JP5425065B2 - イオン性液体を基礎とするエネルギーアキュムレーター用の電解質調製物 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン性液体を基礎とする、エネルギーアキュムレーター用の、特にリチウムイオン電池及び二重層コンデンサ用の液体電解質調製物に関する。
発明の背景
慣用のリチウムイオン電池中の電解質は、導電性塩、主にLiPF6からなり、該塩は非プロトン性有機溶剤中に溶解されている。より一層効率的なポータブル電子システムの絶え間ない増加により、エネルギー密度及び寿命に関して将来のリチウムイオン電池の効率の多大な向上が必要とされている。今日の液体電解質システムにおいては、十分に易可燃性の有機溶剤、例えばカルボン酸エステルもしくはアセトニトリルが使用されており、それらは相応の負荷に際して燃焼することがあり、従ってバッテリーの破損がもたらされることがあり、あるいは最悪の場合には装置の破損がもたらされることがある。イオン性液体(ILs)は、100℃未満の融点を有する液体塩である。そのイオン間相互作用により、無視できる小さい蒸気圧を有し、従って可燃性でないか、あるいは殆ど可燃性でない。イオン特性に基づき、イオン性液体は、約10-5〜10-2S/cmの導電性を有する。
イオン性液体の典型的なカチオンとアニオンは、以下の式もしくは構造式によって表される:
Figure 0005425065
その一部の好ましい特性に基づき、イオン性液体の物質クラスは、だいたい90年代中頃からリチウムイオン電池用の新規の電解質液体として議論されている。液体電解質としての使用も導電性ポリマーとしての使用も、これらの調査対象である。
こうして、例えば刊行物US2003/0165737号、US6,855,457号及びEP1530248号において、イオン性液体を基礎とする電解質が使用されたリチウムイオン電池が記載されている。WO04/082059号において、一般に、ピロリジニウムを基礎とするイオン性液体が、電解質の主成分として記載されている。最後に、EP1324358号では、ピロリジニウム−イオン性液体を基礎とする二重層コンデンサ用の特別な電解質配合物が紹介されている。
より一層効率的なリチウムイオン電池用の斯かる電解質調製物に対する要求が高まるので、更に、イオン性液体を基礎とするより改善された電解質が必要となっている。その際、イオン性液体の電気化学的安定性と、その粘度と、その導電性に対して、予定された温度作業範囲に関しても、特に要求が課されている。更に、また、その都度のイオン性液体における、リチウム含有の導電性塩のできるだけ高い溶解性も付与されているべきである。
本発明の課題は、目下、−20℃〜60℃のリチウムイオン電池もしくは二重層コンデンサの予定された温度作業範囲において効率的であり、少なくとも4.5Vの電圧範囲を超える電気化学的安定性を有し、可燃性の危険を最小限にするために、できるだけ少ない溶剤で足り、少なくとも3mS/cmの高い導電性を有し、かつ溶解されたリチウム含有の導電性塩の場合により高い濃度で可能である電解質調製物を見出すことである。また、該電解質溶液は、20ppm未満の含水率で、できるだけ高い純度を有するべきである。
発明の詳細な説明
前記課題は、電解質調製物であって、a)少なくとも4.5V、好ましくは4.8V、更に好ましくは4.9V、なおも好ましくは5.0V、最も好ましくは5.4Vの範囲を超えて電気化学的に安定であり、20℃で、<300mPa・s、好ましくは<250mPa・s、より好ましくは<200mPa・s、なおもより好ましくは<150mPa・sの粘度を有し、かつ20℃で、少なくとも1mS/cm、好ましくは少なくとも2mS/cm、より好ましくは少なくとも3mS/cmの導電性を有するイオン性液体と、b)該電解質調製物に対して、20〜60容量%、好ましくは25〜55容量%、より好ましくは30〜50容量%の量の非プロトン性の双極性の溶剤とを含有し、その際、該電解質調製物の導電性が、前記イオン性液体の導電性よりも少なくとも2倍だけ高く、好ましくは少なくとも3倍だけ高く、より好ましくは少なくとも4倍だけ高い、電解質調製物によって解決される。
本発明の範囲における粘度値の測定は、Thermo Haake GmbH社(カールスルーエ)のレオメータ(モデルRS600)をもって、直径35mmを有するプレート・プレート型測定装置で行った。粘度は、−10℃〜80℃の範囲について、10℃の段階で、100〜2000s-1の剪断速度で、それぞれの温度について測定された。測定値の記録は、ソフトウェアRheoWinで行われる。以下に示される粘度値は、種々の剪断速度について測定された定義された温度での値の平均値である。-10℃〜80℃の温度で、ほぼ理想的なニュートン液体の挙動が検出できた。
本発明の範囲のイオン性液体/溶剤混合物の導電性の測定は、WTW社の導電性測定装置(モデルLF537)をもって、2電極−ガラス/白金測定セルで行った。そのために、5mlのイオン性液体/導電性塩混合物を、軽いアルゴン流下にシュレンク管中で充填し、水浴によって22〜23℃の温度で保持した。測定の間に測定セルを該溶液中に浸し、均質化のために磁気撹拌コアで撹拌する。溶剤を、カニューレを有する2mlのシリンジを介して0.2mlの段階で添加する。各添加後に、溶液が均質になるまで待ち、その後に相応の導電性の測定を行った。
イオン性液体は、広い構造的な選択幅を有する。電場でのその挙動に基づき、僅かだけのアニオンだけが所定の用途に適している。こうして、例えば有機硫酸塩及びスルホン酸塩又はジシアナミドは、分解か重合かのいずれかの傾向がある。高フッ素化されたアニオンのみが、必要な安定性を有する。使用されるイオン性液体の個々の特性を明確にするために、アニオンとカチオンについての構造的な差異を別々に議論する。電解質として使用するために関連する特性に対してはるかにより大きい効果をアニオンが有する。イオン性液体の種々のクラスの粘度の比較に際して、電場でのアニオン安定性と毒性学的観点を考慮して、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(TFSIアニオン)を有するイオン性液体が、最も低い粘度と、それと共に高い導電性を有することが明らかとなった。
TFSI溶融物と同様のものには、フルオロスルホニルイミド(N(SO2F)2 -,FSI)があり、それらの殆どは、匹敵する電気化学的ウィンドウで、なおもより高い導電性を有する。しかしながら、FSIアニオンでの欠点は、これらが合成的に得ることがより困難であるということである。
化合物1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMIM)ジシアナミドでは、例えば、粘度もしくは導電性が唯一の尺度ではないことが明らかとなった。17mPa・sの粘度と27mS/cmの導電性によって、この化合物は、電解質調製物での使用に非常に興味深いと思われる。しかしながら、ジシアナミドは、電場において重合する傾向にあるので、それらは良好に使用することができない。同じことは、チオシアネートアニオン(SCN-)のクラスにも言える。
ジメチドアニオン(C(SO2CF33 -)は、TFSIアニオンに匹敵する安定性を有するが、明らかにより高いアニオンの質量のため、より低い導電性が達成される。トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)及びトリフルオロアセテートは、ややより高い粘度にかかわらず、TFSIアニオンの範囲の電気化学的ウィンドウで、著しく高い導電性を有する。TFSIイオン性液体のクラスの他に、これらは、容易に得られるので、本発明の電解質調製物のために適している。
いわゆる古典的なイオン性液体とは、BF4−及びPF6−溶融物を表す。これらは、空気中で取り扱うことができた最初のイオン性液体であったので、その使用は、水の存在下でHFを形成するという傾向にもかかわらず、今日までかなりポピュラーである。特に、BF4−アニオンは、その物理化学的な値から、特に電解質として適している。しかしながら、これらの物質クラスは、極めて吸湿性なので、例えば[EMIM][BF4]は、バッテリー性能が害されることがあるより高い水不純物を伴ってのみ得られることを顧慮せねばならない。PF6−アニオンを有するイオン性液体は、純物質として高すぎる粘度を有するので、これらは一般に混合物でのみ使用することができる。
