JP2019169305A - 蓄電デバイス用非水電解液 - Google Patents

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和行 清水
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Kodai Nitta
宏大 新田
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Abstract

【課題】電気抵抗を低下させることができるとともに、サイクル特性に優れ、且つ、非水電解液の反応によるガス発生を抑制することができる蓄電デバイス用の非水電解液及び蓄電デバイスを提供する。【解決手段】非水溶媒に電解質を溶解してなる蓄電デバイス用非水電解液であって、前記電解質が前記非水溶媒に溶解するリチウム塩であり、かつ下記式(1)で表される有機スルホン化合物を含有することを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液。【化1】(式中の記号の定義は、明細書中に記載の通りである。)【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイス用非水電解液に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等に代表される携帯用電子端末等の種々の携帯電子機器の普及に伴い、それらの電源として二次電池は重要な役割を果たしている。これらの二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系電池、非水電解液電池が挙げられる。なかでも、リチウム等を吸蔵、放出できる正極及び負極と非水電解液とからなる非水電解液二次電池は、高電圧で高エネルギー密度を有し、安全性に優れ、環境問題等の点で、他の二次電池と比較して様々な利点を有している。
現在、実用化されている非水電解液二次電池としては、例えば、正極活物質としてリチウムと遷移金属との複合酸化物を用い、負極活物質としてリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を用いたリチウムイオン二次電池が挙げられる。リチウムイオン二次電池の負極活物質では、優れたサイクル特性を有する材料としては、炭素材料が挙げられる。
一方、非水電解液としては、非プロトン性有機溶媒に、LiBF、LiPF、LiClO、LiN(SOCF)、LiN(SOCFCF)等のリチウム塩を混合した非水溶液等が用いられている。非水電解液に対しては、その電気抵抗を低下させてリチウムイオンの伝導性を高め、また、充電、放電を繰り返した後も、電池容量の低下を抑制し、高容量を維持する、所謂サイクル特性を高める高寿命化が求められている。
さらに、非水電解液は、充電状態で高温にさらされると、リチウムと遷移金属との複合酸化物との反応が進行しやすく、ガスが発生し、その結果、電池の膨張及び内部抵抗の上昇に起因する容量劣化が生じるという問題がある。そのため、高温時においてガスの発生量が少ない非水電解液の開発が望まれている。
特許文献1には、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる蓄電デバイス用非水電解液であって、下記式(2)で表される有機スルホン化合物を含有することを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液が記載されている。
(CH=CH-SO-X-Y(OR)-(Z-SO-CH=CH(2)
(X、Y、Zは、それぞれ独立して、フェニレン基、又は炭素数が1〜4のアルキレン基である。Rは、水素原子、フェニル基、又は炭素数が1〜6のアルキル基である。m、n、p、q、tは、それぞれ独立に、0又は1〜4の整数であり、p+q≧1であり、m+n≧1である。)
特許文献1の非水電解液によれば、従来技術と比較して、非水電解液の電気抵抗を低下させることができるとともに、充電、放電を繰り返した後も、高容量を維持することができるが、非水電解液の特性のさらなる向上が求められている。
特開2017−168347号公報
本発明は、非水電解液の電気抵抗を低下させることができるとともに、多数回の充電、放電を繰り返した後も、高容量を維持することができ、且つ、非水電解液の反応によるガス発生を抑制することができる蓄電デバイス用の非水電解液の提供を目的とする。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、下記式(1)で表される有機スルホン化合物を含有する非水電解液が、上記の目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
1.非水溶媒に電解質を溶解してなる蓄電デバイス用非水電解液であって、前記電解質が前記非水溶媒に溶解するリチウム塩であり、かつ下記式(1)で表される有機スルホン化合物を含有することを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液。
Figure 2019169305
(式中、A、A、A、及びAは、それぞれ独立して、−X−SO−CH=CH、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基である)である。但し、A、A、A、及びAの少なくとも1つは、−X−SO−CH=CHである。
X、及びYは、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のフェニレン基、又は置換若しくは非置換の炭素数が1〜4のアルキレン基である。
Rは、以下の基から選択される。
Figure 2019169305
、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)である。)
2.式(1)のRは、以下の基から選択される上記1に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
Figure 2019169305
