JP6067631B2 - フッ化物イオン電池用電解液およびフッ化物イオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ化物イオンの安定性を向上させたフッ化物イオン電池用電解液に関する。
高電圧かつ高エネルギー密度な電池として、例えばLiイオン電池が知られている。Liイオン電池は、Liイオンと正極活物質との反応、および、Liイオンと負極活物質との反応を利用したカチオンベースの電池である。一方、アニオンベースの電池として、フッ化物イオンの反応を利用したフッ化物イオン電池が知られている。例えば、特許文献1には、アノードと、カソードと、フッ化物塩を含む電解質と、所定の添加剤とを備えるフッ化物イオン電池が開示されている。
特許文献1の請求項13には、溶媒の選択肢の一つとして、アルコールが挙げられている。ただし、特許文献1の他の箇所には、アルコールを用いることについて、全く開示がなされていない。
米国特許出願公開第2012/0164541
フッ化物イオンは安定性が低いため、活物質をフッ化する活性が低いという問題がある。言い換えると、フッ化物イオンは反応性が高いため、活物質と反応する前に、他の材料(特に電解液)と反応してしまい、活物質と十分に反応できないという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、フッ化物イオンの安定性を向上させたフッ化物イオン電池用電解液を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本発明においては、フッ化物塩と、2つのOH基の間に1または2のエーテル結合が配置されたジオール化合物とを含有することを特徴とするフッ化物イオン電池用電解液を提供する。
本発明によれば、2つのOH基の間に1または2のエーテル結合が配置されたジオール化合物を用いることで、フッ化物イオンの安定性を向上させたフッ化物イオン電池用電解液とすることができる。
上記発明においては、フッ化物イオンに対する上記ジオール化合物のモル比が0.5より大きいことが好ましい。
また、本発明においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するフッ化物イオン電池であって、上記電解質層が、上述したフッ化物イオン電池用電解液を含有することを特徴とするフッ化物イオン電池を提供する。
本発明によれば、上述したフッ化物イオン電池用電解液を用いることで、容量が大きいフッ化物イオン電池とすることができる。
本発明のフッ化物イオン電池用電解液は、フッ化物イオンの安定性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明における推定メカニズムを説明する模式図である。 本発明における推定メカニズムを説明する模式図である。 本発明のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1、2および比較例1〜4で用いた化合物である。 実施例1、2および比較例1、2で得られた評価用電解液に対するCV測定の結果である。 図5の拡大図である。
以下、本発明のフッ化物イオン電池用電解液およびフッ化物イオン電池について、詳細に説明する。
A.フッ化物イオン電池用電解液
本発明のフッ化物イオン電池用電解液は、フッ化物塩と、2つのOH基の間に1または2のエーテル結合が配置されたジオール化合物とを含有することを特徴とする。
本発明によれば、2つのOH基の間に1または2のエーテル結合が配置されたジオール化合物を用いることで、フッ化物イオンの安定性を向上させたフッ化物イオン電池用電解液とすることができる。その結果、フッ化物イオンが活物質をフッ化する活性を高めることができ、電極において安定的に電池反応が生じ、電池の大容量化を図ることができる。フッ化物イオンの安定性が向上する理由は、以下の通りであると推定される。
すなわち、図1に示すように、本発明におけるジオール化合物(エーテル結合含有ジオール)を用いることで、一つのフッ化物イオン(F)を包囲するように、ジオール化合物を配置することができる。ジオール化合物のOH基のH元素は、Fと選択的に相互作用しやすい。一方で、OH基のO元素は電気陰性度が高くHを放出しにくいため、フッ化物イオンと過度には結合しない(反応しない)。その結果、フッ化物イオンの安定性が向上すると推測される。
また、プロトン供与性を有する化合物と、Fとが反応すると、HFが生じる可能性がある。HFは毒性を有するため、フッ化物イオン電池用電解液には、通常、プロトン供与性を有する化合物は用いられない。本発明におけるOH基は、プロトン供与性は有するものの、その程度は、通常の酸等に比べて低い。そのようなOH基の特性を利用することによって初めて、フッ化物イオンの安定性を向上させることができる。
また、後述する比較例に記載するように、2つのOH基を有するが、エーテル結合を有しないジオール化合物(エーテル結合非含有ジオール)では、本願の効果は得られない。その理由は、以下の通りであると推測される。すなわち、図2(a)に示すように、エーテル結合非含有ジオールでは、キレート効果によりOH基がFと強く結合し、Fが過度に安定化(錯体形成)してしまうためであると推測される。一方、図2(b)に示すように、エーテル結合含有ジオールでは、エーテル結合が分子構造の安定化を妨げるため、安定な錯体形成が相対的に難しくなる(キレート効果が緩和される)。その結果、フッ化物イオンと適度な相互作用を有する錯体を形成することができ、フッ化物イオンの安定性が向上すると推測される。また、本発明においては、フッ化物イオンの安定性が向上するため、クーロン効率が向上するという効果や、フッ酸(HF)の生成を抑制できるという効果も期待できる。
