JP5421385B2 - 液体金属の鋳造設備のための取瓶シュラウド - Google Patents

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Description

本発明は、液体金属の鋳造設備、及び特にこのような設備内部に導入されることができる取瓶シュラウドに関する。
取瓶シュラウドは、軸線に本質的に沿って延びる管を具備するチューブである。管により、取瓶などの冶金容器からの液体金属がタンディッシュに移動することを可能にする。このようなチューブは、管の軸線が鉛直であると共にチューブの上方端部が設備の上流要素と接触するように、設備内部に導入される一方で、チューブの下方端部は、タンディッシュに浸される。
取瓶シュラウドは、管の上方端部部分に対応するシュラウドの端部部分に、先行技術により公知となっている、チューブ本体のフレームを形成する金属外装部を具備し、この金属外装部は、5mm以下の厚さである。このような外装部は、その小さなサイズにより、耐熱性材料から作成されるシュラウドを製造するときに生じる不可避の寸法誤差を減少させることのみに役立つ。特に、このような外装部は、シュラウドの使用に関連する応力負荷(温度、圧力)と全く両立することができず、したがって、取瓶シュラウドを保持し又は位置決めするこの外装部の使用を想像することができない。こうした問題は、摺動することによって取瓶シュラウドを導入する装置にこのようなシュラウドを使用する要求があるならば、さらに深刻である。このような場合において、負荷(例えば引っ張り応力負荷)が、従来の押し嵌め装置におけるものよりもむしろなお局所的であるからである。
設備内部にシュラウドを導入する前に、シュラウドの端部部分を、取り外し可能な補剛フレーム(例えば、特許文献1参照)内部に取り付けることができる。このフレームは次いで支持体に配置され、シュラウド及びフレームの組立体は鋳造設備内部に導入され、それにより、シュラウドの端部部分は鋳造設備の上流要素と接触する。
国際公開第2004/052576(A1)号
このようなフレームの取り付けは、相当に長いものであり、オペレータが行う作用を比較的複雑にする。このようなフレームはまた、非常に高価である。したがって、特に鋳造に関連するコストを減少させるために、鋳造設備における作用を簡易化する必要がある。
この目的を達成するために、本発明の対象の1つは、
液体金属を鋳造するための取瓶シュラウドであって、
金属が沿って通過できる管であって、軸線に本質的に沿って延びる管と、
管の端部に対応するシュラウドの端部部分に位置決めされた金属外装部と
を具備し、
外装部が、10mm、好ましくは14mm以上の厚さの少なくとも1つの部分を具備し、
シュラウドがさらに、チューブ駆動手段に対する取り付け手段を具備し、
取り付け手段が、外装部に、特にその厚い部分に形成される、
取瓶シュラウドである。
したがって、本発明によるシュラウドは、その外装部の厚さにより、先行技術のシュラウドよりも頑丈であり、このシュラウドが設備内部に導入されるときにシュラウドの上方端部を形成する端部部分に受けるであろう負荷、具体的には引っ張り応力負荷に耐えることがより良好に可能である。さらに、シュラウドがチューブ駆動手段に取り付け手段を具備するので、これらの手段は、例えば、シュラウドを鋳造設備に移動させかつ保持することができる支持体からなり、その機械的特性が十分であるので、フレームの存在を省くことができる。
このことにより、設備内部にシュラウドを導入する工程を簡易化することが可能になる。シュラウドをオペレータによって操作することを必要とする段階であって、フレーム内部にシュラウドを取り付ける段階が省略されるからである。したがって、設備へのシュラウドの取り付けは、より迅速かつより安価となる。
さらに、シュラウドが既に使用さてスクラップされるときに、フレームとシュラウドとを分離させる段階がもはや必要とされない。実際上、この作用はしばしば、鋳造作用の際にはねて固まった金属の溶滴によって非常に困難になる。固まったスチールの溶滴は、先行技術のフレームの構成部分同士を溶接する。
加えて、フレームが省略されるので、設備内部に導入されたシュラウドは、シュラウド及びフレームの両方を具備する先行技術の鋳造要素ほど重くない。鋳造設備に取瓶シュラウドを保持すると共にシュラウドを移動させる工具を簡易化することもできる。鋳造に関するコストが、それによりさらに減少する。
最後に、切欠き部をベルト部に形成することができるベルト部手段の厚さと、取瓶シュラウドの保持装置及び位置決め装置の両方又は一方と協働するこれらの切欠き部とは、使用の過程において、金属外装部が破壊され変形されるリスクなしに、鋳造位置に取瓶シュラウドを保持し、支持し又は導入するのに役立つ。
