JP5424816B2 - 周波数シンセサイザ - Google Patents
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また、この種の周波数シンセサイザには、位相ホールディング型D/A変換回路(以下、「PH−DAC」と称する)が実装されている(たとえば、非特許文献2参照)。
図24において、従来の周波数シンセサイザは、クロック信号源101と、位相アキュムレータ(位相ACC)102と、振幅位相変換回路103と、上記非特許文献2に記載のPH−DAC104とを備えている。なお、ここでは図示しないが、周波数シンセサイザの出力側には、所望波以外の不要波を除去するためのフィルタが設けられている。
まず、位相アキュムレータ102に対して、中間周波数(出力周波数)fdを決定するLビットの制御信号kと、クロック信号源101からのクロック信号(クロック周波数fck)とが入力される。
また、PH−DAC104に対しては、振幅位相変換回路103からのデジタル信号Aと、クロック信号とが入力される。
振幅位相変換回路103は、位相データθに対応した正弦波(または、余弦波)の振幅を表すデジタル信号Aを生成してPH−DAC104に入力する。
PH−DAC104は、クロック信号に同期して、デジタル信号Aに応じた電圧波形のアナログ信号Bを生成して外部に出力する。
図25において、PH−DAC104は、乗算回路105、106と、マルチプレクサ(MUX)107と、D/A変換回路(DAC)108とを備えている。
D/A変換回路108は、クロック信号に同期して、デジタル信号Aに応じた電圧波形のアナログ信号Bを外部に出力する。
図27において、PH−DAC104を用いた周波数シンセサイザの所望波は、クロック周波数fckと中間周波数fdとの差(=fck−fd)で表され、高周波のクロック周波数fckの近傍となる。
このとき、周波数シンセサイザから出力される所望波の周波数(fck−fd)が高くなるほど、最終的な出力周波数までの周波数変換が容易となる利点がある。
したがって、周波数シンセサイザの出力側に設けられたフィルタを介して不要波のみを除去しようとしても、所望波まで除去されてしまうことになる。
また、狭帯域で遮断特性が急峻なフィルタを使用して不要波を除去しようとすると、この種のフィルタは通常フィルタよりもサイズが大きいので、フィルタを含めた周波数シンセサイザ全体のサイズが大きくなるという課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1に係る周波数シンセサイザを示すブロック構成図である。
図1において、周波数シンセサイザは、クロック信号源1と、第1および第2のD/A変換器(以下、単に「DAC」という)10、11と、90度電力分配回路12と、合成回路13と、デジタル振幅データ生成回路50とを備えている。
ただし、図1に示す周波数シンセサイザから出力されるアナログ信号の周波数は、クロック周波数fckに依存しないので、クロック信号源1は、固定のクロック周波数fckを生成する水晶発振器であってもよく、または、周波数を可変設定する周波数シンセサイザであってもよい。
まず、デジタル振幅データ生成回路50は、クロック信号源1からクロック信号C(クロック周波数fck)を受けるごとに動作して、中間周波数fdを決定する制御信号k(Lビット)を累積加算する。
また、デジタル振幅データ生成回路50は、累積加算値が上限値(2L−1)以上に到達すると、オーバーフロー処理を行い、新しい累積加算値を「累積加算値−2L」とする。
クロック信号C1、C2は、それぞれ、DAC10、11が動作する際のクロック周期Ts(標本化周期)を決定する。
また、DAC11は、クロック信号C2に同期して、デジタル信号A2に応じた電圧波形の第2のアナログ信号B2(以下、単に「アナログ信号」という)を合成回路13に入力する。
また、アナログ信号B1、B2は、それぞれ、以下の式(1)、式(2)で与えられる。
B2=cos(2π・fd・t)*F2(t) ・・・(2)
また、式(1)中の関数F1(t)は、デジタル信号A1からアナログ信号B1に変換する際の電圧ホールド特性を表し、式(2)中の関数F2(t)は、デジタル信号A2からアナログ信号B2に変換する際の電圧ホールド特性を表している。
図2および図3の時間特性からなる電圧ホールド特性F1(t)、F2(t)の周波数特性F1(ω)、F2(ω)は、それぞれ、以下の式(3)、式(4)で与えられる。
F2(ω)=2δ/ω・sinω(0.75Ts)−2(γ+δ)/ω・sinω(0.25Ts) ・・・(4)
図4において、横軸はクロック周波数fckで正規化した周波数を示し、縦軸は振幅特性|F1(ω)|、|F2(ω)|(計算値の一例)を示し、実線は|F1(ω)|を、白丸を付した線は|F2(ω)|を示している。