(式中、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はビニル基であり、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)である。)
3.A、及びAは、−X−SO−CH=CHである、上記1又は2に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
4.Yは、単結合である、上記1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
5.Xは、置換若しくは非置換の炭素数が1〜4のアルキレン基である、上記1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
6.前記有機スルホン化合物を0.0001〜10質量%含有する上記1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
7.前記非水溶媒が、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルを含有する上記1〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
8.鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルの含有量が、それぞれ、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.01〜5質量%である上記7に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
9.前記リチウム塩が、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、及びLiN(CFSO)(CSO)からなる群より選ばれる少なくとも1種のリチウム塩である上記1〜8のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
10.さらに、含硫黄化合物(前記式(1)で表される有機スルホン化合物を除く)、環状酸無水物、カルボン酸化合物、含ケイ素化合物及び含ホウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加物を含有する上記1〜9のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
11.上記1〜10のいずれかに記載の非水電解液を使用する蓄電デバイス。
12.蓄電デバイスがリチウム二次電池である上記11に記載の畜電デバイス。
本発明の非水電解液は、非水電解液の電気抵抗を低下させることができるとともに、多数回の充電、放電を繰り返した後も、高容量を維持することができ、且つ、非水電解液の反応によるガス発生を抑制することができる。
<非水溶媒>
本発明の非水電解液で使用する非水溶媒は、種々のものを用いることができる。例えば、非プロトン性極性溶媒が好ましい。その具体例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート等の環状カーボネート;γーブチロラクトン、γーバレロラクトン等のラクトン;スルホラン等の環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロビルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;アセトニトリル等のニトリル;ジメチルエーテル等の鎖状エーテル;プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタン等の鎖状グリコールエーテル;1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(CFHCFCHOCFCFH)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル(CFCFCHOCFCFH)、エトキシ−2,2,2−トリフルオロエトキシ−エタン(CFCHOCHCHOCHCH)等のフッ素置換エーテル;等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
非水溶媒としては、イオン伝導性の観点から、環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート系溶媒を用いることがより好ましい。カーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートを組合せて用いることがさらに好ましい。環状カーボネートとしては、上記のなかでも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート又はフルオロエチレンカーボネートが好ましい。鎖状カーボネートとしては、上記のなかでも、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート又はジエチルカーボネートが好ましい。カーボネート系溶媒を用いる場合、電池物性改善の点から、必要に応じて、ニトリル系化合物、スルホン系化合物等の別の非水溶媒をさらに添加することができる。
非水溶媒として、本発明では、特に、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルを含有するのが好ましい。かかる3種の炭酸エステルを含有する場合には、本発明の効果を発揮する以上特に好ましい。本発明で使用される非水溶媒は、非水電解液中で、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルが、それぞれ、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.01〜5質量%含まれることが好ましく、なかでも、それぞれ、50〜70質量%、20〜30質量%、及び0.1〜2質量%含まれることがより好ましい。
