JP6813956B2 - 蓄電デバイス用非水電解液 - Google Patents

蓄電デバイス用非水電解液 Download PDF

Info

Publication number
JP6813956B2
JP6813956B2 JP2016053442A JP2016053442A JP6813956B2 JP 6813956 B2 JP6813956 B2 JP 6813956B2 JP 2016053442 A JP2016053442 A JP 2016053442A JP 2016053442 A JP2016053442 A JP 2016053442A JP 6813956 B2 JP6813956 B2 JP 6813956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power storage
lithium
storage device
carbonate
aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016053442A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017168344A (ja
Inventor
寧 太陸
太陸 寧
佐藤 正昭
正昭 佐藤
和行 清水
和行 清水
宏大 新田
宏大 新田
孝太郎 加藤
孝太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomiyama Pure Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Tomiyama Pure Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomiyama Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Tomiyama Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP2016053442A priority Critical patent/JP6813956B2/ja
Publication of JP2017168344A publication Critical patent/JP2017168344A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6813956B2 publication Critical patent/JP6813956B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電デバイス用非水電解液に関する。
近年、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコンなどに代表される携帯用電子端末等の種々の携帯電子機器の普及に伴い、それらの電源として二次電池は重要な役割を果たしている。これらの二次電池としては、水溶液系電池、非水電解液電池が挙げられる。なかでも、リチウムイオン等を吸蔵、放出できる正極及び負極と、非水電解液とを備える非水電解液二次電池は、高電圧で高エネルギー密度を有し、安全性に優れ、環境問題などの点で、他の二次電池と比較して様々な利点を有している。
現在実用化されている非水電解液二次電池としては、例えば、正極活物質としてリチウムと遷移金属との複合酸化物を用い、負極活物質としてリチウムをドープ・脱ドープ可能な材料を用いたリチウムイオン二次電池が挙げられる。リチウムイオン二次電池の負極活物質では、優れたサイクル特性を有する材料としては、炭素材料が挙げられる。炭素材料のなかでも、黒鉛は単位体積あたりのエネルギー密度を向上できる材料として期待されている。
また、リチウム二次電池の特性向上のため、負極/正極の特性のみならず、リチウムイオンの移送を担う非水電解液の特性の向上が求められている。かかる非水電解液としては、非プロトン性有機溶媒に、LiBF、LiPF、LiClO、LiN(SOCF)、LiN(SOCFCF)などのリチウム塩を溶解した非水溶液が用いられている(非特許文献1)。非プロトン性有機溶媒の代表例として、カーボネート類が知られており、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの各種のカーボネート化合物の使用が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
一方、非水電解液の電解質として、LiBF、LiPF等が溶解された非水電解液は、リチウムイオンの移送を表す導電率が高く、かつLiBF、LiPFの酸化分解電圧が高いために高電圧で安定であることが知られており、リチウム二次電池の有する高電圧、高エネルギー密度という特性を引き出すことに寄与している。
一方、リチウム二次電池などの非水電解液二次電池を各電源として使用するに当たって、非水電解液に対して、その電気抵抗を低下させてリチウムイオンの伝導性を高め、また、充電、放電を繰り返した後も、電池容量の低下を抑制し、高容量を維持する、所謂サイクル特性を高める高寿命化が求められている。
かかる目的を達成するため、非水電解液について、従来、電解質であるリチウム塩の構造を特定化することや、特定の化合物を添加することが種々提案されている。例えば、特許文献3には、非水電解液中に、特定構造を有するビニルスルホン誘導体を添加することが提案され、また、特許文献4には、特定の構造を有する二官能酸リチウム塩以外のリチウム塩であって、ホウ素原子を有さないリチウム塩を添加することが提案されている。
しかし、従来の非水電解液は、コストの点も含めて必ずしも十分に満足できものではなく、蓄電デバイス用の非水電解液には、そのためのさらなる技術が求められている。
特開平4−184872号公報 特開平10−27625号公報 特開平11−329494号公報 特開平2014−22334号公報
本発明は、非水電解液中における電解質の溶解性を高めて、非水電解液の電気抵抗を低下させるとともに、多数回の充電、放電を繰り返した後も、高容量を維持する、所謂サイクル特性を高めたリチウム二次電池などの蓄電デバイス用の非水電解液、及び、該非水電解液を使用した蓄電デバイスの提供を目的にする。
本発明者らは、種々研究を重ねたところ、上記の目的を達成し得る蓄電デバイス用の非水電解液、及び、該非水電解液を使用した蓄電デバイスを見出し、本発明に到達したものである。本発明は、下記の要旨を有する。
(1)非水溶媒に電解質を溶解してなる蓄電デバイス用非水電解液であって、前記電解質が前記非水溶媒に溶解するリチウム塩であり、かつ下記の式(1)で表される有機カルボン酸塩を含有することを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液。