図4に示すように、係数α〜δを適切値に設定することにより、振幅特性|F1(ω)|および|F2(ω)|をほぼ一致させることができる。
図5において、アナログ信号B1、B2に含まれる所望波は、それぞれ同相(位相差=0)の関係にあり、アナログ信号B1、B2に含まれる不要波は、それぞれ逆相(位相差=π)の関係にある。
したがって、合成回路13で加算処理を行うことにより、所望波は、同相合成されるのでレベルが増加するが、不要波は、逆相合成されるのでレベルが低減する。
図6(a)、図6(b)から明らかなように、アナログ信号B1とアナログ信号B2とは等振幅である。
なお、図6(c)においては、高周波数帯(1.8付近)において抑圧されない不要波が存在するが、所望波に対して十分に離れた帯域なので、周波数シンセサイザの出力側に設けられたフィルタにより容易に抑圧することができる。
上記構成により、合成回路13から出力されるアナログ信号B3においては、所望波に近接する不要波を確実に抑圧することができる。
この場合も、所望波は同相合成され、不要波は逆相合成されるので、所望波のレベルは増加し、不要波のレベルは低減するという、前述と同様の作用効果を奏する。
ただし、この場合、周波数成分(fck−fd)が所望波であれば、不要波を抑圧するためには、合成回路13で減算処理を行う必要がある。
なお、上記実施の形態1(図1)では、クロック信号Cに基づき単一のデジタル振幅データ生成回路50を用いてデジタル信号A1、A2を生成したが、図7のように、2つのデジタル振幅データ生成回路51、52を用いてデジタル信号A1、A2を生成してもよい。
図7において、周波数シンセサイザは、前述のデジタル振幅データ生成回路50に代えて、第1および第2のデジタル振幅データ生成回路(以下、単に「デジタル振幅データ生成回路」という)51、52を備えている。
まず、90度電力分配回路12は、クロック信号Cを90度の位相差で2分配し、クロック信号C1をDAC10およびデジタル振幅データ生成回路51に入力し、クロック信号C2をDAC11およびデジタル振幅データ生成回路52に入力する。
また、デジタル振幅データ生成回路51、52は、累積加算値が上限値(2L−1)以上に達すると、オーバーフロー処理を行い、新しい累積加算値を「累積加算値−2L」とする。
合成回路13は、DAC10、11からのアナログ信号B1、B2を受けると、これらを合成(加算または減算)して、合成後のアナログ信号B3を外部に出力する。
上記構成により、前述と同様に、合成回路13から出力されるアナログ信号B3においては、所望波に近接する不要波を確実に抑圧することができる。
また、前述と同様に、クロック信号源1は、クロック周波数fckを可変設定する信号源により構成されていてもよい。
なお、上記実施の形態1(図1)では、デジタル信号A1をアナログ信号B1に変換するためにDAC10を用いたが、図8のように、PH−DAC(位相ホールディング型D/A変換回路)14を用いてもよい。
図8において、周波数シンセサイザは、前述のDAC10に代えて、PH−DAC14を備えている。
PH−DAC14は、クロック信号C1に同期して、デジタル振幅データ生成回路50からのデジタル信号A1に応じた電圧波形のアナログ信号B1を合成回路13に入力する。
図9から明らかなように、前述(図2参照)の電圧ホールド特性F1(t)において、各係数α、βが、α=1、β=1の場合であるときと同じ特性となる。
したがって、α=βの場合には、DAC10の代わりに、図8のようにPH−DAC14を適用しても、前述の実施の形態1(図1)と同様の動作を実現して、不要波の抑圧効果が得られることが分かる。
なお、上記実施の形態3(図8)では、デジタル信号A1をアナログ信号B1に変換するためにPH−DAC14を用いたが、図10のように、デジタル信号A2をアナログ信号B2に変換するためにPH−DAC15を用いてもよい。
図10において、周波数シンセサイザは、前述のDAC11に代えて、PH−DAC15を備えている。
PH−DAC15は、クロック信号C2に同期して、デジタル振幅データ生成回路50からのデジタル信号A2に応じた電圧波形のアナログ信号B2を合成回路13に入力する。
PH−DAC15においては、前述の式(2)のように、サンプルホールド処理により畳み込み積分演算が行われるので、図11に示した電圧ホールド特性F2(t)は、クロック周期Tsに相当する分だけ時間シフトしたうえで、自身との加算処理を行うことになる。
なお、上記実施の形態3、4(図8、図10)では、前述の実施の形態1(図1)の構成にPH−DAC14、15を適用したが、図12および図13のように、前述の実施の形態2(図7)の構成にPH−DAC14、15を適用してもよい。