本発明はさらに、以下のリストから1又は複数の特徴を含む。
− シュラウドは、端部部分において、シュラウドの別の部分の断面とは異なる形状若しくは異なるサイズを有し又はその両方を有する、管の軸線に対して直角である少なくとも1つの断面を具備し、端部部分の断面は、具体的には、矩形、好ましくは正方形である。したがって、端部部分の断面は、フレームが取り付けられたシュラウドを受け取る既存の鋳造設備及び支持体に取り付けられるように、一般的には円形であるシュラウドの残り部分の断面との関連で変更される。さらに、端部部分が正方形断面を有するので、この端部部分を設備及び支持体の両方又は一方に位置決めすることが容易になる。
− 金属外装部は単一の部品として製造される。結果として、このことにより、先行技術で行われているように、外装部の様々な部分を接続する接続作用、特に溶接を使用する接続作用が必要となるのを避ける。結果として、このことはさらに、シュラウドの製造方法を簡易化する。さらに、シュラウドの頑丈さが単一の部品として作成された外装部により改善し、このことは、外装部の厚さ及びシュラウドの重量をさらにわずかに減少させることができるということを意味する。
− チューブは、第1の材料から作成されるチューブ本体を具備し、第2の材料は、特にチューブ本体と外装部との間において、シュラウドの端部部分で本体上にオーバーモールドされる。したがって、このようなシュラウドは、簡易な製造方法を使用して製造される。2つの互いに異なる断面を具備するシュラウドを単一の作用で製造することよりも、実際には、例えば鋳造、プレス加工又は押し出し加工によってチューブ本体を製造し、次いで第2の材料がチューブ本体の上にオーバーモールドされることがさらに有利である。この技術を使用して、比較的複雑な形状のシュラウドが容易かつ安価なやり方で製造される。
− 外装部の厚い部分は、シュラウドの少なくとも1つの外周部にわたって延びる。このことによって、シュラウドが支持体及び鋳造設備の両方又は一方に位置決めされるどのような配向においても、チューブの丈夫さを改善することが可能になる。
− シュラウドは平坦な表面の端部部分で終端する。この場合では、シュラウドは摺動することによって鋳造設備内部に導入され、すなわち、シュラウドの平坦な表面は、設備の直接の上流要素と接触し、鋳造の過程において、この要素に対して摺動する。この場合において、シュラウドがこの表面で受ける応力負担は、シュラウドを損傷するリスクをもたらす比較的高い引っ張り応力負荷である。しかしながら、外装部の厚さは、シュラウドが摺動によって設備内部に導入されたときでさえ、チューブが十分に丈夫であることを確保するのに十分である。
有利には、切欠き部は、上流要素に対してシュラウドの軸線回りのシュラウドの角度配向を制御するための手段として作用し、これらの手段は、シュラウドに互いに異なる少なくとも3つの配向を付与することができる。したがって、鋳造要素、特にチューブを、1又は複数の所定の配向で取瓶の下に導入することができる。結果として、毎回シュラウドが再利用され、設備の上流要素に対して配置されることになる角度配向を、制御することが可能であり、場合により、以前の使用の際にシュラウドが位置決めされた角度配向に応じて制御することが可能である。
したがって、チューブの内部の磨耗のより良好な分布を得ることができる。具体的には、スチール鋳造取瓶を離れる流れは、特に鋳造の際に部分的に閉じられることが可能である開口を具備する「スライドバルブ」として公知であるバルブが取瓶と取瓶シュラウドとの間にあるときに、わずかに配向される。この開口が部分的に閉じられた位置にあるときに、液体金属の流れは正弦曲線状に移動し、例えば、さらに具体的には、液体金属の流れが、シュラウドの内壁の所与の部分に向かって方向付けられ、液体金属の流れがシュラウドの内壁上でいわば反射されて、壁の反対部分に向かって方向付けられる。現在では、流れが方向付けられる取瓶シュラウドの内壁の部分は、液体金属が上昇される高い温度により、この壁の残りの部分よりも早く磨耗する。したがって、内壁の一部分のみが他の部分との比較で非常に磨耗されるので、使用に応じて最も磨耗しやすい壁の部分を分散することによって、チューブの壁の内部磨耗が均一にされ、チューブがスクラップされる必要がなくなる(チューブの配向がランダムであると、このような状況になりうる。)。したがって、シュラウドの寿命が延ばされる。
