JP2018073585A - 多価オニウム化合物を含む非水電解液、および該非水電解液を用いた蓄電デバイス - Google Patents

多価オニウム化合物を含む非水電解液、および該非水電解液を用いた蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの非水電解液に好適に配合できる多荷電中心を持つオニウム化合物、該オニウム化合物を含む新規な非水電解液、および該非水電解液を用いた蓄電デバイスを提供することにある。
【解決手段】(i)炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、アンモニウムカチオン、およびホスホニウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種のカチオンを2個以上有するカチオン基部分と、該カチオンの合計数と等しい数のアニオンとから構成される多価オニウム化合物、(ii)リチウム化合物、並びに(iii)鎖状カーボネート、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、およびエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の非水溶媒を含むことを特徴とする非水電解液を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の荷電を有する多価オニウム化合物(荷電中心を複数持つオニウム化合物(イオン性化合物))を含む新規な非水電解液、および該非水電解液を用いた新規な蓄電デバイスに関する。
近年、携帯用電子機器、携帯電話、またはビデオカメラなどが急激に普及し、それらに用いられる軽量で高性能の二次電池の需要が大幅に増大した。また、車載用途や自然エネルギーの貯蔵用途などに向けて、より大容量の蓄電デバイス開発が進められている。大容量の蓄電デバイスとして使用する場合には、従来のものと比較して長寿命であることと使用温度の領域がより広くなることが求められている(より高温領域、およびより低温領域での使用が想定されている。)。
これら蓄電デバイスに用いられている電解液には、多くの場合、非水溶媒にリチウム塩を溶解した電解液が使用されている。非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の非水溶媒を少なくとも含む混合溶媒が一般的に使用されている。そして、リチウム塩としては、LiPF、LiBFなどが用いられている。
また、蓄電デバイスにおいて、リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる炭素質材料、ならびに、高容量化を目指してシリコンまたはスズ等を用いた金属または合金系の材料などが知られ、現在は、炭素質系の天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等が主に用いられている。一方、正極活物質としてはリチウムイオンを吸蔵・放出することができる遷移金属複合酸化物が用いられている。遷移金属の代表例としてはコバルト、ニッケル、マンガン、鉄等である。
このようなリチウムイオン二次電池は、活性の高い正極と負極を使用しているため、電極と電解液との副反応により、繰り返し使用で充放電容量が低下することが知られている。特に、高温で保存する際に容量が低下したり、抵抗の増大することが問題となっている。また、リチウムイオン二次電池は、低温で使用する際に、容量が低下することが知られている。そのため、リチウムイオン二次電池は、電池特性を改良するために、電解液の構成要素である非水溶媒、電解質等について種々の検討がなされている。
リチウムイオン二次電池では、電極表面で溶媒や電解質が分解し、SEI(Solid Electrolyte Interface)と呼ばれる保護膜が電極表面に形成され、該保護膜が電池性能に大きく影響を与えると言われている(例えば、非特許文献1参照。)。効果的な保護膜を形成するために、現在、非水溶媒としても使用できる炭酸ビニルのような環状カーボネートが保護膜形成補助剤として使用されている。例えば、炭酸ビニルを使用した場合には、負極において炭酸ビニルが分解(あるいは重合)し、その分解物(あるいは重合物)が良好なSEI膜を形成に役立つことが知られている(非特許文献1参照)。
また、該保護膜をより高性能化するために、環状カーボネート以外の添加剤を配合する試みがなされている。例えば、マンガン酸化物を配合した正極を使用した場合には、電解液に環式スルホン酸エステルを配合すると、正極の表面に環式スルホン酸エステルからなるSEI膜が形成され、正極からマンガンの溶出を抑制する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
これら添加剤(例えば、炭酸ビニル、環式スルホン酸エステル)は、配合量が少なすぎると効果が小さく、多すぎると電解液中のリチウムイオン伝導性等の物性に悪影響を与える可能性がある。例えば、炭酸ビニルは、正極・負極のSEI膜形成に影響を与えると言われているが、伝導性を有さない非水溶媒の一種であるため、添加量が多いと電池性能を低下させるおそれがある。また、環式スルホン酸エステルは正極に影響を与えるが、負極には何ら影響を与えないと言われており、添加量を増やしても負極の改善にはならない。
この他の添加剤として、リチウム塩が知られており、該リチウム塩は電解液物性を低下させないことが知られている。このリチウム塩は、明らかではないが保護膜を形成すると言われており、伝導性物質であるため、リチウムイオン伝導度の低下を少なくすることができる。その結果、電解液の物性低下を抑制できる。具体的には、LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、LiBFCN等が添加剤として知られている。性能が向上した例としては、LiFSIを添加することにより、リチウムイオン二次電池の高温保存時の膨れを防止できることが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、LiBF(CN)を添加することにより、リチウムイオン二次電池の高温使用時の寿命を延ばし、かつ低温特性を向上できることが知られている(例えば、特許文献3参照)。このようにリチウム塩を添加することにより、優れた特性を発揮することができる。
また、その他の試みとして、第4級アンモニウム塩を添加することも行われている。アンモニウム塩は、難燃性の付加、電解液中のイオン濃度を高め抵抗を下げられる(例えば特許文献4)、あるいは高電圧耐性の付加(例えば特許文献5等)等の効果があるとしている。
特開2004−281368号公報 特開2014−199779号公報 特開2015−103288号公報 特許第5165862号公報 特許第5608019号公報
「ぶんせき」特集 電池の開発、製造プロセスを支える分析評価技術 「リチウムイオン電池総論」 吉野 彰、2013年10号、580−584頁、社団法人 日本分析学会 ジャーナル・オブ・ザ・エレクトロケミカル・ソサエティ、第141巻(1994年) 第2300〜 2305頁
しかしながら、特許文献2、3に示されているリチウム塩を使用した場合であっても、十分な特性を発揮する電池とするのが難しいのが現状であった。例えば、先のLiFSIを添加する系においては、リチウムイオン二次電池の膨れを防止できるが、高温に保存した場合、SEI膜が分解し易く、高温保存後に電圧が低下するという問題があった。また、LiFSI、LiBF(CN)共に、正極の改善は可能であるが、負極には影響を与えないため、改善の余地があった。さらに、LiBF(CN)以外のその他のリチウム塩を添加した系においては、リチウム塩が低温で電解液中に析出する場合があり、電解液として使用できなくなるという問題もあった。
一方、特許文献4、5に示されている四級アンモニウム塩のようなオニウム化合物(イオン性化合物)を添加する系では、有機カチオン・アニオン等の分子設計により、正極・負極に適したSEI膜を形成できると考えられる。オニウム化合物は、通常であれば、負極でカチオンが分解し、正極でアニオンが分解する。そのため、正極で好適なSEI膜を形成できるアニオンと、負極で好適なSEI膜を形成できるカチオンとを組み合わせたオニウム化合物を添加剤とすることにより、上記問題を解決できるものと考えられる。
しかしながら、そのような特性を十分に発揮するオニウム化合物は提案されていないのが現状である。その理由の1つとして、カチオンとして第4級アンモニウムを用いた場合には、アルキル基の大きさが小さ過ぎると、負極のグラファイト層に入り込み、該グラファイト層を破壊するものがあり、結果的に、負極容量の低下が生じることが挙げられる(例えば、非特許文献2等)。また、アルキル基が大き過ぎる第4級アンモニウムでは、負極で形成されるSEI膜の抵抗が大きくなる。
以上の通り、容量の低下を起こさず、また、抵抗が小さいSEI膜を形成でき、しかもリチウム導電性を低下させることのない添加剤は、存在していないのが現状である。裏返せば、そのような添加剤を開発することができれば、蓄電デバイスの性能をより一層向上できる。
したがって、本発明の目的は、リチウム塩、非水電解液を含む電解液の性能をより向上できる、オニウム化合物からなる添加剤を提供することにある。そして、該オニウム化合物を含む非水電解液、および該非水電解液を使用した蓄電デバイスを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った。そして、正極・負極で分解することにより、カチオンが負極表面で保護膜形成に関与し、アニオンが正極表面で保護膜形成に関与する、オニウム化合物について種々検討した。その結果、荷電中心を複数持つ有機カチオン塩(多価オニウム化合物)を用いることで、電気容量の低下を起こさず、形成されたSEI膜の抵抗が小さくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(i)炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基、
炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、および
アンモニウムカチオン、およびホスホニウムカチオンからなる群より選ばれる少な
くとも1種のカチオンを2個以上有するカチオン基部分と、
該カチオンの合計数と等しい数のアニオンとから構成される多価オニウム化合物、
