JP2009176534A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能である正極及び負極と、非水電解質とを有する。非水電解質は、リチウム塩としてLiBOB(リチウムビスオキサレートボレート)又はLiFOB(リチウムジフルオロオキサレートボレート)を、非水電解質の総質量に対して0.01質量%以上3質量%以下含有し、更に特定の鎖状エーテル化合物を、前記非水電解質の総質量に対して、0.01質量%以上5質量%以下含有する事を特徴とする。前記鎖状エーテル化合物としては、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1,1−トリフルオロエタンが使用できる。
【選択図】なし
Description
これらの要求を満たす二次電池として、非水電解質を含む非水電解質二次電池が挙げられる。
非水電解質二次電池の代表例として、リチウムイオン二次電池が挙げられる。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能である活物質からなる負極と、遷移金属酸化物、弗化黒鉛、及びリチウムと遷移金属との複合酸化物等からなる正極と、非水電解質とを有する。非水電解質は、非プロトン性有機溶媒にLiBF4 、LiPF6 、LiClO4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 、Li2 SiF6 等のリチウム塩を混合してなる。
特許文献2には、非水電解質に、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)と不飽和スルトン化合物とを含む非水電解質二次電池の発明が開示されている。
特許文献3には、非水電解質に、LiFOB又はLiBOBと、芳香族化合物とを含む非水電解質二次電池の発明が開示されている。
特許文献4には、非水電解質に、ビニレンカーボネート(VC)及びフッ素化鎖状エーテル系化合物を含む非水電解質二次電池の発明が開示されている。
しかし、リチウムイオン二次電池用のリチウム塩として一般的に用いられているLiPF6 と比較して、イオン伝導度が低いため、低温放電性能が低いという問題がある。
また、前記電池は、高温放置した場合に著しく膨れるという問題がある。これは、高温下で放置された際に、ホウ素を含むリチウム塩が正極で酸化分解されて、ガスが発生したことが原因と考えられる。
特許文献3の電池は、酸化防止剤としての芳香族化合物を含むので、高温放置時の電池の膨れが抑制されているが、高温で充放電を繰り返した場合に芳香族化合物が分解し、正極表面及びセパレータに芳香族化合物の重合物が多量に付着して抵抗が高くなり、高温時のサイクル寿命性能が低下するという問題がある。
特許文献4の電池は、フッ素化鎖状エーテル系化合物を添加することで、VCの酸化分解反応が抑制され、初期放電容量の低下、及び高温放置時の電池の膨れが抑制されるが、高温時のサイクル寿命性能が低いという問題がある。
MはB又はP、
mは0〜4、
nは0又は1、
pは1又は2、
R1 はハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は炭素数1〜10のハロゲン化アルコキシ基(これらのアルキル基及びアルコキシ基は、構造中に置換基、ヘテロ原子を含み得る)、
R2 は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数4〜20のアリーレン基、又は炭素数4〜20のハロゲン化アリーレン基(これらのアルキレン基及びアリーレン基は、構造中に置換基、ヘテロ原子を含み得る)。
R3 及びR5 は、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、
R4 は、炭素数1〜12のアルキレン基、又は炭素数1〜12のハロゲン化アルキレン基。
本発明においては、非水電解質に前記鎖状エーテル化合物を前記範囲内で添加しているので、高温放置時に、前記リチウム塩が正極上で分解して、多量のガスが発生し、電池が膨れるのが抑制される。これは、前記リチウム塩より酸化分解電位が低い前記鎖状エーテル化合物が先に酸化分解し、正極電位が低下するとともに、正極に保護被膜が形成されるので、正極表面における前記リチウム塩の酸化分解が抑制され、酸化分解に伴うガスの発生が抑制されためと考えられる。
そして、前記リチウム塩の添加により、負極表面に安定な保護被膜が形成され、前記鎖状エーテル化合物の添加により、正極表面に安定な保護被膜が形成され、正極及び負極の被膜改質の相乗効果により高温時のサイクル寿命性能が良好である。前記鎖状エーテル化合物によって、特許文献3の芳香族化合物のように、正極及びセパレータに、多量に高抵抗の被膜が形成されることはない。
前記鎖状エーテル化合物の含有量が0.01質量%未満である場合、高温放置時の電池膨れ抑制効果、及び正極表面の被膜改質による高温時のサイクル寿命性能の向上効果が充分に得られない。また、前記含有量が5質量%を超えた場合、高温放置時に、鎖状エーテル化合物の酸化分解に由来するガスの発生量が多くなるため、電池厚みが厚くなる。また、正極の被膜改質効果が大きく、高温時に充放電を繰り返したときに正極が劣化しないため、正負極の充放電バランスが崩れて、負極の劣化が進行し、高温時のサイクル寿命性能が低下する。従って、前記含有量は0.01質量%以上5質量%以下とする。
