JP6050290B2 - フッ化物イオン電池用電解液およびフッ化物イオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、活物質およびフッ化物イオンの反応が可能なフッ化物イオン電池用電解液に関する。
高電圧かつ高エネルギー密度な電池として、例えばLiイオン電池が知られている。Liイオン電池は、Liイオンと正極活物質との反応、および、Liイオンと負極活物質との反応を利用したカチオンベースの電池である。一方、アニオンベースの電池として、フッ化物イオンの反応を利用したフッ化物イオン電池が知られている。例えば、特許文献1には、アノードと、カソードと、フッ化物塩を含む電解質と、所定の添加剤とを備えるフッ化物イオン電池が開示されている。
特許文献1の請求項16には、フッ化物塩の選択肢の一つとしてRが挙げられている。Rでは、R:F=1:1のモル比となる。
米国特許出願公開第2012/0164541
フッ化物イオンは安定性が低いため、活物質をフッ化する活性が低いという問題がある。言い換えると、フッ化物イオンは反応性が高いため、活物質と反応する前に、他の材料(特に電解液)と反応してしまい、活物質と十分に反応できないという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、活物質およびフッ化物イオンの反応が可能なフッ化物イオン電池用電解液を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本発明においては、フッ化物塩と、S元素にR、R、R(R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル基またはフルオロアルキル基である)が結合したカチオン、および、アニオンを有するスルホニウム化合物とを含有し、上記カチオンおよびフッ化物イオンの合計に対する上記カチオンのモル比(S/(S+F))が0.96以上であることを特徴とするフッ化物イオン電池用電解液を提供する。
本発明によれば、特定のカチオン構造を有するスルホニウム化合物を所定の割合以上で用いることにより、活物質およびフッ化物イオンの反応が可能なフッ化物イオン電池用電解液とすることができる。
また、本発明においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するフッ化物イオン電池であって、
上記電解質層が、上述したフッ化物イオン電池用電解液を含有することを特徴とするフッ化物イオン電池を提供する。
本発明によれば、上述したフッ化物イオン電池用電解液を用いることで、容量が大きいフッ化物イオン電池とすることができる。
本発明のフッ化物イオン電池用電解液は、活物質およびフッ化物イオンの反応が可能になるという効果を奏する。
本発明における推定メカニズムを説明する模式図である。 本発明のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1〜3および比較例1、2で用いた化合物である。 実施例1で得られた評価用電解液に対するCV測定の結果である。 実施例1〜3および比較例1、2で得られた評価用電解液に対するCV測定の結果である。
以下、本発明のフッ化物イオン電池用電解液およびフッ化物イオン電池について、詳細に説明する。
A.フッ化物イオン電池用電解液
本発明のフッ化物イオン電池用電解液は、フッ化物塩と、S元素にR、R、R(R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル基またはフルオロアルキル基である)が結合したカチオン、および、アニオンを有するスルホニウム化合物とを含有し、上記カチオンおよびフッ化物イオンの合計に対する上記カチオンのモル比(S/(S+F))が0.96以上であることを特徴とする。
本発明によれば、特定のカチオン構造を有するスルホニウム化合物を所定の割合以上で用いることにより、活物質およびフッ化物イオンの反応が可能なフッ化物イオン電池用電解液とすることができる。硫黄を電荷中心に持つカチオンは窒素を電荷中心に持つかカチオンと比べ中心元素の電気陰性度の関係で正電荷が弱いため、カチオンとFとの結合性が弱まり、F活性が高くなる。その結果、電極フッ化が生じやすくなる。
また、本発明においては、スルホニウムカチオンの割合(S/(S+F))を所定の割合以上で用いる。これは、図1に示すように、一つのFに対して、多くのスルホニウムカチオンが存在することを表している。引用文献1には、上記のように、フッ化物塩としてRを用いることが記載されているが、Rでは、R:F=1:1である。この場合、選択する溶媒の種類やフッ化物塩の濃度にもよるが、スルホニウムカチオンがFによって分解される可能性が高い。これに対して、本発明においては、スルホニウムカチオンの量を、Fの量に対して、十分に大きくすることで、Fによるスルホニウムカチオンの分解を抑制できる。また、本発明においては、フッ化物イオンの安定性が向上するため、クーロン効率が向上するという効果や、フッ酸(HF)の生成を抑制できるという効果も期待できる。
以下、本発明のフッ化物イオン電池用電解液について、構成ごとに説明する。
1.スルホニウム化合物
本発明においては、S元素にR、R、R(R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル基またはフルオロアルキル基である)が結合したカチオン、および、アニオンを有するスルホニウム化合物を用いる。スルホニウム化合物は、特定のカチオンを有する材料であれば特に限定されるものではないが、中でも、イオン液体であることが好ましい。揮発性が低いからである。本発明におけるイオン液体とは、融点が100℃以下である材料をいう。中でも、イオン液体の融点は、50℃以下であることが好ましく、25℃以下であることがより好ましい。また、スルホニウム化合物は、通常、非プロトン性の材料である。フッ化物イオンは、プロトンと反応しフッ酸が生じるため、電解液には非プロトン性の材料が用いられる。すなわち、本発明におけるスルホニウム化合物は、Fと反応しない材料であるか、Fと反応したとしても実質的な電池反応が生じる材料である。また、スルホニウム化合物は、フッ化物塩を溶解させる溶媒として用いることが好ましい。