(ii)リチウム化合物、並びに
(iii)鎖状カーボネート、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、およびエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の非水溶媒
を含むことを特徴とする非水電解液である。
本発明おいて、前記(i)多価オニウム化合物は、
下記式(1)
Figure 2018073585
(式中、
、およびQは、それぞれ、窒素原子、又はリン原子であり、
、およびQ は、それぞれ、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチ
オンであり、
、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基で
あり、
は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、下記式(2)
Figure 2018073585
(式中、
、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のア
ルキレン基である。)
で示される基、又は下記式(3)
Figure 2018073585
(式中、
aは、1〜2の整数であり、
は、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、aが2となる場合には、ア
ンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となり、
、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のア
ルキレン基であり、
10は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル基、又は下記式
(4)
Figure 2018073585
(式中、
11は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキレン基であり、
12、およびR13は、それぞれ、直鎖状、又は分岐状のアルキル基
であり、
bは、1〜2の整数であり、
は、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、bが2となる場合に
は、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となり

cは、1〜5の整数である。)で示される基である。)
で示される基であり、
、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル
基、又は前記式(4)で示される基であり、
また、R、およびRは、互いに結合して下記式(5)
Figure 2018073585
(式中、
14、R15、およびR16は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状
のアルキレン基であり、R14がQ と結合し、R15がQ と結合し、
17、およびR18は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基
であり、
e、およびfは、1〜2の整数であり、
、およびQは、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、e、および
fが2となる場合には、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(
、およびQ )となり、
dは、0〜5の整数である)
で示される基であってもよく、
gは、少なくとも2以上の整数であり、前記Q、Q、Q、Q、Q、および
の合計の荷電数と等しくなる整数であり、
は、アニオンである。)
で示される化合物であることが好ましい。
本発明によれば、蓄電デバイスに使用できる非水電解液を提供できる。具体的には、高温保存後の抵抗上昇の抑制と電気容量の低下を抑制できる非水電解液となる。本発明の非水電解液は、車載用蓄電デバイス用等の非水電解液または自然エネルギー貯蔵用の大型電池の非水電解液として好適に使用され、高温での電気化学特性が低下しにくい長寿命のリチウム電池、リチウムイオン電池、またはリチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスを得ることができる。
また、本発明は、該非水電解液に配合する好適な多価オニウム化合物(多価シアノボレート化合物)である。この多価シアノボレート化合物は、従来にない新規な化合物である。
実施例5の初期充放電特性の測定結果 実施例6の初期充放電特性の測定結果 実施例7の初期充放電特性の測定結果 比較例3の初期充放電特性の測定結果
本発明は、二つ以上の荷電中心を持つカチオン(カチオン基部分)と、それに応じた個数のアニオンとからなる特定の多価オニウム化合物、例えば、複数の四級アンモニウムカチオン、および/又は複数の四級ホスホニウムカチオンと、それに応じた個数のアニオンとからなる多価オニウム化合物、リチウム化合物、および非水溶媒を含んでなる。具体的には、
(i)炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基、
炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、および
アンモニウムカチオン、およびホスホニウムカチオンからなる群より選ばれる少な
くとも1種のカチオンを2個以上有するカチオン基部分と、
該カチオンの合計数と等しい数のアニオンとから構成される多価オニウム化合物、
(ii)リチウム化合物、並びに
(iii)鎖状カーボネート、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、およびエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の非水溶媒
を含むことを特徴とする非水電解液である。各成分について順を追って説明する。
(i)多価オニウム化合物
本発明で使用する多価オニウム化合物は、
(i)炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基、
炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、および
アンモニウムカチオン、およびホスホニウムカチオンからなる群より選ばれる少な
くとも1種のカチオンを2個以上有するカチオン基部分と、
該カチオンの合計数と等しい数のアニオンとから構成される
多価オニウム化合物である。
本発明者等は、カチオン基部分において、特定のアルキル基、および特定のアルキレン基を有するため、本発明で使用する多価オニウム化合物は、優れた効果を発揮すると考えている。すなわち、特定のアルキル基、および特定のアルキレン基を有することにより、親水性と疎水性とのバランスが取れ、負極に吸着はされるが、負極を破壊することなく、保護膜を形成できるものと考えられる。
そのため、本発明で使用する多価オニウム化合物において、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基は、炭素数が1〜3であることがより好ましい。具体的な好ましい基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
また、炭素数1〜8の直鎖状、または分岐状のアルキレン基は、炭素数が2〜4であることがより好ましい。具体的好ましい基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブテン基、テトラメチレン基が挙げられる。
本発明で使用する多価オニウム化合物は、該アルキレン基同士がエーテル結合で結合されていてもよい。例えば、該アルキレン基と該アルキレン基とがエーテル結合で結合されていてもよい。具体的な基としては、下記式(2)で示される2価の基であってもよい。具体的な好ましい基としては、オキシジエチレン基が挙げられる。
本発明で使用する多価オニウム化合物は、アンモニウムカチオン、およびホスホニウムカチオンを有している。そして、これらカチオンが2個以上存在する必要がある。これらカチオンの個数の上限は、特に制限されるものではないが、価数が高いと溶解性が小さくなることから、10以下であることが好ましく、7以下であることがさらに好ましく、5以下であることが特に好ましい。また、性能、取り扱いやすさを考慮すると、アンモニウムカチオンであることが好ましい。
また、本発明で使用する多価オニウム化合物において、アニオンは、特に制限されるものではない。中でも、Liイオン電池用の電解液に用いられる塩として知られているアニオンが、何ら制限なく採用できる。具体的には、PF 、BF 、TFSI(トリフルオロメタンスルホニルアニオン)、FSI(ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン)、BOB(オルトボラートアニオン)、およびシアノフルオロボレートアニオン、具体的には、BF(CN)4−h (ただし、hは、1〜3の整数である)である。)が挙げられる。
以上のような多価オニウム化合物の中でも、次に説明する化合物を使用することが好ましい。
(好適な(i)多価オニウム化合物)
本発明においては、下記式(1)で示される多価オニウム化合物を使用することが好ましい。つまり、
下記式(1)
Figure 2018073585
で示される化合物である。本発明で使用する多価オニウム化合物は、少なくともQ 、Q を分子内に含む、2つ以上のカチオンを有する化合物である。この多価オニウム化合物は、例えば、リチウムイオン電池の電解液に含まれる場合には、少なくともQ 、およびQ を含むカチオン部(下記式(6)で示されるカチオン基部分)が負極へ移動し、良好な性能を有する保護膜を形成するものと考えられる。一方、Xのアニオンが性極へ移動し、良好な性能を有する保護膜を形成するものと考えられる。
(Q、Q
前記式(1)において、Q、およびQは、それぞれ、窒素原子、又はリン原子である。そして、Q 、およびQ は、四級のアンモニウムカチオン、又は四級のホスホニウムアニオンを指す。多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、窒素原子であることが好ましい。
(R、およびR
