングされていない形態と比較する。
本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列(SP)ならびに/またはプリプロ配列は、単離、合成または組換えペプチドであるか、あるいは、別のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼのポリペプチド、たとえば融合(キメラ)タンパク質と結合した配列であることができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列を含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列のSPならびに/またはプリプロ配列を含むポリペプチドは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素に異種の配列(本発明に従ったSPおよび/またはプリプロ配列ならびに別のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼのタンパク質からの配列を含む融合タンパク質など)を含む。一部の実施形態では、本発明は、異種のSPおよび/またはプリプロ配列を有する本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、たとえば酵母シグナル配列を有する配列を提供する。本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素は、pPICシリーズのベクター(Invitrogen、カリフォルニア州Carlsbad)などのベクター中の異種のSPおよび/またはプリプロ配列を含むことができる。
一部の実施形態では、本発明に従ったSPおよび/またはプリプロ配列は、新規のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼのポリペプチドの同定後に同定する。タンパク質が選別されてその正しい細胞の位置に輸送される経路は、多くの場合タンパク質標的化経路と呼ばれる。これらの標的化システムすべてにおいて最も重要な要素の1つは、シグナル配列と呼ばれる新しく合成したポリペプチドのアミノ末端の短いアミノ酸配列である。このシグナル配列は、タンパク質を細胞内のその適切な位置へと方向づけ、輸送中またはタンパク質がその最終目的地に到達した後に除去される。ほとんどのリソソーム、膜、または分泌タンパク質は、それらを小胞体の内腔内への転位を標識するアミノ末端シグナル配列を有する。シグナル配列の長さは、約10〜65個以上のアミノ酸残基で変動することができる。シグナル配列を認識する様々な方法は当業者に知られている。たとえば、一部の実施形態では、新規のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナルペプチドは、シグナルPと呼ばれる方法によって同定する。シグナルPは、シグナルペプチドおよびその切断部位をどちらも認識する組み合わせた神経回路網を用いる。(Nielsen(1997)「原核および真核シグナルペプチドの同定ならびにその切断部位の予測(Identification of prokaryotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites.)」、Protein Engineering、10:1〜6。
一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、SPおよび/またはプリプロ配列、すなわち「ドメイン」を有さない。一部の実施形態では、本発明は、SPおよび/またはプリプロドメインの全体または一部を欠く本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を提供する。一部の実施形態では、本発明は、異なるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の核酸配列に作動可能に連結した1つのHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素からのシグナル配列(SP)および/もしくはプリプロ配列をコードしている核酸配列を提供するか、または、所望により、非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼのタンパク質からのシグナル配列(SP)および/もしくはプリプロドメインが望ましい場合がある。
本発明はまた、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)ならびに異種配列を含む、単離、合成または組換えポリペプチドも提供する。異種配列とは、SP、プリプロドメインおよび/またはCDと自然に会合していない(酵素などと)配列である。SP、プリプロドメインおよび/またはCDが自然に会合していない配列は、SP、プリプロドメインおよび/もしくはCDのアミノ末端、カルボキシ末端、ならびに/またはSPおよび/もしくはCDの両末端上にあることができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/もしくは触媒ドメイン(CD)を含むポリペプチドを含む(またはそれからなる)、単離、合成または組換えポリペプチドを提供するが、ただし、これはそれが自然に会合している任意の配列(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の配列など)と会合していない。同様に、一部の実施形態では、本発明は、これらのポリペプチドをコードしている単離、合成または組換え核酸を提供する。したがって、一部の実施形態では、本発明に従った単離、合成または組換え核酸は、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)のコード配列、ならびに異種配列(すなわち、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)と自然に会合していない配列)を含む。異種配列は、3’末端、5’末端、ならびに/またはSP、プリプロドメインおよび/もしくはCDコード配列の両末端上にあることができる。
ハイブリッド(キメラ)のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素ならびにペプチドライブラリー
一部の実施形態では、本発明は、本発明に従った配列を含む、ペプチドライブラリーを含めた、ハイブリッドのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素ならびに融合タンパク質を提供する。本発明に従ったペプチドライブラリーを用いて、標的のペプチドモジュレーター(活性化剤または阻害剤など)、たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素基質、受容体、酵素を単離することができる。本発明に従ったペプチドライブラリーを用いて、サイトカイン、ホルモンなどのリガンド等の標的の公式の結合パートナーを同定することができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/もしくは触媒ドメイン(CD)またはそれらの組合せならびに異種配列を含むキメラタンパク質を提供する(上記参照)。
一部の実施形態では、本発明に従った融合タンパク質(ペプチド部分など)は、コンフォメーションが安定しており(直鎖状ペプチドと比較して)、標的に対してより結合親和性が可能となる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素と、既知およびランダムなペプチドを含めた他のペプチドとの融合物を提供する。これらは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の構造が顕著に乱されず、ペプチドが代謝的または構造的にコンフォメーションが安定している様式で融合させることができる。これにより、細胞内でのその存在およびその量のどちらについても容易にモニターされるペプチドライブラリーの作製が可能となる。
本発明に従ったアミノ酸配列変異体は、変異体の事前に決定した性質、すなわち、それを天然に存在する形態、たとえば、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の配列の対立または種間変異体から分離する特長によって特徴づけることができる。一部の実施形態では、本発明に従った変異体は、天然に存在する類似体と同じ定性的生物活性を示す。あるいは、変異体は、改変された特徴を有することについて選択することができる。一部の実施形態では、アミノ酸配列変異を導入する部位または領域は事前に決定するが、突然変異自体は事前に決定する必要はない。たとえば、所定の部位での突然変異の実行を最適化するために、ランダム突然変異誘発を標的コドンまたは領域で実施して、発現させたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体を、所望の活性の最適な組合せについてスクリーニングし得る。既知の配列を有するDNA中の事前に決定した部位で置換突然変異を行う技術は周知であり、本明細書中のたとえばM13プライマー突然変異誘発およびPCR突然変異誘発に記載されている。突然変異体のスクリーニングは、炭素−炭素結合の形成または切断のアッセイなどを用いて行うことができる。他の実施形態では、アミノ酸置換は単一の残基であることができ、挿入は約1〜20個のアミノ酸の桁であることができるが、相当により大きな挿入を行うこともできる。欠失の範囲は約1〜約20、30、40、50、60、70個またはそれ以上の残基であることができる。最適な特性を有する最終誘導体を得るために、置換、欠失、挿入またはその任意の組合せを用い得る。一般に、これらの変化は、分子の変化を最小限にするために数個のアミノ酸に行う。しかし、特定の状況下ではより大きな変化が寛容され得る。
本発明は、ポリペプチドの主鎖、α−ヘリックスまたはβ−シート構造などの二次または三次構造の構造が改変された、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を提供する。一部の実施形態では、電荷または疎水性が改変されている。一部の実施形態では、側鎖のかさが改変されている。機能または免疫のアイデンティティの実質的な変化は、保存性がより低い置換を選択することによって行う。たとえば、変化領域、たとえばα−ヘリックスもしくはβ−シート構造中のポリペプチド主鎖の構造、活性部位であることができる分子の電荷または疎水性部位、または側鎖により顕著に影響を与える置換を行うことができる。一部の実施形態では、本発明は、(a)セリルもしくはスレオニルなどの親水性残基が、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルもしくはアラニルなどの疎水性残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、(b)システインもしくはプロリンが任意の他の残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、(c)リジル、アルギニル、もしくはヒスチジルなどの陽性側鎖を有する残基が、グルタミルもしくはアスパルチルなどの陰性残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、または(d)フェニルアラニンなどのかさ高い側鎖を有する残基が、グリシンなどの側鎖を有さない残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、本発明に従ったポリペプチド中の置換を提供する。変異体は、同じ定性的生物活性(すなわち、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性)を示すことができるが、必要に応じて、変異体は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の特徴を改変させるように選択することができる。
一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、エピトープもしくは精製タグ、シグナル配列または他の融合配列などを含む。一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を、ランダムペプチドと融合させて融合ポリペプチドを形成することができる。本明細書中の「融合」または「作動可能に連結」とは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の構造の安定性の破壊が最小限となる様式で、たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性が保持される様式で、ランダムペプチドとHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素とが一緒に連結されていることを意味する。融合ポリペプチド(または融合ポリペプチドをコードしている融合ポリヌクレオチド)は、複数のループでの複数のペプチドを含めたさらなる構成要素も含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチドおよびそれらをコードしている核酸はランダム化されており、たとえば全体的または1つの位置あたりのヌクレオチド/残基の頻度において、完全にランダム化されているかまたはそのランダム化に偏りがある。「ランダム化された」とは、それぞれの核酸およびペプチドがそれぞれ本質的にランダムなヌクレオチドおよびアミノ酸からなることを意味する。一部の実施形態では、ペプチドを生じさせる核酸を化学合成することができ、したがって、任意のヌクレオチドを任意の位置で組み込ませ得る。したがって、核酸を発現させてペプチドを形成させた際、任意のアミノ酸残基を任意の位置で組み込ませ得る。合成プロセスは、核酸の全長にわたって可能な組合せのすべてまたはほとんどの形成を可能にしてランダム化された核酸のライブラリーを形成するために、ランダム化された核酸を生じるように設計することができる。ライブラリーは、確率的に十分な範囲の細胞応答に影響を与えて所望の応答を示す1つまたは複数の細胞を提供するために、ランダム化された発現産物の十分に構造的に多様な集団を提供することができる。したがって、本発明は、そのメンバーの少なくとも1つに一部の分子、タンパク質、または他の要素に対する親和性が与えられる構造を有するように、十分大きな相互作用ライブラリーを提供する。
一部の実施形態では、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素は、シグナルペプチド、炭水化物結合モジュール、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の触媒ドメイン、リンカーならびに/または別の触媒ドメインを含む、多ドメイン酵素である。
本発明は、生物活性のあるハイブリッドポリペプチド(たとえばハイブリッドのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素)をコードし得るキメラポリペプチドを作製するために方法および配列を提供する。一部の実施形態では、元のポリヌクレオチド(本発明に従った核酸など)は、生物活性のあるポリペプチドをコードしている。一部の実施形態では、本発明に従った方法は、生じるハイブリッドポリヌクレオチドが、元の生物活性のあるポリペプチド(本発明に従ったアルドラーゼまたは抗体)に由来するがそれとは異なる活性を実証するポリペプチドをコードしているように、元のポリヌクレオチドの配列を組み込む細胞プロセスを利用することによって、新しいハイブリッドポリペプチドを生じる。たとえば、元のポリヌクレオチドは、異なる微生物に由来するまたはそれ中に見つかる特定の酵素(アルドラーゼなど)をコードし得る。1つの生物または変異体からの第1のポリヌクレオチドによってコードされている酵素は、たとえば、高塩分などの特定の環境条件下で有効に機能し得る。異なる生物または変異体からの第2のポリヌクレオチドによってコードされている酵素は、非常に高い温度などの異なる環境条件下で有効に機能し得る。第1および第2の元のポリヌクレオチドからの配列を含むハイブリッドポリヌクレオチドは、元のポリヌクレオチドによってコードされているどちらの酵素の特徴も示す酵素をコードし得る。したがって、本発明に従ったハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされている酵素は、高塩分および極限温度などの第1および第2のポリヌクレオチドによってコードされているそれぞれの酵素によって共有される環境条件下で有効に機能し得る。