スルホニウム化合物におけるカチオンは、S元素(カチオン中心)に、R、R、R(R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル基またはフルオロアルキル基である)が結合している。R、R、Rの少なくとも一つは、アルキル基またはフルオロアルキル基であることが好ましい。すなわち、R、R、Rの内の1つ、R、R、Rの内の2つ、またはR、R、Rの全てがアルキル基またはフルオロアルキル基であることが好ましい。
スルホニウム化合物におけるカチオンは、鎖状構造を有していても良く、環状構造を有していても良い。鎖状構造のカチオンの具体例として、下記一般式で表されるカチオンを挙げることができる。
上記一般式において、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル基またはフルオロアルキル基である。R〜Rがアルキル基またはフルオロアルキル基である場合、その炭素数は、例えば10以下であり、6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましい。特に、R〜Rは、水素であるか、炭素数4以下(中でも炭素数2以下)のアルキル基またはフルオロアルキル基であることが好ましい。
環状構造のカチオンの具体的として、下記一般式で表されるカチオンを挙げることができる。
上記一般式において、Rは、水素、アルキル基またはフルオロアルキル基であり、RおよびRは、環状構造を形成するため官能基であり、少なくとも炭素を含む。Rがアルキル基またはフルオロアルキル基である場合、その炭素数は、例えば10以下であり、6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましい。特に、Rは、水素であるか、炭素数4以下(中でも炭素数2以下)のアルキル基またはフルオロアルキル基であることが好ましい。S、RおよびRから構成される環状構造は、5員環構造であっても良く、6員環構造であっても良く、7員環構造であっても良い。また、上記環状構造は、芳香族性であっても良く、非芳香族性であっても良い。
本発明におけるスルホニウムカチオンとしては、例えば、トリエチルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、トリプロピルスルホニウムカチオン、ジプロピルメチルスルホニウムカチオン等を挙げることができる。
一方、スルホニウム化合物のアニオンは、フッ化物イオンと電気的に反発するため、基本的にはフッ化物イオンと反応しない。そのため、スルホニウム化合物のアニオンの種類は特に限定されない。スルホニウム化合物のアニオンとしては、例えば、ビスフルオロスルホニルアミド(FSA)アニオン、ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(TFSA)アニオン等に代表されるアミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートアニオン等に代表されるホスフェートアニオン、テトラフルオロボレート(TFB)アニオン、トリフレートアニオン等を挙げることができる。
また、フッ化物イオン電池用電解液の溶媒は、スルホニウム化合物のみであっても良く、スルホニウム化合物と他の溶媒との混合物であっても良い。全ての溶媒に対するスルホニウム化合物の割合は、例えば10mol%以上であり、30mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。
他の溶媒としては、イオン液体および非水溶媒を挙げることができる。イオン液体のカチオンとしては、例えば、ピペリジニウム骨格カチオン、ピロリジニウム骨格カチオン、イミダゾリウム骨格カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等を挙げることができる。
イオン液体のアニオンとしては、例えば、ビスフルオロスルホニルアミド(FSA)アニオン、ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(TFSA)アニオン等に代表されるアミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートアニオン等に代表されるホスフェートアニオン、テトラフルオロボレート(TFB)アニオン、トリフレートアニオン等を挙げることができる。
非水溶媒の種類は特に限定されるものではないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、および、これらの任意の混合物等を挙げることができる。
2.フッ化物塩
本発明におけるフッ化物塩は、活物質と反応するフッ化物イオンを生じさせるものであれば特に限定されるものではなく、有機フッ化物塩であっても良く、無機フッ化物塩であっても良い。また、フッ化物塩は、イオン液体であっても良い。
フッ化物塩のカチオンは、特に限定されるものではないが、錯カチオンを挙げることができる。錯カチオンとしては、アルキルアンモニウムカチオン、アルキルホスホニウムカチオン、アルキルスルホニウムカチオン等を挙げることができる。アルキルアンモニウムカチオンとしては、例えば、下記一般式で表されるカチオンを挙げることができる。
上記一般式において、R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基またはフルオロアルキル基である。R〜Rの炭素数は、例えば10以下であり、5以下であっても良く、3以下であっても良い。
フッ化物塩のアニオンは、活物質と反応するフッ化物イオンを生じさせるものであれば特に限定されるものではないが、中でも、Fであることが好ましい。
3.フッ化物イオン電池用電解液