以下、本発明のフッ化物イオン電池用電解液について、構成ごとに説明する。
1.ジオール化合物
本発明におけるジオール化合物は、2つのOH基の間に1または2のエーテル結合が配置された化合物である。ジオール化合物は、フッ化物塩を溶解させる溶媒として用いることが好ましい。
本発明におけるジオール化合物は、2つのOH基を有する。OH基は、ジオール化合物の化学構造の末端に位置していても良く、ジオール化合物の化学構造の内部に位置していても良い。また、ジオール化合物のエーテル結合は、2つのOH基の間に配置される。具体的には、一方のOH基が結合する炭素を起点とし、他方のOH基が結合する炭素を終点とした化学構造の中に、エーテル結合が形成される。このような位置にエーテル結合が形成されることで、そのエーテル結合を挟むように位置する2つのOH基のフレキシビリティが向上する。なお、本発明におけるジオール化合物は、一方のOH基が結合する炭素を起点とし、他方のOH基が結合する炭素を終点とした化学構造の外に、エーテル結合を有していても良く、有していなくても良い。前者の場合、エーテル結合の数は特に限定されるものではない。
ジオール化合物の炭素数は、例えば3以上であり、4以上であることが好ましい。一方、ジオール化合物の炭素数は、例えば20以下であり、16以下であることが好ましい。また、ジオール化合物の分子鎖は、直鎖であっても良く、分岐鎖であっても良い。分子鎖の炭素に結合する水素は、他の元素に置換されていても良い。他の元素としては、例えば、フッ素等のハロゲンを挙げることができる。また、ジオール化合物は、飽和化合物であっても良く、不飽和化合物であっても良いが、前者が好ましい。化学的安定性が高いからである。
ジオール化合物は、通常、炭化水素骨格、エーテル結合およびOH基を有する。ジオール化合物は、炭化水素骨格、エーテル結合およびOH基のみであっても良く、他の官能基を有していても良い。他の官能基は、本願の効果を得ることが可能な官能基である。一方、ジオール化合物は、OH基よりもプロトン供与性の高い官能基を有しないことが好ましい。HFが生じる可能性があるからである。OH基よりもプロトン供与性の高い官能基としては、例えば、カルボン酸基を挙げることができる。
本発明におけるジオール化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、および、これらの誘導体等を挙げることができる。
また、フッ化物イオン電池用電解液の溶媒は、ジオール化合物のみであっても良く、ジオール化合物と他の溶媒との混合物であっても良い。全ての溶媒に対するジオール化合物の割合は、例えば10mol%以上であり、30mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。
他の溶媒としては、イオン液体および非水溶媒を挙げることができる。イオン液体は、通常、粘度が高いため、アルコール材料と組み合わせることで、粘度の低い電解液とすることができる。イオン液体とは、融点が100℃以下である材料をいう。中でも、イオン液体の融点は、50℃以下であることが好ましく、25℃以下であることがより好ましい。
イオン液体のカチオンとしては、例えば、ピペリジニウム骨格カチオン、ピロリジニウム骨格カチオン、イミダゾリウム骨格カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等を挙げることができる。
イオン液体のアニオンとしては、例えば、ビスフルオロスルホニルアミド(FSA)アニオン、ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(TFSA)アニオン等に代表されるアミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートアニオン等に代表されるホスフェートアニオン、テトラフルオロボレート(TFB)アニオン、トリフレートアニオン等を挙げることができる。
非水溶媒の種類は特に限定されるものではないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、および、これらの任意の混合物等を挙げることができる。
2.フッ化物塩
本発明におけるフッ化物塩は、活物質と反応するフッ化物イオンを生じさせるものであれば特に限定されるものではなく、有機フッ化物塩であっても良く、無機フッ化物塩であっても良い。また、フッ化物塩は、イオン液体であっても良い。
フッ化物塩のカチオンは、特に限定されるものではないが、錯カチオンを挙げることができる。錯カチオンとしては、アルキルアンモニウムカチオン、アルキルホスホニウムカチオン、アルキルスルホニウムカチオン等を挙げることができる。アルキルアンモニウムカチオンとしては、例えば、下記一般式で表されるカチオンを挙げることができる。
Figure 0006067631
上記一般式において、R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基またはフルオロアルキル基である。R〜Rの炭素数は、例えば10以下であり、5以下であっても良く、3以下であっても良い。
フッ化物塩のアニオンは、活物質と反応するフッ化物イオンを生じさせるものであれば特に限定されるものではないが、中でも、Fであることが好ましい。
3.フッ化物イオン電池用電解液