一部の実施形態では、本発明に従った方法によって作製したハイブリッドポリペプチドは、元の酵素では示されない特殊な酵素活性を示し得る。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素をコードしているポリヌクレオチドの組換えおよび/または還元的再集合の後、生じるハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされているハイブリッドポリペプチドを、元の酵素のそれぞれから得られた、特殊な非HMGおよび/または非KHG−アルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼの酵素活性、たとえば加水分解酵素、ペプチダーゼ、ホスホリラーゼなどの活性についてスクリーニングすることができる。一部の実施形態では、ハイブリッドポリペプチドを、ハイブリッドポリペプチドが機能する温度、pHまたは塩濃度などの、ハイブリッドポリペプチドを元の親ポリペプチドから区別する化学的機能を確認するためにスクリーニングする。
一部の実施形態では、本発明は、
1)少なくとも1つの部分的配列相同領域を共有する、作動可能に連結させた少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび作動可能に連結させた第2のポリヌクレオチドを、適切な宿主細胞内に導入し、
2)配列の再編成を促進して作動可能に連結したハイブリッドポリヌクレオチドがもたらされる条件下で宿主細胞を増殖し、
3)ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされているハイブリッドポリペプチドを発現させ、
4)増強した生物活性の同定を促進する条件下でハイブリッドポリペプチドをスクリーニングし、
5)ハイブリッドポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを単離する
ことにより、生物活性のあるハイブリッドポリペプチドを生成する方法、およびそのようなポリペプチドを活性の増強についてスクリーニングする方法に関する。
アルドラーゼ酵素の単離および発見
本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素ならびにそれらをコードしている核酸を単離および発見する方法を提供する。ポリヌクレオチドまたは酵素は、個々の生物から(「単離物」)、定義した培地中で増殖させた生物の集合から(「濃縮培養物」)、または未培養の生物から(「環境試料」)単離し得る。生物は、in vivoバイオパニングなどによって単離することができる(以下の記述参照)。新規生物活性をコードしているポリヌクレオチドを環境試料から導き出すための培養非依存性手法の使用により生物多様性の利用されていない資源にアクセスすることが可能となるので、これが最も好ましい。ポリヌクレオチドまたは酵素はまた、細菌など、数々の生物の任意のものから単離することもできる。全細胞に加えて、ポリヌクレオチドまたは酵素はまた、細菌などのこれらの生物の培養物に由来する粗酵素調製物から単離することもできる。
「環境ライブラリー」は環境試料から作製し、適切な原核宿主中で増殖させることができるクローニングベクター中に保存される天然に存在する生物の集合的なゲノムを表す。クローニングしたDNAは最初に環境試料から直接抽出するので、ライブラリーは、純培養で増殖することができる小さな割合の原核生物に限定されない。さらに、これらの試料中に存在する環境DNAの標準化により、元の試料中に存在するすべての種からのDNAのより等価な表示が可能となる場合がある。これにより、支配的な種と比較して数桁少なく表示される試料の微量構成成分から興味深い遺伝子を発見する効率を、劇的に増加することができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の未培養の微生物から作製した遺伝子ライブラリーを、目的の活性についてスクリーニングする。最初に、目的の生物活性分子をコードしている潜在的な経路を遺伝子発現ライブラリーの形態で、原核細胞中で捕獲する。一部の実施形態では、目的の活性をコードしているポリヌクレオチドをそのようなライブラリーから単離し、宿主細胞内に導入する。宿主細胞を、組換えおよび/または還元的再集合を促進する条件下で増殖して、新規または増強された活性を有する潜在的な活性生体分子を作製する。
in vivoバイオパニングは、FACS系および非光学系(磁気など)の機械を利用して行い得る。一部の実施形態では、転写されたRNAを安定化させる要素を含むベクターを用いて複雑な遺伝子ライブラリーを構築する。たとえば、RNAの転写された領域に隣接するように設計されたヘアピンなどの二次構造をもたらす配列を含めることは、その安定性を増強させる役割を果たし、したがって、細胞内でのその半減期が増加する。バイオパニングプロセスで用いるプローブ分子は、プローブと標的分子とが結合した際にのみ蛍光発光するレポーター分子で標識したオリゴヌクレオチドからなる。いくつかの形質転換方法の1つを用いて、これらのプローブをライブラリーからの組換え細胞内に導入する。プローブ分子が転写された標的mRNAと結合し、DNA/RNAヘテロ二重鎖分子がもたらされる。プローブと標的との結合により蛍光シグナルが得られ、これをスクリーニングプロセス中にFACS装置によって検出および選別する。
一部の実施形態では、目的の配列さらに単離するためにサブクローニングを行う。サブクローニングでは、DNAの一部分を増幅し、一般に制限酵素によって所望の配列を切り出すために消化し、所望の配列をレシピエントベクター内にライゲーションし、増幅する。サブクローニングのそれぞれの工程において、構造タンパク質をコードしているDNAは排除されていないことを確認するために、一部を目的の活性について検査する。挿入は、たとえば、ベクター内へのライゲーション前にゲル電気泳動によって、またはレシピエントベクターを含む細胞およびレシピエントベクターを含まない細胞を、たとえばレシピエントベクターを含まない細胞を死滅させる抗生物質を含む選択培地に置くことによって、サブクローニングの任意の工程で精製し得る。cDNAの挿入をベクター内にサブクローニングする具体的な方法は当分野で周知である(Sambrook他、分子クローニング:実験室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989))。他の実施形態では、本発明に従った酵素はサブクローンである。そのようなサブクローンは、たとえば、長さ、突然変異、タグまたは標識によって親クローンと異なり得る。
ポリヌクレオチドを発見、単離、または調製し得る微生物には、真正細菌および古細菌などの原核微生物ならびに真菌、一部の藻類および原虫などの下等真核微生物が含まれる。ポリヌクレオチドは環境試料から発見、単離または調製してもよく、この場合、核酸は、生物を培養せずに回収するか、または1つもしくは複数の培養した生物から回収し得る。一部の実施形態では、そのような微生物は、超好熱菌、好冷菌、低温菌、好塩菌、好圧菌および好酸菌などの好極限性菌であり得る。好極限性微生物から単離した酵素をコードしているポリヌクレオチドを用いることができる。本発明の酵素は、陸地の温泉および深海の熱水噴出し口中に見つかるものなどの100℃を超える温度、北極の水中に見つかるものなどの0℃未満の温度、死海中に見つかるものなどの飽和塩環境、石炭鉱床および地熱の硫黄に富んだ湧水中に見つかるものなどの0近辺のpH値、下水汚泥中に見つかるものなどの11を超えるpH値で機能することができる。一部の実施形態では、本発明に従った酵素は、広範囲の温度およびpHにわたって高い活性を有する。
本明細書中に上述したように選択および単離したポリヌクレオチドを、適切な宿主細胞内に導入する。適切な宿主細胞は、組換えおよび/または還元的再集合を促進することができる任意の細胞である。一部の実施形態では、選択したポリヌクレオチドは、既に適切な制御配列が含まれるベクター中にある。宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高等真核細胞もしくは酵母細胞などの下等真核細胞であることができるか、または、一部の実施形態では、宿主細胞は細菌細胞などの原核細胞であることができる。構築体の宿主細胞内への導入は、リン酸カルシウム形質移入、DEAE−デキストラン媒介の形質移入、または電気穿孔によって達成することができる。
例示的な宿主には、イー・コリ、ストレプトマイセス、サルモネラ・チフィムリウムなどの細菌細胞、酵母などの真菌細胞、ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9などの昆虫細胞、CHO、COSまたはボーズ(Bowes)黒色腫などの動物細胞、アデノウイルス、ならびに植物細胞が含まれる。上記の記述を参照されたい。適切な宿主の選択は、本明細書中の教示から当業者の範囲内にあると考えられる。
様々な哺乳動物細胞培養系を用いて組換えタンパク質を発現させることができる。哺乳動物発現系の例には、「SV40で形質転換したサル細胞は初期SV40突然変異体の複製を支援する(SV40−transformed simian cells support the replication of early SV40 mutants)」(Gluzman、1981)に記載のサル腎臓線維芽細胞のCOS−7系ならびに適合性のあるベクターを発現することができる他の発現系、たとえば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサーならびに任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーやアクセプター部位、転写ターミネーター配列および5’フランキング非転写配列も含む。SV40のスプライスおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝要素を提供し得る。
他の実施形態では、本発明に従った核酸、ポリペプチドおよび方法を生化学的経路で用いるか、あるいは1つもしくは複数のオペロンもしくは遺伝子クラスターまたはその一部分から生化学的経路をコードしている新規ポリヌクレオチド作製するために用いる。たとえば、細菌および多くの真核生物は、その産物が関連するプロセスに関与する遺伝子を調節するために、協調的な機構を有する。遺伝子は、単一の染色体上の「遺伝子クラスター」と呼ばれる構造でクラスター形成しており、全クラスターの転写を開始させる単一のプロモーターを含めた単一の調節配列の下で一緒に転写される。したがって、遺伝子クラスターとは、通常はその機能に関して同一または関連する、隣接遺伝子の群である(遺伝子クラスターによってコードされている生化学的経路の例はポリケチド)。
一部の実施形態では、遺伝子クラスターのDNAを異なる生物から単離して、検出可能なタンパク質の生成またはライゲーションした遺伝子クラスターからのタンパク質関連アレイ活性を制御および調節することができる発現調節配列を含むベクターなどのベクター内にライゲーションする。外来性DNAの導入に対して例外的に高い能力を有するベクターの使用がそのような遺伝子クラスターを用いた使用に適している場合があり、例として本明細書中に記載するイー・コリのf因子(すなわち稔性因子)が含まれる。このイー・コリのf因子は、接合中の自身の高頻度の移動に影響を与えるプラスミドであり、混合微生物試料からの遺伝子クラスターなどの大きなDNA断片をもたらして安定に増殖させるために理想的である。一実施形態では、「フォスミド」と呼ばれるクローニングベクターまたは細菌人工染色体(BAC)ベクターを用いる。これらは、ゲノムDNAの大きなセグメントを安定に組み込むことができるイー・コリのf因子に由来する。これは、混合未培養環境試料からのDNAと共に組み込んだ場合、大きなゲノム断片を安定な「環境DNAライブラリー」の形態でもたらすことを可能にする。本発明で用いるための別の種類のベクターは、コスミドベクターである。コスミドベクターは、元々はゲノムDNAの大きなセグメントをクローニングおよび増殖するために設計された。コスミドベクター内へのクローニングは、Sambrook他、分子クローニング:実験室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に詳述されている。適切なベクター内にライゲーションした後、異なるポリケチド合成酵素遺伝子クラスターを含む2つ以上のベクターを適切な宿主細胞内に導入することができる。遺伝子クラスターによって共有される部分的配列相同領域は配列の再編成をもたらすプロセスを促進し、ハイブリッド遺伝子クラスターがもたらされる。その後、新規ハイブリッド遺伝子クラスターを、元の遺伝子クラスター中に見つからない活性の増強についてスクリーニングすることができる。
様々な酵素活性をスクリーニングする方法は当業者に知られており、本明細書全体にわたって記載されている。以下の実施例1、2および3を参照されたい。そのような方法は、本発明に従ったポリペプチドおよびポリヌクレオチドを単離する際に用い得る。
一部の実施形態では、本発明は、全細胞手法を用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ、またはこれらの酵素の活性を改変させる化合物を発見および単離する方法を提供する(以下の記述を参照)。ゲノムDNAライブラリーからのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼをコードしている推定上のクローンをスクリーニングすることができる。
スクリーニング方法および「オンライン」モニターデバイス
本発明に従った方法を実施するにあたって、様々な装置および方法を、本発明に従ったポリペプチドおよび核酸と併せて、たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性についてポリペプチドをスクリーニングするため、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性の活性化剤または阻害剤などの潜在的なモジュレーターとして化合物をスクリーニングするため、本発明に従ったポリペプチドと結合する抗体のため、本発明に従った核酸とハイブリダイズする核酸のため、本発明に従ったポリペプチドを発現する細胞をスクリーニングするためなどに用いることができる。試料をスクリーニングするための以下に詳述するアレイ様式に加えて、本発明に従った方法を実施するために代替様式を使用することもできる。そのような様式には、たとえば、質量分析デバイス、高スループットHPLCおよび他の形態の液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラムならびに1536ウェルプレート、384ウェルプレートなどのより小さな様式が含まれる。高スループットスクリーニング装置を適応して本発明に従った方法の実施に使用することができる。米国特許出願公開第20020001809号、第20050272044号を参照されたい。
毛細アレイ
本発明に従った核酸またはポリペプチドをアレイに固定または施用することができる。アレイを用いて、組成物のライブラリー(小分子、抗体、核酸など)を、本発明に従った核酸またはポリペプチドと結合するまたはその活性を調節するその能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。GIGAMATRIX(商標)、Diversa Corporation、カリフォルニア州San Diegoなどの毛細アレイ、および米国特許出願公開第20020080350A1号、国際公開第0231203A号、国際公開第0244336A号などに記載のアレイは、試料を保持およびスクリーニングするための代替装置を提供する。一部の実施形態では、毛細アレイには、隣接する毛細のアレイへと形成した複数の毛細が含まれ、それぞれの毛細が試料を保持するルーメンを規定する少なくとも1つ壁を含む。ルーメンは、壁が液体または試料を保持するためのルーメンを形成する限りの、円柱状、正方形、六角形または任意の他の幾何学的形状であり得る。毛細アレイの毛細を密接して一緒に保持して、平面構造を形成することができる。毛細は、溶融によって(毛細がガラスから作製されている場合など)、接着剤によって、結合剤によって、または隣り合わせでクランプ固定することによって、一緒に結合することができる。さらに、毛細アレイには、アレイ中の隣接する毛細間に配置した間隙物質が含まれて複数の貫通孔を含む固体平面デバイスを形成することができる。
