JP5438295B2 - ビニルアセタール系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニルアセタール系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶剤に不溶であったり、嵩高く反応性が低かったりするカルボニル化合物を用いても、高いアセタール化度を有するビニルアセタール系重合体を製造することができるビニルアセタール系重合体の製造方法に関する。
ビニルアルコール系重合体は、高い水溶性を有し、製膜性に優れるためフィルム等に用いられている。しかしながら、天井温度と融点が非常に近く、更に、容易に脱水反応が起こり、樹脂の熱劣化が起こりやすいために成形性が悪く、用途も繊維やフィルムに限定されていた。また、ビニルアルコール系重合体のフィルムは主に溶液のキャスト法で作製されるために溶融押出法と比較して著しく生産性に劣っていた。
一方、ビニルアルコール系重合体をアセタール化反応させることで得られるビニルアセタール系重合体は、合わせガラス用中間膜、印刷インク、バインダー、接着剤、塗料等に用いられているが、従来の製造方法では変性できる範囲が限られていることから応用には限界があった。
特許文献1、2には、耐熱性を向上させるためにビニルアルコール系重合体と嵩高い置換基を有するカルボニル化合物とをアセタール化反応させることで得られるビニルアセタール系重合体が開示されている。しかしながら、嵩高い置換基を有するカルボニル化合物は、ビニルアルコール系重合体との共通溶媒が極めて少なく適当な反応系がなかったり、立体障害の影響により反応性が低かったりするため、従来の製造方法ではアセタール化度の低いビニルアセタール系重合体しか得ることができなかった。特に、主鎖中にエチレン単位を有するビニルアルコール系重合体(エチレン−ビニルアルコール共重合体)は、エチレン単位が増加するに従って、溶解可能な溶媒が極端に少なくなるため、嵩高い置換基を有するカルボニル化合物との共通溶媒を見出すのは非常に困難であった。
特開昭60−255805号公報 特開昭62−141004号公報
本発明は、溶剤に不溶であったり、嵩高く反応性が低かったりするカルボニル化合物を用いても、高いアセタール化度を有するビニルアセタール系重合体を製造することができるビニルアセタール系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、混練機内でビニルアルコール系重合体とカルボニル化合物と水との混合物に窒素を導入し、上記窒素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記カルボニル化合物とを混練反応させる第一工程と、二酸化炭素を混練機内に導入し、上記二酸化炭素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記カルボニル化合物とを更に混練反応させる第二工程とを有するビニルアセタール系重合体の製造方法であって、前記窒素及び二酸化炭素は1MPa以上の高圧状態、50℃〜200℃、又は、超臨界状態であるビニルアセタール系重合体の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、混練機内にて、窒素中でビニルアルコール系重合体とカルボニル化合物とを混練反応させ、次いで二酸化炭素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記カルボニル化合物とを更に混練反応させることにより、特に上記カルボニル化合物が、嵩高い置換基を有している場合や、上記ビニルアルコール系重合体がエチレン−ビニルアルコール共重合体である場合において、無溶媒系又は無溶媒系に近い条件下でアセタール化度の高いビニルアセタール系重合体を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法は、混練機内でビニルアルコール系重合体とカルボニル化合物と水との混合物に窒素を導入し、上記窒素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記カルボニル化合物とを混練反応させる第一工程と、二酸化炭素を混練機内に導入し、上記二酸化炭素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記カルボニル化合物とを更に混練反応させる第二工程とを有する。
本明細書においてビニルアルコール系重合体とは、主鎖にビニルアルコール単位を持つ高分子化合物を意味する。上記ビニルアルコール系重合体は特に限定されず、ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、エチレン変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法において用いられるビニルアルコール系重合体は、主鎖中にエチレン単位を含有することが好ましい。主鎖中にエチレン単位を含有することにより、上記ビニルアルコール系重合体の吸湿性の高さ、及び、成形性の悪さを改善することができる。
上記ビニルアルコール系重合体の重合度は特に限定されないが、好ましい下限は350である。上記ビニルアルコール系重合体の重合度が350未満であると、フィルム等の成形体に成形するときに、得られる成形体の強度が劣ったり、成形自体が困難であったりすることがある。上記ビニルアルコール系重合体の重合度のより好ましい下限は500である。
本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法において用いられるカルボニル化合物は特に限定されないが、アルデヒドが好適である。なかでも、得られるビニルアセタール系重合体分子が、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れたものとなることから、置換基を有する芳香環、置換基を有するシクロオレフィン環、又は、置換基を有する飽和炭化水素環を有するアルデヒドがより好適である。
上記カルボニル化合物の配合量は特に限定されないが、上記ビニルアルコール系重合体が有する水酸基量に対して、好ましい上限は20当量である。上記カルボニル化合物の配合量が20当量を超えると、生成物から残存するカルボニル化合物を除去することが困難となることがあり、また、混練機を用いて混練する際に混合効率が低下することがある。上記カルボニル化合物の配合量の下限は特に限定されず、目的とするアセタール化度等に応じて適宜決定すればよい。上記カルボニル化合物の配合量のより好ましい上限は10当量である。