、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基である。中でも、非水電解液へ配合した際の効果(高温時の抵抗抑制、電気容量の維持効果)、該多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、炭素数1〜3の直鎖状、又は分岐状のアルキル基が好ましく、特に、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
(R
は、Q とQ とを繋ぐ2価の基である。この基は、分子内にカチオン、窒素原子、又はリン原子を有していてもよいし、有していなくともよい。
(R;カチオン、窒素原子、又はリン原子を有さない基)
は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基である。中でも、非水電解液へ配合した際の効果(高温時の抵抗抑制、電気容量の維持効果)、該多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、炭素数2〜4の直鎖状、又は分岐状のアルキレン基が好ましく、特に、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブテン基、テトラメチレン基が好ましい。
また、Rは、下記式(2)
Figure 2018073585
(式中、
、およびRは、それぞれ、炭素数2〜8の直鎖状、または分岐状のアキ
レン基である。)
で示される基であってもよい。前記式(2)におけるR、およびRは、炭素数2〜8の直鎖状、または分岐状のアキレン基である。非水電解液へ配合した際の効果(高温時の抵抗抑制、電気容量の維持効果)、該多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、前記Rと同じく、Rで説明したアルキレン基と同じ基が挙げられ、また、Rで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
(R;カチオン、窒素原子、又はリン原子を有する基)
また、Rは、下記式(3)
Figure 2018073585
で示される基であってもよい。
前記式(3)において、Qは、窒素原子、又はリン原子である。ただし、Qが四級となる場合、すなわち、aが2となる場合には、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となる。多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、窒素原子、又はアンモニウムカチオンであることが好ましい。このaは、当然のことながら、R10の数を示すものであり、1〜2の整数である。
前記式(3)において、R、およびRは、それぞれ、炭素数2〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキレン基である。該アルキレン基は、Rで説明したアルキレン基と同じ基が挙げられ、また、Rで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
前記式(3)において、R10は、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状のアルキル基、又は下記式(4)
Figure 2018073585
で示される基である。
10における炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基としては、R、およびRで説明したアルキル基と同じ基が挙げられ、また、R、およびRで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
また、R10が、前記式(4)で示される基となる場合には、Rは分子内に複数のカチオン、窒素原子、又はリン原子を有する基となる。
前記式(4)において、R11は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキレン基である。このアルキレン基は、Rで説明したアルキレン基と同じ基が挙げられ、また、Rで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
前記式(4)において、R12、およびR13は、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基であり、R、およびRで説明したアルキル基と同じ基が挙げられ、また、R、およびRで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
前記式(4)において、Qは、窒素原子、又はリン原子である。ただし、Qが四級となる場合、すなわち、bが2となる場合には、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となる。多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、窒素原子、又はアンモニウムカチオンであることが好ましい。このbは、当然のことながら、R12の数を示すものであり、1〜2の整数である。
cは、繰り返し単位を示し、1〜5の整数である。中でも、非水電解液へ配合した際の効果(高温時の抵抗抑制、電気容量の維持効果)、該多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、1〜2であることが好ましい。
(R、およびR
、およびRは、それぞれ、独立存在するか、又は一緒になって環を形成することもできる。先ず、独立して存在する場合について、説明する。
(R、およびRが独立して存在する基となる場合)
、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル基、又は前記式(4)で示される基である。前記アルキル基としては、R、およびRで説明した基と同じアルキル基が挙げられ、また、R、およびRで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
また、R、およびRが前記式(4)で示される基である場合には、(R;カチオン、窒素原子、又はリン原子を有する基)で説明した基と同じ基が挙げられ、同じ理由で好ましい基も同じである。
(R、およびRが一緒になって環を形成する場合)
、およびRは、互いに結合して下記式(5)
Figure 2018073585
で示される基であってもよい。この場合、R14がQ と結合し、R15がQ と結合する基となればよい。
前記式(5)において、R14、R15、およびR16は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基であり、このアルキレン基は、Rで説明した基と同じアルキレン基が挙げられ、また、Rで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
前記式(5)において、R17、およびR18は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基であり、前記アルキル基としては、R、およびRで説明した基と同じアルキル基が挙げられ、また、R、およびRで説明した理由と同じ理由で、好ましい基も同じである。
前記式(5)において、Q、およびQは、それぞれ、窒素原子、又はリン原子である。ただし、Qが四級となる場合、すなわち、eが2となる場合には、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となる。また、Qが四級となる場合、すなわち、fが2となる場合には、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となる。多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、Q、およびQは、窒素原子、又はアンモニウムカチオンであることが好ましい。このeは、R17の数を示すものであり、1〜2の整数であり、fは、R18の数を示すものであり、1〜2の整数である。
dは、繰り返し単位を示し、0〜5の整数である。中でも、非水電解液へ配合した際の効果(高温時の抵抗抑制、電気容量の維持効果)、該多価オニウム化合物自体の生産性を考慮すると、0〜2であることが好ましい。
(カチオン基部分の効果の推定)
前記で説明した下記式(6)
Figure 2018073585
で示されるカチオン基部分を有する多価オニウム化合物が、優れた効果を示す理由は明らかではないが、以下のように推定している。すなわち、前記カチオン部を有する多価オニウム化合物を含むリチウムイオン電池用電解液では、負極に前記カチオン部が吸着されるが、有機基(R)が存在するため、該カチオン部は、負極を形成するグラファイト層間に進入するのではなく、グラファイト表面に留まるものと推定される。
従来技術においては、カチオン部をグラファイト表面に留まらせる場合には、非特許文献2に示されている通り、炭素数が14以上のアルキル基を有するカチオンとしなければならなかった。この場合、疎水性が高くなり、形成される保護膜(SEI膜)はLiイオンの透過性が低下し、抵抗が高くなってしまうと考えられた。
これに対して、本発明で使用する多価オニウム化合物は、前記式(6)で示されるカチオン部を有することにより、複数の荷電中心(Q)は、グラファイト層間に吸着されるが、比較的短い有機基で結合されているため、該層間への侵入が阻害されると考えられる。そのため、前記式(6)で示されるカチオン部で形成されるSEI膜は、親水性が高く、Liイオンの透過性が高いにもかかわらず、グラファイト層間の破壊を起こさないと考えられる。その結果、前記式(1)で示される多価オニウム化合物を使用することにより、電気容量の低下が少ない、低抵抗の非水電解液にできると考えられる。
(g;アニオンの個数)
gは、アニオンの個数を示す。そのため、Q とQ とを有するため、gは少なくとも2以上の整数である。gの上限値は、前記Q、Q、Q、Q、Q、およびQの合計の荷電数(Q 、Q 、Q 、Q 、Q 、およびQ の合計数)と等しくなる整数である。中でも、荷電数(前記合計数=g)は、多いと塩の溶解度が減少し析出しやすくなるため、gは2〜10であることがより好ましく、2〜7であることがさらに好ましく、2〜5であることが特に好ましい
(X;アニオン)