本発明においては、図1に示すように、一つのフッ化物イオン(F)を包囲するように、エーテル結合含有ジオールを配置することが好ましい。電解液に含まれるフッ化物イオンに対するジオール化合物のモル比は、例えば、0.5より大きいことが好ましく、1以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、2以上であることが特に好ましい。一方、上記モル比は、例えば5000以下であることが好ましい。また、上記モル比は、電解液に含まれるフッ化物イオンおよびジオール化合物の濃度から算出することができる。これらの濃度は、例えば、19F−NMR、H−NMRから求めることができる。
フッ化物イオン電池用電解液におけるフッ化物塩の濃度は、例えば0.4mol%〜45mol%の範囲内であり、0.7mol%〜10mol%の範囲内であることが好ましい。
なお、F(HF) アニオンは、FがHFから解離しにくい。そのため、活物質を十分にフッ化することが難しい場合がある。なお、xは0より大きい実数であり、例えば0<x≦5を満たす。そのため、フッ化物イオン電池用電解液は、F(HF) アニオンを実質的に含有しないことが好ましい。「F(HF) アニオンを実質的に含有しない」とは、電解液に存在する全アニオンに対するF(HF) アニオンの割合が、0.5mol%以下であることをいう。F(HF) アニオンの割合は、0.3mol%以下であることが好ましい。
B.フッ化物イオン電池
図3は、本発明のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。図3に示されるフッ化物イオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。また、電解質層3は、上記「A.フッ化物イオン電池用電解液」を含有する。
本発明によれば、上述したフッ化物イオン電池用電解液を用いることで、容量が大きいフッ化物イオン電池とすることができる。
以下、本発明のフッ化物イオン電池について、構成ごとに説明する。
1.電解質層
本発明における電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。本発明においては、電解質層が、上述したフッ化物イオン電池用電解液を含有する。電解質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
2.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電化材および結着材の少なくとも一方をさらに含有していても良い。
本発明における正極活物質は、通常、放電時に脱フッ化する活物質である。正極活物質としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、および、これらのフッ化物を挙げることができる。正極活物質に含まれる金属元素としては、例えば、Cu、Ag、Ni、Co、Pb、Ce、Mn、Au、Pt、Rh、V、Os、Ru、Fe、Cr、Bi、Nb、Sb、Ti、Sn、Zn等を挙げることができる。中でも、正極活物質は、Cu、CuF、Fe、FeF、Ag、AgFであることが好ましい。なお、上記xは、0よりも大きい実数である。CuおよびCuFは、高エネルギー密度の材料であり、その点でも好ましい。また、正極活物質の他の例として、炭素材料、および、そのフッ化物を挙げることができる。炭素材料としては、例えば、黒鉛、コークス、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。また、正極活物質のさらに他の例として、ポリマー材料を挙げることができる。ポリマー材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェン等を挙げることができる。
導電化材としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料を挙げることができる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックを挙げることができる。一方、結着材としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材を挙げることができる。また、正極活物質層における正極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましい。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
3.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材および結着材の少なくとも一方をさらに含有していても良い。
本発明における負極活物質は、通常、放電時にフッ化する活物質である。また、負極活物質には、正極活物質よりも低い電位を有する任意の活物質が選択され得る。そのため、上述した正極活物質を負極活物質として用いても良い。負極活物質としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、および、これらのフッ化物を挙げることができる。負極活物質に含まれる金属元素としては、例えば、La、Ca、Al、Eu、Li、Si、Ge、Sn、In、V、Cd、Cr、Fe、Zn、Ga、Ti、Nb、Mn、Yb、Zr、Sm、Ce、Mg、Pb等を挙げることができる。中でも、負極活物質は、Mg、MgF、Al、AlF、Ce、CeF、Ca、CaF、Pb、PbFであることが好ましい。なお、上記xは、0よりも大きい実数である。また、負極活物質として、上述した炭素材料およびポリマー材料を用いることもできる。
