JP5150954B2 - 電解質およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

電解質およびそれを用いたリチウム二次電池

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Description

本発明は、導電率や電位窓などの電解質としての性能に優れ、特に、電気化学的安定性や安全性に優れるリチウム二次電池に有用なイオン液体系の電解質、およびそれを用いたリチウム二次電池に関するものである。
近年、ノート型パソコン、携帯電話、PDAなどの情報電子機器において、リチウム二次電池の普及は著しく、より快適な携帯性を求め、電池の小型化、薄型化、軽量化、高性能化が急速に進んでいる。また、次世代の自動車として期待される電気自動車においても、リチウム二次電池の適用が検討されており、更なる小型化、軽量化、高性能化が必要となっている。
一方、情報電子機器の発火や暴発など、現在のリチウム二次電池の安全性が問題になっている。現在のリチウム二次電池は、可燃性かつ揮発性の有機溶媒を電解質として用いるために、常に発火や暴発の危険性をはらんでいる。
そこで、難燃性かつ低揮発性のイオン液体を電解質として用いたリチウム二次電池が検討されている。ここで言うイオン液体とは、カチオンとアニオンからなる塩であり、室温付近以下の融点をもつ化合物のことである。
イオン液体を使用することにより、安全であるばかりでなく、より高性能なリチウム二次電池が可能とある。電池のエネルギー密度を高めるためには、負極材料としてリチウム金属を使用することが有効であるが、有機溶剤を用いた電解質では、短絡の原因となるデンドライトが発生することとなる。一方、イオン液体を用いた電解質では、デンドライトの発生が抑制されるため、リチウム金属を負極として使用できる可能性が高い。
イオン液体を用いたリチウム二次電池としては、例えば、イミダゾリウムカチオンと、リチウムカチオンと、含フッ素アニオンとを含有する電解質が用いられ、正極と負極を具備した電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、含窒素アニオンを含有する特定のイオン液体がイオン伝導体の材料として好適であることが記載されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−303642号公報 特開2004−6240号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、イオン液体のアニオンとして、N(SO2CF32、N(SO2252、N(SO2CF3)(SO249)等が用いられるが、かかるアニオンを有するイオン液体を用いた電解質では、耐酸化性が充分ではないため電位窓が狭く、かつ充放電特性に劣るという問題がある。更に、アニオンの構成要素にフッ素を多く含有しているので高コストにならざるを得ない。
また、上記特許文献2の開示技術においても耐酸化性が充分ではなく、近年の要求性能に対応すべく更なる改良が求められるものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、導電率や電位窓などの電解質としての性能に優れ、特に、電気化学的安定性と安全性に優れるリチウム二次電池に有用な電解質、更にはリチウム二次電池を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、イオン液体(A)と電解質塩(B)を含む電解質において、イオン液体(A)として、ビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体を用いることにより、導電率や電位窓としての性能に優れ、特に電気的安定性と安全性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、ビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体(A)及び電解質塩(B)を含むことを特徴とする電解質に関するものである。
また、本発明は、上記の電解質を、正極と負極との間に狭持してなるリチウム二次電池も提供するものである。
アニオンとしてビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体を用いることにより電気特性が改良される理由は明らかでは無いが、かかるアニオンの化学構造がリチウムイオンの伝導性に大きく寄与するためと推測される。
すなわち、かかるアニオンのサイズや分極率が、電解質中でのLiイオンの移動を助けるために導電率が向上するものと思われる。また、堅牢な化学構造であるため耐酸化性に優れ、広い電位窓や高度な充放電特性が達成されるものと推測される。なお、電極との界面で適度なSEI(Solid Electrolyte Interface)を形成し、リチウムの可逆的析出と溶解を助けているものと考えられる。
本発明の電解質は、導電率や電位窓などの電解質としての性能に優れ、特に充放電特性や安全性に優れるリチウム二次電池を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体(A)及び電解質塩(B)を含む電解質である。
なお、本発明におけるイオン液体とは、0〜150℃の範囲の一定温度において液体を保持するカチオン部およびアニオン部からなるイオン性物質のことを表す。