図12、図13において、デジタル振幅データ生成回路51、52は、制御信号kおよびクロック信号C1、C2を用いてデジタル信号A1、A2を生成する。
図12および図13に示す周波数シンセサイザにおいても、合成回路13の出力において、前述の実施の形態2〜4と同様に、不要波成分の抑圧効果を実現することができる。
なお、上記実施の形態1(図1)では、デジタル振幅データ生成回路50の具体的構成について言及しなかったが、デジタル振幅データ生成回路50を、図14のように構成してもよい。
図14はこの発明の実施の形態6に係るデジタル振幅データ生成回路50の具体的構成を示すブロック図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
係数演算回路22で算出された各係数α、β、γ、δは、各乗算回路25、26、30、31において個別に用いられる。
マルチプレクサ27からはデジタル信号A1が出力され、マルチプレクサ32からはデジタル信号A2が出力される。
まず、位相アキュムレータ21は、クロック信号源1からクロック信号Cを受けるごとに、中間周波数fdを決定する制御信号kを累積加算して、制御信号kの累積加算値である位相データθを位相振幅変換回路23に入力する。
また、位相アキュムレータ21は、累積加算値(位相データθ)が上限値(2L−1)以上に達すると、オーバーフロー処理を行い、新しい累積加算値を「累積加算値−2L」とする。
なお、係数演算回路22は、制御信号kをアドレスとして各係数α、β、γ、δの値をマップ出力するメモリであってもよく、制御信号kを入力情報として各係数α、β、γ、δの値を算出する演算手段であってもよい。
デジタル源信号X2は、中間周波数fdで、デジタル源信号X1に対し90度の位相差を有する。
これにより、遅延回路24は、デジタル振幅データ生成回路50から最終的に出力されるデジタル信号A1、A2の遅延差を補償する。
したがって、遅延回路24は、配置箇所が限定されることはなく、位相振幅変換回路23からデジタル振幅データ生成回路50の出力端までの間であれば任意でよく、必要に応じて、任意数に増設されてもよい。
加算回路29は、位相振幅変換回路23から直接入力されるデジタル源信号X2と、遅延回路28を介して入力されるデジタル源信号X2とを加算し、加算後のデジタル源信号を乗算回路31に入力する。
乗算回路31は、加算回路29からの加算後のデジタル源信号の振幅を「δ倍」して、マルチプレクサ32に入力する。
このように、図14のデジタル振幅データ生成回路50により、不要波を抑圧するためのデジタル信号A1、A2を生成することができる。
図15において、デジタル振幅データ生成回路50は、位相振幅変換回路23に代えて、第1および第2の位相振幅変換回路(以下、単に「位相振幅変換回路」という)33、34を備えている。
また、各位相振幅変換回路33、34は、位相データθをアドレスとして各デジタル源信号X1、X2の振幅値をマップ出力するメモリであってもよく、位相データθを入力情報として各デジタル源信号X1、X2の振幅値を算出する演算手段であってもよい。
ただし、デジタル振幅データ生成回路50の出力端でのデジタル信号A1、A2に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
これにより、前述と同様に、不要波抑圧用のデジタル信号A1、A2を生成することができ、不要波成分を抑圧することができる。
なお、上記実施の形態6(図14、図15)では、乗算回路31を遅延回路28および加算回路29の後段側に配置したが、図16のように、乗算回路31を遅延回路28および加算回路29の前段側に配置してもよい。
図16はこの発明の実施の形態7に係るデジタル振幅データ生成回路50の具体的構成を示すブロック図であり、前述(図1、図14参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
一方、乗算回路31は、位相振幅変換回路23からのデジタル源信号X2の振幅を「δ倍」して、遅延回路28および加算回路29にそれぞれ出力する。
加算回路29は、乗算回路31から直接入力されるデジタル源信号δ・X2と、遅延回路28を介して入力される遅延後のデジタル源信号δ・X2とを加算し、加算結果をマルチプレクサ32に入力する。
ただし、デジタル振幅データ生成回路50の出力端でのデジタル信号A1、A2に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
この場合、位相振幅変換回路33、34は、位相データθをアドレスとして各デジタル源信号X1、X2の振幅値をマップ出力するメモリであってもよく、位相データθを入力情報として各デジタル源信号X1、X2の振幅値を算出する演算手段であってもよい。