毛細アレイは、任意の数の個々の毛細、たとえば100〜4,000,000個の範囲の毛細から形成されていることができる。さらに、約100,000個以上の個々の毛細を有する毛細アレイは、標準の実験室装置内にはめ込むために、Microtiter(登録商標)プレートの標準の大きさおよび形状に形成することができる。毛細作用または細い針を用いた微量注入のどちらかを使用してルーメンを手動または自動で満たす。続いて、さらなる解析または特徴づけのために、目的の試料を個々の毛細から除去し得る。たとえば、物質をルーメンに加えるまたはそれから抜くために、細い針様のプローブを、選択した毛細と流体連絡するように位置する。
単一ポットのスクリーニングアッセイでは、毛細アレイ内に挿入する前にアッセイ構成要素を混合して目的の溶液を得る。ルーメンは、アレイの少なくとも一部分を目的の溶液内に浸した際に毛細作用によって満たされる。それぞれの毛細中の化学的または生物学的な反応および/または活性を、検出可能な事象についてモニターする。検出可能な事象は、多くの場合「ヒット」と呼ばれ、これは通常、光学検出によって「非ヒット」を生じる毛細から区別される。したがって、毛細アレイは、大量の「ヒット」の平行検出を可能にする。
複数ポットのスクリーニングアッセイでは、ポリペプチドまたはリガンドなどの核酸を、第1の構成要素内に導入することができ、これは、毛細アレイの毛細の少なくとも一部分内に導入する。その後、気泡を第1の構成要素の後方で毛細内に導入することができる。その後、第2の構成要素を毛細内に導入することができ、第2の構成要素は気泡によって第1の構成要素から分離される。その後、毛細アレイの両側から静水圧を加えて気泡を破壊することによって、第1および第2の構成要素を混合することができる。その後、毛細アレイを、2つの構成要素の反応が存在することまたは存在しないことにより生じる検出可能な事象についてモニターする。
結合スクリーニングアッセイでは、目的の試料を、検出可能な粒子で標識した第1の液体として、毛細アレイの毛細内に導入することができ、毛細のルーメンは検出可能な粒子をルーメンに結合させるための結合物質でコーティングされている。その後、第1の液体を毛細管から除去してよく、結合した検出可能な粒子が毛細内に維持され、第2の液体を毛細管内に導入し得る。その後、毛細を、粒子と第2の液体との反応が存在することまたは存在しないことにより生じる検出可能な事象についてモニターする。
アレイ、すなわち「バイオチップ」
本発明に従った核酸またはポリペプチドをアレイに固定または施用することができる。アレイを用いて、組成物のライブラリー(小分子、抗体、核酸など)を、本発明に従った核酸またはポリペプチドと結合するまたはその活性を調節する能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。たとえば、本発明の一部の実施形態では、モニターするパラメータは、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の遺伝子の転写物の発現である。細胞の1つもしくは複数、またはすべての転写物は、細胞の転写物、または細胞の転写物の代表的なもしくはそれに相補的な核酸を含む試料のハイブリダイゼーションによって、アレイ上の固定した核酸、すなわち「バイオチップ」へのハイブリダイゼーションによって測定することができる。マイクロチップ上の核酸の「アレイ」を用いることによって、細胞の転写物の一部またはすべてを同時に定量することができる。あるいは、ゲノム核酸を含むアレイを用いて、本発明に従った方法によって作製した新しく操作した株の遺伝子型を決定することもできる。ポリペプチドアレイ」はまた、複数のタンパク質を同時に定量するために用いることもできる。本発明は、「マイクロアレイ」もしくは「核酸アレイ」もしくは「ポリペプチドアレイ」もしくは「抗体アレイ」もしくは「バイオチップ」とも呼ばれる任意の既知の「アレイ」またはその変形を用いて実施することができる。アレイとは、総称的に、それぞれの標的要素がmRNA転写物などの試料分子との特異的結合のために基質表面の定義した領域上に固定した定義した量の1つまたは複数のオリゴヌクレオチドなどの生体分子を含む、複数の「スポット」または「標的要素」である。
本明細書中で使用する用語「アレイ」または「マイクロアレイ」または「バイオチップ」または「チップ」とは、以下にさらに詳述する、それぞれの標的要素が基質表面上の定義した領域に固定した定義した量の1つまたは複数のポリペプチド(抗体を含む)または核酸を含む、複数の標的要素である。
本発明に従った方法を実施するにあたって、任意の既知のアレイおよび/ならびにアレイを作製および使用する方法は、たとえば、米国特許第6,277,628号、第6,277,489号、第6,261,776号、第6,258,606号、第6,054,270号、第6,048,695号、第6,045,996号、第6,022,963号、第6,013,440号、第5,965,452号、第5,959,098号、第5,856,174号、第5,830,645号、第5,770,456号、第5,632,957号、第5,556,752号、第5,143,854号、第5,807,522号、第5,800,992号、第5,744,305号、第5,700,637号、第5,556,752号、第5,434,049号に記載されているように、その全体でもしくは部分的に組み込まれているか、またはその変形であることができる。また、国際公開第99/51773号、国際公開第99/09217号、国際公開第97/46313号、国際公開第96/17958号なども参照されたい。また、Johnston(1998)Curr.Biol.、8:R171〜R174;Schummer(1997)Biotechniques、23:1087〜1092;Kern(1997)Biotechniques、23:120〜124;Solinas−Toldo(1997)Genes,Chromosomes & Cancer、20:399〜407;Bowtell(1999)Nature Genetics Supp.、21:25〜32なども参照されたい。また、米国特許出願公開第20010018642号、第20010019827号、第20010016322号、第20010014449号、第20010014448号、第20010012537号、第20010008765号も参照されたい。
抗体および抗体に基づいたスクリーニング方法
本発明は、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素と特異的に結合する、単離、合成または組換え抗体を提供する。これらの抗体を用いて、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または関連するポリペプチドを単離、同定または定量することができる。これらの抗体を用いて、本発明の範囲内の他のポリペプチドまたは他の関連するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を単離することができる。抗体は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の活性部位と結合するように設計することができる。したがって、本発明は、本発明に従った抗体を用いて、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を阻害する方法を提供する(本発明に従った抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼの酵素の組成物の応用に関しては、上記の記述を参照)。
用語「抗体」には、抗原またはエピトープと特異的に結合することができる1つの免疫グロブリン遺伝子もしくは複数の免疫グロブリン遺伝子またはその断片に由来する、それを元にモデリングした、または実質的にそれによってコードされている、ペプチドまたはポリペプチドが含まれる。基礎免疫学(Fundamental Immunology)、第3版、W.E.Paul編、Raven Press、ニューヨーク(1993);Wilson(1994)J.Immunol.Methods、175:267〜273;Yarmush(1992)J.Biochem.Biophys.Methods、25:85〜97を参照されたい。用語抗体には、抗原と結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち「抗原結合部位」(断片、部分配列、相補性決定領域(CDR)など)が含まれ、これには、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド橋によって連結されている2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward他、(1989)Nature、341:544〜546)、ならびに(vi)単離した相補性決定領域(CDR)が含まれる。単鎖抗体も参考として用語「抗体」に含まれる。
本発明は、本発明に従ったポリペプチドの免疫原性断片(部分配列など)を含めた、本発明に従った酵素(ペプチドなど)の断片を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったポリペプチドまたはペプチドおよびアジュバントまたは担体などを含む組成物を提供する。
抗体は、免疫沈降、染色、免疫親和性カラムなどに用いることができる。所望する場合は、特定の抗原をコードしている核酸配列は、免疫化、続いてポリペプチドまたは核酸の単離、増幅またはクローニング、および本発明に従ったアレイ上へのポリペプチドの固定化によって、作製することができる。あるいは、本発明に従った方法を用いて、修飾する細胞によって産生される抗体の構造を修飾することができ、たとえば、抗体の親和性を増加または低下させることができる。さらに、抗体を作製または修飾する能力は、本発明に従った方法によって細胞に加えた操作の表現型であることができる。
抗体(ポリクローナルおよびモノクローナル)を免疫化、産生ならびに単離する方法は当業者に知られており、科学論文および特許文献に記載されている。Coligan、免疫学の最新プロトコル(CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY)、Wiley/Greene、ニューヨーク(1991);Stites編、基礎免疫学および臨床免疫学(BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY)(第7版)Lange Medical Publications、カリフォルニア州ロスアルトス(「Stites」);Goding、モノクローナル抗体:原理および実施(MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE)(第2版)Academic Press、ニューヨーク州ニューヨーク(1986);Kohler(1975)Nature、256:495;Harlow(1988)抗体、実験室マニュアル(ANTIBODIES,A LABORATORY MANUAL)、Cold Spring Harbor Publications、ニューヨークを参照されたい。抗体はまた、動物を用いた従来のin vivo方法に加えて、組換え抗体結合部位を発現するファージディスプレイライブラリーを用いることなど、in vitroでも作製することができる。Hoogenboom(1997)Trends Biotechnol.、15:62〜70;Katz(1997)Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.、26:27〜45を参照されたい。
本発明に従ったポリペプチドまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片を用いても、ポリペプチドまたは断片と特異的に結合する抗体を作製し得る。生じる抗体を、ポリペプチドを単離もしくは精製するため、またはポリペプチドが生体試料中に存在するかどうかを決定するための免疫親和性クロマトグラフィー手順で用い得る。そのような手順では、抽出物などのタンパク質調製物または生体試料を、本発明に従ったポリペプチドの1つ、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片と特異的に結合することができる抗体を接触させる。
免疫親和性手順では、抗体をビーズまたは他のカラムマトリックスなどの固体担体に付着させる。抗体が本発明に従ったポリペプチドの1つまたはその断片と特異的に結合する条件下でタンパク質調製物を抗体と接触させる。非特異的に結合したタンパク質を除去するために洗浄した後、特異的に結合したポリペプチドを溶出させる。
抗体と結合する生体試料中のタンパク質の能力は、当業者が精通している様々な手順の任意のものを用いて決定し得る。たとえば、結合は、抗体を蛍光剤、酵素標識、または放射性同位体などの検出可能な標識で標識することによって決定し得る。あるいは、抗体と試料との結合は、その上にそのような検出可能な標識を有する二次抗体を用いて検出し得る。具体的なアッセイには、ELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、ラジオイムノアッセイおよびウエスタンブロットが含まれる。
本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対して作製したポリクローナル抗体は、ポリペプチドを動物内に直接注入すること、またはポリペプチドを動物、たとえば非ヒトに投与することによって得ることができる。そのように得られた抗体は、ポリペプチド自体と結合することができる。このように、ポリペプチドの断片のみをコードしている配列さえも、ネイティブポリペプチド全体と結合し得る抗体を作製するために用いることができる。その後、そのような抗体を用いて、ポリペプチドを、そのポリペプチドを発現する細胞から単離することができる。
モノクローナル抗体の調製には、連続継代細胞系の培養物によって産生される抗体を提供する任意の技術を用いることができる。例には、ハイブリドーマ技術(KohlerおよびMilstein、Nature、256:495〜497、1975)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor他、Immunology Today、4:72、1983)およびEBV−ハイブリドーマ技術(Cole他、1985、モノクローナル抗体および癌治療(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)、Alan R.Liss,Inc.、ページ77〜96)が含まれる。
単鎖抗体の産生について記載されている技術(米国特許第4,946,778号)を、本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対する単鎖抗体を産生させるために適応させることができる。あるいは、トランスジェニックマウスを用いて、これらのポリペプチドまたはその断片に対するヒト化抗体を発現させ得る。
本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対して作製した抗体を、他の生物および試料からの類似ポリペプチドのスクリーニングに用い得る。そのような技術では、生物からのポリペプチドを抗体と接触させ、抗体と特異的に結合するポリペプチドを検出する。上述の手順の任意のものを用いて抗体結合を検出し得る。そのようなスクリーニングアッセイの1つが、Shulman H、Eberhard A、Eberhard C、Ulitzur S、Keinan E、Bioorg Med Chem Lett.2000年10月16日;10(20):2353〜6、発光性細菌による抗体触媒作用の高感度かつ迅速な検出(Highly sensitive and rapid detection of antibody catalysis by luminescent bacteria)に記載されている。
キット
本発明は、本発明に従った核酸、発現カセット、ベクター、細胞、トランスジェニック種子もしくは植物もしくは植物部分、ポリペプチド(アルドラーゼ酵素など)および/または抗体等の組成物を含むキットを提供する。キットはまた、本明細書中に記載の本発明に従った方法ならびに工業用、医薬用および食用の使用を教示する指示書も含むことができる。
全細胞の操作および代謝パラメータの測定
本発明に従った方法は、新しいまたは改変されたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性などの新しい表現型を有する新しい細胞株を開発するために、細胞の遺伝組成を改変することによって細胞の全細胞進化または全細胞操作を提供する。米国特許出願公開第20040033975号を参照されたい。
遺伝組成は、細胞に、本発明に従った酵素のコード配列などの本発明に従った核酸を付加することによって改変することができる。国際公開第0229032号、国際公開第0196551号を参照されたい。