本発明においては、特定のカチオン構造を有するスルホニウム化合物を所定の割合以上で用いることにより、活物質およびフッ化物イオンの反応が可能なフッ化物イオン電池用電解液とすることができる。スルホニウムカチオン、および、フッ化物イオンの合計に対するスルホニウムカチオンのモル比をS/(S+F)とした場合、S/(S+F)は、通常、0.96以上である。S/(S+F)が小さすぎると、相対的にFの濃度が高くなり、スルホニウムカチオンの分解が生じるからである。一方、S/(S+F)は、通常、0.999以下であり、0.994以下であることが好ましい。S/(S+F)が大きすぎると、相対的にFの濃度が低くなり、イオン伝導度が低くなる可能性があるからである。また、フッ化物イオンに対するスルホニウムカチオンのモル比(S/F)は、例えば24以上であることが好ましい。モル比(S/F)は、例えば1000以下であることが好ましい。また、これらのモル比は、電解液に含まれるスルホニウムカチオンおよびフッ化物イオンの濃度から算出することができる。これらの濃度は、例えば、19F−NMR、H−NMRから求めることができる。
フッ化物イオン電池用電解液におけるフッ化物塩の濃度は、例えば10mol%以下であることが好ましい。一方、フッ化物塩の濃度は、例えば0.5mol%以上であることが好ましく、1mol%以上であることがより好ましい。
なお、F(HF) アニオンは、FがHFから解離しにくい。そのため、活物質を十分にフッ化することが難しい場合がある。なお、xは0より大きい実数であり、例えば0<x≦5を満たす。そのため、フッ化物イオン電池用電解液は、F(HF) アニオンを実質的に含有しないことが好ましい。「F(HF) アニオンを実質的に含有しない」とは、電解液に存在する全アニオンに対するF(HF) アニオンの割合が、0.5mol%以下であることをいう。F(HF) アニオンの割合は、0.3mol%以下であることが好ましい。
B.フッ化物イオン電池
図3は、本発明のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。図3に示されるフッ化物イオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。また、電解質層3は、上記「A.フッ化物イオン電池用電解液」を含有する。
本発明によれば、上述したフッ化物イオン電池用電解液を用いることで、容量が大きいフッ化物イオン電池とすることができる。
以下、本発明のフッ化物イオン電池について、構成ごとに説明する。
1.電解質層
本発明における電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。本発明においては、電解質層が、上述したフッ化物イオン電池用電解液を含有する。電解質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
2.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電化材および結着材の少なくとも一方をさらに含有していても良い。
本発明における正極活物質は、通常、放電時に脱フッ化する活物質である。正極活物質としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、および、これらのフッ化物を挙げることができる。正極活物質に含まれる金属元素としては、例えば、Cu、Ag、Ni、Co、Pb、Ce、Mn、Au、Pt、Rh、V、Os、Ru、Fe、Cr、Bi、Nb、Sb、Ti、Sn、Zn等を挙げることができる。中でも、正極活物質は、Cu、CuF、Fe、FeF、Ag、AgFであることが好ましい。なお、上記xは、0よりも大きい実数である。CuおよびCuFは、高エネルギー密度の材料であり、その点でも好ましい。また、正極活物質の他の例として、炭素材料、および、そのフッ化物を挙げることができる。炭素材料としては、例えば、黒鉛、コークス、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。また、正極活物質のさらに他の例として、ポリマー材料を挙げることができる。ポリマー材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェン等を挙げることができる。
導電化材としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料を挙げることができる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックを挙げることができる。一方、結着材としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材を挙げることができる。また、正極活物質層における正極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましい。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
3.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材および結着材の少なくとも一方をさらに含有していても良い。
本発明における負極活物質は、通常、放電時にフッ化する活物質である。また、負極活物質には、正極活物質よりも低い電位を有する任意の活物質が選択され得る。そのため、上述した正極活物質を負極活物質として用いても良い。負極活物質としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、および、これらのフッ化物を挙げることができる。負極活物質に含まれる金属元素としては、例えば、La、Ca、Al、Eu、Li、Si、Ge、Sn、In、V、Cd、Cr、Fe、Zn、Ga、Ti、Nb、Mn、Yb、Zr、Sm、Ce、Mg、Pb等を挙げることができる。中でも、負極活物質は、Mg、MgF、Al、AlF、Ce、CeF、Ca、CaF、Pb、PbFであることが好ましい。なお、上記xは、0よりも大きい実数である。また、負極活物質として、上述した炭素材料およびポリマー材料を用いることもできる。