なお、上記実施の形態6、7(図14〜図16)では、第1のデジタル信号出力回路内に乗算回路26およびマルチプレクサ27を設けたが、図17のように、図14内の乗算回路26およびマルチプレクサ27を省略してもよい。
図17はこの発明の実施の形態8に係るデジタル振幅データ生成回路50の具体的構成を示すブロック図であり、前述(図1、図8、図14参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
なお、ここでは、デジタル信号A1をアナログ信号B1に変換するための回路として、前述の実施の形態3(図8)に示すPH−DAC14を用いた場合のデジタル振幅データ生成回路50の構成について説明する。
すなわち、図14〜図16に示すデジタル振幅データ生成回路50において、乗算回路25が乗算回路26の機能を共通化できるので、乗算回路26(または、乗算回路25)を省略することが可能になる。
これにより、遅延回路24は、デジタル振幅データ生成回路50の出力端でのデジタル信号A1とデジタル信号A2との遅延差を補償する。
したがって、遅延回路24が配置される箇所は、位相振幅変換回路23からデジタル振幅データ生成回路50の出力端までの間であれば任意でよく、また、必要に応じて配置数を増設してもよい。
ただし、デジタル振幅データ生成回路50の出力端でのデジタル信号A1とデジタル信号A2との間に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
この場合、位相振幅変換回路33、34は、位相データθをアドレスとして各デジタル源信号X1、X2の振幅値をマップ出力するメモリであってもよく、位相データθを入力情報として各デジタル源信号X1、X2の振幅値を算出する演算手段であってもよい。
なお、上記実施の形態8(図17)では、第1のデジタル信号出力回路内の乗算回路26およびマルチプレクサ27を省略したが、図18のように、第2のデジタル信号出力回路内の遅延回路28、加算回路29、乗算回路31およびマルチプレクサ32を省略してもよい。
なお、ここでは、デジタル信号A2をアナログ信号B2に変換するための回路として、前述の実施の形態4(図10)に示すPH−DAC15を用いた場合のデジタル振幅データ生成回路50の構成について説明する。
すなわち、図14〜図17に示すデジタル振幅データ生成回路50において、乗算回路30が乗算回路31の機能を共通化できるので、乗算回路31(または、乗算回路30)を省略することが可能になる。
ただし、デジタル振幅データ生成回路50の出力端でのデジタル信号A1とデジタル信号A2との間に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
この場合、位相振幅変換回路33、34は、位相データθをアドレスとして各デジタル源信号X1、X2の振幅値をマップ出力するメモリであってもよく、位相データθを入力情報として、各デジタル源信号X1、X2の振幅値を算出する演算手段であってもよい。
なお、上記実施の形態2、5(図7、図12、図13)では、デジタル振幅データ生成回路51の具体的構成について言及しなかったが、デジタル振幅データ生成回路51を、図19のように構成してもよい。
まず、位相アキュムレータ21Aは、クロック信号C1を受けるごとに制御信号kを累積加算し、累積加算値を位相データθとして位相振幅変換回路33に入力する。また、位相アキュムレータ21Aは、累積加算値が上限値(2L−1)以上に達すると、オーバーフロー処理を行い、新しい累積加算値を「累積加算値−2L」とする。
係数演算回路22Aは、制御信号kをアドレスとして各係数α、βの値をマップ出力するメモリであってもよく、制御信号kを入力情報として各係数α、βの値を算出する演算手段であってもよい。
位相振幅変換回路33は、位相データθをアドレスとしてデジタル源信号X1の振幅値をマップ出力するメモリであってもよく、位相データθを入力情報としてデジタル源信号X1の振幅値を算出する演算手段であってもよい。
これにより、遅延回路24は、デジタル振幅データ生成回路51の出力端でのデジタル信号A1と、他方のデジタル振幅データ生成回路52(ここでは、図示せず)からのデジタル信号A2との遅延差を補償する。
したがって、遅延回路24の配置箇所は、位相振幅変換回路33からデジタル振幅データ生成回路51の出力端までの間であれば任意でよく、また、必要に応じて遅延回路の数を増やしてもよい。
マルチプレクサ27は、クロック信号C1のクロック周期Tsの前半分においては、乗算回路25からの入力信号をデジタル信号A1として出力し、クロック信号C1のクロック周期Tsの後半分においては、乗算回路26からの入力信号をデジタル信号A1として出力する。
これにより、前述と同様に、不要波を抑圧するためのデジタル信号A1を生成することができる。