二フッ化水素アニオンF(HF)n -を用いると、非常に低い粘度と高い導電性を達成できる。しかし、例えばアンモニウム塩は非常に毒性があると見なされるので、この場合には該塩の基礎電解質としての使用は省かれるべきである。
電解質調製物のその粘度及び導電性値に基づく適性に関して、以下の公知のアニオンの順序が並べられる:
Figure 0005425065
本発明の好ましい一実施態様において、従って電解質調製物のイオン性液体は、ジハイドロジェンジフルオリド、TFSI、FSI、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)、チオシアネート、メチド、PF6、トリフルオロアセテート、ペルフルオロブタンスルホネート(ノナフレート)及びテトラフルオロボレートの群から選択されるものを含むアニオンを含有する。また、同じカチオンであるが、異なるアニオンを有するイオン性液体混合物を使用することもできる。例えば、PF6−含有イオン性液体混合物が挙げられる。それというのも、純粋なPF6−含有イオン性液体は、しばしば上述のように高い粘度を有するからである。TFSI、FSIもしくはトリフレートは、本発明による電解質調製物のために使用されるイオン性液体において好ましいアニオンである。
イオン性液体のカチオンは、アニオンと同様に、粘度もしくは導電性を決定しないが、電気化学的安定性に大きな影響を有する。ある化合物は、その際、本発明の範囲では、その化合物が、予め設定された電圧でサイクリックボルタンメトリー測定において0.1mA未満の電流を有する場合に、"電気化学的安定性"であると見なされる。サイクリックボルタンメトリー測定は、Deutsche Metrohm GmbH&Co.KG社(フィルダーシュタット)のAutolabポテンシオスタットPGSTAT30で実施する。測定値の記録のために、ソフトウェアGPESヴァージョン4.9(Eco Chemi B.V.オランダ・ユトレヒト)を用いるその測定のために、3電極装置を非分割セル中で使用した。白金−仕事電極(Metrohm,6.1204.310)の他に、対向電極としてアルミニウム箔を使用した。参照電極としては、Ag/AgCl−電極(Metrohm,6.0728.010)が用いられる。それらの測定は、アルゴン下で室温中で10mV/sのスキャンレートで実施した。
概念"電気化学的ウィンドウ"とは、本発明の範囲においては、ある化合物が、特にあるイオン性液体が電気化学的に安定な電圧範囲を表す。
こうして、例えばピリジニウムを基礎とするイオン性液体は、小さい電気化学的ウィンドウしか有さず、従ってこの用途のためにはしばしば適していない。ホスホニウム化合物は、一般にその高すぎる粘度に基づき排除される。アンモニウム化合物は、同様にかなり高い粘度を有するが、その際、狙い通りの構造改変によってこの高い粘度を下げることができる。例えば、ヘキシル置換基を導入することによって、[ヘキシルトリメチルアンモニウム][TFSI]における粘度を82mPa・sに下げることができる。
また、官能化されたアルキル鎖の、例えばアルコキシアルキル置換基の導入も、粘度の低下と、それと共に導電性の増大をもたらすことができる。そのための一例は、約140mPa・sの粘度、4mS/cmの導電性、そして5.4Vの電気化学的ウィンドウを有する[ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム][TFSI]である。
環状アンモニウム化合物は、特にピロリジニウムカチオンと共に、部分的になおもより低い粘度を高い導電性で示す。全てのアンモニウム化合物は、4.5〜5.9Vの範囲の大きな電気化学的ウィンドウによって優れている。ジメチルイミダゾリウムを基礎とするイオン性液体は、その粘度もしくは導電性に基づき好ましいが、アンモニウム化合物よりも粗悪な安定性を有する。
カチオンの構造の非対称性の意義は、特に、イミダゾリウムを基礎とするイオン性液体で明らかになる。こうして、例えば[1,3−ジメチルイミダゾリウム][BF4]は、高粘度の液体であり、それに対して[1−エチル−3−メチルイミダゾリウム][BF4]は低粘度で存在する。
イミダゾリウムを基礎とするイオン性液体の構造的特性は、それらがC2位置にCH酸性の水素原子を有し、それが例えばパラジウムの存在下でカルベン形成に導かれうることである。同様のことは、電気化学的プロセスにおいても行われることがある。従って、本発明については、C2位置でアルキル化された別形で、電気化学的に調査される。
まとめると、物理化学的特性に基づき、既に公知のカチオンの以下の順序が並べられる:
Figure 0005425065
狙い通りの官能化された置換基の導入によって、イミダゾリウム−もしくは環状アンモニウムカチオンの性能は更に改善できる。
スルホニウムカチオンは、その物理化学的特性に基づき、同様に電解質として適している。本発明による電解質調製物のために適したものとしては、ここでは、例えばスルホニウム−TFSI化合物が挙げられる。
従って、本発明による電解質調製物は、好ましい一実施態様においては、テトラアルキルアンモニウム化合物、ピリジニウム化合物、ピラゾリウム化合物、ピロリウム化合物、ピロリニウム化合物、ピペリジニウム化合物、ピロリジニウム化合物、イミダゾリウム化合物及びスルホニウム化合物を含む群から選択された有機カチオンを有するイオン性液体を含有する。これらの有機カチオンのうち、特にピロリジニウム化合物、イミダゾリウム化合物及びアルキルスルホニウム化合物が好ましい。更に、テトラアルキルアンモニウム化合物、1,1−ジアルキルピロリジニウム化合物もしくは1,2,3−トリアルキルイミダゾリウム化合物が好ましい。前記のアニオンの場合のように、ここでもまた、それぞれ同じアニオンであるが、種々のカチオンを有するイオン性液体混合物を使用してもよい。
考えられるのは、また、本発明による電解質調製物であって、種々のカチオン及び種々のアニオンから構成されているイオン性液体混合物を使用した電解質調製物である。
上述のアルキル基含有のカチオンの場合に、アルキル基は、互いに無関係に、好ましくは以下の:a)1〜20個の炭素原子を有する脂肪族の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基であって、該炭素鎖中に付加的にN、S及びOから選択されるヘテロ原子と、1もしくは複数の二重結合もしくは三重結合の形の不飽和と、場合によりアミノ基、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基から選択される1もしくは複数の官能基とを有してよい炭化水素基;又はb)3〜20個の炭素原子を有する脂環式の炭化水素基であって、該環状基がN、S及びOから選択される環ヘテロ原子と、1もしくは複数の二重結合もしくは三重結合の形の不飽和と、場合によりアミノ基、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基から選択される1もしくは複数の官能基とを有してよい炭化水素基からなる群から選択される。
有機溶剤は、しばしば、リチウム導電性塩について高い溶解能を有し、この理由から既に数年来イオン性液体不含の電解質中で使用されている。未希釈のイオン性液体は、大抵の場合に、電解質として使用するために条件付でのみ適している。こうして、その粘度は比較的高く、これは、一般に低い基礎導電性を引き起こし、更にバッテリーもしくはコンデンサの充填を困難にする。そのための原因は、純粋なイオン性液体中での大きなイオンクラスターの形成である。極性溶剤での希釈によって、このイオン群塊が破壊される。その際、より多くのより小さい質量を有するイオンが生じ、従ってより高い移動度が生ずる。その添加によって達成されたより低い粘度は、移動度を高め、従って更に導電性を高める。更なる添加に際して、最大の導電性が達成されるまで、ますます多くのイオンクラスターが破壊される。更なる添加は、希釈をもたらし、従って導電性の低下がもたらされる。イオン性液体は、従って弱電解質と同様にも振る舞う;解離度αは、イオン群塊の大きさの尺度である。