鎖状炭酸エステルが30質量%よりも少ない場合には、電解液の粘度が上昇し、加えて、低温で凝固してしまうため、充分な特性が得られなくなる。逆に、80質量%よりも多い場合には、リチウム塩の解離度/溶解度が低下し、電解液のイオン電導度が低下してしまう。飽和環状炭酸エステルが10質量%よりも少ない場合には、リチウム塩の解離度/溶解度が低下し、電解液のイオン電導度が低下する。逆に、50質量%よりも多い場合には、電解液の粘度が上昇し、さらに、低温で凝固してしまうため、充分な特性が得られなくなる。
また、不飽和環状炭酸エステルが0.01質量%よりも少ない場合には、負極表面に良好な被膜が形成されなくなるためサイクル特性が低下する。逆に、5質量%よりも多い場合には、例えば、高温保存時に電解液がガス発生しやすい状態となり、電池内の圧力が上昇する等実用上好ましくない状態になる。
本発明で使用される鎖状炭酸エステルとしては、例えば、炭素数が3〜9の鎖状カーボネートが挙げられる。具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、n−ブチルイソブチルカーボネート、n−ブチル−t−ブチルカーボネート、イソブチル−t−ブチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、イソブチルメチルカーボネート、t−ブチルメチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、イソブチルエチルカーボネート、t−ブチルエチルカーボネート、n−ブチル−n−プロピルカーボネート、イソブチル−n−プロピルカーボネート、t−ブチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルイソプロピルカーボネート、イソブチルイソプロピルカーボネート、t−ブチルイソプロピルカーボネート等を挙げることができる。これらのなかで、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート又はメチルエチルカーボネートが好ましいが、特に限定されるものではない。またこれら鎖状炭酸エステルは2種類以上混合してもよい。
本発明で使用される飽和環状炭酸エステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。このなかで、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート又はフルオロエチレンカーボネートがより好ましい。プロピレンカーボネートを使用することにより、幅広い温度範囲にて、安定した非水電解液を提供することができる。これら飽和環状炭酸エステルは2種類以上混合してもよい。
また、本発明で使用される不飽和環状炭酸エステルとしては、下記の一般式(3)で表されるビニレンカーボネート誘導体が挙げられる。
Figure 2019169305
上記一般式(3)において、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜12のアルキル基である。なかでも、R及びRは、水素原子が好ましい(式(3)の化合物がビニレンカーボネートである)。
上記ビニレンカーボネート誘導体の具体例として、ビニレンカーボネート、フルオロビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、フルオロメチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、プロピルビニレンカーボネート、ブチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ジプロピルビニレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの化合物のなかでも、ビニレンカーボネートが効果的であり、かつコスト的にも有利である。なお、上記ビニレンカーボネート誘導体は、1種単独でも、混合して用いることも可能である。
本発明で使用される別の不飽和環状炭酸エステルとしては、下記の一般式(4)で表されるアルケニルエチレンカーボネートが挙げられる。
Figure 2019169305
上記式(4)において、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、又は炭素数2〜12のアルケニル基であり、その内少なくとも一つは炭素数2〜12のアルケニル基である。なかでも、R〜R10のうちの一つがビニル基であり、残りが水素原子であるアルケニルエチレンカーボネート(式(4)の化合物が4−ビニルエチレンカーボネート)が好ましい。
上記アルケニルエチレンカーボネートの具体例としては、4−ビニルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−メチルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−エチルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−n−プロピルエチレンカーボネート等が挙げられる。
本発明で使用される非水溶媒には、上記の成分のほかに、他の各種溶媒が含まれていてもよい。これらの他の各種溶媒としては、例えば、環状カルボン酸エステル、炭素数3〜9の鎖状エステル、炭素数3〜6の鎖状エーテル等が挙げられる。これらの他の各種溶媒は、非水電解液中、好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%含有される。
環状カルボン酸エステルのうち、炭素数3〜9のラクトン化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等を挙げることができる。これらのなかで、γ−ブチロラクトン又はγ−バレロラクトンがより好ましいが、特に限定されるものではない。また、これら環状カルボン酸エステルは2種類以上混合してもよい。