ただし、図19のデジタル振幅データ生成回路51の出力端でのデジタル信号A1と、他方のデジタル振幅データ生成回路52の出力端でのデジタル信号A2との間に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
なお、上記実施の形態10(図19)では、デジタル振幅データ生成回路51内に2つの乗算回路25、26およびマルチプレクサ27を設けたが、図20のように、一方の乗算回路26およびマルチプレクサ27を省略してもよい。
図20はこの発明の実施の形態11に係るデジタル振幅データ生成回路51の具体的構成を示すブロック図であり、前述(図7、図17参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
すなわち、図20のデジタル振幅データ生成回路51において、乗算回路25、26を単一の乗算回路で共通化できることになる。
遅延回路24は、デジタル振幅データ生成回路51の出力端でのデジタル信号A1と、他方のデジタル振幅データ生成回路52(ここでは、図示せず)の出力端でのデジタル信号A2との遅延差を補償する。
したがって、遅延回路24の配置箇所は、位相振幅変換回路33からデジタル振幅データ生成回路51の出力端までの間であれば任意でよく、また、必要に応じて、遅延回路数を増やしてもよい。
これにより、前述と同様に、不要波を抑圧するためのデジタル信号A1を生成することができる。
ただし、デジタル振幅データ生成回路51の出力端でのデジタル信号A1と、他方のデジタル振幅データ生成回路52の出力端でのデジタル信号A2との間に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
なお、上記実施の形態2、5(図7、図12、図13)では、デジタル振幅データ生成回路52の具体的構成について言及しなかったが、デジタル振幅データ生成回路52を、図21のように構成してもよい。
まず、位相アキュムレータ21Bは、クロック信号C2を受けるごとに、制御信号kを累積加算して、制御信号kの累積加算値である位相データθを位相振幅変換回路34に入力するとともに、累積加算値が上限値(2L−1)以上に達すると、オーバーフロー処理を行い、新しい累積加算値を「累積加算値−2L」とする。
係数演算回路22Bは、制御信号kをアドレスとして各係数γ、δの値をマップ出力するメモリであってもよく、制御信号kを入力情報として各係数γ、δの値を算出する演算手段であってもよい。
位相振幅変換回路34は、位相データθをアドレスとしてデジタル源信号X2の振幅値をマップ出力するメモリであってもよく、位相データθを入力情報としてデジタル源信号X2の振幅値を算出する演算手段であってもよい。
加算回路29は、位相振幅変換回路34から直接入力されるデジタル源信号X2と、遅延回路28を介したデジタル源信号X2とを加算し、加算結果を乗算回路31に入力する。
マルチプレクサ32は、クロック信号C2のクロック周期Tsの前半分においては、乗算回路30からの入力信号をデジタル信号A2として出力し、クロック信号C2のクロック周期Tsの後半分においては、乗算回路31からの入力信号をデジタル信号A2として出力する。
これにより、前述と同様に、不要波を抑圧するためのデジタル信号A2を生成することができる。
ただし、デジタル振幅データ生成回路52の出力端でのデジタル信号A2と、他方のデジタル振幅データ生成回路51(ここでは、図示せず)の出力端でのデジタル信号A1との間に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
なお、上記実施の形態12(図21)では、乗算回路31を、遅延回路28および加算回路29の後段側に配置したが、図21のように、乗算回路31を、遅延回路28および加算回路29の前段側に配置してもよい。
一方、乗算回路31は、位相振幅変換回路34からのデジタル源信号X2の振幅を「δ倍」して、遅延回路28および加算回路29に入力する。
加算回路29は、乗算回路31の出力信号(デジタル源信号)と遅延回路28を介した乗算回路31の出力信号(デジタル源信号)とを加算し、加算結果をマルチプレクサ32に入力する。
これにより、前述と同様に、不要波を抑圧するためのデジタル信号A2を生成することができる。
ただし、デジタル振幅データ生成回路52の出力端でのデジタル信号A2と、デジタル振幅データ生成回路51(ここでは、図示せず)の出力端でのデジタル信号A1との間に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
なお、上記実施の形態12、13(図21、図22)では、デジタル振幅データ生成回路52内に2つの乗算回路30、31、遅延回路28、加算回路29およびマルチプレクサ32を設けたが、図23のように、一方の乗算回路31および乗算回路31に関連する回路構成(遅延回路28、加算回路29、マルチプレクサ32)を省略してもよい。
