JP5441417B2 - アルドース、それをコードする核酸、ならびにそれを生成および使用する方法 - Google Patents

アルドース、それをコードする核酸、ならびにそれを生成および使用する方法 Download PDF

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Description

本発明は、分子生物学および細胞生物学ならびに生化学に関する。より詳細には、本発明は、アルドース活性を有するポリペプチド、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを生成および使用する方法に関する。
モナチンは以下の化学式を有する高い強度の甘味料である:
Figure 0005441417
モナチンは、4の潜在的な立体異性体配置に通じる2のキラル中心を含む。R,R配置(「R,R立体異性体」または「R,Rモナチン」);S,S配置(「S,S立体異性体」または「S,Sモナチン」);R,S配置(「R,S立体異性体」または「R,Sモナチン」);およびS,R配置(「S,R立体異性体」または「S,Rモナチン」)。別段指摘しない限り、本明細書において用いる「モナチン」なる用語を用いて、モナチンのすべての4種の立体異性体を含む組成物、モナチン立体異性体のいずれかの組合せを含む組成物(モナチンのR,RおよびS,S立体異性体のみを含む組成物のような)、ならびに、単一の異性体形を含む組成物をいう。
この開示の目的のため、モナチン炭素骨格は上記のように番号付けし、アルコール基に直接的に共有結合した炭素を2−位炭素と同定し、アミノ基に直接共有結合した炭素を4−位炭素と同定する。したがって、R,Rモナチン、S,Sモナチン、R,SモナチンおよびS,Rモナチンに対する本明細書における言及は、別段指摘しない限り、2R,4Rモナチン、2S,4Sモナチン、2R,4Sモナチンおよび2S,4Rモナチンを意味する。
刊行物によっては、モナチン炭素骨格が別の約束を用いても番号付けされている(アルコール基に結合した炭素が4−位炭素であり、アミノ基に結合した炭素が2−位炭素)。したがって、例えば、この開示における2S,4Rモナチンに対する参照は、別の番号付けの約束を用いて刊行物中で2R,4Sモナチンに対する参照と同一であろう。
なお、種々の命名約束のために、モナチンは多数の別の化学名によっても知られており、それらには:2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸;4−アミノ−2−ヒドロキシ−2−(1H−インドール−3−イルメチル)−ペンタンジオン酸; 4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)グルタミン酸;および、3−(1−アミノ−1,3−ジカルボキシ−3−ヒドロキシ−ブチ−4−イル)インドールが含まれる。
モナチンのある種の異性体形は、南アフリカのトランスヴァール地方に生育するスクレロチトン・イリシフォリウス(Schlerochiton ilicifolius)の根皮に見出すことができる。米国特許出願番号10/422,366(「366出願」)および10/979,821(「821出願」)(出典明示して本明細書の一部とみなす)は、とりわけ、モナチンのイン・ビトロ(in vitro)およびイン・ビボ(in vivo)生成用のポリペプチド、経路および微生物を開示している。
本発明は、限定するものではないが、HMGおよびKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸アルドラーゼ活性を含むアルドース活性を有するポリペプチド(以後、「アルドラーゼ」という)、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびに該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを生成および使用する方法を提供する。いくつかの形態において、本発明は、本発明によるポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む組成物(医薬組成物、燃料および燃料添加組成物、食料および食料添加物、飲料および飲料添加物、飼料および飼料添加物、薬物および薬物添加物、食餌サプリメントのような)も提供する。これらの組成物は、錠剤、ゲル剤、ピル剤、インプラント、液剤、スプレー剤、フィルム剤、ミセル、粉剤、食料、飼料ペレットまたはいずれかの型のカプセル化形態のような種々の形態に処方化し得る。
いくつかの形態において、アルドラーゼおよび/またはその組成物は、医薬、産業および農業関連において有用となり得る。
いくつかの形態において、アルドラーゼおよび/またはその組成物は、炭素−炭素結合を形成または切断するのに有用となり得る。
いくつかの形態において、提供するアルドラーゼは、アルファ−ケト酸受容体とピルビン酸またはピルビン酸誘導体供与体との間の炭素−炭素結合形成反応を触媒する(下記の反応図を参照されたい)。幾つかの形態において、供与体はケトンまたはアルデヒドともし得る。いくつかの形態において、提供するアルドラーゼは、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸アルドラーゼ、ケト−4−ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ、2−オキソ−4−ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ、KHG−アルドラーゼ、EC4.1.3.16)活性を有し、以下の反応を触媒する:4−ヒドロキシ−2−オキソグルタレート⇔ピルビン酸+グリオキシレート。いくつかの形態において、提供するアルドラーゼは、HMG−アルドラーゼ活性(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソグルタル酸アルドラーゼ、ピルビン酸アルドラーゼ、ガンマ−メチル−ガンマ−ヒドロキシ−アルファ−ケトグルタル酸アルドラーゼ、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ケトグルタル酸アルドラーゼ、EC4.1.3.17のような)を有し、以下の反応:4−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソグルタル酸⇔2−ピルビン酸を触媒する。HMGアルドラーゼは、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソアジピン酸および4−カルボキシ−4−ヒドロキシ−2−オキソヘキサ二酸に対しても作用するであろう。
Figure 0005441417
R=H、アルキル、置換型アルキル、アリール、置換型アリール、ベンジル、置換型ベンジル、
=H、アルキル、置換型アルキル、アリール、置換型アリール、ベンジル、置換型ベンジル、
=H、アルキル、置換型アルキル、アリール、置換型アリール、ベンジル、置換型ベンジル、カルボン酸
いくつかの形態において、限定するものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼのようなピルビン酸アルドラーゼのようなアルドラーゼを提供し、これは、3,4−置換型2−ケト−グルタル酸の生成を促進する。1の形態において、本発明は、(a)限定するものではないが、HMGアルドラーゼおよび/またはKMGアルドラーゼ活性のような、ピルビン酸アルドラーゼ活性のようなアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを準備し;(b)供与体および受容体化合物を準備し;ついで(c)工程(a)のポリペプチドと工程(b)の化合物とを、アルドラーゼが3,4−置換型2−ケトグルタル酸の合成を触媒する条件下にて接触させることを含み、ここに、所望により、該供与体および受容体がピルビン酸またはピルビン酸供与体およびα−ケト酸受容体、ケトンおよび/またはアルデヒドである3,4−置換型2−ケト−グルタル酸の生成方法を提供する。
いくつかの形態において、提供するアルドラーゼは、R−2−ヒドロキシ 2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−MP)、モナチン前駆体の生成を促進する。いくつかの形態において、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼのようなピルビン酸アルドラーゼは、D−アミノトランスフェラーゼと結合して使用して4−置換型D−グルタミン酸またはその誘導体を生成することができる。4−置換型D−グルタミン酸および/またはその誘導体は、細菌のグルタミン酸ラセマーゼを阻害することが見出された化合物のような抗生物質として使用することができる。1の形態において、本発明は、(a)限定するものではないが、HMGアルドラーゼおよび/またはKMGアルドラーゼ活性のような、ピルビン酸アルドラーゼ活性のようなアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを準備し;(b)α−ケト酸供与体およびピルビン酸またはピルビン酸受容体を準備し;ついで(c)工程(a)のポリペプチドと工程(b)の化合物とを、アルドラーゼが4−置換型D−グルタミン酸の合成を触媒する条件下にて接触させることを含み、ここに、所望により、該ポリペプチドはピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼおよび/またはKHGアルドラーゼ活性を有し、所望により、当該方法はさらにD−アミノトランスフェラーゼの使用をも含む、4−置換型D−グルタミン酸を生成する方法を提供する。
本発明は、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500またはそれを超える残基の領域にわたって、配列番号:1、 配列番号:3、 配列番号:5、 配列番号:7、 配列番号:9、 配列番号:11、 配列番号:13、 配列番号:15、 配列番号:17、 配列番号:19、 配列番号:21、 配列番号:23、 配列番号:25、 配列番号:27、 配列番号:29、 配列番号:31、 配列番号:33、 配列番号:35、 配列番号:37、 配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:336、配列番号:337および配列番号:338を含む、本発明による核酸と少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれを超える、または完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離した、合成または組換え核酸を提供する。いくつかの形態において、1またはそれを超える核酸は、限定するものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有する少なくとも1のポリペプチドをコードする。いくつかの形態において、配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いた解析または視覚検査によって決定する。
別の形態において、1またはそれを超える核酸は、本発明のポリペプチドに特異的に結合することができる抗体を生起することができる少なくとも1のポリペプチドをコードし、あるいは、これらの核酸はアルドラーゼをコードする酢酸を同定または単離するためのプローブとして使用することができ、あるいは、それを用いてアルドラーゼ発現核酸の発現を阻害することができる。
本発明に係る核酸は、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332および配列番号:334に記載の配列ならびにそれらのサブ配列、変異型および酵素的に活性なフラグメントを有する1またはそれを超えるポリペプチドを含む酵素のような、本発明に係る酵素をコードする単離した、合成または組換え核酸も含む。いくつかの形態において、該ポリペプチドは、限定するものではないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有する。
いくつかの形態において、本発明は、好ましくは混同培養物由来の、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼをコードする核酸のようなピルビン酸アルドラーゼのようなアルドラーゼをコードする核酸を提供する。いくつかの形態において、本発明は、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、またはそれを超える領域にわたって、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:336、配列番号:337および配列番号:338のような本発明に係る核酸と少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれを超える、または完全な (100%)配列同一性を有する配列のような、本発明に係るポリヌクレオチドを含む混合培養物から単離した炭素−炭素結合を形成または切断する酵素をコードする核酸を提供する。
いくつかの形態において、本発明は、好ましくは環境供給源のような通常の供給源由来の、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号: 162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、または配列番号:334、およびその酵素的に活性なフラグメントのような本発明に係るポリヌクレオチドのような本発明に係る酵素を含む、本発明に係るポリヌクレオチド配列およびそれらによってコードされるポリペプチドを含む、ピルビン酸アルドラーゼ酵素、HMGおよび/またはKHG酵素をコードする核酸のようなアルドラーゼ酵素を提供する。いくつかの形態において、本発明は、好ましくは混合環境供給源のような環境供給源由来のピルビン酸アルドラーゼ酵素、HMGおよび/KHG酵素のようなアルドラーゼ酵素をコードする核酸も提供する。
いくつかの形態において、配列比較アルゴリズムは、フィルター設定をblastall -p blastp -d "nr pataa" -F Fに設定し、その他のすべての選択肢をdefaultに設定したBLAST バージョン2.2.2アルゴリズムである。
本発明の他の形態は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500またはそれを超える連続する塩基の本発明に係る核酸配列、それに実質的に同一である配列、およびそれに相補的な配列を含む単離された、合成または組換え核酸である。
いくつかの形態において、本発明に係る単離された、合成または組換え核酸は、限定するものではないが、耐熱性である、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。本発明に係る耐熱性ポリペプチドは、約-100℃ないし約-80℃、約-80℃ないし約-40℃、約-40℃ないし約-20℃、約-20℃ないし約0℃、約0℃ないし約37℃、約0℃ないし約5℃、約5℃ないし約15℃、約15℃ないし約25℃、約25℃ないし約37℃、約37℃ないし約45℃、約 45℃ないし約55℃、約55℃ないし約70℃、約70℃ないし約75℃、約75℃ないし約85℃、約85℃ないし約90℃、約90℃ないし約95℃、約95℃ないし約100℃、約100℃ないし約105℃、約105℃ないし約110℃、約110℃ないし約120℃、または95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃もしくはそれを超える温度範囲を含む条件下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸アルドラーゼ活性のようなアルドラーゼ活性を保持することができる。本発明に係る耐熱性ポリペプチドは、約-100℃ないし約-80℃、約-80℃ないし約-40℃、約-40℃ないし約-20℃、約-20℃ないし約0℃、約0℃ないし約5℃、約5℃ないし約15℃、約15℃ないし約25℃、約25℃ないし約37℃、約37℃ないし約45℃、約 45℃ないし約55℃、約55℃ないし約70℃、約70℃ないし約75℃、約75℃ないし約85℃、約85℃ないし約90℃、約90℃ないし約95℃、約95℃ないし約100℃、約100℃ないし約105℃、約105℃ないし約110℃、約110℃ないし約120℃、または95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃またはそれを超える範囲の温度で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸アルドラーゼ活性のようなアルドラーゼ活性を保持することができる。いくつかの形態において、本発明に係る耐熱性ポリペプチドは、約pH 3.0、約pH 3.5、約pH 4.0、約pH 4.5、約pH 5.0、約pH 5.5、約pH 6.0、約pH 6.5、約pH 7.0、約pH 7.5、約pH 8.0、約pH 8.5、約pH 9.0、約pH 9.5、約pH 10.0、約pH 10.5、約pH 11.0、約pH 11.5、約pH 12.0またはそれを超える、前記した範囲の温度で、アルドラーゼ活性を保持することができる。
本発明は、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:336、配列番号:337、または配列番号:338に記載の配列またはそのフラグメントもしくはサブ配列を含む、本発明に係る核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む単離した、合成または組換え核酸を提供する。いくつかの形態において、核酸は、限定するものではないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。核酸は、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200もしくはそれを超える残基、または遺伝子もしくは転写物の完全長とすることができる。いくつかの形態において、ストリンジェントな条件は、約65℃の温度にて約15分間の0.2×SSC中の洗浄を含む洗浄工程を含む。
本発明は、限定する物ではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定または単離するための核酸プローブを提供し、ここにプローブは、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000またはそれを超える本発明に係る配列の連続する塩基を含み、プローブは結合またはハイブリダイゼーションによって核酸を同定する。プローブは、例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100塩基もしくはそれを超える塩基、またはそれらの間のいずれか望ましい長さの本発明に係る配列またはそのフラグメントもしくはサブ配列の約10−100の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。
本発明は、限定するものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定または単離するための核酸プローブを提供し、プローブは、本発明の核酸に対して少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれを超える、または完全に一致する(100%)配列同一性を有するポリヌクレオチドのような、本発明に係る核酸の少なくとも約10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000またはそれを超える残基の配列を含む核酸を含む。いくつかの形態において、配列同一性は、配列比較アルゴリズムまたは視覚検査を用いる解析によって決定する。他の形態において、プローブは、例えば、10、15、20、25、30、35、 40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100またはそれを超える、またはそれらの間のいずれか望ましい長さのような、本発明に係る核酸配列の少なくとも約10−100の連続する塩基の核酸配列を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。
本発明は、限定するものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する(PCRによるような)ための増幅プライマー対を提供し、ここに各プライマー対は本発明に係る配列、またはそのフラグメントもしくはサブ配列を含む核酸(配列表を参照されたい)を増幅することができる。増幅プライマー配列対の1または各々のメンバーは、少なくとも約10ないし50またはそれを超える連続する塩基の配列、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36またはそれを超える連続する塩基の配列を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。いくつかの形態において、本発明は増幅プライマー対を提供し、ここに各プライマー対は本発明に係る核酸の約最初の(5')12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36またはそれを超える残基によって記載される配列を有する第1のメンバー、および第1のメンバーの相補鎖の約最初の(5')12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36またはそれを超える残基によって記載される配列を有する第2のメンバーを含む。
本発明は、本発明に係る増幅プライマー対を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅によって生成するピルビン酸アルドラーゼをコードする、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼをコードする核酸のような、アルドラーゼをコードする核酸を提供する。いくつかの形態において、本発明は、本発明に係る増幅プライマー対を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅によって生成するピルビン酸アルドラーゼをコードする、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼをコードする核酸のような、アルドラーゼをコードする核酸を提供する。いくつかの形態において、本発明は、本発明に係る増幅プライマー対を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅によって生成するピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素を生成する方法を提供する。いくつかの形態において、増幅プライマー対は環境ライブラリーのような遺伝子ライブラリーのようなライブラリーからの核酸を増幅する。
本発明は、本発明に係る核酸配列またはそのフラグメントもしくはサブ配列を増幅することができる増幅プライマー配列対を用いた鋳型核酸の増幅を含む、限定するものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性のようなピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法を提供する。
本発明は、本発明に係る核酸またはそのサブ配列を含む発現カセットを提供する。いくつかの形態において、発現カセットはプロモーターに作動可能に連結した核酸を含むことができる。プロモーターは、ウイルス、細菌、哺乳動物、菌類、酵母または植物のプロモーターとすることができる。いくつかの形態において、植物プロモーターは、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、ムギ、タバコまたはオオムギのプロモーターとすることができる。プロモーターは構成プロモーターとすることができる。構成プロモーターは、CaMV35Sを含むことができる。他の形態において、プロモーターは誘導性プロモーターとすることができる。いくつかの形態において、プロモーターは組織−特異的プロモーターまたは環境調節もしくは発生調節プロモーターとすることができる。したがって、プロモーターは、種子−特異的、葉−特異的、根−特異的、茎−特異的または器官脱離−誘導プロモーターのようなものとすることができる。いくつかの形態において、発現カセットはさらに植物または植物ウイルス発現ベクターを含むことができる。
本発明は、本発明に係る発現カセット(ベクターのような)または本発明に係る核酸を含むクローニングビヒクルを提供することができる。クローニングビヒクルは、ウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージまたは人工染色体とすることができる。ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターまたはアデウイル伴生ウイルススベクターとすることができる。クローニングビヒクルは、細菌人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1由来ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)または哺乳動物人工染色体(MAC)を含むことかできる。
本発明は、本発明に係る核酸または発現カセット(ベクターのような)、または本発明に係るクローニングビヒクルを提供する。いくつかの形態において、形質転換細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞、菌類細胞、酵母細胞、昆虫細胞または植物細胞とすることができる。いくつかの形態において、植物細胞はダイズ、ナタネ、脂肪種子、トマト、サトウキビ、穀物、ジャガイモ、コムギ、コメ、トウモロコシ、タバコまたはオオムギ細胞とすることができる。
本発明は、本発明に係る核酸または本発明に係る発現カセット(ベクターのような)を含むトランスジェニック非−ヒト動物を提供する。いくつかの形態において、動物はマウス、ラット、ブタ、ヤギまたはヒツジである。
本発明は、本発明に係る核酸または本発明に係る発現カセット(ベクターのような)を含むトランスジェニック植物を提供する。トランスジェニック植物は、穀物植物、トウモロコシ植物、ジャガイモ植物、トマト植物、コムギ植物、脂肪種子植物、ナタネ植物、ダイズ植物、イネ植物、オオムギ植物またはタバコ植物とすることができる。
本発明は、本発明に係る核酸および本発明に係る発現カセット(ベクターのような)を含むトランスジェニック種子を提供する。トランスジェニック種子は、穀物植物、トウモロコシ種子、コムギ穀粒、脂肪種子、ナタネ、ダイズ種子、パーム核油、ヒマワリ種子、ゴマ種子、ラッカセイまたはタバコ植物の種子とすることができる。
本発明は、本発明に係る核酸に相補的な核酸配列またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンス・オリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの形態において、本発明は、本発明に係る核酸に相補的な核酸配列またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンス・オリゴヌクレオチドを細胞に投与するまたは細胞内で発現することを含む、細胞中でピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素メッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。いくつかの形態において、アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100またはそれを超える塩基長のような、約10ないし約50、約20ないし約60、約30ないし約70、約40ないし約80、または約60ないし約100塩基長である。
本発明は、本発明に係る核酸に相補的な配列またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンス・オリゴヌクレオチドを細胞に投与するまたは細胞中で発現することを含む、細胞中でピルビン酸アルドラーゼ酵素メッセージのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素メッセージのような翻訳を阻害する方法を提供する。
本発明は、本発明に係る配列のサブ配列を含む二本鎖阻害RNA(RNAi、またはRNA干渉)分子(転写を阻害するための小干渉RNAまたはsiRNA、およびマイクロRNA、または翻訳を阻害するためのmiRNAを包含する)を提供する。いくつかの形態において、siRNAは約21ないし約24残基であり、または少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100またはそれを超える二本鎖ヌクレオチド長である。いくつかの形態において、本発明は、二本鎖阻害RNA(siRNAまたはmiRNA)を細胞に投与するまたは細胞中で発現することを含む、細胞中でピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなアルドラーゼ酵素の発現を阻害する方法を提供し、ここにRNAは本発明に係る配列のサブ配列を含む。
本発明は、ポリペプチドの少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350またはそれを超える残基、または完全長の領域にわたって本発明に係るポリペプチドまたはペプチドに少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれを超える、または完全な(100%)配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離した、合成または組換えポリペプチドを提供する。いくつかの形態において、配列同一性は、配列比較アルゴリズムまたは視覚検査を用いる解析によって決定する。本発明に係るポリペプチドまたはペプチド配列は、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332および配列番号:334、ならびにそれらのサブ配列、それらの変異型、およびそれらの酵素的に活性なフラグメントを含む。本発明に係るポリペプチドは、酵素の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600またはそれを超える残基長、または酵素の完全長にわたるフラグメントも含む。本発明に係るポリペプチドまたはペプチド配列は、本発明に係る核酸によってコードされる配列を含む。本発明に係るポリペプチドまたはペプチド配列は、本発明に係る抗体によって特異的に結合されるポリペプチドまたはペプチド(エピトープのような)、または本発明に係る抗体を生起することができるポリペプチドまたはペプチド(免疫原のような)を含む。
いくつかの形態において、本発明に係るポリペプチドは、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素活性のような少なくとも1のアルドラーゼ酵素活性を有する。他の形態において、本発明に係るポリヌクレオチドは、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素活性のような少なくても1のアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドを提供する。
本発明のもう1の形態は、本発明に係るポリペプチドまたはペプチド配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150またはそれを超える連続する塩基、それに実質的に同一の配列、およびそれに相補的な配列を含む単離した、合成または組換えポリペプチドまたはペプチドを提供する。ペプチドは、免疫原性フラグメント、モチーフ(結合部位のような)、シグナル配列、プレプロ配列または活性部位のようなものとすることができる。
本発明は、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼのような、アルドラーゼを有するポリペプチド、酵素活性およびシグナル配列をコードする配列を含む単離した、合成または組換え核酸を提供し、ここに核酸は本発明に係る配列を含む。「シグナル配列」は、宿主細胞から本発明に係るアルドラーゼの分泌を促進する分泌シグナルまたは他のドメインを意味する。シグナル配列は、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のような他のアルドラーゼ、または非−ピルビン酸アルドラーゼのような、非−HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素(外来酵素)のような非−アルドラーゼ由来のものとすることができる。いくつかの形態において、本発明は、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼのようなアルドラーゼ、酵素活性を有するポリペプチドをコードする配列を含む単離した、合成または組換え核酸を提供し、ここに配列はシグナル配列を含まず、核酸は本発明に係る配列を含む。いくつかの形態において、本発明は、シグナル配列のすべてまたは部分を欠いている本発明に係るポリペプチドを含む単離した、合成または組換えポリペプチドを提供する。いくつかの形態において、単離した、合成または組換えポリペプチドは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素シグナル配列のような、ピルビン酸アルドラーゼのような、外来アルドラーゼのような、外来シグナル配列を含む本発明に係るポリペプチド、または非−HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素シグナル配列のような非−ピルビン酸アルドラーゼのような非−アルドラーゼを含むことができる。
いくつかの形態において、本発明は、本発明に係るシグナル配列および少なくとも第2のドメインを含む第1のドメインを含むキメラタンパク質を提供する。タンパク質は融合タンパク質とすることができる。タンパク質は融合タンパク質とすることができる。第2のドメインは酵素を含むことができる。タンパク質は非−酵素とすることができる。
本発明は、本発明に係るシグナルペプチド(SP)、プレプロ配列および/または触媒ドメイン(CD)をすくむ少なくとも第1のドメインおよび外来ポリペプチドまたはペプチドを含む少なくとも第2のドメイン(CD)を含むキメラポリペプチドを提供し、ここに外来ポリペプチドまたはペプチドはシグナルペプチド(SP)、プレプロ配列および/または触媒ドメイン(CD)と天然に関連しない。いくつかの形態において、外来ポリペプチドまたはペプチドは、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなアルドラーゼではない。外来ポリペプチドまたはペプチドは、シグナルペプチド(SP)、プレプロ配列および/または触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシ末端または両方の末端とすることができる。
本発明は、キメラポリペプチドをコードする単離した、合成または組換え核酸を提供し、ここにキメラポリペプチドは本発明に係るシグナルペプチド(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)を含む少なくとも第1のドメインおよび外来ポリペプチドまたはペプチドを含む少なくとも第2のドメインを含み、ここに外来ポリペプチドまたはペプチドはシグナルペプチド(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)と天然に関連しない。
本発明は、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:144、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号: 162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332または配列番号:334のような、本発明に係るポリペプチドの残基1ないし14、1ないし15、1ないし16、1ないし17、1ないし18、1ないし19、1ないし20、1ないし21、1ないし22、1ないし23、1ないし24、1ないし25、1ないし26、1ないし27、1ないし28、1ないし28、1ないし30、1ないし31、1ないし32、1ないし33、1ないし34、1ないし35、1ないし36、1ないし37、1ないし38、1ないし40、1ないし41、1ないし42、1ないし43、1ないし44、1ないし45、1ないし46または1ないし47に記載の配列からなるまたはを含む単離した、合成または組換えシグナル配列(シグナルペプチドのような)を提供する。いくつかの形態において、本発明は、本発明に係るポリペプチドの最初の14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70またはそれを超えるアミノ末端残基を含むシグナル配列を提供する。
いくつかの形態において、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなアルドラーゼの活性は、約10ないし約12,000単位/mgタンパク質の比活性を含む。もう1の形態において、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼのようなアルドラーゼの酵素活性は、約1000ないし約10,000単位/mgタンパク質、または約5000ないし約7500単位/mgタンパク質の比活性を含む。あるいは、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなアルドラーゼの酵素活性は、約10ないし約7,500単位/mgタンパク質、または約5000ないし約12,000単位/mgタンパク質の比活性を含む。いくつかの形態において、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなアルドラーゼ活性は、約10ないし約5000単位/mgタンパク質、または約7500ないし約10,000単位/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。ほかの形態において、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼのようなアルドラーゼの酵素活性は、約10ないし約2500谷/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。あるいは、ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼのようなアルドラーゼの酵素活性は、約10ないし約1000単位/mgタンパク質の比活性を含む。ピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のような異なるアルドラーゼの活性を測定する例示的な測定は、一般的な基質、4−カルボキシ−4−ヒドロキシ−2−オキソアジペート(「CHA」)を用いる。典型的なアッセイは、50mMリン酸ナトリウム、pH7.5、1mM MgCl、1mM CHA、10μg/ml ラクトバチルス・レイチマニイ(Lactobacillus leichmanii)からのD−乳酸デヒドロゲナーゼ(「LDH)」(Sigma-ALdrich, St. Louis, MO)、0.5mM NADHを含む。測定すべき酵素を添加することによってアッセイを開始する。NADの形成に結合したピルビン酸の遊離は、340nmの分光光度計で連続してモニターする。酵素活性の単位は、340nmにおける吸光度を1OD/分で低下するのに十分なピルビン酸を遊離する量として定義される。
他の形態において、ピルビン酸アルドースのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなアルドラーゼ耐熱性は、約0℃ないし20℃、約20℃ないし37℃、約37℃ないし50℃、約50℃ないし70℃、約70℃ないし75℃、約75℃ないし80℃、約80℃ないし85℃、約85℃ないし90℃、約90℃ないし95℃、約95℃ないし100℃、約100℃ないし110℃、またはそれよりも高い温度のような高温に加熱した後にピルビン酸アルドラーゼのような、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなアルドラーゼの比活性の少なくとも半分の保持を含む。あるいは、耐熱性は、前記した高温に加熱した後に、約10ないし約12,000単位/mgタンパク質、または、約10ないし約12,000単位/mgタンパク質、の比活性の保持を含むことができる。他の形態において、耐熱性は前記のごとく高温に加熱した後の約10ないし約5000単位/mgタンパク質の比活性の保持を含むことができる。
本発明は、本発明に係る単離された、合成または組換えポリペプチドを提供し、ここに該ポリペプチドは少なくとも1つのグリコシル化部位を含む。幾つかの形態において、グリコシル化はN−結合グリコシル化とすることができる。幾つかの形態において、ポリペプチドはピイ・パストリスまたはエス・ポンベ宿主または哺乳動物宿主細胞中で発現させた後にグリコシル化することができる。
幾つかの形態において、ポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5、pH4.0、pH3.5、pH3.0またはそれ未満(より酸性)のpH下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなピルビン酸アルドラーゼのようなアルドラーゼの活性を保持し得る。幾つかの形態において、ポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5、pH11.0、pH11.5、pH11.0、pH12、pH12.5またはそれを超える(よりアルカリ性の)pH下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなピルビン酸アルドラーゼのようなアルドラーゼの活性を保持し得る。幾つかの形態において、ポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5、pH4.0、pH3.5、pH3.0またはそれ未満(より酸性)のpHを含む条件に曝露した後に、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなピルビン酸アルドラーゼのようなアルドラーゼの活性を保持し得る。幾つかの形態において、ポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5、pH11.0、pH11.5、pH11.0、pH12、pH12.5またはそれを超える(よりアルカリ性の)pHを含む条件に曝露した後に、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素のようなピルビン酸アルドラーゼのようなアルドラーゼの活性を保持し得る。
一部の実施形態では、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、小腸等の腸のアルカリ性条件等のアルカリ性条件下で活性を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、胃の酸性pHに対する曝露の後で活性を保持することができる。
本発明は、本発明によるポリペプチド(ペプチドを含む)を含むタンパク質調製物を提供し、タンパク質調製物は、液体、固体、またはゲルを含む。一部の実施形態では、本発明は、本発明によるポリペプチドと、ポリペプチドまたは他の(第2の)ドメイン等の第2のメンバーとを含むヘテロダイマーを提供する。ヘテロダイマーの第2のメンバーは、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の異なるアルドラーゼ、異なる酵素、または他のタンパク質とすることができる。一部の実施形態では、第2のドメインは、ポリペプチドとすることができ、ヘテロダイマーは、融合タンパク質とすることができる。一部の実施形態では、第2のドメインは、エピトープまたはタグとすることができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明によるポリペプチドを含むホモダイマー、ホモトリマー、ホモテトラマー、ホモペンタマー、およびホモヘキサマー含むが、これらに限定されないホモマルチマーを提供する。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有する固定化ポリペプチド(ペプチドを含む)を提供し、固定化ポリペプチドは、本発明によるポリペプチド、本発明による核酸によってコードされたポリペプチド、または本発明によるポリペプチドおよび第2のドメインを含むポリペプチドを含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、グラファイト粒子、ビーズ、ゲル、平板、アレイ、またはキャピラリーチューブ上に固定化することができる。
本発明は、さらに、本発明によるプローブ等を含む、本発明による固定化核酸を含むアレイを提供する。一部の実施形態では、本発明は、さらに、本発明による抗体を含むアレイを提供する。
本発明は、本発明によるポリペプチドに、または本発明による核酸によってコードされたポリペプチドに特異的に結合する単離抗体、合成抗体、または組換え抗体を提供する。本発明によるこれらの抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体とすることができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明によるポリペプチドに、または本発明による核酸によってコードされたポリペプチドに特異的に結合する抗体等の本発明による抗体を含むハイブリドーマを提供する。一部の実施形態では、本発明は、これらの抗体をコードする核酸を提供する。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性を有するポリペプチドを単離または同定する方法であって、(a)本発明による抗体を提供する工程、(b)ポリペプチドを含む試料を提供する工程、および(c)抗体がポリペプチドに特異的に結合することができる条件下で、工程(a)の抗体と工程(b)の試料を接触させる工程を含み、それによって、HMGおよび/またはKEGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドを単離または同定する方法を提供する。
本発明は、抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼ等の抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼの酵素抗体を作製する方法であって、本発明による核酸または本発明によるポリペプチドまたは体液性免疫応答を生じさせるのに十分な量のその部分配列を非ヒト動物に投与することを含み、それによって、抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼ等の抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼの酵素抗体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼ等の抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼの免疫応答(細胞性または体液性)を生じさせる方法であって、本発明による核酸または本発明によるポリペプチドまたは体液性免疫応答(細胞性または体液性)を生じさせるのに十分な量のその部分配列を非ヒト動物に投与することを含む方法を提供する。
本発明は、組換えポリペプチドを生成する方法であって、(a)プロモーターに作動可能に連結させた本発明による核酸を提供する工程、および(b)ポリペプチドの発現を可能にする条件下で工程(a)の核酸を発現させる工程を含み、それによって、組換えポリペプチドを生成する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、工程(a)の核酸を用いて宿主細胞を形質転換し、その後、工程(a)の核酸を発現させる工程をさらに含み、それによって、形質転換細胞中で組換えポリペプチドを生成することができる。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドを同定するための方法であって、(a)本発明によるポリペプチドまたは本発明による核酸によってコードされたポリペプチドを提供する工程、(b)HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素基質を提供する工程、および(c)工程(b)の基質と工程(a)のポリペプチドまたはその断片もしくは変異体を接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程を含み、基質の量の減少または反応生成物の量の増加から、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドが検出される方法を提供する。一部の実施形態では、基質は、炭水化物、炭水化物を含む化合物、および/または炭水化物模倣体である。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素基質を同定するための方法であって、(a)本発明によるポリペプチドまたは本発明による核酸によってコードされたポリペプチドを提供する工程、(b)試験基質を提供する工程、および(c)工程(b)の試験基質と工程(a)のポリペプチドを接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程を含み、基質の量の減少または反応生成物の量の増加から、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素基質等の試験基質が同定される方法を提供する。
本発明は、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法であって、(a)本発明による核酸を含む核酸または核酸を含むベクターを、ポリペプチドへの核酸の翻訳に許容的な条件下で発現させる工程または本発明によるポリペプチドを提供する工程、(b)試験化合物を提供する工程、(c)試験化合物とポリペプチドを接触させる工程、および(d)工程(b)の試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する工程を含む方法を提供する。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性の調節因子を同定するための方法であって、(a)本発明によるポリペプチドまたは本発明による核酸によってコードされたポリペプチドを提供する工程、(b)試験化合物を提供する工程、(c)工程(b)の試験化合物と工程(a)のポリペプチドを接触させ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を測定する工程を含み、試験化合物の非存在下での活性と比較した、試験化合物の存在下で測定した、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性の変化から、試験化合物が、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を調節すると決定される方法を提供する。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHG等のアルドラーゼの酵素基質を提供し、基質の量の減少もしくは反応生成物の量の増加または基質の量の増加もしくは反応生成物の量の減少を検出することによって測定することができる。試験化合物なしでの基質または反応生成物の量と比較した、試験化合物ありでの基質の量の減少または反応生成物の量の増加から、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性の活性化因子として試験化合物が同定される。試験化合物なしでの基質または反応生成物の量と比較した、試験化合物ありでの基質の量の増加または反応生成物の量の減少から、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性の阻害因子として試験化合物が同定される。
本発明は、プロセッサおよびデータ記憶デバイスを含むコンピュータシステムを提供し、上述のデータ記憶デバイスは、本発明によるポリペプチド配列または核酸配列(本発明による核酸によってコードされたポリペプチドまたはペプチド等)をその上に記憶している。一部の実施形態では、コンピュータシステムは、配列比較アルゴリズムおよびそれに記憶された少なくとも1つの参照配列を有するデータ記憶デバイスをさらに含むことができる。他の実施形態では、配列比較アルゴリズムは、多型を示すコンピュータプログラムを含む。一部の実施形態では、コンピュータシステムは、上述の配列中の1つまたは複数の特徴を識別する識別子をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本発明は、それに記憶された、本発明によるポリペプチド配列または核酸配列を有するコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。一部の実施形態では、本発明は、配列中の特徴を識別するための方法であって、(a)配列中の1つまたは複数の特徴を識別するコンピュータプログラムを使用して、本発明によるポリペプチド配列または核酸配列を含む配列を読み取る工程、および(b)コンピュータプログラムを用いて配列中の1つまたは複数の特徴を識別する工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、第1の配列を第2の配列と比較するための方法であって、(a)配列を比較するコンピュータプログラムの使用して、本発明によるポリペプチド配列または核酸配列を含む第1の配列、および第2の配列を読み取る工程、および(b)コンピュータプログラムを用いて、第1の配列および第2の配列の間の差異を決定する工程を含む方法を提供する。第1の配列および第2の配列の間の差異を決定する工程は、多型を識別する工程をさらに含むことができる。一部の実施形態では、方法は、配列中の1つまたは複数の特徴を識別する識別子をさらに含むことができる。他の実施形態では、方法は、コンピュータプログラムを使用して第1の配列を読み取ること、および配列中の1つまたは複数の特徴を識別することを含むことができる。
本発明は、環境試料等の試料から、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収するための方法であって、(a)HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する工程であって、このプライマー対が本発明による核酸を増幅することができる工程、(b)試料中の核酸が、増幅プライマー対へのハイブリダイゼーションに利用可能となるように、試料から核酸を単離するまたは試料を処理する工程、および(c)工程(a)の増幅プライマー対と工程(b)の核酸を組み合わせ、試料から核酸を増幅する工程を含み、それによって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を試料から単離または回収する方法を提供する。増幅プライマー配列対の一方のメンバーまたは各メンバーは、本発明による配列の少なくとも約10〜50個の連続塩基を有する等の、本発明による増幅プライマー配列対を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。本発明の一実施形態では、試料は、環境試料である。
本発明は、環境試料等の試料から、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収するための方法であって、(a)本発明による核酸またはその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程、(b)試料中の核酸が、工程(a)のポリヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーションに利用可能となるように、試料から核酸を単離するまたは試料を処理する工程、(c)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと工程(b)の単離核酸または処理試料を組み合わせる工程、および(d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離する工程を含み、それによって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を試料から単離または回収する方法を提供する。試料は、水試料、液体試料、土壌試料、大気試料、または生物学的試料を含むことができる。一部の実施形態では、生物学的試料は、細菌細胞、原生動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、菌類細胞、または哺乳動物細胞に由来することができる。本発明の一実施形態では、試料は、環境試料である。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変異体を産生する方法であって、(a)本発明による核酸を含む鋳型核酸を提供する工程、および(b)鋳型核酸の変異体を産生するために、鋳型配列中の1つもしくは複数のヌクレオチドまたはその組合せを修飾する、欠失させる、または付加する工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素ポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の変異体アルドラーゼを産生するために、変異体核酸を発現させることをさらに含むことができる。修飾、付加、または欠失は、エラープローンPCR、シャフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、有性PCR突然変異誘発(sexual PCR mutagenesis)、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発(cassette mutagenesis)、回帰的集合突然変異誘発(recursive ensemble mutagenesis)、指数関数的集合突然変異誘発(exponential ensemble mutagenesis)、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再構築、遺伝子部位飽和突然変異誘発(Gene Site Saturation Mutagenesis)(GSSM)、合成的ライゲーション再構築(synthetic ligation reassembly)(SLR)、染色体飽和突然変異誘発(Chromosomal Saturation Mutagenesis)(CSM)、またはその組合せを含む方法によって導入することができる。他の実施形態では、修飾、付加、または欠失は、組換え、回帰的配列組換え(recursive sequence recombination)、ホスホチオエート修飾DNA突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップ二重突然変異誘発(gapped duplex mutagenesis)、点ミスマッチ修復突然変異誘発(point mismatch repair mutagenesis)、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学的突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限選択突然変異誘発(restriction−selection mutagenesis)、制限精製突然変異誘発(restriction−purification mutagenesis)、人工遺伝子合成、集合突然変異誘発(ensemble mutagenesis)、キメラ核酸マルチマー創造(chimeric nucleic acid multimer creation)、およびその組合せを含む方法によって導入される。
一部の実施形態では、方法は、鋳型核酸によってコードされたポリペプチドから改変されたもしくはそれとは異なる活性、または改変されたもしくはそれとは異なる安定性を有するピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼが生成されるまで反復して繰り返すことができる。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素ポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の変異体アルドラーゼは、熱耐性であり、上昇した温度に曝露された後にいくらかの活性を保持する。他の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素ポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の変異体アルドラーゼは、鋳型核酸によってコードされたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼと比較して、グリコシル化の増加を有する。あるいは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の変異体アルドラーゼは、高温下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有し、鋳型核酸によってコードされたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、高温下で活性ではない。一部の実施形態では、方法は、鋳型核酸から改変されたコドン使用頻度を有する、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼのコード配列が生成されるまで反復して繰り返すことができる。他の実施形態では、方法は、鋳型核酸よりも高いまたは低いレベルのメッセージ発現または安定性を有する、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼの遺伝子が生成されるまで反復して繰り返すことができる。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを、宿主細胞中でのその発現を増加させるために修飾するための方法であって、(a)HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする本発明による核酸を提供する工程、および(b)工程(a)の核酸中の好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンを同定し、それを、交換されるコドンと同じアミノ酸をコードする好ましいまたは中立的に使用されるコドンに交換する工程を含み、好ましいコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列において比率が大きいコドンであり、好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列において比率が小さいコドンであり、それによって、宿主細胞中でのその発現を増加させるために核酸を修飾する方法を提供する。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを修飾するための方法であって、(a)本発明による核酸を提供する工程、および(b)工程(a)の核酸中のコドンを同定し、それを、交換されるコドンと同じアミノ酸をコードする異なるコドンに交換する工程を含み、それによって、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼをコードする核酸中のコドンを修飾する方法を提供する。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを、宿主細胞中でのその発現を増加させるために修飾するための方法であって、(a)ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素ポリペプチド等のアルドラーゼをコードする本発明による核酸を提供する工程、および(b)工程(a)の核酸中の好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンを同定し、それを、交換されるコドンと同じアミノ酸をコードする好ましいまたは中立的に使用されるコドンに交換する工程を含み、好ましいコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列において比率が大きいコドンであり、好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列において比率が小さいコドンであり、それによって、宿主細胞中でのその発現を増加させるために核酸を修飾する方法を提供する。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを、宿主細胞中でのその発現を減少させるために修飾するための方法であって、(a)本発明による核酸を提供する工程、および(b)工程(a)の核酸中の少なくとも1つの好ましいコドンを同定し、それを、交換されるコドンと同じアミノ酸をコードする好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンに交換する工程を含み、好ましいコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列において比率が大きいコドンであり、好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列において比率が小さいコドンであり、それによって、宿主細胞中でのその発現を減少させるために核酸を修飾する方法を提供する。一部の実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞、菌類細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、または哺乳動物細胞とすることができる。
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の複数の修飾アルドラーゼの活性部位または修飾基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを生成するための方法であって、修飾活性部位または修飾基質結合部位は、第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする配列を含む第1の核酸に由来し、(a)第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする第1の核酸を提供する工程であって、第1の核酸配列が、本発明による核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、核酸が、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼの活性部位またはピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼの基質結合部位をコードする工程、(b)第1の核酸中の複数の標的コドンに、自然発生のアミノ酸変異体をコードする突然変異誘発性オリゴヌクレオチドのセットを提供する工程、および(c)突然変異誘発された各アミノ酸コドンで様々なアミノ酸変異をコードする活性部位コード変異体核酸または基質結合部位コード変異体核酸のセットを産生するために、突然変異誘発性オリゴヌクレオチドのセットを使用する工程を含み、それによって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の複数の修飾アルドラーゼの活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを生成する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、最適化された進化分子工学系(optimized directed evolution system)、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成的ライゲーション再構築(SLR)、エラープローンPCR、シャフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、有性PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、回帰的集合突然変異誘発、指数関数的集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再構築、およびその組合せを含む方法によって工程(a)の第1の核酸を突然変異誘発することを含む。他の実施形態では、方法は、組換え、回帰的配列組換え、ホスホチオエート修飾DNA突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップ二重突然変異誘発、点ミスマッチ修復突然変異誘発、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学的突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限選択突然変異誘発、制限精製突然変異誘発、人工遺伝子合成、集合突然変異誘発、キメラ核酸マルチマー創造、およびその組合せを含む方法によって工程(a)の第1の核酸または変異体を突然変異誘発することを含む。
本発明は、低分子を作製するための方法であって、(a)低分子を合成または修飾することができる複数の生合成酵素を提供する工程であって、酵素のうちの1つが、本発明による核酸によってコードされたピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを含む工程、(b)工程(a)の酵素の少なくとも1つに対する基質を提供する工程、および(c)一連の生体触媒反応によって低分子を産生するように複数の生体触媒反応を促進する条件下で酵素と工程(b)の基質を反応させる工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、低分子を修飾するための方法であって、(a)ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを提供する工程であって、酵素が、本発明によるポリペプチドまたは本発明による核酸もしくはその部分配列によってコードされたポリペプチドを含む工程、(b)低分子を提供する工程、および(c)HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼによって触媒された酵素反応を促進する条件下で工程(b)の低分子と工程(a)の酵素を反応させる工程を含み、それによって、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素反応によって低分子を修飾する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、工程(a)の酵素に対する複数の低分子基質を含み、それによって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼによって触媒された少なくとも1つの酵素反応によって生成された修飾低分子のライブラリーを産生することができる。一部の実施形態では、方法は、複数の酵素反応によって生成された修飾低分子のライブラリーを形成するために酵素によって複数の生体触媒反応を促進する条件下で複数の付加的な酵素を含むことができる。他の実施形態では、方法は、所望の活性を呈する特定の修飾低分子がライブラリー内に存在するかどうかを決定するためにライブラリーを試験する工程をさらに含むことができる。ライブラリーを試験する工程は、所望の活性を有する特定の修飾低分子の存在または非存在について修飾低分子の一部分を試験し、所望の活性の特定の修飾低分子を生成する少なくとも1つの特異的生体触媒反応を同定することによって、ライブラリー内の複数の修飾低分子の一部分を生成するために使用される、生体触媒反応のうちの1つ以外のすべてを系統的に排除する工程をさらに含むことができる。
本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼの機能的断片を決定するための方法であって、(a)ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを提供する工程であって、酵素が、本発明によるポリペプチドまたは本発明による核酸もしくはその部分配列によってコードされたポリペプチドを含む工程、および(b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性について残りの部分配列を試験する工程を含み、それによって、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼの機能的断片を決定する方法を提供する。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHG等のアルドラーゼの酵素基質を提供し、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出することによって測定される。
本発明は、リアルタイム代謝フラックス分析の使用による新しいまたは修飾された表現型の全細胞操作のための方法であって、(a)細胞の遺伝的組成の修飾により修飾細胞を作製する工程であって、遺伝的組成が、本発明による核酸の細胞への添加によって修飾される工程、(b)複数の修飾細胞を産生するために修飾細胞を培養する工程、(c)リアルタイムで、工程(b)の細胞培養物をモニターすることにより細胞の少なくとも1つの代謝パラメータを測定する工程、および(d)測定パラメータが、類似する条件下での、無修飾細胞における比較可能な測定値と異なるかどうかを決定するために工程(c)のデータを分析する工程を含み、それによって、リアルタイム代謝フラックス分析を使用して細胞中の操作された表現型を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、細胞の遺伝的組成は、細胞中の配列の欠失もしくは配列の修飾を含む方法または遺伝子の発現をノックアウトすることによって修飾することができる。一部の実施形態では、方法は、新しく操作された表現型を含む細胞を選択することをさらに含むことができる。他の実施形態では、方法は、選択された細胞を培養することを含み、それによって、新しく操作された表現型を含む新しい細胞株を産生することができる。
本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素ポリペプチド等のアルドラーゼの熱耐性または熱安定性を増加させる方法であって、本発明によるポリペプチドまたは本発明による核酸配列によってコードされたポリペプチドの少なくとも30個の隣接するアミノ酸を含む、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素ポリペプチド等のアルドラーゼをグリコシル化することを含み、それによって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの熱耐性または熱安定性を増加させる方法を提供する。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの特異的活性は、約37℃〜約95℃超の範囲の温度で熱安定性または熱耐性とすることができる。
本発明は、細胞中で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の組換えアルドラーゼを過剰発現させる方法であって、本発明による核酸または本発明による核酸配列を含む核酸を含むベクターを発現させることを含み、配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いた分析または目視検査によって決定され、過剰発現は、高活性プロモーター、ジシストロニックベクターの使用によって、またはベクターの遺伝子増幅によってもたらされる。
本発明は、トランスジェニック植物を作製する方法であって、(a)細胞中に、本発明による核酸配列を含む異種核酸配列を導入し、それによって形質転換植物細胞を生成する工程、および(b)形質転換細胞からトランスジェニック植物を生成する工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、工程(a)は、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションによって異種核酸配列を導入することをさらに含むことができる。他の実施形態では、工程(a)は、DNA粒子衝撃によって植物組織に直接、異種核酸配列を導入することをさらに含むことができる。あるいは、工程(a)は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主を使用して植物細胞DNAの中に異種核酸配列を導入することをさらに含むことができる。一部の実施形態では、植物細胞は、サトウキビ、ビート、ダイズ、トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、イネ、コムギ、タバコ、またはオオムギの細胞とすることができる。
本発明は、植物細胞中の異種核酸配列を発現させる方法であって、(a)本発明による核酸を含む、プロモーターに作動可能に連結された異種核酸配列を用いて植物細胞を形質転換する工程、(b)異種核酸配列が植物細胞中で発現する条件下で植物を成長させる工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、植物細胞中の異種核酸配列を発現させる方法であって、(a)本発明による配列を含む、プロモーターに作動可能に連結された異種核酸配列を用いて植物細胞を形質転換する工程、(b)異種核酸配列が植物細胞中で発現する条件下で植物を成長させる工程を含む方法を提供する。
本発明は、本発明によるポリペプチドまたは本発明による核酸によってコードされたポリペプチドを含む飼料または食料を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明によるポリペプチドを含む、食料、飼料、飲料(果汁もしくはビール)等の液体、パンもしくはパン生地もしくはパン製品、または飲料前駆体(麦芽汁等)を提供する。他の実施形態では、本発明は、本発明によるポリペプチドを含む食料、飼料、または飲料添加剤を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明による核酸によってコードされたポリペプチド等の本発明によるポリペプチドを含む、ヒトまたは動物のため等の食料または栄養補給剤を提供する。
一部の実施形態では、食料または栄養補給剤中のポリペプチドは、グリコシル化することができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明による核酸によってコードされたポリペプチド等の本発明によるポリペプチドを含む食用酵素デリバリーマトリックスを提供する。一部の実施形態では、デリバリーマトリックスはペレットを含む。一部の実施形態では、ポリペプチドはグリコシル化することができる。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性は、熱耐性である。他の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性は、熱安定性である。
本発明は、本発明によるポリペプチドを含む食料、飼料、または栄養補給剤を提供する。一部の実施形態では、本発明は、動物食餌中の栄養補給剤としてピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを利用する方法であって、本発明によるポリペプチドの少なくとも30個の隣接するアミノ酸を含むピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを含有する栄養補給剤を調製すること、ならびに動物に栄養補給剤を投与することを含む方法を提供する。動物は、ヒト、反芻動物、または単胃動物とすることができる。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、細菌、酵母、植物、昆虫、菌類、および動物からなる群から選択された生物中での、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼをコードするポリヌクレオチドの発現によって調製することができる。生物は、S.ポンベ、S.セレビシエ、ピキア・パストリス、イー・コリ、ストレプトマイセス種、バチルス種、シュードモナス種、アスペルギルス種、およびラクトバチルス種からなる群から選択することができる。
本発明は、本発明によるポリペプチド等のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の熱安定性組換えアルドラーゼを含む食用酵素デリバリーマトリックスを提供する。一部の実施形態では、本発明は、動物に、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼの補給剤を送達する方法であって、粒状食用担体ならびにHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の熱安定性組換えアルドラーゼを含む、ペレットの形態の食用酵素デリバリーマトリックスを調製することであって、ペレットが、水性媒体の中に、その中に含有されるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを容易に分散させること、ならびに動物に、食用酵素デリバリーマトリックスを投与することを含む方法を提供する。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の組換えアルドラーゼは、本発明によるポリペプチドを含むことができる。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、ペレット化条件での熱安定性を提供するためにグリコシル化することができる。デリバリーマトリックスは、穀物胚芽ならびにピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを含む混合物をペレット化することによって形成することができる。ペレット化条件は、蒸気の適用を含むことができる。ペレット化条件は、約5分間の約80℃を超える温度の適用を含むことができ、酵素は、酵素1ミリグラム当たり少なくとも350〜約900ユニットの特異的活性を保持する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼまたは本発明による核酸によってコードされたポリペプチドを含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、医薬組成物は消化補助剤として作用する。
一部の実施形態では、炭素間結合含有化合物は、約pH3.0〜約9.0、約3.0〜約10.0、約3.0〜約11.0、またはそれ以上の範囲のpHで、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ酵素活性等のアルドラーゼ酵素活性を有する本発明によるポリペプチドに接触する。他の実施形態では、炭素間結合含有化合物は、少なくとも約55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、またはそれ以上の温度で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼと接触する。
本開示は、とりわけ、モナチン、モナチン誘導体、およびその塩を生成するためのプロセスにおける、たとえば、R−2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−アルファケト酸モナチン、R−モナチン前駆体、R−MP、およびモナチンのアルファケト型とも称される)、R,RおよびS,Rモナチン等のモナチンのある種の立体異性体に対する前駆体の生成における反応を促進するのに有用なポリペプチドを提供する。本開示は、さらに、本発明の1つまたは複数のポリペプチドを使用して、モナチン、モナチン誘導体、ならびにその塩および分子内縮合生成物を作製する方法を提供する。R−MP、モナチンの立体異性体、および/またはモナチン誘導体の立体異性体を合成する方法は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、および配列番号334のいずれかのアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドならびにその酵素的活性断片の使用を含む。
さらに、R−MP、モナチンの立体異性体、および/またはモナチン誘導体の立体異性体を合成する方法は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%)配列同一性を配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含む本発明による核酸に対して少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500またはそれ以上の残基の領域にわたって有する核酸配列によってコードされたアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの使用を含んでいてもよい。
さらに、R−MP、モナチンの立体異性体,および/またはモナチン誘導体の立体異性体を合成する方法は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によってコードされたアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの使用を含んでいてもよい。
本発明は、多工程経路において、モナチン、モナチン誘導体、その塩、およびその組合せから選ばれた生成物を生成することを含む方法であって、経路における反応は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のアミノ酸配列またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列を含む単離または組換えポリペプチドから選ばれた1つまたは複数のポリペプチドによって促進される方法を提供する。一部の実施形態では、その断片または部分配列は、少なくとも0.2mg MP/タンパク質mg/時間のアルドラーゼ活性を有する。他の実施形態では、その断片または部分配列は、少なくとも0.1mg MP/タンパク質mg/時間のアルドラーゼ活性を有する。一部の実施形態では、本発明による1つまたは複数のポリペプチドによって促進された反応は、約1.0〜約10.0mM MgCl中で行われる。他の実施形態では、本発明による1つまたは複数のポリペプチドによって促進された反応は、約pH7.0〜約pH11.5で行われる。他の実施形態では、本発明による1つまたは複数のポリペプチドによって促進された反応は、約0.005%〜約1%ポリソルベート界面活性剤中で行われる。
一部の実施形態では、反応は、インドール−3−ピルビン酸およびC3炭素源の間の反応である。一部の実施形態では、反応は、S−2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イル−メチル)−4−ケトグルタル酸に対して、R−2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イル−メチル)−4−ケトグルタル酸を優先的に生成する。
一部の実施形態では、多工程経路によって作製された生成物は、モナチン、その塩、およびその組合せである。
他の実施形態では、少なくとも1つのR,Rモナチン、R−Sモナチン、またはその組合せは、多工程経路において、S,S−モナチンまたはS,R−モナチンのいずれかよりも多量に生成される。一部の実施形態では、R,Rモナチンは、多工程経路において、R,S−モナチン、S,S−モナチン、およびS,R−モナチンよりも多量に生成される。
本発明は、多工程経路において、モナチン、モナチン誘導体、その塩、およびその組合せから選ばれた生成物を生成することを含む方法であって、経路における反応は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338に対して少なくとも50%の配列同一性パーセントを有する配列を含む核酸配列によってコードされた少なくとも1つのポリペプチドによって促進される方法を提供する。一部の実施形態では、配列同一性パーセントは、少なくとも95%である。他の実施形態では、配列同一性パーセントは、100%である。
本発明は、S−2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イル−メチル)−4−ケトグルタル酸に対して、R−2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イル−メチル)−4−ケトグルタル酸を優先的に生成する反応を含む方法であって、配列番号28、配列番号116、配列番号298、配列番号44、配列番号54、配列番号148、配列番号46、配列番号134、配列番号142、配列番号122、配列番号74、配列番号64、配列番号108、配列番号96、配列番号126、配列番号80、配列番号36、配列番号62、配列番号112、配列番号130、配列番号94、配列番号58、配列番号50、配列番号106、配列番号42、配列番号278、配列番号162、配列番号276、配列番号178、配列番号166、配列番号218、配列番号224、配列番号226、配列番号244、配列番号250、配列番号252、配列番号264、配列番号268、配列番号272、配列番号184、配列番号282、配列番号186、配列番号192、配列番号200、配列番号284、配列番号172、配列番号180、配列番号168、配列番号228、配列番号236、配列番号238、配列番号240、および配列番号156に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む核酸配列によってコードされた少なくとも1つのポリペプチドは、多工程経路における1つの反応を促進するために利用される方法を提供する。
本発明は、多工程経路において、モナチン、モナチン誘導体、その塩、およびその組合せから選ばれた生成物を生成することを含む方法であって、経路における反応は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338の核酸に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸配列によってコードされた少なくとも1つのポリペプチドによって促進される方法を提供する。
本発明は、さらに、多工程経路において、モナチン、モナチン前駆体、その塩、およびその組合せから選ばれた生成物を生成することを含む方法であって、経路における反応は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のアミノ酸配列またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列を含む単離または組換えポリペプチドから選ばれた1つまたは複数のポリペプチドによって促進され、上述のモナチン前駆体、その塩、およびその組合せは甘い方法を提供する。
本発明は、さらに、多工程経路において、モナチン、モナチン前駆体、その塩、およびその組合せから選ばれた生成物を生成することを含む方法であって、経路における反応は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338に対して少なくとも50%の配列同一性パーセントを有する配列を含む核酸配列によってコードされた少なくとも1つのポリペプチドによって促進され、上述のモナチン前駆体、その塩、およびその組合せは甘い方法を提供する。
本発明は、多工程経路において、モナチン、モナチン前駆体、その塩、およびその組合せから選ばれた生成物を生成することを含む方法であって、経路における反応は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338の核酸に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸配列によってコードされた少なくとも1つのポリペプチドによって促進され、上述のモナチン前駆体、その塩、およびその組合せは甘い方法を提供する。
簡潔にするために、中間体/生成物が、明細書および請求項において形成されるとして同定される(モナチン、モナチン前駆体、またはモナチン誘導体(複数可)等)ところはいかなるところでも、適用可能な場合、用語「および/またはその塩」が含まれることが理解されるべきである。言い換えれば、たとえば、句「インドール−3−ピルビン酸はMPに変換される」は、「インドール−3−ピルビン酸はMPおよび/またはその塩に変換される」と解釈されることが理解されるべきである。当業者は、実際に、示された反応条件下で中間体/生成物の塩が実際に存在することを十分に理解すると思われる。
一部の実施形態によれば、方法は、モナチンまたはモナチン誘導体組成物を生成し、組成物のモナチンまたはモナチン誘導体の成分は、モナチンまたはモナチン誘導体のR,RおよびS,Rの形態のみを含む。用語「のみ」は、ある種の異性体のみが形成されることを示すために使用される場合、経路は、ラセミ化が起こらなかった場合に、同定された異性体のみを生成するであろうということを意味する。結果的に、用語「のみ」は、他の異性体が存在しないことを意味するとみなされるべきではなく、むしろ当業者は、起こる可能性のあるラセミ化により、他の異性体形態が、相対的に少量で存在する可能性があることを理解すると思われる。一部の実施形態によれば、方法は、組成物のモナチンまたはモナチン誘導体の成分が、モナチンまたはモナチン誘導体のR,R形態のみを含む組成物を生成する(ラセミ化が起こり、他の異性体形態をもたらされる場合を除く)。
本明細書に使用されるように、句「モナチン組成物」は、モナチンの1つまたは複数の異性体を含む組成物を意味し、その用語はまた、ただ、モナチンの単一の異性体形態のみを意味することもできる。
本明細書に使用されるように、句「モナチン誘導体組成物」は、モナチン誘導体の1つまたは複数の異性体を含む組成物を意味し、その用語はまた、ただ、モナチン誘導体の単一の異性体形態のみを意味することもできる。
本明細書に使用されるように、句「モナチン誘導体」は、以下の構造を有する。
Figure 0005441417
式中、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、アミノ基、またはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、もしくはフッ素原子等のハロゲン原子から選択された任意の置換基を表す。しかしながら、R、R、R、R、およびRは、同時にすべて水素となり得ない。あるいは、RおよびRならびに/またはRおよびRは、それぞれ、一緒になってC〜Cアルキレン基を形成してもよい。
本明細書に使用されるように、「置換インドール−3−ピルビン酸」は、インドール−3−ピルビン酸のインドール環の1つまたは複数の炭素原子が、上記に定義された1つまたは複数のR、R、R、R、およびR置換基で独立して置換されることを意味する。しかしながら、R、R、R、R、およびRは、同時にすべて水素となり得ない。あるいは、RおよびRならびに/またはRおよびRは、それぞれ、一緒になってC〜Cアルキレン基を形成してもよい。
本明細書に使用されるように、「置換トリプトファン」は、トリプトファンのインドール環の1つまたは複数の炭素原子が、上記に定義された1つまたは複数のR、R、R、R、およびR置換基で独立して置換されることを意味する。しかしながら、R、R、R、R、およびRは、同時にすべて水素となり得ない。あるいは、RおよびRならびに/またはRおよびRは、それぞれ、一緒になってC〜Cアルキレン基を形成してもよい。一実施形態では、置換トリプトファンは、インドール環上に最終モナチン誘導体と同じ置換基(複数可)を含有する。
さらに、本明細書に記載されるモナチンを生成するための生合成経路は、おそらく甘いモナチン誘導体を産生するために置換トリプトファンを利用することができる。一部の実施形態において、本明細書に記載される生合成経路において使用されることになる置換トリプトファンは塩化トリプトファンおよび5−ヒドロキシトリプトファンを含む。
たとえば、R,Rモナチンに対する構造類似性を有する塩化D−トリプトファンは、栄養がない甘味料(詳細には6−クロロ−D−トリプトファン)として同定された。同様に、モナチンのハロゲン化およびヒドロキシ基置換形態は、甘いことがわかった。米国特許出願公開第2005/0118317号。D−もしくはL−トリプトファン、インドール−3−ピルビン酸、MP、またはモナチンへの続く変換に干渉することなく、詳細には、トリプトファンのインドール中のベンゼン環の1〜4位の水素をハロゲンおよびヒドロキシ基で置換可能とすることができた。置換インドールは、PLP−酵素に適した基質であることが文献において示され、置換トリプトファンを産生した。Fukuda,D.S.ら,「Production of Substituted L−Tryptophans by Fermentation」,Appl.Environ.Microbiol.,21:841−43(1971)。ハロゲンは、トリプトファンシンターゼベータサブユニット触媒メカニズムを立体的に妨害するようには思われず、エナンチオ特異性もまた損なわれていなかった。
本発明の一部の実施形態では、モナチン組成物を生成するためのプロセスが提供され、プロセスは、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸を生成すること、インドール−3−ピルビン酸から2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」または「MP」)を生成すること、およびMPからモナチンを生成することを含む。インドール−3−ピルビン酸を生成するためのL−トリプトファンの反応は、R−MP、R,Rモナチン、またはその両方よりも、L−トリプトファンに対して、大きな特異性、大きな活性、またはその両方を有する酵素によって促進される。ある種の実施形態によれば、インドール−3−ピルビン酸の反応は、R−特異的アルドラーゼ活性を有する酵素によって促進され、結果的にR−MPを生成する。ある種の実施形態によれば、ある異性体形態から他の異性体形態への、トリプトファン反応のアミノ酸副生成物のエピマー化を促進することができるラセマーゼ酵素が提供される。
本発明による一部の実施形態では、モナチン組成物を生成するプロセスが提供され、プロセスは、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸を生成すること、インドール−3−ピルビン酸から2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」または「MP」)を生成すること、およびMPからモナチンを生成することを含む。インドール−3−ピルビン酸を生成するためのL−トリプトファンの反応は、R−MP、R,Rモナチン、またはその両方よりも、L−トリプトファンに対して、大きな特異性、大きな活性、またはその両方を有する酵素によって促進され、モナチンを形成するためのMPの反応は、R−MPに立体選択的である酵素によって促進される。用語「立体選択的」は、酵素が、別の異性体にまさって、ある異性体に対して(この場合、S−MPに対するR−MPに対して)より大きな特異性、より大きな活性、またはその両方を有することを意味する。好ましい実施形態では、立体選択的酵素は、他の異性体と比較して、ある異性体に対する限られた活性を有する。「限られた」活性は、たとえば本明細書に提供される実験によって決定されるように、あまり認められないまたは認められない活性を意味する。
前項において等で一連の反応が言及される場合、本発明は、各工程が明示的に行われることを必要としないことに注目されるべきであり、工程が暗黙的に行われてもよいということで十分である。言い換えれば、たとえば、モナチン組成物を生成するためのプロセスは、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸を生成すること、インドール−3−ピルビン酸から2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」または「MP」)を生成すること、およびMPからモナチンを生成することを含み、各反応は、適切な酵素によって促進され、酵素とL−トリプトファンを組み合わせて、列挙された反応が起こり得るように条件を設定することによって行うことができる。上記の事例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸を生成するように反応することができるかもしれず、L−トリプトファンから生成されるインドール−3−ピルビン酸の反応は、MPを形成するように反応することができるかもしれず、インドール−3−ピルビン酸から生成されるMPの反応は、モナチンを形成するように反応することができるかもしれない。プロセスはまた、一例として、L−トリプトファン生成が起こるのに適した条件下で、L−トリプトファンを生成することができる化合物を提供することおよびそれらの反応が起こると思われる、適した条件下で、記載された一連の反応を促進することができる酵素とその化合物を組み合わせることによって行うこともできるかもしれない。他の例として、プロセスは、記載された経路によってモナチンを生成するように遺伝子操作された微生物を提供することおよび発酵プロセスが起こるのに適した条件を提供することによって行うことができるかもしれない。たとえば、大量のL−トリプトファンを自然に生成する微生物は、モナチンへの経路における反応を促進するために使用される1つまたは複数の酵素を生成するまたは過剰生成するように遺伝子操作することができるかもしれない、また、微生物がそれによってモナチンを生成するのに適した条件を提供することができるかもしれない。
本発明による他の実施形態では、モナチンを生成するためのプロセスが提供され、L−トリプトファンがインドール−3−ピルビン酸に変換される場合、基質は、L−アミノ酸を形成し、インドール−3−ピルビン酸がMP(好ましくはR−MPのみをまたはR−MPを顕著に含むが、R−MPおよびS−MPの両方を含むことができる)を形成するように反応し、R−MPがR,Rモナチンに変換される場合、L−アミノ酸は、基質を再生する(「再利用する」とも称される)ように反応する。R,Rモナチンを形成するためのR−MPの反応は、D−メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.41)またはD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素等の立体反転アミノトランスフェラーゼによって促進される。
本発明による他の実施形態では、モナチン組成物を生成するプロセスが提供され、プロセスは、L−トリプトファンからD−トリプトファンを生成すること、D−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸を生成すること、インドール−3−ピルビン酸からR−MPを生成すること、およびR−MPからR,Rモナチンを生成することを含む。L−トリプトファンからのD−トリプトファンの生成は、トリプトファンラセマーゼおよびその機能的等価物によって促進される。他の実施形態では、インドール−3−ピルビン酸を形成するためのD−トリプトファンの反応およびモナチンを形成するためのMPの反応は、同じ酵素によって促進される。他の実施形態では、インドール−3−ピルビン酸の反応は、R−特異的アルドラーゼ活性を有する酵素によって促進され、結果的にR−MPは、形成され、インドール−3−ピルビン酸を形成するためのD−トリプトファンの反応およびR,Rモナチンを形成するためのR−MPの反応は、同じ酵素によって促進される。
本発明による一部の実施形態では、モナチン誘導体を生成するためのプロセスが提供され、プロセスは、反応を触媒するためのR−特異的アルドラーゼ活性を有する酵素を使用して、置換インドール−3−ピルビン酸およびピルビン酸からモナチン誘導体を生成することを含む。
本発明の1つまたは複数の実施形態の細部は、添付の図面および下記の説明において記載される。本発明による他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに請求項から明らかとなるであろう。本明細書の説明から認識されるはずであるが、本発明は、本発明の精神および範囲から全く逸脱することなく、種々の実施形態において修飾ができる。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされる。
本明細書に引用されるすべての刊行物、特許、特許出願、GenBank配列、およびATCC寄託物は、すべての目的のために参照によってここに明確に組み込まれる。
図面の簡単な説明
以下の図面は、本発明の実施形態の例示的なものであり、請求項によって包含されるように本発明の範囲を限定するよう意味しない。
図1 本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための酵素プロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、R−MPに対してよりも基質としてのL−トリプトファンに対してより大きな特異性および/もしくは選択性を有する、L−トリプトファンの反応におけるL−アミノトランスフェラーゼ(例としてL−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ、L−芳香族アミノトランスフェラーゼ、L−アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、およびL−アラニンアミノトランスフェラーゼを含む)を使用することを含み、ならびに/またはプロセスは、基質としてのR,Rモナチンに対して限られた活性および/もしくは特異性を有するL−アミノ酸オキシダーゼを使用することを含む。図1に図示された特定の例では、L−アミノトランスフェラーゼまたはL−アミノ酸のオキシダーゼは、L−トリプトファンをインドール−3−ピルビン酸に変換し、インドール−3−ピルビン酸は、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)を生成するようにR−特異的アルドラーゼおよびピルビン酸と反応し、R−MPは、D−アミノトランスフェラーゼまたはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼによってR,Rモナチンに変換される。図1に示されるように、反応は、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図2 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、R−MPに立体選択性である、R−MPをモナチンに変換するための酵素を使用することを含む。図2に図示される特定の例では、トリプトファンは、可逆的反応においてインドール−3−ピルビン酸に変換されることを示される。インドール−3−ピルビン酸は、可逆的にアルファ−ケト酸モナチン(R−MPおよびS−MPの両方)を形成するように非立体特異性アルドラーゼと反応することができる。R−MPは、立体選択性D−アミノトランスフェラーゼまたは立体選択性D−アミノ酸デヒドロゲナーゼによって可逆的にR,Rモナチンに変換される。立体選択性D−アミノトランスフェラーゼまたはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼが利用される場合、非立体特異性アルドラーゼによって形成された任意のS−MPは、インドール−3−ピルビン酸に変換され戻され得る。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図3 本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、R,Rモナチンを形成する反応に対して共役する反応における基質としてのインドール−3−ピルビン酸を形成する反応に対して共役する反応において、トリプトファンラセマーゼを使用してL−トリプトファンをD−トリプトファンに変換することおよびD−アミノ酸生成物を使用することを含む。図3に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、可逆的反応においてトリプトファンラセマーゼによってD−トリプトファンに変換される。D−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびD−グルタミン酸を生成するように、アルファ−ケトグルタル酸(α−KG)および広域特異性D−アミノトランスフェラーゼと反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)を形成するように、広域特異性D−アミノトランスフェラーゼおよびD−グルタミン酸と反応する。図3に示されるように、反応のそれぞれは、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図4 本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、L−トリプトファン反応と共役する反応において形成されたL−アミノ酸をD−アミノ酸に変換することを含み、このD−アミノ酸は、R−MPがR,Rモナチンに変換される反応のためのアミノ供与体として作用する。図4に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼおよびアルファ−ケトグルタル酸と反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびアルファ−ケトグルタル酸を形成するように、広域特異性D−アミノトランスフェラーゼおよびD−グルタミン酸と反応する。図4に示されるように、反応は、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図5 本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、L−トリプトファン反応に対して共役する反応によって形成されたL−アミノ酸が、R−MPのR,Rモナチンへの反応に対して共役する反応のための基質として使用することができるように、立体反転酵素を使用して、R,RモナチンへのR−MPの変換を酵素で促進することを含んでいる。図5に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−アスパラギン酸(オキサロ酢酸が使用される場合)、L−アラニン(ピルビン酸が使用される場合)、またはL−グルタミン酸(α−KGが使用される場合)を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼおよびオキサロ酢酸、ピルビン酸、またはアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)と反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびオキサロ酢酸(L−アスパラギン酸が使用される場合)、ピルビン酸(L−アラニンが使用される場合)、またはアルファ−ケトグルタル酸(α−KG、L−グルタミン酸が使用される場合)を形成するように、立体反転アミノトランスフェラーゼおよびL−アスパラギン酸、L−アラニン、またはL−グルタミン酸と反応する。図5に示されるように、反応は、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図6 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、一連の変換反応を通して、インドール−3−ピルビン酸を形成する反応において生成されたL−アミノ酸を、R,Rモナチンを形成する反応においてR−MPとの反応物として使用されるD−アミノ酸に再利用することを含む。図6に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−アスパラギン酸を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼおよびオキサロ酢酸と可逆的に反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと可逆的様式中で反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびピルビン酸を形成するようにD−アミノトランスフェラーゼおよびD−アラニンと可逆的に反応する。L−アスパラギン酸は、アスパラギン酸4−デカルボキシラーゼを使用してL−アラニンおよびCOに変換される。L−アラニンは、アラニンラセマーゼを用いてD−アラニンに変換される。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図7 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、その反応のL−アミノ酸副生成物を他の生成物に変換することによって、L−トリプトファン反応を前に押し進めることを含む(つまり、インドール−3−ピルビン酸の生成に向けて反応を駆動する)。この例では、L−アミノ酸L−アスパラギン酸副生成物は、デカルボキシラーゼを使用して不可逆的反応においてL−アラニンに変換される。図7に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸(α−KGが使用される場合)またはL−アスパラギン酸(オキサロ酢酸が使用される場合)を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼとおよびアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)またはオキサロ酢酸と可逆的に反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと可逆的に反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換される。R−MPは、R,Rモナチンおよびオキサロ酢酸、ピルビン酸、またはα−KGのいずれかを形成するように、D−アミノトランスフェラーゼおよびD−アミノ酸と可逆的様式で反応する。L−アミノトランスフェラーゼ反応の生成物となったL−グルタミン酸またはL−アスパラギン酸は、グルタミン酸またはアスパラギン酸デカルボキシラーゼを使用して、4−アミノブタノアートおよびCO(L−グルタミン酸が基質である場合)にまたはβ−アラニンおよびCO(L−アスパラギン酸が基質である場合)に変換される。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図8 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、一連の変換反応を通して、R−MP反応のアミノ酸反応物にL−トリプトファン反応のアミノ酸副生成物を再利用することを含む。図8に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼとおよびアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)と可逆的に反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと可逆的に反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換される。R−MPは、R,Rモナチンおよびピルビン酸を形成するように、D−アミノトランスフェラーゼおよびD−アラニンと可逆的様式で反応する。L−アラニンアミノトランスフェラーゼおよびピルビン酸は、L−アミノトランスフェラーゼ反応の生成物となったL−グルタミン酸を、副産物としてのL−アラニンと共にα−KGに可逆的に変換し戻すために使用される。アラニンラセマーゼは、L−アラニンを、第3の反応、D−アミノトランスフェラーゼ反応において有用なD−アラニンに可逆的に変換する。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。