図1は、この挙動についての典型的な曲線を示す。ここでは[EMIM][ジエチルホスフェート]をエタノールで希釈している。溶剤の添加によって、この場合に、約15倍だけ導電性が改善されたことが観察できる。
本発明の好ましい一実施態様においては、該電解質調製物の非プロトン性の双極性の溶剤は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ガンマ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジアルキルカーボネートもしくはカルボン酸エステルを含む群から選択される。
本発明の更なる好ましい一実施態様においては、少なくとも2種の溶剤からなる混合物が使用される。その際、それらの成分は、非常に極性であるべきであり、好ましくは誘電率>20を有するべきであり、それにより、小さいイオン群塊の形成が促される。非常に極性の溶剤のための典型的な例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル又はガンマ−ブチロラクトンである。溶剤混合物の更なる溶剤として、その際、粘度の低下によって更なる導電性の向上を達成するために、非常に低い粘度の溶剤が、好ましくは室温で<0.8mPa・sの粘度を有する溶剤が添加される。好適な低粘度溶剤は、例えばエーテル、例えばジメトキシエタン(DME)及びテトラヒドロフラン(THF)であるが、またカルボン酸エステル及びジアルキルカーボネート、特にジメチルカーボネート(DMC)である。
特に好ましい溶剤混合物は、好ましくは50〜100:50〜0、好ましくは60〜95:40〜5、より好ましくは70〜90:30〜10、最も好ましくは75〜85:25〜15、例えば80:20の比率で、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとからなる。
本発明による調製物中に含まれる溶剤の量に関しては、イオン性液体の割合と比較してより高い溶剤割合がコスト的利点をもたらすことが顧慮されるべきである。それというのも、イオン性液体は、一般に溶剤よりもかなり高価だからである。更に、上記のように、電解質調製物の性能は、溶剤の割合を高めることで、所定の程度にまで改善される。その際、境界値より高くで、該調製物の導電性に関する性能は、更なる溶剤の添加において再び低下する。溶剤の割合を高めると、更なる欠点に行き着くことがあり、こうして、可燃性もしくは毒性の溶剤が使用される限りは、例えば、調製物の毒性もしくはその可燃性が高まることがある。本発明による電解質調製物については、20〜60容量%、好ましくは25〜55容量%の、より好ましくは30〜50容量%の溶剤量が、できる限り高い導電性と、経済性と、低い粘度と、低い可燃性と、毒性からの最良の妥協となることを示す。
本発明による電解質調製物は、性能の改善のために、場合により添加剤を含有してよい。添加剤とは、ここでは、比較的少量で、通常は調製物の5質量%まで添加される添加物を表す。溶剤は部分的に実質的により高い割合で使用されるので、これは添加剤のカテゴリーに含まれない。
例えば、グラファイト電極を使用する場合に、これは、リチウムカチオンの可逆的侵入に際して、複数のサイクル後にますます多くの層が失われ、それと共にこのグラファイト電極の寿命が大きく減少することが知られている。このグラファイトの分解の理由は、とりわけ溶剤分子の同時侵入である。これらは、充電・放電サイクルにおいて、電極中で電気化学的に分解され、それによってグラファイトの構造が分解される。種々の添加剤は、電極上の保護層の形成によって、この侵入を抑えることができる。少量のリチウムイオンがなおも前記の層を通して動き回ることができる限り、該電極は更にその機能を満たしうる。典型的に、ポリマー層を形成しうるので、不飽和もしくは環状の化合物が使用される。斯かる添加剤化合物の例は、アクリルニトリル、エチレンスルファイトもしくはビニレンカーボネートである。非常に良好な結果は、例えば2〜15容量%、例えば5容量%のビニレンカーボネートの添加によって達成される。
前記説明から明らかになるように、幾つかの化合物は、本発明による電極調製物において二重の機能を発揮することがある。こうして、溶剤において記載したエチレンカーボネートは、ここに記載される添加剤の範囲で好ましい作用を発揮するが、他方で、添加剤において記載したビニレンカーボネートは、溶剤特性も有する。
好ましい一実施態様において、本発明による電解質調製物は、従って、付加的に、重合可能な官能基を有する添加剤を含有する。その際、該添加剤は、好ましくは、アクリルニトリル、エチレンスルファイト、プロパンスルトン、有機カーボネート、好ましくはエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートもしくはフルオロエチレンカーボネート及びスルホネートを含む群から選択される。また、上述の添加剤の混合物は、本発明による調製物中に含まれていてよい。
溶剤及び場合により添加剤の量は、本発明による調製物中で、好ましくは、該調製物が150℃を超える引火点、好ましくは180℃を超える引火点、より好ましくは200℃を超える引火点を有するように選択される。
本発明による電解質調製物の好ましい実施態様において、該調製物は、付加的に1もしくは複数の導電性塩を含有する。本発明による電解質調製物において、好ましくは、リチウムビスボロオキサレート(LiBOB)、LiTFSI、LiClO4、LiBF4、Li−トリフレート及びLiPF6を含む群から選択される導電性塩が使用される。
その際、導電性塩は、通常は、0.1〜1.5モル/l、好ましくは0.3〜1.2モル/l、より好ましくは0.5〜1モル/lの濃度範囲で使用される。
規定の用途のためには、導電性塩は、絶対に本発明による電解質調製物中に存在する必要があるわけではない。このように、二重層コンデンサ(電界二重層コンデンサ、EDLC)の場合に導電性塩は必要ないことが示される。驚くべきことに、すなわち、導電性塩の添加に際して、アルコキシ置換されたピロリジニウム−イオン性液体の場合に、純粋なアルキル置換された化合物の場合のものよりも相当大きな導電性の低下が起こることが判明した。しかし、アルコキシ置換されたピロリジニウム−イオン性液体は、導電性を用いなくても、例えばアルキル置換されたピロリジニウム−イオン性液体と比較して高い初期導電性を有するので、アルコキシ置換されたカチオンを有するイオン性液体は、導電性塩の使用が省かれるべきであるか、あるいは省くことができる用途において、例えば二重層コンデンサの場合に好ましい。
本発明による電解質調製物の特定の一実施態様において、従って、該イオン性液体は、好ましくはTFSIもしくはFSIをアニオンとして用いた、1−アルコキシアルキル−1−アルキルピロリジニウム化合物であり、その際、該調製物は導電性塩を含有しない。
更に、導電性塩の溶解性、特にLiBOB及びLi−トリフレートのその都度のイオン性液体における溶解性は、非常に様々であることが示される。特に、トリフレート化合物において、例えばピロリジニウムトリフレート[Py14][OTf]においては、LiBOB、LiTFSI及びLi−トリフレートは、良好な溶解性を示すが、LiBOB、LiTFSI及びLi−トリフレートは、TFSIを基礎とするイオン性液体には大量に溶解しない。
本発明による電解質調製物の更なる特定の一実施態様において、該イオン性液体は、従って、トリフレート化合物、好ましくは1,1−ジアルキルピロリジニウムトリフレートであり、かつ該調製物中に使用される導電性塩は、LiBOB、LiTFSIもしくはLi−トリフレートである。
以下に、広範囲にわたる調査の結果を記載する。そこでは、特に電解質調製物中のイオン性液体のアニオン及びカチオンの影響と、溶剤の影響、溶剤量並びに使用される導電性塩の量及び種類の影響が調査されている。