導電化材および結着材についても、上述した正極活物質層に記載した材料と同様の材料を用いることができる。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましい。また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
4.その他の構成
本発明のフッ化物イオン電池は、上述した負極活物質層、正極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げることができる。また、本発明のフッ化物イオン電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に、セパレータを有していても良い。より安全性の高い電池を得ることができるからである。
5.フッ化物イオン電池
本発明のフッ化物イオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。また、本発明のフッ化物イオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本発明のフッ化物イオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
テトラメチルアンモニウムフルオライド(TMAF、フッ化物塩、アルドリッチ社製)と、トリエチレングリコール(ジオール化合物、アルドリッチ社製)とを、フッ化物塩:ジオール化合物=1:100のモル比で秤量混合した。その後、フッ素樹脂製の密封容器内にて、30℃、48時間の条件で撹拌し、評価用電解液を得た。
[実施例2]
ジオール化合物としてジエチレングリコール(アルドリッチ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を得た。
[比較例1]
ジオール化合物としてエチレングリコール(アルドリッチ社製)を用い、撹拌条件を25℃、72時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を得た。
[比較例2]
ジオール化合物として1,3−プロパンジオール(アルドリッチ社製)を用い、撹拌条件を25℃、72時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を得た。
[比較例3]
ジオール化合物の代わりに、ジエチレングリコールジメチルエーテル(キシダ化学社製)を用い、撹拌条件を30℃、72時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を作製した。しかしながら、TMAFは溶解しなかった。
[比較例4]
ジオール化合物の代わりに、トリエチレングリコールジメチルエーテル(キシダ化学社製)を用い、撹拌条件を30℃、72時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を作製した。しかしながら、TMAFは溶解しなかった。なお、図4に、実施例1、2および比較例1〜4で用いた化合物の化学式を示す。
[評価]
(サイクリックボルタンメトリ測定)
実施例1、2および比較例1、2で得られた評価用電解液に対して、CV測定を行った。具体的には、Ar雰囲気下グローブボックス内で、ディップ式3電極セルを用いて評価した。作用極にはCu板を、対極には、PTFE、アセチレンブラック(AB)、フッ化カーボンの合材電極を用いた。なお、合材電極は、PTFE:AB:フッ化カーボン=1:2:7の重量比で含有する電極である。また、基準極は、バイコールガラスを用いて評価用電解液と隔離した。なお、基準極には、硝酸銀およびテトラブチルアンモニウムパークロレートがそれぞれ濃度0.1Mで溶解したアセトニトリル溶液にAg線を浸漬させたものを用いた。また、測定は、室温、掃引速度1mV/sの条件で実施した。
図5、図6は、実施例1、2および比較例1、2で得られた評価用電解液に対するCV測定の結果である。図5、図6に示すように、実施例1、2において、−0.3V付近に銅のフッ化に伴う酸化電流ピークが確認され、−0.7V付近にフッ化銅の脱フッ化に伴う還元電流ピークが確認された。一方、比較例1、2では、実施例1、2と異なり、銅のフッ化に伴う酸化電流ピークおよびフッ化銅の脱フッ化に伴う還元電流ピークは確認されなかった。このように、特定のジオール化合物を用いた場合に、金属のフッ化および脱フッ化を確認できた。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … フッ化物イオン電池

Claims (3)

  1. フッ化物塩と、2つのOH基の間に1または2のエーテル結合が配置されたジオール化合物とを含有し、
    前記ジオール化合物は、炭素数が3以上、16以下の飽和化合物であり、OH基よりもプロトン供与性の高い官能基を有しないことを特徴とするフッ化物イオン電池用電解液。
  2. フッ化物イオンに対する前記ジオール化合物のモル比が0.5より大きいことを特徴とする請求項1に記載のフッ化物イオン電池用電解液。
  3. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するフッ化物イオン電池であって、
    前記電解質層が、請求項1または請求項2に記載のフッ化物イオン電池用電解液を含有することを特徴とするフッ化物イオン電池。
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