((MOOC)−X)−A−Ye−B−(Z−(COOM) (1)

(但し、X、Y、Zは、それぞれ独立して、フェニレン基又は炭素数が1〜6のアルキレン基である。A、Bはそれぞれ独立して、硫黄原子、2級アミノ基、又はシアノ基である。Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、多価金属イオン、イミダゾリウムイオン又はピリジニウムイオンである。w、e、p、q、t、m、nは0又は1〜4の整数であり、w+t≧1であり、e≦1、p+q≧1であり、m+n≧1である。)
(2)前記有機カルボン酸塩が式(1)中、A、Bが硫黄原子であり、m+n≧1である上記(1)に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(3)前記有機カルボン酸塩が式(1)中、p+q≧1である上記(1)に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(4)前記有機カルボン酸塩が、シアノ酢酸リチウム、イミノ酢酸二リチウム、ニトリロ三酢酸三リチウム、アセチルチオ酢酸リチウム、チオジグリコール酸二リチウム、3,3'-チオジプロピオン酸二リチウム、1,2-エチレンビス(チオグリコール酸)二リチウム又はメチレンビス(チオグリコール酸)二リチウムである上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(5)前記有機カルボン酸塩を0.0001〜10質量%含有する上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(6)前記非水溶媒が、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルを含有する上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(7)前記非水溶媒が、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルが、それぞれ、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.01〜5質量%を含有する上記(6)に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(8)さらに、スルホン酸塩、含硫黄化合物、又はホウ素塩からなる第2の添加物を含有する上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(9)前記リチウム塩が、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、及びLiN(CFSO)(CSO)の群より選ばれる少なくとも1種のリチウム塩である上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の非水電解液を備える蓄電デバイス。
(11)蓄電デバイスがリチウムイオン二次電池である上記(10)に記載の畜電デバイス。
本発明による非水電解液は、非水電解液におけるリチウム電解質の溶解性を高めて、非水電解液の電気抵抗を低下させるだけでなく、充電、放電を繰り返した後も、高容量を維持し所謂サイクル特性を高める。このため、良好な初期特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池などの蓄電デバイス用の非水電解液が提供される。
以下、本発明の非水電解液及びこれを使用した蓄電デバイスについて詳細に説明する。
<非水溶媒>
本発明の非水電解液で使用する非水溶媒は、種々のものを用いることができる。例えば、非プロトン性極性溶媒が好ましい。その具体例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート及び4,5−ジフルオロエチレンカーボネートになどの環状カーボネート;γープチロラクトン及びγーバレロラクトンなどのラクトン;スルホランなどの環状スルホン;テトラヒドロフラン及びジオキサンなどの環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロビルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート及びメチルトリフルオロエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルエーテルなどの鎖状エーテル;プロピオン酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタンなどの鎖状グリコールエーテル;1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(CFHCFCHOCFCFH)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル(CFCFCHOCFCFH)、エトキシ−2,2,2−トリフルオロエトキシ−エタン(CFCHOCHCHOCHCH)等の含フッ素エーテルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
非水溶媒としては、イオン伝導性の観点から、環状カーボネート、鎖状カーボネートなどのカーボネート系溶媒を用いることがより好ましい。カーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートを組合せて用いることがさらに好ましい。環状カーボネートとしては、上記のなかでも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートが好ましい。鎖状カーボネートとしては、上記のなかでも、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好ましい。カーボネート系溶媒を用いる場合、電池物性改善の点から、必要に応じて、ニトリル系化合物、スルホン系等の別の非水溶媒をさらに添加することができる。
非水溶媒として、本発明では、特に、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルを含有するのが好ましい。かかる3種の炭酸エステルを含有する場合には、本発明の効果を発揮する以上特に好ましい。本発明で使用される非水溶媒は、非水電解液中で、鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及び不飽和環状炭酸エステルが、それぞれ、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.01〜5質量%含まれることが好ましく、なかでも、それぞれ、50〜70質量%、20〜30質量%、及び0.1〜2質量%含まれることがより好ましい。
上記鎖状炭酸エステルが30質量%よりも小さい場合には、電解液の粘度が上昇し、加えて、低温で凝固してしまうため、充分な特性が得られなくなり、逆に80質量%よりの大きい場合には、リチウム塩の解離度/溶解度が低下し電解液のイオン電導度が低下してしまう。飽和環状炭酸エステルが10質量%よりも小さい場合には、リチウム塩の解離度/溶解度が低下し、電解液のイオン電導度が低下し、逆に50質量%よりの大きい場合には、電解液の粘度が上昇し、加えて、低温で凝固してしまうため、充分な特性が得られなくなる。
また、不飽和環状炭酸エステルが0.01質量%よりも小さい場合には、負極表面に良好な被膜が形成されなくなるためサイクル特性が低下し、逆に5質量%より大きい場合には、例えば、高温保存時に電解液がガス発生しやすい状態となり、電池内の圧力が上昇するなど実用上好ましくない状態になる。