図1は、極性溶剤での希釈によって、イオン群塊が破壊され、より多くのより小さい質量を有するイオンが生じ、従ってより高い移動度が生じ、導電性を高める挙動についての典型的な曲線を示す。 図2は、[Py14][TFSI]、[Py14][OTf]及び[EMIM][BF4]のサイクリックボルタモグラムを示している。 図3は、[EMIM][TFSI]、[Et3S][TFSI]及び[EDiMIM][TFSI]のサイクリックボルタモグラムを示している。 図4は、−10〜80℃の温度範囲における粘度の比較を示している。 図5は、−10〜80℃の温度範囲における粘度の比較を示している。 図6は、アルコキシ置換されたイオン性液体及びPy14TFSIの−10℃〜80℃の温度範囲で測定された粘度を示している。 図7は、アルコキシ置換されたイオン性液体のサイクリックボルタモグラムを示している。 図8は、導電性塩濃度0.5と0.75モラーとの比較を示している。 図9は、[Py14][TFSI]配合物の導電性を示している。 図10は、[Py14][TFSI]/LiTFSI配合物の導電性を示している。 図11は、[Py14][TFSI]/LiOTf配合物の導電性を示している。 図12は、[Py14][TFSI]配合物と比較した[Py14][OTf]配合物の導電性を示している。 図13は、[(MeOE)MPy][TFSI]配合物の導電性を示している。 図14は、[Et3S][TFSI]配合物の導電性を示している。 図15は、[Et3S][TFSI]電解質の最適化を示している。 図16は、電解質配合物の導電性を示している。
1. イオン性液体の調査
まず、第1表に挙げられる7種のイオン性液体を、純物質として、その電気化学的安定性とその粘度に関して特徴付ける。引き続き、粘度の変化を、種々の溶剤及び導電性塩の添加によって測定する。イオン性液体と、Li塩と、有機溶剤と、添加剤とからなる最良の可能な組み合わせをこうして決定する。
第1表:文献値を有する調査されるイオン性液体
Figure 0005425065
ピロリジニウムを基礎とするイオン性液体の高い電気化学的安定性に基づいて、[Py14][TFSI]は、調査されるべき用途に将来性のあるイオン性液体であると思われる。しかし、匹敵するイミダゾリウム−イオン性液体及びスルホニウム−イオン性液体は、更により高い導電性を示す。更に調査されるべきスルホニウムもしくはC2位で保護されたイミダゾールの安定性が[EMIM]カチオンのそれより高い場合に、これらのシステムは、更なる用途調査のために好ましいものである。そのときまで、文献で非常に良好に調査されたシステム[EMIM][TFSI]は、基準点として用いられるべきである。
2. イオン性液体の特徴付け
第1表に示されている適切な選択に基づき、これらを、その特性により評価した。環状アンモニウム化合物及び特にピロリジニウムを基礎とするイオン性液体の文献公知の高い電気化学的安定性に基づき、これらは好ましいものと見なされるべきである。適切な仮説の検証のために、基礎データセットを物理化学データで測定した。このために、いわゆるカタログ品質は更に精製されて、こうしてそれらは、第2表に示されている高純度の品質で、測定のために提供される。[EMIM][BF4]を除いて、全ての生成物を傑出した純度で調製することができる。[EMIM][BF4]は更に乾燥することはできず、フッ化物値は、微量の水の存在下でのBF4アニオンの熱不安定性に基づいて、更に高めることは許容されるべきでない。該化合物は、414ppmのカール・フィッシャー値にまで乾燥され、そしてその際1067ppmの遊離のフッ化物を含有した。これは、技術的に実現できる妥協点である。全ての他の6種の化合物は、残りの遊離のアミンの他に、50ppm以下の累積された副成分、例えば水及びフッ化物を含む全ハロゲン化物を含有する。
第2表:調査されたイオン性液体の純度
Figure 0005425065
第2表中の"−"は、5ppmの検出限界未満の値を示している。
文献において、純度は、不純物が、低減された電気化学的安定性、変更された導電性などの原因であることがあるにもかかわらず、しばしば一義的に示されない。多くの文献公知の値とは別に、測定され示された物理化学的データは、相応の純度と相関している。
3. イオン性液体の物理化学的値
図2及び3に示されるサイクリックボルタンモグラムは、電気化学的安定性を示している。これらは、Ptに対向してAlの電極構成で参照電極Ag/AgClを有する構成のMETROHM社のポテンシオスタットで測定した。文献から、ピロリジニウムカチオンが、共に電気化学的に最も安定なものに数えられることが知られている。N,N−ブチル−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([Py14][TFSI])及びN,N−ブチル−メチルピロリジニウム トリフルオロメタンスルホネート([Py14][OTf])は、6.0Vで、調査されたイオン性液体最も大きい電気化学的ウィンドウを有する。両方のピロリジニウム化合物の電気化学的ウィンドウの小さい差異は、それぞれのアニオンのアノード電位に帰するものである。既に非常に良好に特徴付けられたEMIMカチオンに対して、C2位で保護されたEDiMIMは、カソード領域ではるかに高い安定性を示す。そのウィンドウは、[EMIM][TFSI]の4.8Vに対して、全体で4.9Vである。イミダゾール上のアルキル鎖の延長によって、また、やや高い安定性も達成できる。他の置換基もしくはより長い置換基の導入の欠点は、粘度の増大と、それと共に導電性の低下もある。トリエチルスルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([ET3S][TFSI])は、5.0Vの電気化学的ウィンドウを有し、かつ従って二重置換されたイミダゾールよりも安定性であるが、アンモニウム化合物の安定性には至らない。
図2は、[Py14][TFSI]、[Py14][OTf]及び[EMIM][BF4]のサイクリックボルタモグラムを示している。
図3は、[EMIM][TFSI]、[Et3S][TFSI]及び[EDiMIM][TFSI]のサイクリックボルタモグラムを示している。
最も小さい電気化学的ウィンドウは、二重置換されたイミダゾリウムカチオンが示している。はるかに高い水値に基づいて、[EMIM][BF4]は、[EMIM][TFSI]に対してカソード領域で低下し、品質において電解質材料として適していない。従って、以下で、このイオン性液体について更に検討しない。文献公知のLiイオン電池について調査された最良の[EMIM][TFSI]は、4.8Vのウィンドウを有する。電気化学的安定性のみを決定基準の基礎とするならば、電解質は、好ましくは環状のアンモニウム化合物からなるべきである。しかし、最適な電解質については、安定性の他に、できるだけ高い導電性が重要である。
測定された粘度の比較は、図4及び5でプロットされている。低粘度の溶剤の添加によって、導電性は、場合により高めることができる。その傾向からみて、電気化学的により安定なシステムであるピロリジニウム及び三重置換されたイミダゾリウムカチオンは、最も低い導電性と、相応して最も高い粘度を有することが認められる。
図4は、−10〜80℃の温度範囲における粘度の比較を示している。追加の"図4についての表"も参照のこと。
図5は、−10〜80℃の温度範囲における粘度の比較を示している。追加の"図5についての表"も参照のこと。
イオン性液体[ET3S][TFSI]は、低い粘度と、6.02mS/cmの高い導電性を示し、それは、選択されたシステムから三番目に高いものを示し、その際共に電気化学的に最も安定なものに数えられる。従って、[ET3S][TFSI]は、[Py14][TFSI]の他に、以下で、電解質配合物中で好ましいものと顧慮される。
最も高い導電性は、二重置換されたイミダゾリウムカチオンで、8.17mS/cmもしくは9.28mS/cmのスルホニウム化合物に匹敵する粘度で達成できる。しかし、これらは、上述のように、必要となる電気化学的ウィンドウを達成しない。第3表において、選択された純粋なイオン性液体の物理化学的値をまとめて示している。
ここから、明らかに、電気化学的に安定なピリジニウム化合物もしくは三重置換されたイミダゾリウム化合物の粘度は、新規のイオン性液体に対するカチオンの合成の変更によって低下し、従って特性プロフィールを更に決定的に改善することに関心が持たれる。