本発明で用いるイオン液体(A)としては、アニオンとしてビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するものであればよい。
イオン液体(A)のカチオンとしては、有機又は無機のカチオンであればよく、好ましくは有機カチオンであり、低融点の点から含窒素系有機カチオンであることがより好ましい。
含窒素系有機カチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン等が挙げられる。
イミダゾリウムカチオンとしては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘプチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1−メトキシエチル−3−メチルイミダゾリウム、1−シアノエチル−3−メチルイミダゾリウム等の2置換イミダゾリウムカチオン、3−エチル−1,2−ジメチル−イミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−イソプロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等の3置換イミダゾリウムカチオンなどを挙げることができる。
ピロリジニウムカチオンとしては、例えば、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム、N−メチル−N−ペンチルピロリジニウム、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウム、N−メチル−N−オクチルピロリジニウム、N−デシル−N−メチルピロリジニウム、N−ドデシル−N−メチルピロリジニウム、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウム、N−(2−エトキシエチル)−N−メチルピロリジニウム、N−(2−プロポキシエチル)−N−メチルピロリジニウム、N−(2−イソプロポキシエチル)−N−メチルピロリジニウムなどを挙げることができる。
ピペリジニウムカチオンとしては、例えば、N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−メチル−N−ペンチルピペリジニウム、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウム、N−メチル−N−オクチルピペリジニウム、N−デシル−N−メチルピペリジニウム、N−ドデシル−N−メチルピペリジニウム、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピペリジニウム、N−(2−メトキシエチル)−N−エチルピペリジニウム、N−(2−エトキシエチル)−N−メチルピペリジニウム、N−メチル−N−(2−メトキシフェニル)ピペリジニウム、N−メチル−N−(4−メトキシフェニル)ピペリジニウム、N−エチル−N−(2−メトキシフェニル)ピペリジニウム、N−エチル−N−(4−メトキシフェニル)ピペリジニウムなどを挙げることができる。
四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、N,N,N,N−テトラメチルアンモニウム、N,N,N−トリメチルエチルアンモニウム、N,N,N−トリメチルプロピルアンモニウム、N,N,N−トリメチルブチルアンモニウム、N,N,N−トリメチルペンチルアンモニウム、N,N,N−トリメチルヘキシルアンモニウム、N,N,N−トリメチルヘプチルアンモニウム、N,N,N−トリメチルオクチルアンモニウム、N,N,N−トリメチルデシルアンモニウム、N,N,N−トリメチルドデシルアンモニウム、N−エチル−N,N−ジメチルプロピルアンモニウム、N−エチル−N,N−ジメチルブチルアンモニウム、N−エチル−N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム、2−メトキシ−N,N,N−トリメチルエチルアンモニウム、2−エトキシ−N,N,N−トリメチルエチルアンモニウム、2−プロポキシ−N,N,N−トリメチルエチルアンモニウム、N−(2−メトキシエチル)−N,N−ジメチルプロピルアンモニウム、N−(2−メトキシエチル)−N,N−ジメチルブチルアンモニウムなどを挙げることができる。
上記の含窒素系有機カチオンの中でも、導電率の点から特にイミダゾリウムカチオンが好ましく、更には、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム等のジアルキルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等のトリアルキルイミダゾリウムカチオンが好ましい。これらのカチオンは、2種以上を併用してもよい。
また、イオン液体(A)の粘度(室温)は、200mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは100mPa・s以下、特に好ましくは50mPa・s以下である。粘度が高すぎると導電率が低下する傾向にある。なお、粘度の下限値としては通常、1mPa・sである。
また、イオン液体(A)の熱分解温度は、200℃以上、更には300℃以上、特には400℃以上であるものを用いることが難燃性の点で好ましい。なお、分解温度の上限値は通常、500℃である。なおここでいう分解温度とは、TG(Thermogravimetry)による昇温測定において、重量減少が5%に達する温度である。
