JP2017134888A - 非水系電解液およびそれを用いた蓄電デバイス - Google Patents

非水系電解液およびそれを用いた蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイス用として用いた場合に高温での安定性と特に低温での高伝導性を兼ね備えた電解液を得る。【解決手段】 環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトンおよびエーテルを一種以上含む非水溶媒と、Li・BF(CN)3、Li・BF2(CN)2及びLi・BF3(CN)からえら得ばれる下記一般式(I)、Li・BFX(CN)4−X 一般式(I)(Xは1〜3の整数である)で示されるオニウム塩を少なくとも1種含む電解質を0.3〜4M/lの濃度で含む非水電解液とする。特にLi・BF2(CN)2であることが好ましい。【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ等の電気化学デバイス用として利用される非水電解液電池用電解液及び該電解液を用いた蓄電デバイスに関する。
近年、携帯用電子機器、携帯電話、またはビデオカメラなどが急激に普及し、それらに用いられる軽量で高性能の二次電池の需要が大幅に増大した。また、近年、車載用途や自然エネルギーの貯蔵用途などに向けての開発が進められている。車載用途では使用環境温度が−30℃から60℃が想定されており、従来使用されている温度領域より厳しい使用環境が想定され、高温側では電解質の耐久性が求められ、低温側では従来以上のイオン伝導率が求められている。特に高温環境については、セルが大型化されるため、使用環境のみならず自己発熱によって定常的に比較的高い温度にさらされることになり、高温耐久性の向上は重要な開発課題になってきている。
また、車載や自然エネルギー貯蔵用の電池の場合、使用条件として−30℃での作動が想定され、低温でのイオン伝導性も要求される。低温でのイオン伝導度低下を避けるために通常は低粘度の有機溶媒ECなどを用いる事が行われているが、ほとんどの低粘度の有機溶媒は蒸気圧が高く、電池にデンドライト析出などによりショートが発生した場合、容易に火災が発生するなど安全性が低下する問題点がある。
これら蓄電デバイスに用いられている電解液には、多くの場合、非水溶媒にリチウム塩を溶解した電解液が使用されている。さらに、非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の混合溶媒が一般的に使用されている。リチウム塩としてはLiPF、LiBFなどが用いられている。
また、リチウムイオン二次電池の負極活物質としてはリチウムイオンを吸蔵・放出することができる炭素質材料や高容量化を目指してシリコンやスズ等を用いた金属又は合金系の負極などが知られ、現在は炭素質系の天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等が主に用いられている。正極活物質としてはリチウムイオンを吸蔵・放出することができる遷移金属複合酸化物が用いられている。遷移金属の代表例としてはコバルト、ニッケル、マンガン、鉄等である。
このようなリチウムイオン二次電池は、活性の高い正極と負極を使用しているため、電極と電解液との副反応により、充放電容量が低下することが知られており、電池特性を改良するために、電解液の構成要素である非水溶媒や電解質について種々の検討がなされている。
特開2014−5261号公報 特開2013−149585号公報 国際公開特許WO2012/099259号パンフレット
電解質として用いられている化合物は主にLiPF塩やLiBF塩である。このうちLiBFは有機溶媒に溶解性が低く、伝導度の面で良好でないため、LiPF塩が主に用いられている。しかし、このLiPF塩は極めて加水分解を受けやすく、また、熱安定性が悪い化合物であり、60℃以上で分解することが知られている。現行の電解液ではさまざまな添加剤を付加して分解開始温度を上げることが行われており、電解液中では150℃以上で分解始めるところまで向上しているが、根本的にこの化合物の不安定性のため、リチウム電池の耐用年数および性能を低下させ、高温など極端な条件で使用することを難しくしている。
その他のリチウム塩としてLiビストリフルオロメチルスルフォン酸イミド(TFSI)、Liビスフルオロスルフォン酸イミド(FSI)、LiClO4 、リチウムビス[ ペンタフルオロエタンスルホニル] イミド、リチウム[ トリフルオロメタンスルホニル] [ ノナフルオロブタンスルホニル] イミド、リチウムシクロヘキサフルオロプロパン− 1 , 3 − ビス[ スルホニル]イミド、リチウムビス[ オキサレート(2−)]ボレート、リチウムトリフルオロメチルトリフルオロボレート、リチウムペンタフルオロエチルトリフルオロボレート、リチウムヘプタフルオロプロピルトリフルオロボレート、リチウムトリス[ ペンタフルオロエチル] トリフルオロホスフェートなどのリチウム塩も検討されているが、電気化学安定性や溶媒に対する溶解性やイオン伝導度、純度、集電体に対する腐食性、さらには、価格の問題があり上記のLiPF塩やLiBF塩を超えるものは出現していない。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、および、エーテルを一種以上含む非水電解液中に特定のシアノフルオロボレートリチウム塩を一種以上含有することで、広い範囲で電気化学的に安定であり、高温下での蓄電デバイスの安定性を改善できることと特に低温での電気伝導度も特性向上していることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトンおよびエーテルを一種以上含む非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に下記一般式(I)で表されるシアノフルオロボレート・リチウム塩を一種以上含み、