導電化材および結着材についても、上述した正極活物質層に記載した材料と同様の材料を用いることができる。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましい。また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
4.その他の構成
本発明のフッ化物イオン電池は、上述した負極活物質層、正極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げることができる。また、本発明のフッ化物イオン電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に、セパレータを有していても良い。より安全性の高い電池を得ることができるからである。
5.フッ化物イオン電池
本発明のフッ化物イオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。また、本発明のフッ化物イオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本発明のフッ化物イオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
テトラメチルアンモニウムフルオライド(TMAF、フッ化物塩、アルドリッチ社製)と、トリエチルスルホニウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(S222TFSA、スルホニウム化合物、Io-li-tec社製)とを、フッ化物塩:スルホニウム化合物=1:50のモル比で秤量混合した。その後、フッ素樹脂製の密封容器内にて、25℃、15時間の条件で撹拌し、評価用電解液を得た。
[実施例2]
フッ化物塩:スルホニウム化合物=1:24のモル比で秤量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を得た。
[実施例3]
フッ化物塩:スルホニウム化合物=1:165のモル比で秤量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を得た。
[比較例1]
フッ化物塩:スルホニウム化合物=1:10のモル比で秤量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を得た。
[比較例2]
スルホニウム化合物の代わりに、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(N1113TFSA、関東化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電解液を得た。なお、図3に、実施例1〜3および比較例1、2で用いた化合物の化学式を示す。また、表1にスルホニウムカチオンの割合(S/(S+F))を示す。
[評価]
(サイクリックボルタンメトリ測定)
実施例1、2および比較例1、2で得られた評価用電解液に対して、CV測定を行った。具体的には、Ar雰囲気下グローブボックス内で、ディップ式3電極セルを用いて評価した。作用極にはPt板またはCu板を、対極には、PTFE、アセチレンブラック(AB)、フッ化カーボンの合材電極を用いた。なお、合材電極は、PTFE:AB:フッ化カーボン=1:2:7の重量比で含有する電極である。また、基準極は、バイコールガラスを用いて評価用電解液と隔離した。なお、基準極には、硝酸銀およびテトラブチルアンモニウムパークロレートがそれぞれ濃度0.1Mで溶解したアセトニトリル溶液にAg線を浸漬させたものを用いた。また、測定は、室温、掃引速度1mV/sの条件で実施した。
図4は、実施例1で得られた評価用電解液に対するCV測定の結果である。図4に示すように、Pt電極を用いた場合、測定範囲では評価用電解液の分解がないことが確認された。また、Cu電極を用いた場合、−0.4V付近に銅のフッ化に伴う酸化電流ピークが確認され、−0.7V付近にフッ化銅の脱フッ化に伴う還元電流ピークが確認された。
図5は、実施例1〜3および比較例1、2で得られた評価用電解液に対するCV測定の結果である。図5に示すように、実施例1〜3において、−0.4V付近に銅のフッ化に伴う酸化電流ピークが確認され、−0.7V付近にフッ化銅の脱フッ化に伴う還元電流ピークが確認された。このように、スルホニウムカチオンの割合が0.96以上である場合に、金属のフッ化および脱フッ化を確認できた。一方、比較例1、2では、実施例1、2と異なり、銅のフッ化に伴う酸化電流ピークおよびフッ化銅の脱フッ化に伴う還元電流ピークは確認されなかった。また、スルホニウムカチオンの割合が相対的に低い(フッ化物イオンの割合が相対的に高い)実施例2および比較例1では、−1V付近に、フッ化銅の脱フッ化に伴う還元電流ピークとは異なる分解電流ピークが確認された。特に、比較例1では、電解液作製時に、スルホニウム化合物の分解に伴うガス発生が確認された。本発明においては、−1V付近に分解電流ピークが確認されないことが好ましく、同様に、スルホニウム化合物の分解に伴うガス発生も確認されないことが好ましい。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … フッ化物イオン電池

Claims (2)

  1. フッ化物塩と、
    S元素にR、R、R(R、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数10以下のアルキル基またはフルオロアルキル基である)が結合したカチオン、および、アニオンを有するスルホニウム化合物とを含有し、
    前記カチオンおよびフッ化物イオンの合計に対する前記カチオンのモル比(S/(S+F))が0.96以上であることを特徴とするフッ化物イオン電池用電解液。
  2. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するフッ化物イオン電池であって、
    前記電解質層が、請求項1に記載のフッ化物イオン電池用電解液を含有することを特徴とするフッ化物イオン電池。
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