本発明で使用される鎖状炭酸エステルとしては、例えば、総炭素数が3〜9の鎖状カーボネートが挙げられる。具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、n−ブチルイソブチルカーボネート、n−ブチル−t−ブチルカーボネート、イソブチル−t−ブチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、イソブチルメチルカーボネート、t−ブチルメチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、イソブチルエチルカーボネート、t−ブチルエチルカーボネート、n−ブチル−n−プロピルカーボネート、イソブチル−n−プロピルカーボネート、t−ブチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルイソプロピルカーボネート、イソブチルイソプロピルカーボネート、t−ブチルイソプロピルカーボネート等を挙げることができる。これらのなかで、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましいが、特に限定されるものではない。またこれら鎖状炭酸エステルは2種類以上混合してもよい。
本発明で使用される飽和環状炭酸エステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。このなかで、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートがより好ましく、プロピレンカーボネートを使用することにより、幅広い温度範囲にて安定した非水電解液を提供することができる。これら飽和環状炭酸エステルは2種類以上混合してもよい。
また、本発明で使用される不飽和環状炭酸エステルとしては、下記の一般式(I)で表されるビニレンカーボネート誘導体が挙げられる。
Figure 0006813956
上記一般式(I)において、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基である。なかでも、R及びRが水素(ビニレンカーボネートである)であるのが好ましい。
上記ビニレンカーボネート誘導体の具体例として、以下の化合物を挙げられる。ビニレンカーボネート、フルオロビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、フルオロメチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、プロピルビニレンカーボネート、ブチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ジプロピルビニレンカーボネートなどであるが、これらに限定されるものではない。
これらの化合物のなかでも、ビニレンカーボネートが効果的であり、かつコスト的にも有利である。なお、上記ビニレンカーボネート誘導体に関しては、少なくとも1種であり、単独又は、混合していることも可能である。
また、本発明で使用される別の不飽和環状炭酸エステルとしては、下記の一般式(II)で表されるアルケニルエチレンカーボネートが挙げられる。
Figure 0006813956
上記式(II)において、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は炭素数が2〜12のアルケニル基であり、その内少なくとも一つは炭素数が2〜12のアルケニル基である。なかでも、R〜Rのうちの一つがビニル基であり、残りが水素である場合((II)の化合物が4−ビニルエチレンカーボネート)が好ましい。
上記アルケニルエチレンカーボネートの具体例としては、4−ビニルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−メチルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−エチルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−n−プロピルエチレンカーボネートなどの化合物を挙げられる。
本発明で使用される非水溶媒には、上記の成分のほかに他の各種溶媒が含まれていてもよい。これらの他の各種溶媒として、例えば、環状カルボン酸エステル、総炭素数3〜9の鎖状エステル、総炭素数3〜6の鎖状エーテルなどが挙げられる。これらの他の各種溶媒は、非水電解液中、好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%含有される。
環状カルボン酸エステル(総炭素数が3〜9のラクトン化合物)としては、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等を挙げることができる。これらのなかで、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンがより好ましいが、特に限定されるものではない。またこれら環状カルボン酸エステルは2種類以上混合してもよい。
また、総炭素数3〜9の鎖状エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸−イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチルを挙げることができる。これらのなかで、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルが好ましい。
また、総炭素数3〜6の鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシメタン、エトキシメトキシエタン等を挙げることができる。これらのなかで、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンがより好ましいができる。
さらに、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどを使用することができる。
<リチウム塩>
本発明の非水電解液の溶質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩については、上記非水溶媒に溶解しうるものであれば特に限定はされない。その具体例として例えば、以下の通りである。
(A)無機リチウム塩:
LiPF、LiAsF、LiBF等の無機フッ化物塩、LiClO、LiBrO、LiIO、等の過ハロゲン酸塩など。
(B)有機リチウム塩:
LiCFSO等の有機スルホン酸塩、LiN(CFSO、LiN(FSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルキルスルホン酸イミド塩、LiC(CFSO等のパーフルオロアルキルスルホン酸メチド塩、LiPF(CF、LiPF(CF、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(C、LiPF(n−C、LiPF(n−C、LiPF(n−C、LiPF(iso−C、LiPF(iso−C、LiPF(iso−C、LiB(CF、LiBF(CF、LiBF(CF、LiBF(CF)、LiB(C、LiBF(C、LiBF(C、LiBF(C)、LiB(n−C、LiBF(n−C、LiBF(n−C、LiBF(n−C)、LiB(iso−C、LiBF(iso−C、LiBF(iso−C、LiBF(iso−C)等の一部のフッ素をパーフルオロアルキル基で置換した無機フッ化物塩フルオロホスフェート、パーフルオロアルキルの含フッ素有機リチウム塩が挙げられる。
本発明では、上記のなかでも、LiPF、LiBF、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)がより好ましい。またこれらリチウム塩は2種類以上混合してもよい。
本発明の非水電解液の溶質である、リチウム塩の濃度は、好ましくは0.5〜3モル/リットル、特には、0.7〜2モル/リットルが好適である。この濃度が低すぎると、絶対的な濃度不足により非水電解液のイオン伝導率で不十分であり、濃度が濃すぎると、粘度上昇のためイオン伝導率が低下し、また低温での析出が起こりやすくなるなども問題も生じるため、非水電解液電池の性能が低下し好ましくない。
<有機カルボン酸塩>
本発明の非水電解液には、下記の式(1)で表される有機カルボン酸塩が含有される。