Li・BF(CN)4−X 一般式(I)
(Xは1〜3の整数である)
非水電解液に含まれる全リチウム塩の濃度の合計量が0.3〜4M/lであることを特徴とする非水電解液である。
他の発明は、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、該非水電解液が上記の非水電解液であることを特徴とする蓄電デバイスである。
本発明によれば、高温での安定性と特に低温での伝導度などを向上できる非水電解液及びそれを用いたリチウム電池等の蓄電デバイスを提供することができる。具体的には、非水系有機溶媒に所定量のシアノフルオロボレート塩を溶解させた電解液を用いることで、公知の電解液に比べて室温で同等の電気伝導度を持ち低温では伝導度が高く、熱分解温度も高く、作動温度領域が広い電解液である。特に車載用蓄電デバイス用の非水電解液や自然エネルギー貯蔵用の大型電池として使用される場合、高温での電気化学特性が低下しにくく、低温環境でも動作するLiイオン電池用電解液、あるいはリチウムイオンキャパシタ―用電解液等の蓄電デバイスを得ることができる。
実施例1の電解液のサイクリックボルタモグラムの測定結果 実施例2の電解液のサイクリックボルタモグラムの測定結果
〔非水電解液〕
本発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に下記一般式(I)で表されるシアノフルオロボレート・リチウム塩を一種以上含有することを特徴とする非水電解液である。
Li・BF(CN)4−X 一般式(I)
(Xは1〜3の整数である)
上記式においてXは1から3の整数である。即ち、Li・BF(CN)、Li・BF(CN)及びLi・BF(CN)が本発明における電解質として使用される。Xが0の場合、即ち、Li・B(CN)では電気化学安定性が十分でないことと低温での電気伝導度の低さという問題がある。一方、Xが4の場合(Li・BF)には、電気伝導度の低さという問題がある。またフッ素原子(F)に代えて他の基で置換された化合物では電気化学安定性の低さと電気伝導度の低さという問題がある。それに対し本発明においては、ホウ素原子がフッ素原子およびシアノ基の双方で置換されていることにより十分な電気化学安定性と特に低温での高電気伝導度という効果を与える。
本発明においては、一般式(I)で表される化合物三種とも好適に用いることができるが、その中でもLi・BF(CN)は有機溶媒に同一濃度を溶解させたときの伝導度が他の塩より高く、また、耐酸化性も十分あり分解温度も200℃以上である為にもっとも好適である。
本発明の非水電解液に用いられる電解質は上述のシアノフルオロボレートリチウム塩にその他のリチウム塩を混合してもよく、その他のリチウム塩としては、依存のリチウム塩を特に制限無く用いることができる。他のリチウム塩を例示すると、CFSOLi、LiN(FSO、LiN(FSO)(CFSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiC(FSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、リチウムビスオキサラトボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビスオキサラトフォスフェート、LiBFCF、LiBF、LiPF(CF、LiPF(C等の有機リチウム塩やLiPF、LiBF、LiClOなどの無機リチウム塩などが上げられる。
上記記一般式(I)で表されるシアノフルオロボレート・リチウム塩は、公知の方法で合成することが可能であり、アセトニトリルやアセトンなどの有機溶媒にLiCN等のアルカリ金属シアン化物MCNを溶解させBFガスを吹き込む方法やアルカリ金属シアン化物MCN を、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、および/またはジメトキシエタン等の非プロトン性溶媒の存在下で、三フッ化ホウ素エーテルBF・OEt等のBF付加化合物と反応させることで合成することができる。
また、一度カリウムやナトリウム、マグネシウム、カルシウム等、その他、アルカリ金属、アルカリ土類金属の青酸化合物を溶解させた有機溶媒に上述のBFガスの吹き込みや三フッ化ホウ素エーテルBF・OEt等のBF3付加化合物を作用させ、合成されたシアノフルオロボレートの対応するアルカリ金属、アルカリ土類金属塩に水酸化リチウム、炭酸リチウム、ハロゲン化リチウムなどの無機リチウム塩を作用させることで塩交換を行い合成する方法などがある。
また、合成されたシアノフルオロボレートリチウム塩を本発明における電解質としても用いる際には、水洗、乾燥などを十分に行い、不純物を十分除去するのが好ましい。水分濃度は1000ppm以下、Li以外の金属濃度はNaが20ppm以下、Kが10ppm以下、Caが10ppm以下、Feが3ppm以下、Pbが10ppm以下とすることが好ましい(いずれもリチウム塩を100質量%とする)。