すなわち、図21、図22のデジタル振幅データ生成回路52において、乗算回路30、31を、単一の乗算回路で共通化できることになる。
これにより、前述と同様に、不要波を抑圧するためのデジタル信号A2を生成することができる。
ただし、デジタル振幅データ生成回路52の出力端でのデジタル信号A2と、デジタル振幅データ生成回路51(ここでは、図示せず)の出力端でのデジタル信号A1との間に遅延差が生じないように、遅延回路を適宜配置する必要がある。
Claims (23)
- クロック信号を生成するクロック信号源と、
前記クロック信号をクロック周波数において互いに90度位相差となる第1のクロック信号と第2のクロック信号とに電力分配する90度電力分配回路と、
前記クロック信号に同期して、外部からの制御信号に応じた中間周波数となる第1のデジタル信号と第2のデジタル信号とを生成するデジタル振幅データ生成回路と、
前記第1のクロック信号に同期して、前記第1のデジタル信号に応じた第1のアナログ信号を畳み込み積分演算により生成する第1のD/A変換回路と、
前記第2のクロック信号に同期して、前記第2のデジタル信号に応じた第2のアナログ信号を畳み込み積分演算により生成する第2のD/A変換回路と、
前記第1のアナログ信号と前記第2のアナログ信号とを合成する合成回路とを備え、
前記第1のアナログ信号は、前記第1のクロック信号の周期の前半と後半とで符号が反転し、
前記第2のアナログ信号は、前記第2のクロック信号の周期の前半と後半とで極性が反転することを特徴とする周波数シンセサイザ。 - クロック信号を生成するクロック信号源と、
前記クロック信号をクロック周波数において互いに90度位相差となる第1のクロック信号と第2のクロック信号とに電力分配する90度電力分配回路と、
前記第1のクロック信号に同期して、外部からの制御信号に応じた中間周波数となる第1のデジタル信号を生成する第1のデジタル振幅データ生成回路と、
前記第2のクロック信号に同期して、外部からの制御信号に応じた中間周波数となる第2のデジタル信号を生成する第2のデジタル振幅データ生成回路と、
前記第1のクロック信号に同期して、前記第1のデジタル信号に応じた第1のアナログ信号を畳み込み積分演算により生成する第1のD/A変換回路と、
前記第2のクロック信号に同期して、前記第2のデジタル信号に応じた第2のアナログ信号を畳み込み積分演算により生成する第2のD/A変換回路と、
前記第1のアナログ信号と前記第2のアナログ信号とを合成する合成回路とを備え、
前記第1のアナログ信号は、前記第1のクロック信号の周期の前半と後半とで符号が反転し、
前記第2のアナログ信号は、前記第2のクロック信号の周期の前半と後半とで極性が反転することを特徴とする周波数シンセサイザ。 - 前記第1または第2のD/A変換回路のいずれか一方は、位相ホールディング型D/A変換回路により構成され、
前記位相ホールディング型D/A変換回路は、前記第1または第2のクロック信号のいずれか一方の標本化周期ごとに、周期の前半では、入力されたデジタル信号の値をアナログ信号の値に変換し、周期の後半では、入力されたデジタル信号の極性を反転した値をアナログ信号の値に変換することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記デジタル振幅データ生成回路は、
前記中間周波数を決定する前記制御信号に応じて複数の内部演算用係数を出力する係数演算回路と、
前記クロック信号を受けるごとに前記制御信号を累積加算し、前記制御信号の累積加算値を出力するとともに、前記累積加算値が上限値に到達すると前記累積加算値をオーバーフロー処理する位相アキュムレータと、
前記累積加算値に対応した振幅を有する第1および第2のデジタル源信号を出力する位相振幅変換回路と、
前記第1のデジタル源信号に対し、前記複数の内部演算用係数のいずれかに応じた振幅制御を行い、前記第1のデジタル信号を出力する第1のデジタル信号出力回路と、
前記第2のデジタル源信号に対し、前記複数の内部演算用係数のいずれかに応じた振幅制御を行い、前記第2のデジタル信号を出力する第2のデジタル信号出力回路と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記デジタル振幅データ生成回路は、
前記中間周波数を決定する前記制御信号に応じて複数の内部演算用係数を出力する係数演算回路と、
前記クロック信号を受けるごとに前記制御信号を累積加算し、前記制御信号の累積加算値を出力するとともに、前記累積加算値が上限値に到達すると前記累積加算値をオーバーフロー処理する位相アキュムレータと、