新しい表現型を検出するためには、改変した細胞の少なくとも1つの代謝パラメータを、細胞中で「リアルタイム」または「オンライン」のタイムフレームでモニターする。一部の実施形態では、細胞培養物などの複数の細胞を「リアルタイム」または「オンライン」でモニターする。一部の実施形態では、複数の代謝パラメータを「リアルタイム」または「オンライン」でモニターする。代謝パラメータは、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を用いてモニターすることができる。
代謝フラックス解析(MFA)は既知の生化学フレームワークに基づいている。細胞内代謝物の質量保存の法則および見掛けの定常状態の仮説(PSSH)に基づいて、一次独立の代謝マトリックスを構築する。本発明に従った方法を実施するにあたって、以下を含めた代謝ネットワークを確立する:
・すべての経路の基質、産物および中間代謝物の同定
・経路の代謝物を相互変換するすべての化学反応、経路の反応の化学量論の同定、
・反応を触媒するすべての酵素、酵素反応の動力学の同定、
・アロステリック相互作用、酵素−酵素相互作用などの経路の構成要素間の調節相互作用、
・酵素または任意の他の酵素の超分子組織の細胞内区画化、ならびに
・代謝物、酵素もしくはエフェクター分子の任意の濃度勾配またはそれらの動きに対する拡散障壁の存在。
所定の株の代謝ネットワークを構築した後、マトリックスの概念による数学的表示を導入して、オンラインメタボロームデータが利用可能かどうかの細胞内代謝フラックスを推定することができる。代謝の表現型は、細胞内の全代謝ネットワークの変化に依存する。代謝の表現型は、環境条件、遺伝調節、発達状態および遺伝子型などに関して経路の利用に依存する。本発明に従った方法の一部の実施形態では、オンラインMFA計算の後、経路の利用を調査することによって細胞の動的挙動、その表現型および他の特性を解析する。たとえば、酵母の発酵中にグルコースの供給を増加し、酸素を低下した場合は、呼吸経路の利用が低下および/または停止し、発酵性経路の利用が優勢となる。経路の解析後に細胞培養物の生理状態の制御が可能となる。本発明に従った方法は、基質の供給、温度、誘導剤の使用などをどのように変化させて細胞の生理状態を望ましい方向に沿って動くように制御するかを決定することによって、発酵をどのように操作するかの決定を支援することができる。本発明に従った方法を実施するにあたって、代謝工学または遺伝子シャフリングなどの実験およびプロトコルを設計するために、MFAの結果をトランスクリプトームおよびプロテオームのデータと比較することもできる。
本発明に従った方法を実施するにあたって、細胞における新しいまたは改善された特徴を含めた任意の改変したまたは新しい表現型を与えて検出することができる。代謝または増殖の任意の側面をモニターすることができる。
mRNA転写物の発現のモニター
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、mRNA転写物(たとえばピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素のメッセージ)の発現を増加もしくは低下させること、または新しい(たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の)転写物を細胞中で生じさせることを含む。この増加または低下した発現は、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の存在を試験することによって、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性のアッセイによって追跡することができる。mRNA転写物、すなわちメッセージはまた、ノーザンブロット、定量的増幅反応、アレイとのハイブリダイゼーションなどを含めた当分野で知られている任意の方法によって検出および定量することができる。定量的増幅反応には、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、すなわちRT−PCRなどを含めた定量的PCR、定量的リアルタイムRT−PCR、すなわち「リアルタイム動力学的RT−PCR」などが含まれる(Kreuzer(2001)Br.J.Haematol.、114:313〜318;Xia(2001)Transplantation、72:907〜914参照)。
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、相同遺伝子の発現をノックアウトすることによって生じさせる。遺伝子のコード配列またはプロモーターもしくはエンハンサーなどの1つもしくは複数の転写制御要素をノックアウトすることができる。したがって、転写物の発現を完全に切除するか、または減少のみさせることができる。
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、相同遺伝子の発現を増加させることを含む。これは、シスもしくはトランスで作用する転写調節要素を含めた負の制御要素をノックアウトすることによって、または、正の制御要素を突然変異誘発させることによって達成することができる。細胞の1つもしくは複数、またはすべての転写物は、細胞の転写物、または細胞の転写物の代表的なもしくはそれに相補的な核酸を含む試料のハイブリダイゼーションによって、アレイ上の固定した核酸とのハイブリダイゼーションによって、測定することができる。
ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸の発現のモニター
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、ポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)の発現を増加もしくは低下させること、または細胞中で新しいポリペプチドを生じさせることを含む。この増加または低下した発現は、存在するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の量を決定することによって、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性のアッセイいよって追跡することができる。ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸はまた、核磁気共鳴(NMR)、分光光度法、X線撮影(タンパク質放射標識)、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー、免疫沈降、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイなどの様々な免疫学的方法、ゲル電気泳動(SDS−PAGEなど)、抗体を用いた染色、蛍光活性化細胞選別器(FACS)、熱分解質量分析、フーリエ変換赤外線分光測定、ラマン分光測定、GC−MS、ならびにLC−エレクトロスプレーおよびキャップ−LC−タンデム−エレクトロスプレー質量分析等を含めた当分野で知られている任意の方法によって検出および定量することができる。新規生物活性はまた、米国特許第6,057,103号に記載の方法またはその変形を用いてスクリーニングすることもできる。さらに、以下に詳述するように、細胞の1つもしくは複数、またはすべてのポリペプチドを、タンパク質アレイを用いて測定することができる。
工業的、医薬的および他の応用
本発明に従ったポリペプチド(たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを有するもの)は、炭素−炭素結合の形成または切断を触媒することができる。本発明に従った酵素は、選択性の高い触媒であることができる。一部の実施形態では、本発明は、たとえば、医薬的または栄養的(食用)サプリメントの産業、食品および飼料製品ならびに食品および飼料添加剤を作製する方法などの食品および飼料の産業における、本発明に従った酵素を用いた工業的プロセスを提供する。一部の実施形態では、本発明は、医薬品あるいは食用補助剤もしくはサプリメントまたは食品サプリメントもしくは添加剤を作製するためなどの医薬産業において、本発明に従った酵素を使用するプロセスを提供する。
バイオマス変換およびクリーン生物燃料の生成
本発明は、それだけには限定されないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼを含めたアルドラーゼ等の酵素(酵素の混合物、すなわち「カクテル」を含む)、ならびに、飼料、食品および化学薬品に加えて、本発明の酵素を用いてバイオマスまたは任意のリグノセルロース材料(たとえば、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを含む任意の組成物)を燃料(たとえば、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、バイオディーゼル)へと変換する方法を提供する。したがって、本発明の組成物および方法は、石油系製品の、たとえばバイオエタノールおよびガソリンの混合物として使用するための、有効かつ継続可能な代替方法または付加物を提供する。本発明は、天然に存在するバイオマス変換を含む化学サイクルに関与するための、本発明の酵素を発現する生物を提供する。一実施形態では、変換のための酵素および方法は、セルロースおよびヘミセルロースポリマーを代謝可能な炭素部分へと効率的な脱重合するための酵素のアンサンブルに使用する。本発明は、これらの重要な新しい「バイオマス変換」および代替エネルギーの工業的プロセスを可能にする酵素の最も有効なものを発見および実装する方法を提供する。
本発明の方法にはまた、変換されたリグノセルロース材料(本発明の酵素によって加工)をとり、発酵および/または化学合成によって燃料(たとえば、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、バイオディーゼル)にすることが含まれる。一実施形態では、生成した糖を発酵するか、および/または発酵可能でない生成物をガス化する。
本発明の酵素(たとえば、本発明の組換え酵素を作製し、一部の実施形態では分泌する、真菌、酵母または細菌などの微生物等の生物を含む)は、任意のバイオマス変換プロセスの任意の段階、たとえば、任意の1つの工程、複数の工程で使用するもしくは含める/組み込むか、または、すべての工程、もしくは以下のバイオマス変換プロセス方法のすべて、もしくはこれらの生物燃料代替物のすべてに含めることができる:
・直接燃焼:直接熱による物質の燃焼であり、最も単純なバイオマス技術である。バイオマス源が近くにある場合は非常に経済的である場合がある。
・熱分解:酸素が存在しない場合の、熱によるバイオマスの熱分解である。一実施形態では、バイオマスを華氏約800〜1400度まで加熱するが、燃焼を支援するために酸素を導入しない結果、ガス、燃料油および木炭の作製がもたらされる。
・ガス化:バイオマスを用いて、加熱または嫌気性消化によってメタンを生成することができる。一酸化炭素および水素の混合物である合成ガスをバイオマスから導くことができる。
・埋立地ガス:埋立地に埋めた廃物の腐敗(嫌気性消化)により生じる。有機廃棄物が腐敗する際、これは、天然ガスの主要な構成要素であるメタンが約50%を構成するガスを生じる。
・嫌気性消化:有機物質を、天然ガスの主要な構成要素であるメタンおよび二酸化炭素の混合物へと変換する。一実施形態では、廃水(下水)、堆肥、または食品加工廃棄物などのバイオマスを水と混合し、空気なしで消化タンクに供給する。
・発酵
・アルコール発酵:燃料アルコールは、デンプンを糖へと変換し、糖をアルコールへと発酵させ、その後、アルコールと水の混合物を蒸留によって分離することによって生成する。糖、デンプン、またはセルロースを含むコムギ、オオムギ、ジャガイモ、および廃棄紙、おが屑、および藁などの供給原料を、酵母を用いた発酵によってアルコールへと変換することができる。
・エステル交換:油をバイオディーゼルへと変換させる例示的な反応はエステル交換と呼ばれる。エステル交換プロセスでは、アルコール(メタノールなど)を、植物油、動物性脂肪、またはリサイクルしたグリースに含まれるトリグリセリド油と反応させて、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンを形成する。この反応は熱および水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの強塩基触媒を必要とする。
・バイオディーゼル:バイオディーゼルとは、植物油、動物性脂肪またはリサイクルしたグリースから作製した脂肪酸アルキルエステルの混合物である。バイオディーゼルは、その純粋な形態で乗物の燃料として使用することができるが、通常は、粒子、一酸化炭素、炭化水素およびディーゼル駆動の乗物からの大気毒性のレベルを低下させるための石油ディーゼル添加剤として使用する。
・加水分解:本発明の酵素を用いて触媒される、化合物、たとえばリグノセルロース材料などのバイオマスの加水分解が含まれる。
・コンジェネレーション:単一の燃料および設備を用いた複数の形態のエネルギーの同時生成である。一実施形態では、バイオマスの同時作製は、同時作製により熱および電気がどちらも生成されるので、バイオマスの単独の作製よりも成長する潜在性が高い。
一実施形態では、本発明のポリペプチドは、それだけには限定されないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性を含めたアルドラーゼ活性、あるいは、バイオディーゼル、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、もしくはバイオメタノールを、有機物質、たとえば、任意の農作物もしくは他の再生可能な供給原料、農業廃棄物もしくは動物廃棄物、または都市廃棄物および工業廃棄物の有機構成要素を含めた植物および動物に由来する組成物、または藻類もしくは酵母などの微生物などのバイオマスから作製するための他の酵素活性を有する。一実施形態では、本発明のポリペプチドは、リグノセルロースバイオマスをエタノール、ブタノール、プロパノール、メタノールに変換するプロセスに用いるか、あるいは、他に、生体材料を生物燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、もしくはバイオディーゼルを含む)として用いることができるように加水分解もしくは消化するため、または、バイオマスを燃料へと加工することを容易にするためのプロセスで用いる。代替実施形態では、本発明のポリペプチドは、アルコール(メタノールなど)を植物油、動物性脂肪またはリサイクルしたグリースに含まれるトリグリセリド油と反応させて、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンを形成する、エステル交換プロセスのプロセスで用いる。一実施形態では、バイオディーゼルは、ダイズ油またはリサイクルした調理用油から作製する。動物性脂肪、他の植物油、および他のリサイクルした油も、そのコストおよび利用可能性に応じて、バイオディーゼルを生成するために用いることができる。別の実施形態では、あらゆる種類の脂肪および油の混合物を用いて本発明のバイオディーゼル燃料を生成する。
本発明の酵素は、グリセリンの精製にも使用することができる。グリセリン副産物は、未反応の触媒および酸で中和される石ケンを含む。水およびアルコールを除去して50%〜80%の粗グリセリンを生成する。残った汚染物質には未反応の脂肪および油が含まれ、これは、本発明のポリペプチドを用いて加工することができる。本発明の大きなバイオディーゼル工場では、グリセリンを、医薬および化粧産業用に、たとえば99%以上の純度までさらに精製することができる。
バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルを、本発明のポリペプチドを用いて作製し、燃焼特徴を改善するために燃料の酸素添加剤と共に用いることができる。酸素を添加する結果、より完全な燃焼がもたらされ、これは一酸化炭素の放出を減少させる。これは、石油燃料を生物燃料(たとえば本発明の燃料)で置き換えることの別の環境利点である。本発明の組成物および/または方法を用いて作製したバイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルをガソリンと混合してE10ブレンド(約5%〜10%のエタノールおよび約90%〜95%のガソリン)を形成することができるが、これは、E85またはその純粋な形態などのより高濃度で用いることができる。本発明の組成物および/または方法を用いて作製したバイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルを石油ディーゼルと混合してB20ブレンド(20%のバイオディーゼルおよび80%の石油ディーゼル)を形成することができるが、B100(純粋なバイオディーゼル)までの他の混合レベルを用いることができる。