((MOOC)−X)−A−Ye−B−(Z−(COOM) (1)

上記式(1)中、X、Y、Z、A、B、M、及びw、e、p、q、t、m、nは、上記に定義したとおりである。
なかでも、X、Y、Zは、それぞれ独立して、フェニレン基、又は炭素数が1〜6のアルキレン基が好ましい。A、Bはそれぞれ独立して、硫黄原子、2級アミノ基、又はシアノ基が好ましい。Mはアルカリ金属イオンが好ましく、特にリチウムイオンが好ましい。
また、w、e、p、q、t、m、nは0又は1〜4の整数であり、w+t≧1であり、e≦1、p+q≧1であり、m+n≧1である。)
なお、式(1)における、X、Y、及びZが、アルキレン基、又はフェニレン基である場合、これらの基の有する水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基又はシリル基で任意に置換されていてもよい。また、式(1)における、A及びBが2級アミノ基である場合、アミノ基の有する水素原子は、アルキル基又はシリル基で任意に置換されていてもよい。
上記有機カルボン酸塩としては、シアノ酢酸リチウム、アセトアミド酢酸リチウム、N-(2-シアノエチル)グリシンリチウム、ジメチルオキサミン酸リチウム、イミノ二酢酸二リチウム、N-メチルイミノ二酢酸二リチウム、ニトリロ三酢酸三リチウム、エチレンジアミン-N,N'-二酢酸二リチウム、エチレンジアミン四酢酸四リチウム、(アセチルチオ)酢酸リチウム、チオフェノキシ酢酸リチウム、3-(メチルメルカプト)プロピオン酸リチウム、2-メルカプトプロピオン酸、2,2'-チオジグリコール酸二リチウム、チオジこはく酸四リチウム、S-(カルボキシメチル)-L-システイン二リチウム、S-(カルボキシメチル)-L-システイン、3,3'-チオジプロピオン酸二リチウム、ジチオジグリコール酸二リチウム、2,2'-ジチオジプロピオン酸二リチウム、メチレンビス(チオグリコール酸)二リチウム、1,2-エチレンビス(チオグリコール酸)二リチウム、トリチオ炭酸ビス(カルボキシメチル)二リチウムなどが例示される。
なかでも、有機カルボン酸塩は、シアノ酢酸リチウム、イミノ酢酸二リチウム、ニトリロ三酢酸三リチウム、チオジグリコール酸二リチウム、3,3'-チオジプロピオン酸二リチウム、1,2-エチレンビス(チオグリコール酸)二リチウム又はメチレンビス(チオグリコール酸)二リチウムが好ましい。
本発明の非水電解液における有機カルボン酸塩の含有量は、好ましくは0.0001〜10質量%、さらに好ましくは0.001〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%が好適である。濃度が0.0001質量%未満では、抵抗低減効果が少なくなってしまう。一方、10質量%を超えた場合では、被膜抵抗が高くなり、寿命性能が悪くなり、好ましくない。
<第2の添加物質>
本発明の非水電解液中には、蓄電デバイスの寿命性能や抵抗性能を改善するために、上記特定の有機カルボン酸塩以外に第2の添加物質が含有されていてもよい。かかる第2の添加物質としては、含硫黄化合物(前記式(1)で表される有機カルボン酸塩を除く)、環状酸無水物、カルボン酸化合物、スルホン酸塩及び含ホウ素化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が使用できる。
上記含硫黄化合物としては、1,3−プロパンスルトン(PS)、プロペンスルトン、エチレンサルファイト、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンジスルホン酸ジメチル、メタンジスルホン酸ジエチル、メタンジスルホン酸ジプロピル、メタンジスルホン酸ビス(トリフルオロメチル)、メタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、メチレンメタンジスルホン酸、メタンジスルホン酸エチレン、メタンジスルホン酸プロピレン、エチレンジスルホン酸メチレン、エチレンジスルホン酸エチレン、エタンジスルホン酸ジメチル、エタンジスルホン酸ジエチル、エタンジスルホン酸ビス(トリフルオロメチル)、エタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、プロパンジスルホン酸ジメチル、プロパンジスルホン酸ジエチル、プロパンジスルホン酸メチレン、プロパンジスルホン酸エチレン、1,5−ナフタレンジスルホン酸ジメチル、ブタンジスルホン酸ジメチル、ブタンジスルホン酸ジエチル、5−ビニル−ヘキサヒドロ1,3,2−ベンゾジオキサチオール−2−オキシド、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、1,3−ブタンジオールジメタンスルホネート、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、ジビニルスルホン、1,2−ビス(ビニルスルホ二ル)メタン等が挙げられる。