本発明で用いられるイオン液体(A)は、水分の含有量が10ppm以下、金属イオンの含有量が10ppm以下、かつハロゲンイオンの含有量が10ppm以下であることが好ましい。より好ましくは、水分の含有量が5ppm以下、金属イオンの含有量が5ppm以下、かつハロゲンイオンの含有量が5ppm以下であり、特に好ましくは、水分の含有量が3ppm以下、金属イオンの含有量が3ppm以下、かつハロゲンイオンの含有量が3ppm以下である。水分の含有量や金属イオン、ハロゲンイオンの含有量が多すぎると電解質の電位窓が悪化する傾向にある。
なお、金属イオンとしては、例えば、銀イオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、鉄イオンなどが挙げられ、ハロゲンイオンとしては、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。
これらの不純物イオンは、誘導結合プラズマ発光分析、蛍光X線、硝酸銀滴定、などの分析手法によって定量化することができる。
本発明で用いるビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体(A)の合成法は、特に限定されないが、アルキルイミダゾール塩を例にとって、もっとも代表的な合成法であるアニオン交換法について説明する。
カチオン源となるハロゲン化物は、イミダゾールとハロゲン化アルキルを反応させ、4級アンモニウム塩化して得ることができる。一方、アニオン源としては、金属カチオンのビス(シアノスルホニル)イミド塩を用いる。カチオン源となるハロゲン化物と、アニオン源となる金属塩を溶媒に加えて攪拌し、室温〜200℃で数時間反応させて目的とするイオン液体を得ることができる。
反応溶媒としては、例えば、水、アルコール、アセトン、アセトニトリルなどの極性溶媒やヘキサン、ヘプタンといった非極性溶媒が挙げられるが、生成するイオン液体の性質を考慮して、後処理が容易な溶媒を選ぶことが好ましい。例えば、生成するイオン液体が疎水性の場合は、反応溶媒として水を使用し、得られた反応液を水洗処理することによりハロゲン化金属塩を除き、真空乾燥で水分を除去することによりイオン液体を製造することが好ましい。逆に、生成するイオン液体が水溶性の場合は、反応で生成するハロゲン化金属塩が溶けない溶媒を予め用いて、析出するハロゲン化金属塩を濾過で除去し、その後溶媒を真空乾燥で除去することによりイオン液体を製造することが好ましい。また、この場合、イオン液体中の水分を低減するために、非水系の溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。非水系の溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。これらの中でも、真空乾燥の簡便さの点で、塩化メチレンが特に好ましい。
更に、本発明においては、反応を促進するために、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀などの銀含有化合物が挙げられる。これらの中でも、イオン液体中の不純物イオンを低減する点から、硝酸銀が特に好ましい。
かかる触媒の使用量については、ハロゲンアニオンに対して、通常500〜30000重量%であり、好ましくは600〜15000重量%、更に好ましくは700〜10000重量%である。
本発明で用いられる電解質塩(B)としては、特に制限はないが、例えば、LiBF4、LiBR4(Rはフェニル基又はアルキル基)、LiPF6、LiSbF6、LiAsF6、LiCIO4、LiSO3CF3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2F)2、LiN(CN)2、LiC(SO2CF33、LiSO3613、LiSO3817、LiAlCl4、リチウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等の単独あるいは混合物等が挙げられる。中でも、LiSO3CF3、LiN(SO2CF32等のスルホン酸系アニオン又はイミド系アニオンの電解質塩が好適に用いられる。
かくして本発明のイオン液体(A)及び電解質塩(B)を含む電解質が得られる。
かかるイオン液体(A)と電解質塩(B)との含有割合については、イオン液体(A)/電解質塩(B)=95/5〜50/50(重量比)が好ましく、更に好ましくは90/10〜60/40(重量比)、特に好ましくは85/15〜70/30(重量比)である。かかる含有量が上記範囲から外れると導電性不良となる傾向にある。
本発明では、上記イオン液体(A)及び電解質塩(B)の他に、更に、イオン液体(A)以外のイオン液体(A′)を含有することもできる。
かかるイオン液体(A)以外のイオン液体(A′)としては特に制限はないが、例えば、アニオンとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、BF4、BF325、PF6、NO3、CF3CO2、CF3SO3、(CF3SO22N、(FSO22N、(CN)2N、(CF3SO23C、(C25SO22N、AlCl4、Al2Cl7などを含有するイオン液体である。これに対応するカチオンとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムなどのアルキルイミダゾリウムカチオンが挙げられ、イミダゾリウムカチオン以外では、4級アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、4級ホスホニウムカチオンなどを含有するイオン液体が挙げられる。これらのイオン液体(A′)は1種または2種併用して用いることができる。