前記式(1)において、Xは、Liイオン電池用の電解液に用いられる塩として知られているアニオンが、何ら制限なく採用できる。具体的には、PF 、BF 、TFSI(ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)アニオン)、FSI(ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン)、BOB(ビス(オキサレート)ボレートアニオン)、およびシアノフルオロボレートアニオン、具体的には、BF(CN)4−h (ただし、hは、1〜3の整数である)である。)が挙げられる。
その中でも、非水電解液の使用時にガスの発生を抑制するためには、FSIを使用することが好ましい。また、非水電解液が高温安定性を有するためには、BOB、シアノボレートアニオンを使用することが好ましい。また、非水電解液が、直ぐれた高温安定性、およびサイクル寿命を向上させるためには、前記シアノボレートアニオンを使用することが好ましい。さらに、シアノボレートアニオンの中でも、hが1又は2である、BF(CN) 、BF(CN) を使用することが好ましい。
なお、前記式(1)において、Xが、シアノボレートアニオン、すなわち、BF(CN)4−h (ただし、hは、1〜3の整数である)となる多価シアノボレート化合物は、新規な化合物である。
なお、前記式(1)において、アニオンがPF 、BF の多価オニウム化合物は、例えば、特開2002−093665号公報、特開2002−151360号公報、および特許第4583582号公報等に例示されている。しかしながら、これら公知文献には、該多価オニウム化合物(カチオン;PF 、BF )を電気二重層キャパシタ用の電解質として用いることが示されているだけである。そして、これら公知文献には、電気二重層キャパシタでの電荷媒体であるイオンを該多価オニウム化合物((カチオン;PF 、BF )にすることにより、電気伝導度の向上や電気容量が増大できることが示されているだけである。
つまり、特開2002−093665号公報、特開2002−151360号公報、および特許第4583582号公報等には、該多価オニウム化合物(カチオン;PF 、BF )を、本発明のようにリチウム化合物と併用して使用すること(Liイオン電池の電解液に配合すること)の記載も、示唆もない。そのため、該多価オニウム化合物(カチオン;PF 、BF )、リチウム化合物、および非水溶媒を含む本発明は、特開2002−093665号公報、特開2002−151360号公報、および特許第4583582号公報等から考え得るものではない。
(より好適な(i)多価オニウム化合物)
本発明においては、前記式(1)で示される多価オニウム化合物の中でも、それ自体の生産性、および非水電解液に配合した際の効果を考慮すると、以下の化合物であることが好ましい。具体的には、gが2〜4となる化合物であり、下記式(7)、(8)、(9)、および(10)で示される化合物が好ましい。
g=2の化合物としては、下記式(7)
Figure 2018073585
(式中、
、R、Q、Q、およびXは、前記式(1)におけるものと同義であり、
1Aは、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、又は前記式(2
)で示される2価の基であり、
4A、およびR5Aは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル
基である。)で示される化合物である。
なお、当然のことであるが、各基の好ましい具体的な基は、式(1)で説明した基と同じである。
g=3の化合物としては、下記式(8)、又は下記式(9)で示される化合物が挙げられる。下記式(8)
Figure 2018073585
(式中、
、R、Q、Q、およびXは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、およびRは、前記式(3)におけるものと同義であり、
4A、およびR5Aは、前記式(7)におけるものと同義であり、
は、窒素原子、又はリン原子であり、(Q は、アンモニウムカチオン、又は
ホスホニウムカチオンであり)、
10Aは、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基である。)で示される
化合物(なお、当然のことであるが、各基の好ましい具体的な基は、式(1)で説明した基と同じである))である。
下記式(9)
Figure 2018073585
(式中、
、R、Q、Q、およびXは、前記式(1)におけるものと同義であり、
14、およびR16は、前記式(5)におけるものと同義であり、
1Aは、前記式(7)におけるものと同義であり、
18Aは、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基であり、
は、窒素原子、又はリン原子であり、(Q は、アンモニウムカチオン、又は
ホスホニウムカチオンである。)で示される化合物(なお、当然のことであるが、各基
の好ましい具体的な基は、式(1)で説明した基と同じである))である。
g=4となる化合物としては、
下記式(10)
Figure 2018073585
(式中、
、R、Q、Q、およびXは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、およびRは、前記式(3)におけるものと同義であり、
4A、およびR5Aは、前記式(7)におけるものと同義であり、
11、R12、およびR13は、前記式(4)におけるものと同義であり、
、およびQは、窒素原子、又はリン原子であり、(Q 、およびQ は、
アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオンである。)で示される化合物(なお
、当然のことであるが、各基の好ましい具体的な基は、式(1)で説明した基と同じで
ある))である。
以上のような前記式(7)、(8)、(9)、および(10)で示される、g=2〜4の化合物は、それ自体の生産性がよく、しかも、非水電解液に配合した際に優れた効果を発揮する。その中でも、前記式(7)、(8)、(9)、および(10)で示される、g=2〜4の化合物において、アニオン(X)がシアノフルオロボレートである場合には、非水電解液のサイクル寿命をより一層向上できる。
本発明の多価オニウム化合物を具体的に例示すると以下のカチオン基部分を有するものが挙げられる。好ましいカチオン基部分(前記式(6)で示されるカチオン基部分)を例示すると、
オキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)イオン、
オキシジエチレンビス(エチルジメチルアンモニウム)イオン、
オキシジエチレンビス(ジメチルプロピルアンモニウム)イオン、
オキシジエチレンビス(トリエチルアンモニウム)イオン、
トリメチレンビス(トリメチルアンモニウム)イオン、
トリメチレンビス(エチルジメチルアンモニウム)イオン、
トリメチレンビス(ジメチルプロピルアンモニウム)イオン、
トリメチレンビス(トリエチルアンモニウム)イオン、
テトラメチレンビス(トリメチルアンモニウム)イオン、
テトラメチレンビス(エチルジメチルアンモニウム)イオン、
テトラメチレンビス(ジメチルプロピルアンモニウム)イオン、
テトラメチレンビス(トリエチルアンモニウム)イオン、
ペンタメチレンビス(トリメチルアンモニウム)イオン、
ペンタメチレンビス(エチルジメチルアンモニウム)イオン、
ペンタメチレンビス(ジメチルプロピルアンモニウム)イオン、
ペンタメチレン(トリエチルアンモニウム)イオン、
N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジエチレントリアンモニウムイオン、
N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタエチルジエチレントリアンモニウムイオン、
N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチル−N,N’,N’’−トリエチルジエチレントリアンモニウムイオン、
N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチル−N,N’,N’’−トリプロピルジエチレントリアンモニウムイオン、
N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジプロピレントリアンモニウムイオン、
N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタエチルジプロピレントリアンモニウムイオン、
N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチル−N,N’,N’’−トリエチルジプロピレントリアンモニウムイオン、
N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチル−N,N’,N’’−トリプロピルジプロピレントリアンモニウムイオン、
N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジブテントリアンモニウムイオン、
N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタエチルジブテントリアンモニウムイオン、
N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチル−N,N’,N’’−トリエチルジブテントリアンモニウムイオン、
N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチル−N,N’,N’’−トリプロピルジブテントリアンモニウムイオン、
が挙げられる。これらの化合物は、リチウムを含有する蓄電デバイスにおいて、本発明の中でも優れた保護膜を形成できるものと考えられる。
((i)多価オニウム化合物の製造方法、および同定方法)
本発明で使用する多価オニウム化合物は、特に制限されるものではないが、以下の方法により製造することができる。