第3表:調査されたイオン性液体
Figure 0005425065
4. 新規のイオン性カチオン構造
広範囲の調査に基づき、カチオンであるアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウムの電気化学的安定性に関して、芳香族のイミダゾリウム及びピリジニウムに対して好ましいことは明らかである。物理化学的特性、特に粘度及び直接的に互いに無関係の導電性を考慮して、ホスホニウム化合物は、排除される。従って、変更された構造は、ピロリジニウム、イミダゾリウム及びスルホニウムを基礎としている。
カチオン上のアルコキシアルキル置換基の導入によって、粘度低下作用と、それと共に導電性増大が観察できる。こうして、化合物[ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム][TFSI]は、約140mPa・s、4mS/cm及び5.9Vの電気化学的ウィンドウの値を有する。相応の環状の芳香族もしくは脂肪族のN化合物が変更される場合に、以下に図示される相応のアルコキシ置換されたイオン性液体−カチオンが得られる:
Figure 0005425065
5. アルコキシ置換されたイオン性液体の合成
相応のアミン化合物の2−メトキシエチルクロリドによるアルキル化によって、相応して置換されたイミダゾリウム化合物もしくはピロリジニウム化合物は、中程度ないし非常に良好な収率で得ることができる。以下の図において、収率が示されている:
Figure 0005425065
アニオン交換(以下の図を参照)によって、種々のイオン性液体を製造することができる。高純度の化合物を、電気化学的な用途のために製造するために、得られたイオン性液体が水と二相を形成し、それにより形成された塩負荷物は抽出によって工業的規模でも除去することができることが必要である。
Figure 0005425065
既に記載した電気化学的に非常に関心が持たれるアニオンの他に、トリフレート(OTf)及びTFSIは、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレート)も導入された。3種の異なるクロリドから、従って、9種の新規のイオン性液体を、更なる特徴付けのために形成されるべきである。しかし、メトキシ基の影響は、生成物の強力な疎水化をもたらすので、トリフレートは、部分的にのみ非常に粗悪な10%の収率で得られた。ノナフレート化合物は、水相への高い交差可溶性によって制限されて、50%の損失で得られた。最も疎水性のアニオンであるTFSIは、73%より高い良好な収率で全ての場合に導入することができる。全ての達成された結果は、第4表にまとめている。
2段階合成にわたる全収率を考慮する場合には、特に[(MeOE)MePyyr][TFSI]の合成が、目下技術的に合理的に可能であることは明らかである。しかし、個々の反応段階は最適化できず、熟練した反応操作によってより良好な結果を達成できるものと考えられるべきである。従って、十分な量で(トリフレート以外は)得られた全ての物質を、物理化学的に特徴付けた。
第4表:アルコキシ置換されたイオン性液体の合成の収率
Figure 0005425065
6. アルコキシ置換されたイオン性液体の物理化学的値
項目5からのアルコキシ置換されたイオン性液体を、その粘度、導電性及び電気化学的安定性について調査した。トリフレートの測定は、小さすぎる収率に基づき省いた。同様に、[(MeOE)MePyrr][ノナフレート]及び[(MeOE)MIM][ノナフレート]は調査しなかった。それというのも、これらは室温で固体で存在し、相応して高い粘度及び低い導電性が予想されるので、これらは、電解質としての使用のためには適していないからである。
図6において、アルコキシ置換されたイオン性液体及びPy14TFSIの−10℃〜80℃の温度範囲で測定された粘度を示している。追加の"図6についての表"も参照のこと。
メトキシ単位の導入によって、それぞれの基礎構造について著しく低い粘度が達成できる。こうして、[(MeOE)MPyrr][TFSI]及び[(MeOE)MIM][TFSI]は、58.3mPa・sもしくは48.2mPa・sの粘度を示し、それらは、純粋なイオン性液体とって、既に非常に低い粘度である。最もよく知られた低粘性のイオン性液体の一つは、[EMIM][TFSI]であり、それは、同じ範囲で44.9mPa・sである。ブチル置換基と比較して、その粘度は、半分となるかもしくは四分の一に低減できる。
低い粘度と、それと関連する高い固有導電性の他に、電気化学的安定性は、その用途のために重要である。図7に示されるサイクリックボルタモグラムは、メトキシエチル置換されたピロリジニウム化合物は、アルキル置換されたものと同様に電気化学的に最も安定であることを明らかにする。
図7は、アルコキシ置換されたイオン性液体のサイクリックボルタモグラムを示している。
こうして、[(MeOE)MPyrr][TFSI]は、5.9Vのウィンドウを有する。その測定から示唆される高められた[(MeOE)MPyrr][ノナフレート]の安定性は、高められた粘度により制限された遅延によって明らかにすることができる。幾らか小さい安定性を、改めて1,2,3−トリアルキル−イミダゾリウム−カチオンが有するが、これはC2位で保護されていないイミダゾリウムカチオンよりも幾らか安定性である。電気化学的安定性から、アルコキシ置換されたイオン性液体は、アルキル置換された類似物に匹敵している。
従って、環状のアンモニウムシステム、ピロリジニウム化合物、特にアルコキシピロリジニウム化合物は、高い導電性を条件付ける低い粘度を考慮して、特定の程度で電解質材料として使用するために適している。
7. 導電性塩が混合されたイオン性液体
99%より高い電気化学的純度で使用可能な[Py14][TFSI]から出発して、これを、LiPF6、LiTFSI、LiBF4、LiOTf及びLiBOBと混合した。第二のシステムとして、今まで僅かに特徴付けられていた化合物[Et3S][TFSI]を選択した。イオン性液体に対して0.75モル/lの濃度に調整し、該溶液の導電性を、METTLER−TOLEDO社の導電性電極ガラス−白金(980−K197120/1m/2x−27.4)によって測定した。導電性塩は0.75モル/lの濃度で全ては[Py14][TFSI]中に難溶性であるので、最も可溶な導電性塩LiTFSIについてのみ前記濃度で配合し測定された。
そういったわけで、全ての導電性塩について、0.5モル/lの濃度で作業した。[Py14][TFSI]中に、24時間にわたり撹拌されたシステム中でさえもLiBOBは全く溶解せず、完全に沈殿物として沈んだ。LiBF4は、LiPF6と同様に難溶性である。良好な可溶性のLiTFSIの他に、LiOTfは懸濁液として使用でき、6質量%のジメトキシエタンもしくは14質量%のガンマ−ブチロラクトンの添加以降に、澄明な配合物として存在する。
配合物[Py14][TFSI]/LiTFSIのために見積もられた0.75及び0.5モル/lの濃度の比較により、導電性の差異が観察できるが、大きく起こらないことが示される。純粋なイオン性液体にガンマ−ブチロラクトンもしくはDMSOが混合された混合物で、粘度増大作用によって制限されて、導電性塩が投入された配合物よりも高い導電性が達成されることを示している。0.75モル/lに対して0.5モル/lのLiTFSIを有する類似の配合物の比較によって、0.5モラーの導電性塩配合物は、0.75モラーの配合物に対して傾向的に0.3〜0.4mS/cmより導電性であることが示される。こうして、システム[Py14][TFSI]/0.5モラーのLiTFSIは、[Py14][TFSI]/0.75モラーのLiTFSIに対して、8mlのガンマ−ブチロラクトンを添加した場合に、12.54もしくは12.16mS/cmの導電性を有する。
図8は、導電性塩濃度0.5と0.75モラーとの比較を示している。追加の"図8についての表"も参照のこと。