炭素数3〜9の鎖状エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸−イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチルを挙げることができる。これらのなかで、酢酸エチル、プロピオン酸メチル又はプロピオン酸エチルが好ましい。
炭素数3〜6の鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシメタン、エトキシメトキシエタン等を挙げることができる。これらのなかで、ジメトキシエタン又はジエトキシエタンがより好ましい。
さらに、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン等を使用することができる。
<リチウム塩>
本発明の非水電解液の溶質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩については、上記非水溶媒に溶解しうるものであれば特に限定はされない。その具体例としては、例えば、以下の通りである。
(A)無機リチウム塩:
LiPF、LiAsF、LiBF等の無機フッ化物塩、LiClO、LiBrO、LiIO、等の過ハロゲン酸塩等。
(B)有機リチウム塩:
LiCFSO等の有機スルホン酸塩、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルキルスルホン酸イミド塩、LiC(CFSO等のパーフルオロアルキルスルホン酸メチド塩、LiPF(CF、LiPF(CF、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(C、LiPF(n−C、LiPF(n−C、LiPF(n−C、LiPF(iso−C、LiPF(iso−C、LiPF(iso−C、LiB(CF、LiBF(CF、LiBF(CF、LiBF(CF)、LiB(C、LiBF(C、LiBF(C、LiBF(C)、LiB(n−C、LiBF(n−C、LiBF(n−C、LiBF(n−C)、LiB(iso−C、LiBF(iso−C、LiBF(iso−C、LiBF(iso−C)等の一部のフッ素原子をパーフルオロアルキル基で置換した無機フッ化物塩フルオロホスフェート、パーフルオロアルキルの含フッ素有機リチウム塩が挙げられる。
本発明では、上記のなかでも、LiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)がより好ましい。またこれらリチウム塩は2種類以上混合してもよい。
本発明の非水電解液の溶質である、リチウム塩の濃度は、好ましくは0.5〜3モル/リットル、特には、0.7〜2モル/リットルが好適である。この濃度が低すぎると、絶対的な濃度不足により、非水電解液のイオン伝導率が不十分となる。濃度が濃すぎると、粘度上昇のためイオン伝導率が低下し、また、低温での析出が起こりやすくなる等の問題も生じるため、非水電解液電池の性能が低下し、好ましくない。
<有機スルホン化合物>
本発明の非水電解液には、下記の式(1)で表される有機スルホン化合物が添加される。
Figure 2019169305
(式中、A、A、A、及びAは、それぞれ独立して、−X−SO−CH=CH、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基である)である。但し、A、A、A、及びAの少なくとも1つは、−X−SO−CH=CHである。
X、及びYは、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のフェニレン基、又は置換若しくは非置換の炭素数が1〜4のアルキレン基である。
Rは、以下の基から選択される。
Figure 2019169305
、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)である。)
なかでも、式(1)のRは、好ましくは、以下の基から選択される。
Figure 2019169305
(式中、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はビニル基であり、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)である。)
、及びAは、好ましくは、−X−SO−CH=CHである。
は、好ましくは、−X−SO−CH=CHである。
Xは、好ましくは、置換若しくは非置換の炭素数が1〜4のアルキレン基であり、より好ましくは、置換若しくは非置換の炭素数1〜2のアルキレン基である。
Yは、好ましくは、単結合である。
なお、A、A、A、A、R、R、R、R、R’、R’、R’、X、及びYの置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。該置換基は、好ましくは、フッ素原子である。
上記式(1)で表される有機スルホン化合物の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OC(=O)CH
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OC(=O)CHCH
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OC(=O)CF
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OS(=O)CH
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OS(=O)(CH)CH
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OS(=O)CF
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OSi(CH=CH)(CH)2
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OSi(CH)
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OP(=O)(OSi(CH)3)2