そして、前記リチウム塩の非水電解質の総質量に対する質量%が前記範囲内であるので、負極表面の被膜改質による高温時のサイクル寿命性能の向上効果が充分に得られ、高温放置時の電池の膨れがさらに良好に抑制される。すなわち、前記リチウム塩の含有量が前記範囲内である場合、前記鎖状エーテル化合物の含有量が上述の範囲内であることと相まって、正極及び負極の劣化がバランスよく抑制され、高温放置時の電池の膨れが小さく、かつ高温時のサイクル寿命性能が良好になる。そして、初充放電サイクル時の不可逆容量が小さくなり、良好な初期放電容量を有する。
前記R4 は、炭素数1〜7のアルキレン基、又は炭素数1〜7のハロゲン化アルキレン基であることを特徴とする。
そして、正極及び負極に安定な保護被膜が形成され、正極及び負極の劣化がバランスよく抑制されて、高温時のサイクル寿命性能が良好になる。
本発明の非水電解質二次電池(以下、電池という)は、正極、負極、セパレータ及び非水電解質を有する。
本発明に係る非水電解質は、前記化1で表されるリチウム塩を含有する。
化1のR2 のアルキレン及びアリーレンは、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含み得るが、具体的には、アルキレン及びアリーレン上の水素の代わりにハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、水酸基が導入された構造、また、アルキレン及びアリーレン上の炭素の代わりに、窒素、イオウ、酸素が導入された構造等を挙げることができる。
nは0又は1であるが、特に、0の場合は五員環になり、安定性が増すので好ましい。
また、mは0から2であるのが好ましい。
前記リチウム塩の含有量が0.01質量%以上3質量%以下である場合、負極表面の被膜改質による高温時のサイクル寿命性能の向上効果が充分に得られ、良好な初期放電容量を有し、高温放置時の電池の膨れが良好に抑制される。
ここで、化2のR3 、及びR5 は飽和アルキル基、不飽和アルキル基のいずれであってもよいが、炭素数が1以上7以下であるのが好ましい。またR4 は飽和アルキレン基、不飽和アルキレン基のいずれであってもよいが、炭素数が1以上7以下であるのが好ましい。分子量が大きい場合、粘性が高くなり、非水電解質に混合した際に充放電性能が低下する。
そして、アルキル基及びアルキレン基の水素原子の少なくとも一部がハロゲンにより置換されたハロゲン化エーテル化合物を使用することができる。なかでも、フッ素化エーテル化合物を使用することが好ましい。理由は明らかではないが、水素原子の一部をハロゲン(フッ素)置換することでガス発生抑制効果が高くなることが確認されている。
具体的には、2−(メトキシメトキシ)−1,1,1−トリフルオロエタン、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1,1−トリフルオロエタン(TFEME)、1−メトキシ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパン、2−(2−エトキシエトキシ)−1,1,1−トリフルオロエタン等が挙げられる。
前記鎖状エーテル化合物は、単独で使用されてもよく、2種以上の化合物が混合されていてもよい。
前記鎖状エーテル化合物としては、ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)、前記TFEMEからなる群から選択されるのが好ましい。
前記含有量が前記範囲内である場合、正極表面の被膜改質によるサイクル寿命性能の向上効果が充分に得られ、高温放置時の電池の膨れが良好に抑制される。
環状の非プロトン性溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)等の環状カーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、スルホラン等の環状スルホンが例示される。
鎖状の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)等の鎖状カーボネート、プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステルが例示される。
環状カーボネートの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、トランス−2,3−ブチレンカーボネート、シス−2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、トランス−2,3−ペンチレンカーボネート、シス−2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。
これらのうち、誘電率が高いエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが好ましい。負極活物質に黒鉛を使用する場合、エチレンカーボネートを使用するのがさらに好ましい。また、これらの環状カーボネートは2種以上混合して使用してもよい。
また、VC、ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート等の不飽和結合含有カーボネートを適宜添加してもよい。これにより、溶媒のエステル交換反応が抑制され、常温充放電のサイクル寿命性能が良好になる。