上記環状酸無水物としては、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、フェニルコハク酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フルオロコハク酸無水物、テトラフルオロコハク酸無水物等のカルボン酸無水物、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,3−プロパンジスルホン酸無水物、1,4−ブタンジスルホン酸無水物、1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、テトラフルオロ−1,2−エタンジスルホン酸無水物、ヘキサフルオロ−1,3−プロパンジスルホン酸無水物、オクタフルオロ−1,4−ブタンジスルホン酸無水物、3−フルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、4−フルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物、3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物等が挙げられる。
上記カルボン酸化合物としては、シュウ酸リチウム、マロン酸リチウム、ジフルオロマロン酸リチウム、コハク酸リチウム、テトラフルオロコハク酸リチウム、アジピン酸リチウム、グルタル酸リチウム、アセトンジカルボン酸リチウム、2-オキソ酪酸リチウム、オキサル酢酸リチウム、2-オキソグルタル酸リチウム、アセト酢酸リチウム、3-オキソシクロブタンカルボン酸、3-オキソシクロペンタンカルボン酸、2-オキソ吉草酸リチウム、ピルビン酸リチウム、グリオキシル酸リチウム、 3,3-ジメチル-2-オキソ酪酸リチウム、2-ヒドロキシプロピオン酸リチウム、2-メチル乳酸リチウム、酒石酸リチウム、シアノ酢酸リチウム、2-メルカプトプロピオン酸リチウム、メチレンビス(チオグリコール酸)チオジこはく酸リチウム、3-(メチルチオ)プロピオン酸リチウム、3,3'-チオジプロピオン酸リチウム、ジチオジグリコール酸リチウム、2,2'-チオジグリコール酸リチウム、チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸リチウム、アセチルチオ酢酸リチウム等が挙げられる。
上記スルホン酸塩としては、リチウムイオン二次電池で使用される非水溶媒に溶解な化合物が好ましい。溶解性がある限り、その塩の種類は問われない。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄等の多価金属塩;テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のアンモニウム塩;ジメチルイミダゾリウム、ジメチルイミダゾリウム、エチルメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩;メチルピリジウム、エチルピリジウム等のピリジウム塩などが使用できる。上記のなかでも、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩が好ましい。メタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ヘキサフルオロメタンスルホン酸リチウム、1,3−プロパンスルホン酸リチウム、1,4−ブタンスルホン酸リチウム、1,1−メタンジスルホン酸ジリチウム、1,2−エタンジスルホン酸ジリチウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジリチウム、1−メチル−1,3−プロパンジスルホン酸ジリチウム、1,4−ブタンジスルホン酸ジリチウム、メトキシメタンジスルホン酸ジリチウム、エトキシメタンジスルホン酸ジリチウム、1,1−プロペ−2−イルジスルホン酸ジリチウム、1,1−メタンジスルホン酸ジナトリウム、1,2−エタンジスルホン酸ジナトリウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジナトリウム、1,4−ブタンジスルホン酸ジナトリウム、メトキシメタンジスルホン酸ジナトリウム、エトキシメタンジスルホン酸ジナトリウム、1,1−プロペ−2−イルジスルホン酸ジナトリウム、1,1−メタンジスルホン酸マグネシウム、1,2−エタンジスルホン酸マグネシウム、1,3−プロパンジスルホン酸マグネシウム、1,4−ブタンジスルホン酸マグネシウム、アニリン−2,5−ジスルホン酸リチウム、4,4‘−ビフェニルジスルホン酸リチウム等が挙げられる。
上記含ホウ素化合物としては、LiBF2(C24)、LiB(C242、LiBF2(CO2CH2CO2)、LiB(CO2CH2CO22、LiB(CO2CF2CO22、LiBF2(CO2CF2CO2)、LiBF3(CO2CH3)、LiBF3(CO2CF3)、LiBF2(CO2CH32、LiBF2(CO2CF32、LiBF(CO2CH33、LiBF(CO2CF33、LiB(CO2CH34、LiB(CO2CF34、Li227、Li22等が挙げられる。
上記の第2の添加物質は、それぞれの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、水電解液が第2の添加物質を添加する場合、第2の添加物質によっても異なるが、非水電解液における第2の添加物質の含有量は、0.01〜5質量%が、好ましくは、0.1〜2質量%であることが好ましい。
<蓄電デバイス>
本発明の非水電解液は、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、正極又は負極の一方が電池で他方が二重層であるハイブリッド型電池などの種々の蓄電デバイスにて使用できるが、以下は、その代表例のリチウムイオン二次電池について説明する。