図9 コンピュータシステムのブロック図である。
図10 新しい配列およびデータベース中の配列の間の相同性レベルを決定するために新しいヌクレオチド配列またはタンパク質配列を配列のデータベースと比較するためのプロセスの一実施形態を示す流れ図である。
図11 2つの配列が相同であるかどうかを決定するためのコンピュータにおけるプロセスの一実施形態を示す流れ図である。
図12 配列中の特徴の存在を検出する、識別子プロセス300の一実施形態を示す流れ図である。
図13 LC/MS/MSによって測定される、モナチン前駆体(MP)の形成における58種の異なるアルドラーゼ(それぞれその特定の配列番号によって識別される)の活性を示す図である。
図14 LC/MS/MSによって測定される、モナチン前駆体(MP)の形成における58種の異なるアルドラーゼ(それぞれその特定の配列番号によって識別される)の活性を示す図である。
図15 配列番号88のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドによるモナチンの生成に対するジチオトレイトールの影響を示す図である。
種々の図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
多くの実施形態は、上記に記載され、かつより詳細に以下に記載される。本発明の実施形態は、1つまたは複数の記載される態様を含む。
略語および用語
用語および方法の以下の説明は、本開示をより十分に記載し、かつ本開示の実施において当業者を誘導するために提供される。本明細書に使用されるように、「含む(including)」は、「含む(comprising)」を意味する。さらに、単数形「1つの(a)」または「1つの(an)」または「その(the)」は、文脈が明らかに指定しない限り、複数の言及を含む。たとえば、「タンパク質を含む」についての言及は、1つまたは複数の上記のタンパク質を含み、「細胞を含む」についての言及は、1つまたは複数の細胞および当業者に知られている等価物についての言及を含む等とする。用語「約」は、いかなるの測定においても起こる実験誤差の範囲を包含する。特に述べられていない限り、測定数はすべて、「約」という語が明確に使用されていなくとも、それらの前に「約」という語を有するとみなされる。
保存的置換:置換がポリペプチドの活性に対して影響をほとんどまたは全く及ぼさない、ポリペプチドにおける、あるアミノ酸の他のアミノ酸への置換。置換は、交換されたアミノ酸が構造上または機能的に類似するように思われるかどうかとは無関係に保存的であると考えられる。たとえば、理想的には、1つまたは複数の保存的置換を含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼポリペプチドは、トリプトファンアミノトランスフェラーゼ活性を保持する。ポリペプチドは、たとえば、部位特異的突然変異誘発またはPCRまたは当業者に知られている他の方法等の標準の手順を使用して、そのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を操作することによって、1つまたは複数の保存的置換を含有するように生成することができる。
タンパク質における本来のアミノ酸の代わりに置換されてもよい、かつポリペプチドの活性に対してほとんどまたは全く影響を及ぼさない場合に保存的置換とみなされてもよいアミノ酸の非限定的な例は、serまたはthrで置換されたala;gln、his、またはlysで置換されたarg;glu、gln、lys、his、aspで置換されたasn;asn、glu、またはglnで置換されたasp;serまたはalaで置換されたcys;asn、glu、lys、his、asp、またはargで置換されたgln;asn、gln lys、またはaspで置換されたglu;proで置換されたgly;asn、lys、gln、arg、tyrで置換されたhis;leu、met、val、pheで置換されたile;ile、met、val、pheで置換されたleu;asn、glu、gln、his、argで置換されたlys;ile、leu、val、pheで置換されたmet;trp、tyr、met、ile、またはleuで置換されたphe;thr、alaで置換されたser;serまたはalaで置換されたthr;phe、tyrで置換されたtrp;his、phe、またはtrpで置換されたtyr;およびmet、ile、leuで置換されたval。
保存的置換についてのさらなる情報は、文献の中でも、Ben−Bassatら,(J.Bacteriol.169:751−7,1987)、O’Reganら,(Gene 77:237−51,1989)、Sahin−Tothら,(Protein Sci.3:240−7,1994)、Hochuliら,(Bio/Technology 6:1321−5,1988)、国際公開第00/67796号(Curdら)にならびに遺伝学および分子生物学の標準の教科書に見つけることができる。
由来する:明細書および請求項において、物質は、任意の1つまたは複数の以下のものが真である場合、生物または源に「由来する」:1)物質が、生物/源の中に存在する;2)物質が、天然の宿主から取り出される;または3)物質が、天然の宿主から取り出され、たとえば突然変異誘発によって進化する。
単離された:本明細書に使用される用語「単離された」は、その天然の宿主から取り出された任意の物質を指し、物質は、精製される必要がない。たとえば、「単離核酸」は、それが由来する生物の自然発生のゲノムの中で直接隣接する配列の両方(5’端の配列および3’端の配列)に直接隣接していない自然発生の核酸を指す。たとえば、単離核酸は、自然発生ゲノムにおける組換えDNA分子の直接側面に位置して見つかる核酸配列の一方が除去されるまたはないという条件で、限定されないが、任意の長さの組換えDNA分子とすることができる。したがって、単離核酸は、限定されないが、他の配列とは無関係に分離した分子(cDNAまたはPCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって生成されたゲノムDNA断片等)として存在する組換えDNAおよびベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルス等)の中にまたは原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAの中に組み込まれた組換えDNAを含む。さらに、単離核酸は、ハイブリッド核酸配列または融合核酸配列の一部である組換えDNA分子を含むことができる。
本明細書に使用されるように、用語「単離された」は、物質(本発明によるタンパク質または核酸等)が、その本来の環境(物質が自然発生の場合、自然環境等)から取り出されることを意味する。たとえば、生きている動物の中に存在する自然発生のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、自然系に共存する物質のうちのいくつかまたはすべてから分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されている。上記のポリヌクレオチドは、ベクターの一部とすることができるかもしれないおよび/または上記のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部とすることができるかもしれない、また、上記のベクターまたは組成物がその自然環境の一部ではないという点でなお単離されているとすることができるかもしれない。
核酸に関して本明細書に使用される用語「単離された」はまた、非自然発生核酸配列が、自然界に見つからず、自然発生のゲノムの中に直接隣接する配列を有していないので、任意の非自然発生核酸も含む。たとえば、操作された核酸等の非自然発生核酸は、単離核酸であると考えられる。操作された核酸は、一般の分子クローニングまたは化学的核酸合成技術を使用して作製することができる。単離非自然発生核酸は、他の配列とは無関係とすることができ、ベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルス等)、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAの中に組み込むことができる。さらに、非自然発生核酸は、ハイブリッド核酸配列または融合核酸配列の一部である核酸分子を含むことができる。
精製された:本明細書に使用される用語「精製された」は、絶対的な純度を必要としないが、相対的な用語としてむしろ意図される。したがって、たとえば、精製されたポリペプチドまたは核酸の調製物は、対象のポリペプチドもしくは核酸が、ポリペプチドもしくは核酸が生物内でその自然環境にあるよりも高い濃度でまたは取り出された環境よりも高い濃度であるものとすることができる。
ライブラリーから得られた個々の核酸は、電気泳動的な均一性に慣習的に精製された。これらのクローンから得られた配列は、ライブラリーまたは全ヒトDNAから直接得ることができなかった。本発明による精製核酸は、生物におけるゲノムDNAの残りから少なくとも10〜10倍まで精製された。一部の実施形態では、用語「精製された」は、ゲノムDNAの残りまたはライブラリーもしくは他の環境における他の配列から、一部の実施形態では、2もしくは3桁または4もしくは5桁等の少なくとも1桁まで精製された核酸を含む。
アミノ酸:本明細書に使用される「アミノ酸」または「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質配列、またはこれらのうちのいずれかの断片、部分、もしくはサブユニットおよび自然発生分子または合成分子を指す。「アミノ酸」または「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質配列、またはこれらのうちのいずれかの断片、部分、もしくはサブユニットおよび自然発生分子または合成分子を含む。本明細書に使用される用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合、つまりペプチドアイソスターによって互いにつながれたアミノ酸を指し、20種の遺伝子コードアミノ酸以外の修飾アミノ酸を含有していてもよい。ポリペプチドは、翻訳後プロセシング等の自然のプロセスによってまたは当技術分野で知られている化学的修飾技術によって修飾されてもよい。修飾は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドにおけるいかなる場所でも起こり得る。同じ種類の修飾が所与のポリペプチドにおける数種の部位に同じまたは様々な程度で存在してもよいことが十分に理解されるであろう。さらに、所与のポリペプチドは、多くの種類の修飾を有していてもよい。修飾は、アセチル化、アセチル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化、グルカン加水分解酵素プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、およびアルギニン化等の、転移RNA媒介性の、タンパク質へのアミノ酸の付加を含む(Creighton,T.E.,Proteins−Structure and Molecular Properties 2nd Ed.,W.H.Freeman and Company,New York(1993);Posttranslational Covalent Modification of Proteins,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,pp.1−12(1983)を参照されたい)。本発明によるペプチドおよびポリペプチドは、さらに、下記にさらに詳細に記載されるように、すべての「模倣体」および「ペプチド模倣体」の形態を含む。
アルドラーゼ活性を有するポリペプチド:「アルドラーゼ活性を有するポリペプチド」によって、それ自体で、または1つまたは複数の付加的なポリペプチド(同じもしくは異なる配列を有する)と関連してアルドラーゼの酵素活性を有するタンパク質であるポリペプチドが意味される。
組換え:「組換え」ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えDNA技術によって生成された、つまり、所望のポリペプチドまたはタンパク質をコードする外来性DNA構築物によって形質転換された細胞から生成されたポリペプチドまたはタンパク質を指す。「合成」ポリペプチドまたはタンパク質は、化学的合成によって調製されたものである。固相化学的ペプチド合成法もまた、本発明によるポリペプチドまたは断片を合成するために使用することができる。上記の方法は、1960年代の初めから当技術分野で知られており(Merrifield,R.B.,J.Am.Chem.Soc.,85:2149−2154,1963)(Stewart,J.M.およびYoung,J.D.,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd Ed.,Pierce Chemical Co.,Rockford,Ill.,pp.11−12もまた参照されたい))、市販で入手可能な実験ペプチド設計および合成キットで最近用いられている(Cambridge Research Biochemicals社)。上記の市販の実験キットは、H.M.Geysenら,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,81:3998(1984)の教示を一般に利用しており、すべてが単一の平板に接続された多くの「ロッド」または「ピン」の先端上でペプチドを合成するために提供される。
本質的に同一である:2つの核酸またはポリペプチドの文脈における句「本質的に同一である」は、知られている配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用してまたは目視検査によって測定されるように、比較し、最大に一致するように整列させた場合、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上等のヌクレオチドまたはアミノ酸残基(配列)同一性を有する2つ以上の配列を指す。他の実施形態では、実質的な同一性は、少なくとも約100個以上の残基の領域にわたって存在し、最も一般に、配列は、少なくとも約150〜200個以上の残基にわたって実質的に同一である。一部の実施形態では、配列は、コード領域の全長にわたって実質的に同一である。
さらに、「実質的に同一である」アミノ酸配列は、1つまたは複数の保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失、または挿入によって、参照配列と異なる配列である。一部の実施形態では、置換は、分子の活性部位ではない部位で起こるまたはその代わりに置換は、ポリペプチドがその機能的(酵素)特性を本質的に保持するという条件で、分子の活性部位である部位で起こる。保存的アミノ酸置換は、たとえば、同じクラスの他のアミノ酸の代わりにあるアミノ酸で置換する(他の疎水性アミノ酸の代わりにイソロイシン、バリン、ロイシン、もしくはメチオニン等のある疎水性アミノ酸で置換するまたは他の極性アミノ酸の代わりにある極性アミノ酸で置換する等、リシンの代わりにアルギニン、アスパラギン酸の代わりにグルタミン酸、もしくはアスパラギンの代わりにグルタミンで置換する等)。1つまたは複数のアミノ酸は、たとえば、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のアルドラーゼから欠失させ、その生物活性を著しく変えずに、ポリペプチドの構造の修飾をもたらすことができる。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの生物活性に必要ではないアミノ末端またはカルボキシル末端のアミノ酸は除去することができる。本発明による修飾ポリペプチド配列は、任意の数の方法によって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの生物活性についてアッセイすることができ、修飾ポリペプチド配列を基質と接触させること、ならびに修飾ポリペプチドがアッセイにおいて特定の基質の量を減少させるまたは基質とのHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の機能的アルドラーゼの酵素反応の生体生成物を増加させるかどうかを決定することを含む。
断片:タンパク質またはポリペプチドまたは核酸に関して本明細書に使用される「断片」は、それぞれタンパク質、ポリペプチド、または核酸の一部分である。断片は、断片が由来するより長いタンパク質、ポリペプチド、または核酸配列と同じまたは実質的に同じアミノ酸配列または核酸配列を有することができる。より長いタンパク質、ポリペプチド、または核酸比較して異なる3次元構造を有する断片も含まれる。この例は、著しくより高い活性を有する成熟酵素を生成するために開裂によって修飾することができる低活性プロタンパク質等の「プロ形態」分子である。タンパク質またはポリペプチドの断片は、タンパク質またはポリペプチドの酵素的に活性な部分とすることができる。
立体反転アミノトランスフェラーゼ:「立体反転アミノトランスフェラーゼ」は、アミノ供与体として反対のキラル基質を使用しながらキラルアミノ酸生成物(モナチン等)を優先的にまたは選択的に生成することができるポリペプチドである。たとえば、立体反転アミノトランスフェラーゼは、R,Rモナチンを生成するために基質として優先的にまたは選択的にL−グルタミン酸を使用するD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(D−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼとも呼ばれる)であってもよい。立体反転アミノトランスフェラーゼの非限定的な例は、D−メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.41)およびD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性またはD−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素を含む。
本発明は、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸活性を含むアルドラーゼを有するポリペプチド、それらをコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを作製するおよび使用する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、さらに、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ酵素、これらの酵素をコードするポリヌクレオチド、上記のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、それぞれ無修飾または未進化アルドラーゼと比較して特異的活性の増加を有するピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ等の修飾アルドラーゼまたは進化したアルドラーゼを提供する。
一部の実施形態では、3,4−置換2−ケト−グルタル酸の生成を促進する、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼが、提供される。一実施形態では、本発明は、3,4−置換2−ケト−グルタル酸を作製する方法であって、(a)限定されないが、HMGアルドラーゼおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸アルドラーゼ活性等のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)供与体化合物および受容体化合物を提供すること;および(c)アルドラーゼが、3,4−置換2−ケト−グルタル酸の合成を触媒する条件下で工程(b)の化合物と工程(a)のポリペプチドを接触させることを含み、所望により、供与体および受容体は、ピルビン酸またはピルビン酸供与体ならびにα−ケト酸受容体、ケトン、および/またはアルデヒドである方法を提供する。
本発明の他の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼは、4−置換D−グルタミン酸またはその誘導体を作製するためにD−アミノトランスフェラーゼと共に使用することができる。4−置換D−グルタミン酸および/またはその誘導体は、これらの化合物が細菌のグルタミン酸ラセマーゼを阻害することが発見されたように、抗生物質として使用することができる。一実施形態では、本発明は、4−置換D−グルタミン酸を作製する方法であって、(a)限定されないが、HMGアルドラーゼおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸アルドラーゼ活性等のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)α−ケト酸受容体およびピルビン酸またはピルビン酸供与体を提供すること、および(c)アルドラーゼが、4−置換D−グルタミン酸の合成を触媒する条件下で工程(b)の化合物と工程(a)のポリペプチドを接触させることを含み、所望により、ポリペプチドは、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ活性を有し、所望により、方法は、D−アミノトランスフェラーゼの使用をさらに含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明による酵素、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドを含む組成物(酵素調製物、食料および食料添加剤、飼料および飼料添加剤、飲料および飲料添加剤、薬剤および薬剤添加剤、ならびに食餌補給剤等)を提供する。これらの組成物は、液剤、ゲル、丸剤、錠剤、噴霧剤、フィルム、ミセル、粉剤、食料、飼料ペレット、またはナノカプセル化形態を含むカプセル化形態として等の様々な形態で製剤することができる。
ポリペプチドが、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するかどうかを決定するため等の、限定されないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性等のピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を測定するためのアッセイは当技術分野で知られており、本発明による範囲内にある。E.E.Dekker&R.P.Kitson,J.Biol.Chem.267,10507−10514,1992;Taha TS,Deits TL,Purification and characterization of 2−keto−3−deoxy−6−phosphogluconate aldolase from Azotobacter vinelandii:evidence that the enzyme is bifunctional towards 2−keto−4−hydroxy glutarate cleavage,Biochem Biophys Res Commun.1994 Apr 15;200(1):459−66;Dekker EE,Kobes RD,Grady SR,2−keto−4−hydroxyglutarate aldolase from bovine liver,Methods Enzymol.1975;42:280−5;Dekker EE,Nishihara H,Grady SR,Methods Enzymol.1975;42:285−90,2−keto−4−hydroxyglutarate aldolase from Escherichia coli;Nishihara H,Dekker EE,Biochim Biophys Acta.1969 Jul 8;185(1);255−7,A stereospecific 2−keto−4−hydroxyglutarate aldolase from Escherichia coliを参照されたい。ポリペプチドがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ活性等のアルドラーゼ活性を有するかどうかを決定するのに適したアッセイの1つの例は、実施例3に記載される。
一部の実施形態では、本発明のアルドラーゼは、たとえば約3.0〜約12.0の範囲を含む様々なpH条件で有効に使用することができる。他の実施形態では、本発明のアルドラーゼは、約pH3.0、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、または約12.0で使用することができる。酸性またはアルカリ性条件下で進められる反応条件もまた、本発明による酵素のいくつかの産業のまたは製薬の適用において等で有利となり得る。
本発明は、様々な形態および製剤の本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを提供する。本発明による方法では、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、様々な形態および製剤で使用される。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の精製アルドラーゼは、R−2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−MP)、ならびにR,RおよびS,Rモナチン等のモナチンのある種の立体異性体ならびにその塩、ならびにR,RおよびS,Rモナチン誘導体立体配置体等のモナチン誘導体のある種の立体異性体ならびにその塩の生成において採用される酵素調製物中にまたは製薬もしくは食餌補助の適用において使用することができる。その代わりに、本発明による酵素は、R−2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−MP)、ならびにR,RおよびS,Rモナチン等のモナチンのある種の立体異性体ならびにその塩、ならびにR,RおよびS,Rモナチン誘導体立体配置体等のモナチン誘導体のある種の立体異性体ならびにその塩を生成するためにプロセスにおいて直接使用し、食料、液剤、飼料等を加工することができる。
一部の実施形態では、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、当技術分野で知られている手順を使用して微生物中で発現させることができる。一部の実施形態では、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼは、本発明による方法での使用の前に固体担体上に固定化することができる。固体担体上に酵素を固定化するための方法は、当技術分野、たとえば、J.Mol.Cat.B:Enzymatic 6(1999)29−39;Chivataら Biocatalysis:Immobilized cells and enzymes,J Mol.Cat.37(1986)1−24:Sharmaら,Immobilized Biomaterials Techniques and Applications,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.21(1982)837−54:Laskin(編),Enzymes and Immobilized Cells in Biotechnologyで一般に知られている。
核酸、プローブ、および阻害性分子
本発明は、配列表等の単離組換え核酸、ポリペプチドをコードする核酸を提供し、配列表等の、本発明によるポリヌクレオチド配列を含み、本発明による核酸を含む発現ベクターおよび種々のクローニング媒介物等の発現カセットを含む。一部の実施形態では、本発明は、さらに、本発明による核酸を使用して、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼポリペプチド配列等の新しいアルドラーゼを発見、同定または単離するための方法を含む。一部の実施形態では、本発明は、さらに、本発明による核酸を使用して、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼのコード遺伝子の発現および転写物を阻害するための方法を含む。
さらに、本発明による核酸を修飾するための方法であって、合成的ライゲーション再構築、最適化された進化分子工学系、および/または遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)等の飽和突然変異誘発等によって本発明による核酸の変異体を作製することを含む方法を提供する。語「飽和突然変異誘発」、遺伝子部位飽和突然変異誘発、または「GSSM」は、下記に詳細に記載されるように、ポリヌクレオチドの中に点突然変異を導入するために縮重オリゴヌクレオチドプライマーを使用する方法を含む。用語「最適化された進化分子工学系」または「最適化された進化分子工学」は、関連する遺伝子等の関連する核酸配列の断片を再構築する方法を含み、下記に詳細に説明される。用語「合成的ライゲーション再構築」または「SLR」は、非確率的にオリゴヌクレオチド断片をライゲーションする方法を含み、下記に詳細に説明される。用語「変異体」は、1つまたは複数の塩基対、コドン、イントロン、エキソン、またはアミノ酸残基(それぞれ)で修飾された本発明によるポリヌクレオチドまたはポリペプチドを指すが、なお、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ等のアルドラーゼの生物活性を保持する。変異体は、たとえば、エラープローンPCR、シャフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、有性PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、回帰的集合突然変異誘発、指数関数的集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再構築、GSSM、およびその任意の組合せ等の方法を含む任意の数の手段によって生成することができる。
本発明による核酸は、cDNAライブラリーのクローニングおよび発現、PCRによるメッセージまたはゲノムDNAの増幅等のようなものによって作製、単離および/または操作することができる。たとえば、本発明による配列は、最初に環境源に由来するものである。したがって、一部の実施形態では、本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素コード核酸等のピルビン酸アルドラーゼコード核酸等のアルドラーゼコード核酸ならびに環境源、混合培養源、または細菌源等の一般の源に好ましくは由来する、それらによってコードされたポリペプチドを提供する。
本発明による方法の実施において、相同遺伝子は、本明細書に記載されるように、鋳型核酸を操作することによって修飾することができる。一部の実施形態では、本発明は、科学文献および特許文献において十分に記載されている、当技術分野で知られている任意の方法またはプロトコールまたはデバイスと共に実施することができる。
本明細書に使用される句「核酸」または「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはこれらのうちのいずれかの断片を、一本鎖もしくは二本鎖であってもよく、センスもしくはアンチセンス(相補)鎖を表していてもよいゲノム起源もしくは合成起源のDNAもしくはRNAを、ペプチド核酸(PNA)を、または起源が自然もしくは合成の任意のDNA様もしくはRNA様物質を指す。句「核酸」または「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはこれらのうちのいずれかの断片を、一本鎖もしくは二本鎖であってもよく、センスもしくはアンチセンス鎖を表していてもよいゲノム起源もしくは合成起源のDNAもしくはRNA(mRNA、rRNA、tRNA、iRNA等)を、ペプチド核酸(PNA)を、またはiRNA、リボ核タンパク質(二本鎖iRNA等、iRNP等)等を含む、起源が自然もしくは合成の任意のDNA様もしくはRNA様物質を含む。用語は、自然のヌクレオチドの知られている類似体を含有する核酸、つまりオリゴヌクレオチドを包含する。用語は、さらに、合成主鎖を有する核酸様構造を包含する、Mata(1997)Toxicol.Appl.Pharmacol.144:189−197;Strauss−Soukup(1997)Biochemistry 36:8692−8698;Samstag(1996)Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153−156等を参照されたい。「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成されてもよい一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2本の相補ポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかを含む。上記の合成オリゴヌクレオチドは5’リン酸を有さず、したがって、キナーゼの存在下でATPと共にリン酸を付加しない場合、他のオリゴヌクレオチドに対してライゲーションしないであろう。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていない断片に対してライゲーションすることができる。
特定のポリペプチドまたはタンパク質「のコード配列」または「をコードするヌクレオチド配列」は、適切な制御配列のコントロール下に置かれた場合、ポリペプチドまたはタンパク質に転写または翻訳することができる核酸配列である。用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の生成に関連するDNAのセグメントを意味し、用語は、コード領域に先行するおよびそれの次に続く領域(リーダーおよびトレーラー)ならびに適用可能な場合、個々のコードセグメント(エキソン)間の介在配列(イントロン)を含む。プロモーター配列は、プロモーターで転写を開始するRNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写する場合、コード配列「に作動可能に連結される」。本明細書に使用される「作動可能に連結された」は、2つ以上の核酸(DNA等)セグメントの機能的関係を指す。それは、転写配列に対する転写制御配列の機能的関係を指すことができる。たとえば、プロモーターは、プロモーターが、適切な宿主細胞または他の発現系においてコード配列の転写を刺激または調節する場合、本発明による核酸等のコード配列に作動可能に連結される。一般に、転写配列に作動可能に連結されたプロモーター転写制御配列は、転写配列に物理的に隣接する、つまり、それらはシス作用性である。しかしながら、エンハンサー等のいくつかの転写制御配列は、物理的に隣接する必要がないまたはそれらが転写を増強するコード配列の近傍に位置する必要はない。
本明細書に使用される用語「発現カセット」は、上記の配列と適合性の宿主における、構造遺伝子(つまり、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼ等のタンパク質コード配列)の発現に影響し得るヌクレオチド配列を指す。発現カセットは、ポリペプチドコード配列および所望により、転写終結シグナル等の他の配列と作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含む。エンハンサー、アルファ−因子等の、発現をもたらすのに必要なまたは役立つ付加的な因子もまた使用されてもよい。したがって、発現カセットは、さらに、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、組換え「裸のDNA」ベクターの任意の形態等を含む。「ベクター」は、細胞に感染する、形質移入する、または一過性にもしくは永久に形質導入することができる核酸を含む。ベクターは、裸の核酸またはタンパク質もしくは脂質と複合体を形成する核酸とすることができることが認識されるであろう。ベクターは、所望により、ウイルスまたは細菌の核酸および/またはタンパク質および/または膜(細胞膜、ウイルスの脂質エンベロープ等のようなもの)を含む。ベクターは、これに限定されないが、DNAの断片が結合されてもよいレプリコン(RNAレプリコン、バクテリオファージ等)を含み、複製されるようになる。したがって、ベクターは、これに限定されないが、RNA、自己複製環状または線状RNAまたはDNA(プラスミド、ウイルス等のようなもの、米国特許第5217879号を参照されたい)を含み、発現および非発現プラスミドの両方を含む。組換え微生物または細胞培養物が「発現ベクター」の宿主となるとして記載される場合、これは、染色体外の環状および線状DNAならびに宿主染色体(複数可)の中に組み込まれたDNAの両方を含む。ベクターが宿主細胞によって維持される場合、ベクターは、自律的構造物として有糸分裂の間に細胞によって安定して複製されてもよいまたは宿主のゲノム内に組み込まれてもよい。
本明細書に使用されるように、用語「組換え体」は、その自然環境において近接していない「主鎖」核酸に近接する核酸を包含する。一部の実施形態では、「豊富な」核酸となることは、核酸主鎖分子の集団における約5%以上の数の核酸挿入断片を表すこととなる。本発明による主鎖分子は、発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、統合核酸、および興味のある核酸挿入断片を維持または操作するために使用される他のベクターまたは核酸等の核酸を含む。一部の実施形態では、豊富な核酸は、組換え主鎖分子の集団における約15%以上の数の核酸挿入断片を表す。一部の実施形態では、豊富な核酸は、組換え主鎖分子の集団における約50%以上の数の核酸挿入断片を表す。一部の実施形態では、豊富な核酸は、組換え主鎖分子の集団における約90%以上の数の核酸挿入断片を表す。
本発明の一実施形態は、本発明による配列のうちの1つを含む、単離、合成、もしくは組換え核酸または本発明による核酸の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、500個、もしくはそれ以上の連続塩基を含む断片である。単離、合成、または組換え核酸は、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAを含むDNAを含んでいてもよい。DNAは、二本鎖または一本鎖であってもよく、一本鎖である場合、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であってもよい。あるいは、単離、合成、または組換え核酸は、RNAを含む。
本発明による単離、合成、または組換え核酸は、本発明によるポリペプチドのうちの1つまたは本発明によるポリペプチドのうちの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上の連続アミノ酸を含む断片を調製するために使用されてもよい。したがって、本発明の他の実施形態は、本発明によるポリペプチドのうちの1つをコードする単離、合成、もしくは組換え核酸であるまたは本発明によるポリペプチドのうちの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上の連続アミノ酸を含む断片である。これらの核酸のコード配列は、本発明による核酸のうちの1つのコード配列のうちの1つと同一であってもよいまたは遺伝コードの縮退もしくは縮重の結果として、本発明によるポリペプチドのうちの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上の連続アミノ酸を有する、本発明によるポリペプチドのうちの1つをコードする異なるコード配列であってもよい。遺伝コードは、当業者によく知られており、B.Lewin,Genes VI,Oxford University Press,1997の214頁等で得ることができる。
本発明のポリペプチドのうちの1つおよびそれに実質的に同一の配列をコードする単離核酸は、これらに限定されないが、本発明による核酸のコード配列ならびにリーダー配列またはプロタンパク質配列等の付加的なコード配列ならびにイントロンまたはコード配列の非コード配列5’および/もしくは3’等の非コード配列を含んでいてもよい。したがって、本明細書に使用されるように、用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、ポリペプチドに対するコード配列を含むポリヌクレオチドならびに付加的なコード配列および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
あるいは、本発明の核酸配列およびそれに実質的に同一の配列は、本発明によるポリヌクレオチドの中にサイレント変化を導入するために、部位特異的突然変異誘発または当業者によく知られている他の技術等の従来の技術を使用して突然変異誘発されてもよい。本明細書に使用されるように、「サイレント変化」は、たとえば、ポリヌクレオチドによってコードされたアミノ酸配列を変えない変化を含む。上記の変化は、宿主生物中で頻繁に起こるコドンまたはコドン対を導入することによって、ポリペプチドをコードするベクターを含有する宿主細胞によって生成されるポリペプチドのレベルを増加させるのに望ましい可能性がある。
本発明は、さらに、本発明によるポリペプチドにおけるアミノ酸の置換、付加、欠失、融合、および切り詰めをもたらすヌクレオチド変化を有するポリヌクレオチドに関する。上記のヌクレオチド変化は、部位特異的突然変異誘発、ランダム化学的突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIII欠失、および他の組換えDNA技術等の技術を使用して導入されてもよい。あるいは、上記のヌクレオチド変化は、本明細書に提供される高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または低ストリンジェンシーの条件下で、本発明による配列のうちの1つの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続塩基を含むプローブ(またはそれに相補的な配列)に対して特異的にハイブリダイズする核酸を同定することによって単離される自然発生の対立遺伝子変異体であってもよい。
一般的な技術
本発明を実施するために使用される核酸は、RNA、siRNA、miRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルス、またはそのハイブリッドのいずれにせよ、様々な源から単離されても、遺伝的に操作されても、増幅しても、および/または組換えで発現/産生してもよい。これらの核酸から産生された組換えポリペプチド(HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ等)は、別々に単離またはクローニングするまたは所望の活性について試験することができる。細菌、哺乳動物、酵母、昆虫、または植物の細胞の発現系を含む任意の組換え発現系を使用することができる。
あるいは、これらの核酸は、Adams(1983)J.Am.Chem.Soc.105:661;Belousov(1997)Nucleic Acids Res.25:3440−3444;Frenkel(1995)Free Radio.Biol.Med.19:373−380;Blommers(1994)Biochemistry 33:7886−7896;Narang(1979)Meth.Enzymol.68:90;Brown(1979)Meth.Enzymol.68:109;Beaucage(1981)Tetra.Lett.22:1859;米国特許第4458066号等に記載されるように、よく知られている化学的合成技術によってin vitroで合成することができる。
サブクローニング、標識プローブ(Klenowポリメラーゼを使用するランダムプライマー標識、ニックトランスレーション、増幅等)、配列決定、ハイブリダイゼーション等のような、核酸の操作のための技術は、科学文献および特許文献に十分に記載される。Sambrook編,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL(2ND ED.),Vols.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory,(1989);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,Ausubel編 John Wiley&Sons,Inc.,New York(1997);LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY;HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES,Part I.Theory and Nucleic Acid Preparation,Tijssen編 Elsevier,N.Y.(1993)を参照されたい。
本発明による方法を実施するために使用される核酸を得るおよび操作する他の有用な手段は、ゲノムの試料からクローニングし、所望の場合、ゲノムクローンまたはcDNAクローン等から単離されたまたは増幅された挿入断片をスクリーニングし、再クローニングすることである。本発明による方法で使用される核酸の源は、哺乳動物人工染色体(MACS)、米国特許第5721118号;第6025155号を参照されたい;ヒト人工染色体、Rosenfeld(1997)Nat.Genet.15:333−335を参照されたい;酵母人工染色体(YAC);細菌人工染色体(BAC);P1人工染色体、Woon(1998)Genomics 50:306−316を参照されたい;P1由来ベクター(PAC)、Kern(1997)Biotechniques 23:120−124を参照されたい;コスミド、組換えウイルス、ファージ、またはプラスミド等に含有されるゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーを含む。
一部の実施形態では、本発明によるポリペプチドをコードする核酸は、翻訳ポリペプチドまたはその断片の分泌を指示することができるリーダー配列と共に、適切な期において構築される。
本発明は、融合タンパク質およびそれらをコードする核酸を提供する。本発明によるポリペプチドは、増加した安定性または単純化された精製等の所望の特徴を与えるN末端識別ペプチド等の異種のペプチドまたはポリペプチドに融合することができる。本発明によるペプチドおよびポリペプチドは、さらに、より免疫原性のペプチドを生成するため、組換えで合成されたペプチドをより容易に単離するため、抗体および抗体発現B細胞を同定し、単離するため等のようなことのために、それに連結した1つまたは複数の付加的なドメインを有する融合タンパク質として合成し、発現させることができる。検出ならびに精製促進ドメインは、固定化金属上で精製を可能にする、ポリヒスチジントラクトおよびヒスチジン−トリプトファンモジュール等の金属キレートペプチド、固定化免疫グロブリン上で精製を可能にするプロテインAドメイン、ならびにFLAGS伸長/アフィニティー精製システム(Immunex社、シアトル WA)で利用されるドメイン等を含む。切断可能なリンカーを含むことにより、精製ドメインおよびモチーフを含むペプチドまたはポリペプチドの間にXa因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen社、カールスバード、CA)等を配列し、精製を促進する。たとえば、発現ベクターは、チオレドキシンおよびエンテロキナーゼ切断部位が後に続く6個のヒスチジン残基に連結されたエピトープをコードする核酸配列を含むことができる(Williams(1995)Biochemistry 34:1787−1797;Dobeli(1998)Protein Expr.Purif.12:404−414等を参照されたい)。ヒスチジン残基は、検出および精製を促進し、エンテロキナーゼ切断部位は、融合タンパク質の残りからエピトープを精製するための手段を提供する。融合タンパク質をコードするベクターおよび融合タンパク質の適用に関する技術は、科学文献および特許文献に十分に記載される。Kroll(1993)DNA Cell.Biol.,12:441−53等を参照されたい。
転写および翻訳コントロール配列
本発明は、RNA合成/発現を誘導または調節するために、プロモーターまたはエンハンサー等の発現(転写または翻訳等)コントロール配列(複数可)に適切に作動するように連結された本発明による核酸(DNA等)配列を提供する。発現コントロール配列は、発現ベクター中とすることができる。例示的な細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PL、およびtrpを含む。例示的な真核生物プロモーターは、CMV即時早期、HSVチミジンキナーゼ、早期および晩期SV40、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIを含む。
本明細書に使用されるように、用語「プロモーター」は、植物細胞または動物細胞等の細胞の中でコード配列の転写を駆動することができるすべての配列を含む。したがって、本発明による構築物中で使用されるプロモーターは、シス作用性転写コントロール要素および遺伝子の転写のタイミングおよび/もしくは速度の制御もしくは調節に関連する制御配列を含む。たとえば、プロモーターは、転写制御に関連するエンハンサー、プロモーター、転写ターミネーター、複製開始点、染色体統合配列、5’および3’非翻訳領域、またはイントロン配列を含むシス作用性転写コントロール要素とすることができる。これらのシス作用性配列は、転写を行う(オン/オフにする、制御する、調節する等)ためにタンパク質または他の生体分子と相互作用することができる。「構成的」プロモーターは、たいていの環境条件および発達または細胞分化の状態下で発現を継続的に駆動するものである。「誘発性」または「制御可能」プロモーターは、環境条件または発達条件の影響下で本発明による核酸の発現を指示する。誘発性プロモーターによる転写に影響する可能性のある環境条件の例は、嫌気条件、上昇した温度、乾燥、または光の存在を含む。
「組織特異的」プロモーターは、植物または動物等における特定の細胞または組織または器官においてのみ活性な転写コントロール要素である。組織特異的制御は、所与の組織に特異的なタンパク質をコードする遺伝子が発現することを確実にするある種の内在性因子によって達成されてもよい。上記の因子は、特定の組織が発達することを可能にするように哺乳動物および植物中に存在することが知られている。
細菌においてポリペプチドを発現させるのに適したプロモーターは、イー・コリlacまたはtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRプロモーター、ラムダPLプロモーター、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)等の解糖系酵素をコードするオペロンからのプロモーター、および酸性フォスファターゼプロモーターを含む。真核生物のプロモーターは、CMV即時早期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、早期および晩期SV40プロモーター、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIプロモーターを含む。原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスにおける遺伝子の発現をコントロールすることで知られている他のプロモーターもまた使用されてもよい。細菌におけるポリペプチドまたはその断片を発現させるのに適したプロモーターは、イー・コリlacまたはtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPプロモーター、ラムダPプロモーター、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)等の解糖系酵素をコードするオペロンからのプロモーター、および酸性フォスファターゼプロモーターを含む。菌類のプロモーターは、α−因子プロモーターを含む。真核生物のプロモーターは、CMV即時早期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、早期および晩期SV40プロモーター、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIプロモーターを含む。原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスにおける遺伝子の発現をコントロールすることで知られている他のプロモーターもまた使用されてもよい。
組織特異的植物プロモーター
本発明は、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを組織特異的に発現させることができる等の、組織特異的に発現することができる発現カセットを提供する。一部の実施形態では、本発明は、さらに、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを組織特異的に発現させる植物または種子を提供する。組織特異性は、種子特異的、茎特異的、葉特異的、根特異的、果実特異的等とすることができる。
用語「植物」は、全植物、植物の部分(葉、茎、花、根等のようなもの)、植物プロトプラスト、種子、および植物細胞、ならびに同じ植物の子孫を含む。本発明による方法に使用することができる植物のクラスは、被子植物(単子葉植物および双子葉植物)ならびに裸子植物を含む、形質転換技術に適用できる高等植物のクラスと同じくらい一般に広域である。それは、多倍数体、二倍体、半数体、および半接合体の状態を含む様々な多倍数性レベルの植物を含む。本明細書に使用されるように、用語「トランスジェニック植物」は、本発明による核酸および種々の組換え構築物(発現カセット等)等の異種核酸配列が挿入された植物または植物細胞を含む。
一部の実施形態では、CaMV 35Sプロモーター等の構成的プロモーターは、植物もしくは種子の特定の部分におけるまたは植物の全体にわたる発現に使用することができる。たとえば、過剰発現については、再生植物等の植物のいくつかのまたはすべての組織において核酸の発現を指示するであろう植物プロモーター断片を用いることができる。上記のプロモーターは、本明細書で「構成的」プロモーターと称され、たいていの環境条件および発達または細胞分化の状態下で活性である。構成的プロモーターの例は、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S転写開始領域、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのT−DNAに由来する1’−または2’−プロモーター、および当業者に知られている種々の植物遺伝子からの他の転写開始領域を含む。上記の遺伝子は、アラビドプシスからのACT11(Huang(1996)Plant Mol.Biot.33:125−139);アラビドプシスからのCat3(GenBank No.U43147,Zhong(1996)Mol.Gen.Genet.251:196−203);ブラシカ・ナプスからのステアロイル−アシル担体タンパク質デサチュラーゼをコードする遺伝子(Genbank No.X74782,Solocombe(1994)Plant Physiol.104:1167−1176);トウモロコシからのGPc1(GenBank No.X15596;Martinez(1989)J.Mol.Biol 208;551−565);トウモロコシからのGpc2(GenBank No.U45855,Manjunath(1997)Plant Mol.Biol.33:97−112);米国特許第4962028号;第5633440号に記載される植物プロモーター等を含む。
本発明は、トバモウイルスサブゲノムプロモーター(Kumagai(1995)Proc.Nad.Acad.Sci.USA 92:1679−1683;強力な師部特異的レポーター遺伝子発現を駆動するプロモーターを有する、感染イネ植物中の師部細胞でのみ複製するイネタングロバチルス状ウイルス(rice tungro bacilliform virus)(RTBV);維管束要素、葉肉細胞、および根端において最も高い活性を有するキャッサバ葉脈モザイクウイルス(CVMV)プロモーター(Verdaguer(1996)Plant Mol.Biol.31:1129−1139)等を含むことができる、ウイルスに由来する組織特異的プロモーターまたは構成的プロモーターを使用する。
一部の実施形態では、植物プロモーターは、特異的な組織、器官、または細胞型においてHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの発現核酸の発現を指示する(つまり組織特異的プロモーター)あるいはそうでなければより的確な環境コントロールもしくは発達コントロール下または誘発性プロモーターのコントロール下としてもよい。転写に影響する可能性のある環境条件の例は、嫌気条件、上昇した温度、光の存在、または化学物質/ホルモンでの噴霧を含む。たとえば、本発明は、トウモロコシの乾燥誘発性プロモーター(Busk(1997)前掲);ジャガイモからの低温、乾燥、および高塩濃度誘発性プロモーター(Kirch(1997)Plant Mol.Biol.33:897 909)を組み込む。
一部の実施形態では、組織特異的プロモーターは、その組織内で発達段階のある時間枠内でのみ転写を促す。アラビドプシスLEAFY遺伝子プロモーターを特徴づけるBlazquez(1998)Plant Cell 10:791−800を参照されたい。A.タリアナの花の分裂組織決定遺伝子Ap1のプロモーター領域中の保存配列モチーフを認識する転写因子SPL3を記載するCardon(1997)Plant J 12:367−77;および分裂組織プロモーターeIF4を記載するMandel(1995)Plant Molecular Biology,Vol.29,pp995−1004もまた参照されたい。特定の組織のライフサイクルの全体にわたって活性な組織特異的プロモーターを使用することができる。一部の実施形態では、本発明による核酸は、綿繊維細胞中でのみ主に活性なプロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、本発明による核酸は、Rinehart(1996)前掲により記載される等の、主に綿繊維細胞伸長の段階の間に活性なプロモーターに作動可能に連結される。核酸は、綿繊維細胞(Ibid)において優先的に発現するように、Fbl2A遺伝子プロモーターに作動可能に連結させることができる。John(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5769−5773;綿繊維特異的プロモーターおよびトランスジェニック綿植物の構築のための方法を記載するJohnら,米国特許第5608148号および第5602321号もまた参照されたい。根特異的プロモーターもまた、本発明による核酸を発現させるために使用されてもよい。根特異的プロモーターの例は、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子からのプロモーターを含む(DeLisle(1990)Int.Rev.Cytol.123:39−60)。本発明による核酸を発現させるために使用することができる他のプロモーターは、胚珠特異的、胚特異的、胚乳特異的、外皮特異的、種皮特異的プロモーター、もしくはそのいくつかの組合せ;葉特異的プロモーター(トウモロコシにおける葉特異的プロモーターを記載するBusk(1997)Plant J.11:1285 1295を参照されたい);アグロバクテリウム・リゾゲネスからのORF13プロモーター(根において高活性を呈する、Hansen(1997)前掲を参照されたい);トウモロコシ花粉特異的プロモーター(Guerrero(1990)Mol.Gen.Genet.224:161 168を参照されたい);果実熟成、老化、ならびに葉の離脱およびより程度は少ないが花の離脱の間に活性なトマトプロモーターを使用することができる(Blume(1997)Plant J.12:731 746を参照されたい);ジャガイモSK2遺伝子からの雌しべ特異的プロモーター(Ficker(1997)Plant Mol.Biol.35:425 431を参照されたい);トランスジェニックアルファルファの栄養茎頂および花茎頂の表皮組織において活性であり、活動的に成長する茎もしくは繊維の表皮層に対する外来遺伝子の発現を標的とするのに有用なツールとなるエンドウからのBlec4遺伝子、;胚珠特異的BEL1遺伝子(Reiser(1995)Cell 83:735−742を参照されたい,GenBank No.U39944);ならびに/または植物プロモーター領域が、分裂組織における高レベルの転写を付与するおよび/もしくは急速に細胞を分裂させることができることを記載するKlee,米国特許第5589583号におけるプロモーター等を含む。
一部の実施形態では、オーキシン等の植物ホルモンに対する曝露に際して誘発性である植物プロモーターは、本発明による核酸を発現させるために使用される。たとえば、本発明は、ダイズ(グリシン・マックスL.)におけるオーキシン応答要素E1プロモーター断片(AuxRE)(Liu(1997)Plant Physiol.115:397−407);オーキシン応答性アラビドプシスGST6プロモーター(サリチル酸および過酸化水素に対しても応答性である)(Chen(1996)Plant J.10:955−966);タバコからのオーキシン誘発性parCプロモーター(Sakai(1996)Plant Cell Physiol.37:906−913);植物ビオチン応答要素(Streit(1997)Mol.Plant Microbe Interact.10:933−937);ならびにストレスホルモンアブシジン酸に対して応答性のプロモーター(Sheen(1996)Science 274:1900−1902)を使用することができる。
本発明による核酸はまた、除草剤または抗生物質等の植物に適用することができる化学試薬に対する曝露に際して誘発性である植物プロモーターに作動可能に連結させることもできる。たとえば、ベンゼンスルホンアミド除草剤緩和剤によって活性化されたトウモロコシIn2−2プロモーターを使用することができ(De Veylder(1997)Plant Cell Physiol.38:568−577)、異なる除草剤緩和剤の適用は、根、排水組織、および茎頂分裂組織の発現を含む別個の遺伝子発現パターンを誘発する。コード配列は、アベナ・サティバL.(カラスムギ)アルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子を含有するトランスジェニックタバコと共に記載される等のテトラサイクリン誘発性プロモーター(Masgrau(1997)Plant J.11:465−473);またはサリチル酸応答性要素(Stange(1997)Plant J.11:1315−1324)等のコントロール下とすることができる。化学的(ホルモンまたは殺虫剤等)に誘発されたプロモーター、つまりその分野においてトランスジェニック植物に適用することができる化学物質に対して応答性のプロモーターを使用して、本発明によるポリペプチドの発現は、植物の発達の特定の段階で誘発することができる。したがって、本発明は、さらに、宿主範囲が、作物の発達の任意の段階で誘発性のトウモロコシ、イネ、オオムギ、ダイズ、トマト、コムギ、ジャガイモ、または他の作物等の標的植物種に限られる、本発明によるポリペプチドをコードする誘発性遺伝子を含有するトランスジェニック植物を提供する。
当業者は、組織特異的植物プロモーターが、標的組織以外の組織において、作動可能に連結された配列の発現を駆動する可能性があることを認識するであろう。したがって、一部の実施形態では、組織特異的プロモーターは、標的組織または標的細胞型において発現を優先的に駆動するが、さらに、同様に、他の組織におけるいくらかの発現に至る可能性があるものとする。
本発明による核酸はまた、化学試薬に対する曝露に際して誘発性の植物プロモーターに作動可能に連結させることができる。これらの試薬は、トランスジェニック植物に噴霧する等で適用することができる除草剤、合成オーキシン、または抗生物質等を含む。本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを生成する核酸の誘発性の発現は、栽培者が、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の最適なアルドラーゼの発現および/または活性を有する植物を選択することを可能にするであろう。したがって、植物の部分の発達をコントロールすることができる。このように、本発明は、植物および植物の部分の採取を促進するための手段を提供する。たとえば、種々の実施形態では、ベンゼンスルホンアミド除草剤緩和剤によって活性化されたトウモロコシIn2−2プロモーターが使用され(De Veylder(1997)Plant Cell Physiol.38:568−577)、異なる除草剤緩和剤の適用は、根、排水組織、および茎頂分裂組織の発現を含む別個の遺伝子発現パターンを誘発する。本発明によるコード配列は、さらに、アベナ・サティバL.(カラスムギ)アルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子を含有するトランスジェニックタバコと共に記載される等のテトラサイクリン誘発性プロモーター(Masgrau(1997)Plant J.11:465−473);またはサリチル酸応答性要素(Stange(1997)Plant J.11:1315−1324)等のコントロール下とする。
一部の実施形態では、ふさわしいポリペプチド発現は、コード領域の3’端にポリアデニル化領域を必要としてもよい。ポリアデニル化領域は、自然の遺伝子、様々な他の植物(もしくは動物もしくは他のもの)遺伝子に、またはアグロバクテリアT−DNAの遺伝子に由来し得る。
発現ベクターおよびクローニング媒介物
本発明は、本発明によるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼをコードする配列等の本発明による核酸を含む発現ベクターおよびクローニング媒介物を提供する。本発明による発現ベクターおよびクローニング媒介物は、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(ワクシニア、アデノウイルス、フォウルポックスウイルス、シュードラビエス、およびSV40の誘導体等)、P1ベースの人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、ならびに興味のある特定の宿主に特異的な任意の他のベクター(バチルス、アスペルギルス、および酵母等)を含むことができる。本発明によるベクターは、染色体、非染色体、および合成DNA配列を含むことができる。多くの適したベクターは、当業者に知られており、市販で入手可能である。例示的なベクターは、細菌:pQE(商標)ベクター(Qiagen社、バレンシア、CA)、pBLUESCRIPT(商標)プラスミド、pNHベクター、ラムダ−ZAPベクター(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA);ptrc99a、pKK223−3、pDR540、pRIT2T(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)、pETベクター(Novagen社、マディソン、WI);真核生物:pXT1、pSG5(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40(Pharmacia社)を含む。しかしながら、任意の他のプラスミドまたは他のベクターもまた、それらが宿主の中で複製可能であり、かつ生存可能な限り使用されてもよい。低コピー数または高コピー数のベクターが、本発明で用いられてもよい。「プラスミド」は、無制限に、市販で入手可能、公的に入手可能とすることができるまたは公開の手順に添って、入手可能なプラスミドから構築することができる。本明細書に記載されるプラスミドに対する等価プラスミドは、当技術分野で知られており、当業者にとって明らかであろう。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位、および転写ターミネーターを含むことができる。ベクターは、さらに、発現を増幅するための適切な配列を含んでいてもよい。哺乳動物発現ベクターは、複製開始点、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与体およびスプライス受容体部位、転写終結配列、ならびに5’フランキング非転写配列を含むことができる。一部の実施形態では、SV40スプライスに由来するDNA配列およびポリアデニル化部位は、必要な非転写遺伝要素を提供するために使用されてもよい。
一部の実施形態では、発現ベクターは、ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能にするために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有する。上記の選択可能なマーカーは、ジヒドロ葉還元酵素をコードする遺伝子または真核細胞培養物にネオマイシン抵抗性を付与する遺伝子、イー・コリにおいてテトラサイクリンまたはアンピシリン抵抗性を付与する遺伝子、およびS.セレビシエTRP1遺伝子を含む。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選択可能なマーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の遺伝子から選択することができる。
一部の実施形態では、真核細胞においてポリペプチドまたはその断片を発現させるためのベクターは、発現レベルを増加させるためのエンハンサーを含有する。エンハンサーは、長さが約10〜約300bpとすることができる、DNAのシス作用性要素である。それらは、その転写を増加させるためにプロモーターに作用することができる。例示的なエンハンサーは、100〜270bpの、複製起点の晩期側のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、複製起点の晩期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーを含む。
核酸配列は、様々な手順によってベクターに挿入することができる。一般的に、配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いた挿入断片およびベクターの消化の後でベクターにおける所望の位置にライゲーションされる。あるいは、挿入断片およびベクターの両方における平滑端がライゲーションされてもよい。様々なクローニング技術は、Ausubelら Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.1997およびSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)等に記載されるように当技術分野で知られている。上記の手順および他の手順は、当業者の範囲内であると考えられる。
ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、またはファージの形態とすることができる。他のベクターは、染色体、非染色体、および合成DNA配列、SV40の誘導体;細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組合せに由来するベクター、ワクシニア、アデノウイルス、フォウルポックスウイルス、およびシュードラビエス等のウイルスDNAを含む。原核生物および真核生物の宿主を用いた使用のための様々なクローニングベクターおよび発現ベクターは、Sambrook等によって記載される。
使用することができる特定の細菌ベクターは、よく知られているクローニングベクターpBR322(ATCC37017)、pKK223−3(Pharmacia Fine Chemicals社、ウプサラ、スウェーデン)、GEM1(Promega Biotec社、マディソン、WI、米国)pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen社、バレンシア、CA)、pD10、psiX174 pBLUESCRIPT II KS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)、ptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、DR540、pRIT5(Pharmacia社)、pKK232−8、pET(Novagen社、マディソン、WI)、およびpCM7の遺伝要素を含む市販で入手可能なプラスミドを含む。特定の真核生物ベクターは、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)pSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL(Pharmacia社)を含む。しかしながら、任意の他のベクターもまた、それが宿主細胞の中で複製可能であり、かつ生存可能な限り使用されてもよい。
本発明による核酸は、発現カセット、ベクター、またはウイルスの中で発現させることができ、一過性にまたは安定して植物細胞および種子の中で発現させることができる。1つの例示的な一過性発現系は、スーパーコイルDNAを含有するエピソームミニ染色体の転写によって核中に産生されたカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)ウイルスRNA等のエピソーム発現系を使用する。Covey(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1633−1637を参照されたい。あるいは、コード配列、つまり、本発明による配列のすべてまたは細断片は、植物宿主細胞ゲノムに挿入することができ、宿主染色体DNAの不可欠な部分になる。センスまたはアンチセンスの転写物は、このように発現させることができる。本発明による核酸からの配列(プロモーターまたはコード領域等)を含むベクターは、植物細胞または種子に選択可能な表現型を付与するマーカー遺伝子を含むことができる。たとえば、マーカーは、カナマイシン、G418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンに対する抵抗性等の抗生物質抵抗性またはクロロスルフロンもしくはBastaに対する抵抗性等の除草剤抵抗性等の殺生物剤抵抗性をコードしてもよい。
植物の中で核酸およびタンパク質を発現させることができる発現ベクターは、当技術分野でよく知られており、アグロバクテリウム種ジャガイモウイルスX(Angell(1997)EMBO J.16:3675−3684を参照されたい)、タバコモザイクウイルス(Casper(1996)Gene 173:69−73を参照されたい)、トマトブッシースタントウイルス(Hillman(1989)Virology 169:42−50を参照されたい)、タバコエッチウイルス(Dolja(1997)Virology 234:243−252を参照されたい)、ビーンゴールデンモザイクウイルス(Morinaga(1993)Microbiol Immunol.37:471−476を参照されたい)、カリフラワーモザイクウイルス(Cecchini(1997)Mol.Plant Microbe Interact.10:1094−1101を参照されたい)、トウモロコシAc/D転移要素(Rubin(1997)Mol.Cell. Biol.17:6294−6302;Kunze(1996)Curr.Top.Microbiol.Immunol.204:161−194を参照されたい)、およびトウモロコシサプレッサーミューテーター(Spm)転移要素(Schlappi(1996)Plant Mol.Biol.32:717−725を参照されたい);およびその誘導体からのベクター等を含むことができる。
一部の実施形態では、発現ベクターは、2つの生物において、たとえば発現のために哺乳動物においてまたは昆虫細胞においてならびにクローニングおよび増幅ための原核生物宿主において、発現ベクターを維持することを可能にするために2つの複製系を有することができる。さらに、発現ベクターを統合するために、発現ベクターは、宿主細胞ゲノムに対して相同な少なくとも1つの配列を含有することができる。発現ベクターは、発現構築物の側面に位置する2つの相同配列を含有することができる。統合ベクターは、ベクターの中の、包含に適切な相同配列を選択することによって、宿主細胞における特異的座に向けることができる。ベクターを統合するための構築物は、当技術分野でよく知られている。
本発明による発現ベクターは、さらに、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、およびテトラサイクリン等の薬剤に対して細菌を抵抗性にする遺伝子等の、形質転換された細菌株の選択を可能にするための選択可能なマーカー遺伝子を含んでいてもよい。選択可能なマーカーは、さらに、ヒスチジン、トリプトファン、およびロイシンの生合成経路における生合成遺伝子等の生合成遺伝子を含むことができる。
発現ベクターにおけるDNA配列は、RNA合成を指示するために適切な発現コントロール配列(複数可)(プロモーター)に適切に作動するように連結される。特定の命名された細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダP、P、およびtrpを含む。真核生物プロモーターは、CMV即時早期、HSVチミジンキナーゼ、早期および晩期SV40、レトロウイルスからのLTR、ならびにマウスメタロチオネインIを含む。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に、当業者のレベルの範囲内である。発現ベクターは、さらに、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含有する。ベクターは、さらに、発現を増幅するための適切な配列を含んでいてもよい。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選択可能なマーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の遺伝子から選択することができる。さらに、一部の実施形態における発現ベクターは、真核細胞培養物に対するジヒドロ葉還元酵素もしくはネオマイシン抵抗性等またはイー・コリにおけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン抵抗性等の、形質転換された宿主細胞の選択のための表現型の形質を提供するために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有する。
哺乳動物発現ベクターは、さらに、複製開始点、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与体およびスプライス受容体部位、転写終結配列、ならびに5’フランキング非転写配列を含んでいてもよい。一部の実施形態では、SV40スプライスに由来するDNA配列およびポリアデニル化部位は、必要な非転写遺伝要素を提供するために使用されてもよい。
真核細胞におけるポリペプチドまたはその断片を発現させるためのベクターは、さらに、発現レベルを増加させるためのエンハンサーを含有していてもよい。エンハンサーは、その転写を増加させるためにプロモーターに作用することができる、長さが普通約10〜約300の、DNAのシス作用性要素である。例として、100〜270bpの、複製起点の晩期側のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、複製起点の晩期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーを含む。
さらに、発現ベクターは、ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能にするために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有することができる。上記の選択可能なマーカーは、ジヒドロ葉還元酵素をコードする遺伝子または真核細胞培養物にネオマイシン抵抗性を付与する遺伝子、イー・コリにおいてテトラサイクリンまたはアンピシリン抵抗性を付与する遺伝子、およびS.セレビシエTRP1遺伝子を含む。
一部の実施形態では、本発明によるポリペプチドのうちの1つおよびそれに実質的に同一の配列または少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片をコードする核酸は、翻訳ポリペプチドまたはその断片の分泌を指示することができるリーダー配列と共に、適切な期において構築される。一部の実施形態では、核酸は、融合ポリペプチドをコードすることができる。本発明によるポリペプチドのうちの1つまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片は、増加した安定性または単純化された精製等の所望の特徴を与えるN末端識別ペプチド等の異種のペプチドまたはポリペプチドに融合することができる。
適切なDNA配列は、様々な手順によってベクターに挿入されてもよい。一般的に、DNA配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いた挿入断片およびベクターの消化の後でベクターにおける所望の位置にライゲーションされる。あるいは、挿入断片およびベクターの両方における平滑端がライゲーションされてもよい。様々なクローニング技術は、Ausubelら Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.1997およびSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に開示される。上記の手順および他の手順は、当業者の範囲内であると考えられる。
ベクターは、たとえば、プラスミド、ウイルス粒子、またはファージの形態としてもよい。他のベクターは、染色体、非染色体、および合成DNA配列、SV40の誘導体;細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組合せに由来するベクター、ワクシニア、アデノウイルス、フォウルポックスウイルス、およびシュードラビエス等のウイルスDNAを含む。原核生物および真核生物の宿主を用いた使用のための様々なクローニングベクターおよび発現ベクターはSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1989)、によって記載される。
宿主細胞および形質転換細胞
本発明は、さらに、本発明によるピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼをコードする配列等の、本発明による核酸配列を含む形質転換細胞または本発明によるベクターを提供する。宿主細胞は、細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または植物細胞等の原核細胞、真核細胞を含む、当業者によく知られている宿主細胞のいずれかであってもよい。例示的な細菌細胞は、イー・コリ、バチルス・スブチリス、シュードモナス・フルオレッセンス、バチルス・セレウス、またはサルモネラ・チフィリウムを含む、ストレプトマイセス、スタフィロコッカス、シュードモナス、またはバチルスの任意の種を含む。例示的な菌類細胞は、アスペルギルスの任意の種を含む。例示的な酵母細胞は、ピキア・パストリス、サッカロマイセス・セレビシエ、またはシゾサッカロミセス・ポンベを含む、ピチア、サッカロマイセス、シゾサッカロミセス、またはシュワンニオマイセスの任意の種を含む。例示的な昆虫細胞は、ドロソフィラS2およびスポドプテラSf9を含む、スポドプテラまたはドロソフィラの任意の種を含む。例示的な動物細胞は、CHO、COS、もしくはBowesメラノーマまたは任意のマウスもしくはヒト細胞系を含む。適切な宿主の選択は、当業者の能力の範囲内にある。種々様々の高等植物種を形質転換するための技術は、よく知られており、技術文献および科学文献に記載される。Weising(1988)Ann.Rev.Genet.22:421−477;米国特許第5750870号を参照されたい。
ベクターは、形質転換、形質移入、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃、またはTi媒介性遺伝子移入を含む様々な技術のうちのいずれかを使用して、宿主細胞の中に導入することができる。特定の方法は、リン酸カルシウム形質移入、DEAB−Dextran媒介性形質移入、リポフェクション、またはエレクトロポレーションを含む(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,I,Basic Methods in Molecular Biology,(1986))。
一部の実施形態では、本発明による核酸またはベクターは、スクリーニングのために細胞の中に導入され、したがって、核酸は、核酸の続く発現に適した様式で細胞に入る。導入の方法は、大部分は、標的細胞型によって指定される。例示的な方法は、CaPO沈殿、リポソーム融合、リポフェクション(LIPOFECTIN(商標)等)、エレクトロポレーション、ウイルス感染等を含む。候補核酸は、宿主細胞のゲノムの中に安定して統合してもよい(たとえばレトロウイルスの導入を用いて)または細胞質中に一過性にもしくは安定して存在してもよい(つまり、標準の制御配列、選択マーカー等を利用し、伝統的なプラスミドの使用を通して)。多くの薬学的に重要なスクリーニングが、ヒトまたはモデル哺乳動物の細胞標的を必要とするので、上記の標的に形質移入することができるレトロウイルスベクターを使用することができる。
適切な場合、操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化する、形質転換体を選択する、または本発明による遺伝子を増幅するのに適切なように修飾された従来の培養液の中で培養することができる。適した宿主株の形質転換および適切な細胞密度までの宿主株の成長の後で、選択されたプロモーターは、適切な手段(温度シフトまたは化学的誘発等)によって誘発されてもよく、細胞は、それらが、所望のポリペプチドまたはその断片を生成することを可能にするために付加的な期間、培養されてもよい。
細胞は、遠心分離によって採取し、物理的または化学的手段によって破壊することができ、結果として生じた粗抽出物は、さらなる精製のために保持される。タンパク質の発現のために用いられた微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的な破壊、または細胞溶解作用物質の使用を含む任意の好都合な方法によって破壊することができる。上記の方法は、当業者によく知られている。発現したポリペプチドまたはその断片は、硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む方法によって組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。タンパク質リフォールディング工程は、ポリペプチドの立体配置を完成させるのに、必要なときに使用することができる。所望の場合、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、最終の精製工程に用いることができる。
宿主細胞における構築物は、組換え配列によってコードされた遺伝子産物を生成するための従来の様式で使用することができる。組換え生成手順において用いられる宿主に依存して、ベクターを含有する宿主細胞によって生成されたポリペプチドは、グリコシル化してもよくまたはグリコシル化しなくてもよい。本発明によるポリペプチドは、さらに、開始メチオニンアミノ酸残基を含んでいてもよくまたは含んでいなくてもよい。
無細胞翻訳系もまた、本発明によるポリペプチドを生成するために用いることができる。無細胞翻訳系は、ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを使用することができる。一部の実施形態では、DNA構築物は、in vitro転写反応を進める前に線状にしてもよい。次いで、転写mRNAは、所望のポリペプチドまたはその断片を生成するために、ウサギ網状赤血球抽出物等の適切な無細胞翻訳抽出物と共にインキュベートされる。
発現ベクターは、真核細胞培養物に対するジヒドロ葉還元酵素もしくはネオマイシン抵抗性等またはイー・コリにおけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン抵抗性等の、形質転換された宿主細胞の選択のための表現型の形質を提供するために1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有することができる。
本発明による核酸等の興味のあるポリヌクレオチドを含有する宿主細胞は、プロモーターを活性化する、形質転換体を選択する、または遺伝子を増幅するのに適切なように修飾された従来の培養液の中で培養することができる。温度、pH等のような培養条件は、発現について選択した宿主細胞で先に使用されたものであり、当業者にとって明らかであろう。次いで、特定の酵素活性を有するとして同定されたクローンは、増強された活性を有する酵素をコードするポリヌクレオチド配列を同定するために配列決定されてもよい。
本発明は、細胞中で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼポリペプチド等のピルビン酸アルドラーゼ等の組換えアルドラーゼを過剰発現させる方法であって、少なくとも約100個の残基の領域にわたり本発明による配列に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有する核酸配列を含む核酸等の本発明による核酸を含むベクターを発現させることを含み、配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いたもしくは目視検査による分析または本発明による核酸配列もしくはその部分配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によって決定される。過剰発現は、高活性プロモーター、ジシストロニックベクターの使用等の任意の手段によってまたはベクターの遺伝子増幅によってもたらすことができる。
本発明による核酸は、任意のin vitroまたはin vivo発現系で発現させるまたは過剰発現させることができる。細菌、昆虫、酵母、菌類、または哺乳動物培養を含む任意の細胞培養系が、組換えタンパク質を発現または過剰発現させるために用いることができる。過剰発現は、プロモーター、エンハンサー、ベクター(レプリコンベクター、ジシストロニックベクターの使用等(Gurtu(1996)Biochem.Biophys.Res.Commun.229:295−8を参照されたい)、培地、培養系等を適切に選ぶことよってもたらすことができる。一部の実施形態では、細胞系における、グルタミンシンテターゼ等の選択マーカーを使用する遺伝子増幅(Sanders(1987)Dev.Biol.Stand.66:55−63を参照されたい)は、本発明によるポリペプチドを過剰発現させるために使用される。
このアプローチに関する付加的な詳細については、公的な文献にあるおよび/または当業者に知られている。特定の非限定的な例示である上記の公的に入手可能な文献は、EP0659215(国際公開第9403612A1号)(Nevalainenら);Lapidot,A.,Mechaly,A.,Shoham,Y.,「Overexpression and single−step purification of a thermostable xylanase from Bacillus stearothermophilus T−6」,J.Biotechnol.Nov 51:259−64(1996);Luthi,E.,Jasmat,N.B.,Bergquist,P.L.,「Xylanase from the extremely thermophilic bacterium Caldocellum saccharolyticum:overexpression of the gene in Escherichia coli and characterization of the gene product」,Appl.Environ.Microbiol.Sep 56:2677−83(1990);およびSung,W.L.,Luk,C.K.,Zahab,D.M.,Wakarchuk,W.,「Overexpression of the Bacillus subtilis and circulans xylanases in Escherichia coli」,Protein Expr.Purif Jun 4:200−6(1993)を含むが、これらの参考文献は、本願の発明の酵素を教示しない。
宿主細胞は、原核細胞、真核細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または植物細胞を含む、当業者によく知られている宿主細胞のいずれかであってもよい。適切な宿主の代表的な例として、次のものが述べられてもよい:イー・コリ、ストレプトマイセス、バチルス・スブチリス、バチルス・セレウス、サルモネラ・チフィリウム、ならびにシュードモナス属、ストレプトマイセス属、およびスタフィロコッカス属内の種々の種等の細菌細胞、アスペルギルス等の菌類細胞、ピキア・パストリス、サッカロマイセス・セレビシエ、またはシゾサッカロミセス・ポンベを含むピチア、サッカロマイセス、シゾサッカロミセス、シュワンニオマイセスの任意の種等の酵母、ドロソフィラS2およびスポドプテラSf9等の昆虫細胞、CHO、COS、またはBowesメラノーマ等の動物細胞、ならびにアデノウイルス。適切な宿主の選択は、当業者の能力の範囲内にある。
ベクターは、形質転換、形質移入、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃、またはTi媒介性遺伝子移入を含む様々な技術のうちのいずれかを使用して、宿主細胞の中に導入してもよい。特定の方法は、リン酸カルシウム形質移入、DEAR−Dextran媒介性形質移入、リポフェクション、またはエレクトロポレーションを含む(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,L,Basic Methods in Molecular Biology,(1986))。
適切な場合、操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化する、形質転換体を選択する、または本発明による遺伝子を増幅するのに適切なように修飾された従来の培養液の中で培養することができる。適した宿主株の形質転換および適切な細胞密度までの宿主株の成長の後で、選択されたプロモーターは、適切な手段(温度シフトまたは化学的誘発等)によって誘発されてもよく、細胞は、それらが、所望のポリペプチドまたはその断片を生成することを可能にするために付加的な期間、培養されてもよい。
細胞は、遠心分離によって採取し、物理的または化学的手段によって破壊することができ、結果として生じた粗抽出物は、さらなる精製のために保持される。タンパク質の発現のために用いられた微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的な破壊、または細胞溶解作用物質の使用を含む任意の好都合な方法によって破壊することができる。上記の方法は、当業者によく知られている。発現したポリペプチドまたはその断片は、硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む方法によって組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。タンパク質リフォールディング工程は、ポリペプチドの立体配置を完成させるのに、必要なときに使用することができる。所望の場合、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、最終の精製工程に用いることができる。
種々の哺乳動物細胞培養系もまた、組換えタンパク質を発現させるために用いることができる。哺乳動物発現系の例は、サル腎臓線維芽細胞のCOS−7系(Gluzman,Cell,23:175,1981により記載される)ならびにC127、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞系等の、適合性のベクターからタンパク質を発現させることができる他の細胞系を含む。
宿主細胞における構築物は、組換え配列によってコードされた遺伝子産物を生成するための従来の様式で使用することができる。組換え生成手順において用いられる宿主に依存して、ベクターを含有する宿主細胞によって生成されたポリペプチドは、グリコシル化してもよくまたはグリコシル化しなくてもよい。本発明によるポリペプチドは、さらに、開始メチオニンアミノ酸残基を含んでいてもよくまたは含んでいなくてもよい。
あるいは、本発明によるポリペプチドまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片は、下記に論じられる等の従来のペプチドシンセサイザーによって合成して生成することができる。他の実施形態では、ポリペプチドの断片または部分は、ペプチド合成によって対応する完全長ポリペプチドを生成するために用いられてもよい。したがって、断片は、完全長ポリペプチドを生成するための中間体として用いられてもよい。
無細胞翻訳系もまた、ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを使用して、本発明によるポリペプチドのうちの1つまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150個、もしくはそれ以上のその連続アミノ酸を含む断片を生成するために用いることができる。一部の実施形態では、DNA構築物は、in vitro転写反応を進める前に線状にしてもよい。次いで、転写mRNAは、所望のポリペプチドまたはその断片を生成するために、ウサギ網状赤血球抽出物等の適切な無細胞翻訳抽出物と共にインキュベートされる。
核酸の増幅
本発明の実施において、本発明による核酸ならびに本発明によるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼをコードする核酸または本発明による修飾核酸は、PCR等の増幅によって再生成することができる。増幅もまた、本発明による核酸をクローニングまたは修飾するために使用することができる。したがって、本発明は、本発明による核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。当業者は、任意の部分のまたは完全長のこれらの配列に対する増幅プライマー配列対を設計することができる。
一部の実施形態では、本発明は、最初(5’)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、本発明による核酸の残基および最初(5’)の約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、相補鎖の残基として記載されるプライマー対等の本発明による増幅プライマー対によって増幅された核酸を提供する。一部の実施形態では、本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供し、プライマー対は、本発明による配列を含む核酸またはその断片もしくは部分配列を増幅することができる。増幅プライマー配列対の一方のメンバーまたは各メンバーは、少なくとも約10〜50個もしくはそれ以上の、配列の連続塩基または約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、もしくはそれ以上の、配列の連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。一部の実施形態では、本発明は、増幅プライマー対を提供し、プライマー対は、最初(5’)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、本発明による核酸の残基によって記載される配列を有する第1のメンバーおよび最初(5’)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれ以上の、第1のメンバーの相補鎖の残基によって記載される配列を有する第2のメンバーを含む。
本発明は、本発明による増幅プライマー対を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の増幅によって産生されたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明による増幅プライマー対を使用して、PCR等の増幅によって、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ、および/またはKHGアルドラーゼ酵素等のアルドラーゼを作製する方法を提供する。一部の実施形態では、増幅プライマー対は、環境ライブラリー等の遺伝子ライブラリー等のライブラリーからの核酸を増幅する。
増幅反応はまた、試料中の核酸の量(細胞試料中のメッセージの量等)を定量する、核酸を標識する(アレイもしくはブロットに核酸をかける等)、核酸を検出する、または試料中の特定の核酸の量を定量するために使用することができる。本発明の一部の実施形態では、細胞またはcDNAライブラリーから単離されたメッセージは、増幅される。
当業者は、適したオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択し、設計することができる。増幅法もまた、当技術分野でよく知られており、ポリメラーゼ連鎖反応、PCR(PCR PROTOCOLS,A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS,ed.Innis,Academic Press, N.Y.(1990)and PCR STRATEGIES(1995),ed.Innis,Academic Press,Inc.,N.Y.を参照されたい、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu(1989)Genomics 4:560;Landegren(1988)Science 241:1077;Barringer(1990)Gene 89:117を参照されたい);転写増幅(Kwoh(1989)Proc,Natl.Acad.Sci.USA 86:1173を参照されたい);および自家持続配列複製法(Guatelli(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874を参照されたい);Qベータレプリカーゼ増幅(Smith(1997)J.Clin.Microbiol.35:1477−1491を参照されたい)、自動Qベータレプリカーゼ増幅アッセイ(Burg(1996)Mol.Cell.Probes 10:257−271を参照されたい)、ならびに他のRNAポリメラーゼ媒介性の技術(NASBA等、Cangene社、ミシソーガ、オンタリオ)等を含む。Berger(1987)Methods Enzymol.152:307−316;Ausubelら Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.1997、およびSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)、米国特許第4683195号および第4683202号;Sooknanan(1995)Biotechnology 13:563−564もまた参照されたい。
核酸およびポリペプチドにおける配列同一性の決定
本発明は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%)配列同一性を(相同性)、本発明による核酸(配列表を参照)に対して、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれ以上の残基にわたって有する配列を含む核酸を提供する。一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%)配列同一性を、本発明によるポリペプチド(配列表を参照)に対して有する配列を含むポリペプチドを提供する。配列同一性(相同性)の程度は、デフォルトパラメータを有するBLAST2.2.2またはFASTAバージョン3.0t78等の本明細書に記載されるものを含む、任意のコンピュータプログラムおよび関連するパラメータを使用して決定されてもよい。
本発明による核酸配列は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、500個、またはそれ以上の、本発明による配列の連続ヌクレオチドおよびそれに実質的に同一の配列を含むことができる。本発明による核酸配列の相同配列および断片は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の、これらの配列に対する配列同一性(相同性)を有する配列を指すことができる。相同性(配列同一性)は、デフォルトパラメータを有するFASTAバージョン3.0t78を含む、本明細書に記載されるコンピュータプログラムおよびパラメータのいずれかを使用して決定されてもよい。相同配列は、さらに、ウリジンを、本発明による核酸配列中のチミンと交換するRNA配列を含む。相同配列は、本明細書に記載される手順のいずれかを使用して得られてもよいまたは配列決定エラーの補正の結果として生じてもよい。本発明による核酸配列は、伝統的な単一文字形式(Stryer,Lubert.Biochemistry,3rd Ed.,W.H Freeman&Co.,New York.の裏表紙を参照されたい)でまたは配列中のヌクレオチドの識別を示す任意の他の形式で表すことができることが十分に理解されるであろう。
一部の実施形態では、本明細書に認定された配列比較プログラムは、本発明による本態様において、つまり、核酸またはポリペプチド配列が本発明による範囲内にあるかどうか決定するために使用される。しかしながら、タンパク質および/または核酸配列同一性(相同性)は、任意の配列比較アルゴリズムまたは当技術分野で知られているプログラムを使用して評価されてもよい。上記のアルゴリズムおよびプログラムは、決してこれらに限定されないが、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、およびCLUSTALWを含む(Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(8):2444−2448,1988;Altschulら,J.Mol.Biol.215(3):403−410,1990;Thompson Nucleic Acids Res.22(2):4673−4680,1994;Higginsら,Methods Enzymol.266:383−402,1996;Altschulら,J.Mol.Biol.215(3):403−410,1990;Altschulら,Nature Genetics 3:266−272,1993を参照されたい)。
一部の実施形態では、相同性または同一性は、配列分析ソフトウェアを使用して測定される(Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center,1710 University Avenue,Madison,WI 53705のSequence Analysis Software Package等)。上記のソフトウェアは、種々の欠失、置換、および他の修飾に対して、相同性の程度を指定することによって類似する配列をマッチさせる。一部の実施形態では、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における用語「相同性」および「同一性」は、任意の数の配列比較アルゴリズムを使用してまたは手動のアラインメントおよび目視検査によって測定されるように、比較ウィンドウまたは指定領域にわたって、比較し、最大に一致するように整列させた場合、同じであるまたは特定の百分率の同じであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する2つ以上の配列または部分配列を指す。一部の実施形態では、配列比較については、一方の配列は、試験配列と比較される参照配列として働く。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列は、コンピュータに入力され、必要であれば部分配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。デフォルトプログラムパラメータを使用することができるまたは代替パラメータを指定することができる。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づき、参照配列と比較した試験配列についての配列同一性パーセントを算出する。
「比較ウィンドウ」は、本明細書に使用されるように、20〜600、普通約50〜約200、より普通では約100〜約150からなる群から選択された隣接する位置の数のうちのいずれか1つのセグメントへの参照を含み、配列は、2つの配列が最適に整列された後、同じ数の隣接する位置の参照配列と比較されてもよい。比較のための配列のアラインメントの方法は、当技術分野でよく知られている。比較のための配列の最適なアラインメントは、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482,1981の局所的相同性アルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol 48:443,1970の相同性アラインメントアルゴリズムによって、person&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444,1988の類似性についての検索の方法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ化の実現によって、(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または手動のアラインメントおよび目視検査によって等で進めることができる。相同性または同一性を決定するための他のアルゴリズムは、たとえば、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)に加えて、ALIGN、AMAS(Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS(Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET(Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN(Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS(BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals&Points、BMB、CLUSTAL V、CLUSTAL W、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith−Waterman algorithm、DARWIN、Las Vegas algorithm、FNAT(Forced Nucleotide Alignment Tool)、Framealign、Framesearch、DYNAMIC、FILTER、FSAP(Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP(Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC(Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN(Local Sequence Alignment)、LCP(Local Content Program)、MACAW(Multiple Alignment Construction&Analysis Workbench)、MAP(Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA(Pattern−Induced Multi−sequence Alignment)、SAGA(Sequence Alignment by Genetic Algorithm)、およびWHAT−IFを含む。上記のアラインメントプログラムは、さらに、実質的に同一の配列を有するポリヌクレオチド配列を同定するために、ゲノムデータベースをスクリーニングするために使用することができる。たとえば、多くのゲノムデータベースは入手可能であり、たとえば、ヒトゲノムの実質的な部分はHuman Genome Sequencing Projectの一環として入手可能である(Gibbs,1995)。たとえば、M.ゲニタリウム(Fraserら,Science 270:397−403(1995))、M.ジャナスキイ(jannaschii)(Bultら,Science 23:1058−73(1996))、H.インフルエンザ(Fleischmannら,Science 269:496−512(1995))、イー・コリ(Blattnerら,Science 277:1453−74(1997))、および酵母(S.セレビシエ)(Mewesら,Nature 387:7−65(1997))、ならびにキイロショウジョウバエ(Adamsら,Science 287:2185−95(2000))を含む、少なくとも21個の他のゲノムが既に配列決定されている。マウス、線虫、およびアラバドプシス(Arabadopsis)種等のモデル生物のゲノムの配列決定もまた著しく進歩した。いくらかの機能的な情報が注釈されたゲノムの情報を含有する数種のデータベースは、異なる組織によって維持され、インターネットを介して利用可能である可能性がある。