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OB(OSi(CH)3)2
(CH=CH-SO-CH2-(CH)OC(=O)−(CH−SO−CH=CH)
(CH=CH-SO-CH)-CHOC(=O)−(CH−SO−CH=CH)
CHOC(=O)−(CH−SO−CH=CH)
上記式(1)で表される有機スルホン化合物は、既知の方法により製造される。例えば、ヒドロキシル基及びビニルスルホニル基を有する化合物に、対応する酸無水物や対応するハロゲン化合物を反応させることによって製造される。
本発明の非水電解液における式(1)で表される有機スルホン化合物の含有量は、好ましくは0.0001〜10質量%、さらに好ましくは0.001〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。含有量が0.0001質量%未満では、抵抗低減効果が少なくなってしまう。一方、10質量%を超えた場合は、被膜抵抗が高くなり、寿命性能が悪くなり、好ましくない。
<添加物質>
本発明の非水電解液中には、蓄電デバイスの寿命性能や抵抗性能を改善する目的に、上記特定の有機スルホン化合物以外に添加物質が含有されていてもよい。かかる添加物質としては、含硫黄化合物(前記式(1)で表される有機スルホン化合物を除く)、環状酸無水物、カルボン酸化合物、及び含ホウ素化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が使用できる。本発明化合物と異なる分解電位を有する添加物質を使用することによって、正極活物質及び負極活物質の表面により欠陥の少ない被膜を形成することができる理由から、蓄電デバイスの寿命性能や抵抗性能を改善すると考えられる。
上記含硫黄化合物としては、1,3−プロパンスルトン(PS)、プロペンスルトン、エチレンサルファイト、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンジスルホン酸ジメチル、メタンジスルホン酸ジエチル、メタンジスルホン酸ジプロピル、メタンジスルホン酸ビス(トリフルオロメチル)、メタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、メチレンメタンジスルホン酸、メタンジスルホン酸エチレン、メタンジスルホン酸プロピレン、エチレンジスルホン酸メチレン、エチレンジスルホン酸エチレン、エタンジスルホン酸ジメチル、エタンジスルホン酸ジエチル、エタンジスルホン酸ビス(トリフルオロメチル)、エタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、プロパンジスルホン酸ジメチル、プロパンジスルホン酸ジエチル、プロパンジスルホン酸メチレン、プロパンジスルホン酸エチレン、1,5−ナフタレンジスルホン酸ジメチル、ブタンジスルホン酸ジメチル、ブタンジスルホン酸ジエチル、5−ビニル−ヘキサヒドロ1,3,2−ベンゾジオキサチオール−2−オキシド、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、1,3−ブタンジオールジメタンスルホネート、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、ジビニルスルホン、1,2−ビス(ビニルスルホ二ル)メタン等が挙げられる。
上記環状酸無水物としては、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、フェニルコハク酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フルオロコハク酸無水物、テトラフルオロコハク酸無水物等のカルボン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,3−プロパンジスルホン酸無水物、1,4−ブタンジスルホン酸無水物、1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、テトラフルオロ−1,2−エタンジスルホン酸無水物、ヘキサフルオロ−1,3−プロパンジスルホン酸無水物、オクタフルオロ−1,4−ブタンジスルホン酸無水物、3−フルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、4−フルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物等が挙げられる。
上記カルボン酸化合物としては、シュウ酸リチウム、マロン酸リチウム、ジフルオロマロン酸リチウム、コハク酸リチウム、テトラフルオロコハク酸リチウム、アジピン酸リチウム、グルタル酸リチウム、アセトンジカルボン酸リチウム、2-オキソ酪酸リチウム、オキサル酢酸リチウム、2-オキソグルタル酸リチウム、アセト酢酸リチウム、3-オキソシクロブタンカルボン酸リチウム、3-オキソシクロペンタンカルボン酸リチウム、2-オキソ吉草酸リチウム、ピルビン酸リチウム、グリオキシル酸リチウム、 3,3-ジメチル-2-オキソ酪酸リチウム、2-ヒドロキシプロピオン酸リチウム、2-メチル乳酸リチウム、酒石酸リチウム、シアノ酢酸リチウム、2-メルカプトプロピオン酸リチウム、メチレンビス(チオグリコール酸)チオジこはく酸リチウム、3-(メチルチオ)プロピオン酸リチウム、3,3'-チオジプロピオン酸リチウム、ジチオジグリコール酸リチウム、2,2'-チオジグリコール酸リチウム、チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸リチウム、アセチルチオ酢酸リチウム等が挙げられる。
上記含ホウ素化合物としては、LiBF2(C24)、LiB(C242、LiBF2(CO2CH2CO2)、LiB(CO2CH2CO22、LiB(CO2CF2CO22、LiBF2(CO2CF2CO2)、LiBF3(CO2CH3)、LiBF3(CO2CF3)、LiBF2(CO2CH32、LiBF2(CO2CF32、LiBF(CO2CH33、LiBF(CO2CF33、LiB(CO2CH34、LiB(CO2CF34、Li227、Li22等が挙げられる。