リチウム塩の具体例としては、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiAsF6 Li2 SiF6 、LiOSO2 Ck F(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiN(SO2 Ck F(2k+1))2 (k=1〜8の整数)、LiPFn (Ck F(2k+1))(6-n)(n=1〜5、k=1〜8の整数)、LiBFn Ck F(2k+1)(n=1〜3、k=1〜8の整数)等が挙げられる。
また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。
LiC(SO2 R11)(SO2 R12)(SO2 R13)
LiN(SO2 OR14)(SO2 OR15)
LiN(SO2 R16)(SO2 OR17)
(式中、R11〜R17は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)。
これらのリチウム塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
これらのうち、特に、LiPF6 、LiBF4 、LiN(SO2 Ck F(2k+1))2 (k=1〜8の整数)が好ましい。
本発明の電池に用いられる正極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な化合物である、組成式Lix MO2 、Liy M2 O4 (但し、Mは遷移金属から選ばれる一種又は複数種、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される複合酸化物、トンネル構造及び層状構造の金属カルコゲン化物又は金属酸化物を用いることができる。その具体例としては、LiCoO2 、LiCox Ni1-x O2 、LiMn2 O4 、Li2 Mn2 O4 、MnO2 、FeO2 、V2 O5 、V6 O13、TiO2 、TiS2 等が挙げられる。
また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。 さらに、無機化合物及び有機化合物を問わず、上記各種の活物質を混合して用いてもよい。
粒状の正極活物質を用いる場合には、正極は、例えば、正極活物質粒子と導電助剤と結着剤とからなる合剤をアルミニウム等の金属集電体上に形成することで作製される。
本発明の負極活物質には、金属リチウム、リチウム合金、リチウムの吸蔵放出が可能な炭素材料等、一般に知られているものすべてを使用することができる。この負極活物質としては、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金、LiFe2 O3 、WO2 、MoO2 、SiO、CuO等の金属酸化物、グラファイト、カーボン等の炭素質材料、Li3 N等の窒化リチウム、若しくは金属リチウム、又はこれらの混合物を用いることができる。
本発明のセパレータとしては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。中でもポリエチレン及びポリプロピレン製の微多孔膜、又はこれらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が、厚み、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
また、高分子固体電解質等の固体電解質を用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。
さらに、合成樹脂微多孔膜と高分子固体電解質等とを組み合わせて使用してもよい。この場合、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに溶液状の電解質を含有させることにしてもよい。
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池(電池)1を示す断面図である。図1において、電池1は角型の電池であり、電極群2、負極3、正極4、セパレータ5、電池ケース6、電池蓋7、安全弁8、負極端子9、及び負極リード10を備える。電極群2は、負極3と正極4とをセパレータ5を介して扁平状に巻回して得られる。電極群2及び非水電解質は電池ケース6に収納され、電池ケース6の開口部は、安全弁8が設けられた電池蓋7をレーザー溶接することで密閉されている。負極端子9は負極リード10を介して負極3と接続され、正極4は電池ケース6の内面と接続されている。
まず、正極活物質としてのLiCoO2 94質量%と、導電助剤としてのアセチレンブラック3質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン3質量%とを混合して正極合剤とし、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させることによりペーストを調整した。このペーストを厚み15μmのアルミニウム集電体に均一に塗布して乾燥させた後、正極合剤層の密度が3.6g/cm3 になるように、ロールプレスで圧縮成形することにより正極4を得た。
まず、負極活物質としての黒鉛96質量%と、結着剤としてのカルボキシメチルセルロース2質量%と、スチレンブタジエンゴム2質量%とを混合し、蒸留水を適宜加えて分散させ、スラリーを調整した。この調整したスラリーを厚み10μmの銅集電体に均一に塗布して、乾燥させた後、負極合剤層の密度が1.6g/cm3 となるように、ロールプレスで圧縮成形することにより負極3を得た。
非水電解質の総質量に対してDMEを0.1質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例3)