一部の実施形態では、BLASTおよびBLAST2.0のアルゴリズムが使用され、それらは、Altschulら,Nuc.Acids Res.25:3389−3402,1977およびAltschulら,J.Mol.Biol.215:403−410,1990にそれぞれ記載される。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通して公的に入手可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインメントした場合に、いくつかの正の値の閾値スコアTとマッチするまたはこれを満たす、クエリー配列中の長さWの短いワードを識別することにより、高スコアリング配列対(HSP)を識別することを含む。Tは、近隣ワードスコア閾値と称される(Altschulら,前掲)。これら最初の近隣ワードのヒットは、それらを含むより長いHSPを見つけるための検索を開始するシードとして働く。ワードヒットは、累積アラインメントスコアを増加することができる限り、各配列に沿って両方向に延長させる。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(マッチする残基対の報酬スコア;常に>0)を用いて算出する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスが、累積スコアを算出するために使用される。各方向のワードヒットの延長は、累積アラインメントスコアが、その最大達成値から量Xだけ降下した場合;1つまたは複数の負のスコア残基アラインメントの蓄積により、累積スコアが、0以下に達した場合;またはいずれかの配列の端に到達した場合に停止する。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長3および期待値(E)10ならびにBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915,1989を参照されたい)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、さらに、2つの配列の間の類似性の統計的分析を行う(Karlin&Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873,1993を参照されたい)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの基準は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間のマッチが偶然に起こると思われる確率の指標を提供する。たとえば、参照核酸に対する試験核酸の比較において、最小合計確率が約0.2未満、一部の実施形態では約0.01未満、他の実施形態では約0.001未満であれば、核酸は、参照配列に類似していると考えられる。
一部の実施形態では、タンパク質および核酸配列相同性は、Basic Local Alignment Search Tool(「BLAST」)を使用して評価される。特に、5つの特定のBLASTプログラムは、以下のタスクを行うために使用される:
(1)BLASTPおよびBLAST3は、タンパク質配列データベースに対してアミノ酸クエリー配列を比較する;
(2)BLASTNは、ヌクレオチド配列データベースに対してヌクレオチドクエリー配列を比較する;
(3)BLASTXは、タンパク質配列データベースに対してクエリーヌクレオチド配列(両鎖)の6フレーム概念翻訳生成物を比較する;
(4)TBLASTNは、全6リーディングフレームで翻訳されたヌクレオチド配列データベース(両鎖)に対してクエリータンパク質配列を比較する;および
(5)TBLASTXは、ヌクレオチド配列データベースの6フレーム翻訳物に対してヌクレオチドクエリー配列の6フレーム翻訳物を比較する。
BLASTプログラムは、クエリーアミノ酸または核酸配列および一部の実施形態においてタンパク質または核酸配列データベースから得られた試験配列の間で、本明細書で「高スコアリングセグメント対」と称される類似セグメントを同定することにより、相同性配列を同定する。高スコアリングセグメント対は、一部の実施形態において、スコアリングマトリックスの手段によって同定(すなわち、アラインメント)されるが、これらの多くは、当技術分野で知られている。一部の実施形態では、使用されるスコアリングマトリックスは、BLOSUM62マトリックス(Gonnet(1992)Science 256:1443−1445;HenikoffおよびHenikoff(1993)Proteins 17:49−61)である。それほどではないが、一部の実施形態では、PAMまたはPAM250マトリックスもまた使用されてもよい(SchwartzおよびDayhoff編,1978,Matrices for Detecting Distance Relationships:Atlas of Protein Sequence and Structure,Washington:National Biomedical Research Foundationを参照されたい)。BLASTプログラムは、米国National Library of Medicineを通して利用可能である。
上記のアルゴリズムと共に使用されるパラメータは、研究される配列長および相同性の程度に依存して応用してもよい。一部の実施形態では、パラメータは、ユーザからの指示がない場合にアルゴリズムによって使用されるデフォルトパラメータであってもよい。
コンピュータシステムおよびコンピュータプログラム製品
本発明は、本発明に従った核酸およびポリペプチド配列を記録または記憶させたコンピュータ、コンピュータシステム、コンピュータ読取り可能媒体、コンピュータプログラム製品などを提供する。さらに、配列同一性(核酸が本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定するため)、構造相同性、モチーフなどをin silicoで決定および同定するためなどの、本発明に従った方法を実施するにあたって、本発明に従った核酸またはポリペプチド配列を、コンピュータによって読取りおよびアクセスすることができる任意の媒体上に記憶し、記録し、かつそれを操作することができる。
本明細書中で使用する単語「記録」および「記憶」とは、コンピュータ媒体上に情報を記憶させるプロセスをいう。当業者は、情報をコンピュータ読取り可能媒体上に記録する任意の既知の方法を容易に採用して、本発明に従った核酸および/またはポリペプチド配列の1つまたは複数を含む製造物を生成することができる。本明細書中で使用する用語「コンピュータ」、「コンピュータプログラム」および「プロセッサ」とは、その最も広範な一般的コンテキストで使用し、以下に詳述するそのようなデバイスすべてを組み込む。特定のポリペプチドまたはタンパク質「のコード配列」またはそれを「コードしている配列」とは、適切な調節配列の制御下に置いた場合に転写されてポリペプチドまたはタンパク質へと翻訳される核酸配列である。
本発明に従ったポリペプチドには、本発明に従った配列およびそれと実質的に同一の配列、ならびに前述の配列の任意のものの部分配列および酵素活性断片が含まれる。一部の実施形態では、実質的に同一の、または相同的なポリペプチド配列とは、本発明に従った配列に対して少なくとも50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性(相同性)を有するポリペプチド配列をいう。
相同性(配列同一性)は、本明細書中に記載の任意のコンピュータプログラムおよびパラメータを用いて決定し得る。本発明に従った核酸またはポリペプチド配列を、コンピュータによって読取りおよびアクセスすることができる任意の媒体上に記憶し、記録し、かつそれを操作することができる。本明細書中で使用する単語「記録」および「記憶」とは、コンピュータ媒体上に情報を記憶させるプロセスをいう。当業者は、情報をコンピュータ読取り可能媒体上に記録する現在知られている任意の方法を容易に採用して、本発明に従った核酸配列の1つまたは複数、本発明に従ったポリペプチド配列の1つまたは複数を含む製造物を生成することができる。本発明の別の実施形態は、少なくとも2、5、10、15、もしくは20個以上の核酸または本発明に従ったポリペプチド配列がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。
本発明の別の実施形態は、本発明に従った核酸配列の1つまたは複数がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。本発明の別の実施形態は、本発明に従ったポリペプチド配列の1つまたは複数がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。本発明の別の実施形態は、少なくとも2、5、10、15、もしくは20個以上の核酸または上述のポリペプチド配列がその上に記録された、コンピュータ読取り可能媒体である。
コンピュータ読取り可能媒体には、磁気読取り可能媒体、光学読取り可能媒体、電子読取り可能媒体および磁気/光学媒体が含まれる。たとえば、コンピュータ読取り可能媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または読み出し専用メモリ(ROM)、および当業者に知られている他の種類の他の媒体であり得る。
本発明の一部の実施形態には、本明細書中に記載の配列情報を記憶し、それを操作するコンピュータシステムなどのシステム(インターネットに基づいたシステムなど)が含まれる。コンピュータシステム100の一例をブロック図で図9に例示する。本明細書中で使用する「コンピュータシステム」とは、本発明に従った核酸配列のヌクレオチド配列、または本発明に従ったポリペプチド配列を解析するために用いるハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素およびデータ記憶構成要素をいう。一部の実施形態では、コンピュータシステム100には、配列データを処理し、アクセスし、かつそれを操作するためのプロセッサが含まれる。プロセッサ105は、たとえば、Intel CorporationのPentium III、またはSun、Motorola、Compaq、AMDもしくはInternational Business Machinesの類似のプロセッサなどの任意の周知の型の中央処理デバイスであることができる。
一部の実施形態では、コンピュータシステム100は、プロセッサ105ならびにデータを記憶するための1つまたは複数の内部データ記憶構成要素110およびデータ記憶構成要素上に記憶されたデータを検索するための1つまたは複数のデータ検索デバイスを含む汎用システムである。当業者は、現在利用可能なコンピュータシステムの任意のものが適していることを容易に理解できるであろう。
一実施形態では、コンピュータシステム100には、メインメモリ115(一実施形態ではRAMとして実装)ならびにハードドライブなどの1つまたは複数の内部データ記憶デバイス110および/またはデータがその上に記録された他のコンピュータ読取り可能媒体に接続されたバスと接続したプロセッサ105が含まれる。一部の実施形態では、コンピュータシステム100には、内部データ記憶デバイス110上に記憶されたデータを読み取るための1つまたは複数のデータ検索デバイス118がさらに含まれる。
データ検索デバイス118は、たとえば、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープドライブ、またはリモートデータ記憶システムと(たとえばインターネットを介して)接続することができるモデムなどを表し得る。一部の実施形態では、内部データ記憶デバイス110は、制御理論および/またはデータがその上に記録されたフロッピーディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどの取外し可能なコンピュータ読取り可能媒体である。有利には、コンピュータシステム100には、データ検索デバイス内に挿入した後、制御理論および/もしくはデータをデータ記憶構成要素から読み取るための適切なソフトウェアが含まれる、またはそれによってプログラミングされていてよい。
コンピュータシステム100には、コンピュータのユーザに出力を表示するために用いるディスプレイ120が含まれる。また、コンピュータシステム100は、コンピュータシステム100に集中アクセスを提供するためにネットワークまたは広域ネットワーク内で他のコンピュータシステム125a〜cと接続できることにも注意されたい。
本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列のヌクレオチド配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列にアクセスしてそれを処理するためのソフトウェア(検索ツール、比較ツールおよびモデリングツールなど)は、実行中にメインメモリ115内に存在し得る。
一部の実施形態では、コンピュータシステム100は、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された上に記憶された参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列とを比較するための配列比較アルゴリズムをさらに含み得る。「配列比較アルゴリズム」とは、あるヌクレオチド配列と、データ記憶手段内に記憶された他のヌクレオチド配列および/または化合物とを比較するための、コンピュータシステム100に(ローカルまたはリモートで)実装された1つまたは複数のプログラムをいう。たとえば、配列比較アルゴリズムは、相同性または構造モチーフを同定するために、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列のヌクレオチド配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、コンピュータ読取り可能媒体上に記憶された参照配列とを比較し得る。
図10は、新しい配列とデータベース中の配列との間の相同レベルを決定するために新しいヌクレオチドまたはタンパク質配列と配列のデータベースとを比較するためのプロセス200の一実施形態を例示する流れ図である。配列のデータベースは、コンピュータシステム100内に記憶された私的データベース、またはインターネットから利用可能なGENBANKなどの公開データベースであることができる。
プロセス200は開始状態201から開始され、その後状態202へと移行し、ここで比較する新しい配列をコンピュータシステム100内のメモリに記憶させる。上述のように、メモリは、RAMまたは内部記憶デバイスを含めた任意の種類のメモリであることができる。
その後、プロセス200は状態204へと移行し、ここで配列のデータベースを解析および比較のために開く。その後、プロセス200は状態206へと移行し、ここでデータベースに記憶された第1の配列をコンピュータ上のメモリに読み取る。その後、状態210で比較を行って、第1の配列が第2の配列と同じかどうかを決定する。この工程が新しい配列とデータベース中の第1の配列との間の正確な比較を行うことに限定されないことに注意することが重要である。2つのヌクレオチドまたはタンパク質配列が同一でなくても、それらを比較するための周知の方法が当業者には知られている。たとえば、2つの試験配列間の相同レベルを上げるために、一方の配列内にギャップを導入することができる。比較中にギャップまたは他の特長を配列内に導入するかどうかを制御するパラメータは、通常コンピュータシステムのユーザが入力する。
状態210で2つの配列の比較を行った後、2つの配列が同じであるかどうかの決定を判断状態210で行う。もちろん、用語「同じ」は完全に同一の配列に限定されない。ユーザによって入力された相同性パラメータ内にある配列は、プロセス200で「同じ」であると標識される。
2つの配列が同じであるという決定が下された場合は、プロセス200は状態214へと移行し、ここでデータベースからの配列の名前がユーザに表示される。この状態は、表示された名前の配列が入力した相同性の束縛を満たすことをユーザに知らせる。記憶された配列の名前をユーザに表示した後、プロセス200は判断状態218へと移行し、ここでデータベース中にさらに配列が存在するかどうかの決定が下される。データベース中にさらに配列が存在しない場合は、プロセス200は最終状態220で終了する。しかし、データベース中にさらに配列が存在する場合は、プロセス200は状態224へと移行し、ここで新しい配列と比較することができるようにポインタがデータベース中の次の配列へと移動する。このように、新しい配列とデータベース中のすべての配列とのアラインメントおよび比較を行う。
判断状態212で配列が相同的でないという決定が下された場合は、データベース中の他のいずれかの配列が比較に利用可能かどうかを決定するために、プロセス200はすぐに判断状態218へと移行することに注意されたい。
したがって、本発明の一実施形態は、プロセッサと、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列がその上に記憶されたデータ記憶デバイスと、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と比較する参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列がその上に検索可能に記憶されたデータ記憶デバイスと、比較を実施するための配列比較器とを含むコンピュータシステムである。配列比較器は、比較した配列間の相同レベルを示すか、または上述の核酸コード中に本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、もしくは本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の構造モチーフを同定するか、またはこれらの核酸コードおよびポリペプチドコードと比較した配列中の構造モチーフを同定し得る。一部の実施形態では、データ記憶デバイスには、その上に、本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の、少なくとも2、5、10、15、20、25、30または40個以上の配列が記憶されていてよい。
本発明の別の実施形態は、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、参照ヌクレオチド配列との間の相同性のレベルを決定する方法である。この方法には、相同レベルを決定するコンピュータプログラムを使用することによって核酸コードまたはポリペプチドコードおよび参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列を読み取ること、ならびにコンピュータプログラムを用いて核酸コードまたはポリペプチドコードと参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列との間の相同性を決定することが含まれる。コンピュータプログラムは、本明細書中の具体的に列挙したもの(初期設定パラメータまたは任意の変更したパラメータを用いたBLAST2Nなど)を含めて、相同レベルを決定するためのいくつかのコンピュータプログラムのうちの任意のものであり得る。この方法は、上述のコンピュータシステムを用いて実行し得る。また、この方法は、コンピュータプログラムを用いることによって上述の本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の、少なくとも2、5、10、15、20、25、30または40個以上を読み取り、核酸コードまたはポリペプチドコードと参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列との間の相同性を決定することによっても行い得る。
図11は、2つの配列が相同的であるかどうかを決定するためのコンピュータ内のプロセス250の一実施形態を例示する流れ図である。プロセス250は開始状態252から開始され、その後状態254へと移行し、ここで比較する第1の配列をメモリに記憶させる。その後、状態256で比較する第2の配列をメモリに記憶させる。その後、プロセス250は状態260へと移行し、ここで第1の配列中の最初の文字を読み取り、その後、状態262へと移行し、ここで第2の配列の最初の文字を読み取る。配列がヌクレオチド配列である場合、文字は通常はA、T、C、GまたはUとなることが理解されよう。配列がタンパク質配列である場合、一部の実施形態では、これは単一文字のアミノ酸コードであり、第1および配列の配列を容易に比較することができる。
その後、判断状態264で2つの文字が同じであるかどうかの決定が下される。同じである場合は、プロセス250は状態268へと移行し、ここで第1および第2の配列中の次の文字を読み取る。その後、次の文字が同じであるかどうかの決定が下される。同じである場合は、プロセス250は2つの文字が同じでなくなるまでこのループを継続する。次の2つの文字が同じでないという決定が下された場合は、プロセス250は判断状態274へと移行して、どちらかの配列中に読み取る文字がまだそれ以上存在するかどうかを決定する。
読み取る文字がもうそれ以上存在しない場合は、プロセス250は状態276へと移行し、ここで第1および第2の配列の間の相同性のレベルをユーザに表示する。相同性のレベルは、第1の配列中の配列の合計数のうち、配列間で同じであった文字の割合を計算することによって決定する。したがって、第1の100個のヌクレオチド配列中のすべての文字が第2の配列中のすべての文字とアラインメントされた場合、相同レベルは100%となる。
あるいは、コンピュータプログラムは、本発明に従った核酸コードおよびそれと実質的に同一の配列が1つまたは複数の位置で参照核酸配列と異なるかどうかを決定するための、本発明で記載した核酸配列のヌクレオチド配列を、1つまたは複数の参照ヌクレオチド配列と比較するコンピュータプログラムであり得る。所望により、そのようなプログラムは、参照ポリヌクレオチドまたは本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列のどちらかの配列に関して、挿入、欠失または置換したヌクレオチドの長さおよびそれが何であるかを記録する。一部の実施形態では、コンピュータプログラムは、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列が、参照ヌクレオチド配列に関して一塩基多型(SNP)を含むかどうかを決定するプログラムであり得る。
したがって、本発明の別の実施形態は、核酸配列間の差異を同定するコンピュータプログラムを用いることによって核酸コードおよび参照ヌクレオチド配列を読み取る工程と、核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の差異をコンピュータプログラムで同定する工程とを含む、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列が、参照ヌクレオチド配列からの1つまたは複数のヌクレオチドで異なるかどうかを決定する方法である。一部の実施形態では、コンピュータプログラムは、一塩基多型を同定するプログラムである。この方法は、上述のコンピュータシステムおよび図11に例示した方法によって実行し得る。また、この方法は、本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列ならびに参照ヌクレオチド配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、または40個以上を、コンピュータプログラムを用いて読み取り、核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の差異をコンピュータプログラムで同定することによっても行い得る。
他の実施形態では、コンピュータに基づいたシステムは、本発明に従った核酸配列または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列内の特長を同定するための識別子をさらに含み得る。「識別子」とは、本発明に従った核酸配列、または本発明に従ったポリペプチド配列内の特定の特長を同定する1つまたは複数のプログラムをいう。一部の実施形態では、識別子は、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列中のオープンリーディングフレームを同定するプログラムを含み得る。
図12は、配列中の特長の存在を検出するための識別子プロセス300の一実施形態を例示する流れ図である。プロセス300は開始状態302から開始され、その後状態304へと移行し、ここで特長について検査する第1の配列をコンピュータシステム100内のメモリ115に記憶させる。その後、プロセス300は状態306へと移行し、ここで配列特長のデータベースが開かれる。そのようなデータベースには、それぞれの特長の属性および特徴の名前のリストが含まれるであろう。たとえば、特長の名前は「開始コドン」、属性は「ATG」とすることができる。別の例は、特長の名前が「TAATAAボックス」であり、特長の属性が「TAATAA」であろう。そのようなデータベースの例は、ウィスコンシン大学遺伝学コンピュータグループ(Genetics Computer Group)が作成している。あるいは、特長は、αへリックス、βシート、もしくは酵素活性部位などの機能的ポリペプチドモチーフ等の構造的ポリペプチドモチーフ、らせん−ターン−らせんモチーフまたは当業者に知られている他のモチーフであり得る。
状態306で特長のデータベースを開いた後、プロセス300は状態308へと移行し、ここで第1の特長をデータベースから読み取る。その後、第1の配列との第1の特長の属性の比較を状態310で行う。その後、判断状態316で特長の属性が第1の配列中に見つかったかどうかの決定を下す。属性が見つかった場合、プロセス300が状態318へと移行し、ここで見つかった特長の名前がユーザに表示される。
その後、プロセス300は判断状態320へと移行し、動く特長がデータベース中に存在するかどうかの決定を下す。特長がそれ以上存在しない場合は、プロセス300は最終状態324で終了する。しかし、データベース中にさらに特長が存在する場合は、プロセス300は次の配列特長を状態326で読み取り、一巡して状態310に戻り、ここで次の特長の属性を第1の配列に対して比較する。判断状態316で特長の属性が第1の配列中に見つからなかった場合は、データベース中に特長がまだそれ以上存在するかどうかを決定するために、プロセス300は判断状態320へと直接移行することに注意されたい。
したがって、本発明の別の実施形態は、含まれる特長を同定するコンピュータプログラムを用いることによって核酸コード(もしくは複数のコード)またはポリペプチドコード(もしくは複数のコード)を読み取ることと、核酸コード(または複数のコード)内の特長をコンピュータプログラムで同定することとを含む、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列内の特長を同定する方法である。一部の実施形態では、コンピュータプログラムは、オープンリーディングフレームを同定するコンピュータプログラムを含む。この方法は、単一の配列あるいは本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、もしくは40個以上を、コンピュータプログラムを用いて読み取り、核酸コードまたはポリペプチドコード内の特長をコンピュータプログラムで同定することによって行い得る。
本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列は、様々なフォーマットの様々なデータプロセッサプログラムで記憶および操作し得る。たとえば、本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列を、Microsoft WORD(商標)もしくはWORDPERFECT(商標)などのワードプロセッシングファイルのテキストとして、またはDB2(商標)、SYBASE(商標)、もしくはORACLE(商標)などの当業者が精通している様々なデータベースプログラムのASCIIファイルとして記憶させ得る。さらに、多くのコンピュータプログラムおよびデータベースを、配列比較アルゴリズム、識別子、または本発明に従った核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、もしくは本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と比較する参照ヌクレオチド配列もしくはポリペプチド配列のソースとして用い得る。以下のリストは、本発明を限定することを意図するのではなく、本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従ったポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列で有用なプログラムならびにデータベースに関する手引きを提供することを意図するものである。
使用し得るプログラムおよびデータベースには、それだけには限定されないが、MACPATTERN(商標)(EMBL)、DISCOVERYBASE(商標)(Molecular Applications Group)、GENEMINE(商標)(Molecular Applications Group)、LOOK(商標)(Molecular Applications Group)、MACLOOK(商標)(Molecular Applications Group)、BLASTおよびBLAST2(NCBI)、BLASTNおよびBLASTX(Altschul他、J.Mol.Biol.、215:403、1990)、FASTA(ピアソンおよびLipman、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:2444、1988)、FASTDB(Brutlag他、Comp.App.Biosci.、6:237〜245、1990)、CATALYST(商標)(Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE(商標)(Molecular Simulations Inc.)、Cerius.DBAccess(商標)(Molecular Simulations Inc.)、HYPOGEN(商標)(Molecular Simulations Inc.)、INSIGHT II(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、DISCOVER(商標)(Molecular Simulations Inc.)、CHARMm(商標)(Molecular Simulations Inc.)、FELIX(商標)(Molecular Simulations Inc.)、DELPHI(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、QuanteMM(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、Homology(Molecular Simulations Inc.)、MODELER(商標)(Molecular Simulations Inc.)、ISIS(商標)(Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design(Molecular Simulations Inc.)、WebLab(Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer(Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer(Molecular Simulations Inc.)、SeqFold(Molecular Simulations Inc.)、MDL利用可能化学薬品ディレクトリー(MDL Available Chemicals Directory)データベース、MDL薬物データレポート(MDL Drug Data Report)データベース、包括的な医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)データベース、ダーウェント世界薬物インデックス(Derwents’s World Drug Index)データベース、BioByteMasterFileデータベース、GenbankデータベースならびにGenseqnデータベースが含まれる。本開示に鑑みて、多くの他のプログラムおよびデータベースが当業者に明らかであろう。
上記プログラムを用いて検出され得るモチーフには、ロイシンジッパー、らせん−ターン−らせんモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチン化部位、αへリックスおよびβシートをコードしている配列、コードされたタンパク質の分泌を指示するシグナルペプチドをコードしているシグナル配列、ホメオボックス、酸性ストレッチ、酵素活性部位、基質結合部位および酵素切断部位などの転写調節に関係する配列が含まれる。
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、ストリンジェントな条件下で、本発明に従った配列(配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338などとハイブリダイズする単離、合成または組換え核酸を提供する。ストリンジェントな条件は、高ストリンジェント条件、中等度ストリンジェント条件および/または低ストリンジェント条件であることができ、これには、本明細書中に記載の高いストリンジェンシーおよびストリンジェンシーを下げた条件が含まれる。一部の実施形態では、以下に記載のように、核酸が本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定する条件を指定するのは洗浄条件のストリンジェンシーである。
「ハイブリダイゼーション」とは、塩基対合によって核酸鎖が相補鎖と一緒になるプロセスをいう。特定の目的配列が低濃度で存在する試料中でも同定できるように、ハイブリダイゼーション反応は高感度かつ選択的であることができる。適切にストリンジェントな条件は、たとえば、プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション溶液中の塩もしくはホルムアミドの濃度、またはハイブリダイゼーション温度によって定義することができ、当分野で周知である。他の実施形態では、ストリンジェンシーは、塩の濃度を下げること、ホルムアミドの濃度を上げること、またはハイブリダイゼーション温度を上げることによって増加することができる。他の実施形態では、本発明に従った核酸は、本明細書中に記載のように様々なストリンジェンシー条件(高、中等度、および低など)下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
一部の実施形態では、高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションは、約50%のホルムアミド、約37℃〜42℃を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、約35%〜25%のホルムアミド、約30℃〜35℃のストリンジェンシーを下げた条件を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、42℃、50%のホルムアミド、5×SSPE、0.3%のSDSおよび200μg/mlの変性剪断サケ精子DNAなどの高ストリンジェンシー条件を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、これらのストリンジェンシーを下げた条件を含むが、35%のホルムアミド、35℃の下げた温度である。特定のストリンジェンシーレベルに対応する温度範囲は、目的核酸のプリン対ピリミジン比を計算し、しかるべく温度を調節することによってさらに狭めることができる。上記範囲および条件の変化は当分野で周知である。
他の実施形態では、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするその能力によって定義される本発明に従った核酸は、本発明に従った核酸の約5個の残基〜完全長であることができ、たとえば、長さは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000個以上の残基であることができる。完全長よりも短い核酸も含まれる。これらの核酸は、ハイブリダイゼーションプローブ、標識プローブ、PCRオリゴヌクレオチドプローブ、siRNAもしくはmiRNA(一本鎖もしくは二本鎖)、アンチセンスまたは抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、活性部位などをコードしている配列等として有用な可能性がある。
一部の実施形態では、本発明に従った核酸は、約50%のホルムアミド、約37℃〜42℃の条件を含む高ストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力によって定義される。一部の実施形態では、本発明に従った核酸は、約35%〜25%のホルムアミド、約30℃〜35℃の条件を含む下げたストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
あるいは、本発明に従った核酸は、42℃、50%のホルムアミド、5×SSPE、0.3%のSDS、およびcot−1またはサケ精子DNA(200μg/mlの変性剪断サケ精子DNAなど)等の反復配列遮断核酸の条件を含む高ストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力によって定義される。一部の実施形態では、本発明に従った核酸は、35%または40%のホルムアミド、35℃または42℃の下げた温度を含むストリンジェンシーを下げた条件下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
核酸ハイブリダイゼーション反応では、特定のストリンジェンシーレベルを達成するために用いる条件は、ハイブリダイズさせる核酸の性質に応じて変化する。たとえば、ハイブリダイゼーション条件を選択する際に、核酸のハイブリダイズ領域の長さ、相補性の度合、ヌクレオチド配列の組成(GC対ATの含有率など)および核酸の種類(RNA対DNAなど)を考慮することができる。さらなる考慮事項は、核酸の一方をたとえばフィルター上に固定するかどうかである。
ハイブリダイゼーションは、低ストリンジェンシー、中等度ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーの条件下で実施し得る。核酸ハイブリダイゼーションの一例として、固定した変性核酸を含むポリマー膜を最初に、30分間、45℃で、0.9MのNaCl、50mMのNaHPO、pH7.0、5.0mMのNaEDTA、0.5%のSDS、10×デンハルト溶液および0.5mg/mlのポリリボアデニル酸からなる溶液中でプレハイブリダイズさせる。その後、約2×10cpm(特異的活性4〜9×10cpm/μg)の32Pで末端標識したオリゴヌクレオチドプローブを溶液に加える。12〜16時間インキュベーションした後、膜を30分間、室温で、0.5%のSDSを含む1×SET(150mMのNaCl、20mMのトリス塩酸、pH7.8、1mMのNaEDTA)で洗浄し、続いてオリゴヌクレオチドプローブについて新鮮な1×SET、T−10℃で30分間洗浄した。その後、ハイブリダイゼーションシグナルを検出するために膜を自動放射線用フィルムに曝露する。前述のハイブリダイゼーションのすべてが、高ストリンジェンシーの条件下にあるとみなされるであろう。
ハイブリダイゼーションに続いて、非特異的に結合した検出可能なプローブをすべて除去するためにフィルターを洗浄することができる。フィルターの洗浄に用いるストリンジェンシーも、ハイブリダイズさせる核酸の性質、ハイブリダイズさせる核酸の長さ、相補性の度合、ヌクレオチド配列の組成(GC対ATの含有率など)および核酸の種類(RNA対DNAなど)に応じて変化させることができる。漸次的に高くなるストリンジェンシー条件の洗浄の例は以下のとおりである:2×SSC、0.1%のSDS、室温で15分間(低ストリンジェンシー);0.1×SSC、0.5%のSDS、室温で30分間〜1時間(中等度ストリンジェンシー);0.1×SSC、0.5%のSDS、ハイブリダイゼーション温度〜68℃で15〜30分間(高ストリンジェンシー);および0.15MのNaCl、72℃で15分間(非常に高いストリンジェンシー)。最終的な低ストリンジェンシーの洗浄は、0.1×SSC中、室温で実施することができる。上記例は、フィルターを洗浄するために用いることができる一組の条件の単なる例示である。当業者は、様々なストリンジェンシーの洗浄の数々のレシピが存在することを知っているであろう。他の例の一部を以下に示す。
一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、1×150mMのNaCl、20mMのトリス塩酸、pH7.8、1mMのNaEDTA、0.5%のSDSを含む溶液中、30分間、室温での洗浄、続いて新鮮な溶液中の30分間の洗浄を含む洗浄工程を含む。
プローブとハイブリダイズした核酸は、オートラジオグラフィーまたは他の慣用技術によって同定する。
上記手順は、プローブ配列に対する配列同一性(相同性)のレベルが低下している核酸を同定するために変更し得る。たとえば、検出可能なプローブに対する配列同一性(相同性)が低下した核酸を得るためには、ストリンジェンシーがより低い条件を用い得る。たとえば、約1MのNa濃度を有するハイブリダイゼーション緩衝液中で、ハイブリダイゼーション温度を68℃〜42℃に5℃単位で低下させ得る。ハイブリダイゼーションに続いて、フィルターをハイブリダイゼーションの温度で2×SSC、0.5%のSDSで洗浄し得る。これらの条件は、50℃より高い場合は「中等度」条件、50℃より低い場合は「低」条件とみなされる。「中等度」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを55℃で実施する場合である。「低ストリンジェンシー」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを45℃で実施する場合である。
あるいは、ハイブリダイゼーションは、ホルムアミドを含む6×SSCなどの緩衝液中、42℃の温度で実施し得る。この場合、プローブに対する相同性のレベルが低下したクローンを同定するために、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度を50%〜0%に5%単位で低下させ得る。ハイブリダイゼーションに続いて、フィルターを6×SSC、0.5%のSDSで、50℃で洗浄し得る。これらの条件は、25%のホルムアミドより高い場合は「中等度」条件、25%のホルムアミドより低い場合は「低」条件とみなされる。「中等度」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを30%のホルムアミドで実施する場合である。「低ストリンジェンシー」ハイブリダイゼーション条件の具体例は、上記ハイブリダイゼーションを10%のホルムアミドで実施する場合である。
しかし、ハイブリダイゼーション様式の選択は重大でない場合があり、核酸が本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定する条件を示すのは洗浄条件のストリンジェンシーである。本発明に従った範囲内にある核酸を同定するために用いる洗浄条件には、約0.02モーラーの塩濃度、pH7、少なくとも約50℃もしくは約55℃〜約60℃の温度;または、約0.15MのNaClの塩濃度、72℃で約15分間;または、約0.2×SSCの塩濃度、少なくとも約50℃もしくは約55℃〜約60℃の温度で約15〜約20分間;または、ハイブリダイゼーション複合体を、約2×SSCの塩濃度を有する0.1%のSDSを含む溶液で2回、室温で15分間洗浄し、その後、0.1%のSDSを含む0.1×SSCで2回、68℃で15分間洗浄する;または、等価条件などが含まれる。SSC緩衝液および等価条件の説明については、Sambrook編、分子クローニング:実験室の手引き(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL)(第2版)、第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory(1989)、生化学および分子生物学の実験室技術:核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション、パートI.理論および核酸の調製(LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY:HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES,Part I.Theory and Nucleic Acid Preparation)、Tijssen編、Elsevier、ニューヨーク(1993)ならびにAusbel編、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク(1997)を参照されたい。
これらの方法を用いて、本発明に従った核酸およびそれと実質的に同一の配列を単離または同定し得る。たとえば、前述の方法を用いて、本発明に従った配列およびそれと実質的に同一の配列、または少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続したその塩基を含む断片、ならびにそれらに相補的な配列の1つからなる群から選択された核酸配列に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性(相同性)を有する配列を有する核酸を単離または同定し得る。配列同一性(相同性)は、アラインメントアルゴリズムを用いて測定し得る。たとえば、相同ポリヌクレオチドは、明細書中に記載のコード配列の1つの天然に存在する対立遺伝子変異体であるコード配列を有し得る。そのような対立遺伝子変異体は、本発明に従った核酸と比較した場合に1つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有し得る。さらに、上記手順を用いて、配列アラインメントアルゴリズム(初期設定パラメータを使用したFASTAバージョン3.0t78アルゴリズムなど)を用いて決定して、本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対して、少なくとも約99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性(相同性)を有するポリペプチドをコードしている核酸を単離し得る。
オリゴヌクレオチドプローブおよびその使用方法
本発明はまた、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性を有するポリペプチドをコードしている核酸もしくはその断片を同定、増幅、もしくは単離するため、または、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の遺伝子を同定するためなどに用いることができる核酸プローブも提供する。一部の実施形態では、プローブは、本発明に従った核酸の少なくとも約10個の連続した塩基を含む。あるいは、本発明に従ったプローブは、本発明に従った核酸で示した配列の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150または約10〜50、約20〜60、約30〜70個の連続した塩基であることができる。プローブは、結合および/またはハイブリダイゼーションによって核酸を同定する。プローブは、毛細アレイなどを含めた本発明に従ったアレイで使用することができる(以下の記述参照)。本発明に従ったプローブは、他の核酸またはポリペプチドを単離するために用いることもできる。
本発明に従った単離、合成または組換え核酸、それらに相補的な配列、あるいは本発明に従った配列の1つの少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続した塩基を含む断片、またはそれらに相補的な配列は、土壌試料などの生体試料が、本発明に従った核酸配列を有する生物または得られた核酸が由来する生物を含むかどうかを決定するためのプローブとしても用い得る。そのような手順では、単離された核酸が由来する生物を潜在的に保有する生体試料を得て、核酸を試料から得る。核酸をプローブと、プローブが、それ中に存在する任意の相補配列と特異的にハイブリダイズすることを許容する条件下で、接触させる。
必要な場合は、プローブが相補配列と特異的にハイブリダイズすることを許容する条件は、プローブを、相補配列を含むことが知られている試料からの相補配列および相補配列を含まない制御配列と接触させることによって決定し得る。ハイブリダイゼーション緩衝液の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド濃度、またはハイブリダイゼーション温度などのハイブリダイゼーション条件を変化させて、プローブが相補核酸と特異的にハイブリダイズすることを可能にする条件を同定し得る。
試料が、単離した核酸が由来する生物を含む場合は、その後、プローブの特異的ハイブリダイゼーションを検出する。ハイブリダイゼーションは、プローブを、放射性同位体、蛍光色素または検出可能な生成物の形成を触媒できる酵素などの検出可能な薬剤で標識することによって検出し得る。
当業者は、標識したプローブを用いて試料中の相補核酸の存在を検出する多くの方法に精通している。これらには、サザンブロット、ノーザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション手順およびドットブロットが含まれる。これらの手順のそれぞれのプロトコルは、Ausbel他、分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、John Wiley&Sons,Inc.(1997)およびSambrook他、分子クローニング:実験室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に提供されている。
あるいは、複数のプローブ(その少なくとも1つは核酸試料中に存在する任意の相補配列と特異的にハイブリダイズできる)を、試料が本発明に従った核酸配列を含む生物(単離した核酸が由来する生物など)を含むかどうかを決定するための増幅反応で使用し得る。一部の実施形態では、プローブはオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、増幅反応はPCR反応を含み得る。PCRプロトコルはAusbelおよびSambrook、上記に記載されている。あるいは、増幅はリガーゼ連鎖反応、3SR、または鎖置換反応を含み得る。(Barany,F.、「PCR世界におけるリガーゼ連鎖反応(The Ligase Chain Reaction in a PCR World))」、PCR Methods and Applications、1:5〜16、1991;E.Fahy他、「自立した配列複製(3SR):PCRに替わる等温転写に基づいた増幅系(Self−sustained Sequence Replication(3SR):An Isothermal Transcription−based Amplification System Alternative to PCR」、PCR Methods and Applications、1:25〜33、1991;およびWalker G.T.他、「鎖置換増幅−等温のin vitroDNA増幅技術(Strand Displacement Amplification−an Isothermal in vitro DNA Amplification Technique)」、Nucleic Acid Research、20:1691〜1696、1992参照)。そのような手順では、試料中の核酸をプローブと接触させ、増幅反応を行い、生じるすべての増幅産物を検出する。増幅産物は、反応生成物のゲル電気泳動を行い、ゲルを臭化エチジウムなどの干渉物質で染色することによって検出し得る。あるいは、プローブの1つまたは複数を放射性同位体で標識してもよく、ゲル電気泳動後にオートラジオグラフィーによって放射性増幅産物の存在を検出してもよい。
また、本発明に従った配列の末端付近の配列に由来するプローブは、本発明に従った配列に隣接して位置するゲノム配列を含むクローンを同定するための染色体歩行手順にも用い得る。そのような方法は、宿主生物由来のさらなるタンパク質をコードしている遺伝子の単離を可能にする。
一部の実施形態では、本発明に従った単離、合成または組換え核酸、それらに相補的な配列、あるいは本発明に従った配列の1つの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個以上の連続した塩基の断片、またはそれらに相補的な配列を、関連する核酸を同定および単離するためのプローブとして用いる。一部の実施形態では、関連する核酸は、核酸を単離した生物以外の生物からのcDNAまたはゲノムDNAであり得る。たとえば、他の生物は関連生物であり得る。このような手順では、核酸試料をプローブと、プローブが関連配列と特異的にハイブリダイズすることを許容する条件下で接触させる。その後、上述の任意の方法を用いてプローブと関連生物からの核酸とのハイブリダイゼーションを検出する。
検出可能なプローブとハイブリダイズするcDNAまたはゲノムDNAなどの核酸を同定するために用いるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変化させることによって、プローブに対して様々な相同性のレベルを有する核酸を同定および単離することができる。プローブの融解温度未満の変動する温度でハイブリダイゼーションを実施することによって、ストリンジェンシーを変動させ得る。融解温度Tとは、標的配列の50%が完全に相補的なプローブとハイブリダイズする温度である(定義されたイオン強度およびpHの下で)。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブのTと同じまたはそれよりも約5℃低くなるように選択する。プローブの融解温度は以下の式を用いて計算し得る:
長さが14〜70個のヌクレオチドのプローブには、融解温度(T)は式:T=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(画分G+C)−(600/N)[式中、Nはプローブの長さである]を用いて計算する。
ホルムアミドを含む溶液中でハイブリダイゼーションを実施する場合は、融解温度は方程式:T=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(画分G+C)−(0.63%のホルムアミド)−(600/N)[式中、Nはプローブの長さである]を用いて計算し得る。
プレハイブリダイゼーションは、6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%のSDS、100μg/mlの変性断片化サケ精子DNAまたは6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%のSDS、100μg/mlの変性断片化サケ精子DNA、50%のホルムアミド中で実施し得る。SSCおよびデンハルト溶液の配合はSambrook他、上記に記載されている。
一部の実施形態では、ハイブリダイゼーションは、検出可能なプローブを上記のプレハイブリダイゼーション溶液に加えることによって実施する。プローブが二本鎖DNAを含む場合は、ハイブリダイゼーション溶液に加える前に変性させる。一部の実施形態では、フィルターをハイブリダイゼーション溶液と、プローブがそれに相補的または相同的な配列を含むcDNAまたはゲノムDNAとハイブリダイズすることを可能にするために十分な時間、接触させる。長さが200個のヌクレオチドを超えるプローブでは、ハイブリダイゼーションをTより15〜25℃下で実施し得る。オリゴヌクレオチドプローブなどのより短いプローブでは、ハイブリダイゼーションをTより5〜10℃下で実施し得る。一部の実施形態では、6×SSC中でのハイブリダイゼーションでは、ハイブリダイゼーションを約68℃で実施する。通常、50%のホルムアミドを含む溶液中でのハイブリダイゼーションでは、ハイブリダイゼーションを約42℃で実施する。
アルドラーゼ酵素の発現の阻害
本発明は、アルドラーゼ酵素をコードしている核酸などの本発明に従った核酸に相補的な核酸(それのアンチセンス配列など)、たとえばアンチセンス、siRNA、miRNA、リボザイムを含む核酸を提供する。アンチセンス配列を含む本発明に従った核酸は、アルドラーゼ酵素をコードしている遺伝子の輸送、スプライシングまたは転写を阻害する能力を有することができる。阻害は、ゲノムDNAまたはメッセンジャーRNAの標的化によって達成することができる。標的とした核酸の転写または機能は、たとえば、ハイブリダイゼーションおよび/または切断によって阻害することができる。本発明によって提供される一組の例示的な阻害剤には、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の遺伝子またはメッセージのどちらかと結合することができるオリゴヌクレオチドが含まれ、どちらの場合にも、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の生成または機能が妨げられるまたは阻害される。会合は、配列に特異的なハイブリダイゼーションによるものであることができる。別の有用な阻害剤のクラスには、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のメッセージの失活または切断を引き起こすオリゴヌクレオチドが含まれる。オリゴヌクレオチドは、そのような切断を引き起こす酵素活性、たとえばリボザイムを有することができる。オリゴヌクレオチドは、化学修飾されているか、または相補核酸を切断することができる酵素または組成物にコンジュゲートされていることができる。多くの様々なそのようなオリゴヌクレオチドのプールを、所望の活性を有するものについてスクリーニングすることができる。したがって、本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現を核酸および/またはタンパク質レベルで阻害するための様々な組成物、たとえば、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の配列ならびに本発明に従った抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼ抗体を含むアンチセンス、siRNA、miRNAおよびリボザイムを提供する。
HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現の阻害は、様々な産業上の利用を有することができる。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現の阻害は、腐敗を遅延または防止することができる。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現および/または活性を阻害する本発明に従った組成物、たとえば抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNAおよびmiRNAの使用を用いて、腐敗を遅延または防止する。したがって、一部の実施形態では、本発明は、腐敗を遅延または防止するために植物または植物生成物(穀類、穀粒、果実、種子、根、葉など)に本発明に従った抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNAおよびmiRNAを塗布することを含む方法および組成物を提供する。これらの組成物はまた、植物(トランスジェニック植物など)または別の生物(本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の遺伝子で形質転換した細菌もしくは他の微生物など)によって発現させることもできる。
HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現を阻害するための本発明に従った組成物(アンチセンス、iRNA、リボザイム、抗体など)は、医薬組成物、たとえば抗病原体剤として、または他の治療、たとえばサルモネラなどの抗菌剤として用いることができる。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のメッセージと結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、これは、一部の実施形態では、mRNAを標的化することによってHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を阻害することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する戦略は科学論文および特許文献に十分に記載されており、当業者は、本発明に従った新規試薬を用いてそのようなHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のオリゴヌクレオチドを設計することができる。たとえば、有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドをスクリーニングするための遺伝子歩行/RNAマッピングプロトコルは当分野で周知であり、標準の分子学的技術に基づいて強力なアンチセンス配列選択のための容易かつ信頼性のある方法を提供するRNAマッピングアッセイを記載している、Ho(2000)Methods Enzymol.、314:168〜183を参照されたい。Smith(2000)Eur.J.Pharm.Sci.、11:191〜198も参照されたい。
天然に存在する核酸をアンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の長さであることができる。たとえば、他の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは約5〜約100、約10〜約80、約15〜約60、約18〜約40である。最適な長さは日常的なスクリーニングによって決定することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の濃度で存在することができる。最適な濃度は日常的なスクリーニングによって決定することができる。この潜在的な問題に対処することができる多種多様の合成の天然に存在しないヌクレオチドおよび核酸類似体が知られている。たとえば、N−(2−アミノエチル)グリシン単位などの非イオン主鎖を含むペプチド核酸(PNA)を使用することができる。国際公開第97/03211号;国際公開第96/39154号;Mata(1997)Toxicol Appl Pharmacol、144:189〜197;アンチセンス治療学(Antisense Therapeutics)、Agrawal編(Humana Press、ニュージャージー州Totowa、1996)に記載のように、ホスホロチオエート結合を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドも用いることができる。本発明によって提供される合成DNA主鎖類似体を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドには、上述のように、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、ホスホラミデート、アルキルリン酸トリエステル、スルファメート、3’−チオアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3’−N−カルバメート、およびモルホリノカルバメートの核酸も含まれることができる。
コンビナトリアル化学方法を用いて、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のセンスおよびアンチセンスアルドラーゼの酵素の配列などの任意の標的に対して適切な結合親和性および特異性を有する特異的オリゴヌクレオチドについて迅速にスクリーニングすることができる膨大な数のオリゴヌクレオチドを作製することができる(Gold(1995)J.of Biol.Chem.、270:13581〜13584参照)。
阻害性リボザイム
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のメッセージと結合することができるリボザイムを提供する。これらのリボザイムは、mRNAを標的化することなどによって、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性を阻害することができる。標的化のためにリボザイムを設計し、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素に特異的なアンチセンス配列を選択する戦略は科学論文および特許文献に十分に記載されており、当業者は、本発明に従った新規試薬を用いてそのようなリボザイムを設計することができる。リボザイムは、標的RNAを切断するRNAの酵素部分の非常に近くに維持されるリボザイムの標的RNA結合部分によって標的RNAと結合することによって作用する。したがって、リボザイムは相補的塩基対合によって標的RNAを認識してそれと結合し、正しい部位と結合した後、酵素的に作用して標的RNAを切断および失活させる。そのような様式で標的RNAを切断することにより、切断がコード配列中に起こった場合はコードされているタンパク質の合成を指示するその能力が破壊される。リボザイムがそのRNA標的と結合してそれを切断した後、これは繰り返しRNAから放出されて新しい標的と結合してそれを切断することができる。
治療処置をもたらすために必要なリボザイムの有効濃度はアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも低いことができるので、一部の状況では、リボザイムの酵素性質は、アンチセンス技術(核酸分子が単に核酸標的と結合してその転写、翻訳または別の分子との会合を遮断する)などの他の技術よりも有利であることができる。この潜在的な利点は、リボザイムが酵素的に作用する能力を反映している。したがって、単一のリボザイム分子が多数の標的RNA分子を切断することができる。一部の実施形態では、リボザイムは特異性の高い阻害剤であり、阻害の特異性は、結合の塩基対合機構だけでなく、分子が、それが結合するRNAの発現を阻害する機構にも依存する。すなわち、阻害はRNA標的の切断によって引き起こされ、したがって、特異性は標的としたRNAの切断の割合対標的としていないRNAの切断の割合の比として定義される。この切断機構は、塩基対合に関与する要素に加えて他の要素に依存する。したがって、リボザイムの作用の特異性は、同じRNA部位と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも大きい場合がある。
酵素リボザイムRNA分子などの本発明に従ったリボザイムは、RNAガイド配列と会合したハンマーヘッドモチーフ、ヘアピンモチーフ、肝炎δウイルスモチーフとして、第I群イントロンモチーフおよび/またはRNaseP様RNAで形成させることができる。ハンマーヘッドモチーフの例はRossi(1992)Aids Research and Human Retroviruses、8:183などによって記載されており、ヘアピンモチーフはHampel(1989)Biochemistry、28:4929およびHampel(1990)Nuc.Acids Res.、18:299によって記載されており、肝炎δウイルスモチーフはPerrotta(1992)Biochemistry、31:16によって記載されており、RNasePモチーフはGuerrier−Takada(1983)Cell、35:849によって記載されており、第I群イントロンはCechの米国特許第4,987,071号によって記載されている。これら特定のモチーフの列挙は限定することを意図しない。当業者は、本発明の酵素RNA分子などの本発明に従ったリボザイムが、標的遺伝子のRNA領域の1つまたは複数に相補的な特異的基質結合部位を有することができることを理解されよう。本発明に従ったリボザイムは、分子にRNA切断活性を与える基質結合部位内またはその周辺にヌクレオチド配列を有することができる。
RNA干渉(RNAi)
一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の配列を含む、RNA阻害分子、いわゆる「RNAi」分子を提供する。RNAi分子は、siRNA、miRNAおよび/または短ヘアピンRNA(shRNA)分子などの二本鎖RNA(dsRNA)分子を含むことができる。siRNA(阻害性小RNA)および/またはmiRNA(マイクロRNA)などのRNAi分子は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の遺伝子の発現を阻害することができる。一部の実施形態では、siRNAおよび/またはmiRNAなどのRNAi分子の長さは、約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29個以上の二重鎖ヌクレオチドである。本発明はどの特定の作用機構にも限定されないが、RNAiは細胞に入って内在mRNAを含めた類似または同一の配列の一本鎖RNA(ssRNA)の分解を引き起こすことができる。細胞が二本鎖RNA(dsRNA)に曝された際、相同遺伝子からのmRNAはRNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスによって選択的に分解される。RNAiの背後にある可能な基本的機構は、特定の遺伝子配列とマッチする二本鎖RNA(dsRNA)を短干渉RNAと呼ばれる短い小片へと切断することであり、これは、その配列にマッチするmRNAの分解を始動する。一部の実施形態では、本発明に従ったRNAiは遺伝子サイレンシング治療で用い、Shuey(2002)Drug Discov.Today、7:1040〜1046を参照されたい。一部の実施形態では、本発明は、siRNAおよび/またはmiRNAなどの本発明に従ったRNAi分子を用いてRNAを選択的に分解する方法を提供する。このプロセスは、in vitro、ex vivoまたはin vivoで実施し得る。一部の実施形態では、本発明に従ったRNAi分子を用いて、細胞、器官または動物における機能喪失突然変異を生じさせることができる。
一態様では、RNAiの細胞内導入は、吸着したRNAi(マイクロRNAなど)を含むRNA結合タンパク質上に結合した標的細胞特異的リガンドの内部移行によるものである。リガンドは固有の標的細胞表面抗原に特異的である。リガンドは細胞表面抗原と結合した後に自発的に内部移行されることができる。固有の細胞表面抗原がそのリガンドと結合した後に自然に内部移行されない場合は、アルギニンに富んだペプチドもしくは他の膜透過性ペプチドを、リガンドもしくはRNA結合タンパク質の構造に取り込ませることによって、またはそのようなペプチドをリガンドもしくはRNA結合タンパク質に付着させることによって、内部移行を促進することができる。米国特許出願公開第20060030003号、第20060025361号、第20060019286号、第20060019258号を参照されたい。一態様では、本発明は、本発明の核酸を、RNAi分子を含む核酸−脂質粒子として細胞に導入するなど送達するための、脂質に基づいた配合物を提供する。たとえば、米国特許出願公開第20060008910号を参照されたい。
核酸の修飾−本発明の変異酵素の作製
本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードしているものなどの本発明に従った核酸の変異体を作製する方法を提供する。これらの方法は、鋳型核酸によってコードされているピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素とは、変化したもしくは異なる活性または変化したもしくは異なる安定性を有する、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を作製するために、繰り返してまたは様々な組合せで用いることができる。これらの方法はまた、遺伝子/メッセージの発現、メッセージの翻訳またはメッセージの安定性に変化を生じさせるなどのためにも、繰り返してまたは様々な組合せで用いることができる。他の実施形態では、細胞の遺伝組成は、ex vivoで相同遺伝子を修飾し、続いてそれを細胞内に再挿入することなどによって変化させる。
本発明に従った核酸は任意の手段によって変化させることができる。たとえば、ランダム、すなわち確率的方法、または非確率的、すなわち「定方向進化」の方法があり、米国特許第6,361,974号を参照されたい。遺伝子のランダム突然変異方法は当分野で周知であり、米国特許第5,830,696号を参照されたい。たとえば、突然変異誘発を用いて遺伝子をランダムに突然変異させることができる。突然変異誘発には、たとえば、紫外光もしくはγ照射、またはマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレンなどの化学突然変異誘発を、単独または組み合わせてものが含まれ、組換えによって修復可能なDNAの切断を導入する。他の化学突然変異誘発には、たとえば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンまたはギ酸が含まれる。他の突然変異誘発は、ニトロソグアニジン、5−ブロモウラシル、2−アミノプリン、またはアクリジンなどのヌクレオチド前駆体の類似体である。これらの薬剤をヌクレオチド前駆体の替わりにPCR反応に加えて、配列を突然変異させることができる。プロフラビン、アクリフラビン、キナクリンなどの挿入剤も用いることができる。
ランダムPCR突然変異誘発(Rice(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:5467〜5471参照)、またはコンビナトリアル複数カセット突然変異誘発(Crameri(1995)Biotechniques、18:194〜196参照)などの、分子生物学の任意の技術を用いることができる。あるいは、遺伝子などの核酸を、ランダム、すなわち「確率的」な断片化後に再アセンブリすることができ、米国特許第6,291,242号、第6,287,862号、第6,287,861号、第5,955,358号、第5,830,721号、第5,824,514号、第5,811,238号、第5,605,793号を参照されたい。他の実施形態では、修飾、付加または欠失は、誤りがちなPCR、シャフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリPCR、性的PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、反復アンサンブル突然変異誘発、指数関数的アンサンブル突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再アセンブリ(GeneReassemblyなど、米国特許第6,537,776号参照)、遺伝子部位飽和突然変異誘発(Gene Site Saturation Mutagenesis、GSSM)、合成ライゲーション再アセンブリ(SLR)、組換え、反復配列組換え、ホスホチオエート修飾したDNAの突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップ二重鎖突然変異誘発、点ミスマッチ修復突然変異誘発、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限−選択突然変異誘発、制限−精製突然変異誘発、人工遺伝子合成、アンサンブル突然変異誘発、キメラ核酸多量体作製、染色体飽和突然変異誘発(Chromosomal Saturation Mutagenesis、CSM)ならびに/またはこれらおよび他の方法の組合せによって導入する。
以下の出版物は、本発明に従った方法に組み込むことができる様々な反復組換え手順および/または方法について記載している:Stemmer(1999)「標的化および他の臨床的特性のための分子育種(Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties)」、Tumor Targeting、4:1〜4;Ness(1999)、Nature Biotechnology、17:893〜896;Chang(1999)「DNAファミリーシャフリングを用いたサイトカインの(Evolution of a cytokine using DNA family shuffling)」、Nature Biotechnology、17:793〜797;Minshull(1999)「分子育種によるタンパク質進化(Protein evolution by molecular breeding)」、Current Opinion in Chemical Biology、3:284〜290;Christians(1999)「DNAファミリーシャフリングを用いたAZTをリン酸化するためのチミジンキナーゼの定方向進化(Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling)」、Nature Biotechnology、17:259〜264;Crameri(1998)「多様な種由来の遺伝子のファミリーのDNAシャフリング定方向進化を加速させる(DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution)」、Nature、391:288〜291;Crameri(1997)「DNAシャフリングによるヒ酸塩解毒経路の分子進化(Molecular evolution of an arsenate detoxification pathway by DNA shuffling)」、Nature Biotechnology、15:436〜438;Zhang(1997)「DNAシャフリングおよびスクリーニングによるガラクトシダーゼからの有効なフコシダーゼの定方向進化(Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screening)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:4504〜4509;Patten他(1997)「DNAシャフリングの医薬品およびワクチンへの適用(Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines)」、Current Opinion in Biotechnology、8:724〜733;Crameri他(1996)「DNAシャフリングによる抗体−ファージライブラリーの構築および進化(Construction and evolution of antibody−phage libraries by DNA shuffling)」、Nature Medicine、2:100〜103;Gates他(1996)「lacリプレッサー「ヘッドピース二量体」上のディスプレイによるペプチドライブラリーからのリガンドの親和性選択的単離(Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor ’headpiece dimer’)」、Journal of Molecular Biology、255:373〜386;Stemmer(1996)「性的PCRおよびアセンブリPCR(Sexual PCR and Assembly PCR)」、分子生物学百科事典(The Encyclopedia of Molecular Biology)、VCH Publishers、ニューヨーク、ページ447〜457;CrameriおよびStemmer(1995)「コンビナトリアル複数カセット突然変異誘発突然変異体および野生型カセットのすべての順列を作製する(Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes)」BioTechniques、18:194〜195;Stemmer他(1995)「遺伝子および全プラスミドの一工程アセンブリにより多数のオリゴデオキシリボヌクレオチドが形成される(Single−step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides)」、Gene、164:49〜53;Stemmer(1995)「分子計算の進化(The Evolution of Molecular Computation)」、Science、270:1510;Stemmer(1995)「配列スペースの検索(Searching Sequence Space」、Bio/Technology、13:549〜553;Stemmer(1994)「DNAシャフリングによるin vitroのタンパク質の迅速な進化(Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling)」、Nature、370:389〜391;ならびにStemmer(1994)「ランダム断片化およびアセンブリによるDNAシャフリング:分子進化のためのin vitro組換え(DNA shuffling by random fragmentation and reassembly:In vitro recombination for molecular evolution.)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91:10747〜10751。
多様性を生じさせる突然変異方法には、たとえば、部位特異的突然変異誘発(Ling他(1997)「DNA突然変異誘発の手法:概要(Approaches to DNA mutagenesis:an overview」、Anal Biochem.、254(2):157〜178;Dale他(1996)「ホスホロチオエート方法を用いたオリゴヌクレオチド特異的ランダム突然変異誘発(Oligonucleotide−directed random mutagenesis using the phosphorothioate method)」、Methods Mol.Biol.,57:369〜374;Smith(1985)「In vitro突然変異誘発(In vitro mutagenesis)」、Ann.Rev.Genet.、19:423〜462;BotsteinおよびShortle(1985)「in vitro突然変異誘発の戦略および応用(Strategies and applications of in vitro mutagenesis)」、Science、229:1193〜1201;Carter(1986)「部位特異的突然変異誘発(Site−directed mutagenesis)」、Biochem.J.237:1〜7;ならびにKunkel(1987)「オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発の効率(The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis)」、Nucleic Acids & Molecular Biology(Eckstein,F.およびLilley,D.M.J.編、Springer Verlag、ベルリン));ウラシル含有鋳型を用いた突然変異誘発(Kunkel(1985)「表現型選択を用いない迅速かつ効率的な部位特異的突然変異誘発(Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:488〜492;Kunkel他(1987)「表現型選択を用いない迅速かつ効率的な 部位特異的突然変異誘発(Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection)」、Methods in Enzymol.、154、367〜382;およびBass他(1988)「新規DNA結合特異性を有する突然変異Trpリプレッサー(Mutant Trp repressors with new DNA−binding specificities)」、Science、242:240〜245);オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Methods in Enzymol.、100:468〜500(1983);Methods in Enzymol.、154:329〜350(1987);Zoller(1982)「M13由来のベクターを用いたオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発:任意のDNA断片中に点突然変異を生じる効率的かつ一般的な手順(Oligonucleotide−directed mutagenesis using M13−derived vectors:an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment)」、Nucleic Acids Res.、10:6487〜6500;ZollerおよびSmith(1983)「M13ベクター内にクローニングしたDNA断片のオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Oligonucleotide−directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors)」、Methods in Enzymol.、100:468〜500;ならびにZoller(1987)、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発:2つのオリゴヌクレオチドプライマーおよび1つの一本鎖DNA鋳型を用いた単純方法(Oligonucleotide−directed mutagenesis:a simple method using two oligonucleotide primers and a single−stranded DNA template)」、Methods in Enzymol.、154:329〜350);ホスホロチオエート修飾したDNA突然変異誘発(Taylor(1985)「ニックの入ったDNAを調製するための制限酵素反応におけるホスホロチオエート修飾したDNAの使用(The use of phosphorothioate−modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA)」、Nucl.Acids Res.、13:8749〜8764;Taylor(1985)「ホスホロチオエートで修飾したDNAを用いた高周波数でのオリゴヌクレオチド特異的突然変異の迅速な作製(The rapid generation of oligonucleotide−directed mutations at high frequency using phosphorothioate−modified DNA)」、Nucl.Acids Res.、13:8765〜8787(1985);Nakamaye(1986)「ホスホロチオエート基による制限エンドヌクレアーゼNci I切断の阻害およびオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発におけるその応用(Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide−directed mutagenesis)」、Nucl.Acids Res.、14:9679〜9698;Sayers(1988)「ホスホロチオエートに基づいたオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発におけるY−Tエキソヌクレアーゼ(Y−T Exonucleases in phosphorothioate−based oligonucleotide−directed mutagenesis)」、Nucl.Acids Res.、16:791〜802;ならびにSayers他(1988)「臭化エチジウムの存在下で制限エンドヌクレアーゼと反応させることによるホスホロチオエート含有DNAの鎖特異的切断(Strand specific cleavage of phosphorothioate−containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide)」、Nucl.Acids Res.、16:803〜814);ギャップ二重鎖DNAを用いた突然変異誘発(Kramer他(1984)「オリゴヌクレオチド特異的突然変異を構築するためのギャップ二重鎖DNA手法(The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed mutation construction)」、Nucl.Acids Res.、12:9441〜9456;KramerおよびFritz(1987)、Methods in Enzymol.、「ギャップ二重鎖DNAによる突然変異のオリゴヌクレオチド特異的な構築(Oligonucleotide−directed construction of mutations via gapped duplex DNA)」、154:350〜367;Kramer(1988)「突然変異をオリゴヌクレオチド特異的に構築するためのギャップ二重鎖DNA手法における改善された酵素in vitro反応(Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed construction of mutations)」、Nucl.Acids Res.、16:7207;ならびにFritz(1988)「突然変異のオリゴヌクレオチド特異的な構築:酵素反応を用いないin vitroのギャップ二重鎖DNA手順(Oligonucleotide−directed construction of mutations:a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro)」、Nucl.Acids Res.、16:6987〜6999)が含まれる。
本発明を実施するために使用できるさらなるプロトコルには、点ミスマッチ修復(Kramer(1984)「点ミスマッチ修復(Point Mismatch Repair)」、Cell、38:879〜887)、修復欠損宿主株を用いた突然変異誘発(Carter他(1985)「M13ベクターを用いた改善されたオリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発(Improved oligonucleotide site−directed mutagenesis using M13 vectors)」、Nucl.Acids Res.、13:4431〜4443;およびCarter(1987)「M13ベクターを用いた改善されたオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Improved oligonucleotide−directed mutagenesis using M13 vectors)」、Methods in Enzymol.、154:382〜403)、欠失突然変異誘発(Eghtedarzadeh(1986)「大きな欠失を生じさせるためのオリゴヌクレオチドの使用(Use of oligonucleotides to generate large deletions)」、Nucl.Acids Res.、14:5115)、制限−選択および制限−選択および制限−精製(Wells他(1986)「サブチリシンの遷移状態を安定させるための水素結合の形成の重要性(Importance of hydrogen−bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin)」、Phil.Trans.R.Soc.Lond.、A317:415〜423)、全遺伝子合成による突然変異誘発(Nambiar他(1984)「リボヌクレアーゼSタンパク質をコードしている遺伝子の全合成およびクローニング(Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein)」、Science、223:1299〜1301;SakamarおよびKhorana(1988)「ウシ桿体外節グアニンヌクレオチド結合タンパク質(トランスデューシン)の遺伝子の全合成および発現(Total synthesis and expression of a gene for the a−subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide−binding protein(transducin))」、Nucl.Acids Res.、14:6361〜6372;Wells他(1985)「カセット突然変異誘発:定義した部位で複数の突然変異を作製するための効率的な方法(Cassette mutagenesis:an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites)」、Gene、34:315〜323;およびGrundstrom他(1985)「ミクロスケールの「ショットガン」遺伝子合成によるオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Oligonucleotide−directed mutagenesis by microscale ’shot−gun’ gene synthesis)」、Nucl.Acids Res.、13:3305〜3316)、二重鎖切断修復(Mandecki(1986);Arnold(1993)「異常環境におけるタンパク質工学(Protein engineering for unusual environments)」、Current Opinion in Biotechnology、4:450〜455.「エシェリキア・コリのプラスミドにおけるオリゴヌクレオチド特異的な二重鎖切断の修復:部位特異的突然変異誘発の方法(Oligonucleotide−directed double−strand break repair in plasmids of Escherichia coli:a method for site−specific mutagenesis)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83:7177〜7181)が含まれる。上記方法の多くのさらなる詳細はMethods in Enzymology、第154巻に見つけることができ、これは、様々な突然変異誘発方法の問題のトラブルシューティングを行うために有用なコントロールについても記載している。
本発明を実施するために使用できるプロトコルは、Stemmerの米国特許第5,605,793号(1997年2月25日)、「In vitro組換え方法(Methods for In Vitro Recombination)」;Stemmer他の米国特許第5,811,238号(1998年9月22日)「反復選択および組換えによる、所望の特徴を有するポリヌクレオチドの作製方法(Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination)」;Stemmer他の米国特許第5,830,721(1998年11月3日)、「ランダム断片化および再アセンブリによるDNA突然変異誘発(DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;Stemmer他の米国特許第5,834,252号(1998年11月10日)「末端相補的ポリメラーゼ反応(End−Complementary Polymerase Reaction)」;Minshull他の米国特許第5,837,458号(1998年11月17日)、「細胞工学および代謝工学の方法および組成物(Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering)」;StemmerおよびCrameriの国際公開第95/22625号、「ランダム断片化および再アセンブリによる突然変異誘発(Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;StemmerおよびLipschutzの国際公開第96/33207号、「末端相補的ポリメラーゼ連鎖反応(End Complementary Polymerase Chain Reaction)」;StemmerおよびCrameriの国際公開第97/20078号、「反復選択および組換えによる、所望の特徴を有するポリヌクレオチドの作製方法(Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination)」;MinshullおよびStemmerの国際公開第97/35966号、「細胞工学および代謝工学の方法および組成物(Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering)」;Punnonen他の国際公開第99/41402号、「遺伝子ワクチンベクターの標的化(Targeting of Genetic Vaccine Vectors)」;Punnonen他の国際公開第99/41383号、「抗原ライブラリー免疫化(Antigen Library Immunization)」;Punnonen他の国際公開第99/41369号、「遺伝子ワクチンベクター工学(Genetic Vaccine Vector Engineering)」;Punnonen他の国際公開第99/41368号、「遺伝子ワクチンの免疫調節特性の最適化(Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines」;StemmerおよびCrameriの欧州特許EP752008号、「ランダム断片化および再アセンブリによるDNA突然変異誘発(DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;Stemmerの欧州特許EP0932670号、「反復配列組換えによる細胞のDNA取り込みの進化(Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination」;Stemmer他の国際公開第99/23107号、「ウイルスゲノムのシャフリングによるウイルス指向性および宿主範囲の改変(Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling)」;Apt他の国際公開第99/21979号、「ヒトパピローマウイルスベクター(Human Papillomavirus Vectors)」;del Cardayre他の国際公開第98/31837号、「反復配列組換えによる全細胞および生物の進化(Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination)」;PattenおよびStemmerの国際公開第98/27230号、「ポリペプチド工学の方法および組成物(Methods and Compositions for Polypeptide Engineering)」;Stemmer他の国際公開第98/27230号、「反復配列シャフリングおよび選択による遺伝子治療の最適化方法(Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection)」、国際公開第00/00632号、「高度に多様なライブラリーの作製方法(Methods for Generating Highly Diverse Libraries)」、国際公開第00/09679号、「in vitroで組換えポリヌクレオチド配列のバンクを得る方法および生じる配列(Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences)」、Arnold他の国際公開第98/42832号、「ランダムまたは定義したプライマーを用いたポリヌクレオチド配列の組換え(Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers)」、Arnold他の国際公開第99/29902号、「ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の作製方法(Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences)」、Vindの国際公開第98/41653号、「DNAライブラリーを構築するためのin vitro方法(An in Vitro Method for Construction of a DNA Library)」、Borchert他の国際公開第98/41622号、「DNAシャフリングを用いたライブラリーの構築方法(Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling)」、ならびにPatiおよびZarlingの国際公開第98/42727号、「相同組換えを用いた配列変化(Sequence Alterations using Homologous Recombination)」などに記載されている。
本発明を実施するために使用できるプロトコル(多様性を生じさせる様々な方法に関する詳細を提供するもの)は、Patten他の米国特許出願(USSN)第09/407,800号、「コドンが変化した遺伝子のシャフリング(SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES)」、1999年9月28日出願;del Cardayre他の「反復配列組換えによる全細胞および生物の進化(EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION)」、米国特許第6,379,964;Crameri他の「オリゴヌクレオチド媒介の核酸組換え(OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION)」、米国特許第6,319,714号;第6,368,861号;第6,376,246号;第6,423,542号;第6,426,224号およびPCT/US00/01203号;Welch他の「合成シャフリングのためのコドンが異なるオリゴヌクレオチドの合成の使用(USE OF CODON−VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING)」、米国特許第6,436,675;Selifonov他の「所望の特徴を有する文字列、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作製方法(METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS)」、2000年1月18日出願、(PCT/US00/01202号)など、ならびにSelifonov他の「所望の特徴を有する文字列、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作製方法(METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS)」、2000年7月18日出願(米国特許出願第09/618,579号);SelifonovおよびStemmerの「進化シミュレーションで使用するためのデータ構造の生成方法(METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS)」、2000年1月18日出願(PCT/US00/01138号);ならびにAffholterの「一本鎖核酸鋳型媒介の組換えおよび核酸断片の単離(SINGLE−STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE−MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION)」、2000年9月6日出願(米国特許出願第09/656,549号);および米国特許第6,177,263号;第6,153,410号などに記載されている。
非確率的、すなわち「定方向進化」の方法には、たとえば、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成ライゲーション再アセンブリ(SLR)、またはそれらの組合せなどの飽和突然変異誘発が含まれ、これらを用いて本発明に従った核酸を修飾して、新しいまたは変化した特性(強酸もしくは強アルカリ条件下、高温もしくは低温下などでの活性)を有するHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を作製する。修飾した核酸によってコードされているポリペプチドは、炭素−炭素結合の形成もしくは切断または他の活性について試験する前に、活性についてスクリーニングを行うことができる。毛細アレイプラットフォームを用いることなど、任意の試験様式またはプロトコルを用いることができる。米国特許第6,361,974号、第6,280,926号、第5,939,250号を参照されたい。
遺伝子部位飽和突然変異誘発、すなわちGSSM
本発明はまた、本明細書中ならびに米国特許第6,171,820号および第6,579,258号に記載の、遺伝子部位飽和突然変異誘発、すなわちGSSMを用いて酵素を作製する方法も提供する。一部の実施形態では、縮重N,N,G/T配列を含むコドンプライマーを用いて、点突然変異を本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素または抗体等のポリヌクレオチド中に導入し、これにより、完全な範囲の単一アミノ酸置換が、酵素活性部位または修飾の標的とするリガンド結合部位中のアミノ酸残基などのそれぞれのアミノ酸位置で表される一組の子孫ポリペプチドが作製される。これらのオリゴヌクレオチドは、連続的な第1の相同配列、縮重N,N,G/T配列、および、所望により第2の相同配列を含むことができる。N,N,G/T配列の縮重には20個のアミノ酸すべてのコドンが含まれるので、そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによる下流の子孫翻訳産物には、ポリペプチドに沿ったそれぞれのアミノ酸部位におけるすべての可能なアミノ酸変化が含まれる。一部の実施形態では、1つのそのような縮重オリゴヌクレオチド(たとえば1つの縮重N,N,G/Tカセットからなる)を、親ポリヌクレオチド鋳型中のそれぞれの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。他の実施形態では、少なくとも2つの縮重カセットを、同じオリゴヌクレオチド中であるかどうかにかかわらず、親ポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。たとえば、複数の部位でアミノ酸突然変異を導入するために複数のN,N,G/T配列が1つのオリゴヌクレオチド内に含まれていることができる。この複数のN,N,G/T配列は、直接連続しているか、または1つもしくは複数の追加のヌクレオチド配列によって分離されていることができる。他の実施形態では、付加および欠失を導入するために役立つオリゴヌクレオチドを、単独で、またはN,N,G/T配列を含むコドンと組み合わせて用いて、アミノ酸の付加、欠失、および/または置換の任意の組合せまたは順列を導入することができる。
一部の実施形態では、2つ以上の連続的なアミノ酸位置の同時突然変異誘発は、連続的なN,N,G/Tトリプレット、すなわち縮重(N,N,G/T)n配列を含むオリゴヌクレオチドを用いて行う。他の実施形態では、N,N,G/T配列よりも少ない縮重を有する縮重カセットを用いる。たとえば、一部の例では(オリゴヌクレオチドなどでは)、1つだけのNからなる縮重トリプレット配列を使用することが望ましい場合があり、前記Nはトリプレットの第1、第2または第3番目の位置であることができる。その任意の組合せおよび順列を含めた任意の他の塩基をトリプレットの残りの2つの位置で使用することができる。あるいは、一部の例では(オリゴなどでは)、縮重N,N,Nトリプレット配列を使用することが望ましい場合がある。
一部の実施形態では、縮重トリプレット(N,N,G/Tトリプレットなど)の使用により、ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置内への完全な範囲の可能な天然に存在するアミノ酸(合計20個のアミノ酸)の系統的かつ容易な作製が可能となる(他の実施形態では、この方法には、1つのアミノ酸残基またはコドンの位置あたりすべての可能な置換未満の作製も含まれる)。たとえば、100個のアミノ酸のポリペプチドでは、2000個の異なる種(すなわち1つの位置あたり20個の可能なアミノ酸×100個のアミノ酸位置)を作製することができる。縮重N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの組を使用することにより、32個の個々の配列が20個の可能な天然に存在するアミノ酸すべてをコードすることができる。したがって、親ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのそのようなオリゴヌクレオチドを用いた飽和突然変異誘発に供する反応器内で、20個の異なるポリペプチドをコードする32個の異なる子孫ポリヌクレオチドが作製される。対照的に、部位特異的突然変異誘発における非縮重オリゴヌクレオチドの使用は、1つの反応器あたり1つの子孫ポリペプチド産物のみをもたらす。非縮重オリゴヌクレオチドは、所望により、開示した縮重プライマーと組み合わせて使用することができる。たとえば、非縮重オリゴヌクレオチドを用いて、作業ポリヌクレオチド中に特定の点突然変異を生じさせることができる。これにより、特定のサイレント点突然変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点突然変異、ならびにストップコドンの作製およびポリペプチド断片の対応する発現を引き起こす点突然変異を生じさせるための一手段が提供される。
一部の実施形態では、それぞれの飽和突然変異誘発反応器は、20個の天然に存在するアミノ酸すべてが親ポリヌクレオチド中の突然変異誘発させたコドン位置に対応する1つの特定のアミノ酸位置で表されるように、少なくとも20個の子孫ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素など)の分子を含む(他の実施形態では、20個の天然に存在する組合せすべて未満を使用する)。それぞれの飽和突然変異誘発反応器から作製された32倍の縮重子孫ポリペプチドをクローン増幅に供し(発現ベクターなどを用いてイー・コリ宿主などの適切な宿主内にクローニングすることなど)、発現スクリーニングに供することができる。個々の子孫ポリペプチドをスクリーニングによって同定して好都合な特性変化を表示させる場合(親ポリペプチドと比較して、たとえばアルカリまたは酸性条件下で炭素−炭素の形成または切断活性の増大)、それに含まれる対応して好都合なアミノ酸置換を同定するために配列決定を行うことができる。
一部の実施形態では、本明細書中に開示のように飽和突然変異誘発を用いて親ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置を突然変異誘発させる際、好都合なアミノ酸変化が複数のアミノ酸位置で同定され得る。これらの好都合なアミノ酸置換のすべてまたは一部の組合せを含む、1つまたは複数の新しい子孫分子を作製することができる。たとえば、ポリペプチド中の3つのアミノ酸位置のそれぞれで2つの特定の好都合なアミノ酸変化が同定された場合、順列には、それぞれの位置で3つの可能性(元のアミノ酸から変化なし、および2つ好都合な変化のそれぞれ)ならびに3つの位置が含まれる。したがって、既に検討した7つ−6つの単一点突然変異(すなわち3つの位置のそれぞれで2つ)およびどの位置でも変化なしを含めて、3×3×3すなわち27の全可能性が存在する。
さらに別の実施形態では、部位飽和突然変異誘発は、シャフリング、キメラ化、組換えおよび他の突然変異誘発プロセスと一緒に、スクリーニングと共に用いることができる。本発明は、飽和突然変異誘発を含めた任意の突然変異誘発プロセスを反復様式で使用することを提供する。一例では、任意の突然変異誘発プロセスの反復使用をスクリーニングと組み合わせて用いる。
本発明はまた、完全な範囲の単一アミノ酸置換がそれぞれのアミノ酸位置で表される一組の子孫ポリペプチドを作製するために、点突然変異をポリヌクレオチド内に導入するための専用のコドンプライマー(縮重N,N,N配列を含む)の使用も提供する(遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM))。用いるオリゴは、第1の相同配列、縮重N,N,N配列、および、必ずではないが一部の実施形態では、第2の相同配列から連続的になる。N,N,N配列の縮重には20個のアミノ酸すべてのコドンが含まれるので、そのようなオリゴを使用することによる下流の子孫翻訳産物には、ポリペプチドに沿ったそれぞれのアミノ酸部位におけるすべての可能なアミノ酸変化が含まれる。
一部の実施形態では、1つのそのような縮重オリゴ(1つの縮重N,N,Nカセットからなる)を、親ポリヌクレオチド鋳型中のそれぞれの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。他の実施形態では、少なくとも2つの縮重N,N,Nカセットを、同じオリゴ中であるかどうかにかかわらず、親ポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの元のコドンを完全な範囲のコドン置換に供するために用いる。したがって、複数の部位でアミノ酸突然変異を導入するために複数のN,N,N配列が1つのオリゴ内に含まれていることができる。この複数のN,N,N配列は、直接連続しているか、または1つもしくは複数の追加のヌクレオチド配列によって分離されていることができる。他の実施形態では、付加および欠失を導入するために役立つオリゴを、単独で、またはN,N,N配列を含むコドンと組み合わせて用いて、アミノ酸の付加、欠失および/または置換の任意の組合せまたは順列を導入することができる。