イオン液体(A)とその他のイオン液体(A′)の混合比は特に制限はないが、全イオン液体を100重量部とした場合に、イオン液体(A′)は50重量部以下が好ましく、更に好ましくは30重量部以下、特に好ましくは20重量部以下である。イオン液体(A′)が多すぎると、導電率や充放電特性が低下する傾向にある。
更に、本発明においては、この電解質を用いて電池を作成した場合の充放電特性向上のために、電極保護膜形成剤(C)を用いることが好ましい。このような電極保護膜形成剤(C)としては、例えば、ビニレンカーボネート、1,3−プロパンサルトン、エチレンサルファイト、トリエチルボレート、ブチルメチルスルフォネートなどが挙げられる。この中でも、安定なSEIを形成する点から、ビニレンカーボネートが特に好ましい。
かかる電極保護膜形成剤(C)の含有量としては、イオン液体(A)100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜3重量部、特に好ましくは0.3〜1重量部である。かかる含有量が多すぎると電池の充放電特性が低下する傾向がある。
また、本発明の電解質には、電池の充放電特性を改良したり、安全性を向上したりするために、更に、無機微粒子(D)を含有させてゲル状の固体電解質とすることも可能である。
かかる無機微粒子(D)としては、特に限定されないが、化学的に安定な無機酸化物が好ましく、かかる無機酸化物としては、マグネシウム、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等のIIA〜VA族、遷移金属、IIIB、IVBの酸化物を挙げることができる。これらの中でもチタン、ケイ素、アルミニウムの酸化物がより好ましく、更に好ましくはケイ素の酸化物(シリカ)であり、特に好ましくは親水性のシリカである。
親水性のシリカとしては、酸化ケイ素の表面に水酸基を有するものが一般的であり、具体例としては、日本アエロジル社製の「アエロジル300」、「アエロジル200」、「アエロジル100」、「アエロジル50」等が挙げられる。
無機微粒子(D)の粒径は、1000nm以下であることが充放電特性向上の点で好ましい。より好ましい粒径は1〜100nmであり、特に好ましくは2〜50nmである。
上記の無機微粒子(D)の含有量は、イオン液体(A)100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、更には2〜20重量部が好ましい。かかる含有量が少なすぎると充放電特性が低下する傾向があり、多すぎると導電率が低下する傾向にある。
また、本発明においては、更に導電率向上のために、少量の有機溶媒を配合することも可能である。かかる有機溶媒としては、例えば、カーボネート系溶媒(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)、アミド系溶媒(N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−メチルピロジリノン等)、ラクトン系溶媒(γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等)、アルコール系溶媒(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジグリセリン、ポリオキシアルキレングリコールシクロヘキサンジオール、キシレングリコール等)、エーテル溶媒(メチラール、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、アルコキシポリアルキレンエーテル等)、ニトリル溶媒(ベンゾニトリル、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、燐酸類及び燐酸エステル溶媒(正燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸、亜燐酸、トリメチルホスフェート等)、2−イミダゾリジノン類(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、ピロリドン類、スルホラン溶媒(スルホラン、テトラメチレンスルホラン等)、フラン溶媒(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン等)、ジオキソラン、ジオキサン等が挙げられ、これらの単独あるいは2種以上の混合溶媒が使用できる。これらの中でもカーボネート系溶媒、エーテル系溶媒、フラン系溶媒が導電率の点で好ましく、特にカーボネート系溶媒が電池の充放電特性の点でより好ましく用いられる。
有機溶媒を使用する場合の含有量は、特に限定されないが、電解質全体を100体積%とした場合に、30体積%以下が好ましく、特には5〜20体積%が好ましい。含有量が多すぎると難燃性が低下する傾向になる。
本発明の電解質は、上記のイオン液体(A)及び電解質塩(B)、必要に応じて、その他のイオン液体(A′)、電極保護膜形成剤(C)、無機微粒子(D)、更に有機溶媒を均一溶液となるように混合して製造される。混合は、ドライルームやドライボックス内で行う。
かくして本発明のイオン液体(A)及び電解質塩(B)を含む電解質が得られる。
次に、本発明の電解質を用いて得られるリチウム二次電池について説明する。