具体的には、先ず、多荷電中心化合物を製造するためには、対応する構造のポリ三級アミンとハロゲン化アルキル、もしくはハロゲン化エーテルとを反応させて、有機アンモニウムハロゲン化物を合成する。次いで、得られた有機アンモニウムハロゲン化物と対応するアニオン金属塩(例えば、アルカリ金属塩、具体的には、LiPF、LiBF、LiTFSI、LiFSI、LiBF(CN)、LiBF(CN)、NaPF、NaBF、NaTFSI、NaFSI、NaBF(CN)、NaBF(CN)、KPF、KBF、KTFSI、KFSI、KBF(CN)、KBF(CN)等のような化合物)とを水中で反応させることにより製造できる。水中で反応させた後は、塩化メチレン、クロロホルムのような疎水性溶媒で抽出処理を行うことにより、多価オニウム化合物を取り出すことができる。
以上のような方法で製造されたオニウム化合物は、以下の方法で同定することができる。すなわち、重水素化溶媒中でH,13C,19F,−NMRスペクトルを測定し、所定のカチオンとアニオンに対応するピークを確認すればよい。
また、液体クロマトグラフィー−質量分析計(LC−MS)でマイナスイオンを検出した場合、化合物にアニオンが1つ以上付加した分子量に対応する質量のピークが検出される。例えば、化合物を「M」分子量を有するイオンとし、カチオンが「C」分子量を有するイオンとした場合、(M+C)、等の分子量に相当する質量のピークが検出される。一方、プラスイオンを検出した場合、カチオンに化合物が1つ以上付加した分子量に対応する質量のピークが検出される。
また、多価オニウム化合物が非水溶媒に溶解した電解液をLC−MSで測定する場合では、電解質として用いられているリチウム化合物、例えば、LiPF等が影響し、プラスイオン、本発明のオニウム化合物のカチオン部分のカチオンに、LiPF、リチウムシアノフルオロボレートが付加した質量のピークが検出される。マイナスイオンは、シアノフルオロボレートアニオンに、LiPF、リチウムシアノフルオロボレートが付加した質量のピークが検出される。ただし、本発明のオニウム化合物のカチオンとアニオンに由来する質量のピークであることを判別することは容易であり、そのようなピークの存在で同定することができる。
本発明で使用する多価オニウム化合物は、蓄電デバイスの非水電解液に好適に配合することができる。次に、該多価オニウム化合物を含む、本発明の非水電解液について説明する。
(非水電解液)
本発明の非水電解液は、前記式(1)で示される多価オニウム化合物、リチウム化合物、および非水溶媒を含むものである。なお、この非水電解液とは、水を含まない電解液を指す。前記式(1)で示される多価オニウム化合物は、前項で説明したものを使用すればよい。
((ii)リチウム化合物)
本発明で使用するリチウム化合物は、公知の化合物を使用することができる。具体的には、LiPF、LiBF、CFSOLi、LiN(FSO、LiN(FSO)(CFSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiC(FSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、リチウムビスオキサラトボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビスオキサラトフォスフェート、LiBFCF、LiBF、LiPF(CF、LiPF(C等の有機リチウム塩、および/又はLiPF、LiBF、LiClOなどの無機リチウム塩などが挙げられる。中でも、優れた効果を発揮するためには、LiPF、LiBF、LiBFCN、およびLiBFCNよりなる群から選ばれる少なくとも1種のリチウム化合物であることが好ましく、LiPF、および/又はLiBFであることがより好ましい。さらに、有機溶媒(非水溶媒)への溶解性、伝導度のことを考慮すると、LiPFであることが特に好ましい。
((iii)非水溶媒)
本発明で使用する非水溶媒は、公知のものが制限なく使用できる。具体的には、鎖状カーボネート、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトンおよびエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。なお、この非水溶媒は水を含まないものである。本発明において使用可能な有機溶媒としては以下の有機溶媒(非水溶媒)が例示される。
鎖状カーボネートとしては、炭素数3〜6の鎖状カーボネートが好ましい。具体的な鎖状カーボネートとしては、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチルが挙げられる。
環状カーボネートとしては、炭素数3〜6の環状カーボネートが好ましい。具体的な環状カーボネートとしては、炭酸エチレン、炭酸プロピレンが挙げられる。
鎖状エステルとしては、炭素数3〜6の鎖状エステルが好ましい。具体的な鎖状エステルとしては、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸メチルが挙げられる。
ラクトンとしては、炭素数3〜6のラクトンが挙げられる。具体的なラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが挙げられる。
エーテルとしては、炭素数3〜8のエーテルが好ましい。具体的なエーテルとしては、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンおよびトリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
以上の例示の有機溶媒(非水溶媒)において、電解液の調製時、または電解液の使用時に固体であるものについては、液状である上記他の有機溶媒(非水溶媒)と混合して液状の混合溶媒として使用することができる。
上記以外の有機溶媒は通常、電気化学安定性が不十分であったり、電解質塩の溶解度が小さい、粘度が高く電気伝導度が小さいなどの理由で電解液として適さない。
上記溶媒は1種単独で用いても、あるいは、2種以上を併用してもよい。例えば、環状カーボネートのような高誘電率の溶媒と鎖状カーボネートおよび鎖状エステル類のような低粘度の溶媒とを組み合わせることで良好な溶解性と高い電気伝導性が得られることが知られていて、これらを好適に用いることができる。
その中でも、保護膜を形成するという点で環状カーボネートを使用することが好ましい。さらにリチウム化合物の溶解性と得られる電解液の性能(優れた電気伝導度および電気化学安定性等)とを考慮すると、非水溶媒として、特に、鎖状カーボネートと環状カーボネートとの混合溶媒を使用することが好ましい。
前記混合溶媒を使用する場合、混合溶媒中の鎖状カーボネート含有割合が体積%(23℃)として15%以上であると電解液の粘度を調整し易く、かつ電気伝導度を高くすることができるために好適である。また、鎖状カーボネート含有割合が体積%(23℃)として90%以下であると、溶媒の誘電率の低下による電気伝導度の低下を少なくすることができる。そのため、混合溶媒とする場合には、鎖状カーボネート含有割合が15%以上90%以下、環状カーボネート含有割合が10%以上85%以下であることが好ましく、鎖状カーボネート含有割合が20%以上85%以下、環状カーボネート含有割合が15%以上80%以下であることがより好ましく、鎖状カーボネート含有割合が25%以上80%以下、環状カーボネート含有割合が20%以上75%以下であることがさらに好ましい(ただし、23℃における鎖状カーボネートと環状カーボネートとの合計体積%は100%とする。)。上記の混合溶媒の中でも、環状カーボネートとして炭酸エチレンを使用した場合には、体積%(23℃)として、鎖状カーボネートが40%以上85%以下、炭酸エチレンが15%以上60%以下であることが好ましく、鎖状カーボネートが45%以上80%以下、炭酸エチレンが20%以上55%以下であることがより好ましい。
<非水電解液 その他の添加物>
本発明の非水電解液は、既存の電池用または電気二重層キャパシタの電解液に用いられる添加物を含んでいても良い。リチウムイオン電池用電解液は、難燃化およびサイクル特性向上等の目的で様々な添加剤を含んでいるが、当該非水電解液は既存の添加剤がそのまま使える。添加剤の例としては二重結合を含む不飽和カーボネート、フッ化カーボネートなどが挙げられる。
二重結合を含む不飽和カーボネートの具体的な例としては、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレン等が挙げられ、フッ化カーボネートの具体的な例としては、フッ素化ジメチルカーボネート誘導体、フッ素化エチルメチルカーボネート誘導体、フッ素化ジエチルカーボネート誘導体等が挙げられる。
(非水電解液の好ましい配合割合と製造方法)
((i)多価オニウム化合物の配合量)
本発明において、非水電解液の好ましい配合割は、特に制限されるものではないが、以下の配合割合とすることが好ましい。具体的には、非水溶媒100質量部に対して前記式(1)で示される多価オニウム化合物が0.1〜5質量部とすることが好ましい。この範囲を満足することにより、両電極表面で高性能な保護膜を効率よく製膜できるものと考えられる。より性能を高めるためには、非水溶媒100質量部に対して、前記式(1)で示される多価オニウム化合物が0.2〜5質量部であることが好ましく、0.2〜2.5質量部であることがさらに好ましい。
((ii)リチウム化合物の配合量)
また、リチウム化合物の濃度は、非水電解液中に0.3〜3.0mol/Lであることが好ましい。通常0.3mol/L以上、より好ましくは0.5mol/L以上、さらに好ましくは0.7mol/L以上であり、通常、2.5mol/L以下、より好ましくは2.0mol/L以下、さらに好ましくは1.5mol/L以下である。この濃度であれば、電流の媒体であるリチウムイオンの濃度が少なすぎず、電解液の粘度の範囲が適切であり、適切な電気伝導度を得ることができる。
(非水電解液の製造方法)
本実施の形態の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒に前記電解質塩を加え、さらに添加剤として特定の多価オニウム化合物、例えば、前記式(1)で示される多価オニウム化合物を所定量添加して調製することにより得られる。この際、前記有機溶媒や電解質塩、前記多価オニウム化合物、その他の添加剤等は、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。また、水分の混入を避けるためにドライルーム等の低水分環境下で行うことが望ましい。
<蓄電デバイス>