従って、別の選択されたイオン性液体について、Li導電性塩の0.5Mの溶液を有する混合物列を完成させ、どの導電性塩がそれぞれのイオン性液体について最も適しているかについて調査した。図8には、混合物が示されている。詳細に、更なる経路で[Py14][TFSI]の他に使用されるシステムが議論され、他のシステムは完全性のために共に挙げられている。
[Et3S][TFSI]に、LiTFSIは完全に溶解するが、それに対してLiBF4、LiOTf及びLiPF6は、部分的にのみ溶解し、LiBOBは、難溶性の沈殿塩を形成する。
[Py14][TFSI]に対して、[Py14][OTf]中に、アニオンの交換によってのみ、驚くべきほど多い導電性塩が溶解する。幾つかのイオン性液体は、この試験列において、LiBOB中に完全に溶解されている。LiTFSI、LiBOB及びLiOTfは、0.5Mの濃度で澄明な溶液を形成し、かつLiPF6並びにLiBF4は、部分的に溶解されて存在する。[Py14][OTf]の優れた溶解特性に基づき、この化合物は、純粋な電解質溶液として又は他の電解質における導電性塩のための溶解媒介剤として大きな関心が持たれる。
[(MeOE)MPyrr][TFSI]において、LiTFSIの他にLiBF4のみが完全に溶解する。LiPF6及びLiOTfは、部分的に溶解され、かつLiBOBは、再び固体として生ずる。残念ながら、[(MeOE)MPyrr][OTf]は、アニオン効果を、アルキルピロリジニウム化合物と比較して同様と考慮するほど十分な量で得られなかった。しかしながら、[(MeOE)MPyrr][TFSI]がその溶剤特性について[Py14][TFSI]と同等の挙動を示すことは明らかである。
本発明の特定の一実施態様において、イオン性液体は、従って[Py14][TFSI]又は[(MeOE)MPyrr][TFSI]であり、該調製物は、LiTFSIもしくはLiOTfを導電性塩として含有し、その際、好ましくは、LiTFSIが導電性塩として、イオン性液体に対して、0.75モル/l未満の濃度で、0.7モル/l未満の濃度で、特に好ましくは0.6モル/l未満の濃度で含まれている。
8. [Py14][TFSI]を基礎とする電解質
純粋な[Py14][TFSI]を、同様に0.5モラーのLiTFSI及びLiOTfと一緒に入れ、種々の含量の極性溶剤(0〜13.5mlの添加)と混合した。極性溶剤として、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、DMSO、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジメトキシエタン(DME)及びジエチレングリコールジエチルエーテル(E(EG)2E)を使用した。これらの溶液を、それらの導電性について調査した。溶剤と混合された純粋なイオン性液体の得られた結果を、図9に示している。
図9は、[Py14][TFSI]配合物の導電性を示している。追加の"図9についての表"も参照のこと。
ジエチレングリコールジエチルエーテル(それは、とりわけ低粘度の非毒性の高い引火点を有する溶剤として関心が持たれている)の使用は、既に純粋なイオン性液体の非常に不十分な導電性をもたらすので、その使用は他の配合物において合理的であると見なすことはできない。純粋なDMCは、大きな導電性増大を示す。このように、同等の容量比の場合には、既に13.5mS/cmの最大の導電性が達成される。しかしながら、達成される最大値は、他の溶剤に対して迅速に低下するので、全てのイオン群塊が破壊される前に、迅速に希釈範囲に達する。低すぎる溶剤の極性が原因であることがあるため、粘度効果が優位を示す。調査された極性溶剤の大部分は、1対1.2〜1対1.6の容量比以降で、導電性のプラトー値に達する。これは、1対2の比まで一定に保たれ、それから希釈効果によって導電性が低下する。
使用される溶剤の極性に応じて、イオン群塊はさまざまな強さで破壊されるので、導電性増大はより激しく顕著なことがある。図10において、LiTFSI塩との最も高い導電性の組み合わせが示されている。
図10は、[Py14][TFSI]/LiTFSI配合物の導電性を示している。追加の"図10についての表"も参照のこと。
驚くべきことに、[Py14][TFSI]/LiTFSIとDMEとの組み合わせは、DMEの極性が、全ての他の調査された溶剤のそれよりも低いにもかかわらず、13.5倍の15.09mS/cmへの最高の導電性の増大を示す。また、長く一定のプラトー値もそれを認めている。純粋な[Py14][TFSI]は、DMEと同様の挙動をとる。より低い初期粘度だけに基づいて、15.66mS/cm(6.4倍)の最大値に迅速に到達する。
EC/DMC(70:30v/v)の組み合わせをもって、14.18mS/cmの導電性を達成できる。最初に挙げた両方のものに対して、ガンマ−ブチロラクトンは12.54mS/cmで、かつDMSOは11.91で既に明らかに低下する。
電解質の考えられる可燃性に関して、これが30%以下の有機溶剤を含有した場合に望ましい。最大の導電性値を達成するために、しかし全ての調査される[Py14][TFSI]/LiTFSI配合物は、50〜60%の溶剤を含有する。30%の目印を溶剤限界値として見なし、そこで導電性を観察する場合、配合物の間の差異はあまり大きくない。DMEもしくはEC/DMC(70:30v/v)は、7.33mS/cmの同じ値を有し、GBLは、6.8mS/cmを有する。30%の溶剤を添加した場合に、より強く出発導電性が作用を受ける。すなわち、出発導電性が高いか、あるいは溶剤を添加していない配合物の粘度が低ければ、高い導電性が、非理想的範囲でより高いイオン移動度によって達成できる。
LiTFSI塩の他に、LiOTfを有する懸濁液も調査された。図11において、0.5モラーのLiOTf溶液を有し、それがDME及びEC/DMC(70:30v/v)並びにGBLを有する配合物の導電性が示されている。
図11は、[Py14][TFSI]/LiOTf配合物の導電性を示している。追加の"図11についての表"も参照のこと。
LiTFSIで得られた結果と同様に、[Py14][TFSI]/LiOTfとDMEの配合物については、14.25mS/cmの最高の導電性が生ずる。EC/DMC(70:30v/v)では、12.62mS/cmといった明らかにより低い最大導電性のみが得られる。GBLについては、曲線の推移はより平坦であり、最大値は、DMEのそれよりはるかに低い12.07mS/cmである。
9. [Py14][OTf]を基礎とする電解質
[Py14][OTf]がかなり高い111.8mPa・s(20℃)の粘度を有するにもかかわらず、このイオン性液体を更に調査した。それというのも、一方で、経済的に関心が持たれる費用構造を基礎として製造することができ、他方で、調査されたイオン性液体の唯一のものとして、LiBOBについて優れた可溶性を有するからである。高い粘性は、溶剤添加なくして、測定された1.7mS/cmの導電性においても示される。しかしながら、EC/DMC(70:30v/v)の添加によって、驚くべきことに、それにもかかわらず、システム[Py14][TFSI]/EC/DMC(70:30v/v)におけるより1.5mS/cmだけ高い導電性を達成できる。しかし、そのためには、2当量までのEC/DMC(70:30v/v)を添加せねばならない。
図12は、[Py14][TFSI]配合物と比較した[Py14][OTf]配合物の導電性を示している。追加の"図12についての表"も参照のこと。
導電性塩としてLiBOBを添加することで、粘度効果は強くなるが、低い初期導電性にかかわらず、[Py14][TFSI]/LiTFSIの値に至り、それだけでなく高い溶剤割合ではそれを超過することがある。
本発明の特定の一実施態様においては、従ってイオン性液体は[Py14][OTf]であり、その際、該調製物は、少なくとも25容量%の、好ましくは少なくとも45容量%のEC/DMCを、好ましくは60〜100対40〜0の範囲の比率で溶剤として含有する。
10. [(MeOE)MPy][TFSI]を基礎とする電解質
純粋なイオン性液体[(MeOE)MPy][TFSI]の出発導電性は、3.39mS/cmであり、アルキル別形[Py14][TFSI]に対して1mS/cmだけ高められている。図13において、EC/DMC(70:30v/v)の添加による導電性の推移を、導電性塩の添加をするかしないで示している。