なお、上記当量とは、上記ビニルアルコール系重合体中の水酸基モル数と求めるアセタール化に必要なモル数の比を意味する。
本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法において用いられる水の配合量は特に限定されないが、上記ビニルアルコール系重合体100重量部に対して、好ましい下限は50重量部、好ましい上限は400重量部である。上記水の配合量が50重量部未満であると、ビニルアルコール系重合体を充分に可塑化できないことがある。上記水の配合量が400重量部を超えると、アセタール化反応の逆反応である加水分解反応が起き、アセタール化度が低下してしまうことがある。
上記窒素及び上記二酸化炭素は、上記ビニルアルコール系重合体中に含浸してこれを可塑化し、更に混練されることで溶媒系に近い条件でアセタール化反応を進行させる役割を有する。
また、本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法は、上記窒素中で混練反応を行う第一工程の後に上記二酸化炭素中で混練反応を行う第二工程を有することでアセタール化反応を大きく進行させることができる。上記二酸化炭素は可塑化効果が大きい一方で、上記ビニルアルコール系重合体の水酸基と相互作用し、アセタール化反応を阻害すると考えられる。先に上記窒素中である程度アセタール化反応を進行させておくことで、上記二酸化炭素と上記水酸基との相互作用を抑えることができ、上記二酸化炭素の上記ビニルアルコール系重合体に対する可塑化効果を充分に発揮してアセタール化反応を大きく進行させることができると考えられる。
上記窒素及び上記二酸化炭素の供給位置は特に限定されず、例えば、後述する混練機の加熱バレルに設けられたガス注入口、混練機のホッパー等が挙げられる。
上記窒素及び上記二酸化炭素を導入する際の圧力は特に限定されないが、上記窒素及び上記二酸化炭素のビニルアルコール系重合体への含浸速度を上げるために1MPa以上の高圧状態、更には超臨界状態とすることが好ましい。
本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法には、更に反応効率を向上させる目的で、ビニルアルコール系重合体とカルボニル化合物とのアセタール化反応に作用する酸触媒を用いてもよい。
上記酸触媒は特に限定されず、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。
上記窒素及び上記二酸化炭素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記カルボニル化合物とを混練反応させる際の温度は特に限定されないが、好ましい下限は50℃、好ましい上限は200℃である。上記混練反応させる際の温度が50℃未満であると反応効率が悪くなりビニルアセタール系重合体が得られないことがある。上記混練反応させる際の温度が200℃を超えるとビニルアルコール系重合体が熱劣化することがある。
本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法に用いられる混練機は、樹脂を加熱して混練することができ、また、耐圧性のあるものであれば特に限定されず、押出し機、プラスト混練機、混練機能付きオートクレーブ等が挙げられる。ただし、押出し機を用いる場合には、上記窒素及び上記二酸化炭素を導入し、ビニルアルコール系重合体とカルボニル化合物とを混練反応させる際に押出し機内の圧力を充分に上げられるように、吐出口を栓で封じておく必要がある。
本発明のビニルアセタール系重合体の製造方法によって製造されるビニルアセタール系重合体もまた、本発明の1つである。
本発明のビニルアセタール系重合体は特に限定されず、例えば、下記一般式(1)〜(5)に示すビニルアセタール系重合体等が挙げられる。例えば、一般式(5)で表される本発明のビニルアセタール系重合体は、混練機内でビニルアルコール系重合体と置換基を有する2−ナフトアルデヒドと水との混合物に窒素を導入し、上記窒素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記置換基を有する2−ナフトアルデヒドとを混練反応させ、次いで二酸化炭素を混練機内に導入し、上記二酸化炭素中で上記ビニルアルコール系重合体と上記置換基を有する2−ナフトアルデヒドとを更に混練反応させることで得られる。
Figure 0005438295
Figure 0005438295
式(1)〜(5)中、R〜Rは、水素原子、アルキル基等の置換基を表し、R〜Rのいずれか少なくとも1つはアルキル基である。
上記アルキル基は特に限定されないが、tert−ブチル基のように分枝構造を有するアルキル基が好適である。また、上記アルキル基は、芳香環、シクロオレフィン環、又は、飽和炭化水素環に直接結合していてもよいし、エステル結合、エーテル結合、アミド結合等を介して結合していてもよい。
上記一般式(1)〜(5)に示すようなビニルアセタール系重合体は透明性に優れることに加え、反応に用いたカルボニル化合物由来の嵩高い置換基を有することによりビニルアセタール系重合体分子の主鎖の回転が妨げられることからガラス転移温度が高くなり、優れた耐熱性を発揮することができる。
本発明のビニルアセタール系重合体のアセタール化度は特に限定されないが、好ましい下限は50モル%、好ましい上限は90モル%である。上記アセタール化度が50モル%未満であると、本発明のビニルアセタール系重合体に充分な耐熱性が得られないことがある。上記アセタール化度が90モル%を超えると、本発明のビニルアセタール系重合体の耐溶剤性が悪くなることがある。ただし、上限については、用途に対して要求される耐溶剤性や耐熱性を満たす限りにおいて、この限りではない。上記アセタール化度のより好ましい下限は60モル%である。
なお、本明細書においてアセタール化度の算出方法は、全水酸基量に対する反応した水酸基量を用いて求める。即ち、全水酸基量はビニルアセタール系重合体に存在する水酸基量とアセタール化した水酸基量の和となり、反応した水酸基量はアセタール化した水酸基量となる。全水酸基量及び反応した水酸基量は、例えばH−NMRを用いて求めることができる。
本発明のビニルアセタール系重合体を用いれば、極めて高い透明性と優れた耐熱性とを有する成形体を得ることができ、このような成形体は光学用途に好適に用いることができる。