非水電解質の総質量に対してDMEを0.5質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例4)
非水電解質の総質量に対してDMEを1.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例5)
非水電解質の総質量に対してDMEを2.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対してDMEを3.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例7)
非水電解質の総質量に対してDMEを4.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例8)
非水電解質の総質量に対してDMEを5.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対し、化1で表されるリチウム塩としてLiFOBを1.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例10)
非水電解質の総質量に対してDMEを0.1質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
(実施例11)
非水電解質の総質量に対してDMEを0.5質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
(実施例12)
非水電解質の総質量に対してDMEを1.0質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
(実施例13)
非水電解質の総質量に対してDMEを2.0質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対してDMEを3.0質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
(実施例15)
非水電解質の総質量に対してDMEを4.0質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
(実施例16)
非水電解質の総質量に対してDMEを5.0質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対し、化2で表される鎖状エーテル化合物としててDEEを0.01質量%添加し、それ以外は、実施例9と同様にして電池を作製した。ここで、前記DEEとして、1,2−ジエトキシエタンを用いた。
(実施例18)
非水電解質の総質量に対してDEEを0.1質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
(実施例19)
非水電解質の総質量に対してDEEを0.5質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
(実施例20)
非水電解質の総質量に対してDEEを1.0質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
(実施例21)
非水電解質の総質量に対してDEEを2.0質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対してDEEを3.0質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
(実施例23)
非水電解質の総質量に対してDEEを4.0質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
(実施例24)
非水電解質の総質量に対してDEEを5.0質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対し、化2で表される鎖状エーテル化合物としてTFEMEを0.01質量%添加し、それ以外は、実施例9と同様にして電池を作製した。
(実施例26)
非水電解質の総質量に対してTFEMEを0.1質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
(実施例27)
非水電解質の総質量に対してTFEMEを0.5質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
(実施例28)
非水電解質の総質量に対してTFEMEを1.0質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
(実施例29)
非水電解質の総質量に対してTFEMEを2.0質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対してTFEMEを3.0質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
(実施例31)
非水電解質の総質量に対してTFEMEを4.0質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
(実施例32)
非水電解質の総質量に対してTFEMEを5.0質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対してLiBOBを0.01質量%、DMEを1.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例34)