前記非水電解液は、リチウム電池(リチウム一次電池)、リチウムイオン電池(リチウム二次電池)およびリチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスに使用することができる。その中でも、リチウム電池およびリチウムイオン電池として用いることが更に好ましく、リチウムイオン電池として用いることが最も好ましい。また、非水電解液は、液体状のものだけでなくゲル化して使用してもよい。更に本発明の非水電解液は固体高分子電解質用としても使用できる。
本発明の蓄電デバイスは、特定の前記多価オニウム化合物、例えば、前記式(1)で示される多価オニウム化合物を配合しているため、高温保存後の抵抗上昇が抑えることができると共に低温での放電容量の減少を低減できる。
<リチウム電池>
リチウム電池は、負極と、正極と、正極と負極との間に配されたセパレータと、前記の本発明の非水電解液とを備えるものである。
リチウム電池は、非水電解液以外の構成については公知のリチウム電池と同様であり、通常は、前記非水電解液が含浸されている多孔膜を介し正極と負極とが積層され、これらがケースに収納された形態を有する。従って、リチウム電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等の何れであってもよい。
負極には、活物質として、リチウムおよびリチウム合金からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。
正極は、正極活物質を含有し、好ましくは、さらに導電材および結着剤を含む。正極活物質としては、リチウム電池の分野で常用される材料をそのまま使用でき、その中でも、二酸化マンガンなどの金属酸化物、フッ化黒鉛、塩化チオニルなどが好適に使用できる。二酸化マンガンは、放電特性が良好であり、特に好ましい。
特定の前記多価オニウム化合物、例えば、前記式(1)で示される多価オニウム化合物を含む本発明の非水電解液は、高温保存後の抵抗上昇が抑えることができると共に低温での放電容量の減少を低減できる。
<リチウムイオン電池>
リチウムイオン電池は、リチウムイオンを吸蔵および放出し得る、負極および正極と、正極と負極との間に配されたセパレータと、前記の本発明の非水電解液とを備えるものである。
リチウムイオン電池は、非水電解液以外の構成については、公知のリチウムイオン電池と同様であり、通常は、前記非水電解液が含浸されている多孔膜を介し正極と負極とが積層され、これらがケースに収納された形態を有する。従って、リチウムイオン電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等の何れであってもよい。
リチウムイオン電池に使用する負極は、集電体上に負極活物質層を有する。負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵および放出可能なものであれば、特に制限はない。その具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて併用してもよい。
正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵および放出可能なものであれば特に制限されず用いることができる。正極活物質としてはリチウムと少なくとも1種の遷移金属とを含有する物質が好ましい。具体例としては、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられる。これらの正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を任意に組み合わせて併用してもよい。
特定の前記多価オニウム化合物、例えば、前記式(1)で示される多価オニウム化合物を含む本発明の非水電解液は、充放電容量の減少を起こさずに高温保存後の抵抗上昇が著しく抑えることができる。
<リチウムイオンキャパシタ>
リチウムイオンキャパシタ(LIC)とは、負極にグラファイト等の炭素材料を用い、それへのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したもの、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。
電解液として前述の電解液が使用されるため、LICは、充放電容量の減少を起こさずに高温保存後の抵抗上昇が著しく抑えることが図れる。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。先ず、本発明のオニウム化合物の分析、同定方法について説明する。
(多価オニウム化合物の分析、同定方法)
以下の(1)〜(3)の方法により、得られたオニウム化合物の分析、同定を行った。
(1)NMR測定
実施例で製造した多価オニウム化合物10〜20mgを約1mlの重水素化メタノールに溶解し、日本電子製核磁気共鳴装置JNM−ECA400IIによりH、19F−NMRを測定した。H−NMRスペクトルの化学シフト値は、溶媒中のテトラメチルシランのピーク(0ppm)を標準値として決定した。また、19F−NMRスペクトルの化学シフト値は、水溶液中のKFのピーク(−125.3ppm)を標準値として決定した。
(2)元素分析
実施例で製造した多価オニウム化合物10〜20mgを秤量し、エレメンタール社vario MICRO cubeにて測定した。
(3)質量分析
実施例で製造した多価オニウム化合物 約1mgにグリセロール0.5mlを加えた後、良く撹拌し、シリンジにより10μlを直接導入によりウォーターズ社製Xevo QTof MSで測定した。
実施例1
200mlの3つ口フラスコに80mlのアセトニトリルを入れ、さらにビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル4.0gを入れた。次いで、ヨウ化メチル7.8g(1.1当量)を加え、62から65℃で8時間撹拌した。得られた生成物を真空乾燥して溶媒を除去した後、15mlの塩化メチレンを加え25gの活性アルミナを充填したカラムで処理した。回収した溶液を真空乾燥し、薄黄色の8.45g(76.2%)の固体(テトラメトニウム・ジヨウ化物)を得た。
上記合成したオキシジエチレンビストリメチルアンモニウムヨウ化物5.00gとトリシアノフルオロボレートリチウム塩2.58gとをそれぞれイオン交換水5mlに溶解した。オキシジエチレンビストリメチルアンモニウム・ジヨウ化物の水溶液をフラスコに入れ、トリシアノフルオロボレートリチウムの水溶液を滴下した。滴下後、溶液は二層に分離した。この中に塩化メチレン10mlを添加し、塩化メチレン層を分離した。分離した塩化メチレン層にイオン交換水10mlを加えよく攪拌した後に静置した後、塩化メチレン層を分離した。この操作を水層に濁りが出なくなるまで5回繰り返した。その後、塩化メチレン層を減圧乾燥し、3.9gのオキシジエチレンビストリメチルアンモニウム・トリシアノフルオロボレート(薄黄色固体)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトル(溶媒 CDCl)結果は、
3.89ppm(m、8H)、3.38ppm(s、18H)であった。
また、19F−NMRスペクトルは、−210.8ppm(q)であった。
質量分析の結果は、検出された質量数 513(アニオンの質量数108+化合物の質量数406)であった。
さらに元素分析の結果は、炭素原子(理論値47.32質量%、分析値47.58質量%)、水素原子(理論値6.46質量%、分析値6.42質量%)、窒素原子(理論値27.59質量%、分析値27.51質量%)であった。
以上の結果から得られた固体は、オキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートであることが確認できた。
実施例2
200mlの3つ口フラスコに〜80mlのアセトニトリルを入れ、さらにN、N、N’、N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン4.0gを入れた。次いで、ヨウ化メチル9.0g(1.1当量)を加え、62〜65℃で8時間撹拌した。得られた生成物を減圧乾燥し、溶媒を除去した後、15mlの塩化メチレンを加え、25gの活性アルミナを充填したカラムで処理した。回収した溶液を減圧乾燥し、薄黄色の9.10g(76.7%)の液体(以下、テトラメトニウムヨウ化物とする)を得た。
上記合成したテトラメトニウムヨウ化物4.00gとトリシアノフルオロボレートリチウム塩2.15gとをそれぞれイオン交換水5mlに溶解した。前記テトラメトニウムヨウ化物の水溶液をフラスコに入れ、トリシアノフルオロボレートリチウムの水溶液を滴下した。滴下後、溶液は二層に分離した。この中に塩化メチレン10mlを添加し、塩化メチレン層を分離した。分離した塩化メチレン層にイオン交換水10mlを加えよく攪拌した後、静置して塩化メチレン層を分離した。この操作を水層に濁りが出なくなるまで5回繰り返した。その後、塩化メチレン層を減圧乾燥し、3.25gのテトラメトニウム・2・トリシアノフルオロボレート(固体)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトル(溶媒 CD3OD)結果は、3.42−3.46ppm (m,4H)、3.17ppm(s,18H)、1.89−1.94ppm (m,4H)であった。
また、19F−NMRスペクトルは、−210.6ppm(q)であった。
質量分析の結果は、検出された質量数 498(アニオンの質量数108+化合物の質量数390)であった。
さらに元素分析の結果は、炭素原子(理論値49.26質量%、分析値49.47質量%)、水素原子(理論値6.73質量%、分析値6.67質量%)、窒素原子(理論値28.73質量%、分析値28.66質量%)であった。
以上の結果から得られた固体は、テトラメトニウム・2・トリシアノフルオロボレートであることが確認できた。
実施例3
200mlの3つ口フラスコに〜80mlのアセトニトリルを入れ、さらに2,6,10−トリメチル−2,6,10−トリアザウンデカン4.0gを入れた。次いで、ヨウ化メチル9.0g(1.1当量)を加え、62から65℃で8時間撹拌した。得られた生成物を減圧乾燥し溶媒除去後、15mlの塩化メチレンを加え25gの活性アルミナを充てんしたカラムで処理し、回収した溶液を減圧乾燥し、薄黄色の5.69g(59.0%)の固体(N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジプロピレントリアンモニウムヨウ化物)を得た。