負極を構成する負極活物質としては、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な炭素材料、金属リチウム、リチウム含有合金、又はリチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な酸化スズ、酸化シリコン、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属酸化物、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属窒素化合物、あるいはこれらの混合物のいずれをも用いることができる。なお、負極は、銅製の箔やエキスパンドメタルなどの集電体上に、負極活物質が形成された構成が一般的である。負極活物質の集電体への接着性を向上させるために例えば、ポリフッ化ビニリデン系バインダー、及びラテックス系のバインダーなどを含有してもよく、導電助剤としてカーボンブラック、アモルファスウイスカーカーボンなどを加えて使用してもよい。
負極活物質を構成する炭素材料としては、例えば、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。炭素材料は、黒鉛化したものでもよい。炭素材料としては、特にX線回折法で測定した(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましく、真密度が1.70g/cm以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用すると、非水電解液電池のエネルギー密度を高くすることができる。
さらに、上記炭素材料中にホウ素を含有するものや、金、白金、銀、銅、Sn、Si等金属で被覆したもの、あるいは非晶質炭素で被覆したもの等を使用することができる。これらの炭素材料は、1種類を使用してもよいし、2種類以上を適宜組み合わせ混合使用してもよい。
また、リチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、リチウムイオンのド−プ・脱ドープが可能な酸化スズ、酸化シリコン、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属酸化物を用いた場合は、いずれも上述の炭素質材料よりも重量あたりの理論容量が高く、好適な材料である。
一方、正極を構成する正極活物質は、充放電が可能な種々の材料から形成できる。例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、1種類以上の遷移金属を用いたリチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、オリビン型金属リチウム塩等が挙げられる。例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnOなどのLixMO(ここで、Mは1種以上の遷移金属であり、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.20である)で表される、リチウムと一種以上の遷移金属との複合酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物)や、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等の他の金属で置換した複合酸化物、FeS、TiS、V、MoO、MoSなどの遷移元素のカルコゲナイドあるいはポリアセチレン、ポリピロール等のポリマー等を使用することができるが、Liのドープ及び脱ドープが可能なリチウム遷移金属複合酸化物及び遷移金属原子の一部置換された金属複合酸化物材料が好ましい。
また、これら正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質が付着したものを用いることもできる。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物;硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
また、正極は、アルミニウム、チタン、若しくはステンレス製の箔、又はエキスパンドメタルなどの集電体上に、正極活物質が形成された構成が一般的である。正極活物質の集電体への接着性を向上させるために、例えば、ポリフッ化ビニリデン系バインダー、及びラテックス系のバインダー、正極内の電子伝導性を向上させるためにカーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどを含有してもよい。
セパレ−タは、正極と負極とを電気的に絶縁し、かつリチウムイオンが透過可能な膜が好ましく、例えば、微多孔性高分子フィルムなどの多孔性膜が使用される。微多孔性高分子フィルムとしては、特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、さらに具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムなどが好ましい。さらにセパレ−タとして、高分子電解質を使用することもできる。高分子電解質としては、例えばリチウム塩を溶解した高分子物質や、電解液で膨潤させた高分子物質なども使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の非水電解液は、該非水電解液により高分子物質を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよく、また、多孔性ポリオレフィンフィルムと高分子電解質を併用した形のセパレータに非水電解液をしみこませてもよい。