本発明では、上記で得られる本発明の電解質を正極と負極との間に狭持してリチウム二次電池を製造する。
かかる正極については、複合正極であることが好ましい。複合正極とは、正極活物質に、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電助剤、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤、及び、必要に応じてイオン導電性ポリマーを混合した組成物を、アルミニウム箔などの導電性金属板に塗布したものである。
正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質、これらの複合体が例示できるが、無機系活物質あるいは無機系活物質と有機系活物質の複合体が、電池のエネルギー密度が大きくなる点から好ましい。
無機系活物質として、3V系ではLi0.3MnO2、Li4Mn512、V25等、4V系ではLiCoO2、LiMn24、LiNiO2等の金属酸化物、TiS2、MoS2、FeS等の金属硫化物、これらの化合物とリチウムの複合酸化物が挙げられる。有機系活物質としてはポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等の導電性高分子、有機ジスルフィド化合物、カーボンジスルフィド、活性硫黄等が用いられる。
負極については、特に制限は無く、集電体に負極活物質を直接塗布した金属系負極、合金系の集電体にポリフッ化ビニリデンなどの結着材で導電性高分子、炭素体、酸化物などの活物質を塗布した負極が挙げられる。
負極活物質としては、例えば、リチウム金属やシリコン金属、アルミニウム、鉛、スズ、シリコン、マグネシウム等の金属とリチウムとの合金、SnO2、TiO2などの金属酸化物、ポリピリジン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、あるいはこれらの誘導体よりなるカチオンドープ可能な導電性高分子、リチウムを吸蔵可能な炭素体などが挙げられるが、中でも特に、本発明のイオン液体(A)を用いる場合は、エネルギー密度が高いリチウム金属とシリコン金属が好ましい。
本発明においては、かかるリチウム金属を用いる場合では、リチウム金属の厚みとしては1〜100μmが好ましく、更には3〜50μmが好ましく、特には5〜20μmが好ましい。リチウム金属としては薄いリチウム箔を使用することが経済的で好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、電解質を上記の正極及び負極の間に狭持させることにより製造されるが、短絡防止の点からセパレーターを使用することが好ましい。具体的には、セパレーターに電解質を含浸させ、正極と負極とで挟み込むことによりリチウム二次電池が得られる。
セパレーターとしては、リチウムイオンのイオン移動に対して低抵抗であるものが用いられ、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物より選ばれる1種以上の材質からなる微多孔膜、有機若しくは無機の不織布又は織布が挙げられる。これらの中では、短絡防止や経済性の点で、ポリプロピレンやポリエチレンよりなる微多孔膜とガラス不織布が好ましい。
本発明のリチウム二次電池の形態としては、特に限定するものではないが、コイン、シート、円筒等、種々の形態の電池セルが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
〔イオン液体(A−1)の合成〕
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド19g(0.1mol)と塩化メチレン300mlをフラスコ中で攪拌し、ビス(クロロスルホニル)イミド22g(0.1mol)と硝酸銀169g(1.0mol)を加えて15分攪拌した後、シアン化カリウム59g(0.9mol)を加え50℃で還流を行った。真空引きにより反応液を濃縮し、得られた濃縮液をろ過し、臭化カリウムと硝酸銀を取り除いた後、80℃で真空乾燥させることで1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(シアノスルホニル)イミド(A−1)16gを得た。
IRスペクトルを測定したところ、2160cm-1にシアノ基の吸収と、1280cm-1にSO2の吸収が観測され、目的とするイオン液体(A−1)が得られたことを確認した。
蛍光分析法によりイオン液体(A−1)の水分、ハロゲンイオン(塩素イオン及び臭素イオン)、及び金属イオン(銀イオン及びカリウムイオン)の含有量を測定したところ、以下の通りであり、イオン液体(A−1)は、不純物イオンが少なく高純度であることが確認された。
水分:5ppm、銀イオン:2ppm、カリウムイオン2ppm、塩素イオン:3ppm、臭素イオン:3ppm
イオン液体(A−1)の電位窓を、リニアスイープボルタンメトリーで測定した結果、表1に示されるとおり、イオン液体(A−1)は、高い酸化電位を有し、電気化学的に安定であることが確認された。
なお、リニアスイープボルタンメトリーの測定条件は以下の通りである。
<リニアスイープボルタノメトリー測定>
SU−241恒温槽 (ESPEC製)で25℃に制御し、電気化学測定システム「ソーラートロン1280Z」(英国ソーラートロン社製)を用いて、25℃でリニアスイープボルタンメトリー測定(酸化側:0〜5V、還元側0〜−5Vの範囲)を行った。測定には、3極式セル(対極:白金、参照極:Ag/Ag+、作用極:グラッシーカーボン)を使用した。作用極の直径は1mmで、電圧掃引速度5mV/sで実施した。