上記合成したN,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジプロピレントリアンモニウムヨウ化物3.50gとトリシアノフルオロボレートリチウム塩1.65gとをそれぞれイオン交換水5mlに溶解した。N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジプロピレントリアンモニウムヨウ化物の水溶液をフラスコに入れ、トリシアノフルオロボレートリチウムの水溶液を滴下した。滴下後、溶液は二層に分離した。この中に塩化メチレン10mlを添加し、塩化メチレン層を分離した。分離した塩化メチレン層にイオン交換水10mlを加えよく攪拌した後に静置し塩化メチレン層を分離した。この操作を水層に濁りが出なくなるまで5回繰り返した。その後に塩化メチレン層を減圧乾燥後、2.31gのN,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジプロピレントリアンモニウム・3・トリシアノフルオロボレート(固体)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトル(溶媒 CD3OD)結果は、3.54ppm (m,8H)、3.29ppm (s、24H)、2.43ppm (m、4H)であった。
19F−NMRスペクトルは、−210.6ppm(q)であった。
質量分析の結果は、検出された質量数 678(アニオンの質量数108+化合物の質量数570)であった。
さらに元素分析の結果は、炭素原子(理論値48.46質量%、分析値48.57質量%)、水素原子(理論値6.37質量%、分析値6.41質量%)、窒素原子(理論値29.48質量%、分析値29.39質量%)であった。
以上の結果から得られた液体は、N,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジプロピレントリアンモニウム・3・トリシアノフルオロボレートであることが確認できた。
実施例4
実施例2のトリシアノフルオロボレートリチウム塩2.15gの代わりにFSIリチウム塩5.5gを用いた以外同様の操作を行い、9.3gのテトラメトニウム・2・FSI塩(黄色固体)を得た。
実施例5
市販の1mol/L LiPFの炭酸エチレン(EC)−炭酸ジエチル(DEC)の混合溶媒(非水溶媒;体積比 EC:DEC=1:1)98gに、実施例1で作製した2gのオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレート(多価オニウム化合物)を溶解し、非水電解液を作製した。この時、得られた非水電解液中、LiPFは1mol/Lであり、オキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレート(多価オニウム化合物)は0.062mol/Lであった。 得られた非水電解液を下記(3)の方法で電池とし、(4)(5)の試験を行うことにより、評価した。
(3)電池の作製
正極は、活物質としてLiNi1/3Co1/3MN1/3O293部、導電材としてアセチレンブラック4部、および、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド3部をスラリー状にし、集電箔にアプリケーターで塗工し、120℃で10分乾燥後プレスして作製した。
負極は、活物質として黒鉛93部、導電材としてアセチレンブラック2部、および、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド5部を用い、正極と同じ工程で作製した。
セパレータは、ポリエチレン製微多孔膜(厚さ20μm、気孔率40%)を用いた。
上記で作製した正極と負極とを30×50mmに打ち抜き、170℃にて10時間それぞれ乾燥した後、セパレータを介して対向させアルミニウム製のラミネート内に挿入し、実施例1で作製した非水電解液を注液、減圧含浸後、真空シールして電池性能評価用単層ラミネートセル(電池)を作製した。
(4) 充電容量および放電容量
(3)で作製した電池の初期充放電特性(充電容量および放電容量)、低温動作性の評価で測定した放電容量は以下の方法で測定した。初期充放電特性の評価で測定した充電容量および放電容量、ならびに、低温動作性の評価で測定した放電容量は、充放電試験装置(北斗電工製HJ0501SD8)で測定した。充放電試験の条件は、室温23℃で0.2Cに相当する電流で4.2VまでCCCV充電(0.05Cカット)した後に、0.2Cに相当する電流で2.7Vまで放電を行った。この条件で繰り返し充放電を行い、3回目の結果を初期充放電特性とした。
(5)高温保存性能の評価、および低温動作性の評価
以下の高温保存性能の評価、および低温動作性の評価で測定した抵抗は、東陽テクニカ製VersaSTAT4で測定した。
<高温保存性能>
(3)で作製した電池の初期充放電試験を行った後、抵抗を測定した(初期抵抗値)。その後、85℃にて10日保存し、再度、抵抗を測定した(高温保存後の抵抗)。
以上の評価結果、使用した成分、その使用量を表1にまとめた。また、初期充放電特性の測定結果を図1に示した。
実施例6
実施例5のオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートの代わりに、実施例2で製造したテトラメトニウム・2・トリシアノフルオロボレートを用いた以外、実施例5と同様にして非水電解液の作製し、さらに、同様の方法で電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。評価結果、使用した成分、その使用量を表1にまとめた。また、初期充放電特性の測定結果を図2に示した。
実施例7
実施例5のオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートの代わりに、実施例3で製造したN,N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’−オクタメチルジプロピレントリアンモニウム・3・トリシアノフルオロボレートを用いた以外、実施例5同様にして非水電解液の作製し、さらに、同様の方法で電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。評価結果、使用した成分、その使用量を表1にまとめた。また、初期充放電特性の測定結果を図3に示した。
実施例8
実施例5のオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートの代わりに、実施例4で製造したテトラメトニウム・FSI(塩)を用いた以外、実施例5同様にして非水電解液の作製し、さらに、同様の方法で電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。評価結果、使用した成分、その使用量を表1にまとめた。
Figure 2018073585
比較例1
実施例5のオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートを添加した電解液の代わりに、市販の1mol/L LiPFの炭酸エチレン(EC)−炭酸ジエチル(DEC)の混合溶媒(非水溶媒;体積比 EC:DEC=1:1)を電解液とした以外、実施例5と同様にして電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。
比較例2
実施例5のオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートの代わりに、トリシアノフルオロボレート・リチウム塩(LiBFCN)を用いた以外、実施例5と同様にして非水電解液の作製し、さらに、同様の方法で電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。
比較例3
実施例5のオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートの代わりに、トリメチルプロピルアンモニウム・トリシアノフルオロボレート塩を用いた以外、実施例5と同様にして非水電解液の作製し、さらに、同様の方法で電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。
比較例4
実施例5のオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレートの代わりに、N,N−ジエチル−N−メチル−N−メトキシエチルアンモニウム・トリシアノフルオロボレート塩を用いた以外、実施例5と同様にして非水電解液の作製し、さらに、同様の方法で電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。評価結果、使用した成分、その使用量を表2にまとめた。
Figure 2018073585
表1と表2から分かるように、多価オニウム化合物を配合した本発明の非水電解液は、無添加の場合、リチウム塩等の添加時(比較例1、2)に比べて高温保存後の抵抗上昇を低減できた。また、比較例では、一個のアンモニウムカチオンの塩では高温保存後の抵抗上昇は抑えられるものの、アンモニウムカチオンのグラファイト層間への進入による負極破壊が生じ、充放電容量の低下が認められるが、本発明で使用する荷電中心が複数である塩(多価オニウム化合物)を使用した場合には、充放電容量は低下しなかった。この結果から、多価オニウム化合物を使用した本発明の非水電解液は、充放電容量の低下を著しく抑え、高温保存後の抵抗増加を抑制でき、正極・負極の近傍で良好なSEI膜を形成していると考えられ、電池性能を向上すると考えられた。
実施例9
実施例5において、実施例1で製造したオキシジエチレンビス(トリメチルアンモニウム)・2・トリシアノフルオロボレート(多価イオン性化合物)の量を表3の割合で変更した以外、実施例5と同様にして非水電解液の作製し、さらに、同様の方法で電池性能評価用単層ラミネートセルを作製し、電池特性を評価した。その使用量と結果を表3にまとめた。
Figure 2018073585
表3の通り本発明のイオン性化合物を添加することで高温保存後の抵抗上昇を抑えられた。

Claims (9)

  1. (i)炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基、
    炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、および