上記の添加物質は、それぞれの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、水電解液に添加物質を添加する場合、添加物質によっても異なるが、非水電解液における添加物質の含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
<蓄電デバイス>
本発明の非水電解液は、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、正極又は負極の一方が電池で、他方が二重層であるハイブリッド型電池等の種々の蓄電デバイスにて使用できる。以下、その代表例のリチウムイオン二次電池について説明する。
負極を構成する負極活物質としては、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な炭素材料、金属リチウム、リチウム含有合金、又はリチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な酸化スズ、酸化シリコン、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属酸化物、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属窒素化合物、あるいはこれらの混合物のいずれも用いることができる。なお、負極は、銅製の箔やエキスパンドメタル等の集電体上に、負極活物質が形成された構成が一般的である。
負極活物質の集電体への接着性を向上させるためには、例えば、ポリフッ化ビニリデン系バインダー、ラテックス系のバインダー等を含有してもよく、導電助剤としてカーボンブラック、アモルファスウイスカーカーボン等を加えて使用してもよい。
負極活物質を構成する炭素材料としては、例えば、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。炭素材料は、黒鉛化したものでもよい。
炭素材料としては、特にX線回折法で測定した(002)面の面間隔(d002)が、0.340nm以下の炭素材料が好ましく、真密度が1.70g/cm以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用すると、非水電解液電池のエネルギー密度を高くすることができる。
さらに、上記炭素材料中にホウ素を含有するものや、金、白金、銀、銅、Sn、Si等の金属で被覆したもの(例えば、ホウ酸含有炭素材等)、あるいは非晶質炭素で被覆したもの(例えば、マグネシウム塩被覆炭素材、カルシウム塩被覆炭素材等)等を使用することができる。これらの炭素材料は、1種類を使用してもよいし、2種類以上を適宜組み合わせ混合使用してもよい。
また、リチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、リチウムイオンのド−プ・脱ドープが可能な酸化スズ、酸化シリコン、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属酸化物等を用いた場合は、いずれも上述の炭素材料よりも重量あたりの理論容量が高く、好適な材料である。
一方、正極を構成する正極活物質は、充放電が可能な種々の材料から形成できる。例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、1種類以上の遷移金属を用いたリチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、オリビン型金属リチウム塩等が挙げられる。例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO等のLixMO(ここで、Mは1種以上の遷移金属であり、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.20である)で表される、リチウムと一種以上の遷移金属との複合酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物)、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等の他の金属で置換した金属複合酸化物、FeS、TiS、V、MoO、MoS等の遷移元素のカルコゲナイドあるいはポリアセチレン、ポリピロール等のポリマー等を使用することができる。なかでも、Liのドープ及び脱ドープが可能な、リチウム遷移金属複合酸化物若しくは遷移金属原子の一部が他の金属で置換された金属複合酸化物等の材料が好ましい。
また、これら正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質が付着したものを用いることもできる。表面の付着物質としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物;硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
また、正極は、アルミニウム、チタン、若しくはステンレス製の箔、又はエキスパンドメタル等の集電体上に、正極活物質が形成された構成が一般的である。正極活物質の集電体への接着性を向上させるために、例えば、ポリフッ化ビニリデン系バインダー、ラテックス系のバインダー等、正極内の電子伝導性を向上させるために、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイト等を含有してもよい。