本発明の非水電解液を使用したリチウムイオン二次電池の形状については特に限定されることはなく、円筒型、角型、アルミラミネート型、コイン型、ボタン型など種々の形状にすることができる。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内での変更が可能である。
<電解液1−1〜1−8の調製>
基準電解液1−1として、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)の混合溶媒(体積混合比が30:68:2)に、リチウム塩としてLiPF6を1mol/リットルの濃度にて含有、溶解させて調製した。
次に、この基準電解液1−1に、表1に示す化合物を所定量添加し、電解液1−2〜1−8を調製した。
Figure 0006813956
<電解液2−1〜2−13の調製>
基準電解液2−1として、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)の混合溶媒(体積混合比が30:68:2)に、リチウム塩としてLiPFを1mol/リットルの濃度になるように加えた後、ビニレンカーボネート(VC)を0.5%加え、溶解させて調製した。
次に、この基準電解液2−1に、チオジプロピオン酸リチウムを所定量添加し、電解液2−2〜2−7を調製した。
続いて、この基準電解液2−1に、チオジプロピオン酸リチウムを0.1%添加し、表2に示した化合物を所定量添加し、電解液2−8〜2−13を調製した。
Figure 0006813956
<電池の作製>
アルミニウム集電体に正極合材を塗布してなる正極と、銅集電体に負極合材を塗布してなる負極とがセパレータを介して巻回された扁平巻状電極群と非水電解液とをケースに収納した幅30mm×高さ30mm×厚さ3.0mmの形状を有する電池セルを作製した。
正極は、結着剤であるポリフッ化ビニリデン5質量%と、導電剤であるアセチレンブラック4質量%と、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルトの複合酸化物粉末である正極活物質LiNi0.5Mn0.3Co0.2 91質量%と、を混合してなる正極合材に、N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製し、これを厚さ18μmのアルミニウム箔集電体両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって作製した。
負極は、人造黒鉛化性炭素粉末95.8質量%、バインダーであるスチレンブタジエンゴム(SBR)2.0質量%及びカルボキシメチルセルロース2.2質量%水溶液を混合し、分散媒に水を用いてスラリーを調製し、このスラリーを厚さ12μmの銅箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって作製した。セパレータには、ポリエチレン微多孔膜を用いた。
上記で作製した電池セルを用いて、以下のような手順で電池を作製した。
a.各種電解液を0.7g量り採り、電池セルの注液口に注液し、減圧したのち注液口を封口した。
b.封口した電池セルを45℃雰囲気下に保った状態で、4.3Vまで12mAで充電した後、3.0Vまで12mAで放電した。
c.3.0Vまで放電した電池セルの内部ガスを減圧除去し電池を作製した。
<電池評価>
上記で作製した電池について、以下のように充放電特性を測定した。
(1)抵抗評価
25℃にて、SOC50%まで充電し、其々の環境下にて、それぞれ0.2C、0.5C、1.0C、2.0Cで10秒間放電して、直流抵抗値を求めた。
(2)容量維持率
45℃雰囲気下にて1Cレートで4.2Vまで充電した後、同雰囲気下で1Cレートで3.0Vまで放電し、その放電容量値を初期容量値とした。次いで、同条件で、300回を繰り返し、300回目の放電容量値をサイクル後容量値とした。この初期容量値及びサイクル後容量値より下記式を用いて容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(サイクル後容量値/初期容量値)×100 (1)
<実施例1〜19>
上述の表1に示した1−1〜1−8の非水電解液、表2に示した2−1〜2−13の非水電解液を用いて、上記の電池作製手順を用いて、其々実施例1〜7及び比較例1、実施例8〜19及び比較例2のラミネート電池を作製し、25℃、雰囲気下で初期抵抗値を求め、その初期抵抗値を表3に示す。
次に、45℃の雰囲気中、1Cレートで4.2Vまでの充電と3.0Vまでの放電を300回繰り返し、初期容量値と300回後のサイクル後放電容量値から容量維持率を求め、その結果を表3に示す。
Figure 0006813956
表3に示すように、カルボン酸リチウム塩を添加することで直流抵抗の低減効果及びサイクル容量維持率の向上効果がある。さらに別の添加剤との複合使用では更なる容量維持率の改善がある。
本発明の水電解液は、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコなどの各種民生用機器用電源、産業機器用電源、蓄電池、自動車用電源などの蓄電デバイス用に広く使用される。