また、本発明のビニルアセタール系重合体は、ポリビニルブチラールやエチレン−ビニルアルコール共重合体等の現在広く利用されている樹脂との相溶性に優れることから、混合することによりこれらの樹脂の改質を行ったりする改質剤としても有用である。更に、ポリビニルブチラールやエチレン−ビニルアルコール共重合体と他の樹脂とを混合する際の相溶化剤としても有用である。例えば、本発明のビニルアセタール系重合体を、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、及び、これらの誘導体等に混合することで、これらの樹脂の耐熱性を向上させたり、光学的な性質を向上させたりすることができる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂に混合することで、ポリオレフィン樹脂に極性を付与することができる。
本発明によれば、溶剤に不溶であったり、嵩高く反応性が低かったりするカルボニル化合物を用いても、高いアセタール化度を有するビニルアセタール系重合体を製造することができるビニルアセタール系重合体の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコール10gに対して、2−ナフトアルデヒド20gと、パラトルエンスルホン酸0.1gとを加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、得られた混合試料をホッパーより投入し、更に水10gを液添ポンプにて投入し、窒素を含浸させながらスクリューを回転させて混練を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃、圧力は2MPaとした。2分後、ベント部より水、窒素を抜き、次いで水を液添ポンプにて投入し、圧力を2MPaに保ったまま二酸化炭素を圧力ポンプにて含浸させ、更に混練反応を行った。3分後スクリューの回転を止め、押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体をジメチルスルホキシドに溶解し、水への沈殿を3回行ってから充分乾燥させた後、重水素化ジメチルスルホキシドに再溶解し、H−NMR測定によりアセタール化度を測定したところ、63モル%であった。
更に、示差走査型熱量計(TAインスツルメント社製、「DSC 2920 Modulated DSC」)を用いて10℃/分の昇温過程で測定したところ、得られたビニルアセタール系重合体のガラス転移温度は147℃であった。
(実施例2)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコール10gに対してパラトルエンスルホン酸0.1gを加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、得られた混合試料をホッパーより投入し、水10gと、クミンアルデヒド10gとを液添ポンプにて注入しながらスクリューを回転させ、窒素を含浸して混練を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃、圧力は2MPaとした。2分後、ベント部より水、未反応のクミンアルデヒド、窒素を抜き、次いで新たに水10g、クミンアルデヒド10gを液添ポンプにて投入し、圧力を2MPaに保ったまま二酸化炭素を圧力ポンプにて含浸させ、更に混練反応を行った。3分後スクリューの回転を止め、押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体について実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は65モル%、ガラス転移温度は132℃であった。
(実施例3)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコール10gに対してパラトルエンスルホン酸0.1gを加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、得られた混合試料をホッパーより投入し、水10gと、クミンアルデヒド20gとを液添ポンプにて注入しながらスクリューを回転させ、窒素を含浸して混練を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃、圧力は2MPaとした。2分後、新たに二酸化炭素を圧力ポンプにて圧力が8MPaとなるまで含浸させ、更に混練反応を行った。3分後スクリューの回転を止め、押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体について実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は68モル%、ガラス転移温度は133℃であった。
(実施例4)
鹸化度99%、重合度500、エチレン含有量34モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体10gに対して、2−ナフトアルデヒド20gと、パラトルエンスルホン酸0.1gとを加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、得られた混合試料をホッパーより投入し、更に水10gを液添ポンプにて投入し、窒素を含浸させながらスクリューを回転させて混練を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃、圧力は2MPaとした。2分後、ベント部より水、窒素を抜き、次いで水を液添ポンプにて投入し、圧力を2MPaに保ったまま二酸化炭素を圧力ポンプにて含浸させ、更に混練反応を行った。3分後スクリューの回転を止め、押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体をジメチルスルホキシドに溶解し、水への沈殿を3回行ってから充分乾燥させた後、重水素化ジメチルスルホキシドに再溶解し、H−NMR測定によりアセタール化度を測定したところ、62モル%、ガラス転移温度は105℃であった。
(比較例1)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコールの10重量%水溶液50gに対して、2−ナフトアルデヒド10gと、パラトルエンスルホン酸0.05gとを加え、スターラーを用いて5分間撹拌して混合溶液を得た。得られた混合溶液を80℃で3時間撹拌し、ビニルアセタール系重合体分散液を回収した。