本発明はまた、エタノール(「バイオエタノール」)、ブタノール(「バイオブタノール」)、プロパノール(「バイオプロパノール」)、メタノール(「バイオメタノール」)、および/またはディーゼル(「バイオディーゼル」)を、リグノセルロースバイオマスを含む組成物から作製するプロセスも提供する。リグノセルロースバイオマス材料は、農作物から、食品もしくは飼料の生成の副産物として、または植物残渣および廃棄紙などのリグノセルロース廃棄物として得ることができる。本発明のポリペプチドで処理するための適切な植物源または植物残渣の例には、ケルプ、藻類、穀粒、種子、茎、葉、外殻、殻、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、藁、草(たとえば、ソルガストラム・ヌタンス(Sorghastrum nutans)などのインディアングラスまたはスイッチグラス、たとえばパニカム・ビルガツム(Panicum virgatum)などのキビ種)等、ならびに木材、木片、木材パルプ、およびおが屑が含まれる。本発明のポリペプチドで処理するための適切な廃棄紙の例には、廃棄コピー用紙、コンピュータプリンタ用紙、ノート用紙、メモ用紙、タイプライター用紙など、ならびに新聞紙、雑誌、厚紙、および紙パッケージ材料が含まれる。
一実施形態では、本発明の酵素および方法を、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはディーゼルをバイオマスから作製するさらなる「従来の」手段、たとえば、反応器中の乾燥リグノセルロース材料を強酸および金属塩の薄い溶液からなる触媒に供することによってリグノセルロース材料を加水分解することを含む方法と併せて用いることができる。これにより、セルロース加水分解の活性化エネルギー、すなわち温度が下がり、より高い糖収率を得ることができる。たとえば、米国特許第6,660,506号、および第6,423,145号を参照されたい。
本発明の酵素の使用を組み込む別の実施形態は、ヘミセルロース、セルロースおよびリグニンを含むリグノセルロース材料を加水分解することを含み、これは、材料を、セルロースからグルコースへの際立った脱重合なしに主にヘミセルロースの脱重合を達成する温度および圧力で水性媒体に供する第1の段階の加水分解工程による。この工程により、液体の水相がヘミセルロースの脱重合から生じる溶解した単糖を含み、固相がセルロースおよびリグニンを含む、スラリーがもたらされる。第2の段階の加水分解工程は、セルロースの少なくとも主要な部分が脱重合される条件を含むことができ、そのような工程の結果、セルロースの溶解した/可溶性の脱重合産物を含む液体の水相がもたらされる。たとえば米国特許第5,536,325号を参照されたい。本発明の酵素は、この例示的なプロセスの任意の段階で加えることができる。
本発明の酵素の使用を組み込む別の実施形態は、約0.4%〜2%の強酸を用いた1つまたは複数の段階の希酸加水分解によってリグノセルロース含有バイオマス材料を加工することと、酸で加水分解したバイオマス材料の未反応の固体リグノセルロース構成要素をアルカリ脱リグニン化によって処理して、生分解性の熱可塑性樹脂および誘導体の前駆体を生成することとを含む。たとえば米国特許第6,409,841号を参照されたい。本発明の酵素は、この例示的なプロセスの任意の段階で加えることができる。
本発明の酵素の使用を組み込む別の実施形態は、前加水分解反応器内でリグノセルロース材料を前加水分解することと、酸性の液体を固体リグノセルロース材料に加えて混合物を作製することと、混合物を反応温度まで加熱することと、リグノセルロース材料が、少なくとも約20%のリグノセルロース材料からのリグニンを含む可溶性部分とセルロースを含む固体画分とに分画されるのに十分な時間、反応温度を維持することと、反応温度またはその付近のままで可溶性部分を固体画分から除去し、固体画分中のセルロースに、より受け入れられやすい酵素消化を行うことと、可溶性部分を回収することとを含む。たとえば米国特許第5,705,369号を参照されたい。本発明の酵素は、この例示的なプロセスの任意の段階で加えることができる。
本発明は、本発明の酵素または方法を用いて作製した燃料グレードアルコールと混合した液体炭化水素に基づいた、モーター燃料組成物(たとえば火花点火モーター用)を作製する方法を提供する。一実施形態では、本発明の酵素を使用することによって作製した燃料は、たとえば、石炭ガス液体または天然ガス液体とエタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはディーゼルとの混合物を含む。一実施形態では、共溶媒は、バイオマスに由来する2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)である。たとえば米国特許第6,712,866号を参照されたい。
一実施形態では、たとえばエタノールをリグノセルロース材料から生成するための、リグノセルロースを酵素分解するための本発明の方法は、バイオマス材料の超音波処理の使用を含むこともできる。たとえば米国特許第6,333,181号を参照されたい。
別の実施形態では、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルをセルロース基質から生成する本発明の方法は、セルロース基質、本発明の酵素および発酵剤を含むスラリーの形態の反応混合物を(たとえば、半連続的に固体を供給するバイオリアクターなどの反応器内で)提供することを含み、反応混合物を、発酵反応を開始させて維持するのに十分な条件下で反応させる(たとえば米国特許出願公開第20060014260号に記載)。一実施形態では、実験または理論的計算によって最適な供給頻度を決定することができる。一実施形態では、最適化した供給頻度に従った間隔でさらなる量のセルロース基質および酵素を反応器に提供する。
本発明の生物燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルなど)を作製する1つの例示的なプロセスは、米国特許出願公開第20050069998号、第20020164730号に記載されており、一実施形態では、リグノセルロースバイオマスを(たとえば15〜30mmの大きさまだ)粉砕する段階と、得られた生成物を、反応器内で蒸気爆発前処理(たとえば190〜230℃の温度)に1〜10分間供する段階と、前処理した材料をサイクロンまたは関連する製造製品で回収する段階と、液体および固体の画分をフィルタープレスでの濾過によって分離し、固体画分を発酵堆積物に導入して1つまたは複数の本発明の酵素、たとえばセルラーゼおよび/またはβ−グルコシダーゼ酵素(たとえばクエン酸緩衝液、pH4.8に溶かした)を加える段階とを含む。
本発明の酵素を使用することを含む、本発明の生物燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルなど)を作製する別の例示的なプロセスは、少なくともヘミセルロースおよびセルロースを含むリグノセルロース供給原料を含む出発物質を前処理することを含む。一実施形態では、出発物質は、ジャガイモ、ダイズ(アブラナ)、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、カラスムギ、コムギ、ビートもしくはサトウキビ、または構成要素または廃棄物または食品または飼料の生成の副産物を含む。出発物質(「供給原料」)を、ヘミセルロースおよびセルロースの少なくとも部分的な加水分解を達成するために植物の線維構造を破壊する条件で反応させる。破壊条件は、たとえば、出発物質を、180℃〜270℃の平均温度、pH0.5〜2.5で約5秒間〜60分間、もしくは220℃〜270℃の温度、pH0.5〜2.5で5秒間〜120秒間、または等価な条件に供することを含むことができる。これにより、酵素、たとえば本発明のセルラーゼ酵素によって消化される到達性が増加した供給原料が作製される。米国特許第6,090,595号。
リグノセルロース材料の加水分解の例示的な条件には、約30℃〜48℃の温度および/または約4.0〜6.0のpHでの反応が含まれる。他の例示的な条件には、約30℃〜60℃の温度および約4.0〜8.0のpHが含まれる。
本発明に従った酵素は、精巧な立体的、位置的および化学的な選択性で反応を触媒することができる。本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、様々な溶媒中で機能し、極限のpH(たとえば高pHおよび低pH)、極限の温度(たとえば高温および低温)、極限の塩分レベル(たとえば高塩分および低塩分)で作動し、その天然に存在する生理的基質と構造的に非関連の化合物との反応を触媒するように操作することができる。
飼料および食品または飼料および食品の添加剤
食用補助剤もしくはサプリメント、または食品サプリメントおよび添加剤を提供することに加えて、本発明はまた、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性を有するタンパク質、ならびに/または本発明に従った抗体などの本発明に従ったポリペプチドを用いて、ヒトおよび動物の飼料および食品ならびに食品または飼料の添加剤を処理する組成物および方法も提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素ならびに/または本発明に従った抗体を含む動物飼料、食品、および添加剤を提供する。動物は任意の家畜または任意の動物であることができる。
本発明に従った動物飼料の添加剤は、飼料の構成要素と容易に混合し得る顆粒化した酵素製品であり得る。あるいは、本発明に従った飼料添加剤はプレミックスの構成要素を形成することができる。本発明に従った顆粒化した酵素製品は、コーティングしていてもしていなくてもよい。酵素顆粒の粒子径は、飼料およびプレミックスの構成要素の粒子径と適合性を有することができる。これにより、酵素を飼料に取り込ませる安全かつ好都合な手段が提供される。あるいは、本発明に従った動物飼料添加剤は安定化した液体組成物であり得る。これは、水性または油系のスラリーであり得る。米国特許第6,245,546号を参照されたい。
本発明のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、飼料または食品の改変において、食品または飼料をin vitro(飼料もしくは食品の構成要素を改変することによる)またはin vivoのどちらかで加工することができる。本発明に従ったポリペプチドは、飼料または食品の組成物に加えることができる。
一部の実施形態では、本発明に従った酵素を、β−ガラクトシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ、他のアルドラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド−β−1,4−ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β−ラッカーゼ、エンド−β−1,3(4)−ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、脱炭酸酵素、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの別の酵素と組み合わせて加える。これらの酵素消化産物は、動物による消化性がより高い。したがって、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、セルロースを分解することによって飼料もしくは食品の利用可能なエネルギー、または食品もしくは飼料の消化性に寄与することができる。
他の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、酵素を、穀粒、穀類、トウモロコシ、ダイズ、ナタネ、ルピナスなどのトランスジェニック飼料の作物(トランスジェニック植物、種子などとして)中で直接発現させることによって供給することができる。上述のように、本発明は、本発明に従ったポリペプチドをコードしている核酸配列を含むトランスジェニック植物、植物部分および植物細胞を提供する。一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が回収可能な量で産生されるように核酸を発現させる。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、任意の植物または植物部分から回収することができる。あるいは、組換えポリペプチドを含む植物または植物部分は、それ自体で、食品または飼料の品質を改善するために、たとえば栄養価、嗜好性などを改善するために使用することができる。
一部の実施形態では、本発明に従った酵素デリバリーマトリックスは、分離した複数の粒子、ペレットまたは顆粒の形態である。「顆粒」とは、ペレット化、押出し、またはマトリックスから水を除去するための類似の押し固めなどによって圧縮または押し固めた粒子を意味する。粒子のそのような圧縮または押し固めは、粒子の粒子間凝集も促進する。たとえば、顆粒は、粒子に基づいた基質をペレットミル内でペレット化することによって調製することができる。これにより調製されたペレットを、動物飼料中のアジュバントとしての使用に適した顆粒サイズまで粉砕または粉々に崩す。マトリックス自体は動物飼料での使用が認可されているので、酵素を動物飼料にデリバリーするための希釈剤として用いることができる。
一部の実施形態では、本発明の酵素デリバリーマトリックスおよび方法に含まれるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、パレット化した酵素デリバリーマトリックスを調製するために高温および/または蒸気を用い得る製造中において、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の失活に耐えるために、本明細書中に記載の熱安定性のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素である。本発明の酵素デリバリーマトリックスを含む飼料の消化中、水性の消化液が活性酵素の放出を引き起こす。熱安定性である他の種類の熱安定酵素および栄養サプリメントも、任意の種類の水性条件下で放出させるためにデリバリーマトリックス中に組み込むことができる。
一部の実施形態では、動物飼料に香味または栄養サプリメントを加えるため、胃の条件下で動物飼料サプリメントおよび酵素の放出を遅延させるためなどの多くの異なる目的のために、酵素マトリックス粒子にコーティングを塗布する。一部の実施形態では、マトリックス粒子から酵素をゆっくりと放出させることが望ましい場合、または酵素が放出される条件を制御するためなどの機能的な目的を達成するために、コーティングを塗布する。コーティング物質の組成物は、それが感受性のある因子(熱、酸もしくは塩基、酵素または他の化学薬品など)によって選択的に分解されるようなものであることができる。あるいは、異なるそのような分解因子に感受性のある2つ以上のコーティングを連続的にマトリックス粒子に塗布し得る。
本発明はまた、酵素放出マトリックスを調製するプロセスにも向けられている。本発明によれば、このプロセスは、粒子に基づいた基質の分離した複数の粒子を酵素放出マトリックスとしての使用に適した粒子径で提供することを含み、粒子は、本発明に従ったアミノ酸配列によってコードされているピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を含む。一部の実施形態では、プロセスには、酵素放出マトリックスの粒子を顆粒へと押し固めるまたは圧縮することが含まれ、これは、ほとんどの実施形態ではペレット化によって達成する。防カビ剤および凝集剤を使用する場合は、それを任意の適切な時点で加えることができ、部の実施形態では、粒子に基づいた基質のペレット化の前に所望の割合で粒子に基づいた基質と混合する。一部の実施形態では、ペレットミル飼料中の含水率は最終生成物の含水率に関する上述の範囲内にあり、一部の実施形態では約14〜15%である。一部の実施形態では、供給原料をこの含水率にするために、水分を供給原料に酵素の水性調製物の形態で加える。一部の実施形態では、ペレットミル内の温度を蒸気で約82℃までにする。ペレットミルは、供給原料に十分な作業性を与えてペレットを提供する任意の条件下で作動し得る。ペレット化プロセス自体は、酵素含有組成物から水を除去する対費用効果の高いプロセスである。
本発明に従った組成物および方法は、フラクト−オリゴ糖(FOS)、ガラクト−オリゴ糖(GOS)、GRAS(一般に安全と認められる(Generally Recognized As Safe)物質などの高分子量の糖であるプレバイオティックの投与と併せて実施することができる。これらのプレバイオティックは、一部のプロバイオティック乳酸菌(LAB)によって代謝されることができる。これらは腸管微生物の大多数によっては消化不能である。