セパレ−タは、正極と負極とを電気的に絶縁し、かつリチウムイオンが透過可能な膜が好ましく、例えば、微多孔性高分子フィルム等の多孔性膜が使用される。微多孔性高分子フィルムとしては、特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には、多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルム等が好ましい。さらに、セパレ−タとしては、高分子電解質を使用することもできる。高分子電解質としては、例えば、リチウム塩を溶解した高分子物質、電解液で膨潤させた高分子物質等も使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の非水電解液は、該非水電解液により高分子物質を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよく、また、多孔性ポリオレフィンフィルムと高分子電解質を併用した形のセパレータに非水電解液をしみこませてもよい。
本発明の非水電解液を使用したリチウムイオン二次電池の形状については特に限定されることはなく、円筒型、角型、アルミラミネート型、コイン型、ボタン型等種々の形状にすることができる。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内での変更が可能である。
<電解液1−1〜1−12の調製>
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)の混合溶媒(体積比が30:68:2)に、リチウム塩としてLiPFを1mol/リットルの濃度になるように溶解させて基準電解液1−1を調製した。
次に、この基準電解液1−1に、表1に示す有機スルホン化合物を、表1に示す含有量になるように添加し、電解液1−2〜1−12を調製した。表1中の含有量(%)は、基準電解液1−1と有機スルホン化合物の合計質量(100質量%)に対する質量%である。
Figure 2019169305
<電解液2−1〜2−4の調製>
(CH=CH-SO-CH2-CHOSO2CFを、基準電解液1−1(99.5質量%)に対して0.5質量%加え、溶解させて、基準電解液を調製した。
次に、上記基準電解液に、表2に示した化合物を、表2に示す含有量になるように添加し、電解液2−1〜2−4を調製した。表2中の添加物の含有量(%)は、基準電解液と添加物の合計質量(100質量%)に対する質量%である。
Figure 2019169305
<電池の作製>
アルミニウム集電体に正極合剤を塗布してなる正極と、銅集電体に負極合剤を塗布してなる負極とが、厚みが23μmのセパレータ(F23DHA、東レバッテリセパレータフィルム社製)を介して巻回された扁平巻状電極群をケースに収納して、縦30mm×横30mm×厚さ2.0mmの直方体形状を有する電池セルを作製した。
正極は、結着剤であるポリフッ化ビニリデン5質量%と、導電剤であるアセチレンブラック4質量%と、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルトの複合酸化物粉末である正極活物質LiNi0.5Mn0.3Co0.2 91質量%と、を混合してなる正極合材に、N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製し、これを厚さ18μmのアルミニウム箔集電体両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって作製した。
負極は、人造黒鉛化性炭素粉末95.8質量%、バインダーであるスチレンブタジエンゴム(SBR)2.0質量%及びカルボキシメチルセルロース2.2質量%水溶液を混合し、分散媒に水を用いてスラリーを調製し、このスラリーを厚さ12μmの銅箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって作製した。セパレータには、ポリエチレン微多孔膜を用いた。
次いで、上記で作製した電池セルを用いて、以下のような手順で電池を作製した。
a.各種電解液を0.55g量り採り、電池セルの注液口に注液し、減圧した後、注液口を封口した。
b.封口した電池セルを45℃雰囲気下に保った状態で、4.2Vまで8mAで充電した後、3.0Vまで8mAで放電した。
c.3.0Vまで放電した電池セルの内部ガスを減圧除去し、電池を作製した。
<電池評価>
上記で作製した電池について、以下のように特性を測定した。
a.抵抗変化率
高温サイクル試験前、25℃にて、SOC(State of Charge)50%まで充電し、其々の環境下にて、それぞれ0.2C、0.5C、1.0C、2.0Cで10秒間放電して、初期直流抵抗値を求めた。
そして、45℃雰囲気中、1Cレートで4.2Vまで充電した後、同雰囲気下で、1Cレートで3.0Vまで放電し、200サイクルに達するまで繰り返した後、上記高温サイクル試験前と同様の条件でサイクル後の直流抵抗値を求めた。この初期直流抵抗値及びサイクル後の直流抵抗値より下記式を用いて抵抗変化率を求めた。
抵抗変化率(%)=(サイクル後の抵抗値/初期抵抗値)×100 (1)
b.容量維持率
45℃雰囲気中、1Cレートで4.2Vまで充電した後、同雰囲気下で、1Cレートで3.0Vまで放電し、その放電容量値を初期容量値とした。次いで、同条件で、200回を繰り返し、200回目の放電容量値をサイクル後の容量値とした。この初期容量値及びサイクル後の容量値より下記式を用いて容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(サイクル後の容量値/初期容量値)×100 (2)
c.体積変化率
25℃雰囲気中、所定量の純水をビーカーに量りとり、そしてラミネート電池の全体を水中に沈ませ、そのビーカー内の体積増加量を量り、その増加量をラミネート電池の初期体積値とした。次いで、同条件で、25℃の雰囲気で、0.2Cレートで4.2Vまで充電した後、60℃の雰囲気下で14日間放置したラミネート電池の体積増加量を量り、ラミネート電池の保存後の体積値とした。この初期体積値及び保存後の体積値より下記式を用いて体積変化率を求めた。
体積変化率(%)=(保存後の体積値/初期体積値)×100 (3)
<実施例1〜14>
表1に示した1−1〜1−11の電解液及び上記表2に示した2−1〜2−4の電解液を用いて、上記の電池作製の手順を用いて、実施例1〜13及び比較例1のラミネート電池を作製し、25℃、雰囲気下で初期抵抗値を求めた。