Claims (9)

  1. 非水溶媒に電解質を溶解してなる蓄電デバイス用非水電解液であって、
    前記非水溶媒が鎖状炭酸エステル、飽和環状炭酸エステル、及びビニレンカーボネートを、それぞれ、30〜80質量%、10〜50質量%、及び0.01〜5質量%含有し、前記電解質が前記非水溶媒に溶解するリチウム塩であり、かつ、下記の式(1)で表される有機カルボン酸塩を含有することを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液。

    ((MOOC)−X)−A−Ye−B−(Z−(COOM)・・・(1)

    (但し、X、Y、Zは、それぞれ独立して、フェニレン基又は炭素数が1〜6のアルキレン基である。A、Bは硫黄原子である。Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、多価金属イオン、イミダゾリウムイオン又はピリジニウムイオンである。w、e、p、q、t、m、nは0又は1〜4の整数であり、w+t≧1であり、e≦1、p+q≧1であり、m+n≧1である。)
  2. 前記有機カルボン酸塩が、チオジグリコール酸二リチウム、3,3'-チオジプロピオン酸二リチウム、1,2-エチレンビス(チオグリコール酸)二リチウム、又はメチレンビス(チオグリコール酸)二リチウムである請求項1に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  3. 前記有機カルボン酸塩を0.0001〜10質量%含有する請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  4. さらに、スルホン酸塩、含硫黄化合物、又はホウ素塩からなる第2の添加物を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  5. さらに、環状酸無水物、スルホン酸塩、又はスルホン酸エステルからなる第2の添加物を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  6. 前記第2の添加物を0.01〜5質量%含有する請求項又はに記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  7. 前記リチウム塩が、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、及びLiN(CFSO)(CSO)の群より選ばれる少なくとも1種のリチウム塩である請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用非水電解液を使用する蓄電デバイス。
  9. 蓄電デバイスがリチウム二次電池である請求項に記載の蓄電デバイス。
JP2016053442A 2016-03-17 2016-03-17 蓄電デバイス用非水電解液 Active JP6813956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016053442A JP6813956B2 (ja) 2016-03-17 2016-03-17 蓄電デバイス用非水電解液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016053442A JP6813956B2 (ja) 2016-03-17 2016-03-17 蓄電デバイス用非水電解液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017168344A JP2017168344A (ja) 2017-09-21
JP6813956B2 true JP6813956B2 (ja) 2021-01-13

Family

ID=59914023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016053442A Active JP6813956B2 (ja) 2016-03-17 2016-03-17 蓄電デバイス用非水電解液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6813956B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112652817B (zh) * 2021-01-04 2022-09-16 吴翠云 一种锂离子电池电解液及锂离子电池

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4305277B2 (ja) * 2004-05-18 2009-07-29 堺化学工業株式会社 リチウム二次電池のための電極界面保護皮膜形成剤とリチウム二次電池
US8168330B2 (en) * 2006-04-11 2012-05-01 Enerdel, Inc. Lithium titanate cell with reduced gassing
JP4952680B2 (ja) * 2008-08-05 2012-06-13 ソニー株式会社 リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用負極
GB2508218A (en) * 2012-11-26 2014-05-28 Leclanch S A Electrode for the reduction of gassing in lithium titanate cells
WO2016178957A1 (en) * 2015-05-04 2016-11-10 Basf Corporation Electrochemical hydrogen storage electrodes and cells

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017168344A (ja) 2017-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7421199B2 (ja) 蓄電デバイス用電解質及び非水電解液
JP2017168347A (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
KR101073233B1 (ko) 비수 전해액 및 이를 포함하는 전기화학소자
JP6081264B2 (ja) 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び、蓄電デバイス
JP2003151623A (ja) 非水系二次電池
JP2017152262A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2009176534A (ja) 非水電解質二次電池
JP2009245828A (ja) 非水電解質二次電池
JP2016051600A (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
JP2006172721A (ja) 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池
CN108352572B (zh) 非水电解液用添加剂、非水电解液及蓄电装置
JP2019169305A (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
JP2019169302A (ja) 蓄電デバイス用電解質及び非水電解液
JP6915964B2 (ja) リチウムイオン二次電池用非水電解液
JP6081262B2 (ja) 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び、蓄電デバイス
JP7101965B2 (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
JP7084607B2 (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
JP2009245830A (ja) 非水電解質及び該非水電解質を含む非水電解質二次電池
JP6813956B2 (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
JP7060777B2 (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
JP2015191808A (ja) 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び、蓄電デバイス
WO2018179883A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP2019169363A (ja) 蓄電デバイス用電解質及び非水電解液
KR20200039691A (ko) 비수전해액용 첨가제, 비수전해액, 및 축전 디바이스

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6813956

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250