食品の処理および食品の加工
本発明は、本発明に従った酵素を含む食品および飼料、ならびに食品および飼料の加工において本発明に従った酵素を使用する方法を提供する。本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素は、食品加工産業において数々の応用を有する。一部の実施形態では、本発明は、植物細胞、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、もしくは動物細胞、または任意の植物もしくは植物部分、あるいは任意の食品または飼料、廃棄物などを含めたセルロース含有組成物を加水分解する方法を提供する。
たとえば、本発明は、飼料、飲料などの液体(たとえば果汁もしくはビール)、パンもしくは生地もしくはパン製品、または飲料(たとえばビール)もしくは飲料前駆体(たとえば麦芽汁)中など、本発明のピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を含む飼料または食品を提供する。
本発明に従った食品処理プロセスには、トリプトファナーゼもしくはチロシン脱炭酸酵素、ラッカーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、他のアルドラーゼ、セルラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド−β−1,4−ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β−ラッカーゼ、エンド−β−1,3(4)−ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、脱炭酸酵素、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの他の酵素の任意の組合せの使用も含まれることができる。
医薬組成物および食用サプリメント
本発明はまた、本発明に従ったアルドラーゼを含む医薬組成物および食用サプリメント(食用補助剤など)も提供する。アルドラーゼ活性は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼの活性を含む。一部の実施形態では、医薬組成物および食用サプリメント(食用補助剤など)は経口摂取用に配合する。
歯周治療化合物は、米国特許第6,776,979号に記載のように本発明に従った酵素を含むことができる。酸性腸症候群を治療または予防する組成物および方法は、米国特許第6,468,964号に記載のように本発明に従った酵素を含むことができる。
他の実施形態では、創傷被覆材、移植片などは、本発明に従った酵素(本発明に従った配列などを含む)を含めた抗菌(抗生物質作用などの)酵素を含む。本発明に従った酵素は、アルギン酸包帯剤、抗菌バリアー包帯剤、火傷包帯剤、圧迫帯具、診断ツール、ゲル包帯剤、ヒドロセレクティブ包帯剤、ヒドロセルラー(泡沫)包帯剤、ヒドロコロイド包帯剤、I.V包帯剤、切開ドレープ、低接着性包帯剤、臭気吸収包帯剤、貼付帯具、手術後包帯剤、瘢痕管理、スキンケア、透明フィルム包帯剤および/または創縫合に用いることもできる。本発明に従った酵素は、創傷の洗浄、創傷床の調製、褥瘡、下肢潰瘍、火傷、糖尿病性足部潰瘍、瘢痕、IV固着、外科創傷および警備な創傷の治療に用いることができる。本発明に従った酵素は、軟膏などの無菌的な酵素創傷清拭組成物に用いることができる。様々な実施形態では、アルドラーゼは、錠剤、ゲル、丸薬、移植片、液体、スプレー、フィルム、ミセル、散剤、食品、飼料ペレットまたはカプセル封入した配合物として配合する。
本発明に従った医薬組成物および食用サプリメントには、β−ガラクトシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ、他のアルドラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド−β−1,4−ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β−ラッカーゼ、エンド−β−1,3(4)−ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、脱炭酸酵素、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの他の酵素の任意の組合せの使用も含まれることができる。
モナチンのR,Rおよび他の立体異性体を生成する生合成経路
とりわけ国際公開第03/091396A2号(図1〜3および11〜13参照)に記載のように、モナチンは、生物学的変換(すなわち、基質から生成物への反応をポリペプチドで促進すること)を含む複数工程の経路によってトリプトファンから生成することができる。記載した経路は、トリプトファンをインドール−3−ピルビン酸へと生物学的に変換し、インドール−3−ピルビン酸を2−ヒドロキシ2−(インドール−3−イルメチル)−4−ケトグルタル酸(「MP」)へと生物学的に変換し、MPをモナチンへと生物学的に変換することを含む。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドを用いて、インドール−3−ピルビン酸からMPを形成する反応を促進することができる。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドを用いて、R−MPの生成を優先的に促進することができる。
一部の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334の単離もしくは組換えポリペプチドから選択された1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
別の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304のうちの任意の、HMGアルドラーゼ活性を有する単離または組換えポリペプチドから選択された1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、HMGアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
さらに別の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のうちの任意の、KHGアルドラーゼ活性を有する単離もしくは組換えポリペプチドから選択された1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、KHGアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
さらに、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する、1つまたは複数の核酸配列によってコードされている1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、アルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明のさらに別の実施形態では、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
さらに、ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305の核酸とハイブリダイズする核酸配列がによってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチド、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明のさらに別の実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。C3炭素源は、それだけには限定されないが、オキサロ酢酸、ピルビン酸またはホスホエノールピルビン酸などのピルビン酸誘導体であり得る。一実施形態では、C3炭素源はピルビン酸である。
インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応生成物からモナチンへの変換に有用な例示的な酵素には、トリプトファンアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.27)、トリプトファンデヒドロゲナーゼ(1.4.1.19)、D−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(1.4.99.1)、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(1.4.1.2−4)、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ(EC1.4.1.20)、トリプトファン−フェニルピルビン酸トランスアミナーゼ(2.6.1.28)の酵素クラスのメンバー、またはより一般には、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.1)、チロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.5)、D−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ、もしくはD−アラニン(2.6.1.21)アミノトランスフェラーゼなどのアミノトランスフェラーゼファミリー(2.6.1.−)のメンバーが含まれる(国際公開第03/091396A2号の図2を参照)。この反応は、化学反応を用いて行うこともできる。ケト酸(MP)のアミノ化は、アンモニアおよびシアノボロ水素化ナトリウムを用いた還元性アミノ化によって行う。国際公開第03/091396A2号の図11〜13は、MPをモナチンへと変換するため、およびモナチンからインドール−3−ピルビン酸またはトリプトファンへの収率の増加を提供するために用いることができるさらなるポリペプチドを示す。一実施形態では、これらの酵素は、インドール−3−ピルビン酸とピルビン酸との反応生成物であるMPからモナチンへの変換を触媒するために利用する。
モナチン組成物の味プロフィールは、組成物中のモナチンの様々な立体異性体の相対量を制御することによって変化することができる。本開示は、所望の割合のR,Rモナチンおよび/またはS,Rモナチンを有するモナチン組成物を生成するための経路および物質を提供する。
開示した経路によって生成したモナチン化合物のキラリティは、生物学的変換に用いたpHおよびポリペプチドのどちらによっても影響を受けることができる。本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、インドール−3−ピルビン酸をMPへと変換する反応においてモナチン炭素−2のキラリティ(上記式I参照)を制御するために利用し得る。
インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の反応生成物が生じた後、アミノ基を立体特異的に付加することができる。D−またはL−芳香族酸アミノトランスフェラーゼのどちらを使用したかに応じて、炭素−4のRまたはS立体配置のどちらか(上記式I参照)を作製することができる。多くのアミノトランスフェラーゼはL−異性体に特異的であるが、しかし、特定の植物中にはD−トリプトファンアミノトランスフェラーゼが存在する(KohibaおよびMito、ビタミンB6およびカルボニル触媒作用の第8回国際シンポジウムのプロシーディング(Proceedings of the 8th International Symposium on Vitamin B6 and Carbonyl Catalysis)、大阪、日本1990)。さらに、D−アラニンアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.21)、D−メチオニン−ピルビン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.41)および(R)−3−アミノ−2−メチルプロパン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.61)、(S)−3−アミノ−2−メチルプロパン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.22)の両方、ならびにD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼが同定されている。特定のアミノトランスフェラーゼは、この反応の基質をC2炭素の特定の立体配置でしか許容しない場合がある。したがって、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応生成物への変換が立体特異的でない場合でも、アミノトランスフェラーゼの適切な選択によって最終産物の立体化学を制御することができる。反応は可逆的であるので、未反応の反応生成物(望ましくない異性体)をその構成物へとリサイクルして戻すことができ、反応生成物のラセミ混合物を再度形成することができる。
インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の反応生成物にアミノ基を付加するための適切なアミノドナーの例には、それだけには限定されないが、アラニン、アスパラギン酸、リシン、グルタミン酸、グリシン、およびトリプトファンがなどのアミノ酸が含まれる。
ここで図を参照して、以下に注意されたい。流れ図は、モナチンを生成する経路を同定するが、経路を実施する任意の特定の方法に限定されない。たとえば、経路をin vivo、in vitro、またはそれらの組合せで実施し得る。
さらに、経路が潜在的に進行するように十分な構成要素、または構成要素の源、および反応条件が提供される限りは、経路の実施は、同定した構成要素(反応物質および酵素など)のそれぞれが明確に従事者によって提供されることを必要としない。言い換えれば、たとえば、図が、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸を生成し、インドール−3−ピルビン酸から2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」すなわち「MP」)を生成し、MPからモナチンを生成し、それぞれの反応が適切な酵素によって促進されることが含まれる、モナチン組成物を生成するプロセスを示す場合、その経路の実施には、L−トリプトファンをα−ケトグルタル酸および同定した反応を促進することを企図する酵素と、インドール−3−ピルビン酸またはMPを明確に提供することもなしに反応のそれぞれが起こるために適切な条件下で合わせることが含まれることが企図される。そのような場合、L−トリプトファンがα−ケトグルタル酸と反応してインドール−3−ピルビン酸を生成することができる。指定した条件および提供した酵素により、L−トリプトファンの反応から生成されたインドール−3−ピルビン酸が反応してMPを形成し、その後、指定した条件および提供した酵素により、インドール−3−ピルビン酸の反応から生成されたMPが反応してモナチンを形成することができる。
示した経路の実施は、同定した出発物質または酵素を従事者が明確に提供することを必要としないことも注意されたい。言い換えれば、L−トリプトファンを出発物質として同定する任意の経路の実施には、L−トリプトファンを生成することができる化合物を、L−トリプトファンの生成が起こる条件下で提供し、その化合物を一連の反応を促進することができる酵素と、それらの反応が起こるために適切な条件下で合わせることが含まれることを企図する。別の例として、同定した経路の実施には、記載した経路に従ってモナチンを産生するように遺伝子操作した微生物を提供し、発酵プロセスが起こるために適切な条件を提供することが含まれることを企図する。たとえば、自然に大量のL−トリプトファンを産生する微生物を、モナチンへの経路中の反応を促進するための酵素の1つまたは複数を産生または過剰産生するように遺伝子操作することができ、それにより微生物がモナチンを産生するように適切な条件を提供することができる。
図1は、Rに特異的なアルドラーゼが、R−MPを形成するインドール−3−ピルビン酸とピルビン酸との反応を促進する、特定の実施形態を同定する。図1の流れ図は、R,Rモナチンを含めたモナチン組成物を作製するための本発明に従ったプロセスを模式的に示す。図1に示すように、全体的な経路は、インドール−3−ピルビン酸を形成するトリプトファンの反応、MPを生成するインドール−3−ピルビン酸の反応、およびR,Rモナチンを含めたモナチンを生成するMPの反応を含む。