    アンモニウムカチオン、およびホスホニウムカチオンからなる群より選ばれる少な
    くとも1種のカチオンを2個以上有するカチオン基部分と、
    該カチオンの合計数と等しい数のアニオンとから構成される多価オニウム化合物、
    (ii)リチウム化合物、並びに
    (iii)鎖状カーボネート、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、およびエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の非水溶媒
    を含むことを特徴とする非水電解液。
  2. 前記(i)多価オニウム化合物が、
    下記式(1)
    Figure 2018073585
    (式中、
    、およびQは、それぞれ、窒素原子、又はリン原子であり、
    、およびQ は、それぞれ、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチ
    オンであり、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基で
    あり、
    は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、下記式(2)
    Figure 2018073585
    (式中、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のア
    ルキレン基である。)
    で示される基、又は下記式(3)
    Figure 2018073585
    (式中、
    aは、1〜2の整数であり、
    は、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、aが2となる場合には、ア
    ンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となり、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のア
    ルキレン基であり、
    10は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル基、又は下記式
    (4)
    Figure 2018073585
    (式中、
    11は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキレン基であり、
    12、およびR13は、それぞれ、直鎖状、又は分岐状のアルキル基
    であり、
    bは、1〜2の整数であり、
    は、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、bが2となる場合に
    は、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となり

    cは、1〜5の整数である。)で示される基である。)
    で示される基であり、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル
    基、又は前記式(4)で示される基であり、
    また、R、およびRは、互いに結合して下記式(5)
    Figure 2018073585
    (式中、
    14、R15、およびR16は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状
    のアルキレン基であり、R14がQ と結合し、R15がQ と結合し、
    17、およびR18は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基
    であり、
    e、およびfは、1〜2の整数であり、
    、およびQは、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、e、および
    fが2となる場合には、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(
    、およびQ )となり、
    dは、0〜5の整数である)
    で示される基であってもよく、
    gは、少なくとも2以上の整数であり、前記Q、Q、Q、Q、Q、および
    の合計の荷電数と等しくなる整数であり、
    は、アニオンである。)
    で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
  3. 前記(ii)リチウム化合物が、LiPF、LiBF、LiBFCN、およびLiBFCNよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載の非水電解液。
  4. 前記(i)多価オニウム化合物において、
    アニオンが、BF(CN)4−h (ただし、hは、1〜3の整数である)であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の非水電解液。
  5. 前記(iii)非水溶媒100質量部に対して、前記(i)多価オニウム化合物が0.1〜5質量部含まれることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の非水電解液。
  6. 前記(ii)リチウム化合物の濃度が、0.3〜3.0mol/lであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の非水電解液。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の非水電解液を用いた蓄電デバイス。
  8. リチウム電池、リチウムイオン電池、またはリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項7に記載の蓄電デバイス。
  9. 下記式(1)
    Figure 2018073585
    (式中、
    、およびQは、それぞれ、窒素原子、又はリン原子であり
    、およびQ は、それぞれ、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチ
    オンであり、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基で
    あり、
    は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基、下記式(2)
    Figure 2018073585
    (式中、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のア
    ルキレン基である。)
    で示される基、又は下記式(3)
    Figure 2018073585
    (式中、
    aは、1〜2の整数であり、
    は、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、aが2となる場合には、ア
    ンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となり、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のア
    ルキレン基であり、
    10は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル基、又は下記式
    (4)
    Figure 2018073585
    (式中、
    11は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキレン基であり、
    12、およびR13は、それぞれ、直鎖状、又は分岐状のアルキル基
    であり、
    bは、1〜2の整数であり、
    は、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、bが2となる場合に
    は、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(Q )となり

    cは、1〜5の整数である。)で示される基である。)
    で示される基であり、
    、およびRは、それぞれ、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状のアルキル
    基、又は前記式(4)で示される基であり、
    また、R、およびRは、互いに結合して下記式(5)
    Figure 2018073585
    (式中、
    14、R15、およびR16は、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐状
    のアルキレン基であり、R14がQ と結合し、R15がQ と結合し、
    17、およびR18は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状のアルキル基
    であり、
    e、およびfは、1〜2の整数であり、
    、およびQは、窒素原子、又はリン原子であり、ただし、e、および
    fが2となる場合には、アンモニウムカチオン、又はホスホニウムカチオン(
    、およびQ )となり、
    dは、0〜5の整数である)
    で示される基であってもよく、
    gは、少なくとも2以上の整数であり、前記Q、Q、Q、Q、Q、および
    の合計の荷電数と等しくなる整数であり、
    は、BF(CN)4−h (ただし、hは、1〜3の整数である)である。)
    で示される多価シアノボレート化合物。
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WO2021176920A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10 日清紡ホールディングス株式会社 蓄電デバイス用電解液およびイオン液体

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