さらに、配向制御手段により、液体金属の流れを配向することが容易となる。シュラウドが設備に配置される位置が、正確に知られているからである。したがって、例えばシュラウドには開口が取り付けられることが可能となり、その結果、流れは、1又は複数の優先方向に向かってタンディッシュに流れる。このことにより、鋳造の効率を改善することが可能になる。
本発明の別の対象は、第1の材料と本体上にオーバーモールドされた第2の材料とから作成された本体を具備する、本発明による取瓶シュラウドを製造する方法であって、
− チューブ本体が第1の材料から作成され、
− 金属外装部が、シュラウドの端部部分に位置決めされるようにチューブ本体の上に嵌められ、
− 第2の材料が外装部とチューブ本体との間でオーバーモールドされる、
方法である。
この方法により、本発明によりシュラウドを製造することが簡易かつ安価なやり方で可能になる。
本発明の1つの特定の実施形態に係る、取瓶シュラウドの端部部分の斜視図。
本発明は、単に例として与えられたと共に単一の図を参照しつつ作成された、以下の記載を読むことからより良好に理解される。
図1は、液体金属の、特に液体スチール用の鋳造設備のための取瓶シュラウド10を示す。シュラウド10は、金属が沿って通過することのできる管11であって、シュラウドが使用の位置にあるときに鉛直である軸線に本質的に沿って延びる管11を具備する。図1は特に、シュラウドがその使用の位置にあるときに、シュラウドの上方端部、すなわち鋳造設備の上流要素に接触することができる端部を示す。
シュラウドは、耐熱性材料から作成されたチューブ本体12を具備し、その端部において、正方形断面のヘッド14が、円形断面のチューブ本体12の断面とは異なる形状を有する。断面は、管11の軸線に対して直角であるものとして画定される。
さらに、ヘッド14の正方形断面は、チューブ本体12の円形断面よりもサイズが大きく、結果として、シュラウドの本体12とヘッド14との間において、取瓶シュラウド10は返し表面15を具備し、この返し表面は、シュラウドが使用の位置にあるときに、本質的に水平であり、シュラウドの下方端部に向かって対面する。したがって、シュラウドのヘッドは、形状及びサイズがシュラウドの残りの部分とは異なる。フレームを備える先行技術の鋳造要素の寸法を再現することが可能であり、したがって、既存する鋳造要素又はチューブハンドリング装置に取り付けられることが可能である。
シュラウドのヘッド14は、その端部において、平坦な接触表面16で終端する。この表面16は特に、設備の上流要素と接触することが可能であり、上流要素に当接して摺動するので、この表面には張力が付与される。
さらに、図1から理解できるように、単一の部品として作成されている外装部17は、チューブ本体12の端部部分の周りに配置される。この外装部17は、金属材料、特にスチールから作成され、ヘッド14全体とシュラウド10のチューブ状部分の上方部分とを覆う。
外装部17は、外装部の残り部分よりも厚いベルト部18を形成する環状部分を具備する。ベルト部18の厚さは、10mmよりも厚く、好ましくは14mmよりも厚い一方で、外装部の残りの部分は、2〜7mm、好ましくは4〜6mmの厚さである。金属外装部のベルト部18は、この外装部がヘッド14を覆う部分に形成される。
さらに、外装部17は、外装部のベルト部18bに、特にこのベルト部の下方部分に形成された、例えば4つの切欠き部である取り付けの手段20を具備する。4つの切欠き部は同一である。切欠き部により、シュラウドをチューブ駆動手段に取り付けることが可能であり、こうした駆動手段は特に、導入部にシュラウドを保持するチューブマニピュレータアーム又はH字形状の支持部からなる。各切欠き部は、ヘッド14の互いに異なる側面上であってこの面の中央部に位置する。
切欠き部は、チューブの支持体のピンの相補的な当接表面と協働することができる当接表面によって範囲を定められる。具体的には、ヘッド14の対向する側面に位置した2つの切欠き部は、支持体の2つのピンと協働する。シュラウドが4つの切欠き部を具備するので、支持体に対して、結果として設備の上流要素に対して管の軸線回りにいくつかの角度配向をシュラウドに付与することができる。具体的には、切欠き部が互いに同一であると共にヘッドに均等に分散されているので、シュラウドを4つの互いに異なる配向で支持体に取り付けることができる。
さらに、金属外装部17は、シュラウドのチューブ状部分を覆う部分において、管の軸線に本質的に沿って延びると共に三角形断面である4つの同一のフィン22を具備する。各フィン22は切欠き部のうちの1つの下に位置し、したがって、フィンは、90°だけ離間している。フィン22により、支持体の所までチューブ10を移動させるハンドリング装置に所望の配向で、シュラウドを位置決めすることができる。