〔電解質の調製〕
さらに、イオン液体(A−1)8gに、電解質塩(B)としてLiN(SO2CF322gを混合溶解して、電解質[I]を得た。
得られた電解質[I]の導電率を、交流インピーダンス法で測定した結果、電解質[I]は高い導電率を有し、電解質として良好な特性を有することが確認された。
なお、詳細な測定条件は以下の通りである。
<導電率測定>
測定用セルとして東亜DKK社製、CG−511B型セルを用い電解質に5時間浸漬後、電気化学測定システム「ソーラートロン1280Z」(英国ソーラートロン社製)を用い、交流インピーダンス法で測定した。交流振幅は5mV、周波数範囲は20k〜0.1Hzで測定した
〔リチウム二次電池の作製〕
(1)正極の作製
LiCoO2粉末9g、ケチェンブラック0.5g、ポリフッ化ビニリデン0.5gを混合し、更に1−メチル−2−ピロリドン7gを添加して乳鉢でよく混合し、正極スラリーを得た。得られた正極スラリーをワイヤーバーを用いて厚さ20μmアルミニウム箔上に大気中で塗布し、100℃で15分間乾燥させた後、更に減圧下80℃で1時間乾燥して、膜厚30μmの複合正極を作製した。
(2)電池の組立
電解質[I]を、セパレーター(ADVANTEC社製ガラス不織布「GA−100」、厚さ440μm)と複合正極に含浸させた後、負極としてのリチウム箔(厚さ500μm)上に、セパレーター/複合正極の順で重ね、2032型コインセルに挿入し、封缶して、リチウム二次電池を得た。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を測定した結果、この電池は良好な充放電容量維持率を有していた。
なお、充放電測定の詳細な条件は以下の通りである。
<充放電測定>
計測器センター製の充放電測定装置を用いて、0.2mA/cm2の電流で電圧2Vから3.5Vまで充電し、10分間の休止後、0.2mA/cm2の電流で電池電圧が2Vまで放電し、この充放電を繰り返して、100サイクル目の容量維持率(%)を測定した。
実施例2
〔イオン液体(A−2)の合成〕
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド19g(0.1mol)にかえて、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムブロミド23g(0.1mol)を用いる以外は実施例1と同様にして、24gの1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(シアノスルホニル)イミドを得た。
IRスペクトルを測定したところ、2160cm-1にシアノ基の吸収と、1280cm-1にSO2の吸収が観測され、目的とするイオン液体(A−2)が得られたことを確認した。
蛍光分析法によりイオン液体(A−2)の水分、ハロゲンイオン(塩素イオン及び臭素イオン)、及び金属イオン(銀イオン及びカリウムイオン)の含有量を測定したところ、以下の通りであり、イオン液体(A−2)は、不純物イオンが少なく高純度であることが確認された。
水分:5ppm、銀イオン:2ppm、カリウムイオン3ppm、塩素イオン:3ppm、臭素イオン:5ppm
イオン液体(A−2)の電位窓を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
〔電解質の調製〕
イオン液体(A−1)にかえて、イオン液体(A−2)を用いる以外は実施例1と同様にして電解質[II]を得た。
得られた電解質[II]の導電率を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
〔リチウム二次電池の作製〕
得られた電解質[II]を用いて、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
実施例3
〔電解質の調製〕
イオン液体(A−1)8.5gに電解質塩(B)としてLiPF61.5gを混合溶解して、電解質[III]を得た。
得られた電解質[III]の導電率を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
〔リチウム二次電池の作製〕
得られた電解質[III]を用いて、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
実施例4
〔電解質の調製〕
イオン液体(A−1)8g、電解質塩(B)としてLiN(SO2CF322g、更に電極保護膜形成剤(C)としてビニレンカーボネート(キシダ化学社製)0.1gを用いる以外は実施例1と同様にして電解質[IV]を得た。
得られた電解質[IV]の導電率を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
〔リチウム二次電池の作製〕
得られた電解質[IV]を用いて、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
実施例5
〔電解質の調製〕
イオン液体(A−1)8g、電解質塩(B)としてLiN(SO2CF322g、更に無機微粒子(D)として親水性シリカ(日本アエロジル社製、「アエロジル300CF」、粒径7nm)2gを用いる以外は実施例1と同様にして電解質[V]を得た。
得られた電解質[V]の導電率を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
〔リチウム二次電池の作製〕