図1はさらに、モナチンのS,S、R,SおよびS,R体を犠牲にしてモナチンのR,R体の生成を増加するように設計した、この全体的な経路の特定の順列をさらに例示する。具体的には、図1は、L−トリプトファンの反応で利用するアミノトランスフェラーゼ酵素が、その反応に対して、MPと4Sモナチンとの反応と比較してより高い活性および/もしくは特異性を有する、またはオキシダーゼがL−トリプトファンに対して4Rモナチンよりも高い活性および/もしくは特異性を有し、インドール−3−ピルビン酸の反応を促進する酵素が本明細書中に開示したアルドラーゼ活性を有するポリペプチドであり、MPの反応を促進する酵素が広い特異性のD−酵素、好ましくはMPのR異性体でより効率的に作動するように進化した酵素である実施形態を例示する。
図1はまた、R,Rモナチンの生成をより経済的にするように設計した特定の順列も例示する。たとえば、図1では、D−トリプトファンまたはL−およびD−トリプトファンの組合せではなく、L−トリプトファンを出発物質として同定する。トリプトファンの特定の形態の選択はモナチン組成物中の最終的なモナチン化合物のキラリティに影響を与えないが(トリプトファン反応は、キラリティを有さないインドール−3−ピルビン酸を形成するので)、少なくともL−トリプトファンが現在D−トリプトファンよりも安価であり、より容易に入手可能であるので、L−トリプトファンを出発物質として利用することを好む場合がある。
ここで図1に示す第1の反応に注目して、トリプトファンがインドール−3−ピルビン酸へと変換される際、α−ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、およびピルビン酸の任意の1つまたは複数が反応してアミノ酸を形成する(それぞれグルタミン酸、アスパラギン酸、およびアラニン)。図1は、トリプトファン出発物質がL−トリプトファンであり、α−ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、および/またはピルビン酸がアミノ酸のL−異性体を形成する(それぞれL−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、および/またはL−アラニンなど)実施形態を示す。
図1に示すように、R,Rモナチンの生成を増強する手法は、L−トリプトファンとMPまたはモナチンよりもトリプトファンに対してより高い特異性、より高い活性、またはどちらもを有する酵素との反応を促進すること、およびMPとD−酵素との反応を促進することを含む。国際公開第03/091396A2号に開示のように、特定の酵素が、インドール−3−ピルビン酸を生成するトリプトファンの反応、およびモナチンを生成するMPのアミノ化反応を促進することができる。アミノ化工程においてL−アミノトランスフェラーゼを用いることにより、D−酵素の使用ではモナチンC−4位置でDキラル中心が作製されることに対して、モナチンのC−4位置でSキラル中心が作製される。したがって、トリプトファン反応を促進するL−アミノトランスフェラーゼもMP反応中で活性がある場合には、存在するMPの形態に応じてR,SおよびS,Sモナチンを形成することができる。さらに、特定の他の酵素、すなわちL−アミノ酸オキシダーゼは、トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸への反応を促進できるだけでなく、R,Rモナチンを分解する副活性も有し得る。一部の実施形態によれば、この4R副活性を最小限にするまたは排除する。モナチンの4S体に対するオキシダーゼの副活性は、それらを最終産物から低下または排除し、所望の最終組成物次第では望ましい場合がある。その結果、MPまたはモナチンと比較してトリプトファンに対するL−酵素の特異性および/または活性が高いほど、S,SおよびR,Sモナチンと比較してより大量のR,RおよびS,Rが生成される。
図1に例示した実施形態に従ったトリプトファン反応の適切な酵素には、インドール−3−ピルビン酸を形成するL−トリプトファンの反応を促進することができ、その反応に対して、モナチンの4S異性体を形成するR−MPの反応よりも高い特異性を有するL−アミノトランスフェラーゼ、インドール−3−ピルビン酸を形成するL−トリプトファンの反応を促進することができ、その反応に対して、MPを形成するモナチンの4R異性体の反応と比較してより高い特異性および/または活性を有するL−アミノ酸オキシダーゼ、ならびに前述の任意のものの機能的な等価物が含まれる。より具体的には、適切な酵素の非限定的な例は、L−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.27)およびチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.5)およびL−アミノ酸オキシダーゼ(EC1.4.3.2)、ならびにアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素に由来する突然変異体から選択することができる。
実施例16は、それぞれインドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、およびL−アラニンを形成する、L−トリプトファンとα−KG、オキサロ酢酸、ピルビン酸、またはその組合せとの反応の促進に有用な、特定の酵素、すなわち、Pro9からTyrへの置換およびArg122からGlyへの置換が含まれる突然変異体HEXaspCポリペプチドを同定する。「限定された」活性を有する別の特定の酵素は、TatA、すなわちエス・メリロチからのL−トリプトファンアミノトランスフェラーゼである。図1に示す経路の好ましい実施形態に従ったトリプトファン反応に適した他の酵素には、以下の特徴を有するもの、すなわち、実施例16に記載のように、L−トリプトファンの1/10の割合もしくはそれ未満でMPをトランスアミノ化する酵素、または実施例18に記載のように、ラセマーゼと共に使用した場合に、90%を超えるモナチンの4R異性体を生成する酵素が含まれる。
MPからモナチンへの変換と比較してL−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸への変換に対する特異性が低い酵素の例には、HEXAspC(実施例16)、リーシュマニア・メジャーの広い特異性のアミノトランスフェラーゼ(国際公開第03/091396A2号)、ブタアミノトランスフェラーゼ(国際公開第03/091396A2号)およびロドバクター・スファロイデスのTatA(実施例18)が含まれる。しかし、これらの酵素は、たとえば突然変異誘発によって、トリプトファンと比較してR−MPおよび/またはR,Rモナチンに対して限定された活性を有するように進化させ得る。
ここで図1に同定した第2の反応に注目して、インドール−3−ピルビン酸からMPへの反応を促進する酵素の選択は、生成されるR,Rモナチン対S,Rモナチンの相対量に影響を与える。一般に、生成されるR−MP対S−MPの相対量が多いほど、生成されるR,Rモナチン対S,Rモナチンの相対量が多くなる(D−酵素がMPからモナチンへの反応を促進する場合)。モナチンのR,R体をその唯一のモナチン構成要素として有するモナチン組成物が望ましい場合、S−MPよりもR−MPを選択的に生成する酵素(「Rに特異的な酵素」)を用いるべきである。本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、S−MPよりもR−MPを選択的に生成することにおいて有用である。Rに高度に特異的なアルドラーゼ酵素のいくつかの例は、上記表1、以下の実施例4、5および6、ならびに配列表に実証されている。
ここで髄に同定した経路の最終工程に注目して、R,Rモナチンを形成するR−MPの反応は、広い特異性のD−アミノトランスフェラーゼ、たとえばD−アラニンアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.21、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼもしくはD−アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られる)またはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼによって促進されることが示されている。上述のように、MPからモナチンへの変換は、モナチンのC−4炭素でキラル中心を作製するアミノ化反応である。R−キラル体がC−4位置で望ましい場合は、アミノ酸中で「R」キラル中心を生じる酵素を用いるべきである。
一部の実施形態によれば、D−アミノトランスフェラーゼは、インドール−3−ピルビン酸に対するよりもR−MPに対してより高い特異性、より活性、または両方を有する。一部の実施形態によれば、D−アミノトランスフェラーゼはインドール−3−ピルビン酸に対して限定された活性を有する。そのような特徴を有する酵素は、たとえば実施例16に示すように、既存の酵素から進化または突然変異させ得る。
実施例9〜12は、D−トリプトファンからのR,R−モナチンの生成を例示する。
図2は、R,RモナチンおよびS,Rモナチンを生成する方法を例示する。図1の実施形態では、R−MPを形成するインドール−3−ピルビン酸の反応で用いたアルドラーゼが形成されるR,R:S,Rの比に影響を与えるが、図2の実施形態では、MPからモナチンへの変換を促進するD−酵素が形成されるR,R:S,Rの比に影響を与える。図2の経路によれば、非立体特異的酵素を用いてインドール−3−ピルビン酸からMPへの変換を促進する場合は、S−MPおよびR−MPをどちらも形成することができる。非立体選択的アルドラーゼを利用してインドール−3−ピルビン酸をMPへと変換した場合には、MPをR,RモナチンまたはS,Rモナチンへと変換するために立体選択的トランスアミナーゼが必要である。図2に示すように、R−MPに対して立体特異的なD−アミノトランスフェラーゼまたはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼを用いることにより、R,Rモナチンの生成がもたらされる。
図3は、R,Rモナチンの標的化生成の別の代替経路を例示する。図3の経路は図1の経路の改変であり、インドール−3−ピルビン酸がL−トリプトファンから、直接ではなく間接的に生成される。より具体的には、L−トリプトファンをD−トリプトファンへと変換し、その後、D−トリプトファンをインドール−3−ピルビン酸へと変換する。
L−トリプトファンからD−トリプトファンへの変換は、トリプトファンラセマーゼまたはその機能的な等価物によって促進することができる。実施例15は、トリプトファンラセマーゼの潜在的な入手源およびそのような酵素を同定するスクリーニング方法を提供する。また、既存のアミノ酸ラセマーゼよりも改善された性能のために、トリプトファンラセマーゼを進化させ得る(突然変異誘発または組換え操作などによる)ことも企図される。
トリプトファンラセマーゼの非限定的な例には、アミノ酸ラセマーゼ(EC5.1.1.−)の同族体または突然変異体、たとえばセリンラセマーゼが含まれ、同族体または突然変異体は、L−トリプトファンをD−トリプトファンへと変換することができる。アミノ酸ラセマーゼが由来し得る入手源の非限定的な例には、サルモネラ・チフィムリウム、エシェリキア・コリ、バチルス・サチリス、シュードモナス・アエルギノーザ、ビブリオ・コレラ、シゾサッカロイセス・ポンベ、バチルス・セレウス、エンテロコッカス・ガリナルム、ペディオコッカス・ペントサウセス、バチルス・プミルス、ラクトバチルス・ファーメンチ、ラクトバチルス・ブレビス、アキフェックス・ピロフィラス、ラクトバチルス、ストレプトコッカス、アナバエナsp.、シュードモナス・ストリアタ、レンチナス・エドデス、スカファルカ・ブロウトニ、デスルフロコッカスsp.、サーモコッカスsp.、およびシュードモナス・ストリアタなどの微生物が含まれる。アミノ酸ラセマーゼが由来し得る入手源のさらなる非限定的な例には、カイコ、ラット脳、またはマウス脳が含まれる。
適切なトリプトファンラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、シュードモナス、たとえばシュードモナス・クロロラフィス(シュードモナス・アウレレオファシエンス)(ATCC15926)、およびブルクホルデリア・ピロシーナ(ATCC15958)などの微生物が含まれる。適切なトリプトファンラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源のさらなる非限定的な例には、植物、たとえば、ニコチアナ・タバカムなどのタバコ植物、トリチカム・アエスチバムなどのコムギ植物、ビート、トマト、およびスクレロチドン・イリシフォリウスが含まれる。
図3に示す経路は、R,Rモナチンが所望の生成物である場合でもインドール−3−ピルビン酸を生成する反応とモナチンを生成する反応とで同じ酵素を用い得ることを含めた、特定の利点を有する。すなわち、図1に例示した経路では、L−アミノトランスフェラーゼ(または適切なL−酵素)がインドール−3−ピルビン酸を生成する反応を促進するが、D−アミノトランスフェラーゼがモナチンを生成する反応を促進する。対照的に、図3の経路では、インドール−3−ピルビン酸を生成する反応を促進する特定のD−アミノトランスフェラーゼが、モナチンを生成する反応も促進することができる。その結果、図3に従った経路では、インドール−3−ピルビン酸を形成する反応とモナチンを形成する反応とで同じ酵素を用いる要求がある場合は、広い特異性のD−アミノトランスフェラーゼが好ましい場合がある。対照的に、図1、2、4、6、7、および8に従った経路では、R−MPと比較してインドール−3−ピルビン酸に対して限定された活性および/または特異性を有するD−アミノトランスフェラーゼを選択した場合は、モナチンの生成がより効率的に前進し得る。
図3に模式的に表した経路の別の利点は、ここでは、インドール−3−ピルビン酸を生成する反応に関連する反応のアミノ酸生成物を、モナチンを生成する反応に関連する反応において出発物質として使用できることである。すなわち、図1に例示した経路では、L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を生成し、同時にオキサロ酢酸、α−ケトグルタル酸および/またはピルビン酸が反応してL−アミノ酸を生成する。モナチンを形成するR−MPの反応がD−アミノ酸を基質として利用する反応に関連しているので、インドール−3−ピルビン酸を形成する反応のL−アミノ酸は、示した条件下では、R−MPの反応に関連する反応で使用するためにリサイクルされない。対照的に、図4に例示した経路では、インドール−3−ピルビン酸を形成するD−トリプトファンの反応はD−アミノ酸生成物を形成する反応に関連しており、R−MPの反応に関連する反応で使用するためにD−アミノ酸をリサイクルすることができる。これにより、工程1で非理論量のアミノアクセプターを使用することが可能となる。本発明の一部の実施形態では、D−アミノ酸はD−アラニンである。
図4および5は、図1に示した経路のさらなる改変を例示し、改変は、L−トリプトファン反応に関連する反応によって形成されたアミノ酸生成物を、MPからモナチンへの反応に関連する反応のアミノ酸反応物質でリサイクルすることに向けられている。
図4を参照して、リサイクルは、L−アミノ酸からD−アミノ酸への変換およびその逆を促進することができる酵素を提供することによって達成する。より具体的には、図4に示すように、L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を形成する際にα−KGが反応してL−グルタミン酸を形成する場合に、L−グルタミン酸からD−グルタミン酸への変換およびその逆促進することができる、グルタミン酸ラセマーゼ(EC5.1.1.3)または機能的な等価物を提供することができる。そのような場合、インドール−3−ピルビン酸の生成と一緒に形成されたL−グルタミン酸は、D−グルタミン酸へのその変換によって除去され、L−グルタミン酸の変換から形成されたD−グルタミン酸は、MPからモナチンの反応に関連する反応の基質として利用可能となる。同様に、D−グルタミン酸の反応で形成されたα−KGは、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の基質として利用可能である。