前記累積加算値に対応した振幅を有する第1のデジタル源信号を出力する第1の位相振幅変換回路と、
前記累積加算値に対応した振幅を有する第2のデジタル源信号を出力する第2の位相振幅変換回路と、
前記第1のデジタル源信号に対し、前記複数の内部演算用係数のいずれかに応じた振幅制御を行い、前記第1のデジタル信号を出力する第1のデジタル信号出力回路と、
前記第2のデジタル源信号に対し、前記複数の内部演算用係数のいずれかに応じた振幅制御を行い、前記第2のデジタル信号を出力する第2のデジタル信号出力回路と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記第1のデジタル振幅データ生成回路は、
前記中間周波数を決定する前記制御信号に応じて複数の内部演算用係数を出力する係数演算回路と、
前記クロック信号を受けるごとに前記制御信号を累積加算し、前記制御信号の累積加算値を出力するとともに、前記累積加算値が上限値に到達すると前記累積加算値をオーバーフロー処理する位相アキュムレータと、
前記累積加算値に対応した振幅を有する第1のデジタル源信号を出力する第1の位相振幅変換回路と、
前記第1のデジタル源信号に対し、前記複数の内部演算用係数のいずれかに応じた振幅制御を行い、前記第1のデジタル信号を出力する第1のデジタル信号出力回路と
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記第2のデジタル振幅データ生成回路は、
前記中間周波数を決定する前記制御信号に応じて複数の内部演算用係数を出力する係数演算回路と、
前記クロック信号を受けるごとに前記制御信号を累積加算し、前記制御信号の累積加算値を出力するとともに、前記累積加算値が上限値に到達すると前記累積加算値をオーバーフロー処理する位相アキュムレータと、
前記累積加算値に対応した振幅を有する第2のデジタル源信号を出力する第2の位相振幅変換回路と、
前記第2のデジタル源信号に対し、前記複数の内部演算用係数のいずれかに応じた振幅制御を行い、前記第2のデジタル信号を出力する第2のデジタル信号出力回路と
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項6に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記第1のデジタル信号出力回路は、
前記第1のデジタル源信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する第1の乗算回路と、
前記第1のデジタル源信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する第2の乗算回路と、
前記クロック信号の周期に応じて、前記第1の乗算回路の出力信号または前記第2の乗算回路の出力信号のいずれか一方を選択するマルチプレクサと
を備えたことを特徴とする請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記第1のデジタル信号出力回路は、前記第1のデジタル源信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する乗算回路を備えたことを特徴とする請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記第2のデジタル信号出力回路は、
前記第2のデジタル源信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する第3の乗算回路と、
前記第2のデジタル源信号に所定の遅延量を与える遅延回路と、
前記第2のデジタル源信号と前記遅延回路を介した第2のデジタル源信号とを加算する加算回路と、
前記加算回路の出力信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する第4の乗算回路と、
前記クロック信号の周期に応じて、前記第3の乗算回路の出力信号または前記第4の乗算回路の出力信号のいずれか一方を選択するマルチプレクサと
を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5または請求項7に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記第2のデジタル信号出力回路は、
前記第2のデジタル源信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する第3の乗算回路と、
前記第2のデジタル源信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する第4の乗算回路と、
前記第4の乗算回路の出力信号に所定の遅延量を与える遅延回路と、