得られた電解質Vを用いて、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
実施例6
〔電解質の調製〕
イオン液体(A−1)8g、電解質塩(B)としてLiN(SO2CF322g、更に無機微粒子(D)として親水性シリカ(日本アエロジル社製、「アエロジル300CF」、粒径7nm)2g、更に電極保護膜形成剤(C)としてビニレンカーボネート(キシダ化学社製)0.1gを用いる以外は実施例1と同様にして電解質[VI]を得た。
得られた電解質[VI]の導電率を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
〔リチウム二次電池の作製〕
得られた電解質[VI]を用いて、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
比較例1
イオン液体(A−1)を、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(A’−1)に変更した以外は実施例1と同様にして、電位窓を測定した。
〔電解質の調製〕
イオン液体(A’−1)8gに、電解質塩(B)としてLiN(SO2CF322gを混合溶解して、電解質を[VII]得た。
得られた電解質[VII]の導電率を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
〔リチウム二次電池の作製〕
得られた電解質[VII]を用いて、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
比較例2
イオン液体(A−1)を、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド(A’−2)に変更した以外は実施例1と同様にして、電位窓を測定した。
〔電解質の調製〕
イオン液体(A’−2)8gに、電解質塩(B)としてLiN(SO2CF322gを混合溶解して、電解質[VIII]を得た。
得られた電解質[VIII]の導電率を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
〔リチウム二次電池の作製〕
得られた電解質[VIII]を用いて、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池の充放電特性を、実施例1と同様にして測定した。結果は表1に示されるとおりである。
Figure 0005150954
かかる評価結果から明らかなように、比較例の電解質では、導電率が低く、酸化側の電位窓が低いのに対して、実施例の電解質では、導電率が高く、酸化側の電位窓も広くなっており、電気化学安定性にも優れたものであり、リチウム二次電池の電解質として非常に有効であることが分かる。
本発明の電解質は、ビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体(A)及び電解質塩(B)を含む電解質であるため、導電率や電位窓など電解質としての性能に優れ、特に電気化学的安定性と安全性に優れる電解質であり、更には、リチウム二次電池用の電解質として非常に有用である。

Claims (11)

  1. ビス(シアノスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体(A)及び電解質塩(B)を含むことを特徴とする電解質。
  2. イオン液体(A)のカチオンが、含窒素系有機カチオンであることを特徴とする請求項1記載の電解質。
  3. 含窒素系有機カチオンが、イミダゾリウムカチオンであることを特徴とする請求項2記載の電解質。
  4. イミダゾリウムカチオンが、ジアルキルイミダゾリウムカチオン、トリアルキルイミダゾリウムカチオンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の電解質。
  5. イオン液体(A)が、水分含有量10ppm以下、金属イオン含有量10ppm以下、ハロゲンイオン含有量10ppm以下のイオン液体であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電解質。
  6. イオン液体(A)が、非水系の有機溶剤を用いて製造されることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電解質。
  7. イオン液体(A)が、硝酸銀を触媒として、ハロゲン化物とビス(シアノスルホニル)イミド金属塩を反応させて得られるイオン液体であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の電解質。
  8. 更に、電極保護膜形成剤(C)を含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の電解質。
  9. 更に、無機微粒子(D)を含むことを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の電解質。
  10. リチウム二次電池に用いることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の電解質。
  11. 請求項1〜10いずれか記載の電解質を、正極と負極との間に狭持してなることを特徴とするリチウム二次電池。
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