非水電解質の総質量に対してLiBOBを0.1質量%添加し、それ以外は実施例33と同様にして電池を作製した。
(実施例35)
非水電解質の総質量に対してLiBOBを0.5質量%添加し、それ以外は実施例33と同様にして電池を作製した。
(実施例36)
非水電解質の総質量に対してLiBOBを2.0質量%添加し、それ以外は実施例33と同様にして電池を作製した。
(実施例37)
非水電解質の総質量に対してLiBOBを3.0質量%添加し、それ以外は実施例33と同様にして電池を作製した。
(実施例38)
非水電解質の総質量に対してLiBOBを4.0質量%添加し、それ以外は実施例33と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対してLiFOBを0.01質量%と、DMEを1.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例40)
非水電解質の総質量に対してLiFOBを0.1質量%添加し、それ以外は実施例39と同様にして電池を作製した。
(実施例41)
非水電解質の総質量に対してLiFOBを0.5質量%添加し、それ以外は実施例39と同様にして電池を作製した。
(実施例42)
非水電解質の総質量に対してLiFOBを2.0質量%添加し、それ以外は実施例39と同様にして電池を作製した。
(実施例43)
非水電解質の総質量に対してLiFOBを3.0質量%添加し、それ以外は実施例39と同様にして電池を作製した。
(実施例44)
非水電解質の総質量に対してLiFOBを4.0質量%添加し、それ以外は実施例39と同様にして電池を作製した。
非水電解質に、化1で表されるリチウム塩及び化2で表される鎖状エーテル化合物は添加せず、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
(比較例2)
非水電解質の総質量に対して、LiBOBを1.0質量%添加し、それ以外は比較例1と同様にして電池を作製した。
(比較例3)
非水電解質の総質量に対してDMEを6.0質量%添加し、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対して、LiFOBを1.0質量%添加し、それ以外は比較例1と同様にして電池を作製した。
(比較例5)
非水電解質の総質量に対してDMEを6.0質量%添加し、それ以外は実施例9と同様にして電池を作製した。
(比較例6)
非水電解質の総質量に対してDEEを6.0質量%添加し、それ以外は実施例17と同様にして電池を作製した。
非水電解質の総質量に対してTFEMEを6.0質量%添加し、それ以外は実施例25と同様にして電池を作製した。
(比較例8)
非水電解質の総質量に対してDMEを1.0質量%添加し、それ以外は比較例1と同様にして電池を作製した。
上述した各実施例及び各比較例の電池に対して、初期放電容量を測定した。各実施例及び各比較例の電池をそれぞれ5セルずつ作製し、各電池につき、25℃の恒温槽中で、800mAの電流で4.2Vまで3時間、定電流定電圧充電を行い、その後800mAの電流で2.75Vまで放電を行い、放電容量を測定し、5セルの平均値を求めた。
25℃の恒温槽中で800mAの電流で4.2Vまで3時間、定電流定電圧充電をし、電池厚みを測定した後、80℃の恒温槽中で48時間放置して電池厚みを測定し、放置の前後における電池厚みの差(厚みの増加量)を求めた。
25℃の恒温槽中で、800mAの電流で4.2Vまで3時間、定電流定電圧充電を行い、800mAの電流で2.75Vまで放電を行い、初期放電容量を求めた。この初期放電容量の測定と同一の条件で、45℃の恒温槽中で充放電のサイクルを500サイクル繰り返した。充放電を500サイクル繰り返した後の電池を25℃で3時間以上冷却させ、25℃の恒温槽中で、初期放電容量の測定と同様にして、放電容量を求めた。そして、容量保持率を以下の算出式により求めた。
容量保持率(%)=(サイクル試験後の25℃の放電容量)÷(初期放電容量)×100
表1より、比較例1の電池は前記サイクル試験後の容量保持率が47%と低いのに対し、非水電解質にLiBOBを添加した比較例2の電池は83%まで向上しているが、高温放置時の電池厚みの増加量が1.19mmであり、電池の膨れが大きくなっていることが分かる。
これに対し、LiBOBに加え、DMEを添加した実施例1〜8、及び比較例3の電池は、電池厚みの増加量が1mm以下と小さくなっている。
そして、実施例1〜8は前記容量保持率も69%以上と良好であるが、DMEを6.0質量%添加した比較例3の電池は、容量保持率が61%と低下していることが分かる。これは、正極の被膜改質効果が大きく、高温時に充放電を繰り返した場合に正極が劣化しないので、負極の劣化が進行し、サイクル寿命性能が低下したためと考えられる。
容量保持率は65%以上であるのが好ましいので、DMEの含有量は0.01質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましい。
表2より、比較例1の電池は高温での充放電サイクル試験後の容量保持率が47%と低いのに対し、非水電解質にLiFOBを添加した比較例4の電池は81%まで向上しているが、電池厚みの増加量が1.12mmであり、電池の膨れが大きくなっていることが分かる。
これに対し、LiFOBに加え、DMEを添加した実施例9〜16、及び比較例5の電池は、電池厚みの増加量が1mm以下と小さくなっている。