前記遅延回路の出力信号と前記第4の乗算回路の出力信号とを加算する加算回路と、
前記クロック信号の周期に応じて、前記第3の乗算回路の出力信号または前記加算回路の出力信号のいずれか一方を選択するマルチプレクサと
を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5または請求項7に記載の周波数シンセサイザ。 - 前記第2のデジタル信号出力回路は、前記第2のデジタル源信号に前記複数の内部演算用係数のいずれかを乗算する乗算回路を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5または請求項7に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記第1および第2の乗算回路の少なくとも一方は、入力端子と出力端子とが直結されたことを特徴とする請求項8に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記第3および第4の乗算回路の少なくとも一方は、入力端子と出力端子とが直結されたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記乗算回路は、入力端子と出力端子とが直結されたことを特徴とする請求項9または請求項12に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記デジタル振幅データ生成回路は、前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号との間の遅延差、または、前記第1のアナログ信号と前記第2のアナログ信号との間の遅延差を調整する遅延回路を備えたことを特徴とする請求項1または請求項4または請求項5に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記第1のデジタル振幅データ生成回路は、前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号との間の遅延差、または、前記第1のアナログ信号と前記第2のアナログ信号との間の遅延差を調整する遅延回路を備えたことを特徴とする請求項2または請求項6または請求項7に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記第2のデジタル振幅データ生成回路は、前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号との間の遅延差、または、前記第1のアナログ信号と前記第2のアナログ信号との間の遅延差を調整する遅延回路を備えたことを特徴とする請求項2または請求項7に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記位相振幅変換回路は、複数のデジタル信号値が格納されたメモリにより構成され、前記位相アキュムレータから入力された前記累積加算値をアドレスとして、前記累積加算値に対応した振幅を有するデジタル信号値を、前記第1および第2のデジタル信号として出力することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記第1および第2の位相振幅変換回路の少なくとも一方は、複数のデジタル信号値が格納されたメモリにより構成され、前記位相アキュムレータから入力された前記累積加算値をアドレスとして、前記累積加算値に対応した振幅を有するデジタル信号値を、前記第1または第2のデジタル信号として出力することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記位相振幅変換回路は、演算回路により構成され、前記位相アキュムレータから入力された前記累積加算値に対応した振幅を有する前記第1および第2のデジタル信号を算出することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記第1および第2の位相振幅変換回路の少なくとも一方は、演算回路により構成され、前記位相アキュムレータから入力された前記累積加算値に対応した振幅を有する前記第1または第2のデジタル信号を算出することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の周波数シンセサイザ。
- 前記クロック信号源は、前記クロック信号の周波数を可変設定する信号源により構成されたことを特徴とする請求項1から請求項22までのいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
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