一部の実施形態では、連続的なN,N,Nトリプレット、すなわち縮重(N,N,N)配列を含むオリゴを用いて、2つ以上の連続的なアミノ酸位置を同時に突然変異誘発させることが可能である。他の実施形態では、本発明は、N,N,N配列よりも少ない縮重を有する縮重カセットの使用を提供する。たとえば、一部の例では(オリゴなどでは)、1つだけのNからなる縮重トリプレット配列を使用することが望ましい場合があり、Nはトリプレットの第1、第2または第3番目の位置であることができる。その任意の組合せおよび順列を含めた任意の他の塩基をトリプレットの残りの2つの位置で使用することができる。あるいは、一部の例では(オリゴなどでは)、縮重N,N,Nトリプレット配列、N,N,G/T、またはN,N,G/Cトリプレット配列を使用することが望ましい場合がある。
一部の実施形態では、縮重トリプレット(N,N,G/TまたはN,N、G/Cトリプレット配列など)の使用は、いくつかの理由により有利である。一部の実施形態では、本発明は、ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置内への完全な範囲の可能なアミノ酸(合計20個のアミノ酸)の置換を系統的かつ比較的容易に生じる手段を提供する。したがって、100個のアミノ酸のポリペプチドでは、本発明は、2000個の異なる種(すなわち、1つの位置あたり20個の可能なアミノ酸×100個のアミノ酸位置)を系統的にかつ比較的容易に作製する方法を提供する。縮重N,N,G/TまたはN,N,G/Cトリプレット配列を含むオリゴを使用することにより、20個の可能なアミノ酸をコードする32個の個々の配列が提供されることを理解されたい。したがって、親ポリヌクレオチド配列を1つのそのようなオリゴ用いた飽和突然変異誘発に供する反応器内では、20個の異なるポリペプチドをコードしている32個の異なる子孫ポリヌクレオチドが作製される。対照的に、部位特異的突然変異誘発で非縮重オリゴを使用することでは、1つの反応器あたり1つの子孫ポリペプチドしかもたらされない。
本発明はまた、所望により開示した縮重プライマーと組み合わせて使用することができる非縮重オリゴの使用を提供する。一部の状況では、作業ポリヌクレオチド中に特定の点突然変異を生じさせるために非縮重オリゴを使用することが有利であることを理解されたい。特定のサイレント点突然変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点突然変異ならびにストップコドンの作製およびポリペプチド断片の対応する発現を引き起こす点突然変異を生じさせる手段を提供する。
したがって、本発明の一部の実施形態では、それぞれの飽和突然変異誘発反応器は、20個のアミノ酸すべてが親ポリヌクレオチド中の突然変異誘発させたコドン位置に対応する1つの特定のアミノ酸位置で表されるように、少なくとも20個の子孫ポリペプチド分子をコードしているポリヌクレオチドを含む。それぞれの飽和突然変異誘発反応器から作製された32倍の縮重子孫ポリペプチドをクローン増幅に供し(発現ベクターを用いて適切なイー・コリ宿主内にクローニングすることなど)、発現スクリーニングに供することができる。個々の子孫ポリペプチドをスクリーニングによって同定して好都合な特性変化を表示させる場合(親ポリペプチドと比較して)、それに含まれる対応して好都合なアミノ酸置換を同定するために配列決定を行うことができる。
一部の実施形態では、本明細書中に開示のように飽和突然変異誘発を用いて親ポリペプチド中のそれぞれかつすべてのアミノ酸位置を突然変異誘発させる際、好都合なアミノ酸変化が複数のアミノ酸位置で同定される。これらの好都合なアミノ酸置換のすべてまたは一部の組合せを含む、1つまたは複数の新しい子孫分子を作製することができる。たとえば、ポリペプチド中の3つのアミノ酸位置のそれぞれで2つの特定の好都合なアミノ酸変化が同定された場合、順列には、それぞれの位置で3つの可能性(元のアミノ酸から変化なしおよび2つ好都合な変化のそれぞれ)ならびに3つの位置が含まれる。したがって、既に検討した7つ−6つの単一点突然変異(すなわち、3つの位置のそれぞれで2つ)およびどの位置でも変化なしを含めた3×3×3すなわち27の全可能性が存在する。
本発明は、ハイブリッドポリヌクレオチドが組換えおよび還元的再集合によって作製されるように2つ以上の関連ポリヌクレオチドを適切な宿主細胞内に導入するプロセスなどのさらなる突然変異誘発プロセスと組み合わせた、飽和突然変異誘発の使用を提供する。
遺伝子の全配列に沿って突然変異誘発を行うことに加えて、本発明は、突然変異誘発を用いてポリヌクレオチド配列中の任意の数の塩基のそれぞれを置き換えることができることを提供し、一部の実施形態では、突然変異誘発させる塩基の数は15〜100,000のすべての整数である。したがって、分子に沿ったすべての位置を突然変異誘発させる代わりに、すべてまたは離散的な数の塩基(一部の実施形態では、サブセットの合計は15〜100,000である)を突然変異誘発に供することができる。一部の実施形態では、別々のヌクレオチドを用いて、ポリヌクレオチド配列に沿ったそれぞれの位置または位置群を突然変異誘発させる。突然変異誘発させる3つの位置の群はコドンであり得る。突然変異は、突然変異誘発カセットとも呼ばれる、異種カセットを含む突然変異誘発プライマーを用いて導入することができる。例示的なカセットは1〜500個の塩基を有することができる。そのような異種カセット中のそれぞれのヌクレオチド位置は、N、A、C、G、T、A/C、A/G、A/T、C/G、C/T、G/T、C/G/T、A/G/T、A/C/T、A/C/G、またはEであり、Eは、A、C、G、またはTでない任意の塩基である(Eをデザイナーオリゴと呼ぶことができる)。
一部の実施形態では、飽和突然変異誘発は、突然変異誘発させる定義したポリヌクレオチド配列(一部の実施形態では、突然変異誘発させる配列の長さは約15〜100,000個の塩基である)中の完全な組の突然変異誘発カセット(一部の実施形態では、それぞれのカセットの長さは約1〜500個の塩基である)を突然変異誘発させることからなる。したがって、突然変異の群(1〜100個の範囲の突然変異)を、突然変異誘発させるそれぞれのカセット内に導入する。1つのカセット内に導入する突然変異の分類は、1ラウンドの飽和突然変異誘発の適用中に第2のカセット内に導入する突然変異の第2の分類と異なるまたはそれと同じであることができる。そのような分類は、特定のコドンの欠失、付加、分類および特定のヌクレオチドカセットの分類によって例示される。
一部の実施形態では、突然変異誘発させる定義した配列には、全遺伝子、経路、cDNA、全オープンリーディングフレーム(ORF)および全プロモーター、エンハンサー、リプレッサー/トランス活性化因子、複製起点、イントロン、オペレーター、または任意のポリヌクレオチド官能基が含まれる。一般に、この目的のための「定義した配列」は、15個の塩基のポリヌクレオチド配列および長さが15個の塩基〜15,000個の塩基のポリヌクレオチド配列(本発明では、その間のすべての整数を具体的に挙げる)である任意のポリヌクレオチドであり得る。コドンの分類を選択する際の検討事項には、縮重突然変異誘発カセットによってコードされているアミノ酸の種類が含まれる。
一部の実施形態では、突然変異誘発カセット内に導入することができる突然変異の分類、本発明は、それぞれの位置で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20個のアミノ酸をコードしている縮重コドン置換(縮重オリゴを用いる)ならびにそれによってコードされているポリペプチドのライブラリーを具体的に提供する。
合成ライゲーション再アセンブリ(SLR)
本発明は、新しいまたは変化した特性を有する本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または抗体などのポリペプチドを作製するために、「合成ライゲーション再アセンブリ」、または単に「SLR」と呼ばれる非確率的遺伝子修飾システム、「定方向進化プロセス」を提供する。
SLRとは、オリゴヌクレオチド断片を非確率的にライゲーションする方法である。この方法は、核酸構成単位がランダムにシャフリング、連鎖体形成またはキメラ化されておらず、非確率的にアセンブリされていることが、確率的オリゴヌクレオチドシャフリングと異なる。米国特許第6,773,900号、第6,740,506号、第6,713,282号、第6,635,449号、第6,605,449号、第6,537,776号を参照されたい。一部の実施形態では、SLRは以下の工程、すなわち、(a)相同遺伝子をコードしている配列を含む鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程と、(b)事前に決定した配列で鋳型ポリヌクレオチドとクロスオーバーして再アセンブリするように設計されており、相同遺伝子の変異体である配列および変異配列に隣接する鋳型ポリヌクレオチドに相同的な配列を含む、複数の構成単位ポリヌクレオチドを提供する工程と、(c)構成単位ポリヌクレオチドが鋳型ポリヌクレオチドとクロスオーバーして再アセンブリして相同遺伝子配列の変化を含むポリヌクレオチドが生じるように、構成単位ポリヌクレオチドと鋳型ポリヌクレオチドとを合わせる工程とを含む。
SLRは、ポリヌクレオチド間の高レベルの相同性を再編成することが存在することに依存しない。したがって、この方法を用いて、10100個を超える様々なキメラからなる子孫分子のライブラリー(または組)を非確率的に作製することができる。SLRを用いて101000個を超える様々な子孫キメラからなるライブラリーを作製することができる。したがって、本発明の実施形態には、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を削った一組の最終的なキメラ核酸分子を生成する非確率的方法が含まれる。この方法には、役立つ相互に適合性のあるライゲーション可能な末端を有する複数の特定の核酸構成単位を設計によって作製する工程と、設計した全体的なアセンブリ順序が達成されるようにこれらの核酸構成単位をアセンブリする工程とが含まれる。
アセンブリする核酸構成単位の相互に適合性のあるライゲーション可能な末端は、構成単位が事前に決定した順序でカップリングされることを可能に場合は、この種の順序立てたアセンブリに「役立つ」とみなされる。したがって、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序は、ライゲーション可能な末端の設計によって特定される。複数のアセンブリ工程を用いる場合は、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序も、アセンブリ工程(または複数の工程)の逐次順序によって特定される。一部の実施形態では、アニーリングされた構成片をリガーゼ(T4DNAリガーゼなど)等の酵素で処理して、構成片の共有結合を達成する。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド構成単位の設計は、最終的なキメラポリヌクレオチドの子孫組を生成する基本として役割を果たす一組の前駆体核酸配列鋳型を解析することによって得る。したがって、これらの親オリゴヌクレオチド鋳型は、キメラ化またはシャッフリングするものなどの突然変異誘発させる核酸構成単位の設計を支援する配列情報の情報源として役割を果たす。本方法の一部の実施形態では、1つまたは複数の境界点を選択するために複数の親核酸鋳型の配列を順序立ててアラインメントする。境界点は、相同領域に位置することができ、1つまたは複数のヌクレオチドからなる。一部の実施形態では、これらの境界点は前駆体鋳型の少なくとも2つによって共有される。したがって、境界点は、親ポリヌクレオチドを再編成ために順序立てて作製されるオリゴヌクレオチド構成単位の境界を描写するために用いることができる。前駆体分子中で同定および選択された境界点は、最終キメラ子孫分子のアセンブリにおける潜在的なキメラ化点として役割を果たす。境界点は、少なくとも2つの親ポリヌクレオチド配列によって共有される(少なくとも1つの相同ヌクレオチド塩基からなる)であることができる。あるいは、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも半数によって共有される相同領域であるか、または、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも3分の2によって共有される相同領域であることができる。さらに、一部の実施形態では、役立つ境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも4分の3によって共有される相同領域であるか、または、親ポリヌクレオチド配列のほぼすべてによって共有されることができる。一部の実施形態では、境界点は、親ポリヌクレオチド配列のすべてによって共有される相同領域である。
一部の実施形態では、子孫キメラポリヌクレオチドの徹底的なライブラリーを作製するために、ライゲーション再アセンブリプロセスを徹底的に行う。言い換えれば、核酸構成単位のすべての可能な順序立てた組合せが、最終的なキメラ核酸分子の組に表される。同時に、他の実施形態では、それぞれの組合せにおけるアセンブリ順序(すなわち、それぞれの最終的なキメラ核酸の、それぞれの構成単位のアセンブリの5’から3配列の順序)は、上述のように設計(または非確率的)によるものである。本発明の非確率的性質により、所望しない副産物の可能性が大幅に低下する。
他の実施形態では、ライゲーション再アセンブリ方法を系統的に行う。たとえば、子孫分子の系統的に区画化されたライブラリーを作製するために本方法を行い、区画はたとえば1つずつ系統的にスクリーニングすることができる。言い換えれば、本発明は、特定の核酸構成単位を選択的かつ賢明に使用することと、逐次的な工程のアセンブリ反応を選択的かつ賢明に使用することとを合わせることで、特定の組の子孫生成物がいくつかの反応器のそれぞれ中で作製される設計を達成できることを提供する。これにより、系統的な検査およびスクリーニング手順を行うことが可能となる。したがって、これらの方法は、潜在的に非常に多数の子孫分子を小グループで系統的に検査することを可能にする。柔軟性が高いが徹底的かつ系統的でもある様式でキメラ化を行うその能力により、特に前駆体分子間の相同レベルが低い場合、これらの方法は、多数の子孫分子からなるライブラリー(または組)の作製を提供する。本ライゲーション再アセンブリ発明の非確率的性質により、一部の実施形態で作製される子孫分子は、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を有する最終的なキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和突然変異誘発および最適化した定方向進化方法も、様々な子孫分子種を作製するために用いることができる。本発明は、境界点の選択、核酸構成単位の大きさおよび数、ならびにカップリングの大きさおよび設計に関して選択ならびに制御の自由を提供することを、理解されたい。さらに、本発明の作動性について分子間相同性の要件は非常に緩いことを理解されたい。実際、境界点を、分子間相同性がわずかしかないまたは存在しない領域中に選択することさえできる。たとえば、コドンの揺れ、すなわちコドンの縮重により、対応する前駆体鋳型に元々にコードされていたアミノ酸を変化させずにヌクレオチド置換を核酸構成単位内に導入することができる。あるいは、元のアミノ酸のコードが変化するようにコドンを変化させることができる。本発明は、分子間相同的な境界点の発生率を増加させて、構成単位間でカップリング数増加の達成を可能にし、ひいてはより多数の子孫キメラ分子の作製を可能にするために、そのような置換を核酸構成単位内に導入できることを提供する。
合成遺伝子再アセンブリ
一部の実施形態では、本発明は合成遺伝子再アセンブリと呼ばれる非確率的方法を提供し、これは、核酸構成単位がランダムにシャフリングまたは連鎖体形成またはキメラ化されておらず、非確率的にアセンブリされていることを除いて、確率的シャフリングにいくらか関連している。米国特許第6,537,776号を参照されたい。
合成遺伝子再アセンブリ方法は、シャフリングするポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することに依存しない。本発明は、10100個を超える異なるキメラからなる子孫分子のライブラリー(または組)を非確率的に作製するために用いることができる。あるいは、合成遺伝子再アセンブリは、101000個を超える子孫キメラからなるライブラリーさえを作製するために用いることができる。
したがって、一部の実施形態では、本発明は、役立つ相互に適合性のあるライゲーション可能な末端を有する複数の特定の核酸構成単位を設計によって作製する工程と、設計した全体的なアセンブリ順序が達成されるようにこれらの核酸構成単位をアセンブリする工程とからなる、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を有する一組の最終的なキメラ核酸分子を生成する非確率的方法を提供する。
アセンブリする核酸構成単位の相互に適合性のあるライゲーション可能な末端は、構成単位が事前に決定した順序でカップリングされることを可能に場合は、この種の順序立てたアセンブリに「役立つ」とみなされる。したがって、一部の実施形態では、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序は、ライゲーション可能な末端の設計によって特定され、複数のアセンブリ工程を用いる場合は、核酸構成単位がカップリングされることができる全体的なアセンブリ順序も、アセンブリ工程(または複数の工程)の逐次順序によって特定される。本発明の一実施形態では、アニーリングされた構成片をリガーゼ(T4DNAリガーゼなど)等の酵素で処理して構成片の共有結合を達成する。
別の実施形態では、核酸構成単位の設計は、最終的なキメラ核酸分子の子孫組を生成する基本として役割を果たす一組の前駆体核酸鋳型の配列を解析した際に得られる。したがって、これらの前駆体核酸鋳型は、突然変異誘発させる、すなわちキメラ化またはシャフリングする核酸構成単位の設計を支援する配列情報の情報源として役割を果たす。
一例では、本発明は、関連遺伝子ファミリーのキメラ化およびそれらのコードされた関連産物のファミリーを提供する。特定の例示では、コードされた産物は酵素である。本発明のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、本明細書中に記載の方法に従って突然変異誘発させることができる。
したがって、本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数の境界点を選択するために複数の前駆体核酸鋳型(本発明に従ったポリヌクレオチドなど)の配列のアラインメントを行い、境界点は相同領域に位置することができる。境界点を用いて作製する核酸構成単位の境界を描写することができる。したがって、前駆体分子中で同定および選択された境界点は、子孫分子のアセンブリにおいて潜在的なキメラ化点として役割を果たす。
一部の実施形態では、役立つ境界点は、少なくとも2つの前駆体鋳型によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同ヌクレオチド塩基からなる)であるが、境界点は、前駆体鋳型の少なくとも半数、前駆体鋳型の少なくとも3分の2、前駆体鋳型の少なくとも4分の3、一部の実施形態では前駆体鋳型のほぼすべてによって共有される相同領域であることができる。さらに、一部の実施形態では、役立つ境界点は、前駆体鋳型のすべてによって共有される相同領域である。
一実施形態では、徹底的なライブラリーを作製するために遺伝子再アセンブリプロセスを徹底的に行う。言い換えれば、核酸構成単位のすべての可能な順序立てた組合せが、最終的なキメラ核酸分子の組に表される。同時に、それぞれの組合せにおけるアセンブリ順序(すなわち、それぞれの最終的なキメラ核酸の、それぞれの構成単位のアセンブリの5’から3配列の順序)は、設計(または非確率的)によるものである。本方法の非確率的性質により、所望しない副産物の可能性が大幅に低下する。
他の実施形態では、本方法は、たとえば系統的に区画化されたライブラリーを作製するために、遺伝子再アセンブリプロセスを系統的に行うことを提供し、区画はたとえば1つずつ系統的にスクリーニングすることができる。言い換えれば、本発明は、特定の核酸構成単位を選択的かつ賢明に使用することと、逐次的な工程のアセンブリ反応を選択的かつ賢明に使用することとを合わせることで、特定の組の子孫生成物がいくつかの反応器のそれぞれ中で作製される実験的設計を達成できることを提供する。これにより、系統的な検査およびスクリーニング手順を行うことが可能となる。したがって、これらは、潜在的に非常に多数の子孫分子を小グループで系統的に検査することを可能にする。
柔軟性が高いが徹底的かつ系統的でもある様式でキメラ化を行うその能力により、特に前駆体分子間の相同レベルが低い場合、本発明は、多数の子孫分子からなるライブラリー(または組)の作製を提供する。本遺伝子再アセンブリ発明の非確率的性質により、一部の実施形態で作製される子孫分子は、設計によって選択される全体的なアセンブリ順序を有する最終的なキメラ核酸分子のライブラリーを含む。一部の実施形態では、そのように作製したライブラリーは、10個を超える〜101000個を超える様々な子孫分子種からなる。
一部の実施形態では、記載のように生成した一組の最終的なキメラ核酸分子は、ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドからなる。一実施形態では、このポリヌクレオチドは、人工遺伝子であり得る遺伝子である。別の実施形態では、このポリヌクレオチドは、人工遺伝子経路であり得る遺伝子経路である。一部の実施形態では、本発明は、本発明によって作製した1つまたは複数の人工遺伝子を、真核生物(植物を含む)内で作動可能な経路などの人工遺伝子経路内に取り込ませ得ることを提供する。
別の例示では、構成単位を作製する工程の合成性質により、後に所望によりin vitroプロセス(突然変異誘発によってなど)またはin vivoプロセス(宿主生物の遺伝子スプライシング能力を利用することによってなど)で除去することができるヌクレオチド(たとえばコドンまたはイントロンまたは調節配列であり得る1つまたは複数のヌクレオチドなど)の設計および導入が可能となる。多くの場合、これらのヌクレオチドの導入が、役立つ境界点を作製する潜在的な利点に加えて多くの他の理由において望ましい場合があることを理解されたい。
したがって、一部の実施形態では、本発明は、イントロンを導入するために核酸構成単位を使用できることを提供する。したがって、本発明は、機能的なイントロンを本発明に従った人工遺伝子内に導入し得ることを提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、機能的なイントロンを本発明に従った人工遺伝子経路内に導入し得ることも提供する。したがって、本発明は、1つ(または複数)の人工導入したイントロンを含む人工遺伝子であるキメラポリヌクレオチドの作製を提供する。
本発明はまた、1つ(または複数)の人工導入したイントロンを含む人工遺伝子経路であるキメラポリヌクレオチドの作製も提供する。一部の実施形態では、人工導入したイントロン(または複数のイントロン)は、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングで機能的に役割を果たすのとほとんど同じ様式で、1つまたは複数の宿主細胞において遺伝子スプライシングで機能的である。一部の実施形態では、本発明は、組換えおよび/またはスプライシングのために宿主生物内に導入する人工イントロン含有ポリヌクレオチドを生成するプロセスを提供する。
本発明を用いて生成した人工遺伝子は、別の核酸との組換えの基質として役割を果たすこともできる。同様に、本発明を用いて生成した人工遺伝子経路は、別の核酸との組換えの基質として役割を果たすこともできる。一部の実施形態では、組換えは、人工のイントロン含有遺伝子と組換えパートナーとして役割を果たす核酸との間の相同領域によって促進される、またはそこで起こる。一部の実施形態では、組換えパートナーは、人工遺伝子または人工遺伝子経路を含めた本発明によって作製した核酸であってもよい。組換えは、人工遺伝子中の1つ(または複数)の人工導入したイントロンで存在する相同領域によって促進される、またはそこで起こってもよい。
一部の実施形態では、本発明に従った合成遺伝子再アセンブリ方法は複数の核酸構成単位を利用し、一部の実施形態では、そのそれぞれが2つのライゲーション可能な末端を有する。それぞれの核酸構成単位上の2つのライゲーション可能な末端は、2つの平滑末端(すなわち、それぞれが0個のヌクレオチドのオーバーハングを有する)、または、一部の実施形態では1つの平滑末端および1つのオーバーハング、または、さらなる一部の実施形態では2つのオーバーハングであり得る。一部の実施形態では、この目的のための有用なオーバーハングは、3’オーバーハングまたは5’オーバーハングであり得る。したがって、核酸構成単位は、1つの3’オーバーハングを有するか、または1つの5’オーバーハングを有するか、または2つの3’オーバーハングを有するか、または2つの5’オーバーハングを有し得る。核酸構成単位がアセンブリされて最終的なキメラ核酸分子を形成する全体的な順序は、ランダムではなく目的のある実験設計によって決定される。
一部の実施形態では、核酸構成単位は、2つの一本鎖核酸(一本鎖オリゴとも呼ばれる)を化学合成し、それらを接触させてアニーリングさせ、二本鎖核酸構成単位を形成することによって作製する。二本鎖核酸構成単位は様々な大きさであることができる。これらの構成単位の大きさは小さいまたは大きいことができる。構成単位例示的な大きさの範囲は、1塩基対(任意のオーバーハングは含まれない)〜100,000塩基対(任意のオーバーハングは含まれない)である。他の例示的な大きさの範囲も提供され、その下限は1bp〜10,000bp(その間のすべての整数値が含まれる)であり、上限は2bp〜100,000bp(その間のすべての整数値が含まれる)である。
本発明に役立つ二本鎖核酸構成単位を作製することができる多くの方法が存在し、これらは当分野で知られており、当業者によって容易に行うことができる。一部の実施形態では、二本鎖核酸構成単位は、最初に2つの一本鎖核酸を作製し、これらをアニーリングさせて二本鎖核酸構成単位を形成することによって作製する。二本鎖核酸構成単位の2つの鎖は、オーバーハングを形成する任意のもの以外のすべてのヌクレオチドで相補的であり、したがって、オーバーハング(または複数のオーバーハング)が存在する場合はそれを除いてミスマッチを含まないものであり得る。別の実施形態では、二本鎖核酸構成単位の2つの鎖は、オーバーハングを形成する任意のもの以外は、すべてのヌクレオチド未満で相補的である。したがって、本実施形態によれば、二本鎖核酸構成単位を用いてコドン縮重を導入することができる。一部の実施形態では、コドン縮重は、本明細書中に記載の部位飽和突然変異誘発を用い、1つもしくは複数のN,N,G/Tカセットまたは1つもしくは複数のN,N,Nカセットを用いて導入する。
本発明に従ったin vivo組換え方法は、特定のポリヌクレオチドの配列の未知のハイブリッドまたは対立遺伝子のプールに盲目的に行うことができる。しかし、特定のポリヌクレオチドの実際のDNAまたはRNA配列を知っている必要はない。遺伝子の混合集団内で組換えを用いる手法は、任意の有用なタンパク質、たとえば、本発明に従ったアルドラーゼまたはその変異体の作製に有用な場合がある。この手法を用いて、変化した特異性または活性を有するタンパク質を作製し得る。また、この手法は、ハイブリッド核酸配列、たとえば、プロモーター領域、イントロン、エクソン、エンハンサー配列、遺伝子の31非翻訳領域または51非翻訳領域の作製にも有用であり得る。したがって、この手法を用いて、発現の割合が増加した遺伝子を作製し得る。また、この手法は、反復DNA配列の研究にも有用であり得る。最後に、この手法は、本発明に従ったリボザイムまたはアプタマーの作製に有用であり得る。
一部の実施形態では、本明細書中に記載の発明は、DNA、RNAまたはタンパク質などの高度に複雑な直鎖配列の定方向分子進化を組換えによって可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に向けられている。
最適化した定方向進化システム
本発明は、新しいまたは変化した特性を有する本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または抗体などのポリペプチドを作製するための、「最適化した定方向進化システム」と呼ばれる非確率的遺伝子修飾システムを提供する。一部の実施形態では、最適化した定方向進化は、核酸の定方向分子進化を組換えによって可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に向けられている。
最適化した定方向進化は大集団の進化したキメラ配列の作製を可能にし、作製された集団は、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有する配列について有意に濃縮されている。クロスオーバー事象とは、一方の親変異体から他方の親変異体へと配列のシフトが起こるキメラ配列中の点である。そのような点は通常、2つの親からのオリゴヌクレオチドが一緒にライゲーションされて単一の配列を形成する接合部にある。この方法は、選択された数のクロスオーバー事象が配列の最終キメラ集団について濃縮されているように、オリゴヌクレオチド配列の正しい濃度の計算を可能にする。これにより、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するキメラ変異体を選択することに関してより多くの制御がもたらされる。
さらに、この方法は、他のシステムと比較して大量の可能なタンパク質変異体空間を調査する好都合な手段を提供する。以前は、たとえば反応中に1013個のキメラ分子を作製した場合、そのように多数のキメラ変異体を特定の活性について試験することは非常に困難であった。さらに、子孫集団の顕著な部分が非常に多数のクロスオーバー事象を有することとなり、特定の活性のレベルが増加している可能性がより低いタンパク質がとなっていた。これらの方法を用いることにより、キメラ分子の集団を、特定の数のクロスオーバー事象を有する変異体について濃縮することができる。したがって、依然として反応中に1013個のキメラ分子を作製することができるが、さらなる解析のために選択した分子のそれぞれは、たとえば、3つのクロスオーバー事象しか有さない可能性が高い。事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するように生じる子孫集団を歪めることができるので、キメラ分子間の機能的多様性の境界が低下する。これは、元の親ポリヌクレオチドからどのオリゴヌクレオチドが特定の特質に影響を与える原因となっている可能性があるかを計算する際に、より管理可能な数の可変部を提供する。
キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する一方法は、それぞれの親配列の断片または部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。一部の実施形態では、それぞれのオリゴヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによりそれぞれのオリゴヌクレオチド断片が正しい順序でアセンブリされている新しい変異体がもたらされるように、固有の重複領域が含まれる。あるいは、本発明に従ったこれらの方法実施するプロトコルは、米国特許第6,773,900号、第6,740,506号、第6,713,282号、第6,635,449号、第6,605,449号、第6,537,776号、第6,361,974号に見つけることができる。
それぞれの親変異体について作製されるオリゴヌクレオチド数は、最終的に作製されるキメラ分子中に生じるクロスオーバーの合計数に対して関係性を有する。たとえば、たとえばより高い温度でより大きな活性を有するキメラ変異体を探すために、ライゲーション反応を受けるように、3つの親ヌクレオチド配列変異体を提供する場合がある。一例として、それぞれの親変異体のそれぞれの部分に対応する50個のオリゴヌクレオチド配列の組を作製することができる。したがって、ライゲーション再アセンブリプロセス中に、キメラ配列のそれぞれ内に50個までのクロスオーバー事象が存在する場合がある。作製したキメラポリヌクレオチドのそれぞれが、それぞれの親変異体からのオリゴヌクレオチドを交互の順序で含む確率は非常に低い。それぞれのオリゴヌクレオチド断片がライゲーション反応中に同モル量で存在する場合は、一部の位置では、同じ親ポリヌクレオチドからのオリゴヌクレオチドが隣同士でライゲーションされてクロスオーバー事象がもたらされない可能性が高い。それぞれの親からのそれぞれのオリゴヌクレオチドの濃度を、この例の任意のライゲーション工程で一定に保つ場合は、同じ親変異体からのオリゴヌクレオチドがキメラ配列内でライゲーションしてクロスオーバーを生じない確率は1/3である(3つの親を仮定)。
したがって、指定した数の親変異体、それぞれの変異体に対応するオリゴヌクレオチドの数、およびライゲーション反応のそれぞれの工程中のそれぞれの変異体の濃度を考えると、ライゲーション反応のそれぞれの工程中で生じる可能性があるクロスオーバー事象の集団を予測するために、確率密度関数(PDF)を決定することができる。PDFの決定の背後にある統計学および数学を以下に記載する。これらの方法を利用することにより、そのような確率密度関数を計算することができ、したがって、特定のライゲーション反応から生じる事前に決定した数のクロスオーバー事象についてキメラ子孫集団を濃縮することができる。さらに、標的数のクロスオーバー事象を事前に決定することができ、その後、ライゲーション反応のそれぞれの工程にそれぞれの親オリゴヌクレオチドの開始量を計算して、事前に決定した数のクロスオーバー事象を中心とする確率密度関数をもたらすために、システムをプログラミングすることができる。これらの方法は、ポリペプチドをコードしている核酸の定方向分子進化を組換えによって可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に向けられている。このシステムは大集団の進化したキメラ配列の作製を可能にし、作製された集団は、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有する配列について有意に濃縮されている。クロスオーバー事象とは、一方の親変異体から他方の親変異体へと配列のシフトが起こるキメラ配列中の点である。そのような点は通常、2つの親からのオリゴヌクレオチドが一緒にライゲーションされて単一の配列を形成する接合部にある。この方法は、選択された数のクロスオーバー事象が配列の最終キメラ集団について濃縮されているように、オリゴヌクレオチド配列の正しい濃度の計算を可能にする。これにより、事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するキメラ変異体を選択することに関してより多くの制御がもたらされる。
さらに、これらの方法は、他のシステムと比較して大量の可能なタンパク質変異体空間を調査する好都合な手段を提供する。本明細書中に記載の方法を用いることによって、キメラ分子の集団を、特定の数のクロスオーバー事象を有する変異体について濃縮することができる。したがって、依然として反応中に1013個のキメラ分子を作製することができるが、さらなる解析のために選択した分子のそれぞれは、たとえば、3つのクロスオーバー事象しか有さない可能性が高い。事前に決定した数のクロスオーバー事象を有するように生じる子孫集団を歪めることができるので、キメラ分子間の機能的多様性の境界が低下する。これは、元の親ポリヌクレオチドからどのオリゴヌクレオチド特定の特質に影響を与える原因となっている可能性があるかを計算する際に、より管理可能な数の可変部を提供する。
一部の実施形態では、この方法は、それぞれの親配列の断片または部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することによって、キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する。一部の実施形態では、それぞれのオリゴヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによりそれぞれのオリゴヌクレオチド断片が正しい順序でアセンブリされている新しい変異体がもたらされるように、固有の重複領域が含まれる。米国特許第6,773,900号、第6,740,506号、第6,713,282号、第6,635,449号、第6,605,449号、第6,537,776号、第6,361,974号。
クロスオーバー事象の決定
本発明の実施形態には、入力として所望のクロスオーバー確率密度関数(PDF)、再アセンブリする親遺伝子の数、および再アセンブリ中の断片の数を受信するシステムおよびソフトウェアが含まれる。このプログラムの出力は、再アセンブリした遺伝子を生成するためのレシピ、およびそれらの遺伝子の推定クロスオーバーPDFを決定するために用いることができる「断片PDF」である。一部の実施形態では、本明細書中に記載の処理は、技術計算のためのプログラミング言語および開発環境であるMATLAB(商標)(The Mathworks、マサチューセッツ州Natick)で行う。
反復プロセス
本発明に従った任意のプロセスを繰り返し反復することができ、たとえば、本発明に従った変化したまたは新しい、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの表現型をコードしている核酸を、同定し、再単離し、再度修飾し、再度活性について試験することができる。このプロセスを、所望の表現型が操作により設計されるまで繰り返し反復することができる。たとえば、たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を含めた生化学的同化または異化経路全体を、操作により細胞内に入れることができる。
同様に、特定のオリゴヌクレオチドが所望の特質(たとえば新しいHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の表現型)にまったく影響を与えないことが決定された場合は、除去する配列が含まれるより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することによって、可変部として除去することができる。配列をより大きな配列内に組み込むことにより任意のクロスオーバー事象が妨げられるので、子孫ポリヌクレオチド中にはこの配列の変異体はまったく存在しなくなる。どのオリゴヌクレオチドが所望の特質に最も関連しており、どれが関連していないかを決定するこの反復実施により、特定の特質または活性をもたらす可能性があるすべての可能なタンパク質変異体のより効率的な調査が可能となる。
In vivoシャフリング
様々な実施形態では、分子のin vivoシャフリングを本発明に従った方法で用いて、本発明に従った抗体またはピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などの本発明に従ったアルドラーゼ等の本発明に従ったポリペプチドの変異体を提供する。in vivoシャフリングは、多量体を組み換えるという細胞の天然に存在する特性を利用して行うことができる。in vivoの組換えは分子多様性に向かう大きな自然の手段を提供したが、遺伝的組換えは、1)相同性の認識、2)組換えキアズマの生成をもたらす鎖の切断、鎖の侵襲、および代謝工程、ならびに最後に3)キアズマを別々の組み換えた分子へと分解することを含む比較的複雑なプロセスのままである。キアズマの形成には相同配列の認識を要する。
他の実施形態では、本発明には、少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを生成する方法が含まれる。一部の実施形態では、本発明は、部分的配列相同性の少なくとも1つの領域を共有する少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチド(本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素によってコードされた配列の一方または両方など)を適切な宿主細胞内に導入することによってハイブリッドポリヌクレオチドを生成するために用いることができる。部分的配列相同性の領域は、配列の再編成をもたらしてハイブリッドポリヌクレオチドを生成するプロセスを促進する。本明細書中で使用する用語「ハイブリッドポリヌクレオチド」とは、本発明の方法により生じ、少なくとも2つの元のポリヌクレオチド配列からの配列を含む任意のヌクレオチド配列である。そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列組込みを促進する分子間組換え事象から生じる場合がある。さらに、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、反復配列を利用してDNA分子内のヌクレオチド配列を変化させる分子内還元的再集合プロセスから生じる場合がある。
一部の実施形態では、vivo再集合は「組換え」と総称される「分子間」プロセスに着目し、これは、細菌では一般に「RecA依存性」現象とみなされる。一部の実施形態では、本発明は、欠失によって細胞中の準反復配列の複雑さを下げるために、配列を組換えおよび再集合させる宿主細胞の組換えプロセス、または還元性プロセスを媒介する細胞の能力に依存する場合がある。この「還元的再集合」のプロセスは、「分子内」のRecA非依存性プロセスによって起こる。
本発明の他の実施形態では、新規ポリヌクレオチドは、還元的再集合のプロセスによって作製することができる。この方法は、連続した配列(元のコード配列)を含む構築体を作製すること、それらを適切なベクター内に挿入すること、および続いてそれらを適切な宿主細胞内に導入することを含む。個々の分子同一性の再集合は、相同領域を保有する構築体中の連続した配列間、または準反復単位間のコンビナトリアルプロセスによって起こる。再集合プロセスは反復配列の複雑さおよび度合を組み換えるおよび/または低下させ、新規分子種の生成をもたらす。再集合の割合を増強するために様々な処理を適用し得る。これらには、紫外光もしくはDNA損傷化学薬品を用いた処理および/または増強したレベルの「遺伝的不安定性」を表示する宿主細胞系の使用が含まれる場合がある。したがって、再集合プロセスは、自身の進化を指示するための相同組換えまたは準反復配列の天然に存在する特性を含み得る。
反復または「準反復」配列は遺伝的不安定性において役割を果たす。一部の実施形態では、「準反復」とは、その元の単位構造に制限されない反復である。準反復単位は、構築体中の配列アレイ、すなわち連続した単位の類似配列として提示することができる。ライゲーションされた後、連続した配列間の接合部は本質的に見えなくなり、生じる構築体の準反復性質は、ここでは分子レベルで連続的となる。生じる構築体の複雑さを低下させるために細胞が行う欠失プロセスは、準反復配列間で動作する。準反復単位は事実上制限のない鋳型レパートリーを提供し、それに翻訳スリップ事象が起こることができる。したがって、一部の実施形態では、準反復を含む構築体は、欠失(および潜在的に挿入)事象が事実上準反復単位内のどこでも起こることができるほどの十分な分子の融通性を有効に提供する。
準反復配列がすべて同じ配向、たとえば頭部から尾部またはその逆でライゲーションされている場合、細胞は個々の単位を区別することができない。その結果、還元性プロセスは配列全体にわたって起こることができる。対照的に、たとえば、単位が頭部から尾部ではなく頭部対頭部で提示されている場合、逆位によって隣接単位の末端点が描写されて、欠失形成は個別の単位の損失を支持する。したがって、本方法では、配列が同じ配向であることが好ましい。準反復配列のランダム配向は再集合効率の損失をもたらす一方で、配列の一定配向は最も高い効率を提供する。しかし、同じ配向の連続的な配列がより少ないことにより効率が低下するが、これは依然として新規分子の有効な回収に十分な融通性を提供し得る。より高い効率を可能にするために、準反復配列を用いて同じ配向で構築体を作製することができる。
配列は、以下を含めた様々な方法の任意のものを用いて頭部から尾部の配向でアセンブリすることができる:
a)一本鎖にした場合に配向を提供する、ポリA頭部およびポリT尾部が含まれるプライマーを利用することができる。これは、プライマーの最初の数塩基をRNAから作製し、容易に除去されるRNaseHを有することによって達成される。
b)固有の制限切断部位が含まれるプライマーを利用することができる。複数の部位、固有の配列の集団、ならびに反復合成およびライゲーション工程が必要となる。
c)プライマーの内部の数塩基をチオール化し、エキソヌクレアーゼを用いて適切な尾部を有する分子を生成することができる。
一部の実施形態では、再集合配列の回収は、反復指数(RI)が低下したクローニングベクターの同定に依存する。その後、再集合したコード配列を増幅によって回収することができる。生成物を再度クローニングして発現させる。RIが低下したクローニングベクターの回収は、以下によって行うことができる:
1)構築体の複雑さが低下している場合にのみ安定に保たれるベクターの使用。
2)物理的手順による短縮したベクターの物理的回収。この場合、クローニングベクターは、標準のプラスミド単離手順を用いて回収し、標準の手順を利用してアガロースゲル、または低分子量カットオフを有するカラムのどちらかでサイズ分画する。
3)挿入物の大きさが小さくなった場合に選択することができる中断された遺伝子を含むベクターの回収。
4)発現ベクターおよび適切な選択を用いた直接選択技術の使用。
関連生物からのコード配列(たとえば遺伝子)は高度な相同性を実証し、非常に多様なタンパク質産物をコードしている場合がある。これらの種類の配列は本発明で準反復として特に有用である。しかし、以下に例示する例はほぼ同一の元のコード配列(準反復)の再集合を実証するが、このプロセスは、そのようなほぼ同一の反復に限定されない。
以下の例は、本発明に従った例示的な方法を実証する。3つの固有の種に由来するコード核酸配列(準反復)を記載する。それぞれの配列は、異なる組の特性を有するタンパク質をコードしている。配列のそれぞれは、配列中の固有の位置で一塩基対または数塩基対が異なる。準反復配列を別々または集合的に増幅し、すべての可能な順列および組合せがライゲーションした分子の集団中で利用可能となるように、ランダムアセンブリ内にライゲーションする。準反復単位の数はアセンブリ条件によって制御することができる。構築体中の準反復単位の平均数は、反復指数(RI)として定義される。
形成した後、構築体を公開されているプロトコルに従ってアガロースゲル上でサイズ分画してもしなくてもよく、クローニングベクター内に挿入し、適切な宿主細胞内に形質移入させる。その後、細胞を増殖させ、「還元的再集合」を行う。還元的再集合プロセスの割合は、所望する場合はDNA損傷の導入によって刺激し得る。RIの低下が「分子内」機構による反復配列間の欠失形成によって媒介されるか、「分子間」機構による組換え様事象によって媒介されるかは重要でない。最終結果は、分子がすべての可能な組合せに再集合されることである。
所望により、本方法は、たとえばタンパク質受容体、オリゴ糖、ビリオン、または他の事前に決定した化合物もしくは構造体などの事前に決定した巨大分子と結合もしくは他の様式で相互作用する、またはそれとの特定の反応を触媒する(酵素の触媒ドメインなど)能力を有する個々のシャフリングしたライブラリーメンバーを同定するために、シャフリングしたプールのライブラリーメンバースクリーニングするさらなる工程を含む。
そのようなライブラリーから同定されたポリペプチドは、治療、診断、研究および関連する目的のために使用することができるか(触媒、水溶液の浸透圧を増加するための溶質など)、かつ/または1つもしくは複数の追加のサイクルのシャフリングおよび/もしくは選択に供することができる。
他の実施形態では、組換えまたは再集合の前またはその間に、本発明に従った方法によって作製したポリヌクレオチドを、元のポリヌクレオチド内への突然変異の導入を促進する薬剤またはプロセスに供することができることが想定される。そのような突然変異を導入することにより、それにコードされている、生じるハイブリッドポリヌクレオチドおよびポリペプチドの多様性が増加する。突然変異誘発を促進する薬剤またはプロセスには、それだけには限定されないが、(+)−CC−1065または(+)−CC−1065−(N3−アデニンなどの合成類似体(SunおよびHurley、(1992)参照;DNA合成を阻害することができるN−アセチル化もしくは脱アセチル化4’−フルロ−4−アミノビフェニル付加物(たとえばvan de Poll他(1992)参照);またはDNA合成を阻害することができるN−アセチル化もしくは脱アセチル化した4−アミノビフェニル付加物(van de Poll他(1992)、ページ751〜758参照);三価クロム、三価クロム塩、DNA複製を阻害することができる多環芳香族炭化水素(PAH)DNA付加物、たとえば7−ブロモメチル−ベンズ[a]アントラセン(「BMA」)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート(「トリス−BP」)、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン(「DBCP」)、2−ブロモアクロレイン(2BA)、ベンゾ[a]ピレン−7,8−ジヒドロジオール−9−10−エポキシド(「BPDE」)、白金(II)ハロゲン塩、N−ヒドロキシ−2−アミノ−3−メチルイミダゾ[4,5−f]−キノリン(「N−ヒドロキシ−IQ」)およびN−ヒドロキシ−2−アミノ−1−メチル−6−フェニルイミダゾ[4,5−f]−ピリジン(「N−ヒドロキシ−PhIP」)が含まれることができる。PCR増幅を遅延または停止させる例示的な手段は、UV光(+)−CC−1065および(+)−CC−1065−(N3−アデニン)からなる。特に包含される手段は、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプールからのDNA付加物を含むDNA付加物またはポリヌクレオチドであり、これは、さらなる加工の前にポリヌクレオチドを含む溶液を加熱することが含まれるプロセスによって、放出させるまたは除去することができる。
他の実施形態では、本発明は、野生型タンパク質をコードしている二本鎖鋳型ポリヌクレオチドを含む試料を、ハイブリッドまたは再集合ポリヌクレオチドの生成をもたらす本発明による条件下で処理することによる、生物活性を有する組換えタンパク質を生成する方法に向けられている。
配列変異体の生成
本発明はまた、本発明に従った核酸(HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素など)の配列の配列変異体を作製するさらなる方法も提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、本発明に従った核酸およびポリペプチドを用いた、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を単離するさらなる方法も提供する。一部の実施形態では、本発明は、上述のランダム、すなわち確率的方法、または非確率的、すなわち「定方向進化」方法などを含めた任意の手段によって変化させることができる、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素のコード配列(遺伝子、cDNAまたはメッセージなど)の変異体を提供する。
単離した変異体は天然に存在し得る。変異体はin vitroで作製することもできる。変異体は、部位特異的突然変異誘発、ランダム化学突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIII欠失手順、および標準のクローニング技術などの遺伝子操作技術を用いて作製し得る。あるいは、そのような変異体、断片、類似体、または誘導体は、化学合成または修飾手順を用いて作製し得る。当業者は変異体を作製する他の方法にも精通している。これらには、天然に存在する単離物から得た核酸配列を修飾して、工業または実験室の用途におけるその価値を増強する特徴を有するポリペプチドをコードしている核酸を作製する手順が含まれる。そのような手順では、天然に存在する単離物から得た配列に対して1つまたは複数のヌクレオチド差異を有する多数の変異配列を作製し、特徴づける。これらのヌクレオチドの差異は、天然に存在する単離物からの核酸によってコードされているポリペプチドに対するアミノ酸変化をもたらすことができる。
たとえば、誤りがちなPCRを用いて変異体を作製し得る。誤りがちなPCRの一部の実施形態では、PCR産物の全長にわたって高い割合の点突然変異が得られるように、DNAポリメラーゼの複製の忠実度が低い条件下でPCRを行う。誤りがちなPCRは、Leung,D.W.他、(1989)Technique、1:11〜15;ならびにCaldwell,R.C.およびJoyce,G.F.、(1992)PCR Methods Applic.、2:28〜33などの記載されている。手短に述べると、そのような手順では、PCR産物の全長にわたって高い割合の点突然変異を達成するために、突然変異誘発させる核酸を、PCRプライマー、反応緩衝液、MgCl、MnCl、Taqポリメラーゼおよび適切な濃度のdNTPと混合する。たとえば、20fmoleの突然変異誘発させる核酸、30pmoleのそれぞれのPCRプライマー、50mMのKCl、10mMのトリスHCl(pH8.3)および0.01%のゼラチンを含む反応緩衝液、7mMのMgCl、0.5mMのMnCl、5単位のTaqポリメラーゼ、0.2mMのdGTP、0.2mMのdATP、1mMのdCTP、ならびに1mMのdTTPを用いて反応を行い得る。94℃で1分間、45℃で1分間、および72℃で1分間の30サイクルでPCRを行い得る。しかし、これらのパラメータは必要に応じて変え得ることを理解されたい。突然変異誘発させた核酸を適切なベクター内にクローニングし、突然変異誘発させた核酸によってコードされているポリペプチドの活性を評価する。
一部の実施形態では、任意の目的のクローニングしたDNAに部位特異的な突然変異を生じさせるためのオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発を用いて変異体を作製する。オリゴヌクレオチドの突然変異誘発は、Reidhaar−Olson(1988)Science、241:53〜57などに記載されている。手短に述べると、そのような手順では、クローニングしたDNA内に導入する1つまたは複数の突然変異を保有する複数の二本鎖オリゴヌクレオチドを合成し、突然変異誘発させるクローニングしたDNA内に挿入する。一部の実施形態では、突然変異誘発させたDNAを含むクローンを回収し、発現させ、それにコードされているポリペプチドの活性を評価する。
変異体を作製する別の方法はアセンブリPCRである。アセンブリPCRは、小DNA断片の混合物からのPCR産物のアセンブリを含む。多数の異なるPCR反応が同じバイアル内で平行して起こり、1つの反応の産物が別の反応のプライマーとなる。アセンブリPCRは、当分野で米国特許第5,965,408号などに記載されている。
一部の実施形態では、性的PCR突然変異誘発は、本発明に従った変異体を作製する例示的な方法である。性的PCR突然変異誘発の一部の実施形態では、配列相同性に基づいたDNA分子のランダム断片化の結果、異なるが関連性の高いDNA配列のDNA分子間で強制相同組換えがin vitroで起こり、続いてPCR反応におけるプライマー伸長によってクロスオーバーの固定が起こる。性的PCR突然変異誘発は、Stemmer(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、91:10747〜10751などに記載されている。手短に述べると、そのような手順では、組み換える複数の核酸をDNaseで消化して、平均の大きさが50〜200個のヌクレオチドである断片を作製する。所望の平均の大きさの断片を精製し、PCR混合物に再懸濁させる。PCRを、核酸断片間の組換えを促進する条件下で実施する。たとえば、PCRは、精製した断片を10〜30ng/μlの濃度で、0.2mMのそれぞれのdNTP、2.2mMのMgCl、50mMのKCL、10mMのトリスHCl、pH9.0、および0.1%のTriton X−100の溶液に再懸濁させることによって行い得る。100μlの反応混合物あたり2.5単位のTaqポリメラーゼを加え、以下のレジメンを用いてPCRを行う:94℃で60秒間、94℃で30秒間、50〜55℃で30秒間、72℃で30秒間(30〜45回)および72℃で5分間。しかし、これらのパラメータは必要に応じて変え得ることを理解されたい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドをPCR反応に含め得る。他の実施形態では、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片をPCR反応の第1の組で用い、TaqポリメラーゼをPCR反応の続く組で用い得る。組換え配列を単離し、それにコードされているポリペプチドの活性を評価する。
一部の実施形態では、in vivo突然変異誘発によって変異体を作製する。一部の実施形態では、目的配列中のランダム突然変異は、目的配列をDNA修復経路の1つまたは複数に突然変異を保有するイー・コリ株などの細菌株中で増殖することによって作製される。そのような「突然変異誘発」株は、野生型の親よりもランダム突然変異の割合が高い。これらの株の1つでDNAを増殖することにより、いつかはDNA中にランダム突然変異が生じる。in vivo突然変異誘発での使用に適した突然変異誘発株は、1991年10月31日公開、題名「複数の遺伝子集団からの表現型の作製方法(Methods for Phenotype Creation from Multiple Gene Populations)」のPCT国際公開第91/16427号に記載されている。
変異体は、カセット突然変異誘発を用いても作製し得る。カセット突然変異誘発では、二本鎖DNA分子の小領域を、ネイティブ配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド「カセット」で置き換える。オリゴヌクレオチドは、多くの場合、完全および/または部分的にランダム化されたネイティブ配列を含む。
反復アンサンブル突然変異誘発も、変異体を作製するために用い得る。反復アンサンブル突然変異誘発とは、そのメンバーのアミノ酸配列が異なり、表現型が関連する突然変異体の多様な集団を生じるために開発されたタンパク質工学(タンパク質突然変異誘発)のアルゴリズムである。この方法では、連続的な巡回のコンビナトリアルカセット突然変異誘発を制御するためにフィードバック機構を用いる。反復アンサンブル突然変異誘発は、Arkin(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:7811〜7815などに記載されている。
一部の実施形態では、指数関数的アンサンブル突然変異誘発を用いて変異体を作製する。指数関数的アンサンブル突然変異誘発とは、固有かつ機能的な突然変異体を高い割合で有するコンビナトリアルライブラリーを作製するプロセスであり、残基の小グループを、機能的なタンパク質をもたらすアミノ酸の同定と平行して、それぞれの変化した位置でランダム化する。指数関数的アンサンブル突然変異誘発は、Delegrave(1993)Biotechnology Res.、11:1548〜1552などに記載されている。ランダムおよび部位特異的突然変異誘発は、Arnold(1993)Current Opinion in Biotechnology、4:450〜455などに記載されている。
一部の実施形態では、シャフリング手順を用いて変異体を作製し、1996年7月9日出願、題名「合成を中断することによるDNAの再アセンブリ方法(Method of DNA Reassembly by Interrupting Synthesis)」の米国特許第5,965,408号、および1996年5月22日出願、題名「突然変異誘発による所望の活性を有する酵素の作製(Production of Enzymes Having Desired Activities by Mutagenesis)の米国特許第5,939,250号に記載のように、異なるポリペプチドをコードしている複数の核酸の部分を一緒に融合してキメラポリペプチドをコードしているキメラ核酸配列を作製する。
本発明に従ったポリペプチドの変異体は、本発明に従った配列のポリペプチドのアミノ酸残基の1つまたは複数が保存的または非保存的アミノ酸残基(一部の実施形態では保存的アミノ酸残基)で置換されており、そのような置換されたアミノ酸残基が遺伝暗号によってコードされているものであってもされていないものであってもよい、変異体であり得る。
一部の実施形態では、保存的置換とは、ポリペプチド中の所定のアミノ酸を同様の特徴を有する別のアミノ酸で置換するものである。一部の実施形態では、本発明に従った保存的置換は、以下の置換え、すなわち、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンなどの脂肪族アミノ酸を別の脂肪族アミノ酸で置き換えること、セリンをスレオニンで置き換えることまたはその逆、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性残基を別の酸性残基で置き換えること、アスパラギンおよびグルタミンなどのアミド基を有する残基を、アミド基を有する別の残基で置き換えること、リシンおよびアルギニンなどの塩基性残基を別の塩基性残基で交換すること、ならびにフェニルアラニン、チロシンなどの芳香族残基を別の芳香族残基で置き換えることを含む。
他の変異体は、本発明に従ったポリペプチドのアミノ酸残基の1つまたは複数に置換基が含まれるものである。一部の実施形態では、他の変異体は、ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加する化合物(たとえばポリエチレングリコール)などの別の化合物と会合しているものである。さらなる変異体は、リーダー配列、分泌配列、前駆タンパク質配列またはポリペプチドの精製、濃縮、もしくは安定化を促進する配列などのさらなるアミノ酸がポリペプチドと融合しているものである。
一部の実施形態では、断片、誘導体および類似体は、本発明に従ったポリペプチドおよびそれと実質的に同一の配列と同じ生体機能または活性を保持する。他の実施形態では、断片、誘導体、または類似体には、断片、誘導体、または類似体が、前駆タンパク質部分の切断によって活性化されて活性ポリペプチドを生成することができるように、前駆タンパク質が含まれる。
宿主細胞中で高レベルのタンパク質発現を達成するためのコドンの最適化
本発明は、コドン使用頻度を改変(たとえば最適化)するために、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素をコードしている核酸を修飾する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、宿主細胞におけるその発現を増加または低下させるために、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素をコードしている核酸中のコドンを修飾する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、宿主細胞におけるその発現を増加させるために修飾したピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素をコードしている核酸、そのように修飾したHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、ならびに修飾したHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を作製する方法も提供する。この方法は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素をコードしている核酸中の「好ましくない」または「それほど好ましくない」コドンを同定すること、これらの好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンの1つまたは複数を、置き換えるコドンと同じアミノ酸をコードしている「好ましいコドン」で置き換えること、ならびに核酸中の少なくとも1つの好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンが同じアミノ酸をコードしている好ましいコドンで置き換えられていることを含む。好ましいコドンとは、宿主細胞中の遺伝子のコード配列中で大きな比率を占めるコドンであり、好ましくないまたはそれほど好ましくないコドンとは、宿主細胞中の遺伝子のコード配列中で小さな比率しか占めないコドンである。
本発明に従った核酸、発現カセットおよびベクターを発現させるための宿主細胞には、細菌、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞が含まれる(上記記述を参照)。したがって、本発明は、これらの細胞すべてにおけるコドン使用頻度を最適化する方法、コドンが変化した核酸およびコドンが変化した核酸によって作製されたポリペプチドを提供する。例示的な宿主細胞には、エシェリキア・コリなどのグラム陰性細菌、ストレプトマイセスsp.、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・クレモリス、バチルス・サチリス、バチルス・セレウスなどのグラム陽性細菌が含まれる。また、例示的な宿主細胞には、サッカロマイセス・セレビシエ、シゾサッカロマイセス・ポンベ、ピキア・パストリス、およびクルイベロマイセス・ラクチスを含めたサッカロマイセスsp.、ハンゼヌラ・ポリモルファ、アスペルギルス・ニガーなどの様々な酵母、ならびに哺乳動物細胞および細胞系および昆虫細胞および細胞系等の真核生物も含まれる。したがって、本発明にはまた、これらの生物および種における発現に最適化した核酸およびポリペプチドが含まれる。
たとえば、細菌細胞から単離したピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素をコードしている核酸のコドンを、核酸が、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が由来する細菌とは異なる細菌細胞、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞中で最適に発現されるように、修飾する。コドンを最適化する方法は当分野で周知であり、米国特許第5,795,737号;Baca(2000)Int.J.Parasitol.、30:113〜118;Hale(1998)Protein Expr.Purif.、12:185〜188;Narum(2001)Infect.Immun.、69:7250〜7253を参照されたい。マウス系でのコドンの最適化を記載しているNarum(2001)Infect.Immun.、69:7250〜7253;酵母でのコドンの最適化を記載しているOutchkourov(2002)Protein Expr.Purif.、24:18〜24;イー・コリでのコドンの最適化を記載しているFeng(2000)Biochemistry、39:15399〜15409;イー・コリでの分泌に影響を与えるコドン使用頻度の最適化を記載しているHumphreys(2000)Protein Expr.Purif.、20:252〜264も参照されたい。
トランスジェニック非ヒト動物
本発明は、本発明に従った核酸、ポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)、発現カセットまたはベクターあるいは形質移入または形質転換細胞を含むトランスジェニック非ヒト動物を提供する。一部の実施形態では、本発明はまた、これらのトランスジェニック非ヒト動物を作製および使用する方法も提供する。
トランスジェニック非ヒト動物は、本発明に従った核酸を含むイヌ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ウマ、魚、ブタ(pig)(すべてのブタ(swine)、雄ブタ(hog)および関連動物を含む)、ウシ、ラットならびにマウスなどであることができる。これらの動物は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を研究するためのin vivoモデル、または、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性をin vivoで変化させる薬剤をスクリーニングするためのモデルなどとして使用することができる。トランスジェニック非ヒト動物中で発現させるポリペプチドのコード配列は、構成的であるように、または、組織特異的、発生特異的もしくは誘導可能な転写調節因子の制御下で設計することができる。
トランスジェニック非ヒト動物は、当分野で知られている任意の方法を用いて設計および作製することができる。形質転換細胞および卵子ならびにトランスジェニックマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、魚およびウシの作製ならびに使用を記載している米国特許第6,211,428号、第6,187,992号、第6,156,952号、第6,118,044号、第6,111,166号、第6,107,541号、第5,959,171号、第5,922,854号、第5,892,070号、第5,880,327号、第5,891,698号、第5,639,940号、第5,573,933号、第5,387,742号、第5,087,571号を参照されたい。また、トランスジェニック乳畜の乳中の組換えタンパク質の生成を記載しているPollock(1999)J.Immunol.Methods、231:147〜157;トランスジェニックヤギの生成を実証しているBaguisi(1999)Nat.Biotechnol.、17:456〜461なども参照されたい。米国特許第6,211,428号は、その脳中でDNA配列を含む核酸構築体を発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物の作製および使用を記載している。米国特許第5,387,742号は、クローニングした組換えまたは合成DNA配列をマウス受精卵に注入すること、注入した卵子を偽妊娠させた雌に移植すること、およびトランスジェニックマウスを出産まで成長させることを記載している。米国特許第6,187,992号は、トランスジェニックマウスの作製および使用を記載している。
「ノックアウト動物」も、本発明に従った方法を実施するために使用することができる。たとえば、一部の実施形態では、本発明に従ったトランスジェニックまたは改変動物は、内在遺伝子を発現しないように操作した「ノックアウトマウス」などの「ノックアウト動物」を含み、これは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を発現する遺伝子、または、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を含む融合タンパク質で置き換えられている。
トランスジェニック植物および種子
本発明は、本発明に従った核酸、ポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)、発現カセットまたはベクターあるいは形質移入または形質転換細胞を含むトランスジェニック植物および種子を提供する。本発明はまた、本発明の核酸および/またはポリペプチド(キシラナーゼなど)を含む、任意の植物部分を含めた果実、油、種子、葉、抽出物などの植物の生成物または副産物も提供し、たとえば、本発明の核酸またはポリペプチドは植物、植物部分、種子などに異種である。トランスジェニック植物(植物部分、果実、種子などが含まれる)は、双子葉(双子葉植物)または単子葉(単子葉植物)であることができる。一部の実施形態では、本発明はまた、これらのトランスジェニック植物および種子を作製および使用する方法も提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞は、当分野で知られている任意の方法に従って構築し得る。たとえば、米国特許第6,309,872号を参照されたい。
本発明に従った核酸および発現構築体は、任意の手段によって植物細胞内に導入することができる。たとえば、核酸または発現構築体は、所望の植物宿主のゲノム内に導入することができるか、または、核酸または発現構築体はエピソームであることができる。所望の植物のゲノム内への導入は、宿主のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の生成が、内在性転写性要素または翻訳制御要素によって調節されるものであることができる。一部の実施形態では、本発明はまた、相同組換えなどによる遺伝子配列の挿入が内在遺伝子の発現を乱している「ノックアウト植物」も提供する。「ノックアウト」植物を作製する手段は当分野で周知であり、Strepp(1998)Proc Natl.Acad.Sci.USA、95:4368〜4373;Miao(1995)Plant J、7:359〜365を参照されたい。以下のトランスジェニック植物の記述を参照されたい。
本発明に従った核酸は、本質的に任意の植物、たとえばジャガイモ、トマト、ダイズ、ビート、トウモロコシ、コムギ、イネ、オオムギなどのデンプンを産生する植物に、所望の特質を与えるために使用することができる。本発明に従った核酸を用いて、宿主のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現を最適化または変化させるために、植物の代謝経路を操作することができる。本発明に従った核酸は、発現もしくは活性レベルを変化させる、または植物内で自然に産生される化合物もしくは酵素の特徴を変化させることができる。あるいは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を、その植物によって自然に産生されない化合物を産生させるためのトランスジェニック植物の生成に用いることができる。これにより、生産コストを下げる、または新規生成物を作製することができる。
一部の実施形態では、トランスジェニック植物の生成の第1の工程は、植物細胞中で発現させるための発現構築体を作製することを含む。これらの技術は当分野で周知である。これには、プロモーター、リボソームとmRNAとの効率的な結合を促進するためのコード配列を選択およびクローニングすることならびに適切な遺伝子ターミネーター配列を選択することが含まれることができる。1つの例示的な構成的プロモーターは、カリフラワーモザイクウイルスからのCaMV35Sであり、これは一般に、植物中で高い度合の発現をもたらす。他のプロモーターはより特異的であり、植物の内部または外部環境の合図に応答する。例示的な光誘導性プロモーターは、主要なクロロフィルa/b結合タンパク質をコードしているcab遺伝子からのプロモーターである。
一部の実施形態では、植物細胞中でより高い発現を達成するために核酸を修飾する。たとえば、本発明に従った配列は、一部G−Cヌクレオチド対を好む植物中で見られるものと比較して、A−Tヌクレオチド対の割合が高い可能性が高い。したがって、植物細胞中の遺伝子産物の産生を増強するためにアミノ酸配列を顕著に変えずにコード配列中のA−TヌクレオチドをG−Cヌクレオチドで置換することができる。
導入遺伝子の組込みに成功した植物細胞または組織を同定するために、選択マーカー遺伝子を遺伝子構築体に付加することができる。植物細胞内への遺伝子の組込みおよび発現の達成は稀な事象であり、標的組織または細胞の数%でのみ起こるので、これは必要であり得る。選択マーカー遺伝子は、抗生物質または除草剤などの通常は植物に毒性がある薬剤に対する耐性を与えるタンパク質をコードしている。適切な抗生物質または除草剤を含む培地上で増殖した場合、選択マーカー遺伝子を組み込んだ植物細胞のみが生存する。他の挿入した遺伝子に関しては、マーカー遺伝子は、適切に機能するためにプロモーターおよびターミネーター配列も必要とする。
一部の実施形態では、トランスジェニック植物または種子の作製は、本発明に従った配列を組み込むこと、所望によりマーカー遺伝子を標的発現構築体(プラスミドなど)内に組み込むこと、ならびにプロモーターおよびターミネーター配列を配置することを含む。これは、修飾した遺伝子を適切な方法によって植物内に移すことを含むことができる。たとえば、構築体を植物細胞プロトプラストの電気穿孔および微量注入などの技術を用いて植物細胞のゲノムDNA内に直接導入し得るか、または構築体をDNA微粒子銃などの弾道的方法を用いて植物組織に直接導入することができる。たとえば、導入遺伝子をコムギ内に導入するための微粒子銃の使用を記載しているChristou(1997)Plant Mol.Biol.、35:197〜203;Pawlowski(1996)Mol.Biotechnol.、6:17〜30;Klein(1987)Nature、327:70〜73;Takumi(1997)Genes Genet.Syst.、72:63〜69;また、YACを植物細胞内に導入するための微粒子銃の使用にはAdam(1997)上記を参照されたい。たとえば、Rinehart(1997)上記は、トランスジェニック綿植物を作製するために微粒子銃を用いている。粒子を加速するための装置は米国特許第5,015,580号に記載されており、市販のBio−Rad(Biolistics)PDS−2000粒子加速装置(Bio−Rad、カリフォルニア州Hercules)、また、粒子に媒介される裸子植物の形質転換を記載しているJohn、米国特許第5,608,148号およびEllis、米国特許第5,681,730号も参照されたい。
一部の実施形態では、プロトプラストを固定し、発現構築体などの核酸を注入することができる。プロトプラストの植物再生は穀類では容易でないが、マメ科植物ではプロトプラスト由来のカルスからの体性胚形成を用いて植物再生が可能である。器官化した組織を、遺伝子銃技術を用いて裸のDNAで形質転換することができ、ここでは、細胞の大きさの1/100の大きさで打つタングステン微粒子上にDNAをコーティングし、これは、DNAを細胞およびオルガネラの奥深くまで運ぶ。その後、形質転換した組織を、通常は体性胚形成によって誘発して再生させる。この技術は、トウモロコシおよびイネを含めたいくつかの穀類種で成功している。
発現構築体などの核酸は、組換えウイルスを用いて植物細胞内に導入することもできる。植物細胞は、タバコモザイクウイルス由来のベクターなどのウイルスベクターを用いて形質転換することができる(Rouwendal(1997)Plant Mol.Biol.、33:989〜999)。Porta(1996)「植物中で遺伝子を発現させるためのウイルスレプリコンの使用(Use of viral replicons for the expression of genes in plants)」、Mol.Biotechnol.、5:209〜221を参照されたい。
あるいは、発現構築体などの核酸を適切なT−DNAフランキング領域と組み合わせて慣用のアグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主ベクター内に導入することができる。アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主の病原性機能が、細胞を細菌によって感染させた際に構築体および隣接マーカーの植物細胞DNA内への挿入を指示する。二値ベクターの毒性解除および使用を含めたアグロバクテリウム・ツメファシエンスに媒介される形質転換技術は、科学論文に十分に記載されている。Horsch(1984)Science、233:496〜498;Fraley(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80:4803(1983);植物への遺伝子導入(Gene Transfer to Plants)、Potrykus編(Springer−Verlag、ベルリン、1995)を参照されたい。エー・ツメファシエンス細胞中のDNAは、細菌染色体およびTi(腫瘍誘発)プラスミドと呼ばれる別の構造内に含まれる。Tiプラスミドは、感染プロセスで植物細胞に移されるT−DNA(長さ約20kbまで)と呼ばれるDNAストレッチおよび感染プロセスを指示する一連のvir(病原性)遺伝子を含む。エー・ツメファシエンスは、傷を介してのみ植物に感染することができる。植物の根または茎が傷ついた際、特定の化学シグナルが放出され、それに応答して、エー・ツメファシエンスのvir遺伝子が活性化されてTiプラスミドから植物の染色体へのT−DNAの移動に必要な一連の事象を指示する。その後、T−DNAが傷を介して植物細胞に入る。1つの推測では、T−DNAは植物DNAが複製または転写されるまで待ち、その後、曝露された植物DNA内に自身を挿入する。エー・ツメファシエンスを導入遺伝子ベクターとして用いるために、T−DNA境界領域およびvir遺伝子を保つ一方でT−DNAの腫瘍誘発部分を除去する必要がある。その後、導入遺伝子をT−DNA境界領域の間に挿入し、それを植物細胞に移し、植物の染色体内に組み込ませる。
本発明は、本発明に従った核酸を用いた、重要な穀類を含めた単子葉植物の形質転換を提供する。Hiei(1997)Plant Mol.Biol.、35:205〜218を参照されたい。ゲノムDNA内へのT−DNAの組込みを記載しているHorsch、Science(1984)233:496;Fraley(1983)Proc.Natl.Acad.Sci USA、80:4803;Thykjaer(1997)上記;Park(1996)Plant Mol.Biol.、32:1135〜1148も参照されたい。また、穀類または他の単子葉植物の細胞中で機能的な遺伝子を含むDNAを安定に組み込むプロセスを記載しているD’Halluin、米国特許第5,712,135号も参照されたい。
一部の実施形態では、第3の工程は、組み込まれた標的遺伝子を次の世代へと伝達することができる全植物の選択および再生を含む。そのような再生技術では、組織培養増殖培地中の特定の植物ホルモンの操作を用い得る。一部の実施形態では、この方法は、所望のヌクレオチド配列と一緒に導入した殺生物剤および/または除草剤マーカーを使用する。培養プロトプラストからの植物再生は、Evans他、プロトプラストの単離および培養、植物細胞培養ハンドブック(Protoplasts Isolation and Culture,Handbook of Plant Cell Culture)、ページ124〜176、MacMillilan Publishing Company、ニューヨーク、1983;およびBinding、植物の再生、植物プロトプラスト(Regeneration of Plants,Plant Protoplasts)、ページ21〜73、CRC Press、ボカラトン、1985に記載されている。再生は、植物カルス、外植片、器官、またはその部分から得ることもできる。そのような再生技術は一般にKlee(1987)Ann.Rev.of Plant Phys.、38:467〜486に記載されている。全植物を未熟胚などのトランスジェニック組織から得るために、これらを制御された環境条件下、栄養素およびホルモンを含む一連の培地中で増殖することができ、このプロセスは組織培養として知られている。全植物が作製されて種子が生成された後、子孫の評価を開始する。
一部の実施形態では、発現カセットがトランスジェニック植物内に安定に組み込まれた後、性的交叉によってこれを他の植物内に導入することができる。交叉する種に応じて、いくつかの標準の育種技術の任意のものを用いることができる。本発明に従った核酸のトランスジェニック発現は表現型の変化をもたらすので、本発明に従った組換え核酸を含む植物を第2の植物と性的交叉させて最終産物を得ることができる。したがって、本発明に従った種子は、本発明に従った2つのトランスジェニック植物間の交叉、または本発明に従った植物と別の植物との間の交叉に由来することができる。両方の親植物が本発明に従ったポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)を発現する場合、所望の効果(発明に従ったポリペプチドを発現させて開花挙動が変化した植物を生成することなど)を増強することができる。所望の効果は、標準の繁殖手段によって将来の植物世代に移すことができる。
一部の実施形態では、本発明に従った核酸およびポリペプチドは、任意の植物または種子中で発現させるまたはそれに挿入する。本発明に従ったトランスジェニック植物は双子葉または単子葉であることができる。本発明に従った単子葉のトランスジェニック植物の例は、牧草(イチゴツナギ、Poa)、ウシノケグサ、ライグラスなどの飼料草、アグロスティスなどの温帯草等の草、ならびにコムギ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、イネ、ソルガム、およびトウモロコシ(maize)(トウモロコシ(corn))などの穀類である。本発明に従った双子葉のトランスジェニック植物の例は、タバコ、ルピナス、ジャガイモ、テンサイ、エンドウマメ、インゲンマメおよびダイズなどのマメ科植物、およびカリフラワー、ナタネなどのアブラナ科植物(ブラシカ科)、ならびに密接に関連するモデル生物シロイヌナズナである。したがって、本発明に従ったトランスジェニック植物および種子には、それだけには限定されないが、カシューノキ、ラッカセイ、アスパラガス、ベラドンナ、カラスムギ、アブラナ、ミカン、スイカ、トウガラシ、ベニバナ、ココヤシ、コーヒー、キュウリ、カボチャ、ニンジン、アブラヤシ、イチゴ、グリシン、ワタ、ヒマワリ、ヘテロカリス、オオムギ、ヒヨス、レタス、アマ、ライグラス、ルピナス、トマト、リンゴ、タピオカ、マヨラナ、ウマゴヤシ、タバコ、オリーブ、イネ、パニウム(Panieum)、パニセツム、アボカド、インゲンマメ、カイノキ、エンドウ、ナシ、スモモ、ダイコン、ヒマ、ライムギ、キオン、シロガラシ、ナス、ソルガム、テオブロムス(Theobromus)、コロハ、コムギ、ソラマメ、ブドウ、リョクトウ、およびトウモロコシの属の種を含めた広範囲の植物が含まれる。
代替実施形態では、本発明に従った核酸は、綿、絹綿の木(カポック、パンヤ)、砂漠柳(desert willow)、クレオソートブッシュ、ウィンターファット(winterfat)、バルサ、ラミー、ケナフ、アサ、ローゼル、ジュート、サイザルアサおよびアマなどを含めた線維細胞を含む植物中で発現させる。代替実施形態では、本発明に従ったトランスジェニック植物は、任意のワタ属の種のメンバー、たとえばキダチワタ、アジア綿、海鳥綿、および陸地綿を含めた、ワタ属のメンバーであることができる。
本発明はまた、大量の本発明に従ったポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素または抗体など)を生成するために用いるトランスジェニック植物も提供する。たとえば、Palmgren(1997)Trends Genet.、13:348;Chong(1997)Transgenic Res.、6:289〜296を参照されたい(アグロバクテリウム・ツメファシエンスに媒介される葉片形質転換方法を用いたオーキシン誘導性の二方向マンノピン合成酵素(mas1’、2’)プロモーターを使用して、ヒト乳タンパク質β−カゼインをトランスジェニックジャガイモ植物中で産生)。
周知の手順を用いて、当業者は、トランスジェニック植物中の導入遺伝子のmRNAまたはタンパク質の増加または低下を検出することによって、本発明に従った植物についてスクリーニングを行うことができる。mRNAまたはタンパク質の検出および定量手段は当分野で周知である。
ポリペプチドおよびペプチド
一部の実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334に記載の配列を有するタンパク質およびその酵素活性断片などの本発明に従った配列に対して、配列同一性(少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性もしくは相同性など)を有する、単離、合成または組換えポリペプチドを提供する。%配列同一性は、ポリペプチドの完全長にわたるものであるか、または、同一性は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700個以上の残基の領域にわたるものであることができる。
本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドはまた、ポリペプチドの完全長よりも短いことができる。他の実施形態では、本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素などの酵素塔の、大きさが約5個〜完全長ポリペプチドの範囲のポリペプチド(ペプチド、断片)を提供する。例示的な大きさは、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の連続的な残基などの、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700個、またはそれ以上の残基である。本発明に従ったペプチド(本発明に従ったポリペプチドの部分配列など)は、標識プローブ、抗原(免疫原)、寛容原、モチーフ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性部位(「触媒ドメイン」など)、シグナル配列ならびに/またはプリプロドメインなどとして有用であることができる。
他の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ活性を有する本発明に従ったポリペプチドは、それだけには限定されないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含めたアルドラーゼ活性と関連するアミノ酸残基などの特定の構造的要素を共有するポリペプチドの属のメンバーである。これらの共有構造的要素は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの変異体の日常的な作製に用いることができる。本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のこれらの共有構造的要素は、本発明に従ったポリペプチドの属の範囲内のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体の日常的な作製の指針そして用いることができる。
本明細書中で使用する用語「HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ」には、アルドール付加反応もしくは逆アルドール反応を触媒することができる(本発明に従ったポリペプチドなど、以下の表1ならびに実施例4、5および6も参照)、または、R−2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(R−MP)、R,RおよびS,Rモナチンなどのモナチンの特定の立体異性体、ならびにその塩の生成などにおける炭素−炭素結合含有物質の任意の修飾を触媒することができる、任意のポリペプチドまたは酵素が包含される。
本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、以下の一般スキームに示すように、アルドール反応において炭素−炭素結合の形成を触媒し、ピルビン酸またはホスホエノールピルビン酸を4−ヒドロキシ−2−ケトブチレートのフレームワークの合成において求核性構成要素として利用する能力を有する。
Figure 0005441417
R=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル、カルボン酸。
理論によって束縛されずに、ピルビン酸アルドラーゼに触媒される縮合すべてにおいて調製される保存された4個の炭素の断片は、高密度かつ異なって官能化されていると考えられている。さらに、それぞれの付加物において、炭素の4つの異なる酸化状態が4つの連続的な炭素に含まれる。したがって、ピルビン酸アルドラーゼによって調製されるフレームワークは、以下のスキームに示すように、α−アミノ−γ−ヒドロキシカルボン酸、β−ヒドロキシカルボン酸、α,γ−ジヒドロキシカルボン酸、および2−デオキシアルドース糖の調製を可能にする。
Figure 0005441417
したがって、本発明の一部の実施形態に従ったピルビン酸アルドラーゼは、合成的に可変性であることができ、動物飼料、ヒト食品、工業プロセス、および医薬で使用するための広範囲の生成物の調製に用いることができる(たとえば、Gijsen,H.J.M.他、炭水化物および炭水化物模倣体の化学酵素合成の最近の進歩(Recent Advances in the Chemoenzymatic Synthesis of Carbohydrates and Carbohydrate Mimetics)、Chem.Rev.、1996、96、443〜473;Henderson,D.P.他、J.Org.Chem.、複数酵素合成によるニッコーマイシンKXおよびKZのN末端アミノ酸部分の立体特異的な調製(Stereospecific Preparation of the N−Terminal Amino Acid Moiety of Nikkomycins KX and KZ via a Multiple Enzyme Synthesis)、1997、62、7910〜7911;Wymer,N.およびToone,E.J.、炭水化物の酵素触媒による合成(Enzyme−catalyzed Synthesis of Carbohydrates)、Current Opin.Chemical Biology、2000、4、110〜119参照)。
本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、複数の種類の酵素活性、具体的にはアルドラーゼ活性および追加の活性、たとえば、以下の表1に記載のものを有し得る。たとえば、本発明に従ったポリペプチドは、アルドラーゼ活性、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性を有することができる。さらに、ポリペプチドは、そのEC分類に基づいて追加の酵素活性を有し得る、または有すると考えられ得る。表1には段「予測EC番号」が含まれる。EC番号とは、生化学および分子生物学国際連合の命名法委員会の酵素委員会(Enzyme Commission of the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology、IUBMB)のスキームに従って酵素の種類に割り当てられた番号である。「予測EC番号」段の結果は、Kegg(京都遺伝子ゲノム百科事典)データベースに対するBLAST検索によって決定する。最高のBLASTマッチ(「ヒット」とも呼ぶ)がe−6以下のE値を有する場合は、最高のマッチに割り当てられたEC番号を表に入力する。最高のヒットのEC番号は、本発明の配列のEC番号な何であるかの指針として用いる。部分的なEC番号しか与えられない場合は、最高のヒットに基づいて広い分類しか割り当てることができない。たとえば、第1列の、配列番号1によってコードされている配列番号2では、予測EC番号は「2・・・」として記載されている。したがって、割り当てられた分類は広くトランスフェラーゼである。配列番号25によってコードされている配列番号26では、最高のヒットに基づいて割り当てられる最も具体的な分類は、アルデヒド−リアーゼとしてである。
Figure 0005441417
Figure 0005441417
Figure 0005441417
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本発明に従ったポリペプチドおよびペプチドは、天然源から単離するか、合成するか、または組換えによって作製したポリペプチドであることができる。ペプチドおよびタンパク質は、in vitroまたはin vivoで組換えによって発現させることができる。本発明に従ったペプチドおよびポリペプチドは、当分野で知られている任意の方法を用いて作製および単離することができる。本発明に従ったポリペプチドおよびペプチドはまた、全体としてまたは部分的に、当分野で周知の化学方法を用いて合成することもできる。Caruthers(1980)Nucleic Acids Res.Symp.Ser.、215〜223;Horn(1980)Nucleic Acids Res.Symp.Ser.、225〜232;Banga,A.K.、治療ペプチドおよびタンパク質、配合、加工およびデリバリー系(Therapeutic Peptides and Proteins,Formulation,Processing and Delivery Systems)(1995)Technomic Publishing Co.、ペンシルバニア州ランカスターなどを参照されたい。たとえば、様々な固相技術を用いてペプチド合成を行うことができ(Roberge(1995)Science、269:202;Merrifield(1997)Methods Enzymol.、289:3〜13など参照)、ABI431Aペプチド合成機(Perkin Elmer)などを用いて、製造者によって提供される指示に従って自動合成を達成し得る。
本発明に従ったペプチドおよびポリペプチドをグリコシル化することもできる。グリコシル化は、翻訳後に、化学的にまたは細胞生合成機構によって付加することができ、後者は、配列にネイティブであるか、またはペプチドとして付加するかもしくは核酸コード配列中で付加することができる、既知のグリコシル化モチーフの使用を組み込む。グリコシル化はO結合またはN結合であることができる。
一部の実施形態では、指定した場合、本発明に従ったペプチドおよびポリペプチドにはすべての「模倣体」および「ペプチド模倣体」の形態が含まれることができる。用語「模倣体」および「ペプチド模倣体」とは、本発明に従ったポリペプチドと実質的に同じ構造的および/または機能的な特徴を有する合成化学物質をいう。模倣体は、合成の天然に存在しないアミノ酸類似体から完全になるか、または、一部天然に存在するペプチドアミノ酸と一部天然に存在しないアミノ酸類似体とのキメラ分子であることができる。模倣体はまた、そのような置換が模倣体の構造および/または活性も実質的に変化させない限りは、任意の量の天然に存在するアミノ酸の保存的置換を取り込んでいることができる。本発明に従ったポリペプチドの属の保存的変異体またはメンバーである本発明に従ったポリペプチド(本発明に従った配列に対して約50%以上の配列同一性を有するものなど)と同様に、日常的な実験により、模倣体が本発明に従った範囲内にあるかどうか、すなわち、その構造および/または機能が実質的に変化していないかどうかを決定する。したがって、一部の実施形態では、模倣体組成物は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を有する場合に本発明に従った範囲内にある。
本発明に従ったポリペプチド模倣体組成物は、天然に存在しない構造的構成要素の任意の組合せを含むことができる。代替実施形態では、本発明に従った模倣体組成物には、以下の3つの構造的な基の1つまたはすべてが含まれる:a)天然に存在するアミド結合(「ペプチド結合」)の連結以外の残基連結基、b)天然に存在するアミノ酸残基の替わりに天然に存在しない残基、またはc)二次構造模倣を誘発する残基、すなわち、βターン、γターン、βシート、αらせんのコンフォメーションなどの二次構造を誘発または安定させるための基。たとえば、本発明に従ったポリペプチドは、その残基の全部または一部が天然に存在するペプチド結合以外の化学的手段によって結合されている場合に、模倣体として特徴づけられる。個々のペプチド模倣体残基は、ペプチド結合、他の化学結合またはカップリング手段、たとえば、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能性マレイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)によって結合されていることができる。従来のアミド結合(「ペプチド結合」)連結に替わることが連結基には、たとえば、ケトメチレン(−C(=O)−NH−の替わりに−C(=O)−CH−など)、アミノメチレン(CH−NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH−O)、チオエーテル(CH−S)、テトラゾール(CN−)、チアゾール、レトロアミド、チオアミド、またはエステルが含まれる(Spatola(1983)、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の化学および生化学(Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins)、第7巻、ページ267〜357、「ペプチド主鎖の修飾(Peptide Backbone Modifications)」、Marcell Dekker、ニューヨーク参照)。
本発明に従ったポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸残基の替わりに全部または一部が天然に存在しない残基を含む模倣体によって特徴づけることもできる。天然に存在しない残基は、科学論文および特許文献に十分に記載されている。天然に存在するアミノ酸残基の模倣体として有用ないくつかの例示的な天然に存在しない組成物および指針を以下に記載する。芳香族アミノ酸の模倣体は、D−またはL−ナフィルアラニン、D−またはL−フェニルグリシン、D−またはL−2チエネイルアラニン、D−またはL−1、−2、3−、または4−ピレネイルアラニン、D−またはL−3チエネイルアラニン、D−またはL−(2−ピリジニル)−アラニン、D−またはL−(3−ピリジニル)−アラニン、D−またはL−(2−ピラジニル)−アラニン、D−またはL−(4−イソプロピル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルアラニン、D−p−フルオロ−フェニルアラニン、D−またはL−p−ビフェニルフェニルアラニン、D−またはL−p−メトキシ−ビフェニルフェニルアラニン、D−またはL−2−インドール(アルキル)アラニン、および、D−またはL−アルキルアイニン[式中、アルキルは、置換または置換のメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ−ブチル、sec−イソチル、イソ−ペンチル、または非酸性アミノ酸であることができる]などによって置き換えることによって作製することができる。天然に存在しないアミノ酸の芳香環には、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、およびピリジル芳香環が含まれる。
酸性アミノ酸模倣体は、負電荷を維持したままの非カルボン酸アミノ酸、(ホスホノ)アラニン、硫酸化スレオニンなどによって置換することによって作製することができる。カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミルなど)も、1−シクロヘキシル−3(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3(4−アゾニア−4,4−ジメトールペンチル)カルボジイミドなどのカルボジイミド(R’−N−C−N−R’)と反応させることによって選択的に修飾することができる。アスパルチルまたはグルタミルはまた、アンモニウムイオンと反応させることによってアスパラギニルおよびグルタミニル残基へと変換することもできる。塩基性アミノ酸の模倣体は、(リシンおよびアルギニンに加えて)アミノ酸のオルニチン、シトルリン、または(グアニジノ)−酢酸もしくは(グアニジノ)アルキル−酢酸[式中、アルキルは上記定義のとおりである]などで置換することによって作製することができる。ニトリル誘導体(COOHの替わりにCN部分を含むものなど)でアスパラギンまたはグルタミンを置換することができる。アスパラギニルおよびグルタミニル残基を対応するアスパルチルまたはグルタミル残基へと脱アミノ化することができる。アルギニン残基の模倣体は、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロ−ヘキサンジオン、またはニンヒドリンなどを含めた1つまたは複数の慣用の試薬などと、一部の実施形態ではアルカリ条件下で反応させることによって作製することができる。チロシン残基の模倣体は、チロシルを芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンなどと反応させることによって作製することができる。N−アセチルイミジゾールおよびテトラニトロメタンを用いて、O−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体をそれぞれ形成することができる。システイン残基の模倣体は、システイニル残基を、たとえば2−クロロ酢酸またはクロロアセトアミドなどのα−ハロ酢酸および対応するアミンと反応させて、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得ることによって作製することができる。システイン残基の模倣体はまた、システイニル残基を、ブロモ−トリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、リン酸クロロアセチル、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ水銀ベンゾエート、2−クロロ水銀−4ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−オキサ−1,3−ジアゾールなどと反応させることによっても作製することができる。リシン模倣体は、リシニルをコハク酸または他のカルボン酸無水物などと反応させることによって作製することができる(かつアミノ末端残基を変化させることができる)。リシンおよび他のα−アミノ含有残基の模倣体はまた、メチルピコリンイミデート、リン酸ピリドキサル、ピリドキサル、クロロボロハイドライド、トリニトロ−ベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4,ペンタンジオンなどとの反応、およびトランスアミダーゼに触媒されるグリオキシル酸との反応によっても作製することができる。メチオニンの模倣体は、メチオニンスルホキシドなどとの反応によって作製することができる。プロリンの模倣体には、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3−もしくは4−ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3−もしくは4−メチルプロリン、または3,3,−ジメチルプロリンなどが含まれる。ヒスチジン残基の模倣体は、ヒスチジルをジエチルプロカルボネートまたはパラ−ブロモフェンアシルブロマイドなどと反応させることによって作製することができる。他の模倣体には、プロリンおよびリシンのヒドロキシル化;セリルもしくはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リシン、アルギニンおよびヒスチジンのα−アミノ基のメチル化;N末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化もしくはN−メチルアミノ酸での置換;またはC末端カルボキシル基のアミド化によって作製されたものなどが含まれる。
一部の実施形態では、本発明に従ったポリペプチドのアミノ酸などの残基はまた、逆のキラリティのアミノ酸(またはペプチド模倣体残基)で置き換えることもできる。一部の実施形態では、天然ではL−立体配置で存在する任意のアミノ酸(これは、化学部分の構造に応じてRまたはSと呼ぶこともできる)を、D−アミノ酸と呼ばれる、同じ化学構造種またはペプチド模倣体であるが逆のキラリティであるアミノ酸で置き換えることができるが、R−またはS−形態として呼ぶこともできる。
本発明はまた、翻訳後プロセッシング(リン酸化、アシル化など)などの天然に存在するプロセス、または化学修飾技術のどちらかによって、本発明に従ったポリペプチドを修飾する方法、および生じる修飾されたポリペプチドも提供する。修飾は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含めた、ポリペプチド中のどこでも起こることができる。同じ種類の修飾が同じまたは異なる度合で、所定のポリペプチド中のいくつかの部位で存在し得ることを理解されたい。また、所定のポリペプチドは多種の修飾を有し得る。一部の実施形態では、修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋結合の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストリル化、酸化、peg化、タンパク質分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、およびアルギニル化などの転移RNAに媒介されるアミノ酸のタンパク質への付加が含まれる。Creighton,T.E.、タンパク質−構造および分子特性(Proteins−Structure and Molecular Properties)、第2版、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク(1993);タンパク質の翻訳後共有修飾(Posttranslational Covalent Modification of Proteins)、B.C.Johnson編、Academic Press、ニューヨーク、ページ1〜12(1983)を参照されたい。
固相化学ペプチド合成方法を用いて、本発明に従ったポリペプチドまたは断片を合成することもできる。そのような方法は1960年代初期から当分野で知られており(Merrifield,R.B.、J.Am.Chem.Soc.、85:2149〜2154、1963)(Stewart,J.M.およびYoung,J.D.、固相ペプチド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)、第2版、Pierce Chemical Co.、イリノイ州ロックフォード、ページ11〜12)も参照)、最近では市販の実験室ペプチド設計および合成キット(Cambridge Research Biochemicals)で採用されている。そのような市販の実験室キットは、一般にH.M.Geysen他、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA、81:3998(1984)の教示を利用しており、すべて単一のプレートに連結した複数の「ロッド」または「ピン」の先端上でのペプチドの合成を提供する。そのようなシステムを利用した場合、ロッドまたはピンのプレートを反転し、適切なアミノ酸をピンまたはロッドの先端に付着または固定するための溶液を含む対応するウェルまたはレザーバの第2のプレート内に挿入する。そのようなプロセス工程、すなわち、ロッドおよびピンの先端を反転して適切な溶液内に挿入する工程を繰り返すことによって、アミノ酸が所望のペプチドへと構築される。さらに、いくつかの利用可能なFMOCペプチド合成システムが利用可能である。たとえば、ポリペプチドまたは断片のアセンブリは、Applied Biosystems,Inc.モデル431A(商標)自動ペプチド合成機を使用して固体担体上で実施することができる。そのような装置は、直接合成または他の既知の技術を用いてカップリングすることができる一連の断片の合成のどちらかによって、本発明に従ったペプチドへの容易なアクセスを提供する。
本発明に従ったポリペプチドには、活性または不活性型のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が含まれる。たとえば、本発明に従ったポリペプチドには、「成熟」前、すなわち、たとえば前駆タンパク質転換酵素などの前駆タンパク質プロセッシング酵素によるプリプロ配列がプロセッシングされて「活性」成熟タンパク質が作製される前の前駆タンパク質が含まれる。本発明に従ったポリペプチドには、エンド−もしくはエクソ−ペプチダーゼまたはプロテイナーゼの作用、リン酸化事象、アミド化、グリコシル化あるいは硫酸化、二量体化事象等の翻訳後プロセッシング事象による「活性化」の前などの他の理由により不活性の、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が含まれる。本発明に従ったポリペプチドには、酵素の触媒ドメインまたは活性部位などの活性部分配列を含めたすべての活性型が含まれる。
本発明には、固定したHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼ抗体ならびにその断片が含まれる。一部の実施形態では、本発明は、ドミナントネガティブ突然変異体または本発明に従った抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼ抗体を用いた、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を阻害する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明には、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を含む、融合タンパク質、ヘテロ二量体などのヘテロ複合体が含まれる。
一部の実施形態では、本発明に従ったポリペプチドは、極限のpHおよび/もしくは温度、または一部の実施形態では酸化剤の存在下などの様々な条件下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性を有することができる。一部の実施形態では、本発明は、温度、酸化剤および洗浄条件の変更などに対して異なる触媒効果および安定性を有する、別のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の調製物をもたらす方法を提供する。一部の実施形態では、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体は、部位特異的突然変異誘発および/またはランダム突然変異誘発の技術を用いて生成することができる。一部の実施形態では、定方向進化を用いて、別の特異性および安定性を有する多種多様なHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体を生成することができる。
本発明に従ったタンパク質はまた、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性の活性化剤または阻害剤など、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のモジュレーターを同定するための研究試薬としても有用である。手短に述べると、試験試料(化合物、ブロス、抽出物など)をHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のアッセイに加えて、基質の切断を阻害するその能力を決定する。このようにして同定した阻害剤は、望ましくないタンパク質分解を軽減または妨げるための工業および研究に用いることができる。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素と同様、阻害剤を組み合わせて活性の範囲を増大することができる。
本発明に従った酵素はまた、タンパク質を消化するためまたはタンパク質配列決定における研究試薬としても有用である。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を用いて、自動配列決定機などを用いて配列決定するためにポリペプチドをより小さな断片へと切断し得る。