本発明の非水電解液において、非水電解液に含有される前記一般式(I)で表されるシアノフルオロボレート・リチウム塩の含有量、あるいはシアノフルオロボレート・リチウム塩と他のリチウム塩の合計含有量は、非水電解液中に0.3〜4M/lが好ましい。通常0.3M/l以上、より好ましくは0.5M/l以上、さらに好ましくは0.7M/l以上であり、通常4M/l以下、より好ましくは3M/l以下、さらに好ましくは1.5M/l以下である。この濃度であれば、電流の媒体であるリチウムイオンの濃度が少なすぎず、電解液の粘度の範囲が適切であり、適切な電気伝導度を得ることができる。前記式(I)で示されるシアノフルオロボレート・リチウム塩と他のリチウム塩を併用する場合でも、全リチウム塩に占める他のリチウム塩の割合は50モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。
電池用電解液には、1)使用範囲の電気化学安定性と2)電解質塩への高い溶解性と3)低粘性などによる高い電気伝導性が要求される。特にLiイオン電池は充放電の電位が0〜4.5V vs Li+/Li程度と他の電池に比して非常に広く、用いることができる溶媒は限定される。
本発明の非水電解液に用いられる有機溶媒は環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトンおよびエーテルである。本発明において使用可能な有機溶媒を具体的に例示すると、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、およびジエトキシエタンなどがあげられる。
上記以外の有機溶媒は通常、電気化学安定性が不十分であったり、電解質塩の溶解度が小さい、粘度が高く電気伝導度が小さいなどの理由で電解液として適さない
上記溶媒は1種単独で用いても、あるいは、2種以上を併用してもよい。例えば、環状カーボネート類のような高誘電率の溶媒と鎖状カーボネートや鎖状エステル類のような低粘度の溶媒と組み合わせることで良好な溶解性と高い電気伝導性が得られることが知られていて、これらを好適に用いることができる。
この非水電解質を非水電解質電池に適用することで、高温での安定性と低温での高伝導率の両立した電池を提供することができる。
本発明の非水電解液が、高温下でのサイクル特性を大幅に改善できる理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
現在主流である六フッ化フォスフェート・リチウム塩は60℃付近から分解を始めると共に本質的には水に対して不安定であり水分と反応して分解するなど鋭敏な化合物である。Liイオン電池などは充電時に電極で溶媒などが反応し、その反応で水分が容易に生じうる。そのため添加剤などによって反応を抑えても、本質的には電解質の劣化は進行すると考えられる。それに対し本発明で用いる一般式(I)で示されるシアノフルオロボレート・リチウム塩の熱分解温度は200℃以上であると共に水に対して安定である。したがって、化合物の本質的な安定性が異なるために、高温下で安定であると考えられる。
また、発明の非水電解液が高い伝導度を示し、特に低温であっても高イオン伝導度を示す理由は必ずしも明確でないが、電解質であるシアノフルオロボレート・リチウム塩のアニオンのイオン径や分子量が特に六フッ化フォスフェートアニオンに対して比較的小さいことと対称性が小さい為、析出しにくいこととアニオンの極性が小さく化合物間の相互作用が小さいことが原因であると考えられる。
本発明の非水電解液はまた、既存の電池用あるいは電気二重層キャパシターに用いられる添加物を含んでいても良い。Liイオン電池用電解液は難燃化やサイクル特性向上等の目的で様々な添加剤を含んでいるが、当該非水電解質は既存の添加剤がそのまま使える。添加剤の例としては二重結合を含む不飽和カーボネートやフッ化カーボネートなどが上げられる。
これらの具体的な例としては、ビニレンカーボネート、及びビニルエチレンカーボネートやフッ素化ジメチルカーボネート誘導体、フッ素化エチルメチルカーボネート誘導体、フッ素化ジエチルカーボネート誘導体等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、リチウム一次電池用やリチウム二次電池用ならびにリチウムイオンキャパシタ用の蓄電デバイスに使用することができる。その中でも、リチウム電池用として用いることが更に好ましく、リチウム二次電池用として用いることが最も適している。また、非水電解質として、液体状のものだけでなくゲル化して使用してもよい。更に本発明の非水電解液は固体高分子電解質用としても使用できる。
<非水系電解液リチウム二次電池>
本発明の非水系電解液リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る負極及び正極と前記の本発明の非水系電解液とを備えるものである。
<電池構成>
本発明の非水系電解液リチウム二次電池は、負極及び非水系電解液以外の構成については、公知の非水系電解液二次電池と同様であり、通常は、本発明の非水系電解液が含浸されている多孔膜を介し正極と負極とが積層され、これらがケースに収納された形態を有する。従って、本発明の非水系電解液二次電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等の何れであってもよい。
<非水系電解液>
非水系電解液としては、上述の本発明の非水系電解液を用いる。
<負極>
負極は、集電体上に負極活物質層を有するものである。負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はない。その具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて併用してもよい。