得られた分散液を脱水乾燥し、実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は14モル%であった。
(比較例2)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコールの10重量%水溶液50gに対して、2−ナフトアルデヒド10gと、パラトルエンスルホン酸0.05gとを加え、スターラーを用いて5分間撹拌して混合溶液を得た。得られた混合溶液をオートクレーブ装置(耐圧硝子社製)に入れ、圧力ポンプを用いてオートクレーブ装置内が8MPaになるまで二酸化炭素を送り込みながら、ヒーターでオートクレーブ装置を120℃まで加熱した。30分間加熱した後、80℃まで冷却を行い、開圧後にスパーテルを用いてビニルアセタール系重合体を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体について実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は31モル%であった。
(比較例3)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコール10gに対して、2−ナフトアルデヒド20gと、パラトルエンスルホン酸0.1gとを加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、得られた混合試料をホッパーより投入し、水10gを液添ポンプにて投入させながらスクリューを回転させて混練を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃とした。5分後、スクリューの回転を止め押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体について実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は5モル%であった。
(比較例4)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコール10gに対して2−ナフトアルデヒド20g、パラトルエンスルホン酸0.1g加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、ホッパーより試料を投入し、水10gを液添ポンプにて投入、二酸化炭素を圧力ポンプにて含浸させながら、スクリューを回転させて混錬を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃、圧力は2MPaとした。5分後スクリューの回転を止め押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体樹脂を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体について実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は47モル%であった。
(比較例5)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコール10gに対して、2−ナフトアルデヒド20gと、パラトルエンスルホン酸0.1gとを加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、得られた混合試料をホッパーより投入し、更に水10gを液添ポンプにて投入し、二酸化炭素を含浸させながらスクリューを回転させて混練を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃、圧力は2MPaとした。2分後、ベント部より水、二酸化炭素を抜き、次いで水を液添ポンプにて投入し、窒素を含浸させ、更に混練反応を行った。3分後スクリューの回転を止め、押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体について実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は43モル%であった。
(比較例6)
鹸化度99%、重合度500のポリビニルアルコール10gに対して2−ナフトアルデヒド20g、パラトルエンスルホン酸0.1g加えて混合し、混合試料を得た。押出し機の吐出口を栓で封じ、ホッパーより試料を投入し、水10gを液添ポンプにて投入、窒素を含浸させながら、スクリューを回転させて混錬を開始した。押出し機の混練反応部のシリンダー温度は120℃、圧力は2MPaとした。5分後スクリューの回転を止め押出機の吐出口よりビニルアセタール系重合体樹脂を回収した。
得られたビニルアセタール系重合体について実施例1と同様の方法により測定したところ、アセタール化度は30モル%であった。
本発明によれば、溶剤に不溶であったり、嵩高く反応性が低かったりするカルボニル化合物を用いても、高いアセタール化度を有するビニルアセタール系重合体を製造することができるビニルアセタール系重合体の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 混練機内でビニルアルコール系重合体とカルボニル化合物と水との混合物に窒素を導入し、前記窒素中で前記ビニルアルコール系重合体と前記カルボニル化合物とを混練反応させる第一工程と、二酸化炭素を混練機内に導入し、前記二酸化炭素中で前記ビニルアルコール系重合体と前記カルボニル化合物とを更に混練反応させる第二工程とを有するビニルアセタール系重合体の製造方法であって、
    前記窒素及び二酸化炭素は1MPa以上の高圧状態、50℃〜200℃、又は、超臨界状態であることを特徴とするビニルアセタール系重合体の製造方法。
  2. カルボニル化合物はアルデヒドであることを特徴とする請求項1記載のビニルアセタール系重合体の製造方法。
  3. カルボニル化合物は、置換基を有する芳香環、置換基を有するシクロオレフィン環、又は、置換基を有する飽和炭化水素環を有するアルデヒドであることを特徴とする請求項1記載のビニルアセタール系重合体の製造方法
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