そして、実施例9〜16は前記容量保持率も72%以上と良好であるが、DMEを6.0質量%添加した比較例5の電池は、容量保持率が63%と低下していることが分かる。 従って、DMEの含有量は0.01質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましいことが分かる。
表3より、LiFOBに加え、DEEを添加した実施例17〜24、及び比較例6の電池は、比較例4と比較して、電池厚みの増加量が1mm以下と小さくなっていることが分かる。
そして、実施例17〜24は前記容量保持率も65%以上と良好であるが、DEEを6.0質量%添加した比較例6の電池は、容量保持率が49%と低下していることが分かる。
従って、DEEの含有量は0.01質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましいことが分かる。
表4より、LiFOBに加え、TFEMEを添加した実施例25〜32、及び比較例7の電池は、比較例4と比較して、電池厚みの増加量が1mm以下と小さくなっていることが分かる。
そして、実施例25〜32は前記容量保持率も68%以上と良好であるが、DEEを6.0質量%添加した比較例6の電池は、容量保持率が59%と低下していることが分かる。
従って、TFEMEの含有量は0.01質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましいことが分かる。
表1と表3とを比較することにより、リチウム塩としてLiFOBを添加する場合、鎖状エーテル化合物としてDEEよりDMEを添加する方が、おおむね、電池厚みの膨れ防止効果がより高く、高温時のサイクル寿命性能がより良好であることが分かる。
表2と表4とを比較することにより、リチウム塩としてLiFOBを添加する場合、鎖状エーテル化合物としてDMEよりTFEMEを添加する方が電池厚みの膨れ防止効果がより高く、高温時のサイクル寿命性能はDMEを添加する方がより良好であることが分かる。
表5より、比較例8の電池は、充放電サイクル試験後の容量保持率が20%と低いのに対し、DMEに加え、LiBOBを添加した実施例33〜38、及び実施例4の電池は、前記容量保持率が62%以上に向上している。
しかし、LiBOBの含有量が4.0質量%である実施例38の場合、初期放電容量が821mAhと低く、電池厚みの増加量も大きい。LiBOBの含有量は0.01質量%以上3.0質量%以下である場合、初期放電容量が825mAh以上となり、電池厚みの増加量が略0.9mm以下になるので、LiBOBの含有量は前記範囲内であるのが好ましいことが分かる。
表6より、比較例8の電池は充放電サイクル試験後の容量保持率が20%と低いのに対し、DMEに加え、LiFOBを添加した実施例39〜44、及び実施例12の電池は、前記容量保持率が60%以上に向上している。
しかし、LiFOBの含有量が4.0質量%である実施例44の場合、初期放電容量が822mAhと低く、電池厚みの増加量も大きいので、LiFOBの含有量は0.01質量%以上3.0質量%以下であるのが好ましいことが分かる。
2 電極群
3 負極
4 正極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 負極端子
10 負極リード
Claims (4)
- リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能である正極及び負極と、非水電解質とを有する非水電解質二次電池において、
前記非水電解質は、
下記化1で表されるリチウム塩を含み、
下記化2で表される鎖状エーテル化合物を前記非水電解質の総質量に対して、0.01質量%以上5質量%以下含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
MはB又はP、
mは0〜4、
nは0又は1、
pは1又は2、
R1 はハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は炭素数1〜10のハロゲン化アルコキシ基(これらのアルキル基及びアルコキシ基は、構造中に置換基、ヘテロ原子を含み得る)、
R2 は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数4〜20のアリーレン基、又は炭素数4〜20のハロゲン化アリーレン基(これらのアルキレン基及びアリーレン基は、構造中に置換基、ヘテロ原子を含み得る)。
R3 及びR5 は、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、
R4 は、炭素数1〜12のアルキレン基、又は炭素数1〜12のハロゲン化アルキレン基。 - 前記R3 、及びR5 は、それぞれ炭素数1〜7のアルキル基、又は炭素数1〜7のハロゲン化アルキル基であり、
前記R4 は、炭素数1〜7のアルキレン基、又は炭素数1〜7のハロゲン化アルキレン基である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。 - 前記鎖状エーテル化合物は、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1,1−トリフルオロエタンからなる群から選択される請求項1乃至3のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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