<正極>
リチウム二次電池用正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限されず用いることができる。正極活物質としてはリチウムと少なくとも1種の遷移金属を含有する物質が好ましい。具体例としては、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられる。これらの正極活物質は、一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明におけるリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2V以上、特に4.3V以上の場合にも高温での電気化学特性に優れている。また、本発明におけるリチウム電池は、−40〜100℃で充放電することができる。
<リチウムイオンキャパシタ>
負極にグラファイト等の炭素材料を用い、それへのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液にはシアノフルオロボレートのリチウム塩が含まれる。
本発明では、プロピレンカーボネートなどの有機溶媒にシアノフルオロボレートリチウム塩を溶解させた電解液を用いることで高温での安定性と低温での高伝導率の両立することができる。また、当該電解液は電気化学安定性も高く、Liイオン電池用電解液、あるいはリチウムイオンキャパシタ―用電解液等として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)電気伝導度
試料溶液10mlをPFA製の小型ビーカーに取り、TDK社製電気伝導度測定メーターにより測定した。伝導度のキャリブレーションはキシダ化学株式会社より購入した1M−LiPFの炭酸エチレン−炭酸ジエチルの混合溶液(1:1)の伝導度0.7S/mと1MLiBFの炭酸エチレン−炭酸ジエチルの混合溶液(1:1)の伝導度0.39S/mにより校正した。
(2)電気化学測定
試料溶液適量(〜2ml)をBAS社製VC−4ボルタンメトリー用セルにいれ、グラッシーカーボン電極、白金電極、Ag/Ag型参照電極を用いAutolab社製ポテンシオスタットでサイクリックボルタンメトリ測定を行い電気化学安定性を評価した。
実施例1
1Mジシアノジフルオロボレートリチウム塩の炭酸エチレン:炭酸ジエチル1:1溶液を以下のように作製した。炭酸エチレン33gに炭酸ジエチル25mlを加え溶解させ、さらに、ジシアノジフルオロボレートリチウム塩5.39gを加え攪拌し完全に溶解させた。その溶液の電気伝導度を測定したところ0.62S/mだった。そのサイクリックボルタモグラムの測定結果を図1に示す。電気化学安定性は−3.9〜2.4(V vs Ag/Ag+)であった。
実施例2
1Mトリシアノフルオロボレートリチウム塩の炭酸エチレン:炭酸ジエチル1:1溶液を以下のように作製した。炭酸エチレン33gに炭酸ジエチル25mlを加え溶解させ、さらに、トリシアノフルオロボレートリチウム塩5.74gを加え攪拌し完全に溶解させた。その溶液の電気伝導度を測定したところ0.70S/mだった。そのサイクリックボルタモグラムの測定結果を図2に示す。電気化学安定性は−3.9〜2.4(V vs Ag/Ag+)であった。
比較例1
比較のために市販の電池用1MLiPFの炭酸エチレン:炭酸ジエチル1:1溶液の電気伝導度を測定したところ0.70S/mだった。電気化学安定性は−3.9〜2.4(V vs Ag/Ag+)であった。
実施例3
実施例1、および2のように作製した1Mジシアノジフルオロボレートリチウム塩および1Mトリシアノフルオロボレートリチウム塩の炭酸エチレン:炭酸ジエチル1:1溶液の電気伝導度を0、−10℃で測定を行った。比較のために市販の電池用1MLiPFの炭酸エチレン:炭酸ジエチル1:1溶液の電気伝導度を測定した。結果を表1に記す。
Figure 2017134888
表から分かるとおり、本発明のシアノボレートリチウム塩の電解液は低温でもLiPFよりも伝導度の低下が小さく、低温での使用に好適である。
本発明であるシアノフルオロボレートリチウム塩を用いた電解液とリチウムイオン電池用電解液として用いられる代表的なリチウム塩の物性比較を以下の表2にまとめる。
Figure 2017134888
上記表2に示すように本発明のシアノフルオロボレートリチュム塩を用いた電解液は公知の電解液と室温で同等の電気伝導度を持ち低温では伝導度が高く、また、熱分解温度も高く、作動温度領域が広いLiイオン電池用電解液、あるいはリチウムイオンキャパシター用電解液等として好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトンおよびエーテルを一種以上含む非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、
    非水電解液中に下記一般式(I)で表されるシアノフルオロボレート・リチウム塩を一種以上含み、
    Li・BF(CN)4−X 一般式(I)
    (Xは1〜3の整数である)
    非水電解液に含まれる全リチウム塩の濃度の合計量が0.3〜4M/lであることを特徴とする非水電解液。
  2. 正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、該非水電解液が請求項1記載の非水電解液であることを特徴とする蓄電デバイス。
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