図13は、[(MeOE)MPy][TFSI]配合物の導電性を示している。追加の"図13についての表"も参照のこと。
驚くべきことに、導電性の低下は、LiTFSI−導電性塩を添加した場合に、[(MeOE)MPy][TFSI]の場合では、[Py14][TFSI]の場合よりも0.5mS/cmだけ顕著であるので、粘度低下によって達成された効果は、導電性塩を有する調製物においては期待通りには生じない。導電性の推移は、既に図10で[Py14][TFSI]化合物について議論したものに相当する。しかし、達成された値は、0.5mS/cmだけ高められている。最大値は、13.36mS/cmで達成される。従って、側鎖の更なる官能化によって導電性を高めることができることを示している。
第8章から第10章の結果に基づき、本発明の特定の実施態様においては、イオン性液体は、ピロリジニウム化合物、好ましくは[Py14][TFSI]もしくは[(MeOE)MePyrr][TFSI]であり、その際、該調製物は、DMC、DMEもしくはEC/DMCを、好ましくは60〜100対40〜0の範囲の比率で溶剤として含有する。
11. [Et3S][TFSI]を基礎とする電解質
[Et3S][TFSI]は、前章に示したように、最低粘度の非プロトン性のイオン性液体の1つである。この化合物の出発導電性は、0.5MのLiTFSI導電性塩を添加した場合に、3.34mS/cmであり、かつそれは[Py14][TFSI]化合物よりも3倍も高い。図14は、高い出発導電性の意義を明らかにしている。
図14は、[Et3S][TFSI]配合物の導電性を示している。追加の"図14についての表"も参照のこと。
0.5MのLiTFSIとの混合物において、7.5mlのEC/DMC(70:30v/v)を添加した場合に、このプロジェクトの範囲で調査された電解質溶液の全ての最高の16.04mS/cmの導電性が達成される。3mlの値に相当する30%の溶剤添加ですでに、12.77mS/cmの導電性が得られる。それは、低い溶剤割合を可能にするできる限り高い引火点に関して、大きな意義を有する。高い導電性をなおもさらに改善するために、ECとDMCの比率を最適化した。該混合物の極性については、できる限り高いEC割合が必要である。まず最初に、EC割合は75%に高められた。すなわちDC割合は、25%であった。25%未満のDMCの残留濃度以降で、電解質中で導電性塩の結晶形成が観察されたので、ECの濃度は更に高めなかった。図15からは、ECの増大が、図14に既に示したシステムに対する最大導電性の低減をもたらすことは明らかである。DMC割合を高めた場合には、最大導電性も高まる。しかし、より高いEC割合の利点は、低減された可燃性である。それというのも、DMCは、ECよりも低い引火点を有するからである。
しかし、溶剤の変動は、電解質中30%までの溶剤割合の範囲で作業される限り、導電性に対して僅かのみの作用を有するに過ぎない。その差異は、3mlの溶剤添加に際して、最大で単に0.4mS/cmであり、従って無視すべきである。
図15は、[Et3S][TFSI]電解質の最適化を示している。追加の"図15についての表"も参照のこと。
[Et3S][TFSI]については、まとめると、EC/DMCの僅かだけの溶剤を、理想的には少なくとも導電性に関して66:33の比率で添加した場合に、30%だけの添加でさえも迅速に高い導電性が達成できることが確認できる。これらの電解質では、全ての調査された電解質配合物の最大導電性を達成できる。
本発明の特定の一実施態様においては、従ってイオン性液体は、スルホニウム化合物、好ましくはトリアルキルスルホニウム化合物、特に好ましくは[Et3S][TFSI]、[Et3S][OTf]もしくは[Et3S][FSI]であり、その際、該調製物は、DMC、DMEもしくはEC/DMCを、好ましくは60〜100対40〜0の範囲の比率で溶剤として含有する。
本発明の前記の実施態様においては、イオン性液体が[Et3S][TFSI]であり、該調製物がEC/DMCを、好ましくは60〜100対40〜0の範囲の比率で溶剤として含有し、かつLiTFSIを、導電性塩として、該イオン性液体に対して、0.75モル/l未満の濃度で、好ましくは0.7モル/l未満の濃度で、特に好ましくは、0.4〜0.6モル/lの濃度で含有することが特に好ましい。
12. イオン性液体を基礎とする調製物の引火点
該調製物の可燃性についての説明をするために、第5表に示される調製物から引火点を測定した(DIN ISO 2592による測定):
第5表:選別された電解質調製物の引火点
Figure 0005425065
13. 組成及び見解
第一の文献と第二の文献の広範囲の文献調査から出発して、第6表に示されるイオン性液体を、Liイオン電池用の電解質として調査した。
第6表:調査されたイオン性液体
Figure 0005425065
これらのイオン性液体は、その純度に関して最適化され、かつその物理化学的な特性データは高純度の材料(20ppm未満の含水率;50ppm未満のハロゲン化物含有率並びに99%より高いアッセイ)から測定し、同様に第6表に示している。
それらの結果と文献との相関から、以下のアニオンの順序を、電気化学的な特性に関して整列させることができる:
Figure 0005425065
カチオンについては、とりわけ電気化学的安定性は、ここに示した順序で決定的ある:
Figure 0005425065
カチオンの巧みな設計によって、非常に安定な非芳香族のアンモニウム化合物は、低粘度でも得ることができるので、その関心が持たれた電解質から配合することができる。新規の電解質材料としてのイオン性液体の合成に際して、この方法が採られた。以下に示されるように、化合物[N−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウム][TFSI]は、58%の良好な収率で2段階を介して得ることができる。
Figure 0005425065
その粘度は、アルキルピロリジニウム化合物に対して58mPa・sへと半分にすることができるので、最低粘度のイオン性液体の粘度の範囲を達成できた。その際、しかしながら、ピロリジニウム化合物の同じ優れた電気化学的安定性は、6.0Vのウィンドウで達成される。
今までに記載されている化合物の他に、[N−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウム][TFSI]を、更に続く配合物試験のために選択した。導電性塩(LiTFSI、LiBOB、LiOTf、LiBF4、LiPF6を使用した)の混合挙動の調査は、当初予定されていた0.75Mの濃度でこれらのリチウム塩が大抵は不溶性であったことを示している。そのため、全ての試験は0.5Mの導電性塩で実施した。[Py14][TFSI]/0.5MのLiTFSIもしくはDMSO中0.75MのLiTFSIの配合物中の両者の濃度で比較する導電性測定は、それらの導電性値が近似的に匹敵することを示している。
第7表:Li導電性塩との混合可能性
Figure 0005425065
第7表において、調査される電解質の混合挙動が示されている。その混合挙動と、優れた物理化学的特性データに基づいて、[Py14][TFSI]、[Et3S][TFSI]及び[(MeOE)MPyrr][TFSI]をイオン性液体として選択した。異なって、その非常に高い粘度にもかかわらず、[Py14][OTf]が同様に顧慮された。それというのも、それは、導電性塩LiBOBについて良好な可溶性を示した全ての調査された唯一のイオン性液体だからである。大抵の導電性塩は、これらの電解質中に溶解するので、これらはまた溶解媒介剤としても使用することができる。更に、[Py14][OTf]は、実質的により少ない製造コストで調達できる。
ジメトキシエタンの他に、とりわけ、70対30の比率のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネートの混合物は、イオン性液体を基礎とする電解質配合物のための理想的な溶剤として示されている。
図16は、電解質配合物の導電性を示している。追加の"図16についての表"も参照のこと。