本発明はまた、本発明に従った核酸、ポリペプチドおよび抗体を用いて新しいHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を発見する方法も提供する。一部の実施形態では、ファージミドライブラリーを、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現に基づいた発見についてスクリーニングする。他の実施形態では、λファージライブラリーを、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の発現に基づいた発見についてスクリーニングする。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングにより、毒性があるクローンの検出、基質へのアクセスの改善、ライブラリーの大量切除により生じる任意の偏りの潜在性を迂回する、宿主を操作する必要性の低下、および、低いクローン密度でより急速な増殖が可能となる場合がある。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングは、液相または固相中であることができる。一部の実施形態では、本発明は、液相中でのスクリーニングを提供する。これにより、アッセイ条件に、より高い柔軟性、さらなる基質柔軟性、弱いクローンに対してより高い感度、および固相スクリーニングを超える自動化の容易性が与えられる。
本発明は、本発明に従ったタンパク質および核酸を用いたスクリーニング方法、たとえば1日あたり数千個もの生体触媒反応およびスクリーニングアッセイを短期間で実行することを可能にするためのロボット自動化、ならびに高レベルの精度および再現性を確実にすることを提供する(以下のアレイの記述を参照)。その結果、誘導体化合物のライブラリーを数週間で生成することができる。小分子を含めた分子の修飾のさらなる教示には、PCT/US94/09174号、米国特許第6,245,547号を参照されたい。
一部の実施形態では、本発明に従ったポリペプチドまたは断片は、生化学的濃縮または精製手順によって得る。潜在的に相同なポリペプチドまたは断片の断片は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のアッセイ(以下の実施例3、4および5参照)、ゲル電気泳動ならびに/またはマイクロ配列決定によって決定し得る。本発明に従った予測されるポリペプチドまたは断片の配列を、本発明に従ったポリペプチドまたはその少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続したアミノ酸などの断片と、上述のプログラムの任意のものを用いて比較することができる。
本発明の別の実施形態は、本発明に従ったポリペプチドの酵素機能を保持する本発明に従った断片または変異体を同定するためのアッセイである。たとえば、前記ポリペプチドの断片または変異体を、断片または変異体が本発明に従ったポリペプチドの酵素活性を保持していることを示す生化学反応を触媒させるために使用し得る。変異体の断片が本発明に従ったポリペプチドの酵素活性を保持しているかどうかを決定するための例示的なアッセイには、ポリペプチド断片または変異体を基質分子と、ポリペプチド断片または変異体が機能することを可能にする条件下で接触させる工程と、基質のレベルの低下またはポリペプチドと基質との間の反応の特異的反応生成物のレベルの増加のどちらかを検出する工程とが含まれる。
本発明は、酵素の固有の触媒特性を活用する。化学変換における生体触媒(すなわち、精製酵素または粗酵素、非生細胞または生細胞)の使用は、通常、特定の開始化合物と反応する特定の生体触媒の同定を要するが、本発明では、小分子などの多くの開始化合物中に存在する官能基に特異的な選択した生体触媒および反応条件を使用する。それぞれの生体触媒は1つの官能基、またはいくつかの関連する官能基に特異的であり、この官能基を含む多くの開始化合物と反応することができる。
一部の実施形態では、生体触媒反応は、単一の開始化合物から誘導体の集団を生成する。これらの誘導体を別のラウンドの生体触媒反応に供して誘導体化合物の第2の集団を生成することができる。生体触媒誘導体化のそれぞれの反復で、数千個もの元の小分子または化合物の変異体を生成することができる。
酵素は、分子の残りの部分に影響を与えずに開始化合物の特異的部位で反応し、このプロセスは、従来の化学方法を用いては達成が非常に困難である。この高い度合の生体触媒特異性により、ライブラリー内の単一の活性化合物を同定する手段が提供される。ライブラリーは、それを生成するために用いた一連の生体触媒反応、いわゆる「生合成履歴」によって特徴づけられている。ライブラリーを生物活性についてスクリーニングすること、および生合成履歴を追跡することにより、活性化合物を生成する特定の反応シーケンスが同定される。反応シーケンスを繰り返し、合成された化合物の構造を決定する。この同定様式は、他の合成およびスクリーニング手法とは異なり、固定化技術を必要とせず、化合物を合成し、事実上任意の種類のスクリーニングアッセイを用いて溶液中で遊離させて試験することができる。官能基に対する酵素反応の高い度合の特異性により生体触媒によって、生成したライブラリーを生じる特定の酵素反応の「追跡」が可能となることに注意することが重要である。
一部の実施形態では、手順の工程は、1日あたり何千もの生体触媒反応および/またはスクリーニングアッセイの実行を可能にし、また、高レベルの精度および再現性を確実にするロボット自動化を用いて行う。ロボット自動化は、ポリペプチドが本発明に従った範囲内にあるかどうかを決定するためにアルドラーゼ活性についてスクリーニングするために用いることもできる。その結果、一部の実施形態では、「従来の」化学または酵素スクリーニング方法を用いた場合は何年もかかる誘導体化合物のライブラリーを数週間で生成することができる。
一実施形態では、本発明は、本明細書中に記載のポリヌクレオチドまたはその酵素活性断片によってコードされているポリペプチドを小分子と接触させて修飾した小分子を生成することを含む、小分子を修飾する方法を提供する。所望の活性を示す修飾した小分子がライブラリー内に存在するかどうかを決定するために、修飾した小分子のライブラリーを試験する。所望の活性の修飾した小分子を生じる特定の生体触媒反応は、ライブラリーの一部分を生成するために用いた生体触媒反応のそれぞれを系統的に排除し、その後、ライブラリーの一部分で生じた小分子を、所望の活性の修飾した小分子が存在することまたは存在しないことについて試験することによって同定する。所望の活性の修飾した小分子を生じる特定の生体触媒反応は、所望により反復している。生体触媒反応を小分子の構造内に見つかる異なる構造部分と反応する生体触媒の群で実施し、それぞれの生体触媒は、1つの構造部分または関連する構造部分の群に特異的であり、それぞれの生体触媒は、異なる構造部分を含む多くの異なる小分子と反応する。
HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列、プリプロならびに触媒ドメイン
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列(シグナルペプチド(SP)など)、プリプロドメインならびに触媒ドメイン(CD)を提供する。本発明に従ったSP、プリプロドメインおよび/またはCDは、単離、合成もしくは組換えペプチドであるか、またはキメラタンパク質中の異種ドメインなどの融合タンパク質の一部であることができる。一部の実施形態では、本発明は、これらの触媒ドメイン(CD)、プリプロドメインおよびシグナル配列(SP、本発明に従ったポリペプチドのアミノ末端残基を含む/それからなる配列を有するペプチドなど)をコードしている核酸を提供する。
本発明は、本発明に従ったポリペプチドの1〜14、1〜15、1〜16、1〜17、1〜18、1〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜28、1〜28、1〜30、1〜31、1〜32、1〜33、1〜34、1〜35、1〜36、1〜37、1〜38、1〜40、1〜41、1〜42、1〜43、1〜44、1〜45、1〜46、もしくは1〜47個、またはそれ以上の残基に記載の配列からなる、あるいはそれを含む、単離、合成または組換えシグナル配列(シグナルペプチドなど)、たとえば本発明に従ったポリペプチドを提供する。表1、以下の実施例4、5および6、ならびに配列表も参照されたい。たとえば、上記表1は、配列番号65などによってコードされている配列番号66に記載の配列を有するポリペプチドなどの本発明に従った例示的なシグナル(リーダー)配列を記載し、これは、配列番号66の最初の27個のアミノ酸に対応するアミノ末端の27個の残基、すなわちMSIVVTKIERAGAAAVAALRTSGVATV(配列番号407)を含む(またはそれからなる)シグナル配列を有する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったポリペプチドの最初の14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70個以上のアミノ末端残基を含むシグナル配列を提供する。
本発明には、シグナル配列および/もしくはプリプロ配列を有するまたは有さないポリペプチドが含まれる。一部の実施形態では、本発明には、異種シグナル配列ならびに/またはプリプロ配列を有するポリペプチドが含まれる。プリプロ配列(異種プリプロドメインとして用いる本発明に従った配列を含む)は、タンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端に位置することができる。一部の実施形態では、本発明にはまた、本発明に従った配列を含む単離、合成または組換えシグナル配列、プリプロ配列および触媒ドメイン(「活性部位」など)が含まれる。本発明に従ったシグナル配列を含むポリペプチドは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素または別のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、あるいは別の酵素または他のポリペプチドであることができる。「プリプロ」ドメイン配列およびシグナル配列を同定する方法は当分野で周知であり、Van de Ven(1993)Crit.Rev.Oncog.、4(2):115〜136を参照されたい。たとえば、プリプロ配列を同定するためには、タンパク質を細胞外空間から精製し、N末端のタンパク質配列を決定してプロセッシングされていない形態と比較する。
本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列(SP)ならびに/またはプリプロ配列は、単離、合成または組換えペプチドであるか、あるいは、別のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼのポリペプチド、たとえば融合(キメラ)タンパク質と結合した配列であることができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列を含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナル配列のSPならびに/またはプリプロ配列を含むポリペプチドは、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素に異種の配列(本発明に従ったSPおよび/またはプリプロ配列ならびに別のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼのタンパク質からの配列を含む融合タンパク質など)を含む。一部の実施形態では、本発明は、異種のSPおよび/またはプリプロ配列を有する本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素、たとえば酵母シグナル配列を有する配列を提供する。本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素は、pPICシリーズのベクター(Invitrogen、カリフォルニア州Carlsbad)などのベクター中の異種のSPおよび/またはプリプロ配列を含むことができる。
一部の実施形態では、本発明に従ったSPおよび/またはプリプロ配列は、新規のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼのポリペプチドの同定後に同定する。タンパク質が選別されてその正しい細胞の位置に輸送される経路は、多くの場合タンパク質標的化経路と呼ばれる。これらの標的化システムすべてにおいて最も重要な要素の1つは、シグナル配列と呼ばれる新しく合成したポリペプチドのアミノ末端の短いアミノ酸配列である。このシグナル配列は、タンパク質を細胞内のその適切な位置へと方向づけ、輸送中またはタンパク質がその最終目的地に到達した後に除去される。ほとんどのリソソーム、膜、または分泌タンパク質は、それらを小胞体の内腔内への転位を標識するアミノ末端シグナル配列を有する。シグナル配列の長さは、約10〜65個以上のアミノ酸残基で変動することができる。シグナル配列を認識する様々な方法は当業者に知られている。たとえば、一部の実施形態では、新規のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素のシグナルペプチドは、シグナルPと呼ばれる方法によって同定する。シグナルPは、シグナルペプチドおよびその切断部位をどちらも認識する組み合わせた神経回路網を用いる。(Nielsen(1997)「原核および真核シグナルペプチドの同定ならびにその切断部位の予測(Identification of prokaryotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites.)」、Protein Engineering、10:1〜6。
一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、SPおよび/またはプリプロ配列、すなわち「ドメイン」を有さない。一部の実施形態では、本発明は、SPおよび/またはプリプロドメインの全体または一部を欠く本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を提供する。一部の実施形態では、本発明は、異なるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の核酸配列に作動可能に連結した1つのHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素からのシグナル配列(SP)および/もしくはプリプロ配列をコードしている核酸配列を提供するか、または、所望により、非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼのタンパク質からのシグナル配列(SP)および/もしくはプリプロドメインが望ましい場合がある。
本発明はまた、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)ならびに異種配列を含む、単離、合成または組換えポリペプチドも提供する。異種配列とは、SP、プリプロドメインおよび/またはCDと自然に会合していない(酵素などと)配列である。SP、プリプロドメインおよび/またはCDが自然に会合していない配列は、SP、プリプロドメインおよび/もしくはCDのアミノ末端、カルボキシ末端、ならびに/またはSPおよび/もしくはCDの両末端上にあることができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/もしくは触媒ドメイン(CD)を含むポリペプチドを含む(またはそれからなる)、単離、合成または組換えポリペプチドを提供するが、ただし、これはそれが自然に会合している任意の配列(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の配列など)と会合していない。同様に、一部の実施形態では、本発明は、これらのポリペプチドをコードしている単離、合成または組換え核酸を提供する。したがって、一部の実施形態では、本発明に従った単離、合成または組換え核酸は、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)のコード配列、ならびに異種配列(すなわち、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)と自然に会合していない配列)を含む。異種配列は、3’末端、5’末端、ならびに/またはSP、プリプロドメインおよび/もしくはCDコード配列の両末端上にあることができる。
ハイブリッド(キメラ)のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素ならびにペプチドライブラリー
一部の実施形態では、本発明は、本発明に従った配列を含む、ペプチドライブラリーを含めた、ハイブリッドのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素ならびに融合タンパク質を提供する。本発明に従ったペプチドライブラリーを用いて、標的のペプチドモジュレーター(活性化剤または阻害剤など)、たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素基質、受容体、酵素を単離することができる。本発明に従ったペプチドライブラリーを用いて、サイトカイン、ホルモンなどのリガンド等の標的の公式の結合パートナーを同定することができる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったシグナル配列(SP)、プリプロドメインおよび/もしくは触媒ドメイン(CD)またはそれらの組合せならびに異種配列を含むキメラタンパク質を提供する(上記参照)。
一部の実施形態では、本発明に従った融合タンパク質(ペプチド部分など)は、コンフォメーションが安定しており(直鎖状ペプチドと比較して)、標的に対してより結合親和性が可能となる。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素と、既知およびランダムなペプチドを含めた他のペプチドとの融合物を提供する。これらは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の構造が顕著に乱されず、ペプチドが代謝的または構造的にコンフォメーションが安定している様式で融合させることができる。これにより、細胞内でのその存在およびその量のどちらについても容易にモニターされるペプチドライブラリーの作製が可能となる。
本発明に従ったアミノ酸配列変異体は、変異体の事前に決定した性質、すなわち、それを天然に存在する形態、たとえば、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の配列の対立または種間変異体から分離する特長によって特徴づけることができる。一部の実施形態では、本発明に従った変異体は、天然に存在する類似体と同じ定性的生物活性を示す。あるいは、変異体は、改変された特徴を有することについて選択することができる。一部の実施形態では、アミノ酸配列変異を導入する部位または領域は事前に決定するが、突然変異自体は事前に決定する必要はない。たとえば、所定の部位での突然変異の実行を最適化するために、ランダム突然変異誘発を標的コドンまたは領域で実施して、発現させたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の変異体を、所望の活性の最適な組合せについてスクリーニングし得る。既知の配列を有するDNA中の事前に決定した部位で置換突然変異を行う技術は周知であり、本明細書中のたとえばM13プライマー突然変異誘発およびPCR突然変異誘発に記載されている。突然変異体のスクリーニングは、炭素−炭素結合の形成または切断のアッセイなどを用いて行うことができる。他の実施形態では、アミノ酸置換は単一の残基であることができ、挿入は約1〜20個のアミノ酸の桁であることができるが、相当により大きな挿入を行うこともできる。欠失の範囲は約1〜約20、30、40、50、60、70個またはそれ以上の残基であることができる。最適な特性を有する最終誘導体を得るために、置換、欠失、挿入またはその任意の組合せを用い得る。一般に、これらの変化は、分子の変化を最小限にするために数個のアミノ酸に行う。しかし、特定の状況下ではより大きな変化が寛容され得る。
本発明は、ポリペプチドの主鎖、α−ヘリックスまたはβ−シート構造などの二次または三次構造の構造が改変された、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を提供する。一部の実施形態では、電荷または疎水性が改変されている。一部の実施形態では、側鎖のかさが改変されている。機能または免疫のアイデンティティの実質的な変化は、保存性がより低い置換を選択することによって行う。たとえば、変化領域、たとえばα−ヘリックスもしくはβ−シート構造中のポリペプチド主鎖の構造、活性部位であることができる分子の電荷または疎水性部位、または側鎖により顕著に影響を与える置換を行うことができる。一部の実施形態では、本発明は、(a)セリルもしくはスレオニルなどの親水性残基が、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルもしくはアラニルなどの疎水性残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、(b)システインもしくはプロリンが任意の他の残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、(c)リジル、アルギニル、もしくはヒスチジルなどの陽性側鎖を有する残基が、グルタミルもしくはアスパルチルなどの陰性残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、または(d)フェニルアラニンなどのかさ高い側鎖を有する残基が、グリシンなどの側鎖を有さない残基に対して置換する(またはこの残基によって置換される)、本発明に従ったポリペプチド中の置換を提供する。変異体は、同じ定性的生物活性(すなわち、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性)を示すことができるが、必要に応じて、変異体は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の特徴を改変させるように選択することができる。
一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、エピトープもしくは精製タグ、シグナル配列または他の融合配列などを含む。一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を、ランダムペプチドと融合させて融合ポリペプチドを形成することができる。本明細書中の「融合」または「作動可能に連結」とは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の構造の安定性の破壊が最小限となる様式で、たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性が保持される様式で、ランダムペプチドとHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素とが一緒に連結されていることを意味する。融合ポリペプチド(または融合ポリペプチドをコードしている融合ポリヌクレオチド)は、複数のループでの複数のペプチドを含めたさらなる構成要素も含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチドおよびそれらをコードしている核酸はランダム化されており、たとえば全体的または1つの位置あたりのヌクレオチド/残基の頻度において、完全にランダム化されているかまたはそのランダム化に偏りがある。「ランダム化された」とは、それぞれの核酸およびペプチドがそれぞれ本質的にランダムなヌクレオチドおよびアミノ酸からなることを意味する。一部の実施形態では、ペプチドを生じさせる核酸を化学合成することができ、したがって、任意のヌクレオチドを任意の位置で組み込ませ得る。したがって、核酸を発現させてペプチドを形成させた際、任意のアミノ酸残基を任意の位置で組み込ませ得る。合成プロセスは、核酸の全長にわたって可能な組合せのすべてまたはほとんどの形成を可能にしてランダム化された核酸のライブラリーを形成するために、ランダム化された核酸を生じるように設計することができる。ライブラリーは、確率的に十分な範囲の細胞応答に影響を与えて所望の応答を示す1つまたは複数の細胞を提供するために、ランダム化された発現産物の十分に構造的に多様な集団を提供することができる。したがって、本発明は、そのメンバーの少なくとも1つに一部の分子、タンパク質、または他の要素に対する親和性が与えられる構造を有するように、十分大きな相互作用ライブラリーを提供する。
一部の実施形態では、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素は、シグナルペプチド、炭水化物結合モジュール、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の触媒ドメイン、リンカーならびに/または別の触媒ドメインを含む、多ドメイン酵素である。
本発明は、生物活性のあるハイブリッドポリペプチド(たとえばハイブリッドのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素)をコードし得るキメラポリペプチドを作製するために方法および配列を提供する。一部の実施形態では、元のポリヌクレオチド(本発明に従った核酸など)は、生物活性のあるポリペプチドをコードしている。一部の実施形態では、本発明に従った方法は、生じるハイブリッドポリヌクレオチドが、元の生物活性のあるポリペプチド(本発明に従ったアルドラーゼまたは抗体)に由来するがそれとは異なる活性を実証するポリペプチドをコードしているように、元のポリヌクレオチドの配列を組み込む細胞プロセスを利用することによって、新しいハイブリッドポリペプチドを生じる。たとえば、元のポリヌクレオチドは、異なる微生物に由来するまたはそれ中に見つかる特定の酵素(アルドラーゼなど)をコードし得る。1つの生物または変異体からの第1のポリヌクレオチドによってコードされている酵素は、たとえば、高塩分などの特定の環境条件下で有効に機能し得る。異なる生物または変異体からの第2のポリヌクレオチドによってコードされている酵素は、非常に高い温度などの異なる環境条件下で有効に機能し得る。第1および第2の元のポリヌクレオチドからの配列を含むハイブリッドポリヌクレオチドは、元のポリヌクレオチドによってコードされているどちらの酵素の特徴も示す酵素をコードし得る。したがって、本発明に従ったハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされている酵素は、高塩分および極限温度などの第1および第2のポリヌクレオチドによってコードされているそれぞれの酵素によって共有される環境条件下で有効に機能し得る。
一部の実施形態では、本発明に従った方法によって作製したハイブリッドポリペプチドは、元の酵素では示されない特殊な酵素活性を示し得る。たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素をコードしているポリヌクレオチドの組換えおよび/または還元的再集合の後、生じるハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされているハイブリッドポリペプチドを、元の酵素のそれぞれから得られた、特殊な非HMGおよび/または非KHG−アルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼ等の非アルドラーゼの酵素活性、たとえば加水分解酵素、ペプチダーゼ、ホスホリラーゼなどの活性についてスクリーニングすることができる。一部の実施形態では、ハイブリッドポリペプチドを、ハイブリッドポリペプチドが機能する温度、pHまたは塩濃度などの、ハイブリッドポリペプチドを元の親ポリペプチドから区別する化学的機能を確認するためにスクリーニングする。
一部の実施形態では、本発明は、
1)少なくとも1つの部分的配列相同領域を共有する、作動可能に連結させた少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび作動可能に連結させた第2のポリヌクレオチドを、適切な宿主細胞内に導入し、
2)配列の再編成を促進して作動可能に連結したハイブリッドポリヌクレオチドがもたらされる条件下で宿主細胞を増殖し、
3)ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされているハイブリッドポリペプチドを発現させ、
4)増強した生物活性の同定を促進する条件下でハイブリッドポリペプチドをスクリーニングし、
5)ハイブリッドポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを単離する
ことにより、生物活性のあるハイブリッドポリペプチドを生成する方法、およびそのようなポリペプチドを活性の増強についてスクリーニングする方法に関する。
アルドラーゼ酵素の単離および発見
本発明は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素ならびにそれらをコードしている核酸を単離および発見する方法を提供する。ポリヌクレオチドまたは酵素は、個々の生物から(「単離物」)、定義した培地中で増殖させた生物の集合から(「濃縮培養物」)、または未培養の生物から(「環境試料」)単離し得る。生物は、in vivoバイオパニングなどによって単離することができる(以下の記述参照)。新規生物活性をコードしているポリヌクレオチドを環境試料から導き出すための培養非依存性手法の使用により生物多様性の利用されていない資源にアクセスすることが可能となるので、これが最も好ましい。ポリヌクレオチドまたは酵素はまた、細菌など、数々の生物の任意のものから単離することもできる。全細胞に加えて、ポリヌクレオチドまたは酵素はまた、細菌などのこれらの生物の培養物に由来する粗酵素調製物から単離することもできる。
「環境ライブラリー」は環境試料から作製し、適切な原核宿主中で増殖させることができるクローニングベクター中に保存される天然に存在する生物の集合的なゲノムを表す。クローニングしたDNAは最初に環境試料から直接抽出するので、ライブラリーは、純培養で増殖することができる小さな割合の原核生物に限定されない。さらに、これらの試料中に存在する環境DNAの標準化により、元の試料中に存在するすべての種からのDNAのより等価な表示が可能となる場合がある。これにより、支配的な種と比較して数桁少なく表示される試料の微量構成成分から興味深い遺伝子を発見する効率を、劇的に増加することができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の未培養の微生物から作製した遺伝子ライブラリーを、目的の活性についてスクリーニングする。最初に、目的の生物活性分子をコードしている潜在的な経路を遺伝子発現ライブラリーの形態で、原核細胞中で捕獲する。一部の実施形態では、目的の活性をコードしているポリヌクレオチドをそのようなライブラリーから単離し、宿主細胞内に導入する。宿主細胞を、組換えおよび/または還元的再集合を促進する条件下で増殖して、新規または増強された活性を有する潜在的な活性生体分子を作製する。
in vivoバイオパニングは、FACS系および非光学系(磁気など)の機械を利用して行い得る。一部の実施形態では、転写されたRNAを安定化させる要素を含むベクターを用いて複雑な遺伝子ライブラリーを構築する。たとえば、RNAの転写された領域に隣接するように設計されたヘアピンなどの二次構造をもたらす配列を含めることは、その安定性を増強させる役割を果たし、したがって、細胞内でのその半減期が増加する。バイオパニングプロセスで用いるプローブ分子は、プローブと標的分子とが結合した際にのみ蛍光発光するレポーター分子で標識したオリゴヌクレオチドからなる。いくつかの形質転換方法の1つを用いて、これらのプローブをライブラリーからの組換え細胞内に導入する。プローブ分子が転写された標的mRNAと結合し、DNA/RNAヘテロ二重鎖分子がもたらされる。プローブと標的との結合により蛍光シグナルが得られ、これをスクリーニングプロセス中にFACS装置によって検出および選別する。
一部の実施形態では、目的の配列さらに単離するためにサブクローニングを行う。サブクローニングでは、DNAの一部分を増幅し、一般に制限酵素によって所望の配列を切り出すために消化し、所望の配列をレシピエントベクター内にライゲーションし、増幅する。サブクローニングのそれぞれの工程において、構造タンパク質をコードしているDNAは排除されていないことを確認するために、一部を目的の活性について検査する。挿入は、たとえば、ベクター内へのライゲーション前にゲル電気泳動によって、またはレシピエントベクターを含む細胞およびレシピエントベクターを含まない細胞を、たとえばレシピエントベクターを含まない細胞を死滅させる抗生物質を含む選択培地に置くことによって、サブクローニングの任意の工程で精製し得る。cDNAの挿入をベクター内にサブクローニングする具体的な方法は当分野で周知である(Sambrook他、分子クローニング:実験室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989))。他の実施形態では、本発明に従った酵素はサブクローンである。そのようなサブクローンは、たとえば、長さ、突然変異、タグまたは標識によって親クローンと異なり得る。
ポリヌクレオチドを発見、単離、または調製し得る微生物には、真正細菌および古細菌などの原核微生物ならびに真菌、一部の藻類および原虫などの下等真核微生物が含まれる。ポリヌクレオチドは環境試料から発見、単離または調製してもよく、この場合、核酸は、生物を培養せずに回収するか、または1つもしくは複数の培養した生物から回収し得る。一部の実施形態では、そのような微生物は、超好熱菌、好冷菌、低温菌、好塩菌、好圧菌および好酸菌などの好極限性菌であり得る。好極限性微生物から単離した酵素をコードしているポリヌクレオチドを用いることができる。本発明の酵素は、陸地の温泉および深海の熱水噴出し口中に見つかるものなどの100℃を超える温度、北極の水中に見つかるものなどの0℃未満の温度、死海中に見つかるものなどの飽和塩環境、石炭鉱床および地熱の硫黄に富んだ湧水中に見つかるものなどの0近辺のpH値、下水汚泥中に見つかるものなどの11を超えるpH値で機能することができる。一部の実施形態では、本発明に従った酵素は、広範囲の温度およびpHにわたって高い活性を有する。
本明細書中に上述したように選択および単離したポリヌクレオチドを、適切な宿主細胞内に導入する。適切な宿主細胞は、組換えおよび/または還元的再集合を促進することができる任意の細胞である。一部の実施形態では、選択したポリヌクレオチドは、既に適切な制御配列が含まれるベクター中にある。宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高等真核細胞もしくは酵母細胞などの下等真核細胞であることができるか、または、一部の実施形態では、宿主細胞は細菌細胞などの原核細胞であることができる。構築体の宿主細胞内への導入は、リン酸カルシウム形質移入、DEAE−デキストラン媒介の形質移入、または電気穿孔によって達成することができる。
例示的な宿主には、イー・コリ、ストレプトマイセス、サルモネラ・チフィムリウムなどの細菌細胞、酵母などの真菌細胞、ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9などの昆虫細胞、CHO、COSまたはボーズ(Bowes)黒色腫などの動物細胞、アデノウイルス、ならびに植物細胞が含まれる。上記の記述を参照されたい。適切な宿主の選択は、本明細書中の教示から当業者の範囲内にあると考えられる。
様々な哺乳動物細胞培養系を用いて組換えタンパク質を発現させることができる。哺乳動物発現系の例には、「SV40で形質転換したサル細胞は初期SV40突然変異体の複製を支援する(SV40−transformed simian cells support the replication of early SV40 mutants)」(Gluzman、1981)に記載のサル腎臓線維芽細胞のCOS−7系ならびに適合性のあるベクターを発現することができる他の発現系、たとえば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサーならびに任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーやアクセプター部位、転写ターミネーター配列および5’フランキング非転写配列も含む。SV40のスプライスおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝要素を提供し得る。
他の実施形態では、本発明に従った核酸、ポリペプチドおよび方法を生化学的経路で用いるか、あるいは1つもしくは複数のオペロンもしくは遺伝子クラスターまたはその一部分から生化学的経路をコードしている新規ポリヌクレオチド作製するために用いる。たとえば、細菌および多くの真核生物は、その産物が関連するプロセスに関与する遺伝子を調節するために、協調的な機構を有する。遺伝子は、単一の染色体上の「遺伝子クラスター」と呼ばれる構造でクラスター形成しており、全クラスターの転写を開始させる単一のプロモーターを含めた単一の調節配列の下で一緒に転写される。したがって、遺伝子クラスターとは、通常はその機能に関して同一または関連する、隣接遺伝子の群である(遺伝子クラスターによってコードされている生化学的経路の例はポリケチド)。
一部の実施形態では、遺伝子クラスターのDNAを異なる生物から単離して、検出可能なタンパク質の生成またはライゲーションした遺伝子クラスターからのタンパク質関連アレイ活性を制御および調節することができる発現調節配列を含むベクターなどのベクター内にライゲーションする。外来性DNAの導入に対して例外的に高い能力を有するベクターの使用がそのような遺伝子クラスターを用いた使用に適している場合があり、例として本明細書中に記載するイー・コリのf因子(すなわち稔性因子)が含まれる。このイー・コリのf因子は、接合中の自身の高頻度の移動に影響を与えるプラスミドであり、混合微生物試料からの遺伝子クラスターなどの大きなDNA断片をもたらして安定に増殖させるために理想的である。一実施形態では、「フォスミド」と呼ばれるクローニングベクターまたは細菌人工染色体(BAC)ベクターを用いる。これらは、ゲノムDNAの大きなセグメントを安定に組み込むことができるイー・コリのf因子に由来する。これは、混合未培養環境試料からのDNAと共に組み込んだ場合、大きなゲノム断片を安定な「環境DNAライブラリー」の形態でもたらすことを可能にする。本発明で用いるための別の種類のベクターは、コスミドベクターである。コスミドベクターは、元々はゲノムDNAの大きなセグメントをクローニングおよび増殖するために設計された。コスミドベクター内へのクローニングは、Sambrook他、分子クローニング:実験室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に詳述されている。適切なベクター内にライゲーションした後、異なるポリケチド合成酵素遺伝子クラスターを含む2つ以上のベクターを適切な宿主細胞内に導入することができる。遺伝子クラスターによって共有される部分的配列相同領域は配列の再編成をもたらすプロセスを促進し、ハイブリッド遺伝子クラスターがもたらされる。その後、新規ハイブリッド遺伝子クラスターを、元の遺伝子クラスター中に見つからない活性の増強についてスクリーニングすることができる。
様々な酵素活性をスクリーニングする方法は当業者に知られており、本明細書全体にわたって記載されている。以下の実施例1、2および3を参照されたい。そのような方法は、本発明に従ったポリペプチドおよびポリヌクレオチドを単離する際に用い得る。
一部の実施形態では、本発明は、全細胞手法を用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼ、またはこれらの酵素の活性を改変させる化合物を発見および単離する方法を提供する(以下の記述を参照)。ゲノムDNAライブラリーからのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼをコードしている推定上のクローンをスクリーニングすることができる。
スクリーニング方法および「オンライン」モニターデバイス
本発明に従った方法を実施するにあたって、様々な装置および方法を、本発明に従ったポリペプチドおよび核酸と併せて、たとえば、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性についてポリペプチドをスクリーニングするため、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性の活性化剤または阻害剤などの潜在的なモジュレーターとして化合物をスクリーニングするため、本発明に従ったポリペプチドと結合する抗体のため、本発明に従った核酸とハイブリダイズする核酸のため、本発明に従ったポリペプチドを発現する細胞をスクリーニングするためなどに用いることができる。試料をスクリーニングするための以下に詳述するアレイ様式に加えて、本発明に従った方法を実施するために代替様式を使用することもできる。そのような様式には、たとえば、質量分析デバイス、高スループットHPLCおよび他の形態の液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラムならびに1536ウェルプレート、384ウェルプレートなどのより小さな様式が含まれる。高スループットスクリーニング装置を適応して本発明に従った方法の実施に使用することができる。米国特許出願公開第20020001809号、第20050272044号を参照されたい。
毛細アレイ
本発明に従った核酸またはポリペプチドをアレイに固定または施用することができる。アレイを用いて、組成物のライブラリー(小分子、抗体、核酸など)を、本発明に従った核酸またはポリペプチドと結合するまたはその活性を調節するその能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。GIGAMATRIX(商標)、Diversa Corporation、カリフォルニア州San Diegoなどの毛細アレイ、および米国特許出願公開第20020080350A1号、国際公開第0231203A号、国際公開第0244336A号などに記載のアレイは、試料を保持およびスクリーニングするための代替装置を提供する。一部の実施形態では、毛細アレイには、隣接する毛細のアレイへと形成した複数の毛細が含まれ、それぞれの毛細が試料を保持するルーメンを規定する少なくとも1つ壁を含む。ルーメンは、壁が液体または試料を保持するためのルーメンを形成する限りの、円柱状、正方形、六角形または任意の他の幾何学的形状であり得る。毛細アレイの毛細を密接して一緒に保持して、平面構造を形成することができる。毛細は、溶融によって(毛細がガラスから作製されている場合など)、接着剤によって、結合剤によって、または隣り合わせでクランプ固定することによって、一緒に結合することができる。さらに、毛細アレイには、アレイ中の隣接する毛細間に配置した間隙物質が含まれて複数の貫通孔を含む固体平面デバイスを形成することができる。
毛細アレイは、任意の数の個々の毛細、たとえば100〜4,000,000個の範囲の毛細から形成されていることができる。さらに、約100,000個以上の個々の毛細を有する毛細アレイは、標準の実験室装置内にはめ込むために、Microtiter(登録商標)プレートの標準の大きさおよび形状に形成することができる。毛細作用または細い針を用いた微量注入のどちらかを使用してルーメンを手動または自動で満たす。続いて、さらなる解析または特徴づけのために、目的の試料を個々の毛細から除去し得る。たとえば、物質をルーメンに加えるまたはそれから抜くために、細い針様のプローブを、選択した毛細と流体連絡するように位置する。
単一ポットのスクリーニングアッセイでは、毛細アレイ内に挿入する前にアッセイ構成要素を混合して目的の溶液を得る。ルーメンは、アレイの少なくとも一部分を目的の溶液内に浸した際に毛細作用によって満たされる。それぞれの毛細中の化学的または生物学的な反応および/または活性を、検出可能な事象についてモニターする。検出可能な事象は、多くの場合「ヒット」と呼ばれ、これは通常、光学検出によって「非ヒット」を生じる毛細から区別される。したがって、毛細アレイは、大量の「ヒット」の平行検出を可能にする。
複数ポットのスクリーニングアッセイでは、ポリペプチドまたはリガンドなどの核酸を、第1の構成要素内に導入することができ、これは、毛細アレイの毛細の少なくとも一部分内に導入する。その後、気泡を第1の構成要素の後方で毛細内に導入することができる。その後、第2の構成要素を毛細内に導入することができ、第2の構成要素は気泡によって第1の構成要素から分離される。その後、毛細アレイの両側から静水圧を加えて気泡を破壊することによって、第1および第2の構成要素を混合することができる。その後、毛細アレイを、2つの構成要素の反応が存在することまたは存在しないことにより生じる検出可能な事象についてモニターする。
結合スクリーニングアッセイでは、目的の試料を、検出可能な粒子で標識した第1の液体として、毛細アレイの毛細内に導入することができ、毛細のルーメンは検出可能な粒子をルーメンに結合させるための結合物質でコーティングされている。その後、第1の液体を毛細管から除去してよく、結合した検出可能な粒子が毛細内に維持され、第2の液体を毛細管内に導入し得る。その後、毛細を、粒子と第2の液体との反応が存在することまたは存在しないことにより生じる検出可能な事象についてモニターする。
アレイ、すなわち「バイオチップ」
本発明に従った核酸またはポリペプチドをアレイに固定または施用することができる。アレイを用いて、組成物のライブラリー(小分子、抗体、核酸など)を、本発明に従った核酸またはポリペプチドと結合するまたはその活性を調節する能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。たとえば、本発明の一部の実施形態では、モニターするパラメータは、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の遺伝子の転写物の発現である。細胞の1つもしくは複数、またはすべての転写物は、細胞の転写物、または細胞の転写物の代表的なもしくはそれに相補的な核酸を含む試料のハイブリダイゼーションによって、アレイ上の固定した核酸、すなわち「バイオチップ」へのハイブリダイゼーションによって測定することができる。マイクロチップ上の核酸の「アレイ」を用いることによって、細胞の転写物の一部またはすべてを同時に定量することができる。あるいは、ゲノム核酸を含むアレイを用いて、本発明に従った方法によって作製した新しく操作した株の遺伝子型を決定することもできる。ポリペプチドアレイ」はまた、複数のタンパク質を同時に定量するために用いることもできる。本発明は、「マイクロアレイ」もしくは「核酸アレイ」もしくは「ポリペプチドアレイ」もしくは「抗体アレイ」もしくは「バイオチップ」とも呼ばれる任意の既知の「アレイ」またはその変形を用いて実施することができる。アレイとは、総称的に、それぞれの標的要素がmRNA転写物などの試料分子との特異的結合のために基質表面の定義した領域上に固定した定義した量の1つまたは複数のオリゴヌクレオチドなどの生体分子を含む、複数の「スポット」または「標的要素」である。
本明細書中で使用する用語「アレイ」または「マイクロアレイ」または「バイオチップ」または「チップ」とは、以下にさらに詳述する、それぞれの標的要素が基質表面上の定義した領域に固定した定義した量の1つまたは複数のポリペプチド(抗体を含む)または核酸を含む、複数の標的要素である。
本発明に従った方法を実施するにあたって、任意の既知のアレイおよび/ならびにアレイを作製および使用する方法は、たとえば、米国特許第6,277,628号、第6,277,489号、第6,261,776号、第6,258,606号、第6,054,270号、第6,048,695号、第6,045,996号、第6,022,963号、第6,013,440号、第5,965,452号、第5,959,098号、第5,856,174号、第5,830,645号、第5,770,456号、第5,632,957号、第5,556,752号、第5,143,854号、第5,807,522号、第5,800,992号、第5,744,305号、第5,700,637号、第5,556,752号、第5,434,049号に記載されているように、その全体でもしくは部分的に組み込まれているか、またはその変形であることができる。また、国際公開第99/51773号、国際公開第99/09217号、国際公開第97/46313号、国際公開第96/17958号なども参照されたい。また、Johnston(1998)Curr.Biol.、8:R171〜R174;Schummer(1997)Biotechniques、23:1087〜1092;Kern(1997)Biotechniques、23:120〜124;Solinas−Toldo(1997)Genes,Chromosomes & Cancer、20:399〜407;Bowtell(1999)Nature Genetics Supp.、21:25〜32なども参照されたい。また、米国特許出願公開第20010018642号、第20010019827号、第20010016322号、第20010014449号、第20010014448号、第20010012537号、第20010008765号も参照されたい。
抗体および抗体に基づいたスクリーニング方法
本発明は、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素と特異的に結合する、単離、合成または組換え抗体を提供する。これらの抗体を用いて、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素または関連するポリペプチドを単離、同定または定量することができる。これらの抗体を用いて、本発明の範囲内の他のポリペプチドまたは他の関連するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を単離することができる。抗体は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の活性部位と結合するように設計することができる。したがって、本発明は、本発明に従った抗体を用いて、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を阻害する方法を提供する(本発明に従った抗HMGおよび/または抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼ等の抗アルドラーゼの酵素の組成物の応用に関しては、上記の記述を参照)。
用語「抗体」には、抗原またはエピトープと特異的に結合することができる1つの免疫グロブリン遺伝子もしくは複数の免疫グロブリン遺伝子またはその断片に由来する、それを元にモデリングした、または実質的にそれによってコードされている、ペプチドまたはポリペプチドが含まれる。基礎免疫学(Fundamental Immunology)、第3版、W.E.Paul編、Raven Press、ニューヨーク(1993);Wilson(1994)J.Immunol.Methods、175:267〜273;Yarmush(1992)J.Biochem.Biophys.Methods、25:85〜97を参照されたい。用語抗体には、抗原と結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち「抗原結合部位」(断片、部分配列、相補性決定領域(CDR)など)が含まれ、これには、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド橋によって連結されている2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward他、(1989)Nature、341:544〜546)、ならびに(vi)単離した相補性決定領域(CDR)が含まれる。単鎖抗体も参考として用語「抗体」に含まれる。
本発明は、本発明に従ったポリペプチドの免疫原性断片(部分配列など)を含めた、本発明に従った酵素(ペプチドなど)の断片を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったポリペプチドまたはペプチドおよびアジュバントまたは担体などを含む組成物を提供する。
抗体は、免疫沈降、染色、免疫親和性カラムなどに用いることができる。所望する場合は、特定の抗原をコードしている核酸配列は、免疫化、続いてポリペプチドまたは核酸の単離、増幅またはクローニング、および本発明に従ったアレイ上へのポリペプチドの固定化によって、作製することができる。あるいは、本発明に従った方法を用いて、修飾する細胞によって産生される抗体の構造を修飾することができ、たとえば、抗体の親和性を増加または低下させることができる。さらに、抗体を作製または修飾する能力は、本発明に従った方法によって細胞に加えた操作の表現型であることができる。
抗体(ポリクローナルおよびモノクローナル)を免疫化、産生ならびに単離する方法は当業者に知られており、科学論文および特許文献に記載されている。Coligan、免疫学の最新プロトコル(CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY)、Wiley/Greene、ニューヨーク(1991);Stites編、基礎免疫学および臨床免疫学(BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY)(第7版)Lange Medical Publications、カリフォルニア州ロスアルトス(「Stites」);Goding、モノクローナル抗体:原理および実施(MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE)(第2版)Academic Press、ニューヨーク州ニューヨーク(1986);Kohler(1975)Nature、256:495;Harlow(1988)抗体、実験室マニュアル(ANTIBODIES,A LABORATORY MANUAL)、Cold Spring Harbor Publications、ニューヨークを参照されたい。抗体はまた、動物を用いた従来のin vivo方法に加えて、組換え抗体結合部位を発現するファージディスプレイライブラリーを用いることなど、in vitroでも作製することができる。Hoogenboom(1997)Trends Biotechnol.、15:62〜70;Katz(1997)Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.、26:27〜45を参照されたい。
本発明に従ったポリペプチドまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片を用いても、ポリペプチドまたは断片と特異的に結合する抗体を作製し得る。生じる抗体を、ポリペプチドを単離もしくは精製するため、またはポリペプチドが生体試料中に存在するかどうかを決定するための免疫親和性クロマトグラフィー手順で用い得る。そのような手順では、抽出物などのタンパク質調製物または生体試料を、本発明に従ったポリペプチドの1つ、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片と特異的に結合することができる抗体を接触させる。
免疫親和性手順では、抗体をビーズまたは他のカラムマトリックスなどの固体担体に付着させる。抗体が本発明に従ったポリペプチドの1つまたはその断片と特異的に結合する条件下でタンパク質調製物を抗体と接触させる。非特異的に結合したタンパク質を除去するために洗浄した後、特異的に結合したポリペプチドを溶出させる。
抗体と結合する生体試料中のタンパク質の能力は、当業者が精通している様々な手順の任意のものを用いて決定し得る。たとえば、結合は、抗体を蛍光剤、酵素標識、または放射性同位体などの検出可能な標識で標識することによって決定し得る。あるいは、抗体と試料との結合は、その上にそのような検出可能な標識を有する二次抗体を用いて検出し得る。具体的なアッセイには、ELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、ラジオイムノアッセイおよびウエスタンブロットが含まれる。
本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対して作製したポリクローナル抗体は、ポリペプチドを動物内に直接注入すること、またはポリペプチドを動物、たとえば非ヒトに投与することによって得ることができる。そのように得られた抗体は、ポリペプチド自体と結合することができる。このように、ポリペプチドの断片のみをコードしている配列さえも、ネイティブポリペプチド全体と結合し得る抗体を作製するために用いることができる。その後、そのような抗体を用いて、ポリペプチドを、そのポリペプチドを発現する細胞から単離することができる。
モノクローナル抗体の調製には、連続継代細胞系の培養物によって産生される抗体を提供する任意の技術を用いることができる。例には、ハイブリドーマ技術(KohlerおよびMilstein、Nature、256:495〜497、1975)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor他、Immunology Today、4:72、1983)およびEBV−ハイブリドーマ技術(Cole他、1985、モノクローナル抗体および癌治療(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)、Alan R.Liss,Inc.、ページ77〜96)が含まれる。
単鎖抗体の産生について記載されている技術(米国特許第4,946,778号)を、本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対する単鎖抗体を産生させるために適応させることができる。あるいは、トランスジェニックマウスを用いて、これらのポリペプチドまたはその断片に対するヒト化抗体を発現させ得る。
本発明に従ったポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続したそのアミノ酸を含む断片に対して作製した抗体を、他の生物および試料からの類似ポリペプチドのスクリーニングに用い得る。そのような技術では、生物からのポリペプチドを抗体と接触させ、抗体と特異的に結合するポリペプチドを検出する。上述の手順の任意のものを用いて抗体結合を検出し得る。そのようなスクリーニングアッセイの1つが、Shulman H、Eberhard A、Eberhard C、Ulitzur S、Keinan E、Bioorg Med Chem Lett.2000年10月16日;10(20):2353〜6、発光性細菌による抗体触媒作用の高感度かつ迅速な検出(Highly sensitive and rapid detection of antibody catalysis by luminescent bacteria)に記載されている。
キット
本発明は、本発明に従った核酸、発現カセット、ベクター、細胞、トランスジェニック種子もしくは植物もしくは植物部分、ポリペプチド(アルドラーゼ酵素など)および/または抗体等の組成物を含むキットを提供する。キットはまた、本明細書中に記載の本発明に従った方法ならびに工業用、医薬用および食用の使用を教示する指示書も含むことができる。
全細胞の操作および代謝パラメータの測定
本発明に従った方法は、新しいまたは改変されたHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の活性などの新しい表現型を有する新しい細胞株を開発するために、細胞の遺伝組成を改変することによって細胞の全細胞進化または全細胞操作を提供する。米国特許出願公開第20040033975号を参照されたい。
遺伝組成は、細胞に、本発明に従った酵素のコード配列などの本発明に従った核酸を付加することによって改変することができる。国際公開第0229032号、国際公開第0196551号を参照されたい。
新しい表現型を検出するためには、改変した細胞の少なくとも1つの代謝パラメータを、細胞中で「リアルタイム」または「オンライン」のタイムフレームでモニターする。一部の実施形態では、細胞培養物などの複数の細胞を「リアルタイム」または「オンライン」でモニターする。一部の実施形態では、複数の代謝パラメータを「リアルタイム」または「オンライン」でモニターする。代謝パラメータは、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素を用いてモニターすることができる。
代謝フラックス解析(MFA)は既知の生化学フレームワークに基づいている。細胞内代謝物の質量保存の法則および見掛けの定常状態の仮説(PSSH)に基づいて、一次独立の代謝マトリックスを構築する。本発明に従った方法を実施するにあたって、以下を含めた代謝ネットワークを確立する:
・すべての経路の基質、産物および中間代謝物の同定
・経路の代謝物を相互変換するすべての化学反応、経路の反応の化学量論の同定、
・反応を触媒するすべての酵素、酵素反応の動力学の同定、
・アロステリック相互作用、酵素−酵素相互作用などの経路の構成要素間の調節相互作用、
・酵素または任意の他の酵素の超分子組織の細胞内区画化、ならびに
・代謝物、酵素もしくはエフェクター分子の任意の濃度勾配またはそれらの動きに対する拡散障壁の存在。
所定の株の代謝ネットワークを構築した後、マトリックスの概念による数学的表示を導入して、オンラインメタボロームデータが利用可能かどうかの細胞内代謝フラックスを推定することができる。代謝の表現型は、細胞内の全代謝ネットワークの変化に依存する。代謝の表現型は、環境条件、遺伝調節、発達状態および遺伝子型などに関して経路の利用に依存する。本発明に従った方法の一部の実施形態では、オンラインMFA計算の後、経路の利用を調査することによって細胞の動的挙動、その表現型および他の特性を解析する。たとえば、酵母の発酵中にグルコースの供給を増加し、酸素を低下した場合は、呼吸経路の利用が低下および/または停止し、発酵性経路の利用が優勢となる。経路の解析後に細胞培養物の生理状態の制御が可能となる。本発明に従った方法は、基質の供給、温度、誘導剤の使用などをどのように変化させて細胞の生理状態を望ましい方向に沿って動くように制御するかを決定することによって、発酵をどのように操作するかの決定を支援することができる。本発明に従った方法を実施するにあたって、代謝工学または遺伝子シャフリングなどの実験およびプロトコルを設計するために、MFAの結果をトランスクリプトームおよびプロテオームのデータと比較することもできる。
本発明に従った方法を実施するにあたって、細胞における新しいまたは改善された特徴を含めた任意の改変したまたは新しい表現型を与えて検出することができる。代謝または増殖の任意の側面をモニターすることができる。
mRNA転写物の発現のモニター
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、mRNA転写物(たとえばピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素のメッセージ)の発現を増加もしくは低下させること、または新しい(たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の)転写物を細胞中で生じさせることを含む。この増加または低下した発現は、本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素の存在を試験することによって、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性のアッセイによって追跡することができる。mRNA転写物、すなわちメッセージはまた、ノーザンブロット、定量的増幅反応、アレイとのハイブリダイゼーションなどを含めた当分野で知られている任意の方法によって検出および定量することができる。定量的増幅反応には、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、すなわちRT−PCRなどを含めた定量的PCR、定量的リアルタイムRT−PCR、すなわち「リアルタイム動力学的RT−PCR」などが含まれる(Kreuzer(2001)Br.J.Haematol.、114:313〜318;Xia(2001)Transplantation、72:907〜914参照)。
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、相同遺伝子の発現をノックアウトすることによって生じさせる。遺伝子のコード配列またはプロモーターもしくはエンハンサーなどの1つもしくは複数の転写制御要素をノックアウトすることができる。したがって、転写物の発現を完全に切除するか、または減少のみさせることができる。
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、相同遺伝子の発現を増加させることを含む。これは、シスもしくはトランスで作用する転写調節要素を含めた負の制御要素をノックアウトすることによって、または、正の制御要素を突然変異誘発させることによって達成することができる。細胞の1つもしくは複数、またはすべての転写物は、細胞の転写物、または細胞の転写物の代表的なもしくはそれに相補的な核酸を含む試料のハイブリダイゼーションによって、アレイ上の固定した核酸とのハイブリダイゼーションによって、測定することができる。
ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸の発現のモニター
本発明の一部の実施形態では、操作した表現型は、ポリペプチド(ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)の発現を増加もしくは低下させること、または細胞中で新しいポリペプチドを生じさせることを含む。この増加または低下した発現は、存在するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の量を決定することによって、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性のアッセイいよって追跡することができる。ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸はまた、核磁気共鳴(NMR)、分光光度法、X線撮影(タンパク質放射標識)、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー、免疫沈降、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイなどの様々な免疫学的方法、ゲル電気泳動(SDS−PAGEなど)、抗体を用いた染色、蛍光活性化細胞選別器(FACS)、熱分解質量分析、フーリエ変換赤外線分光測定、ラマン分光測定、GC−MS、ならびにLC−エレクトロスプレーおよびキャップ−LC−タンデム−エレクトロスプレー質量分析等を含めた当分野で知られている任意の方法によって検出および定量することができる。新規生物活性はまた、米国特許第6,057,103号に記載の方法またはその変形を用いてスクリーニングすることもできる。さらに、以下に詳述するように、細胞の1つもしくは複数、またはすべてのポリペプチドを、タンパク質アレイを用いて測定することができる。
工業的、医薬的および他の応用
本発明に従ったポリペプチド(たとえばHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼを有するもの)は、炭素−炭素結合の形成または切断を触媒することができる。本発明に従った酵素は、選択性の高い触媒であることができる。一部の実施形態では、本発明は、たとえば、医薬的または栄養的(食用)サプリメントの産業、食品および飼料製品ならびに食品および飼料添加剤を作製する方法などの食品および飼料の産業における、本発明に従った酵素を用いた工業的プロセスを提供する。一部の実施形態では、本発明は、医薬品あるいは食用補助剤もしくはサプリメントまたは食品サプリメントもしくは添加剤を作製するためなどの医薬産業において、本発明に従った酵素を使用するプロセスを提供する。
バイオマス変換およびクリーン生物燃料の生成
本発明は、それだけには限定されないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼを含めたアルドラーゼ等の酵素(酵素の混合物、すなわち「カクテル」を含む)、ならびに、飼料、食品および化学薬品に加えて、本発明の酵素を用いてバイオマスまたは任意のリグノセルロース材料(たとえば、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを含む任意の組成物)を燃料(たとえば、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、バイオディーゼル)へと変換する方法を提供する。したがって、本発明の組成物および方法は、石油系製品の、たとえばバイオエタノールおよびガソリンの混合物として使用するための、有効かつ継続可能な代替方法または付加物を提供する。本発明は、天然に存在するバイオマス変換を含む化学サイクルに関与するための、本発明の酵素を発現する生物を提供する。一実施形態では、変換のための酵素および方法は、セルロースおよびヘミセルロースポリマーを代謝可能な炭素部分へと効率的な脱重合するための酵素のアンサンブルに使用する。本発明は、これらの重要な新しい「バイオマス変換」および代替エネルギーの工業的プロセスを可能にする酵素の最も有効なものを発見および実装する方法を提供する。
本発明の方法にはまた、変換されたリグノセルロース材料(本発明の酵素によって加工)をとり、発酵および/または化学合成によって燃料(たとえば、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、バイオディーゼル)にすることが含まれる。一実施形態では、生成した糖を発酵するか、および/または発酵可能でない生成物をガス化する。
本発明の酵素(たとえば、本発明の組換え酵素を作製し、一部の実施形態では分泌する、真菌、酵母または細菌などの微生物等の生物を含む)は、任意のバイオマス変換プロセスの任意の段階、たとえば、任意の1つの工程、複数の工程で使用するもしくは含める/組み込むか、または、すべての工程、もしくは以下のバイオマス変換プロセス方法のすべて、もしくはこれらの生物燃料代替物のすべてに含めることができる:
・直接燃焼:直接熱による物質の燃焼であり、最も単純なバイオマス技術である。バイオマス源が近くにある場合は非常に経済的である場合がある。
・熱分解:酸素が存在しない場合の、熱によるバイオマスの熱分解である。一実施形態では、バイオマスを華氏約800〜1400度まで加熱するが、燃焼を支援するために酸素を導入しない結果、ガス、燃料油および木炭の作製がもたらされる。
・ガス化:バイオマスを用いて、加熱または嫌気性消化によってメタンを生成することができる。一酸化炭素および水素の混合物である合成ガスをバイオマスから導くことができる。
・埋立地ガス:埋立地に埋めた廃物の腐敗(嫌気性消化)により生じる。有機廃棄物が腐敗する際、これは、天然ガスの主要な構成要素であるメタンが約50%を構成するガスを生じる。
・嫌気性消化:有機物質を、天然ガスの主要な構成要素であるメタンおよび二酸化炭素の混合物へと変換する。一実施形態では、廃水(下水)、堆肥、または食品加工廃棄物などのバイオマスを水と混合し、空気なしで消化タンクに供給する。
・発酵
・アルコール発酵:燃料アルコールは、デンプンを糖へと変換し、糖をアルコールへと発酵させ、その後、アルコールと水の混合物を蒸留によって分離することによって生成する。糖、デンプン、またはセルロースを含むコムギ、オオムギ、ジャガイモ、および廃棄紙、おが屑、および藁などの供給原料を、酵母を用いた発酵によってアルコールへと変換することができる。
・エステル交換:油をバイオディーゼルへと変換させる例示的な反応はエステル交換と呼ばれる。エステル交換プロセスでは、アルコール(メタノールなど)を、植物油、動物性脂肪、またはリサイクルしたグリースに含まれるトリグリセリド油と反応させて、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンを形成する。この反応は熱および水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの強塩基触媒を必要とする。
・バイオディーゼル:バイオディーゼルとは、植物油、動物性脂肪またはリサイクルしたグリースから作製した脂肪酸アルキルエステルの混合物である。バイオディーゼルは、その純粋な形態で乗物の燃料として使用することができるが、通常は、粒子、一酸化炭素、炭化水素およびディーゼル駆動の乗物からの大気毒性のレベルを低下させるための石油ディーゼル添加剤として使用する。
・加水分解:本発明の酵素を用いて触媒される、化合物、たとえばリグノセルロース材料などのバイオマスの加水分解が含まれる。
・コンジェネレーション:単一の燃料および設備を用いた複数の形態のエネルギーの同時生成である。一実施形態では、バイオマスの同時作製は、同時作製により熱および電気がどちらも生成されるので、バイオマスの単独の作製よりも成長する潜在性が高い。
一実施形態では、本発明のポリペプチドは、それだけには限定されないがHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性を含めたアルドラーゼ活性、あるいは、バイオディーゼル、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、もしくはバイオメタノールを、有機物質、たとえば、任意の農作物もしくは他の再生可能な供給原料、農業廃棄物もしくは動物廃棄物、または都市廃棄物および工業廃棄物の有機構成要素を含めた植物および動物に由来する組成物、または藻類もしくは酵母などの微生物などのバイオマスから作製するための他の酵素活性を有する。一実施形態では、本発明のポリペプチドは、リグノセルロースバイオマスをエタノール、ブタノール、プロパノール、メタノールに変換するプロセスに用いるか、あるいは、他に、生体材料を生物燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、もしくはバイオディーゼルを含む)として用いることができるように加水分解もしくは消化するため、または、バイオマスを燃料へと加工することを容易にするためのプロセスで用いる。代替実施形態では、本発明のポリペプチドは、アルコール(メタノールなど)を植物油、動物性脂肪またはリサイクルしたグリースに含まれるトリグリセリド油と反応させて、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンを形成する、エステル交換プロセスのプロセスで用いる。一実施形態では、バイオディーゼルは、ダイズ油またはリサイクルした調理用油から作製する。動物性脂肪、他の植物油、および他のリサイクルした油も、そのコストおよび利用可能性に応じて、バイオディーゼルを生成するために用いることができる。別の実施形態では、あらゆる種類の脂肪および油の混合物を用いて本発明のバイオディーゼル燃料を生成する。
本発明の酵素は、グリセリンの精製にも使用することができる。グリセリン副産物は、未反応の触媒および酸で中和される石ケンを含む。水およびアルコールを除去して50%〜80%の粗グリセリンを生成する。残った汚染物質には未反応の脂肪および油が含まれ、これは、本発明のポリペプチドを用いて加工することができる。本発明の大きなバイオディーゼル工場では、グリセリンを、医薬および化粧産業用に、たとえば99%以上の純度までさらに精製することができる。
バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルを、本発明のポリペプチドを用いて作製し、燃焼特徴を改善するために燃料の酸素添加剤と共に用いることができる。酸素を添加する結果、より完全な燃焼がもたらされ、これは一酸化炭素の放出を減少させる。これは、石油燃料を生物燃料(たとえば本発明の燃料)で置き換えることの別の環境利点である。本発明の組成物および/または方法を用いて作製したバイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルをガソリンと混合してE10ブレンド(約5%〜10%のエタノールおよび約90%〜95%のガソリン)を形成することができるが、これは、E85またはその純粋な形態などのより高濃度で用いることができる。本発明の組成物および/または方法を用いて作製したバイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルを石油ディーゼルと混合してB20ブレンド(20%のバイオディーゼルおよび80%の石油ディーゼル)を形成することができるが、B100(純粋なバイオディーゼル)までの他の混合レベルを用いることができる。
本発明はまた、エタノール(「バイオエタノール」)、ブタノール(「バイオブタノール」)、プロパノール(「バイオプロパノール」)、メタノール(「バイオメタノール」)、および/またはディーゼル(「バイオディーゼル」)を、リグノセルロースバイオマスを含む組成物から作製するプロセスも提供する。リグノセルロースバイオマス材料は、農作物から、食品もしくは飼料の生成の副産物として、または植物残渣および廃棄紙などのリグノセルロース廃棄物として得ることができる。本発明のポリペプチドで処理するための適切な植物源または植物残渣の例には、ケルプ、藻類、穀粒、種子、茎、葉、外殻、殻、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、藁、草(たとえば、ソルガストラム・ヌタンス(Sorghastrum nutans)などのインディアングラスまたはスイッチグラス、たとえばパニカム・ビルガツム(Panicum virgatum)などのキビ種)等、ならびに木材、木片、木材パルプ、およびおが屑が含まれる。本発明のポリペプチドで処理するための適切な廃棄紙の例には、廃棄コピー用紙、コンピュータプリンタ用紙、ノート用紙、メモ用紙、タイプライター用紙など、ならびに新聞紙、雑誌、厚紙、および紙パッケージ材料が含まれる。
一実施形態では、本発明の酵素および方法を、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはディーゼルをバイオマスから作製するさらなる「従来の」手段、たとえば、反応器中の乾燥リグノセルロース材料を強酸および金属塩の薄い溶液からなる触媒に供することによってリグノセルロース材料を加水分解することを含む方法と併せて用いることができる。これにより、セルロース加水分解の活性化エネルギー、すなわち温度が下がり、より高い糖収率を得ることができる。たとえば、米国特許第6,660,506号、および第6,423,145号を参照されたい。
本発明の酵素の使用を組み込む別の実施形態は、ヘミセルロース、セルロースおよびリグニンを含むリグノセルロース材料を加水分解することを含み、これは、材料を、セルロースからグルコースへの際立った脱重合なしに主にヘミセルロースの脱重合を達成する温度および圧力で水性媒体に供する第1の段階の加水分解工程による。この工程により、液体の水相がヘミセルロースの脱重合から生じる溶解した単糖を含み、固相がセルロースおよびリグニンを含む、スラリーがもたらされる。第2の段階の加水分解工程は、セルロースの少なくとも主要な部分が脱重合される条件を含むことができ、そのような工程の結果、セルロースの溶解した/可溶性の脱重合産物を含む液体の水相がもたらされる。たとえば米国特許第5,536,325号を参照されたい。本発明の酵素は、この例示的なプロセスの任意の段階で加えることができる。
本発明の酵素の使用を組み込む別の実施形態は、約0.4%〜2%の強酸を用いた1つまたは複数の段階の希酸加水分解によってリグノセルロース含有バイオマス材料を加工することと、酸で加水分解したバイオマス材料の未反応の固体リグノセルロース構成要素をアルカリ脱リグニン化によって処理して、生分解性の熱可塑性樹脂および誘導体の前駆体を生成することとを含む。たとえば米国特許第6,409,841号を参照されたい。本発明の酵素は、この例示的なプロセスの任意の段階で加えることができる。
本発明の酵素の使用を組み込む別の実施形態は、前加水分解反応器内でリグノセルロース材料を前加水分解することと、酸性の液体を固体リグノセルロース材料に加えて混合物を作製することと、混合物を反応温度まで加熱することと、リグノセルロース材料が、少なくとも約20%のリグノセルロース材料からのリグニンを含む可溶性部分とセルロースを含む固体画分とに分画されるのに十分な時間、反応温度を維持することと、反応温度またはその付近のままで可溶性部分を固体画分から除去し、固体画分中のセルロースに、より受け入れられやすい酵素消化を行うことと、可溶性部分を回収することとを含む。たとえば米国特許第5,705,369号を参照されたい。本発明の酵素は、この例示的なプロセスの任意の段階で加えることができる。
本発明は、本発明の酵素または方法を用いて作製した燃料グレードアルコールと混合した液体炭化水素に基づいた、モーター燃料組成物(たとえば火花点火モーター用)を作製する方法を提供する。一実施形態では、本発明の酵素を使用することによって作製した燃料は、たとえば、石炭ガス液体または天然ガス液体とエタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはディーゼルとの混合物を含む。一実施形態では、共溶媒は、バイオマスに由来する2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)である。たとえば米国特許第6,712,866号を参照されたい。
一実施形態では、たとえばエタノールをリグノセルロース材料から生成するための、リグノセルロースを酵素分解するための本発明の方法は、バイオマス材料の超音波処理の使用を含むこともできる。たとえば米国特許第6,333,181号を参照されたい。
別の実施形態では、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルをセルロース基質から生成する本発明の方法は、セルロース基質、本発明の酵素および発酵剤を含むスラリーの形態の反応混合物を(たとえば、半連続的に固体を供給するバイオリアクターなどの反応器内で)提供することを含み、反応混合物を、発酵反応を開始させて維持するのに十分な条件下で反応させる(たとえば米国特許出願公開第20060014260号に記載)。一実施形態では、実験または理論的計算によって最適な供給頻度を決定することができる。一実施形態では、最適化した供給頻度に従った間隔でさらなる量のセルロース基質および酵素を反応器に提供する。
本発明の生物燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルなど)を作製する1つの例示的なプロセスは、米国特許出願公開第20050069998号、第20020164730号に記載されており、一実施形態では、リグノセルロースバイオマスを(たとえば15〜30mmの大きさまだ)粉砕する段階と、得られた生成物を、反応器内で蒸気爆発前処理(たとえば190〜230℃の温度)に1〜10分間供する段階と、前処理した材料をサイクロンまたは関連する製造製品で回収する段階と、液体および固体の画分をフィルタープレスでの濾過によって分離し、固体画分を発酵堆積物に導入して1つまたは複数の本発明の酵素、たとえばセルラーゼおよび/またはβ−グルコシダーゼ酵素(たとえばクエン酸緩衝液、pH4.8に溶かした)を加える段階とを含む。
本発明の酵素を使用することを含む、本発明の生物燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルなど)を作製する別の例示的なプロセスは、少なくともヘミセルロースおよびセルロースを含むリグノセルロース供給原料を含む出発物質を前処理することを含む。一実施形態では、出発物質は、ジャガイモ、ダイズ(アブラナ)、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、カラスムギ、コムギ、ビートもしくはサトウキビ、または構成要素または廃棄物または食品または飼料の生成の副産物を含む。出発物質(「供給原料」)を、ヘミセルロースおよびセルロースの少なくとも部分的な加水分解を達成するために植物の線維構造を破壊する条件で反応させる。破壊条件は、たとえば、出発物質を、180℃〜270℃の平均温度、pH0.5〜2.5で約5秒間〜60分間、もしくは220℃〜270℃の温度、pH0.5〜2.5で5秒間〜120秒間、または等価な条件に供することを含むことができる。これにより、酵素、たとえば本発明のセルラーゼ酵素によって消化される到達性が増加した供給原料が作製される。米国特許第6,090,595号。
リグノセルロース材料の加水分解の例示的な条件には、約30℃〜48℃の温度および/または約4.0〜6.0のpHでの反応が含まれる。他の例示的な条件には、約30℃〜60℃の温度および約4.0〜8.0のpHが含まれる。
本発明に従った酵素は、精巧な立体的、位置的および化学的な選択性で反応を触媒することができる。本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、様々な溶媒中で機能し、極限のpH(たとえば高pHおよび低pH)、極限の温度(たとえば高温および低温)、極限の塩分レベル(たとえば高塩分および低塩分)で作動し、その天然に存在する生理的基質と構造的に非関連の化合物との反応を触媒するように操作することができる。
飼料および食品または飼料および食品の添加剤
食用補助剤もしくはサプリメント、または食品サプリメントおよび添加剤を提供することに加えて、本発明はまた、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素活性を有するタンパク質、ならびに/または本発明に従った抗体などの本発明に従ったポリペプチドを用いて、ヒトおよび動物の飼料および食品ならびに食品または飼料の添加剤を処理する組成物および方法も提供する。一部の実施形態では、本発明は、本発明に従ったHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素ならびに/または本発明に従った抗体を含む動物飼料、食品、および添加剤を提供する。動物は任意の家畜または任意の動物であることができる。
本発明に従った動物飼料の添加剤は、飼料の構成要素と容易に混合し得る顆粒化した酵素製品であり得る。あるいは、本発明に従った飼料添加剤はプレミックスの構成要素を形成することができる。本発明に従った顆粒化した酵素製品は、コーティングしていてもしていなくてもよい。酵素顆粒の粒子径は、飼料およびプレミックスの構成要素の粒子径と適合性を有することができる。これにより、酵素を飼料に取り込ませる安全かつ好都合な手段が提供される。あるいは、本発明に従った動物飼料添加剤は安定化した液体組成物であり得る。これは、水性または油系のスラリーであり得る。米国特許第6,245,546号を参照されたい。
本発明のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、飼料または食品の改変において、食品または飼料をin vitro(飼料もしくは食品の構成要素を改変することによる)またはin vivoのどちらかで加工することができる。本発明に従ったポリペプチドは、飼料または食品の組成物に加えることができる。
一部の実施形態では、本発明に従った酵素を、β−ガラクトシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ、他のアルドラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド−β−1,4−ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β−ラッカーゼ、エンド−β−1,3(4)−ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、脱炭酸酵素、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの別の酵素と組み合わせて加える。これらの酵素消化産物は、動物による消化性がより高い。したがって、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、セルロースを分解することによって飼料もしくは食品の利用可能なエネルギー、または食品もしくは飼料の消化性に寄与することができる。
他の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、酵素を、穀粒、穀類、トウモロコシ、ダイズ、ナタネ、ルピナスなどのトランスジェニック飼料の作物(トランスジェニック植物、種子などとして)中で直接発現させることによって供給することができる。上述のように、本発明は、本発明に従ったポリペプチドをコードしている核酸配列を含むトランスジェニック植物、植物部分および植物細胞を提供する。一部の実施形態では、本発明に従ったHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素が回収可能な量で産生されるように核酸を発現させる。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、任意の植物または植物部分から回収することができる。あるいは、組換えポリペプチドを含む植物または植物部分は、それ自体で、食品または飼料の品質を改善するために、たとえば栄養価、嗜好性などを改善するために使用することができる。
一部の実施形態では、本発明に従った酵素デリバリーマトリックスは、分離した複数の粒子、ペレットまたは顆粒の形態である。「顆粒」とは、ペレット化、押出し、またはマトリックスから水を除去するための類似の押し固めなどによって圧縮または押し固めた粒子を意味する。粒子のそのような圧縮または押し固めは、粒子の粒子間凝集も促進する。たとえば、顆粒は、粒子に基づいた基質をペレットミル内でペレット化することによって調製することができる。これにより調製されたペレットを、動物飼料中のアジュバントとしての使用に適した顆粒サイズまで粉砕または粉々に崩す。マトリックス自体は動物飼料での使用が認可されているので、酵素を動物飼料にデリバリーするための希釈剤として用いることができる。
一部の実施形態では、本発明の酵素デリバリーマトリックスおよび方法に含まれるHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素は、パレット化した酵素デリバリーマトリックスを調製するために高温および/または蒸気を用い得る製造中において、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素の失活に耐えるために、本明細書中に記載の熱安定性のHMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ等のアルドラーゼの酵素である。本発明の酵素デリバリーマトリックスを含む飼料の消化中、水性の消化液が活性酵素の放出を引き起こす。熱安定性である他の種類の熱安定酵素および栄養サプリメントも、任意の種類の水性条件下で放出させるためにデリバリーマトリックス中に組み込むことができる。
一部の実施形態では、動物飼料に香味または栄養サプリメントを加えるため、胃の条件下で動物飼料サプリメントおよび酵素の放出を遅延させるためなどの多くの異なる目的のために、酵素マトリックス粒子にコーティングを塗布する。一部の実施形態では、マトリックス粒子から酵素をゆっくりと放出させることが望ましい場合、または酵素が放出される条件を制御するためなどの機能的な目的を達成するために、コーティングを塗布する。コーティング物質の組成物は、それが感受性のある因子(熱、酸もしくは塩基、酵素または他の化学薬品など)によって選択的に分解されるようなものであることができる。あるいは、異なるそのような分解因子に感受性のある2つ以上のコーティングを連続的にマトリックス粒子に塗布し得る。
本発明はまた、酵素放出マトリックスを調製するプロセスにも向けられている。本発明によれば、このプロセスは、粒子に基づいた基質の分離した複数の粒子を酵素放出マトリックスとしての使用に適した粒子径で提供することを含み、粒子は、本発明に従ったアミノ酸配列によってコードされているピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を含む。一部の実施形態では、プロセスには、酵素放出マトリックスの粒子を顆粒へと押し固めるまたは圧縮することが含まれ、これは、ほとんどの実施形態ではペレット化によって達成する。防カビ剤および凝集剤を使用する場合は、それを任意の適切な時点で加えることができ、部の実施形態では、粒子に基づいた基質のペレット化の前に所望の割合で粒子に基づいた基質と混合する。一部の実施形態では、ペレットミル飼料中の含水率は最終生成物の含水率に関する上述の範囲内にあり、一部の実施形態では約14〜15%である。一部の実施形態では、供給原料をこの含水率にするために、水分を供給原料に酵素の水性調製物の形態で加える。一部の実施形態では、ペレットミル内の温度を蒸気で約82℃までにする。ペレットミルは、供給原料に十分な作業性を与えてペレットを提供する任意の条件下で作動し得る。ペレット化プロセス自体は、酵素含有組成物から水を除去する対費用効果の高いプロセスである。
本発明に従った組成物および方法は、フラクト−オリゴ糖(FOS)、ガラクト−オリゴ糖(GOS)、GRAS(一般に安全と認められる(Generally Recognized As Safe)物質などの高分子量の糖であるプレバイオティックの投与と併せて実施することができる。これらのプレバイオティックは、一部のプロバイオティック乳酸菌(LAB)によって代謝されることができる。これらは腸管微生物の大多数によっては消化不能である。
食品の処理および食品の加工
本発明は、本発明に従った酵素を含む食品および飼料、ならびに食品および飼料の加工において本発明に従った酵素を使用する方法を提供する。本発明に従ったピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素は、食品加工産業において数々の応用を有する。一部の実施形態では、本発明は、植物細胞、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、もしくは動物細胞、または任意の植物もしくは植物部分、あるいは任意の食品または飼料、廃棄物などを含めたセルロース含有組成物を加水分解する方法を提供する。
たとえば、本発明は、飼料、飲料などの液体(たとえば果汁もしくはビール)、パンもしくは生地もしくはパン製品、または飲料(たとえばビール)もしくは飲料前駆体(たとえば麦芽汁)中など、本発明のピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素を含む飼料または食品を提供する。
本発明に従った食品処理プロセスには、トリプトファナーゼもしくはチロシン脱炭酸酵素、ラッカーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、他のアルドラーゼ、セルラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド−β−1,4−ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β−ラッカーゼ、エンド−β−1,3(4)−ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、脱炭酸酵素、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの他の酵素の任意の組合せの使用も含まれることができる。
医薬組成物および食用サプリメント
本発明はまた、本発明に従ったアルドラーゼを含む医薬組成物および食用サプリメント(食用補助剤など)も提供する。アルドラーゼ活性は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼの活性を含む。一部の実施形態では、医薬組成物および食用サプリメント(食用補助剤など)は経口摂取用に配合する。
歯周治療化合物は、米国特許第6,776,979号に記載のように本発明に従った酵素を含むことができる。酸性腸症候群を治療または予防する組成物および方法は、米国特許第6,468,964号に記載のように本発明に従った酵素を含むことができる。
他の実施形態では、創傷被覆材、移植片などは、本発明に従った酵素(本発明に従った配列などを含む)を含めた抗菌(抗生物質作用などの)酵素を含む。本発明に従った酵素は、アルギン酸包帯剤、抗菌バリアー包帯剤、火傷包帯剤、圧迫帯具、診断ツール、ゲル包帯剤、ヒドロセレクティブ包帯剤、ヒドロセルラー(泡沫)包帯剤、ヒドロコロイド包帯剤、I.V包帯剤、切開ドレープ、低接着性包帯剤、臭気吸収包帯剤、貼付帯具、手術後包帯剤、瘢痕管理、スキンケア、透明フィルム包帯剤および/または創縫合に用いることもできる。本発明に従った酵素は、創傷の洗浄、創傷床の調製、褥瘡、下肢潰瘍、火傷、糖尿病性足部潰瘍、瘢痕、IV固着、外科創傷および警備な創傷の治療に用いることができる。本発明に従った酵素は、軟膏などの無菌的な酵素創傷清拭組成物に用いることができる。様々な実施形態では、アルドラーゼは、錠剤、ゲル、丸薬、移植片、液体、スプレー、フィルム、ミセル、散剤、食品、飼料ペレットまたはカプセル封入した配合物として配合する。
本発明に従った医薬組成物および食用サプリメントには、β−ガラクトシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ、他のアルドラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド−β−1,4−ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β−ラッカーゼ、エンド−β−1,3(4)−ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、脱炭酸酵素、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの他の酵素の任意の組合せの使用も含まれることができる。
モナチンのR,Rおよび他の立体異性体を生成する生合成経路
とりわけ国際公開第03/091396A2号(図1〜3および11〜13参照)に記載のように、モナチンは、生物学的変換(すなわち、基質から生成物への反応をポリペプチドで促進すること)を含む複数工程の経路によってトリプトファンから生成することができる。記載した経路は、トリプトファンをインドール−3−ピルビン酸へと生物学的に変換し、インドール−3−ピルビン酸を2−ヒドロキシ2−(インドール−3−イルメチル)−4−ケトグルタル酸(「MP」)へと生物学的に変換し、MPをモナチンへと生物学的に変換することを含む。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドを用いて、インドール−3−ピルビン酸からMPを形成する反応を促進することができる。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドを用いて、R−MPの生成を優先的に促進することができる。
一部の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334の単離もしくは組換えポリペプチドから選択された1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
別の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304のうちの任意の、HMGアルドラーゼ活性を有する単離または組換えポリペプチドから選択された1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、HMGアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
さらに別の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のうちの任意の、KHGアルドラーゼ活性を有する単離もしくは組換えポリペプチドから選択された1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、KHGアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
さらに、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する、1つまたは複数の核酸配列によってコードされている1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、アルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはその断片もしくは部分配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明のさらに別の実施形態では、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
さらに、ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305の核酸とハイブリダイズする核酸配列がによってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチド、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本発明のさらに別の実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。一実施形態では、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を生成するための複数工程の経路内の一工程として、インドール−3−ピルビン酸がMPに変換される反応の促進に有用であり得る。
本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。C3炭素源は、それだけには限定されないが、オキサロ酢酸、ピルビン酸またはホスホエノールピルビン酸などのピルビン酸誘導体であり得る。一実施形態では、C3炭素源はピルビン酸である。
インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応生成物からモナチンへの変換に有用な例示的な酵素には、トリプトファンアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.27)、トリプトファンデヒドロゲナーゼ(1.4.1.19)、D−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(1.4.99.1)、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(1.4.1.2−4)、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ(EC1.4.1.20)、トリプトファン−フェニルピルビン酸トランスアミナーゼ(2.6.1.28)の酵素クラスのメンバー、またはより一般には、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.1)、チロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.5)、D−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ、もしくはD−アラニン(2.6.1.21)アミノトランスフェラーゼなどのアミノトランスフェラーゼファミリー(2.6.1.−)のメンバーが含まれる(国際公開第03/091396A2号の図2を参照)。この反応は、化学反応を用いて行うこともできる。ケト酸(MP)のアミノ化は、アンモニアおよびシアノボロ水素化ナトリウムを用いた還元性アミノ化によって行う。国際公開第03/091396A2号の図11〜13は、MPをモナチンへと変換するため、およびモナチンからインドール−3−ピルビン酸またはトリプトファンへの収率の増加を提供するために用いることができるさらなるポリペプチドを示す。一実施形態では、これらの酵素は、インドール−3−ピルビン酸とピルビン酸との反応生成物であるMPからモナチンへの変換を触媒するために利用する。
モナチン組成物の味プロフィールは、組成物中のモナチンの様々な立体異性体の相対量を制御することによって変化することができる。本開示は、所望の割合のR,Rモナチンおよび/またはS,Rモナチンを有するモナチン組成物を生成するための経路および物質を提供する。
開示した経路によって生成したモナチン化合物のキラリティは、生物学的変換に用いたpHおよびポリペプチドのどちらによっても影響を受けることができる。本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、インドール−3−ピルビン酸をMPへと変換する反応においてモナチン炭素−2のキラリティ(上記式I参照)を制御するために利用し得る。
インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の反応生成物が生じた後、アミノ基を立体特異的に付加することができる。D−またはL−芳香族酸アミノトランスフェラーゼのどちらを使用したかに応じて、炭素−4のRまたはS立体配置のどちらか(上記式I参照)を作製することができる。多くのアミノトランスフェラーゼはL−異性体に特異的であるが、しかし、特定の植物中にはD−トリプトファンアミノトランスフェラーゼが存在する(KohibaおよびMito、ビタミンBおよびカルボニル触媒作用の第8回国際シンポジウムのプロシーディング(Proceedings of the 8th International Symposium on Vitamin B and Carbonyl Catalysis)、大阪、日本1990)。さらに、D−アラニンアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.21)、D−メチオニン−ピルビン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.41)および(R)−3−アミノ−2−メチルプロパン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.61)、(S)−3−アミノ−2−メチルプロパン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.22)の両方、ならびにD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼが同定されている。特定のアミノトランスフェラーゼは、この反応の基質をC2炭素の特定の立体配置でしか許容しない場合がある。したがって、インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応生成物への変換が立体特異的でない場合でも、アミノトランスフェラーゼの適切な選択によって最終産物の立体化学を制御することができる。反応は可逆的であるので、未反応の反応生成物(望ましくない異性体)をその構成物へとリサイクルして戻すことができ、反応生成物のラセミ混合物を再度形成することができる。
インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の反応生成物にアミノ基を付加するための適切なアミノドナーの例には、それだけには限定されないが、アラニン、アスパラギン酸、リシン、グルタミン酸、グリシン、およびトリプトファンがなどのアミノ酸が含まれる。
ここで図を参照して、以下に注意されたい。流れ図は、モナチンを生成する経路を同定するが、経路を実施する任意の特定の方法に限定されない。たとえば、経路をin vivo、in vitro、またはそれらの組合せで実施し得る。
さらに、経路が潜在的に進行するように十分な構成要素、または構成要素の源、および反応条件が提供される限りは、経路の実施は、同定した構成要素(反応物質および酵素など)のそれぞれが明確に従事者によって提供されることを必要としない。言い換えれば、たとえば、図が、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸を生成し、インドール−3−ピルビン酸から2−ヒドロキシ2−(インドール−3イルメチル)−4−ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」すなわち「MP」)を生成し、MPからモナチンを生成し、それぞれの反応が適切な酵素によって促進されることが含まれる、モナチン組成物を生成するプロセスを示す場合、その経路の実施には、L−トリプトファンをα−ケトグルタル酸および同定した反応を促進することを企図する酵素と、インドール−3−ピルビン酸またはMPを明確に提供することもなしに反応のそれぞれが起こるために適切な条件下で合わせることが含まれることが企図される。そのような場合、L−トリプトファンがα−ケトグルタル酸と反応してインドール−3−ピルビン酸を生成することができる。指定した条件および提供した酵素により、L−トリプトファンの反応から生成されたインドール−3−ピルビン酸が反応してMPを形成し、その後、指定した条件および提供した酵素により、インドール−3−ピルビン酸の反応から生成されたMPが反応してモナチンを形成することができる。
示した経路の実施は、同定した出発物質または酵素を従事者が明確に提供することを必要としないことも注意されたい。言い換えれば、L−トリプトファンを出発物質として同定する任意の経路の実施には、L−トリプトファンを生成することができる化合物を、L−トリプトファンの生成が起こる条件下で提供し、その化合物を一連の反応を促進することができる酵素と、それらの反応が起こるために適切な条件下で合わせることが含まれることを企図する。別の例として、同定した経路の実施には、記載した経路に従ってモナチンを産生するように遺伝子操作した微生物を提供し、発酵プロセスが起こるために適切な条件を提供することが含まれることを企図する。たとえば、自然に大量のL−トリプトファンを産生する微生物を、モナチンへの経路中の反応を促進するための酵素の1つまたは複数を産生または過剰産生するように遺伝子操作することができ、それにより微生物がモナチンを産生するように適切な条件を提供することができる。
図1は、Rに特異的なアルドラーゼが、R−MPを形成するインドール−3−ピルビン酸とピルビン酸との反応を促進する、特定の実施形態を同定する。図1の流れ図は、R,Rモナチンを含めたモナチン組成物を作製するための本発明に従ったプロセスを模式的に示す。図1に示すように、全体的な経路は、インドール−3−ピルビン酸を形成するトリプトファンの反応、MPを生成するインドール−3−ピルビン酸の反応、およびR,Rモナチンを含めたモナチンを生成するMPの反応を含む。
図1はさらに、モナチンのS,S、R,SおよびS,R体を犠牲にしてモナチンのR,R体の生成を増加するように設計した、この全体的な経路の特定の順列をさらに例示する。具体的には、図1は、L−トリプトファンの反応で利用するアミノトランスフェラーゼ酵素が、その反応に対して、MPと4Sモナチンとの反応と比較してより高い活性および/もしくは特異性を有する、またはオキシダーゼがL−トリプトファンに対して4Rモナチンよりも高い活性および/もしくは特異性を有し、インドール−3−ピルビン酸の反応を促進する酵素が本明細書中に開示したアルドラーゼ活性を有するポリペプチドであり、MPの反応を促進する酵素が広い特異性のD−酵素、好ましくはMPのR異性体でより効率的に作動するように進化した酵素である実施形態を例示する。
図1はまた、R,Rモナチンの生成をより経済的にするように設計した特定の順列も例示する。たとえば、図1では、D−トリプトファンまたはL−およびD−トリプトファンの組合せではなく、L−トリプトファンを出発物質として同定する。トリプトファンの特定の形態の選択はモナチン組成物中の最終的なモナチン化合物のキラリティに影響を与えないが(トリプトファン反応は、キラリティを有さないインドール−3−ピルビン酸を形成するので)、少なくともL−トリプトファンが現在D−トリプトファンよりも安価であり、より容易に入手可能であるので、L−トリプトファンを出発物質として利用することを好む場合がある。
ここで図1に示す第1の反応に注目して、トリプトファンがインドール−3−ピルビン酸へと変換される際、α−ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、およびピルビン酸の任意の1つまたは複数が反応してアミノ酸を形成する(それぞれグルタミン酸、アスパラギン酸、およびアラニン)。図1は、トリプトファン出発物質がL−トリプトファンであり、α−ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、および/またはピルビン酸がアミノ酸のL−異性体を形成する(それぞれL−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、および/またはL−アラニンなど)実施形態を示す。
図1に示すように、R,Rモナチンの生成を増強する手法は、L−トリプトファンとMPまたはモナチンよりもトリプトファンに対してより高い特異性、より高い活性、またはどちらもを有する酵素との反応を促進すること、およびMPとD−酵素との反応を促進することを含む。国際公開第03/091396A2号に開示のように、特定の酵素が、インドール−3−ピルビン酸を生成するトリプトファンの反応、およびモナチンを生成するMPのアミノ化反応を促進することができる。アミノ化工程においてL−アミノトランスフェラーゼを用いることにより、D−酵素の使用ではモナチンC−4位置でDキラル中心が作製されることに対して、モナチンのC−4位置でSキラル中心が作製される。したがって、トリプトファン反応を促進するL−アミノトランスフェラーゼもMP反応中で活性がある場合には、存在するMPの形態に応じてR,SおよびS,Sモナチンを形成することができる。さらに、特定の他の酵素、すなわちL−アミノ酸オキシダーゼは、トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸への反応を促進できるだけでなく、R,Rモナチンを分解する副活性も有し得る。一部の実施形態によれば、この4R副活性を最小限にするまたは排除する。モナチンの4S体に対するオキシダーゼの副活性は、それらを最終産物から低下または排除し、所望の最終組成物次第では望ましい場合がある。その結果、MPまたはモナチンと比較してトリプトファンに対するL−酵素の特異性および/または活性が高いほど、S,SおよびR,Sモナチンと比較してより大量のR,RおよびS,Rが生成される。
図1に例示した実施形態に従ったトリプトファン反応の適切な酵素には、インドール−3−ピルビン酸を形成するL−トリプトファンの反応を促進することができ、その反応に対して、モナチンの4S異性体を形成するR−MPの反応よりも高い特異性を有するL−アミノトランスフェラーゼ、インドール−3−ピルビン酸を形成するL−トリプトファンの反応を促進することができ、その反応に対して、MPを形成するモナチンの4R異性体の反応と比較してより高い特異性および/または活性を有するL−アミノ酸オキシダーゼ、ならびに前述の任意のものの機能的な等価物が含まれる。より具体的には、適切な酵素の非限定的な例は、L−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.27)およびチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.5)およびL−アミノ酸オキシダーゼ(EC1.4.3.2)、ならびにアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素に由来する突然変異体から選択することができる。