フィン22は特に、ハンドリング装置に属する相補的な形状の切欠き部と協働すると共にチューブ案内手段を形成することを意図する。シュラウドが4つのフィン22を具備するので、様々な配向で支持体にシュラウドを嵌合させるように、ハンドリング装置に対して管の軸線回りにいくつかの配向でハンドリング装置にシュラウドを配置することができる。
上述のようなシュラウドは、その周りのフレームの存在を省くことを可能にし、このことにより、シュラウドであって、その剛性が、シュラウドが受ける状況を耐えるのに十分であるシュラウドを提供すると同時に、シュラウドを鋳造設備内部に取り付けることを容易にする。
シュラウドを製造する方法がこれより記載される。
まず第1に、チューブ本体12が押し出し加工、鋳造又はプレス加工によって製造される。その次に、このシュラウドが形成された時点で、金属外装部17が本体12の端部部分の上に嵌められる。この時点では、シュラウドの端部部分において、チューブ本体12と外装部17との間に空間がある。
第2の材料が次いで、チューブ本体12と外装部17との間でオーバーモールドされ、この材料は、チューブ本体12と外装部17との間の空間を満たす。
このような製造方法の利点は、相当に簡易な製造方法を使用する一方で、既存の設備に取り付けられることが可能である正方形のヘッド又は他の形状のヘッドを有するシュラウドを製造することができることにある。
本発明が上述の実施形態に制限されないことに留意されたい。
例えば、チューブ本体及び外装部は、上述された材料以外の材料から作成されてもよい。シュラウドのヘッドはさらに、上述の断面以外の断面を有してもよい。
同様に、駆動手段又はチューブ案内手段に対する取り付けの手段20を、異なるように形成し配置してもよい。例えば、シュラウドは、2つのみの切欠き部を有してもよく、又は場合により、こうした切欠き部の代わりに金属外装部に形成される複数のピンを有してもよく、これによりシュラウドを駆動手段に取り付けることができる。
さらに、第2の材料をオーバーモールドすることなしに、より複雑になるにもかかわらず異なる形状の断面を有するシュラウドを製造することができる。
外装部の厚さ及び形状はさらに、シュラウドが鋳造方法に耐えるのに十分な剛性である限りにおいて、上述の外装部の厚さ及び形状と異なってもよい。

Claims (5)

  1. 液体金属を鋳造するための取瓶シュラウド(10)であって、
    金属が沿って通過できる管(11)であって、軸線に本質的に沿って延びる管と、
    管の端部に対応するシュラウドの端部部分に位置決めされた金属外装部(17)と、
    を具備する、
    取瓶シュラウドにおいて、
    外装部(17)が、10mm以上の厚さの少なくとも1つのベルト部(18)を具備し、
    シュラウド(10)が、取瓶にシュラウドを保持するチューブ駆動手段に対してシュラウドを取り付けることを可能にする4つの取り付け手段(20)を具備し、
    取り付け手段が、外装部(17)のベルト部(18)に形成され、
    端部部分において、シュラウドの別の部分の断面とは形状及びサイズの両方又は一方が異なる、管の軸線に対して直角である少なくとも1つの断面(14)を具備し、
    端部部分の断面が、具体的には正方形であり、
    各取り付け手段(20)は、外装部(17)の互いに異なる側面上に位置する、
    取瓶シュラウド。
  2. 金属外装部(17)が単一の部品として製造される、
    請求項1に記載のシュラウド(10)。
  3. 第1の材料から作成されるチューブ本体(12)を具備し、
    第2の材料が、シュラウドの端部部分で本体上にオーバーモールドされる、
    請求項1〜2のいずれか1項に記載のシュラウド(10)。
  4. 摺動することによって取瓶にシュラウドを導入することができるように、平坦な表面(16)の端部部分で終端する、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のシュラウド(10)。
  5. 請求項3による取瓶シュラウド(10)を製造する方法であって、
    − チューブ本体(12)が第1の材料から作成され、
    − 金属外装部(17)が、シュラウドの端部部分に位置決めされるようにチューブ本体の上に嵌められ、
    − 第2の材料から作成される部分が、外装部(17)とチューブ本体(12)との間でオーバーモールドされる、
    取瓶シュラウドを製造する方法。
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