グルタミン酸ラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、ペディオコッカス・ペントサウセス、バチルス・プミルス、ラクトバチルス・ファーメンチ、ラクトバチルス・ブレビス、イー・コリ、アキフェックス・ピロフィラス、およびバチルス・サチリスが含まれる。より具体的には(かつ非限定的)、グルタミン酸ラセマーゼは、ペディオコッカス・ペンタオサシウスmurI遺伝子(Genbank受託番号L22789)などの核酸から発現させるか、またはラクトバチルス・ブレビス グルタミン酸ラセマーゼであり得る。
L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を形成する際にオキサロ酢酸が反応してL−アスパラギン酸を形成する場合、L−アスパラギン酸をD−アスパラギン酸へと変換するためにアスパラギン酸ラセマーゼ(EC5.1.1.13)または機能的な等価物を提供することができる。そのような場合、インドール−3−ピルビン酸の生成と一緒に生じるL−アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸へのその変換によって除去され、L−アスパラギン酸の変換から形成されたD−アスパラギン酸は、MPからモナチンの反応に関連する反応の基質として利用可能となる。同様に、D−アスパラギン酸の反応で形成されたオキサロ酢酸は、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の基質として作用するために利用可能である。
アスパラギン酸ラセマーゼ活性を有する適切な酵素の非限定的な例には、ASPR−101(BioCatalytics,Inc.、カリフォルニア州Pasadena)およびL−アスパラギン酸からD−アスパラギン酸への変換を促進することができるアミノ酸ラセマーゼ(EC5.1.1.−)の同族体または突然変異体が含まれる。
アスパラギン酸ラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、デスルフロコッカス、サーモコッカス、二枚貝軟体動物スカファルカ・ブロウトニ、アシネトバクター、アグロバクテリウム、アルカエグロブス、バチルス、ボルデテラ、ブラジリゾビウム、ブレビバクテリウム、ブルクホルデリア、カンピロバクター、ダンジダ、コーロバクター、クロストリジウム、デサルフィトバクテリウム、デスルホタレア、エンテロコッカス、エルウィニア、エシェリキア、フェロプラズマ、ヘリコバクター、クレブシエラ、ラクトバチルス、マンハイミア、メディカゴ、メソリゾビウム、メタノコッカス、メタノサルシーナ、オーシアノバチルス、オエノコッカス、ペディオコッカス、ポラリバクター、シュードモナス、ピロコッカス、ラルソニア、シゲラ、シノリゾビウム、サルモネラ、スフィンゴモナス、ストレプトコッカス、サーモアナエロバクター、ビブリオ、ウォリネラ、キサントモナス、キサントバクター、エルシニアおよびザイモモナスが含まれる。
L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を形成する際にピルビン酸が反応してL−アラニンを形成する場合、L−アラニンをD−アラニンへと変換するためにアラニンラセマーゼまたは機能的な等価物を提供することができる。そのような場合、インドール−3−ピルビン酸の生成と一緒に形成されたL−アラニンは、D−アラニンへのその変換によって除去され、L−アラニンの変換から形成されたD−アラニンは、MPからモナチンの反応に関連する反応の基質として作用するために利用可能となる。同様に、D−アラニンの反応で形成されたピルビン酸は、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の基質として作用するために利用可能である。
適切なアラニンラセマーゼの非限定的な例には、A8936(Sigma−Aldrich、モンタナ州St.Louis)が含まれる。
アラニンラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、ブルセラ・アボルタス、ストレプトコッカス・ファカエリス、サルモネラ・チフィムリウム、エシェリキア・コリ、バチルス・サチリス、バチルス・ステアロサーモフィラス、シュードモナス・アエルギノーザ、ビブリオ・コレラ、シゾサッカロイセス・ポンベ、バチルス・セレウスおよびレンチナス・エドデスが含まれる。
実施例18および21は、上記ラセマーゼの使用、所望のモナチン生成物の比の増加に対するその影響を例示し、ラセマーゼ酵素の潜在的な入手源を提供する。
図5を参照して、立体反転アミノトランスフェラーゼを用いてR−MPからモナチンへの反応を促進する。典型的にには、R,Rモナチン(またはS,Rモナチン)を形成するR−MP(またはS−MP)の反応は、D−アミノ酸の反応と関連しているが、立体反転アミノトランスフェラーゼは、R,Rモナチン(またはS,Rモナチン)を形成するR−MP(またはS−MP)の関連する反応を、L−アミノ酸を用いて促進することができる。このようにして、L−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ反応のL−アミノ酸生成物をMPからモナチンへのトランスアミノ化の基質として用いることができ、MPからモナチンの反応に関連する反応の生成物(すなわち、オキサロ酢酸、ピルビン酸、および/またはα−KG)を、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の出発物質として用いることができる。使用し得る立体反転アミノトランスフェラーゼの非限定的な例には、D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.72、D−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼとしても知られる)ならびにD−メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.41、D−メト−アミノトランスフェラーゼおよびD−メチオニン−ピルビン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られる)が含まれる。D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、シュードモナス・プチダLW−4およびシュードモナス・スツツゼリST−201などのシュードモナスが含まれる。D−メチオニンアミノトランスフェラーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、カリフラワーおよびピーナッツが含まれる。
実施例19および20は一緒になって、立体反転酵素の潜在的な入手源、およびそのような酵素を作製する方法を提供する。これらの実施例はまた、そのような酵素を同定するためのスクリーニング方法も提供する。そのような酵素は、知られているまたは自然に見つかる立体反転酵素から進化させ得ることも企図される。非限定的な例として、立体反転アミノトランスフェラーゼは、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼの同族体もしくは突然変異体またはアミノ酸ラセマーゼ(EC5.1.1.−)の同族体もしくは突然変異体であり得る。
図6〜8はまた、図1の経路の改変も例示する。図6〜8に例示した経路は、トリプトファン反応の副産物を除去し、一部の例ではMP反応の基質を提供することによって平衡反応を推し進める方法を提供する。
図6を参照して、示した経路は、トリプトファン反応に関連する反応のL−アミノ酸生成物を、異なるL−アミノ酸へと変換することによって除去し、その後、新しく形成されたL−アミノ酸をD−アミノ酸へと変換することによって、MPの反応に関連する反応の基質を提供する。具体的には、L−トリプトファンは、オキサロ酢酸と一緒に反応してインドール−3−ピルビン酸およびL−アスパラギン酸を形成することが示されている。アスパラギン酸4−脱炭酸酵素(EC4.1.1.12)または機能的な等価物を用いてL−アスパラギン酸からL−アラニンおよび二酸化炭素への変換を促進し、アラニンラセマーゼ活性を有する酵素を用いてL−アラニンからD−アラニンへの変換を促進し、D−アラニンは、R−MPからモナチンへの変換のアミノドナーとして役割を果たすことができる。
図7を参照して、示した経路は、トリプトファン反応に関連する反応のL−アミノ酸生成物を除去するさらなる方法を例示する。図に示した実施形態は、たとえば揮発性(二酸化炭素など)または非反応性の最終産物への自発的変換によって逆方向に反応することができない副産物(または複数の副産物)を生成する。そのような手法の例には、α−KGがL−トリプトファンと一緒に反応してL−グルタミン酸を生成し、L−グルタミン酸から4−アミノブタノエートへの変換(副産物として二酸化炭素)を促進することができるグルタミン酸脱炭酸酵素 (EC4.1.1.15)または機能的な等価物を提供できることが含まれる。L−グルタミン酸 脱炭酸酵素が由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、クロストリジウム・ペルフリンゲンス、シー・ウェルチ、またはイー・コリが含まれる。
トリプトファン反応を前進させるそのような手法の別の例には、オキサロ酢酸がL−トリプトファンと一緒に反応し、L−アスパラギン酸からβ−アラニンへの変換(副産物として二酸化炭素)促進するためにアスパラギン酸脱炭酸酵素(EC4.1.1.11)または機能的な等価物を提供できることが含まれる。
図8を参照して、示す経路は、トリプトファン反応に関連する反応のL−アミノ酸生成物を除去し、MPの反応に関連する反応の基質を提供する、さらなる方法を例示する。具体的には、α−KGがL−トリプトファンと一緒に反応してL−グルタミン酸を形成する場合、L−アラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素およびピルビン酸を提供することができ、L−アラニンアミノトランスフェラーゼ酵素は、L−アラニンを形成するピルビン酸とL−グルタミン酸との反応を促進する。L−アラニンからD−アラニンへの変換を促進するために、アラニンラセマーゼまたは機能的な等価物も提供することができ、D−アラニンは、モナチンおよびピルビン酸を形成するためにMPと共に基質として使用することができる。実施例18および21を参照されたい。
モナチン誘導体のR,Rおよび他の立体異性体を生成するための生合成経路
記載した発明の方法には、本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの使用を、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応を促進するために用い得ることが含まれる。
置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用な酵素には、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のうちの任意の、アルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列が含まれる。
一実施形態では、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304のうちの任意の、HMGアルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列は、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
別の実施形態では、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のうちの任意の、KHGアルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列は、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
あるいは、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の一実施形態では、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の一実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
一実施形態では、置換インドール−3−ピルビン酸の置換基は、インドール環の任意の炭素原子に付着しているハロゲン原子である。別の実施形態では、置換基は、インドール環の任意の炭素に付着している塩素原子である。さらに別の実施形態では、モナチン誘導体は4−ヒドロキシ−4−(6−メチルインドール−3−イルメチル)グルタミン酸である。
アルドラーゼ活性を有し、本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、1つまたは複数の工程が化学合成反応である複数工程の経路で用い得る。たとえば、一部の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、ピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸との反応を促進してモナチン前駆体を与えることができる。その後、モナチン前駆体を精製することができる。その後、モナチン前駆体の還元性アミノ化反応を利用してモナチンを得ることができる。
アルドラーゼ活性を有し、本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチド、ならびにモナチンおよびモナチン誘導体を生成するプロセスで用いる他の酵素は、純粋、粗、単離した、または硫酸アンモニウム懸濁液の形態で使用し得る。
アルドラーゼ活性を有し、本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、ジチオスレイトール(「DTT」)およびβ−メルカプトエタノールを含めた安定化剤を用いて最適化し得る。
本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチンまたはモナチン誘導体は、一般に、生成されたモナチンまたはモナチン誘導体の全体の重量の少なくとも約50〜約99%のR,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体である。他の実施形態では、本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチンまたはモナチン誘導体は、生成されたモナチン全体の重量の60%を超えるR,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体である。たとえば、R,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体は、生成されたモナチンまたはモナチン誘導体の全体の70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%である。あるいは、所望の割合のR,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体である調製物をもたらすために、様々な量のモナチンまたはモナチン誘導体の2つ以上の調製物を合わせることができる。たとえば、60%のR,R−モナチンであるモナチン調製物を90%のR,R−モナチンのモナチン調製物と合わせることができ、等量の60%および90%のR,R−モナチン調製物を合わせた場合は、生じるモナチン調製物は75%のR,R−モナチンとなる。
本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチンもしくはモナチン誘導体、または中間体(モナチン前駆体を含む)は、反応の構成要素から精製し得る。一実施形態では、モナチン、モナチン誘導体またはモナチン前駆体などの中間体は、それが合成された酵素調製物から、精製する物質を単純に取り出すことによって精製し得る。
他の実施形態では、中間体、モナチン前駆体、モナチンまたはモナチン誘導体は、生じる「精製した」組成物または調製物が有機化合物全体の重量の少なくとも約5〜60%のモナチンであるように、それが合成された調製物から精製する。別の実施形態では、モナチン、モナチン誘導体またはモナチン前駆体などの中間体は、有機化合物全体の重量の少なくとも約70%、80%、90%、95%または99%の純度まで精製し得る。本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチン、モナチン誘導体または中間体(モナチン前駆体を含む)は、反応の構成要素から、当業者に知られている任意の方法によって精製し得る。最適には、精製したモナチンまたは中間体を所望の純度に達するまで繰り返し再結晶化し得る。
以下の実施例を例示のために提供するが、特許請求する発明を限定するものではない。