実施例16は、それぞれインドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、およびL−アラニンを形成する、L−トリプトファンとα−KG、オキサロ酢酸、ピルビン酸、またはその組合せとの反応の促進に有用な、特定の酵素、すなわち、Pro9からTyrへの置換およびArg122からGlyへの置換が含まれる突然変異体HEXaspCポリペプチドを同定する。「限定された」活性を有する別の特定の酵素は、TatA、すなわちエス・メリロチからのL−トリプトファンアミノトランスフェラーゼである。図1に示す経路の好ましい実施形態に従ったトリプトファン反応に適した他の酵素には、以下の特徴を有するもの、すなわち、実施例16に記載のように、L−トリプトファンの1/10の割合もしくはそれ未満でMPをトランスアミノ化する酵素、または実施例18に記載のように、ラセマーゼと共に使用した場合に、90%を超えるモナチンの4R異性体を生成する酵素が含まれる。
MPからモナチンへの変換と比較してL−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸への変換に対する特異性が低い酵素の例には、HEXAspC(実施例16)、リーシュマニア・メジャーの広い特異性のアミノトランスフェラーゼ(国際公開第03/091396A2号)、ブタアミノトランスフェラーゼ(国際公開第03/091396A2号)およびロドバクター・スファロイデスのTatA(実施例18)が含まれる。しかし、これらの酵素は、たとえば突然変異誘発によって、トリプトファンと比較してR−MPおよび/またはR,Rモナチンに対して限定された活性を有するように進化させ得る。
ここで図1に同定した第2の反応に注目して、インドール−3−ピルビン酸からMPへの反応を促進する酵素の選択は、生成されるR,Rモナチン対S,Rモナチンの相対量に影響を与える。一般に、生成されるR−MP対S−MPの相対量が多いほど、生成されるR,Rモナチン対S,Rモナチンの相対量が多くなる(D−酵素がMPからモナチンへの反応を促進する場合)。モナチンのR,R体をその唯一のモナチン構成要素として有するモナチン組成物が望ましい場合、S−MPよりもR−MPを選択的に生成する酵素(「Rに特異的な酵素」)を用いるべきである。本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、S−MPよりもR−MPを選択的に生成することにおいて有用である。Rに高度に特異的なアルドラーゼ酵素のいくつかの例は、上記表1、以下の実施例4、5および6、ならびに配列表に実証されている。
ここで髄に同定した経路の最終工程に注目して、R,Rモナチンを形成するR−MPの反応は、広い特異性のD−アミノトランスフェラーゼ、たとえばD−アラニンアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.21、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼもしくはD−アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られる)またはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼによって促進されることが示されている。上述のように、MPからモナチンへの変換は、モナチンのC−4炭素でキラル中心を作製するアミノ化反応である。R−キラル体がC−4位置で望ましい場合は、アミノ酸中で「R」キラル中心を生じる酵素を用いるべきである。
一部の実施形態によれば、D−アミノトランスフェラーゼは、インドール−3−ピルビン酸に対するよりもR−MPに対してより高い特異性、より活性、または両方を有する。一部の実施形態によれば、D−アミノトランスフェラーゼはインドール−3−ピルビン酸に対して限定された活性を有する。そのような特徴を有する酵素は、たとえば実施例16に示すように、既存の酵素から進化または突然変異させ得る。
実施例9〜12は、D−トリプトファンからのR,R−モナチンの生成を例示する。
図2は、R,RモナチンおよびS,Rモナチンを生成する方法を例示する。図1の実施形態では、R−MPを形成するインドール−3−ピルビン酸の反応で用いたアルドラーゼが形成されるR,R:S,Rの比に影響を与えるが、図2の実施形態では、MPからモナチンへの変換を促進するD−酵素が形成されるR,R:S,Rの比に影響を与える。図2の経路によれば、非立体特異的酵素を用いてインドール−3−ピルビン酸からMPへの変換を促進する場合は、S−MPおよびR−MPをどちらも形成することができる。非立体選択的アルドラーゼを利用してインドール−3−ピルビン酸をMPへと変換した場合には、MPをR,RモナチンまたはS,Rモナチンへと変換するために立体選択的トランスアミナーゼが必要である。図2に示すように、R−MPに対して立体特異的なD−アミノトランスフェラーゼまたはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼを用いることにより、R,Rモナチンの生成がもたらされる。
図3は、R,Rモナチンの標的化生成の別の代替経路を例示する。図3の経路は図1の経路の改変であり、インドール−3−ピルビン酸がL−トリプトファンから、直接ではなく間接的に生成される。より具体的には、L−トリプトファンをD−トリプトファンへと変換し、その後、D−トリプトファンをインドール−3−ピルビン酸へと変換する。
L−トリプトファンからD−トリプトファンへの変換は、トリプトファンラセマーゼまたはその機能的な等価物によって促進することができる。実施例15は、トリプトファンラセマーゼの潜在的な入手源およびそのような酵素を同定するスクリーニング方法を提供する。また、既存のアミノ酸ラセマーゼよりも改善された性能のために、トリプトファンラセマーゼを進化させ得る(突然変異誘発または組換え操作などによる)ことも企図される。
トリプトファンラセマーゼの非限定的な例には、アミノ酸ラセマーゼ(EC5.1.1.−)の同族体または突然変異体、たとえばセリンラセマーゼが含まれ、同族体または突然変異体は、L−トリプトファンをD−トリプトファンへと変換することができる。アミノ酸ラセマーゼが由来し得る入手源の非限定的な例には、サルモネラ・チフィムリウム、エシェリキア・コリ、バチルス・サチリス、シュードモナス・アエルギノーザ、ビブリオ・コレラ、シゾサッカロイセス・ポンベ、バチルス・セレウス、エンテロコッカス・ガリナルム、ペディオコッカス・ペントサウセス、バチルス・プミルス、ラクトバチルス・ファーメンチ、ラクトバチルス・ブレビス、アキフェックス・ピロフィラス、ラクトバチルス、ストレプトコッカス、アナバエナsp.、シュードモナス・ストリアタ、レンチナス・エドデス、スカファルカ・ブロウトニ、デスルフロコッカスsp.、サーモコッカスsp.、およびシュードモナス・ストリアタなどの微生物が含まれる。アミノ酸ラセマーゼが由来し得る入手源のさらなる非限定的な例には、カイコ、ラット脳、またはマウス脳が含まれる。
適切なトリプトファンラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、シュードモナス、たとえばシュードモナス・クロロラフィス(シュードモナス・アウレレオファシエンス)(ATCC15926)、およびブルクホルデリア・ピロシーナ(ATCC15958)などの微生物が含まれる。適切なトリプトファンラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源のさらなる非限定的な例には、植物、たとえば、ニコチアナ・タバカムなどのタバコ植物、トリチカム・アエスチバムなどのコムギ植物、ビート、トマト、およびスクレロチドン・イリシフォリウスが含まれる。
図3に示す経路は、R,Rモナチンが所望の生成物である場合でもインドール−3−ピルビン酸を生成する反応とモナチンを生成する反応とで同じ酵素を用い得ることを含めた、特定の利点を有する。すなわち、図1に例示した経路では、L−アミノトランスフェラーゼ(または適切なL−酵素)がインドール−3−ピルビン酸を生成する反応を促進するが、D−アミノトランスフェラーゼがモナチンを生成する反応を促進する。対照的に、図3の経路では、インドール−3−ピルビン酸を生成する反応を促進する特定のD−アミノトランスフェラーゼが、モナチンを生成する反応も促進することができる。その結果、図3に従った経路では、インドール−3−ピルビン酸を形成する反応とモナチンを形成する反応とで同じ酵素を用いる要求がある場合は、広い特異性のD−アミノトランスフェラーゼが好ましい場合がある。対照的に、図1、2、4、6、7、および8に従った経路では、R−MPと比較してインドール−3−ピルビン酸に対して限定された活性および/または特異性を有するD−アミノトランスフェラーゼを選択した場合は、モナチンの生成がより効率的に前進し得る。
図3に模式的に表した経路の別の利点は、ここでは、インドール−3−ピルビン酸を生成する反応に関連する反応のアミノ酸生成物を、モナチンを生成する反応に関連する反応において出発物質として使用できることである。すなわち、図1に例示した経路では、L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を生成し、同時にオキサロ酢酸、α−ケトグルタル酸および/またはピルビン酸が反応してL−アミノ酸を生成する。モナチンを形成するR−MPの反応がD−アミノ酸を基質として利用する反応に関連しているので、インドール−3−ピルビン酸を形成する反応のL−アミノ酸は、示した条件下では、R−MPの反応に関連する反応で使用するためにリサイクルされない。対照的に、図4に例示した経路では、インドール−3−ピルビン酸を形成するD−トリプトファンの反応はD−アミノ酸生成物を形成する反応に関連しており、R−MPの反応に関連する反応で使用するためにD−アミノ酸をリサイクルすることができる。これにより、工程1で非理論量のアミノアクセプターを使用することが可能となる。本発明の一部の実施形態では、D−アミノ酸はD−アラニンである。
図4および5は、図1に示した経路のさらなる改変を例示し、改変は、L−トリプトファン反応に関連する反応によって形成されたアミノ酸生成物を、MPからモナチンへの反応に関連する反応のアミノ酸反応物質でリサイクルすることに向けられている。
図4を参照して、リサイクルは、L−アミノ酸からD−アミノ酸への変換およびその逆を促進することができる酵素を提供することによって達成する。より具体的には、図4に示すように、L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を形成する際にα−KGが反応してL−グルタミン酸を形成する場合に、L−グルタミン酸からD−グルタミン酸への変換およびその逆促進することができる、グルタミン酸ラセマーゼ(EC5.1.1.3)または機能的な等価物を提供することができる。そのような場合、インドール−3−ピルビン酸の生成と一緒に形成されたL−グルタミン酸は、D−グルタミン酸へのその変換によって除去され、L−グルタミン酸の変換から形成されたD−グルタミン酸は、MPからモナチンの反応に関連する反応の基質として利用可能となる。同様に、D−グルタミン酸の反応で形成されたα−KGは、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の基質として利用可能である。
グルタミン酸ラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、ペディオコッカス・ペントサウセス、バチルス・プミルス、ラクトバチルス・ファーメンチ、ラクトバチルス・ブレビス、イー・コリ、アキフェックス・ピロフィラス、およびバチルス・サチリスが含まれる。より具体的には(かつ非限定的)、グルタミン酸ラセマーゼは、ペディオコッカス・ペンタオサシウスmurI遺伝子(Genbank受託番号L22789)などの核酸から発現させるか、またはラクトバチルス・ブレビス グルタミン酸ラセマーゼであり得る。
L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を形成する際にオキサロ酢酸が反応してL−アスパラギン酸を形成する場合、L−アスパラギン酸をD−アスパラギン酸へと変換するためにアスパラギン酸ラセマーゼ(EC5.1.1.13)または機能的な等価物を提供することができる。そのような場合、インドール−3−ピルビン酸の生成と一緒に生じるL−アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸へのその変換によって除去され、L−アスパラギン酸の変換から形成されたD−アスパラギン酸は、MPからモナチンの反応に関連する反応の基質として利用可能となる。同様に、D−アスパラギン酸の反応で形成されたオキサロ酢酸は、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の基質として作用するために利用可能である。
アスパラギン酸ラセマーゼ活性を有する適切な酵素の非限定的な例には、ASPR−101(BioCatalytics,Inc.、カリフォルニア州Pasadena)およびL−アスパラギン酸からD−アスパラギン酸への変換を促進することができるアミノ酸ラセマーゼ(EC5.1.1.−)の同族体または突然変異体が含まれる。
アスパラギン酸ラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、デスルフロコッカス、サーモコッカス、二枚貝軟体動物スカファルカ・ブロウトニ、アシネトバクター、アグロバクテリウム、アルカエグロブス、バチルス、ボルデテラ、ブラジリゾビウム、ブレビバクテリウム、ブルクホルデリア、カンピロバクター、ダンジダ、コーロバクター、クロストリジウム、デサルフィトバクテリウム、デスルホタレア、エンテロコッカス、エルウィニア、エシェリキア、フェロプラズマ、ヘリコバクター、クレブシエラ、ラクトバチルス、マンハイミア、メディカゴ、メソリゾビウム、メタノコッカス、メタノサルシーナ、オーシアノバチルス、オエノコッカス、ペディオコッカス、ポラリバクター、シュードモナス、ピロコッカス、ラルソニア、シゲラ、シノリゾビウム、サルモネラ、スフィンゴモナス、ストレプトコッカス、サーモアナエロバクター、ビブリオ、ウォリネラ、キサントモナス、キサントバクター、エルシニアおよびザイモモナスが含まれる。
L−トリプトファンが反応してインドール−3−ピルビン酸を形成する際にピルビン酸が反応してL−アラニンを形成する場合、L−アラニンをD−アラニンへと変換するためにアラニンラセマーゼまたは機能的な等価物を提供することができる。そのような場合、インドール−3−ピルビン酸の生成と一緒に形成されたL−アラニンは、D−アラニンへのその変換によって除去され、L−アラニンの変換から形成されたD−アラニンは、MPからモナチンの反応に関連する反応の基質として作用するために利用可能となる。同様に、D−アラニンの反応で形成されたピルビン酸は、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の基質として作用するために利用可能である。
適切なアラニンラセマーゼの非限定的な例には、A8936(Sigma−Aldrich、モンタナ州St.Louis)が含まれる。
アラニンラセマーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、ブルセラ・アボルタス、ストレプトコッカス・ファカエリス、サルモネラ・チフィムリウム、エシェリキア・コリ、バチルス・サチリス、バチルス・ステアロサーモフィラス、シュードモナス・アエルギノーザ、ビブリオ・コレラ、シゾサッカロイセス・ポンベ、バチルス・セレウスおよびレンチナス・エドデスが含まれる。
実施例18および21は、上記ラセマーゼの使用、所望のモナチン生成物の比の増加に対するその影響を例示し、ラセマーゼ酵素の潜在的な入手源を提供する。
図5を参照して、立体反転アミノトランスフェラーゼを用いてR−MPからモナチンへの反応を促進する。典型的にには、R,Rモナチン(またはS,Rモナチン)を形成するR−MP(またはS−MP)の反応は、D−アミノ酸の反応と関連しているが、立体反転アミノトランスフェラーゼは、R,Rモナチン(またはS,Rモナチン)を形成するR−MP(またはS−MP)の関連する反応を、L−アミノ酸を用いて促進することができる。このようにして、L−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ反応のL−アミノ酸生成物をMPからモナチンへのトランスアミノ化の基質として用いることができ、MPからモナチンの反応に関連する反応の生成物(すなわち、オキサロ酢酸、ピルビン酸、および/またはα−KG)を、L−トリプトファンからインドール−3−ピルビン酸の反応に関連する反応の出発物質として用いることができる。使用し得る立体反転アミノトランスフェラーゼの非限定的な例には、D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.72、D−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼとしても知られる)ならびにD−メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.41、D−メト−アミノトランスフェラーゼおよびD−メチオニン−ピルビン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られる)が含まれる。D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、シュードモナス・プチダLW−4およびシュードモナス・スツツゼリST−201などのシュードモナスが含まれる。D−メチオニンアミノトランスフェラーゼが由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、カリフラワーおよびピーナッツが含まれる。
実施例19および20は一緒になって、立体反転酵素の潜在的な入手源、およびそのような酵素を作製する方法を提供する。これらの実施例はまた、そのような酵素を同定するためのスクリーニング方法も提供する。そのような酵素は、知られているまたは自然に見つかる立体反転酵素から進化させ得ることも企図される。非限定的な例として、立体反転アミノトランスフェラーゼは、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼの同族体もしくは突然変異体またはアミノ酸ラセマーゼ(EC5.1.1.−)の同族体もしくは突然変異体であり得る。
図6〜8はまた、図1の経路の改変も例示する。図6〜8に例示した経路は、トリプトファン反応の副産物を除去し、一部の例ではMP反応の基質を提供することによって平衡反応を推し進める方法を提供する。
図6を参照して、示した経路は、トリプトファン反応に関連する反応のL−アミノ酸生成物を、異なるL−アミノ酸へと変換することによって除去し、その後、新しく形成されたL−アミノ酸をD−アミノ酸へと変換することによって、MPの反応に関連する反応の基質を提供する。具体的には、L−トリプトファンは、オキサロ酢酸と一緒に反応してインドール−3−ピルビン酸およびL−アスパラギン酸を形成することが示されている。アスパラギン酸4−脱炭酸酵素(EC4.1.1.12)または機能的な等価物を用いてL−アスパラギン酸からL−アラニンおよび二酸化炭素への変換を促進し、アラニンラセマーゼ活性を有する酵素を用いてL−アラニンからD−アラニンへの変換を促進し、D−アラニンは、R−MPからモナチンへの変換のアミノドナーとして役割を果たすことができる。
図7を参照して、示した経路は、トリプトファン反応に関連する反応のL−アミノ酸生成物を除去するさらなる方法を例示する。図に示した実施形態は、たとえば揮発性(二酸化炭素など)または非反応性の最終産物への自発的変換によって逆方向に反応することができない副産物(または複数の副産物)を生成する。そのような手法の例には、α−KGがL−トリプトファンと一緒に反応してL−グルタミン酸を生成し、L−グルタミン酸から4−アミノブタノエートへの変換(副産物として二酸化炭素)を促進することができるグルタミン酸脱炭酸酵素 (EC4.1.1.15)または機能的な等価物を提供できることが含まれる。L−グルタミン酸 脱炭酸酵素が由来し得る潜在的な入手源の非限定的な例には、クロストリジウム・ペルフリンゲンス、シー・ウェルチ、またはイー・コリが含まれる。
トリプトファン反応を前進させるそのような手法の別の例には、オキサロ酢酸がL−トリプトファンと一緒に反応し、L−アスパラギン酸からβ−アラニンへの変換(副産物として二酸化炭素)促進するためにアスパラギン酸脱炭酸酵素(EC4.1.1.11)または機能的な等価物を提供できることが含まれる。
図8を参照して、示す経路は、トリプトファン反応に関連する反応のL−アミノ酸生成物を除去し、MPの反応に関連する反応の基質を提供する、さらなる方法を例示する。具体的には、α−KGがL−トリプトファンと一緒に反応してL−グルタミン酸を形成する場合、L−アラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素およびピルビン酸を提供することができ、L−アラニンアミノトランスフェラーゼ酵素は、L−アラニンを形成するピルビン酸とL−グルタミン酸との反応を促進する。L−アラニンからD−アラニンへの変換を促進するために、アラニンラセマーゼまたは機能的な等価物も提供することができ、D−アラニンは、モナチンおよびピルビン酸を形成するためにMPと共に基質として使用することができる。実施例18および21を参照されたい。
モナチン誘導体のR,Rおよび他の立体異性体を生成するための生合成経路
記載した発明の方法には、本明細書中に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの使用を、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応を促進するために用い得ることが含まれる。
置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用な酵素には、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のうちの任意の、アルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列が含まれる。
一実施形態では、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304のうちの任意の、HMGアルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列は、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
別の実施形態では、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334のうちの任意の、KHGアルドラーゼ活性を有する1つもしくは複数のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくは部分配列は、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
あるいは、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の一実施形態では、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338を含めた本発明に従った核酸に対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%の)配列同一性を有する核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の一実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、HMGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている、KHGアルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、置換インドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との反応の促進に有用であり得る。
一実施形態では、置換インドール−3−ピルビン酸の置換基は、インドール環の任意の炭素原子に付着しているハロゲン原子である。別の実施形態では、置換基は、インドール環の任意の炭素に付着している塩素原子である。さらに別の実施形態では、モナチン誘導体は4−ヒドロキシ−4−(6−メチルインドール−3−イルメチル)グルタミン酸である。
アルドラーゼ活性を有し、本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、1つまたは複数の工程が化学合成反応である複数工程の経路で用い得る。たとえば、一部の実施形態では、アルドラーゼ活性を有する1つまたは複数のポリペプチドは、ピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸との反応を促進してモナチン前駆体を与えることができる。その後、モナチン前駆体を精製することができる。その後、モナチン前駆体の還元性アミノ化反応を利用してモナチンを得ることができる。
アルドラーゼ活性を有し、本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチド、ならびにモナチンおよびモナチン誘導体を生成するプロセスで用いる他の酵素は、純粋、粗、単離した、または硫酸アンモニウム懸濁液の形態で使用し得る。
アルドラーゼ活性を有し、本発明の一部の実施形態に従ったポリペプチドは、ジチオスレイトール(「DTT」)およびβ−メルカプトエタノールを含めた安定化剤を用いて最適化し得る。
本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチンまたはモナチン誘導体は、一般に、生成されたモナチンまたはモナチン誘導体の全体の重量の少なくとも約50〜約99%のR,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体である。他の実施形態では、本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチンまたはモナチン誘導体は、生成されたモナチン全体の重量の60%を超えるR,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体である。たとえば、R,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体は、生成されたモナチンまたはモナチン誘導体の全体の70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%である。あるいは、所望の割合のR,R−モナチンまたはR,R−モナチン誘導体である調製物をもたらすために、様々な量のモナチンまたはモナチン誘導体の2つ以上の調製物を合わせることができる。たとえば、60%のR,R−モナチンであるモナチン調製物を90%のR,R−モナチンのモナチン調製物と合わせることができ、等量の60%および90%のR,R−モナチン調製物を合わせた場合は、生じるモナチン調製物は75%のR,R−モナチンとなる。
本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチンもしくはモナチン誘導体、または中間体(モナチン前駆体を含む)は、反応の構成要素から精製し得る。一実施形態では、モナチン、モナチン誘導体またはモナチン前駆体などの中間体は、それが合成された酵素調製物から、精製する物質を単純に取り出すことによって精製し得る。
他の実施形態では、中間体、モナチン前駆体、モナチンまたはモナチン誘導体は、生じる「精製した」組成物または調製物が有機化合物全体の重量の少なくとも約5〜60%のモナチンであるように、それが合成された調製物から精製する。別の実施形態では、モナチン、モナチン誘導体またはモナチン前駆体などの中間体は、有機化合物全体の重量の少なくとも約70%、80%、90%、95%または99%の純度まで精製し得る。本明細書中に開示したポリペプチドの1つまたは複数を利用して生成したモナチン、モナチン誘導体または中間体(モナチン前駆体を含む)は、反応の構成要素から、当業者に知られている任意の方法によって精製し得る。最適には、精製したモナチンまたは中間体を所望の純度に達するまで繰り返し再結晶化し得る。
以下の実施例を例示のために提供するが、特許請求する発明を限定するものではない。
モナチン、モナチン前駆体、トリプトファン、アラニン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸の検出
本実施例は、モナチン、モナチン前駆体(「MP」)、トリプトファン、アスパラギン酸、アラニン、およびグルタミン酸の存在を検出するために使用される方法を記載する。本実施例は、さらに、モナチンの4種の立体異性体の分離および検出のための方法を記載する。
モナチンおよびトリプトファンのLC/MS/MS多重反応モニタリング(「MRM」)分析
in vitroまたはin vivo生化学反応から誘導されたモナチンおよびトリプトファンについての、混合物の分析は、クロマトグラフおよびMicromass社製Quattro Ultima三連四重極質量分析計の間に直列で設置されたWaters社製996フォトダイオードアレイ(PDA)吸光度モニターと共にWaters社製2795液体クロマトグラフを含むWaters/Micromass社製液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC/MS/MS)機器を使用して行った。LC分離は、40℃でXterra MS C逆相クロマトグラフィーカラム、2.1mm×250mmを使用して行った。LC移動相は、A)(i)0.05%(容量/容量)トリフルオロ酢酸または(ii)0.3%ギ酸および10mMギ酸アンモニウムのいずれかを含有する水ならびにB)(i)0.05%(容量/容量)トリフルオロ酢酸または(ii)0.3%ギ酸および10mMギ酸アンモニウムのいずれかを含有するメタノールからなるものとした。
LC移動相を、A)0.05%(容量/容量)トリフルオロ酢酸を含有する水およびB)0.05%(容量/容量)トリフルオロ酢酸を含有するメタノールからなるものとした場合、勾配溶出は、0〜4分間は5%Bから35%Bまでの直線的なものとし、4〜6.5分間は35%Bから60%Bまでの直線的なものとし、6.5〜7分間は60%Bから90%Bまでの直線的なものとし、7〜11分間は90%Bで均一溶媒とし、11〜12分間は90%Bから95%Bまでの直線的なものとし、12〜13分間は95%Bから5%Bまでの直線的なものとし、実行の間の再平衡化期間は2分間とした。流速は、0.25mL/分とし、PDA吸光度は、200nmから400nmまでモニターした。ESI−MSのパラメータはすべて、興味のある分析物のプロトン化分子イオン([M+H]+)の発生および特徴的なフラグメントイオンの生成に基づいて最適化し、かつ選択した。以下の機器パラメータは、モナチンおよびトリプトファンのLC/MS/MS多重反応モニタリング(MRM)分析のために使用した:キャピラリー:3.5kV;コーン:40V;Hex1:20V;開口部:0V;Hex2:0V;ソース温度:100℃;脱溶媒温度:350℃;脱溶媒ガス:500L/時;コーンガス:50L/時;低質量分解能(Q1):12.0;高質量分解能(Q1):12.0;イオンエネルギー:0.2;入口:−5V;衝突エネルギー:8;出口:1V;低質量分解能(Q2):15;高質量分解能(Q2):15;イオンエネルギー(Q2):3.5;増倍管:650。モナチンに特異的な5つの、親から娘へのMRMトランジションは、in vitroおよびin vivo反応におけるモナチンを特に検出するために使用する。モニターするトランジションは、293.1から158.3、293.1から168.2、293.1から211.2、293.1から230.2、および293.1から257.2とする。トリプトファンは、MRMトランジション204.7から146.4でモニターする。モナチンおよびトリプトファンの内部標準物質による定量化のために、d5−トリプトファンおよびd5−モナチンに対する4つの異なる比の各分析物を含有する4つの検量標準物質を分析した。これらのデータは、モナチンおよびトリプトファンについての検量線を作成するために線形最小二乗法にかける。各試料に、定量のd5−トリプトファンおよびd5−モナチンを追加し(d5−モナチンは、国際公開第03/091396A2号からの方法に従ってd5−トリプトファンから合成した)、混合物中の各分析物の量を算出するために、上記に記載される検量線と共に、応答比(モナチン/d5−モナチン;トリプトファン/d5−トリプトファン)を使用する。
LC移動相を、A)0.3%ギ酸および10mMギ酸アンモニウムを含有する水ならびにB)0.3%ギ酸および10mMギ酸アンモニウムを含有するメタノールとした場合、勾配溶出は、0〜8.5分間は5%Bから45%Bまでの直線的なものとし、8.5〜9分間は45%Bから90%Bまでの直線的なものとし、9〜12.5分間は90%Bから90%Bまでの均一溶媒とし、12.5〜13分間は95%Bから5%Bまでの直線的なものとし、実行の間の再平衡化期間を4分間とした。流速は、0.27mL/分とし、PDA吸光度は、210nmから400nmまでモニターした。ESI−MSのパラメータはすべて、興味のある分析物のプロトン化分子イオン([M+H]+)の発生および特徴的なフラグメントイオンの生成に基づいて最適化し、かつ選択した。この第2の移動相に使用した機器パラメータは上記と同じとする。モナチンに特異的な4つの、親から娘へのMRMトランジションおよびトリプトファンに特異的な1つの、親から娘へのトランジションは、in vitroおよびin vivo反応におけるモナチンおよびトリプトファンを特に検出するために使用する。モニターするトランジションは、293.1から158.0、293.1から168.0、293.1から211.5、および293.1から257.0とする。トリプトファンは、MRMトランジション205.2から146.1でモニターする。モナチンおよびトリプトファンの内部標準物質による定量化のために、d5−トリプトファンおよびd5−モナチンに対する4つの異なる比の各分析物を含有する4つの検量標準物質を分析した。これらのデータは、モナチンおよびトリプトファンについての検量線を作成するために線形最小二乗法にかける。各試料に、定量のd5−トリプトファンおよびd5−モナチンを追加し(d5−モナチンは、国際公開第03/091396A2号からの方法に従ってd5−トリプトファンから合成した)、混合物中の各分析物の量を算出するために、上記に記載される検量線と共に、応答比(モナチン/d5−モナチン;トリプトファン/d5−トリプトファン)を使用する。d5−トリプトファンおよびd5−モナチンについてモニターする親から娘への質量トランジションは、それぞれ210.2から151.1および298.1から172.0とする。
モナチンの正確な質量測定
高分解能MS分析は、Applied Biosystems−Perkin Elmer社製 Q−Starハイブリッド四重極/飛行時間型質量分析計を使用して行った。プロトン化モナチンの測定質量には、トリプトファンを内部質量検量標準物質として使用した。元素組成C14H17N2O5に基づいた、プロトン化モナチンの算出質量は、293.1137である。実施例2および3に記載される生体触媒プロセスを使用して生成されるモナチンは、293.1144の測定質量を示した。これは、100万分の2(「ppm」)未満の質量測定誤差であり、酵素で生成されたモナチンの元素組成の決定的証拠を提供する。
モナチンのキラルLC/MS/MS(「MRM」)測定
in vitroおよびin vivo反応におけるモナチンの立体異性体分布の決定は、1−フルオロ−2−4−ジニトロフェニル−5−L−アラニンアミド(「FDAA」)を用いた誘導体化によって達成し、その後、逆相LC/MS/MS MRM測定を続けた。
FDAAを用いたモナチンの誘導体化
50μLの試料または標準物質および10μLの内部標準物質に、アセトン中のFDAAの1%溶液を100μLまたは200μL追加した。それぞれ20μLまたは40μLの1.0M炭酸水素ナトリウムを追加し、混合物は、時々混合しながら40℃で1時間インキュベートした。試料は、取り出して、冷却し、20μLの2.0M HClを用いて中和した(緩衝生物学的混合物の中和をもたらすために、より多くのHClを必要としてもよい)。脱気完了後、試料は、LC/MS/MSによる分析の準備が整った。
in vitroおよびin vivo反応における、モナチンの立体異性体分布の決定のためのLC/MS/MS多重反応モニタリング
分析は、上記に記載されるLC/MS/MS計測装置を使用して行った。モナチン(特にFDAA−モナチン)の4種の立体異性体すべてを分離することができるLC分離は、40℃で、Phenomenex社製Luna 2.0×250mm(3μm)C18(2)逆相クロマトグラフィーカラムで行った。LC移動相は、A)0.05%(質量/容量)酢酸アンモニウムを含有する水およびB)アセトニトリルからなるものとした。溶出は、0〜2分間は13%Bで均一溶媒とし、2〜15分間は13%Bから30%Bまでの直線的なものとし、15〜16分間は30%Bから80%Bまでの直線的なものとし、16〜21分間は80%Bで均一溶媒とし、21〜22分間は80%Bから13%Bまでの直線的なものとし、実行の間の再平衡化期間は8分間とした。流速は、0.23mL/分とし、PDA吸光度は、200nmから400nmまでモニターした。ESI−MSのパラメータはすべて、FDAA−モナチンの脱プロトン化分子イオン([M−H]−)の発生および特徴的なフラグメントイオンの生成に基づいて最適化し、かつ選択した。
以下の機器パラメータは、陰イオンESI/MSモードにおける、モナチンのLC/MS分析のために使用した:キャピラリー:2.0kV;コーン:25V;Hex1:10V;開口部:0V;Hex2:0V;ソース温度:100℃;脱溶媒温度:350℃;脱溶媒ガス:500L/時;コーンガス:50L/時;低質量分解能(Q1):12.0;高質量分解能(Q1):12.0;イオンエネルギー:0.2;入口:−5V;衝突エネルギー:20;出口:1V;低質量分解能(Q2):12;高質量分解能(Q2):12;イオンエネルギー(Q2):3.0;増倍管:650。FDAA−モナチンに特異的な3つの、親から娘へのトランジションは、in vitroおよびin vivo反応におけるFDAA−モナチンを特に検出するために使用する。モナチンについてモニターするトランジションは、543.2から268.1、543.2から499.3、および543.2から525.3とする。モニターしたモナチン内部標準物質誘導体質量トランジションは548.2から530.3とした。FDAA−モナチン立体異性体の同定は、精製合成モナチン立体異性体と比較したクロマトグラフィーの保持時間および質量スペクトルデータに基づく。内部標準物質は、反応の進行をモニターし、S,S立体異性体の保持時間を確認するために使用する。
グルタミン酸およびアラニンを含むアミノ酸の液体クロマトグラフィーポストカラム蛍光検出
in vitroおよびin vivo反応におけるグルタミン酸およびアラニンの決定のためのポストカラム蛍光検出(LC/OPA)を有する液体クロマトグラフィーは、Waters社製474走査蛍光検出器およびWaters社製ポストカラム反応モジュールと組み合わせたWaters社製2690LCシステムまたはその等価物で行った。モナチンおよびトリプトファンの半定量分析もまたこの方法を使用して行った。LC分離は、60℃で、相互作用ナトリウム装填イオン交換カラムで行った。移動相Aは、Pickering社製Na 328緩衝液(Pickering Laboratories社;マウンテンビュー、CA)とした。移動相Bは、Pickering社製Na 740緩衝液とした。勾配溶出は、試料マトリックスに依存して、0〜20分間は0%Bから100%Bまでとし、20〜36分間は100%Bで均一溶媒とし、36〜37分間は100%Bから0%Bまでの直線的なものとし、実行の間の再平衡化期間は少なくとも5分間とした。移動相の流速は、0.5mL/分とした。OPAポストカラム誘導体化溶液の流速は、0.5mL/分とした。蛍光検出器設定は、EX338〜340nmおよびEm420〜425nmとした。ノルロイシンを分析のための内部標準物質として用いた。アミノ酸の同定は、精製標準物質についてのクロマトグラフィーの保持時間データに基づくものとした。
LC/MS/MSによるL−アミノ酸およびD−アミノ酸の検出
生化学反応実験からのリシン、アラニン、メチオニン、チロシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸等のL−アミノ酸およびD−アミノ酸の混合物を含有する試料は、タンパク質を変性させるためにギ酸を用いて最初に処理した。次いで、試料は、LC/MS/MS分析前に遠心分離し、0.45μmナイロンシリンジフィルターで濾過した。L−アミノ酸およびD−アミノ酸の同定は保持時間および質量選択的検出に基づくものとした。LC分離は、Waters社製2690液体クロマトグラフィーシステムおよびASTEC社製2.1mm×250mm Chirobiotic TAGクロマトグラフィーカラムをカラム温度を45℃に設定して使用することによって達成した。LC移動相AおよびBは、それぞれ、0.25%酢酸およびメタノール中0.25%酢酸とした。均一溶媒溶出は、L異性体およびD異性体を分離するためのすべての方法に使用した。リシンは、80%移動相Aおよび20%Bを使用して溶出した。グルタミン酸、アラニン、およびメチオニンは、60%移動相Aおよび40%Bでの溶出ならびに0.25mL/分の流速で分離した。アスパラギン酸、トリプトファン、チロシン、ロイシン、およびフェニルアラニンは、すべてについて、30%移動相Aおよび70%Bならびに0.3mL/分の流速で異性体を分離したが、フェニルアラニンは、0.25mL/分の流速で実行した。
L−アミノ酸およびD−アミノ酸の分析のための検出システムは、Waters社製996フォトダイオードアレイ(PDA)検知器およびMicromass社製Quattro Ultima三連四重極質量分析計を含んだ。195から350nmまでを走査するPDAは、クロマトグラフィーシステムおよび質量分析計の間に直列で設置した。正エレクトロスプレーイオン化モード(+ESI)で作動するMicromass社製Quattro Ultima三連四重極質量分析計のパラメータは、以下のように設定した:キャピラリー:3.0kV;コーン:20V;Hex1:15V;開口部:1V;Hex2:0V;ソース温度:100℃;脱溶媒温度:350℃;脱溶媒ガス:530L/時;コーンガス:30L/時;低質量Q1分解能:12.5;高質量Q1分解能:12.5;イオンエネルギー1:0.2;入口:−5;衝突:8;出口1:10;低質量Q2分解能:12.5;高質量Q2分解能:12.5;イオンエネルギー2:0.5;増倍管:650V。多重反応モニタリング(MRM)モードを用いたMS/MS実験は、グルタミン酸については147.8から84.2および147.8から102.1、アスパラギン酸については134.00から74.30および134.00から88.2、リシンについては147.3から85.0、メチオニンについては150.3から104.8、チロシンについては182.3から137.0、ロイシンについては132.3から87.0、およびフェニルアラニンについては166.3から121.0の反応トランジションを選択的にモニターするために設定した。2つのトランジションが記録された場合、後のトランジションを定量化に使用した。トリプトファンについては、多重反応モニタリング(MRM)モードを用いたMS/MS実験は、205.2から118.2、205.2から146.1、および205.2から188.2の反応トランジションならびにd8−DLトリプトファンについては、212.1から151.1のトランジションを選択的にモニターするために設定した。トリプトファン定量化は、内部標準物質d8−D,Lトリプトファンの分析物応答に対する、トランジション205.2から146.1の分析物応答の比を決定することにより達成した。あるいは、トリプトファン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸の定量化は、m/z=146.5、m/z=102.1、およびm/z=88.2のシグナル応答にそれぞれ基づくものとした。
標準物質およびアッセイのためのモナチンおよびモナチン前駆体(「MP」)の生成
モナチンの生成
R,RモナチンおよびS,Sモナチンのラセミ混合物は、米国特許第5128482号に記載されるように合成して生成した。
R,RモナチンおよびS,Sモナチンは誘導体化および加水分解の工程によって分離した。簡潔に言えば、モナチンラセミ混合物をエステル化し、遊離アミノ基はCbzを用いてブロックして、ラクトンを形成し、S,Sラクトンは、固定化プロテアーゼ酵素を使用して選択的に加水分解した。モナチンはまた、Bassoli,A.ら,Eur.J.Org.Chem.,8:1652−1658,(2005)に記載されるよう分離することもできる。
MP生成
R−MPは、アミノ受容体としてピルビン酸ナトリウムを使用して、0.1Mリン酸カリウム緩衝液中のAT−103広範囲D−アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics社、パサデナ、CA)を使用し、R,Rモナチンのアミノ基転移によって生成した。S−MPは、アミノ受容体としてピルビン酸ナトリウムを使用して、0.1Mリン酸カリウム緩衝液中のAT−102L−アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics社、パサデナ、CA)を使用し、S,Sモナチンのアミノ基転移によって生成した。両反応は、約20時間、約8.0〜8.3のpHで30℃で行った。両化合物は、Rohm and Haas社製(フィラデルフィア、PA)疎水性樹脂(XADTM1600)を用いた調整用スケールのHPLCを使用して、精製し、水中に溶出させた。90%を超える純度のモナチン前駆体を含有する試料を収集し、凍結乾燥した。
モナチン前駆体の検出
この実施例は、モナチン前駆体の2種のエナンチオマーの分離および検出のために使用される方法を記載する。
モナチン前駆体の検出のための非キラル法
96ウェルプレートからの反応試料は、CTCPalオートサンプラー(LEAP Technologies社、カーボロ、N.C.)を使用して、Agilent社製Zorbax RX−C18、3.5um、3.0×150mmカラムに注入した。生成物は、H2O/ACN(0.1%ギ酸)勾配を使用して分離した:
時間:0.00分間 5%B
時間:4.00分間 100%B
時間:5.00分間 100%B
時間;5.10分間 5%B
時間:6.50分間 5%B
勾配は、0.8mL/分で、LC−10ADvpポンプ(Shimadzu社、京都、日本)によって実現した。生成物は、API4000 TurboIon−Spray三連四重質量分析計(Applied Biosystems社、フォスターシティー、CA)を使用して検出した。イオンスプレー多重イオンモニタリングは、興味のある分析物について陰イオンモードで行い、各分析は6.5分間続けた。
ピルビン酸=87.1[M−H+]−
インドール−3−ピルビン酸=202.1[M−H+]−
生成物=290.0[M−H+]−
R&Sモナチン前駆体のキラルCE分析
P/ACE(商標)MDQキャピラリー電気泳動機器(Beckman Coulter社、フラートン、CA)を使用した。Chiral Developmentキットを使用した、またこのChiral Developmentキットは、少量の数種のキラルセレクター、必須の緩衝液、および2本のキャピラリー(Beckman Coulter社、フラートン、CA)を含む。あるいは、MPアッセイのみについては、以下の試薬および他の備品を、Beckman Coulter社(フラートン、CA)または他のところから別々に入手することができる:
被覆キャピラリーN−CHO;50um ID、全長65cmまたは石英ガラスキャピラリー
25mMリン酸緩衝液、pH5
25mgヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン
キャピラリーコンディショニング溶液、10mL(あるいは、0.5%ポリエチレンオキシド溶液、M600,000ダルトンまたは300,000ダルトンを使用することができる)
キャピラリー電気泳動(「CE」)分析
中性被覆キャピラリー、内径50um、60cm(検出に50cm)または30(20)cmを、214nmでのDAD検出(または単純なUV)で使用した。分離キャピラリーは15℃に、試料は4℃に温度調節した。分離緩衝液は、20mMヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、25mMリン酸、pH5とした。試料注入は、通常0.5psi、5秒とした。分離は、500V/cm、逆極性(30cmキャピラリーについては15kV、60cmについては30kV)とした。分離の間に使用した標準的な電流は−28μAとした。MPピークについての標準的な移動時間は、約3.5分(有効長20cm)または8分(50cm)であった。
試料実行前の任意のキャピラリークリーニング/洗浄/コンディショニング工程には、HOを4分間、0.1M HClを1分間、HOを1.5分間、キャピラリーコンディショニング溶液を4分間、HOを1分間、分離緩衝液を4分間使用した。
実行方法の概要は次のとおりとした:分離緩衝液リンス1〜2分間、0.5psiで5秒試料注入、キャピラリー長に依存した逆電圧極性15kVまたは30kVで5〜10分間分離。
ピルビン酸アルドラーゼについての一般的なアッセイ
異なるピルビン酸アルドラーゼの活性を測定するための例示的な方法には一般的な基質である4−カルボキシ−4−ヒドロキシ−2−オキソアジピン酸(CHA)を使用する。CHAアッセイは文献のアッセイから応用した(たとえばE.E.Dekker&R.P.Kitson,J.Biol.Chem.267,10507−10514,1992
を参照されたい)。標準的なアッセイは、50mMリン酸ナトリウムpH7.5、1mM MgCl、1mM CHA、ラクトバチルス・ライヒマニからの10μg/ml D−乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)(Sigma−Aldrich社、セントルイス、MO)、0.5mM NADHを含んだ。アッセイは、酵素を追加することにより開始した(通常1〜5μLの間)。ピルビン酸の遊離、NADの形成に対する共役を、分光光度計において340nmで連続的にモニターした。
CHAは、Tack,B.F.Chapman,P.J.およびS.Dagley.J.Biol.Chem.247 6438−6443(1972)に記載される手順に従って合成した。
HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素等のピルビン酸アルドラーゼ等の酵素活性の単位は、340nmでの吸光度を毎分1ODずつ低下させるのに十分なピルビン酸を遊離する量として定義される。
Diversa社製環境ライブラリーからの新規なケト−ヒドロキシ−グルタル酸(KHG)アルドラーゼおよびヒドロキシ−メチル−ケト−グルタル酸(HMG)アルドラーゼの発見
150種を超える唯一のHMGアルドラーゼおよび15種を超える唯一のKHGアルドラーゼは、Diversa社製DNAライブラリーをスクリーニングすることにより発見した。これらのアルドラーゼ遺伝子は、配列決定し、かつ適した発現ベクターにサブクローニングした。次いで、このベクターは、酵素キャラクタリゼーションに十分な量のアルドラーゼの生成に適した発現宿主に形質転換した。アルドラーゼの選択したセットは、CHAに対する活性について、さらにモナチン前駆体(MP)の形成について試験した。本特許で発見され、かつ記載されるすべての酵素は、下記の一般的な反応スキームに例示されるようなアルファ−ケト酸受容体およびピルビン酸供与体またはピルビン酸誘導体ピルビン酸の間の反応を形成する他の炭素−炭素結合での使用のための可能性を有する。
Figure 0005441417
R=H、アルキル、置換アルキル、アリル、置換アリル、ベンジル、置換ベンジル
=H、アルキル、置換アルキル、アリル、置換アリル、ベンジル、置換ベンジル
=H、アルキル、置換アルキル、アリル、置換アリル、ベンジル、置換ベンジル、カルボン酸。
選択したアルドラーゼのキャラクタリゼーション
選択したアルドラーゼは、以下のスキームで示されるように、インドール−3−ピルビン酸およびピルビン酸のモナチン前駆体(MP)への変換を触媒するそれらの能力に関して特徴づけた。
Figure 0005441417
図13および14は、LC/MS/MSによって測定されるように、MPの形成における58種の異なるアルドラーゼの活性を示す。
アルドール反応は、20mMインドール−3−ピルビン酸(「I3P」)、50mMピルビン酸、100mMリン酸ナトリウムpH7、1mM MgCl、100μg/mLアルドラーゼを用いて行った。反応は、暗所で室温でインキュベートした。一定分量(30μL)を種々の時間に取り出し、また反応は、氷上に試料を保存することにより停止した。各一定分量の一部はCE分析にかけ、残りの部分は、50%アセトニトリル中で1:1000に希釈し、LC/MS分析にかけた。
Figure 0005441417
Figure 0005441417
98+%の、R−MPに対する選択性は、S−MPが検出されなかったことを示すことに注目されたい。CEアッセイの感度を考えれば、結果は、形成されたMPの少なくとも98%がR−エナンチオマーであることを示す。したがって、98+%と記録した酵素は、R−MPに対して少なくとも98%選択的であり、100%まで選択的である可能性がある。
表2はまた、一般的なアルドラーゼ基質であるCHAに対する酵素の活性およびSDS−PAGEによって決定される各酵素の相対的な発現も示す。数種の酵素はCHAに対して検出可能な活性を示さなかったが、MPを作製するのに活性を呈したことに注目されたい。
要約すれば、アルドラーゼは、広範囲な活性、発現、および選択性を示す。さらに、R−MPに対して非常に高い選択性(98%以上)を示す多数のアルドラーゼがある。
植物ピルビン酸アルドラーゼの発見
縮重PCRプライマー(下記参照)を設計し、スクレロキトン・イリキフォリウス(Sclerochiton ilicifolius)から調製したcDNAからアルドラーゼ遺伝子を抽出するために使用した。遺伝子の5’端および3’端を回復させ、次いで、完全長遺伝子をPCR増幅した。
Figure 0005441417
バチルス・スファエリクスD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼのクローニング
B.スファエリクスD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.21、D−アラニンアミノトランスフェラーゼまたはD−アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られている)は、種々のアルドラーゼとの共役アッセイでの使用のために組換えで生成した。この酵素は、モナチンの生成について先に記載されるD−アミノトランスフェラーゼ(米国特許出願公開第20040063175号および米国特許出願公開第20050282260号)に相同である。

B.スファエリクス(ATCC番号10208)は、一晩30℃で栄養寒天上で成長させた。コロニーのグループを100μLの滅菌水中に置き、細胞を破壊するために95℃での5分間加熱した。3μLを、続くポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅において使用した。
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコール
プライマーは、NcoI部位およびBamHI部位を使用して、pET28bベクターおよびpET30aベクター(Novagen社、マディソン、WI)にクローニングするために設計した。pET30構築物はN末端HisタグおよびSタグを含有するが、pET28構築物はタグ付きではない。
バチルス・スファエリクスdatプライマー:
N末端:5'-GATATACCATGGCATACTCATTATGGAATG-3'(配列番号383)およびC末端:5'-GTTATCGGATCCTTAGGCATTAATTGAAATTG-3'(配列番号384)。
コード領域は、以下のPCRプロトコールを使用して増幅した。50μLの反応において、3μL鋳型、1.6μMの各プライマー、0.25mMの各dNTP、3.5U Expand High Fidelity Polymerase(Roche社、インディアナポリス、IN)、およびMg入りの1×Expand(商標)緩衝液を使用した。使用したサーモサイクラープログラムは3分間94℃でのホットスタートを含み、その後、以下の工程を8回繰り返した:30秒間94℃、30秒間52℃、および2分間72℃。続いて22サイクルを58℃のアニール温度で行った。30サイクルの後、試料は、7分間72℃で維持し、次いで、4℃で保存した。正確なサイズのきれいなPCR産物を得た(dat遺伝子は約850bp)。
クローニング
PCR産物は、Qiagen社製QIAquick PCR精製キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して精製し、BamHI緩衝液(New England Biolabs社、イプスウィッチ、MA)中でBamHIおよびNcoIで消化した。
消化したベクターおよび挿入断片は、Qiagen社製QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して精製した。ライゲーションは、Roche社製Rapid DNA Ligation Kit(Roche社、インディアナポリス、IN)を使用して行い、QIAquick PCR精製キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して精製した。ライゲーションしたものは、Bio−Rad社エレクトロポレーションマニュアル(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)に記載されるように、0.2cmキュベットおよびBio−Rad社製Gene Pulser IIシステムを使用してエシェリキア・コリDH10Bに形質転換した。細胞は、225rpm、37℃で30分間、900μL SOC培地中で回復させた。細胞は、カナマイシン(25μg/mL)を含有するLB寒天平板上で平板培養した。
プラスミドDNAは、Qiagen社製スピンミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して精製し、BamHIおよびNcoIを用いた制限消化によって正確な挿入断片についてスクリーニングした。正確な挿入断片を有するように思われたプラスミドの配列は、Agencourt BioScience社(ビバリー、MA)でジデオキシ連鎖停止DNA配列決定によって検証した。配列決定により、NCBI受託番号AAC33964(gi:3513755)に挙げられるアミノ酸配列を有するタンパク質を生成する、受託番号AF081278領域:134..985(gi:3513754)に見られるコード配列を検証した。
遺伝子発現およびアッセイ
プラスミドDNAは、イー・コリ発現宿主BL21(DE3)(Novagen社、マディソン、WI)中にサブクローニングした。培養物を成長させ、プラスミドは、Qiagen社製ミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して単離し、同一性を確認するために制限消化によって分析した。誘発は、通常、カナマイシン(50μg/mL)を含有するLB培地中で行った。細胞は、0.1mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘発して、0.4〜0.8OD600まで成長させ、誘発の4時間後にサンプリングした。細胞抽出物は、Novagen社製BugBuster(商標)試薬(Novagen社、マディソン、Wi)付属のプロトコールに従って調製した。(ベンゾナーゼヌクレアーゼおよびRoche社製完全プロテアーゼインヒビターカクテル(Roche社、インディアナポリス、IN)を追加)。SDS−PAGEで判断されるように、非常に高いレベルの可溶性タンパク質が予測した分子量で得られた。いくつかの反応については、pET30遺伝子産物は、メーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI)に従ってHis−Bindカートリッジを使用して精製した。溶出液画分は、PD−10(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)カラム上で脱塩し、25〜100mMリン酸カリウム緩衝液、pH7.5中に溶出させた。
細胞抽出物は、以下のプロトコールを使用する、ピルビン酸およびD−トリプトファンからの、次に続くアラニンの生成によるD−アミノトランスフェラーゼ活性について分析した。1mL反応は、通常、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)、50μMピリドキサールリン酸、25mMピルビン酸ナトリウム、および50mM D−トリプトファン中で行った。反応は、無細胞抽出物または精製酵素の追加によって開始し、軽く振盪させながら30℃で15分間から一晩、インキュベートした。反応を停止するために、ギ酸を2パーセントの最終濃度まで追加し、沈殿したタンパク質は、遠心分離によって除去した。タンパク質を追加しないコントロール反応もまた行った。0の時点もまたネガティブコントロールとして使用した。アラニンは、実施例1に記載されるように、OPA誘導体化を使用して検出した。
配列番号8、配列番号4、配列番号12、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドならびにC.テストステローニProAについての全モナチン生成量ならびに異性体分布の比較
AT−103トランスアミナーゼ(広域特異性D−アミノトランスフェラーゼ)をBioCatalytics社(パサデナ、CA)から購入し、この酵素または実施例7で生成した組換え酵素のいずれかを、HMGアルドラーゼとの共役反応に使用して、米国特許出願公開第20050282260号に記載されるように、D−トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを生成した。C.テストステローニからのProAアルドラーゼは、比較の目的のためにベンチマークアルドラーゼとして使用し、米国特許出願公開第20040063175号および国際公開第03091396A2号に記載されるように調製した。試験したアルドラーゼは、実施例4で上記に記載されるように単離し、かつ形質転換した。
試験量の各アルドラーゼを生成するために、50mL培養物は、アンピシリン(100μg/mL)を含有するLB培地中で約0.5のOD600まで成長させた。配列番号7、配列番号3、および配列番号11の構築物を含有する株は、100μMのIPTGを用いて誘発した。配列番号27の構築物を含有する株は、200μg/Lアンヒドロテトラサイクリンを用いて誘発した。細胞は、誘発後5時間成長させ、細胞抽出物は、メーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI、Bugbuster試薬)に従って調製した。ベンゾヌクレアーゼ(benzonuclease)およびプロテアーゼインヒビターもまた追加した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質は、Bio−Rad Laboratories社製Experion Automated Electrophoresis Station(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を使用して濃度および発現パーセントについて分析した。
以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:約50μgアルドラーゼ(他に断らない限り細胞抽出物において供給)、4mM MgCl、50mM D−トリプトファン、0.5mg精製B.スファエリクスD−アミノトランスフェラーゼ、200mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。実験は、アルドラーゼを追加しないネガティブコントロールと共に二通り実行した。試料は、緩やかに振盪させながら、30℃で、1時間、2時間、および一晩(17〜20時間)インキュベートした。マグネシウムおよびリン酸によって触媒された非酵素反応により、少量のモナチン(<0.5ppm)が一晩の反応でアルドラーゼなしで生成された。それらの値は下記に示す数から差し引いた、また平均した結果を示す。これらの方法を使用して、モナチンを生成した場合に検出された唯一の立体異性体はR,RおよびS,Rである。R,Rパーセントを下記に挙げ、またR,Rパーセントは逆相LCピーク面積によって決定した。
Figure 0005441417
配列番号28 18時間試料は、さらに、実施例1に挙げられるFDAA誘導体化法によって立体異性体の分布について分析し、結果として94.9%R,Rモナチンおよび5.1%S,Rモナチンを産生した。
開始基質としてL−トリプトファンを使用し、かつ米国特許出願公開第20050282260号記載されるように生成して、精製した広域特異性L−アミノトランスフェラーゼであるHexAspCとアルドラーゼを共役させて同実験を並行して行った。これらの反応は、S,SモナチンおよびR,Sモナチンを主に産生するはずである。反応に、L−トリプトファンアミノ基転移のためのアミノ受容体として10mMアルファ−ケトグルタル酸をさらに補足した。さらに、全モナチンについて、二通りの結果を下記に平均し(アルドラーゼが存在しないバックグラウンドレベルを差し引く)、S,Sモナチンパーセントを逆相LCピーク面積に基づいて示す。いくつかの場合では、アルドラーゼはかなりR−特異的であり、また生成される全モナチンはわずかであるので、立体異性体の分布の逆相による評価は、S,S/R,Rモナチンピークと共溶出し得るトリプトファンピークのいくらかのテーリングのためにそれほど正確ではなくなってしまう。この傾向は、それでもなお、アルドラーゼのR−特異性の比較において有益である。FDAA誘導体化法を使用するさらなる分析からの結果を数種の試料について括弧中に示すが、これらの結果はより正確である。約400ppmを超える全モナチン数は、結果を定量するために使用する標準物質の目盛りの直線範囲よりも高く、よって定性的な結果となる。米国特許出願公開第20050282260号に示されるように、C.テストステローニProAアルドラーゼは、通常、95〜100%のS,Sモナチンを生成する。
Figure 0005441417
配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドのR−特異性は、ベンチマークProA酵素と比較してかなり高いことを理解することができ、これはまた、これらの反応におけるS−MPに対するHexAspCアミノトランスフェラーゼの高度な特異性にもかかわらず、生成された低いS,Sモナチン%に反映されている。全モナチン数は、R,Rモナチン生成量に対してS,Sモナチン生成量を比較する場合、アルドラーゼ活性を示すものではない。D−アミノトランスフェラーゼは、詳細にはこれらの反応におけるMPの濃度では、HexAspCほど活性ではない。
配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドのC.テストステローニからのProA酵素とのさらなる比較のために、アルドラーゼに対する様々な比のD−アミノトランスフェラーゼを、D−トリプトファンから開始させる反応で利用した(これらの実験について二通りの試料はない)。反応は上記のように行った。アルドラーゼ濃度を一定に保った反応については、約50μgを使用した。D−アミノトランスフェラーゼを一定に保った反応については、0.5mgを使用した。2mg/mLおよび10mg/mLの濃度のD−アミノトランスフェラーゼについては、凍結乾燥した酵素を使用した。2つの最も高いD−アミノトランスフェラーゼ濃度については、二通り実行した。
Figure 0005441417
400ppmを超えるモナチンレベルについては、結果は標準曲線の直線範囲にはなく、近似値にすぎない。生成されたR,Rモナチンの最大量は、適切に希釈した場合、1100ppmであった。10mg/mL D−アミノトランスフェラーゼ試料を用い、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについて、FDAA立体異性体の分析を行った。2時間で、試料は、98.5%R,Rモナチンを含有した。17時間で、試料は、95.9%R,Rモナチンを含有した。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、長期のインキュベーション時間の後で、かつ大量のアミノトランスフェラーゼを使用したにもかかわらず高百分率のR,Rモナチンを生成した。十分なD−アミノトランスフェラーゼが供給された場合、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、C.テストステローニProAアルドラーゼと同じくらいの全モナチンを生成し、類似する特異的活性を示す。
Figure 0005441417
アルドラーゼ濃度を変動させても、全モナチンはあまり増加しない。R,Rパーセントは、詳細にはD−アミノトランスフェラーゼが制限されている場合、時間と共に、さらにはアルドラーゼ濃度と共に減少する。
試験したアルドラーゼのR−特異性をさらに調査するために、実験は、L−トリプトファンおよび米国特許出願公開第20050282260号に記載されるように生成し、精製したHexAspCアミノトランスフェラーゼで開始して行った。HexAspCは、R−MPに対してS−MPのアミノ基転移に強い選択性を示し、したがって、50%を超えるR,Sモナチン百分率により、アルドラーゼが非常に立体特異的であることを示す。10mMアルファ−ケトグルタル酸をアミノ受容体として供給した。しかしながら、高濃度では、ピルビン酸もまたL−アミノトランスフェラーゼによって利用される。これらの反応では、通常、S,SモナチンおよびR,SモナチンのみがFDAA誘導体化プロトコールの検出限界内で生成される。
Figure 0005441417
Figure 0005441417
配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチド等の高度にR−特異的なアルドラーゼについては、生成される全モナチンはより少なく、アルドラーゼの量を増加させると全モナチン(およびS,S%)が増加する。これらのアルドラーゼが生成する、使用するL−アミノトランスフェラーゼにとって好ましい基質であるS−MP基質はより少ない。ProA等のそれほどR−特異的ではない酵素については、アルドラーゼを増加させても全モナチン生成量またはS,Sモナチン%は著しく改善されない。追加するL−アミノトランスフェラーゼの量を増加させると、生成されるS,Sモナチンの百分率が減少する。上記の分析に基づき、配列番号8のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、R−特異性の点では、ProAおよび配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの中間にあり、これは、R−MP%を、単独で、アルドール工程について測定した上記のデータに一致する。
配列番号27のサブクローニング
以下のプライマーは、アルドラーゼ遺伝子をPCR増幅するために使用した:5'-gaggagctcgagtcagacgtatttcagtcctttttc-3'(配列番号385)および5'-agaagacatatgatttatcagccggggac-3'(配列番号386)。アルドラーゼ遺伝子配列番号27は、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。結果として生じたPCR産物は、操作してプライマーにした部位で切断するためにXhoIおよびNdeIを用いて消化した。断片はゲル精製し(QIAquick Gel抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA))、XhoIおよびNdeIを用いて消化し、かつゲル精製したpET28bとライゲーションした(T4 DNAリガーゼを使用)。ライゲーションは、TOP10F’化学的コンピテント細胞中に形質転換した。平板上で成長するコロニーを挿入断片についてスクリーニングし、挿入断片を有する数個の単離物をDNA配列分析(Agencourt社、ビバリー、MA)にかけた。
配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの精製
確認したアルドラーゼクローンは、BL21 DE3またはBL21 DE3 pLysSのいずれかに形質転換した。適切な抗生物質を用いて成長させた一晩培養物を、新鮮な培地中に希釈し(通常1:100)、37℃で通気しながらOD600〜0.6まで成長させた。次いで、培養は、1mM IPTGを用いて誘発し、30℃(通気有り)に移し、インキュベーションを一晩継続した。細胞は、遠心分離によって採取した。細胞ペレットは、細胞溶解を助けるために、通常、1回の凍結解凍サイクルにかけた。細胞ペレットは、BugBusterおよびベンゾナーゼ(Novagen社、マディソン、WI)中で溶解させた(メーカーのプロトコールに従って)。細胞片は遠心分離によって取り出した。粗タンパク質抽出物は、メーカーのプロトコールに従って調製したHisBindカラム(Novagen社、マディソン、WI)にかけた。カラムは洗浄し、タンパク質はメーカーのプロトコールに従って溶出した。精製タンパク質は、PD−10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を用いて脱塩した。交換に使用した緩衝液は、50mMリン酸カリウムpH7.5、100mM NaCl、4mM MgClとした。精製タンパク質は、Amicon社製遠心濃縮器(Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて濃縮した。
配列番号40、配列番号298、配列番号36、配列番号62、配列番号64、配列番号96、配列番号54、配列番号122、配列番号142、配列番号42、配列番号130、配列番号112、配列番号108、配列番号94、配列番号80、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについての全モナチン生成量および異性体分布の比較
AT−103トランスアミナーゼ(広域特異性D−アミノトランスフェラーゼ)をBioCatalytics社(パサデナ、CA)から購入し、この酵素または実施例7で生成した組換え酵素のいずれかを、HMGアルドラーゼとの共役反応に使用して、米国特許出願公開第20050282260号に記載されるように、D−トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを生成した。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチド(his−タグ付き)は、比較の目的のためにベンチマークアルドラーゼとして使用し、実施例8の末尾に記載されるように生成し、精製した。試験した他のアルドラーゼは、実施例4で上記に記載されるように単離し、かつ形質転換した。
試験量の各アルドラーゼを生成するために、25mL培養物は、アンピシリン(100μg/mL)を含有するLB培地中で約0.4のOD600まで成長させた。株は、100μMのIPTGを用いて誘発した。細胞は、誘発後4時間成長させ、細胞抽出物は、ベンゾヌクレアーゼを用いてメーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI、Bugbuster試薬)に従って調製した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質は、Bio−Rad Laboratories社製Experion Automated Electrophoresis Station(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を使用して濃度および発現パーセントについて分析した。
以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:約50μgアルドラーゼ(他に断らない限り細胞抽出物において供給)、4mM MgCl、50mg/mL D−トリプトファン、2mg AT−103(BioCatalytics社、パサデナ、CA)、200mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。D−トリプトファンは、このより高い濃度では可溶性ではないが、反応がD−トリプトファンの飽和量で保たれることを確実にするために使用した。実験は、アルドラーゼを追加しないネガティブコントロールと共に二通り実行した。試料は、緩やかに振盪させながら、30℃で、2時間および一晩(17〜20時間)インキュベートした。マグネシウムおよびリン酸によって触媒された非酵素反応により、少量のモナチンが一晩でアルドラーゼなしで生成された(約0.5ppm)。R,Rモナチン%についての標準的な値はこれらの試料については50%である。ネガティブコントロール値は下記に示す数から差し引き、また平均した結果を示す。これらの方法を使用して、モナチンが生成された場合に検出された唯一の立体異性体はR,RおよびS,Rである。R,Rパーセントを下記に挙げ、またR,Rパーセントは逆相LCピーク面積によって決定した。同じ実験は、−20℃での2か月間の、細胞抽出物および配列番号28のアルドラーゼ活性を有する精製ポリペプチドの保存の後に進め、今回は、実施例8でのように、50mM D−トリプトファンを使用した。もう一度約50μgを利用した配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを除いて、2倍の量のアルドラーゼを追加した。これらの結果を表9の右に示す。異性体分布についてのFDAA誘導体化結果は括弧中に示す。
Figure 0005441417
ある種の酵素が、活性の比に基づき、他のアルドラーゼよりも保存に対してより安定性であることを理解することができる。第2の生成物、最も可能性の高い4−ヒドロキシ−4−メチルグルタミン酸もまた、これらの反応の間に形成され得る。上記の酵素は、副生成物に対するモナチンのピーク面積を比較することにより、モナチン生成に対するそれらの特異性について格付けした。結果は、配列番号122>配列番号42>配列番号80>配列番号108>配列番号96>配列番号112>配列番号130>配列番号36>配列番号94>配列番号298>配列番号40>配列番号142>配列番号54>配列番号64>配列番号28>配列番号62のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドであった。
最初の実験に基づき、配列番号298、配列番号54、および配列番号42のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、活性レベルおよび生成されたR,Rモナチン%点では、最も有望であると考えられた。これらの酵素は、his−タグ有りまたはなしのpET発現ベクター中にサブクローニングした。
配列番号297、配列番号53、および配列番号41のクローニング
クローニングに使用したプライマー:
Figure 0005441417
配列番号297、配列番号53、および配列番号41は、PCRによって増幅し、適切な酵素を用いて消化し(配列番号297および配列番号53を含有するPCR産物についてはNdeIおよびBamHI、配列番号41を含有するPCR産物についてはNcoIおよびBamHI)、ゲル精製した(QIAquick Gel抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA))。配列番号297および配列番号53は、NdeIおよびBamHIを用いて消化し、かつゲル精製したpET28中に別々にライゲーションした。配列番号41は、NcoIおよびBamHIを用いて消化し、かつゲル精製したpET30にライゲーションした。ライゲーションしたものはTOP10に形質転換した。コロニーは挿入断片についてスクリーニングした。挿入断片を有する単離物はDNA配列分析(Agencourt社、ビバリー、MA)にかけた。
アルドラーゼの精製
確認したアルドラーゼクローンは、BL21 DE3またはBL21 DE3 pLysSのいずれかに形質転換した。適切な抗生物質を用いて成長させた一晩培養物を、新鮮な培地中に希釈し(通常1:100)、37℃で通気しながらOD600〜0.6まで成長させた。次いで、培養物は、1mM IPTGを用いて誘発し、30℃(通気有り)に移し、インキュベーションを一晩継続した。細胞は、遠心分離によって採取した。細胞ペレットは、細胞溶解を助けるために、通常、1回の凍結解凍サイクルにかけた。細胞ペレットは、BugBusterおよびベンゾナーゼ(Novagen社、マディソン、WI)中で溶解した(メーカーのプロトコールに従って)。細胞片は遠心分離によって取り出した。粗タンパク質抽出物は、メーカーのプロトコールに従って調製したHisBindカラム(Novagen社、マディソン、WI)にかけた。カラムは洗浄し、タンパク質はメーカーのプロトコールに従って溶出した。精製タンパク質は、PD−10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を用いて脱塩した。交換に使用した緩衝液は、50mMリン酸カリウムpH7.5、100mM NaCl、4mM MgClとした。精製タンパク質は、Amicon社製遠心濃縮器(Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて濃縮した。
精製アルドラーゼの試験
精製アルドラーゼは、D−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するそれらの能力について試験した。以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:約50μg精製アルドラーゼ、4mM MgCl、50mM D−トリプトファン、0.5mg精製B.スファエリクスD−アミノトランスフェラーゼ、200mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。試料は、2時間および一晩の時点で測った。結果を下記の表11に示す。
Figure 0005441417
開始基質としてL−トリプトファンを使用し、かつ米国特許出願公開第20050282260号記載されるように生成して、精製した広域特異性L−アミノトランスフェラーゼであるHexAspC(0.5mgの精製タンパク質)とアルドラーゼを共役させて同実験を行った。結果は、全モナチン生成量について表12において下記に示し(アルドラーゼが存在しないバックグラウンドレベルを差し引く)、S,Sモナチンパーセントを逆相LCピーク面積に基づいて示す。400ppmを超える数は標準曲線の直線範囲の外側にあり、近似となる。
Figure 0005441417
これらのデータおよび上記のR,Rモナチンデータは、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドがR−MP特異性について以下の順を有することを示す:配列番号28>配列番号54>配列番号298>配列番号42。
配列番号116、配列番号76、配列番号44、配列番号148、配列番号46、配列番号134、配列番号74、配列番号126、配列番号102、配列番号58、配列番号88、配列番号50、配列番号106、配列番号304、配列番号300、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについての全モナチン生成量および異性体分布の比較
実施例7で生成した組換え酵素をHMGアルドラーゼとの共役反応で使用し、米国特許出願公開第20050282260号に記載されるように、D−トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを生成した。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、これらのアッセイでベンチマークとして使用し、実施例8に記載されるように精製した。
試験量の各アルドラーゼを生成するために、25mL培養物は、アンピシリン(100μg/mL)を含有するLB培地中で約0.5のOD600まで成長させた。培養物は、1mMのIPTGを用いて誘発した。細胞は、30℃に移して、一晩成長させた。細胞抽出物は、メーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI、Bugbuster試薬)に従って調製した。ベンゾヌクレアーゼもまた追加した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質は、Bio−Rad Laboratories社製Experion Automated Electrophoresis Station(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を使用して濃度および発現パーセントについて分析した。
以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:約50μgアルドラーゼ(他に断らない限り細胞抽出物において供給)、4mM MgCl、50mM D−トリプトファン、0.5mg精製B.スファエリクスD−アミノトランスフェラーゼ、200mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。ジチオトレイトール(「DTT」)を下記に言及する試料に追加した(最終濃度2mM)。実験は二通り実行した。試料は、緩やかに振盪させながら、30℃で、2時間および一晩(20時間)インキュベートした。平均した結果を下記に示す。これらの方法を使用して、モナチンを生成した場合に検出された唯一の立体異性体はR,RおよびS,Rである。R,Rパーセントを下記に挙げる、またR,Rパーセントは逆相LCピーク面積によって決定した。
Figure 0005441417
全モナチン生成数は、1ppm〜200ppm超の範囲であり、またR,R%は0%〜99%の範囲であった。アミノトランスフェラーゼは、すべてのアルドラーゼについて同じものであったので、アルドラーゼの変更は、生成されたモナチンの量および生成されたモナチンの立体異性体の分布の両方に著しい影響を及ぼし得る。DTT(下記の試料中でのように)は、生成された全モナチンの量を増加させるように思われた。
開始基質としてL−トリプトファンを使用し、かつ部分的に精製した広域特異性L−アミノトランスフェラーゼであるHexAspC(0.5mgのHexAspC)とアルドラーゼ(細胞抽出物として供給)を共役させて上記の同実験を行った。平均した結果(二通り)を全モナチン生成量について表14において下記に示し(アルドラーゼが存在しないバックグラウンドレベルを差し引く)、S,Sモナチンパーセントを逆相LCピーク面積に基づいて示す。400ppmを超える数は標準曲線の直線範囲の外側にあり、近似となる。配列番号28のアルドラーゼ活性を有する精製ポリペプチドは、ベンチマークとして使用した。配列番号304および配列番号300(植物由来)のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、2mM DTT有りおよびなしで使用した。ShannonおよびMarcus(The Journal of Biological Chemistry 237:3342−3347,1962) は、ピーナッツHMGアルドラーゼの独自の精製で還元剤としてメルカプトエタノールを使用した。
Figure 0005441417
モナチン生成に対するジチオトレイトール(DTT)の影響
実施例10における数種の酵素をさらなる研究用に選んだ。植物由来のアルドラーゼは、還元剤としてのDTTの追加に際して改善を示した。環境試料からの微生物由来のアルドラーゼはまた、高百分率のシステイン残基も含有することに注目された。したがって、DTTが非植物アルドラーゼについても同様にモナチン生成を増加させるかどうかを確かめるためにさらなる実験を進めた。
以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:約50μgアルドラーゼ(他に断らない限り細胞抽出物において供給)、4mM MgCl、50mM D−トリプトファン、2mg AT−103、200mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。ジチオトレイトールを下記に言及する試料に追加した(最終濃度2mM)。実験は二通り実行した。試料は、緩やかに振盪させながら、30℃で、2時間インキュベートした。LC/MS/MSによって決定されるように、平均した結果を全モナチンについて下記に示すが、モナチンのバックグラウンド生成量(アルドラーゼなしのコントロール)は差し引いた。
Figure 0005441417
アルドラーゼなしのコントロールは、DTT有りおよびなしで10ppmの全モナチンを生成したが、これは、DTTが、副生成物の還元によって全体の反応に影響していないことおよびD−アミノトランスフェラーゼ活性に影響していないことを示す。配列番号46、配列番号58、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドはすべて、DTTの追加による有益性を示した。配列番号46のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、最も高い有益性を示し、2mM DTTで約1.8倍高い活性を示した。アルドラーゼ活性を有する2つのポリペプチドは、DTTによって阻害されたように思われるが(配列番号116および配列番号50)、配列番号44のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについては実験誤差の範囲内であり影響は全く示されなかった。しかしながら、利用される各アルドラーゼについて、還元剤を提供することの有益性が検出されるための、DTTの最適な濃度がある可能性がある。
配列番号88のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン生成に対するDTT濃度の影響を研究するために選んだ。共役反応は、上記のように行った。結果を図15にプロットする。このアッセイでのDTTの最適な濃度は、追加したアルドラーゼの量に対して2.5〜5mMの間であった。興味深いことには、DTTを追加しなかった場合、生成されたモナチンの量は2.5mM DTTとほぼ同じくらい高かったが、最適以下の量のDTT(0.5〜1mM)の追加は、実際に、多量のDTT(20mM)の追加と同様に、阻害性であると思われる。
配列番号278、配列番号162、配列番号276、配列番号178、配列番号202、配列番号166、配列番号218、配列番号224、配列番号226、配列番号244、配列番号250、配列番号252、配列番号264、配列番号268、配列番号272、配列番号184、配列番号282、配列番号186、配列番号192、配列番号200、配列番号280、配列番号284、配列番号172、配列番号180、配列番号168、配列番号228、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号270、配列番号156、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについての全モナチン生成量および異性体分布の比較
実施例7で生成した組換え酵素をHMGアルドラーゼとの共役反応で使用し、米国特許出願公開第20050282260号に記載されるように、D−トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを生成した。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、これらのアッセイでベンチマークとして使用し、実施例8に記載されるように精製した。
試験量の各アルドラーゼを生成するために、25mL培養物は、アンピシリン(100μg/mL)を含有するLB培地中で約0.5のOD600まで成長させた。培養物は、1mMのIPTGを用いて誘発した。細胞は、30℃に移して、一晩成長させた。細胞抽出物は、メーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI)に従って、Bugbuster試薬を使用して調製した。ベンゾヌクレアーゼもまた追加した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質は、Bio−Rad Laboratories社製Experion Automated Electrophoresis Station(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を使用して濃度および発現パーセントについて分析した。
以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:配列番号278、配列番号162、配列番号276、配列番号178、配列番号202、配列番号166、配列番号218、配列番号224、配列番号226、配列番号244、配列番号250、配列番号252、配列番号264、配列番号268、配列番号272、配列番号184、配列番号282、配列番号186、配列番号192、および配列番号200のアルドラーゼ活性を有する約200μgのポリペプチドまたは配列番号280、配列番号284、配列番号172、配列番号180、配列番号168、配列番号228、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号270、および配列番号156のアルドラーゼ活性を有する50μgのポリペプチド(他に断らない限り細胞抽出物において供給)、4mM MgCl、50mM D−トリプトファン、0.5mg精製B.スファエリクスD−アミノトランスフェラーゼ、200mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。実験は二通り実行した。試料は、緩やかに振盪させながら、30℃で、2時間および一晩(20時間)インキュベートした。平均した結果を下記に示す。これらの方法を使用して、モナチンを生成した場合に検出された唯一の立体異性体はR,RおよびS,Rである。R,Rパーセントを下記に挙げる、またR,Rパーセントは逆相LCピーク面積によって決定した。
Figure 0005441417
Figure 0005441417
全モナチン生成数は、検出不可能〜600ppm超の範囲であった、またR,R%は61%〜100%の範囲であった。アミノトランスフェラーゼは、すべてのアルドラーゼについて同じものであったので、アルドラーゼの変更は、生成されたモナチンの量および生成されたモナチンの立体異性体の分布の両方に著しい影響を及ぼし得る。
開始基質としてL−トリプトファンを使用し、かつ米国特許出願公開第20050282260号記載されるように生成して、精製した広域特異性L−アミノトランスフェラーゼであるHexAspC(0.5mgの精製タンパク質)とアルドラーゼ(細胞抽出物として供給)を共役させて上記のような同実験を行った。結果は、全モナチン生成量について表17において下記に示し(アルドラーゼが存在しないバックグラウンドレベルを差し引く)、S,Sモナチンパーセントを逆相LCピーク面積に基づいて示す。400ppmを超える数は標準曲線の直線範囲の外側にあり、近似となる。表12は、同時にアッセイした配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドであるベンチマークR−特異的酵素について結果を示す。
Figure 0005441417
D−アミノトランスフェラーゼを使用する、インドール−3−ピルビン酸からのモナチンの生成
AT−103トランスアミナーゼは、BioCatalytics社(パサデナ、CA)から購入したトランスアミナーゼライブラリーの一部であり、またこの酵素は、C.テストステローニからのProAアルドラーゼを使用する共役反応におけるモナチンの生成について試験した。アルドラーゼは、国際公開第03/091396A2号に記載されるように調製した。AT−103は、アミノ酸供与体としてD−アミノ酸(D−グルタミン酸、D−アスパラギン酸、またはD−アラニン等)を必要とする、バチルス種からの広域特異性D−トランスアミナーゼ(E.C.2.6.1.21)である。酵素および付加的な成分/基質を、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、100mMアミノ供与体、および0.1mM PLPを含有したキット中に提供された反応緩衝液に直接追加した。1mLの反応緩衝液に、以下のものを追加した:4mgインドール−3−ピルビン酸、20mgピルビン酸、細胞抽出物中に提供される約50μg ProA、1μL 2M MgCl、および2mgアミノトランスフェラーゼ酵素。反応は二通り行った。反応は、緩やかに振盪させながら(100rpm)、30℃で一晩インキュベートした。試料は、実施例1に記載されるように濾過し、逆相LC/MS/MS分析にかけた。結果は、約370μg/mLモナチンがAT−103酵素を使用して生成されたことを示した。結果は、クロマトグラフ分離の間に分離する2種の立体異性体プールのピーク面積に基づき、R,R/S,Sモナチンに対するS,R/R,Sモナチンの比を決定するためにさらに分析した。AT−103によって生成された全モナチンのうち、69%は、混合異性体と比較してR,R/S,Sモナチンであった。この酵素は、D−アミノ酸に対して広域特異性を有することで知られている、国際公開第03/091396A2号に記載されるバチルス・スブチリスDAT酵素に相同である。キラル分析を、実施例1に記載されるFDAA方法論を使用して行い、D−アミノトランスフェラーゼが、予想どおり、R,RモナチンおよびいくらかのS,Rモナチンを圧倒的に作製することを検証した。基質としてS,SモナチンまたはR,Rモナチンおよびα−ケトグルタル酸を用いたさらなるアミノ基転移実験は、予想どおり、BioCatalytics社製酵素が、炭素4で、D−立体配置に高度に選択的であることを検証した。これらの実験では、グルタミン酸は、基質としてS,Sモナチンおよびケトグルタル酸を用いた反応において検出されなかった。
AT−103(広範囲D−トランスアミナーゼ)およびProAアルドラーゼを用いた共役反応における副生成物として生成されたS,SモナチンまたはR,Sモナチンの量を減少させるために、アルドラーゼは、メーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI)に従って、His−Bindカートリッジを使用して精製した。精製酵素は、好ましくは、細胞抽出物中に存在し得る野生型L−アミノトランスフェラーゼ活性(天然イー・コリのAspC活性またはTyrB活性等)を含有しないはずである。His−Bind溶出液は、PD−10カラム(G25 Sephadex、GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を使用して、イミダゾールを除去するために脱塩し、50mM Tris−Cl、pH7中に溶出した。実験は、1mLの容量で二通り実行し、100mM Tris−Cl緩衝液、pH7.8、50μg ProAアルドラーゼ、4mgインドール−3−ピルビン酸、1または2mg D−アミノトランスフェラーゼ、200mMピルビン酸ナトリウム、2mM MgCl、3mMリン酸カリウム、0.1mM PLP、および14.7mgのD−グルタミン酸を含有した。チューブは、緩やかに振盪させながら30℃でインキュベートした。2時間の時点で取り、−20℃で直ちに凍結させた。pHはNaOHを使用して5〜7および8の間に2時間の時点で調整し、アッセイは一晩インキュベートした。試料は、実施例1に記載されるように、濾過し、モナチンについて分析した。2時間の試料は、おそらく低pHのために、検出可能な量のモナチンを有していなかった。一晩の試料は、1mgのD−アミノトランスフェラーゼを使用した場合に、約190ng/mLモナチンを含有し、約84%はR,Rモナチンであり、16%はS,Rモナチンであった。2mgのD−アミノトランスフェラーゼを使用した場合、540ng/mLモナチンが生成され、約71%はR,Rモナチンであった。
類似する実験を、100mMリン酸カリウムpH7.5、0.1mM PLP、および100mM D−グルタミン酸を含有するBioCatalytics社製Aminotransferase緩衝液(BioCatalytics社、パサデナ、CA)を使用して進めた。固体インドール−3−ピルビン酸およびD−アミノトランスフェラーゼを上記のように追加した。ProAアルドラーゼ(50μg)、MgCl、および50mMピルビン酸をストック溶液から追加した。この場合pH調整は必要ではなかったが、アッセイは上記のように処理した。ネガティブコントロールは、BioCatalytics社供給の酵素および緩衝液だけで行い、モナチンを含有していなかった。実験結果を表18に示す。
Figure 0005441417
リン酸緩衝液中での、モナチンの生成は、Tris緩衝系での生成よりもり明らかに高い。
国際公開第03/091396A2号からのクローニングしたB.スブチリスDATの活性をBioCatalytics社製酵素(AT−103)(BioCatalytics社、パサデナ、CA)と比較するために、付加的なアッセイを行った。B.スブチリスdat遺伝子は、さらに、pET30a中にサブクローニングし、His−6タグを除去した。タグなしおよびタグ付き酵素は、国際公開第03/091396A2号に記載されるように、BL21(DE3)中で生成した。細胞抽出物を作製し、全タンパク質アッセイを、先に記載されるようにタンパク濃度を評価するために行った。以下のものを含有する二通りの1mLの反応を行った:500μg D−アミノトランスフェラーゼ、50μg ProAアルドラーゼ、100mMリン酸カリウムpH7.5、3mM MgCl、4mg インドール−3−ピルビン酸、200mMピルビン酸ナトリウム、7.35mg(50mM) D−グルタミン酸、および0.1mM PLP。試料は、1時間、2時間、および一晩、30℃でインキュベートし、LC/MS/MS分析のために濾過した。実施例1に記載されるFDAA誘導体化プロトコールによって決定されるように、試料は、モナチンのS,RおよびR,R立体異性体のみを含有した。結果を下記の表19に要約する。R,R%は、逆相クロマトグラフィーによって分離されたピーク面積によって決定した。
Figure 0005441417
HIS−6タグの除去は、B.スブチリスD−アミノトランスフェラーゼの活性を改善したように思われる、しかしながら、BioCatalytics社製D−アミノトランスフェラーゼ相同体は明らかに最も高い活性を有した。BioCatalytics社製D−アミノトランスフェラーゼ相同体は、さらに、R−モナチン前駆体に対するより大きな基質特異性を示した。インキュベーション時間の増加は、生成されるR,Rモナチンのエナンチオマー過剰率を低下させるように思われる。
バチルスD−アミノトランスフェラーゼ酵素が、アミノ受容体としてのピルビン酸およびアミノ供与体としてのD−アラニンに対する選好性を有するので、D−アラニンは、類似するまたより優れた結果を伴う、モナチンへのMPの変換のためにアミノ供与体として利用することができると予想された。以下のものを含有する二通りの1mLの反応を行った:500μg D−アミノトランスフェラーゼ、50μg精製ProAアルドラーゼ、100mMリン酸カリウムpH7.5、3mM MgCl、4mgインドール−3−ピルビン酸、100mMピルビン酸ナトリウム、25mM D−グルタミン酸またはD−アラニン、および0.1mM PLP。試料は、2時間インキュベートし、分析前に上記のように処理した。D−アラニンをアミノ供与体として使用した場合、わずかに高いレベルのモナチンが予想どおり生成された(21ppmに対して23ppm)。さらに、高濃度のピルビン酸は、アミノ基転移工程を阻害する可能性があることが予想され、したがって、長い間にわたる少量のピルビン酸の添加により、モナチン生成の全体の速度が改善される可能性がある。上記の表と比較して2分の1のピルビン酸がこの場合に使用されたにもかかわらず、著しくより多くのモナチンが生成されたことが上記のデータから理解することができる。AT−103は、S−MPに対して限られた活性を有する酵素の例である。たとえ本研究で使用するProAアルドラーゼが90〜95%を超えるS−MPを作製しても、AT−103は92%までのR,Rモナチンを作製する。
D−トリプトファンからのR,Rモナチンの生成
以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:約60μg C.テストステローニProAアルドラーゼ(国際公開第03/091396A2号に記載されるように細胞抽出物において供給)、4mM MgCl、50mM D−トリプトファン、0.5mg BioCatalytics社製D−アミノトランスフェラーゼ(AT−103)(BioCatalytics社、パサデナ、CA)、100mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5または100mM酢酸ナトリウム緩衝液pH8、0.05mM PLP、3mMリン酸カリウム(アセテート反応にのみ)、および10mM α−ケトグルタル酸。実験は、アルドラーゼを追加しないネガティブコントロールと共に二通り実行した。試料は、緩やかに振盪させながら、30℃で、一晩(20時間)インキュベートした。酢酸ナトリウム試料の実際のpHは約5とし、リン酸緩衝試料の最終pHは約7とした。アルドラーゼのどれも、pH5で著しい活性を有するようには思われず、ProAアルドラーゼを含有する試料は、わずかにネガティブコントロールを超えたが、おそらく実験誤差を超えなかった。リン酸カリウムでは、ProAアルドラーゼは、1.7:1のR,R:S,Rの比で73.4ppmのモナチンを生成した(D−トリプトファンから約63%R,R)。
バチルスD−アミノトランスフェラーゼ酵素が、アミノ受容体としてのピルビン酸およびアミノ供与体としてのD−アラニンに対する選好性を有するので、D−トリプトファンからR,RまたはS,Rモナチンを生成する場合、アルファ−ケトグルタル酸の追加は不必要であることが予想された。上記の実験は、精製ProAアルドラーゼ(50〜60μg)および2.5時間のインキュベーション時間を使用して、繰り返した(100mMリン酸カリウム緩衝液中で)。アルファ−ケトグルタル酸有りおよびなしで二通りの実験を実行した。10mMアルファ−ケトグルタル酸を追加すると、56.1ppmモナチンがD−トリプトファンから形成された(79.5%R,R、20.5%S,R)。アルファ−ケトグルタル酸なしでは、102.5ppmモナチンが形成された(79%R,R、21%S,R)。
トリプトファンラセマーゼ
R,R−モナチンは、D−トリプトファンを出発物質として使用した場合に、D−アミノトランスフェラーゼおよびアルドラーゼを使用して生成した(実施例14)。それにもかかわらず、L−トリプトファンはいくつかの理由で好ましい出発物質となる可能性がある。たとえば、L−トリプトファンは、D−トリプトファンよりも高価ではなく、容易に入手可能である可能性がある。本開示は、活性トリプトファンラセマーゼを得るための数種の方法を記載する。R,Rモナチンの収量は、R−特異的アルドラーゼ、つまりR−MPを優先的にまたは選択的に生成するアルドラーゼを使用することより改善される。図3は、トリプトファンラセマーゼ、D−アミノトランスフェラーゼ、およびR−特異的アルドラーゼを使用して、L−トリプトファンから立体異性的に豊富なR,Rモナチンを生成するための方法を示す。
トリプトファンラセマーゼについて選択は、成長のために活性ラセマーゼを必要とすると思われる株を構築することによりもたらされる。トリプトファン栄養素要求株は、最少培地上で成長する場合、L−トリプトファン源を必要とする。D−トリプトファンの培地への補足は、D−トリプトファンをL−トリプトファンに変換するラセマーゼを選択するための1つの方法となる。D−トリプトファンを補足した最少培地上での成長についてトリプトファン栄養素要求株を試験した。株、Coli Genetic Stock CenterからのCAG18455およびCAG18579ならびにNRRL12264(さらにlipA、λDE3溶原化、そのプラスミドが抜かれている)は、D−トリプトファンを補足した場合、成長しなかったが、L−トリプトファンを補足した場合、成長した。イー・コリを宿主生物として使用してもよいが、酵母、他の細菌、または他の真核生物等の他の宿主生物もまた使用してもよい。トリプトファン栄養素要求株(特にNRRL12264(さらにlipA、λDE3溶原化、そのプラスミドが抜かれている))は、D−アミノトランスフェラーゼで形質転換した場合、D−トリプトファンで成長するであろう。これにより、細胞にD−トリプトファンを輸送するイー・コリの能力が確認される。
SalcherおよびLingensは、シュードモナス・オーレオファシエンス(ATCC15926)におけるトリプトファンラセマーゼの存在を記載した。トリプトファンラセマーゼはまた、タバコ、ビート、トマト、および小麦を含む数種の植物においても記載されており、酵素は、浸透ストレスまたは乾燥の状態によって誘発されるように思われる。トリプトファンラセマーゼは、天然のモナチン生成経路においてスクレロキトン・イリキフォリウスで役割を果たす可能性がある。このラセマーゼ活性を単離するために、発現ライブラリーをATCC15926(またはトリプトファンラセマーゼ活性を有する他の生物)から構築し、ライブラリーをトリプトファン栄養素要求株に形質転換する。トリプトファン源としてD−トリプトファンを使用して成長するであろう株が選択される。D−トリプトファンに対して活性を有するラセマーゼを探すために知られているラセマーゼを用いて多くの株をスクリーニングするために、類似する方法もまた使用される。例として次のものを含む:アラニンラセマーゼ、セリンラセマーゼ、およびグルタミン酸ラセマーゼ(T.YoshimuraおよびN.Esaki,「Amino Acid Racemases:Functions and Mechanisms.」 Journal of Bioscience and Bioengineering,Vol.96,No.2,103−109,2003)。アラニンラセマーゼはPLP依存性であり、サルモネラ・チフィリウムからクローニングされた(dadB遺伝子)。他の源は、エシェリキア・コリ、バチルス・スブチリス、シュードモナス・エルジノーサ、ビブリオ・コレレ、シゾサッカロミセス・ポンベ、およびバチルス・セレウスである。担子菌類のキノコ、シイタケもまた活性の広いアラニンラセマーゼを含有する。セリンラセマーゼもまたPLP依存性であり、真核生物(カイコ、ラット脳、マウス脳cDNA等)および細菌(エンテロコッカス・ガリナラム(Enterococcus gallinarum))に発見されている。グルタミン酸ラセマーゼは、PLP非依存性であり、ペディオコッカス・ペントサセウス、バチルス・プミルス、ラクトバチルス・ファーメンティ(Lactobacillus fermenti)、ラクトバチルス・ブレビス、イー・コリ、アクイフェックス・ピロフィルス(Aquifex pyrophilus)、およびバチルス・スブチリスからクローニングされた。グルタミン酸ラセマーゼは非常に特異的であり、結果的に、構造上類似するアミノ酸、アスパラギン酸、アスパラギン、およびグルタミンでさえ酵素に対する基質とならない。アスパラギン酸ラセマーゼもまた存在し、PLP非依存性である。これらの酵素は、ラクトバチルス株、ストレプトコッカス株、ならびにデスルフロコッカス株およびサーモコッカス株等のいくつかの古細菌に発見されている。二枚貝軟体動物アカガイもまたアスパラギン酸ラセマーゼを含有する。文献に見い出される他のラセマーゼは、アナベナ種およびシュードモナス・ストリアタからのアミノ酸ラセマーゼ(EC5.1.1.10)、プロリンラセマーゼ、多機能フェニルアラニンラセマーゼを含む。関連するエピメラーゼまたはラセマーゼもまた試験されている。可能性のあるラセマーゼは、それらがD−トリプトファンアミノトランスフェラーゼではないことを確かめるために試験される。このスクリーニングは、配列分析および/または酵素アッセイによって行われる。
ラセマーゼとして試験を通過する酵素は、実施例17に記載されるように、モナチンについての活性についてスクリーニングする。トリプトファンに非常に特異的で、モナチンに対してラセマーゼ活性をほとんどまたは全く有していない酵素を得ることが理想的である。
トリプトファンラセマーゼはまた、既存のラセマーゼ、トランスアミナーゼ、またはエピメラーゼから発達させてもおよび/または改善させてもよい(突然変異誘発または組換え操作を介して)。さらに、アラニンアミノトランスフェラーゼの結晶構造が知られているので、これらは、合理的で構造に基づく突然変異誘発の基礎として使用してもよい。上記に記載されるプロセスは、トリプトファンラセマーゼ活性についての最初の選択としておよび改善された活性のスクリーニングとして使用される。
トリプトファンラセマーゼライブラリー
ライブラリーの構築:
バークホルデリア・ピロシナ(Burkholderia pyrrocina)(ATCC15958)およびシュードモナス・クロロラフィス(ATCC15926)をAmerican Type Culture Collectionから得た。それらは、ATCCによって推奨されるように成長させ、ゲノムDNAは、Mekalanos JJ.(Duplication and amplification of toxin genes in Vibrio cholerae.Cell.1983.35:253−63)の方法に従って調製した。ゲノムDNAは、Sau3AI制限酵素を用いて部分的に消化した。1〜3Kbp断片を、Qiagen社製QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用してゲル精製した。精製DNAは、上記のようにBamHIを用いて消化し、かつ精製したpTrc99a(Amersham社、ピスカタウェイ、NJ)にライゲーションした。ライゲーションは、ベクターに対する挿入断片の3:1のモル比を使用して、一晩のインキュベーションにより室温で行った。ライゲーションライブラリーは、TOP10F’化学的コンピテント細胞(Invitrogen社、カールスバード、CA)に形質転換し、100μg/mlアンピシリンを用いてLB培地上で平板培養した。形質転換平板培養物の一晩のインキュベーションの後、コロニーを、液体LB培地で洗浄した平板からこすり取った。適切なサイズの細胞ペレットを、Qiagen社製QIAquickミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用してミニプレップする。約30,000コロニーをプールし、ミニプレップした。