次に、45℃の雰囲気で、1Cレートで4.2Vまでの充電と3.0Vまでの放電を200回繰り返し、初期容量値と200回のサイクル後の放電容量値から容量維持率を求めた後、同様の方法でサイクル後の直流抵抗値を求め、初期抵抗値と200回のサイクル後の直流抵抗値から抵抗変化率を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2019169305
表3に示すように、本発明の有機スルホン化合物を添加することで高温サイクル後の直流抵抗上昇率を大幅に減少させることができる。有機スルホン化合物は構造内に硫黄、りん、及びホウ素等の元素が有することで、活物質表面に緻密な被膜を形成しやすく、電解液成分の分解を抑制することから、抵抗上昇率を大幅に減少させると考えられる。そして、添加剤を加えることによって、抵抗上昇をさらに抑制できる。また、同時にサイクル後の容量維持率の向上効果がある。
<実施例15〜17>
表1に示した1−12、1−2、1−4、1−10の電解液を用いて、上記の電池作製の手順を用いて、それぞれ、実施例15〜17及び比較例2のラミネート電池を作製し、25℃、雰囲気下で初期抵抗値を求め、当該電池の初期体積を求めた。
次に、25℃の雰囲気で、0.2Cレートで4.2Vまで充電した後、60℃の雰囲気下で14日間放置した。
当該電池を25℃まで戻し、上記と同様の方法で保存後の抵抗値及び保存後の体積を求め、それぞれ、初期比で抵抗変化率と体積変化率を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2019169305
表4に示すように、本発明の有機スルホン化合物を添加することで高温保存後の直流抵抗上昇率及び体積変化率を大幅に減少させることができる。
本発明の蓄電デバイス用非水電解液は、携帯電話、ノートパソコ等の各種民生用機器用電源、産業機器用電源、蓄電池、自動車用電源等の蓄電デバイス用に広く使用される。

Claims (12)

  1. 非水溶媒に電解質を溶解してなる蓄電デバイス用非水電解液であって、前記電解質が前記非水溶媒に溶解するリチウム塩であり、かつ下記式(1)で表される有機スルホン化合物を含有することを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液。
    Figure 2019169305
    (式中、A、A、A、及びAは、それぞれ独立して、−X−SO−CH=CH、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基である)である。但し、A、A、A、及びAの少なくとも1つは、−X−SO−CH=CHである。
    X、及びYは、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のフェニレン基、又は置換若しくは非置換の炭素数が1〜4のアルキレン基である。
    Rは、以下の基から選択される。
    Figure 2019169305
    、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)である。)
  2. 式(1)のRは、以下の基から選択される請求項1に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
    Figure 2019169305
    (式中、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はビニル基であり、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアルコキシ基、又は−O−SiR’R’R’(R’、R’、及びR’は、前記と同じ意味を表す)である。)
  3. 、及びAは、−X−SO−CH=CHである、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  4. Yは、単結合である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  5. Xは、置換若しくは非置換の炭素数が1〜4のアルキレン基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  6. 前記有機スルホン化合物を0.0001〜10質量%含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  7. 前記非水溶媒が、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルを含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  8. 鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルの含有量が、それぞれ、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.01〜5質量%である請求項7に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  9. 前記リチウム塩が、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、及びLiN(CFSO)(CSO)からなる群より選ばれる少なくとも1種のリチウム塩である請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  10. さらに、含硫黄化合物(前記式(1)で表される有機スルホン化合物を除く)、環状酸無水物、カルボン酸化合物、含ケイ素化合物及び含ホウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加物を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解液を使用する蓄電デバイス。
  12. 蓄電デバイスがリチウム二次電池である請求項11に記載の畜電デバイス。
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