0.5MのLiTFSIを有する混合物においては、[Et3S][TFSI]では、7.5mlのEC/DMCの添加に際して、このプロジェクトで調査された全ての電解質溶液のうちで最高の16.04mS/cmの導電性が達成される。3mlの値に相当する30%の溶剤添加ですでに、12.77mS/cmの導電性が得られる。それは、低い溶剤割合を制限するできる限り高い引火点に関して、大きな意義を有する。高い導電性をなおも更に改善するために、ECとDMCとの比率を最適化し、66対33が理想的な比率であると判明した。これらの電解質では、全ての調査された電解質配合物の最大導電性を達成できる。5.0Vの電気化学的安定性は十分なので、[Et3S][TFSI]は、選ばれた電解質材料である。
なおもより高い電気化学的安定性が必要とされる場合には、調査されたピロリジニウム化合物が使用されるべきである。特に[Py14][TFSI]は、そのより低い粘度と、それと相関するより高い基礎導電性に基づき、相応の[Py14][OTf]よりも高い導電性を有する。粘度を添加剤[(MeOE)MPyr][TFSI]で低下させる試みが効果的であるが、導電性への作用は僅かであるにすぎない。純粋な電解質材料として[(MeOE)MPyr][TFSI]を使用することにより、[Py14][TFSI]に対して0.5mS/cmだけ高められた値がもたらされる。
[Py14][OTf]は、非常に安定かつ費用的に魅力のある電解質材料であるが、[Et3S][TFSI]材料の導電性には到達しない。しかしながら、大抵使用されるEC/DMCの電解質混合物において、すなわち約30%の溶剤割合において、[Py14][OTf]及び[Py14][TFSI]の間の差異は大きくない。ここで、[Py14][OTf]を導電性塩である、LiTFSIよりもコスト的に実質的に好ましいLiBOBと組み合わせて使用することが推奨される。
目下提供されるイオン性液体と商慣習の溶剤に基づき、ここで見出された電解質溶液は、理想的な溶液である。
補足表:
図2についての表:
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
図3についての表:
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
図4についての表:−10℃〜80℃の温度での平均粘度
Figure 0005425065
図5についての表:−10℃〜80℃の温度での平均粘度
Figure 0005425065
図6についての表:−10℃〜80℃の温度での平均粘度
Figure 0005425065
図7についての表:
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
Figure 0005425065
図8についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図9についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図10についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図11についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図12についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図13についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図14についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図15についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065
図16についての表:それぞれの示された量の示された溶剤を5mlの出発サンプル(示されるようにイオン性液体と導電性塩)に添加した場合の種々のイオン性液体含有の組成物の導電性
Figure 0005425065

Claims (7)

  1. a)少なくとも4.5Vの範囲を超えて電気化学的に安定であり、20℃で300mPa・s未満の粘度を有し、かつ20℃で少なくとも1mS/cmの導電性を示すイオン性液体と、)電解質調製物に対して20〜60容量%の量の非プロトン性の双極性の溶剤とを含有し、その際、電解質調製物の導電性が、イオン性液体の導電性よりも少なくとも2倍だけ大きい電解質調製物において、この電解質調製物が、以下の群:
    − イオン性液体が[Py14][TFSI]であり、導電性塩がLiTFSI及びLiOTfであり、かつ、非プロトン性の双極性の溶剤がガンマ−ブチロラクトン(GBL)、DMSO、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(E(EG)2E)、又はジメトキシエタン(DME)であり、
    − イオン性液体が[Py14][TFSI]であり、導電性塩がLiTFSIであり、かつ、非プロトン性の双極性の溶剤がガンマ−ブチロラクトン(GBL)、DMSO、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボート(DMC)との混合物、又は、ジメトキシエタン(DME)であり、
    − イオン性液体が[Py14][TFSI]であり、導電性塩がLiOTfであり、かつ、非プロトン性の双極性の溶剤がガンマ−ブチロラクトン(GBL)、ジメトキシエタン(DME)、又は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物であり、
    − イオン性液体が[Py14][TFSI]であり、導電性塩がLiBOBであるか、あるいは導電性塩を含有せず、かつ、非プロトン性の双極性の溶剤がエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物であり、
    − イオン性液体が[Py14][OTf]であり、導電性塩がLiBOBであるか、あるいは導電性塩を含有せず、かつ、非プロトン性の双極性の溶剤がエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物であり、
    − イオン性液体が[(MeOE)MePyrr][TFSI]であり、導電性塩がLiTFSIであるか、あるいは導電性塩を含有せず、かつ、非プロトン性の双極性の溶剤がエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物であり、および
    − イオン性液体が[EtS][TFSI]であり、導電性塩がLiTFSIであり、かつ、非プロトン性の双極性の溶剤がガンマ−ブチロラクトン(GBL)、又は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物である、
    から選択される、aとb)との組み合わせを含む、電解質調製物。
  2. イオン性液体が[(MeOE)MePyrr][TFSI]であり、かつ導電性塩を含有しない、請求項1に記載の電解質調製物。
  3. 付加的に、重合可能な官能基を有する添加剤を含有する、請求項1または2に記載の電解質調製物。
  4. 添加剤が、アクリルニトリル、エチレンスルファイト、プロパンスルトン、有機カーボネート、スルホランおよびこれらの混合物から選択される、請求項3に記載の電解質調製物。
  5. 150℃を上回る引火点を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の電解質調製物。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の電解質調製物を、電気的エネルギーアキュムレーターシステムにおいて用いる使用。
  7. 電気的エネルギーアキュムレーターシステムが、リチウムイオン電池又は二重層コンデンサである、請求項6に記載の使用。
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