プールしたプラスミドは、CAG18455(trpC83::Tn10、rph−1)またはCAG18579(trpC::Tn10kan、rph−1)に形質転換した。両株は、トリプトファン栄養素要求株であり、したがって、培地にトリプトファンで補足しない限り、それらはM9最少培地(Difco社)上で成長しないであろう。形質転換体は、D−トリプトファンを補足したM9最少培地上で平板培養した。これにより、D−トリプトファンをL−トリプトファンに変換することができる株を選択する。
ライブラリーの形質転換前に、株は、LまたはD−トリプトファンを有する最少培地上での成長について試験した。D−トリプトファンを補足した最少培地上での成長について株を試験すると、成長は観察されなかった。両株は、D−トリプトファンの代わりにL−トリプトファンを補足した同一の培地上で成長した。さらに、NRRL12264の誘導体(使用する株は、トリプトファンオペロンプラスミドが抜かれ、λDE3で溶原化され、他の染色体にコードされた突然変異(serB、ΔtrpED、tnaA2、aroP)に加えてlipAが欠失していた)(この株は、D−トリプトファンを補足した最少培地上で成長することはできなかったが、D−トリプトファンの代わりにL−トリプトファンを補足した同一の培地上で成長した)をバチルス・スブチリスからのD特異的アミノトランスフェラーゼを用いて形質転換した(国際公開第03/091396号)。D−アミノトランスフェラーゼの発現はT7プロモーターによって駆動された。形質転換株は、D−トリプトファンを補足したM9最少培地上で成長することができた。
D−トリプトファン培地上で成長したコロニーをスクリーニングする。プラスミドは、D−トリプトファン培地上での成長が、宿主突然変異ではなくプラスミドに依存性であることを確認するために、単離し、親株(CAG18455またはCAG18579)に再形質転換する。トリプトファン栄養要求性を補完するプラスミドのヌクレオチド配列を分析する。トリプトファンラセマーゼ遺伝子を含有すると決定されたクローンをさらに分析する。
他の組織源からのトリプトファンラセマーゼを類似する様式で単離する。タバコ組織培養細胞(タバコ L.品種Wisconsin 38)(Miura,G.A.およびMills,S.E. The conversion of D−tryptophan to L−tryptophan in cell cultures of tobacco.Plant Physiol.1971.47:483−487)ならびに小麦(コムギ)の粗タンパク質抽出物(Rekoslavskaya,N.I.,Yur’eve,O.V.,Shibanova,L.A.,およびSalyaev,R.K.Synthesis and physiological function of D−tryptophan during wheat germination.Russian J.Plant Physiol.1997.44:196−203)の両方においてトリプトファンラセマーゼ活性の文献報告がある。cDNA発現ライブラリーは、文献に記載されるように組織から作製し、発現ライブラリーは、上記に記載されるようにトリプトファン栄養素要求株を形質転換するために使用する。
トリプトファンラセマーゼアッセイ
トリプトファンラセマーゼを可能性として有するとして同定されたクローンを、BL21等の、組換えタンパク質の発現に一般に使用されるイー・コリの株に形質転換する。細胞は、0.4〜0.6の600nmの光学濃度までLBブロス中で成長させる。ラセマーゼの発現を駆動するプロモーターは、IPTG(0.1mM最終濃度)を用いて誘発する。誘発の後、細胞に、37℃(通気有り)で1〜3時間タンパク質を発現させる。細胞は、採取し、フレンチプレス、超音波処理によって、または化学的手段(BugBuster(Novagen社、マディソン、WI)等)によって溶解させる。溶解させた細胞は、細胞片を除去するために遠心分離する。浄化抽出物は、アッセイに直接使用する。
様々な量の抽出物を、溶液に追加し、最終濃度を50mMリン酸カリウム(pH7.0)および2mM L−トリプトファンとする。ピリドキサール−5’−リン酸を10μMの最終濃度で追加する。試料は、インキュベートし、次いでLC/MSによって分析する。L−トリプトファンのみが基質として使用される場合のD−トリプトファンピークの存在は、ポジティブの結果を示す。D−トリプトファン濃度は、平衡に達するまで、時間の経過と共に増加するはずであり、酵素の濃度が十分に高くなって酵素が基質で飽和されなくなるまで、速度もまたタンパク濃度と共に増加するはずである。D−トリプトファンは、さらに、上記のようにL−トリプトファンに変換される可能性がある。
補完遺伝子は、D−アミノトランスフェラーゼをコードしてもよい(「補完遺伝子」は、発現した場合に、生物における突然変異を無効にする遺伝子である。たとえば、生物が、細胞によるトリプトファンの合成に必要な遺伝子のうちの1つに無発現変異を有する場合、補完遺伝子は、発現した場合に、株が最少培地(つまりトリプトファンなし)上で成長するのを可能にする遺伝子となることができるかもしれない)。この反応は、アミノ受容体としてのα−ケトグルタル酸、オキサロ酢酸塩、またはピルビン酸等のアルファ−ケト酸を必要とする。これらの化合物は、細胞抽出物中におそらく存在するであろう(少量で)。これらの化合物はPD−10脱塩カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を使用して除去してもよく、アッセイは、なお、粗抽出物中で行ってもよい。トリプトファンラセマーゼ活性は従来のカラムクロマトグラフイーを使用して精製する。最終的に、可能性のあるトリプトファンラセマーゼとして同定されたオープンリーディングフレームは、アフィニティータグを有する発現ベクター中にクローニングする。次いで、可能性のあるトリプトファンラセマーゼは親和性クロマトグラフィーによって精製する。いずれの場合も、精製タンパク質は、本質的に上記に記載されるように酵素アッセイに使用される。
トリプトファンラセマーゼの逆遺伝子操作
トリプトファンラセマーゼは、硫安分画を含む従来のタンパク質精製技術および従来のカラムクロマトグラフイーによって、植物源または微生物源のいずれかから精製してもよい。スポットが2次元ゲル上で単離することができるようにタンパク質が精製されると、ペプチドマイクロシークエンシング技術または従来のEdman型アミノ酸配列が利用される(この種の作業に使用されるプロトコールおよび設備の記載についてgolgi.harvard.edu/microchem/を参照されたい)。しかしながら、生物のゲノム配列は、タンパク質精製のためのタンパク質源として使用することができない、というのはいくつかの場合では、上記配列がまだ決定されていないからである。そういった状況では、一次縮重プライマーを、最も近い知られている類縁のタンパク質源からの入手可能な配列に基づき設計してもよい。次いで、縮重PCRおよびゲノムウォーキングを、トリプトファンラセマーゼコード配列を単離するために確立されたプロトコールに従って行う。
トリプトファンラセマーゼによるモナチン生成
以下のものを反応混合物1mL当たりに追加する:約60μg C.テストステローニProAアルドラーゼ(国際公開第03/091396A2号に記載されるように細胞抽出物において供給)、100μL/mLのトリプトファンラセマーゼ細胞抽出物または1mg/mL精製トリプトファンラセマーゼ、4mM MgCl、50mM L−トリプトファン、0.5mg BioCatalytics社製D−アミノトランスフェラーゼ(AT−103)(BioCatalytics社、パサデナ、CA)、100mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、0.05mM PLP、および10mM α−ケトグルタル酸。ピルビン酸は、広域特異性D−アミノトランスフェラーゼに対して許容し得るアミノ受容体であるので、α−ケトグルタル酸は任意とする。実験は、アルドラーゼを追加しないまたはトリプトファンラセマーゼを追加しないネガティブコントロールと共に二通り実行した。試料は、緩やかに振盪させながら、30℃で、約1時間または一晩(20時間)インキュベートした。
トリプトファンラセマーゼは、モナチンに対する活性について試験する。実施例17のアッセイに類似するアッセイを、基質としてモナチンを用いて使用し、トリプトファンに対する酵素の活性と比較する。理想的な酵素は、トリプトファンに対して活性を有するが、他のアミノ酸、詳細にはグルタミン酸およびモナチンに対して活性をほとんどまたは全く有していない。酵素がモナチンに対して著しい活性を有する場合、トリプトファン活性を不変に保ちながらまたは酵素がモナチン生成に有用であるのに十分に高いレベルに保ちながら、モナチンおよび/またはグルタミン酸に対する活性を減少させるために酵素は突然変異誘発させてもよい。突然変異誘発に使用されてもよい技術は、エラープローンPCR、部位特異的突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発標的(基質結合に関連する可能性のある部位)を同定するためのモデリング、突然変異誘発性株による継代、およびDNAシャフリングを含むが、これらに限定されない。
突然変異誘発ラセマーゼは、上記に記載されるように、平板アッセイを使用して、トリプトファン活性についてスクリーニングしてもよい。次いで、トリプトファン活性を保持するクローンは、モナチンに対する活性の損失についてスクリーニングする。
HEXAspCの部位特異的突然変異誘発
実験概要
イー・コリAspC(HEXaspC)のhexa突然変異体は、国際公開第03/091396A2号の実施例6に記載されるようにS,Sモナチンの生成についてAspCと比較してより優れた活性を有することがわかった。HEX(受託番号:/AHFA gi:127190)は、AspCからの以下の突然変異を含有する(イー・コリ番号付け):V35L、K37Y、T43I、N64L、TI04S、およびN285S。構造分析および文献報告(S.RothmanおよびJ.Kirsch,J.Mol.Biol.(2003),327,593−608;S.Rothmanら,Protein Science(2004),13:763−772)に基づき、モナチン生成経路に利用される基質:L−トリプトファン、S−MP、またはその両方に対して速度論的活性を増加させると予想された5種以上の突然変異体を作り出した。突然変異体のうちの2種は、トリプトファンおよびS,Sモナチンの両方のアミノ基転移速度を増加させた。突然変異体のうちの2種は、S,Sモナチンの形成に対する立体選択性の増加を示したが、一方はそれほど立体選択性ではなかった。これに基づき、類似する突然変異を有するバチルス種からの広域特異性D−アミノトランスフェラーゼは、図3に示され、かつ実施例15に記載されるR,Rモナチン経路のD−アミノトランスフェラーゼとして有用であることが予想される。突然変異体のうちの1種(HEXaspCP9T/R122G)は、L−トリプトファンアミノ基転移に対する活性を増加させたが、S,Sモナチン生成またはS,Sモナチンアミノ基転移における活性は著しく減少した。したがって、この酵素は、図1、2、4、5、6、7、および8に示され、かつ実施例18および19に記載されるR,Rモナチン生成経路の第1の工程に有用であることが予想される。一般的に、L−トリプトファンに対するAspCの活性に類似する活性ならびにR−MPおよびS−MPに対する限られた活性を有するアミノトランスフェラーゼは、図1、2、4、5、6、7、および8に表すプロセスに有用と思われる。
方法および材料
pUC19中でクローニングしたHEX遺伝子は、J.F.Kirsch教授(Department of Molecular and Cell Biology,University of California,バークリー,バークリー,CA 94720−3206)によって提供されたものであり、pET23a中への遺伝子のクローニングのために鋳型として使用した。James J.OnufferおよびJack F.Kirsch,Redesign of the substrate specificity of Escherichia coli aspartate aminotransferase to that of Escherichia coli tyrosine aminotransferase by homology modeling and site−directed mutagenesis,Protein Science,4:1750−1757(1995)を参照されたい。NCBI受託番号1AHF_A GI:1127190(HEXアミノ酸配列)もまた参照されたい。以下のプライマーは、pET23aベクター(Novagen社、マディソン、WI)中にHEX遺伝子をクローニングするために設計した。
HEXaspCプライマー:
N末端:5'-GCGGAACATATGTTTGAGAACATTACCGCC-3'(配列番号393);
C末端:5'-ATAACCGGATCCTTACAGCACTGCCACAATCG-3'(配列番号394)
以下のPCRプロトコールを遺伝子増幅に使用した:100μL反応中、50ng DNA鋳型、1.0μMの各プライマー、0.2mM 各dNTP、1U Pfu Turbo Polymerase(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)、および1×Cloned Pfu緩衝液を追加した。サーモサイクラープログラムには、5分間94℃のホットスタートを利用し、その後、94℃での変性工程(30秒間)、55℃でのアニーリング工程(1分間)、および72℃での伸長工程(2分間)の25サイクル、ならびに最終的な72℃での終了工程(7分間)が続いた。NdeIおよびBamHIの制限部位を使用してpET23a中にPCR産物をクローニングするために標準の分子生物学技術を利用した。
位置130でのトリプトファン残基は、ピリドキシル環とのスタッキング相互作用に重要であると考えられるが、タンパク質モデリング観察に基づくと、S−モナチン前駆体(MP)基質との立体障害の源であるようにも思われる。したがって、より小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸(フェニルアラニン)をトリプトファンと交換するために使用した。望ましい突然変異の新しい組み合わせを作り出したが、残りの突然変異は文献中の反応速度データに基づくものとした。W130Fを除く、HEXaspCに対するすべての突然変異は、メーカーの指示に従って、Stratagene社製Multi−Changeキット(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用して行った。W130F突然変異は、PCR反応の伸長温度を66℃に減少させたことのみを除いて、メーカーの指示に従って、Stratagene社製QuikChangeキット(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用して行った。multi−changeキットのためのプライマーは、W130F単一突然変異プライマーを除いて、〈www.stratagene.com〉のQuikChangeマルチキットプライマー設計ツールを使用して設計した。
プライマー配列を表20において下記に挙げる。
Figure 0005441417
HEXaspC突然変異遺伝子の発現および酵素活性の分析
Novagen Overnight Express(商標) Autoinduction System 2(カタログ#71366−3;溶液1〜6)(Novagen社、マディソン、WI)の液体培養物(5mL)は、新鮮な平板培養物または凍結グリセロールストックの以下の株から接種した。
イー・コリ BL21(DE3)::HEXaspCpET23a
イー・コリ BL21(DE3)::HEXaspCW130FpET23a
イー・コリ BL21(DE3)::HEXaspCT156ApET23a
イー・コリ BL21(DE3)::HEXaspCP9T/T156ApET23a
イー・コリ BL21(DE3)::HEXaspCP9T/R122GpET23a
イー・コリ BL21(DE3)::HEXaspCR122G/T156ApET23a。
培養物は、6〜8時間、230rpmで、37℃でインキュベートした。各培養物のOD600を決定し、25mL中0.03〜0.05のOD600を得るのに必要な培養物の容量を算出した。算出した容量の各液体培養物は、25mLの同じ培地を含有するフラスコに移した。Overnight Express(商標) Autoinduction System 2は、誘発剤としてラクトースを使用し、かつ細胞成長のモニターを必要としない、IPTG誘発性発現系を用いた高レベルの発現のための完全な合成培地(chemically defined medium)である。Overnight Express培養物は、18時間230rpmで振盪させながら30℃でインキュベートした。細胞は、遠心分離によって採取し、低温の50mM MOPS、pH7.0を用いて1回洗浄した。次いで、細胞は、Novagen社推奨のプロトコールに従って、1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼ(Novagen社カタログ#70746−3)(Novagen社、マディソン、WI)、5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Set II(Novagen社カタログ#539132)(Novagen社、マディソン、WI)、および0.33μL/10mL r−Lysozyme(Novagen社カタログ#71110−3)(Novagen社、マディソン、WI)を含有するBugbuster(商標)(第一級アミンなし) Extraction Reagent(Novagen社カタログ#70923−3)(Novagen社、マディソン、WI)を使用して溶解させた。緩やかに振盪させながら15分間、25℃でインキュベーションした後、各懸濁液からの細胞片は、4℃での15分間の21,000gでの遠心分離によってペレットにした。上清は、注意深くデカントし、無細胞抽出物として分析した。封入体画分は、30%Bugbuster(商標)(第一級アミンなし) Extraction Reagent中に細胞片画分を懸濁させて、10分間21,000×gで遠心分離し、遠心分離したペレットを10%Bugbuster(商標)(第一級アミンなし) Extraction Reagent中に懸濁させて、もう一度遠心分離して、洗浄ペレットを単離することより単離した。無細胞抽出物および封入体画分は、4〜15%の勾配ゲル(BioRad社 #161−1104、ヘラクレス、CA)上でのSDS−PAGEによってタンパク質発現について分析した。細胞抽出物試料については、20マイクログラムの可溶性タンパク質を各ゲルレーンに装填した(1×タンパク質装填緩衝液を用いて前もって混合し、5分間95℃で加熱)。封入体画分は、1×タンパク質装填緩衝液(0.2mL)中に溶かし、95℃で10分間加熱し、5μLの各溶液をゲルレーン毎に装填した。各レーンに装填した全可溶性タンパク質と比較した各HEX突然変異体の量は、Labworks BioImaging 1次元ゲルツール(UVP社、アプランド、CA)を使用するバンド強度分析によって算出し、また下記に報告する。
Figure 0005441417
ゲルの分析は、HEXaspCR122A/T156A突然変異体が、封入体として実質的な量で見つかった唯一のタンパク質であったことを示した。HEXaspCP9T/T156Aタンパク質は、HEXaspCタンパク質を上回る約90%の最も高いレベルの発現を生じた。対照的に、W130F、T156A、およびP9T/R122Gタンパク質は、HEXaspCよりも低い濃度で発現した。
S,S−モナチンの生成のためのHEXaspC突然変異体タンパク質の活性は、以下の反応条件を使用して測定した:各1mLの反応は、50mM TAPS、pH8.2、4mM MgCl、3mMリン酸ナトリウム、pH8.0、200mMピルビン酸ナトリウム(pHは8に調整)、5mM α−ケトグルタル酸(pHは8に調整)、50mMトリプトファン、0.05mMピリドキサール3−リン酸、50μg/mL ProAアルドラーゼ(無細胞抽出物として追加)、および様々な濃度(約50および500μg/mL)のアミノトランスフェラーゼ(無細胞抽出物として追加)を含有した。脱気した水は、ストック溶液を調製し、かつ1.0mLに反応混合物の容量を調整するために使用した。ピリドキサールリン酸は、酵素の追加の直前に追加した。反応チューブは、4時間緩やかに振盪させながら30℃でインキュベートした。試料(0.01mL)は、酵素の追加の後に、1、2、および4時間で回収し、濾過し、実施例1に記載されるようにLC/MS/MSによって分析した。モナチン生成量は、反応中に存在するアミノトランスフェラーゼの量に基づいて標準化した。これらのアッセイの条件下で、HEXaspCおよびHEXaspCT156Aは、1mgのアミノトランスフェラーゼ当たり最も多い全モナチンを生成したが、P9T/R122Gタンパク質が生成したのは最も少なく、HEXaspCW130Fが後に続いた。HEXaspCW130FおよびP9T/R122G酵素は、高酵素濃度を使用した(300μg/mL超)場合でさえ、S−MPに対して最も大きな立体選択性を示した(98%を超えるS,S−モナチン)。S,S−モナチン生成物の百分率は、高濃度でP9T/T156A酵素を含有する酵素反応では90%未満まで減少した。他の突然変異体は、本来のHEXaspC突然変異体に非常に類似する生成物立体選択性を示した(約95%S,S−モナチン)。実施例1に記載されるFDAA誘導体化試薬を使用する、HEXaspC酵素を含有する反応の生成物の分析は、形成される第2の立体異性体がR,S−モナチンであることを示した。
トリプトファンおよびモナチンのアミノトランスフェラーゼ活性についてのアッセイ
突然変異体は、基質としてS,SモナチンおよびL−トリプトファンを使用するアミノ基転移活性について試験した。アミノトランスフェラーゼ活性は、実施例1に記載されるように、OPAポストカラム誘導体化を用いたHPLCによって、反応の副産物であるグルタミン酸の形成に従って測定した。反応混合物は、1.0mL中、100mM HEPPS緩衝液、pH8.0、20mMアルファ−ケトグルタル酸、0.08mMピリドキサールリン酸、25mMトリプトファンまたはS,Sモナチン、および酵素(細胞抽出物タンパク質における2.5mgとして供給)を含有した。酵素以外の成分はすべて、一緒に混合し、酵素は、反応を開始するために追加し、反応溶液は、90分間、30℃(緩やかに振盪させる)でインキュベートした。反応は、酵素を追加しないネガティブコントロールと共に二通り行った。反応は、10%ギ酸(最終濃度)の追加によって停止させ、混合物は、21,000rpmで遠心分離し、上清は注意深く取り出し、濾過した。データは、グルタミン酸のバックグラウンドレベルについておよびタンパク質を沈殿させるための、酸の追加による希釈について補正し、次いで、追加した突然変異体アミノトランスフェラーゼの量によって標準化した。トリプトファンを基質として利用した場合、HEXaspCは、毎時1mgのアミノトランスフェラーゼ当たり13.0mMグルタミン酸を生成した。突然変異体の、百分率として表した相対的活性は、以下のとおりである:HEXaspCW130F(156%)、HEXaspCT156A(151%)、HEXaspCP9T/T156A(63.7%)、HEXaspCP9T/R122G(116%)、およびHEXaspCR122G/T156A(107%)。S,Sモナチンを基質として利用した場合、HEXaspCは、毎時1mgのアミノトランスフェラーゼ当たり7.43mMグルタミン酸を生成した。突然変異体の、百分率として表した相対的活性は、以下のとおりである:HEXaspCW130F(113%)、HEXaspCT156A(87.7%)、HEXaspCP9T/T156A(67.3%)、HEXaspCP9T/R122G(11.2%)、およびHEXaspCR122G/T156A(114%)。
HEXaspCP9T/R122G突然変異体は、トリプトファンのインドール−3−ピルビン酸への変換に対する活性を増加させたが、S,Sモナチンアミノ基転移に対する活性を減少させた。モナチンに対するトリプトファンの活性の比は、HEXaspCの1.75と比較して18.2であり、これにより、HEXaspCP9T/R122G突然変異体は、実施例18および19に記載されるL−アミノトランスフェラーゼ等のL−アミノトランスフェラーゼを必要とする経路を使用するR,Rモナチンの生成のための望ましい候補となる。そのため、HEXaspCP9T/R122Gは、S,Sモナチン(およびMP)に対して限られた活性を有するアミノトランスフェラーゼの例となる。
ほとんどの突然変異は、L−トリプトファン活性を改善したが、2つの突然変異体だけが、L−トリプトファンおよびS,Sモナチンの両方に対する活性を増加させる(HEXaspCW130FおよびHEXaspCR122G/T156A)。25mMの基質をこれらのアッセイに使用したので、酵素はおそらく飽和し、活性は酵素のkcatの反映となる。しかしながら、S,Sモナチン生成についてのアッセイを行った条件下(上記)では、S−MPの濃度はおそらく酵素を飽和させるのに十分ではなく、したがってkcatの増加は反映されない。類似する基質に対して、いくつかの突然変異はkcatを増加させたが、アミノ酸基質に対する見かけのKmもまた増加させたことが報告された。増加性の濃度の基質を使用した場合、これらの2つの突然変異体は、HEXaspCと比較して、S,Sモナチンの生成速度における有益性を提供するであろうということが予想される。HEXaspCT156A突然変異は、S,Sモナチン生成に対する上記の条件下でのMPアミノ基転移速度に対して著しい効果を伴わずに、トリプトファンアミノ基転移速度を増加させたように思われる。
HEXaspCおよびバチルス種D−アミノトランスフェラーゼ酵素のうちの1つの構造の比較によって(たとえばS.Sugio,G.A.Petsko,J.M.Manning,K.Soda,およびD.Ringe,Biochemistry34(1995) pp.9661−9669を参照されたい)、D−アミノトランスフェラーゼ構造における対応する残基にAspCのW130F、R122G、T156A、およびHEX突然変異をマッピングすることができるかもしれない。広域特異性D−アミノトランスフェラーゼにおける類似する突然変異は、実施例14に記載されるR,Rモナチンの全体の生成を改善すると思われることが予想される。たとえば、AspCの中のトリプトファン130によって提供される機能性は、バチルスD−アミノトランスフェラーゼにおいてセリン179−181およびグルタミン酸166(YM−1番号付けスキーム)の側鎖間の水素結合と交換される。立体障害を減らすために、グルタミン酸をアスパラギン酸残基に突然変異させることができるかもしれない。いくつかのD−アミノトランスフェラーゼは位置179にトレオニン残基を有し、これは立体障害を増加させると思われるが、回避されるべきである。B.スファエリクス酵素は、位置181にセリンの代わりにアラニンを有し、アラニンはさらに立体障害を低下させる可能性がある。
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼに関する研究からの付加的な情報は、D−アミノ基転移酵素に同様に適用することができる。AspC酵素は、ジカルボン酸基質の側鎖と相互作用する活性部位にアルギニンを有しているが、D−アミノトランスフェラーゼはSer240からSer243までのループを有する。Ser240、Thr242、およびSer243の側鎖は、同じ方向を向き、Ser180の水酸基と共に、無極性基質および極性基質の両方が相互作用することができる表面を提供するポケットを形成する。Ser180はPLP結合に関連する。しかしながら、R−MPとのD−アミノトランスフェラーゼの活性を改善するために、Ser240、Thr242、またはSer243残基は、より大きな基質を受容するまたは負に荷電した基質に好都合となるように修飾することができる。たとえば、Thr242は、側鎖長を減らすためにSerに突然変異させることができる。Ser243等の、残基のうちの1つは、リシンまたはアルギニンに突然変異させることができる。残基(YM−1番号付け)Val30〜Val36は、D−アミノトランスフェラーゼの活性部位を横切るベータストランドに位置し、活性にとって重要である。Tyr31、Val33、Glu32、およびLys35は活性部位に面すると考えられる。Tyr31、Glu32、およびVal33はすべてのバチルス相同体において不変である。Roら(FEBS Lett 398(1996)pp.141−145)は、Val33をAlaに突然変異誘発させ、アルファ−ケトグルタル酸アミノ基転移に対する触媒効率がわずかに増加し、かつよりかさ高い基質(それほど立体障害にならない)に対する触媒効率が著しく改善されることを見い出した。いくつかの相同体では、Lys35はアルギニンと交換されるが、立体障害が関係する場合、Lys残基が好ましい。バリン34および36もまた、なおまたMP等の大きな分子に対してそれほど立体障害にならないので、イソロイシン等、保存的置換に関して好ましい。
グルタミン酸ラセマーゼおよびアスパラギン酸ラセマーゼのクローニング、発現、および試験
本実施例は、L−グルタミン酸およびD−グルタミン酸(またはL−およびD−アスパラギン酸またはL−およびD−アラニン)の間で相互変換するために使用することができるアミノ酸ラセマーゼ酵素をクローニングし、試験するために使用する方法を記載する。グルタミン酸ラセマーゼ、アスパラギン酸ラセマーゼ、またはアラニンラセマーゼは、経路における工程がL−アミノ酸(L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、またはL−アラニン等)を生成し、経路の他の工程がD−アミノ酸(D−グルタミン酸、D−アスパラギン酸、またはD−アラニン等)を消費する場合、R,Rモナチンを生成するための生合成経路に有用である。図4は、L−トリプトファン特異的アミノトランスフェラーゼ、R−特異的アルドラーゼ、D−アミノトランスフェラーゼ、およびグルタミン酸(またはアスパラギン酸またはアラニン)ラセマーゼを使用する、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための生合成経路を示す。
タグなしタンパク質および切断可能なN末端HIS−タグ/T7−タグを有する融合タンパク質の両方を産出するために、遺伝子は、pET28ベクターおよびpET30ベクター中にクローニングした。結果として生じたタンパク質は、固定金属アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製した。
実験概要
ラクトバチルス・ブレビス(Genbank受託番号D29627、核酸配列)およびペディオコッカス・ペントサセウス(murI遺伝子)(Genbank受託番号L22789)からのグルタミン酸ラセマーゼ(EC5.1.1.3)をコードする遺伝子は、イー・コリ中でクローニングし、発現させた:その抽出物は、D−グルタミン酸へのL−グルタミン酸の変換およびL−グルタミン酸へのD−グルタミン酸の変換における活性について試験した。BioCatalytics社製アスパラギン酸ラセマーゼ酵素(EC5.1.1.13)(BioCatalytics社、パサデナ、CA)もまた、L−およびD−アスパラギン酸間の相互転換について試験した。
クローニングためのゲノムDNAの単離
ラクトバチルス・ブレビスゲノムDNA(ATCC8287D)は、American Type Culture Collectionから得た。P.ペントサセウス(ATCC25745)は、ラクトバチルスMRSブロス中で37℃で成長させ、2mlは、Mekalanos JJ.Duplication and amplification of toxin genes in Vibrio cholerae.Cell.1983.35:253−63の方法を使用するゲノムDNA単離に使用した。
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコール
プライマーは、pET28ベクターおよびpET30ベクター(Novagen社、マディソン、WI)中にクローニングするために5’制限部位およびオーバーハングを用いて設計した。
ラクトバチルス・ブレビスグルタミン酸ラセマーゼプライマー:
N末端:5'-GCGGCGCCATGGAAAATGATCCGATTGGTCTAATG-3'(配列番号401)、および
C末端:5'-GCGGCGGTCGACGCAATTACAATTGTGTTTGTC-3'(配列番号402)。
P.ペントサセウスグルタミン酸ラセマーゼプライマー:
N末端:5'- GCGGCGCCATGGATGTATGTATAATTTTATTTAG-3'(配列番号403)、および
C末端:5'-GCGGCGGTCGACAAATTTCATTATTCATTCTAATTT-3'(配列番号404)。
ラクトバチルス・ブレビスに由来する遺伝子は、以下のPCRプロトコールを使用して増幅した。50μL反応において、0.150μg鋳型、1.6μMの各プライマー、0.4mM各dNTP、2.8U Expand High Fidelity(商標)ポリメラーゼ(Roche社、インディアナポリス、IN)、0.5U Pfuポリメラーゼ(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)、およびMg入りの1×Expand(商標)緩衝液を使用した。使用したサーモサイクラープログラムは3分間96℃でのホットスタートを含み、以下の工程を8回繰り返し:30秒間94℃、45秒間52℃、および2分間72℃、その後、以下の工程を22回繰り返した:30秒間94℃、45秒間60℃、および2分間72℃。22回繰り返した後、試料は、7分間72℃で維持し、次いで、4℃で保存した。このPCRプロトコールは、DNAサイズマーカーに対する比較により判断されるように、約830bpの産物を生成した。
P.ペントサセウスに由来する遺伝子は、以下のPCRプロトコールを使用して増幅した。50μL反応において、0.15μg鋳型、1.6μMの各プライマー、0.4mM各dNTP、2.8U Expand High Fidelity(商標)ポリメラーゼ、0.5U Pfuポリメラーゼ、およびMg入りの1×Expand(商標)緩衝液を追加した。使用したサーモサイクラープログラムは3分間96℃でのホットスタートを含み、その後、以下の工程を8回繰り返し:30秒間94℃、45秒間37℃、および2分間72℃、その後、以下の工程を8回繰り返し:30秒間94℃、45秒間45℃、および2分間72℃、その後、以下の工程を14回繰り返した:30秒間94℃、45秒間55℃、および2分間72℃。14回繰り返した後、試料は、7分間72℃で維持し、次いで、4℃で保存した。このPCRプロトコールは、DNAサイズマーカーに対する比較により判断されるように、約840bpの産物を生成した。
クローニング
PCR産物は、Qiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して、0.8%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。PCR産物は、SmartSpec 3000(商標)分光光度計を使用して定量した。産物は、メーカー推奨のプロトコール(New England Biolabs社、ビバリー、MA)に従って制限酵素NcoIおよびSalIを用いて消化し、Qiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して、0.8%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。ベクターpET28およびpET30は、制限酵素NcoIおよびSalIを用いた消化によって調製し、その後、エビアルカリフォスファターゼを用いる処理およびQiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用する0.8%TAE−アガロースゲルからの精製が続いた。
消化したベクターおよび挿入断片は、Rapid(商標)DNA Ligation Kit(Roche社、インディアナポリス、IN)を使用してライゲーションした。約50ngの処理した挿入断片、100ngの処理したベクター(ベクターに対する挿入断片の3対1のモル比)、5UのT4 DNAリガーゼ、および1×ライゲーション緩衝液を、室温で5分間インキュベートした。ライゲーション反応は、High Pure PCR Product Purification Kit(Roche社、インディアナポリス、IN)を使用して精製し、イー・コリDH10Bエレクトロコンピテント細胞(Invitrogen社、カールスバード、CA)を形質転換するために使用した。10μlの各ライゲーション反応物を、40μlのDH10B細胞に追加し、以下の条件下でBio−Rad社製Gene Pulser II(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してエレクトロポレーションによって形質転換した:0.2cmキュベット中2.5kV、25μF、200オーム。細胞は、225rpmで振盪させながら37℃で1時間、1mLの室温SOC中で回復させた。細胞は、カナマイシン(50μg/mL)を含有するLB平板上で平板培養した。
プラスミドDNAは、Qiagen社製スピンミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して結果として生じた形質転換体から精製し、NcoIおよびSalIを用いた制限消化によって正確な挿入断片についてスクリーニングした。正確な挿入断片を有するように思われるプラスミドの配列は、ジデオキシ連鎖停止DNA配列決定によって検証した。
遺伝子発現およびアッセイ
配列分析によって検証したプラスミドDNAは、イー・コリ発現宿主BL21(DE3)(Novagen社、マディソン、WI)中にサブクローニングした。培養物を成長させた。プラスミドは、Qiagen社製ミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して単離し、同一性を確認するために制限消化によって分析した。
BL21(DE3)中での誘発は、pET28(タグなし)ベクターおよびpET30(ヒスチジンタグ付き)ベクターの両方におけるラクトバチルス・ブレビスおよびP.ペントサセウスのグルタミン酸ラセマーゼで最初に行った。時間的経過研究は、カナマイシン(50mg/L)を含有する250mL LB中で0.5〜0.6のOD600まで成長させた培養物を用いて行い、100mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘発し、誘発後、0および3時間にサンプリングした。600μL(0時間)および275μL(3時間)からの細胞は、2−メルカプトエタノールを含有する40μLドデシル硫酸ナトリウム緩衝液中に再懸濁し、10分間95℃で加熱し、冷却した。これらの全細胞タンパク質試料の一定分量を、4〜15%勾配ゲルを使用してSDS−PAGEによって分析した。
細胞抽出物は、さらに、0.625μLベンゾナーゼヌクレアーゼおよび3μLプロテアーゼインヒビターカクテルセット#3(Calbiochem−Novabiochem社、サンディエゴ、CA)を含有する0.625mL Novagen BugBuster(商標)試薬(Novagen社、マディソン、WI)中の5mLの培養からの細胞ペレットを緩やかに振盪させながら20分間室温で懸濁させることによってならびに細胞片を除去するために16,000×gで遠心分離することによって3時間培養物から調製した。上清(細胞抽出物)は、細胞可溶性タンパク質の分析のために4〜15%勾配ゲル上に装填した。
クローニングしたラクトバチルス・ブレビスグルタミン酸ラセマーゼおよびP.ペントサセウスグルタミン酸ラセマーゼからの3時間試料は、正確なサイズ(約31kDa)に相当する全可溶性タンパク質を示した。ラクトバチルス・ブレビスpET30(ヒスチジンタグ付き)遺伝子産物は、両ベクター中のP.ペントサセウス遺伝子産物と同様に、ラクトバチルス・ブレビスpET28(タグなし)遺伝子産物よりも高レベルで過剰発現し、さらにより可溶性であった(>20%の可溶性タンパク質)。P.ペントサセウス遺伝子産物は、pET28ベクターおよびpET30ベクターにおいて同等の過剰発現および可溶性を示し、ラクトバチルス・ブレビスpET30遺伝子産物で観察されたものよりも著しく低かった。
誘発した培養物(250mL)からの細胞は、遠心分離し、0.85%NaClを用いて1回洗浄した。細胞ペレットは、5μL/mLプロテアーゼインヒビターカクテルセット#3(Calbiochem−Novabiochem社、サンディエゴ、CA)および1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼを含有する5mL/湿細胞重量gのBugBuster(商標)(Novagen社、マディソン、WI)試薬中に再懸濁させた。試料は、オービタルシェーカー上で20分間室温でインキュベートした。不溶性細胞片は、4℃で20分間16,000×gでの遠心分離によって除去した。
細胞抽出物は以下のプロトコールを使用して、グルタミン酸ラセマーゼ活性についてアッセイした。400〜μL反応は、10mMリン酸カリウム(pH8.0)、0.2mM DTT、および10mM L−グルタミン酸またはD−グルタミン酸中で行った。反応は、20〜100μLの無細胞抽出物の追加によって開始し、室温でインキュベートした。試料の一定分量は、1分間、5分間、10分間、20分間、および1時間の時間的経過の間に取った(0分間の試料はコントロール反応として取り扱った)。2Mギ酸(25μL)は、反応を停止するために各40〜μL試料の一定分量に追加し、沈殿したタンパク質は、遠心分離によって除去した。上清は、取り出し、LC/MS/MSによって分析するまで−80℃で凍結させた。
100mM IPTG(3時間)を用いたpET30誘発からの細胞抽出物からのアッセイ結果は、ラクトバチルス・ブレビス(Genbank受託番号BAA06106.1 GI:468450)およびP.ペントサセウス(Genbank受託番号AAA16761.1 GI:349029)の酵素が両グルタミン酸異性体に対して著しいレベルのラセマーゼ活性を有することを実証する。P.ペントサセウスラセマーゼ(20μLの細胞抽出物)は、いずれかの基質から始めて、10〜20分間でL−およびD−グルタミン酸の間で平衡に達した。ラクトバチルス・ブレビス酵素(20μLの細胞抽出物)もまた約20分間で平衡に達した。
BioCatalytics社(パサデナ、CA)から購入した部分的に精製したアスパラギン酸ラセマーゼ酵素(カタログ#ASPR−101)は、上記のプロトコールに類似するプロトコールを使用して、L−アスパラギン酸およびD−アスパラギン酸に対する活性についてアッセイした。市販の酵素は、両異性体に対してラセマーゼ活性を示した。0.5〜1mgの酵素を使用して、平衡は20〜60分間で達成された。
すべての3つのラセマーゼ(ラクトバチルス・ブレビスグルタミン酸ラセマーゼ、P.ペントサセウスグルタミン酸ラセマーゼ、およびBioCatalytics社製アスパラギン酸ラセマーゼ)はまた、以下のプロトコールを使用したS,Sモナチンに対する活性についてもアッセイした。400〜μL反応は、10mMリン酸カリウム(pH8.0)、0.2mM DTT、および10mM S,Sモナチン中で行った。反応は、無細胞抽出物(ラクトバチルス・ブレビスおよびP.ペントサセウス)または精製酵素(BioCatalytics社製アスパラギン酸ラセマーゼ)の追加によって開始し、室温でインキュベートした。一定分量の試料は、1分間、5分間、10分間、20分間、および1時間の時間的経過の間に取った(0分間の試料は、酵素なしの試料と同様にコントロール反応として取り扱った)。2Mギ酸(25μL)は、反応を停止させるために各40〜μL試料の一定分量に追加し、沈殿したタンパク質は、遠心分離によって除去した。上清は、取り出し、LC/MS/MSによって分析するまで−80℃で凍結させた(実施例1)。S,Sモナチン濃度の減少は、長い間にわたって示されず、S,Rモナチンのいかなる増加もなかった(酵素なしのコントロールでさえ、<5%混入副生成物として最初に存在)。したがって、アッセイしたラセマーゼのどれも、モナチンに対する活性を示さなかった。
グルタミン酸ラセマーゼまたはアスパラギン酸ラセマーゼを使用する、L−トリプトファンからのR,Rモナチンの生成
本実施例は、L−トリプトファン(L−チロシンまたは芳香族)アミノトランスフェラーゼ、ProAアルドラーゼ、グルタミン酸またはアスパラギン酸ラセマーゼ、および広域特異性D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼを使用して、L−トリプトファンから立体異性的に豊富なR,Rモナチンを生成する方法を記載する。図5は経路を示す図である。立体異性的に豊富なR,Rモナチンの生成へのこのアプローチは、モナチン前駆体(MP)からのモナチンの生成において低い活性を有する、工程1の酵素を必要とする。前の結果に基づき、我々は、国際公開第03/091396A2号の実施例1に記載されるシノリゾビウム・メリロティおよびロドバクター・スフェロイデスのtatA遺伝子産物を使用した。
材料と方法
ラクトバチルス・ブレビスおよびP.ペントサセウスからのグルタミン酸ラセマーゼは、実施例17に記載されるようにイー・コリ中で生成した。いくつかの場合では、これらの酵素のHis−タグ付きバージョンは、メーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI)に従ってHis−Bind900カートリッジを使用して精製し、PD−10カラム(G25 Sephadex、GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を使用して、脱塩し、イミダゾールを除去した。酵素は、25mMリン酸カリウムpH8.0中に溶出した。アスパラギン酸ラセマーゼ(ASPR−101)およびD−アミノトランスフェラーゼ(AT−103)はBioCatalytics社(パサデナ、CA)から購入した。S.メリロティおよびR.スフェロイデスのチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼは、国際公開第03/091396A2号の実施例1に記載されるように調製した。コマモナス・テストステローニProAアルドラーゼは国際公開第03/091396A2号の実施例4に記載されるように調製した。全タンパク質アッセイは、メーカーのプロトコールに従ってBio−Rad社製タンパク質アッセイ(ヘラクレス、CA)を利用して行った。
ラセマーゼを使用して生成されたS,Sモナチンの量の低下
反応混合物(1mL容量、二通り実行)は、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8)、2mM MgCl、0.05mMピリドキサール−5’−リン酸(PLP)、200mMピルビン酸ナトリウム、5mM α−ケトグルタル酸ナトリウム、またはオキサロ酢酸塩、細胞抽出物において供給された約280μg/mL S.メリロティTatA、1mg/mL BioCatalytics社製D−アミノトランスフェラーゼ(AT−103)(BioCatalytics社、パサデナ、CA)、100μL/mLのグルタミン酸ラセマーゼ細胞抽出物または1mg/mLアスパラギン酸ラセマーゼ、および細胞抽出物として提供された約100μg/mLのProAアルドラーゼを含有した。固体トリプトファンは10.2mg/mlの濃度で追加した。ネガティブコントロールはラセマーゼを含有しなかった。試料は、1時間、2時間、または一晩30℃(250rpmで振盪しながら)でインキュベートした。試料は、沈澱物を除去するために遠心分離し、シリンジで濾過し、実施例1に記載されるLC/MS/MS法を使用する、モナチンについての分析前に−80℃で保存した。ほとんどの試料は、細胞抽出物中に存在する天然のL−アミノトランスフェラーゼの量のために、>95%のS,Sモナチンを含有した。しかしながら、ラセマーゼを含有した試料は、L−グルタミン酸をMPのアミノ基転移にそれほど利用可能でなくしてしまったラセマーゼ酵素の結果として、全モナチンの量が低下した。ラセマーゼなしでは、1545〜2355ppmのモナチン(圧倒的にS,S)が時間的経過の間に生成された。ラセマーゼが存在しても、340〜879ppm(ラクトバチルス・ブレビス酵素)、444〜531ppm(P.ペントサセウス酵素)、および506〜1460ppmモナチン(アスパラギン酸ラセマーゼ)が生成されたにすぎなかった。これらのデータは、ラセマーゼがモナチンを生成するのに必要な反応条件において活性であることを示す。アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ等の細胞抽出物酵素からのS,Sモナチンの形成を最小限にするために、さらなる実験を、精製酵素およびL−アミノトランスフェラーゼ酵素に対するより高い比のD−アミノトランスフェラーゼを用いて行った。
モナチンの4−R含有異性体へのL−トリプトファンの変換
上記実験は、約54μgの精製L−アミノトランスフェラーゼ(S.メリロティまたはR.スフェロイデスのTatAのいずれか)、1mgアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics社、パサデナ、CA)、1mgD−アミノトランスフェラーゼ、アミノ受容体としてのオキサロ酢酸塩、および75μg精製アルドラーゼを使用して繰り返した。反応は、2時間のサンプリング時間および一晩のインキュベーション時間で二通り実行した。ネガティブコントロールは、ラセマーゼを用いずS.メリロティ L−アミノトランスフェラーゼを用いて行った。逆相クロマトグラフィーに基づくR,R/S,SおよびS,R/R,Sモナチンピーク定量化の定量化に加えて、各立体異性体の百分率は、実施例1に記載されるFDAA誘導体化技術を使用して決定した。結果は以下のとおりである。
Figure 0005441417
明らかに、ラセマーゼの存在は、S.メリロティTatAをL−トリプトファンアミノ基転移のための酵素として使用した場合、生成されたモナチンの全量を増加させた。モナチンレベルは、2時間のアッセイで平均6.4から16.5ppmに、一晩のアッセイで平均41から73ppmに増加した。さらに、形成されたR,Rのパーセントは、ラセマーゼ酵素を利用することにより約1%から58%までも増加した。他の強力な甘味料である、モナチンのS,R立体異性体は、他方の主成分であり、ネガティブコントロールでのほぼ0から31%に増加した。R.スフェロイデスTatAは、明らかに、S.メリロティL−トランスアミナーゼよりもS−MPに対してより活性を有し、モナチンの4−R異性体が所望の生成物である場合、MPと比較して、L−トリプトファンに対して高い基質特異性を有する酵素を有することの重要性が実証された。2時間の時点で全モナチンの約10%が4Sであるので、S.メリロティTatAはMPに対して限られた活性を有すると考えることができるかもしれない。
実験は、精製S.メリロティTatA(54μg)およびラクトバチルス・ブレビスグルタミン酸ラセマーゼを用いて繰り返した。精製グルタミン酸ラセマーゼを使用した場合、1mL反応当たり約64μgを使用した。グルタミン酸ラセマーゼを含有する細胞抽出物もまた試験し、1.4mgの可溶性タンパク質を使用した。ラセマーゼなしのネガティブコントロールをもう一度利用し、試料はすべて二通り実行した。結果は以下のとおりである。
Figure 0005441417
さらに、ラセマーゼの追加は、S,Sモナチンと比較してモナチンの4R含有異性体の相対量を増加させるだけではなく、L−トリプトファンから生成される全モナチンを増加させることは明らかである。精製アルドラーゼ、ラセマーゼ、およびL−アミノトランスフェラーゼの使用は、所望の立体異性体形成をコントロールするための能力を非常に改善する。Dアミノトランスフェラーゼに対するLアミノトランスフェラーゼの比もまた、最終生成物の原子の空間的配置を操作するための方法である。
実施例13における表18および19に示される結果を上記条件に類似する反応条件を用いた結果と比較すると、約7〜29ppmのモナチンがインドール−3−ピルビン酸から形成され、また、形成されたR,Rモナチンの百分率は約51〜90%であったことが理解できる。アスパラギン酸ラセマーゼの使用は、16〜78ppmモナチンまで生成されたモナチンの全量を増加させ、R,R%は約40〜58%であった。さらに、より安定性でかつそれほど高価ではない原料であるL−トリプトファンを利用した。実施例14では、約73ppmモナチンは、R,R:S,Rの比が約1.7:1でD−トリプトファンから生成された。4R異性体の全量は、全モナチンの>80%であった。R,R−モナチンおよびS,R−モナチンの両方は強力な甘味料(スクロースよりも>1000倍甘い)であるので、高価なD−アミノ酸基質を必要とすることなくこれらの異性体を豊富にする能力は重大である。
実施例13および14に記載されるように、D−アラニンは、モナチンへのMPのアミノ基転移のためのアミノ供与体として役立ち得る。多くのL−アミノトランスフェラーゼは、アミノ受容体としてある程度までピルビン酸を利用し、かつL−アラニンを生成する能力を有する。上述の反応は高濃度のピルビン酸を使用するので、ピルビン酸のうちのいくらかはおそらくL−アラニンに変換される。たとえば、L−トリプトファンのアミノ基転移の間に、実施例16に記載されるHexAspC酵素は、アルファ−ケトグルタル酸が不在の場合に、2時間で、10〜18%のピルビン酸(50〜200mM初期濃度)をL−アラニンに変換することがわかった。両アミノ受容体が高濃度(>50mM)で存在する場合、酵素は、アルファ−ケトグルタル酸に対する10倍の選好性を示した。AspC(国際公開第03/091396A2号に記載される)もまた、ピルビン酸からいくらかのL−アラニンを生成した。したがって、上記の反応において、アルファ−ケトグルタル酸またはオキサロ酢酸塩の追加を省略し、グルタミン酸ラセマーゼまたはアスパラギン酸ラセマーゼの代わりにアラニンラセマーゼ(EC5.1.1.1)を利用することができることが予想される。アラニンラセマーゼ酵素は、ブルセラ・アボルタスおよびストレプトコッカス・フェカリス中で初めて同定された(Marr,A.G.およびWilson,P.W. Arch.Biochem.Biophys.,49(1954)424−433ならびにWood,W.A.およびGunsalus,I.C. J.Biol.Chem.,190(1951)403−416)。サルモネラ・チフィリウムにおけるdadB遺伝子は、アラニンラセマーゼ活性の源として同定され、数百種の相同体はゲノミクスデータベース中に見つけることができる。アラニンラセマーゼ活性の他の知られている源は、エシェリキア・コリ、バチルス・スブチリス、シュードモナス・エルジノーサ、ビブリオ・コレレ、シゾサッカロミセス・ポンベ、およびバチルス・セレウスである。担子菌類のキノコ、シイタケもまた活性の広いアラニンラセマーゼを含有する。バチルス・ステアロサーモフィルスからの耐熱性相同体は、Sigma−Aldrich社(カタログ#A8936)(Sigma−Aldrich社、セントルイス、MO)からの購入で入手可能であり、商業的応用のために固定化された(Inagaki,K.,Biochemistry,25:3268 1986)。アラニンラセマーゼは、突然変異誘発性PCR、突然変異誘発性株による継代、または当業者に知られている他の方法等のランダムな方法によって、グルタミン酸ラセマーゼまたはアスパラギン酸ラセマーゼに変換される。アラニンラセマーゼのより集中したな進化は、Lys129、Met134、ならびにGly283およびTrp28残基を含む、Gly283およびTrp28の間にある残基(バチルス・ステアロサーモフィルスからの番号付け)を含む活性部位残基上に集中する。
D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(D−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ)
図3に示されるように、D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、モナチンの生成のための生合成経路で有用である。たとえば、D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、アミノ供与体としてのL−グルタミン酸を用いてR−MPからR,Rモナチンを生成する。
オリゴヌクレオチドプライマーからのP.スタッツェリ4D−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼのPCR合成
本実施例は、アミノ供与体としてL−グルタミン酸を使用して、Rモナチン前駆体をR,Rモナチンに変換するために使用することができる立体反転酵素である4D−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを合成するために使用される方法を記載する。
プライマー設計
シュードモナス・スタッツェリ4D−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(4D−HPG AT)についての公開配列(Genbank受託番号AY319935、核酸配列;Genbank受託番号AAQ8290、タンパク質配列)をPCRプライマー設計のための鋳型として使用した。あるいは、シュードモナス・プチダ(CAD42450(タンパク質)、AX467211(ヌクレオチド))からの4−D−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを配列鋳型として使用する。合計34個の順方向プライマーおよび35個の逆方向プライマーを設計した。順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、40塩基長であり、20個のオーバーラップ塩基対を共有した。さらに、2つの外部プライマーは、pET28ベクターおよびpET30ベクター(Novagen社、マディソン、WI)中にクローニングするために5’制限部位およびオーバーハングを用いて設計した。
P.スタッツェリ4D−HPG ATの外部プライマー:N末(NdeI部位を有する):
5'-GGCCGGCATATGTCGATCCTTAACGACTACAAACGT-3'(配列番号405)、
およびC末(XhoI部位を有する):
5'-GGAAGGCTCGAGTCATGATTGGTTTCCAGACAAATT-3'(配列番号406)。
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコール
P.スタッツェリからの遺伝子配列は、以下のプロトコールを使用して増幅した。一次100μL PCR反応は、0.05μMのそれぞれの69個の内部プライマー、0.4mM各dNTP、10U rTth PolymeraseXL(Roche社、インディアナポリス、IN)、0.625U Pfuポリメラーゼ(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)、1×XL緩衝液、および1mM Mg(OAc)を含んだ。使用されるサーモサイクラープログラムは、3分間94℃でのホットスタートを含み、以下の工程を15回繰り返し:30秒間94℃、30秒間42℃、および15秒間68℃、その後、以下の工程を10回繰り返し:30秒間94℃、30秒間52℃、および30秒間68℃、その後、以下の工程を10回繰り返した:30秒間94℃、30秒間60℃、および1分15秒間68℃。最終の10サイクルの後、試料は、7分間68℃で維持し、次いで、4℃で保存した。このPCRプロトコールは、0.8%TAE−アガロースゲル上で約0.5kbに産物のスメアを生成した。
二次PCR反応物は、鋳型として一次PCR反応物を使用して設定した。二次100μL PCR反応は、2.5μLの一次PCR反応物、0.5μMのそれぞれの2個の外部プライマー(NdeI制限部位およびXhoI制限部位を有する)、0.4mMの各dNTP、10U rTth PolymeraseXL、0.625U Pfuポリメラーゼ、1×XL緩衝液、および1mM Mg(OAc)を含んだ。使用されるサーモサイクラープログラムは、3分間94℃でのホットスタートを含み、以下の工程を10回繰り返し:30秒間94℃、30秒間52℃、および1分30秒間68℃、その後、以下の工程を15回繰り返した:30秒間94℃、30秒間60℃、および1分30秒間68℃。15回繰り返した後、試料は、7分間68℃で維持し、次いで、4℃で保存した。このPCRプロトコールにより、0.8%TAE−アガロースゲル上で約1.4kbに特有の産物バンドが生成された。
PCR産物は、Qiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して0.8%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。産物は、TOPOクローニングし、メーカーのプロトコール(Invitrogen社、カールスバード、CA)に従ってTOP10細胞に形質転換した。プラスミドDNAは、Qiagen社製スピンミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して結果として生じた形質転換体から精製し、NdeIおよびXhoIを用いた制限消化によって正確な挿入断片についてスクリーニングした。正確な挿入断片を有するように思われるプラスミドの配列は、汎発性のM13順方向プライマーおよびM13逆方向プライマーを用いてジデオキシ連鎖停止DNA配列決定によって検証した。配列決定した10個のクローンのうち、すべてが所望の配列からの少なくとも1つの突然変異を有した。最も優れたクローンは、アミノ酸変化をもたらした単一の塩基対突然変異を有した。このクローンの配列は、メーカーの推奨(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)に従って、QuickChange Mutagenesisプロトコールを使用して補正した。
補正したTOPOクローンは、メーカー推奨のプロトコール(New England Biolabs社、ビバリー、MA)に従って、制限酵素NdeIおよびXhoIを用いて消化し、Qiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して、0.8%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。ベクターpET28およびpET30は、制限酵素NdeIおよびXhoIを用いた消化により調製し、その後、エビアルカリフォスファターゼを用いる処理およびQiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用する0.8%TAE−アガロースゲルからの精製が続いた。
消化したベクターおよび挿入断片は、NEB社製Quick Ligation Kit(ビバリー、MA)を使用してライゲーションした。約50ngの処理した挿入断片、100ngの処理したベクター(ベクターに対する挿入断片の3対1のモル比)、5UのT4 DNAリガーゼ、および1×ライゲーション緩衝液を、室温で5分間インキュベートした。ライゲーション混合物は、TOP10F’化学的コンピテント細胞(Invitrogen社、カールスバード、CA)に形質転換し、細胞は、225rpmで振盪させながら37℃で1時間、0.25mLの室温SOC中で回復させた。細胞は、カナマイシン(50μg/mL)を含有するLB平板上で平板培養した。プラスミドDNAは、Qiagen社製スピンミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して結果として生じた形質転換体から精製し、NdeIおよびXhoIを用いた制限消化によって正確な挿入断片についてスクリーニングした。
遺伝子発現およびアッセイ
プラスミドDNAは、イー・コリ発現宿主BL21(DE3)(Novagen社、マディソン、WI)中に形質転換した。培養物を成長させ、プラスミドは、Qiagen社製ミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して単離し、同一性を確認するために制限消化によって分析した。
BL21(DE3)中での誘発は、pET28ベクター(ヒスチジンタグ付き)およびpET30(タグなし)ベクターの両方においてP.スタッツェリ4D−HPGを用いて最初に行った。時間的経過研究は、カナマイシン(50mg/L)を含有する250mL LB中で0.5〜0.6のOD600まで成長させた培養物を用いて行い、100mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘発し、誘発後、0および3時間にサンプリングする。0時間および3時間からの適切な容量の細胞は、2−メルカプトエタノールを含有する40μLドデシル硫酸ナトリウム緩衝液中に再懸濁し、10分間95℃で加熱し、冷却した。これらの全細胞タンパク質試料の一定分量を、4〜15%勾配ゲルを使用してSDS−PAGEによって分析する。
細胞抽出物は、さらに、0.625μLベンゾナーゼヌクレアーゼおよび3μLプロテアーゼインヒビターカクテルセット#3(Calbiochem−Novabiochem社、サンディエゴ、CA)を含有する0.625mL Novagen社製BugBuster(商標)試薬(Novagen社、マディソン、WI)中の5mLの培養物からの細胞ペレットを緩やかに振盪させながら20分間室温で懸濁させることによってならびに細胞片を除去するために16,000×gで遠心分離することによって3時間培養物から調製する。上清(細胞抽出物)は、細胞可溶性タンパク質の分析のために4〜15%勾配ゲル上に装填する。必要であれば、タンパク質は、メーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI)に従ってHis−Bind900カートリッジを使用して精製し、PD−10カラム(G25 Sephadex、GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を使用して、脱塩し、イミダゾールを除去した。
D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(DPGAT)を有する生物
立体反転D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(D−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼとも呼ばれる)を有するシュードモナス属および同様な属の生物は、以下の様式で単離する。土壌試料は、以下の培地を有するペトリ皿上でインキュベートする:(1リットル当たり)15g寒天、3.4g KHPO、3.55g NaHPO、0.2g MgSO・7HO、8mg CaCl・2HO、10mg酵母抽出物、1ml 1000×微量元素溶液、1g D−フェニルグリシン(D−4−ヒドロキシフェニルグリシン)。
単離物は、立体反転アミノトランスフェラーゼ(プライマーは、知られているD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼから設計)の存在についてPCRにより試験するまたは立体反転アミノトランスフェラーゼの存在について以下のようにさらに豊富にする:平板培養物からの単離物は、約1.0のOD600まで、振盪させながら、30℃で、寒天を引いた上記の液体培地において成長することができた。細胞は遠心分離により採取し、0.85%NaClを用いて2回洗浄する。10mg(湿量)試料は、1mlリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)および5mM D−フェニルグリシン(またはD−4−ヒドロキシフェニルグリシン)中に懸濁させる。中和した15mM(アミノオキシ)酢酸は、上記に記載されるように調製した試料を2倍にするために追加する。D−フェニルグリシン(またはD−4−ヒドロキシグリシン)の消費量をHPLCにより測定する。D−フェニルグリシン(またはD−4−ヒドロキシフェニルグリシン)を分解することができるが、(アミノオキシ)酢酸の存在下ではより遅い速度で分解する単離物を、さらなる分析のために選択する。単離物は、立体反転アミノトランスフェラーゼ(プライマーは、知られているD−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼから設計)の存在についてPCRにより試験する。
立体反転アミノトランスフェラーゼの存在は、上記に記載されるように液体培地中で培養物を成長させ、細胞を採取し、無細胞粗抽出物(CFE)を作製し、D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(またはD−4−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ)酵素活性について試験することにより確認する。CFEは、以下の最終濃度を有する反応混合物に追加する:0.1M CAPS(pH9.5)、60mM L−グルタミン酸(ナトリウム塩)、5mMベンゾイルフォルメート(benzoyl formate)(または4−ヒドロキシベンゾエート)、および50μM PLP。逆反応は、以下の濃度を有する反応混合物にCFEを追加することにより測定する:50mMリン酸カリウム(pH7.0)、60mM D−フェニルグリシン(またはD−4−ヒドロキシフェニルグリシン)、5mM α−ケトグルタル酸、50μM PLP。アッセイは、35℃でインキュベートし、一定分量を複数の時点で取り、2分間煮沸することにより停止させる。生成物は、Gil−Av,E.,Tishbee,A.,Hare,P.E.,Resolution of underivatized amino acids by reversed phase chromatography. J.Am.Chem.Soc.,102:5115−5117 (1980)のHLPC法によってまたは実施例1に記載される方法(グルタミン酸形成の測定)によって定量されることとなる。
PCRベースの方法の代わりとして、立体反転D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、硫安分画を含む従来のタンパク質精製技術および従来のカラムクロマトグラフイーによって単離細菌から精製される。タンパク質が合理的な程度まで精製されると、ペプチドマイクロシークエンシング技術または従来のEdoman型アミノ酸配列が利用される(この種の作業に使用されるプロトコールおよび設備の記載についてはgolgi.harvard.edu/microchem/を参照されたい)。縮重プライマーを、最も近い知られている類縁のタンパク質源から入手可能な配列に基づき設計する。次いで、縮重PCRおよびゲノムウォーキングを、立体反転D−フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼコード配列を単離するために確立されたプロトコールに従って行う。
DPGATモナチン生成
上記の(1)および(2)に記載されるD−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは粗無細胞タンパク質抽出物において使用するまたは上記の(1)に記載されるように精製する。S.メリロティおよびR.スフェロイデスのチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼは、国際公開第03/091396A2号の実施例1に記載されるように調製する。コマモナス・テストステローニProAアルドラーゼは国際公開第03/091396A2号の実施例4に記載されるように調製する。全タンパク質アッセイは、メーカーのプロトコールに従ってBio−Rad社製Protein Assayを利用して行う(ヘラクレス、CA)。
反応混合物(1mL容量、二通り実行)は、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8)、2mM MgCl、0.05mMピリドキサール−5’−リン酸(PLP)、200mMピルビン酸ナトリウム、5mM α−ケトグルタル酸ナトリウム、細胞抽出物において供給された約280μg/mL S.メリロティTatA、100μL/mLのD−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ細胞抽出物または1mg/mL精製D−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ、および細胞抽出物として提供された約100μg/mLのProAアルドラーゼを含有した。固体トリプトファンは10.2mg/mlの濃度で追加する。ネガティブコントロールはD−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼなしで設定する。試料は、約1時間または一晩、緩やかに振盪させながら30℃でインキュベートする。試料は、沈澱物を除去するために遠心分離し、シリンジで濾過し、実施例1に記載されるLC/MS/MS法を使用するモナチンについての分析前に−80℃で保存する。
モナチン生成に対する改善された活性を有するD−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、突然変異誘発性PCR、突然変異誘発性株による継代、または部位特異的突然変異誘発を含む、当業者に知られている突然変異誘発技術によって作製する。改善されたD−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、窒素の源としてR,R−モナチンを有する最少培地上での成長によって選択する。最初、選択は成長に基づくが、改善されたアミノトランスフェラーゼが選択されると、スクリーニングは成長速度に基づく。すなわち、遺伝子の突然変異バージョンを有する細胞は成長し、遺伝子は、窒素源としてR,R−モナチンを有する最少培地中で発現する。遺伝子の突然変異バージョンを有する細胞の成長速度は、未突然変異バージョンと比較する。より速い成長速度を有するそれらの細胞を選択し、アミノトランスフェラーゼをさらに分析する。D−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、エラープローンPCRおよび突然変異誘発性株による継代等の利用可能な技術によってまたはDNAシャフリングおよび他の進化分子工学(directed evolution)技術等の許可を得た方法によって突然変異誘発させる。
DPGATアッセイ
組換えD−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを有する細胞を成長させ、タンパク質を発現し、実施例17に記載されるようにまたは標準のプロトコールによって細胞を溶解させた。タンパク質は、記載される方法を使用してその天然の宿主中で発現させる(Wiyakrutta,W.,Meevootisom,V.A stereoinverting D−phenylglycine aminotransferase from Pseudomonas stutzeri ST−201:purification,characterization,and application for D−phenylglycine synthesis. J.Biotechnol.,55:193−203 (1997))。
無細胞抽出物は、以下の最終濃度を有する反応混合物に追加する:100mMリン酸カリウム(pH7.0〜8.5)、60mM D−フェニルグリシン(またはD−4−ヒドロキシフェニルグリシン)、5mM α−ケトグルタル酸、50μM PLP。アッセイは、室温でインキュベートし、一定分量を複数の時点で取り、等容量のギ酸の追加により停止させた。生成物(L−グルタミン酸)は実施例1に記載される方法により定量する。
D−メチオニンアミノトランスフェラーゼ遺伝子の発見
背景
D−メチオニン−ピルビン酸アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.41)は、まれであるが、立体反転トランスアミナーゼの他の例であると考えられる。この酵素は、L−アラニンおよび4−メチルチオ−2−オキソブタノエートへのD−メチオニンおよびピルビン酸の可逆的な変換を触媒する。オキサロ酢酸、フェニルピルビン酸、2−オキソ酪酸、2−オキソ吉草酸、2−オキソヘプタン酸、グリオキシレート、およびオキソグルタル酸もまたアミノ受容体として役立ち得る。
DまたはLメチオニンのアミノ基転移は、土壌微生物(エシェリキア・コリ、シュードモナス・ピシ(Pseudomonas pisi)、シュードモナス・エルジノーサ、バチルス・ミコイデス、アシネトバクター・カルコアセティカス、エロモナス・ハイドロフィラB12E、リゾビウム・トリフォーリ(Rhizobium trifolii)N2P7、ペニシリウム・ディジタータム、サッカロマイセス・セレビシエ、コリネバクテリウムD7F)と同様に、高等植物(カリフラワー、トマト、リンゴ、エンドウ茎、バナナ、ピーナッツ)におけるエチレン生成への経路の一部であると考えられる。D.C.Billington,B.T.Golding,およびS.B.Primrose Biochem J.(1979)182,827−836。細菌では、L−メチオニンは、エチレン生成研究における基質として通常使用され、イー・コリからのTyrBまたはAspC等の広域特異性酵素は、アミノ基転移を担うと考えられる。しかしながら、S.B.Primrose J.Gen.Microbiol.(1976),95(1),159−65およびS.B.Primrose J.Gen.Microbiol.(1977),98,519−528.は、イー・コリ株SPA O(University of Warwick culture collection)が、バッチ培養法において、L−メチオニンからのエチレンとほとんど同じ量のエチレンをD−メチオニンから生成したことを示した。広域特異性D−アミノトランスフェラーゼはイー・コリにおいて同定されていないので、可能性のある1つの説明として、イー・コリD−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(dadA遺伝子によってコードされる)は、D−メチオニンを4−メチルチオ−2−オキソブタノエートに変換する、とすることができるかもしれない。メチオニンラセマーゼがイー・コリにある可能性もある、しかしながら上記の酵素は文献に記載されていない。
イー・コリとは対照的に、カリフラワー小花(ミトコンドリア抽出調製物)および発芽ピーナッツ種子では、エチレンの生成は、L−メチオニンおよびピルビン酸と比較して、D−メチオニンおよびピルビン酸を酵素抽出物に供給した場合に、より高かった(L.W.Mapson,J.F.March,およびD.A.Wardale Biochem J.(1969)115,653−661;J.I.Durham,P.W.Morgan,J.M.PrescottおよびC.M.Lyman Phytochemistry(1973)12,2123−2126)。したがって、メチオニンラセマーゼおよびL−アミノトランスフェラーゼの組み合わせの可能性は、そのデータによって支持されない。デヒドロゲナーゼ活性は、カリフラワーの細胞抽出物の透析により除外し、NADはアッセイ混合物中に存在しなかった。酸素の消費量が示されなかったようにオキシダーゼ活性は除外し、FADの必要性はなかった。ピーナッツ組織からのD−メチオニンアミノトランスフェラーゼは、精製し、PLPに依存性であることを示し、L−メチオニンアミノトランスフェラーゼ活性に非依存性であることを示した。これらのD−メチオニン−ピルビン酸アミノトランスフェラーゼが副生成物としてD−アラニンを実際に生成する可能性があり(実施例13および14に記載されるバチルス酵素に類似する)、また細胞が、D−アラニンを再利用して、L−アラニン(または類似のアミノ供与体)に戻すアラニンラセマーゼを含有する可能性がある。いずれの場合も、高等植物からの広域特異性D−アミノトランスフェラーゼの発見は、R,RモナチンまたはS,Rモナチンを生成するプロセスの開発に有利である。
実験概要
D−メチオニンアミノトランスフェラーゼは、標準のクロマトグラフィープロトコールおよびPharmacia社製AKTA Explorerシステムを使用して、カリフラワー小花および発芽ピーナッツ胚から部分的に精製する。相同タンパク質のタンパク質配列は、LC/MS/MSフィンガープリント技術およびHarvard Microchemistry機関によって行われるデータベース検索により決定する。植物遺伝子のコード領域は、実施例19に記載されるように、標準のPCRプロトコールを使用することによってまたは遺伝子の合成によってcDNAライブラリーからクローニングする。
あるいは、cDNA発現ライブラリーは、D−メチオニン存在下で成長させた(かつエチレンを生成する)カリフラワー組織またはピーナッツ種子から構築する(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)。ライブラリーは、株RC519またはAB1931等の、E.coli Genetic Stock Center(エール)からのイー・コリメチオニン栄養素要求株中に形質転換する。D−メチオニンを含有する最少培地上で成長が可能な株のプラスミドは、興味のあるコード領域を含有する(実施例15、類似のスクリーニング技術を参照されたい)。
興味のあるコード領域を得、標準のイー・コリ実験株中で発現させると、結果として生じた遺伝子産物は、pHが7.5(アミノトランスフェラーゼに対する至適pH)であることを除いて、D−ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼの代わりに実施例19に記載されるようにR,Rモナチンを生成するためにアッセイにおいて使用することができる。D−メチオニンアミノトランスフェラーゼがD−アミノ酸供与体基質に対して絶対的な必要性を有する場合、酵素は、実施例13および14に記載されるようにR,Rモナチンを作製するために使用することができる。遺伝子は、実施例19に記載されるように突然変異誘発させ、増加した活性についてスクリーニングすることができる。
方法
カリフラワーからの単離
400グラムの採れ立てのカリフラワー小花は、浸漬およびブレンダーを使用する混合を交互にすることによって、400mLの4℃スクロース/緩衝液(0.4Mスクロースおよび0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4)を用いて抽出する。細胞片は、チーズクロスを用いて濾過により取り出し、結果として生じた溶液は4℃で30分間40,000×gで遠心分離する。固体材料(ミトコンドリア細胞器官を含有する)は、20mL 10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4中に再懸濁させ、酵素は、200mL冷(−30℃)アセトンを用いて抽出する。懸濁液は再遠心分離し、沈澱物は、Savant社製Speed Vacを使用して乾燥させる。固体材料は、10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4中に溶かし、残りのアセトンは、PD−10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を使用して除去する。
アミノトランスフェラーゼ活性は、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4中の5mM D−メチオニン、1mMピルビン酸、0.05mM PLP、および2mM EDTAを用いた酵素調製物のインキュベーションによりアッセイする。アッセイは16時間25℃で行う。4−メチルチオ−2−オキソブタノエートは、実施例1に記載されるLC/MS(m/zは328)および類似する方法論を使用して、2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体の形成によって測定する。2M硫酸中の2,4−ジニトロフェニルヒドラジンの0.4%(重量/容量)溶液を調製し、容量の半分をインキュベーション後にアッセイ混合物に追加する。混合物は、30分間30℃で緩やかに振盪させながら混合し、沈澱物を遠心分離により収集し、LC/MSによって分析する。標準のクロマトグラフィー技術によって分離したタンパク質画分は類似する様式で活性についてアッセイするが、副産物アラニンは、実施例1に記載されるOPAポストカラム誘導体化技術によって測定する。
ピーナッツ(アラキス・ヒポゲアL.品種Starr)からの単離
発芽ピーナッツ胚ホモジネート(子葉なし)からのD−メチオニンアミノトランスフェラーゼ酵素は、J.I.Durham,P.W.Morgan,J.M.PrescottおよびC.M.Lyman Phytochemistry(1973)12,2123−2126の方法に従って精製する。還元剤は、酵素を安定化するために粗抽出物の調製の間に使用し、細胞片は、33,000×gでの遠心分離によって取り出す。35〜50%硫安画分は、低温でのインキュベーションおよび沈澱物中のタンパク質の除去によってさらに精製する。上清は、アセトンを使用してさらに分画する。次いで、活性プールは、ゲル濾過クロマトグラフィー(Sephadex200、GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)によってさらに精製する。
タンパク質画分がトランスアミナーゼタンパク質で豊富になるので、マイクロシークエンシングのために興味のある酵素を分離するために2次元ゲル電気泳動を利用する。NCBIに委託された植物配列の相同コード領域の解明の後に、標準の分子生物学技術を使用してエシェリキア・コリ中でD−アミノトランスフェラーゼタンパク質を組換えで生成する。カリフラワー小花もしくはピーナッツ種子からの細胞抽出物または組換えで生成した相同酵素は、実施例19(立体反転トランスアミナーゼの場合)または実施例13および14(広域特異性D−アミノトランスフェラーゼの場合)に記載されるように、R,Rモナチンの生成において使用することができることが予想される。
L−アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニンラセマーゼ/D−アラニンアミノトランスフェラーゼ
図4、6、および8は、L−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(L−アラニン−アミノトランスフェラーゼおよび/またはL−トリプトファン−アミノトランスフェラーゼ等)、R−特異的アルドラーゼ、アラニンラセマーゼ、ならびにD−アラニンアミノトランスフェラーゼを使用して、L−トリプトファンから立体異性的に豊富なR,Rモナチンを生成するための生合成経路を示す。
トリプトファン特異的アミノトランスフェラーゼは実施例16に記載される。あるいは、S.メリロティおよびR.スフェロイデスのチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼは、国際公開第03/091396A2号の実施例1に記載されるように調製する。コマモナス・テストステローニProAアルドラーゼは国際公開第03/091396A2号の実施例4に記載されるように調製する。全タンパク質アッセイは、メーカーのプロトコールに従ってBio−Rad社製Protein Assay(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を利用して行う。アラニンラセマーゼは、Sigma−Aldrich社(セントルイス、MO)(カタログ番号A8936)から購入する。D−アラニンアミノトランスフェラーゼは、BioCatalytics社(カタログ番号AT−103)(BioCatalytics社、パサデナ、CA)から購入する。
L−アラニンアミノトランスフェラーゼは、真核生物、細菌、および古細菌に広く分布する。以下の生物は、L−アラニンアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.2)を含有するとして同定された(配列相同性に基づく):アラビドプシス・ダリアナ、アシュビア・ゴシピイ(Ashbya gossypii)、アゾトバクター・ビネランジー、ビフィドバクテリウム・ロンガム、シノラブディス・エレガンス、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ、コナミドリムシ、クリプトコックス・ネオフォルマンス、デバリオマイセス・ハンセニイ、ホモ・サピエンス、ホルデウム・ブルガレ、クルイベロミセス・ラクチス、マグナポルテ・グリセア、タルウマゴヤシ、ハツカネズミ、ニューロスポラ・クラッサ、オリザ・サティバ、ファネロカエテ・クリソスポリウム、ピヌス・タエダ、シュードモナス・プチダ、パイロコッカス・アビシ、パイロコッカス・フリオサス、パイロコッカス・ホリコシイ、ラッタス・ノルベギカス、サッカロマイセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、タチフグ・ルブリペス、トリパノソーマ・クルージ、ビブリオ・コレレ、ビブリオ・パラヘモリチカス、ビブリオ・バルニフィカス、ヤロウイア・リポリチカ、およびゼア・メイズ。さらに、多くのアミノトランスフェラーゼが低レベルのアラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有し、高いレベルのL−グルタミン酸およびピルビン酸を与えると、それをL−アラニンおよびα−ケトグルタル酸に変換することができる。活性が低い酵素は、エラープローンPCRおよび突然変異誘発性株による継代等の標準の突然変異誘発技術を用いてまたは進化分子工学技術によって改善される。L−アラニンアミノトランスフェラーゼの遺伝子は、プライマーを設計するための公的に入手可能なものを使用してかつ標準の技術を使用してクローニングし、遺伝子/酵素を増幅し、クローニングし、発現させ、かつ精製する。
反応混合物(1mL容量、二通り実行)は、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8)、2mM MgCl、0.05mMピリドキサール−5’−リン酸(PLP)、200mMピルビン酸ナトリウム、5mM α−ケトグルタル酸ナトリウム、細胞抽出物において供給された約280μg/mL S.メリロティTatA(または他のL−トリプトファン特異的アミノトランスフェラーゼ)、100μL/mlのアラニンラセマーゼ細胞抽出物または1mg/mL精製アラニンラセマーゼ、細胞抽出物において供給された約280μg/mL D−アラニンアミノトランスフェラーゼ、および細胞抽出物として提供された約100μg/mLのProAアルドラーゼを含有する。固体トリプトファンは10.2mg/mlの濃度で追加する。ネガティブコントロールはアラニンラセマーゼなしで設定する。試料は、約1時間または一晩、緩やかに振盪させながら30℃でインキュベートする。試料は、沈澱物を除去するために遠心分離し、シリンジで濾過し、実施例1に記載されるLC/MS/MS法を使用するモナチンについての分析前に−80℃で保存する。これらの反応混合物において、L−トリプトファンアミノトランスフェラーゼがアミノ受容体としてピルビン酸ではなくα−ケトグルタル酸を使用することができる場合、図6に示されるように、L−グルタミン酸およびピルビン酸をL−アラニンおよびα−ケトグルタル酸に変換するL−アラニンアミノトランスフェラーゼを追加することができる。
配列番号276、244、218、228、162、50、74、44、および116のアルドラーゼをコードする遺伝子のサブクローニング
配列番号276、244、218、228、162、50、74、44、および116のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子は、精製を可能にするN末端His−タグを有するpET28b発現ベクター(Novagen社、マディソン、WI)中にサブクローニングした。配列番号275は、配列番号276のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号243は、配列番号244のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号217は、配列番号218のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号227は、配列番号228のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号161は、配列番号162のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号49は、配列番号50のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号73は、配列番号74のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号43は、配列番号44のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号115は、配列番号116のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。
クローニングのために使用するプライマーを表24に示す。
Figure 0005441417
上記のアルドラーゼをコードする遺伝子は、PCRによって増幅し、適切な酵素(NdeIおよびBamHI)を用いて消化し、かつゲル精製した(QIAquick(登録商標)Gel extraction Kit(Qiagen社、バレンシア、CA))。消化物は、NdeIおよびBamHIを用いて消化し、かつゲル精製したpET28中に別々にライゲーションした。ライゲーションしたものは、TOP10細胞(Invitrogen社、カールスバード、CA)に形質転換した。個々のコロニーからのミニプレップDNAは、アガロースゲル電気泳動を使用するサイズ分析によって挿入断片の存在について分析した。挿入断片を有する単離物をDNA配列分析(Agencourt社、ビバリー、MA)にかけた。
アルドラーゼの精製
確認したアルドラーゼクローンは、BL21(DE3)またはBL21(DE3) pLysSのいずれかに形質転換した。誘発は、30℃でTerrific Broth中で一晩実行した。適切な抗生物質を用いて成長させた一晩培養物を、新鮮な培地中に希釈し(通常1:100)、37℃で通気しながらOD600〜0.6まで成長させた。次いで、培養物を1mM IPTGを用いて誘発し、30℃(通気有り)に移し、インキュベーションを一晩継続した。細胞は、遠心分離によって採取した。細胞ペレットは、細胞溶解を助けるために、通常、1回の凍結解凍サイクルにかけた。細胞ペレットは、BugBusterおよびBenzonase Nuclease(Novagen社、マディソン、WI)中で溶解させた(メーカーのプロトコールに従って)。細胞片は遠心分離によって取り出した。粗タンパク質抽出物は、メーカーのプロトコールに従って調製した10mg容量HIS−Bindカラム(Novagen社、マディソン、WI)にかけた。カラムは洗浄し、タンパク質はメーカーのプロトコールに従って溶出させた。精製タンパク質は、PD−10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を用いて脱塩し、4mM MgCl、200mM NaClを含有する50mMリン酸カリウム緩衝液、pH7.5中に溶出した。精製タンパク質は、Amicon社製遠心濃縮器(5000MWカットオフ) (Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて濃縮した。濃縮の後、活性はなおかなり高かったが、配列番号44、配列番号28、および配列番号276のアルドラーゼは、ある程度のレベルの沈殿を示したことに注目された。タンパク質はアッセイするまで−80℃で保存した。
タンパク質アッセイは、Pierce社製BCAキット(Pierce社、ロックフォード、IL)およびタンパク質標準物質としてウシ血清アルブミン(「BSA」)を用いるマイクロタイタープレートプロトコールを使用して行った。Experion Pro260電気泳動システム(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)またはSDS−PAGEは、精製試料中のアルドラーゼの百分率を評価するためにならびに可溶性細胞抽出物におけるおよび全タンパク質における発現レベルを評価するために使用した。
精製アルドラーゼの試験
精製アルドラーゼは、D−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するそれらの能力について試験し、同じ様式で調製した配列番号28および配列番号54のアルドラーゼと比較した。アッセイは、25μg/mLを使用した配列番号244を除いて、アッセイ当たり同じ濃度の酵素(50μg/mL)を使用して、精製タンパク質を用いて、微量遠心チューブ中で実行した(二通り)。配列番号243は十分に発現せず、産生した精製タンパク質の量はより少なかった。2mg/mLのBioCatalytics社製AT−103(BioCatalytics社、パサデナ、CA)はD−アミノトランスフェラーゼとして使用した。以下のものを反応混合物1mL当たりに追加した:アルドラーゼ、4mM MgCl、50mM D−トリプトファン、D−アミノトランスフェラーゼ、200mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。試料は30℃でインキュベートした。30分間、1時間、3時間、および一晩(19時間)の試料を測った。表25は、逆相ピーク面積によって決定されるように、各時点で生成された全モナチンの平均した結果および生成されたR,Rモナチン%を示す。表25の3列目に関しては、実施例1に記載される付加的なFDAA誘導体化LC/MS/MS分析を反応のうちのいくつかについて行った、またそれらの結果を括弧中に示す。
Figure 0005441417
Figure 0005441417
配列番号276アルドラーゼは、高レベルの活性およびR,Rモナチンの生成に対する最も高い立体特異性を維持した。塩化ナトリウムを省いた緩衝液中でのこの酵素の保存は、前に示した沈殿のレベルを低下させるように思われる。保存緩衝液におけるマグネシウム濃度は、沈殿のレベルに影響を及ぼすようには思われない。
配列番号276、配列番号28、および配列番号244のアルドラーゼはすべて、高活性およびR,Rモナチンの生成に対する高い立体選択性を実証した。これらの3つの酵素は、実施例23に記載されるように調製し、10mL血清バイアルを使用して実施例24に記載されるように嫌気的にアッセイした。7mLアッセイを、実施例24に記載されるように調製した0.05mg/mLの各アルドラーゼ(精製済み)および2mg/mLの精製B.スファエリクスD−アミノトランスフェラーゼを使用して行った。D−トリプトファンからのモナチンの生成における各アルドラーゼの活性は、実施例27に記載されるように調製したS.メリロティHMGアルドラーゼと比較した。全モナチンは、実施例1に記載されるLC−OPA法を使用して評価した。形成されたR,Rモナチンの百分率は、実施例1に記載されるFDAA誘導体化法を使用して決定した。結果を表26において下記に示す。
Figure 0005441417
これらの結果は、配列番号276のアルドラーゼが、より大きな容量の嫌気性反応においても同様に高レベルのR,Rモナチンを生成することを実証する。
配列番号276アルドラーゼの発現および精製
pET28bプラスミド上の、配列番号275として挙げたアルドラーゼ遺伝子を運ぶイー・コリBL21(DE3) pLysS宿主のクローニングは、実施例22において上記に記載される。
アミノ末端HIS−精製タグを有する配列番号276アルドラーゼは、振盪フラスコ中に50μg/mLカナマイシンを含有するEMD Biosciences社製Overnight Express System II(Novagen社、マディソン、WI)(溶液1〜6)を使用して生成した。この発現系は、細胞成長をモニターする必要なくIPTG誘発性系の発現を誘発する。アルドラーゼ構築物の液体培養物または平板培養物のいずれかからの培地(1Lフラスコ中)の200mL一定分量の接種の後、培養物は、225rpmで振盪させながら一晩30℃でインキュベートした。OD600nmが最小の6まで達すると、細胞は、遠心分離によって採取し、緩衝液を用いて1回洗浄した。
アルドラーゼを含有する無細胞抽出物を調製するために、細胞は、3〜4倍容量の100mMリン酸カリウム、pH7.8中で懸濁させ、次いで、15℃未満に懸濁液の温度を維持して、Microfluidics社製ホモジナイザー(Microfluidics社、ニュートン、MA)(18,000psiで3パス)を使用して破壊した。あるいは、無細胞抽出物は、メーカーのプロトコールに従って、1μL/mL Benzonase(登録商標) Nuclease、5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Set II、および0.033μL/mL rLysozyme(商標)を含有するEMD Biosciences社製BugBuster(登録商標)(第一級アミンなし)Extraction Reagent(Novagen社、マディソン、WI)を使用して調製した。続く精製工程はすべて4℃で行った。細胞懸濁液は、細胞片を除去するために15,000〜20,000×gで20〜30分間遠心分離した。20〜25mL一定分量の無細胞抽出物は、200mM塩化ナトリウムを含有する100mMリン酸カリウムを用いて先に平衡化した、GE Healthcare社製Chelating Sepharose(商標) Fast Flow樹脂(ニッケル(II)型)(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)の45mLカラムにかけた。ニッケル型の樹脂を産出するために、樹脂は、150mLの200mM硫酸ニッケル(II)六水和物を用いて、次いで150mLの蒸留水を用いて洗浄した。試料を装填した後に、カラムは、25mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液、50mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液、および500mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液を用いて洗浄し/溶出した。HIS−タグ付きタンパク質は最後の洗浄で溶出した。500mMイミダゾール洗浄物は、メーカーの指示に従って、Millipore/Amicon社製Centricon Plus−70遠心濾過デバイス(MWCO 10kDa)(Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて15〜20mLに濃縮した。イミダゾールおよび塩化ナトリウムは、100mMリン酸カリウム、pH7.8を用いて先に平衡化した、使い捨てのGE Healthcare社製PD10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)(カラム当たり2.5ml試料)を通過させることによって除去した。精製アルドラーゼは、カラム当たり3.5mLの同じ緩衝液を用いて溶出した。
各画分のタンパク質濃度は、タンパク質標準物質としてBSAを使用して、Pierce社製BCAアッセイキット(Pierce社、ロックフォード、IL)を使用して決定した。各画分の純度および無細胞抽出物中の発現のレベルは、Bio−Rad社製Experionマイクロキャピラリーチップシステム(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してまたはMini PROTEAN(登録商標)3セル装置(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)でのBio−Rad社製4〜15%SDS−ポリアクリルアミド勾配ゲルの実行を使用して決定した。タンパク質は、Bio−Rad社製Bio−Safe G−250 Coomassie染色(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してポリアクリルアミドゲル中で可視化し、水を用いて脱染した。通常、この手順により、Experionソフトウェアによって判断されるように85〜95%純粋な400mlの一晩培養物から約50mgの酵素が生成される。一定分量(1〜5mL)の精製酵素は使用まで−80℃で保存した。この様式における酵素の調製は、先に示した、酵素の沈殿のレベルを低下させた。保存緩衝液中のマグネシウムの存在は沈殿のレベルに影響を及ぼさなかった。
配列番号276アルドラーゼを使用するR,R−モナチンの生成:反応条件の最適化
実施例7でクローニングしたバチルス・スファエリクス(ATCC株10208)D−アラニンアミノトランスフェラーゼは、成長および誘発のためにEMD Biosciences社製Overnight Express System II(Novagen社、マディソン、WI)を使用して、下記に記載されるようにHIS−タグ付きタンパク質として精製した。EMD Biosciences社製Overnight Express System II(溶液1〜6)(Novagen社、マディソン、WI)は、振盪フラスコ中に50μg/mlカナマイシンを含有した。この発現系は、細胞成長をモニターする必要なくIPTG誘発性系の発現を誘発する。アミノトランスフェラーゼ構築物の液体培養物または平板培養物のいずれかからの培地の200mL一定分量の接種の後(1Lフラスコ中)、培養物は、225rpmで振盪させながら一晩30℃でインキュベートした。OD600nmが最小の6まで達すると、細胞は、遠心分離によって採取し、緩衝液を用いて1回洗浄した。
D−アラニンアミノトランスフェラーゼを含有する無細胞抽出物を調製するために、細胞は、50μMピリドキサールリン酸(PLP)を含有する3〜4倍容量の100mMリン酸カリウム、pH7.8中に懸濁させ、次いで、15℃未満に懸濁液の温度を維持して、Microfluidics社製ホモジナイザー(Microfluidics社、ニュートン、MA)(18,000psiで3パス)を使用して破壊した。あるいは、無細胞抽出物は、メーカーのプロトコールに従って、1μL/mL Benzonase(登録商標) Nuclease、5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Set II、および0.033μL/mL rLysozyme(商標)を含有するEMD Biosciences社製BugBuster(登録商標)(第一級アミンなし)Extraction Reagent(Novagen社、マディソン、WI)を使用して調製した。続く精製工程はすべて4℃で行った。細胞抽出物は、細胞片を除去するために15,000×gで20〜30分間遠心分離した。20〜25mL一定分量の無細胞抽出物は、200mM塩化ナトリウムおよび50μM PLPを含有する100mMリン酸カリウムを用いて先に平衡化した、GE Healthcare社製Chelating Sepharose(商標) Fast Flow樹脂(ニッケル(II)型)(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)の45mLカラムにかけた。ニッケル型の樹脂を産出するために、樹脂は、150mLの200mM硫酸ニッケル(II)六水和物を用いて、次いで150mLの蒸留水を用いて洗浄した。試料を装填した後に、カラムは、25mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液、50mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液、および500mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液を用いて洗浄し/溶出した。HIS−タグ付きタンパク質は最後の洗浄で溶出した。500mMイミダゾール洗浄物は、メーカーの指示に従って、Millipore/Amicon社製Centricon Plus−70遠心濾過デバイス(MWCO 10kDa)(Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて15〜20mLに濃縮した。イミダゾールおよび塩化ナトリウムは、先に0.5μM PLPを含有する100mMリン酸カリウム、pH7.8を用いて平衡化した、使い捨てのGE Healthcare社製PD10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)(カラム当たり2.5ml試料)を通過させることによって除去した。精製アミノトランスフェラーゼは、カラム当たり3.5mLの同じ緩衝液を用いて溶出した。
各画分のタンパク質濃度は、タンパク質標準物質としてBSAを使用して、Pierce社製BCAアッセイキット(Pierce社、ロックフォード、IL)を用いて決定した。各画分の純度および無細胞抽出物画分中の発現のレベルは、Bio−Rad社製Experionマイクロキャピラリーチップシステム(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してまたはMini PROTEAN(登録商標)3セル装置でのBio−Rad社製4〜15%SDS−ポリアクリルアミド勾配ゲル(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)の実行を使用して決定した。タンパク質は、Bio−Rad社製Bio−Safe G−250 Coomassie染色(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してポリアクリルアミドゲル中で可視化し、水を用いて脱染した。通常、この手順により、Experionソフトウェアによって判断されるように85〜90%純粋な200mlの一晩培養物からまたはSDS−PAGEゲルの分析から約50mgの酵素が生成される。一定分量(1〜5mL)の精製酵素は使用まで−80℃で保存した。
配列番号276アルドラーゼ(実施例22でクローニング)は、実施例23に記載されるようにHIS−タグ付きタンパク質として精製した。
配列番号276アルドラーゼに対する好ましい金属補因子は、様々な二価金属をスクリーニングすることにより決定した。反応は、7mL最終容量を有する10mL血清ボトル中で嫌気的に設定した。100mMリン酸カリウム(pH7.8)、200mMピルビン酸ナトリウム、0.05mM PLP、および0.01%(容量/容量)Tween80からなるバルク溶液は、48.8mlの最終容量に調製し、30分間窒素を噴霧した。D−トリプトファン(143mg;100mMの最終濃度)は7本の10ml血清バイアルに分注した。バイアルのそれぞれに、塩化物から調製した二価金属カチオンの0.014mLの2Mストック溶液を追加した(最終濃度は4mM)。ネガティブコントロールについては、0.014mLのdHOを追加した。血清バイアルはゴム隔膜を用いてキャップし、16〜18ゲージ針を介して窒素を噴霧した。嫌気条件下で、5.625mLの嫌気性バルク溶液を各嫌気性血清ボトルに追加した。続いて、B.スファエリクスD−アラニンアミノトランスフェラーゼおよび配列番号276アルドラーゼは、それぞれ2mg/mLおよび0.05mg/mLの最終濃度まで各血清ボトルに嫌気的に追加した。溶液は、18時間緩やかに混合させながら室温でインキュベートした。最終モナチンは、アミノ酸の液体クロマトグラフィーポストカラム蛍光検出法を使用して、実施例1に記載される方法に従って分析した(表27)。
Figure 0005441417
配列番号276アルドラーゼに対する反応条件は、統計ソフトウェアDesign Expert7.0.0(Stat−Ease社;ミネアポリス、MN)を使用して計画した2水準一部実施要因実験を用いてさらに調査した。スクリーニング計画は4回の中心点での実行を有する2水準の5つの因子の単一ブロックからなる(全20回実行)。最適化される5つの因子は、金属補因子濃度、反応pH、Tween(登録商標)80濃度、トリプトファンに対するピルビン酸の比、およびアルドラーゼ濃度とした(表28)。
143mgのD−トリプトファンを含有するコニカルポリプロピレンチューブ(14mL)は、一晩、嫌気性グローブボックス(Coy Laboratory Products社;グラスレーク、MI)中で脱酸素した。2M MgClのストック溶液;pH7.0、7.75、および8.5の1Mリン酸カリウム;10%(容量/容量)Tween(登録商標)80;2Mピルビン酸ナトリウム、および10mM PLP(ピリドキサール5’−リン酸)を脱気水中で調製し、嫌気性グローブボックス中で一晩平衡化した。精製B.スファエリクスD−アラニンアミノトランスフェラーゼおよび配列番号276アルドラーゼのストック溶液は、氷上で解凍し、嫌気性グローブボックス中で直ちに使用した。ストック溶液は、統計計画によって決定した濃度を得るためにD−トリプトファンを含有する14mLコニカルチューブに追加した(表28)。脱気水は、最終容量を酵素追加分と共に7.0mLにするために各チューブに追加した。チューブは、24時間まで緩やかに混合させながら嫌気性グローブボックス中で室温でインキュベートした。モナチン濃度および異性体純度は、アミノ酸の液体クロマトグラフィー−ポストカラム蛍光検出法ならびにin vitroおよびin vivo反応における、モナチンの立体異性体分布の決定のためのLC/MS/MS多重反応モニタリング法(FDAA誘導体化法)を使用して、実施例1に記載される方法に従って分析した。
Figure 0005441417
データの統計分析は、反応pH、ピルビン酸:トリプトファン比、およびアルドラーゼ濃度が、モナチンタイター、異性体純度、および炭素収量に影響する有意な因子であることを示した。ディザイラビリティグラフは、過剰ピルビン酸の条件下での最も高いモナチンタイターおよび最も高い異性体純度といった目標を最大にするために因子を変えたDesign Expertソフトウェアを使用して生成した。最適として示された反応条件は、1mM MgCl、pH>8.0、0.01%(容量/容量)Tween(登録商標)80、および0.01mg/mL配列番号276アルドラーゼであった。これは、利用される標準的な量のアルドラーゼの5分の1の低下および通常使用される二価金属の量の4分の1の低下となる。
反応プロセスに対する至適pH範囲を決定するために付加的な実験を行った。1M EPPS緩衝液のストック溶液は、pH7.0および9.0の間で0.2pH単位の間隔で調製した。これらの溶液は、脱気し、一晩、嫌気性グローブボックス中で平衡化した。143mgのD−トリプトファンを含有するポリプロピレンチューブ(14mL)は、一晩、嫌気性グローブボックス中で脱酸素した。2M MgCl、10%(容量/容量)Tween(登録商標)80、2Mピルビン酸ナトリウム、および10mM PLPのストック溶液は、脱気水中で調製し、嫌気性グローブボックス中で平衡化した。精製B.スファエリクスD−アラニンアミノトランスフェラーゼおよび配列番号276アルドラーゼの調整物は、氷上で解凍し、嫌気性グローブボックス中で直ちに使用した。最終濃度が、チューブ当たりの7mLの全容量中、100mM EPPS、200mMピルビン酸、100mMトリプトファン、1mM MgCl、0.01%(容量/容量)Tween(登録商標)80、0.05mM PLP、2mg/mLB.スファエリクスD−アラニンアミノトランスフェラーゼ、および0.01mg/mL配列番号276アルドラーゼとなるように、ストック溶液を14mLコニカルチューブに追加した。反応は、22時間、緩やかに撹拌しながら嫌気性グローブボックス中で室温でインキュベートした。試料は、取り出し、LC/MS/MS多重反応モニタリング法を使用して、実施例1に記載されるようにモナチンについて分析した(表29)。
Figure 0005441417
結果は、7.0〜8.0の間でpHを増加させると共にモナチン形成が増加することを示した。モナチン形成は、pH8.0〜8.2の範囲で最大に達し、pH8.4以上で減少した。さらに、モナチンの異性体純度はpH8.4以上で減少した。
さらなる反応最適化は、配列番号276のアルドラーゼ(0.01mg/mL)、2mg/mLのT243N 4978 DAT(タグなし、実施例26からのもの)、1mM MgCl、200mMピルビン酸ナトリウム、0.05mM PLP、0.01%Tween−80、および100mM D−トリプトファンを使用してpH8.5で行った。アルドラーゼおよびD−アミノトランスフェラーゼを生成するために使用した細胞は、Microfluidics社製ホモジナイザー(Microfluidics社、ニュートン、MA)(20,000psiで3パス)を使用して、50mM EPPS、pH8.4中で破壊した。細胞片は、遠心分離(20,000×g、30分間)によって除去し、浄化した細胞抽出物は酵素反応に使用した。付加的な緩衝液は利用しなかったが、反応混合物は水酸化ナトリウムを使用してpH8.5に調整し、酵素の追加前に窒素を流した。250mL反応は、ヘッドスペースに窒素を使用して、30℃で、0.7L Sixfor撹拌発酵槽(Infors AG社、ボトミンゲン、スイス)中で行った。リン酸カリウムは、0、5、10、20、および50mMの最終濃度まで追加した。5〜10mMリン酸の追加は最適であり、3.5g/Lモナチンを生成することがわかった(実施例1に記載されるLC/MS/MSによって定量)。
新規なバチルスD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼのクローニング
バチルスD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(「DAAT」または「DAT」)(EC2.6.1.21、D−アラニンアミノトランスフェラーゼまたはD−アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られている)は組換えで生成した。このアミノトランスフェラーゼは、R,Rモナチンの生成のための、アルドラーゼとの共役アッセイにおいて使用した。このアミノトランスフェラーゼ酵素は、モナチンの生成について先に記載されるD−アミノトランスフェラーゼに相同である(米国特許出願公開第20040063175号および米国特許出願公開第20050282260号)。生物ATCC4978−−バチルス・スファエリクスはバチルス・ロタンス(Bacillus rotans)として初め委託された−−は、ATCCに注文し、ゲノムDNAを調製するために使用した。縮重プライマーは、知られているバチルスD−アミノトランスフェラーゼのタンパク質配列保存の領域において設計し、上述のATCC株から内部DAAT遺伝子配列のポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)増幅のために使用した。ゲノムウォーキングは、BD GenomeWalker(商標) Universal Kit(Clontech社、マウンテンビュー、CA)を使用して行った。配列分析(Agencourt BioScience社、ビバリー、MA)により、ATCC4978からのDAAT遺伝子についての完全長コード配列を検証した。ATCC4978からのDAAT遺伝子のDNA配列は配列番号357であり、下記に示す。配列番号357の遺伝子は、標準のPCRプロトコールによって増幅し、標準の組換えDNA技術を使用してクローニングしてもよい。配列番号357の遺伝子はまた、当業者に知られているアセンブリーPCR法等の当業者に知られている任意の方法によって再構築してもよい。
ATCC4978 DAAT DNA配列は次のとおりである。
atgagttata gcttatggaa tgaccaaatt gtgaatgatg aagaagtagt agttgataag gaggaccgtg gctatcaatt tggcgatggt gtttatgaag ttgtaaaagt atataacggt gaattattta cagcggagga gcatgtcgat cgtttttacg cgagtgctga aaaaattcgc gttacgatcc cttatacaaa agacaaattg catcaattat tgcatcagtt agttgaaatg aataaagttc aaacaggaca tatttatttc caaattacgc gtggtgcagg ccctcgtaat catattttcc ctggtgatga agtgaagcca gtattaacag gtaataccaa ggaaaatcca cgtcccgtag caaactttga aaaaggtgtg aaagcaacat ttgtagaaga cattcgttgg ttacgctgtg acattaaatc attaaattta cttggtgcgg tacttgctaa acaagaagca catgaaaaag gatgctatga agcggtttta catcgtgatg aaatcgtaac agaaggctct tcttcaaata tttatggaat taaagatggc gtattataca cacatccagc gaataacttc atcttaaatg gtattacacg tcaagtaatc attaaatgtg ctgctgaaat tggcttacca gtgaaggaag aagcaatgac aaaaactcag cttcttgcaa tggatgaagt gattgtttca tcaacgactt cagaagtaac gccaattatc gacatagatg gaacagtaat tggtgcgggt aaaccgggtg actggacacg taaattacaa gcacaatttg atacgaaaat cccaaaaggt attcgcgcat aa
(配列番号357)
上記のDNA配列によってコードされるATCC4978からのDAAT遺伝子のアミノ酸配列は、配列番号358であり、下記に示す。
Met Ser Tyr Ser Leu Trp Asn Asp Gln Ile Val Asn Asp Glu Glu Val Val Val Asp Lys Glu Asp Arg Gly Tyr Gln Phe Gly Asp Gly Val Tyr Glu Val Val Lys Val Tyr Asn Gly Glu Leu Phe Thr Ala Glu Glu His Val Asp Arg Phe Tyr Ala Ser Ala Glu Lys Ile Arg Val Thr Ile Pro Tyr Thr Lys Asp Lys Leu His Gln Leu Leu His Gln Leu Val Glu Met Asn Lys Val Gln Thr Gly His Ile Tyr Phe Gln Ile Thr Arg Gly Ala Gly Pro Arg Asn His Ile Phe Pro Gly Asp Glu Val Lys Pro Val Leu Thr Gly Asn Thr Lys Glu Asn Pro Arg Pro Val Ala Asn Phe Glu Lys Gly Val Lys Ala Thr Phe Val Glu Asp Ile Arg Trp Leu Arg Cys Asp Ile Lys Ser Leu Asn Leu Leu Gly Ala Val Leu Ala Lys Gln Glu Ala His Glu Lys Gly Cys Tyr Glu Ala Val Leu His Arg Asp Glu Ile Val Thr Glu Gly Ser Ser Ser Asn Ile Tyr Gly Ile Lys Asp Gly Val Leu Tyr Thr His Pro Ala Asn Asn Phe Ile Leu Asn Gly Ile Thr Arg Gln Val Ile Ile Lys Cys Ala Ala Glu Ile Gly Leu Pro Val Lys Glu Glu Ala Met Thr Lys Thr Gln Leu Leu Ala Met Asp Glu Val Ile Val Ser Ser Thr Thr Ser Glu Val Thr Pro Ile Ile Asp Ile Asp Gly Thr Val Ile Gly Ala Gly Lys Pro Gly Asp Trp Thr Arg Lys Leu Gln Ala Gln Phe Asp Thr Lys Ile Pro Lys Gly Ile Arg Ala
(配列番号358)
株ATCC4978から得た新規なD−アミノトランスフェラーゼは、B.スファエリクスATCC10208の公開D−アミノトランスフェラーゼ配列と比較した場合、別個のアミノ酸残基変化を有するタンパク質配列を有する。ATCC4978からのDAATは、B.スファエリクス(ATCC10208)からのDAATとわずか72%の同一性を有する。この株は、現在、ATCCでB.スファエリクスとして挙げられているが、この株はB.ロタンスとして委託されたものである。この新規なDAATおよびB.スファエリクスからのDAATの間の配列アラインメントおよび目立った差異に基づき、R,Rモナチン生合成に対するDAAT活性を増加させるそれらの役割(別々にまたは組み合わせて)について評価することができる多くの候補残基を、これらのおよび他のDAAT配列において同定する。
ATCC4978からのD−アミノトランスフェラーゼの突然変異体のキャラクタリゼーション
実験概要
バチルス株ATCC4978からの新規なD−アミノトランスフェラーゼ遺伝子(実施例25に記載される)は、部位特異的方法を使用して突然変異誘発させた。突然変異体遺伝子を発現させ、特に1つまたは複数のアルドラーゼと共役する場合の、モナチン生成経路について興味のある活性についてアッセイした。
部位特異的突然変異誘発標的について実施例16に挙げたアイデアに加えて、他のアイデアは、YM−1結晶構造の活性部位中にR−MPを実際にドッキングさせることで発展し、最初のアミノ酸配列アラインメントは、4978アミノトランスフェラーゼタンパク質がその領域において類似する構造的な特徴を有しそうかどうかを決定するために使用した。以下の付加的な突然変異は有益であろうと予想された(4978アミノトランスフェラーゼのアミノ酸番号付けを使用)。アラニン153のアルギニンへの突然変異誘発は、基質(R−MP)の第2のカルボキシル基を安定化するであろうと考えられた。この変化は、おそらく立体障害を増加させる、したがって、これを補うために、位置181および182のセリン残基をアラニンまたはグリシンに変化させた。位置180、181、または182にアルギニンを導入し、1つまたは複数の他のセリン残基をアラニンまたはグリシンに変換し、アルギニンのよりかさ高い側鎖のために空間を作ることができるということもまた仮定された。アミノ酸200のフェニルアラニンは、R−MPが活性部位にドッキングすると予測される場所に空間的に接近しており、モナチンアミノ基転移をかなり十分に触媒するD−アミノトランスフェラーゼの中のこの残基に多大な変異性がある。この位置のアミノ酸修飾は有用となり得ると考えられた。フェニルアラニンへのロイシン151の突然変異は、基質のインドール環との相互作用を可能性として改善することが予測された。
文献に基づき、アスパラギンへのトレオニン243の突然変異は、アミノ基転移反応についてのR−MP選択性を改善する可能性があると仮定された。同様に、アラニンへのアスパラギン100の突然変異誘発は、モナチンアミノ基転移反応に対する酵素の特異的活性を改善する可能性があると考えられた(Roら,FEBS Lett 398:141−145,(1996);Sugio,Sら,Biochemistry 34:9661−9669,(1995);EP1580268)。
Leeらは、141〜144領域(ループ)の突然変異体を特徴づけ、LRcDではなくEYcYを有するD−アミノトランスフェラーゼ(我々のタンパク質に本来備わっている)がジカルボン酸基質に対してより低いKmを有する傾向があることを見い出した(Lee SG,Hong SP,Song JJ,Kim SJ,Kwak MS,Sung MH. Functional and structural characterization of thermostable D−amino acid aminotransferases from Geobacillus spp. Appl Environ Microbiol.2006 Feb;72(2):1588−94)。MPは、アルファ−ケトグルタル酸に類似するジカルボン酸基質であり、MPの濃度は、標準的なモナチン生成反応混合物においてかなり低いので、Kmの減少は、モナチン生成に対する突然変異体DATの活性を可能性として助けることができるかもしれない。
下記に、4978D−アミノトランスフェラーゼ突然変異体を作り出すための方法およびこれらの突然変異体を使用したアッセイ結果を記載する。
突然変異誘発
突然変異誘発のためのプライマーは、Stratagene社製Multi−Changeキット(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)に挙げられた示唆に従って設計した。プライマーは5’−リン酸化した。突然変異誘発は、メーカーの指示に従って、Stratagene社製Multi−Changeキット(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用して行った。突然変異誘発のために使用した鋳型は、実施例25に記載されるpET30(タグなし)またはpET28(タグ付き)の4978DAT構築物のいずれかとした。プライマーは表30において下記に挙げる。
Figure 0005441417
イー・コリXL10−Gold細胞(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)は、形質転換し、結果として生じた精製プラスミド調製物は、適正な突然変異が組み込まれたかを検証するために配列決定した。
発現およびアッセイ
適正な突然変異体または野生型4978 DATを含有するプラスミドDNA調製物は、イー・コリ発現宿主BL21(DE3)(Novagen社、マディソン、WI)に形質転換した。培養物は、上記に記載されるプロトコールを使用して成長させ、プラスミドは、Qiagen社製ミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して単離し、挿入断片の存在を確認するために上記に記載されるように制限消化によって分析した。
DAAT遺伝子の誘発は、通常、カナマイシン(50μg/mL)を含有するLB培地中で行った。細胞は、37℃で、0.4〜0.8のOD600まで成長させ、0.1mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘発し、誘発後、3〜4時間にサンプリングした。
細胞抽出物は、BugBuster試薬およびBenzonase Nuclease(Novagen社、マディソン、WI)を用いて調製した。1mlのアッセイは、緩やかに振盪させながら30℃で行った、また10.2mg D−トリプトファン、0.05mM PLP、4mM MgCl、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、約50μgのアルドラーゼ、200mMピルビン酸、および細胞抽出物として供給された0.150〜0.5mg/mL D−アミノトランスフェラーゼを含有した。全タンパク質アッセイは、Bio−Rad社製全タンパク質キット(Coomassie)(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)またはPierce社製BCAキット(Pierce社、ロックフォード、IL)を使用して行い、D−アミノトランスフェラーゼの発現パーセントは、SDS−PAGEまたはBio−Rad社製Experion Automated Electrophoresis System(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)によって評価した。試料は、3時間および一晩の時点で測った。
配列番号28のR−特異的アルドラーゼは、約0.150mg/mL D−アミノトランスフェラーゼを用いたアッセイにおいて使用した。
第1のアッセイは、以下の突然変異体(タグなし)がアミノ基転移活性を有したことを示した(最も高いものから最も低いものの順):T243N、T243S、T243N/N100A、N100A。T243Nは、生成されたR,Rモナチンの立体純度を上昇させるように思われたこともまた注目された。アッセイは、精製コマモナス・テストステローニProAアルドラーゼ(100μg/ml)および0.50mg/mlのD−アミノトランスフェラーゼ突然変異体(タグなし、細胞抽出物として供給)を使用して繰り返した。試料は、2時間および一晩の時点で測った。活性タンパク質についての結果を下記に示す、また二通りの結果は平均した。R,Rモナチン%は逆相HPLCのピーク面積によって決定し、次いで、実施例1に記載されるFDAA誘導体化法を使用して測定した。表31の3列目に関して、実施例1に記載される付加的なFDAA誘導体化LC/MS/MS分析を反応のうちのいくつかについて行い、またそれらの結果を括弧中に示す。R,RおよびS,RモナチンのみがD−トリプトファンから生成される。T243R突然変異体は、試験した条件下でモナチンを生成するようには思われなかった、またT243A突然変異体は、非常に低いレベルのモナチンを生成した。
Figure 0005441417
Bio−Rad社製Experionソフトウェアを使用してD−アミノトランスフェラーゼパーセントを評価してアッセイを行ったが、T243SおよびT243Nの突然変異体は野生型酵素と比較して活性を増加させたことは明らかである。T243N突然変異体はまた形成されたR,Rモナチン%を劇的に増加させる付加的な有益性もまた提供した。この酵素は、アミノ基転移反応においてS−MPと比較してR−MPに対する選好性を増加させる。N100A突然変異体は、文献において示唆されたものに反して、単独でまたはT243Nとの組み合わせで活性を増加させなかった。タグなし4978DATのV34A部位特異的突然変異体もまた、上記に記載されるように類似する方法を使用して作り出した。V34A部位特異的突然変異体は、試験した条件下で野生型酵素よりも著しく低い活性を有することがわかった。
最初のアッセイにおける興味のある他のポイントは、野生型酵素がN末端His−タグを用いて生成された場合に、より活性を有するように思われたことであった。続く突然変異誘発は、遺伝子のタグ付きバージョンで行った。さらに、最も有望な上記の突然変異体は、N末端His−タグを有するpET28b中にサブクローニングした。これらは、Novagen社製HIS−結合カラムおよび推奨される緩衝液を用いるメーカーのプロトコール(Novagen社、マディソン、WI)を使用して精製した。溶出液画分の緩衝液は、GE Healthcare社製PD10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を使用して、アッセイにおいて使用される緩衝液に交換した。
精製D−アミノトランスフェラーゼ(0.5mg/ml)および精製R−特異的アルドラーゼ配列番号276(50μg/ml)を有する1mlアッセイは、緩やかに振盪させながら30℃で進め、また10.2mg D−トリプトファン、0.05mM PLP、200mMピルビン酸、4mM MgCl、および100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5を含有した。二通りの試料は、2時間および一晩インキュベートした。ポジティブコントロールとして、バチルス・スファエリクスDAT(実施例7でクローニング)を同じアッセイにおいて使用した。結果を表32に示す。
Figure 0005441417
上記のデータは、T243N突然変異体が最も高い量のモナチンを2時間で明らかに生成することを示す。時間が経過するにつれて、B.スファエリクスDATポジティブコントロールに対するT243N突然変異体の比は低下する。この結果は、T243N突然変異体が、モナチン反応の間にB.スファエリクスDATほど安定性ではないことを示唆する。類似する条件下でアッセイした場合、T243S(タグ付き精製)酵素は、T243N突然変異体に類似するレベルの活性を有した、しかしながら生成されたパーセントR,Rモナチンは、より低かった(2時間および一晩の両方で97.2%)。T243N/N100A突然変異体はT243N突然変異体よりも低い活性を有した。しかしながら、T243SおよびT243N/N100Aの両方は野生型4978 DATよりも高い活性を有した。
アミノ基転移アッセイは、B.スファエリクスDATの代わりにT243N突然変異体を使用した場合に、どの反応速度が改善されたか決定するために行った。2分の1mLアッセイは、30℃で行い、1時間、2時間、5時間の時点で測った。アッセイは、25mMモナチンまたはD−トリプトファン、25mMピルビン酸、100mMリン酸カリウムpH7.5、50μM PLP、および0.1mg D−アミノトランスフェラーゼ(タグ付き、精製済み)を含有した。100μg未満DATを使用した場合、アラニンの量は、100μgのD−アミノトランスフェラーゼに標準化した。試料は、ギ酸を用いて処理し、副産物であるアラニンの存在についてLC−OPAによって分析した。結果を表33および34に示す。
Figure 0005441417
Figure 0005441417
D−トリプトファン反応については、結果は、酵素のうちのいくつかが2時間で平衡に達したことを示す。R,Rモナチン反応は明らかに律速的であり、この活性への改善は、D−トリプトファンからのモナチン生成速度により多くの影響を及ぼす。
さらなるアッセイは、T243N 4978 DAT突然変異体の安定性を調査するために行った。野生型酵素もまた長い間にわたって活性を失った。実施例27は、T243N D−アミノトランスフェラーゼ突然変異体の安定性を改善するための方法を記載する。T243N突然変異体の新たに調製したタグなしおよびタグ付きバージョンを調整し、活性について比較すると、タグなしバージョンは、より優れた一時的な安定性を有し、タグなしバージョンを、全体として、モナチン生成反応において使用するための酵素のより優れたバージョンとしたことがわかった。
4978 DATの付加的な突然変異体は、当業者に一般に知られている方法によって作製した。しかしながら、これらの突然変異はすべて、それらが調製された条件下で不溶性であり、したがって活性についてアッセイすることができなかったタンパク質をもたらした。不溶性のタンパク質をもたらした突然変異は次のとおりであった。
S180A/S181A/S182R;
L151F;
V34G
S181R
A153R/S181A/S182A;
A153R/S182A;
A153R/S182G;
S180R/S181A/S182G;
S180R/S181A/S182A;
S180R/S181G/S182G;
S180G/S181R/S182G;および
S180A/S181R/S182A。
付加的な突然変異誘発
F200M 4978 DAT突然変異体を作り出すために、実施例25(タグ付き)からの野生型4978 DATオープンリーディングフレームは、プライマー73および80(下記)ならびにPfuTurbo DNA Polymerase(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を用いて増幅し、pCRII−Blunt(Invitrogen社、カールスバード、CA)中にクローニングした。その配列を検証した(Agencourt社、ビバリー、MA)。5’領域および3’領域は、プライマー80および96および99および103をそれぞれ使用して増幅した。次いで、増幅したDNAは、Qiagen社製QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用してゲル精製した。増幅したDNAは、プライマー80および99を使用してPCRにもう一度かけた。増幅したDNAは、上記に記載されるようにゲル精製し、pCRII Blunt中にクローニングし、その配列を検証した。DATオープンリーディングフレームは、pET28b中にNdeI/XhoI制限消化物断片としてサブクローニングした。
Figure 0005441417
以下のプライマーは、QuikChange(登録商標)Multi Site−Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用する付加的な部位特異的突然変異誘発のために設計した。突然変異誘発は、メーカーの指示に従って、Stratagene社製Multi−Changeキット(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用して行った。突然変異誘発のために使用した鋳型は、実施例25に記載されるpET28(タグ付き)4978 DAT構築物とした。二重突然変異体もまた、鋳型としてF200Y突然変異体を使用し、かつT243N(上記に挙げた)プライマーを用いた突然変異誘発の付加的なラウンドを行って作り出した。
Figure 0005441417
突然変異体コード領域はDNA配列決定(Agencourt社)によって検証した。配列を検証したプラスミドはBL21(DE3)細胞(Novagen社、マディソン、WI)に形質転換した。
発現およびアッセイ
500mlバッフル付きフラスコ中に、50μg/mlカナマイシンを有する100ml LBを含有する培養物に、1ml一晩培養物を接種し、約0.6の光学濃度(600nm)まで37℃で成長させた。タンパク質の生成は、1mMの最終濃度でIPTGによって誘発した。細胞は、IPTGの追加後、4.5時間30℃でインキュベートした。細胞は遠心分離し、−80℃で凍結した。細胞は、破壊し(Novagen社推奨のプロトコールに従って、1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼ、5μL/mLプロテアーゼインヒビターカクテルII、および0.033μL/mL rLysozymeを含有するNovagen社製BugBuster試薬(Novagen社、マディソン、WI)を使用して調製)、SDS−PAGEによって分析した。突然変異体(141−LRcD−144→EYcY)および(243−TS−244→NR)はそれらが調製された条件下で不溶性のタンパク質をもたらした。突然変異体243−TS−244→NKは、試験した条件下で数量化できる活性を有さなかった、また、おそらく、S244K突然変異体のように、野生型と比較して活性の弱い酵素である。
Hisタグ付きタンパク質は以下のように精製した。HIS−結合カラム(Novagen社、マディソン、WI)は、200mM NaClおよび50μM PLPを含有する10mLの100mMリン酸カリウム、pH7.8を用いて平衡化した。無細胞抽出物をカラムに装填した。カラムは、10mLの平衡化緩衝液、25mMイミダゾールを含有する10mL平衡化緩衝液、および50mMイミダゾールを含有する10mL平衡化緩衝液を用いて洗浄した。タンパク質は、500mMイミダゾールを含有する5mlの平衡化緩衝液を用いて溶出した。タンパク質は、50μM PLPを含有する100mMリン酸カリウムpH7.8中で平衡化したPD10カラムを使用して脱塩した。精製タンパク質は、濃縮し、Bradford Assay(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用して定量した。
D−アミノトランスフェラーゼ突然変異体は、アッセイ条件として、500μg/mlのD−アミノトランスフェラーゼ、配列番号276の50μg/mlのアルドラーゼ、4mM MgCl、50mMリン酸カリウムpH8、200mMピルビン酸ナトリウム、0.05mM PLP、および20.4mg/ml D−トリプトファンを使用してアッセイした。最終容量は1.25mlとした。試料(200μl)は、0.5、1、2、および14時間後に取り、実験が完了するまで凍結した。試料は、濾過し、1対10に希釈し、実施例1に記載されるようにLC/MS/MSによって分析した。
実施例25からの野生型4978 D−アミノトランスフェラーゼは相対的活性パーセントのための基準として使用した。表37は、各時点での各突然変異体の相対的活性を示す。
Figure 0005441417
T243Nは、R,Rモナチンの生成における活性について試験したすべてのうちで最も優れた突然変異体であった。
株ATCC4978からのD−アミノトランスフェラーゼのT243N突然変異体の安定化
実施例25に示されるように、T243N突然変異体DATの初期活性はB.スファエリクスDATよりも著しく高いが、活性はより急速に減少する。下記に記載される嫌気性プロトコールを使用する付加的な実験は、T243N突然変異体DATの初期活性はB.スファエリクスDATよりも8倍まで高かった、しかしながら活性は、嫌気条件下でさえ急速に減少したことを示した。以下の研究は、長期間のより高い活性の維持を試みるために行った。
株4978(実施例25に記載される)からのD−アミノトランスフェラーゼのT243N突然変異体およびS.メリロティHMGアルドラーゼは、下記に記載されるようにHIS−タグ付きタンパク質として精製した。配列番号276アルドラーゼは実施例23に記載されるように精製した。
ATCC4978からのDAT(T243N突然変異体)の精製
アミノ末端HIS−精製タグを有するATCC株4978からのD−アミノトランスフェラーゼのT243N突然変異体(実施例26に記載される)は、振盪フラスコ中に50μg/mLカナマイシンを含有するEMD Biosciences社製Overnight Express System II(溶液1〜6)(Novagen社、マディソン、WI)を使用して生成した。この発現系は、細胞成長をモニターする必要のないIPTG誘発性系の発現を誘発する。プラスミドpET28b上のATCC株4978からのT243N突然変異体D−アミノトランスフェラーゼについての遺伝子を運ぶイー・コリBL21(DE3)宿主の液体培養物または平板培養物のいずれかからの培地の200mL一定分量の接種の後(1Lフラスコ中)、培養物は、225rpmで振盪させながら一晩30℃でインキュベートした。OD600が最小の6まで達すると、細胞は、遠心分離によって採取し、緩衝液を用いて1回洗浄した。
無細胞抽出物は、メーカーのプロトコールに従って、1μL/mL Benzonase(登録商標) Nuclease(Novagen社、マディソン、WI)、5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Set II(Calbiochem−Novabiochem社、サンディエゴ、CA)、および0.033μL/mL rLysozyme(商標)(Novagen社、マディソン、WI)を含有するEMD Biosciences社製BugBuster(登録商標)(第一級アミンなし)Extraction Reagent(Novagen社、マディソン、WI)を使用して調製した。続く精製工程はすべて4℃で行った。細胞抽出物は、細胞片を除去するために15,000×gで20〜30分間遠心分離した。20〜25mL一定分量の無細胞抽出物は、200mM塩化ナトリウムおよび50μM PLPを含有する100mMリン酸カリウムを用いて先に平衡化した、GE Healthcare社製Chelating Sepharose(商標) Fast Flow樹脂(ニッケル(II)型)(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)の45mLカラムにかけた。ニッケル型の樹脂を産出するために、樹脂は、150mLの200mM硫酸ニッケル(II)六水和物を用いて、次いで150mLの蒸留水を用いて洗浄した。試料を装填した後に、カラムは、25mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液、50mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液、および500mMイミダゾールを含有する150mLの平衡化緩衝液を用いて洗浄し/溶出した。HIS−タグ付きタンパク質は最後の洗浄で溶出した。500mMイミダゾール洗浄物は、メーカーの指示に従って、Millipore/Amicon社製Centricon Plus−70遠心濾過デバイス(MWCO 10kDa)(Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて15〜20mLに濃縮した。イミダゾールおよび塩化ナトリウムは、0.5μM PLPを含有する100mMリン酸カリウム、pH7.8を用いて先に平衡化した、使い捨てのGE Healthcare社製PD10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)(カラム当たり2.5ml試料)を通過させることによって除去した。精製アミノトランスフェラーゼは、カラム当たり3.5mLの同じ緩衝液を用いて溶出した。各画分のタンパク質濃度は、タンパク質標準物質としてBSAを使用して、Pierce社製BCAアッセイキット(Pierce社、ロックフォード、IL)を用いて決定した。
各画分の純度および無細胞抽出物画分中の発現のレベルは、Bio−Rad社製Experionマイクロキャピラリーチップシステム(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してまたはMini PROTEAN(登録商標)3セル装置でのBio−Rad社製4〜15%SDS−ポリアクリルアミド勾配ゲル(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)の実行を使用して決定した。タンパク質は、Bio−Rad社製Bio−Safe G−250 Coomassie染色(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してポリアクリルアミドゲル中で可視化し、水を用いて脱染した。通常、この手順により、Experionソフトウェアによって判断されるように85〜90%純粋な200mlの一晩培養物からまたはSDS−PAGEゲルの分析から約20mgの酵素が生成される。一定分量(1〜5mL)の精製酵素は使用まで−80℃で保存した。
配列番号276アルドラーゼの精製は実施例23に記載されるとおりである。
S.メリロティHMGアルドラーゼの精製
アミノ末端HIS−精製タグを有するS.メリロティHMGアルドラーゼ(米国特許出願公開第20040063175号および国際公開第03091396A2号に記載されるクローニング)を、50mg/Lカナマイシンを含有するLuria−Bertaniブロス中で成長させた培養物の0.2mM IPTGを用いた誘発によって生成した。pET30(Xa/LIC)中にS.メリロティHMGアルドラーゼについての遺伝子を運ぶイー・コリBL21(DE3)宿主の液体培養物または平板培養物のいずれかからの培地の800mL一定分量の接種の後に、培養物は、225rpmで振盪させながら37℃でインキュベートした。光学濃度が、0.5〜0.75のOD600nmに達した場合、IPTGを追加し、培養物は4時間225rpmで振盪させながら30℃でインキュベートした。細胞は、遠心分離によって採取し、緩衝液を用いて1回洗浄した。
S.メリロティアルドラーゼを含有する無細胞抽出物を調製するために、細胞は、100mM NaClを含有する3〜4倍容量の50mM EPPS(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸)、pH8.2中に懸濁させ、次いで、15℃未満に懸濁液の温度を維持して、Microfluidics社製ホモジナイザー(Microfluidics社、ニュートン、MA)(18,000psiで3パス)を使用して破壊した。細胞懸濁液は、細胞片を除去するために15,000〜20,000×gで20〜30分間遠心分離した。HIS−タグ付きタンパク質は、カラムを、Wash緩衝液のみの代わりにBinding緩衝液:Wash緩衝液の1:1溶液を用いて洗浄したことを除き、メーカー推奨のプロトコールに従ってEMD Biosciences社製HIS−Bind(登録商標)カラム(Novagen社、マディソン、WI)を使用して精製した。溶出画分は、メーカーの指示に従って、Millipore/Amicon社製15mL遠心濾過デバイス(MWCO 5kDa)(Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて7〜10mLに濃縮した。イミダゾールおよび塩化ナトリウムは、100mM NaClを含有する50mM EPPS、pH8.2を用いて先に平衡化した、使い捨てのGE Healthcare社製PD10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)(カラム当たり2.5ml試料)を通過させることによって除去した。精製アルドラーゼは、カラム当たり3.5mLの同じ緩衝液を用いて溶出した。各画分のタンパク質濃度は、タンパク質標準物質としてBSAを使用して、Pierce社製BCAアッセイキット(Pierce社、ロックフォード、IL)を使用して決定した。
各画分の純度および無細胞抽出物画分中の発現のレベルは、Mini PROTEAN(登録商標)3セル装置でのBio−Rad社製4〜15%SDS−ポリアクリルアミド勾配ゲル(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)の実行を使用して決定した。タンパク質は、Bio−Rad社製Bio−Safe G−250 Coomassie染色(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してポリアクリルアミドゲル中で可視化し、水を用いて脱染した。通常、この手順により、85〜95%純粋な800mLの培養物から約15〜20mgの酵素が生成される。一定分量(1〜5mL)の精製酵素は使用まで−80℃で保存した。
モナチン生成アッセイ
143mgのD−トリプトファンを含有するコニカルポリプロピレンチューブ(14mL)は、一晩、嫌気性グローブボックス中で脱酸素した。1M EPPS緩衝液(pH8.2)、2M MgCl、2Mピルビン酸ナトリウム、および10mM PLPのストック溶液は、脱気水中で調製し、一晩、嫌気性グローブボックス中で平衡化した。10%(容量/容量)Tween80、1%(容量/容量)Tween20、1%(容量/容量)Triton X−100、100%アセトン、100%エタノール、および50%(重量/容量)グリセロールのストック溶液は、2mL微量遠心チューブ中のトレハロース、イノシトール、ソルビトール、およびエリトリトールの各0.7gと共に、嫌気性グローブボックス中で平衡化した。精製酵素の調製物は氷上で解凍し、嫌気性グローブボックス中で直ちに使用した。最終濃度が100mM EPPS、200mMピルビン酸、100mMトリプトファン、1mM MgCl、0.05mM PLP、0.5mg/mL D−アミノトランスフェラーゼ、および0.01mg/mLの配列番号276アルドラーゼまたは0.05mg/mLのS.メリロティHMGアルドラーゼとなるように、ストック溶液を14mLコニカルチューブに追加した。チューブ当たり最終反応容量が7mLとなるように、提唱された酵素安定化成分を種々の最終濃度で追加した(表38および39)。反応は、24時間まで、緩やかに撹拌しながら嫌気性グローブボックス中で室温でインキュベートした。試料は定期的に取り出し、LC/MS/MS多重反応モニタリング法を使用して、実施例1に記載されるようにモナチンについて分析した。初速度は、酵素の追加の後の0〜3時間の間に回収した試料から算出した。
Figure 0005441417
Figure 0005441417
Triton X−100、Tween20、もしくはTween80等の0.01%〜0.1%(容量/容量)界面活性剤またはグリセロール、トレハロース、イノシトール、もしくはソルビトール等の1%〜10%(重量/容量)ポリオールの追加は、実験の継続時間にわたるT243N D−アミノトランスフェラーゼの安定性を改善した。
A:シュードモナス・プチダKT2440広域特異性アミノ酸ラセマーゼ(BAR)のクローニング
BARは、文献からの情報を使用して、P.プチダKT2440において同定した(Roise,D.,Soda,K.,Yagi,T.,Walsch,C.T.,Biochemistry 23,5195−5201,(1984))。P.ストリアタからのBAR酵素の活性部位は、配列決定され、報告された−LTAVLKADAYGXGIGL(配列番号375)。この配列は、NCBIで入手可能なP.プチダKT2440ゲノム配列をBLASTするのに使用した。ほとんど同一のコンセンサス配列を有するタンパク質を同定した。プライマーは、American Type Culture Collection(ATCC、マナッサス、VA)から得たゲノムDNAからの遺伝子をクローニングするために設計した。
(5'-AGAAGACATATGCCCTTTCGCCGTAGGG-3'(配列番号376および
5'-AGAAGAGGATCCTCAGTCGACGAGTATCTTCG-3')(配列番号377))。
PCRは、標準の条件下で進め、PCR産物は精製した(QIAquick PCR精製キット、Qiagen社、バレンシア、CA)。精製PCR産物はNdeIおよびBamHIを用いて消化した。消化PCR産物は、ゲル精製し(QIAquick Gel Extraction Kit、Qiagen社、バレンシア、CA)、類似する様式で消化し、かつゲル精製したpET30およびpET28にライゲーションした。挿入断片を有するクローンは、配列決定し(Agencourt社、ビバリー、MA)、適正な配列を有する単離物は同定し(pET30 KT2440 BARおよびpET28 KT2440 BAR)、後の研究において使用した。
KT2440 BAR DNA配列は次のとおりである。
atgccctttcgccgtacccttctggctgcatccctggcacttctgatcaccggacaggcccccctgtatgcggcaccaccgttgtcgatggacaacggcaccaacaccctgaccgtgcaaaacagcaatgcctgggtcgaagtcagcgccagcgccctgcagcacaacatccgcacgctgcaggccgagctggccggcaagtccaagctgtgcgccgtgctcaaggccgatgcctatggccacggtatcggcctggtaatgccatcgatcatcgcccaaggcgtgccctgcgtggcggtggccagcaacgaggaggcccgcgtggtccgcgccagtggcttcaccgggcaactggtgcgggtacgcctggccagcctcagcgagctggaagatggcttgcagtacgacatggaagagctggtgggcagcgcggaatttgcccgccaggccgatgccatcgccgcgcgccatggcaagaccttgcgcattcacatggcgctcaactccagcggcatgagccgcaacggggtggagatggccacctggtccggccgtggcgaagcgctgcagatcaccgaccagaagcacctcaagctggtcgcgctgatgacccacttcgccgtggaagacaaggacgatgtacgcaagggcctggcggcattcaacgagcagaccgactggttgatcaagcacgccaggctggaccgcagcaagctcaccctgcacgccgccaactcgttcgctacgctggaagtgccggaagcgcgcctggacatggtacgaacgggtggcgcgctgttcggcgacaccgtgccggcgcgcaccgagtacaaacgtgcgatgcagttcaaatcgcacgtggcggcggtgcacagctatccggccggcaacaccgtgggctatgaccgcaccttcaccctggcccgtgattcgcggctggccaacattacggtcgggtactccgatggctaccgccgggtattcaccaacaagggccatgtgctgatcaacggccaccgtgtgccggtcgtgggcaaggtgtcgatgaacacgctgatggtcgatgtcaccgacttccctgatgtgaaggggggtaacgaagtggtgctgttcggcaagcaggccgggggcgaaatcacccaggccgagatggaagaaatcaacggcgcgttgctcgccgatttgtacaccgtatggggcaattccaacccgaagatactcgtcgactga
(配列番号378)。
KT2440 BARアミノ酸配列は次のとおりである。
Mpfrrtllaaslallitgqaplyaapplsmdngtntltvqnsnawvevsasalqhnirtlqaelagksklcavlkadayghgiglvmpsiiaqgvpcvavasneearvvrasgftgqlvrvrlaslseledglqydmeelvgsaefarqadaiaarhgktlrihmalnssgmsrngvematwsgrgealqitdqkhlklvalmthfavedkddvrkglaafneqtdwlikharldrskltlhaansfatlevpearldmvrtggalfgdtvparteykramqfkshvaavhsypagntvgydrtftlardsrlanitvgysdgyrrvftnkghvlinghrvpvvgkvsmntlmvdvtdfpdvkggnevvlfgkqaggeitqaemeeingalladlytvwgnsnpkilvd
(配列番号379)
B)P.プチダKT2440 BARの精製
上記に記載されるpET30 KT2440 BARプラスミドはBL21 DE3 pLysS(Invitrogen社、カールスバード、CA)に形質転換した。結果として生じた株は、0.4〜0.6のOD600nmまで通気させながら37℃でLBまたはTerrific Broth中で成長させ、1mM IPTGを用いて誘発した。インキュベーションは、通気させながら37℃で3〜4時間継続した。細胞は、遠心分離によって採取し、細胞ペレットは使用まで−80℃で保存した。細胞ペレットは氷上で解凍した。細胞は、BugBuster(Novagen社、マディソン、WI)およびBenzonase(Novagen社、マディソン、WI)を用いて溶解した。細胞片は、遠心分離によって除去し、無細胞抽出物は直ちに使用したまたは−80℃で保存した。KT2440 BAR遺伝子は、さらに、pET28のNdeI−BamHI部位にクローニングし、BL21 DE3 pLysS中に形質転換した。この構築物は、可溶性タンパク質をあまり効率的に発現するようには思われなかった、したがって、タグなしバージョン(pET30 KT2440 BAR)をその後の研究において使用した。
抽出物は、少なくとも5カラム容量の緩衝液A(25mMリン酸カリウムpH8.0、10μMピリドキサール−5’−リン酸(PLP))を用いて平衡化したUnoQカラム(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)にかけた。カラムは、2カラム容量の緩衝液Aを用いて洗浄した。タンパク質は、20カラム容量を超える、0〜100%緩衝液Bの、緩衝液B(緩衝液A+1M NaCl)の直線的な勾配を用いて溶出した。5ml画分は、勾配を開始した時から収集した。画分は、実施例4−第7部に記載されるAmplex Red法を使用してアッセイした。簡潔に言えば、100μg D−アミノ酸オキシダーゼ(Sigma−Aldrich社、セントルイス、MO)、0.05mM FAD、25mM L−トリプトファン、およびアッセイされることになる少容量の画分を、50μL HO中で組み合わせ、メーカーのプロトコールにおいて指示されるように調製した50μL Amplex Red反応緩衝液に追加した。活性を有する画分はPD−10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を用いて脱塩し、Amicon社製遠心濃縮器(Millipore社、ビレリカ、MA)を用いて濃縮した。精製タンパク質は−80℃で保存した。
C)トリプトファンラセマーゼ活性を有する、ゲオバシルス・ステアロテルモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)のアラニンラセマーゼ突然変異体Y354Aの生成およびアッセイ
野生型ゲオバシルス・ステアロテルモフィルスアラニンラセマーゼ(配列番号380、下記に示す、はpET30中にクローニングし、部位特異的突然変異誘発のための鋳型として使用し、Y354A変化を加えた。配列番号380の遺伝子は、標準のPCRプロトコールによって増幅し、標準の組換えDNA技術を使用してクローニングすることができる。配列番号380の遺伝子はまた、当業者に知られているアセンブリーPCR法等の当業者に知られている任意の方法によって再構築することができる。
野生型ゲオバシルス・ステアロテルモフィルスアラニンラセマーゼDNAおよびアミノ酸配列は、配列番号380として下記に示す。
atggacgagt ttcaccgcga tacgtgggcg gaagtggatt tggacgccat ttacgacaat gtggagaatt tgcgccgttt gctgccggac gacacgcaca ttatggcggt cgtgaaggcg aacgcctatg gacatgggga tgtgcaggtg gcaaggacag cgctcgaagc gggggcctcc cgcctggcgg ttgccttttt ggatgaggcg ctcgctttaa gggaaaaagg aatcgaagcg ccgattctag ttctcggggc ttcccgtcca gctgatgcgg cgctggccgc ccagcagcgc attgccctga ccgtgttccg ctccgactgg ttggaagaag cgtccgccct ttacagcggc ccttttccta ttcatttcca tttgaaaatg gacaccggca tgggacggct tggagtgaaa gacgaggaag agacgaaacg aatcgtagcg ctgattgagc gccatccgca ttttgtgctt gaaggggtgt acacgcattt tgcgactgcg gatgaggtga acaccgatta tttttcctat cagtataccc gttttttgca catgctcgaa tggctgccgt cgcgcccgcc gctcgtccat tgcgccaaca gcgcagcgtc gctccgtttc cctgaccgga cgttcaatat ggtccgcttc ggcattgcca tgtatgggct tgccccgtcg cccggcatca agccgctgct gccgtatcca ttaaaagaag cattttcgct ccatagccgc ctcgtacacg tcaaaaaact gcaaccaggc gaaaaggtga gctatggtgc gacgtacact gcgcagacgg aggagtggat cgggacgatt ccgatcggct atgcggacgg ctggctccgc cgcctgcagc actttcatgt ccttgttgac ggacaaaagg cgccgattgt cggccgcatt tgcatggacc agtgcatgat ccgcctgcct ggtccgctgc cggtcggcac gaaggtgaca ctgattggtc gccaagggga cgaggtaatt tccattgatg atgtcgctcg ccatttggaa acgatcaact acgaagtgcc ttgcacgatc agttatcgag tgccccgtat ttttttccgc cataagcgta taatggaagt gagaaacgcc gttggccgcg ga
(配列番号380)。
アラニンラセマーゼ(ゲオバシルス・ステアロテルモフィルス)のコードアミノ酸配列は、配列番号381として下記に示す。
Met Asp Glu Phe His Arg Asp Thr Trp Ala Glu Val Asp Leu Asp Ala Ile Tyr Asp Asn Val Glu Asn Leu Arg Arg Leu Leu Pro Asp Asp Thr His Ile Met Ala Val Val Lys Ala Asn Ala Tyr Gly His Gly Asp Val Gln Val Ala Arg Thr Ala Leu Glu Ala Gly Ala Ser Arg Leu Ala Val Ala Phe Leu Asp Glu Ala Leu Ala Leu Arg Glu Lys Gly Ile Glu Ala Pro Ile Leu Val Leu Gly Ala Ser Arg Pro Ala Asp Ala Ala Leu Ala Ala Gln Gln Arg Ile Ala Leu Thr Val Phe Arg Ser Asp Trp Leu Glu Glu Ala Ser Ala Leu Tyr Ser Gly Pro Phe Pro Ile His Phe His Leu Lys Met Asp Thr Gly Met Gly Arg Leu Gly Val Lys Asp Glu Glu Glu Thr Lys Arg Ile Val Ala Leu Ile Glu Arg His Pro His Phe Val Leu Glu Gly Val Tyr Thr His Phe Ala Thr Ala Asp Glu Val Asn Thr Asp Tyr Phe Ser Tyr Gln Tyr Thr Arg Phe Leu His Met Leu Glu Trp Leu Pro Ser Arg Pro Pro Leu Val His Cys Ala Asn Ser Ala Ala Ser Leu Arg Phe Pro Asp Arg Thr Phe Asn Met Val Arg Phe Gly Ile Ala Met Tyr Gly Leu Ala Pro Ser Pro Gly Ile Lys Pro Leu Leu Pro Tyr Pro Leu Lys Glu Ala Phe Ser Leu His Ser Arg Leu Val His Val Lys Lys Leu Gln Pro Gly Glu Lys Val Ser Tyr Gly Ala Thr Tyr Thr Ala Gln Thr Glu Glu Trp Ile Gly Thr Ile Pro Ile Gly Tyr Ala Asp Gly Trp Leu Arg Arg Leu Gln His Phe His Val Leu Val Asp Gly Gln Lys Ala Pro Ile Val Gly Arg Ile Cys Met Asp Gln Cys Met Ile Arg Leu Pro Gly Pro Leu Pro Val Gly Thr Lys Val Thr Leu Ile Gly Arg Gln Gly Asp Glu Val Ile Ser Ile Asp Asp Val Ala Arg His Leu Glu Thr Ile Asn Tyr Glu Val Pro Cys Thr Ile Ser Tyr Arg Val Pro Arg Ile Phe Phe Arg His Lys Arg Ile Met Glu Val Arg Asn Ala Val Gly Arg Gly
(配列番号381)
突然変異誘発は、QuickChange−Multi site−directed突然変異誘発キット(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用して行った。以下の突然変異誘発性プライマーは、Y354A変化を加えるために使用した、5’−gccatttggaaacgatcaacgcggaagtgccttgcacgatcag−3’(配列番号382)。部位特異的突然変異誘発は、メーカーのプロトコールに記載されるように行った。数種の単離物は配列決定し(Agencourt社、ビバリー、MA)、適正な配列を有する単離物は、さらなる分析のために選択し、使用した。
pET30Y354A単一突然変異体はイー・コリBL21(DE3) pLysS中に形質転換した。精製タンパク質は以下の様式で調製した。株は、0.4〜0.6のOD600nmまでLBまたはTerrific Broth中で成長させ(通気させながら37℃で)、1mM IPTGを用いて誘発した。インキュベーションは約3時間通気させながら37℃で継続した。細胞は、遠心分離によって採取し、細胞ペレットは−80℃で保存した。
細胞ペレットは氷上で解凍し、次いで、Benzonase nuclease(Novagen社、マディソン、WI)を加えた適切な容量のBugBuster(Novagen社、マディソン、WI)中に再度懸濁させた。細胞片は、遠心分離によって除去し、無細胞抽出物は、Binding緩衝液を用いて平衡化したHIS−Bindカラム(Novagen社、マディソン、WI)にかけた。カラムは、Binding緩衝液およびWash緩衝液を用いて洗浄し、タンパク質は、Elution緩衝液を用いて溶出させた(メーカーのプロトコールに指示されるように)。精製タンパク質はPD−10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)を使用して脱塩した。タンパク質は、メーカーのプロトコールに従って、50mMリン酸カリウムpH8.0および10μMピリドキサール−5’−リン酸中に脱塩させた。タンパク質は、Amicon社製遠心濃縮器(Millipore社、ビレリカ、MA)を使用して濃縮した。精製濃縮タンパク質は、少量の一定分量に分け、使用まで−80℃で保存した。
精製Y354Aは、アラニンおよびトリプトファンのアッセイの両方において野生型アラニンラセマーゼ(上記に記載される様式で調製)と比較した。アッセイは、400μLの濃縮精製タンパク質(>1mg/ml)および50mM基質を使用して、50mMリン酸カリウム緩衝液、pH8および10μM PLP中で37℃で行った。D−アラニンおよびD−トリプトファンの検出は、実施例1に記載されるキラルアミノ酸方法論を用いて行った。
Figure 0005441417
これらのデータは内部標準物質を使用しないで分析した、したがって、これらのデータは半量的であり、比較の目的のために使用されるべきである。それにもかかわらず、これらの結果は、アラニンラセマーゼが代替基質を使用してアミノ酸ラセミ化を触媒することができるようアラニンラセマーゼの特異性を広げるのにY354A単一突然変異が十分であることを示す。
D)BAR酵素のアッセイ
BAR酵素は以下のようにアッセイした。Amplex Redアッセイは本実施例に記載されるように設定した。P.プチダKT2440 BARは200μgで使用された(本実施例に記載されるように精製)。野生型G.ステアロテルモフィルスアラニンラセマーゼおよびY354Aは本実施例に記載されるように精製し、200μg/mLまたは1000μg/mLのいずれかで使用した。CEは、本実施例において記載されるように調製した無細胞抽出物である。60分間の時点の結果を下記の表41に示す。
Figure 0005441417
精製タンパク質もまた、上記に記載されるように、50mMリン酸カリウムpH8、10μM PLP、および30mM L−トリプトファン中でトリプトファンラセマーゼ活性についてアッセイした。200μg/mLまたは1000μg/mLのいずれかの精製酵素をアッセイにおいて使用した(括弧中に示す)。D−トリプトファンは、検出について実施例1に記載されるキラルアミノ酸法を使用して分析した。
Figure 0005441417
アッセイは、P.プチダKT2440 BAR酵素が、G.ステアロテルモフィルス由来酵素およびそのY354A突然変異体よりもトリプトファンに対してはるかに活性であることを示す。
E)P.プチダKT2440 BARを用いたモナチン生成
モナチン生成アッセイは、精製P.プチダKT2440 BAR(上記で精製)(100μg)または精製Y354A(上記で精製)(500μg)、D−アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics社製AT−103(パサデナ、CA))(500μg)、および配列番号276のアルドラーゼ)(実施例23で精製)(50μg)を用いて行った。L−トリプトファン用いて始めるモナチン生成実験は以下のように行った。上記の酵素に加えて、以下のものを1mLの反応混合物当たりに追加した:4mM MgCl、50mM L−トリプトファン、100mMピルビン酸ナトリウム、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5、および0.05mM PLP。
コントロールとして、実験は、ラセマーゼなしでかつL−トリプトファンの代わりにD−トリプトファンで始めて、上記に記載されるように行った。結果の概要を下記の表43に示す。
Figure 0005441417
モナチンは、この実験においてY354Aを使用して検出されなかった。このラセマーゼは、モナチンを生成するために過去に使用されてきた(データ示さず)が、はるかに高いレベルの酵素が使用された(少なくとも2mgおよびより高いレベルのモナチンを検知するためには10mgまで)。P.プチダKT2440 BARはL−トリプトファンからモナチンを生成するために使用した。この実験において使用される100μgは、2時間後にモナチン生成を検知するには十分ではなかったが、18時間後にモナチン生成を検知するのに十分であった。立体異性体分布は、生成されたほとんどのモナチンがR,R異性体であることを示した。R,S異性体は生成されなかった。この結果は、KT2440 BARがモナチンのR,R異性体を検出可能にラセミ化することができないことを示す(R,R異性体のラセミ化によりR,S異性体が生成されると思われる)。この実験において生成された著しい量のS,S異性体があった。これは、おそらく、この実験において使用したAT−103が高度に精製されておらず、かつ細胞抽出物からのL−アミノトランスフェラーゼを含有する可能性があるという事実およびS−MPのアミノ基転移のためのアミノ供与体として役立つように存在する大量のL−トリプトファンがあるという事実によるものである。
シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)アルギニンラセマーゼのクローニングおよび発現
実験概要
シュードモナス・タエトロレンス(P.グラベオレンス(P.graveolens)としても知られている)アルギニンラセマーゼ(Genbank受託番号AB096176、核酸配列)およびそのI384M突然変異体は、クローニングし、発現させ、D−トリプトファンへのL−トリプトファンの変換における活性について試験した。この遺伝子は、上記に記載される、KT2440からのP.プチダBAR遺伝子に72%同一であり、NBRC 12996からのP.プチダBAR遺伝子に73%同一である。アミノ酸配列は両方のP.プチダBARタンパク質に72%同一である。
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコール
シュードモナス・タエトロレンス(ATCC4683)は、225rpmで振盪させながら28℃で栄養ブロス中で成長させた。ポリメラーゼ連鎖反応は、pET28ベクターおよびpET30ベクター(Novagen社、マディソン、WI)中にクローニングするために5’制限部位およびオーバーハングを用いて設計したプライマーを用いて全細胞に対して行った。
プライマー配列は次のとおりであった。
N末端:5'-ATAATACATATGCCCTTCTCCCGTACCC-3'(配列番号408)および
C末端:5'-GCGGCGGGATCCTTACTGATCTTTCAGGATT-3'(配列番号409)。
P.タエトロレンスに由来する遺伝子は、以下のPCRプロトコールを使用して増幅した。25μLの成長させた細胞を10分間96℃で溶解した。細胞片は、遠心分離によって除去し、上清はPCRのための鋳型として使用した。100μL反応は、5μL鋳型(溶解した細胞上清)、1.6μMの各プライマー、0.3mM各dNTP、10U rTth PolymeraseXL(Applied Biosystems社、フォスターシティー、CA)、1×XL緩衝液、および1mM Mg(OAc)を含有した。使用されるサーモサイクラープログラムは、3分間94℃でのホットスタートを含み、以下の工程を8回繰り返し:30秒間94℃、30秒間52℃、および2分間68℃、その後、以下の工程を22回繰り返した:30秒間94℃、30秒間58℃、および2分間68℃。22回繰り返した後、試料は、7分間68℃での維持し、次いで、4℃で保存した。このPCRプロトコールにより1230bpの産物を生成した。
クローニング
PCR産物は、Qiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して0.8%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。産物は、TOPOクローニングし、メーカーのプロトコール(Invitrogen社、カールスバード、CA)に従ってTOP10細胞中に形質転換した。プラスミドDNAは、Qiagen社製スピンミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して結果として生じた形質転換体から精製し、NdeIおよびBamHIを用いた制限消化によって正確な挿入断片についてスクリーニングした。正確な挿入断片を有するように思われるプラスミドの配列は、汎発性のM13順方向プライマーおよびM13逆方向プライマーを用いてジデオキシ連鎖停止DNA配列決定によって検証した。
適正なTOPOクローンは、メーカー推奨のプロトコール(New England Biolabs社、ビバリー、MA)に従って、制限酵素NdeIおよびBamHIを用いて消化し、Qiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して、0.8%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。ベクターpET28およびpET30は、制限酵素NdeIおよびBamHIを用いた消化により調製し、その後、エビアルカリフォスファターゼを用いる処理(Roche社、インディアナポリス、IN)およびQiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用する0.8%TAE−アガロースゲルからの精製が続いた。消化したベクターおよび挿入断片は、Rapid(商標)DNA Ligation Kit(Roche社、インディアナポリス、IN)を使用してライゲーションした。約50ngの処理した挿入断片、100ngの処理したベクター(ベクターに対する挿入断片の3対1のモル比)、5UのT4 DNAリガーゼ、および1×ライゲーション緩衝液を室温で5分間インキュベートした。ライゲーション反応は、High Pure PCR Product Purification Kit(Roche社、インディアナポリス、IN)を使用して脱塩し、イー・コリDH10Bエレクトロコンピテント細胞(Invitrogen社、カールスバード、CA)を形質転換するために使用した。10μlの各ライゲーション反応に、40μlのDH10B細胞を追加し、以下の条件下でBioRad社製Gene Pulsar II(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)を使用してエレクトロポレーションによって形質転換した:0.2cmキュベット中2.5kV、25μF、200オーム。細胞は、225rpmで振盪させながら37℃で1時間、1mLの室温SOC中で回復させた。細胞は、カナマイシン(50μg/mL)を含有するLB平板上で平板培養した。プラスミドDNAは、Qiagen社製スピンミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して結果として生じた形質転換体から精製し、NdeIおよびBamHIを用いた制限消化によって正確な挿入断片についてスクリーニングした。
遺伝子発現およびアッセイ
プラスミドDNAは、イー・コリ発現宿主BL21(DE3) pLysS(Novagen社、マディソン、WI)中に形質転換した。培養物を成長させ、プラスミドは、Qiagen社製ミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して単離し、同一性を確認するために制限消化によって分析した。
BL21DE3 pLysS中での誘発は、pET28ベクター(ヒスチジンタグ付き)およびpET30(タグなし)ベクターの両方において最初に行った。時間的経過研究は、カナマイシン(50mg/L)を含有する100mL LB中で0.5のOD600まで37℃で成長させた培養物を用いて行い、100μM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘発し、誘発後、0および3時間にサンプリングする。0時間および3時間の時点からの細胞は、2−メルカプトエタノールを含有する1×ドデシル硫酸ナトリウム緩衝液中に再懸濁し、10分間95℃で加熱し、冷却した。これらの全細胞タンパク質試料の一定分量を、4〜15%勾配ゲルを使用してSDS−PAGEによって分析した。
細胞抽出物は、さらに、ベンゾナーゼヌクレアーゼおよびプロテアーゼインヒビターカクテルセット#3(Calbiochem−Novabiochem社、サンディエゴ、CA)を含有するNovagen BugBuster(商標)試薬中の5mLの培養物からの細胞ペレットを緩やかに振盪させながら20分間室温で懸濁させることによってならびに細胞片を除去するために16,000×gで遠心分離することによって3時間培養物から調製した。上清(細胞抽出物)は、細胞可溶性タンパク質の分析のために4〜15%勾配ゲル上に装填した。
クローニングしたP.タエトロレンスアルギニンラセマーゼからの3時間試料は、pET30(タグなし)ベクター中の適正なサイズ(約45kDa)に相当する全タンパク質バンドを示した。P.タエトロレンスpET30遺伝子産物は、P.タエトロレンスpET28(ヒスチジンタグ付き)遺伝子産物よりも高いレベルで過剰発現したが、どちらのベクターからも目に見える可溶性タンパク質バンドを生じなかった。
誘発した培養物(100mL)からの細胞は、遠心分離し、0.85%NaClを用いて1回洗浄した。細胞ペレットは、5μL/mLプロテアーゼインヒビターカクテルセット#3(Calbiochem−Novabiochem社、サンディエゴ、CA)および1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼを含有する5mL/湿細胞重量gのBugBuster(商標)(Novagen社、マディソン、WI)試薬中で再懸濁させた。試料は、オービタルシェーカー上で20分間室温でインキュベートした。不溶性細胞片は、4℃で20分間16,000×gでの遠心分離によって除去した。
細胞抽出物は以下のプロトコールを使用して、トリプトファンラセマーゼ活性についてアッセイした。1mL反応は、50mMリン酸カリウム(pH8.0)、0.05mM PLP、および30mM Lトリプトファン中で行った。反応は、無細胞抽出物の追加によって開始し、一晩30℃でインキュベートした。試料一定分量は一晩のインキュベーションの後に測った(0分間の試料はコントロール反応物として取り扱った)。濃縮ギ酸(5μL)は、反応を停止させるために各250μL試料の一定分量に追加し、沈殿したタンパク質は、遠心分離によって除去した。上清は、取り出し、実施例1に記載されるキラルアミノ酸法によってD−トリプトファンについて分析するまで−80℃で凍結させた。
100μM IPTGを用いたpET28およびpET30の誘発(3時間)からの細胞抽出物からのアッセイ結果は、P.タエトロレンスクローンがL−トリプトファンに対してラセマーゼ活性を示すことを実証する。さらに、BARのタグ付きバージョンはそれほど活性ではないように思われ、沈殿する可能性があるまたはタグなし(pET28)ほど可溶性ではない可能性がある。可溶性の非常に乏しいタンパク質が得られたので定量的ではないが、下記の表44に最初の結果を示す。
Figure 0005441417
pET30(タグなし)構築物の誘発は、上述と同じ条件を使用して繰り返し、目に見える可溶性タンパク質バンドはSDS−PAGE上で観察された。アッセイは、上記に記載される同じ条件を使用して繰り返し、結果は、下記の表45に示すように得られた。
Figure 0005441417
さらに、容量を倍増しても活性は上がらなかったことが注目された。その後の作業については、細胞抽出物の調製の後にBugbusterからタンパク質をできるだけ速く除去し、かつ0.01mM PLPを含有する50mMリン酸緩衝液pH8にタンパク質を保存することを決定した。Bugbuster中の界面活性剤は、反応を阻害する可能性があるまたは保存に際して活性の損失を引き起こす可能性がある。
pET30構築物の誘発をもう一度実行し、細胞抽出物は、より純粋な抽出物を生じさせるために陰イオン交換クロマトグラフィー(実施例28でのように)を用いて処理した。アッセイは、この部分的に精製したプレップを用いて繰り返した。下記の表46のラセマーゼ抽出物の列の括弧中の数は、アッセイで使用した部分的に精製したラセマーゼ酵素のおよその量を示す。アッセイの結果を下記の表46に示す。
Figure 0005441417
この場合の一晩の試料が非直線性であるのは、おそらく、反応が平衡に達しているという事実による。明らかに、P.タエトロレンスBARは、12996 BARおよびKT2440 BARのように、トリプトファンのラセミ化に対して著しい活性を有する。KT2440 BARおよびP.タエトロレンスBARは、12996 BARよりもわずかに高い、類似する活性を有するように思われる。
P.タエトロレンスアルギニンラセマーゼのDNA配列は、配列番号410として下記に示す。PCR配列は、公開NCBI配列と比較して2つの変化を生じた。特に、PCR配列は、位置902にグアニンではなくアデノシンを、かつ位置921にグアニンではなくシトシンを含有した。これらのDNA変化はまた、1つのサイレント突然変異およびアミノ酸位置301でのグリシンからアスパラギン酸への1つの変化ももたらした。
ATGCCCTTCTCCCGTACCCTGCTCGCCCTTTCCCTTGGCATGGCATTGCTGCAAAACCCGGCCTTTGCTGCGCCACCCCTGTCGATGACCGACGGCGTAGCTCAAGTGAATACCCAGGACAGCAATGCCTGGGTCGAAATCAATAAAGCCGCGTTCGAGCACAACATACGGACTCTGCAAACCGCCCTCGCCGGCAAGTCGCAGATCTGCGCCGTACTCAAGGCGGATGCCTATGGCCACGGTATCGGCTTGTTGATGCCCTCGGTGATCGCCATGGGTGTTCCCTGTGTCGGTGTCGCCAGCAACGAAGAAGCCCGCGTCGTGCGCGAGAGCGGTTTCAAGGGTCAACTGATACGCGTGCGCACCGCTGCCCTGAGCGAACTGGAAGCTGCACTGCCGTACAACATGGAAGAGCTGGTGGGCAACCTGGACTTCGCGGTCAAGGCCAGCCTGATTGCCGAGGATCACGGTCGCCCGCTGGTGGTGCACCTGGGTCTGAATTCCAGCGGCATGAGCCGTAACGGAGTGGACATGACCACCGCTCAGGGCCGTCGTGATGCGGTAGCTATCACCAAGGTGCCAAACCTGGAAGTGCGGGCGATCATGACCCACTTCGCGGTCGAAGATGCTGCCGACGTGCGTGCCGGGCTCAAGGCCTTCAATCAGCAAGCCCAATGGCTGATGAACGTGGCCCAGCTTGATCGCAGCAAGATCACCCTGCACGCGGCCAACTCGTTCGCCACACTGGAGGTGCCCGAATCGCATCTGGACATGGTCCGCCCCGGCGGCGCGCTGTTCGGCGACACCGTACCGTCCCACACCGAGTACAAGCGGGTCATGCAGTTCAAGTCCCACGTGGCGTCGGTCAACAGCTACCCCAAGGGCAACACCGTCGGTTATGACCGCACGTACACCCTGGGCCGCGACTCGCGGCTGGCCAACATCACCGTCGGCTACTCTGACGGCTACCGCCGCGCGTTTACCAATAAAGGGATTGTGCTGATCAACGGCCATCGCGTGCCAGTGGTGGGCAAAGTCTCGATGAACACCCTGATGGTGGACGTCACTGACGCGCCGGATGTGAAAAGCGGCGATGAAGTGGTGCTGTTCGGGCACCAGGGCAAGGCCGAGATTACCCAGGCTGAGATCGAAGACATCAACGGTGCACTGCTTGCGGATCTGTATACCGTGTGGGGCAATTCCAACCCTAAAATCCTGAAAGATCAGTAA
(配列番号410)。
配列番号410の遺伝子によってコードされたタンパク質は、シグナルペプチド予測プログラムSignal P 3.0(www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)によって分析し、23個のアミノ酸のリーダー配列を予測した。
P.タエトロレンスBARのI384M突然変異誘発
突然変異誘発は、タグなしタンパク質をもたらすpET30においてP.タエトロレンスBAR遺伝子を使用して、QuickChange−Multi site−directed突然変異誘発キット(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用して行った。以下の突然変異誘発性プライマーは1384M変化を加えるために使用した。5'-TACCCAGGCTGAGATGGAAGACATCAACG-3'(配列番号411)。
部位特異的突然変異誘発は、メーカーのプロトコールに記載されるように行った。数種の単離物は配列決定し(Agencourt社、ビバリー、MA)、適正な配列を有する単離物は、さらなる分析のために選択し、使用した。
プラスミドはBL21(DE3)細胞(Novagen社、マディソン、WI)に形質転換した。組換えタンパク質は、メーカーのプロトコールに従って、50μg/mLカナマイシンを含有するOvernight Express II培地(Novagen社、マディソン、WI)中で生成した。無細胞抽出物は、メーカーのプロトコールに従ってBugBuster(Novagen社、マディソン、WI)を使用して調製し、脱塩し、上記に記載されるExperion法を使用して、標的タンパク質の発現パーセントについて分析した。
全タンパク質アッセイはPierce社製BCAキット(Pierce社、ロックフォード、IL)を使用して行った。突然変異体酵素を用いるトリプトファンラセマーゼアッセイは、ポジティブコントロールと同じ様式で調製した野生型酵素を使用して行った。アッセイは1mL当たり次のものを含有した:無細胞抽出物中、30mM L−トリプトファン、50mMリン酸カリウムpH8、10μM PLP、および約100μgのラセマーゼタンパク質。100μgを使用しなかった(Experion発現%およびPierce社の全タンパク質数に基づく)場合、結果は標準化した。0、30分間、2時間、および一晩の試料を収集し、2%ギ酸を用いて処理し、濾過し、かつ実施例1に記載されるキラルアミノ酸法を使用する分析のために1:10に希釈した。
野生型酵素は30分間で49.1ppm D−トリプトファンを生成するように思われたが、I384M突然変異体は108ppmを生成した。2時間の時点は類似していた−229.4ppm D−トリプトファンが、I384M突然変異体についての541.7に対して野生型酵素によって生成された。I384M突然変異は、P.タエトロレンスBARの活性を約2倍にしたように思われる。突然変異体についての一晩の時点もまたより高いが、反応が平衡に近づくにつれて活性間の相違は低下する。アッセイを実施例28におけるモナチン生成について行った場合、I384Mは、野生型P.タエトロレンス酵素に対していかなる有益性も提供するようには思われなかった。
A.キャビエ抽出物アッセイ
エロモナス・キャビエATCC14486は37℃で栄養ブロス中で成長させた。培養物からの細胞(200mL)は、遠心分離し、0.85%NaClを用いて1回洗浄した。細胞ペレットは、5μL/mLプロテアーゼインヒビターカクテルセット#3(Calbiochem−Novabiochem社、サンディエゴ、CA)および1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼを含有する5mL/湿細胞重量g BugBuster(商標)(Novagen社、マディソン、WI)試薬中で再懸濁させた。試料は、オービタルシェーカー上で20分間室温でインキュベートした。不溶性細胞片は、4℃で20分間16,000×gでの遠心分離によって除去した。無細胞抽出物はPD−10カラム(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、NJ)で脱塩した。
無細胞抽出物は以下のプロトコールを使用して、トリプトファンラセマーゼ活性についてアッセイした。1mL反応は、50mMリン酸カリウム(pH8.0)、0.05mM PLP、および30mM Lトリプトファン中で行った。反応は、無細胞抽出物(100μLまたは500μLのいずれか)の追加によって開始し、一晩30℃でインキュベートした。試料一定分量は、2時間でおよび一晩のインキュベーションの後に測った(0分間の試料はコントロール反応物として取り扱った)。濃縮ギ酸(5μL)は、反応を停止させるために各250μL試料の一定分量に追加し、沈殿したタンパク質は、遠心分離によって除去した。上清は、取り出し、実施例1に記載されるキラルアミノ酸法によってD−トリプトファンについて分析するまで−80℃で凍結させた。
A.キャビエの細胞抽出物からのアッセイ結果は、表47に示されるようにL−トリプトファンに対するラセマーゼ活性を実証した。
Figure 0005441417
A.キャビエ細胞抽出物における活性を発見した後、縮重プライマーは、この種からのBAR遺伝子を得るために設計した(知られているBAR相同体の保存領域に基づく)。縮重プライマー配列を下記に示す。
Aer deg F2:5'-GCCAGCAACGARGARGCMCGCGT-3'(配列番号412);および
Aer deg R1:5'-TGGCCSTKGATCAGCACA-3'(配列番号413)
KはGまたはTを示し、RはAまたはGを示し、SはCまたはGを示し、MはAまたはCを示す。
上記のプライマーは、A.キャビエ(ATCC14486)ゲノムDNAからの715bp DNA断片をPCR増幅するために使用した。以下のPCRプロトコールを使用した:50μL反応は、0.5μL鋳型(約100ngのA.キャビエゲノムDNA)、1.6μMの各プライマー、0.3mM各dNTP、10U rTth PolymeraseXL(Applied Biosystems社、フォスターシティー、CA)、1×XL緩衝液、1mM Mg(OAc)、および2.5μLジメチルスルホキシドを含有した。使用されるサーモサイクラープログラムは、3分間94℃でのホットスタートを含み、以下の工程を30回繰り返した:30秒間94℃、30秒間53℃、および2分間68℃。30回繰り返した後、試料は、7分間68℃に維持し、次いで、4℃で保存した。このPCRプロトコールにより715bpの産物を生成した。
クローニング
PCR産物は、Qiagen社製ゲル抽出キット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して0.8%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。産物は、TOPOクローニングし、メーカーのプロトコール(Invitrogen社、カールスバード、CA)に従ってTOP10細胞に形質転換した。プラスミドDNAは、Qiagen社製スピンミニプレップキット(Qiagen社、バレンシア、CA)を使用して結果として生じた形質転換体から精製し、EcoR1を用いた制限消化によって正確な挿入断片についてスクリーニングした。正確な挿入断片を有するように思われるプラスミドの配列は、汎発性のM13順方向プライマーを用いたジデオキシ連鎖停止DNA配列決定によって検証した。
A.キャビエPCR産物のDNA配列は、配列番号414)として下記に示す、また縮重プライマー配列領域には下線を引いた。
GCCAGCAACGARGARGCMCGCGTTGCCCGCGAGAAGGGCTTCGAAGGTCGCCTGATGCGGGTACGTGCCGCCACCCCGGATGAAGTGGAGCAGGCCCTGCCCTACAAGCTGGAGGAGCTCATCGGCAGCCTGGAGAGCGCCAAGGGGATCGCCGACATCGCCCAGCGCCATCACACCAACATCCCGGTGCACATCGGCCTGAACTCCGCCGGCATGAGCCGCAACGGCATCGATCTGCGCCAGGACGATGCCAAGGCCGATGCCCTGGCCATGCTCAAGCTCAAGGGGATCACCCCGGTCGGCATCATGACCCACTTCCCGGTGGAGGAGAAAGAGGACGTCAAGCTGGGGCTGGCCCAGTTCAAGCTGGACTACCAGTGGCTCATCGACGCCGGCAAGCTGGATCGCAGCAAGCTCACCATCCACGCCGCCAACTCCTTCGCCACCCTGGAAGTACCGGAAGCCTACTTTGACATGGTGCGCCCGGGCGGCATCATCTATGGCGACACCATTCCCTCCTACACCGAGTACAAGAAGGTGATGGCGTTCAAGACCCAGGTCGCCTCCGTCAACCACTACCCGGCGGGCAACACCGTCGGCTATGACCGCACCTTCACCCTCAAGCGCGACTCCCTGCTGGCCAACCTGCCGATGGGCTACTCCGACGGCTACCGCCGCGCCATGAGCAACAAGGCCTATGTGCTGATCMASGGCCA
(配列番号414)、RはAまたはGを示し、SはCまたはGを示し、MはAまたはCを示す。
部分的なA.キャビエBAR酵素のアミノ酸配列を配列番号415として下記に示す。
ASNEEARVAREKGFEGRLMRVRAATPDEVEQALPYKLEELIGSLESAKGIADIAQRHHTNIPVHIGLNSAGMSRNGIDLRQDDAKADALAMLKLKGITPVGIMTHFPVEEKEDVKLGLAQFKLDYQWLIDAGKLDRSKLTIHAANSFATLEVPEAYFDMVRPGGIIYGDTIPSYTEYKKVMAFKTQVASVNHYPAGNTVGYDRTFTLKRDSLLANLPMGYSDGYRRAMSNKAYVLIXG
XはH、Q、N、またはKである(配列番号415)。
上記の配列番号415のコンセンサスタンパク質配列断片は、A.ハイドロフィラについての公開TIGR配列にアミノ酸レベルで89%相同である。高度に関連するエロモナス・ハイドロフィラタンパク質がA.キャビエ細胞抽出物と同様に広域特異性ラセマーゼ活性を呈したので、A.キャビエについての完全長コード領域は、得られると、トリプトファンに対する活性を有する広域特異性を同様に有するであろうラセマーゼを生成するであろうということが予想された。Genome Walker法は、配列番号416として下記に示すA.キャビエBAR遺伝子の完全長遺伝子配列を得るために利用した。
atgcacaaga aaacactgct cgcgaccctg atctttggcc tgctggccgg ccaggcagtc gccgccccct atctgccgct cgccgacgac caccgcaacg gtcaggaaca gaccgccgcc aacgcctggc tggaagtgga tctcggcgcc ttcgagcaca acatccagac cctgaagaat cgcctcggtg acaagggccc gcagatctgc gccatcatga aggcggacgc ctacggtcac ggcatcgacc tgctggtccc ttccgtggtc aaggcaggca tcccctgcat cggcatcgcc agcaacgaag aagcacgtgt tgcccgcgag aagggcttcg aaggtcgcct gatgcgggta cgtgccgcca ccccggatga agtggagcag gccctgccct acaagctgga ggagctcatc ggcagcctgg agagcgccaa ggggatcgcc gacatcgccc agcgccatca caccaacatc ccggtgcaca tcggcctgaa ctccgccggc atgagccgca acggcatcga tctgcgccag gacgatgcca aggccgatgc cctggccatg ctcaagctca aggggatcac cccggtcggc atcatgaccc acttcccggt ggaggagaaa gaggacgtca agctggggct ggcccagttc aagctggact accagtggct catcgacgcc ggcaagctgg atcgcagcaa gctcaccatc cacgccgcca actccttcgc caccctggaa gtaccggaag cctactttga catggtgcgc ccgggcggca tcatctatgg cgacaccatt ccctcctaca ccgagtacaa gaaggtgatg gcgttcaaga cccaggtcgc ctccgtcaac cactacccgg cgggcaacac cgtcggctat gaccgcacct tcaccctcaa gcgcgactcc ctgctggcca acctgccgat gggctactcc gacggctacc gccgcgccat gagcaacaag gcctatgtgc tgatccatgg ccagaaggcc cccgtcgtgg gcaagacttc catgaacacc accatggtgg acgtcaccga catcaagggg atcaaacccg gtgacgaggt ggtcctgttc ggacgccagg gtgatgccga ggtgaaacaa tctgatctgg aggagtacaa cggtgccctc ttggcggaca tgtacaccgt ctggggctat accaacccca agaagatcaa gcgctaa
(配列番号416)。
A.キャビエ天然BARについての対応するアミノ酸配列を配列番号417として下記に示す。
1 mhkktllatl ifgllagqav aapylpladd hrngqeqtaa
41 nawlevdlga fehniqtlkn rlgdkgpqic aimkadaygh
81 gidllvpsvv kagipcigia sneearvare kgfegrlmrv
121 raatpdeveq alpykleeli gslesakgia diaqrhhtni
161 pvhiglnsag msrngidlrq ddakadalam lklkgitpvg
201 imthfpveek edvklglaqf kldyqwlida gkldrsklti
241 haansfatle vpeayfdmvr pggiiygdti psyteykkvm
281 afktqvasvn hypagntvgy drtftlkrds llanlpmgys
321 dgyrramsnk ayvlihgqka pvvgktsmnt tmvdvtdikg
361 ikpgdevvlf grqgdaevkq sdleeyngal ladmytvwgy
401 tnpkkikr
(配列番号417)。
配列番号417の最初の21個のN末端アミノ酸残基は、プログラムSignal P 3.0(www.ebs.dtu.dk./services/SignalP/)を使用すると、シグナルペプチドであることが予測される。実験的証拠により、発現産物はイー・コリの周辺質へ分泌され、予測されるようにシグナルペプチドは開裂することが確認された。完全長遺伝子は、上記に記載される方法を使用してクローニングし、かつ発現させた場合、P.タエトロレンスBARに匹敵したが、それよりも大きな活性を有することがわかった。
代替発現宿主における配列番号276のアルドラーゼの生成
配列番号275の遺伝子は、イー・コリmetE遺伝子およびNgoMIV制限部位に挿入されたプロモーターおよびベータラクタマーゼ遺伝子(bla)を容易に除去するために追加された第2のpsiI制限部位を含有するpET23dベクター(Novagen社、マディソン、WI)の誘導体中に標準の分子生物学手順を使用してサブクローニングした。ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子の挿入断片を含有するこのベクターの構築は、実施例2および20においてPCT国際公開第2006066072号に記載される。アルドラーゼ挿入断片は、DNA配列決定によって確認し(Agencourt Bioscience社;ビバリー、MA)、適正な挿入断片配列を有するプラスミドはイー・コリ発現宿主BW30384(DE3)ΔompTΔmetEに形質転換した。この発現宿主の構築および形質転換プロトコールもまたPCT国際公開第2006066072に記載される(実施例21および22)。アルドラーゼ遺伝子は、100mg/Lアンピシリンを含有するNovagen社製Overnight Express(商標) Autoinduction System II(Novagen社、マディソン、WI)を使用して発現させた。この系は、バチルス・スファエリクス(ATCC株10208)D−アラニンアミノトランスフェラーゼの発現について実施例24に記載された。アルドラーゼを含有する無細胞抽出物は、細胞溶解のためのメーカー推奨のプロトコールに従って1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼ、0.033μL/mL r−Lysozyme、および5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Set IIを含有するNovagen社製BugBuster(商標) Extraction Reagent(第一級アミンなし)(Novagen社、マディソン、WI)を使用して生成した。無細胞抽出物中の可溶性タンパク質は、Bio−Rad Laboratories社製Experion(商標) Automated Electrophoresis Station(Bio−Rad社、ヘラクレス、CA)で分離し、実施例12に記載されるようにExperion Softwareバージョン1.1.98.0を使用して可溶性タンパク質発現パーセントについて分析した。
イー・コリにおけるアルドラーゼ発現を改善することを試みるために、DNAコード配列の2〜7個のコドンは、突然変異させ、Roche社製ProteoExpert RTSイー・コリHYアルゴリズムを使用して、野生型配列の分析から示唆される変化を加えた。変化は、25μL反応混合物当たり0.75μLのQuik Solutionを用い、メーカー提案のプロトコールに従って、QuikChange(登録商標)Multi Site−Directed Mutagenesis KitまたはQuikChange(登録商標)II XL Site−Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社、ラ ホーヤ、CA)を使用して行い、XL10−Gold(登録商標)ウルトラコンピテント細胞中に形質転換した。突然変異は、www.stratagene.com.qcprimerdesignでオンラインで入手可能なStratagene社のウェブベースのQuikChange(登録商標)Primer Design Programを用いて設計したプライマー(各45個のヌクレオチド長)を使用して産出した。
Figure 0005441417
上記のコドン変化を有するアルドラーゼ遺伝子配列は、イー・コリ発現宿主BW30384(DE3)ΔompTΔmetEに形質転換し、次いで、Novagen社製Overnight Express(商標) Autoinduction System II(Novagen社、マディソン、WI)を使用して発現させた。これらの突然変異のどれも、野生型配列と比較した場合、より高いレベルの遺伝子発現をもたらさなかった。Bio−Rad社製Experion Pro260ソフトウェア1.1.98.0によって分析した無細胞抽出物からの標準的な結果を下記の表49に示す、タンパク質発現とタイトルをつけた列は、全可溶性タンパク質%についての値を示す。
無細胞抽出物(アッセイ当たり0.025mg/mL可溶性タンパク質)は、実施例7に記載されるプロトコールを使用して、200mMピルビン酸ナトリウムおよび100mM D−トリプトファンからR,R−モナチンを生成するそれらの能力についてアッセイした。反応(7mL全容量)は、2mg/mLの最終濃度で精製B.スファエリクス(ATCC10208)D−アミノトランスフェラーゼを使用して、嫌気性グローブボックス中の14mLポリプロピレンチューブ中で行った。酵素の追加の後に1、4、および20時間に生成されたモナチンの濃度を下記の表49に示す。表49は、野生型アルドラーゼ配列を含有する構築物から産出された無細胞抽出物が、ProteoExpert突然変異を運ぶ構築物からの無細胞抽出物よりも、20時間でわずかに高い濃度のモナチンを生成したことを示す。モナチン濃度は実施例1に記載されるLC/MS/MS法によって決定した。
Figure 0005441417
これらのデータは、IPTG誘発なしで代替発現宿主において配列番号276のアルドラーゼを生成することができることを実証する。
bla遺伝子は、ベクターから除去し、アルドラーゼを生成するための続く発酵は、他の酵素に対するPCT国際公開第2006066072に記載される抗生物質を使用せずに行った。30℃での流加発酵における発現レベルは、誘発後6〜8時間で最大に達し、Experionデータによれば、可溶性タンパク質が25〜30%で配列番号276のアルドラーゼを生成した。安定性研究は、発酵産物が、細胞濃縮および破壊の前に、15℃または30℃で(酸素制限条件および通気条件の両条件下で)6時間放置された場合、アルドラーゼ活性の明らかな損失を示さなかった。無細胞抽出物としてまたは細胞ペレットとして保存したアルドラーゼは、−80℃で5日間保存された場合、等しく安定性であることがわかった。−80℃での保存前の緩衝液中での細胞ペレットの洗浄は必要とされず、活性におけるわずかな減少を実際に引き起こした。蒸留水、発酵上清、または100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.8)中に再懸濁した細胞は、室温または4℃で11日間保存された場合、活性またはタンパク質濃度(SDS−PAGEで判断)の損失がなかったことがわかった。リン酸カリウム緩衝液中で生成した無細胞抽出物は、5日間4℃または室温で保存した場合、アルドラーゼ活性の損失を示さなかった。細胞は、アルドラーゼ活性の比較可能な回復を伴って、リン酸緩衝液、25%までの培養上清、および水中で破壊することができる。しかしながら、水への1mM MgClの追加はわずかにアルドラーゼ活性を改善することがわかった。これらのデータは、アルドラーゼタンパク質が十分に安定性であり、商業上有用であることを示す。
本発明の多くの実施形態を記載した。本発明の実施形態は、1つまたは複数の上記に記載される態様を含む。本発明に従って精神および範囲から逸脱することなく種々の修飾がなされてもよいことが理解されるであろう。したがって、他の実施形態は以下の請求項の範囲内にある。
本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための酵素プロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、R−MPに対してよりも基質としてのL−トリプトファンに対してより大きな特異性および/もしくは選択性を有する、L−トリプトファンの反応におけるL−アミノトランスフェラーゼ(例としてL−トリプトファンアミノトランスフェラーゼ、L−芳香族アミノトランスフェラーゼ、L−アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、およびL−アラニンアミノトランスフェラーゼを含む)を使用することを含み、ならびに/またはプロセスは、基質としてのR,Rモナチンに対して限られた活性および/もしくは特異性を有するL−アミノ酸オキシダーゼを使用することを含む。図1に図示された特定の例では、L−アミノトランスフェラーゼまたはL−アミノ酸のオキシダーゼは、L−トリプトファンをインドール−3−ピルビン酸に変換し、インドール−3−ピルビン酸は、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)を生成するようにR−特異的アルドラーゼおよびピルビン酸と反応し、R−MPは、D−アミノトランスフェラーゼまたはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼによってR,Rモナチンに変換される。図1に示されるように、反応は、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、R−MPに立体選択性である、R−MPをモナチンに変換するための酵素を使用することを含む。図2に図示される特定の例では、トリプトファンは、可逆的反応においてインドール−3−ピルビン酸に変換されることを示される。インドール−3−ピルビン酸は、可逆的にアルファ−ケト酸モナチン(R−MPおよびS−MPの両方)を形成するように非立体特異性アルドラーゼと反応することができる。R−MPは、立体選択性D−アミノトランスフェラーゼまたは立体選択性D−アミノ酸デヒドロゲナーゼによって可逆的にR,Rモナチンに変換される。立体選択性D−アミノトランスフェラーゼまたはD−アミノ酸デヒドロゲナーゼが利用される場合、非立体特異性アルドラーゼによって形成された任意のS−MPは、インドール−3−ピルビン酸に変換され戻され得る。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。 本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、R,Rモナチンを形成する反応に対して共役する反応における基質としてのインドール−3−ピルビン酸を形成する反応に対して共役する反応において、トリプトファンラセマーゼを使用してL−トリプトファンをD−トリプトファンに変換することおよびD−アミノ酸生成物を使用することを含む。図3に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、可逆的反応においてトリプトファンラセマーゼによってD−トリプトファンに変換される。D−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびD−グルタミン酸を生成するように、アルファ−ケトグルタル酸(α−KG)および広域特異性D−アミノトランスフェラーゼと反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)を形成するように、広域特異性D−アミノトランスフェラーゼおよびD−グルタミン酸と反応する。図3に示されるように、反応のそれぞれは、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。 本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、L−トリプトファン反応と共役する反応において形成されたL−アミノ酸をD−アミノ酸に変換することを含み、このD−アミノ酸は、R−MPがR,Rモナチンに変換される反応のためのアミノ供与体として作用する。図4に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼおよびアルファ−ケトグルタル酸と反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびアルファ−ケトグルタル酸を形成するように、広域特異性D−アミノトランスフェラーゼおよびD−グルタミン酸と反応する。図4に示されるように、反応は、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。 本発明による、L−トリプトファンからR,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、L−トリプトファン反応に対して共役する反応によって形成されたL−アミノ酸が、R−MPのR,Rモナチンへの反応に対して共役する反応のための基質として使用することができるように、立体反転酵素を使用して、R,RモナチンへのR−MPの変換を酵素で促進することを含んでいる。図5に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−アスパラギン酸(オキサロ酢酸が使用される場合)、L−アラニン(ピルビン酸が使用される場合)、またはL−グルタミン酸(α−KGが使用される場合)を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼおよびオキサロ酢酸、ピルビン酸、またはアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)と反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびオキサロ酢酸(L−アスパラギン酸が使用される場合)、ピルビン酸(L−アラニンが使用される場合)、またはアルファ−ケトグルタル酸(α−KG、L−グルタミン酸が使用される場合)を形成するように、立体反転アミノトランスフェラーゼおよびL−アスパラギン酸、L−アラニン、またはL−グルタミン酸と反応する。図5に示されるように、反応は、可逆的であるが、本発明の目的のために、反応が逆方向に進行することは必要とされない。 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、一連の変換反応を通して、インドール−3−ピルビン酸を形成する反応において生成されたL−アミノ酸を、R,Rモナチンを形成する反応においてR−MPとの反応物として使用されるD−アミノ酸に再利用することを含む。図6に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−アスパラギン酸を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼおよびオキサロ酢酸と可逆的に反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと可逆的様式中で反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換され、R−MPは、R,Rモナチンおよびピルビン酸を形成するようにD−アミノトランスフェラーゼおよびD−アラニンと可逆的に反応する。L−アスパラギン酸は、アスパラギン酸4−デカルボキシラーゼを使用してL−アラニンおよびCOに変換される。L−アラニンは、アラニンラセマーゼを用いてD−アラニンに変換される。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、その反応のL−アミノ酸副生成物を他の生成物に変換することによって、L−トリプトファン反応を前に押し進めることを含む(つまり、インドール−3−ピルビン酸の生成に向けて反応を駆動する)。この例では、L−アミノ酸L−アスパラギン酸副生成物は、デカルボキシラーゼを使用して不可逆的反応においてL−アラニンに変換される。図7に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸(α−KGが使用される場合)またはL−アスパラギン酸(オキサロ酢酸が使用される場合)を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼとおよびアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)またはオキサロ酢酸と可逆的に反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと可逆的に反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換される。R−MPは、R,Rモナチンおよびオキサロ酢酸、ピルビン酸、またはα−KGのいずれかを形成するように、D−アミノトランスフェラーゼおよびD−アミノ酸と可逆的様式で反応する。L−アミノトランスフェラーゼ反応の生成物となったL−グルタミン酸またはL−アスパラギン酸は、グルタミン酸またはアスパラギン酸デカルボキシラーゼを使用して、4−アミノブタノアートおよびCO(L−グルタミン酸が基質である場合)にまたはβ−アラニンおよびCO(L−アスパラギン酸が基質である場合)に変換される。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。 本発明による、R,Rモナチンを生成するための他のプロセスの例を示す流れ図である。この例では、プロセスは、一連の変換反応を通して、R−MP反応のアミノ酸反応物にL−トリプトファン反応のアミノ酸副生成物を再利用することを含む。図8に図示される特定の例では、L−トリプトファンは、インドール−3−ピルビン酸およびL−グルタミン酸を生成するように、L−アミノトランスフェラーゼとおよびアルファ−ケトグルタル酸(α−KG)と可逆的に反応する。インドール−3−ピルビン酸は、ピルビン酸およびR−特異的アルドラーゼと可逆的に反応し、R−アルファ−ケト酸モナチン(R−MP)に変換される。R−MPは、R,Rモナチンおよびピルビン酸を形成するように、D−アミノトランスフェラーゼおよびD−アラニンと可逆的様式で反応する。L−アラニンアミノトランスフェラーゼおよびピルビン酸は、L−アミノトランスフェラーゼ反応の生成物となったL−グルタミン酸を、副産物としてのL−アラニンと共にα−KGに可逆的に変換し戻すために使用される。アラニンラセマーゼは、L−アラニンを、第3の反応、D−アミノトランスフェラーゼ反応において有用なD−アラニンに可逆的に変換する。本発明の目的のために、可逆的であるとして示された反応が逆方向に進行することは必要とされない。 コンピュータシステムのブロック図である。 新しい配列およびデータベース中の配列の間の相同性レベルを決定するために新しいヌクレオチド配列またはタンパク質配列を配列のデータベースと比較するためのプロセスの一実施形態を示す流れ図である。 2つの配列が相同であるかどうかを決定するためのコンピュータにおけるプロセスの一実施形態を示す流れ図である。 配列中の特徴の存在を検出する、識別子プロセス300の一実施形態を示す流れ図である。 LC/MS/MSによって測定される、モナチン前駆体(MP)の形成における58種の異なるアルドラーゼ(それぞれその特定の配列番号によって識別される)の活性を示す図である。 LC/MS/MSによって測定される、モナチン前駆体(MP)の形成における58種の異なるアルドラーゼ(それぞれその特定の配列番号によって識別される)の活性を示す図である。 配列番号88のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドによるモナチンの生成に対するジチオトレイトールの影響を示す図である。

Claims (12)

  1. 多工程経路を介してR,Rモナチン、R,Rモナチンの誘導体もしくは塩、またはそれらの組合せを生成する方法であって、ここに該経路の反応が、アルドラーゼ活性を有し、かつ、配列番号:28、配列番号:36、配列番号:42、配列番号:50、配列番号:54、配列番号:58、配列番号:62、配列番号:80、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:112、配列番号:122、配列番号:130、配列番号:142、配列番号:156、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:180、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:238、配列番号:244、配列番号:276および配列番号:298よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、1またはそれを超える単離されたまたは組換えポリペプチドによって促進される該方法。
  2. 該多工程経路の1またはそれを超える工程が化学的工程である請求項1記載の方法。
  3. 該反応がインドール−3−ピルビン酸とC3炭素源との間の反応である請求項1記載の方法。
  4. 該反応が、S―2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−ケトグルタル酸よりもR−2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イル−メチル)−4−ケトグルタル酸を優先的に生成する請求項3記載の方法。
  5. 該1またはそれを超えるポリペプチドによって促進される反応が、1.0ないし10.0mMのMgCl中で行われる請求項1記載の方法。
  6. 該1またはそれを超えるポリペプチドによって促進される反応が、pH7.0ないしpH11.5で行われる請求項1記載の方法。
  7. 該1またはそれを超えるポリペプチドによって促進される反応が、0.005%ないし1%のポリソルベート界面活性剤中で行われる請求項1記載の方法。
  8. 生成するモナチン全体の少なくとも95重量%がR,Rモナチンである請求項1記載の方法。
  9. 生成するモナチン全体の少なくとも98重量%がR,Rモナチンである請求項8記載の方法。
  10. 1またはそれを超えるポリペプチドが、配列番号:27、配列番号:35、配列番号:41、配列番号:49、配列番号:53、配列番号:57、配列番号:61、配列番号:79、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:111、配列番号:121、配列番号:129、配列番号:141、配列番号:155、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:179、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:237、配列番号:243、配列番号:275および配列番号:297よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる請求項1記載の方法。
  11. 1またはそれを超えるポリペプチドが、配列番号:27、配列番号:35、配列番号:41、配列番号:49、配列番号:53、配列番号:57、配列番号:61、配列番号:79、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:111、配列番号:121、配列番号:129、配列番号:141、配列番号:155、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:179、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:237、配列番号:243、配列番号:275および配列番号:297よりなる群から選択されるヌクレオチド配列からなる核酸に、0.1×SSC、0.5%のSDS、ハイブリダイゼーション温度〜68℃で15〜30分間洗浄する条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる請求項1記載の方法。
  12. R,Rモナチン、R,Rモナチンの誘導体もしくは塩、またはそれらの組合せを用いて甘味料生成物を生成する請求項1記載の方法。
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